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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】コーヒー豆挽き機
(51)【国際特許分類】
   A47J 42/26 20060101AFI20241016BHJP
   A47J 31/42 20060101ALI20241016BHJP
   A47J 31/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A47J42/26
A47J31/42
A47J31/00 307
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021001079
(22)【出願日】2021-01-06
(65)【公開番号】P2022106221
(43)【公開日】2022-07-19
【審査請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】597044139
【氏名又は名称】株式会社大都技研
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(74)【代理人】
【識別番号】100172498
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】原田 武男
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-022626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366234(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0127166(KR,A)
【文献】特開2003-132206(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/26
A47J 31/42
A47J 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き手段と、
前記コーヒー豆挽き手段を制御する制御手段と、
コーヒー豆を挽く際のレシピを記憶する記憶手段と、
を備えたコーヒー豆挽き機であって、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御するものであり
前記記憶手段は、コーヒー豆の粒度の情報として、
第一の粒度および第二の粒度を含む粒度分布の情報と、
前記コーヒー豆挽き手段によって、前記第一の粒度および前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くかの情報と、
が登録されたレシピを記憶可能なものであり、
前記制御手段は、前記レシピに登録されている前記コーヒー豆の粒度の情報に従って前記コーヒー豆挽き手段の設定粒度を変更しつつコーヒー挽き豆を生成する制御を行うことが可能なものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。
【請求項2】
コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き手段と、
前記コーヒー豆挽き手段を制御する制御手段と、
コーヒー豆を挽く際のレシピを記憶する記憶手段と、
を備えたコーヒー豆挽き機であって、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御するものであり、
前記記憶手段は、コーヒー豆の粒度の情報として、
第一の粒度および第二の粒度を含む複数の粒度の情報と、
前記コーヒー豆挽き手段によって、前記第一の粒度および前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くかの情報と、
が登録された第一のレシピを記憶可能なものであり、
前記制御手段は、前記第一のレシピが選択された場合に、該第一のレシピに登録されている前記コーヒー豆の粒度の情報に従って前記コーヒー豆挽き手段の設定粒度を変更しつつコーヒー挽き豆を生成する制御を行うことが可能なものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。
【請求項3】
請求項2に記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記記憶手段は、前記コーヒー豆の粒度の情報として、一の粒度の情報が登録された第二のレシピを記憶可能なものであり、
前記制御手段は、前記第二のレシピが選択された場合に、該第二のレシピに登録されている一の粒度の情報に従って前記コーヒー豆挽き手段の粒度を設定してコーヒー挽き豆を生成する制御を行うことも可能なものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き機に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー飲料を製造するコーヒー飲料製造装置が提案されている(例えば特許文献1)。この特許文献1で提案されているコーヒー飲料製造装置は、コーヒー豆挽き機とコーヒー飲料抽出機が搭載されている。また、コーヒー豆挽き機のみを搭載したものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-30433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコーヒー豆挽き機では、より安定した品質の挽き豆や、より高品質な挽き豆を得れるようにすることが望まれている。
【0005】
本発明は、より安定した品質の挽き豆や、より高品質な挽き豆を得ることができるコーヒー豆挽き機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するための第一のコーヒー豆挽き機は、
コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き手段と、
前記コーヒー豆挽き手段を制御する制御手段と、
コーヒー豆を挽く際のレシピを記憶する記憶手段と、
を備えたコーヒー豆挽き機であって、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御するものであり
前記記憶手段は、コーヒー豆の粒度の情報として、
第一の粒度および第二の粒度を含む粒度分布の情報と、
前記コーヒー豆挽き手段によって、前記第一の粒度および前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くかの情報と、
が登録されたレシピを記憶可能なものであり、
前記制御手段は、前記レシピに登録されている前記コーヒー豆の粒度の情報に従って前記コーヒー豆挽き手段の設定粒度を変更しつつコーヒー挽き豆を生成する制御を行うことが可能なものである、
ことを特徴とする。
上記目的を解決するための第二のコーヒー豆挽き機は、
コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き手段と、
前記コーヒー豆挽き手段を制御する制御手段と、
コーヒー豆を挽く際のレシピを記憶する記憶手段と、
を備えたコーヒー豆挽き機であって、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御するものであり、
前記記憶手段は、コーヒー豆の粒度の情報として、
第一の粒度および第二の粒度を含む複数の粒度の情報と、
前記コーヒー豆挽き手段によって、前記第一の粒度および前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くかの情報と、
が登録された第一のレシピを記憶可能なものであり、
前記制御手段は、前記第一のレシピが選択された場合に、該第一のレシピに登録されている前記コーヒー豆の粒度の情報に従って前記コーヒー豆挽き手段の設定粒度を変更しつつコーヒー挽き豆を生成する制御を行うことが可能なものである、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のコーヒー豆挽き機によれば、より安定した品質の挽き豆や、より高品質な挽き豆を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】コーヒー豆挽き機の斜視図。
図2】粉砕装置の縦断面図。
図3】分離装置の一部破断斜視図。
図4】形成ユニットの縦断面図。
図5図4の形成ユニットの斜視図及び部分拡大図。
図6】断面積の比較説明図。
図7】別例の説明図。
図8図1のコーヒー豆挽き機の制御装置のブロック図。
図9】制御装置が実行する制御例を示すフローチャート。
図10】サーバに格納されるデータ例を示す図である。
図11】レシピ一覧が表示されている情報表示装置12を示す図である。
図12図11に示す表示画面で左側の「だいとブレンド」のレシピRe1をタップした場合に表示される画面を示す図である。
図13】レシピ管理アプリ一覧が表示されている情報表示装置12を示す図である。
図14】ツアーのレシピ管理アプリケーションの起動画面を示す図である。
図15】1段階目の抽出方法の設定についての説明画面を示す図である。
図16】グラインドにおけるパラメータの一つである豆の挽き粒度を入力する画面を示す図である。
図17】2段階目の豆情報の入力についての画面を示す図である。
図18】2段階目の豆情報の選択についての画面を示す図である。
図19】3段階目のバリスタ情報の入力についての画面を示す図である。
図20】(A)は図19に示すバリスタ情報の入力についての画面におけるレシピの作成方法を示すフローチャートであり、(B)はレシピ作成プログラムの概要を示す模式図である。
図21】3段階目のバリスタ情報の選択についての画面を示す図である。
図22】4段階目のレシピカード作成についての開始画面を示す図である。
図23】レシピカードの入力画面を示す図である。
図24】登録内容の確認画面を示す図である。
図25図24に示す豆情報アイコンCi2をタップすることによって表示された詳細表示の画面を示す図である。
図26】レシピ登録完了画面を示す図である。
図27】(A)はツアーにおける特徴的なレシピ作成方法を示すフローチャートであり、(B)はレシピ作成プログラムの概要を示す模式図である。
図28】エキスパートのレシピ作成において入力可能なパラメータ名を示す図である。
図29】5つのレシピがランキング表示された表示画面を示す図である。
図30図29に示す、第3位の「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dをタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図31】1回目本給湯量のアイコンI5をタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図32】サーバ1201の記憶部1303に記憶された、レシピの制限について管理しているデータを示す図である。
図33図29に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dをタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
図34】改変禁止の制限が付いているレシピの1回目本給湯量のアイコンI5をタップした場合の画面を示す図である。
図35図12に示す表示画面において、右上に用意されたメニューボタン120mをタップすることによってメニュー項目が展開されている様子を示す図である。
図36】コンプレッサ70からの空気圧による送出圧力のパラメータを修正する表示画面を示す図である。
図37】(A)は、図30に示すレシピの表示画面において、コメントが表示された状態の一例を示す図であり、(B)は、図33に示すレシピの表示画面において、コメントが表示された状態の一例を示す図である。
図38】(A)は、図30に示すレシピの表示画面において、コメントの一部が表示された状態の一例を示す図であり、(B)は、図33に示すレシピの表示画面において、コメントの一部が表示された状態の一例を示す図である。
図39】オーダー情報の入力時の様子を示す図である。
図40】オーダー情報の入力時の様子を示す図である。
図41】オーダー情報の入力時の様子を示す図である。
図42】オーダー情報の変更時の様子を示す図である。
図43】オーダーに対するグラインダ5Bの制御パラメータの一例を示す図である。
図44】グラインド処理の実行中における表示の一例を示す図である。
図45】コーヒー豆挽き方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<1.コーヒー豆挽き機>
図1を参照してコーヒー豆挽き機1について説明する。図1はコーヒー豆挽き機1の斜視図である。コーヒー豆挽き機1は、貯留装置4及び粉砕装置5と、これらを制御する制御装置11(図1では不図示)と、情報表示装置12を含む。情報表示装置12は、貯留装置4のホッパ40に設けられている。この情報表示装置12は、制御装置11と接続され、コーヒー豆挽き機1の各種制御を行うためのタッチパネル式のディスプレイであり、各種の情報の表示の他、管理者や飲料の需要者の入力を受け付けたりすることが可能である。また、情報表示装置12にはカメラ1230が設けられている。
【0011】
<1-1.貯留装置>
貯留装置4は、焙煎後のコーヒー豆が収容されるホッパ40を含む。なお、本実施形態では一つのホッパ40を設けたが、複数のホッパ40が設けられる構成であってもよい。また、複数のホッパ40を設けた場合には、種類や焙煎度を異ならせた焙煎コーヒー豆を分けて収容してもよい。ホッパ40には、焙煎コーヒー豆を下流側に送出する送出機構(不図示)が設けられており、この送出機構によって粉砕装置5へ焙煎コーヒー豆が供給される。
【0012】
<1-2.粉砕装置>
図1及び図2を参照して粉砕装置5を説明する。図2は粉砕装置5の縦断面図である。粉砕装置5は、グラインダ5A及び5B、及び、分離装置6を含む。グラインダ5A及び5Bは貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆を挽く機構である。グラインダ5Aは、コーヒー豆に付着している不要物を分離しやすくするために、ある程度(例えば1/4程度)の大きさに砕くためのグラインダである。またグラインダ5Bは、グラインダ5Aで砕かれた状態のコーヒー豆を所望の粒度のコーヒーの挽き豆にするためのグラインダである。このため、これらのグラインダ5A及び5Bは、豆を挽く粒度が異なっており、グラインダ5Aよりもグラインダ5Bの方がより細かい粒度のグラインダとなっている。なお、グラインダ5Bにおける挽き豆の粒度については、誤差(±5μm程度)が生じる場合があるものの、回転刃58bと固定刃57bとの間隔を調整することによって調整可能である。
【0013】
<1-2-1.グラインダ>
グラインダ5Aは、モータ52a(図1参照)及び本体部53aを含む。モータ52aはグラインダ5Aの駆動源である。本体部53aはカッターを収容するユニットであり、図2に示すように回転軸54aが内蔵されている。回転軸54aにはギア55aが設けられており、モータ52aの駆動力がギア55aを介して回転軸54aに伝達される。
【0014】
図2に示すように、回転軸54aには、カッターである回転刃58aが設けられている。また、回転刃58aの周囲には、カッターである固定刃57aが設けられている。本体部53aの内部は投入口50a(図2参照)及び排出口51a(図1参照)と連通している。貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は本体部53aの側部に形成されている投入口50aから本体部53aへ進入し、図2に示す回転刃58aと固定刃57aとの間に挟まれるようにして粉砕される。また、図2に示すように、回転軸54aの回転刃58aよりも上側には抑制板56aが設けられており、抑制板56aは焙煎コーヒー豆が上側に逃げることを抑制する。グラインダ5Aでは焙煎コーヒー豆が例えば1/4程度に粉砕される。粉砕された挽き豆は排出口51aから分離装置6へ排出される。
【0015】
なお、投入口50aに供給された焙煎コーヒー豆は、回転刃58aの上方からではなく、側面に当たるような高さに供給されてもよい。その場合は、回転刃58aにより焙煎コーヒー豆が上側へ逃げることが抑制されるため、抑制板56aを設けなくてもよい。
【0016】
グラインダ5Aは、回転刃58aの回転数を変化させることで、粉砕された後に排出される焙煎コーヒー豆の大きさを変化させてもよい。また、回転刃58aと固定刃57aとの間の距離を手動で調整することで変化させてもよい。
【0017】
分離装置6は挽き豆から不要物を分離する機構である。分離装置6はグラインダ5Aとグラインダ5Bとの間に配置されている。つまり、本実施形態の場合、貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、まず、グラインダ5Aで粗挽きされ、その粗挽き豆から分離装置6によって不要物が分離される。不要物が分離された粗挽き豆は、グラインダ5Bにより細挽きされる。分離装置6で分離する不要物は、代表的にはチャフや微粉である。これらはコーヒー飲料の味を低下させる場合がある。分離装置6は空気の吸引力により不要物を分離する機構であり、その詳細は後述する。
【0018】
グラインダ5Bは、モータ52b(図1参照)及び本体部53bを含む。モータ52bはグラインダ5Bの駆動源である。本体部53bは、カッターを収容するユニットであり、図2に示すように回転軸54bが内蔵されている。回転軸54bにはプーリ55bが設けられており、モータ52bの駆動力がベルト59b及びプーリ55bを介して回転軸54bに伝達される。
【0019】
図2に示すように、回転軸54bには、また、回転刃58bが設けられており、回転刃58bの上側には固定刃57bが設けられている。本体部53bの内部は投入口50b及び排出口51b(図1参照)と連通している。分離装置6から落下してくる挽き豆は投入口50bから本体部53bへ進入し、回転刃58bと固定刃57bとの間に挟まれるようにして更に粉砕される。粉状に粉砕された挽き豆は排出口51bから排出される。なお、グラインダ5Bにおける挽き豆の粒度は、回転刃58bと固定刃57bとの間隔を調整することによって調整可能である。
【0020】
焙煎コーヒー豆の粉砕は、一つのグラインダ(一段階の粉砕)であってもよい。しかし、本実施形態のように、二つのグラインダ5A、5Bによる二段階の粉砕とすることで、挽き豆の粒度が揃い易くなり、コーヒー液の抽出度合を一定にすることができる。豆の粉砕の際にはカッターと豆との摩擦により、熱が発生する場合がある。二段階の粉砕とすることで、粉砕時の摩擦による発熱を抑制し、挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
【0021】
また、粗挽き→不要物の分離→細挽きという段階を経ることで、チャフなどの不要物を分離する際、不要物と挽き豆(必要部分)との質量差を大きくできる。これは不要物の分離効率を上げることができるとともに、挽き豆(必要部分)が不要物として分離されてしまうことを防止することができる。また、粗挽きと細挽きとの間に、空気の吸引を利用した不要物の分離処理が介在することで、空冷によって挽き豆の発熱を抑えることができる。これにより挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
【0022】
<1-2-2.分離装置>
次に、図1図3を参照して分離装置6を説明する。図3は分離装置6の一部破断斜視図である。分離装置6は、吸引ユニット6A及び形成ユニット6Bを含む。形成ユニット6Bは、グラインダ5Aから自由落下してくる挽き豆が通過する分離室SC(図2参照)を形成する中空体である。吸引ユニット6Aは、挽き豆の通過方向(本実施形態の場合、上下方向)と交差する方向(本実施形態の場合、左右方向)で分離室SCと連通し、分離室SC内の空気を吸引するユニットである。分離室SC内の空気を吸引することで、チャフや微粉といった軽量な物体が吸引される。これにより、挽き豆から不要物を分離できる。
【0023】
吸引ユニット6Aは遠心分離方式の機構である。吸引ユニット6Aは、送風ユニット60A及び回収容器60Bを含む。送風ユニット60Aは本実施形態の場合、ファンモータであり、回収容器60B内の空気を上方へ排気する。
【0024】
回収容器60Bは、分離可能に係合する上部61と下部62とを含む。下部62は上方が開放した有底の筒型をなしており、不要物を蓄積する空間を形成する。上部61は下部62の開口に装着される蓋部を構成する。図3に示すように、上部61は、円筒形状の外周壁61aと、これと同軸上に形成された排気筒61bとを含む。送風ユニット60Aは排気筒61b内の空気を吸引するように排気筒61bの上方において上部61に固定されている。上部61は、また、径方向に延設された筒状の接続部61cを含む。接続部61cは形成ユニット6Bと接続され、分離室SCと回収容器60Bとを連通させる。接続部61cは排気筒61bの側方に開口している。
【0025】
送風ユニット60Aの駆動により、図3において矢印d1~d3で示す気流が発生する。この気流により、分離室SCから不要物を含んだ空気が接続部61cを通って回収容器60B内に吸引される。接続部61cは排気筒61bの側方に開口しているため、不要物を含んだ空気は排気筒61bの周囲を旋回する。空気中の不要物Dは、その重量によって落下し、回収容器60Bの一部に集められる(下部62の底面上に堆積する)。空気は排気筒61bの内部を通って上方に排気される。
【0026】
排気筒61bの周面には複数のフィン61dが一体に形成されている。複数のフィン61dは排気筒61bの周方向に配列されている。個々のフィン61dは、排気筒61bの軸方向に対して斜めに傾斜している。このようなフィン61を設けたことで、不要物Dを含んだ空気の排気筒61bの周囲の旋回を促進する。また、フィン61により不要物Dの分離が促進される。この結果、吸引ユニット6Aの上下方向の長さを抑えることができ、装置の小型化に寄与する。
【0027】
また、本実施形態では、グラインダ5A及び5Bによる挽き豆の落下経路に形成ユニット6Bを配置する一方、落下経路の側方に遠心分離方式の吸引ユニット6Aを配置している。遠心分離方式の機構は上下方向に長くなり易いが、吸引ユニット6Aを落下経路からずらして側方に配置することで、吸引ユニット6Aをグラインダ5A及びグラインダ5Bに対して横方向に並設することができる。これは装置の上下方向の長さを抑えることに寄与する。特に本実施形態のように、二つのグラインダ5A及び5Bにより二段階の粉砕を行う場合、装置の上下方向の長さが長くなる傾向になるため、吸引ユニット6Aのこのような配置が装置の小型化に有効である。
【0028】
図1図6を参照して形成ユニット6Bを説明する。図4は形成ユニット6Bの縦断面図である。図5は形成ユニット6Bの斜視図及び部分拡大図である。図6は形成ユニット6Bの平面図であって、断面積の比較説明図である。
【0029】
形成ユニット6Bは、本実施形態の場合、上下に半割された二部材を結合して形成されている。形成ユニット6Bは、管部63及び分離室形成部64を含み、平面視でスプーン形状を有している。管部63は、吸引ユニット6Aとの連通路63aを形成する筒体であり、横方向(後述する中心線CLと交差する方向)に延設されている。分離室形成部64は管部63に接続され、分離室SCを形成する、中央が上下方向に開口した円環形状の中空体である。
【0030】
本実施形態では、挽き豆から不要物を分離するにあたり、グラインダ5Aから落下してくる挽き豆に横方向の風圧を作用させて不要物を吸引する方式を採用している。これは、遠心分離方式よりも鉛直方向の長さを短くできる点で有利である。
【0031】
分離室形成部64は、上下方向に延設された筒状部65を含む。筒状部65はその上下方向の中央部から下部にかけて分離室SC内に突出している。筒状部65は上側の一端に開口部65aを有し、開口部65aは分離室SCに連通した、挽き豆の投入口を形成している。開口部65aは分離室SC外に位置しており、グラインダ5Aの排出口51a(図2参照)に接続されている。これにより、排出口51aから落下する挽き豆が漏れなく分離室形成部64に導入される。筒状部65は下側の他端に開口部65bを有する。開口部65bは分離室SC内に位置している。開口部65bが分離室SCに臨んでいるため、排出口51aから落下する挽き豆が漏れなく分離室SCに導入される。
【0032】
