(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法及び昇圧回路
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20241016BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20241016BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20241016BHJP
H05B 45/382 20200101ALI20241016BHJP
H05B 45/385 20200101ALI20241016BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20241016BHJP
H05B 45/34 20200101ALI20241016BHJP
【FI】
H02M3/28 H
H02M3/155 F
H02M3/155 H
H05B45/38
H05B45/382
H05B45/385
H05B45/375
H05B45/34
(21)【出願番号】P 2023050673
(22)【出願日】2023-03-27
【審査請求日】2024-02-13
(32)【優先日】2022-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523091257
【氏名又は名称】心田科技有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521294737
【氏名又は名称】ファーストネーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】余 宜璋
【審査官】井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許出願公開第201101926(TW,A)
【文献】特開平4-331420(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110460241(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00-3/44
H05B 45/38
H05B 45/382
H05B 45/385
H05B 45/375
H05B 45/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌灯の効能を改善するための回路構成方法であって、
整流回路および昇圧回路に交流電圧を供給するステップと、
前記整流回路を使用して交流電圧を直流電圧に整流し、負荷にエネルギーを供給するための第1の電圧レベルを提供するステップと、
前記負荷は直列に接続された発光ダイオードで構成される抗菌灯であり、該抗菌灯にはナノコーティングが施されており、
前記昇圧回路を使用して直流電圧を第2の電圧レベルに上げるステップと、
該第2の電圧レベルは、前記負荷へのエネルギーの供給には関与せず、
IC制御モジュールを使用して前記第1の電圧レベルと前記第2の電圧レベルとを組み合わせて高電圧レベルを形成し、
前記昇圧回路によって昇圧された素子によって提供される高電圧電場を通して、前記ナノコーティングを励起するステップと、
を含む回路構成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の抗菌灯の効能を向上させるための回路構成方法であって、
前記昇圧回路によって昇圧される構成要素には回路が含まれる、回路構成方法。
【請求項3】
抗菌灯を提供するために使用される昇圧回路であって、
一次側と、
第1の接続端子および第1の接地端子を含む第1の二次側であって、前記第1の二次側と前記一次側との間に電磁誘導によって第1の高電圧が生成される第1の二次側と、
前記第1の接地端子に電気的に結合された第2の二次側であって、電磁誘導によって前記第2の二次側と前記一次側との間に第1の高電圧と等しくない第2の高電圧を生成する第2の二次側と、を含み、
前記第2の二次側は、第2の接続端子を含み、前記第2の接続端子と前記第1の接続端子は、負荷との接続に使用されるように構成される、
昇圧回路。
【請求項4】
請求項3に記載の昇圧回路であって、
前記昇圧回路は、前記一次側に電気的に結合された整流モジュールを含み、
前記整流モジュールは、交流電源に電気的に結合され、前記一次側に直流電源を出力可能に構成される、昇圧回路。
【請求項5】
請求項4に記載の昇圧回路であって、
前記一次側は、前記整流モジュールに電気的に接続された第1の子一次側と第2の子一次側とを含み、
前記第1の子一次側は、前記第1の二次側の片側に配置され、前記第1の一次側と前記第1の二次側との間に電磁誘導を発生させ、
前記第2の子一次側は、前記第2の二次側の片側に配置され、前記第2の一次側と前記第2の二次側との間に電磁誘導を発生させる
、請求項4に記載の昇圧回路。
【請求項6】
請求項3に記載の昇圧回路であって、
前記一次側が単一の部品で構成され、
前記第1の二次側および前記第2の二次側が前記一次側の一方の側に配置され、同時に前記一次側との間で電磁誘導が発生する、
