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特許7572076往復式磁気浮上リニアモータ及び電動せん断装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】往復式磁気浮上リニアモータ及び電動せん断装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/02 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
H02K33/02 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023068163
(22)【出願日】2023-04-18
(65)【公開番号】P2024092904
(43)【公開日】2024-07-08
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202211676481.9
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523140393
【氏名又は名称】深▲せん▼術叶創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Shuye Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【弁理士】
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】叶 洪新
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-136920(JP,A)
【文献】特開平11-285226(JP,A)
【文献】特表2021-509005(JP,A)
【文献】特開2005-198362(JP,A)
【文献】特開2003-134783(JP,A)
【文献】特開平07-265559(JP,A)
【文献】特開平09-065634(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復式磁気浮上リニアモータであって、
ブラケットと、2セットの弾性支持モジュールと、駆動組立体と、前記駆動組立体の上方に浮上する可動組立体とを含み、
前記駆動組立体は、電磁的作用により前記可動組立体を既定方向に往復移動させるように、前記ブラケットに取り付けらており、
前記可動組立体の、前記既定方向における両端はそれぞれ、1セットの前記弾性支持モジュールを介して前記ブラケットに接続されており、前記弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、前記板ばね弾性片は第1の接続端部と第2の接続端部とを含み、前記第1の接続端部は前記可動組立体に固定的に接続され、前記第1の接続部材は前記第2の接続端部と前記アダプタ組立体とを貫通して固定し、前記板ばね弾性片は前記アダプタ組立体を介して前記ブラケットに固定的に接続されており、
前記ブラケットは、ハウジングとベースとを含み、前記ベース、前記可動組立体、及び前記駆動組立体は、前記ハウジング内に設置され、前記駆動組立体と前記アダプタ組立体とは、いずれも前記ベースに固定的に取り付けられており、
前記往復式磁気浮上リニアモータは2セットの懸架制振モジュールをさらに含み、前記懸架制振モジュールは、弾性回復片と、挟持ブロック組立体と、第2の接続部材とを含み、前記第2の接続部材は前記弾性回復片の下端と前記挟持ブロック組立体とを貫通して固定し、前記挟持ブロック組立体は前記ベースに固定的に接続されており、前記弾性回復片の上端は、前記ベースと前記ハウジングとが間隔をあけて配置されるように、前記ハウジングに固定的に接続されている、
前記往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項2】
前記挟持ブロック組立体は、対向して設置された2つの挟持ブロックを含み、前記弾性回復片の下端は2つの前記挟持ブロックの間に挟まれるように設置され、前記第2の接続部材は、2つの前記挟持ブロックと前記弾性回復片とを貫通して接続する、
請求項1に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項3】
前記ベースの既定方向における両端には嵌設凸ブロックが凸設されており、前記挟持ブロック及び前記弾性回復片には、前記嵌設凸ブロックに対応してそれぞれ第1の挿入孔と第2の挿入孔とが開けられており、前記嵌設凸ブロックは、前記第1の挿入孔及び前記第2の挿入孔内に挿接されるように構成され、前記嵌設凸ブロックは、前記第1の挿入孔の内壁面と溶接されている、
請求項2に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項4】
前記弾性回復片は、横方向延在セグメントと、並んで設けられた2つの上下方向延在セグメントとを含み、2つの前記上下方向延在セグメントの下端はそれぞれ、前記横方向延在セグメントの両端に接続されており、前記第2の挿入孔は前記横方向延在セグメントに開けられており、2つの前記挟持ブロックは、前記横方向延在セグメントの板面の両側を挟むように設けられ、前記第2の接続部材は、2つの前記挟持ブロックと前記横方向延在セグメントとを貫通して接続し、前記懸架制振モジュールは横方向接続片をさらに含み、
2つの前記上下方向延在セグメントの上端が前記横方向接続片と前記ハウジングとの間に挟まれるように設けられている、
請求項3に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項5】
前記第2の接続部材はリベットであり、前記横方向延在セグメントの、2つの前記上下方向延在セグメントに対応する位置には2つの貫通孔が開けられており、前記第2の挿入孔は2つの前記貫通孔の間に位置し、前記リベットは、前記貫通孔と前記挟持ブロックとを貫通して、前記弾性回復片と前記挟持ブロックとのモジュールを固定的に接続し、各前記上下方向延在セグメントの上端は、一つのリベットにより前記ハウジングと前記横方向接続片との間に固定的に接続されている、
請求項4に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項6】
前記ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体の既定方向における両端の天面に接続された取付凸ブロックとを含み、前記弾性回復片の上端は、前記弾性回復片の天面が前記板ばね弾性片の天面より高いかまたは面一になるように前記取付凸ブロックの内面に固定的に接続されている、
請求項に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項7】
往復式磁気浮上リニアモータであって、
ブラケットと、2セットの弾性支持モジュールと、駆動組立体と、前記駆動組立体の上方に浮上する可動組立体とを含み、
前記駆動組立体は、電磁的作用により前記可動組立体を既定方向に往復移動させるように、前記ブラケットに取り付けらており、
前記可動組立体の、前記既定方向における両端はそれぞれ、1セットの前記弾性支持モジュールを介して前記ブラケットに接続されており、前記弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、前記板ばね弾性片は第1の接続端部と第2の接続端部とを含み、前記第1の接続端部は前記可動組立体に固定的に接続され、前記第1の接続部材は前記第2の接続端部と前記アダプタ組立体とを貫通して固定し、前記板ばね弾性片は前記アダプタ組立体を介して前記ブラケットに固定的に接続されており、
前記ブラケットは、ハウジングとベースとを含み、前記ベース、前記可動組立体、及び前記駆動組立体は、前記ハウジング内に設置され、前記駆動組立体と前記アダプタ組立体とは、いずれも前記ベースに固定的に取り付けられており、
