(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】リズム音発生装置
(51)【国際特許分類】
G10H 1/047 20060101AFI20241016BHJP
G10H 1/00 20060101ALI20241016BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G10H1/047
G10H1/00 A
H04R1/02 103Z
(21)【出願番号】P 2021105897
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2020110992
(32)【優先日】2020-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】391022854
【氏名又は名称】竹本 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100174584
【氏名又は名称】田甫 佐雅博
(72)【発明者】
【氏名】竹本 信之
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-106829(JP,A)
【文献】特開2009-152711(JP,A)
【文献】特開2001-092459(JP,A)
【文献】特開平04-039695(JP,A)
【文献】特許第7392736(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10D 13/00-13/24
G10H 1/00- 7/12
G10K 15/00-15/12
H04R 1/00-31/00
H04S 1/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その入力端子部に音源ユニットからの楽音信号の供給を受け、その出力端子部からの出力をスピーカーに供給し、音源ユニットからの楽音信号の強弱を変化させたリズム音を発生するリズム音発生装置であって、
第1のコイル、
前記第1のコイルとの間で磁気的に結合する第2のコイル、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせるための操作部、および
前記操作部の操作によって前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性が変化自在となるように、前記第1のコイルと前記第2のコイルを所定の位置関係で支持して取り付ける取付部材を備え、
前記第1のコイルと前記第2のコイルの何れか一方のコイルが前記入力端子部に接続され、他方のコイルが前記出力端子部に接続されて使用され、
前記取付部材は、前記操作部が前記音源ユニットからの楽音信号のリズムに合わせて操作されるとき、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせ、
さらに、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化に応じて、前記出力端子部側に接続された前記他方のコイルに誘起される電流を変化させて、当該電流の変化に基づく前記音源ユニットからの楽音信号の強弱を変化させた信号を前記スピーカーに与えて、音源ユニットからの楽音信号と当該楽音信号のリズムに関連するリズム音を合成して発生する音発生回路を備えたことを特徴とする、リズム音発生装置。
【請求項2】
前記取付部材は、前記第1のコイルを取り付ける板状の第1の取付部と、前記第2のコイルを第1のコイルに対向させて取り付ける板状の第2の取付部と、第1の取付部及び
第2の取付部を湾曲状に連結する連結
部とを含み、
前記操作部は、前記連結部を変位させるように、前記第1の取付部および前記第2の取付部の少なくとも一方の一部を操作することによって、前記第1のコイルと前記第2のコイルを近接させ又は遠ざけるように相対的位置を変位させる、請求項1に記載のリズム音発生装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記第1のコイルを装着する棒状の第1の取付部と、前記第2のコイルを第1のコイルに対向させて装着する棒状の第2の取付部と、前記第1の取付部と前記第2の取付部とを弾性力を有するように連結する連結部とから構成され、
前記操作部は、前記第1の取付部と前記第2の取付部を手で握り締める操作によって、前記連結部の弾性力によって前記第1の取付部と前記第2の取付部の位置関係を変位させて、前記第1のコイルと前記第2のコイルを近接させ又は遠ざけるように相対的位置を変位させることを特徴とする、請求項1に記載のリズム音発生装置。
【請求項4】
前記取付部材は、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルの何れか一方のコイルを固定的に支持し、他方のコイルを摺動自在に支持し、
前記操作部は、他方のコイルを掴む部分で兼用され、当該他方のコイルを摺動させて一方のコイルに対して近接させ又は遠ざけるように相対的位置関係を変位させる操作によって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせる、請求項1に記載のリズム音発生装置。
【請求項5】
前記取付部材は、前記第1のコイルと前記第2のコイルを個別に装着して、演奏者の親指と親指に対向する指に装着するセパレートタイプの装着部材であり、
前記操作部は、前記各装着
部材を演奏者の親指と親指に対向する指に装着した状態で、親指と親指に対向する指を近接させたり遠ざけるように移動させることによって、演奏者の手の2本の指で兼用され、それによって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせる、請求項1に記載のリズム音発生装置。
【請求項6】
前記操作部は、鉄心部を含み、
前記取付部材は、前記第1のコイルと前記第2のコイルを所定の位置関係で固定的に支持するとともに、前記鉄心部を前記第1のコイルと前記第2のコイルに関連して摺動自在に支持するガイド部を含み、
前記操作部は、鉄心部を摺動させる操作によって前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせる、請求項1に記載のリズム音発生装置。
【請求項7】
その入力端子部に音源ユニットからの楽音信号の供給を受け、その出力端子部からの出力をスピーカーに供給し、音源ユニットからの楽音信号の強弱を変化させたリズム音を発生するリズム音発生装置であって、
第1のコイル、
前記第1のコイルとの間で磁気的に結合する第2のコイル、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせるための操作部、および
その一方面に前記第1のコイルを固定的に支持し、その他方面に前記第2のコイルを移動自在に支持するガイド部を有する取付部材を備え、
前記取付部材は、その一方端
部に近接する位置
で前記第1のコイルを固定的に支持し、その他方側で前記第2のコイルを摺動自在に支持するガイド部を含み、
前記操作部は、前記ガイド部の軸方向に沿って摺動自在に支持され、前記第1のコイルと前記第2のコイルの間で磁気回路を形成する鉄心として働くコア部材であり、
前記第1のコイルと前記第2のコイルの何れか一方が前記入力端子部に接続され、第1のコイルと第2のコイルの何れか他方が前記出力端子部に接続して使用され、
さらに、前記ガイド部によって支持された前記第2のコイルおよび前記コア部材の少なくとも一方を、前記音源ユニットからの楽音信号のリズムに合わせて当該ガイド部に沿って摺動させることによって、磁気的特性を変化させて、前記出力端子部側に接続された前記第1のコイルと第2のコイルの何れか他方に誘起される電流を変化させて、当該電流の変化に基づく音源ユニットからの楽音信号の強弱を変化させた信号を前記スピーカーに与えて、音源ユニットからの楽音信号と当該楽音信号のリズムに関連するリズム音を合成して発生する音発生回路を備えたことを特徴とする、リズム音発生装置。
【請求項8】
前記音源ユニットは、少なくとも、第1のチャンネル用と第2のチャンネル用の2チャンネルの楽音信号を発生するものであり、
前記第1のコイルと、前記第2のコイルと、前記取付部材と、前記操作部によってリズム音発生機構部が構成され、
前記リズム音発生機構部は、少なくとも、第1のチャンネル用の第1のリズム音発生機構部と、第2のチャンネル用の第2のリズム音発生機構部の2組設けられ、
前記入力端子部は、第1のチャンネル用の第1の入力端子部と、第2のチャンネル用の第2の入力端子部とを含み、
前記出力端子部は、第1のチャンネル用の第1の出力端子部と、第2のチャンネル用の第2の出力端子部とを含み、
前記第1のリズム音発生機構部に含まれる前記第1のコイルには、第1のチャンネル用の楽音信号が供給され、
前記第2のリズム音発生機構部に含まれる前記
第1のコイルには、第2のチャンネル用の楽音信号が供給され、
前記音発生回路は、少なくとも、第1のチャンネル用の第1の音発生回路と、第2のチャンネル用の第2の音発生回路の2組を含み、
前記第1のリズム音発生機構部に含まれる前記操作部の操作によって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの相対的位置関係が変位されたとき、当該第1のコイルと当該第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに応じて第2のコイルに誘起される電流変化を前記第1の出力端子部から出力して前記第1の音発生回路に供給し、
