(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】光硬化性組成物、硬化体及び硬化体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08L 63/00 20060101AFI20241016BHJP
C08L 5/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
C08L63/00 C
C08L5/00
(21)【出願番号】P 2023566995
(86)(22)【出願日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2023013795
(87)【国際公開番号】W WO2023195442
(87)【国際公開日】2023-10-12
【審査請求日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2022062355
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597068663
【氏名又は名称】生田 幸士
(73)【特許権者】
【識別番号】391021466
【氏名又は名称】春日製紙工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】生田 幸士
【審査官】渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-143270(JP,A)
【文献】特開2012-162715(JP,A)
【文献】特開2011-208026(JP,A)
【文献】特開2022-023319(JP,A)
【文献】特開2021-130227(JP,A)
【文献】国際公開第2021/173493(WO,A1)
【文献】特表2019-503885(JP,A)
【文献】特表2018-528107(JP,A)
【文献】特開2013-091716(JP,A)
【文献】特表2020-520808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
B29C64
C08F2
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
β-1,3-グルカンと光硬化性樹脂を含有する光硬化性組成物であって、前記β-1,3-グルカンがパラミロンであり、
前記光硬化性樹脂が光硬化性エポキシ樹脂であり、前記光硬化性樹脂の含有量に対する前記パラミロンの含有量が0.5~30質量%である前記光硬化性組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の光硬化性組成物の硬化体。
【請求項3】
請求項1に記載の光硬化性組成物に光を照射することを特徴とする硬化体の製造方法。
【請求項4】
光硬化性組成物に光を照射した後に、温度処理することを特徴とする請求項3記載の硬化体の製造方法。
【請求項5】
温度処理が加熱処理であることを特徴とする請求項4記載の硬化体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β-1,3-グルカンと光硬化性樹脂を含有する光硬化性組成物、前記光硬化性組成物の硬化体及び硬化体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光硬化性樹脂は、三次元構造体の製造、プラスチック製品等の表面コートなどの様々な用途に使用されている。しかしながら、光硬化性樹脂は他の樹脂材料に比べて硬化後の強度や剛性が低い。そのため、光硬化性樹脂の機械的強度改善のために、セルロースナノファイバー等の繊維状の充填材を光硬化性樹脂に添加することが提案されている(特許文献1及び2参照)。しかし、その改善効果は十分ではなく、繊維状充填材の場合、光硬化性樹脂と混合し難いとの問題もあった。一方で、パラミロン粒子を樹脂の充填材として使用することが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、これは光硬化性樹脂を対象とするものでなく、その改善効果も弾性率が10~30%程度増加するにすぎなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-7116号公報
【文献】特許第6153680号公報