筒状部65は、本実施形態の場合、円筒形状を有しており、開口部65a及び開口部65bは中心線CL上に位置する同心の円形状を有している。これにより、排出口51aから落下する挽き豆が筒状部65を通過し易くなる。筒状部65は内部空間の断面積が開口部65a側から開口部65b側へ向かって徐々に小さくなるテーパ形状を有している。筒状部65の内壁がすり鉢形状となるため、落下してくる挽き豆が内壁に衝突し易くなる。グラインダ5Aから落下してくる挽き豆は、粒同士が密着して塊となって落下してくる場合がある。挽き豆が塊の状態であると、不要物の分離効率が低下する場合がある。本実施形態の場合、塊となった挽き豆が筒状部65の内壁に衝突することで、塊を崩し、不要物を分離し易くすることができる。
【0033】
なお、挽き豆の塊を崩す点では、筒状部65の内壁はすり鉢形状に限られない。筒状部65の途中部位に開口部65aよりも内部空間の断面積が小さい箇所があり、それにより、中心線CLに対して傾斜した(水平ではない)内壁があれば、塊との衝突を促進しつつ、挽き豆を円滑に落下させることができる。また、筒状部65は分離室SC内に突出している必要はなく、分離室形成部64の外面から上側に突出した部分のみを有するものであってもよい。但し、筒状部65を分離室SC内に突出させたことで、筒状部65の周囲の風速を向上できる。このため、管部63から相対的に遠い領域R1において、風圧による不要物の分離効果を高めることができる。
【0034】
分離室形成部64は、不要物を分離した後の挽き豆が排出される、分離室SCに連通した排出口66を有している。排出口66は、本実施形態の場合、開口部65bの下方に位置しており、筒状部65を通った挽き豆は、分離室SCを通過して排出口66から自由落下する。本実施形態の場合、排出口66は中心線CL上に位置する円形の開口であり、開口部65a及び開口部65bと同心円の開口である。このため、挽き豆が分離室形成部64を自由落下により通過し易くなり、分離室形成部64内に挽き豆が堆積することを防止することができる。
【0035】
図6に示すように、本実施形態の場合、開口部65bの断面積SC1よりも排出口66の断面積SC2の方が大きい。本実施形態の場合、開口部65bと排出口66とが上下方向で見て、互いに重なっている。したがって、排出口66に対して、上下方向に開口部65bを投影すると、排出口66の内側に開口部65bが収まることになる。換言すると、開口部65bは、排出口66を上下方向に延長した領域内に収まる。開口部65bと排出口66とが同一中心線上にないが重なっている構成や、少なくとも一方が円形でないが重なっている構成も採用可能である。
【0036】
断面積SC2に対する断面積SC1の比率は、例えば、95%以下、あるいは、85%以下であり、また、例えば、60%以上、あるいは、70%以上である。開口部65b、排出口66は同心円であるため、中心線CL方向に見ると互いに重なっている。このため、開口部65bから自由落下する挽き豆が排出口66から排出され易くなる。また、落下する挽き豆が排出口66の縁に衝突して管部63側へ跳ねることを防止し、必要な挽き豆が吸引ユニット6Aに吸引されてしまうことも抑制できる。排出口(例えば66)の開口面積よりも一端開口部(例えば65a)の開口面積の方が小さいと例示してきたが、排出口(例えば66)の開口面積と一端開口部(例えば65a)の開口面積は同じであってもよいし、排出口(例えば66)の開口面積よりも一端開口部(例えば65a)の開口面積の方が大きくてもよい。排出口(例えば66)の開口面積よりも他端開口部(例えば65b)の開口面積の方が小さいと例示してきたが、排出口(例えば66)の開口面積と他端開口部(例えば65b)の開口面積は同じであってもよいし、排出口(例えば66)の開口面積よりも他端開口部(例えば65b)の開口面積の方が大きくてもよい。吸引ユニット(例えば6A)によって排出口66及び投入口(例えば65a,65a’)から空気が吸引されることを例示したが、投入口(例えば65a,65a’)から吸引される空気の量よりも排出口66から吸引される空気の量の方が多くなるようにしてもよい。これは、分離室内に他端開口部(例えば65b)が突出していることや、一端開口部(例えば65a)の開口面積の大きさよりも排出口66の断面積の大きさが大きいことで実現してもよいし、他端開口部(例えば65b)の開口面積の大きさよりも排出口66の断面積の大きさが大きいことで実現してもよいし、一端開口部(例えば65a)から分離室までの距離よりも排出口66から分離室までの距離が近いことで実現してもよいし、一端開口部(例えば65a)から排気筒61bまでの距離よりも排出口66から排気筒61bまでの距離が近いことで実現してもよいし、一端開口部(例えば65a)から送風ユニット60Aまでの距離よりも排出口66から送風ユニット60Aまでの距離が近いことで実現してもよい。形成ユニット6Bや分離室SCを構成する部材(63~65)の内壁部のいずれかや筒状部65や他端開口部(例えば65b)であるが、グラインダ(5A及び5Bのうちの少なくとも一方)と直接又は他の部材を介して間接的に接触して、当該グラインダの回転による振動が伝わって、振動するように構成されていてもよい。例えば、実施例におけるコーヒー豆挽き機1の場合、それらは直接的又は間接的に接触していることから、グラインダの動作中は、形成ユニット6Bや分離室SCを構成する部材(63~65)の内壁部のいずれかや筒状部65や他端開口部(例えば65b)が振動し、振動により当該分離室SC内に生じる乱れた空気によって、他端開口部(例えば65b)から分離室SCに進入する軽い不要物にブレーキを与えて、当該不要物を吸引ユニット(例えば6A)によって吸引しやすくしている。特に、実施例におけるコーヒー豆挽き機1のように形成ユニット6Bは、グラインダ5A及びグラインダ5Bのうちのグラインダ5Aと直接接触しているが、このように一のグラインダに直接接触させることで形成ユニット6Bに適度な振動を与えて、軽い不要物を吸引しやすくしてもよい。
【0037】
本実施形態の場合、吸引ユニット6Aにより吸引される空気は、主に、排出口66から吸引される。このため、排出口66とグラインダ5Bの投入口50bとの間には隙間が設けられており、空気の吸引が促進される。矢印d4は吸引ユニット6Aにより吸引される空気の気流の向きを模式的に示している。排出口66から空気を吸引することで不要物が排出口66から排出されにくくなり、挽き豆と不要物との分離性能を向上できる。なお、吸引ユニット6Aにより吸引される空気は、開口部65aからも吸引される。
【0038】
排出口66を画定する周囲壁には、乱流促進部67が形成されている。乱流促進部67は排出口66から分離室SCへ吸引される空気に乱流を生じさせる。乱流促進部67を形成したことにより、特に、開口部65bとの排出口66との間の領域R2において、乱流が生じやすくなる。また、本実施形態の場合、筒状部65の周囲で風速が向上するので、領域R2での乱流の発生を相乗的に促進させることができる。
【0039】
投入口65aに投入された挽き豆は領域R2を通過する際に乱流の影響を受けて攪拌される。本実施形態の場合、特に、上記のとおり開口部65bの断面積SC1よりも排出口66の断面積SC2の方が大きいため、挽き豆は領域R2を必ず通過する。乱流によって、チャフや微粉といった不要物が、挽き豆から分離されやすくなる。よって、分離室SCが小さい空間であっても、不要物の分離効率を向上することができ、特に、分離室SCの上下方向の長さを小さくすることに寄与し、本実施形態のように二つのグラインダ5A、5Bで二段階の粉砕を行う場合の装置の小型化に有利である。
【0040】
本実施形態の場合、乱流促進部67は複数の乱流促進要素67aを含む。乱流促進要素67aは、上下方向で下向きに突出した突起である。乱流促進要素67aの突出方向は、どの方向であってもよいが、分離室SC内に乱流をより発生させ易くする点で、下方向から径方向内側方向の範囲内の方向が好適である。本実施形態のように、突出方向が下方向であれば、落下してきた挽き豆が引っ掛かることがなく、より好ましい。
【0041】
乱流促進要素67aの断面形状は、台形形状の四角柱を断面の上底が中心線CL方向に向くように配置され、かつ先端部の内側に面取り67bを施された形状となっている。乱流促進要素67aの形状は、本実施形態の形状に限られないが、排出口66の形状を三次元的に複雑にする形状が好適である。
【0042】
本実施形態の場合、乱流促進要素67aは、排出口66の周囲方向d5に繰り返し形成されている。これにより、領域R2へ多方向から空気が吹き込み、乱流の発生が促進される。隣接する乱流促進要素67aのピッチは、異ピッチでもよいが、本実施形態では等ピッチである。乱流促進要素67aは12個形成されているが、乱流促進要素67aの数は任意である。
【0043】
<1-2-3.他の構成例>
図7を参照して分離室形成部64の他の構成例について説明する。乱流促進要素67aは、突起のほか、切欠きや穴であってもよい。図7のEX1の例は、乱流促進要素67aを排出口66の周囲壁に形成した貫通穴とした例を例示している。このような穴も領域R2における乱流発生を促進可能である。
【0044】
図7のEX2の例は、筒状部65を設けない例を示している。この場合においても、投入口65a’の断面積SC1’よりも、排出口66の断面積SC2を大きくした構成が好適である。
【0045】
筒状部65の開口部65bは水平面上の開口ではなく、傾斜面上の開口であってもよい。図7のEX3の例は、筒状部65の管部63側の下端が、反対側の下端よりも下方向に突出していている。このようにすることで、領域R1側へ挽き豆が案内され易くなって分離室SCにおける挽き豆の滞留時間を長くとることができ、分離効果を高めることができる。
【0046】
<2.制御装置>
図8を参照してコーヒー豆挽き機1の制御装置11について説明する。図8は制御装置11のブロック図である。
【0047】
制御装置11はコーヒー豆挽き機1の全体を制御する。制御装置11は、処理部11a、記憶部11b及びI/F(インタフェース)部11cを含む。処理部11aは例えばCPU等のプロセッサである。記憶部11bは例えばRAMやROMである。この記憶部11bには、レシピが記憶されている。レシピは、コーヒー豆を挽くための各種の条件の情報や、豆情報や、レシピ作成者情報や、レシピ作成者のコメント等を含むものである。I/F部11cは外部デバイスと処理部11aとの間の信号の入出力を行う入出力インタフェースを含む。I/F部11cは、また、インターネットなどの通信ネットワーク15を介してサーバ16、携帯端末17とデータ通信が可能な通信インタフェースを含む。サーバ16は、通信ネットワーク15を介してスマートフォン等の携帯端末17との通信が可能であり、例えば、需要者の携帯端末17からコーヒーの挽き豆製造の予約や、感想などの情報を受信可能である。コーヒー豆挽き機1と、サーバ16と、携帯端末17とを含んで、コーヒー豆を挽くためのコーヒー豆挽きシステムGSを構成する。
【0048】
処理部11aは記憶部11bに記憶されたプログラムを実行し、レシピに従って貯留装置4や粉砕装置5を制御する。より細かく見れば、処理部11aは、アクチュエータ群14をレシピに従って制御したり、そのアクチュエータ群14を、情報表示装置12からの指示やセンサ群13の検出結果若しくはサーバ16からの指示に基づいて制御する。センサ群13は貯留装置4や粉砕装置5に設けられた各種のセンサ(例えば、機構の動作位置検出センサ等)である。アクチュエータ群14は、貯留装置4や粉砕装置5に設けられた各種のアクチュエータ(例えばモータ等)である。
【0049】
<3.動作制御例>
処理部11aが実行するコーヒー豆挽き機1の制御処理例について図9を参照して説明する。図9はコーヒーの挽き豆製造の制御処理例を示している。なお、この処理は、コーヒー豆挽き機1の外部(例えば、サーバ16や携帯端末17)からのオーダー情報に従ってグラインド処理を実行する場合の例である。
【0050】
ステップS1では、コーヒーの挽き豆のオーダー情報を受け付けたか否かが判定される。オーダー情報を受け付けていない場合はこのステップS1が繰り返し実行される。そして、オーダー情報を受け付けた場合はステップS2に進む。なお、オーダー情報の具体的な内容については後述する。
【0051】
ステップS2では、受信したオーダー情報が情報表示装置12に表示され、ステップS3に進む。
【0052】
ステップS3では、コーヒー豆のグラインド開始操作を受け付けたか否かが判定される。グラインド開始操作を受け付けていない場合はステップS4に進み、グラインド開始操作を受け付けた場合はステップS6に進む。
【0053】
ステップS4では、オーダー情報の変更操作を受け付けたか否かが判定される。オーダー情報の変更操作を受け付けた場合はステップS5に進み、オーダー情報の変更操作を受け付けていない場合はステップS3に戻る。
【0054】
ステップS5では、オーダー情報の変更操作に従って受け付けたオーダー情報が更新され、ステップS3に戻る。
【0055】
オーダー情報を受け付けてからグラインド開始操作を受け付けるまでの間においては、ステップS4、ステップS5によって受け付けたオーダー情報を変更することができる。グラインド開始操作やオーダー情報の変更操作は、情報表示装置12の操作に限らず、携帯端末17からの操作を受け付けるようにしてもよく、また、この操作の情報はコーヒー豆挽き機1に送信されるものであれば、その送信経路はどのような経路であってもよい。
【0056】
ステップS6では、コーヒー豆のグラインド処理が実行される。まず、レシピに基づく分量、あるいはオーダー情報で直接指定された分量の焙煎コーヒー豆が貯留装置4からグラインダ5Aに供給される。グラインダ5Aでは砕かれたコーヒー豆は、分離装置6によって不要物が分離された後、グラインダ5Bに供給される。このグラインダ5Bでは、レシピに含まれている豆挽き粒度に応じて固定刃57bと回転刃58bとの間隔を所定間隔(例えば、50μm刻み)で変更しつつコーヒー豆が挽かれる。あるいは、オーダー情報で直接指定された豆挽き粒度に応じて固定刃57bと回転刃58bとの間隔を所定間隔(例えば、50μm刻み)で変更しつつコーヒー豆が挽かれ、コーヒーの挽き豆が排出口51bから排出される。このグラインド処理が終了すると、コーヒーの挽き豆の製造処理が終了する。
【0057】
上記の例では、コーヒー豆挽き機1の外部からのオーダー情報に従ってグラインド処理を実行する場合について説明したが、情報表示装置12を用いて直接コーヒー豆挽き機1にオーダー情報を入力する構成としてもよい。この構成の場合には、図9のステップS2、ステップS4、ステップS5を削除した構成としてもよい。
【0058】
また、上記の例では、オーダー情報を受け付けてからグラインド開始操作を受け付けるまでの間において、オーダー情報を変更することができるが、こうした変更の機会を設けずに、オーダー情報を受け付けたらそのままグラインド処理が開始されるようにしてもよい。
【0059】
<4.レシピ>
以下、レシピについて詳述する。レシピには、コーヒー豆を挽くためのグラインド情報だけを含んだグラインドレシピと、グラインド情報の他にコーヒー飲料の抽出条件等、コーヒー飲料を製造するための各種の製造条件の情報を含んだ飲料製造レシピとがある。コーヒー豆挽き機1では、グラインドレシピさえあれば、図9に示すグラインド処理S6を実行することができるが、飲料製造レシピが情報表示装置12に表示されれば、グラインド処理の後に実行されるコーヒー飲料の抽出処理の条件を鑑みて、グラインド条件を修正することができる場合があり、より良質なコーヒー飲料を得られる場合がある。
【0060】
図8に示す記憶部11bは、レシピを記憶し続けるものであってもよいし、グラインド処理S6を開始する前にサーバ16からレシピを取得し、グラインド処理S6を実行している間に限って記憶し、グラインド処理S6を終了した後は、記憶部11bからレシピは消去されるようにしてもよい。あるいは、記憶部11bには、レシピのうち一部の情報(例えば、豆情報や、レシピ作成者情報)のみが記憶されており、グラインド処理を開始する前にサーバ16から、レシピの残りの情報(例えば、コーヒー豆を挽くための各種の条件の情報)を取得し、グラインド処理を終了した後は、記憶部11bから、残りの情報は消去されるようにしてもよい。なお、記憶部11bに記憶されたレシピは暗号化されている。
【0061】
また、レシピは、サーバ16において、データベース化されて管理されている。
【0062】
図10(A)~図10(C)は、サーバ16に記憶されるデータの一例を示す図である。図10(A)は、飲料情報データベースに格納されるデータ1500である。データ1500は、レシピID1501、レシピの考案者を示す考案者情報1502、過去にユーザによって飲料情報が選択され、製造した回数を示す製造回数情報1503、原材料情報、製造方法、タイプ1512、1513を含む。原材料情報は、豆の種類を示す豆情報1504、豆の産地を示す産地情報1505、豆の焙煎度を示す焙煎度情報1506を含む。また、製造方法は、1回の抽出で使用する豆の量1507、豆の挽き粒度1508、蒸らし湯量1509、蒸らし時間1510、抽出湯量1511を含む。これらの情報のうち、グラインド処理S6で最も必要になる情報は豆の挽き粒度1508であるが、その他の情報も、豆の挽き粒度1508を検討するにあたり必要になる場合がある。タイプ1512は、飲料がホット飲料であるかアイス飲料であるかを示すタイプ情報、タイプ1513は、飲料のフレーバーを示すタイプ情報である。なお、本実施形態では、製造回数情報1503は、製造回数情報1503に対応する飲料を複数の飲料製造装置が製造した回数であるものとして説明を行うが、飲料製造装置ごとに製造回数情報1503を格納してもよい。
【0063】
図10(B)は、ユーザ情報データベースの例示的なデータ1520である。ユーザは、店舗であったり、その店舗の店員や客であったりする。データ1520は、ユーザ識別子を示すID情報1521、ユーザの氏名を示す氏名情報1522、ユーザの年齢を示す年齢情報1523、ユーザの性別を示す性別情報1524を含む。一例では、データ1520は、ユーザの住所に対応する情報や、ユーザのニックネーム情報、ユーザの写真データをさらに含んでもよい。
【0064】
図10(C)は、グラインド履歴データベースの例示的なデータ1530である。データ1530は、グラインドを指示したユーザに関するユーザ情報1531、グラインド日時に関する日時情報1532、グラインド処理S6で用いられたレシピID1533、グラインド処理S6を行ったコーヒー豆挽き機1に対応するマシンID1534、当該コーヒー豆挽き機1が設置される店舗に対応する店舗ID1535を含む。一例では、データ1530は、グラインドしたコーヒーの挽き豆の価格に対応する価格情報などをさらに含んでもよい。また、グラインド履歴データベースと似たようにコーヒー飲料の製造履歴データベースも記憶されていてもよい。
【0065】
以上説明したデータ1500、1510、1530は、コーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bにも記憶されていてもよい。
【0066】
以下、飲料製造レシピを例にあげて説明する。以下の説明では、単にレシピというときには飲料製造レシピのことをいう。
【0067】
図11は、レシピ一覧が表示されている情報表示装置12を示す図である。
【0068】
図11に示す情報表示装置12の表示部には、レシピ一覧が表示されている。このレシピ一覧の表示画面が、情報表示装置12の表示部のホーム画面であってもよいし、右上に表示されたメニューボタン120mをタップすると展開されるメニュー項目から選択される選択画面であってもよい。
【0069】
図11に示すレシピ一覧には、3つのレシピが簡易表示されている。左端に表示された前ページアイコン120bをタップすると前ページの3つのレシピが簡易表示され、右端に表示された次ページアイコン120fをタップすると次ページの3つのレシピが簡易表示される。図11では、左側に「だいとブレンド」というレシピ名のレシピRe1が簡易表示され、中央に「パカマラモーニング」というレシピ名のレシピRe2が簡易表示され、右側には「Gショップオリジナル」というレシピ名のレシピRe3が簡易表示されている。これら3つのレシピRe1,Re2,Re3はいずれも、作成されて間もないものであり、新作であることを表す「NEW」の表示が右上隅に表示されている。
【0070】
ここで、レシピについて、これまでの説明と重複する部分もあるが、もう一度説明しておく。レシピは、飲料を製造するための各種の製造条件の情報や、豆情報や、レシピ作成者情報等を含むものである。すなわち、レシピは、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するものである。
【0071】
レシピに含まれている豆情報や作成者情報は、ユーザが飲料を選択する際に表示される。製造条件の情報は、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用されるパラメータ(設定値)である。
【0072】
各レシピRe1,Re2,Re3には、左上隅に豆の産地を示す産地表示Rmが表示されている。産地表示Rmの下には、豆の名称を表す名称表示Rbが表示されている。名称表示Rbの下には、豆の焙煎度を示す焙煎度表示Rrがグラフィックで表示されている。さらに、その下には、図10を用いて説明したタイプ1(飲料がホット飲料であるかアイス飲料であるか)を示すアイコンRih,Ricが表示されている。なお、図10を用いて説明したタイプ2(飲料のフレーバーを示すタイプ情報)を示すアイコンも表示されてもよい。図11に示すいずれのレシピRe1,Re2,Re3でも、ホット飲料のアイコンRihが点灯し、アイス飲料のアイコンRicはグレーアウトしている。レシピの上下方向中央部分には、レシピ名表示Rnが表示され、その下には、画像Imがレシピ作成者の名前とともに表示されている。この画像Imは、レシピ作成者(図15(A)では考案者)を撮影した画像である。左側の「だいとブレンド」のレシピRe1では、バリスタの「M.FFFFFF」の名前とともに顔の画像Imが表示されている。中央の「パカマラモーニング」のレシピRe2では、バリスタの「S.VVVV」の名前とともに顔の画像Imが表示されている。右側の「Gショップオリジナル」のレシピRe3では、Gショップ店長の「珈田太郎」の名前とともに顔の画像Imが表示されている。そして、一番下には、そのレシピで用いられているコーヒー豆の値段Prが表示されている。
【0073】
表示されているレシピをタップすると、そのレシピの詳細が表示される。
【0074】
図12は、図11に示す表示画面で左側の「だいとブレンド」のレシピRe1をタップした場合に表示される画面を示す図である。
【0075】
図12に示す情報表示装置12の表示部には、後述するレシピカード(図23参照)に基づくレシピ情報が表示されている。ここでは、「だいとブレンド」のレシピ情報が表示されている。図11に示す簡易表示されたレシピRe1と比べると、苦み表示Ra1と酸味表示Ra2といった味の詳細がグラフィックで表示されている。また、レシピ作成者のコメントRcも表示されている。さらに、画像Imとともに、この画面では、レシピ作成者の紹介Rhも表示されている。図12における画像Imは、このレシピの作成者を撮影した画像である。加えて、右上には、このレシピが有料レシピであることを表す有料アイコンRipも表示されている。図12に示す有料アイコンRipは課金がされたことを表している。「だいとブレンド」のレシピは、課金をしなければコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限が付いた有料レシピとして一般公開されたレシピである。ここにいう一般公開とは、例えば、世界各地にある情報表示装置12に、図12に示すようなレシピ情報が、図8に示すサーバ16経由で自動送信され、各情報表示装置12の画面に表示されることをいう(以下においても同じ)。ただし、製造に必要なパラメータの全部は公開されない。なお、店舗管理用のコーヒー豆挽き機1における情報表示装置12に限って表示されるようにしてもよい。また、自動送信されるのではなく、サーバ16において公開されているレシピ情報を各店舗側から見ることができることであってもよい(以下においても同じ)。有料レシピは、店舗側等が課金を行い製造制限を解除した場合に限り、図11に示すレシピ一覧の表示画面に表示されるようになる。そして、製造制限が解除されたレシピは、図12のレシピ情報の表示画面では、顧客に有料レシピであることを示すため有料アイコンRipを表示し、顧客にプレミアム感をアピールすることができる。なお、製造制限が解除されていない有料レシピであっても、図11に示すレシピ一覧の表示画面に表示されるようにしてもよいが、この場合には、レシピ情報の表示画面が表示されないか、あるいは表示されても、後述するグラインドアイコン120eが表示されず、図9に示すグラインド処理S6は実行されない。
【0076】
