IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許7572065ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム
<>
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図1
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図2
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図3
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図4
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図5
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図6
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図7
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図8
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図9
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図10
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図11
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図12
  • 特許-ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022002243
(22)【出願日】2022-01-11
(65)【公開番号】P2023101977
(43)【公開日】2023-07-24
【審査請求日】2022-01-11
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 修平
(72)【発明者】
【氏名】入内島 一成
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 珠実
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】松田 直也
【審判官】安井 雅史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-257496(JP,A)
【文献】特開平5-250550(JP,A)
【文献】特開2017-59059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、前記メニューの個別ポイントを算出する個別ポイント算出部と、
前記メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出する実績ポイント算出部と、
前記個別ポイントを前記実績ポイントによって修正したポイントであり、前記メニューを注文した顧客に付与するポイントである付与ポイントを算出する付与ポイント算出部と、を備え、
前記個別ポイント算出部は、
前記メニューに使用される食材の期限の消化が大きい程、ポイントが高くなるように前記メニューの個別ポイントを算出し、前記メニューに使用される食材の期限の消化が小さい程、ポイントが低くなるように前記メニューの個別ポイントを算出し、
前記付与ポイント算出部は、
前記メニューの所定期間の売上げ実績が良い程、前記個別ポイントを低くするように修正した前記付与ポイントを算出し、前記メニューの所定期間の売上げ実績が悪い程、前記個別ポイントを高くするように修正した前記付与ポイントを算出する
ポイント付与装置。
【請求項2】
前記実績ポイント算出部は、
前記店舗で提供される全てのメニューに対する前記メニューの所定期間の売上げ実績率に基づいて、前記実績ポイントを算出する
請求項1に記載のポイント付与装置。
【請求項3】
前記付与ポイントを前記顧客から注文を受け付ける注文受付端末に出力させる付与ポイント出力部をさらに備え、
前記付与ポイント算出部は、
前記店舗で提供されるメニューごとに付与ポイントを算出し、
前記付与ポイント出力部は、
前記付与ポイントが算出されたメニューの中で、前記付与ポイントが高いメニューを前記注文受付端末に優先的に出力する
請求項1又は2に記載のポイント付与装置。
【請求項4】
前記付与ポイント出力部は、
前記付与ポイントと共に、前記メニューの名称と価格との少なくとも1つを含む前記メニューの情報を前記注文受付端末に出力させる
請求項3に記載のポイント付与装置。
【請求項5】
前記付与ポイントを前記顧客の会計を行うPOS端末に出力させる付与ポイント出力部をさらに備える
請求項1又は2に記載のポイント付与装置。
【請求項6】
前記個別ポイント算出部は、
前記店舗で提供されるメニューに使用される食材の分量と食材の期限とに基づく期限ポイントと、前記食材の残在庫と食材の期限とに基づく在庫ポイントとを合計することによって、前記メニューの個別ポイントを算出する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポイント付与装置。
【請求項7】
コンピュータが