前記第2のリズム音発生機構部に含まれる前記操作部の操作によって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの相対的位置関係が変位されたとき、当該第1のコイルと当該第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに応じて第2のコイルに誘起される電流変化を前記第2の出力端子部から出力して前記第2の音発生回路に供給し、
前記第1の音発生回路は、第1のリズム音発生機構部に含まれる前記第1のコイルと前記第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに起因する第2のコイルに誘起される電流変化に応じて、前記第1のチャンネル用の楽音信号に音量を変化させたリズム音を付加して音発生し、
前記第2の音発生回路は、第2のリズム音発生機構部に含まれる前記第1のコイルと前記第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに起因する第2のコイルに誘起される電流変化に応じて、前記第2のチャンネル用の楽音信号に音量を変化させたリズム音を付加した音を発生することを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のリズム音発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リズム音発生装置に関し、特に例えばCDプレイヤー又はディジタルオーディオプレイヤー等の音源ユニットから楽曲の音源信号(楽音信号)の供給を受けて音を発生する際に2つのコイルの相対的位置関係の変位に起因する磁気的特性の変化に応じて誘起される電流に基づいて楽音信号に強弱を付加(又は重畳)してスピーカーからリズム音を発生する、リズム音発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカーは、CDプレイヤー,ディジタルオーディオプレイヤー又はラジオカセットプレイヤー等の音源ユニットから楽曲等の音源信号の供給を受けて音又は音楽を発生することが知られている。
従来のスピーカーは、例えば非特許文献1に掲載されているように、音源信号に基づく電流をコイルに流す際に、コイルと磁石によって振動を発生する。そのコイルと磁石による振動エネルギーをその前に置かれた振動板とコーンにより、空気振動に変換することによって、人間の耳に音声又は音楽として聴覚される。かかるスピーカーは、楽器ではなく、入力された音源信号(電気信号)を忠実に音として再現するトランスデューサー(変換器)である。
【0003】
本願発明者は、コイル(励磁コイル)と永久磁石からなるスピーカーを用いた音発生装置として特許文献1の発明を提案するとともに、磁気理科教材に関する特許文献2の発明を提案し、またスピーカー型リズム楽器として特許文献3を提案した。
特許文献1は、皿や花瓶等の載置物をテーブルに載せたときに、所望の音声又は音楽が聞こえるようにした音発生装置である。
特許文献2は、電磁力の作用により音を発生させてスピーカーとすることのできるメカニズムを容易に理解できるようにした磁気理科教材である。
特許文献3は、コイル21と永久磁石22と振動部材23とから構成されるスピーカー型リズム楽器を開示する。
【0004】
特許文献4は、ヘッド3やフープ6等の打楽器1の所定部位を打撃した音をスピーカーから出力したり、スピーカー5から楽曲の音や伴奏音を出力することにより、演奏者が楽曲や伴奏に合せて打楽器1を演奏することの可能な打楽器を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3208893号(
図1,
図2、段落番号[0012]~[0024])
【文献】特開2016-99578号公報(
図2,
図4、段落番号[0017]~[0021])
【文献】特開2018-189911号公報(
図1、段落番号[0017][0022])
【非特許文献】
【0006】
【文献】https://elife-media.jp/3680 elife>スピーカーの原理を図で解説
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の音発生装置は、当初の物珍しさもあって注目され、興味を持って見られるが、発生できる音声又は音楽を一通り聞くと飽きられ易く、継続的に長く注目を引いたり、使用されることも少ない。また、この音発生装置に接した人に、自ら操作し又は使用する楽しみを与えることも少なく、面白さに欠ける。
【0008】
特許文献2の磁気理科教材は、音の発生の仕組みを教える教材として有用であるが、遊び的な使い方ができるものではなく、使用者を楽しませるものではないので、長く使用されることも少なく、面白さに欠ける。
【0009】
特許文献3の打楽器は、ティンパニー,ボンゴ,コンガ,ドラム等の既存の打楽器の代わりに演奏されるものであって、価格的に高価であり、子供や高齢者等の音楽知識の乏しい人や楽譜を読めない人には手軽に楽しみながら演奏されることもない。
【0011】
この発明の主たる目的は、安価な構成で、音源からの楽曲に合わせて手軽に簡単な操作でリズム音を発生させて、恰もリズム楽器を演奏しているような興趣を楽しむことのできる、リズム音発生装置を提供することである。
【0012】
この発明の他の目的は、子供や高齢者等の音楽知識の乏しい人や楽譜を読めない人でも簡単な操作で、音源からの楽曲のリズム又はテンポに合わせたリズム音を発生させて、リズム楽器を演奏し合奏しているような感覚を味わうことのできる、リズム音発生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明(請求項1に係る発明)は、その入力端子部に音源ユニットからの楽音信号の供給を受け、その出力端子部からの出力をスピーカーに供給し、音源ユニットからの信号の強弱を変化させたリズム音を発生するものであって、第1のコイルと、第1のコイルとの間で磁気的に結合する第2のコイルと、操作部と、取付部材と、音声発生回路とを備える、リズム音発生装置である。
操作部は、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせるためのものである。取付部材は、操作部の操作によって、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性が変化自在となるように、第1のコイルと第2のコイルを所定の位置関係で支持するように取り付ける。そして、第1のコイルと第2のコイルの何れか一方のコイルが入力端子部に接続され、他方のコイルが出力端子部に接続して使用される。
また、取付部材は、操作部が音源ユニットからの楽音信号のリズムに合わせて操作されるとき、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせる。音発生回路は、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化に応じて、出力端子部側に接続された他方のコイルに誘起される電流を変化させて、当該電流の変化に基づく音源ユニットからの楽音信号の強弱を変化させた信号をスピーカーに与えて、音源ユニットからの楽音信号と当該楽音信号のリズムに関連するリズム音を合成して発生する。
【0014】
第1の発明によれば、簡単かつ安価な構成で、音源からの楽曲に合わせて気軽に簡単な操作でリズム音を発生させて、リズム楽器を演奏しているような興趣を楽しむことができる。
また、子供や高齢者等の音楽知識の乏しい人にも、楽曲に合わせて簡単な操作で恰もリズム楽器を演奏しているような興趣を味わうこともできる。
【0015】
第2の発明では、第1の発明において、取付部材は、第1のコイルを取り付ける板状の第1の取付部と、第2のコイルを第1のコイルに対向させて取り付ける板状の第2の取付部と、第1の取付部及び第2の取付部を湾曲状に連結する連結部とを含む。操作部は、連結部を変位させるように、第1の取付部および第2の取付部の少なくとも一方の一部を操作することによって、第1のコイルと第2のコイルを近接させ又は遠ざけるように相対的位置関係を変位させる。
第2の発明によれば、第1のコイルおよび第2のコイルの少なくとも一方を近づけたり遠ざける操作をすることによって、簡単な操作でリズム音を発生することができる。
【0016】
第3の発明では、第1の発明において、取付部材は、第1のコイルを装着する棒状の第1の取付部と、第2のコイルを第1のコイルに対向させて装着する棒状の第2の取付部と、第1の取付部及び第2の取付部を弾性力を有するように連結する連結部とから構成される。
操作部は、その操作によって、連結部の弾性力によって第1の取付部と第2の取付部の位置関係を変位させて、第1のコイルと第2のコイルを近接させ又は遠ざけるように相対的位置を変位させる。
第3の発明によれば、連結部の弾性力を利用して第1の取付部と第2の取付部の位置関係を変位させて、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性を変化させるので、簡単な操作でリズム演奏しているような雰囲気を楽しむことができ、音楽知識の乏しい人でも、リズム演奏を楽しむことができる。
【0017】
第4の発明では、第1の発明又は第2の発明において、取付部材は、第1のコイルおよび第2のコイルの何れか一方のコイルを固定的に支持し、他方のコイルを摺動自在に支持する。操作部は、他方のコイルを掴む部分で兼用され、当該他方のコイルを摺動させて一方のコイルに対して近接させ又は遠ざけるように相対的位置関係を変位させる操作によって、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせることを特徴とする。
第4の発明によれば、他方のコイルを一方のコイルに近接させ又は遠ざけるように相対的位置関係を変位させる簡単な操作(例えばスライド操作)によって、音楽知識の乏しい人でも、リズム演奏を楽しむことができる。
【0018】