前記ベースは、前記既定方向に延在して長尺状となっており、前記ベースの長さ方向の両端は、前記可動組立体から突出して取付セグメントを形成し、前記取付セグメントには位置決め嵌合溝が開けられ、前記アダプタ組立体は、前記位置決め嵌合溝内に嵌設されるように構成されているとともに、前記位置決め嵌合溝の内面と溶接されており、
前記往復式磁気浮上リニアモータは2セットの懸架制振モジュールをさらに含み、前記懸架制振モジュールは、弾性回復片と、挟持ブロック組立体と、第2の接続部材とを含み、前記第2の接続部材は前記弾性回復片の下端と前記挟持ブロック組立体とを貫通して固定し、前記挟持ブロック組立体は前記ベースに固定的に接続されており、前記弾性回復片の上端は、前記ベースと前記ハウジングとが間隔をあけて配置されるように、前記ハウジングに固定的に接続されている、
前記往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項8】
前記挟持ブロック組立体は、対向して設置された2つの挟持ブロックを含み、前記弾性回復片の下端は2つの前記挟持ブロックの間に挟まれるように設置され、前記第2の接続部材は、2つの前記挟持ブロックと前記弾性回復片とを貫通して接続する、
請求項に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項9】
前記ベースの既定方向における両端には嵌設凸ブロックが凸設されており、前記挟持ブロック及び前記弾性回復片には、前記嵌設凸ブロックに対応してそれぞれ第1の挿入孔と第2の挿入孔とが開けられており、前記嵌設凸ブロックは、前記第1の挿入孔及び前記第2の挿入孔内に挿接されるように構成され、前記嵌設凸ブロックは、前記第1の挿入孔の内壁面と溶接されている、
請求項に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項10】
往復式磁気浮上リニアモータであって、
ブラケットと、2セットの弾性支持モジュールと、駆動組立体と、前記駆動組立体の上方に浮上する可動組立体とを含み、
前記駆動組立体は、電磁的作用により前記可動組立体を既定方向に往復移動させるように、前記ブラケットに取り付けらており、
前記可動組立体の、前記既定方向における両端はそれぞれ、1セットの前記弾性支持モジュールを介して前記ブラケットに接続されており、前記弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、前記板ばね弾性片は第1の接続端部と第2の接続端部とを含み、前記第1の接続端部は前記可動組立体に固定的に接続され、前記第1の接続部材は前記第2の接続端部と前記アダプタ組立体とを貫通して固定し、前記板ばね弾性片は前記アダプタ組立体を介して前記ブラケットに固定的に接続されており、
前記ブラケットは、ハウジングとベースとを含み、前記ベース、前記可動組立体、及び前記駆動組立体は、前記ハウジング内に設置され、前記駆動組立体と前記アダプタ組立体とは、いずれも前記ベースに固定的に取り付けられており、
前記ベースは、前記既定方向に延在して長尺状となっており、前記ベースの長さ方向の両端は、前記可動組立体から突出して取付セグメントを形成し、前記取付セグメントには位置決め嵌合溝が開けられ、前記アダプタ組立体は、前記位置決め嵌合溝内に嵌設されるように構成されているとともに、前記位置決め嵌合溝の内面と溶接されており、
前記アダプタ組立体は、前記第2の接続端部の板面の両側を挟持する対向する2つの嵌設ブロックを含み、前記第1の接続部材は2つの前記嵌設ブロックと前記第2の接続端部とを貫通して接続し、
前記往復式磁気浮上リニアモータは2セットの懸架制振モジュールをさらに含み、前記懸架制振モジュールは、弾性回復片と、挟持ブロック組立体と、第2の接続部材とを含み、前記第2の接続部材は前記弾性回復片の下端と前記挟持ブロック組立体とを貫通して固定し、前記挟持ブロック組立体は前記ベースに固定的に接続されており、前記弾性回復片の上端は、前記ベースと前記ハウジングとが間隔をあけて配置されるように、前記ハウジングに固定的に接続されている、
前記往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項11】
前記挟持ブロック組立体は、対向して設置された2つの挟持ブロックを含み、前記弾性回復片の下端は2つの前記挟持ブロックの間に挟まれるように設置され、前記第2の接続部材は、2つの前記挟持ブロックと前記弾性回復片とを貫通して接続する、
請求項10に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項12】
往復式磁気浮上リニアモータであって、
ブラケットと、2セットの弾性支持モジュールと、駆動組立体と、前記駆動組立体の上方に浮上する可動組立体とを含み、
前記駆動組立体は、電磁的作用により前記可動組立体を既定方向に往復移動させるように、前記ブラケットに取り付けらており、
前記可動組立体の、前記既定方向における両端はそれぞれ、1セットの前記弾性支持モジュールを介して前記ブラケットに接続されており、前記弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、前記板ばね弾性片は第1の接続端部と第2の接続端部とを含み、前記第1の接続端部は前記可動組立体に固定的に接続され、前記第1の接続部材は前記第2の接続端部と前記アダプタ組立体とを貫通して固定し、前記板ばね弾性片は前記アダプタ組立体を介して前記ブラケットに固定的に接続されており、
前記ブラケットは、ハウジングとベースとを含み、前記ベース、前記可動組立体、及び前記駆動組立体は、前記ハウジング内に設置され、前記駆動組立体と前記アダプタ組立体とは、いずれも前記ベースに固定的に取り付けられており、
前記ベースは、前記既定方向に延在して長尺状となっており、前記ベースの長さ方向の両端は、前記可動組立体から突出して取付セグメントを形成し、前記取付セグメントには位置決め嵌合溝が開けられ、前記アダプタ組立体は、前記位置決め嵌合溝内に嵌設されるように構成されているとともに、前記位置決め嵌合溝の内面と溶接されており、
前記アダプタ組立体は、前記第2の接続端部の板面の両側を挟持する対向する2つの嵌設ブロックを含み、前記第1の接続部材は2つの前記嵌設ブロックと前記第2の接続端部とを貫通して接続し、
前記第1の接続部材はリベットであり、前記ベースの上面は凹んで前記位置決め嵌合溝を形成し、前記ベースには前記リベットに対応して退避空間が設けられており、
前記位置決め嵌合溝の底壁面には位置決め貫通孔が開けられ、前記嵌設ブロックは、本体部と前記本体部の下面に接続された挿接部とを含み、前記挿接部は、前記位置決め貫通孔内に挿設されるように構成され、前記本体部は前記位置決め嵌合溝内に嵌設されるとともに前記位置決め嵌合溝の底壁面に当接するように構成されている、
前記往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項13】
前記本体部の、前記ベースの幅方向における両端は、前記挿接部から延出して設置され、前記ベースの幅方向は上下方向及び前記ベースの長さ方向と交差し、前記第2の接続端部は、本体セグメントと、前記本体セグメントの下面に接続された挿接セグメントとを含み、前記挿接セグメントは2つの前記嵌設ブロックの挿接部の間に挟まれて設置され、前記本体セグメントは2つの前記嵌設ブロックの本体部の間に挟まれて設置されており、前記挿接セグメントは前記位置決め貫通孔内に挿接され、前記本体セグメントの下面は前記位置決め嵌合溝の底壁面に当接され、
前記本体部と前記位置決め嵌合溝の内面、前記挿接部と前記位置決め貫通孔の内面は、全て溶接されるように設けられている、
請求項12に記載の往復式磁気浮上リニアモータ。
【請求項14】