【文献】特開2013-91716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、強度及び剛性に優れた硬化体を得ることができる光硬化性組成物、及び光硬化性組成物から得られる強度及び剛性に優れた硬化体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、光硬化性樹脂の硬化後の機械的強度を向上させるための検討を進めたところ、意外にも光硬化性樹脂にβ-1,3-グルカンを添加することにより、光硬化後の硬化体の引張強度、曲げ強度、ヤング率等の機械的強度を格段に向上させることができることを見いだした。光硬化性樹脂は高い強度や剛性を必要としない分野に使用されることが多く、従来、強度や剛性の大きな改善効果も得られていなかったことから、光硬化性樹脂の機械的強度を大きく向上させようという試みはなされていなかった。しかし、本発明者の検討により、光硬化性樹脂を用いて引張強度が50MPa以上の硬化体を作製することも可能となった。この強度はエンジニアリングプラスチックの領域であり、もちろん従来の用途においても優れた効果を奏するものであるが、光硬化性樹脂を新たな用途に展開できるものである。加えて、本発明者は、β-1,3-グルカンを添加した光硬化性樹脂を光硬化させた後に、温度処理を行うことにより、硬化体の機械的強度を更に向上させる等の特性の調整ができることを見いだした。本発明は、こうして完成されたものである。
【0006】
すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)β-1,3-グルカンと光硬化性樹脂を含有する光硬化性組成物。
(2)β-1,3-グルカンがパラミロンであることを特徴とする上記(1)記載の光硬化性組成物。
(3)光硬化性樹脂の含有量に対するβ-1,3-グルカンの含有量が0.5~30質量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の光硬化性組成物。
(4)上記(1)~(3)のいずれかに記載の光硬化性組成物の硬化体。
(5)上記(1)~(3)のいずれかに記載の光硬化性組成物に光を照射することを特徴とする硬化体の製造方法。
(6)光硬化性組成物に光を照射した後に、温度処理することを特徴とする上記(5)記載の硬化体の製造方法。
(7)温度処理が加熱処理であることを特徴とする上記(6)記載の硬化体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の光硬化性組成物は、光硬化させることにより強度及び剛性に優れた硬化体を製造することができる。本発明の硬化体は、光硬化性樹脂を用いて製造された硬化体でありながら強度及び剛性に優れる。本発明の製造方法は、光硬化性樹脂を用いて強度及び剛性に優れた硬化体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1(a)及び(b)は、実施例で用いたパラミロンを走査型電子顕微鏡で観察した画像である。
【
図2】
図2は、実施例1~4及び比較例1のヤング率測定の結果を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例1~4及び比較例1の引張破断強度測定の結果を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例5~7及び比較例1の引張破断強度測定の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の光硬化性組成物は、β-1,3-グルカンと光硬化性樹脂を含有する。光硬化性樹脂とは、光によりモノマーやオリゴマーが重合反応、架橋反応等して樹脂化するものであり、必要に応じて光重合開示剤を含む。一般的に、光の照射により樹脂化して硬化する前の状態も光硬化性樹脂と言われており、本発明における光硬化性樹脂もこの意味で用いる。本発明における光硬化性樹脂としては、特に制限されるものではないが、例えば、カチオン重合性光硬化性樹脂、ラジカル重合性光硬化性樹脂等を挙げることができ、カチオン重合性光硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂等を挙げることができ、ラジカル重合性光硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエーテル樹脂等を挙げることができる。本発明の光硬化性組成物は、光硬化性樹脂を1種又は2種以上含有してもよい。また、照射される光の波長も特に制限されず、例えば、紫外線、可視光、赤外線等の領域の波長であってもよい。光重合開示剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、光を吸収してラジカル、カチオン等の重合開始種を生成する化合物を挙げることができ、具体的には、例えば、芳香族ケトン類等のカルボニル化合物、芳香族オニウム塩化合物、チオ化合物、オキシムエステル化合物、アシルホスフィンオキシド化合物、アルキルアミン化合物、オニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、及びピリジニウム塩等を挙げることができる。本発明の光硬化性組成物は、光重合開示剤を1種又は2種以上含有してもよい。
【0010】