第5の発明では、第1の発明において、取付部材は、第1のコイルと第2のコイルを個別に装着して、演奏者の親指と親指に対向する指(例えば、人差指又は中指)に装着するセパレートタイプの装着部材である。操作部は、各装着部材を演奏者の親指と親指に対向する指に装着した状態で、親指と親指に対向する指を近接させたり遠ざけるように移動させることによって、演奏者の手の2本の指で兼用され、それによって、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせる。
第5の発明によれば、親指と親指に対向する指を近接させたり遠ざけるように、短い間隔の間を移動させるように操作するだけで良いので、極めて簡単な操作で、応答性の良いリズム演奏を楽しむことができる。
【0019】
第6の発明では、第1の発明において、操作部は、鉄心部を含む。取付部材は、第1のコイルと第2のコイルを所定の位置関係で固定的に支持するとともに、鉄心部を第1のコイルと第2のコイルに関連して摺動自在に支持するガイド部を含む。
操作部は、鉄心部を摺動させる操作によって、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせる。
【0020】
第7の発明では、その入力端子部に音源ユニットからの楽音信号の供給を受け、その出力端子部からの出力をスピーカーに供給し、音源ユニットからの信号の強弱を変化させたリズム音を発生するものであって、第1のコイルと、第1のコイルとの間で磁気的に結合する第2のコイルと、第1のコイルと第2のコイルとの間の磁気的特性の変化を生じさせるための操作部と、取付部材と、音声発生回路とを備える、リズム音発生装置である。
取付部材は、その一方面に第1のコイルを固定的に支持し、その他方面に前記第2のコイルを移動自在に支持するガイド部を含み、当該ガイド部が軸方向の一方端部に近接する位置で第1のコイルを固定的に支持し、軸方向の他方側で第2のコイルを摺動自在に支持する。操作部は、ガイド部の軸方向に沿って摺動自在に支持され、第1のコイルと第2のコイルの間で磁気回路を形成する鉄心として働くコア部材である。
そして、第1のコイルと第2のコイルの何れか一方が入力端子部に接続され、第1のコイルと第2のコイルの何れか他方が出力端子部に接続して使用される。音発生回路は、ガイド部によって支持された第2のコイルおよびコア部材の少なくとも一方を、音源ユニットからの楽音信号のリズムに合わせて当該ガイド部に沿って摺動させることによって、磁気的特性を変化させて、出力端子部側に接続された第1のコイルと第2のコイルの何れか他方に誘起される電流を変化させて、当該電流の変化に基づく音源ユニットからの楽音信号の強弱を変化させた信号をスピーカーに与えて、音源ユニットからの楽音信号と当該楽音信号のリズムに関連するリズム音を合成して発生する。
【0021】
第8の発明では、第1の発明ないし第7の発明のいずれかにおいて、音源ユニットは、第1のチャンネル(例えば、左チャンネル)用と第2のチャンネル(例えば、右チャンネル)用の2チャンネルの音源信号を発生するものであり、第1のコイルと、第2のコイルと、取付部材と、操作部によってリズム音発生機構部が構成される。
リズム音発生機構部は、少なくとも、第1のチャンネル用の第1のリズム音発生機構部と、第2のチャンネル用の第2のリズム音発生機構部の2組設けられる。入力端子部は、第1のチャンネル用の第1の入力端子部と、第2のチャンネル用の第2の入力端子部とを含む。出力端子部は、第1のチャンネル用の第1の出力端子部と、第2のチャンネル用の第2の出力端子部とを含む。
第1のリズム音発生機構部に含まれる第1のコイルには第1のチャンネル用の楽音信号が供給され、第2のリズム音発生機構部に含まれる第1のコイルには第2のチャンネル用の楽音信号が供給される。
音発生回路は、少なくとも第1のチャンネル用の第1の音発生回路と、第2のチャンネル用の第2の音発生回路の2組を含む。
第1のリズム音発生機構部に含まれる操作部の操作によって、第1のコイルと第2のコイルとの相対的位置関係が変位されたとき、当該第1のコイルと当該第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに応じて第2のコイルに誘起される電流変化を第1の出力端子部から出力して第1の音発生回路に供給する。
第2のリズム音発生機構部に含まれる操作部の操作によって、第1のコイルと第2のコイルとの相対的位置関係が変位されたとき、当該第1のコイルと当該第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに応じて第2のコイルに誘起される電流変化を第2の出力端子部から出力して第2の音発生回路に供給する。
第1の音発生回路は、第1のリズム音発生機構部に含まれる第1のコイルと第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに起因する第2のコイルに誘起される電流変化に応じて、第1のチャンネル用の楽音信号に音量を変化させたリズム音を付加した音を発生する。
第2の音発生回路は、第2のリズム音発生機構部に含まれる第1のコイルと第2のコイルとの磁気的特性の変化を生じることに起因する第2のコイルに誘起される電流変化に応じて、第2のチャンネル用の楽音信号に音量を変化させたリズム音を付加した音を発生する。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、簡単かつ安価な構成により、手軽で簡単な操作で、音源からの楽曲のリズムやテンポに合わせてリズム音を発生させて、恰もリズム楽器を演奏しているような感覚や興趣を楽しむことができる。
また、子供や高齢者等の音楽知識の乏しい人にも簡単な操作で、音源からの楽曲のリズム又はテンポに合わせたリズム音を発生させて、恰もリズム楽器を演奏し合奏しているような雰囲気を味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】この発明の一例のリズム音発生装置の第1の原理の図解図である。
【
図2】第1の原理による具体的な一実施例のリズム音発生装置の一部断面を含む図解図である。
【
図3】
図2の実施例のリズム音発生装置の使用状態を示す一例の図解図である。
【
図4】
図2の実施例のリズム音発生装置の使用状態を示す他の例の図解図である。
【
図5】第1の原理による具体的な他の実施例のリズム音発生装置の外観斜視図である。
【
図6】
図5の実施例のリズム音発生装置のブロック図である。
【
図7】第1の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置の断面図である。
【
図8】この発明の他の例のリズム音発生装置の第2の原理の図解図である。
【
図9】第2の原理による具体的な一実施例のリズム音発生装置の斜視図である。
【
図10】第2の原理による具体的な他の実施例のリズム音発生装置の側面図である。
【
図11】第2の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置
の側面図である。
【
図12】第2の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置の側面図である。
【
図13】第2の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置の斜視図である。
【
図14】この発明のその他の例のリズム音発生装置の第3の原理図である。
【
図15】第3の原理による具体的な一実施例のリズム音発生装置の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1の原理)
図1はこの発明の一例のリズム音発生装置の第1の原理図である。
図1において、第1の原理による実施例のリズム音発生装置10は、取付部材(又は取付部材)11と、第1のコイル12と、第2のコイル13と、コア部材(又は鉄心部)15とからなる機構部と、操作部とを含んで構成される。取付部材11は、平坦面部111と平坦面部111を保持(又は支持)する保持部材112とからなる。
【0025】
このリズム音発生装置10は、コア部材(又は鉄心部)15を有するものであって、1つの取付部材(又は取付部材)11が相互の位置関係を変位自在なように第1のコイル12と第2のコイル13とを支持することにより、又は第1のコイル12と第2のコイル13に対するコア部材(又は鉄心部)15の位置を変位自在に支持することにより、第1のコイル12と第2のコイル13の間の磁気的特性の変化を生じさせるものである。
【0026】
そして、取付部材11は、上部の第2のコイル13を移動(又は摺動)自在に支持し、及び/又はコア部材15を第1のコイル12と第2のコイル13に対して移動(又は摺動)自在なように支持する。この場合、第2のコイル13又はコア部材15が操作部と兼用される(すなわち、操作部ともなる)。
具体的には、取付部材11が第1のコイル12とコア部材15を固定的に支持しかつ第2のコイル13を移動(又は摺動)自在に支持する構成の場合、第2のコイル13が演奏者によって手で把持され又は指で掴まれて図示の上下に移動(又は摺動)される。このとき、第2のコイル13は、その位置によって第1のコイル12との磁気的結合状態を変化させる働きをするとともに、操作部に兼用される。
また、取付部材11が第1のコイル12と第2のコイル13を固定的に支持しかつコア部材15を移動自在に支持する構成の場合、コア部材15が演奏者によって手で把持又は指で掴まれて図示の上下に移動(又は摺動)される。このとき、コア部材15は、その位置によって第1のコイル12と第2のコイル13の磁気的結合状態を変化させる働きをするとともに、操作部に兼用される。
【0027】