カッターヘッド組立体と、請求項1~13のいずれかに記載の往復式磁気浮上リニアモータとを含む電動せん断装置であって、
前記往復式磁気浮上リニアモータの可動組立体は、前記カッターヘッド組立体を往復運動させるように、前記カッターヘッド組立体に接続されている、
前記電動せん断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、リニアモータの技術分野に関するものであり、特に往復式磁気浮上リニアモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
直線モータとも呼ばれる往復磁気浮上式リニアモータは、永久磁石を含む可動組立体(可動子)と、コイルを鉄心に巻回してなる電磁石を含む駆動組立体(固定子)とから主に構成されている。永久磁石と鉄心コイルとの間には一定のギャップがある。往復式リニアモータの永久磁石が鉄心コイルに対して一定の周波数で往復移動する。その場合、永久磁石と鉄心との間のギャップを確保するために、弾性支持機構による支持が必要である。また、この弾性支持機構により、永久磁石の往復運動に対する弾性復元力を提供することもできる。
【0003】
関連技術のリニアモータにおいて、この弾性支持機構は弾性片として、一端が永久磁石に固定され、他端がブラケットのベースまたはハウジングに直接溶接されるように、設けられている。一方、弾性片をベース或いはハウジングに直接溶接すると、その金属特性が影響されるため、弾性片の振動周波数が影響され、弾性片と永久磁石の固有周波数と電流方向変化の周波数との一致性が低くなり、さらには、モータの往復運動の精度と効率が影響される。
【0004】
上記内容は本願の技術案の理解を助けるために用いられるものであって、上記内容が先行技術だと認めたわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国特許公開第CN1559102A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題に鑑みて、本願は、リニアモータの振動の一貫性を向上させることを目的とした往復式磁気浮上リニアモータを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願に提案される往復式磁気浮上リニアモータは、ブラケットと、2セットの弾性支持モジュールと、駆動組立体と、前記駆動組立体の上方に浮上する可動組立体とを含み、前記駆動組立体は、電磁的作用により前記可動組立体を既定方向に往復運動させるようにブラケットに取り付けらており、前記可動組立体の、前記既定方向における両端はそれぞれ、1セットの前記弾性支持モジュールを介して前記ブラケットに接続されており、前記弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、前記板ばね弾性片は第1の接続端部と第2の接続端部とを含み、前記第1の接続端部は前記可動組立体に固定的に接続され、前記第1の接続部材は前記第2の接続端部と前記アダプタ組立体とを貫通して固定し、前記板ばね弾性片は前記アダプタ組立体を介して前記ブラケットに固定的に接続されている。
【0008】
一実施例において、前記ブラケットは、ハウジングとベースとを含み、前記ベース、前記可動組立体、及び前記駆動組立体は、前記ハウジング内に設置され、前記駆動組立体と前記アダプタ組立体とは、いずれも前記ベースに固定的に取り付けられている。
【0009】
一実施例において、前記ベースは、前記既定方向に延在して長尺状となっており、前記ベースの長さ方向の両端は、前記可動組立体から突出して取付セグメントを形成し、前記取付セグメントには位置決め嵌合溝が開けられ、前記アダプタ組立体は、前記位置決め嵌合溝内に嵌設されるように構成されているとともに、前記位置決め嵌合溝の内面と溶接されている。
【0010】
一実施例において、前記アダプタ組立体は、前記第2の接続端部の板面の両側を挟持する対向する2つの嵌設ブロックを含み、前記第1の接続部材は2つの前記嵌設ブロックと前記第2の接続端部とを貫通して接続する。
【0011】
一実施例において、前記第1の接続部材はリベットであり、前記ベースの上面は凹んで前記位置決め嵌合溝を形成し、前記ベースには前記リベットに対応して退避空間が設けられている。
【0012】
一実施例において、前記位置決め嵌合溝の底壁面には位置決め貫通孔が開けられ、前記嵌設ブロックは、本体部と前記本体部の下面に接続された挿接部とを含み、前記挿接部は、前記位置決め貫通孔内に挿設されるように構成され、前記本体部は前記位置決め嵌合溝内に嵌設されるとともに前記位置決め嵌合溝の底壁面に当接するように構成されている。
【0013】
一実施例において、前記本体部の、前記ベースの幅方向における両端は、前記挿接部から延出して設置され、前記ベースの幅方向は上下方向及び前記ベースの長さ方向と交差し、前記第2の接続端部は、本体セグメントと、前記本体セグメントの下面に接続された挿接セグメントとを含み、前記挿接セグメントは2つの前記嵌設ブロックの挿接部の間に挟まれて設置され、前記本体セグメントは2つの前記嵌設ブロックの本体部の間に挟まれて設置されており、前記挿接セグメントは前記位置決め貫通孔内に挿接され、前記本体セグメントの下面は前記位置決め嵌合溝の底壁面に当接され、
【0014】
前記本体部と前記位置決め嵌合溝の内面、前記挿接部と前記位置決め貫通孔の内面は、全て溶接されるように設けられている。
【0015】
一実施例において、前記板ばね弾性片は渦巻き状に延在し、前記板ばね弾性片の中心端部は前記第1の接続端部を形成し、前記板ばね弾性片の外端部は前記第2の接続端部を形成し、前記可動組立体は、磁石取付座と前記磁石取付座に取り付けられた磁石とを含み、前記磁石取付座の両端には接続セグメントが形成され、各前記接続セグメントは一つの前記第1の接続端部に対応して挿接及び溶接されている。
【0016】
一実施例において、前記往復式磁気浮上リニアモータは2セットの懸架制振モジュールをさらに含み、前記懸架制振モジュールは、弾性回復片と、挟持ブロック組立体と、第2の接続部材とを含み、前記第2の接続部材は前記弾性回復片の下端と前記挟持ブロック組立体とを貫通して固定し、前記挟持ブロック組立体は前記ベースに固定的に接続されており、前記弾性回復片の上端は、前記ベースと前記ハウジングとが間隔をあけて配置されるように、前記ハウジングに固定的に接続されている。
【0017】
一実施例において、前記挟持ブロック組立体は、対向して設置された2つの挟持ブロックを含み、前記弾性回復片の下端は2つの前記挟持ブロックの間に挟まれるように設置され、前記第2の接続部材は、2つの前記挟持ブロックと前記弾性回復片とを貫通して接続する。
【0018】
一実施例において、前記ベースの既定方向における両端には嵌設凸ブロックが凸設されており、前記挟持ブロック及び前記弾性回復片には、前記嵌設凸ブロックに対応してそれぞれ第1の挿入孔と第2の挿入孔とが開けられており、前記嵌設凸ブロックは、前記第1の挿入孔及び前記第2の挿入孔内に挿接されるように構成され、前記嵌設凸ブロックは、前記第1の挿入孔の内壁面と溶接されている。
【0019】
一実施例において、前記弾性回復片は、横方向延在セグメントと、並んで設けられた2つの上下方向延在セグメントとを含み、2つの前記上下方向延在セグメントの下端はそれぞれ、前記横方向延在セグメントの両端に接続されており、前記第2の挿入孔は前記横方向延在セグメントに開けられており、2つの前記挟持ブロックは、前記横方向延在セグメントの両側を挟むように設けられ、前記第2の接続部材は、2つの前記挟持ブロックと前記横方向延在セグメントとを貫通して接続し、前記懸架制振モジュールは横方向接続片をさらに含み、2つの前記上下方向延在セグメントの上端が前記横方向接続片と前記ハウジングとの間に挟まれるように設けられている。
【0020】
