(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】乱数発生装置
(51)【国際特許分類】
G09C 1/00 20060101AFI20241016BHJP
G06F 7/58 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G09C1/00 650B
G06F7/58 680
(21)【出願番号】P 2021026425
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2024-02-01
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】593171592
【氏名又は名称】学校法人玉川学園
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 研太郎
(72)【発明者】
【氏名】二見 史生
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 健
(72)【発明者】
【氏名】廣田 修
【審査官】平井 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528520(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111488993(CN,A)
【文献】特開2009-070009(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0212798(US,A1)
【文献】特開2019-082676(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108563422(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09C 1/00-5/00
H04L 9/00-40
G06F 7/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1光信号を発生させる光信号発生部と、
前記第1光信号を、N個(Nは2以上の整数値)の第2光信号を
第1単位として分割する分割部と、
前記N個
の前記第1単位毎に、前記第2光信号の等分信号の夫々の信号強度を測定する測定部と、
前記N個
の前記第1単位毎に、前記測定部の測定において発生したショット雑音が夫々重畳した
前記等分信号の前記信号強度の差分と当該差分の統計的な平均値との比較結果に基
づいて第1乱数を生成し、前記N個の前記第1単位毎の前記第1乱数を合成する
ことで第2乱数を生成する合成部と、
を備える乱数発生装置。
【請求項2】
前記乱数発生装置は、前記分割部と前記測定部と前記合成部とを1つの
第2単位として、
M個(Mは2以上の整数値)の
前記第2単位を有する、
請求項1に記載の乱数発生装置。
【請求項3】
前記光信号発生部は、
前記第1光信号の雑音強度を増幅するための機構を有する、
請求項1
又は2に記載の乱数発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乱数発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信においてセキュリティ対策の重要性が高まっている。インターネットを構成するネットワークシステムは、国際標準化機構に依り策定されたOSI参照モデルで記述される。OSI参照モデルでは、レイヤ1の物理層からレイヤ7のアプリケーション層までに分離され、夫々のレイヤを結ぶインターフェースが標準化、又は、デファクトにより規格化されている。このうち最下層となるのが、有線・無線で実際に信号の送受信を行う役割を担う物理層である。
現状、セキュリティ(多くの場合数理暗号に依る)は、レイヤ2以上で実装されており、物理層ではセキュリティ対策が施されていない。しかしながら、物理層でも盗聴の危険性がある。
例えば、有線通信の代表である光ファイバ通信では、光ファイバに分岐を導入し、信号パワーの一部を取り出すことで大量の情報を一度に盗み出すことが原理的に可能である。そこで、本出願人は、物理層における暗号化技術として、例えば特許文献1に挙げる所定のプロトコルの開発を行っている。
【0003】
また、光ファイバ通信技術の飛躍的な発展により、物理層における通信速度は年々向上している。具体的には例えば、一般向けには10Gbps(ギガビット毎秒)の通信機材普及しつつあり、先端研究レベルではPbps(ペタビット毎秒)級の通信機材の開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
物理層における暗号化において、物理層(例えば、光信号の階層)における通信速度に対応した乱数の生成が重要となる。即ち、物理層における暗号の強度を向上させたり担保させたりするためには、乱数の生成の速度の向上も必要となる。