店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、前記メニューの個別ポイントを算出し、
前記メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出し、
前記個別ポイントを前記実績ポイントによって修正したポイントであり、前記メニューを注文した顧客に付与するポイントである付与ポイントを算出し、
さらに、
前記メニューに使用される食材の期限の消化が大きい程、ポイントが高くなるように前記メニューの個別ポイントを算出し、前記メニューに使用される食材の期限の消化が小さい程、ポイントが低くなるように前記メニューの個別ポイントを算出し、
前記メニューの所定期間の売上げ実績が良い程、前記個別ポイントを低くするように修正した前記付与ポイントを算出し、前記メニューの所定期間の売上げ実績が悪い程、前記個別ポイントを高くするように修正した前記付与ポイントを算出する
ポイント付与方法。
【請求項8】
店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、前記メニューの個別ポイントを算出する処理と、
前記メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出する処理と、
前記個別ポイントを前記実績ポイントによって修正したポイントであり、前記メニューを注文した顧客に付与するポイントである付与ポイントを算出する処理と、をコンピュータに実行させ、
さらに、
前記メニューに使用される食材の期限の消化が大きい程、ポイントが高くなるように前記メニューの個別ポイントを算出し、前記メニューに使用される食材の期限の消化が小さい程、ポイントが低くなるように前記メニューの個別ポイントを算出する処理と、
前記メニューの所定期間の売上げ実績が良い程、前記個別ポイントを低くするように修正した前記付与ポイントを算出し、前記メニューの所定期間の売上げ実績が悪い程、前記個別ポイントを高くするように修正した前記付与ポイントを算出する処理と、をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗で提供される各メニューに使用される食材の期限に基づいて、各メニューにポイント付けし、顧客のメニューの注文時にポイントを付与するなどして、食品ロスになる恐れがあるメニューを顧客に注文されやすくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-257496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、使用される食材の期限(消費期限又は賞味期限)切れ間近のメニューのポイントは高くなる。そのため、消費期限が短い食材は、たとえ放っておいても実際は顧客に購入されて消化される見込みのあるメニューであってもポイントが高くなる。したがって、販売側(店舗側)の利益の向上に改善の余地があった。
【0005】
本開示は、そのような問題点を鑑みることによって、食品ロスを削減することに加え、販売側の利益の向上ができるポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のポイント付与装置は、
店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、前記メニューの個別ポイントを算出する個別ポイント算出部と、
前記メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出する実績ポイント算出部と、
前記個別ポイントと前記実績ポイントとに基づいて、前記メニューを注文した顧客に付与する付与ポイントを算出する付与ポイント算出部と、を備える。
【0007】
本開示のポイント付与方法は、
コンピュータが
店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、前記メニューの個別ポイントを算出し、
前記メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出し、
前記個別ポイントと前記実績ポイントとに基づいて、前記メニューを注文した顧客に付与する付与ポイントを算出する。
【0008】
本開示のプログラムは、
店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、前記メニューの個別ポイントを算出する処理と、
前記メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出する処理と、
前記個別ポイントと前記実績ポイントとに基づいて、前記メニューを注文した顧客に付与する付与ポイントを算出する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によって、食品ロスを削減ことに加え、販売側の利益の向上ができるポイント付与装置、ポイント付与方法及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るポイント付与装置の構成を示すブロック図である。
図2】第2の実施形態に係るポイント付与システムの構成を示すブロック図である。
図3】第2の実施形態に係るポイント付与装置の構成を示すブロック図である。
図4】第2の実施形態に係るポイント付与システムの動作を示すシーケンス図である。