リズム音発生装置10は、第1のコイル12を一次側(入力側)としたときに、第1のコイル12の両端部(その入力端子部)が音源ユニットに接続されて、第1のコイル12に音源ユニット21から楽曲等の楽音信号の入力を受ける。その場合、第2のコイル13が二次側(すなわち、出力側)となり、第2のコイル13の両端部が増幅器又はスピーカーに接続される。
【0028】
(第1の原理による実施例1)
図2は第1の原理による具体的な一実施例のリズム音発生装置の一部断面を含む図解図である。
図2において、この実施例のリズム音発生装置10Aは、取付部材(又は支持部材)11aと、第1のコイル12と、第2のコイル13と、コア部材15とからなる機構部を含んで構成される。
この実施例のリズム音発生装置10は、その入力端子部(一次側が第1のコイル12の場合には第1のコイル12の両端部)が音源ユニット21に接続され、その出力端子部(二次側が第2のコイル13の場合には第2のコイル13の両端部)がスピーカー22に接続される。必要に応じて、増幅回路23が一次側(又は二次側)に接続される。
【0029】
より具体的には、取付部材11aは、第1のコイル12と第2のコイル13とコア部材15を支持する平坦面部111を含み、当該平坦面部111の一方面側(図示の下面側)に少なくとも第1のコイル12の厚み以上の高さで保持する保持部材112を有し、さらに第2のコイル13及び/又はコア部材15を移動自在若しくは摺動自在に支持するための中空軸状のガイド部113を含んで構成される。
ここで、保持部材112は、平坦面部111の裏面四隅の角を支える4つの支柱(又はスペーサ)で構成したり、平坦面部111の周囲を囲む壁面部を形成した箱状に構成しても良い。後者の場合は、平坦面部11aの周囲を囲む壁面部を形成することによって、取付部材11aが扁平な箱状体で構成されることになる。
また、取付部材11aの保持部材112は、机,台又は床面に置いたときに第1のコイル12と机等が直接接触しないように、第1のコイル12の厚み(又は高さ)以上の高さに選ばれる。
【0030】
第1のコイル(又は励磁コイル)12および第2のコイル13は、円筒状部の両端部に鍔状部を形成してなるボビンに、エナメル線等の導線を数十ないし数百回程度巻回して構成される。そして、第1のコイル12と第2のコイル13は、対をなして、一方が固定用コイル、他方が移動用コイルとされる。
図2の実施例では、第1のコイル12は、固定用で一次側コイルとされ、電磁石として働く。一方、第2のコイル13は、移動用で二次側のコイルとされ、コア部材15の磁性体15aを介して電流を誘起する、ピックアップとして働く。
なお、一次側コイルと二次側コイルを逆にして、第1のコイル12を固定用の二次側コイル(機能的にはピックアップ)、第2のコイル13を移動用の一次側コイルとしても良い。
必要に応じて、第1のコイル12および第2のコイル13の外周には、絶縁材料が塗布又はコーティングされる。
【0031】
取付部材11aの平坦面部111には、孔が形成される。平坦面部111の一方面(図示では裏面)には、当該孔に関連して第1のコイル12が接着剤16等で接着される。また、平坦面部111の孔と第1のコイル12のボビンの円筒部には、ガイド部113の一方端(図示の下方端部)が挿入されて、接着剤16等で接着される。これによって、ガイド部113は、取付部材11aの平坦面部111に固着されることになる。
ここで、ガイド部113は、例えば円筒状(又は中空)の軸部が用いられ、その直径が平坦面部111および第1のコイル12のボビンの内形と略同じか若干小さな径に選ばれる。第2のコイル13は、ボビンの内形がガイド部113の直径よりやや大きく選ばれ、ガイド部113に挿入されて軸方向に摺動自在に支持される。
【0032】
コア部材15は、磁性体材料(例えば、軟質磁性材)からなる棒状の鉄心部15aとその上端部に固着される握り部15bからなる。握り部15bが操作部となり、操作部に兼用される。鉄心部15aの軸方向長さは、第1のコイル12の高さと平坦面部111の上部で第2のコイル13を摺動させる際の移動範囲に相当する長さを合計した長さを有する。鉄心部15aの直径は、円筒状部の内径より小さな径を有する。鉄心部15aは、ガイド部113に挿入されたときに、ガイド部113によって軸方向に移動又は摺動自在に支持される。
なお、握り部15bを省略して、鉄心部15aの上端部を操作部としてもよい。
【0033】
リズム音発生装置10は、必要に応じて、取付部材11aの一部(例えば保持部112の側面)に、入力コネクタ17と出力コネクタ18が装着される。入力コネクタ17には第1のコイル12の両端(又は入力端)が接続され、出力コネクタ18には第2のコイル13の両端(又は出力端)が接続される。
なお、入力コネクタ17と出力コネクタ18を省略して、第1のコイル12を増幅回路23の出力端に接続し、第2のコイル13をスピーカー22に直接接続してもよい。
【0034】
上述のように構成されたリズム音発生装置10は、以下に説明するように、音源ユニット21から供給される楽音信号(楽曲等の電気信号)に同期してリズム演奏に用いられる。
使用に先立ち、音源ユニット21及びスピーカー22が準備され、必要に応じて増幅回路23が準備される。音源ユニット21は、CDプレイヤー,ディジタルオーディオプレイヤー又はラジオカセットプレイヤー等の音源となる楽曲又は音楽を発生する装置である。
増幅回路23の出力端子が入力コネクタ17の入力側に接続される。出力コネクタ18の出力側には、スピーカー22が接続される。なお、増幅回路23は、リズム音発生装置10の入力側(又は一次側)に代えて、出力側(又は二次側)の出力コネクタ18とスピーカー22の間に接続してもよい。
【0035】
音源ユニット21は、楽曲の音源信号を増幅回路23に供給する。増幅回路23は、楽曲等の音源信号を増幅して第1のコイル12に供給し、音源信号に応じた電流によって第1のコイル12を励磁する。応じて、第1のコイル12は磁束を発生する。ここで、第1のコイル12に供給される音源信号の電流は、交流信号であるため、第1のコイル12に流れる電流の極性が音源信号の周期(周波数)に応じて交互に変化する。
演奏者(又は使用者)は、手でリズム演奏するときに、リズム音発生装置10を机又は台上に置き、楽曲のリズム又は拍子に合わせて手(又は指先)で第2のコイル13及び/又はコア部材15の握り部15aを掴んで上下に変位させるように摺動させて操作する。
【0036】
例えば、コア部材15を最も下部まで下げた状態で、第2のコイル13をガイド部113に沿って楽曲のリズムに合わせて上下に摺動させると、第1のコイル12によって発生された磁力がガイド部113及び鉄心部15aを介して第2のコイル13に誘起される。このとき、第1のコイル12と鉄心部15aと第2のコイル13の間に磁気回路が形成されるが、コア部材15を最下部まで下げているので、これらの磁気結合が大きい状態となる。この状態において、第2のコイル13の上下移動の変化に応じて、当該第2のコイル13に誘起される電流が大きくなったり小さくなるように変化する。この第2のコイル13に誘起される電流によって、音源ユニット21から供給される楽音信号に、第2のコイル13を上下動させる周期に基づいてリズム音の音量変化が重畳された音楽信号がスピーカー22から音声(又は音楽)として出力される。
【0037】
一方、コア部材15の鉄心部15aを最も上部まで上げた状態で、第2のコイル13をガイド部113に沿って楽曲のリズムに合わせて上下に摺動させると、第1のコイル12と鉄心部15aと第2のコイル13の間に形成される磁気回路の磁気結合が弱くなる。この状態において、第2のコイル13の上下移動の変化に応じて、当該第2のコイル13に誘起される電流が大小に変化するが、磁気結合状態が弱い状態なので、第2のコイル13に誘起される電流値が相対的に小さくなり、小さな音量の楽曲信号とリズム音を合成した音声又は音楽がスピーカー22から出力される。
【0038】
ところで、演奏者による実際のリズム音を発生させる場合の操作は、第2のコイル13を単独で操作するのではなく、第2のコイル13の上下の動きと、コア部材15(鉄心部15a)の上下の動きを組み合わせて行っても良い。その場合、楽曲のリズム音に合わせた音量変化がより一層増大された音楽として聞こえる。
具体的には、演奏者が片方の手(例えば左手)で第2のコイル13及び鉄心部15aの一方を楽曲のリズム(又は拍子)に合わせて上下に動かしつつ、別の片方の手(例えば右手)で第2のコイル13及び鉄心部15aの他方を楽曲のリズム(又は拍子)に合わせて上下に動かすことにより、変化に富んだリズム音を発生できる。
【0039】
次に、リズム音発生装置10Aを用いて(又は操作して)リズム音を発生する場合と、既存のリズム楽器を用いて(又は演奏して)リズム音を発生する場合について、操作・演奏の関係を比較する。
既存のリズム楽器を演奏する場合は、演奏者が楽譜を読める必要があり、他の楽器の音(すなわちテンポ)に合わせて楽譜の音符に従ってリズム楽器本来の最適な音を出せるような演奏する必要がある。そのため、楽譜を読めない人には、リズム楽器を使いこなすことが難しく、練習と熟練を要し、歌を歌唱するように簡単にリズム演奏することができない。
これに対して、リズム音発生装置10Aを用いてリズム音を発生する場合は、音源ユニット21から供給される楽曲に合わせてリズミカルに第2のコイル13及び/鉄心部15aの位置を上下に小刻みに変化させる(又は上下移動の繰り返し)だけで良いので、基本的楽曲のイメージを崩すことなく、楽曲の流れに沿ってリズム音だけを付加するように操作(楽器の演奏に相当)するだけでよく、楽譜を読めない人でも、極めて簡単な操作でリズム演奏している如く演奏体験をすることができる。
そのため、楽器を使いこなすための熟練や練習を必要とせず、楽曲を聞きながら手又は足でリズムを取るのと同程度の簡単な操作でリズム音を発生 (すなわちリズム演奏) することができる。また、音源となる元の楽曲のイメージを崩すことなく、元の楽曲のイメージのままでリズム音を付加した音又は音楽を発生することが可能となる。