また、生成される乱数は、独立性の高い乱数であると好適である。そこで、所定のアルゴリズムに基づいて生成される擬似乱数ではなく、物理現象等に基づいて生成される真性乱数であることが望ましい。
更に言えば、実用化において、製造コストの削減も重要な課題である。
これらの課題の一部又は全部をバランスよく解決することが求められる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、品質の高い乱数の発生速度を向上させる技術を低コストで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の乱数発生装置は、
所定の第1光信号を発生させる光信号発生部と、
前記第1光信号を、N個(Nは2以上の整数値)の第2光信号を単位として分割する分割部と、
前記N個の第2光信号の夫々の信号強度を測定する測定部と、
前記測定部の測定において発生したショット雑音が夫々重畳したN個の信号強度の夫々と基準との比較結果の夫々を用いて、1単位の乱数を合成する合成部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、真性乱数の発生速度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る乱数発生装置のうち、基本構成を有する乱数発生装置の構成、即ち、1つの基本乱数発生部を採用した乱数発生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1の乱数発生装置のうち基本分割部のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る乱数発生装置のうち、基本構成対して減衰部を付加した乱数発生装置の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図1の乱数発生装置のうち基本合成部のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る乱数発生装置のうち、複数の基本構成を有する乱数発生装置の構成、即ち、M個(Mは2以上の整数値)の基本乱数発生部を採用した乱数発生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図4の基本合成部による乱数の合成の一例を示す図である。
【
図7】
図2の光源部のレーザ光の雑音強度を増強するための構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る乱数発生装置のうち、基本構成を有する乱数発生装置の構成、即ち、1つの基本乱数発生部を採用した乱数発生装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1の例の基本構成を有する乱数発生装置1は、光源部11と、基本乱数発生部12とを含むように構成されている。
【0012】
光源部11は、所定の第1光信号を発生させる。即ち例えば、光源部11は、レーザ光源を含んで構成され、所定の周波数のレーザ光を第1光信号として発生させる。
図1の例において光源部11は、|α’>で表される第1光信号を発生させている。
ここで、
図1において、「|α’>」で表される第1光信号を、「光信号A1」と呼ぶ。
光源部11により発生された光信号A1は、光路LO11を介して、後述の基本乱数発生部12に提供される。
【0013】
ここで、光路LO11は、光信号A1の伝送路であって、例えば光ファイバ等により構成される。
なお、以下、伝送路のうち光信号を伝送する光路について、LOから始まる符号を付して説明する。これに対し、後述する電気信号の伝送路、即ち、伝送路のうち電気信号を伝送するものについて、LEから始まる符号を付して説明する。なお、電気信号の伝送路は1本以上の伝送路を含んで構成され、適宜アナログ信号やデジタル信号を伝送することができるが、本実施形態の説明においては便宜的に1本の線を用いて図示する。
【0014】
図1の例の基本乱数発生部12は、光源部11から提供された光信号A1に基づいて、乱数rを生成する。
図1の例の基本乱数発生部12は、基本光分割部111と、測定部112と、基本合成部113とを含むように構成されている。
【0015】
基本光分割部111は、光源部11により発生された光信号A1を、N個(Nは2以上の整数値)の第2光信号を単位として分割する。即ち、基本光分割部111は、|α’>で表される第1光信号を、|α1>乃至|αN>で夫々表される第2光信号を単位として、分割する。
以下、
図1の説明において、「|αk>(kは1乃至Nのうち任意の整数値)」で表される第2光信号を、「第kの光信号A」と呼ぶ。
基本光分割部111により分割された第1乃至第Nの光信号Aの夫々は、N個の光路LO12-1乃至LO12-Nの夫々を介して、測定部112に提供される。基本光分割部111の詳細な構成は、
図2を用いて後述する。
【0016】