また、画面右上には、メニューボタン120mが用意され、画面下端には、戻るアイコン120r1とグラインドアイコン120eが用意されている。戻るアイコン120r1をタップすると、図11に示すレシピ一覧の画面に戻る。グラインドアイコン120eには、このレシピで用いられているコーヒー豆の値段が表示されている。なお、コーヒー豆の値段は、レシピ自体に含まれていてもよいし、レシピとは別に記憶されていてもよい。例えば、値段は、レシピと対応付けて記憶部11bに記憶されていてもよい。また、コーヒー飲料の値段もレシピと対応付けて記憶部11bに記憶されていてもよい。グラインドアイコン120eをタップすると、会計情報が不図示のPoint of sale(POS)システムに送信され、POSシステムでは会計処理が実行される。また、コーヒー豆挽き機1では、図9に示すグラインド処理S6が開始される。
【0077】
続いて、レシピの作成について説明する。レシピの作成は、情報表示装置12にインストールされたレシピ管理アプリケーションを用いて行われる。
【0078】
図13は、レシピ管理アプリ一覧が表示されている情報表示装置12を示す図である。
【0079】
図13に示す情報表示装置12の表示部には、レシピ管理アプリ一覧が表示されている。このレシピ管理アプリ一覧の表示画面は、図11に示す情報表示装置12に表示されているメニューボタン120mをタップすると展開されるメニュー項目から選択される画面である(図35参照)。なお、右上に表示されている戻るアイコン120r2をタップすると、図11に示す、レシピ一覧が表示された画面に戻る。
【0080】
情報表示装置12には、エキスパート、ツアー、スタンダードといった3つのレシピ管理アプリケーションがインストールされており、これらのレシピ管理アプリケーションは、図8に示す処理部11aによって実行される。図13に示す情報表示装置12の表示画面には、エキスパートアイコン120ei、ツアーアイコン120ti、スタンダードアイコン120siがそれぞれ表示されている。エキスパートおよびスタンダードのレシピ管理アプリケーションについては後述することにし、ここでは、ツアーのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成について説明する。ツアーのレシピ管理アプリケーションを起動するには、中央に表示されたツアーアイコン120tiをタップする。
【0081】
図14は、ツアーのレシピ管理アプリケーションの起動画面を示す図である。
【0082】
ツアーのレシピ管理アプリケーションでは、対話形式による進行に従ってレシピを作成していく。以下、新規レシピの作成のことを、アプリケーション名に因んでツアーと称する。図14に示す情報表示装置12の表示部に表示された起動画面には、ツアーの途中でもレシピ作成を中断することができ、完成したレシピは、図8に示すサーバ16、あるいは、コーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bに構築されたデータベースに保存されることが表示されている。また、この起動画面の下方には、2つの新規作成アイコン120niと、中断中アイコン120siが表示されている。図14に示す中断中アイコン120siをタップすると、豆情報の入力又は選択で中断していたツアーが再開される。新規作成アイコン120niをタップすると、ツアーが開始される。なお、右上に表示されている戻るアイコン120r3をタップすると、図13に示す、レシピ管理アプリ一覧が表示された画面に戻る。
【0083】
ツアーは5段階構成になっており、最後の5段階目がツアーの完了、すなわち新規レシピの完成になる。1段階目は製造方法の設定であり、図10(A)に示す製造方法に関するパラメータの設定になる。2段階目は豆情報の入力又は選択であり、図10(A)に示す原材料情報に関するパラメータの設定になる。3段階目はバリスタ情報の入力又は選択であり、図10(B)に示すユーザ情報データベースに保存されるパラメータの設定になる。4段階目はレシピカードの作成である。
【0084】
図15は、1段階目の製造方法の設定についての説明画面を示す図である。
【0085】
図15に示す情報表示装置12の表示部には、製造方法の設定と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面には、ツアーの進行状況がわかるように進行度合チャートPCが表示されている。図15に示す進行度合チャートPCから、現在1段階目であることが一目でわかる。また、1段階目の製造方法の設定についての説明文として「グラインドから抽出までの設定です。」が表示されている。この説明文はユーザにわかりやすいように記載されているが、製造方法に関する各種パラメータの設定になる。
【0086】
図15に示す説明画面では、右上隅に配置された中断アイコンSi1をタップするとツアーが中断される。一方、下方に配置された、次へアイコンNx1をタップすると、製造方法に関するパラメータの入力画面に移行する。
【0087】
図16は、グラインドにおけるパラメータの一つである豆の挽き粒度を入力する画面を示す図である。
【0088】
ツアーにおける製造方法に関するパラメータの入力は、グラインド、蒸らし、本給湯、加圧、かくはん、およびカップ送出といった6ステップに分かれている。グラインドにおけるパラメータの入力では、豆の量(g)と豆の挽き粒度(μm)とチャフ除去強さ(チャフの除去率)(%)について入力を行う。図16に示す情報表示装置12の表示部では、現在、グラインドにおけるパラメータの入力が行われていることが、グラインドアイコンGiの色が変わっていることで報知されている。また、この画面の左側には、コーヒー豆挽き機1とコーヒー抽出装置を有するコーヒー飲料製造装置を模式図で表したアニメーションAMが表示されている。このアニメーションAMでは、図1に示すグラインダ5A、5Bの模式図5Mおよび分離装置6の模式図6Mが示されており、その下には、抽出容器の模式図9Mとコーヒーカップの模式図CMが表示されている。図16に示す画面では、粉砕装置5の模式図5Mでコーヒー豆の粉砕が行われている様子が表示されており、グラインドにおけるパラメータの入力が行われていることが、このアニメーションAMでも報知されている。また、図16に示す情報表示装置12の表示部では、豆の量の入力が終わり、豆の挽き粒度の入力が行われている。画面の右側には、挽き粒度の入力可能範囲が250μm以上500μm以下であることが表示され、その下には、現在の入力値であるパラメータの表示PPを挟んでマイナスアイコンMiとプラスアイコンPiが表示されている。マイナスアイコンmiを1回タップすると、パラメータの表示PPは1減算された値になり、プラスアイコンpiを1回タップすると、パラメータの表示PPは1加算された値になる。ユーザは、マイナスアイコンMiあるいはプラスアイコンPiをタップして、挽き粒度のパラメータを、入力可能範囲内で所望の値を入力する。
【0089】
なお、図16に示すパラメータの入力を受け付ける画面には、そのパラメータの説明の表示が表示されていないが、例えば、「粉砕装置における挽き豆の粒度です。」といった説明文が表示されてもよい。
【0090】
パラメータの入力画面では、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。中断アイコンSi2をタップするとツアーが中断され、表示されている画面で入力又は選択したパラメータが、図8に示すサーバ16あるいはコーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bに構築されたデータベースに保存される(以下の説明においても同じ。)。一方、終了アイコンEN1をタップすると、表示されている画面で入力又は選択したパラメータをデータベースに保存させずにツアーを終了することができる(以下の説明においても同じ。)。保存アイコンNX2をタップすると、表示されている画面で入力又は選択したパラメータが設定値としてデータベースに保存され、次の画面に移行する(以下の説明においても同じ。)。図16に示す画面の次の画面は、蒸らしにおけるパラメータの入力画面になる。蒸らしにおけるパラメータの入力では、豆を蒸らすための、蒸らし湯量(g)と蒸らし時間(秒)について入力を行う。
【0091】
なお、蒸らし以降のパラメータの入力画面については説明を省略するが、本給湯におけるパラメータの入力では、総湯量である抽出湯量(注入湯量)(g)、1回目本給湯量(g)、および1回目本給湯後の待ち時間(秒)について入力を行う。加圧におけるパラメータの入力では、抽出圧力(bar)、抽出時間(秒)、減圧1回目の圧力(bar)、および減圧1回目後の待ち時間(秒)について入力を行う。かくはんにおけるパラメータの入力では、回転前静止時間(秒)、ゆらしパターン、および回転後静止時間(秒)について入力を行う。カップ送出におけるパラメータの入力では、送出圧力(bar)について入力を行う。製造方法に関するパラメータは、この他にもあり、ツアーでは、後述するエキスパートのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成よりも少ない数のパラメータの入力を行う。一方、ツアーでは、後述するスタンダードのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成よりも多くの数のパラメータの入力を行う。なお、ツアーでは、スタンダードのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成と同じ数のパラメータの入力を行うようにしてもよいし、少ない数のパラメータの入力を行うようにしてもよい。
【0092】
製造方法の設定が完了すると、情報表示装置12の表示部に、「製造方法の設定が完了しました。」という応答文を表示してもよい。
【0093】
図17は、2段階目の豆情報の入力についての画面を示す図である。
【0094】
図17に示す情報表示装置12の表示部には、豆情報と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、現在2段階目であることが一目でわかる。また、2段階目の豆情報の入力又は選択についての説明文として「使いたい豆の情報です。」が表示されている。ここでもユーザにわかりやすいように記載されているが、「使いたい豆の情報」は、原材料情報に関する各種パラメータによって決まる。レシピには、原材料情報に関する各種パラメータが含まれており、原材料情報に関する各種パラメータの集まり(図10(A)に示す「原材料情報」)はレシピを構成するパラメータに相当する。したがって、豆情報の入力又は選択についての説明文である「使いたい豆の情報です。」もパラメータの説明に相当する。
【0095】
また、図17に示す画面では、左側に新規作成アイコンNi1と選択アイコンSe1が配置されている。図17に示す新規作成アイコンNi1は色が変わっており、新規作成アイコンNi1がタップされたことが報知されている。新規アイコンNi1をタップすると、豆情報について新規作成を行うことになる。図17に示す画面には、豆の名称を入力する入力欄B1と、その豆の生産国を入力する入力欄B2と、その豆が収穫された農園を入力する入力欄B3と、その豆が収穫された標高を入力する入力欄B4と、その豆の品種を入力する入力欄B5と、その豆の精製方法を入力する入力欄B6が表示されている。図17では、これらの入力欄B1~B6全ての入力が完了している。入力にあたっては、入力しようとするいずれかの入力欄をタップすると、表示画面上にソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)が出現し(図25参照)、文字入力が可能になる。入力欄の下には、複数のセルが横一列に配置され、左側のセルほど浅煎りであることを表し右側のセルほど深煎りであることを表す、豆の焙煎度をタップしたセルの位置で表す焙煎度表示部B7が設けられている。
【0096】
以上説明したように、図17に示す画面では、「使いたい豆の情報です。」といったパラメータの説明の表示と、豆情報を入力する入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7といったパラメータの入力を受け付ける表示が、一緒に表示されている。なお、図15に示す「グラインドから抽出までの設定です。」といった製造方法に関するパラメータの説明の表示と、図16における製造方法に関するパラメータの入力を受け付ける表示は別々の画面に表示(異なるタイミングで表示)されているが、図17に示す画面のように一緒の画面に表示(同時に表示)されてもよい。また、図17に示すパラメータの説明の表示と、原材料情報に関するパラメータの入力を受け付ける表示を、別々の画面に表示(異なるタイミングで表示)してもよい。
【0097】
図17に示す画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。
【0098】
図18は、2段階目の豆情報の選択についての画面を示す図である。
【0099】
図18に示す情報表示装置12の表示部にも、進行度合チャートPCが表示されており、現在2段階目であることが一目でわかる。また、「使いたい豆の情報です。」といったパラメータの説明表示も表示されている。この図18に示す画面では、新規作成アイコンNi1と選択アイコンSe1のうち、選択アイコンSe1の色が変わっており、選択アイコンSe1がタップされたことが報知されている。選択アイコンSe1をタップすると、豆情報について既存データからの選択を行うことになる。既存データは、豆の名称、その豆の生産国、その豆が収穫された農園、その豆が収穫された標高、その豆の品種、その豆の精製方法、およびその豆の焙煎度といった各パラメータを含んだデータになる。図18に示す画面には、既存データについて1行ごとに表した既存データ表示B8が表示されている。図18における既存データ表示B8では、上から2つ目の既存データ(豆名が「αβγゲイシャ」の既存データ)の色が変わっており、この既存データが選択されたことが報知されている。図18に示す保存アイコンNX2をタップすると、表示されている画面で選択した既存データに含まれる各パラメータが設定値としてデータベースに保存され、3段階目のバリスタ情報の入力又は選択についての画面に移行する。
【0100】
図19は、3段階目のバリスタ情報の入力についての画面を示す図である。
【0101】
図19に示す情報表示装置12の表示部には、バリスタ情報と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、現在3段階目であることが一目でわかる。また、3段階目のバリスタ情報の入力又は選択についての説明文として「レシピ作成者の情報です。」が表示されている。レシピには、レシピ作成者に関する各種パラメータが含まれており、レシピ作成者に関する各種パラメータの集まり(一つは図10(A)に示す「考案者」)はレシピを構成するパラメータに相当する。したがって、バリスタ情報の入力又は選択についての説明文である「レシピ作成者の情報です。」もパラメータの説明に相当する。
【0102】
また、図19に示す画面でも、左側に新規作成アイコンNi2と選択アイコンSe2が配置されている。図19に示す新規作成アイコンNi2は色が変わっており、新規作成アイコンNi2がタップされたことが報知されている。新規アイコンNi2をタップすると、バリスタ情報について新規作成を行うことになる。図19に示す画面には、レシピ作成者の名前を入力する文字入力欄H1と、レシピ作成者のコメントを入力する文字入力欄H2が表示されている。図19では、これらの文字入力欄H1、H2には未入力である。入力にあたっては、先に説明した豆情報の入力と同じく、入力しようとするいずれかの入力欄をタップすると、表示画面上にソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)が出現し(図25参照)、文字入力が可能になる。さらに、情報表示装置12に設けられたカメラ1230で撮影された画像が、画像入力欄H3に表示されている。画像入力欄H3の横には、シャッターボタンShuをタップして写真撮影を行い、撮影画像を確定することを促す文章が表示されている。
【0103】
以上説明したように、図19に示す画面では、「レシピ作成者の情報です。」といったパラメータの説明表示と、バリスタ情報を入力する、文字入力欄H1、H2及び画像入力欄H3といったパラメータの入力を受け付ける表示が、一緒に表示されている。
【0104】
図19に示す画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。図19に示す保存アイコンNX2をタップすると、レシピ作成者の名前の他、レシピ作成者のコメント、および画像入力欄H3に入力されシャッターボタンShuをタップして確定した撮影画像も、パラメータの設定値としてデータベースに保存され、レシピに含まれる。なお、撮影画像は、レシピとは別に保存されてもよいが、この場合であってもレシピと対応付けて保存される。
【0105】
図20(A)は、図19に示すバリスタ情報の入力についての画面におけるレシピの作成方法を示すフローチャートである。
【0106】
ここでのレシピの作成方法は、まず、情報表示装置12の表示部に、図19に示すバリスタ情報の入力についての画面を表示する開始ステップ(ステップSH1)を実行する。上述のごとく、図19に示すバリスタ情報の入力についての画面は、レシピ作成者の名前やレシピ作成者のコメントといったパラメータについての入力を含む、前記レシピを作成する際に利用されるレシピ作成表示の画面に相当する。
【0107】
次いで、図19に示すバリスタ情報の入力についての画面が表示されている状態で、カメラ1230によって撮影する撮影ステップ(ステップSH2)が実行される。すなわち、図19に示す画面に設けられた画像入力欄H3にカメラ1230で撮影した画像を表示させながら、シャッターボタンShuをタップして撮影画像を確定する。図19では、レシピ作成者が撮影されるが、レシピ作成者の代わりに、レシピの紹介者を撮影してもよし、そのレシピの飲料を飲んだ人を撮影してもよい。また、人物に限らず物(例えば、このレシピの豆情報のコーヒー豆)が撮影されてもよい。さらに、シャッターボタンShuを長押しすることで、静止画に限らず動画を撮影できるようにしてもよい。例えば、撮影画像は、このレシピの豆情報のコーヒー豆の農園について説明する動画であってもよい。
【0108】
続いて、保存アイコンNX2をタップすることで保存ステップ(ステップSH3)が実行される。この保存ステップ(ステップSH3)では、撮影ステップ(ステップSH2)で撮影された画像を、レシピ作成者の名前やレシピ作成者のコメントといったパラメータと対応付けて、図8に示すサーバ16あるいはコーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bに記憶させる。また、以上説明したレシピの作成技術は、ソフトウェアとして利用することができる。
【0109】
図20(B)は、レシピ作成プログラムの概要を示す模式図である。
【0110】
図20(B)に示すレシピ作成プログラムRP1は、プログラムを実行する処理部11aを有する制御装置11と、画像を撮影するカメラ1230と表示画面を備えた情報表示装置12とを合わせたシステム内で実行され、そのシステムをレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、そのシステム上に、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段RP11と、取得手段RP11が取得したレシピの一部又は全部を表示画面に表示させる表示制御手段RP12と、カメラ1230によって撮影された画像をレシピと対応付けて保存する保存制御手段RP13とを構築するプログラムである。
【0111】
保存制御手段RP13は、カメラ1230によって撮影された画像をレシピと対応付けて、図8に示すサーバ16あるいはこのシステムにおける記憶部11bに保存するものである。
【0112】
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12および制御装置11]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して処理[例えば、粉砕装置5における回転刃の制御の処理等]を実行する処理手段[例えば、処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して、コーヒー豆を用いた調整を行う調整手段[例えば、図8に示すアクチュエータ群14(粉砕装置5あるいは抽出装置)]と、
画像を撮影する撮影手段[例えば、カメラ1230]と、
を備えたコーヒーマシン[例えば、コーヒー豆挽き機1、コーヒー抽出装置、コーヒー豆挽き機1とコーヒー抽出装置を搭載したコーヒーマシン]であって、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピと対応付けて保存可能[例えば、図8に示すサーバ16あるいはコーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bに保存可能]である、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
について説明した。
【0113】
なお、ここにいう調整とは、コーヒー豆を挽くことであったり、挽いたコーヒー豆からコーヒー飲料を抽出することである。
【0114】
また、前記調整手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記調整手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの調整手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの調整手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
【0115】
また、前記レシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制限とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
【0116】
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、I/F部11c]とコーヒー豆を用いた調整を行う調整手段[例えば、図8に示すアクチュエータ群14(粉砕装置5あるいは抽出装置)]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記調整手段を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えたコーヒーマシンであってもよい。
【0117】
また、前記レシピと対応付けて保存される画像は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。例えば、前記画像は、該飲料について説明する動画(より具体的には、該飲料の原材料となるコーヒー豆の農園について説明する動画)であってもよい。
【0118】
また、前記レシピと対応付けて保存される画像は、人物の画像であってもよいし、物(例えば、コーヒー豆)の画像であってもよい。
【0119】
また、
『 前記レシピの一部又は全部を表示する表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記表示手段は、前記レシピの一部又は全部を表示している状態で、該レシピと対応付けて保存された画像も表示する[例えば、図12に示すレシピ情報において画像Imを表示する、あるいは図11に示す簡易表示されたレシピRe1,Re2,Re3において画像Imを表示する]ものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0120】
また、
『 複数の飲料の中から一の飲料を選択する選択表示[例えば、図11に示すレシピ一覧の表示]を表示する表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記処理手段は、前記選択表示において選択された飲料[例えば、図12に示すレシピ情報の表示を表示させた飲料]のレシピに含まれるパラメータを参照して処理を実行[例えば、図12に示すグラインドアイコン120eがタップされることで実行]するものであり、
前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピと対応付けて保存された画像を表示する[例えば、図11に示す簡易表示されたレシピRe1,Re2,Re3において画像Imを表示する]ものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0121】
なお、前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピと対応付けて保存された画像を、該レシピの紹介者として表示するものであってもよいし、該飲料を飲んだ人として表示するものであってもよい。
