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特許7571992免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラム
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  • 特許-免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2024130531
(22)【出願日】2024-08-07
【審査請求日】2024-08-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500374434
【氏名又は名称】ビリングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江田 敏彦
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-129986(JP,A)
【文献】特開2004-062496(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0096282(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0141284(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置であって、
前記記憶部は、
還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶する免税管理記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記各免税店における前記還付申請者の免税買物明細データを取得する買物明細取得手段と、
前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる集約手段と、
免税買物に対する税関手続完了および前記還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の前記免税買物明細データが確定した場合、前記還付申請者データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を前記還付申請者に還付させる還付手段と、
を備えたことを特徴とする免税管理装置。
【請求項2】
前記集約手段は、
前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の前記免税対象消費税金額の前記集約口座への集約指示を、前記各免税店の前記金融機関口座を管理する金融機関システムに送信することで、当該免税対象消費税金額を集約させることを特徴とする請求項1に記載の免税管理装置。
【請求項3】
前記還付手段は、
前記免税買物に対する前記税関手続完了および前記還付申請者の前記出国完了が確認され、前記免税還付対象の前記免税買物明細データを集約した免税還付確定データを国税局の前記端末装置から受信した場合、前記還付申請者データおよび前記免税還付確定データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した前記合計還付金額を前記還付申請者に還付するための還付指示を前記集約口座を管理する金融機関システムに送信することで、当該合計還付金額を前記還付申請者に還付させることを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項4】
前記還付手段は、
前記免税買物に対する前記税関手続完了および前記還付申請者の前記出国完了が確認され、前記国税局の前記端末装置にて前記免税還付対象の前記免税買物明細データに還付対象フラグが設定され、当該免税買物明細データを集約した前記免税還付確定データを前記国税局の前記端末装置から受信した場合、前記還付申請者データおよび前記免税還付確定データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した前記合計還付金額を前記還付申請者に還付するための前記還付指示を前記集約口座を管理する前記金融機関システムに送信することで、当該合計還付金額を前記還付申請者に還付させることを特徴とする請求項3に記載の免税管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記還付申請者の前記端末装置から前記還付方法の登録指示を受信した場合、当該還付申請者の当該還付方法を設定した前記還付申請者データを前記免税管理記憶手段に登録する登録手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項6】
前記還付手段は、
更に、前記還付申請者の前記合計還付金額を設定した還付明細データを前記還付申請者の前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項7】
前記還付申請者データは、
更に、前記還付申請者のパスポート番号が設定され、
前記免税還付確定データは、
更に、前記還付申請者の前記パスポート番号が設定され、
前記還付手段は、
更に、前記還付申請者データおよび前記免税還付確定データに基づいて、前記免税店毎の前記免税還付対象外の前記免税対象消費税金額を合計した合計返戻消費税金額を当該各免税店の前記金融機関口座に返戻するための返戻指示を前記集約口座を管理する前記金融機関システムに送信することを特徴とする請求項3に記載の免税管理装置。
【請求項8】
前記還付手段は、
更に、前記各免税店に前記集約口座から返戻された前記合計返戻消費税金額の納税指示を当該各免税店の前記端末装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の免税管理装置。
【請求項9】
前記還付申請者データは、
更に、前記還付申請者の連絡アドレスが設定され、
前記還付手段は、
更に、前記還付申請者データに設定された前記還付申請者の前記還付方法に不備があり、前記合計還付金額を前記還付申請者に還付できなかった場合、当該還付申請者の前記連絡アドレス宛に還付金受取意思確認通知を送信することを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項10】
前記還付方法は、
前記還付申請者の金融機関口座、クレジットカードもしくはスマートフォン決済ワレットへの送金、または、前記還付申請者のプリペイドカードもしくは電子マネーへのチャージであることを特徴とする請求項1または2に記載の免税管理装置。