β-1,3-グルカンとは、グルコースのβ-1,3-結合により生じる多糖類である。本発明におけるβ-1,3-グルカンとしては、直鎖状のもの及び分岐鎖を有するものを含む。本発明におけるβ-1,3-グルカンとしては、その由来等特に制限されるものではなく、化学合成によって得られたものでもよく、生物由来のものでもよい。生物由来のものとしては、例えば、細菌、真菌、酵母、大麦等の植物、藻類など由来のβ-1,3-グルカンを挙げることができ、例えば、パラミロン、カードラン、ラミナラン、カロース、レンチナン、シゾフィラン等を挙げることができる。藻類由来のβ-1,3-グルカンとして挙げられるユーグレナ由来のパラミロンは、β-1,3-グルカン鎖により形成される3重らせん構造体が集積した粒子である。本発明の光硬化性組成物は、β-1,3-グルカンを1種又は2種以上含有してもよい。本発明の光硬化性組成物における光硬化性樹脂とβ-1,3-グルカンとの含有比率は特に制限されるものではないが、例えば、β-1,3-グルカンの含有量として、光硬化性樹脂の含有量に対して、0.001~99.9質量%、0.01~99.9質量%、0.01~99質量%、0.1~90質量%、0.1~70質量%、0.1~50質量%、0.1~40質量%、0.5~90質量%、0.5~70質量%、0.5~50質量%、0.5~40質量%、0.5~30質量%、0.5~20質量%、0.5~10質量%、0.5~5質量%等を好ましい範囲として挙げることができる。
【0011】
本発明の光硬化性組成物は、光硬化性樹脂とβ-1,3-グルカンを混合することにより製造することができる。本発明の光硬化性組成物の製造方法は特に制限されないが、例えば、光硬化性樹脂は液体状であることが多いため、光硬化性樹脂にβ-1,3-グルカンを添加し、攪拌することにより製造することができる。光硬化性樹脂が固体状の場合は、溶媒等に溶解させて使用してもよい。使用するβ-1,3-グルカンの形態は、粒状等の固体状でもよく、液体状でもよい。光硬化性樹脂と混合できれば、β-1,3-グルカンの形態、粒径等は特に制限されない。攪拌、混合方法は、通常の攪拌、混合方法を適宜使用することができ、温度、時間等の攪拌、混合条件についても使用する材料に合わせて適宜選択することができる。
【0012】
本発明の硬化体は、本発明の光硬化性組成物に光を照射することにより製造することができる。光を照射する光源は特に制限されず、例えば、各種レーザー、各種ランプ等を挙げることができ、使用する光硬化性組成物に対応する波長の光を照射することにより、硬化体を製造することができる。光の強さ、照射時間等の条件は使用する材料に合わせて適宜選択することができる。本発明の硬化体は、強度及び剛性に優れるため、三次元構造体の製造の際に、光造形中の構造の重力変形を防ぐ又は少なくすることができる。そのため、重力変形を防ぐ目的のサポート(ステー)を付ける必要がなくなる又は少なくなる。さらに、重力による微小なたわみを防ぐことができるので、加工精度が向上する。また、各種物品の表面にコートする場合、傷がつきにくくできる。例えば、机などの上面に本発明の光硬化性組成物を薄くコートし、紫外線等の光で硬化させて表面の強度を向上させる場合でも、傷のつきにくいコート層を形成することができる。
【0013】
本発明の硬化体の製造方法においては、本発明の光硬化性組成物を光硬化させた硬化体を、更に温度処理してもよい。温度処理の温度は特に制限されるものでなく、冷却処理してもよく、加熱処理してもよい。温度処理することにより、硬化体の特性を変えることができる。例えば、光硬化させた硬化体を加熱処理することにより、硬化体の強度や剛性を更に高くすることができる。また、加熱処理することにより、硬化体に含まれる未硬化のモノマー、光重合開始剤等の影響による毒性を抑制して生体適合性を硬化体に付与することができるので、医療機器、食品用途等に適したものになる。加熱を、真空又は窒素雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うと、酸化による変色を防ぎ透明等の加熱前の状態を維持することが容易になる。また、本発明においては、光硬化させた硬化体を加熱処理すると、硬化体の硬度を向上させることができる。加熱処理の場合の温度は特に制限されず、加熱時間と合わせて適宜設定することができる。例えば、硬化体の融点未満の温度を挙げることができる。加熱処理における温度としては、樹脂により適宜選択できるが、昇温後に保持する処理温度(以下、加熱処理温度ともいう。)として、例えば、融点未満であって、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上等を挙げることができる。また、加熱処理温度として、樹脂の軟化点又はガラス転移点以下の温度であって、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上等を挙げることができる。加熱処理温度としては、樹脂の軟化点又はガラス転移点以上の温度でもよく、融点未満の温度であれば特に制限されるものではない。例えば、樹脂の軟化点又はガラス転移点の温度以上であって、樹脂の軟化点又はガラス転移点の温度よりも150℃高い温度以下、100℃高い温度以下等を挙げることができる。また、加熱処理温度としては、例えば、樹脂の軟化点又はガラス転移点の温度よりも150℃高い温度以下であって、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上等、あるいは樹脂の軟化点又はガラス転移点の温度よりも100℃高い温度以下であって、70℃以上、80℃以上、90℃以上、100℃以上等を挙げることができる。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0015】