一実施例において、前記第2の接続部材はリベットであり、前記横方向延在セグメントの、2つの前記上下方向延在セグメントに対応する位置には2つの貫通孔が開けられており、前記第2の挿入孔は2つの前記貫通孔の間に位置し、前記リベットは、前記貫通孔と前記挟持ブロックとを貫通して、前記弾性回復片と前記挟持ブロックとのモジュールを固定的に接続し、各前記上下方向延在セグメントの上端は、一つのリベットにより前記ハウジングと前記横方向接続片との間に固定的に接続されている。
【0021】
一実施例において、前記ハウジングは、ハウジング本体と、前記ハウジング本体の既定方向における両端の天面に接続された取付凸ブロックとを含み、前記弾性回復片の上端は、前記弾性回復片の天面が前記板ばね弾性片の天面より高いかまたは面一になるように前記取付凸ブロックの内面に固定的に接続されている。
【0022】
本願は、カッターヘッド組立体と、往復式磁気浮上リニアモータとを含む電動せん断装置を提案する。
【0023】
往復式磁気浮上リニアモータは、ブラケットと、2セットの弾性支持モジュールと、駆動組立体と、前記駆動組立体の上方に浮上する可動組立体とを含み、前記駆動組立体は電磁的作用により前記可動組立体を既定方向に往復移動させるように前記ブラケットに取り付けらており、前記可動組立体の、前記既定方向における両端はそれぞれ、1セットの前記弾性支持モジュールを介して前記ブラケットに接続されており、前記弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、前記板ばね弾性片は第1の接続端部と第2の接続端部とを含み、前記第1の接続端部は前記可動組立体に固定的に接続され、前記第1の接続部材は前記第2の接続端部と前記アダプタ組立体とを貫通して固定し、前記板ばね弾性片は前記アダプタ組立体を介して前記ブラケットに固定的に接続されており、
前記往復式磁気浮上リニアモータの可動組立体は、前記カッターヘッド組立体を往復運動させるように、前記カッターヘッド組立体に接続されている。
【発明の効果】
【0024】
本願において、弾性支持モジュールは、板ばね弾性片と、アダプタ組立体と、第1の接続部材とを含み、板ばね弾性片の第1の接続端部が可動組立体に固定的に接続され、板ばね弾性片の第2の接続端部が第1の接続部材を介してアダプタ組立体に固定的に接続されるようにすることにより、板ばね弾性片全体がアダプタ組立体を介してブラケットに固定的に接続されるようになる。板ばね弾性片をブラケットに直接溶接により固定する方法と比べて、溶接による板ばね弾性片の金属特性への影響を効果的に回避することができるため、板ばね弾性片の振動周波数への影響を回避し、さらに、板ばね弾性片の固有周波数と電流方向変化の周波数との一致性を向上させることができ、往復式磁気浮上リニアモータの往復運動の精度と効率を確保し、製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本願の実施例の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。以下で説明される添付図面は本願のいくつか実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面により他の添付図面を得ることができる。
【0026】
図1】本願の往復式磁気浮上リニアモータの一実施例の構造模式図である。
図2図1の往復式磁気浮上リニアモータリニアモータの分解構造模式図である。
図3図2の往復式磁気浮上リニアモータの別の分解構造模式図である。
図4図2の往復式磁気浮上リニアモータの一角度からの断面図である。
図5】本願のベースの一実施例の構造模式図である。
図6】本願の板ばね弾性片の一実施例の構造模式図である。
図7】本願の弾性回復片の一実施例の構造模式図である。
【0027】
添付図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。また、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることはその前提である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本願が請求する保護範囲にないと理解すべきである。
【0029】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等の説明に関わる場合、当該「第一」、「第二」等の説明は、説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、全文において現れた「及び/又は」は三つの並行する案を含むことを意味する。「A及び/又はB」を例に取ると、A案、或いはB案、或いはAとBとが同時に満たされる案を含むことになる。
【0030】
本願は、往復式磁気浮上リニアモータを提案する。
【0031】
本願の実施例において、図1から図4を参照し、この往復式磁気浮上リニアモータ10は、ブラケット100と、2セットの弾性支持モジュール200と、駆動組立体300と、駆動組立体300の上方に浮上する可動組立体400とを含み、駆動組立体300は電磁的作用により可動組立体400を既定方向に往復移動させるようにブラケット100に取り付けらており、可動組立体100の、既定方向における両端はそれぞれ、1セットの弾性支持モジュール200を介してブラケット100に接続されており、弾性支持モジュール200は、板ばね弾性片210と、アダプタ組立体220と、第1の接続部材230とを含み、板ばね弾性片210は第1の接続端部211と第2の接続端部212とを含み、第1の接続端部211は可動組立体400に固定的に接続され、第1の接続部材230は第2の接続端部212とアダプタ組立体220とを貫通して固定し、板ばね弾性片はアダプタ組立体200を介してブラケット100に固定的に接続されている。
【0032】
本実施例において、ブラケット100は往復式磁気浮上リニアモータ10全体の本体であり、ブラケット100により駆動組立体300等の取付を可能にする。ブラケット100はベース120のみを含んでもよいが、その場合、駆動組立体300とアダプタ組立体220とはいずれもベース120に固定される。また、ブラケット100はハウジング110のみを含んでもよいが、その場合、駆動組立体300とアダプタ組立体220とはいずれもハウジング110に固定される。また、ブラケット100はベース120とハウジング120とを含んでもよく、その場合、駆動組立体300がベース120に固定され、アダプタ組立体220はベース120またはハウジング110に固定される。
【0033】
可動組立体400は、具体的には永久磁石と磁石取付座410とを含むことができ、永久磁石は磁石取付座410に固定され、磁石取付座410の両端はそれぞれ、1セットの弾性支持モジュール200を介してブラケット100に接続されている。駆動組立体300は、具体的には、鉄心と、ボビンと、コイルとを含み、コイルはボビンに巻回され、ボビンを介して鉄心に取り付けられる。この鉄心は、U字鉄心、E字鉄心等としてもよく、本明細書では具体的に限定せず、実際のニーズに応じて異なる種類の鉄心を選択することができる。駆動組立体300は、1セットのみ設けることができ、この場合、可動組立体400は、1セットのみ設けてもよく、2セット設けてもよい。可動組立体400を2セット設けた場合、2セットの可動組立体400の永久磁石の対応する磁極が逆になるようにする。こうして、この1セットの駆動組立体300により、2セットの可動組立体400を反対方向に往復運動させるように同時に駆動することができる。もちろん、駆動組立体300を2セット以上設けてもよく、駆動組立体300を2セット設けた場合、可動組立体400も2セット設けて、各セットの可動組立体400を駆動組立体の上方に設置する。こうして、2セットの駆動組立体300により、対応する駆動組立体300をそれぞれ反対方向に往復運動させるように駆動する。本明細書では駆動組立体300及び可動組立体400の具体的な数は限定されず、往復式磁気浮上リニアモータ10の具体的なタイプに応じて選択及び設計することが可能である。
