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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】解析方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N7/18 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020174581
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065842
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100088959
【弁理士】
【氏名又は名称】境 廣巳
(74)【代理人】
【識別番号】100097157
【弁理士】
【氏名又は名称】桂木 雄二
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 庄之祐
(72)【発明者】
【氏名】黒田 浩
(72)【発明者】
【氏名】芹生 一史
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-521541(JP,A)
【文献】特開2019-201344(JP,A)
【文献】特開2013-009050(JP,A)
【文献】特開2005-033303(JP,A)
【文献】特開2013-070187(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0088600(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、
取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行い、
前記第2ストリームの画像データは、前記第1ストリームの画像データとは異なる画角で取得された、前記第1ストリームの画像データのうちの予め定められた一部分の領域を示しており、
前記第1ストリームの画像データに対して当該第1ストリームの画像データを記憶部に記憶する記憶処理を行うとともに、前記第2ストリームの画像データに対して人の流れを解析する人流解析を行う
解析方法。
【請求項2】
前記第1ストリームの画像データと前記第2ストリームの画像データとでは、画像データを取得する際の設定が異なっている
請求項1に記載の解析方法。
【請求項3】
前記第1ストリームの画像データとして、車が走行する車道部分と、人が通る通行部分と、を含む第1領域についての画像データを取得し、前記第2ストリームの画像データとして、前記第1領域の一部である、人が通る通行部分を含む領域についての画像データを取得する
請求項に記載の解析方法。
【請求項4】
前記第1ストリームの画像データと前記第2ストリームの画像データとで、画像データの利用目的が異なっている
請求項1から請求項までのうちのいずれか1項に記載の解析方法。
【請求項5】
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う処理部と、
を有し、
前記第2ストリームの画像データは、前記第1ストリームの画像データとは異なる画角で取得された、前記第1ストリームの画像データのうちの予め定められた一部分の領域を示しており、
前記処理部は、前記第1ストリームの画像データに対して当該第1ストリームの画像データを記憶部に記憶する記憶処理を行うとともに、前記第2ストリームの画像データに対して人の流れを解析する人流解析を行う
解析装置。
【請求項6】
情報処理装置に、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、
取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う
処理を実現させ、
前記第2ストリームの画像データは、前記第1ストリームの画像データとは異なる画角で取得された、前記第1ストリームの画像データのうちの予め定められた一部分の領域を示しており、
前記第1ストリームの画像データに対して当該第1ストリームの画像データを記憶部に記憶する記憶処理を行うとともに、前記第2ストリームの画像データに対して人の流れを解析する人流解析を行うプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解析方法、解析装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラなどの撮像装置が取得した画像データに基づいて、人の検出など様々な処理が行われることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、監視カメラに撮影された画像から人物の移動軌跡を求めたり顔認証を行ったりする監視情報収集システムが記載されている。特許文献1によると、監視情報収集システムは、人検知手段と、軌跡解析手段と、顔認識手段と、記録手段と、通信手段と、を備える。軌跡解析手段は、人検知手段で検知された人を画像上で解析して移動軌跡を求める。また、顔認識手段は、人検知手段で検知されるとともに軌跡解析手段で移動軌跡が求められる人の画像上の顔から他の顔と識別可能な顔データを求めて顔を認識する。そして、記録手段は、顔データと顔データに対応する移動軌跡を記録し、通信手段は、他のカメラやサーバとデータ通信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-93283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