【0122】
また、
『 前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピと対応付けて保存された画像を、該レシピの作成者として表示する[例えば、図11に示す簡易表示されたレシピRe1,Re2,Re3においてバリスタの名前とともに画像Imを表示する]ものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0123】
また、
『 前記調整手段は、抽出対象を処理するもの[例えば、コーヒー豆挽き機1、コーヒー抽出装置]であり、
前記レシピは、抽出対象の情報[例えば、豆情報]を含むものであり、
前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピに含まれている抽出対象の情報[例えば、産地表示Rm、名称表示Rb、焙煎度表示Rr]も表示するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0124】
また、
『 前記調整手段は、コーヒー豆挽き機であり、
前記レシピは、コーヒー豆の情報を含むものであり、
前記表示手段は、前記選択表示における飲料ごとに、該飲料のレシピに含まれているコーヒー豆の情報[例えば、産地表示Rm、名称表示Rb、焙煎度表示Rr]も表示するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0125】
また、
『 前記表示手段は、前記選択表示における抽出対象ごとに、該抽出対象の値段[例えば、コーヒー豆の値段Pr]も表示するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0126】
なお、コーヒー豆の値段は、レシピに含まれていてもよいし、該レシピとは別に前記記憶部に記憶されていてもよい。
【0127】
また、
『 前記表示手段は、前記レシピを作成する際に利用されるレシピ作成表示[例えば、ツアーのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成表示(図13図26)]を表示するものであり、
前記撮影手段は、前記表示手段が前記レシピ作成表示を表示している状態[例えば、図19に示すバリスタ情報の入力画面を表示している状態]で撮影を行うものであり、
前記表示手段が前記レシピ作成表示を表示している状態で前記撮影手段によって撮影された画像を、該レシピ作成表示を用いて完成したレシピと対応付けて保存可能[例えば、図8に示すサーバ16あるいは記憶部11bに保存可能]である、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0128】
また、
『 前記レシピを記憶した記憶手段[例えば、記憶部11b]を備え、
前記取得手段[例えば、処理部11a]は、前記記憶手段から前記レシピを取得するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0129】
以上説明したコーヒーマシンは、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータを参照して処理を実行する処理手段と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作してコーヒー豆を用いた調整を行う調整手段と、
画像を撮影する撮影手段と、
を備えたコーヒーマシンであって、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピに含めて保存可能である、
ことを特徴とするコーヒーマシン。」であってもよく、このコーヒーマシンには、これまで説明したコーヒーマシンの特徴を適用することができる。
【0130】
また、以上説明したコーヒーマシンは、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段と、画像を撮影する撮影手段と、を備えた装置であって、前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピと対応付けて保存可能である、ことを特徴とする装置。」であってもよく、この装置には、これまで説明したコーヒーマシンの特徴を適用することができる。
【0131】
また、以上の記載では、
『 表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]と撮影手段[例えば、カメラ1230]を備えたコーヒーマシン[例えば、コーヒー豆挽き機1、コーヒー抽出装置、コーヒー豆挽き機1とコーヒー抽出装置を搭載したコーヒー飲料製造装置]においてコーヒー豆を用いた調整を行うためのパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]が含まれたレシピの作成方法であって、
前記パラメータについての入力を含む、前記レシピを作成する際に利用されるレシピ作成表示の表示を、前記表示手段において開始する開始ステップ[例えば、図20に示すステップSH1]と、
前記表示手段に前記レシピ作成表示が表示されている状態で前記撮影手段によって撮影する撮影ステップ[例えば、図20に示すステップSH2]と、
前記撮影ステップで撮影された画像を前記レシピ作成表示を用いて完成したレシピと対応付けて記憶手段に記憶させる保存ステップ[例えば、図20に示すステップSH3]と、
を有することを特徴とするレシピの作成方法[例えば、図20に示すレシピの作成方法]。』
についても説明した。
【0132】
なお、前記撮影ステップにおける撮影は、前記レシピ作成表示の中で撮影することを指示する表示[例えば、図19に示すバリスタ情報の入力画面に表示された「写真を撮影します。上のカメラを見て下さい。よろしければ、シャッターボタンをタップしてください。」という文字表示が表示されて行われる撮影であってもよい。
【0133】
また、前記撮影ステップにおける撮影は、人物を撮影してもよいし、物を撮影してもよい。人物を撮影する場合は、現在作成しているレシピに関係する人物であってもよく、例えば、レシピの作成者であってもよいし、レシピの紹介者であってもよい。また、物を撮影する場合は、現在作成しているレシピの飲料の原材料(例えば、コーヒー豆)であってもよい。
【0134】
前記保存ステップにおける記憶手段は、前記コーヒーマシンにおける記憶手段であってもよいし、通信ネットワークを介して接続されるサーバであってもよい。
【0135】
また、「プログラムを実行する処理部[例えば、処理部11a]と画像を撮影する撮影手段[例えば、カメラ1230]とを備えた装置[例えば、制御装置11と情報表示装置12を合わせたシステム]内で実行され、該装置をレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、
前記装置上に、
飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、図20(B)に示す取得手段RP11]と、
前記撮影手段によって撮影された画像を前記レシピと対応付けて保存する保存制御手段[例えば、図20(B)に示す保存制御手段RP13]とを構築することを特徴とするレシピ作成プログラム[例えば、図20(B)に示すレシピ作成プログラムRP1]。」であってもよい。
【0136】
また、「前記装置は、表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記装置上に、
前記取得手段が取得した前記レシピの一部又は全部を前記表示手段に表示させる表示制御手段[例えば、図20(B)に示す表示制御手段RP12]を構築することを特徴とするレシピ作成プログラム。」であってもよい。
【0137】
また、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
【0138】
図21は、3段階目のバリスタ情報の選択についての画面を示す図である。
【0139】
図21に示す情報表示装置12の表示部にも、進行度合チャートPCが表示されており、現在3段階目であることが一目でわかる。また、「レシピ作成者の情報です。」といったパラメータの説明表示も表示されている。この図21に示す画面では、新規作成アイコンNi2と選択アイコンSe2のうち、選択アイコンSe2の色が変わっており、選択アイコンSe2がタップされたことが報知されている。選択アイコンSe2をタップすると、バリスタ情報について既存データからの選択を行うことになる。既存データは、レシピ作成者の名前、レシピ作成者のコメント、および撮影画像といった各パラメータを含んだデータになる。図21に示す画面には、既存データについて1行ごとに表した既存データ表示H4が表示されている。図21における既存データ表示H4では、上から2つ目の既存データ(レシピ作成者名が「B.VVVV」の既存データ)の色が変わっており、この既存データが選択されたことが報知されている。図21に示す画面では、既存データ表示H4に撮影画像が表示されていないが、右側に向けてスワイプ操作を行うと、1行ごとに撮影画像が表示される。図21に示す保存アイコンNX2をタップすると、表示されている画面で選択した既存データに含まれる各パラメータが設定値としてデータベースに保存され、4段階目のレシピカードの作成についての画面に移行する。
【0140】
図22は、4段階目のレシピカード作成についての開始画面を示す図である。
【0141】
図22に示す情報表示装置12の表示部には、レシピカードの作成と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、4段階目まで到達したことが一目でわかる。この図22に示す画面は、これからレシピカードを作成することを説明した開始画面になる。この開始画面では、右上隅に配置された中断アイコンSi1をタップするとツアーが中断される。一方、下方に配置された、次へアイコンNx1をタップすると、レシピカードの入力画面に移行する。
【0142】
図23は、レシピカードの入力画面を示す図である。
【0143】
レシピカードは、図12を用いて説明したレシピ情報の元になるものである。レシピカードには、これまで入力したパラメータの一部が表示されるとともに、この入力画面で入力することができるパラメータの入力欄も表示されている。レシピカードの文字表示の下にはレシピ名を入力するレシピ名入力欄R1が設けられている。レシピ名は、このレシピカードの入力画面で入力されるパラメータである。レシピ名入力欄R1の下には、このレシピに従って製造されたコーヒー飲料の、苦みをグラフィックで表す苦み表示部R2と、酸味をグラフィックで表す酸味表示部R3が設けられている。苦み表示部R2も酸味表示部R3も、円周上に配置された5つのセルR2s、R3sによって5段階のレベルで苦み又は酸味を表すものであり、いずれかのセルをタップすると、タップしたセルの位置に応じたレベルの数が中央に表示される。また、タップしたセルまで時計回りに各セルの表示態様が変化する。
【0144】
右上には、図10を用いて説明したタイプ1(飲料がホット飲料であるかアイス飲料であるか)を示す2つのアイコンRih,Ricが表示されている。いずれか一方のアイコンをタップすると点灯し、他方のアイコンはグレーアウトする。図23では、ホット飲料であることを示すアイコンRihがタップされて点灯し、アイス飲料であることを示すアイコンRicがグレーアウトしている。さらに、右端には、このレシピが有料レシピであることを表す有料アイコンRipも表示されている。有料アイコンRipをタップすると点灯し、再びタップするとグレーアウトし、さらにタップすると公開禁止アイコンに変更され、もう一度タップすると点灯することを繰り返す。レシピ作成者は、課金をしなければコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限が付いた有料レシピとして一般公開させたい場合は、有料アイコンRipを点灯させる。図23に示す有料アイコンRipは点灯している。一方、広くどの店舗でも楽しんでもらえるように無料レシピとして一般公開させたい場合は、有料アイコンRipを消灯させる。また、課金をしてもコーヒ飲料の製造に使用させたくない場合には、公開禁止アイコンを表示させる。
【0145】
これらのアイコンの下には、図17図18を用いて説明した豆情報の入力又は選択で設定済の豆情報のパラメータの一部が表示されている。すなわち、豆生産国表示欄R4、豆名称表示欄R5、および焙煎度表示部R6が設けられ、それぞれ表示されている。
【0146】
さらにその下には、コメント表示欄R7が設けられている。このコメント表示欄R7には、図19図21を用いて説明したバリスタ情報の入力又は選択で設定済のレシピ作成者のコメントが表示されている。
【0147】
また、苦み表示部R2の下には、画像表示部R8が設けられ、その横には、レシピ作成者名表示欄R9が設けられている。画像表示部R8には、図19図21を用いて説明したバリスタ情報の入力又は選択で設定済の撮影画像が表示されており、レシピ作成者名表示欄R9には、同じくバリスタ情報の入力又は選択で設定済のレシピ作成者の名前が表示されている。
【0148】
レシピ作成者名表示欄R9の下には、レシピ作成者の紹介入力欄R10が用意されている。レシピ作成者の紹介は、このレシピカードの入力画面で入力されるパラメータである。上述のレシピ名入力欄R1に文字入力する場合であっても、紹介入力欄R10に文字入力する場合であっても、入力欄をタップすれば、表示画面上にソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)が出現し(図25参照)、文字入力が可能になる。
【0149】
以上説明したように、図23に示すレシピカードの入力画面で初めて入力されるパラメータは、レシピ名入力欄R1におけるレシピ名、紹介入力欄R10におけるレシピ作成者の紹介、苦み表示部R2におけるコーヒー飲料の苦み、酸味表示部R3におけるコーヒー飲料の酸味、ホット飲料のアイコンRihおよびアイス飲料のアイコンRicによるタイプ1および有料アイコンRipによるレシピの有料か否か、あるいは公開禁止アイコンによる公開禁止になる。なお、この入力画面で、図10を用いて説明したタイプ2(飲料のフレーバーを示すタイプ情報)についても入力可能としてもよい。また、コーヒー飲料のサイズについても入力可能としてもよい。
【0150】
図23に示す入力画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置され、下方に終了アイコンEN1と保存アイコンNX2が配置されている。図23に示す保存アイコンNX2をタップすると、レシピ名およびレシピ作成者の紹介が、パラメータの設定値としてデータベースに保存され、レシピに含まれる。また、コーヒー飲料の苦みおよび酸味が、図10(A)に示すタイプ2に続くタイプ3としてデータベースに保存され、ホット飲料とアイス飲料の区別がタイプ1としてデータベースに保存され、有料レシピか否かの区別や公開禁止がタイプ4としてデータベースに保存され、それぞれレシピに含まれる。そして、登録内容の確認画面に移行する。
【0151】
図24は、登録内容の確認画面を示す図である。
【0152】
図24に示す情報表示装置12の表示部には、ツアーの1段目から4段目までにそれぞれ応じた、製造方法アイコンCi1、豆情報アイコンCi2、バリスタ情報アイコンCi3、およびレシピ名アイコンCi4が表示されている。製造方法アイコンCi1の横には、図16を用いて説明した製造方法の設定で入力し、データベースに設定された、豆量と挽き粒度の値が表示されている。豆情報アイコンCi2の横には、図17及び図18を用いて説明した豆情報の入力又は選択でデータベースに設定された豆の名称が表示されている。なお、豆情報が、新規作成されたものか既存データから選択されたものかも表示され、図24では新規作成されたことを表す「新規」が表示されている。バリスタアイコンCi3の横には、図19及び図21を用いて説明したバリスタ情報の入力又は選択でデータベースに設定されたレシピ作成者の名前が表示されている。なお、ここでも、バリスタ情報が、新規作成されたものか既存データから選択されたものかも表示され、図24では新規作成されたことを表す「新規」が表示されている。レシピ名アイコンCi4の横には、図23を用いて説明したレシピカードの入力画面で入力されたレシピ名が表示されている。図24に示す確認画面にも表示されているように、製造方法アイコンCi1、豆情報アイコンCi2、バリスタ情報アイコンCi3、およびレシピ名アイコンCi4をタップすると、詳細表示に切り替わる。
【0153】
図25は、図24に示す豆情報アイコンCi2をタップすることによって表示された詳細表示の画面を示す図である。
【0154】
図25に示す詳細表示の画面には、図17に示す豆情報の入力画面に表示されている、豆情報を入力する入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7といったパラメータの入力を受け付ける表示と同じ表示が表示されている。図25では、豆の精製方法を入力する入力欄B6をタップすることで、ソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)SKBが出現し、文字入力が可能な状態になっている。下端に用意された修正アイコンMOiをタップすると、この詳細表示の画面で修正した内容が、データベースに上書きされ、保存される。一方、確認を終え、修正しない場合は、右上に用意された閉じるアイコンCLiをタップすると、図25に示す詳細表示の画面から、図24に示す登録内容の確認画面に戻る。
【0155】
図24に示す確認画面でも、右上隅に中断アイコンSi2が配置されている。また、下端にはOKアイコンOKiが配置されている。このOKアイコンOKiをタップすると、レシピ登録完了画面に移行する。
【0156】
図26は、レシピ登録完了画面を示す図である。
【0157】
図26に示す情報表示装置12の表示部には、レシピ登録完了と文字表示された表示画面が表示されている。この表示画面にも進行度合チャートPCが表示されており、5段階目のツアー完了に到達したことが一目でわかる。レシピ登録完了画面の下端には、ジャンプアイコンJPiが配置されている。このジャンプアイコンJPiをタップすると、図13に示すレシピ管理アプリ一覧が表示された画面に移行する。
【0158】
以上説明したツアーにおけるレシピ作成方法の特徴的な点をまとめると、図27(A)に示すようになる。
【0159】
図27(A)は、ツアーにおける特徴的なレシピ作成方法を示すフローチャートである。
【0160】
図27(A)に示すレシピ作成方法では、まず、第一のステップSt11を実行する。この第一のステップSt11では、図10(A)に示す製造方法といったパラメータの説明を、情報表示装置12の表示部において行う。具体的には、図15に示す説明画面において「グラインドから抽出までの設定です。」といった文字表示を行う。次いで、製造方法の各種パラメータについて入力受付を行う。具体的には、図16に示す、豆の挽き粒度といったパラメータの入力を受け付ける画面を表示する。この第一のステップSt11では、パラメータの説明とパラメータの入力受付が異なる画面で行われている。
【0161】
次に、第二のステップSt12を実行する。この第二のステップSt12は、豆情報に関するステップになる。豆情報は、図10(A)に示す原材料情報に相当する。第二のステップSt12では、図17に示す豆情報の入力画面を表示する。この入力画面では、「使いたい豆の情報です。」といったパラメータの説明表示と、豆情報を入力する入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7といったパラメータの入力を受け付ける表示が、同じ画面に表示されている。
【0162】
最後に、第三のステップSt13を実行する。この第三のステップSt13は、バリスタ情報に関するステップになる。バリスタ情報は、図10(A)に示す考案者等の情報に相当する。第三のステップSt13では、図19に示すバリスタ情報の入力画面を表示する。この入力画面では、「レシピ作成者の情報です。」といったパラメータの説明表示と、バリスタ情報を入力する、文字入力欄H1、H2及び画像入力欄H3といったパラメータの入力を受け付ける表示が、同じ画面に表示されている。
【0163】
以上説明したレシピ作成方法では、パラメータの入力を受け付け、次のステップへ移行する際に、受け付けたパラメータは保存される。ここでのレシピ作成方法では、後述するエキスパートのレシピ作成おいて入力可能なパラメータの一部のみを入力し保存する。ここで入力した以外のパラメータについては、入力したパラメータの値に応じて、あるいは標準的な値が処理部11aによって自動的に入力され、レシピが完成する。例えば、図27(A)に示す第二のステップSt12における製造方法のパラメータの入力では、総湯量である抽出湯量(注入湯量)と、1回目本給湯量のみを入力し、2回目本給湯量等は未入力であったが、入力された、抽出湯量と1回目本給湯量から、2回目本給湯量を処理部11aが算出し、サーバ16あるいはコーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bに記憶させる。
【0164】
また、以上説明したレシピの作成技術も、ソフトウェアとして利用することができる。
【0165】
図27(B)は、レシピ作成プログラムの概要を示す模式図である。
【0166】
図27(B)に示すレシピ作成プログラムRP2は、プログラムを実行する処理部11aを有する制御装置11と、表示画面を備えた情報表示装置12とを合わせたシステム内で実行され、そのシステムをレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、そのシステム上に、飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段RP21と、レシピに含まれるパラメータの入力を表示画面において受け付ける受付手段RP22と、取得手段RP21が取得したレシピの一部又は全部を表示画面に表示させる表示制御手段RP23とを構築し、情報表示装置12に、表示画面によるレシピに含まれる第一のパラメータの説明及び受付手段による第一のパラメータの入力を受け付けた後、表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータの説明及び受付手段による第二のパラメータの入力を受け付けるレシピ作成動作を実行させるレシピ作成プログラムである。
【0167】
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12あるいは処理部11a]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して処理[例えば、粉砕装置5における回転刃の制御の処理等]を実行する処理手段[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して、コーヒー豆を用いた調整を行う調整手段[例えば、図8に示すアクチュエータ群14(粉砕装置5あるいは抽出装置)]と、
前記レシピに含まれるパラメータの入力を受け付ける受付手段[例えば、情報表示装置12の表示部(タッチパネル式のディスプレイ)]と、
情報を表示可能な表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]と、
を備えたコーヒーマシンであって、
前記表示手段によるレシピに含まれる第一のパラメータ[例えば、図10(A)に示す製造方法に関するパラメータ]の説明[例えば、図15に示す画面に表示された「グラインドから抽出までの設定です。」といった説明]及び前記受付手段による該第一のパラメータの入力[例えば、図16に示す画面における入力]を受け付けた後、該表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータ[例えば、図10(A)に示す原材料情報に関するパラメータ]の説明[例えば、図17に示す画面に表示された「使いたい豆の情報です。」といった説明]及び該受付手段による該第二のパラメータの入力[例えば、図17に示す画面における入力]を受け付けるレシピ作成動作[例えば、ツアーのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成]を実行可能である、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
について説明した。
【0168】
なお、ここにいう調整とは、コーヒー豆を挽くことであったり、挽いたコーヒー豆からコーヒー飲料を抽出することである。
【0169】
