(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】半導体装置および浮遊ゲートデバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20241016BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20241016BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20241016BHJP
H10B 41/30 20230101ALI20241016BHJP
H01L 29/43 20060101ALI20241016BHJP
H01L 29/47 20060101ALI20241016BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H10B41/30
H01L29/46
H01L29/48 D
(21)【出願番号】P 2021028111
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2023-12-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.令和2年6月21日~24日(発表日:令和2年6月22日)に開催された「第78回デバイスリサーチコンファレンス」に発表 2.令和2年9月27日にウェブサイトで公開された「2020年国際固体素子・材料コンファレンス(2020 International Conference on Solid State Devices and Materials)の要旨集」に発表 3.令和2年9月27~30日(発表日:令和2年9月30日)に開催された「2020年国際固体素子・材料コンファレンス(2020 International Conference on Solid State Devices and Materials)」に発表 4.令和2年10月15日にウェブサイトで公開された「電子情報通信学会技術研究報告(信学技報)vol.120,no.205,資料番号SDM2020-16,pp.12-15」に発表 5.令和2年10月22日に開催された「電子情報通信学会 シリコン材料・デバイス研究会(SDM)」に発表 6.令和3年1月12日に開催された「東京工業大学 工学院電気電子コース 博士論文発表会」に発表
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】大見 俊一郎
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-151370(JP,A)
【文献】国際公開第2015/044980(WO,A1)
【文献】特開平06-013626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0231882(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
H10B 41/30
H01L 29/43
H01L 29/47
H01L 29/872
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊ゲートデバイスを備え、
前記浮遊ゲートデバイスは、
制御ゲートと、
前記制御ゲート上に形成される、LaB
xN
y絶縁層を含むブロック層と、
前記ブロック層上に形成される、NドープLaB
6金属層を含む浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲート上に形成されるNドープLaB
6金属層を含むトンネル層と、
前記トンネル層の上に形成される有機物半導体を含むチャンネル層と、
前記チャンネル層上に形成される電極と、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記有機物半導体は、ペンタセンを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記制御ゲートは、基板上に形成されるNドープLaB
6金属層を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記基板は、ガラス基板またはフレキシブル基板であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記基板は、Si基板であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記制御ゲートは、Si基板を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記
浮遊ゲートデバイスは、前記制御ゲートに印加する信号に応じた情報を記憶するメモリ素子であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記電極はAuを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項9】
前記浮遊ゲートデバイスは、浮遊ゲートダイオードであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記浮遊ゲートデバイスは、浮遊ゲートトランジスタであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項11】
浮遊ゲートデバイスの製造方法であって、
制御ゲートを形成するステップと、
前記制御ゲート上に、LaB
xN
yを含む第1絶縁層を形成するステップと、
前記第1絶縁層上に、NドープLaB
6を含む第1金属層を形成するステップと、
前記
第1金属層上に、LaB
xN
yを含む第2絶縁層を形成するステップと、
前記第2絶縁層上に有機物半導体層を形成するステップと、
前記有機
物半導体層上に電極を形成するステップと、
を備えることを特徴とする製造方法。
【請求項12】
前記第1絶縁層を形成するステップ、前記第1金属層を形成するステップ、前記第2絶縁層を形成するステップは、NドープLaB
6をターゲットとするスパッタリング法によって、雰囲気ガスを切りかえることによりin-situで行われることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1金属層を形成するステップにおける雰囲気ガスはAr、Kr、Xeからなる群から選択されるひとつを含み、
前記第1絶縁層および前記第2絶縁層を形成するステップにおける雰囲気ガスは前記選択されたひとつと窒素の混合ガスあることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
前記制御ゲートを形成するステップは、基板上に、NドープLaB
6を含む第2金属層を形成するステップを含むことを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の製造方法。
【請求項15】
前記第1絶縁層、前記第1金属層、前記第2絶縁層を形成するステップは、200℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項11から14のいずれかに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊ゲートデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ポータブルな情報通信機器の高性能化・低消費電力化に伴い、集積回路に用いられる半導体メモリとしてフラッシュメモリに代表される不揮発性メモリの、大容量化、高速化、低消費電力化が重要な課題となっている。
【0003】
不揮発性メモリのセルには、浮遊ゲートトランジスタあるいは浮遊ゲートダイオード(本明細書において、トランジスタとダイオードを浮遊ゲートデバイスと総称する)が用いられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】K. Nagaoka, et al., Vacuum, 170, 108973 (2019).