軌跡の解析や顔認証などの解析目的のほか、防犯目的など様々な目的で監視カメラなどの撮像装置が取得した画像データを活用することが出来る。このように、撮像装置が取得する画像データは様々な目的で用いることができるが、用いる目的に応じて、適切な解像度やFPS(Frames Per Second)などには差異がある。そのため、上記のように複数の目的に対応する際には、それぞれに対応するカメラを設置し、それぞれのカメラから取得した画像を用いてサーバなどの情報処理装置が必要な処理を施すことが一般的であった。その結果、カメラなどを複数用意することが必要となり、コストがかかってしまうという課題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、画像を複数の目的で用いる際にコストを削減することが難しい、という課題を解決する解析方法、解析装置、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するため本開示の一形態である解析方法は、
情報処理装置が、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、
取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う
という構成をとる。
【0008】
また、本開示の他の形態である解析装置は、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う処理部と、
を有する
という構成をとる。
【0009】
また、本開示の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、
取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う
処理を実現するためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
上述したような各構成によると、画像を複数の目的で用いる際にコストを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の第1の実施形態における解析システムの全体の構成例を示す図である。
図2】撮像装置が配信する画像の一例を説明するための図である。
図3図1で示す解析装置の構成例を示すブロック図である。
図4】人流解析部の処理例を説明するための図である。
図5】解析装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】解析装置の他の構成例を示すブロック図である。
図7】第2解析部の処理例を説明するための図である。
図8】本開示の第2の実施形態における解析装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図9】解析装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施形態]
本開示の第1の実施形態について、図1から図7までを参照して説明する。図1は、解析システム100の全体の構成例を示す図である。図2は、撮像装置200が配信する画像の一例を説明するための図である。図3は、解析装置300の構成例を示すブロック図である。図4は、人流解析部353の処理例を説明するための図である。図5は、解析装置300の動作例を示すフローチャートである。図6は、解析装置300の他の構成例を示すブロック図である。図7は、第2解析部354の処理例を説明するための図である。
【0013】
本開示の第1の実施形態においては、1台の撮像装置200から取得した画像データに基づいて、複数の異なる処理を行う解析装置300について説明する。後述するように、本実施形態の場合、解析装置300は、複数ストリームの画像データを撮像装置200から受信する。そして、解析装置300は、取得したそれぞれのストリームに応じた処理を行う。例えば、解析装置300は、第1ストリームの画像データに対して、記憶部340に格納する処理を行う。一方、解析装置300は、第2ストリームの画像データに対して、人の流れを解析する人流解析を行う。このように、解析装置300は、1台の撮像装置200から取得した画像データに基づいて、複数の種類が異なる処理を行う。換言すると、解析装置300は、利用目的の異なる複数ストリームの画像データを取得し、取得したそれぞれのストリームごと(つまり、利用目的ごと)の処理を行う。
【0014】
なお、以下においては、撮像装置200において同一画角など同一の設定で取得する一連の画像データについて、同一ストリームの画像データと表現する。また、本実施形態においては、第1ストリームと第2ストリームからなる2ストリームの画像データを受信し、受診したそれぞれのストリームに応じた処理を行う解析装置300について説明する。しかしながら、解析装置300は、3ストリーム以上の画像データを受信してそれぞれのストリームに応じた処理を行ってもよい。
【0015】
図1は、解析システム100の全体の構成例を示している。図1を参照すると、解析システム100は、撮像装置200と解析装置300とを有している。図1で示すように、撮像装置200と解析装置300とは、ネットワークなどを介して互いに通信可能なように接続されている。
【0016】
撮像装置200は、当該撮像装置200を設置した箇所周辺の画像データを取得する。撮像装置200は、複数ストリームの画像データを配信可能な装置であり、例えば、4Kカメラなどである。撮像装置200は、道路脇や交差点付近などに予め設置されており、設置箇所付近の画像データを取得する。
【0017】