【請求項11】
端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理方法であって、
前記記憶部は、
還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶する免税管理記憶手段、
を備え、
前記制御部において実行される、
前記各免税店における前記還付申請者の免税買物明細データを取得する買物明細取得ステップと、
前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる集約ステップと、
免税買物に対する税関手続完了および前記還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の前記免税買物明細データが確定した場合、前記還付申請者データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を前記還付申請者に還付させる還付ステップと、
を含むことを特徴とする免税管理方法。
【請求項12】
端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理プログラムであって、
前記記憶部は、
還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶する免税管理記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記各免税店における前記還付申請者の免税買物明細データを取得する買物明細取得ステップと、
前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる集約ステップと、
免税買物に対する税関手続完了および前記還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の前記免税買物明細データが確定した場合、前記還付申請者データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を前記還付申請者に還付させる還付ステップと、
を実行させるための免税管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレジットカードやデビットカード等を利用して、免税額を含む購入商品金額の決済処理が実行された後刻に、付加価値税の還付処理を実行する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-62496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、還付予定の付加価値税の総額を集約し、還付申請者には纏めて免税還付することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、還付申請者に対する全ての還付予定消費税を集約し、還付申請者への免税還付を一回に纏めて実行することができる免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る免税管理装置は、端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置であって、前記記憶部は、還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶する免税管理記憶手段、を備え、前記制御部は、前記各免税店における前記還付申請者の免税買物明細データを取得する買物明細取得手段と、前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる集約手段と、免税買物に対する税関手続完了および前記還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の前記免税買物明細データが確定した場合、前記還付申請者データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を前記還付申請者に還付させる還付手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記集約手段は、前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の前記免税対象消費税金額の前記集約口座への集約指示を、前記各免税店の前記金融機関口座を管理する金融機関システムに送信することで、当該免税対象消費税金額を集約させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付手段は、前記免税買物に対する前記税関手続完了および前記還付申請者の前記出国完了が確認され、前記免税還付対象の前記免税買物明細データを集約した免税還付確定データを国税局の前記端末装置から受信した場合、前記還付申請者データおよび前記免税還付確定データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した前記合計還付金額を前記還付申請者に還付するための還付指示を前記集約口座を管理する金融機関システムに送信することで、当該合計還付金額を前記還付申請者に還付させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付手段は、前記免税買物に対する前記税関手続完了および前記還付申請者の前記出国完了が確認され、前記国税局の前記端末装置にて前記免税還付対象の前記免税買物明細データに還付対象フラグが設定され、当該免税買物明細データを集約した前記免税還付確定データを前記国税局の前記端末装置から受信した場合、前記還付申請者データおよび前記免税還付確定データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した前記合計還付金額を前記還付申請者に還付するための前記還付指示を前記集約口座を管理する前記金融機関システムに送信することで、当該合計還付金額を前記還付申請者に還付させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記制御部は、前記還付申請者の前記端末装置から前記還付方法の登録指示を受信した場合、当該還付申請者の当該還付方法を設定した前記還付申請者データを前記免税管理記憶手段に登録する登録手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付手段は、更に、前記還付申請者の前記合計還付金額を設定