【0034】
本願の実施例において方向性の指示(例えば上、下、左、右、前、後...)に関わった場合、該方向性指示はある特定の姿勢における各部品間の相対的な位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられるものであって、もし該特定の姿勢が変わる場合、該方向性指示もそれに応じて変わることは説明すべきである。可動組立体400の両端はそれぞれ、1セットの弾性支持モジュール200を介してブラケット100に接続され、この弾性支持モジュール200により、可動組立体400を駆動組立体300の上方に浮上させる。駆動組立体300のコイルに向きが交互に正逆に変化する電流を通すと、駆動組立体300は電磁石となり、この電磁石と永久磁石との磁気誘導作用と、2つの弾性支持モジュール200による弾性復元作用とにより、駆動組立体300は、可動組立体400を既定方向に往復移動させるように駆動する。実際の使用時には、可動組立体400の磁石取付座410にカッタヘッド組立体を取り付けることにより、この往復式磁気浮上リニアモータ10は、電動せん断装置の可動ブレードを固定ブレードに対して素早く往復移動させたり、電動せん断装置の2つの可動ブレードを反対方向に往復移動させたりして、毛髪を切断させることができる。
【0035】
板ばね弾性片210は、具体的には、一定の弾性を有する板状構造体であり、通常、板ばね弾性片210に板金部品を使用する。各セットの弾性支持モジュール200は、いくつかの板ばね弾性片210を含むことができ、例えば、各セットの弾性支持モジュール200は、1枚の板ばね弾性片210のみを含んでもよく、積層された、または間隔を置いて配置された2枚以上の板ばね弾性片210を含んでもよい。板ばね弾性片210の数は、実際のニーズに応じて選択及び設計でき、ここで具体的に限定することはない。板ばね弾性片210の形状は、板ばね弾性片210により、可動組立体400を支持体100に安定的に支持でき、可動組立体400が既定方向に往復移動するとともに板ばね弾性片210により逆方向の弾性復元力を提供できれば、例えば蚊取り線香状、レーストラック渦巻き状、ストリップ状、枠状等、様々な形状とすることができる。
【0036】
構造的強度を向上させるために、アダプタ組立体220及びブラケット100には通常、金属材質を使用する。板ばね弾性片210の第1の接続端部211と可動組立体400とは、溶接、嵌設してから溶接等の方法により固定的に接続することもできる。アダプタ組立体220の構造は様々な構造とすることができる。例えば、アダプタ組立体220を、ブロック状構造、板状構造等とすることができる。第1の接続部材230は、具体的には、リベット、ねじ、ボルト等の構造とすることができる。具体的には、板ばね弾性片210の第2の接続端部212とアダプタ組立体220との両方に貫通孔を開け、第1の接続部材230を板ばね弾性片210とアダプタ組立体220との貫通孔を通して設置することにより、板ばね弾性片210の第2の接続端部212とアダプタ組立体220とを固定的に接続する。
【0037】
第1の接続部材230を用いて板ばね弾性片210の第2の接続端部212とアダプタ組立体220とを接続することにより、溶接方法に比べて、板ばね弾性片210とアダプタ組立体220とを安定して接続するとともに、板ばね弾性片210の金属特性に影響しないため、板ばね弾性片210の振動周波数への影響を避けた。アダプタ組立体220は、溶接、嵌設して溶接などの方法を用いて、ブラケット100に固定的に接続することができる。アダプタ組立体220を設置することにより、板ばね弾性片210とアダプタ組立体220とが第1の接続部材230により固定され、板ばね弾性片210は、アダプタ組立体220を介してブラケット100に固定的に接続される。板ばね弾性片210がブラケット100に直接固定的に接続される場合に比べて、板ばね弾性片210がブラケット100に直接接触して溶接される必要がないため、溶接による板ばね弾性片210の金属特性への影響を効果的に回避することができ、さらに、板ばね弾性片210と電流方向変化の周波数一致性を向上させ、振動による誤差を低減することができる。
【0038】
本願において、弾性支持モジュール200は、板ばね弾性片210と、アダプタ組立体220と、第1の接続部材230とを含み、板ばね弾性片210の第1の接続端部211が可動組立体400に固定的に接続され、板ばね弾性片210の第2の接続端部212が第1の接続部材230を介してアダプタ組立体220に固定的に接続されるようにすることにより、板ばね弾性片210全体がアダプタ組立体220を介してブラケット100に固定的に接続されるようになる。板ばね弾性片210をブラケット100に直接溶接により固定する方法と比べて、溶接による板ばね弾性片210の金属特性への影響を効果的に回避することができるため、板ばね弾性片210の振動周波数への影響を回避し、さらに、板ばね弾性片210の固有周波数と電流方向変化の周波数との一致性を向上させることができ、往復式磁気浮上リニアモータ10の往復運動の精度と効率を確保し、製品の品質を向上させることができる。
【0039】
一実施例において、再び図1から図4を参照し、ブラケット100は、ハウジング110とベース120とを含み、ベース120、可動組立体400および駆動組立体300は、ハウジング110内に設けられ、駆動組立体300とアダプタ組立体220とはいずれもベース120に固定的に取り付けられる。
【0040】
本実施例において、ハウジング110の形状は、例えばハウジング110は、枠状構造、四角リング状等、様々な形状とすることができるが、実際のニーズに応じて選択及び設計できるため、ここでは具体的には限定しない。ベース120は通常、ブロック状又は皿状構造として設けられ、ベース120とハウジング110とは直接固定的に接続されてもよく、弾性部材を介して弾性的に接続されてもよい。すなわち、ベース120をハウジング110に懸架して接続するようにすることにより、さらに緩衝・制振することができる。ハウジング110は、可動組立体400、駆動組立体300などの構造にある程度の防護を提供するとともに、電気せん断装置のハウジング110内にリニアモータ全体が取り付けられるように構成されている。
【0041】
駆動組立体300のボビンは、挿接して溶接の方法によりベース120に固定的に取り付けることができる。具体的には、ベース120に位置決め嵌合溝122を設け、取付時に、まずアダプタ組立体220をベース120上の位置決め嵌合溝122内に嵌合させてから、アダプタ組立体220と位置決め嵌合溝122の内壁面との接合部分を溶接することができる。このように、板ばね弾性片210をベース120と直接溶接する必要がないため、溶接による板ばね弾性片210の金属特性への影響を効果的に低減または回避することができる。駆動組立体300とアダプタ組立体220との両方をベース120に固定することにより、アダプタ組立体220をハウジング110に固定する方法と比べて、駆動組立体300の重さは可動組立体400の重さよりはるかに大きいので、緩衝や制振に駆動組立体300を十分に利用して、ハウジング110の振動を軽減し、製品の使用時の快適さを向上させることができる。
【0042】
一実施例において、図1から図5に示すように、ベース120は、既定方向に延在して長尺状となっており、ベース120の長さ方向の両端は、可動組立体400から突出して取付セグメント121を形成し、取付セグメント121には位置決め嵌合溝122が開けられ、アダプタ組立体220は、位置決め嵌合溝122内に嵌設されるように構成されているとともに、位置決め嵌合溝122の内面と溶接されている。
【0043】