【文献】J. Li et al., ACS Appl. Mater. Interfaces, 6, 12815 (2014).
【文献】S. J. Kim et al., J. Mater. Chem. 21, 14516 (2011).
【文献】S. J. Kim et al., Nano Lett. 10, 2884 (2010).
【文献】D. Son et al., ACS Nano, 9, 5585 (2015).
【文献】H. S. Kim et al., Jpn. J. Appl. Phys. 53, 031602 (2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の有機半導体の浮遊ゲートトランジスタは、書き込み、消去に、十V~数十Vを超える高電圧が必要であり、低電圧化が求められている(非特許文献2~6)。
【0006】
また浮遊ゲートデバイスの用途は不揮発性メモリの他、ニューラルネットワークでのニューラル計算素子やアナログ記憶素子にも広がることが期待されており、それらの用途でも、低電圧化が求められる。
【0007】
本開示は、このような状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、従来の浮遊ゲートデバイスよりも低電圧で動作可能な浮遊ゲートデバイスの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のある態様の半導体装置は、浮遊ゲートデバイスを備える。浮遊ゲートデバイスは、制御ゲートと、制御ゲート上に形成される、LaBxNy(窒化六ホウ化ランタン)絶縁層を含むブロック層と、ブロック層上に形成される、NドープLaB6(窒素添加六ホウ化ランタン)金属層を含む浮遊ゲートと、浮遊ゲート上に形成されるNドープLaB6金属層を含むトンネル層と、トンネル層の上に形成される有機物半導体を含むチャンネル層と、チャンネル層上に形成される電極と、を備える。
【0009】
本開示の別の態様は、浮遊ゲートデバイスの製造方法である。製造方法は、制御ゲートを形成するステップと、制御ゲート上に、LaBxNyを含む第1絶縁層を形成するステップと、第1絶縁層上に、NドープLaB6を含む第1金属層を形成するステップと、第1金属層上に、LaBxNyを含む第2絶縁層を形成するステップと、第2絶縁層上に有機物半導体層を形成するステップと、有機物半導体層上に電極を形成するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本開示のある態様によれば、低電圧で動作する浮遊ゲートデバイスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る半導体装置の断面図である。
【
図2】
図1の浮遊ゲートダイオードのバンド図である。
【
図3】
図3(a)~(h)は、
図1の半導体装置の製造方法を示す図である。
【
図4】
図4(a)、(b)は、作製したダイオードの第1サンプルの評価結果を示す図である。
【
図5】作製したダイオードの第1サンプルのプログラム/消去(P/E)測定の結果を示す図である。
【
図6】作製したダイオードの第1サンプルのプログラム/消去(P/E)測定の結果を示す図である。
【
図7】実施形態2に係る半導体装置の断面図である。
【
図8】
図8(a)~(h)は、
図2の半導体装置の製造方法を示す図である。
【
図9】作製したトランジスタの第1サンプルのドレイン電流-ドレイン電圧特性(I
D-V
D特性)を示す図である。
【
図10】作製したトランジスタの第1サンプルのプログラム/消去(P/E)の測定結果を示す図である。
【
図11】作製したトランジスタの第2サンプルのプログラム/消去(P/E)測定の結果を示す図である。
【
図12】実施形態3に係る半導体装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態の概要)
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明の前置きとして、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。またこの概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、実施形態の欠くべからざる構成要素を限定するものではない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態(実施例や変形例)または複数の実施形態(実施例や変形例)を指すものとして用いる場合がある。