例えば、撮像装置200は、同じ時間帯に撮影した、第1ストリームの画像データと、第1ストリームとは画角の異なる第2ストリームの画像データと、を解析装置300に対して配信する。図2は、撮像装置200が配信する画像データの一例を説明するための図である。例えば、図2で示すように、撮像装置200は、第1ストリームの画像データとして、道路や交差点などの車が走行する車道部分と、歩道、道路脇、横断歩道、歩道橋などの人が通る通行部分と、を含む領域Aについての画像データを配信する。また、撮像装置200は、第2ストリームの画像データとして、歩道、道路脇、横断歩道、歩道橋などの人が通る通行部分を含む領域Bについての画像データを配信する。つまり、撮像装置200は、第2ストリームの画像データとして、第1ストリームの画像データよりも画角が制限された、画像データを配信する。例えば、以上のように、撮像装置200は、第1ストリームと、第1ストリームの画像のうちの一部の領域を示す画像データである第2ストリームと、の2ストリームの画像を配信する。なお、撮像装置200は、解析装置300においてストリームの判別が可能なように画像データを配信する。例えば、撮像装置200は、画像データと、当該画像データが属するストリームを示す識別子と、を対応付けて画像データを配信する。
【0018】
また、撮像装置200は、ストリームごとに個別の解像度やFPSを設定可能である。つまり、第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとで画像データを取得する際の設定が異なっている。例えば、本実施形態の場合、第1ストリームでは、第2ストリームよりも低い解像度、低いFPSが設定されている。換言すると、撮像装置200は、第1ストリームよりも高い解像度、高いFPSで第2ストリームの画像データを解析装置300に対して配信する。なお、解像度、FPSの具体的な値は、任意に設定してよい。
【0019】
以上のように、撮像装置200は、複数ストリームの画像データを配信することが出来る。なお、撮像装置200による配信数は2つである場合に限定されない。撮像装置200は、3ストリーム以上の画像データを配信可能であってよい。また、撮像装置200が配信する画像データに含まれる領域は、上記例示した場合に限定されない。
【0020】
解析装置300は、撮像装置200から画像データを受信すると、それぞれのストリームに応じた処理を行う情報処理装置である。例えば、解析装置300は、第1ストリームと、第2ストリームと、からなる2ストリームの画像データを受信する。そして、解析装置300は、それぞれのストリームに応じた処理を行う。
【0021】
図3は、解析装置300の構成例を示している。図3を参照すると、解析装置300は、主な構成要素として、例えば、操作入力部310と、画面表示部320と、通信I/F部330と、記憶部340と、演算処理部350と、を有している。なお、解析装置300は、操作入力部310や画面表示部320を有さないなど上記構成の一部のみから構成されてもよい。
【0022】
操作入力部310は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなる。操作入力部310は、解析装置300を操作する操作者の操作を検出して演算処理部350に出力する。
【0023】
画面表示部320は、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)などの画面表示装置からなる。画面表示部320は、演算処理部350からの指示に応じて、記憶部340に格納された各種情報などを画面表示することが出来る。
【0024】
通信I/F部330は、データ通信回路からなる。通信I/F部330は、撮像装置200やそのほか外部装置などとの間でデータ通信を行う。
【0025】
記憶部340は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置である。記憶部340は、演算処理部350における各種処理に必要な処理情報やプログラム344を記憶する。プログラム344は、演算処理部350に読み込まれて実行されることにより各種処理部を実現する。プログラム344は、通信I/F部330などのデータ入出力機能を介して外部装置や記録媒体から予め読み込まれ、記憶部340に保存されている。記憶部340で記憶される主な情報としては、例えば、第1ストリーム画像情報341、第2ストリーム画像情報342、解析結果情報343などがある。
【0026】
第1ストリーム画像情報341は、第1ストリームの画像データを含んでいる。例えば、第1ストリーム画像情報341には、第1ストリームに属する時系列の画像データが格納されている。
【0027】
第2ストリーム画像情報342は、第2ストリームの画像データを含んでいる。例えば、第2ストリーム画像情報342には、第2ストリームに属する時系列の画像データが格納されている。
【0028】
解析結果情報343は、後述する人流解析部353が第2ストリーム画像情報342に含まれる画像データを解析することにより取得した解析情報が含まれている。ここで、解析情報には、例えば、検出した人の合計数である合計人数などを示す人数情報、性別や年齢などの人ごとの属性情報、人が移動した軌跡を示す軌跡情報、検出した人の場所を示す場所情報、などのうちの少なくとも1つが含まれる。解析情報には、顔の特徴量など上記例示した以外の情報が含まれてもよい。
【0029】
演算処理部350は、CPUなどの演算装置とその周辺回路を有する。演算処理部350は、記憶部340からプログラム344を読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム344とを協働させて各種処理部を実現する。演算処理部350で実現される主な処理部としては、例えば、画像取得部351、画像格納部352、人流解析部353などがある。