図5】第2の実施形態に係るポイント付与システムのレシピマスタ表を作成する動作を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態に係るポイント付与装置において作成されたレシピマスタ表の一例を示す表である。
図7】第2の実施形態に係るポイント付与システムの販売実績表を作成する動作を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態に係るポイント付与装置において作成された販売実績表の一例を示す表である。
図9】第2の実施形態に係るポイント付与システムの食材在庫マスタ表を作成する動作を示すフローチャートである。
図10】第2の実施形態に係るポイント付与装置において作成された食材在庫マスタ表の一例を示す表である。
図11】第2の実施形態に係るポイント付与システムのメニュー別ポイント表を作成する動作を示すフローチャートである。
図12】第2の実施形態に係るポイント付与装置において作成されたメニュー別ポイント表の一例を示す表である。
図13】本実施形態に係るコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係るポイント付与装置10の動作を説明する。ポイント付与装置10は、個別ポイント算出部112、実績ポイント算出部113及び付与ポイント算出部114を備える。
【0013】
個別ポイント算出部112は、店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、メニューの個別ポイントを算出する。実績ポイント算出部113は、メニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出する。付与ポイント算出部114は、個別ポイントと実績ポイントとに基づいて、メニューを注文した顧客に付与する付与ポイントを算出する。
【0014】
第1の実施形態に係るポイント付与装置10は、店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限に基づいて、食品ロスを削減するための個別ポイントを算出する。さらに、ポイント付与装置10は、メニューの所定期間の売上げ実績に基づく実績ポイントを個別ポイントに反映した付与ポイントを顧客に付与する。したがって、ポイント付与装置10は、消費期限などの期限が短いが、顧客に購入される見込みがあるメニューの付与ポイントが高くなることを防ぐ。したがって、ポイント付与装置10は、食品ロスの削減に加え、店舗側の利益の向上ができる。
【0015】
(第2の実施形態)
続いて、図2を用いて、第2の実施形態に係るポイント付与システム200の構成を説明する。図2に示すように、ポイント付与システム200は、ポイント付与装置10、注文受付端末20及びPOS(Point of Sales)端末30を備える。
【0016】
ポイント付与装置10は、例えば店舗又は店舗外に設置されるサーバであり、注文受付端末20及びPOS端末30と通信する。ポイント付与装置10は、制御部11及び記憶部12を備える。制御部11は、店舗で提供される各メニューにおいて、メニューを注文した顧客に付与する付与ポイントを算出する。ポイント付与装置10は、付与ポイントを注文受付端末20及びPOS端末30に送信する。記憶部12は、付与ポイントの算出または格納に用いられる、レシピマスタ表、食材在庫マスタ表、販売実績表及びメニュー別ポイント表を記憶する。
【0017】
注文受付端末20は、店舗に設置され、顧客から顧客に提供されるメニューの注文を受け付ける端末である。具体的には、注文受付端末20は、制御部21、入力部22及び出力部23を備える。制御部21は、入力部22から顧客の注文情報を入力する。制御部21は、顧客の注文情報に従って、メニューの情報を出力部23に出力する。また、制御部21は、ポイント付与装置10の指示に従って、メニューの情報及び付与ポイントを出力する。入力部22は、ディスプレイに出力されたタッチパネルなど顧客の操作情報を入力する機能を有する。出力部23は、ディスプレイなど顧客に情報を出力する機能を有する。
【0018】
POS端末30は、店舗に設置され、顧客の注文したメニューの会計をする端末である。POS端末30は、制御部31、入力部32及び出力部33を備える。制御部31は、入力部32から顧客の注文情報を入力する。また、制御部31は、注文受付端末20から顧客が注文したメニューのメニュー情報及び付与ポイントの情報を受信する。制御部31は、顧客が注文したメニューのメニュー情報に基づいて会計を行う。制御部31は、会計結果を出力部33に出力する。制御部31は、会計結果と共に付与ポイントを出力部33に出力する。ここで、制御部31は、例えば顧客の用いる顧客端末に注文されたメニューに対する付与ポイントを送信してもよい。また、制御部31は、顧客の用いるポイントカードに顧客に注文されたメニューに対する付与ポイントを付与してもよい。
【0019】
続いて、図3を用いて、ポイント付与装置10の制御部11の具体的な構成を説明する。図3に示すように、制御部11は、データ取得部111、個別ポイント算出部112、実績ポイント算出部113、付与ポイント算出部114及び付与ポイント出力部115を備える。
【0020】
データ取得部111は、店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限の情報、分量の情報、残在庫の情報を取得する。また、データ取得部111は、所定期間におけるメニューの売上げ実績の情報を取得する。取得された各情報は、記憶部12に記憶される。