また、前記調整手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記調整手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの調整手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの調整手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
【0170】
また、前記レシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制限とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
【0171】
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、I/F部11c]とコーヒー豆を用いた調整を行う調整手段[例えば、図8に示すアクチュエータ群14(粉砕装置5あるいは抽出装置)]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記調整手段を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えたコーヒーマシンであってもよい。
【0172】
また、
『 前記表示手段は、前記受付手段が前記パラメータの入力を受け付けると、該パラメータの入力を受け付けたことを表す表示[例えば、図16に示す現在の入力値であるパラメータの表示PP]を表示するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0173】
なお、該パラメータの入力を受け付けたことを表す表示は、該パラメータの入力値であってもよいし、「入力を受け付けました。」といった表示であってもよい。
【0174】
また、
『 前記表示手段による前記第一のパラメータの説明の表示と、該表示手段による該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が同時に表示[例えば、図17に示す画面のように一緒の画面に表示]される場合がある、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0175】
また、
『 前記表示手段による前記第一のパラメータの説明の表示と、該表示手段による該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示は異なるタイミングで表示[例えば、図15に示す製造方法に関するパラメータの説明の表示と、図16における製造方法に関するパラメータの入力を受け付ける表示とが別々の画面に表示]される場合がある、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0176】
なお、前記第一のパラメータの説明の表示が先で該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が後であってもよい。あるいは反対に、前記第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が先で該第一のパラメータの説明の表示が後であってもよい。
【0177】
前記表示手段による前記第二のパラメータの説明の表示と、該表示手段による該第二のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が、同時に表示される場合があってもよいし、異なるタイミングで表示される場合があってもよい。また、前記第一のパラメータの説明の表示と、該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示が同時に表示される一方、前記第二のパラメータの説明の表示と、該第二のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示は異なるタイミングで表示される場合があってもよい。
【0178】
また、
『 前記レシピ作成動作は、前記レシピの作成開始から複数段階[例えば、5段階]を経て該レシピの完成に至るまでの間に実行される動作であり、
前記表示手段は、前記複数段階の内、現在はどの段階まで進んでいるかを表す進行度合いを表示する[例えば、図17等に示す進行度合チャートPCを表示する]ものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0179】
なお、前記レシピ作成動作は、前記複数段階のうちの或る段階内で行われる動作であってもよいし、前記複数段階のうちの二つの段階にまたがって行われる動作であってもよい。
【0180】
以上説明したコーヒーマシンは、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段と、前記レシピに含まれるパラメータの入力を受け付ける受付手段と、情報を表示可能な表示手段と、を備えた装置であって、前記表示手段によるレシピに含まれる第一のパラメータの説明及び前記受付手段による該第一のパラメータの入力を受け付けた後、該表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータの説明及び該受付手段による該第二のパラメータの入力を受け付けるレシピ作成動作を実行可能である、ことを特徴とする装置。」であってもよく、この装置には、これまで説明したコーヒーマシンの特徴を適用することができる。
【0181】
また、以上の記載では、
『 受付手段[例えば、情報表示装置12の表示部(タッチパネル式のディスプレイ)]と表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]とを備えたコーヒーマシンにおいて飲料を製造するためのパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して処理[例えば、粉砕装置5における回転刃の制御の処理等]が含まれたレシピの作成方法であって、
前記表示手段による前記レシピに含まれる第一のパラメータ[例えば、図10(A)に示す製造方法に関するパラメータ]の説明の表示[例えば、図15に示す画面に表示された「グラインドから抽出までの設定です。」といった説明の表示]、および前記受付手段による該第一のパラメータの入力受付[例えば、図16に示す画面における入力受付]を行う第一のステップ[例えば、図27に示す第一のステップSt11]と、
前記表示手段による前記レシピに含まれる第二のパラメータ[例えば、図10(A)に示す原材料情報に関するパラメータ]の説明の表示[例えば、図17に示す画面に表示された「使いたい豆の情報です。」といった説明の表示]、および前記受付手段による該第二のパラメータの入力受付[例えば、図17に示す画面における入力受付]を行う第二のステップ[例えば、図27に示す第二のステップSt12]と、
を有することを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
【0182】
また、
『 前記第一のステップは、前記受付手段が前記第一のパラメータの入力を受け付けると、前記表示手段による、該第一のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示[例えば、図16に示す現在の入力値であるパラメータの表示PP]も行うステップであり、
前記第二のステップは、前記受付手段が前記第二のパラメータの入力を受け付けると、前記表示手段による、該第二のパラメータの入力を受け付けたことを表す表示[例えば、図17に示す入力欄B1~B6及び焙煎度表示部B7の表示]も行うステップである、
ことを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
【0183】
また、
『 前記第一のステップと前記第二のステップとのうちの少なくともいずれか一方のステップは、パラメータの説明表示が実行されている状態で、該パラメータの入力受付が実行される[例えば、図17に示す画面のように一緒の画面に表示される]ステップである、
ことを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
【0184】
また、
『 前記第一のステップと前記第二のステップとのうちの少なくともいずれか一方のステップは、パラメータの説明表示が先に実行され該パラメータの説明表示が終了した後で、該パラメータの入力受付が実行される[例えば、図15に示す製造方法に関するパラメータの説明の表示が表示され、該説明の表示が終了した後、図16における製造方法に関するパラメータの入力を受け付ける表示が表示される]ステップである、
ことを特徴とするレシピの作成方法。』
についても説明した。
【0185】
例えば、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。また、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が先に実行され該第一のパラメータの説明表示が終了した後で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が先に実行され該第二のパラメータの説明表示が終了した後で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。また、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が先に実行され該第二のパラメータの説明表示が終了した後で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。また、前記第一のステップは、前記第一のパラメータの説明表示が先に実行され該第一のパラメータの説明表示が終了した後で、該第一のパラメータの入力受付が実行されるステップであり、前記第二のステップは、前記第二のパラメータの説明表示が実行されている状態で、該第二のパラメータの入力受付が実行されるステップであってもよい。
【0186】
また、「プログラムを実行する処理部[例えば、処理部11a]と表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]とを備えた装置[例えば、制御装置11と情報表示装置12を合わせたシステム]内で実行され、該装置をレシピ作成装置として動作させるレシピ作成プログラムであって、
前記装置上に、
飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、図27(B)に示す取得手段RP21]と、
レシピに含まれるパラメータの入力を受け付ける受付手段[例えば、図27(B)に示す受付手段RP22]と、
前記取得手段が取得したレシピの一部又は全部を前記表示手段に表示させる表示制御手段[例えば、図27(B)に示す表示制御手段RP23]とを構築し、該装置に、前記表示手段によるレシピに含まれる第一のパラメータの説明及び前記受付手段による該第一のパラメータの入力を受け付けた後、該表示手段によるレシピに含まれる第二のパラメータの説明及び該受付手段による該第二のパラメータの入力を受け付けるレシピ作成動作を実行させることを特徴とするレシピ作成プログラム[例えば、図27(B)に示すレシピ作成プログラムRP2]」。であってもよい。
【0187】
なお、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
【0188】
続いて、エキスパートのレシピ管理アプリケーションについて説明する。図13に示すエキスパートアイコン120eiをタップすると、情報表示装置12の表示部には、パラメータ名とその設定値が1行ずつ表示された表と、図25に示すソフトウェアキーボード(スクリーンキーボード)SKBが表示される。
【0189】
図28は、エキスパートのレシピ作成において入力可能なパラメータ名を示す図である。
【0190】
エキスパートのレシピ管理アプリケーションを用いたレシピの作成では、ツアーのレシピ管理アプリケーションを用いたレシピの作成では入力することができなかったパラメータについても入力が可能になる。図28に示すパラメータ名は、エキスパートにおけるレシピ作成で入力することができるパラメータ名の一例であり、さらに多くのパラメータについて入力することができるようにしてもよい。
【0191】
エキスパートにおけるレシピ作成では、作成者についての画像のパラメータを除いた各パラメータは、スクリーンキーボードSKBを操作して直接入力される。作成者についての画像は、情報表示装置12に設けられたカメラ1230によって撮影された画像になる。なお、スクリーンキーボードSKBを操作した直接入力に限らず、プルダウンリストからの選択入力を用いてもよい。
【0192】
エキスパートにおけるレシピ作成では、オンとオフを切り替えることが可能なアシスト機能が設けられている。このアシスト機能をオフしていると、図28に示すパラメータの全てを入力しなければ、レシピが完成しない。一方、アシスト機能をオンにしていれば、入力が必須のパラメータを入力すれば、残りのパラメータについては、入力したパラメータの値に応じて、あるいは標準的な値が処理部11aによって自動的に入力され、レシピが完成する。
【0193】
図28に示すタイプ4には、レシピの制限についての情報が設定される。このタイプ4には、上述した有料アイコンRipによって表される有料レシピの情報や公開禁止の情報も設定されるが、それ以外にも、詳しくは後述する、表示制限付きレシピの情報、複製禁止レシピの情報、改変禁止レシピの情報も設定される。タイプ4に設定されたレシピの制限についての情報は、一度設定されると、変更条件が満足されない限り、設定内容を変更することは許されない。一方、変更条件が満足されれば、自動的に設定内容が変更される場合もあるし、ユーザの操作によって設定内容が変更される場合もある。
【0194】
次に、レシピの制限について説明する。
【0195】
図29は、5つのレシピがランキング表示された表示画面を示す図である。
【0196】
図29に示す表示画面は、ランキング表示形式でレシピが表示されている。ここで、ランキング表示とは、過去にユーザによって選択された回数が多い順に、所定の数のレシピを表示することをいう。例えば、レシピ1804は、図10(A)のレシピID1の飲料情報に対応し、考案者情報1502、豆情報1504、タイプ1512、タイプ1513などの他の情報も表示される。ランキング第1位には「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dが表示されており、第2位には「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dが表示されている。また、第3位には「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dが表示されている。各簡易表示には、レシピを作成する際に情報表示装置12に設けられたカメラ1230によって撮影された画像Imが表示されている。なお、この画像Imは、情報表示装置12に設けられたカメラ1230以外で撮影された画像であってもよく、レシピを作成する際に撮影された画像に限られない。「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dでは、AAA AAAAAAAという名前のレシピ作成者(個人)の画像が表示されている。一方、「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dでは、レシピ作成者は○○会社(法人)であり、コーヒー豆を撮影した画像が表示されている。
【0197】
図29に示す表示画面では、第1位の「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dは、グレーアウトの表示態様で表示されており、「課金してください」といった文字表示LMが加えられている。また、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dはグレーアウトの表示態様ではないものの、「表示制限があります」といった文字表示LDが加えられている。
【0198】
図30は、図29に示す、第3位の「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dをタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
【0199】
図30に示す情報表示装置12の表示部には、上部に「8月のおすすめ#1」の簡易表示1806dが表示され、その下に複数のパラメータを表すアイコンが並べられて表示されている。図30に示す表示画面では12個のアイコンI1~I12が上下2段に並べられて表示されている。表示画面の中央下端に表示された次ページアイコンInxをタップすると、複数のパラメータを表すアイコンが並べられた次ページが表示される。すなわち、13個目以降のパラメータを表すアイコンを表示可能である。各アイコンは、パラメータの内容について分かりやすく記号化した図形の上方にパラメータ名が表示され、その図形の下方にはパラメータ(設定値)が表示されている。これらのアイコンのうち、追加給湯量のアイコンI8は、グレーアウトの表示態様で表示されており、具体的な値が表示されていない。グレーアウトの表示態様で表示されたアイコンは、パラメータが設定されていないことを表す。なお、グレーアウトの表示態様で表示されたアイコンの代わりに、他にパラメータが設定されているアイコンを表示するようにしてもよい。図30に示す表示画面では、11個のアイコンの表示によって、レシピの内容の詳細を表示している。ただし、レシピの内容の全部ではなく一部になる。図30に示す表示画面は、図12に示す表示画面と表示態様が異なる表示画面である。
【0200】
図30に示す表示画面の下端には、戻るアイコンIrとグラインドアイコンIdが用意されている。戻るアイコンIrをタップすると、図29に示すランキング表示された表示画面に戻る。グラインドアイコンIdをタップすると、コーヒー豆(挽き豆)の値段が表示された会計画面に切り替わり、会計情報が不図示のPoint of sale(POS)システムに送信され、POSシステムでは会計処理が実行される。また、コーヒー豆挽き機1では、図9に示すグラインド処理S6が開始される。
【0201】
一方、11個のパラメータを表すアイコンの表示をタップすると、入力ウィンドゥが出現し、パラメータ(設定値)を変更することができる。
【0202】
図31は、1回目本給湯量のアイコンI5をタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
【0203】
図31に示す情報表示装置12の表示部には、12個のパラメータを表すアイコンI1~I12にオーバーラップするように入力ウィンドゥIW1が表示されている。この入力ウィンドゥIW1には、修正可能範囲の最大値(MAX 60)と最小値(MIN 10)が表示され、最大値と最小値の間の数値が1間隔で並べられた数列W1が表示されている。その数列W1の中央には、入力枠W2が配置されており、図31に示す入力ウィンドゥIW1では、入力枠W2に42が位置している。スワイプ操作によって数列W1を移動させることができ、入力枠W2の数値を変更することができる。下部に用意された決定アイコンW3をタップすると、入力枠W2に位置している数値がパラメータ(設定値)としてデータベースに記憶され、入力ウィンドゥIW1は消える。こうして、データベースにそれまで記憶されていたパラメータは新たなパラメータに上書きされ、パラメータの修正が完了する。コーヒー豆の挽き粒度を変更した場合には、コーヒー飲料の抽出条件も修正する必要が生じる場合がある。
【0204】
以上説明した、複数のパラメータを表すアイコンが並べられて表示されている画面から、入力ウィンドゥIW1を出現させ、パラメータ(設定値)を入力する操作は、パラメータの修正における操作であったが、新規レシピの作成でも同様である。すなわち、図13に示すスタンダードアイコン120siをタップすることで開始される、スタンダードのレシピ管理アプリケーションによる新規レシピの作成においても、同様な操作で、パラメータ(設定値)が入力され、データベースに記憶されていく。スタンダードにおける新規レシピの作成画面でも、例えば、図30に示す12個のパラメータを表すアイコンI1~I12が表示される。ここで、パラメータが設定されていないアイコンは、図30に示す追加給湯量のアイコンI8のように、グレーアウトの表示態様で表示されており、具体的な値が表示されていない。パラメータの入力では、アイコンをタップすると、図31に示すような入力ウィンドゥIW1が出現し、スワイプ操作によってパラメータを変更可能である。レシピ作成者の所望のパラメータが入力枠W2に位置している状態で決定アイコンW3をタップすると、入力枠W2に位置している数値がパラメータ(設定値)としてデータベースに記憶され、入力ウィンドゥIW1は消える。こうして、パラメータの新規設定が行われる。
【0205】
図30に示す表示画面の中央下端に表示された次ページアイコンInxをタップして、13個目以降のパラメータについても入力を行うことができる。例えば、次ページアイコンInxを一又は複数回タップして、レシピ作成者の画像をパラメータとするアイコンを表示させることが可能である。このアイコンの入力ウィンドゥIW1では、図19に示す画像入力欄H3が表示されるようにしてもよい。スタンダードにおける新規レシピの作成では、図30に示す、1ページ目に相当する表示画面に表示された12個のパラメータの入力は必須であるが、2ページ目以降の表示画面に表示されるパラメータの入力は任意である。2ページ目以降の表示画面で未入力のパラメータについては、入力されたパラメータの値に応じて、あるいは標準的な値が処理部11aによって自動的に入力され、レシピが完成する。完成したレシピは、図8に示すサーバ16、あるいはコーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bに記憶される。
【0206】
次に、図29に示す、グレーアウトの表示態様で表示されている第1位の「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dをタップした場合について説明する。グレーアウトの表示態様で表示されている「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804dは、タップしても表示画面上の変化は何もない。すなわち、図30に示す、レシピの内容の詳細を表示する画面に切り替わらず、タップの操作が受け付けられない。図29に示す第1位の「豆A 一押しレシピ」のレシピは、課金を行わない限り、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限の付いたレシピである。この製造制限によって、このレシピの作成者の利益を保護することができる。なお、タップの操作は受け付け、このレシピは課金を行わないと使用することができない有料レシピです。といった旨の説明が表示された表示画面に切り替えてもよい。図29に示す「課金してください」といった文字表示LMは、制限を解除するための条件を報知した表示に相当する。
【0207】
なお、製造制限については、複数段階の解除ができるようにしてもよい。例えば、コーヒー豆のグラインドの使用もコーヒー飲料の抽出の使用も制限する全制限と、コーヒー豆のグラインドの使用は許可しコーヒー飲料の抽出の使用は制限する一部制限と、コーヒー豆のグラインドの使用もコーヒー飲料の抽出の使用も許可する全解除があってもよい。全制限、一部制限および全解除は、課金の程度によって決定されてもよい。
【0208】
図11に示す表示画面の右上に用意されたメニューボタン120mをタップすると展開されるメニュー項目には不図示の課金画面が用意されている(図35参照)。この課金画面において、「豆A 一押しレシピ」のレシピに対する課金処理を行うことができる。具体的な一例としては、クレジットカードによる決済処理で課金処理を行い、課金処理が行われたことが、図8に示すサーバ16に送信される。サーバ16に構築されたレシピ管理データベースにおいて、レシピの制限については管理されている。
【0209】
図32は、サーバ16に記憶された、レシピの制限について管理しているデータを示す図である。
【0210】
上述のごとく、有料レシピの情報は、各レシピにおけるタイプ4に記録されている。各レシピはデータベース化されている。データベースでは、レシピIDとユーザIDとマシンIDそれぞれが管理されている。
【0211】
サーバ16では、ユーザIDごとに保有しているマシンIDを管理しており、サーバ16は、各マシンIDのコーヒー豆挽き機1あるいはコーヒー飲料製造装置と通信が可能か否かの定期的なチェックを行っている。図32に示すデータでは、ユーザIDが2の者(以下、ID2者という。)が保有する、マシンIDが4のコーヒー豆挽き機1(以下、ID4マシンという。)と通信ができなかったため、サーバ16を運営する運営会社のサービスマンが、ID2者と連絡をとって、通信ができなかった理由を調査中であることが記録されている。