昇圧回路。
【請求項7】
請求項3から6いずれか一に記載の昇圧回路と、前記第1の接続端子および前記第1の接地端子との間に直列に接続された発光ダイオードで構成された抗菌灯と、を含み、
前記昇圧回路によって昇圧された素子によって提供される高電圧電場を通して、前記抗菌灯のナノコーティングを励起可能な抗菌灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法および回路に関し、特に、抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法および昇圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
市販されている一般的な発光装置は、光源として発光ダイオード(LED)を使用している。ここで、上記発光装置は、複数の発光ダイオードが直列に接続されて発光ダイオード列を形成し、この発光ダイオード列のプラス端子とマイナス端子とが発光を実現するために電源回路に接続されるように構成されている。
【0003】
しかし、これらの発光装置が既存の電源回路に接続されている場合、各発光ダイオードが受け取る(または使用する)電圧は、直列に接続された発光ダイオードの数に依存し、通常電圧は3~300ボルト(直列に接続された発光ダイオードの総数が100個の場合)の間であり、直列接続の総作動電圧は高くならない。したがって、これらの発光装置が「高電圧電場」を必要とする場合(たとえば、高電圧電界を使用してナノ銀を励起して銀イオンを生成する場合)、従来の電源回路の設計では、間接的に発光ダイオードが「高電圧電場」の効果を達成できなくなる。
【0004】
したがって、本発明者は、上記の欠陥を改善できると考え、特別に研究、調整に専念し、科学的原理の適用により、最終的に、合理的な設計と、上記の欠陥を改善する本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、「低電圧で動作する発光ダイオードにどのようにして高電圧動作の特性を持たせるか」であり、従来技術の欠点を解決するために、抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法及び昇圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法を開示する。この方法は、次のステップを含む。まず、整流回路および昇圧回路に交流電圧を提供する。前記整流回路を使用して交流電圧を直流電圧に整流し、第1の電圧レベルを提供する。前記昇圧回路を使用して前記直流電圧を第2の電圧レベルに上げる。さらに、前記第1の電圧レベルと前記第2の電圧レベルとを組み合わせて高電圧レベルを形成し、抗菌灯を駆動する駆動回路を提供する。
【0007】
本発明の実施形態は、また、昇圧回路を開示する。この昇圧回路は、一次側と、第1の接続端子および第1の接地端子を含む第1の二次側であって、前記第1の二次側と前記一次側との間に電磁誘導によって第1の高電圧が生成される第1の二次側と、前記第1の接地端子に電気的に結合された第2の二次側であって、電磁誘導によって前記第2の二次側と前記一次側との間に第1の高電圧と等しくない第2の高電圧を生成する第2の二次側と、を含み、前記第2の二次側は、第2の接続端子を含み、前記第2の接続端子と第1の接続端子は、負荷との接続に使用されるように構成される。
【発明の効果】
【0008】
要約すると、抗菌灯の効果を改善するための本発明の実施形態で開示された回路構成方法および昇圧回路は、「前記第1の二次側の第1の接地端子を介して第2の二次側に電気的に結合することができ、前記第1の二次側及び前記第2の二次側と、一次側とは電磁誘導により、それぞれ高電圧を形成する」ことができる。そして、「前記第1の二次側と前記第2の二次側は負荷を接続するために使用できる」という設計により、昇圧回路は負荷にわずかな電圧差で高電圧を供給し、抗菌灯の抗菌効果を向上させる。
【0009】
本発明の特徴および技術的内容をさらに理解するために、本発明の以下の詳細な説明および図面が参照される。ただし、提供された図面は参照および例示のみを目的とし、本発明を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法の順序フローチャートである。
【0011】
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態の回路構成方法が適用される抗菌灯の概略図である。
【0012】
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態の回路構成方法が適用される抗菌灯の別の概略図である。
【0013】
【
図4】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る昇圧回路の概略回路図である。
【0014】
【
図5】
図5は、本発明の第3の実施形態に係る昇圧回路の概略回路図である。
【0015】
【
図6】
図6は、本発明の第3の実施形態の昇圧回路の別の態様の概略回路図である。
【0016】
【
図7】
図7は、