[実施例1~4]
エポキシ系の汎用光硬化性樹脂(SCR751、株式会社ディーメック:臨界露光量20mJ/cm
2、硬化後のガラス転移温度108℃)6gに、表1に記載する割合(質量比)でユーグレナ由来のパラミロンを添加し混合して光硬化性組成物を調製した。調製した光硬化性組成物に、UVランプにより紫外線を照射して、硬化体を作製した。使用したパラミロンの走査型電子顕微鏡の画像を
図1に示す。
【0016】
【0017】
[実施例5~7]
実施例1~4と同種の汎用光硬化性樹脂とパラミロンを使用した。これらを使用して表2に記載する割合(質量比)で実施例1~4と同様に光硬化性組成物を調製し光硬化させた後、表2に記載する条件で空気中で加熱して最終的な硬化体を得た。
【0018】
【0019】
[比較例1]
エポキシ系の汎用光硬化性樹脂(SCR751、株式会社ディーメック:臨界露光量20mJ/cm2、硬化後のガラス転移温度108℃)5gを使用し、パラミロンを添加しなかったこと以外は実施例1~4と同様に光硬化させて硬化体を作製した。比較例1は比較のため、パラミロンを入れない光硬化性樹脂のみの硬化後の機械特性を示す。
【0020】
実施例1~7及び比較例1で得られた硬化体についてヤング率と引張破断強度を以下の方法で測定した。
(ヤング率及び引張破断強度の測定)
実施例1~7及び比較例1で得られた硬化体から試験片を作製して、引張試験により測定した。実施例1~4及び比較例1のヤング率測定の結果を
図2に、引張破断強度測定の結果を
図3に示す。また、実施例5~7及び比較例1の引張破断強度測定の結果を
図4に示す。
図2~4の棒グラフに示す値は5回測定した結果の平均値である。
図2~4から分かるように、パラミロンを添加した実施例1~4及び5で得られた硬化体は、パラミロンを添加しない比較例1で得られた硬化体に比べて2.8~4倍のヤング率と2.6~3.3倍の引張破断強度を示した。中でも、実施例2~4で得られた硬化体は、50MPa近く又はそれ以上の引張強度を有していた。また、実施例1及び5に示されるように、パラミロンの含有量が光硬化性樹脂に対して1質量%や5質量%という少量でもヤング率や引張破断強度が大きく向上した。さらに、
図4から分かるように、光硬化後に加熱した硬化体(実施例6及び7)では、加熱前(実施例5)に比べて約1.4倍の引張破断強度を示し、パラミロンを添加しない場合(比較例1)に比べて約4倍の引張破断強度を示した。実施例6では、光硬化後のガラス転移温度より低い温度で加熱し、実施例7では、光硬化後のガラス転移温度より高い温度で加熱したが、いずれも加熱処理により、強度の向上効果が認められた。
【0021】
[実施例8~10]
実施例1~4と同種の汎用光硬化性樹脂とパラミロンを使用した。これらを使用して表3に記載する割合(質量比)で実施例1~4と同様に光硬化性組成物を調製し光硬化させた後、表3に記載する条件で空気中で加熱して最終的な硬化体を得た。得られた硬化体のビッカース硬さを、マイクロビッカース硬さ試験機(HM-221、(株)ミツトヨ製)で測定した。圧子を押し付ける試験力を0.02kgfとし、圧痕の対角線の長さ(d1、d2(μm))を測定してビッカース硬さを求めた。測定の結果、実施例8では約17HV、実施例9では約20HV、実施例10では約28HVであった。加熱処理を行ったものは、加熱処理しないものに比べて硬度が高くなっていた。
【0022】
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の光硬化性組成物は光硬化性樹脂を使用しているにもかかわらず、強度及び剛性の高い硬化体を得ることができるので、3Dプリンター等による3次元構造体の作製、各種表面コーティング等に好適に使用でき、加えて従来は光硬化性樹脂が使用できなかった高い強度や剛性が求められる分野においても好適に使用できる。本発明の硬化体は、高い強度や剛性を有するので、上記と同様の分野に好適に使用でき、加熱処理したものは、医療機器、食品用途等にも好適に利用できる。具体的には、例えば、医療分野への応用として、マイクロ医療機器、内部に流路を持つ各種バイオ検査デバイス、体内埋め込み部品等、本発明によると強度と生体適合性を併せ持つ光造形法を行うことができるので、適用分野が大幅に拡大する。また、例えば、産業分野への応用として、家具の表面硬化、家具の表面の生体適合性向上、3Dプリンターで作製する多品種少量品(例えば、バックアップパーツ等)、その他の応用として、食品用の機材や装置の部品、子供用の玩具、ペット用器材などを挙げることができる。