【0030】
画像取得部351は、通信I/F部330を介して、撮像装置200が配信する画像データを取得する。本実施形態の場合、画像取得部351は、第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得する。
【0031】
画像格納部352は、画像取得部351が取得した第1ストリームの画像データに対して予め定められた第1処理を行う処理部である。例えば、画像格納部352は、第1処理として、画像取得部351が取得した第1ストリームの画像データを第1ストリーム画像情報341として記憶部340に記憶する記憶処理を行う。
【0032】
このように、第1処理として記憶処理を行うことで、第1ストリームの画像データを防犯目的などに使用することが可能となる。
【0033】
人流解析部353は、画像取得部351が取得した第2ストリームの画像データに対して予め定められた第2処理を行う処理部である。例えば、人流解析部353は、第2処理として、画像取得部351が取得した第2ストリームの画像データを第2ストリーム画像情報342として記憶部340に記憶する。また、人流解析部353は、第2ストリーム画像情報342に含まれる画像データに対して、所定の人流解析を行う。つまり、人流解析部353は、図4で示すように、歩道、道路脇、横断歩道、歩道橋などの人が通る通行部分を含む領域Bに対して人流解析を行う。換言すると、人流解析部353は、撮像装置200が取得可能な画像データ全体である領域A内の一部である領域Bに対して人流解析を行う。
【0034】
例えば、人流解析部353は、領域Bに対応する画像データから人や人の顔領域を検出する。そして、人流解析部353は、検出した結果に基づいて、人の年齢や性別などを推定する。また、人流解析部353は、検出した結果を用いて時系列で近接する画像データ間において同一の人を特定することなどにより、人が移動した軌跡を示す軌跡情報を取得する。例えば、以上のように、人流解析部353は、第2ストリーム画像情報342に含まれる画像データに基づいて、人の流れを解析する処理である人流解析を行う。そして、人流解析部353は、解析の結果を解析結果情報343として記憶部340に格納する。
【0035】
なお、人流解析部353は、色情報を用いるなど、既知の技術を用いて人や人の顔領域を検出してよい。また、人流解析部353は、事前に学習した学習済みモデルを用いた推定を行うなど、既知の技術を用いて人の年齢や性別などを推定することが出来る。学習済みモデルは、例えば、顔の特徴量に対して年齢と性別とをラベル付けすることにより生成した教師データを用いた機械学習を行うことにより生成したものであるなど、一般的なものであってよい。また、人流解析部353は、色情報などの特徴量を用いて画像データ間の人を特定するなど、既知の方法を用いて軌跡情報を取得してよい。
【0036】
このように、第2処理として解析処理を行うことで、第2ストリームの画像データを人流解析目的などに使用することが可能となる。
【0037】
以上が、解析システム100の構成例である。続いて、図5を参照して、解析装置300の動作例について説明する。
【0038】
図5は、解析装置300の動作例を示すフローチャートである。図5を参照すると、解析装置300の画像取得部351は、通信I/F部330を介して、撮像装置200が配信する画像データを取得する(ステップS101)。本実施形態の場合、画像取得部351は、第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得する。
【0039】
画像格納部352は、画像取得部351が取得した第1ストリームの画像データに対して予め定められた第1処理を行う。例えば、画像格納部352は、第1処理として、画像取得部351が取得した第1ストリームの画像データを第1ストリーム画像情報341として記憶部340に記憶する記憶処理を行う(ステップS102)。
【0040】
人流解析部353は、画像取得部351が取得した第2ストリームの画像データに対して予め定められた第2処理を行う。例えば、人流解析部353は、第2処理として、画像取得部351が取得した第2ストリームの画像データを第2ストリーム画像情報342として記憶部340に記憶する。また、人流解析部353は、第2ストリーム画像情報342に含まれる画像データに対して、所定の人流解析を行う(ステップS103)。
【0041】
例えば、人流解析部353は、第2ストリームの画像データから人や人の顔領域を検出する。そして、人流解析部353は、検出した結果に基づいて、人の年齢や性別などを推定する。また、人流解析部353は、検出した結果を用いて時系列で近接する画像データ間において同一の人を特定することなどにより、人が移動した軌跡を示す軌跡情報を取得する。例えば、以上のように、人流解析部353は、第2ストリーム画像情報342に含まれる画像データに基づいて、人の流れを解析する処理である人流解析を行う。
【0042】
このように、解析装置300は、画像格納部352と人流解析部353とを有している。このような構成によると、解析装置300は、撮像装置200から受信した画像データに基づいて、画像格納部352による第1処理と行うとともに、人流解析部353による第2処理を行うことが出来る。これにより、1台の撮像装置200から受信した画像データに基づいて複数の異なる種類の処理を行うことが可能となる。その結果、設置する撮像装置200の数を減らすことが可能となり、コストを削減することが可能となる。
【0043】