測定部112は、第1乃至第Nの光信号Aの夫々の信号強度μ1乃至μNを測定する。即ち、測定部112は、基本光分割部111から提供された第kの光信号Aに基づいて、当該第kの光信号Aに関する信号強度μkを測定する。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態の測定部112は、フォトダイオードを用いて光信号の信号強度を測定する。
【0017】
詳細には、
図1の例の測定部112は、N個の測定部121-1乃至121-Nを含むように構成されている。
測定部121-kは、光路LO12-kを介して提供された第kの光信号Aに基づいて、信号強度μkを測定する。
具体的には例えば、測定部121-kは、フォトダイオードを用いて、第kの光信号Aの信号強度μkを測定する。第kの光信号Aの信号強度μkは、信号強度μkに対応した電気信号(電流)として出力される。信号強度μkに対応した電気信号(電流)は、伝送路LE11-kを介して基本合成部113に提供される。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態の測定部121-kは、2つのフォトダイオードを用いて第kの光信号Aの信号強度μkを測定する。測定部112の詳細な構成は、
図3を用いて後述する。
【0018】
基本合成部113は、測定部112の測定において発生したショット雑音が夫々重畳したN個の信号強度μ1乃至μNの夫々と基準との比較結果の夫々に基づいて、1単位の乱数rを合成する。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態の基本合成部113は、1単位として1ビットの乱数rを生成する。即ち、本実施形態の基本合成部113は、N個の信号強度μ1乃至μNの夫々の基準との比較結果の夫々に基づいて、1ビットの乱数rを合成する。基本合成部113の詳細な構成は、
図4を用いて後述する。
【0019】
ここで、ショット雑音は、光が量子性をもつことに起因する雑音であり、真にランダムであり、原理的に取り除けないという特徴を有する。即ち、測定部112により測定された信号強度μ1乃至μNは、ランダムな揺らぎを有する。本実施形態の乱数発生装置1は、このようにショット雑音といった原理的に取り除くことが不可能なノイズに基づくことで、真性乱数を発生させるものである。
【0020】
このように、基本乱数発生部12は、基本光分割部111と、測定部112と、基本合成部113とにより、光源部11から提供された光信号A1に基づいて、1ビットの乱数rを生成する。
【0021】
なお、基本乱数発生部12は、時系列的に1ビットの乱数rを生成することで複数ビットの乱数を生成することができる。
即ち、上述の説明では、1単位として1ビットの乱数rを、N個の信号強度μ1乃至μNの夫々の基準との比較結果の夫々に基づいて、生成するものとして説明した。つまり、基本合成部113は、1回の測定における測定値μ1乃至μNの組に基づいて1ビットの乱数rを生成する。
しかしながら、基本合成部113は、L回の測定の夫々において生成したL個の1ビットの乱数rを発生することにより、複数ビット(例えばLビット)の乱数を生成することができる。
【0022】
このようにして、基本乱数発生部12は、1単位の乱数rを発生する。発生された乱数rは、適宜他の装置に供給される。具体的には例えば、物理層の暗号化のための装置に供給される。
また例えば、乱数発生装置は、複数の基本乱数発生部12を含んで構成されてもよい。この場合、複数の基本乱数発生部12の夫々から生成された乱数rの夫々は、再度合成される。複数の基本構成を有する乱数発生装置の構成の例の詳細は
図5を用いて後述する。
【0023】
ここで、乱数発生装置1の構成要素であるフォトダイオード等は、従来から一般的に存在する光信号の信号処理装置と基本的に同様の構成を採用することができる従来の光信号処理における一般的な手法である。つまり、上述のように光源部11や、基本光分割部111の構成要素として、従来から一般的に存在する光信号の信号処理装置と基本的に同様の構成を一部又は全部に採用することが可能である。つまり、一般に流通している構成要素を用いることができるため、乱数発生装置1の製造等における金銭的コストや設計コストが削減される。
【0024】
また、本実施形態の乱数発生装置1では、上述のように、測定部112の測定結果である信号強度μ1乃至μNを用いて乱数を合成することにより、乱数を発生させる。この時、測定部112の測定において発生したショット雑音を含む信号強度μ1乃至μN、つまり、信号強度μ1乃至μNの揺らぎに基づいて乱数が発生する。一方で、擬似乱数を発生させる場合、所定のアルゴリズムに基づいて演算を行う必要が有り、高速に品質(独立性や一様性)の高い擬似乱数を生成するためには速度に応じたCPU(Central Processing Unit)の性能向上が必要となりコストがかさんでしまう。
【0025】
本実施形態の乱数発生装置1においても、上述した物理層における暗号の強度を向上させたり担保させたりするためには、その物理層の通信速度の向上と共に、乱数の生成の速度の向上も必要となる。しかしながら、物理層の通信に用いられる一般的に存在する光信号の信号処理装置と共通の構成要素を有することで、物理層の通信速度の向上と共に、本実施形態の乱数発生装置による乱数の生成の速度の向上も達成されると言える。