【0212】
さらに、サーバ16では、マシンIDごとに、使用可能なレシピと使用不可能なレシピとをレシピIDで管理している。例えば、レシピID1~20のレシピは、いずれのコーヒー豆挽き機1にも販売当初から記憶されているレシピである。コーヒー豆挽き機1では、制御装置11の記憶部11bに、レシピが暗号化して記憶されている。レシピID1~20のレシピうち、レシピID1~15のレシピは制限が一切ない使用可能なレシピである。一方、レシピID16~20のレシピは、課金をしなければ、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限が付いたレシピである。製造制限が付いたレシピはコーヒー豆挽き機1に記憶されていても、製造制限解除コードが入力されないと、コーヒー豆のグラインドに使用することができない仕組みになっている。また、製造制限が付いたレシピはコーヒー飲料製造装置に記憶されていても、製造制限解除コードが入力されないと、コーヒー飲料の製造に使用することができない仕組みになっている。製造制限解除コードはマシンIDごとに生成されるコードであり、他のマシンIDのコーヒー豆挽き機1あるいはコーヒー飲料製造装置に入力しても無効となるコードである。
【0213】
例えば、ユーザIDが1の者(以下、ID1者という。)が、マシンIDが2のコーヒー豆挽き機1(以下、ID2マシンという。)で、レシピID16についての課金処理を行った場合、サーバ16に、ID2マシンでレシピID16についての課金処理が行われたことが送信されてくる。これを受信したサーバ16では、ID2マシンにおける製造不可能レシピIDからレシピID16を削除し、ID2マシンにおける製造可能レシピIDにレシピID16を追加する。そして、サーバ16は、ID2マシンに、レシピID16のレシピの製造制限解除コードを送信し、これを受信したID2マシンでは、製造制限解除コードが入力されてレシピID16のレシピによるグラインド処理S6が可能になる。
【0214】
なお、製造制限が付いたレシピは、図29に示すような簡易表示ができるデータしかコーヒー豆挽き機1あるいはコーヒー飲料製造装置に記憶されておらず、課金処理が行われたことで、サーバ16から、製造制限解除コードの代わりに、レシピ全体のデータが送信され、そのレシピに従った、グラインド処理S6やコーヒー飲料の製造が可能になるようにしてもよい。
【0215】
さらに、図32に示すデータについて補足すると、ID1者は、レシピID32をID2マシンで作成する。レシピ作成時にレシピID32は、課金をしなければ、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限が付いたレシピとして登録する。ID2マシンでは、レシピID32はそのマシンで作成したレシピであるため、このレシピを使用してのコーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造が可能であり、サーバ16における管理では、製造可能レシピIDに登録される。ただし、ID1者の他のマシン(マシンID1のコーヒー豆挽き機1とマシンID3のコーヒー飲料製造装置)であっても、レシピID32は製造可能レシピIDに登録されていない。なお、ユーザIDが同じ他のマシンに対しては、サーバ16経由で、レシピID32のレシピデータを送信し、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造を可能にしてもよい。ID1者が作成したレシピID32は、製造制限付きレシピとして一般公開される。例えば、図29に示すような簡易表示ができるデータや、図12に示すレシピ情報として一般公開されるが、コーヒー飲料の製造に必要なパラメータの全部は公開されない。ユーザIDが3の者(以下、ID3者という。)は、レシピID32のレシピの一般公開を見て、マシンID5のコーヒー豆挽き機1(以下、ID5マシンという。)で、レシピID32の課金処理を行い、ID5マシンにおいてレシピID32のレシピを使用してのコーヒー豆のグラインドが可能になっている。
【0216】
ID2者は、レシピID23をID4マシンで作成する。レシピ作成時にレシピID23は製造制限がないレシピとして登録する。このレシピID23も、一般公開され、ID3者は、自分が保有する2台のマシンそれぞれ(ID5マシンとマシンID6のコーヒー豆挽き機1)に、サーバ16からレシピID23を無料でダウンロードし、このレシピを使用してのコーヒー豆のグラインドが可能になっている。
【0217】
なお、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造が可能なレシピであっても、一定期間ごとに通信確認コードが入力されないと、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造ができなくなるようにしてもよい。あるいは、コーヒー豆挽き機1のグラインド処理S6自体が、一定期間ごとに通信確認コードが入力されないと、実行できないようにしてもよい。通信確認コードは、サーバ16が行う、各マシンIDのコーヒー豆挽き機1あるいはコーヒー飲料製造装置と通信が可能か否かの定期的なチェック時に、サーバ16から送信されてくる。こうしておくことで、コーヒー豆挽き機1あるいはコーヒー飲料製造装置がユーザとともに行方不明になってしまった場合でも、コーヒー豆挽き機1やコーヒー飲料製造装置の価値およびレシピの価値を守ることができる。また、上記の例では、レシピの情報を、コーヒー豆挽き機1あるいはコーヒー飲料製造装置にダウンロードした状態で、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造ができなくなるように制限する構成について説明したが、例えば、コーヒー飲料の製造に必要なレシピの情報を完全にダウンロードしないようにしたり、一旦ダウンロードした後に情報を消去したりすることで、コーヒー飲料の製造ができなくなるようにしてもよい。
【0218】
なお、上記の例では、課金によって製造制限が解除される構成について説明したが、製造制限の解除の条件には課金以外の条件を用いてもよく、こうした条件のいずれかが成立したことで製造制限が解除されるようにしてもよいし、複数の条件が成立したことで製造制限が解除されるようにしてもよい。例えば、課金によって製造制限を解除できるようにする一方で、レシピの公開日数が設定された日数を経過したり、設定された日時を過ぎたり、設定された期間内となったりした場合には、課金せずとも製造制限が解除されるようにしてもよい。また、レシピの公開日数が設定された日数を経過したり、設定された日時を過ぎたり、設定された期間内となったりしたときに限り、課金することで製造制限が解除されるようにしてもよい。また、製造制限が付されていない状態から、条件によって製造制限が付された状態にするようにしてもよい。例えば、レシピによる製造回数が設定数に到達したり、設定された日時を過ぎたり、設定された期間内となったりしたことで、製造制限が付されるようにしてもよい。
【0219】
次に、図29に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dをタップした場合について説明する。
【0220】
図33は、図29に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dをタップした場合に表示される表示画面を示す図である。
【0221】
図33に示す情報表示装置12の表示部には、上部に「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dが表示され、その下に複数のパラメータを表すアイコンが並べられて表示されている。図33に示す表示画面では12個のアイコンI1~I12が上下2段に並べられて表示されている。なお、表示画面の中央下端に表示された次ページアイコンInxをタップして、13個目以降のパラメータを表すアイコンが表示された次ページを表示可能である。
【0222】
図29に示す、第2位の「オリジナルレシピ004」の簡易表示1805dには、「表示制限があります」といった文字表示LDが加えられていた。図33に示す表示画面では、湯量に関するパラメータのアイコンI4~I7について、パラメータ(設定値)が非表示になっている。図29のランキング表示の画面における「表示制限があります」といった文字表示LDは、湯量に関するパラメータについて表示されないといった制限があることを示唆していたことになる。ユーザは、その他の表示モードで湯量に関するパラメータを調べようとしても、いずれの表示モードであっても、湯量に関するパラメータは表示されない。ここでの表示制限は、レシピの秘密、特に製造条件の秘密を守るための制限であり、レシピの使用は可能である。すなわち、図29に示すグラインドアイコンIdをタップすると、コーヒー豆(挽き豆)の値段が表示された会計画面に切り替わり、会計情報が不図示のPoint of sale(POS)システムに送信され、POSシステムでは会計処理が実行される。また、コーヒー豆挽き機1では、図9に示すグラインド処理S6が開始される。なお、ここでの表示制限は、レシピを構成するパラメータの一部を対象としていたが、全部のパラメータを対象にしてもよい。また、表示制限は、図10(A)に示す製造方法についてのパラメータ全部を対象にしてもよい。
【0223】
レシピの一部又は全部のパラメータの表示制限は、レシピ作成時にレシピ作成者が設定することができる。表示制限付きレシピの情報は、タイプ4に設定される。なお、課金をしなければコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限が付いたレシピに、課金がされた場合であっても表示制限を付けることは可能である。また、コーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造に使用可能なレシピに対するパラメータの表示制限については、課金によってこの表示制限が解除できるようにしてもよい。さらに課金だけでなく、例えば、製造回数が設定された値に到達したことで表示制限が解除できるようにしてもよい。表示制限の例としては、豆量および給湯量についてはパラメータが表示されるようにするとともに、それ以外のパラメータは表示されないようにしてもよい。また、他の例として、豆挽き粒度のみが表示されないようにしてそれ以外のパラメータが表示されるようにしてもよい。すなわち、表示可能なパラメータを設定する(設定されないパラメータは表示不可能)ものであってもよいし、表示不可能なパラメータを設定する(設定されないパラメータは表示可能)ものであってもよい。また、レシピを複製して新たなレシピを作成する場合には、通常のレシピ作成時と同様に表示制限を設定可能な構成としてもよい。この場合において例えば、複製時には、複製元のレシピと同様の制限が課されるようにする、といったように、複製時において設定可能な表示制限の範囲を、オリジナルのレシピ作成時に設定できるようにしてもよい。
【0224】
レシピの制限には、上記説明した製造制限や表示制限の他に、改変可能な範囲を制限した改変制限や複製可能な範囲を制限した複製制限がある。改変制限や複製制限も、レシピ作成時にレシピ作成者が設定することができる。改変制限付きレシピの情報や複製制限付きレシピの情報は、タイプ4に設定される。なお、課金をしなければコーヒー豆のグラインドやコーヒー飲料の製造に使用することができない製造制限が付いたレシピに課金がされた場合であっても、改変制限や複製制限を付けることは可能である。また、課金によって各種制限が解除できるようにしてもよい。さらに課金だけでなく、例えば、製造回数が設定された値に到達したことで各種制限が解除できるようにしてもよい。
【0225】
改変制限が付いているレシピの内容を表示させた場合にも、図30に示す複数のパラメータを表すアイコンI1~I12は表示される。
【0226】
図34は、改変制限として改変が禁止されているレシピの1回目本給湯量のアイコンI5をタップした場合の画面を示す図である。
【0227】
図34に示す情報表示装置12の表示部には、図31に示す情報表示装置12の表示部とは異なり、入力ウィンドゥIW1は表示されておらず、代わりに、変更禁止ウィンドゥRWが出現している。この変更禁止ウィンドゥRWでは、図31に示す数列W1は表示されず、既に設定されているパラメータの値(ここでは40)のみが表示され、変更できません。といった文字表示が表示されている。変更禁止ウィンドゥRWは所定時間表示された後、自動的に消え、情報表示装置12の表示部は、図29に示す表示画面に戻る。ここでの改変制限は、レシピ作成者のレシピが忠実に再現されることを保証するためのものである。例えば、世界的に有名なバリスタが作成したレシピが、そのバリスタの許可を得ずに勝手に修正されてコーヒー豆やコーヒー飲料が販売された場合、そのコーヒー豆やコーヒー飲料は、もはや、世界的に有名なバリスタが意図したものではなく、味や香りが異なることによって、そのバリスタの名誉に傷が付いてしまう場合がある。改変制限は、このようなことを防ぐ意味もある。
【0228】
なお、ここでの改変制限は、レシピを構成するパラメータの一部を対象にしてもよいし、全部のパラメータを対象にしてもよい。また、改変制限は、図10(A)に示す製造方法についてのパラメータの一部あるいは全部を対象にしてもよい。一例として、豆量および給湯量についてはパラメータを変更できないようにするとともに、それ以外のパラメータを変更できるようにしてもよい。また、他の例として豆量のみを変更できるようにしてそれ以外のパラメータを変更できないようにしてもよい。すなわち、変更可能なパラメータを設定する(設定されないパラメータは変更不可能)ものであってもよいし、変更不可能なパラメータを設定する(設定されないパラメータは変更可能)ものであってもよい。また、例えば、図30の例では追加給湯量がグレーアウトされているが、このパラメータに数値を設定する、といったように、レシピの初期状態におけるパラメータの有効、無効の状態を変更できるようにしてもよい。また、パラメータの全範囲について変更を許可あるいは禁止する構成に限らず、パラメータの変更可能な範囲を制限するものであってもよい。また、レシピを複製する場合には、複製元のレシピと同様の制限が課されるようにする、といったように、複製時において設定可能な改変制限の範囲を、オリジナルのレシピ作成時に設定できるようにしてもよい。
【0229】
図35は、図12に示す表示画面において、右上に用意されたメニューボタン120mをタップすることによってメニュー項目が展開されている様子を示す図である。
【0230】
図35に示す情報表示装置12の表示部に表示されたメニュー項目MEには、ホーム画面(例えば、図11に示すレシピ一覧の表示画面)に戻る項目ME1と、ランキング表示を表示させる項目ME2と、図13に示すレシピ管理アプリ一覧を表示させる項目ME3と、上述の課金画面を表示させる項目ME4と、現在表示されているレシピ情報のレシピ(ここでは「だいとブレンド」のレシピ)を複製するレシピコピーの項目ME5と、その他の項目ME6が用意されている。これらの項目のうち、レシピコピーの項目ME5はグレーアウトの表示態様で表示されており、レシピコピーの項目ME5の項目をタップしても、「だいとブレンド」のレシピに含まれるパラメータの値をコピーすることができない。すなわち、「だいとブレンド」のレシピには、複製制限によって複製が禁止されている。レシピのコピーは、コピーしたレシピを参考に新たなレシピを作成する場合等に利用される。例えば、自分自身が以前に作成したレシピを、そのレシピはそのまま残しながら修正を加えたい場合に、レシピのコピーができると便利である。しかしながら、レシピの改変と同じく、自分以外のレシピ、特に有名なバリスタが作成したレシピを参考に新たなレシピを作成する行為をレシピの盗用と見た場合には、このような行為は禁止されるべきである。複製制限は、このような行為を禁止するための手段として用いられる場合がある。
【0231】
図34を用いて説明したように、レシピには改変制限が付いているものもがあるが、積極的に修正を促す場合があるパラメータもある。例えば、コーヒー豆挽き機1が設置された環境やコーヒー飲料製造装置が設置された環境によっては、パラメータを修正した方が良い場合がある。例えば、コーヒー飲料製造装置では、レシピに従って抽出容器内の気圧が制御されるが、抽出容器内の気圧はコーヒー飲料製造装置が設置された場所の標高によって変化するため、所望の圧力にならない場合がある。このため、コーヒー飲料製造装置では、気圧センサを設けておき、その気圧センサらのセンサ信号に応じて、抽出容器に供給する加圧流体の圧力を修正する。
【0232】
図36は、コンプレッサからの空気圧による送出圧力のパラメータを修正する表示画面を示す図である。
【0233】
図30に示す送出圧力のアイコンI12をタップすると、情報表示装置12の表示部に、図36に示す入力ウィンドゥIW2が出現する。図36に示す入力ウィンドゥIW2にも、図31に示す入力ウィンドゥIW1と同じく、修正可能範囲の最大値(MAX 3.0)と最小値(MIN 1.2)が表示され、最大値と最小値の間の数値が0.1間隔で並べられた数列W4が表示されている。その数列W4の中央には、入力枠W2が配置されており、図36に示す入力ウィンドゥIW2では、入力枠W2に2.0が位置している。ユーザは、スワイプ操作によって数列W4を移動させることができ、入力枠W2の数値を修正可能範囲内で所望の値に変更することができる。さらに、図36に示す入力ウィンドゥIW2では、右下に、気圧補正アイコンW5が用意されている。この気圧補正アイコンW5をタップすると、コーヒー豆挽き機1やコーヒー飲料製造装置が設置された場所の標高に応じた気圧補正が行われる。設置場所の標高が高くなればなるほど気圧は低下するため、例えば、コーヒー飲料製造装置の圧力管理が標高0mの気圧を基準にしたものであると、気圧補正でも、コーヒー飲料製造装置の設置場所の標高が0mよりも高くなればなるほどパラメータの値を低くする補正が行われる。反対に、コーヒー飲料製造装置の設置場所の標高が0mよりも低くなればなるほどパラメータの値を高くする補正が行われる。
【0234】
なお、コーヒー豆挽き機1やコーヒー飲料製造装置の設置環境として、温度や湿度もコーヒー豆やコーヒー飲料の味や香りに影響を及ぼす場合がある。設置環境の温度に応じて、豆の挽き粒度や蒸らし湯量や蒸らし時間、湯タンク温度等を補正してもよい。また、設置環境の湿度に応じて、豆の挽き粒度や蒸らし湯量や蒸らし時間等を補正してもよい。さらには、設置されている地域の水の硬度やpHも設置環境に含まれる。水の硬度やpHに応じて、豆量や豆の挽き粒度や注入湯量等を補正してもよい。
【0235】
以上の記載では、
『 飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段[例えば、情報表示装置12および制御装置11]と、
前記取得手段によって取得されたレシピに含まれるパラメータ[例えば、豆の量、豆の挽き粒度、蒸らし湯量、蒸らし時間、抽出湯量(注入湯量)、1回目本給湯量、2回目本給湯量、加圧給湯量、抽出圧力、抽出時間、回転前静止時間、回転後静止時間、送出時間、送出圧力、豆の名称、豆の生産国、豆の焙煎度、レシピ作成者名等]を参照して処理[例えば、粉砕装置5における回転刃の制御の処理等]を実行する処理手段[例えば、処理部11a]と、
前記処理手段によって実行される処理によって動作して、コーヒー豆を用いた調整を行う調整手段[例えば、図8に示すアクチュエータ群14(粉砕装置5あるいは抽出装置)]と、
を備えたコーヒーマシン[例えば、コーヒー豆挽き機1、コーヒー抽出装置、コーヒー豆挽き機1とコーヒー抽出装置を搭載したコーヒーマシン]であって、
前記取得手段は、制限が付いたレシピ[例えば、コーヒー豆のグラインド禁止やコーヒー飲料の製造禁止の制限、一部又は全部の表示制限、改変制限、複製制限等]を取得可能である、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
について説明した。
【0236】
なお、ここにいう調整とは、コーヒー豆を挽くことであったり、挽いたコーヒー豆からコーヒー飲料を抽出することである。
【0237】
また、前記調整手段は、複数種類あり、前記レシピは、複数種類の前記調整手段ごとのパラメータを含むものであってもよいし、一つの調整手段に複数種類のパラメータがあり、前記レシピは、一つの調整手段に対する複数種類のパラメータを含むものであってもよい。
【0238】
また、前記制限が付いたレシピは、サーバから通信ネットワークを経由してダウンロードされたものであってもよい。また、この場合の前記制限とは、ダウンロードが禁止されていることであってもよい。
【0239】
また、パラメータを含むレシピを取得する取得部[例えば、I/F部11c]とコーヒー豆を用いた調整を行う調整手段[例えば、図8に示すアクチュエータ群14(粉砕装置5あるいは抽出装置)]と、前記取得部によって取得されたレシピに含まれているパラメータに従って前記調整手段を制御する制御部[例えば、制御装置11あるいは処理部11a]とを備えたコーヒーマシンであってもよい。
【0240】
また、
『 前記制限が付いたレシピを記憶した記憶手段[例えば、記憶部11b]を備え、
前記取得手段[例えば、処理部11a]は、前記記憶手段から前記制限が付いたレシピを取得するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0241】
また、
『 前記制限とは、前記レシピを使用して飲料を製造することが不可能なこと[例えば、課金をしなければ使用することができない使用制限のこと]である[例えば、図29に示すグレーアウトの表示態様で表示され、「課金してください」といった文字表示LMが加えられた、第1位の「豆A 一押しレシピ」の簡易表示1804d]、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0242】
また、
『 表示手段[例えば、情報表示装置12の表示部]を備え、
前記制限とは、前記表示手段に前記レシピを表す情報の一部[例えば、湯量に関するパラメータ]又は全部が表示されないことである[例えば、図33に示す、湯量に関するパラメータのアイコンI4~I7について、パラメータ(設定値)が非表示になっている]、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0243】
また、
『 前記制限とは、前記レシピの複製を作成することを禁止することである[例えば、図35に示す、グレーアウトの表示態様で表示されレシピコピーの項目ME5]、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0244】
また、
『 前記制限が付いたレシピは、課金することで該制限が付いていないレシピ[例えば、図32におけるユーザIDが3の者が保有するマシンID5のコーヒーマシンで使用可能になったレシピID32のレシピ]になる、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0245】
また、
『 前記制限とは、前記レシピの内容の一部又は全部を改変することを禁止する[例えば、図34に示す変更禁止ウィンドゥRWを出現させ、「変更できません。」といった文字表示を表示する]ことである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0246】
また、
『 前記パラメータは、このコーヒーマシンの設置環境[例えば、標高]に応じて調整可能なものである[例えば、図36に示す気圧補正アイコンW5をタップすることによる補正]、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0247】
なお、前記設置環境には、温度、湿度、設置されている地域の水の硬度やpHも含まれる。
『 前記レシピは、暗号化されたものである[例えば、記憶部11bに記憶されたレシピは暗号化されている]、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0248】
なお、以上説明したコーヒーマシンは、「飲料の製造の一部又は全部の工程に使用するレシピを取得する取得手段を備えた装置であって、前記取得手段は、制限が付いたレシピを取得可能である、ことを特徴とする装置。」であってもよく、この装置には、これまで説明したコーヒーマシンの特徴を適用することができる。この装置としては、給湯機能を持ったコーヒーメーカー等のコーヒーマシンであってもよい。あるいは、製造機能を持っていない電子機器(例えば、携帯端末)であってもよい。さらには、粉砕装置5であってもよい。
【0249】
また、以上の説明の中で、~手段と表現した構成要件はいずれも、~部に置き換えることができる。