図6に示した態様を抗菌灯に適用した模式図である。
【0017】
【
図8】
図8は、本発明の第3の実施形態による昇圧回路の別の態様の概略回路図である。
【0018】
【
図9】
図9は、
図8に示した態様を抗菌灯に適用した模式図である。
【0019】
【
図10】
図10は、本発明の第3の実施形態の昇圧回路の別の態様の概略的な回路図である。
【
図11】
図11は、本発明の第3の実施形態の昇圧回路のさらに別の態様の概略的な回路図である。
【
図12】
図12は、本発明の第3の実施形態の昇圧回路のさらに別の態様の概略的な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明によって開示される「抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法及び昇圧回路」の実施態様は、具体的な実施形態によって以下に説明され、当業者は、本明細書に開示された内容から本発明の利点および効果を理解することができる。本発明は、他の異なる詳細な実施形態を通じて実施または適用することができる。本発明の概念から逸脱することなく、異なる視点および用途に基づいて、本明細書のさまざまな詳細にさまざまな修正または変更を加えることもできる。さらに、本発明の添付の図面は、簡単な例示のみを目的としており、実際の寸法に関して記載されていないことに留意されたい。以下の実施形態は、本発明の関連する技術的内容をさらに詳細に説明するが、開示された内容は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。
【0021】
本明細書では「第1」、「第2」、「第3」などの用語が、様々な構成要素または信号を説明するために使用される場合があるが、構成要素または信号はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は主に、あるコンポーネントを別のコンポーネントと区別し、またはある信号を別の信号と区別するために使用される。さらに、本明細書で使用される「または」という用語は、必要に応じて、列挙された関連項目のいずれか1つまたは複数の組み合わせを含むことができる。
【0022】
さらに、以下の説明において、特定の図面を参照するか、特定の図面に示されているように指摘されている場合、それは以降の説明で強調するためにのみ使用される。上記の関連内容の大部分は、特定の図面に表れているが、以下の説明において、特定の図面のみを参照することに限定されない。
【0023】
[第1実施形態]
【0024】
図1を参照すると、本実施形態は、抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法を提供する。この実施形態によって提供される回路構成方法は、抗菌灯200(
図2及び
図3に示される)に適用される。このうち、本発明でいう抗菌灯200は、「発光ダイオードが発生する高電圧電場によりナノコーティング(例えば、銀イオン)を励起して抗菌効果を発揮する」ランプである。前述の抗菌灯200は、最新の実験データによれば、抗菌灯200の発光ダイオードに提供される電圧が高いほど、ナノコーティングの抗菌効果はより良好となる。この回路構成方法は、ステップS101およびステップS107を含む。設計者の必要に応じて、上述のステップのいずれか1つを省略したり、合理的な変更に置き換えたりすることができる。
【0025】
ステップS101:整流回路及び昇圧回路に交流電圧を供給する。
【0026】
ステップS103:前記整流回路を用いて交流電圧を直流電圧に整流し、第1の電圧レベルを提供する。
【0027】
ステップS105:前記昇圧回路を使用して、前記直流電圧を第2の電圧レベルに上昇させる。
【0028】
ステップS107:前記第1の電圧レベルと前記第2の電圧レベルとを結合し、高電圧レベルを形成し、抗菌灯を駆動するための駆動回路に提供する。
【0029】
したがって、
図2及び
図3に示すように、抗菌灯200の直列発光ダイオード210(即ち、直列接続された複数の発光ダイオード201)
を含む昇圧回路は、高電圧電場を発生させることができる。高電圧電場は、抗菌灯200のナノコーティング220を励起して、抗菌イオン(例えば、銀イオン)を生成する。
【0030】
つまり、「同じ高電圧電場を提供できる」2つの抗菌灯に対して、本発明が提供する回路構成方法を採用した抗菌灯は、他の抗菌灯よりも少ない発光ダイオードの数で高電圧電場を達成することができる。すなわち、本回路構成法を採用した抗菌灯の効能が向上されている。
【0031】
好ましくは、抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法は、IC(Integrated Circuit)制御モジュール5を使用して、第1の電圧レベルと第2の電圧レベルとの組み合わせを制御するステップ(例えば、
図6および
図8参照)も含むことができる。したがって、ユーザは、IC制御モジュール5を介して第1の電圧レベルと第2の電圧レベルとの間の組み合わせ関係を制御することができ、それにより、高電圧レベルの生成をさらに制御することができる(すなわち、抗菌灯200によるナノコーティング220の励起を制御する)。