した還付明細データを前記還付申請者の前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付申請者データは、更に、前記還付申請者のパスポート番号が設定され、前記免税還付確定データは、更に、前記還付申請者の前記パスポート番号が設定され、前記還付手段は、更に、前記還付申請者データおよび前記免税還付確定データに基づいて、前記免税店毎の前記免税還付対象外の前記免税対象消費税金額を合計した合計返戻消費税金額を当該各免税店の前記金融機関口座に返戻するための返戻指示を前記集約口座を管理する前記金融機関システムに送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付手段は、更に、前記各免税店に前記集約口座から返戻された前記合計返戻消費税金額の納税指示を当該各免税店の前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付申請者データは、更に、前記還付申請者の連絡アドレスが設定され、前記還付手段は、更に、前記還付申請者データに設定された前記還付申請者の前記還付方法に不備があり、前記合計還付金額を前記還付申請者に還付できなかった場合、当該還付申請者の前記連絡アドレス宛に還付金受取意思確認通知を送信することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る免税管理装置において、前記還付方法は、前記還付申請者の金融機関口座、クレジットカードもしくはスマートフォン決済ワレットへの送金、または、前記還付申請者のプリペイドカードもしくは電子マネーへのチャージであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る免税管理方法は、端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理方法であって、前記記憶部は、還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶する免税管理記憶手段、を備え、前記制御部において実行される、前記各免税店における前記還付申請者の免税買物明細データを取得する買物明細取得ステップと、前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる集約ステップと、免税買物に対する税関手続完了および前記還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の前記免税買物明細データが確定した場合、前記還付申請者データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を前記還付申請者に還付させる還付ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る免税管理プログラムは、端末装置に通信可能に接続された、記憶部と制御部とを備えた免税管理装置に実行させるための免税管理プログラムであって、前記記憶部は、還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶する免税管理記憶手段、を備え、前記制御部において、前記各免税店における前記還付申請者の免税買物明細データを取得する買物明細取得ステップと、前記金融機関データおよび前記免税買物明細データに基づいて、前記各免税店における前記還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる集約ステップと、免税買物に対する税関手続完了および前記還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の前記免税買物明細データが確定した場合、前記還付申請者データに基づいて、前記免税還付対象の前記免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を前記還付申請者に還付させる還付ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
従来、同じ人が数か所の免税店で買い物をした場合、数か所の免税店で同じ人にそれぞれ還付作業をする必要があり、受取人にとっても数か所からばらばらに還付されることで、その手数料・人件費も余分にかかっていたが、本発明によれば、免税還付するための原資を一か所に集約することができ、各免税店で還付作業をする必要がなく、一か所の作業で同一パスポート番号の一人への還付作業を一回で終了させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、還付を受ける外国人旅行者が本人確認する仕組みの中で還付を受け取る方法やその口座を申請することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、日本で確認でき且つ認定している還付方法を登録することができ、国際取引が認定されている銀行の口座、国際ブランドのクレジットカード、国際ブランドのプリペイドカード、国際ブランドのスマートフォン決済ワレット等を対象として、それらへの還付データおよび頒布方法を指示する取引指示データを作成・送付することができるという効果を奏する。また、従来、還付された内訳やその明細が何か等を確認できなかったが、本発明によれば、還付した後に、還付を受ける本人のスマートフォンに還付明細データを届けることができ、その明細確認ができ、後日管理も容易にすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、データをパスポート番号をキーに集約し、それらを比較して、還付しないで消費税となるデータを抜き出し、その該当する免税店毎の消費税明細データを作成・送信すると共に、店舗毎の消費税となった当該金額合計を店舗に戻す指示データの作成し、その対応指示データの作成をすることができるという効果を奏する。これにより、本発明によれば、免税処理をしたが、出国後消費税処理に変わった免税店の消費税取引データを、日付毎の取引明細で作成し、各店舗に届け、その該当金額も店舗に戻すため、店舗の税務処理の煩雑化を防ぐことができるという効果を奏する。