本実施態様において、ベース120が既定方向に延在して長尺状となっている場合、駆動組立体300は概ね、ベース120の中央部に固定的に接続されている。したがって、ベース120の、長さ方向における両端を可動組立体400より突出させ、アダプタ組立体220を取付セグメント121の位置決め嵌合溝122内に嵌設することにより、駆動組立体300による板ばね弾性片210の振れへの干渉を効果的に回避し、全体の構造をよりコンパクトに、体積をより小さくすることができる。取付セグメント121に位置決め嵌合溝122を開けて、アダプタ組立体220を位置決め嵌合溝122内に嵌合されるように構成することにより、位置決め嵌合溝122によりアダプタ組立体220の事前位置決めに基づく取付を可能にし、アダプタ組立体220の取付の利便性及び組立の精度を向上させることができる。製品の使用性能を保証するために、ベース120とアダプタ組立体220とにはいずれも金属材質を使用する。アダプタ組立体220と位置決め嵌合溝122の内面との溶接により、アダプタ組立体220とベース120との接続の安定性が保証され、さらには製品の安定した性能が保証される。具体的には、アダプタ組立体220の外周壁と位置決め嵌合溝122の内壁面とが接触する部分は全て溶接される。こうして、アダプタ組立体220とベース120との接続の安定性をさらに向上させることができる。
【0044】
さらに、図1から図4を参照し、アダプタ組立体220は、第2の接続端部212の板面の両側を挟持する対向する2つの嵌設ブロックを含み、第1の接続部材230は2つの嵌設ブロック221と第2の接続端部212とを貫通して接続する。
【0045】
本実施例において、嵌設ブロック221は、具体的には、ストリップ状のブロック状構造としてもよく、四角形のブロック状構造としてもよく、板ばね弾性片210のサイズに応じて選択及び設計できるため、ここでは具体的には限定しない。対向する2つの嵌設ブロック221の形状と寸法は、同じであってもよく、異なってもよく、あるいはわずかに異なってもよい。2つの嵌設ブロック221による第2の接続端部212の挟持の一致性を保証するために、2つの嵌設ブロック221の形状と寸法を同じくしてもよい。2つの嵌設ブロック221を第2の接続端部212の板面の両側を挟持するようにすることで、嵌設ブロック221と第2の接続端部212との接触面積を最大化し、嵌設ブロック221と第2の接続端部212との固定をより安定したものにする。第1の接続部材230により、2つの嵌設ブロック221と第2の接続端部212とを貫通して接続することにより、嵌設ブロック221と第2の接続端部212とが一体としてブロック状構造を形成し、位置決め嵌合溝122内への第2の接続端部212の取付をより容易にする。同時に、板ばね弾性片210の第2の接続端部212の板面の両側が2つの嵌設ブロック221の間に挟まれるため、板ばね弾性片210の第2の接続端部212の変形や反りを効果的に防止して、ひいては板ばね弾性片210と電流方向変化の周波数との一致性を保証し、振動による誤差を低減することができる。
【0046】
一実施例において、図1から図4に示すように、第1の接続部材230はリベットであり、ベース120の上面は凹んで位置決め嵌合溝122を形成し、ベース120にはリベットに対応して退避空間124が設けられている。
【0047】
本実施例において、第1の接続部材230をリベットとすることにより、ボルト等の構造に比べて、長期間の振動による第1の接続部材230の緩みや抜けを効果的に回避することで、板ばね弾性片210とアダプタ組立体220との接続をより安定して信頼性のあるものとすることができる。ベース120の上面を凹ませて位置決め嵌合溝122を形成することにより、板ばね弾性片210とアダプタ組立体220とを位置決め嵌合溝122内に上から下へ嵌設することができるため、位置決め嵌合溝122内へのアダプタ組立体220の取付をより容易にし、全体の組立効率を向上させることができる。ベース120のリベットに対応する位置に退避空間124を設けることにより、ベース120によるリベットの取り付けへの干渉を回避することができる。
【0048】
上記実施例に基づいて、さらに、図2から図5を参照し、位置決め嵌合溝122の底壁面には位置決め貫通孔123が開けられ、嵌設ブロック221は、本体部222と本体部222の下面に接続された挿接部223とを含み、挿接部223は、位置決め貫通孔123内に挿設されるように構成され、本体部222は位置決め嵌合溝122内に嵌設されるとともに位置決め嵌合溝122の底壁面に当接するように構成されている。
【0049】
本実施例において、位置決め嵌合溝122の底壁面に位置決め貫通孔123を開け、嵌設ブロック221が本体部222と挿接部223とを含み、挿接部223が位置決め貫通孔123内に挿設されるように構成し、本体部222が位置決め嵌合溝122内に嵌設されるとともに位置決め嵌合溝122の底壁面に当接するように構成することで、嵌設ブロック221とベース120との2段階の位置決めが可能となり、嵌設ブロック221とベース120との位置決め面積及び溶接面積を効果的に増大させ、さらには嵌設ブロック221とベース120との取付精度を向上させるとともに、嵌設ブロック221とベース120との接続をより安定して信頼性のあるものにすることができる。
【0050】
さらに、図2から図6に示すように、本体部222の、ベース120の幅方向における両端は、挿接部223から延出して設置され、ベース120の幅方向は上下方向及びベース120の長さ方向と交差し、第2の接続端部212は、本体セグメント213と、本体セグメント213の下面に接続された挿接セグメント214とを含み、挿接セグメント214は2つの嵌設ブロック221の挿接部223の間に挟まれて設置され、本体セグメント213は2つの嵌設ブロック221の本体部22の間に挟まれて設置されており、挿接セグメント214は位置決め貫通孔123内に挿接され、本体セグメント213の下面は位置決め嵌合溝122の底壁面に当接され、
本体部222と位置決め嵌合溝122の内面、挿接部223と位置決め貫通孔123の内面は、全て溶接されるように設けられている。
【0051】
本実施例において、本体部222は概ね、ストリップ状のブロック状構造となっている。第2の接続端部212が本体セグメント213と挿接セグメント214とを含み、本体セグメント213が2つの嵌設ブロック221の本体部222の間に挟まれて設置され、挿接セグメント214が2つの嵌設ブロック221の挿接部223の間に挟まれて設置されるようにし、すなわち、第2の接続端部212を嵌設ブロック221に倣って設けることにより、第2の接続端部212と嵌設ブロック221との接触面積を効果的に増大させ、第2の接続端部212と嵌設ブロック221との取付精度をさらに向上させることができる。具体的には、ベース120の幅方向は、ベース120の長さ方向及び上下方向と交差する。本体部222の、ベース120の幅方向における両端を挿接部223から延出させて設置すると、本体セグメント213のベース120の幅方向における両端も挿接セグメント214から延出させて設置することで、第2の接続端部212全体をシート状に保ち、2つの嵌設ブロック221による第2の接続端部212の挟持をより安定して信頼性のあるものとすることができる。
【0052】
干渉を回避するために、位置決め嵌合溝122の、ベース120の幅方向における両端がベース120の側壁を貫通して設けられてもよい。こうして、位置決め嵌合溝122は、ベース120の幅方向においては貫通溝となっている。これにより、嵌設ブロック221、ベース120の製造の公差や変形等による取付干渉の発生を効果的に回避することができる。同時に、嵌設ブロック221とベース120との間の溶接をより容易にする。
【0053】