【0021】
個別ポイント算出部112は、店舗で提供されるメニューに使用される食材の期限の情報に基づいて、メニューの個別ポイントを算出する。個別ポイント算出部112は、店舗で提供されるメニューごとに個別ポイントを算出する。詳細には、個別ポイント算出部112は、メニューに使用される食材の分量の情報と食材の期限の情報とに基づく期限ポイントと、食材の残在庫の情報と食材の期限の情報とに基づく在庫ポイントとを合計することによって、メニューの個別ポイントを算出する。そして、個別ポイント算出部112は、メニューに使用される各食材の各個別ポイントに基づいてメニューの個別ポイントを算出する。
【0022】
実績ポイント算出部113は、店舗で提供されるメニューの所定期間の売上げ実績に基づいて、実績ポイントを算出する。実績ポイント算出部113は、店舗で提供されるメニューごとに実績ポイントを算出する。詳細には、実績ポイント算出部113は、店舗で提供される全てのメニューに対するメニューの所定期間の売上げ実績率(以下、メニュー係数)に基づいて、実績ポイント算出する。
【0023】
付与ポイント算出部114は、個別ポイントと実績ポイントとに基づいて、メニューを注文した顧客に付与する付与ポイントを算出する。付与ポイント算出部114は、店舗で提供されるメニューごとに付与ポイントを算出する。例えば、付与ポイント算出部114は、個別ポイントにメニュー係数を乗算することによって、付与ポイントを算出する。
【0024】
付与ポイント出力部115は、付与ポイントを注文受付端末20に出力させる。付与ポイント出力部115は、付与ポイントが算出されたメニューの中で、付与ポイントの高いメニューを優先的に注文受付端末20に出力する。例えば、付与ポイント出力部115は、付与ポイントが高い順に付与ポイントが算出されたメニューを注文受付端末20に出力する。また、付与ポイント出力部115は、付与ポイントと共に、メニューの名称と価格との少なくとも1つを含むメニューの情報を注文受付端末20に出力させる。
また、付与ポイント出力部115は、付与ポイントをPOS端末30に出力させる。
【0025】
続いて、図4を用いて、第2の実施形態に係るポイント付与システム200の動作を説明する。
図4に示すように、まず、ポイント付与装置10は、レシピマスタ表を作成する(ステップS11)。具体的に、図5を用いて、ポイント付与装置10のレシピマスタ表を作成する動作(ステップS11)を説明する。
【0026】
図5に示すように、まず、ポイント付与装置10は、メニューのメニューNoを取得する(ステップS111)。次に、ポイント付与装置10のデータ取得部111は、メニュー(の名称)を取得する(ステップS112)。次に、データ取得部111は、メニューに使用される食材の食材No及び食材の名称を取得する(ステップS113)。次に、データ取得部111は、メニューに使用される食材の分量(g)を取得する(ステップS114)。
【0027】
そして、ポイント付与装置10の記憶部12は、メニューNo、メニュー、食材No、食材の名称、食材の分量(g)をレシピマスタ表に記憶する。具体的には、図6を用いて、ポイント付与装置10において記憶されたレシピマスタ表の一例を説明する。
【0028】
図6に示すように、レシピマスタ表には次の情報が記憶される。例えばメニューであるミートソーススパゲッティに使用される食材は、パスタとミートソースである。使用されるパスタの分量は、100(g)である。また、使用されるミートソースの分量は、80(g)である。ここで、ミートソーススパゲッティのメニューNoは、M-0001である。パスタの食材NoはS-0001であり、ミートソースの食材Noは、S-0002である。
【0029】
図4の説明に戻る。次に、ポイント付与装置10は、販売実績表を作成する(ステップS12)。具体的に、図7を用いて、ポイント付与装置10の販売実績表を作成する動作(ステップS12)を説明する。
【0030】
図7に示すように、まず、ポイント付与装置10のデータ取得部111は、メニューのメニューNoを取得する(ステップS121)。次に、データ取得部111は、メニュー(の名称)を取得する(ステップS122)。次に、データ取得部111は、メニューの販売数情報を取得する(ステップS123)。販売数情報は、例えば前週の同一曜日におけるメニューの販売数の情報である。なお、販売数情報は、前週の同一曜日におけるメニューの販売数の情報に限られず、前々週の同一曜日におけるメニューの販売数の情報でもよい。
【0031】
次に、ポイント付与装置10の実績ポイント算出部113は、メニューに対するメニュー係数(実績ポイント)を算出する(ステップS124)。メニュー係数は、メニュー係数=1-(メニューの販売数(単品)/メニューの販売数(合計))の式で算出される。メニューの販売数(単品)は、店舗で提供される所定の単品メニューの販売数を示す。メニューの販売数(合計)は、店舗で提供される全メニューの販売数を示す。
【0032】
そして、ポイント付与装置10の記憶部12は、メニューNo、メニュー、メニューの販売数、メニュー係数を販売実績表に記憶する。具体的には、図8を用いて、ポイント付与装置10において記憶された販売実績表の一例を説明する。
【0033】
図8に示すように、販売実績表には次の情報が記憶される。例えば、ミートソーススパゲッティの前週の同一曜日における販売数は、10である。また、前週の同一曜日におけるメニューの販売数の合計は、100である。ミートソーススパゲッティのメニュー係数は、1-(10/100)の0.9である。