【0026】
図2は、
図1の乱数発生装置のうち基本分割部のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
即ち、
図2の例の基本光分割部111は、
図1の乱数発生装置1の基本光分割部111として採用される。また、詳しくは
図5等を用いて後述するが、複数の基本乱数発生部12を有する乱数発生装置の構成採用した乱数発生装置1を構成する並列分割部としても採用され得るものである。
そこで、
図2の例の基本光分割部111の説明では、
図1の説明において基本光分割部111に入力や出力された光信号の符号とは異なる符号を用いて説明する。
【0027】
図2の基本光分割部111は、|α’’>で表される第1光信号を、|α’1>乃至|α’N>で表される第2光信号を単位として、分割する。
【0028】
例えば、
図2に示すように、基本光分割部111は、複数のハーフビームスプリッタと、ミラーとを含んで構成され、これらの間は、光路を介して接続されている。
ここで、「ハーフビームスプリッタ」とは、入射された光信号のうち、半分の強度の光信号を透過し、半分の強度の光信号を反射するものである。
また、「ミラー」とは、入射された光信号のうち、全部の強度の光信号を反射するものである。
【0029】
即ち、
図2に示すように、基本光分割部111は、|α’’>で表される第1光信号を、ハーフビームスプリッタとミラーとを用いて繰り返し分割することで、|α’1>乃至|α’N>で表される第2光信号に分割する。
【0030】
以下、
図2を用いて2段階目までの分割の例について説明する。
図2の例において、|α’’>で表される第1光信号は、光路LO21を介して入力される。光路LO21を介して入力された第1光信号は、ハーフビームスプリッタHBS1により分割される。分割された光信号のうち、ハーフビームスプリッタHBS1を透過した光信号は、光路LO22-1に提供される。また、分割された光信号のうちハーフビームスプリッタHBS1を反射した光信号は、光路LO22-2に提供される。なお、光路LO22-2に提供された光信号は、ミラーM1により反射され、光路22-1に提供された光信号と同様の方向(
図2における右方向)に進行する。
【0031】
同様に、光路LO22-1に提供された光信号のうち、ハーフビームスプリッタHBS2-1により透過された光信号は光路LO23-1に提供され、ハーフビームスプリッタHBS2-1により反射された光信号は光路LO23-2に提供される。
また、光路LO22-2に提供された光信号のうち、ハーフビームスプリッタHBS2-1により透過された光信号は光路LO23-3に提供され、ハーフビームスプリッタHBS2-1により反射された光信号は光路LO23-4に提供される。
【0032】
図2の下部には、基本光分割部111の構成について、左から順に「1/2」、「1/4」及び「1/N」と示されている。即ち、「1/2」とは、光路面LO22-1及びLO22-2に提供された光信号は、|α’’>で表される第1光信号を1段階の分割をしたため、1/2の強度であることを示している。
同様に、「1/4」とは、光路LO23-1乃至LO-4に提供された光信号は、|α’’>で表される第1光信号を2段階の分割をしたため、1/4の強度であることを示している。
図2において点線により示すように、基本光分割部111は、光信号を複数段回の分割をすることで、|α’1>乃至|α’N>で表される第2光信号に分割することができる。その結果、基本光分割部111は、
図2において「1/N」と示されているように、1/Nの強度のN個の|α’1>乃至|α’N>で表される第2光信号に分割する。
【0033】
このように、基本光分割部111は、1個の光信号を、半分の強度の2個の光信号に分割する操作を繰り返すことにより、分割する。なお、基本光分割部111は、光信号を分割することができれば足り、上述した
図2の構成、即ち、ハーフビームスプリッタとミラーを用いた構成に限定されない。具体的には例えば、基本光分割部111には、PLCスプリッタ、即ち、1本の光ファイバを複数の光ファイバに分岐するスプリッタが採用されてもよい。
【0034】
図3は、
図1の乱数発生装置のうち光源部及び測定部のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
図3の光源部11及び基本光分割部111は、減衰部13を介して接続されている。
そこで、
図3の例の基本光分割部111の説明では、
図1及び
図2の説明における光信号とは異なる符号を用いて説明する。
【0035】
図3に示す光源部11は、|α’’’>で表される第1光信号を発生させる。
|α’’’>で表される第1光信号は、減衰部13に提供される。
【0036】
図3に示す減衰部13は、提供された|α’’’>で表される第1光信号を、|α’’>で表された光信号として減衰して出力する。このように