【0013】
一実施形態に係る半導体装置は、浮遊ゲートデバイスを備える。浮遊ゲートデバイスは、制御ゲートと、制御ゲート上に形成される、LaBxNy絶縁層を含むブロック層と、ブロック層上に形成される、NドープLaB6金属層を含む浮遊ゲートと、浮遊ゲート上に形成されるNドープLaB6金属層を含むトンネル層と、トンネル層の上に形成される有機物半導体を含むチャンネル層と、チャンネル層上に形成される電極と、を備える。
【0014】
この構成によると、低抵抗率を有するNドープLaB6金属層を含む積層構造を採用することで、動作電圧が低い浮遊ゲートデバイスを提供できる。また、NドープLaB6金属層とLaBxNy絶縁層を用いた積層構造は、各層の厚さを薄くすることが容易であるため、これによっても、動作電圧を低下させることができる。また、絶縁層と金属層を、In-situプロセスで形成できるため、高品質な界面特性を有するデバイスの製造が容易である。また、チャンネル層としてSiを用いる場合、高温処理が必要となるが、このデバイスでは、低温での処理が可能となるため、基板等に使用できる材料の選択が増えることとなる。
【0015】
一実施形態において、有機物半導体は、ペンタセンを含んでもよい。有機半導体は、p型およびn型の様々な材料を含んでもよい。
【0016】
一実施形態において、制御ゲートは、基板上に形成されるNドープLaB6金属層を含んでもよい。これにより、制御ゲートも、絶縁層と金属層と同じIn-situプロセスで形成できる。
【0017】
一実施形態において、基板は、ガラス基板またはフレキシブル基板であってもよい。上述の半導体装置は、熱処理を含めた一連の処理を200℃以下の低温で行うことが可能であるため、融点が低いガラス基板またはフレキシブル基板を用いることが可能となる。これにより、大面積の半導体装置、あるいは形状が柔軟な半導体装置を提供できる。
【0018】
一実施形態において、基板は、Si基板であってもよい。これにより、従来のSi半導体デバイスと同様に、形状が安定した半導体装置を提供できる。
【0019】
一実施形態において、制御ゲートは、Si基板を含んでもよい。
【0020】
一実施形態において、浮遊ゲートデバイスは、制御ゲートに印加する信号に応じた情報を記憶するメモリ素子であってもよい。
【0021】
一実施形態において、電極はAuを含んでもよい。
【0022】
一実施形態において、浮遊ゲートデバイスは、浮遊ゲートダイオードであってもよい。
【0023】
一実施形態において、浮遊ゲートデバイスは、浮遊ゲートトランジスタであってもよい。
【0024】
一実施形態に係る浮遊ゲートデバイスの製造方法は、制御ゲートを形成するステップと、制御ゲート上に、LaBxNyを含む第1絶縁層を形成するステップと、第1絶縁層上に、NドープLaB6を含む第1金属層を形成するステップと、第1金属層上に、LaBxNyを含む第2絶縁層を形成するステップと、第2絶縁層上に有機物半導体層を形成するステップと、有機物半導体層上に電極を形成するステップと、を備える。
【0025】
これにより、動作電圧が低い半導体装置を提供できる。
【0026】
一実施形態において、第1絶縁層を形成するステップ、第1金属層を形成するステップ、第2絶縁層を形成するステップは、NドープLaB6をターゲットとするスパッタリング法により、雰囲気ガスを切りかえることによりin-situで行われてもよい。これにより製造時間および/または製造コストを下げることができる。
【0027】
一実施形態において、第1金属層を形成するステップにおける雰囲気ガスは希ガスであり、第1絶縁層および第2絶縁層を形成するステップにおける雰囲気ガスは、当該希ガスと窒素の混合ガスであってもよい。具体的には、第1絶縁層および第2絶縁層を形成するステップにおける雰囲気ガスはAr/N2であり、第1金属層を形成するステップにおける雰囲気ガスはArであってもよい。第1絶縁層および第2絶縁層を形成するステップにおける雰囲気ガスはKr/N2であり、第1金属層を形成するステップにおける雰囲気ガスはKrであってもよい。第1絶縁層および第2絶縁層を形成するステップにおける雰囲気ガスはXe/N2であり、第1金属層を形成するステップにおける雰囲気ガスはXeであってもよい。Arは、コストの面でKrやXeより有利であり、KrやXeは、Arに比べてダメージを減らすことができる。