【0034】
図4の説明に戻る。次に、ポイント付与装置10は、食材在庫マスタ表を作成する(ステップS13)。具体的に、図9を用いて、ポイント付与装置10の食材在庫マスタ表を作成する動作(ステップS13)を説明する。
【0035】
図9に示すように、まず、ポイント付与装置10のデータ取得部111は、メニューに使用される食材の食材No及び名称を取得する(ステップS131)。次に、データ取得部111は、食材の仕入日情報を取得する(ステップS132)。次に、データ取得部111は、食材の消費期限情報を取得する(ステップS133)。次に、データ取得部111は、現在日情報を取得する(ステップS134)。
【0036】
次に、ポイント付与装置10の個別ポイント算出部112は、食材の消費期限情報と現在日情報とから食材の期限残日を算出する(ステップS135)。食材の期限残日は、食材の期限残日=食材の消費期限-食材の現在日の式で算出される。
【0037】
次に、個別ポイント算出部112は、食材の消費期限情報と仕入日情報とから食材の期限全日を算出する(ステップS136)。食材の期限全日は、食材の期限全日=食材の消費期限-食材の仕入日の式で算出される。
【0038】
次に、個別ポイント算出部112は、食材の残日情報と期限全日とから食材の期限消化率(%)を算出する(ステップS137)。期限消化率(%)は、期限消化率(%)=(1-期限残日/期限全日))×100の式で算出される。
次に、ポイント付与装置10のデータ取得部111は、食材の残在庫(kg)情報を取得する(ステップS138)。
【0039】
そして、ポイント付与装置10の記憶部12は、食材No、食材の名称、食材の仕入日、食材の消費期限、食材の期限残日、食材の期限全日、食材の期限消化率(%)及び食材の残在庫(kg)の情報を含む食材在庫マスタ表を記憶する。具体的には、図10を用いて、ポイント付与装置10において記憶された食材在庫マスタ表の一例を説明する。
【0040】
図10に示すように、食材在庫マスタ表には次の情報が記憶される。例えばミートソーススパゲッティに使用される食材のパスタの仕入日は2020/10/04である。パスタの消費期限は2023/09/24である。現在日は、2021/10/05である。パスタの期限残日は、消費期限(2023/09/24)-現在日(2021/10/05)の720である。パスタの期限全日は、消費期限(2023/09/24)-仕入日(2020/10/04)の1,086である。パスタの期限消化率(%)は、(1-期限残日(720)/期限全日(1,086))×100の33(%)である。パスタの残在庫(kg)は20(kg)である。
【0041】
また、ミートソーススパゲッティに使用される食材のミートソースの仕入日は2021/07/02である。ミートソースの消費期限は2021/10/08である。現在日は、2021/10/05である。ミートソースの期限残日は、消費期限(2021/10/08)-現在日(2021/10/05)の4である。ミートソースの期限全日は、消費期限(2021/10/08)-仕入日(2021/07/02)の99である。ミートソースの期限消化率(%)は、(1-期限残日(4)/期限全日(99))×100の95(%)である。ミートソースの残在庫(kg)は7(kg)である。
【0042】
図4の説明に戻る。次に、ポイント付与装置10は、メニュー別ポイント表を作成する(ステップS14)。具体的に、図11を用いて、第2の実施形態に係るポイント付与システム200のメニュー別ポイント表を作成する動作(ステップS14)を説明する。
【0043】
図11に示すように、まず、ポイント付与装置10の個別ポイント算出部112は、記憶部12に記憶されたレシピマスタ表を参照する(ステップS141)。個別ポイント算出部112は、レシピマスタ表からメニューNo、メニュー、メニューに使用される食材の食材No、食材の名称及び食材の分量(g)を取得する(ステップS142)。
【0044】
次に、個別ポイント算出部112は、記憶部12に記憶された食材在庫マスタ表を参照する(ステップS143)。個別ポイント算出部112は、食材在庫マスタ表から食材の残在庫(kg)及び食材の期限消化率(%)を取得する(ステップS144)。
【0045】
次に、個別ポイント算出部112は、食材の分量(g)及び食材の期限消化率(%)を用いて、食材の期限ポイントを算出する(ステップS145)。詳細には、食材の期限ポイントは、食材の期限ポイント=食材の分量(g)×食材の期限消化率(%)の式で算出される。
次に、個別ポイント算出部112は、食材の残在庫(kg)及び食材の期限消化率(%)を用いて、食材の在庫ポイントを算出する(ステップS146)。詳細には、食材の在庫ポイントは、食材の在庫ポイント=食材の残在庫(kg)×食材の期限消化率(%)の式で算出される。
【0046】
次に、個別ポイント算出部112は、食材及びメニューの個別ポイントを算出する(ステップS147)。食材の個別ポイントは、食材の個別ポイント=食材の期限ポイント+食材の在庫ポイントの式によって算出される。メニューの個別ポイントは、メニューに使用される食材の合計ポイントを合計することによって算出される。
【0047】
次に、ポイント付与装置10の実績ポイント算出部113は、記憶部12に記憶される販売実績表を参照する(ステップS148)。実績ポイント算出部113は、販売実績表からメニュー係数(実績ポイント)を取得する(ステップS149)。