図3に示す減衰部13は、第1光信号を減衰して出力することができる。
【0037】
図3に示す基本光分割部111は、
図1及び
図2において説明した基本光分割部111と基本的に同様の構成を有している。即ち、基本光分割部111は、|α’’>で表される光信を、N個の|α’1>乃至|α’N>で表される第2光信号に分割する。
以下、
図3の説明において、「|α’k>(kは1乃至Nのうち任意の整数値)」で表される第2光信号を、「第kの光信号A1」と呼ぶ。
【0038】
図3に示す測定部112は、N個の光信号の夫々を測定するN個の測定部121-1乃至121-Nを有する。
【0039】
以下、第kの光信号A1を測定する測定部121-kについて説明する。
測定部121-kは、ハーフビームスプリッタHBSと、フォトダイオードPD-A及びPD-Bを含んで構成される。
【0040】
測定部121-kは、光路LO31を介して、第kの光信号A1を提供される。第kの光信号A1は、ハーフビームスプリッタHBSにより、|αk(A)>で表される光信号及び|αk(B)>で表される光信号に等分される。
【0041】
|αk(A)>で表される光信号及び|αk(B)>で表される光信号の夫々は、フォトダイオードPD-A及びPD-Bの夫々により測定される。
【0042】
ここで、フォトダイオードは、測定(受光)した光信号の強度に応じた電流を出力する。そこで、
図3に示すように、フォトダイオードPD-Aにおいて測定された|αk(A)>で表される光信号の信号強度を、電流Ik(A)と呼ぶ。また、フォトダイオードPD-Bにより測定された|αk(B)>で表される光信号の信号強度の測定値を、電流Ik(B)と呼ぶ。
【0043】
上述の通り、|αk(A)>で表される光信号及び|αk(B)>で表される光信号は、ハーフビームスプリッタHBSにより等分された光信号であるが、フォトダイオードPD-A及びPD-Bの夫々により測定される際に、ショット雑音が重畳される。
具体的には、電流Ik(A)は、測定(受光)した光子数に比例する。この時、ショット雑音は、光子数に応じたポアソン分布に従う。
その結果、電流Ik(A)及びIk(B)の夫々は、夫々異なるショット雑音が重畳される。
【0044】
ここで、電流Ik(A)及び電流Ik(B)は、
図1の説明における測定値μkの一例である。
図3の基本合成部113は、電流Ik(A)及び電流Ik(B)を含む測定値μ1乃至μNに基づいて、1ビットの乱数rを合成する。このような電流Ik(A)及びIk(B)を用いた場合における基本合成部113における合成の例は、
図4を用いて説明する。
【0045】
このように、ハーフビームスプリッタHBSにより分割(等分)された2つの光信号を夫々測定した電流Ik(A)及びIk(B)の夫々は、ショット雑音により異なる大きさとなる。しかしながら、2つの光信号は、基本的に等分されて生成されているため、統計的には、電流Ik(A)及びIk(B)の大きさの平均値は同一となる。
【0046】
その結果、電流Ik(A)及びIk(B)の差分の統計的な平均値は、ゼロとなる。しかしながら、個々のタイミング(時刻)における電流Ik(A)及びIk(B)の差分は、ショット雑音により変動し、ゼロより大きい確率とゼロより小さい確率が同一となる。
具体的には例えば、ゼロを基準として大きい場合に1、小さい場合にゼロとなるような乱数を生成することで、真性乱数を生成することができる。
そこで、電流Ik(A)及びIk(B)の差分を取ることを前提として、
図3においては電流Ik(B)にマイナスの符号を付して示している。
以下、
図4を用いて、電流Ik(A)及びIk(B)を用いた乱数の合成の詳細について説明する。
【0047】
図4は、
図1の乱数発生装置のうち基本合成部のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図4に示す基本合成部113は、
図3の測定部112が採用された場合、即ち、測定値μkの一例として、電流Ik(A)及び電流Ik(B)が採用された場合における一例である。
図4に示す基本合成部113は、加算器ADDと、比較器COMPと、排他的論理和演算器XORを含んで構成される。
基本合成部113を構成する加算器ADDと比較器COMPにより、測定値μ1乃至μNの夫々に基づいて乱数b1乃至bNが生成される。以下、測定値μkを構成する電流Ik(A)及びIk(B)に基づいて乱数bkを生成する構成について説明する。
【0049】
加算器ADDは、電流Ik(A)及びIk(B)を加算する。ここで、電流Ik(B)は、負の値である。その結果、加算器ADDは、加算した結果として電流Ikを出力する。
ここで、
図3を用いて説明したように、ショット雑音による影響の揺らぎはあるものの、電流Ik(A)及びIk(B)の大きさの平均値は、基本的に同一となる。即ち電流Ik(A)及びIk(B)を加算した結果である電流Ikの平均値は、ゼロとなる。しかしながら、測定部121-kの測定において発生したショット雑音により、電流Ikは、ゼロの周囲で変動する。
【0050】