【0028】
一実施形態において、制御ゲートを形成するステップは、基板上に、NドープLaB6を含む第2金属層を形成するステップを含んでもよい。
【0029】
一実施形態において、第1絶縁層、第1金属層、第2絶縁層を形成するステップは、200℃以下の温度で行われてもよい。これにより、ベースとなる基板として、融点が低い材料を選択することが可能となる。
【0030】
(実施形態)
以下、本開示を、好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0031】
本明細書において、「部材Aが、部材Bに接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0032】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0033】
また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。
【0034】
(実施形態1)
1.1 デバイス構造
図1は、実施形態1に係る半導体装置100の断面図である。半導体装置100は、浮遊ゲートデバイスである浮遊ゲートダイオード102を備える。
【0035】
浮遊ゲートダイオード102は、裏面電極104、上部電極106、制御ゲート(CG)110、ブロック層(BL)120、浮遊ゲート(FG)130、トンネル層(TL)140、チャンネル層(CH)150の積層構造を有する。
【0036】
制御ゲート110は、n+-Si(100)基板であり、その底面には、裏面電極104が形成される。裏面電極104は、Alが好適であるが、その限りでなく、制御ゲート110の材料(Si)とコンタクトがとれる材料を選べばよく、Al以外の金属、たとえばWやTiNを用いてもよい。
【0037】
ブロック層120は、制御ゲート110上に形成されたLaBxNyの絶縁層を含む。
【0038】
浮遊ゲート130は、ブロック層120上に形成されたNドープLaB6の金属層を含む。
【0039】
トンネル層140は、浮遊ゲート130上に形成されるNドープLaB6金属層を含む。
【0040】
チャンネル層150は、トンネル層の上に形成される有機物半導体の薄膜を含む。その限りでないが有機半導体としては多環芳香族炭化水素を用いることができ、ペンタセンが好適である。
【0041】
チャンネル層150の上には、上部電極106が形成される。上部電極106は、Auが好適であるが、その限り出なく、チャンネル層150の有機半導体とコンタクトがとれる材料を選べばよく、Au以外の金属、たとえばAg、Ptを用いてもよい。
【0042】
図2は、
図1の浮遊ゲートダイオード102のバンド図である。上部電極106のAuは、5.1Vの仕事関数φ
Mを有する。ペンタセンは、3.2eVのLUMO準位と、5eVのHOMO準位を有する。
【0043】
LaBxNy絶縁層のバンド構造は、現在のところ詳細には明らかになっていないが、トンネル層140およびブロック層120については、LaBxNyは、h-BN(六方晶窒化ホウ素)と類似した電気的特性を示すため、h-BNのバンド構造を持つものと仮定し、6.42eVの禁制帯を有するものとして示す。
【0044】
以上が半導体装置100の構成である。
【0045】
1.2 製造方法
図3(a)~(h)は、
図1の半導体装置100の製造方法を示す図である。
【0046】
はじめに、
図3(a)に示すように、制御ゲート110となるn
+-Si(100)基板を化学的に洗浄する。洗浄は、SPM(硫酸/過酸化水素)洗浄と、DHF(希フッ酸)洗浄の組み合わせを用いてもよい。
【0047】
続いて、
図3(b)~(d)に示すように、制御ゲート110の上に、ブロック層120、浮遊ゲート130、トンネル層140となるLaB
xN
y層(第1絶縁膜)、NドープLaB
6(金属膜)、LaB
xN
y層(第2絶縁膜)の積層構造を形成する。この積層構造は、室温でのRFスパッタリングによって、in-situ(その場)形成することができる。
【0048】
具体的には、NドープLaB6をターゲットとして用い、雰囲気ガスを、Ar/N2とArとで切りかえることにより、Ar雰囲気において金属膜を、Ar/N2雰囲気において絶縁膜を選択的に形成することができる。
【0049】
図3(d)の積層構造の形成後、メタライゼションが行われ、