本体部222と位置決め嵌合溝122の内面、挿接部223と位置決め貫通孔123の内面は、全て溶接されるように設けられている。具体的には、本体部222の底壁面と嵌設溝の底壁面との間、2つの本体部222の互いに離れた側壁と嵌設溝の側壁面との間、挿接部223の底部周縁と位置決め貫通孔123の内周縁との間、を全て溶接する。嵌設ブロック221とベース120との接続安定性を最大限に高めると同時に、熔接による板ばね弾性片210の金属特性への影響を低減し、さらにモータ周波数の一致性をさらに向上させる。
【0054】
一実施例において、図1から図6を参照して、板ばね弾性片210は渦巻き状に延在し、板ばね弾性片210の中心端部は第1の接続端部211を形成し、板ばね弾性片210の外端部は第2の接続端部212を形成し、可動組立体400は、磁石取付座410と磁石取付座410に取り付けられた磁石420とを含み、磁石取付座410の両端には接続セグメント411が形成され、各接続セグメント411は一つの第1の接続端部211に対応して挿接及び溶接されている。
【0055】
本実施例において、板ばね弾性片210を、中心から外側へ巻かれた構造とする場合、板ばね弾性片210を蚊取り線香状に巻いてもよく、レーストラック状に巻いてもよく、ここでは具体的には限定しない。板ばね弾性片210の中心端部は、すなわち、渦巻きの中心の始端であり、板ばね弾性片210の外端部は、渦巻きの外側の終端である。板ばね弾性片210を中心から巻かれた形にすることにより、他の構造と比べて、同等の占有空間で、板ばね弾性片210の弾性アームをより長くすることができるため、可動組立体400に十分な弾性力及び支持力を提供することができる。言い換えれば、本実施例の板ばね弾性片210により、十分な弾性力及び支持力を保証しつつ、占有スペースを小さくすることができるため、全体の体積がより小さくなる。
【0056】
磁石取付座410には、構造的強度を確保するために、金属材質を使用する。具体的には、板ばね弾性片210の中心端部には貫通孔が開けられ、接続セグメント411はこの貫通孔内に挿接されるように構成されている。磁石取付座410の両端の接続セグメント411を板ばね弾性片210の中心端部(第1の接続端部211)に挿接することにより、磁石取付座410と板ばね弾性片210の中心端との事前位置決めに基づく取付を実現し、後続の溶接作業をより容易にする。なお、板ばね弾性片210の中心端部は磁石取付座410に固定的に接続されており、すなわち、磁石420により、板ばね弾性片210の中心端部を既定方向に往復移動させるように駆動し、そして、板ばね弾性片210を介して振動をベース120に伝達する。板ばね弾性片210の中心端部は振動の始端であり、外端部が振動の終端であるため、板ばね弾性片210の外端部の金属特性が振動周波数に与える影響の方が大きく、板ばね弾性片210の中心端部の金属特性が振動周波数に与える影響の方が小さい。一方、磁石取付座410の接続セグメント411を第1の接続端部211と溶接することにより、板ばね弾性片210の振動周波数に実質的に影響を与えることなく、磁石取付座410と板ばね弾性片210との安定した接続を保証し、長期間の振動により板ばね弾性片210が磁石取付座410から脱落することを効果的に回避することができる。
【0057】
上述したアダプタ組立体220をベース120に固定的に取り付ける実施例に基づいて、さらに、図1から図4図7に示すように、往復式磁気浮上リニアモータ10は2セットの懸架制振モジュール500をさらに含み、懸架制振モジュール500は、弾性回復片510と、挟持ブロック組立体520と、第2の接続部材530とを含み、第2の接続部材530は弾性回復片510の下端と挟持ブロック組立体520とを貫通して固定し、挟持ブロック組立体520はベース120に固定的に接続されており、弾性回復片510の上端は、ベース120とハウジング110とが間隔をあけて配置されるように、ハウジング110に固定的に接続されている。
【0058】
本実施例において、弾性回復片510は、弾性材質を使用しつつ、一定の剛性を併せ持つ。例えば、弾性回復片510は、具体的には板金部品などとすることができる。各セットの懸架制振モジュール500は、いくつかの弾性回復片510を含むことができ、例えば、各セットの懸架制振モジュール500は、1枚の弾性回復片510のみを含んでもよく、積層された、または間隔を置いて配置された2枚以上の弾性回復片510を含んでもよい。弾性回復片510の数は、実際のニーズに応じて選択及び設計でき、ここで具体的に限定することはない。弾性回復片510の形状は、例えば、蚊取り線香状、レーストラック渦巻き状、枠状等、様々な形状とすることができる。弾性回復片510は、ベース120をハウジング110に懸架して、ベース120とハウジング110との間で効果的な緩衝や制振を行うように構成されている。
【0059】
ベース120を、懸架制振モジュール500を介してハウジング110に懸架すると、可動組立体400の振動は、まず弾性支持モジュール200を介してベース120に伝達され、ベース120上の駆動組立体300によりその大部分が吸収された後、懸架制振モジュール500の弾性回復片510に伝達されてさらに吸収され、最後はハウジング110に伝達される。こうして、リニアモータ全体の振動が駆動組立体300と懸架制振モジュール500によりほぼ吸収されるため、ハウジング110全体の振動感を効果的に弱めることができる。弾性回復片510の一端がベース120に接続され、他端がハウジング110に接続されると、弾性回復片510の一端が可動組立体400に接続され、他端がハウジング110に接続される案に比べると、ベース120と固定組立体とを合わせた重さは可動組立体400とカッターヘッド組立体とを合わせた重さよりはるかに大きいため、可動組立体400により弾性回復片510に与えられる初期加速度がより小さく、弾性回復片510のハウジング110に対する振れ幅がより小さくなり、制振には好都合である。このリニアモータを用いた電動せん断装置の操作性はより快適であり、特に高い周波数の振動ではより顕著に感じられる。
【0060】
構造的強度を向上させるために、弾性回復片510及び挟持ブロック組立体520には通常、金属材質を使用する。弾性回復片510の上端とハウジング110とは、溶接、リベット接合等の方法により固定的に接続できる。挟持ブロック組立体520の構造は様々な構造とすることができる。例えば、挟持ブロック組立体520を、ブロック状構造、板状構造等とすることができる。第2の接続部材530は、具体的には、リベット、ねじ、ボルト等の構造とすることができる。具体的には、弾性回復片の下端と挟持ブロック組立体520との両方に貫通孔を開け、第2の接続部材530を弾性回復片510と挟持ブロック組立体520との貫通孔を通して設置することにより、弾性回復片510の下端と挟持ブロック組立体520とを固定的に接続する。第2の接続部材530を用いて弾性回復片510の下端と挟持ブロック組立体520とを接続することにより、溶接方法に比べて、弾性回復片510と挟持ブロック組立体520とを安定して接続するとともに、弾性回復片510の金属特性に影響しないため、さらには弾性回復片510の振動周波数への影響を避けた。挟持ブロック組立体520は、溶接、嵌設して溶接などの方法を用いて、ベース120に固定的に接続することができる。挟持ブロック組立体520を設けることにより、弾性回復片510と挟持ブロック組立体520とが第2の接続部材530を介して固定され、弾性回復片510が挟持ブロック組立体520を介してベース120に固定的に接続されるため、弾性回復片510をベース120に直接固定的に接続する場合と比較して、弾性回復片510を直接ハウジング110に接触させて溶接する必要がなく、溶接による弾性回復片510の金属特性への影響を効果的に回避でき、制振効果を高めることができる。
【0061】
さらに、図1から図4を参照して、挟持ブロック組立体520は、対向して設置された2つの挟持ブロック521を含み、弾性回復片510の下端は2つの挟持ブロック521の間に挟まれるように設置され、第2の接続部材530は、2つの挟持ブロック521と弾性回復片510とを貫通して接続する。