次に、比較器COMPは、加算器ADDにより出力された電流Ikを、基準であるゼロ比較することにより、乱数bkを生成する。即ち例えば、比較器COMPは、電流Ikが正の場合に1ビットの乱数bkとして1を生成し、電流Ikが負の場合に1ビットの乱数bkとしてゼロを生成する。電流Ikの平均値はゼロであるため、比較器COMPから生成される乱数bkは1とゼロとが均等に出力される。
【0051】
このように、
図3に示す測定部121-kのように、ハーフビームスプリッタHBSにより等分された2つの光信号について、上述のように加算器ADDを用いて加算することにより、加算された結果の電流Ikの平均値はゼロとなる。その結果、比較器COMPで比較する際の対象はゼロとすることができる。換言すれば、1とゼロとが均等に出力されるように比較器COMPを調整する際には、比較器COMPの比較対象をゼロとするだけでよい。
【0052】
このように生成された乱数b1乃至bNは、排他的論理和演算器XORに入力される。排他的論理和演算器XORは、入力された乱数b1乃至bNの排他的論理和を演算し、結果を乱数rとして出力する。その結果、例えば、乱数b1乃至bNに含まれる1の数が奇数個の場合1を出力し、1の数が偶数個の場合ゼロを出力する。これにより、乱数b1乃至bNの何れかの組合せにおいて相関(例えば、仮に乱数b1と乱数b2とが70%の確率で同じ値となるという相関)があったとしても、乱数rは真の乱数に近づくという効果が得られる。
【0053】
図1乃至
図4を用いて説明してきたように、乱数b1乃至bNは、基本的に同一の光源部11から発生された第1光信号を、ハーフビームスプリッタHBS等を用いて等分する等して、同様の測定部121-1乃至121-Nを用いて測定し、生成したものである。つまり、乱数b1乃至bNの夫々は、物理現象に基づく真性乱数であるものの、何らかの要因により相関を持つ可能性が排除できないという性質がある。そこで、
図4の基本合成部113は、排他的論理和演算器XORを有することにより、相関を排除し、乱数としての質を向上させることができる。
【0054】
図5は、
図1の乱数発生装置を発展させた構成、即ち、M個(Mは2以上の整数値)の基本乱数発生部を採用した乱数発生装置の一例を示すブロック図である。
図5の乱数発生装置1は、
図1乃至
図4を用いて説明した基本乱数発生部12をM個有する例を示す図である。即ち、
図5の例の乱数発生装置1は、光源部11と、M個の基本乱数発生部12-1乃至12-Mと、並列分割部14と、並列合成部15とを備える。
図5の例の光源部11は、|α’’>で表される第1光信号を発生させる。
並列分割部14は、光源部11により発生された|α’’>で表される第1光信号を、|α’1>乃至|α’M>で表される第3光信号として分割する。分割された|α’1>乃至|α’M>で表される第3光信号の夫々は、基本乱数発生部12-1乃至12-Mの夫々により、乱数として出力される。即ち、並列分割部14は、M個の基本乱数発生部12-1乃至12-Mの夫々において並列して処理すべく、第1光信号をM個の第3光信号に分割する。
以下、
図5の説明において、「|α’j>(jは1乃至Mのうち任意の整数値)」で表される第2光信号を、「第jの光信号A1」と呼ぶ。
並列分割部14により分割された第1乃至第Mの光信号A1の夫々は、基本乱数発生部12-1乃至12-Mに提供される。
以下、第jの光信号A1を処理する基本乱数発生部12-jについて説明する。
【0055】
基本乱数発生部12-jは、第jの光信号A1に基づいて、1ビットの乱数rjを生成する。
即ち例えば、基本乱数発生部12-1乃至12-Mの夫々は、1ビットの乱数r1乃至rMの夫々を生成する。
並列合成部15は、M個の基本乱数発生部12-1乃至12-Mの夫々により生成された乱数r-1乃至r-Mに基づいて、乱数Rを合成する。乱数Rは、1ビットの乱数であってもよく、複数ビットの乱数であってもよい。
【0056】
並列合成部15が乱数r-1乃至r-Mを用いて複数ビットの乱数Rを合成する場合、乱数を発生させる速度を向上することができる。
具体的には例えば、並列合成部15が乱数r-1乃至r-Mを連結した乱数を乱数Rとする場合、
図5の乱数発生装置1が発生する乱数Rの生成速度は、1つの基本乱数発生部12のM倍に相当することになり、真性乱数をより高速に発生することが可能となる。
【0057】
また、並列合成部15が乱数r-1乃至r-Mを用いて1ビットの乱数Rを合成する場合、乱数Rの独立性質が向上するという効果を奏する。
具体的には例えば、並列合成部15が乱数r-1乃至r-Mに基づいて、1ビットの乱数Rを合成するときにおいて乱数Rの品質(独立性)が向上することに関する詳細は、
図6を用いて後述する。
【0058】
以上、本発明が適用される乱数発生装置1の各種各様な実施形態を説明してきた。しかしながら、本発明が適用される乱数発生装置1は、真性乱数を所定以上の速度で発生させることができれば足り、その構成は上述の実施形態に限定されず、例えば次のようなものであってよい。
【0059】
即ち例えば、