また、従来、還付指示データに基づいて還付処理しており、還付できなかったデータを集めて、次の対応をするためのデータベースを構築し、本人が登録する銀行口座番号やクレジットカード番号の間違い等で返還不能となる還付データが発生した場合の対処に大きな負担がかかっていたが、本発明によれば、本人が還付口座を登録する際に、還付不能となった場合、連絡アドレスを登録し、このアドレスへ連絡し、受取意思が確認できた場合、本人確認を実施の上、ヴァーチャルカード発行し、当該カードに還付することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、従来の免税管理処理の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態における免税管理処理の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における免税管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態における免税管理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態における免税後日還付処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における免税後日還付処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0021】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。図1は、従来の免税管理処理の一例を示す図である。図2は、本実施形態における免税管理処理の一例を示す図である。
【0022】
従来から、外国人旅行者向け免税制度は、免税店の拡大および外国人旅行者の利便性の向上を図ることによって、インバウンド消費拡大の重要な政策ツールとなってきた。他方で、免税店の横流し等の不正事例が後を絶たず、出国時に補足して即時徴収を行ってもその多くは滞納となっており、制度の不正利用が看過できない状況となり、免税店にとっても税務リスクを抱えながら免税販売を行うことが業務負荷となっていた。こうした実態を踏まえ、従来から、早急に制度の抜本的な見直し、すなわち、出国時の購入品の持ち出しが確認できた場合に免税販売が成立し、免税店が確認後に消費税相当額を返金する制度に見直す必要があり、検討にあたっては、旅行者の利便性、免税店の事務負担軽減、空港での混雑防止等に十分留意した見直しが必要とされていた。
【0023】
ここで、図1に示すように、従来、免税還付対応に伴い、免税カウンターのある店舗であっても、一般レジで免税対応する店舗であっても、免税対応作業が増加していたため、作業を増加させないためのシステム機能および業務運営の実現が必要とされていた。
【0024】
そこで、図2に示すように、免税店において、従来は、店頭にて消費税込みで販売し、免税カウンターにて免税確認して消費税を還付し、パスポートデータおよび免税購入明細データを免税管理システムに登録していたが、本実施形態においては、店頭にて消費税込みで販売し、免税カウンターにて免税確認し、パスポートデータおよび免税購入明細データを免税管理システムに登録し、免税還付のための還付口座の登録確認を行い、登録がない場合、新規登録設定を支援する仕組みを提供している。
【0025】
ここで、図2に示すように、従来、来日外国人は、免税品を買物した当日に免税手続きをして消費税の還付を受け、免税手続きの際にパスポートを提示し、免税商品の確認を受け、手数料を差し引いた消費税分の現金を受け取り、免税手続きのために長時間並んでいたが、本実施形態において、来日外国人は、免税品買物の際にパスポートを提示し、本人確認および免税商品の確認を受け、還付金受取口座を事前に登録、または、免税手続き時に登録している。
【0026】
また、図2に示すように、税関において、従来は、出国する外国人の手荷物検査をしており、荷物が多い人や挙動不審な人等もいたが、本実施形態においては、出国する外国人のパスポートに紐付いた免税管理システムの登録データをチェックし、高額な買い物額が多い人や買い物件数の多い人等の手荷物検査をし、登録データと手荷物検査結果とが不突合の場合、免税対象を検査で確認できた物だけとすることを出国者に通知し、免税管理システムに全出国者の確認結果を登録する仕組みを提供している。そのために、本実施形態においては、免税管理システムから確認済みデータを受取り、保存し、保存したデータに基づいて、免税還付を実施し、還付方法として銀行振込、クレジットカード口座振込、プリペイド口座振込またはスマートフォン口座振込等を設定し、還付できなかったデータを集めて、次に対応するための明細データを作成している。
【0027】
このように、従来は、店舗で消費税還付を受けた後、購入した商品をEC(Electronic Commerce)等で売却しても分からなかったため、消費税の中抜きがされており、パスポートに紐付いた免税購入確認では、購入時の確認ができても、累積ベースの確認ができなかったため、出国時の手荷物と購入品との突合せをしていなかったので、正規の免税対応はできなかったという問題があったが、本実施形態においては、免税管理システムが稼働し、免税買物明細の登録が免税店に行き渡ったため、パスポート毎の免税買物と出国時の手荷物との突合せができる様になっている。更に、本実施形態においては、購入データと手荷物との突合せが出国者全員の検査ではないため、これだけでは不正は完全防止できないが、免税還付が出国時以降となることで、還付受取りも出国時以降となるため、本人確認およびパスポートデータの明確化により、免税管理が大幅に厳正化できている。
【0028】
[2.免税管理システムの構成]
本実施形態に係る端末装置100(還付申請者の端末装置100-1、国税局の端末装置100-2、免税店の端末装置100-3)、サーバ(免税管理装置)200、および、金融機関システム(エレクトロニックバンキングシステム)500を通信可能に接続した免税管理システムの構成の一例について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態における免税管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
[端末装置100の構成]
図3において、端末装置100は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PHS、PDA(Personal Digital Assistants)もしくはコードリーダ(例えば、QRコード(登録商標)リーダ等)等の携帯端末、一般に市販されるデスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、または、ワークステーション等の情報処理装置等であってもよい。
【0030】
端末装置100は、制御部102と記憶部106と入出力部112とを備えており、端末装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0031】