図3(e)に示すように、熱処理(たとえばPMA(Post-Metallization-Anneal)処理)を行う。
【0050】
熱処理後、
図3(f)に示すように、トンネル層140の上に、チャンネル層150となるペンタセンの薄膜を形成する。チャンネル層150の形成には、熱蒸着を用いることができる。
【0051】
続いて
図3(g)に示すように、チャンネル層150の上に、Auの上部電極106が形成される。上部電極106の形成には、熱蒸着を用いることができる。
【0052】
続いて、
図3(h)に示すように、制御ゲート110の裏面に、Alの裏面電極104が形成される。裏面電極104の形成には熱蒸着を用いることができる。
【0053】
以上が半導体装置100の製造方法である。この製造方法によれば、in-situプロセスによって、雰囲気ガスを切りかえることで、LaBxNyとNドープLaB6を選択的に形成して、積層構造を作ることができる。したがって製造コストおよび製造時間の観点で有利である。
【0054】
1.3 サンプル評価
続いて、実際に作製した半導体装置100のサンプル(ダイオードサンプルという)およびその評価について説明する。
【0055】
(1)第1サンプル
作製したダイオードの第1サンプルの各層の厚さは以下の通りである。
ブロック層(BL) 10nm
浮遊ゲート(FG) 20nm
トンネル層(TL) 5nm
チャンネル層(CH) 10nm
また、上部電極は、φ100μmとした。
【0056】
各層の形成条件は以下の通りである。
【0057】
ブロック層(BL)、浮遊ゲート(FG)、トンネル層(TL)の積層構造は上述のように、NドープLaB6ターゲット(N:0.4%)を用いたプラズマスパッタ法により、in-situプロセスで形成した。
【0058】
各層の形成条件は以下の通りである。
ブロック層(BL) 0.47Pa(Ar/N2ガス流量比:10/7sccm)
浮遊ゲート(FG) 0.35Pa (Arガス流量:10sccm)
トンネル層(TL) 0.47Pa(Ar/N2ガス流量比:10/7sccm)
【0059】
積層構造形成後の熱処理プロセスは、N2(1SLM)で400℃/1分で実行した。
【0060】
チャンネル層(CH)は、ペンタセンを、室温、5×10-6Torrで、0.3nm/minの成長速度で熱蒸着によって成膜した。
【0061】
以上の条件で作製したダイオードの第1サンプルの評価結果を以下で説明する。
【0062】
図4(a)、(b)は、作製したダイオードの第1サンプルの評価結果を示す図である。評価は室温で行い、上部電極106を接地(0V)し、裏面電極104にパルスのゲート電圧V
Gを変化して行った。
【0063】
図4(a)は、C-V特性を示す図であり、横軸は印加したゲート電圧V
Gを、縦軸は単位面積当たりの容量を示す。C-V特性は、ゲート電圧V
Gの周波数を10kHz、100kHz、1MHzと変化させて測定した。容量の最大値は、100kHzのときの0.76μF/cm
2であった。
【0064】
ヒステリシスは46mVであり無視できる程度であり、10kHzと100kHzの結果で周波数分散が見られない。これは、ペンタセンのチャンネル層とNドープLaB6のトンネル層140の間の優れた界面特性を示唆している。
【0065】
図4(b)は、J-V特性(電流-電圧特性)を示す図であり、横軸は印加したゲート電圧V
Gを、縦軸は電流密度を示す。電流密度は、V
G=-3Vのときに7.2×10
-3A/cm
2であった。これは、絶縁性が良好であることを示している。
【0066】
図5は、作製したダイオードの第1サンプルのプログラム/消去(P/E)測定の結果を示す図である。横軸は電圧を、縦軸は容量を示し、1MHzで動作させたときの結果を示す。
【0067】
四角いプロットは初期状態の電圧-容量特性を示し、丸いプロットはプログラム後の電圧-容量特性を示す。三角のプロットは、消去後の電圧-容量特性を示す。
【0068】
プログラム電圧と時間(VPGM/tPGM)は、それぞれ-4V、10msであり、消去電圧と時間(VERS/tERS)は、4V、10msである。このときのメモリウィンドウは1Vとの結果が得られている。
【0069】
±4Vのプログラム電圧、消去電圧は、従来の有機半導体浮遊ゲートダイオードに比べて非常に小さいと言え、実施形態1に係る浮遊ゲートダイオード102が、浮遊ゲートメモリ素子として好適に利用できることが示される。
【0070】
(2)第2サンプル