図4に示す基本合成部113は、比較器COMPと、排他的論理和演算器XORを含んで構成され、比較器COMPにより生成された乱数b1乃至bNについて排他的論理和演算器XORによる演算の乱数rがとして出力するものとした。また、これにより、乱数b1乃至bNの何れかの組合せにおいて相関(例えば、乱数b1と乱数b2とが70%の確率で同じ値となるという相関)があったとしても、乱数rは真の乱数に近づくという効果が得られる。
【0060】
しかしながら、基本合成部113による合成の対象となる乱数は、上述の同時に生成された乱数b1乃至bNに限定されない。例えば、
図6に示すように、時系列的に生成された乱数を排他的論理和演算器XORにより演算して乱数rを生成することができる。
以下、時系列的に生成された乱数を排他的論理和演算器XORにより演算する例について
図6を用いて説明する。
【0061】
図6は、
図4の基本合成部による乱数の合成の一例を示す図である。
図6には、時間Tの間にN個の測定部112-1乃至112-Nにより測定された測定値μ1乃至μNの夫々により発生された乱数が模式的に示されている。図示はしないが、
図5を用いて説明したように、乱数r1乃至rMの夫々は測定部112-1乃至112-Nの夫々により生成される。測定部112-1乃至112-Nの夫々は、時系列的に時刻Tの間に複数の乱数を生成する。
【0062】
具体的には例えば、
図6に示すように、基本乱数発生部12-kは、時間Tの間に、乱数bk(1)乃至bk(T)を生成する。
図6において、順次生成された乱数が左から右に配置されて図示されている。
即ち、群G1に属する乱数b1(1)乃至bN(1)は、同時に生成された乱数である。この場合、上述したように、乱数b1乃至bNの何れかの組合せにおいて相関が発生する可能性が比較的高いと言える。しかしながら、群G1に属する乱数b1(1)乃至bN(1)について、排他的論理和演算器XORを演算することにより、その結果得られる乱数rの独立性は向上する。
【0063】
しかしながら、次に説明する群G2に属する乱数b1(1)乃至bN(T)を用いて演算することにより、乱数rの独立性はさらに向上される。
即ち、排他的論理和演算器XORは、異なる時刻に生成された乱数群に基づいて結果の乱数rを演算する、これにより、
具体的には例えば、群G2に属する乱数b1(1)乃至bN(T)は、各時刻(例えば、(1)乃至(T)の各時刻)において生成された乱数であって、同時に生成された乱数は存在しない。
【0064】
ここで、例えば、乱数同士の相関は、光源部11や測定部121において、同時に発生する可能性が高いと考えられる。具体的には例えば、ある瞬間に光源部11に変動があった場合、その変動の影響を受けた第1光信号は、基本光分割部111により第2光信号に分割されほぼ同時に測定部112に到達する。また例えば、測定部112に外来の電気ノイズが発生した場合、測定値μ1乃至μNにおいて相関が発生する可能性も存在する。
そこで、上述したように、排他的論理和演算器XORは、異なる時刻に生成された乱数群に基づいて結果の乱数rを演算することで、このような相関を除いて排他的論理和を演算し、乱数rの独立性を向上させることができる。
【0065】
また例えば、
図1や
図2を用いて説明したように、光信号は、測定されることによりショット雑音が発生される。しかしながら、真性乱数を発生させるための雑音にはその他の要因による雑音が含まれてもよい。そこで、光源部11から発生される第1光信号がより大きな雑音をもつようにすることで、乱数発生装置1により発生される乱数rを決定づける際における雑音を増加させることができる。
光源部11から発生される第1光信号の雑音を大きくする方法について、
図7を用いて説明する。
【0066】
図7は、
図2の光源部のレーザ光の雑音強度を増強するための構成の一例を示す図である。
【0067】
図7の例において、光源部11から出力された光信号は、部分反射ミラーPRMを介して出力される。
具体的には例えば、まず、光源部11から発生された第1光信号は、光路LO71を介して出力される。部分反射ミラーPRMは、一部の光信号を反射し、他の光信号を透過する。即ち、光路LO71を介して出力された第1光信号のうち一部の光信号は反射され、光路LO72を介して光源部11へ提供される。また、光路LO71を介して出力された第1光信号のうち他の光信号は透過され、光路LO73を介して基本光分割部111へ提供される。
これにより、光源部11は、共振器R1及びR2を含む二重共振器構造となる。その結果、基本光分割部111へ供給される第1光信号の雑音強度が増強される。
【0068】
具体的には例えば、上述したように光源部11には、レーザ光源が採用される。
従来、レーザ光源は、領域R1からなる光共振器の構造を有し、共振器内の光信号の一部を取り出すことで、コヒーレント光を出力する。このとき、光源部11は、領域R1からなる1つの共振器構造を有するからこそ、安定した強度のレーザ光を出力することができる。
【0069】
一方で、
図6に示した共振器R1及びR2を含む二重共振器構造を採用することにより、光源部11により発光されるレーザ光の強度の安定性を損なわせることで、雑音を増強することができる。