【0040】
図3はこの発明の一実施例のリズム音発生装置の使用状態を示す一例の図解図である。特に、コア部材15を最も下部の位置に固定した状態で、第2のコイル13をガイド部113の外周部分で上下(又は軸方向)に移動させるように操作する使用態様を示す。
この場合は、第1のコイル12とコア部材15の鉄心部15aとの磁気的結合が一定の状態で、第2のコイル13の上下(又は鉄心部15aの軸方向)の位置関係を変化させるように操作すると、第2のコイル13の上下方向の位置の変化に応じた磁気回路の磁束変化が生じる。この磁束変化は、音源ユニット21から供給される楽音信号のリズム(又は拍子)に同期させて変化することにより、第2のコイル13の上下移動の変化に応じた電流が第2のコイル13に誘起され、リズム音が楽音信号に重畳されて、スピーカー22から出力されることになる。
【0041】
図3は
図2の実施例のリズム音発生装置の使用状態を示す一例の図解図である。特に、第2のコイル13を最下部の位置に固定した状態で、コア部材15の握り部15bを持ってガイド部113の円筒部の内側で上下(又は軸方向)に移動させるように操作する使用態様を示す。
この場合は、第1のコイル12と第2のコイル13との磁気的結合が一定の状態で、コア部材15の上下(又は鉄心部15aの軸方向)の位置関係を変化させるように操作すると、鉄心部15aの上下方向の位置の変化に応じた磁気回路の磁束変化が生じる。この磁束変化は、音源ユニット21から供給される楽音信号のリズム(又は拍子)に同期させて変化することにより、第2のコイル13の上下移動の変化に応じたリズム音が楽音信号に重畳されて、スピーカー22から出力されることになる。
【0042】
なお、増幅回路23を取付部材11aの内部(例えば、平坦面部111の裏面等)に取り付けても良いが、その場合は音源ユニット21の出力端子が入力コネクタ17に接続されるとともに、増幅回路23が入力コネクタ17と第1のコイル12の間に接続される。
また、コア部材15の鉄心部15aを上方へ移動させた状態で、第2のコイル13を上部へ移動させると、第2のコイル13が軸状部材14から抜けることもあるので、それを防止するために、ガイド部113の上端部にリング状(又は円板状)の鍔状部19を形成してもよい。
【0043】
上述のように、使用者が音源ユニット21から供給される楽曲(音楽)のリズムに合わせて、第2のコイル13又は鉄心部15aを上下に変位させて、第1のコイル12と第2のコイル13と鉄心部15aの3つの部材の磁気的結合状態をリズミカルに変化させることにより、リズム楽器の如く操作し演奏してリズム音を発生することができる。演奏者は、スピーカー22から発生される楽曲又は音楽に合わせて、自分自身のリズム演奏によって、楽曲の強弱を変化させたリズム音を発生することになる。例えば、楽曲のドラム又はベース等の希望の楽器の音に合わせて、第2のコイル13又は鉄心部15aを上下に操作すれば、ドラム又はベース等の音が演奏者のリズム演奏による音として強調されたやや大きな音量で発生されることになる。
例えば、第2のコイル13及び/又は鉄心部15aの上下の動き(又は変位量や、変位の範囲)を、楽曲のリズムに合わせて小刻みに、必要に応じて周期的に変化させれば、トレモロ効果を有するリズム音や、ビブラートをかけたリズム音を発生することができ、音楽的に変化に富んだ効果音を発生することもできる。
【0044】
(リズム楽器として使用する場合の楽曲・リズム演奏の楽しみ方)
上述のように構成されたリズム音発生装置10Aは、音源ユニット21から供給される楽曲の種類によって、次のような種々の楽しみ方がある。
例えば、楽曲が歌詞のないジャズ,ポピュラー又はクラシック音楽等の場合は、楽曲の音の発生に合わせて、第2のコイル13及び/又は握り部15bを上下にリズミカルに移動(又は摺動)させて、第1のコイル12と鉄心部15aと第2のコイル13の磁気結合の強弱を変化させて、ドラム,ベース,打楽器等の音(BGM)に合わせて、楽曲の音の強弱を変化させるように、リズム演奏する。
なお、歌詞のある楽曲の場合でも、同様にリズム演奏してもよいことは勿論である。
【0045】
また、楽曲が歌詞のある歌謡曲,ポピュラー,フォーソング,歌唱曲等の場合は、演奏者が歌詞を知っている(又は覚えている)フレーズ(小節)の期間において、鉄心部15a及び/又は第2のコイル13を最上部の位置まで上げることによって、第1のコイル12と第2のコイル13と鉄心部15bの磁気結合を無くすか著しく弱めて、楽音信号による楽曲の音の発生を抑制した状態で、歌唱するように使用してもよい。
一方、演奏者が歌詞を覚えていないか曖昧なフレーズの期間では、鉄心部15a及び/又は第2のコイル13を最下部の位置まで下げることによって、第1のコイル12と第2のコイル13と鉄心部15aの磁気結合を強めて、音源からの楽曲の発生音量を大きくして、その楽曲音と一緒に歌って、歌唱練習してもよい。
この場合、鉄心部15a及び/又は第2のコイル13は、楽曲音の発生を一時的にオフ(又は弱い音)にしたり、オン(又は強い音)にするためのスイッチ(又はボリューム)とてして使用でき、カラオケの練習に有益となる。
また、楽曲音の発生を一時的にオフ(又は弱い音)にして使う場合は、鉄心部15aの長さよりも短いスペーサを準備し、握り部15bとガイド部113(又は鍔状部19)の間に挿入して、磁気結合を弱めた状態で保持するようにしてもよい。
【0046】
また、楽曲がステレオ録音されたものであって、一方のチャンネルがカラオケ演奏でありかつ他方のチャンネルが歌手の歌っている音声(歌唱音)からなる場合は、リズム音発生装置10Aを2つ準備し、それぞれをカラオケ演奏用と歌唱音声用に分けて使用する。カラオケ演奏用のリズム音発生装置10Aは連続的にカラオケ演奏音を発生させ、歌唱音声用のリズム音発生装置10A’は上述の段落番号[0044]のように使用して楽しんでも良い。
逆に、歌唱音声用のリズム音発生装置10Aは連続的に歌唱音声を発生させ、カラオケ演奏用のリズム音発生装置10A’は上述の段落番号[0045]に記載のように使用して、知っている楽曲のリズム演奏を楽しんでも良い。
さらに、楽曲が歌詞のない器楽演奏音のみの場合であっても、リズム音発生装置10Aを2つ使って、一方はベース等の低音楽器又はドラム等の打楽器のパートのリズム演奏用、他方はメロディ楽器に合わせたリズム演奏用として、2人で二重奏を楽しんでもよい。
【0047】
上述の段落番号[0044]~段落番号[0045]で説明した楽しみ方は、楽器を使えない高齢者に使用してもらえば、楽曲を耳で聞きながら、自分でも歌ったりリズム演奏することにより、耳で聞いたリズムに合わせて手を動かす操作と、口で歌う動作を同時に行うので、複数の感覚を同時に使ったり関連付けて使うことになり、楽曲を楽しみながら、認知症予防のトレーニング(又はリハビリ)を行う装置として活用することもできる。
【0048】
上述のリズム音発生装置10A(又は後述の他の実施例のリズム音発生装置10B,10C)の部品をセット販売とし、それを小・中学生又は高齢者に自分自身で組み立ててもらった後で、上述の段落番号[0043]~段落番号[0044]において説明したような使用方法で楽しんでもらっても良い。
それによって、リズム音発生装置を工作する喜びを体験してもらうとともに、リズム演奏を楽しんでもらうことができ、自分で作ったリズム音発生装置に愛着を持って長くリズム演奏に親しんでもらうことができ、2通りの楽しみ方を体験できる。
【0049】
(第1の原理による実施例2)
図5は第1の原理による他の実施例のリズム音発生装置の外観斜視図である。
特に、
図5では、音源ユニット21が第1のチャンネルの一例の左チャンネルと第2のチャンネルの一例の右チャンネルのステレオ音を発生するものである場合において、左チャンネルの楽音信号用のリズム音発生機構10Lと右チャンネルの楽音信号用のリズム音発生機構10Rの二系統のリズム音を発生させるリズム音発生装置10Bの場合を示す。
【0050】
次に、
図5を参照して、他の実施例のリズム音発生装置10Bについて説明する。
この実施例のリズム音発生装置10Bは、1つの取付部材11aの平坦面部111上に、間隔を空けて左チャンネル用のリズム音発生機構10Lと右チャンネルの楽音信号用のリズム音発生機構10Rの二系統のリズム音を発生するための機構を装着したものである。
リズム音発生機構10Lは第1のコイル12Lと第2のコイル13とガイド部113とコア部材15Lとから構成され、リズム音発生機構10Rは第1のコイル12Rと第2のコイル13Rとガイド
部113とコア部材15Rとから構成される。
リズム音発生機構10L及びリズム音発生機構10Rの具体的な構成は、
図2の実施例のリズム音発生装置10Aと同様に構成されるため詳細な説明を省略するが、対応部分の参照番号を共通にして当該参照番号の末尾に左チャンネル用にL、右チャンネル用にRの記号を付している。
【0051】
図6は
図5の実施例におけるリズム音発生装置10Bを用いてリズム演奏する場合のブロック図である。
このリズム音発生装置10Bでは、音源ユニット21の左右の出力(音源信号)が左チャンネル用の増幅回路23Lと右チャンネル用の増幅回路23Rのそれぞれの入力として与えられる。各増幅回路23L,23Rの出力(電流)が対応する第1のコイル12L,12Rに供給される。
【0052】
また、リズム音発生装置10Bに関連して、外部に左用のスピーカー22Lと右用のスピーカー22Rが別個に準備されて、対応する増幅回路24L,24Rに接続される。この左用のスピーカー22Lと右用のスピーカー22Rは、スピーカーボックスに収納された市販の外付けスピーカーである。
【0053】
次に、
図5及び
図6を参照して、実施例2の動作を説明する。