入出力部112は、データの入出力(I/O)を行う機能を有していてもよい。ここで、入出力部112は、例えば、キー入力部、タッチパネル、コントロールパッド(例えば、タッチパッド、および、ゲームパッド等)、マウス、キーボード、および、マイク等であってもよい。また、入出力部112は、アプリケーション・ソフトウェア等の(入出力)データを表示する表示部(例えば、液晶または有機EL等から構成されるディスプレイ、モニタ、および、タッチパネル等)であってもよい。また、入出力部112は、音声データを音声として出力する音声出力部(例えば、スピーカ等)であってもよい。また、入出力部112は、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサ等の撮像素子で撮影した画像(静止画および動画)をデジタルデータとして記録する画像入力部(例えば、カメラ等)であってもよい。また、入出力部112は、指紋センサ、虹彩認証もしくは顔認証等に利用可能なカメラ(例えば、赤外線カメラ等)、および/または、静脈センサ等の生体センサであってもよい。
【0032】
端末装置100は、他の装置とネットワーク300を介して通信可能に接続し、他の装置とデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、端末装置100と他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えば、インターネットおよび/またはLAN(Local Area Network)等である。
【0033】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および/または、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および/または、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。記憶部106は、入出力部112にて記録された画像データ、ネットワーク300を介して受信されたデータ、および/または、入出力部112を介して入力された入力データ等を記憶していてもよい。
【0034】
制御部102は、端末装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。例えば、制御部102は、入出力部112にて記録された画像データの取得および画像データに含まれる文字データ(URL等)のデータ読取、ネットワーク300を介したデータ送受信、入出力部112を介して入力された入力データの取得、ならびに、出力部114でのデータ(画面)表示等の各処理を実行してもよい。なお、制御部102は、光学文字認識:OCR(Optical Character Recognition)処理を実行してもよい。
【0035】
[サーバ200の構成]
図3において、サーバ200は、パーソナルコンピュータ、または、ワークステーション等の情報処理装置であってもよい。サーバ200は、制御部202と記憶部206とを備えており、サーバ200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。サーバ200は、ネットワーク300を介して、他の装置と相互に通信可能に接続されている。
【0036】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブル、および/または、ファイルなどが格納される。記憶部206には、OSと協働してCPUに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206は、RAM、ROM、HDD、および/または、SSD等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブルを格納する。記憶部206は、機能概念的に、免税管理データベース206aを備えている。
【0037】
免税管理データベース206aは、免税管理データを記憶する。ここで、免税管理データベース206aは、還付申請者の還付方法を設定した還付申請者データ、および、各免税店の金融機関口座を設定した金融機関データを記憶していてもよい。ここで、還付申請者データは、還付申請者のパスポート番号が設定されていてもよい。また、還付申請者データは、還付申請者の連絡アドレスが設定されていてもよい。また、還付方法は、還付申請者の金融機関口座、クレジットカードおよび/もしくはスマートフォン決済ワレットへの送金、ならびに/または、還付申請者のプリペイドカードおよび/もしくは電子マネーへのチャージ等であってもよい。また、免税管理データベース206aは、金融機関の口座番号および口座名義人名等を含む金融機関データ、デポジットデータ、ならびに/または、クレジットカード番号、登録者名および/もしくはセキュリティコード等を含むクレジットカードデータを含んでいてもよい。また、還付申請者データは、還付申請者データの氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、および/または、パスワード等が設定されていてもよい。
【0038】
制御部202は、サーバ200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部202は、機能概念的に、登録部202aと買物明細取得部202bと集約部202cと還付部202dとを備えている。
【0039】
登録部202aは、免税管理データを免税管理データベース206aに登録する。ここで、登録部202aは、還付申請者の端末装置100-1から還付方法の登録指示を受信した場合、当該還付申請者の当該還付方法を設定した還付申請者データを免税管理データベース206aに登録してもよい。
【0040】
買物明細取得部202bは、免税買物明細データを取得する。ここで、買物明細取得部202bは、各免税店における還付申請者の免税買物明細データを取得してもよい。
【0041】
集約部202cは、各免税店における免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させる。ここで、集約部202cは、金融機関データおよび免税買物明細データに基づいて、各免税店における還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させてもよい。また、集約部202cは、金融機関データおよび免税買物明細データに基づいて、各免税店における還付申請者の免税対象消費税金額の集約口座(例えば、金融機関システム500-2の口座)への集約指示を、各免税店の金融機関口座を管理する金融機関システム500(例えば、金融機関システム500-1)に送信することで、当該免税対象消費税金額を(例えば、金融機関システム500-2の口座に)集約させてもよい。