また、解析装置300は、複数ストリームの画像データを受信し、それぞれのストリームに応じた処理を行うよう構成されている。このような構成によると、それぞれの処理に適した設定で取得された画像データに基づいてそれぞれの処理を行うことが出来る。その結果、コストを削減しつつ、処理の精度などを向上させることが出来る。
【0044】
なお、本実施形態においては、第1処理として記憶部340に記憶する処理、第2処理として人流解析を行う場合について説明した。しかしながら、解析装置300が行う処理は上記例示した場合に限定されない。換言すると、解析装置300は、防犯目的と人流解析目的以外を目的とするストリームの画像データを受信してもよい。
【0045】
例えば、図6は、解析装置300の他の構成例を示している。図6を参照すると、解析装置300の演算処理部350は、記憶部340からプログラム344を読み込んで実行することにより、図3を参照して説明した構成に加えて、第2解析部354を実現することが出来る。
【0046】
第2解析部354は、画像取得部351が取得して画像格納部352が記憶部340に記憶した第1ストリームの画像データに対して、追加の第1処理として判別処理などを行う。図7は、第2解析部354の処理を説明するための図である。図7を参照すると、第2解析部354は、領域Aのうち予め定められた対象領域に対して、車のナンバープレートを検出して番号を判別する判別処理を行う。または、第2解析部354は、ナンバープレートの判別処理に変えて、または、判別処理とともに、走行する車を検出して車の台数を計測する計測処理を行う。例えば、以上のように、第2解析部354は、対象領域に対して判別処理を行ったり計測処理を行ったりする。なお、対象領域は、例えば、領域A内のうち道路や交差点などの車が走行する車道部分、つまり、通行部分を除いた部分に形成されている。そのため、第2解析部354は、領域Aのうち第2処理を行う部分を除いた部分に第1処理を行う、ということも出来る。第2解析部354は、領域A全体に対して第1処理を行ってもよい。また、第2解析部354が行う判別処理や計測処理の内容については、特に限定しない。第2解析部354は、既知の方法を用いて判別処理や計測処理を行ってよい。
【0047】
例えば、以上のように、解析装置300は、本実施形態で例示した以外の処理を行ってもよい。また、解析装置300は、例えば、第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとに加えて、図7で示す対象領域のみを含む第3ストリームの画像データを取得し、第1ストリームに対して記憶処理、第12ストリームに対して解析処理、第3ストリームに対して判別処理または計測処理、というようにそれぞれのストリームに応じた処理を行ってもよい。例えば、以上のように、解析装置300が行う処理は、本実施形態で例示した場合に限定されない。
【0048】
なお、図3図6では、1台の情報処理装置により解析装置300としての機能を実現する場合について例示した。しかしながら、解析装置300としての機能は、例えば、ネットワークを介して接続された複数台の情報処理装置により実現されても構わない。例えば、解析装置300としての機能は、クラウドコンピューティングなどを利用して実現されてもよい。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、図8図9を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、解析装置400の構成の概要について説明する。
【0050】
図8は、解析装置400のハードウェア構成例を示している。図8を参照すると、解析装置400は、一例として、以下のようなハードウェア構成を有している。
・CPU(Central Processing Unit)401(演算装置)
・ROM(Read Only Memory)402(記憶装置)
・RAM(Random Access Memory)403(記憶装置)
・RAM403にロードされるプログラム群404
・プログラム群404を格納する記憶装置405
・情報処理装置外部の記録媒体410の読み書きを行うドライブ装置406
・情報処理装置外部の通信ネットワーク411と接続する通信インタフェース407
・データの入出力を行う入出力インタフェース408
・各構成要素を接続するバス409
【0051】
また、解析装置400は、プログラム群404をCPU401が取得して当該CPU401が実行することで、図9に示す取得部421、処理部422としての機能を実現することが出来る。なお、プログラム群404は、例えば、予め記憶装置405やROM402に格納されており、必要に応じてCPU401がRAM4403などにロードして実行する。また、プログラム群404は、通信ネットワーク411を介してCPU401に供給されてもよいし、予め記録媒体410に格納されており、ドライブ装置406が該プログラムを読み出してCPU401に供給してもよい。
【0052】
なお、図8は、解析装置400のハードウェア構成例を示している。解析装置400のハードウェア構成は上述した場合に限定されない。例えば、解析装置400は、ドライブ装置406を有さないなど、上述した構成の一部から構成されてもよい。
【0053】
取得部421は、同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得する。
【0054】
処理部422は、取得部421が取得した第1ストリームの画像データと、第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う。例えば、処理部422は、ストリームの画像データと、第2ストリームの画像データと、に対して、利用目的が異なる処理を行う。
【0055】