【0032】
加えて、上述の回路構成方法は交流を直流に変換しているが、実際には直流を後続のステップに直接供給することもできる。したがって、当業者は状況に応じて直流を直接入力するように変更することができる。
【0033】
[第2実施形態]
【0034】
図4を参照すると、本実施形態は、一種の昇圧回路100を提供する。この昇圧回路100は、第1の実施形態の抗菌灯の効果を改善するための回路構成方法の技術的思想を採用する。この昇圧回路100は、整流モジュール1、整流モジュール1に電気的に結合された一次側2、第1の二次側3、及びこの第1の二次側3に電気的に結合された第2の二次側4を含む。
【0035】
整流モジュール1は、この実施形態では全波整流器である。この整流モジュール1は、交流電源に電気的に結合されて直流電源に整流するために使用されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、この昇圧回路100において、整流モジュール1を半波整流器や倍電圧整流器に置き換え、交流電源を電源に結合するために使用することもできる。
【0036】
一次側2は、この実施形態では単一の構成要素(コンポーネント)であり、一次側2は、整流モジュール1を介して直流電力を得ることができる。すなわち、本実施形態では、一次側2は、磁気回路として鉄心を有する単一の巻線(またはコイル)である。もちろん、図示しない本発明の他の実施形態において、一次側2が得る電源は交流電源であってもよく、昇圧回路100において整流モジュール1を適宜省略してもよい。
【0037】
第1の二次側3は、本実施形態では一次側2の一方の側に配置され、第1の二次側3は一次側2との電磁誘導により、第1の高電圧V1を形成する。即ち、第1の二次側3の巻線は一次側2の巻線に隣接しているが接触していない。実際の応用では、第1の二次側3の回路は、ダイオードやコンデンサなどのコンポーネント(つまり、整流回路)を持ち、一次側2と電磁誘導を発生させることができる。
【0038】
より詳細には、第1の二次側3は、第1の接続端子及び第1の接地端子を含む。前記第1の接続端子は、負荷Load(例えば、前記抗菌灯200の直列発光ダイオード210)の接続端の1つ(例えば、プラス端子)と接続するのに用いられる。第1の接地端子は、第2の二次側4に電気的に結合される。すなわち、第1の接続端子と負荷Loadとの接続位置がノードP1であり、第1の接地端子と第2の二次側4との接続位置がノードP2である。
【0039】
第2の二次側4は、本実施形態では一次側2の一方の側に配置される。前記第2の二次側4は一次側2との電磁誘導により、第2の高電圧V2を形成する。即ち、第2の二次側4の巻線は一次側2の巻線に隣接しているが接触していない。実際の応用では、第2の二次側4の回路にはダイオードやコンデンサなどの部品(つまりLC回路)があり、第2の二次側4と第1の二次側3は同時に一次側2と電磁誘導を発生させる。第2の二次側4の巻数は第1の二次側3の巻数と等しくないので、第2の高電圧V2の値は第1の高電圧V1の値と等しくない。
【0040】
さらに、第2の二次側4は、第2の接続端子および第2の接地端子を含む。前記第2の接続端子は、負荷Loadの別の接続端子(例えば、マイナス端子)を接続するために使用することができる。前記第2の接地端子は、本システムのグランドの電位基準点となる。すなわち、第2接続端子と負荷Loadとの接続位置はノードP3であり、第2接地端子とシステムの接地との電位基準点の位置はノードP4である。
【0041】
したがって、前記昇圧回路100は、上記の技術的特徴を採用することにより、負荷Loadが得るエネルギーを電圧差の小さい高電圧にすることができる。理解を容易にするために、以下、例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
負荷が発光装置であり、この発光装置が直列に接続された複数の発光ダイオードで構成されており、「1200ボルトの高電圧電場を介して、ナノ銀を励起し、銀イオンを生成させて殺菌する」必要があると仮定する。したがって、一次側2と第1の二次側3の巻数比は、100ボルトに昇圧されるように設計される(すなわち、ノードP1の電圧は100ボルトである)。前記一次側2と第2の二次側4の巻数比は、1100ボルトに昇圧されるように設計される(つまり、ノードP3の電圧は1100ボルトとなる)。したがって、第1の二次側3と第2の二次側4とが互いに直列に接続されている場合、電源の合計電圧は1200ボルトとなる。
【0043】
発光装置のプラス端子とマイナス端子がそれぞれノードP1とP3を介して前記第1の二次側3と第2の二次側4に接続されると、発光装置の接地された基準電圧は1100ボルトの高電位となる。発光装置が得る電源の合計電圧は1200ボルトである。即ち、昇圧回路100は発光装置に対して100ボルトの電圧差を有する高電圧を供給する。したがって、発光装置の複数の発光ダイオードのプラス端子からマイナス端子がそれぞれ取得する電圧は、1200ボルトと1100ボルトの間の電圧となり、これにより、高電圧電場の効果が実現される。
【0044】
[第3実施形態]
【0045】