次に、実績ポイント算出部113は、メニューの個別ポイント及びメニュー係数を用いて、メニューの付与ポイントを算出する(ステップS1410)。詳細には、メニューの付与ポイントは、メニューの付与ポイント=メニューの個別ポイント×メニュー係数の式で算出される。
【0048】
そして、ポイント付与装置10の記憶部12は、メニューNo、メニュー、食材No、食材の名称、食材の分量(g)、食材の残在庫(kg)、期限ポイント、在庫ポイント、個別ポイント、メニュー係数及び付与ポイントの情報を含むメニュー別ポイント表を記憶する。具体的には、図12を用いて、ポイント付与装置10に記憶されたメニュー別ポイント表の一例を説明する。
【0049】
図12に示すように、メニュー別ポイント表には次の情報が記憶される。例えばミートソーススパゲッティに使用される食材のパスタの分量は、100(g)である。パスタの残在庫(kg)は、20(kg)である。パスタの期限消化率(%)は、33(%)である。パスタの期限ポイントは、パスタの分量(100(g))×パスタの期限消化率(33(%))の33である。パスタの在庫ポイントは、パスタの在庫量(20(kg))×パスタの期限消化率(33(%))の6である。パスタの個別ポイントは、パスタの期限ポイント(33)+食材の在庫ポイント(6)の39である。
【0050】
また、ミートソーススパゲッティに使用される食材のミートソースの分量は、80(g)である。ミートソースの残在庫(kg)は、7(kg)である。ミートソースの期限消化率(%)は、95(%)である。ミートソースの期限ポイントは、ミートソースの分量(80(g))×ミートソースの期限消化率(95(%))の76である。ミートソースの在庫ポイントは、ミートソースの在庫量(7(kg))×ミートソースの期限消化率(95(%))の6である。ミートソースの個別ポイントは、ミートソースの期限ポイント(76)+ミートソースの在庫ポイント(6)の82である。
【0051】
ミートソーススパゲッティには、パスタとミートソースが食材として用いられている。そのため、ミートソーススパゲッティの個別ポイントは、パスタの個別ポイント(39)+ミートソースの個別ポイント(82)の121である。
したがって、ミートソーススパゲッティの付与ポイントは、ミートソーススパゲッティの個別ポイント(121)×ミートソーススパゲッティのメニュー係数(0.9)の108である。
【0052】
図4の説明に戻る。次に、ポイント付与装置10は、メニューの情報及び当該メニューに対する付与ポイントの情報を注文受付端末20に送信する(ステップS15)。
【0053】
次に、注文受付端末20は、付与ポイントが上位のメニューを優先的に顧客に対して表示する(ステップS16)。例えば、注文受付端末20は、付与ポイントが高い順に付与ポイントが算出されたメニューを出力する。また、注文受付端末20は、付与ポイントと共に、メニューの名称と価格との少なくとも1つを含むメニューの情報を出力する。
【0054】
次に、注文受付端末20は、顧客からメニューの注文を受け付ける(ステップS17)。
次に、注文受付端末20は、顧客に注文されたメニューの注文情報及び当該メニューに対する付与ポイントの情報をPOS端末30に送信する。注文情報には、顧客に注文されたメニューのメニューNoや価格等の情報が含まれる。ここで、注文受付端末20は、顧客に複数のメニューが注文された場合、当該複数のメニューの注文情報及び当該複数のメニューに対する付与ポイントの情報をPOS端末30に送信する。
【0055】
次に、POS端末30は、顧客に注文されたメニューの注文情報及び当該メニューに対する付与ポイントの情報を注文受付端末20から受信する。なお、POS端末30は、注文受付端末20において顧客によって注文されたメニューの付与ポイントの情報をポイント付与装置10から受信し、会計時に顧客に付与ポイントを付与してもよい。
【0056】
次に、POS端末30は、注文受付端末20から取得した注文情報を用いて顧客に注文されたメニューの会計を行う(ステップS19)。
次に、POS端末30は、顧客に注文されたメニューに対する付与ポイントを顧客に付与する(ステップS20)。例えばPOS端末30は、顧客の用いる顧客端末に注文されたメニューに対する付与ポイントを送信する。また、POS端末30は、顧客の用いるポイントカードに顧客に注文されたメニューに対する付与ポイントを付与する。ここで、POS端末30は、顧客に複数のメニューが注文された場合、当該複数のメニューの付与ポイントの合計を顧客に付与する。
【0057】
次に、注文受付端末20は、顧客に注文されたメニューの注文情報をポイント付与装置10に送信する(ステップS21)。
ポイント付与装置10は、顧客にメニューが注文されることによる当該メニューに使用される食材の消化状況を記憶された食材在庫マスタ表にフィードバックする(ステップS22)。
【0058】
なお、ポイント付与システム200は、ステップS21の処理~ステップS22の処理をステップS18の処理~ステップS20の処理より前に行ってもよい。
【0059】
第2の実施形態に係るポイント付与システム200は、店舗で提供されるメニュー使用される食材の期限に基づいて、食品ロスを削減するための個別ポイントを算出する。さらに、ポイント付与システム200は、メニューの所定期間の売上げ実績に基づく実績ポイントを個別ポイントに反映した付与ポイントを顧客に付与する。したがって、ポイント付与システム200は、消費期限などの期限が短いが、顧客に購入される見込みがあるメニューの付与ポイントが高くなることを防ぐ。したがって、ポイント付与システム200は、食品ロスの削減に加え、店舗側の利益の向上ができる。