【0042】
還付部202dは、免税還付対象の免税対象消費税金額を還付申請者に還付させる。ここで、還付部202dは、免税買物に対する税関手続完了および還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の免税買物明細データが確定した場合、還付申請者データに基づいて、免税還付対象の免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を還付申請者に還付させてもよい。また、還付部202dは、免税買物に対する税関手続完了および還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の免税買物明細データを集約した免税還付確定データを国税局の端末装置100-2から受信した場合、還付申請者データおよび免税還付確定データに基づいて、免税還付対象の免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を還付申請者に還付するための還付指示を集約口座を管理する金融機関システム500に送信することで、当該合計還付金額を還付申請者に還付させてもよい。
【0043】
また、還付部202dは、免税買物に対する税関手続完了および還付申請者の出国完了が確認され、国税局の端末装置100-2にて免税還付対象の免税買物明細データに還付対象フラグが設定され、当該免税買物明細データを集約した免税還付確定データを国税局の端末装置100-2から受信した場合、還付申請者データおよび免税還付確定データに基づいて、免税還付対象の免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を還付申請者に還付するための還付指示を集約口座を管理する金融機関システム500に送信することで、当該合計還付金額を還付申請者に還付させてもよい。また、還付部202dは、還付申請者の合計還付金額を設定した還付明細データを還付申請者の端末装置100-1に送信してもよい。
【0044】
ここで、免税還付確定データは、還付申請者のパスポート番号が設定されていてもよい。また、還付部202dは、還付申請者データおよび免税還付確定データに基づいて、免税店毎の免税還付対象外の免税対象消費税金額を合計した合計返戻消費税金額を当該各免税店の金融機関口座に返戻するための返戻指示を集約口座を管理する金融機関システム500に送信してもよい。また、還付部202dは、各免税店に集約口座から返戻された合計返戻消費税金額の納税指示を当該各免税店の端末装置100-3に送信してもよい。また、還付部202dは、還付申請者データに設定された還付申請者の還付方法に不備があり、合計還付金額を還付申請者に還付できなかった場合、当該還付申請者の連絡アドレス宛に還付金受取意思確認通知を送信してもよい。
【0045】
[金融機関システム500の構成]
図3において、金融機関システム500は、パーソナルコンピュータ、または、ワークステーション等の情報処理装置であってもよい。ここで、金融機関システム500は、ネットワーク300を介して、他の装置と相互に通信可能に接続されている。また、金融機関システム500は、免税店の口座、還付申請者の口座、および/または、集約口座を備えていてもよい。また、金融機関システム500は、金融機関の口座から当該金融機関の口座への口座振替処理を実行してもよい。また、金融機関システム500(例えば、金融機関システム500-1)は、金融機関の口座から他金融機関の口座(他の金融機関システム500-2)への振込処理を実行してもよい。
【0046】
[3.免税管理システムの処理]
本実施形態に係る免税管理システムの処理の一例について、図4から図6を参照して説明する。図4は、本実施形態における免税管理システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
図4に示すように、サーバ200の登録部202aは、還付申請者の端末装置100-1から還付方法の登録指示を受信した場合、当該還付申請者の当該還付方法を設定した還付申請者データを免税管理データベース206aに登録する(ステップSA-1)。
【0048】
そして、サーバ200の買物明細取得部202bは、各免税店の端末装置100-3から送信された各免税店における還付申請者の免税買物明細データを取得する(ステップSA-2)。
【0049】
そして、サーバ200の集約部202cは、金融機関データおよび免税買物明細データに基づいて、各免税店における還付申請者の免税対象消費税金額の集約口座である金融機関システム500-2の口座への集約指示を、各免税店の金融機関口座を管理する金融機関システム500-1に送信することで、当該免税対象消費税金額を当該集約口座に集約させる(ステップSA-3)。
【0050】
そして、サーバ200の還付部202dは、免税買物に対する税関手続完了および還付申請者の出国完了が確認され、国税局の端末装置100-2にて免税還付対象の免税買物明細データに還付対象フラグが設定され、当該免税買物明細データを集約した免税還付確定データを国税局の端末装置100-2から受信した場合、還付申請者データおよび免税還付確定データに基づいて、免税還付対象の免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を還付申請者に還付するための還付指示を集約口座を管理する金融機関システム500-2に送信することで、当該合計還付金額を還付申請者に還付させる(ステップSA-4)。
【0051】
そして、サーバ200の還付部202dは、還付申請者データおよび免税還付確定データに基づいて、免税店毎に免税還付対象外の免税対象消費税金額があるか否かを判定する(ステップSA-5)。
【0052】
そして、サーバ200の還付部202dは、免税還付対象外の免税対象消費税金額がないと判定した場合(ステップSA-5:No)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0053】
一方、サーバ200の還付部202dは、免税店に免税還付対象外の免税対象消費税金額があると判定した場合(ステップSA-5:Yes)、処理をステップSA-6に移行させる。
【0054】