なお、既製品の光源部11は、レーザ光を照射する対象物(例えば、光学ディスク)からの反射光による影響を軽減するため、光の出力部(光源部11と光路LO71及びLO72との境界)に光アイソレータを有し、光源部に入射する光(例えば、光路LO72を介する光信号)を遮断する構造を有することがある。このような場合、光アイソレータを取り外してもよく、光源部11の背面(
図7の例では左方)から第1光信号の一部を入射してもよい。これにより、同様の効果を奏することができる。
【0070】
しかしながら、このように、二重共振器構造を採用した場合、第1光信号の強度は、時系列的に変動することがある。その結果、例えば、第2光信号の強度も時系列的に変動することとなる。このような第2光信号を前提として、所定の強度の基準との比較結果に基づいて乱数を発生させると、時系列的に乱数の偏りが発生する(乱数の独立性が低下する)恐れがある。
【0071】
そこで、第1光信号の時系列的な変動よりも長いTを採用し、
図6で説明した、合成を行うことで、乱数の独立性を向上させることができる。これにより、個々の時刻における雑音を増強することで、より容易に雑音を乱数に変換することが可能となる。また、雑音の増強に伴って低下した乱数の独立性を再度向上させることができる。
【0072】
以上まとめると、本発明が適用される乱数発生装置は、次のようなものであれば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
即ち、本発明が適用される乱数発生装置(例えば
図1の乱数発生装置1)は、
所定の第1光信号(例えば、
図1の|α’>で表される光信号や、
図2の|α’’>で表される光信号)を発生させる光信号発生部(例えば、
図1の光源部11)と、
前記第1光信号を、N個(Nは2以上の整数値)の第2光信号(|α1>乃至|αN>で表される光信号)を単位として分割する分割部(例えば、
図1の基本光分割部111)と、
前記N個の第2光信号の夫々の信号強度を測定する測定部(例えば、
図1の測定部121-1乃至121-N)と、
前記測定部の測定において発生したショット雑音が夫々重畳したN個の信号強度の夫々と基準との比較結果の夫々に基づく値を合成することで、1単位の乱数を生成する合成部(例えば、
図1の基本合成部113)と、
を備える。
【0073】
本発明が適用される乱数発生装置では、測定部の測定において発生したショット雑音に基づいて乱数が生成される。即ち、乱数のランダム性は、所定のアルゴリズムの演算等における疑似乱数の演算過程により発生するものではなく、測定における物理現象として発生したものである。従って、所定のアルゴリズムの演算と比較して、容易に高速な乱数発生を行うことができる。
本発明が適用される乱数発生装置の構成要素(光源部11、基本光分割部111、及び測定部112等)の構成は、従来から一般的に存在する光信号の信号処理装置と基本的に同様の構成を採用することができる。つまり、一般に流通している構成要素を用いることができるため、乱数発生装置1の製造等における金銭的コストや設計コストが削減される。
また、信号処理装置は、光信号発生部から発生された第1光信号を、分割部を用いて分割して、N個の測定部に入力する第2光信号とすることができる。N個の第2光信号の測定結果に基づいて乱数が合成されることにより、乱数の独立性が向上する。つまり、乱数の品質が向上する。
即ち、よい品質の真性乱数の発生速度を向上させる技術を低コストで簡単に実現できる。
【0074】
さらに、
前記乱数発生装置は、前記分割部と前記測定部と前記合成部とを1つの単位(
図5の基本乱数発生部12-Kを単位)として、
M個(Mは2以上の整数値)の単位を有する、ことができる。
これにより、M個の単位の夫々において乱数が生成される。即ち、乱数の生成を並列に行うことにより、真性乱数の発生速度を向上させることができる。また例えば、M個の乱数からM個未満の乱数を生成することにより、乱数の品質を向上させることもできる。
【0075】
さらに、
前記光信号発生部は、
前記第1光信号の雑音強度を増幅するための機構を有する、ことができる。
これにより、第2光信号の雑音強度が増幅し、測定部における信号強度の揺らぎが大きくなる。その結果、信号強度の揺らぎを乱数として合成することが容易となる。
【0076】
さらに、
前記合成部は、
同一の時刻の前記第1光信号に基づく前記M個の乱数を同一時刻乱数群として、
複数の時刻の同一時刻乱数群から夫々取得したM個の乱数に基づいて、乱数を合成する、ことができる。
これにより、異なる時刻のM個の乱数に基づいて乱数が合成される。このように合成された乱数は、同一時刻のM個の乱数に基づいて乱数を合成する場合と比較して、品質が向上される。
【符号の説明】
【0077】
1・・・乱数発生装置、11・・・光源部、12・・・基本乱数発生部、13・・・減衰部、14・・・並列分割部、15・・・並列合成部、111・・・基本光分割部、112・・・測定部、113・・・基本合成部、121・・・測定部