音源ユニット21の左右の出力(左チャンネルの楽音信号と右チャンネルの楽音信号)が対応する左用の増幅回路23L,右用の増幅回路23Rの入力として与えられる。左用の増幅回路23Lは,左チャンネルの楽音信号を増幅して、当該楽音信号に応じた周波数の電流を左用の第1のコイル12Lに供給して、当該コイル12Lを励磁する。また、右用の増幅回路23Rは,右チャンネルの楽音信号を増幅して、当該楽音信号に応じた周波数の電流を右用の第1のコイル12Rに供給して、当該コイル12Rを励磁する。
【0054】
この状態において、演奏者が楽音信号のリズムの変化(又は拍子)に合わせて、左手で第2のコイル13Lを上下に小刻みに移動する操作を繰り返すことにより、第1のコイル12Lと第2のコイル13Lとの距離を変化させて(言い換えると、遠ざけたり、近づける操作を繰り返すと)、両者の磁気的結合状態が変化して、第2のコイル13Lに誘起される電流がリズムに合わせて変化する。第2のコイル13Lに誘起された電流が増幅回路24Lによって増幅されて、スピーカー22Lに供給される。これに応じて、スピーカー22Lは、左チャンネルの楽音信号の周波数に応じた音楽を発生するとともに、第2のコイル13Lの移動操作に応じたリズム音(すなわち、音楽の音量の強弱を変化させた音)を発生する。
【0055】
同様に、演奏者が楽音信号のリズムの変化(又は拍子)に合わせて、右手で第2のコイル13Rを上下に小刻みに移動する操作を繰り返すことにより、第1のコイル12Rと第2のコイル13Rとの距離を変化させて(言い換えると、遠ざけたり近づける操作を繰り返すと)、両者の磁気的結合状態が変化して、第2のコイル13Rに誘起される電流がリズムに合わせて変化する。第2のコイル13Rに誘起された電流が増幅回路24Rによって増幅されて、スピーカー22Rに供給される。これに応じて、スピーカー22Rは、右チャンネルの楽音信号の周波数に応じた音楽を発生するとともに、第2のコイル13Rの移動操作に応じたリズム音(すなわち、音楽の音量の強弱へ変化させた音)を発生する。
【0056】
一方、演奏者は、第2のコイル13Lと第2のコイル13Rの上下の移動操作に代えて、左チャンネルの楽音のリズムに合わせて左手でコア部材15Lの握り部15b(結果として鉄心部15a、以下単に「鉄心部15a」と略称)を上下に移動させるとともに、右チャンネルの楽音のリズムに合わせて右手でコア部材15Rの握り部15b(鉄心部15a)を上下に移動させても良い。
その場合は、コア部材15Lの垂直方向の位置の変化に応じて、第1のコイル12Lと第2のコイル13Lとの間の磁気的結合状態が変化し、その結果として第2のコイル13Lに誘起される電流が変化する。第2のコイル13Lに誘起される電流の変化に応じたリズム音の音量が変化して、スピーカー22Lから左チャンネルの楽音とリズム音を合成(又は楽音にリズム音を重畳)した音楽が発生される。
同様に、コア部材15Rの鉄心部15aの垂直方向の位置の変化に応じて、第1のコイル12Rと第2のコイル13Rとの間の磁気的結合状態が変化し、その結果として第2のコイル13Rに誘起される電流が変化する。第2のコイル13Rに誘起される電流の変化に応じたリズム音の音量が変化して、スピーカー22Rから左チャンネルの楽音とリズム音を合成(又は楽音にリズム音を重畳)した音楽が発生される。
【0057】
このようにして、演奏者の左手による第2のコイル13L又はコア部材15Lの握り部15b(鉄心部15a)の小刻みな上下の移動操作によって、左チャンネルの楽音にリズム音を合成した音楽がスピーカー23Lから発生されるとともに、使用者の右手による第2のコイル13R又はコア部材15Rの握り部15b(鉄心部15a)の小刻みな上下の移動操作によって、右チャンネルの楽音にリズム音を合成した音楽がスピーカー23Rから発生される。使用者又はリズム演奏の視聴者は、左右のスピーカー22L,22Rから発生されるステレオ音を聞いて、恰も使用者が音源ユニット21の発する楽曲に合わせてリズム演奏している感覚を味わうことができ、リズム演奏の興趣を楽しむことができる。
【0058】
(実施例2のリズム音発生装置10Bを用いたリズム演奏の楽しみ方)
上述のように、左用永久磁石32Lに関連して左用ピックアップ35Lを装着し、右用永久磁石32Rに関連して右用ピックアップ35Rを装着して、左上部板状部材33bLと右上部板状部材33bRを左手と右手で上下移動(又は回動)の操作可能に構成することにより、左上部板状部材33bLが左音源信号の音又は音楽のリズムに関連してリズム演奏し、右上部板状部材33bRが右音源信号の音又は音楽のリズムに関連してリズム演奏することになる。
例えば、音源ユニット21の発生する音楽が楽器演奏曲であって、左チャンネルの楽音信号がベース、右チャンネルの楽音信号がギターの場合は、第2のコイル13L又はコア部材15Lの握り部15bの上下移動の操作によって、ベースの音のリズム演奏を行い、第2のコイル13R又はコア部材15Rの握り部15bの上下移動の操作によってギターの音のリズム演奏を行い、楽曲のリズムやテンポに合わせたリズム演奏を楽しむことができる。換言すれば、演奏者(使用者)は、楽曲の好みのパートに合わせて、基準となる楽曲を聞きながら当該楽曲のリズムやテンポから外れたりずれることなく、感性によるリズム演奏を楽しむことができる。
【0059】
また、音源ユニット21の発生する音楽がボーカルの音声と楽器による伴奏の曲であって、左チャンネルの楽音信号が楽器伴奏の音、右チャンネルの楽音信号がボーカルの音声(歌声)の場合、第2のコイル13L又はコア部材15Lの握り部15bの上下移動の操作と第2のコイル13R又はコア部材15Rの握り部15bの上下移動の操作の組み合わせ操作によって、伴奏楽曲とボーカルの歌声に合わせたリズム演奏を楽しむことができる。
【0060】
また、第2のコイル13L又はコア部材15Lの握り部15bの上下移動と、第2のコイル13R又はコア部材15Rの握り部15bの上下移動のそれぞれの位置や速度を微妙に変化させて、左チャンネルと右チャンネルのリズム音の音量を種々変化させて、発生音の強弱をつけることにより、ビブラート音,トレモロ音等の変化に富んだリズム演奏を楽しむことができる。
【0061】
さらに、左チャンネルと右チャンネルの一方の音源信号に基づいてリズム演奏したい場合は、左チャンネル用の第2のコイル13L又はコア部材15Lの握り部15bと、右チャンネル用の第2のコイル13R又はコア部材15Rの握り部15bのうち、一方のチャンネルのものを移動させずに一定位置として楽音信号のそのままの音量で発生させ、他方のチャンネルのものを上下移動させて当該チャンネルの音でリズム演奏することもできる。
【0062】
他にも、音源ユニット21を複数準備し、各音源ユニットの楽音信号をオーケストラ(又はアンサンブル演奏)の楽器の各パートに振り分けて、パート数に対応してリズム音発生装置10又は10Aを複数設けて、各パートの楽曲のリズム音を変化させたアンサンブル演奏できるようにしてもよい。
また、音源ユニット21を複数用いて楽曲のパート毎の音源信号を発生させて、パートに対応するリズム音発生装置10A(又は10B)を設けてもよい。その場合でも、複数の音源リズム音発生装置10A,10B・・・から発生される楽曲の各パートの音源信号は、基準となるパートの楽器(例えば、ドラムやベース等)のテンポに基づく同じテンポであり、リズムの部分がパートによって異なるので、演奏者が当該各パートの楽曲を聞きながらそれに併せて操作部となる第2のコイル13(13L,13R)又は握り部15b(結果的に鉄心部15a)を移動操作するだけなので、楽曲の基準となるテンポから外れたりずれることもなく、楽器を使って演奏するよりも、全体として楽曲のテンポ・リズムに合致するように、演奏者の感性に応じたリズム演奏を行うことができる。
【0063】
(第1の原理による実施例3)
図7は第1の原理によるその他の実施例のリズム音発生装置の断面図である。この実施例のリズム音発生装置10Cが
図2のリズム音発生装置10Aと異なる点は、ガイド部113を省略して、コア部材15の鉄心部15aにガイド部113の機能を兼用させて、第2のコイル13を摺動自在に支持したものである。
具体的には、鉄心部15aの直径がガイド部113の径と略同径となるように、第2のコイル13の円筒状部の内径よりも若干小さく選ばれる。鉄心部15aは、平坦面部11aの裏面側から第1のコイル12のボビン及び平坦面部11aの孔に挿入されて、平坦面部11aの表面に露出した状態とされる。また、鉄心部15aの下方端部の鍔状部19aが第1のコイル12に接着剤等で固着される。そして、第2のコイル15が鉄心部15aの上部に挿入されて、鉄心部15aによって軸方向に摺動自在に支持される。必要に応じて、第2のコイル13が抜けるのを防ぐために、鉄心部15aの上方端部には鍔状部19bが形成される。
【0064】
この実施例のリズム音発生装置10Cを用いてリズム演奏する場合、次のように使用され、又は操作される。
第1のコイル12は、音源ユニット21からの音源信号(楽音信号に相当する周波数・波形の電気信号)が供給されて、励磁される。このとき、第2のコイル13は、鉄心部15aによってガイドされた状態で、演奏者によって楽音信号のリズム(又は拍子)に合わせて小刻みに上下に振動させるように摺動される。
それによって、第1のコイル12と第2のコイル13との磁気的結合状態が第2のコイル13の上下の摺動に応じて変化することによって、第2のコイル13には磁気結合の強弱の変化に応じた電流が誘起される。この電流変化が音量の強弱の変化となって、楽曲のリズム(又は拍子)に関連するリズム音がスピーカー22から発生される。すなわち、リズム演奏は、使用者が音源信号の楽曲のリズムに合わせて、指先で第2のコイル13を摘んで鉄心部15aの軸方向に沿って上下に摺動(スライド)させる動きを変化させることにより行われる。
【0065】
この実施例では、第2のコイル13を上下移動するだけで、楽音信号に加えて、楽音信号のリズムに関連したリズム音を発生することのできる利点がある。