続いて、条件を変えて作製した第2サンプルについて説明する。第2サンプルは、第1サンプルと同じサイズ、層構造を有するが、熱処理を、200℃/1min(N2:1SLM)の条件で行った点が、第1サンプルと異なっている。
【0071】
図6は、作製したダイオードの第1サンプルのプログラム/消去(P/E)測定の結果を示す図である。横軸は電圧を、縦軸は容量を示し、1MHzで動作させたときの結果を示す。
【0072】
200℃の熱処理で得られた第2サンプルについては、-4V、10msのプログラム電圧と、4V、10msの消去電圧の印加により、0.5Vのメモリウィンドウが得られており、低電圧で動作するメモリ素子として利用可能であることが実証された。
【0073】
(実施形態2)
2.1 デバイス構造
図7は、実施形態2に係る半導体装置200の断面図である。半導体装置200は、浮遊ゲートトランジスタ202を備える。浮遊ゲートトランジスタ202の層構造は、
図1の浮遊ゲートダイオード102と実質的に同じであるが、上部電極106に代えて、ソース電極206、ドレイン電極208が形成される。
【0074】
半導体装置200の浮遊ゲートトランジスタ202のバンド構造は、
図1の浮遊ゲートダイオード102のバンド図(
図2)と同様であるから省略する。
【0075】
以上が半導体装置200の構成である。
【0076】
2.2 製造方法
図8(a)~(h)は、
図2の半導体装置200の製造方法を示す図である。半導体装置200の製造方法も、基本的には
図1の半導体装置100の製造方法と同様である。
【0077】
はじめに、
図8(a)に示すように、制御ゲート110となるn
+-Si(100)基板を化学的に洗浄する。洗浄は、SPM(硫酸/過酸化水素)洗浄と、DHF(希フッ酸)洗浄の組み合わせを用いてもよい。
【0078】
続いて、
図8(b)~(d)に示すように、制御ゲート110の上に、ブロック層120、浮遊ゲート130、トンネル層140となるLaB
xN
y層(第1絶縁膜)、NドープLaB
6(金属膜)、LaB
xN
y層(第2絶縁膜)の積層構造を形成する。この積層構造は、室温でのRFスパッタリングによって、in-situ(その場)形成することができる。
【0079】
図8(d)の積層構造の形成後、
図8(e)に示すように、熱処理を行う。
【0080】
熱処理後、
図8(f)に示すように、トンネル層140の上に、チャンネル層150となるペンタセンの薄膜を形成する。チャンネル層150の形成には、熱蒸着を用いることができる。
【0081】
続いて
図8(g)に示すように、チャンネル層150の上に、Auのソース電極206およびドレイン電極208が形成される。ソース電極206、ドレイン電極208の形成には、熱蒸着を用いることができる。
【0082】
続いて、
図8(h)に示すように、制御ゲート110の裏面に、Alの裏面電極204が形成される。裏面電極204の形成には熱蒸着を用いることができる。
【0083】
以上が半導体装置200の製造方法である。この製造方法によれば、in-situプロセスにより、雰囲気ガスを切りかえることで、LaBxNyとNドープLaB6を選択的に形成して、積層構造を作ることができる。したがって製造コストおよび製造時間の観点で有利である。
【0084】
続いて、実際に作製した半導体装置200のサンプルおよびその評価について説明する。
【0085】
2.3 サンプル評価
(1)第1サンプル
作製したトランジスタの第1サンプルの各層の厚さは以下の通りである。
ブロック層(BL) 10nm
浮遊ゲート(FG) 20nm
トンネル層(TL) 5nm
チャンネル層(CH) 10nm
また、ソース電極206、ドレイン電極208はそれぞれφ100μmとし、トランジスタの素子サイズ(チャンネル長/チャンネル幅)は、L/W=320μm/100μmとした。
【0086】
各層の形成条件は以下の通りである。
【0087】
ブロック層(BL)、浮遊ゲート(FG)、トンネル層(TL)の積層構造は上述のように、NドープLaB6ターゲット(N:0.4%)を用いたプラズマスパッタ法により、in-situプロセスで形成した。
【0088】
各層の形成条件は以下の通りである。
ブロック層(BL) 0.47Pa(Ar/N2ガス流量比:10/7sccm)
浮遊ゲート(FG) 0.35Pa (Arガス流量:10sccm)
トンネル層(TL) 0.47Pa(Ar/N2ガス流量比:10/7sccm)