【0250】
次に、上記説明したレシピ中のパラメータに対し、コメントが設定された例について説明する。
【0251】
図37(A)は、図30に示すレシピの表示画面において、コメントが表示された状態の一例を示す図である。この例では、レシピ情報にパラメータに対するコメントの情報が含まれており、パラメータに対応するアイコンをダブルタップすることでコメントの情報が表示される。図37(A)には、図30に示された状態から、蒸らし湯量のアイコンI4をダブルタップしたことで、対応するコメントの情報が表示された状態が示されている。具体的には、情報表示装置12の表示部に12個のパラメータを表すアイコンI1~I12が表示された状態から、その表示の一部にオーバーラップするようにコメントウインドウCWが表示される。なお、このコメントの情報は、レシピ作成者が入力可能な構成に限らず、このレシピ情報をダウンロードしたユーザ側でも入力可能な構成としてもよい。
【0252】
このコメントウインドウCWには、蒸らし湯量に関するコメントとして「2020/1/15 バリスタ「L.HHH」の試飲で35ccから修正」とのコメントが表示されている。このように、レシピに関するコメントを用いることで、レシピに関する理解を深めたり、より好みに合わせたパラメータの調整をするための情報を表示したりすることができる。なお、コメントに続きがある場合には、スワイプ操作を行うことでスクロールして続きを表示させることができる。また、このコメントウインドウCWをタップすることで、コメントウインドウCWを閉じることができる。また、コメントの情報が含まれていないパラメータについては、アイコンをダブルタップしても何も表示されないが、「コメントなし」と表示するようにしてもよい。
【0253】
また、図33の例では、湯量に関するパラメータのアイコンI4~I7について、パラメータ(設定値)が非表示に設定されているが、パラメータが非表示に設定されている場合、これらのアイコンをダブルタップしても対応するコメントは表示されない。しかし、図37(B)に示すように、パラメータが非表示に設定されている場合であっても、これらのアイコンをダブルタップした際に対応するコメントが表示されるようにしてもよい。図37(B)には、図33に示された状態から、パラメータが非表示に設定されている蒸らし湯量のアイコンI4をダブルタップしたことで、図37(A)と同様にコメントウインドウCWが表示された状態が示されている。パラメータが非表示に設定されている状態でも対応するコメントについては表示されるようにすることで、コメントを見たユーザにパラメータの設定値に対する興味を抱かせ、非表示を解除するための課金を促すことができる場合がある。
【0254】
図37(A)および図37(B)の例のように、パラメータに対応するコメントについては、当該パラメータの表示および非表示にあわせて設定されるようにしてもよいし、当該パラメータの表示および非表示とは別に設定できるようにしてもよい。また、コメントを表示するにあたっては、そのコメントの一部だけが表示されるように表示される内容に制限を設けることができるようにしてもよい。例えば図37(A)では、パラメータと、このパラメータに対応するコメントの両方が表示される例について説明したが、このコメントについて表示される内容に制限を設けた例が、図38(A)に示されている。この図38(A)の例では、図37(A)と同様にコメントウインドウCWが表示されているが、図37(A)で説明したコメントの一部だけが表示されている。また図37(B)では、パラメータが非表示の状態で、このパラメータに対応するコメントが表示される例について説明したが、このコメントについて表示される内容に制限を設けた例が、図38(B)に示されている。この図38(B)の例では、図37(B)と同様にコメントウインドウCWが表示されているが、図37(B)で説明したコメントの一部だけが表示されている。なお、コメントの非表示や表示内容の制限については、課金によってこれらの状態を解除してコメントが表示されるようにすることができるようにしてもよい。
【0255】
なお、上記説明したコメントを付ける対象となるパラメータについては特に限定されるものではないが、例えば、特定のパラメータ(例えば、粒度、湯量、蒸らしの有無)に限ってコメントを付けられるようにしたり、逆に特定のパラメータに限ってコメントを付けられないようにしてもよい。また、例えば、特定のパラメータに限ってコメントの一部だけを表示させられるようにしたり、逆に特定のパラメータに限ってコメントの一部だけを表示することができないようにしてもよい。また、同じパラメータに対してコメントが複数付けられている場合に、それぞれのコメントについて表示、非表示の設定や、一部表示の設定をすることができるようにしてもよい。さらに、例えばパラメータが特定の値以下となった場合にのみ表示されるコメントを設定する、といったように、パラメータの内容に応じて表示されるコメントや非表示になるコメントを設定できるようにしてもよい。また、レシピを複製して新たなレシピを作成する場合には、通常のレシピ作成時と同様にコメントの付加ができるか否かの設定や、コメントの表示に関する制限の範囲を設定可能な構成としてもよい。この場合において例えば、複製時には、複製元のレシピと同様の制限が課されるようにする、といったように、複製時におけるコメントの設定内容を、オリジナルのレシピ作成時に設定できるようにしてもよい。
【0256】
また、上記の例ではレシピ情報にパラメータに対するコメントの情報が含まれる構成について説明したが、例えばレシピ情報とは別にコメントの情報を記憶するようにしてもよく、コメント情報の記憶の方法や記憶領域については上記の例に限定されるものではない。なお、レシピ情報とコメントの情報を同じデバイスで管理することで、これらの情報の管理を容易にすることができる。
【0257】
以上の記載では、
『 コーヒー製造の一部又は全部の工程に使用するレシピ情報を取得し、該レシピ情報に含まれるパラメータを参照してコーヒー豆を用いた調整を行うコーヒーマシン(例えば、コーヒー豆挽き機1、コーヒー抽出装置、コーヒー豆挽き機1とコーヒー抽出装置を搭載したコーヒーマシン]であって、
前記パラメータに関するコメントが記憶された記憶部(記憶部11b)を備えた、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
について説明した。
【0258】
また、
『 前記記憶部に記憶された前記コメントの表示範囲を設定可能なものである(例えば、図37図38)、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0259】
また、
『 前記レシピ情報を前記記憶部から取得するものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0260】
また、
『 前記レシピ情報は、利用にあたって制限が設けられている場合がある(例えば、図29)、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0261】
また、
『 コーヒー豆のグラインドを禁止する制限が設けられている前記レシピ情報については、該レシピ情報を利用してコーヒー豆をグラインドすることができないものである、(例えば、図32
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0262】
また、
『 コーヒー飲料の製造を禁止する制限が設けられている前記レシピ情報については、該レシピ情報を利用してコーヒー飲料を製造することができないものである、(例えば、図32
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0263】
また、
『 表示内容に制限が設けられている前記レシピ情報については、その制限の範囲を超える情報についての表示を制限するものである(例えば、図33)、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0264】
また、
『 複製に制限が設けられている前記レシピ情報については、その制限の範囲を超える情報を複製することができないものである(例えば、図35)、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0265】
また、
『 変更に制限が設けられている前記レシピ情報については、その制限の範囲を超えて該レシピ情報を変更することができないものである(例えば、図34)、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0266】
また、
『 課金することによって前記レシピ情報に対する制限を解除することが可能なものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0267】
また、
『 設置環境に応じて前記パラメータを調整可能なものである(例えば、図36)、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0268】
また、
『 前記レシピ情報は、暗号化されたものである、
ことを特徴とするコーヒーマシン。』
についても説明した。
【0269】
また、
『 前記コーヒーマシンと通信可能な外部装置(例えば、サーバ16、携帯端末17)を備えたコーヒー製造システム(例えば、図8)。』
についても説明した。
【0270】
また、
『 コーヒー豆を用いた調整の一部又は全部の工程に使用するレシピ情報を取得するレシピ取得ステップと、
前記レシピ情報に含まれるパラメータを参照してコーヒー豆を用いた調整を行う調整ステップと、を有する、
ことを特徴とする調整方法(例えば、コーヒー豆のグライン方法あるいはコーヒーマシンの飲料製造法)。』
についても説明した。
【0271】
また、
『 前記レシピ取得ステップと、前記調整ステップとの間に、前記レシピ情報を表示するレシピ表示ステップを有する、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0272】
また、
『 前記レシピ表示ステップでは、前記パラメータに関するコメントを表示する場合がある(例えば、図37図38)、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0273】
また、
『 前記レシピ情報は、利用にあたって制限が設けられている場合がある(例えば、図29)、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0274】
また、
『 コーヒー豆のグラインドを禁止する制限が設けられている前記レシピ情報については、該レシピ情報を利用してコーヒー豆をグラインドすることができないものである、(例えば、図32
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0275】
また、
『 コーヒー飲料の製造を禁止する制限が設けられている前記レシピ情報については、該レシピ情報を利用してコーヒー飲料を製造することができないものである、(例えば、図32
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0276】
また、
『 表示内容に制限が設けられている前記レシピ情報については、前記レシピ表示ステップにおいてその制限の範囲を超える情報についての表示が制限される(例えば、図33)、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0277】
また、
『 前記レシピ取得ステップの前に、前記レシピ情報を作成するレシピ作成ステップを有し、
前記レシピ作成ステップでは、前記レシピ情報を複製して新たな前記レシピ情報を作成することが可能であり、
複製に制限が設けられている前記レシピ情報については、前記レシピ作成ステップにおいてその制限の範囲を超える情報を複製することができない(例えば、図35)、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0278】
また、
『 前記レシピ取得ステップと、前記飲料製造ステップとの間に、前記レシピ情報を変更するレシピ変更ステップを有し、
変更に制限が設けられている前記レシピ情報については、前記レシピ変更ステップにおいてその制限の範囲を超えて該レシピ情報を変更することができない(例えば、図34)、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0279】
また、
『 課金することによって前記レシピ情報に対する制限が解除される、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0280】
また、
『 前記レシピ取得ステップと、前記飲料製造ステップとの間に、設置環境に応じて前記パラメータを調整可能なパラメータ調整ステップ(例えば、図36)を有する、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0281】
また、
『 前記レシピ情報は、暗号化されたものである、
ことを特徴とする調整方法。』
についても説明した。
【0282】
<5.オーダー情報およびグラインドレシピと動作例>
以下、図9を用いて説明した制御処理のフローを参照しつつ、オーダー情報に対する動作の例について、図39図44を用いて説明する。図39図41は、オーダー情報の入力時の様子を示す図である。図42はオーダー情報の変更時の様子を示す図である。図43は、オーダーに対するグラインダ5Bの制御パラメータの一例を示す図である。図44は、グラインド処理の実行中における表示の一例を示す図である。
【0283】
この例では、携帯端末17にコーヒーの挽き豆についてのオーダー情報を送信するためのアプリケーションがインストールされているものとする。図39には、このアプリケーションを用いたオーダー情報の入力画面の一例が示されている。この入力画面では、オーダーのタイトル入力欄171、コーヒー豆を挽く際の粒度に対する割合を指定する入力テーブル172、細挽き状態から粗挽き状態となる挽き方を指示する細→粗挽きボタン173aと、粗挽き状態から細挽き状態となる挽き方を指示する粗→細挽きボタン173bと、入力テーブル172に入力された内容をグラフで表示するためのグラフエリア174と、オーダー情報を送信するための送信ボタン175と、オーダー情報をグラインドレシピとして登録するためのレシピ登録ボタン176が表示されている。
【0284】
図40には、オーダー情報が入力された状態の入力画面の一例が示されている。この入力画面では、タイトル入力欄171に「ゲイシャ フレンチプレス向け」との文字が入力されている。また、入力テーブル172には、粒度200μmの割合を示す「40」と粒度800μmの割合を示す「60」が入力され、その合計割合が「100」%であることが示されている。また、粒度200μm、粒度800μm、合計のそれぞれに対応するコメントが入力されていることが示されている。また、粗→細挽きボタン173bが選択されている。グラフエリア174には、入力テーブル172に入力された内容がグラフで表示されている。このグラフでは2つのピークが示されているが、このうち左側のピークは200μmの粒度が40%の割合であることを示し、右側のピークは800μmの粒度が60%の割合であることを示している。
【0285】
グラフエリア174では、グラフの一部をドラッグすることで、入力テーブル172に入力された内容を間接的に変更することができる。図41では、図40に示すグラフエリア174の2つのピークのうち、右側のピークを左に移動させている例が示されている。そしてこの操作により、入力テーブル172に入力されていた粒度800μmの割合を示す「60」が「0」になり、粒度600μmの割合を示す「0」が「60」に変更されていることが示されている。このようなグラフをドラッグすることによる入力方法は、粒度を変更させるものに限らず、割合を変更するものであってもよい。例えば、グラフの一部を上下にドラッグすることで、対応する粒度の割合を増減させたりすることができるようにしてもよい。
【0286】
また、図41の例では入力テーブル172に値が入力された後に、グラフの一部をドラッグすることで入力テーブル172に入力された値を変更している。この構成に限らず、入力テーブル172に値を入力する前の状態(初期状態)からグラフエリア174に初期状態のグラフ(フラットな直線、図39では太線で示す)を表示するようにしておき、このグラフをドラッグすることで、入力テーブル172の値を設定することができるようにしてもよい。
【0287】
上記のようなグラフを用いた入力方法によって、ユーザがより直感的に粒度の割合を設定することができる。
【0288】
また、あるピークに対してその大きさを増加すると、他のピークの大きさが相対的に減少するといったように、一つのピークに対してその大きさを増減することで、他のピークの大きさが相対的に増減するようにしてもよい。グラフエリア174の大きさが限られているような場合には、グラフエリア174をより有効に利用することができる。
【0289】
タイトル、粒度の割合、挽き方(細→粗、粗→細)およびコーヒー豆の量(図39図41では不図示)を設定した後、送信ボタン175をタップすることで、通信ネットワーク15を介してコーヒー豆挽き機1の制御装置11にオーダー情報が送信される。なお、一旦サーバ16に送信した後、サーバ16および通信ネットワーク15を介してコーヒー豆挽き機1に送信されるものであってもよい。
【0290】
またここでは、タイトル、粒度の割合、挽き方(細→粗、粗→細)およびコーヒー豆の量といったオーダー情報の設定を行ったが、これらのオーダー情報を保存し、グラインドレシピとして利用することも可能である。そうする場合には、レシピ登録ボタン176をタップすることで、通信ネットワーク15を介してサーバ16にオータ情報が送信される。サーバ16では、グラインドレシピについてもデータベース化して管理しており、ここで送信されてきたオーダー情報にグラインドレシピIDが付与され、記憶される。サーバ16に送信する際、レシピの制限について設定することができるようにしてもよい。例えば、製造(グラインド)禁止、表示禁止、ダウンロード禁止、複製禁止、改変禁止といった各種の制限を選択する画面が携帯端末17に表示されてもよい。また、上記画面では、これらの制限の解除方法(課金、期間経過、課金による一定回数以上の使用等)も設定できるようにしてもよい。また、入力された作成者のコメントもグラインドレシピの一部として記憶され、レシピ表示の際にはコメント表示も可能である。
【0291】
さらに、オーダー情報およびグラインドレシピとして、チャフ除去強さ(チャフの除去率)(%)を設定できるようにしてもよい。
【0292】
オーダー情報を受信すると、情報表示装置12には受信したオーダー情報の内容が表示される(図9のステップS1でYes、ステップS2)。図42(A)には、図41に示す内容で送信されたオーダー情報を制御装置11が受信し、情報表示装置12にその内容が表示された例が示されている。具体的には、図41のタイトル入力欄171に入力されたタイトルと、入力テーブル172のうち、割合が0で且つコメント欄が空欄の粒度の行(図41では粒度400μm、1000μmの行)を除いた部分の内容が受信テーブル121に表示されている。さらに、挽き方指示欄122には、図41において粗→細挽きボタン173bが選択されたことで、粗挽き状態から細挽き状態となる挽き方が指示されたことが示されている。また、豆量欄123には、受信した豆の量(この例では60g)が示されている。なお、豆の量については店側で別途設定できるようにしてもよい。
【0293】
この状態でグラインド開始ボタン124をタップするとコーヒー豆のグラインド処理が実行される(詳細は後述)が、グラインド開始ボタン124をタップする前の状態では、オーダー情報を変更することができるようになっている(図9のステップS3でNo、ステップS4でYes、ステップS5)。オーダー情報を変更した場合には、この情報に従ってコーヒー豆のグラインド処理が実行される。グラインドの際の気温や湿度によっては、コーヒーの挽き豆の粒度が細目(あるいは粗目)になってしまう場合があるが、店側でオーダー情報を変更して調整することが可能となっている。
【0294】
例えば、図42(A)のオーダー情報を受信したものの、湿度が低いためにコーヒーの挽き豆の粒度が細目になってしまう状況であったとする。このとき例えば図42(B)に示すように、受信テーブル121において、粒度200μmの割合を示す「40」を「45」に変更し、さらに粒度600μmの割合を示す「60」を「55」に変更することで、コーヒーの挽き豆の粒度を粗目にして所望の粒度になるように調整することができる。なお、この図42(B)の例ではコメント欄に「低湿度→割合増」の記載が追加されているが、このようなコメントがあることで、例えば修正理由のような情報を伝えることができる場合がある。以上説明したように、コーヒー豆挽き機1の設置環境に応じて、オーダー情報(ここでは挽き豆の粒度)を調整可能である。
【0295】
また、情報表示装置12の表示画面にもレシピ登録ボタン125が用意されており、情報表示装置12(コーヒー豆挽き機1)からも、オーダー情報をグラインドレシピとしてサーバ16に登録させることができる。コーヒー豆挽き機1の設置環境に応じて修正を行ったパラメータを含むグラインドレシピをサーバ16にコメント付きで保存することができる。また、グラインドレシピには、オーダー情報(レシピ)作成時の環境情報(温度、湿度、気圧等)も含ませてもよい。コーヒー豆挽き機1に、温湿度センサや気圧センサを設けておき、レシピ登録ボタン125がタップされると、それらのセンサによって取得された環境情報がグラインドレシピに自動的に追加されるようにしてもよい。さらに、コーヒー豆挽き機1からサーバ16に送信する際にも、情報表示装置12の表示画面に選択画面が表示され、レシピの制限について設定することができるようにしてもよい。また、上記選択画面では、これらの制限の解除方法も設定できるようにしてもよい。
【0296】
加えて、コーヒー豆挽き機1における制御装置11の記憶部11bにオーダー情報をグラインドレシピとして暗号化して記憶させることができるようにしてもよい。また、携帯端末17からも、その記憶部11bにグラインドレシピとして暗号化して記憶させることができるようにしてもよい。
【0297】
また、こうして登録したグラインドレシピは、コーヒー豆挽き機1とコーヒー抽出装置を搭載したコーヒー飲料製造装置でも使用することができる。
【0298】
次に、グラインド開始ボタン124をタップした以降の動作について、図42(B)に示す状態でグラインド開始ボタン124がタップされた場合を例に説明する。グラインド開始ボタン124をタップすると、オーダー情報に従ってコーヒー豆のグラインド処理が実行される(図9のステップS3でYes、ステップS6)。図43(A)には、図42(B)で指定された粒度およびその割合が示されている。
【0299】
このグラインド処理では、製造されるコーヒー挽き豆の粒度分布が、オーダー情報で指定されたコーヒー挽き豆の粒度に対してある程度の範囲(本実施形態では、±100~150μmの範囲)まで広がるように、グラインダ5Bの刃の間隔(固定刃57bと回転刃58bとの間隔)を所定間隔(例えば、50μm刻み)で変更しつつコーヒー豆を挽く制御が実行される。例えば、図43(B)には、図43(A)で指定されている粒度200μmの指定に対し、グラインダ5Bの刃の間隔を50~350μmの範囲で変更しつつ動作させるための動作時間が設定されていることが示されている。また、図43(B)には、図43(A)で指定されている粒度600μmの指定に対してグラインダ5Bの刃の間隔を450~700μmの範囲で変更しつつ動作させるための動作時間が設定されていることが示されている。さらに図43(D)には、図43(B)に示すグラインダ5Bの刃の間隔ごとの動作時間の長さがグラフで示されている。なお、ここで設定されたグラインダ5Bの刃の間隔とその動作時間は、製造されるコーヒー挽き豆の粒度分布に対応するものであることから、粒度分布が設定されている、とも言える。
【0300】
上記の例では、オーダー情報で指定された60gの分量のコーヒー挽き豆を製造するのに合計30秒かかるとした場合を想定している。そして、この動作時間のうち45%(13.5秒)を粒度200μmに対する動作に割り当てている。上記の例では、粒度200μmの指定に対してグラインダ5Bの刃の間隔を50~350μmの範囲で変更しつつ動作させることから、13.5秒の動作時間をこの範囲でのグラインダ動作に割り当てている。なお、図43(B)では、間隔50~350μmの範囲でのグラインダの動作時間の合計が13.5秒となっている。また、合計30秒の動作時間のうち55%(16.5秒)を粒度600μmに対する動作に割り当てている。上記の例では、粒度600μmの指定に対してグラインダ5Bの刃の間隔を450~700μmの範囲で変更しつつ動作させることから、16.5秒の動作時間をこの範囲でのグラインダ動作に割り当てている。なお、図43(B)では、間隔450~700μmの範囲でのグラインダの動作時間の合計が16.5秒となっている。上記説明したように図43(B)に示す動作時間は、コーヒー挽き豆の製造に要する時間から導出されたものである。なお、図43(B)では、二種類の粒度の指定に対するグラインダ5Bの刃の間隔の範囲が重複していない例について説明したが、これらの範囲が重複する場合には、その部分の動作時間が加算される。