【0060】
また、ポイント付与システム200は、付与ポイントが算出されたメニューの中で、付与ポイントが高いメニューを注文受付端末に優先的に出力する。したがって、ユーザが付与ポイントの高いメニューを選択する可能性を高めることによって、食品ロスの削減に加え、店舗側の利益の向上がより期待できる。
【0061】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、ポイント付与装置10の各機能を注文受付端末20またはPOS端末30が備えていてもよい。
【0062】
<ハードウェア構成の例>
ポイント付与装置10、注文受付端末20及びPOS端末30の各機能構成部は、各機能構成部を実現するハードウェア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、上記装置の各機能構成部がハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0063】
図13は、コンピュータ500のハードウェア構成を例示するブロック図である。ポイント付与装置10、注文受付端末20及びPOS端末30はいずれも、図13に示すハードウェア構成を持つコンピュータ500で実現することができる。コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよいし、PC(Personal computer)などの据え置き型のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。例えば、注文受付端末20は、顧客から顧客に提供されるメニューの注文を受け付ける専用の端末であってもよい。POS端末30は、顧客の注文したメニューの会計をする機能を有する専用の端末であってもよい。
【0064】
例えば、コンピュータ500に対して所定のアプリケーションをインストールすることにより、コンピュータ500に所望の機能を持たせることができる。例えば、ポイント付与装置10の各機能を実現するアプリケーションをコンピュータ500にインストールすることにより、コンピュータ500で、各機能が実現される。
【0065】
コンピュータ500は、バス501、プロセッサ502、メモリ503、ストレージデバイス504、入出力インタフェース(I/F)505、及びネットワークインタフェース(I/F)506を有する。バス501は、プロセッサ502、メモリ503、ストレージデバイス504、入出力インタフェース505、及びネットワークインタフェース506が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ502などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0066】
プロセッサ502は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は FPGA(Field-Programmable Gate Array)などの種々のプロセッサである。メモリ503は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。ストレージデバイス504は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又は ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。
【0067】
入出力インタフェース505は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース505には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0068】
ネットワークインタフェース506は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、LAN(Local Area Network)であってもよいし、WAN(Wide Area Network)であってもよい。
【0069】
ストレージデバイス504は、所望の機能を実現するためのプログラムが格納されている。例えば、コンピュータ500が有するストレージデバイス504には、ポイント付与装置10の各機能を実現するためのプログラムが格納されている。プロセッサ502は、このプログラムをメモリ503に読み出して実行することで、各機能を実現する。
【0070】
これらのプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【符号の説明】
【0071】
10 ポイント付与装置
11 制御部
12 記憶部
20 注文受付端末
21 制御部
22 入力部
23 出力部
30 POS端末
31 制御部
32 入力部
33 出力部
111 データ取得部
112 個別ポイント算出部
113 実績ポイント算出部
114 付与ポイント算出部
115 付与ポイント出力部
200 ポイント付与システム
500 コンピュータ
501 バス
502 プロセッサ
503 メモリ
504 ストレージデバイス
505 入出力インタフェース(I/F)
506 ネットワークインタフェース(I/F)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13