【0089】
熱処理プロセスは、N2(1SLM)で400℃/1分で実行した。
【0090】
チャンネル層(CH)は、ペンタセンを、室温、5×10-6Torrで、0.3nm/minの成長速度で熱蒸着によって成膜した。
【0091】
以上の条件で作製したトランジスタの第1サンプルの評価結果を以下で説明する。
【0092】
図9は、作製したトランジスタの第1サンプルのドレイン電流-ドレイン電圧特性(I
D-V
D特性)を示す図である。横軸はドレイン電圧V
Dを、縦軸はドレイン電流I
Dを示す。
【0093】
評価は室温で行い、ソース電極206を接地(0V)し、ドレイン電極208にドレイン電圧VDを印加し、裏面電極204にゲート電圧VGを印加した。ゲート電圧VGは、0~-2Vの範囲で1Vステップで変化させた。
【0094】
サブスレッショルド係数(SS)の値は、549mV/decであり、移動度μsatは1.03×10-3cm2/(V・s)である。
【0095】
図10は、作製したトランジスタの第1サンプルのプログラム/消去(P/E)の測定結果を示す図である。
図10には、ドレイン電流-ゲート電圧特性(I
D-V
G特性)が示され、四角いプロットは、プログラム前の初期状態の特性を、丸いプロットはプログラム後の特性を、三角のプロットは消去後の特性を示している。
【0096】
プログラム/消去は、ソース電極206、ドレイン電極208を接地(0V)し、裏面電極204にパルス電圧Vpulseを印加して行った。上述したダイオードの第1サンプルと同様に、プログラム電圧と時間(VPGM/tPGM)は、それぞれ-4V、10msであり、消去電圧と時間(VERS/tERS)は、それぞれ4V、10msである。
【0097】
プログラム、消去によって、浮遊ゲートトランジスタ202のしきい値電圧Vthは、-1.01Vから-0.53Vまでシフトしており、したがってメモリウィンドウは0.48Vである。
【0098】
(2)第2サンプル
続いて、条件を変えて作製した第2サンプルについて説明する。第2サンプルは、第1サンプルと同じサイズ、層構造を有するが、熱処理を、200℃/1min(N2:1SLM)の条件で行った点が、第1サンプルと異なっている。
【0099】
図11は、作製したトランジスタの第2サンプルのプログラム/消去(P/E)測定の結果を示す図である。
図11には、ドレイン電流-ゲート電圧特性(I
D-V
G特性)が示され、四角いプロットは、プログラム前の初期状態の特性を、丸いプロットはプログラム後の特性を、三角のプロットは消去後の特性を示している。プログラム/消去は、第1サンプルと同じ条件で行っており、プログラム電圧と時間(V
PGM/t
PGM)は、それぞれ-4V、10msであり、消去電圧と時間(V
ERS/t
ERS)は、それぞれ4V、10msである。
【0100】
200℃の熱処理で得られたトランジスタの第2サンプルについては、-4V、10msのプログラム電圧と、4V、10msの消去電圧の印加により、0.3Vのメモリウィンドウが得られており、低電圧のメモリ素子として利用可能であることが実証された。
【0101】
±4Vのプログラム電圧、消去電圧は、従来の有機浮遊ゲートトランジスタの動作電圧(±16V~±90V)に比べて格段に小さいと言える。また今回作成したサンプルは、層厚みなどについては最適化の余地があるため、将来的には動作電圧をさらに下げ、またメモリウィンドウをさらに広げることも可能であると考えられる。
【0102】
(実施形態3)
3.1 デバイス構造
図12は、実施形態3に係る半導体装置300の断面図である。半導体装置300は、浮遊ゲートデバイスである浮遊ゲートトランジスタ302を備える。
【0103】
浮遊ゲートトランジスタ302は、実施形態2で説明した浮遊ゲートトランジスタ202と比べて、制御ゲート(CG)の構造が異なっており、ブロック層320、浮遊ゲート330、トンネル層340、チャンネル層350については、実施形態2の浮遊ゲートトランジスタ202と同様である。
【0104】
図12の浮遊ゲートトランジスタ302では、NドープLaB
6の金属層が制御ゲート310の材料として使用される。なお、制御ゲートCGは、図示しない金属配線と接続され、ゲート端子が引き出される。
【0105】