図5は、本発明の第3の実施形態を示している。この実施形態の昇圧回路100は、上記の第2の実施形態の昇圧回路100と類似しており、2つの実施形態の間の類似点は詳細には説明しない。この実施形態の昇圧回路100’と第2の実施形態との間の主な相違点は、この実施形態では一次側2が単一の構成要素(コンポーネント)ではないことである。
【0046】
具体的には、この実施形態の一次側2’は、整流モジュール1に電気的に結合された第1の一次側21及び第2の一次側22を含む。すなわち、一次側2’は2つの巻線を有する。
【0047】
実際の適用では、第1の一次側21は第1の二次側3の一方の側に配置され、第1の一次側21と第1の二次側3は電磁誘導を発生する。第2の一次側22は、第2の二次側4の一側に配置され、第2の一次側22と第2の二次側4は電磁誘導を発生する。 すなわち、第1の一次側21の巻線は、第1の二次側3の巻線と隣接するが接触せず、第2の一次側22の巻線は、第2の二次側4の巻線に隣接するが接触していない。
【0048】
実際には、第1の一次側21の巻数は第1の二次側3の巻数に基づいて決定され、第2の一次側22の巻数は第2の二次側4の巻数に基づいて決定される。したがって、第1の一次側21及び第2の一次側22の巻き数は、設計者の要求に応じて同じまたは異なるように設計することができる。
【0049】
第1実施形態から第3実施形態の技術的思想に基づいて、他の実際の用途において、抗菌灯200は、
図6、
図8及び
図10に示される昇圧回路100A、100B、100Cを採用することができることを追加的に説明する。このような昇圧回路100A、100B、100Cは、IC制御モジュール5を介して第1の電圧レベルおよび第2の電圧レベルの組み合わせを制御し、高電圧レベルを生成し、第2の実施形態から第3の実施形態の効果を達成することができる。なお、
図6、
図8、
図10の昇圧回路Zは昇圧する回路であり、第2実施形態、第3実施形態の一次側、第1の二次側および第2の二次側で構成してもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。
図11は、本発明の第3の実施形態の昇圧回路のさらに別の態様の概略的な回路図である。
図11の昇圧回路100Bを例にとると、整流モジュール1は、交流電源を電気的に結合して直流電源を出力するために使用することができる。そして、2つの昇圧回路Zのうちの1つ(
図11の上方、昇圧回路100B内の昇圧回路Z)は交流電源を昇圧して第1の電圧レベルを提供し、2つの昇圧回路Zのうちの他方(
図11の右下の昇圧回路Z)は直流電源を昇圧して第2の電圧レベルを提供することができる。IC制御モジュール5は、第1の電圧レベルと結合するように第2の電圧レベルを制御し、抗菌灯を駆動するよう高電圧レベルを形成する。
図12は、本発明の第3の実施形態の昇圧回路のさらに別の態様の概略的な回路図である。
図12の昇圧回路100Dを例にとると、整流モジュール1は、交流電源に電気的に結合され、直流電源を出力することができ、この直流電源は第1の電圧レベルを提供することができる。昇圧回路Zは、直流電源に第2の電圧レベルを供給することができるので、第2の電圧レベルは第1の電圧レベルと組み合わされ、抗菌灯を駆動するための高電圧レベルを形成する。
【0050】
また、
図7は、抗菌灯が昇圧回路100Aを採用した場合の基板と直列発光ダイオードの模式図であり、
図9は、抗菌灯が昇圧回路100Bを採用した場合の基板と直列発光ダイオードの模式図である。
図7および
図9から理解されるように、
図7の直列発光ダイオード210を直接昇圧して、高電圧電場及び照明などの機能を提供できることが分かる。
図9では、直列発光ダイオード210は、照明のみを提供し、高電圧電場は、直列発光ダイオードに隣接する昇圧回路Zによって昇圧されたコンポーネントC(または電線)によって提供される。
【0051】
[本発明実施形態の技術的効果]
【0052】
要約すると、本発明の実施形態で開示された昇圧回路は、「第1の二次側の前記第1の接地端子を介して第2の二次側に電気的に結合することができる。そして、この昇圧回路の前記第1の二次側と前記第2の二次側は、それぞれ一次側との電磁誘導によりそれぞれ高電圧を形成することができ」、「前記第1の二次側と前記第2の二次側を負荷に接続するできる」設計により、前記負荷に対し小さな電圧差の高電圧を供給することができる。
【0053】
以上に開示した内容は、本発明の実施可能な好ましい実施形態に過ぎず、したがって、本発明の特許出願の範囲を限定するものではない。本発明の説明及び図面を用いてなされたすべての均等の技術的変更は、本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
100、100’、100A、100B、100C、100D:昇圧回路
1: 整流器モジュール
2、2’:一次側
21:第1の子一次側
22:第2の子一次側
3:第1の二次側
4:第2の二次側
5:IC制御モジュール
V1:第1の高電圧
V2:第2の高電圧
Load:負荷
P1、P2、P3、P4:ノード
200:抗菌灯
201:発光ダイオード
210:直列発光ダイオード
220:ナノコーティング
C:電線
Z:昇圧回路
S101~S107:ステップ