そして、サーバ200の還付部202dは、還付申請者データおよび免税還付確定データに基づいて、免税店毎の免税還付対象外の免税対象消費税金額を合計した合計返戻消費税金額を当該各免税店の金融機関口座に返戻するための返戻指示を集約口座を管理する金融機関システム500-2に送信する(ステップSA-6)。
【0055】
そして、サーバ200の還付部202dは、合計返戻消費税金額が返戻された各免税店に集約口座から返戻された合計返戻消費税金額の納税指示を当該各免税店の端末装置100-3に送信する(ステップSA-7)。
【0056】
そして、サーバ200の還付部202dは、還付申請者の合計還付金額を設定した還付明細データを還付申請者の端末装置100-1に送信し(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0057】
ここで、図5および図6を参照して、本実施形態における免税後日還付処理の一例について説明する。図5および図6は、本実施形態における免税後日還付処理の一例を示す図である。
【0058】
図5には、本実施形態における免税の後日還付作業の概要が示されており、図6には、図5に示す後日還付作業の詳細が示されている。ここで、図6に示すように、本実施形態においては、(1)現在各免税店が免税取り扱いをした販売明細データをパスポートに紐付けて、国税庁の免税販売管理システムに登録している。なお、本実施形態においては、販売明細データを登録する際に、全ての免税店舗が免税買物明細データにも登録する仕組みを構築し、全免税店の共通販売明細データを構築している。
【0059】
そして、図6に示すように、本実施形態においては、(2)共通販売明細データから、各店舗の一日分の免税取り扱いを集計し、免税還付する対象となる消費税を算出している。そして、図6に示すように、本実施形態においては、(3)(2)で算出した日本全国の免税事業者店舗が還付する消費税の金額を、それぞれの店舗の銀行口座から集約させている。そして、図6に示すように、本実施形態においては、(4)外国人旅行者が出国する際、税関が持出荷物を確認し、免税買物管理システムの買物明細データに免税還付可を示すフラグを立てた免税買物明細データを集約する免税還付確定データを作成している。
【0060】
そして、図6に示すように、本実施形態においては、(5)日本に来た外国人旅行者が、免税還付を受ける際に、還付して欲しい方法や還付する口座を本人が登録し、本人確認できるデータを作成している。そして、図6に示すように、本実施形態においては、(6)(4)および(5)から、本人に還付する金額や還付方法をセットした還付指示データを作成し、それぞれの還付システムへ連携している。そして、図6に示すように、本実施形態においては、(7)各還付した後に、還付を受ける本人のスマートフォンに還付明細データを届けている。
【0061】
そして、図6に示すように、本実施形態においては、(8)(1)および(4)のデータをパスポート番号をキーに集約し、それらを比較して、還付しないで消費税となるデータを抜き出し、その該当する免税店毎の消費税明細データを作成し、当該各免税店にデータを送ると共に、店舗毎の消費税となった当該金額合計を店舗に戻す指示データの作成、および、その対応指示データの作成をしている。そして、図6に示すように、本実施形態においては、(9)(7)の還付指示データに基づいて還付処理したが、還付できなかったデータを集めて、次に対応するための明細データを作成している。
【0062】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0063】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0064】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0065】
また、端末装置100およびサーバ200等に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0066】
例えば、端末装置100およびサーバ200等が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0067】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100およびサーバ200等に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0068】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0069】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0070】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0071】
また、端末装置100およびサーバ200等は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、端末装置100およびサーバ200等は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0072】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、免税店業界を含む小売業界、および、金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0074】
100 端末装置
102 制御部
106 記憶部
112 入出力部
200 サーバ
202 制御部
202a 登録部
202b 買物明細取得部
202c 集約部
202d 還付部
206 記憶部
206a 免税管理データベース
300 ネットワーク
500 金融機関システム
【要約】
【課題】還付申請者に対する全ての還付予定消費税を集約し、還付申請者への免税還付を一回に纏めて実行することができる免税管理装置、免税管理方法、および、免税管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】各免税店における還付申請者の免税買物明細データを取得し、金融機関データおよび免税買物明細データに基づいて、各免税店における還付申請者の免税対象消費税金額を金融機関の集約口座に集約させ、免税買物に対する税関手続完了および還付申請者の出国完了が確認され、免税還付対象の免税買物明細データが確定した場合、還付申請者データに基づいて、免税還付対象の免税対象消費税金額を合計した合計還付金額を還付申請者に還付させる。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6