【0066】
なお、
図7の実施例では、鉄心部15aが直線状の場合(すなわち、平坦面部11aに対して直交する場合)を示すが、平坦面部11aの上部に露出した部分を平坦面部11aに対してある角度(例えば45度~80度の任意の角度)だけ傾斜させるか、角度調整自在に構成してもよい。
このように鉄心部15aを傾斜させて取り付ければ、演奏者が平坦面部11aに対して垂直方向(90度)に手首を動かすことの困難な人である場合に、手首のリハビリ用の装置又は器具として音楽を楽しみながら使用することもできる。
【0067】
ところで、この発明の技術的思想は、第1の原理によるリズム音発生装置10,10A~10Cのような、コア部材15の鉄心部15aを必須の構成要素とするものに限らず、
図8の第2の原理に示すような、取付部材の構成が第1のコイルと第2のコイルの少なくとも一方を移動自在に支持するように構成したものでも、本願発明の課題を解決することができる。次に、第2の原理に基づくリズム音発生装置を説明する。
【0068】
図8はこの発明の他の例のリズム音発生装置の第2の原理の図解図である。
図8において、第2の原理によるリズム音発生装置30は、第1の原理によるリズム音発生装置10のコア部材15を省略して、取付部材(又は支持部材)31と、第1のコイル32と、第2のコイル33とからなる機構部と、操作部とを含んで構成したものである。この取付部材31は、平坦面部311と、平坦面部111を保持(又は支持)する保持部材112と、ガイド部313とから構成される。
【0069】
このリズム音発生装置30は、コア部材15(又は鉄心部15a)を用いることなく、1つの取付部材31が第1のコイル32と第2のコイル33の少なくとも一方を移動又は摺動自在に支持することにより、第1のコイル32と第2のコイル33の相互の位置関係を変位自在に取り付けて構成したものである。そして、第1のコイル32に対する第2のコイル33の相対的位置だけを変位させることにより、第1のコイル32と第2のコイル33の間の磁気的特性の変化を生じさせる。
この場合、コア部材15の鉄心部15aが無い分だけ磁気的結合度が低くなるが、第1のコイル32に対する第2のコイル33の相対的な位置変位だけでも、両コイル32,33の間で生じる磁気的特性の変化を抽出してリズム音を発生させることが可能となる。
【0070】
なお、第1のコイル32と第2のコイル33は、演奏者の手が濡れているときに電気を感じることのないように、必要に応じて、絶縁材料でコーティングされる。前述の他の実施例の第1のコイル12及び/又は第2のコイル13も、同様に絶縁材料でコーティングしてもよい。
また、平坦面部111と第2のコイル33との間にクッション材を挿入して、第2のコイル33を上下に摺動する際の緩衝材を追加してもよい。
【0071】
ところで、この発明の技術的思想は、第2の原理によるリズム音発生装置30に示すような、取付部材31の構成が第1のコイル32と第2のコイル33の一方を固定的に支持し、他方を移動自在に支持する構造に限られず、第1のコイル32と第2のコイル33の両方を移動自在に支持するように構成したものでも、本願発明の課題を解決することができる。
第2の原理によるリズム音発生装置の具体的な実施例の構成と使用例を後述の
図9~
図13を参照して説明する。
【0072】
図9は第2の原理による具体的な一実施例のリズム音発生装置の斜視図である。
この実施例のリズム音発生装置30Aは、取付部材31aと、第1のコイル32と、第2のコイル33とからなる機構部を含んで構成される。
取付部材31aは、円盤状又は板状の下側の取付部314と、円盤状又は板状の上側の取付部315と、取付部314及び取付部315の一方側部(図示では右側部)に接続(又は連結)された湾曲状の連結部316とから構成される。
換言すれば、取付部材31aは、側面から見てC字状の形状で、連結部316が取付部314と取付部315とを弾性力を有するように湾曲して連結して支持することにより、取付部314と取付部315のそれぞれの開放端側の部分を上下から指(例えば、人差し指又は中指と親指)で押したり、押す力を弱めて復元させて、第1のコイル32と第2のコイル33を近づけたり遠ざけるように操作自在に構成したものである。
この実施例では、取付部314及び取付部315の外側面(図示では、取付部314の下面部と取付部315の上面部)が操作部となる。
【0073】
より具体的には、取付部材31aは、一般にクッション材等として用いられるポリウレタン系熱可塑性エラストーマ(又は熱可塑性ポリウレタン)の板状のものを、一方の取付部314と連結部316と他方の取付部315の平面形状に切断した後、連結部316を加熱しながら湾曲させて、取付部314と取付部315とを対向させた状態に成形することによって形成される。取付部314および取付部315の対抗する面の一部には、必要に応じて若干の窪みが形成される。そして、第1のコイル32が取付部314の窪みの部分に埋め込まれて取り付けられ、第2のコイル33が取付部315の窪みの部分に埋め込まれて取付られることによって、リズム音発生装置30Aが構成される。
なお、連結部316は、取付部314および取付部315と同じ材料でなくても、弾力性があって湾曲状に曲げても復元力を有する材料であれば、別の素材(例えば板状バネ)で構成してもよい。
また、第1のコイル32と第2のコイル33は、好ましくは扁平な形状をしたコイルを用いれば、より一層軽量・小型化できる。後述の
図10~
図13の実施例の場合も同様である。
【0074】
図9のリズム音発生装置30Aは、図示を省略しているが、その入力端子部(一次側が第1のコイル32の場合には第1のコイル32の両端部)が音源ユニット21に接続され、その出力端子部(二次側が第2のコイル33の場合には第2のコイル33の両端部)がスピーカー22に接続される。必要に応じて、増幅回路23が一次側(又は二次側)に接続される。
図9のリズム音発生装置30Aによれば、小型化でき、持ち運びに便利なリズム音を発生する装置として使用できる。
【0075】
図10は
図9に示すリズム音発生装置30Aの使用状態を説明するための側面図である。特に、
図10(a)は外力を加えることなく開放した状態、
図10(b)は外力を加え接近させた状態を示す。
演奏者は、
図10(a)に示すように、親指と親指に向かい合う他の指(例えば、人差指又は中指)で、取付板状部314と取付板状部315の外側から包み込むようにして保持する。そして、演奏者は、音源ユニット21から供給される楽曲等の楽音信号のリズムに合わせて、親指と向かい合う他の指とを近づける操作(
図10(b)参照)と、取付板状部314及び取付板状部315を復元させて遠ざけるような操作(
図10(a)参照)を、交互に繰り返すことにより、取付板状部314に装着された第1のコイル32と取付板状部315に装着された第2のコイル33との間隔を近接させたり遠ざけて、第1のコイル32と第2のコイル33との磁気的結合状態を変化させる。
【0076】
このとき、
図10(b)に示すように、親指と向かい合う他の指とを近づける操作を行えば、第1のコイル32と第2のコイル33との磁気的結合状態が強くなり、逆に
図10(a)に示すように、親指と向かい合う他の指とを遠ざける操作を行えば、第1のコイル32と第2のコイル33との磁気的結合状態が弱くなる。
それによって、出力側のコイル(例えば第2のコイル33)からは、両コイル間の磁気的結合状態の変化に応じた電流が変化して、音量の変化として現れる。この電流変化が楽音信号のリズムに合わせて誘起されるので、楽音信号のリズムに合わせて音量が変化して、恰もリズム演奏しているような音を発生させることができる。
【0077】
図11は第2の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置
の側面図である。この実施例のリズム音発生装置30Bは、取付部材31bと、第1のコイル32と、第2のコイル33とからなる機構部を含んで構成される。
より具体的には、取付部材31bは、円形部分から外に広がる開放端部を形成した連結部の一例のコイルバネ317を含み、コイルバネ317の両開放端部(図示の下部開放端部と上部開放端部)に棒状又は円筒状の取付部(又はハンドル部)318,取付部(又はハンドル部)319を装着して構成される。そして、各取付部318,319の開放端部近傍の向かい合う内側面には、第1のコイル32と第2のコイル33がそれぞれ取り付けられる。この実施例では、取付部材31bの取付部318,319が操作部と兼用される。
換言すれば、この実施例の取付部材31bは、ハンドグリップ又は握力トレーニング器具を用いて、取付部318,取付部319の対向する面に第1のコイル32と、第2のコイル33を装着して構成したものである。
【0078】
この実施例のリズム音発生装置30Bでは、演奏者が下部の取付部(又はハンドル部)318と上部の取付部(又はハンドル部)319を手(又は掌)で強く握り締めたりコイルバネ317の復元力を利用して両取付部318,319を元の位置に復帰させて、音源ユニット21から供給される楽曲等の楽音信号のリズムに合わせて、第1のコイル32と第2のコイル33を近づけたり遠ざける操作(例えば、強く握りしめたり、開放する操作)を繰り返すことにより、第1のコイル32と第2のコイル33の磁気的結合状態が変化して、楽音信号のリズムに合わせた音量の変化が生じ、リズム演奏しているような音を発生できる。
この実施例によれば、リズム演奏を楽しみながら、握力トレーニングを行うことのできる利点がある。
【0079】
図12は第2の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置の側面図である。この実施例のリズム音発生装置30Cは、カスタネットのような構造をした取付部材31cに、第1のコイル32と第2のコイル33を装着して構成される。なお、音源ユニットや増幅器やスピーカーは、図示を省略しているが、