制御ゲート310は、基板301の上に形成される。第2実施形態で説明したように、本開示で説明する浮遊ゲートデバイスは、熱処理を含めた一連の処理を、200℃以下の低温条件で行うことができる。このことは、融点が400℃より低い材料を採用できることを意味している。したがって基板301には、フレキシブル基板を用いてもよい。この場合、浮遊ゲートトランジスタ302の全層が柔軟性を有することとなるため、形状が柔軟な半導体装置300を提供できる。あるいは基板301には、ガラス基板を用いてもよい。この場合、大面積の半導体装置300を提供できる。
【0106】
なお基板301は、Si基板やガラス基板など、後述するスパッタ法により、その上に制御ゲート310を形成できる材料を選択すればよい。実施形態2では、Si(100)基板を制御ゲート層として利用したが、実施形態3において基板301をSi基板とする場合には、Si基板は単なる支持部材となる。あるいは浮遊ゲートトランジスタ302をメモリ素子として用いる場合には、周辺回路が必要となる。基板301としてSi基板を用いる場合には、Si基板上に、周辺回路を構成するトランジスタを集積化することができる。
【0107】
図13は、
図12の浮遊ゲートトランジスタ302のバンド図である。
【0108】
3.2 製造方法
図14(a)~(h)は、
図12の半導体装置300の製造方法を示す図である。
【0109】
はじめに、基板301を化学的に洗浄する。基板301としてフレキシブル基板を用いる場合、洗浄には、有機溶剤を用いてもよい。
【0110】
続いて、
図14(b)~(e)に示すように、基板301の上に、制御ゲート310、ブロック層320、浮遊ゲート330、トンネル層340となるNドープLaB
6(第1金属膜)、LaB
xN
y層(第1絶縁膜)、NドープLaB
6(第2金属膜)、LaB
xN
y層(第2絶縁膜)の積層構造を形成する。この積層構造は、室温でのRFスパッタリングによって、in-situ(その場)形成することができる。RFスパッタリングにおいて、NドープLaB
6をターゲットとして、雰囲気ガスをArとAr/N
2とで切りかえることにより絶縁膜と金属膜を選択的に交互に形成できる。
【0111】
図14(e)の積層構造の形成後、
図14(f)に示すように、熱処理を行う。
【0112】
熱処理後、
図14(g)に示すように、トンネル層340の上に、チャンネル層350となるペンタセンの薄膜を形成する。チャンネル層350の形成には、熱蒸着を用いることができる。
【0113】
続いて
図14(g)に示すように、チャンネル層350の上に、Auのソース電極306およびドレイン電極308が形成される。ソース電極306、ドレイン電極308の形成には、熱蒸着を用いることができる。
【0114】
以上が半導体装置300の製造方法である。この製造方法によれば、in-situプロセスによって、雰囲気ガスを切りかえることで、LaBxNyとNドープLaB6を選択的に形成して、積層構造を作ることができる。実施形態3では、制御ゲート(CG)を含めて、in-situプロセスで形成することが可能となる。
【0115】
(用途)
このように、低電圧動作が可能な浮遊ゲートデバイス(102、202、302)は、容量変化やしきい値電圧の変化を利用して、不揮発性メモリのセルとして利用することができる。
【0116】
また浮遊ゲートデバイスの用途は不揮発性メモリ(デジタル記憶素子)には限定されず、ゲート電圧に応じた連続的な容量変化やしきい値変化を利用したアナログ記憶素子として利用することが可能であり、あるいはD/Aコンバータとして利用することも可能である。また、浮遊ゲートデバイスをニューラルネットワークでのニューラル計算素子として用いることで、入力信号の重み付け演算を行う人間の脳を模倣したニューロデバイスなどへの応用が期待される。
【0117】
実施形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0118】
100 半導体装置
102 浮遊ゲートダイオード
104 裏面電極
106 上部電極
110 制御ゲート
120 ブロック層
130 浮遊ゲート
140 トンネル層
150 チャンネル層
200 半導体装置
202 浮遊ゲートトランジスタ
204 裏面電極
206 ソース電極
208 ドレイン電極
210 制御ゲート
220 ブロック層
230 浮遊ゲート
240 トンネル層
250 チャンネル層
300 半導体装置
301 基板
302 浮遊ゲートトランジスタ
306 ソース電極
308 ドレイン電極
310 制御ゲート
320 ブロック層
330 浮遊ゲート
340 トンネル層
350 チャンネル層