【0301】
図43(B)の例で説明したように、グラインダ5Bの刃の間隔を変更しつつコーヒー挽き豆を製造することで、コーヒー挽き豆の粒度を分散させることができる。粒度を分散させたコーヒー挽き豆から抽出されたコーヒーは、粒度を分散させていないコーヒー挽き豆から抽出されたコーヒーと比較して、様々な味を含ませることができる。なお、こうした味が好みでない人向けに、例えば図43(C)に示すような動作時間が設定される場合を設けてもよい。この図43(C)では、グラインダ5Bの動作時間が、オーダー情報で指定された粒度と同じ値の刃の間隔での動作に対してのみ設定されており、粒度の分散を抑えた粒度分布に対応したものになっている。これらの構成は一例であり、粒度の指定の際に粒度分布の範囲を指定できるようにしてもよい。
【0302】
また図43(B)の例では、オーダー情報で指定された粒度と同じ値の刃の間隔での動作時間が最も長く、指定された粒度とグラインダ5Bの刃の間隔との差が大きくなるに従って動作時間が短くなっているが、例えば、指定された粒度に対して±50μmのグラインダ5Bの刃の間隔での動作について動作時間を同じ値に設定する、といったようにしてもよく、粒度分布のパターンを複数設けてそこから選択できるようにしてもよい。
【0303】
また、図43(B)のような動作時間の情報をオーダー情報作成の際に入力できるようにし、オーダー情報に動作時間の情報が含まれている場合に、この情報に従ってグラインド処理を実行できるようにしてもよい。
【0304】
さらに、図43(B)や同図(c)に示す動作時間の情報(グラインダ5Bの刃の間隔の変更パターン)もグラインドレシピの一部として、サーバ16や記憶部11bに保存されてもよい。
【0305】
なお、図43(A)では二種類の粒度の値が設定されているが、値が指定される粒度の種類の数については複数でなく一種類であってもよい。例えば、一種類の粒度の値が設定されている場合には、この値に基づいて動作時間が設定される。
【0306】
なお、本実施形態でのグラインダ5Bにおける挽き方は、細挽き状態から粗挽き状態となる挽き方と、粗挽き状態から細挽き状態となる挽き方の二種類があり、図40図41で説明した細→粗挽きボタン173aと粗→細挽きボタン173bを用いていずれかの挽き方が指定される。細挽き状態から粗挽き状態となる挽き方が指定されている場合には、グラインダ5Bの刃の間隔を50μmから1000μmまで広げつつ、各間隔に対して設定された動作時間だけグラインダ5Bを動作させる。一方、粗挽き状態から細挽き状態となる挽き方が指定されている場合には、グラインダ5Bの刃の間隔を1000μmから50μmまで狭めつつ、各間隔に対して設定された動作時間だけグラインダ5Bを動作させる。この挽き方によっては、製造されるコーヒー挽き豆の粒度分布に微妙な違いが生じる場合があり、味に違いが生じる可能性があることから、本実施形態ではこれらの挽き方を設定可能な構成を採用している。
【0307】
図42(B)では、粗挽き状態から細挽き状態となる挽き方が指定されているため、グラインダ5Bの刃の間隔を1000μmから50μmまで狭めつつ、各間隔に対して設定された動作時間だけグラインダ5Bを動作させる。このとき、情報表示装置12には、図43(D)に示すグラフが表示され、この動作の進行に合わせてグラフ内の領域の色が変化する。図44(A)には、グラインド開始から12.6秒が経過したときの様子が示されている。このとき、グラインダ5Bの刃の間隔は550μmに設定された状態となっており、図44(A)では、この550μmを境に右側の領域の色が変化したことがハッチングによって示されている。このハッチングは、該当する領域のグラインド処理が終了していることを示す一例である。また、図44(B)には、グラインド開始から30秒が経過してグラインド処理が終了したときの様子が示されている。この図44(B)においては、すべての領域がハッチングされているのは、すべてのグラインド処理が完了していることを示す一例である。図44(A)(B)の例のように、グラインド処理の進行具合が表示されることで、顧客の待ち時間を退屈しないようにしたり、店員がその間別の作業を行うといったような効率的な作業が可能となる場合がある。
【0308】
なお、図44(A)(B)の例では粗挽き状態から細挽き状態となる挽き方が指定されている場合に、グラフの右側からハッチングが広がっていく表示例について説明したが、細挽き状態から粗挽き状態となる挽き方が指定されている場合には、図44(A)(B)の例とは異なり、グラフの左側からハッチングが広がっていく表示になる。
【0309】
また、上記の例では情報表示装置12にグラインド処理の進行具合が表示される構成について説明したが、オーダー情報を送信した携帯端末17においてグラインド処理の進行具合が表示される構成としてもよい。
【0310】
<6.その他の構成>
以上説明したコーヒー豆挽き機1では、粉砕装置5がグラインダ5Aとグラインダ5Bを用いて二段階に分けてコーヒー豆を挽く構成を採用している。しかし、このような構成に限らず、一つのグラインダを用いる構成であってもよく、また、グラインダの機構についても上記説明した機構に限定されるものではない。
【0311】
さらに、コーヒー豆挽き機1は、単独の装置であってもよいし、コーヒー飲料製造装置にコーヒー飲料抽出機と一緒に搭載されたものであってもよい。
【0312】
また、図43を用いて説明したように、コーヒー挽き豆の粒度を分散させるにあたっては、例えば、粒度50μm以上500μm未満の範囲を担当するグラインダと、粒度500μm以上1000μmまでの範囲を担当するグラインダの2つを設け、オーダー情報に応じてこれらを切り替えて使用したり、同時に使用したりする構成としてもよい。すなわち、複数のグラインダを切り替えて使用する構成としてもよく、複数のグラインダを同時に使用する構成としてもよい。また、複数のグラインダにつては、それぞれが担当するコーヒー挽き豆の粒度の範囲が異なる構成に限られるものではなく、これらの範囲が重複する構成であってもよいし、これらの範囲が同じであってもよい。
【0313】
また、上記の例では、情報表示装置12を用いてコーヒー挽き豆のオーダー情報を表示したりグラインド開始操作を行う構成について説明したが、こうした役割については、例えば携帯端末17やサーバ16といった外部装置でも実行可能であり、コーヒー豆挽き機1と、サーバ16あるいは携帯端末17とを含む、コーヒー挽き豆システムが構成される。
【0314】
図45は、コーヒー豆挽き方法を示すフローチャートである。
【0315】
図45に示すコーヒー豆挽き方法は、作成ステップSG10と、記憶ステップSG11と、コーヒー豆挽きステップSG12を有する。
【0316】
作成ステップSG10は、グラインドレシピを作成するステップである。グラインドレシピには、少なくともコーヒー豆の粒度の情報が含まれている。
【0317】
記憶ステップSG11は、作成ステップSG10で作成されたレシピを記憶するステップである。ここで記憶する場所は、サーバ16の記憶部1603であってもよいし、制御装置11の記憶部11bであってもよいし、情報表示装置12の記憶部であってもよい。
【0318】
コーヒー豆挽きステップSG12は、記憶ステップSG11で記憶されたレシピに基づいてコーヒー豆挽き機1でコーヒー豆を挽くステップである。
【0319】
上記の実施形態では、
コーヒー豆を挽くグラインダ(例えば、グラインダ5B)と、
前記グラインダを制御する制御装置(例えば、制御装置11)と、
を備えたコーヒー豆挽き機(例えば、コーヒー豆挽き機1)であって、
前記制御装置は、設定された粒度分布に従って前記グラインダを制御可能なものである(例えば、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0320】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、ユーザからのオーダー情報に基づいて前記粒度分布を設定可能なものである(例えば、図9図43(A)、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0321】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記オーダー情報をネットワーク経由で受信可能な受信装置(例えば、I/F部11c)を備えた、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0322】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、一の前記オーダー情報に対して設定可能な前記粒度分布のパターンを複数種類有するものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0323】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、第一の粒度および第二の粒度を含む前記粒度分布が設定された場合に、前記グラインダによって前記第一の粒度及び前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くか設定可能なものである(例えば、図40の細→粗挽きボタン173a、粗→細挽きボタン173b)、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0324】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記グラインダは、コーヒー挽き豆を生成するにあたって設定可能な粒度を複数種類有するものであり、
前記制御装置は、前記グラインダの設定粒度を変更しつつコーヒー挽き豆を生成する制御を行うものである(例えば、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0325】
また、上記コーヒー豆挽き機と通信可能な外部装置(例えば、サーバ16、携帯端末17)を備えたコーヒー豆挽きシステムについて説明した。
【0326】
また、
粒度分布を設定する粒度分布設定ステップと、
設定された粒度分布に従ってコーヒー豆を挽くコーヒー豆挽きステップと、を有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法(例えば、図43(B))、について説明した。
【0327】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記粒度分布設定ステップは、ユーザからのオーダー情報に基づいて前記粒度分布を設定するステップである(例えば、図9図43(A)、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0328】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記オーダー情報をネットワーク経由で受信するオーダー受信ステップと、を有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0329】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記粒度分布設定ステップは、一の前記オーダー情報に対して設定可能な前記粒度分布のパターンを複数種類有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0330】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
第一の粒度および第二の粒度を含む前記粒度分布が設定された場合に、前記第一の粒度及び前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くか設定する挽き方設定ステップ(例えば、図40の細→粗挽きボタン173a、粗→細挽きボタン173b)と、を有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0331】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記コーヒー豆挽きステップは、コーヒー挽き豆を生成するにあたって設定可能な粒度を複数種類有するグラインダの設定粒度を変更しつつコーヒー豆を挽くステップである(例えば、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0332】
上記の実施形態では、
コーヒー豆を挽くグラインダ(例えば、グラインダ5B)と、
前記グラインダを制御する制御装置(例えば、制御装置11)と、
を備えたコーヒー豆挽き機(例えば、コーヒー豆挽き機1)であって、
前記グラインダは、コーヒー挽き豆を生成するにあたって設定可能な粒度を複数種類有するものであり、
前記制御装置は、設定された複数の粒度に従って前記グラインダの設定粒度を変更しつつコーヒー挽き豆を生成する制御を行うものである(例えば、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0333】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、ユーザからのオーダー情報に基づいて前記複数の粒度を設定可能なものである(例えば、図9図43(A)、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0334】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記オーダー情報をネットワーク経由で受信可能な受信装置(例えば、I/F部11c)を備えた、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0335】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、一の前記オーダー情報に対して設定可能な前記複数の粒度のパターンを複数種類有するものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0336】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、第一の粒度および第二の粒度を含む前記複数の粒度が設定された場合に、前記グラインダによって前記第一の粒度及び前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くか設定可能なものである(例えば、図40の細→粗挽きボタン173a、粗→細挽きボタン173b)、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0337】
また、上記記載のコーヒー豆挽き機であって、
前記制御装置は、設定された一の粒度に従って前記グラインダの粒度を設定してコーヒー挽き豆を生成する制御を行うものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機、について説明した。
【0338】
また、上記コーヒー豆挽き機と通信可能な外部装置(例えば、サーバ16、携帯端末17)を備えたコーヒー豆挽きシステムについて説明した。
【0339】
また、
粒度分布を設定する粒度分布設定ステップと、
設定された粒度分布に従ってコーヒー豆を挽くコーヒー豆挽きステップと、を有するコーヒー豆挽き方法であって、
前記コーヒー豆挽きステップは、コーヒー挽き豆を生成するにあたって設定可能な粒度を複数種類有するグラインダの設定粒度を変更しつつコーヒー豆を挽くステップである(例えば、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0340】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記粒度分布設定ステップは、ユーザからのオーダー情報に基づいて前記複数の粒度を設定するステップである(例えば、図9図43(A)、図43(B))、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0341】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記オーダー情報をネットワーク経由で受信するオーダー受信ステップと、を有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0342】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記粒度分布設定ステップは、一の前記オーダー情報に対して設定可能な前記複数の粒度のパターンを複数種類有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0343】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
第一の粒度および第二の粒度を含む前記複数の粒度が設定された場合に、前記第一の粒度及び前記第二の粒度のうちのどちらを先に挽くか設定する挽き方設定ステップ(例えば、図40の細→粗挽きボタン173a、粗→細挽きボタン173b)と、を有する、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0344】
また、上記記載のコーヒー豆挽き方法であって、
前記コーヒー豆挽きステップは、設定された一の粒度に従って前記グラインダの粒度を設定してコーヒー挽き豆を生成可能なステップである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法、について説明した。
【0345】
以上の記載によれば、
『 コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き手段[例えば、粉砕装置5]と、
前記コーヒー豆挽き手段を制御する制御手段[例えば、処理部11a]と、
コーヒー豆を挽く際のレシピ[例えば、グラインドレシピ、飲料製造レシピ]を記憶する記憶手段[例えば、記憶部11b]と、
を備えたコーヒー豆挽き機であって、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御する[例えば、コーヒー豆の挽き粒度、粒度の割合、挽き方(細→粗、粗→細)、コーヒー豆の量、チャフ除去強さ(チャフの除去率)(%)、図43(B)や同図(c)に示す動作時間の情報(グラインダ5Bの刃の間隔の変更パターン)]、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機[例えば、図1に示すコーヒー豆挽き機1]。』
について説明した。
【0346】
このコーヒー豆挽き機によれば、前記レシピを用いるため、より安定した品質の挽き豆を得ることができる。また、前記レシピを改良していけば、より高品質な挽き豆を得ることもできる。
【0347】
また、
『 前記レシピは、コーヒー豆の粒度の情報[例えば、コーヒー豆の挽き粒度、粒度の割合、挽き方(細→粗、粗→細)、図43(B)や同図(c)に示す動作時間の情報(グラインダ5Bの刃の間隔の変更パターン)]を含む、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。』
についても説明した。
【0348】
また、
『 前記レシピは、レシピ作成時の環境情報[例えば、湿度、温度、気圧、水の硬度および水のpH]を含む、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。』
についても説明した。
【0349】
なお、前記環境情報は、レシピ作成時の温度、湿度、気圧、水の硬度および水のpHのうちの少なくともいずれか一つであってもよい。
【0350】
また、
『 前記レシピは、作成者のコメント[例えば、図40図42に示すコメント]を含む、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。』
についても説明した。
【0351】
また、
『 前記レシピは、利用にあたって制限[例えば、グラインド禁止、表示禁止、ダウンロード禁止、複製禁止、改変禁止といった各種の制限]が設けられた情報が含まれている場合がある、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き機。』
についても説明した。
【0352】
さらに、
「 前記コーヒー豆挽き機と通信可能な外部装置[例えば、サーバ16、携帯端末17]を備えたコーヒー豆挽きシステム[例えば、図8に示すコーヒー豆挽きシステムGS]。
についても説明した。
【0353】
より具体的には、
「 コーヒー豆挽き機と、サーバとを含むコーヒー豆挽きシステムであって、
前記サーバと前記コーヒー豆挽き機は通信可能なものであり、
前記サーバは、コーヒー豆を挽く際のレシピを記憶したものであり、
前記コーヒー豆挽き機は、
コーヒー豆を挽くコーヒー豆挽き手段と、
前記サーバに記憶されている前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御する制御手段と、
を備えたものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽きシステム。」
についても説明した。
【0354】
また、
「 前記コーヒー豆挽きシステムであって、
前記サーバと通信可能な通信端末を含み、
前記通信端末は、前記レシピを作成可能なものであり、
前記サーバは、前記通信端末で作成された前記レシピを記憶可能なものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽きシステム。」
についても説明した。
【0355】
また、
「 前記コーヒー豆挽きシステムであって、
前記通信端末は、前記コーヒー豆挽き手段とも通信可能なものであり、
前記制御手段は、前記通信端末で作成された前記レシピに基づいて、前記コーヒー豆挽き手段を制御可能なものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽きシステム。」
についても説明した。
【0356】
また、
「 前記コーヒー豆挽きシステムであって、
前記通信端末は、コーヒー豆の粒度の情報を含むレシピを作成可能なものである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽きシステム。」
についても説明した。
【0357】
さらに、
「 コーヒー豆を挽く際のレシピを記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップで記憶されたレシピに基づいてコーヒー豆を挽くコーヒー豆挽きステップと、
を有することを特徴とするコーヒー豆挽き方法。」
について説明した。
【0358】
また、
「 前記コーヒー豆挽き方法であって、
前記レシピを作成する作成ステップを有し、
前記記憶ステップは、前記作成ステップで作成されたレシピを記憶するステップである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法。」
について説明した。
【0359】
また、
「 前記コーヒー豆挽き方法であって、
前記作成ステップは、コーヒー豆の粒度の情報を含むレシピを作成するステップである、
ことを特徴とするコーヒー豆挽き方法。」
についても説明した。
【0360】
本発明は、以上に示された幾つかの態様および例に限られるものではなく、これらの内容は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で相互に組み合わせ可能であり、また、目的等に応じて部分的に変更されてもよい。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。例えば、「装置」、「部」等の表現は「ユニット」、「モジュール」等と言い換え可能な場合がある。
【符号の説明】
【0361】
1 コーヒー豆挽き機
4 貯留装置
5 粉砕装置
5A,5B グラインダ
6 分離装置
11 制御装置
11a 処理部
11b 記憶部
12 情報表示装置
16 サーバ
17 携帯端末
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