図2と同様に接続される。
より具体的には、取付部材31cは、カスタネットの打片のような形状をした下部の打片部314´と,上部の打片部315´を含み、打片部314´,315´のそれぞれ一方側(図示では左側)の端部の近傍に孔を形成しておき、当該孔にゴム紐310を通して、打片部314´,315´の一方側で連結して構成される。この場合、ゴム紐310が連結部となる。
【0080】
打片部314´,315´の他方側の近傍の対向する面(内側の面)には、第1のコイル32と第2のコイル33がそれぞれ装着されて、取り付けられる。打片部314´,315´の一方側端部の近傍の対向する面には傾斜面が形成されているので、ゴム紐310で連結したときに、打片部314´,315´は一方側(図示の左側)が所定の角度だけ開口した状態で支持されることになる。
なお、この実施例では、一般的なカスタネットのような、開放側の対向する一方面に形成されて打撃音を発するための突部(打子とも呼ばれる)が形成されない。リズム音発生装置30Cがカスタネットのような打撃音を発生するものでは無く、供給される楽曲に併せた電子的なリズム音を発生できれば良いためである。
好ましくは、突部の代わりに、クッション材を形成することにより、打片部314´と打片部315´が当たったときの打撃音が吸収される。
【0081】
そして、打片部314´及び打片部315´の一方、及び/又は両方が外側(すなわち314´の下側と315´の上側)から押すと、一方側端部の傾斜面の中央側の接する部分が支点316´となって、打片部314´及び打片部315´の他方側端部が徐々に接近するので、第1のコイル32と第2のコイル33が接近して両者の磁気的結合状態を強めるように磁気的特性を変化させる。
逆に、打片部314´及び打片部315´の外側から押す力を弱めると、ゴム紐310の弾性力によって打片部314´と打片部315´が遠ざかる(離れる)ように復元し、第1のコイル32と第2のコイル33が接近して両者の磁気的結合状態を弱めるように磁気的特性を変化させる。
【0082】
演奏者は、音源ユニット21から供給される楽曲等の楽音信号のリズムに合わせて、カスタネットでリズム演奏するのと同様に、親指と親指に向かい合う他の指(例えば、人差指又は中指)で、打片部314´と打片部315´を上下から押して近接させたり、押す力を抜いて打片部314´と打片部315´を遠ざける(又は開口させる)操作を交互に繰り返すことにより、打片部314´に装着された第1のコイル32と打片部315´に装着された第2のコイル33との間隔を近接させたり遠ざけて、第1のコイル32と第2のコイル33との磁気的結合状態を変化させる。
なお、演奏者は、一方の掌に打片部314´を載せて、打片部315´を他方の手で上から叩いて、カスタネットでリズム演奏するような操作をしてもよい。
【0083】
このとき、打片部314´と打片部315´を近づける操作を行えば、第1のコイル32と第2のコイル33との磁気的結合状態が強くなり、逆に打片部314´と打片部315´を遠ざける操作を行えば、第1のコイル32と第2のコイル33との磁気的結合状態が弱くなる。
それによって、出力側のコイル(例えば第2のコイル33)からは、両コイル間の磁気的結合状態の変化に応じた電流が変化して、音量の変化として現れる。この電流変化が楽音信号のリズムに合わせて誘起されるので、楽音信号のリズムに合わせて音量が変化して、恰もリズム演奏しているような音を発生させることができる。
この実施例によれば、打楽器の一種のカスタネットと同様の操作で、楽曲のリズムに合わせてリズム演奏を楽しむことができ、リズム演奏を容易・簡単に行える利点がある。
【0084】
図13は第2の原理による具体的なその他の実施例のリズム音発生装置の斜視図である。この実施例のリズム音発生装置30Dは、取付部材31dと、第1のコイル32と、第2のコイル33とから構成される。
取付部材31dは、第1のコイル32を指に巻き付けて装着するためのベルト31d1と、第2のコイル33を指に巻き付けて装着するためのベルト31d2とから構成される。ベルト31d1,31d2は、帯状の略中央部にコイル32,33を接着又は縫い付け等によって装着し、両端部に面ファスナーを縫い付け等で装着してなる。
【0085】
そして、演奏者は、ベルト31d1を第1の指(例えば、親指)に巻き付けて装着するとともに、ベルト31d2を第2の指(例えば、人差指又は中指)に巻き付けて装着して、楽音信号のリズムに合わせて両指を接近させたり遠ざける操作を行うことにより、リズム演奏する。
この実施例によれば、簡単な構成で、楽曲のリズムに合わせてリズム演奏を楽しむことができ、リズム演奏を容易・簡単に行える利点がある。
【0086】
なお、
図13の実施例において、取付部材31dの他の例として、ベルト31d1,31d2に代えて、リング状又は指輪状のものにコイル32,33を接着剤等で装着してもよい。
【0087】
上述の第2の原理によるリズム音発生装置30A~30Dは、小型化でき、携帯又は持ち運びに便利なリズム音発生装置として使用される。
【0088】
図14はこの発明のその他の例のリズム音発生装置の第3の原理の図解図である。
図14を参照して、
図1のリズム音発生装置10の取付部材11がコア部材15を上下に摺動自在に支持する構成であるのに対して、このリズム音発生装置40は、左右(横方向)に摺動自在に支持するように、取付部材41を構成したものである。
すなわち、リズム音発生装置40は、取付部材41と、第1のコイル42と、第2のコイル43と、鉄心部(又はコア部材)45とから構成される。
【0089】
取付部材41は、平坦面部411の裏(下)面に第1のコイル42を取り付けるとともに、平坦面部411の上面に鉄心部45の厚みより若干大きな隙間を空けて、第2のコイル43を浮かせた状態で取り付ける。鉄心部45は、平坦面部411の上面で並行に左右に移動自在とされる。
そして、鉄心部45が第1のコイル42と第2のコイル43の間に位置する時に、第1のコイル42と第2のコイル43の磁気的結合状態が最も大きくなる。一方、鉄心部45を左又は右に移動させて第1のコイル42及び第2のコイル43から遠ざけるように操作すると、第1のコイル42と第2のコイル43の磁気的結合状態が弱くなる。そのため、演奏者は、鉄心部45を指で摘んで、楽曲のリズムに合わせて左右に小刻みに移動させて磁気的結合状態を変化させると、リズム音を発生させることができる。
【0090】
図14のリズム音発生装置40によれば、鉄心部45を平坦面部411に沿って左右に並行移動させるだけで、リズム演奏することのできる利点がある。
【0091】
図15は第3の原理による具体的な一実施例のリズム音発生装置の断面図である。
図15のリズム音発生装置40Aが
図2のリズム音発生装置10Aと異なる点は、鉄心部45の移動又は摺動方向を平坦面部411に直交する方向(すなわち上下方向)ではなく、平坦面部411の上面に沿う横方向(図示の左右方向)に摺動自在に、取付部材41aを構成したことである。
【0092】
すなわち、取付部材41aは、第1のコイル42と第2のコイル43と鉄心部45を支持する平坦面部411を含み、当該平坦面部411の下面側に少なくとも第1のコイル42の厚み以上の高さで保持する保持部材412を有し、第2のコイル13を平坦面部411から鉄心部45の厚み以上に離して支持するための保持部414を有する。また、取付部材41aは、必要に応じて、第1のコイル42を平坦面部411の裏面に固定的に装着する軸部415と、第2のコイル43を保持部413の上面に固定的に装着する軸部413を含む。さらに、取付部材41aは、鉄心部45を平坦面部411の上面に沿って摺動自在に支持するために、側面から見てL字状のガイドレール416を平坦面部411の上面に形成している。鉄心部45の下面には、ガイドレール416に係合する溝が形成されていて、鉄心部45の溝がガイドレール416に係合されることによって、鉄心部45が平坦面部411の上で摺動自在に支持されることになる。
【0093】
鉄心部45は、第1のコイル42と第2のコイル43の隙間であって、ガイドレール416にガイドされながら、平坦面部411の左右方向に摺動される。鉄心部45が第1のコイル42及び第2のコイル43に近接しているときに、第1のコイル42と第2のコイル43の間の磁気結合状態が最も大きくなり、第1のコイル42及び第2のコイル43の中心から左右に離れるに従って磁気結合状態が弱くなる。
【0094】
なお、必要に応じて、鉄心部45の正面に、摘み部451を形成してもよい。この場合、演奏者は摘み部451を摘んで左右に移動又は摺動操作することになるので、摘み部451(結果的に鉄心部45)が操作部と兼用される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
この発明のリズム音発生装置は、音源ユニットからの楽音信号のリズム及び/又は拍子に合わせて音量の強弱を付加したリズム音を合成又は重畳した楽音信号をスピーカーから発生することができるので、リズム演奏するためのリズム楽器の如く使用でき、産業上の利用意義が大きい。
【符号の説明】
【0096】
10,10A~10C,30,30A~30D,40,40A リズム音発生装置
10L,10R リズム音発生機構
11,11a,11c,31,31a,31b,31c,31d,41,41a
取付部材
111 平坦面部
112 保持部
113 ガイド部
12,12L,12R,32,42 第1のコイル
13,13L,13R,33,43 第2のコイル
15,15L,15R コア部材
15a 鉄心部
15b 握り部
16 接着剤
17 入力コネクタ
18 出力コネクタ
19,19a,19b 抜止め用鍔状部
21 音源ユニット
22,22L,22R スピーカー
23,23L,23R,24L,24R 増幅回路