このように、解析装置400は、取得部421と処理部422とを有している。このような構成によると、処理部422は、取得部421が取得した第1ストリームの画像データと、第2ストリームの画像データと、に対して、利用目的などに応じた異なる処理を行うことが出来る。これにより、1台の撮像装置から受信した画像データに基づいて複数の異なる種類の処理を行うことが可能となる。その結果、設置する撮像装置の数を減らすことが可能となり、コストを削減することが可能となる。
【0056】
なお、上述した解析装置400は、当該解析装置400に所定のプログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、情報処理装置に、同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、取得した第1ストリームの画像データと、第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う、処理を実現するためのプログラムである。
【0057】
また、上述した解析装置400などの情報処理装置により実行される解析方法は、情報処理装置が、同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、取得した第1ストリームの画像データと、第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う、という方法である。
【0058】
上述した構成を有する、プログラム(または記録媒体)、または、解析方法、の発明であっても、上記解析装置400と同様の作用・効果を有するために、上述した本発明の目的を達成することが出来る。
【0059】
<付記>
上記実態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における解析装置などの概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0060】
(付記1)
情報処理装置が、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、
取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う
解析方法。
(付記2)
前記第2ストリームの画像データは、前記第1ストリームの画像データのうちの一部の領域を示している
付記1に記載の解析方法。
(付記3)
前記第1ストリームの画像データと前記第2ストリームの画像データとでは、画像データを取得する際の設定が異なっている
付記1または付記2に記載の解析方法。
(付記4)
前記第1ストリームの画像データと前記第2ストリームの画像データとでは、画像データを取得する際の画角が異なっている
付記1から付記3までのうちのいずれか1項に記載の解析方法。
(付記5)
前記第1ストリームの画像データに対して当該第1ストリームの画像データを記憶部に記憶する記憶処理を行うとともに、前記第2ストリームの画像データに対して人の流れを解析する人流解析を行う
付記1から付記4までのうちのいずれか1項に記載の解析方法。
(付記6)
前記第1ストリームの画像データとして、車が走行する車道部分と、人が通る通行部分と、を含む第1領域についての画像データを取得し、前記第2ストリームの画像データとして、前記第1領域の一部である、人が通る通行部分を含む領域についての画像データを取得する
付記5に記載の解析方法。
(付記7)
前記第1ストリームの画像データと前記第2ストリームの画像データとで、画像データの利用目的が異なっている
付記1から付記6までのうちのいずれか1項に記載の解析方法。
(付記8)
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う処理部と、
を有する
解析装置。
(付記9)
前記第2ストリームの画像データは、前記第1ストリームの画像データのうちの一部の領域を示している
付記8に記載の解析装置。
(付記10)
情報処理装置に、
同一の撮像装置から第1ストリームの画像データと第2ストリームの画像データとを取得し、
取得した前記第1ストリームの画像データと、前記第2ストリームの画像データと、に対して、異なる処理を行う
処理を実現するためのプログラム。
【0061】
なお、上記各実施形態及び付記において記載したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されていたりする。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0062】
以上、上記各実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることが出来る。
【符号の説明】
【0063】
100 解析システム
200 撮像装置
300 解析装置
310 操作入力部
320 画面表示部
330 通信I/F部
340 記憶部
341 第1ストリーム画像情報
342 第2ストリーム画像情報
343 解析結果情報
344 プログラム
350 演算処理部
351 画像取得部
352 画像格納部
353 人流解析部
354 第2解析部
400 解析装置
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 プログラム群
405 記憶装置
406 ドライブ装置
407 通信インタフェース
408 入出力インタフェース
409 バス
410 記録媒体
411 通信ネットワーク
421 取得部
422 処理部

図1
図2
図3
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図9