【0062】
本実施例において、挟持ブロック521は、具体的には、ストリップ状のブロック状構造としてもよく、四角形のブロック状構造としてもよく、弾性回復片510のサイズに応じて選択及び設計できるため、ここでは具体的には限定しない。対向する2つの挟持ブロック521の形状と寸法は、同じであってもよく、異なってもよく、あるいはわずかに異なってもよい。2つの挟持ブロック521による弾性回復片510の下端の挟持の一致性を保証するために、2つの挟持ブロック521の形状と寸法を同じくしてもよい。2つの挟持ブロック521を弾性回復片510下端の板面の両側を挟持するようにすることで、挟持ブロック521と弾性回復片510との接触面積を最大化し、挟持ブロック521と弾性回復片510との固定をより安定したものにする。第2の接続部材530が2つの挟持ブロック521と弾性回復片510の下端とを貫通して接続することにより、挟持ブロック521と弾性回復片510の下端とが一体としてブロック状構造を形成し、ベース120への弾性回復片510の下端の取付をより容易にする。同時に、弾性回復片510下端の板面の両側が2つの挟持ブロック521の間に挟まれるため、弾性回復片510の下端の変形や反りを効果的に防止して、弾性回復片510の制振効果をさらに保証することができる。
【0063】
さらに、図1から図5に示すように、ベース120の既定方向における両端には嵌設凸ブロック125が凸設されており、挟持ブロック521及び弾性回復片510には、嵌設凸ブロック125に対応してそれぞれ第1の挿入孔522と第2の挿入孔512とが開けられており、嵌設凸ブロック125は、第1の挿入孔522及び第2の挿入孔512内に挿接されるように構成され、嵌設凸ブロック125は、第1の挿入孔522の内壁面と溶接されている。
【0064】
本実施例において、取付時に、ベース120の両端の嵌設凸ブロック125を、挟持ブロック521の第1の挿入孔522と弾性回復片510の第2の挿入孔512内にそれぞれ嵌設することにより、ベース120と挟持ブロック521及び弾性回復片510との事前位置決めに基づく取付を実現し、後続の溶接作業をより容易にする。一方、ベース120の嵌設凸ブロック125と第1の挿入孔522の内壁面とを溶接することにより、弾性回復片510の振動周波数に実質的に影響を与えることなく、ベース120及び挟持ブロック521と弾性回復片510との安定した接続を保証し、長期間の振動により弾性回復片510と挟持ブロック521とがベース120から脱落することを効果的に回避することができる。具体的には、嵌設凸ブロック125の外周面と第1の挿入孔522の内壁面とが溶接されている。
【0065】
一実施例において、図7を併せて参照し、弾性回復片510は、横方向延在セグメント511と、並んで設けられた2つの上下方向延在セグメント514とを含み、2つの上下方向延在セグメント514の下端はそれぞれ、横方向延在セグメント511の両端に接続されており、第2の挿入孔512は、横方向延在セグメント511に開けられ、2つの挟持ブロック521は、横方向延在セグメント511の両側を挟むように設けられ、第2の接続部材530は、2つの挟持ブロック521と横方向延在セグメント511とを貫通して接続し、懸架制振モジュール500は横方向接続片540をさらに含み、2つの上下方向延在セグメント514の上端が横方向接続片540とハウジング110との間に挟まれるように設けられている。
【0066】
本実施例において、横方向延在セグメント511は、2つの上下方向延在セグメント514と一体成形されて設けられている。弾性回復片510は、横方向延在セグメント511と、並んで設けられた2つの上下方向延在セグメント514とを含むため、弾性回復片510は略U字状となっている。弾性回復片510をU字状とすることにより、弾性回復片510をリング状とする場合と比べて、弾性回復片510の上端開口により取付の誤差を吸収することができ、さらに弾性回復片510と挟持ブロック組立体520及びハウジング110との組立をより安定したものにして、弾性回復片510が変形して弾性回復効果に影響することを効果的に回避することができる。横方向接続片540を設けることにより、2つの上下方向延在セグメント514の上端が横方向接続片540とハウジング110との間に挟まれるように設けられるため、上下方向延在セグメント514とハウジング110との安定した接続を保証することができる。
【0067】
U字状の弾性回復片510は、構造が簡単で組み立てやすく、弾性回復片510の2つの上下方向延在セグメント514により、安定した弾性回復力を提供することができ、さらには、懸架制振モジュール500全体の制振と支持効果を保証することができる。2つの挟持ブロック521が横方向延在セグメント511の両側を挟むように設けられ、第2の接続部材530が挟持ブロック521と横方向延在セグメント511とを貫通して接続することにより、横方向延在セグメント511を十分に利用して弾性回復片510と挟持ブロック521の固定的な接続を実現し、第2の接続部材530と嵌設凸ブロック125とが2つの上下方向延在セグメント514の弾性回復効果に影響するのを回避する。
【0068】
一実施例において、図1から図3図7に示すように、第2の接続部材530はリベットであり、横方向延在セグメント511の、2つの上下方向延在セグメント514に対応する位置には2つの貫通孔513が開けられており、第2の挿入孔512は2つの貫通孔513の間に位置し、リベットは、貫通孔513と挟持ブロック521とを貫通して、弾性回復片510と挟持ブロック521モジュールとを固定的に接続し、各上下方向延在セグメント514の上端は、一つのリベットによりハウジング110と横方向接続片540との間に固定的に接続されている。
【0069】
本実施例において、第2の接続部材530をリベットとすることにより、ボルト等の構造に比べて、長期間の振動による第2の接続部材530の緩みや抜けを効果的に回避することで、さらには、弾性回復片510と挟持ブロック組立体520との接続をより安定して信頼性のあるものとすることができる。第2の挿入孔512が2つの貫通孔513の間に位置し、2つの挟持ブロック521の横方向における両端をそれぞれ、1つのリベットを用いて横方向延在セグメント511に固定的に接続することにより、横方向延在セグメント511の横方向における両端の反りや変形を回避して、横方向延在セグメント511と挟持ブロック521との接続をより円滑かつ確実に行うことができる。また、弾性回復片510と2つの挟持ブロック521をリベットを用いて接続すると、弾性回復片510と挟持ブロック521とが一体として1つのモジュールを形成する。それから、ベース120上の嵌設ブロック221を挟持ブロック521と横方向延在セグメント511の中央部に対応して嵌設してから、両者の接触する縁部を溶接することで、懸架制振モジュール500とベース120との固定を実現することができ、この固定方式は簡単且つ迅速で、取付が容易である。各上下方向延在セグメント514の上端を、一つのリベットを用いてハウジング110及び横方向接続片540に固定的に接続することにより、上下方向延在セグメント514とハウジング110及び横方向接続片540との接続の安定性を保証して、長期間の使用による緩みや抜けを回避することができる。
【0070】
一実施例において、図1図2を参照し、ハウジング110は、ハウジング本体111と、ハウジング本体111の既定方向における両端の天面に接続された取付凸ブロック112とを含み、弾性回復片510の上端は、弾性回復片510の天面が板ばね弾性片210の天面より高いかまたは面一になるように取付凸ブロック112の内面に固定的に接続されている。
【0071】
ハウジング本体111の天面に取付凸ブロック112を凸設し、弾性回復片510の上端を取付凸ブロック112の内面に固定的に接続することにより、ハウジング本体111の外部構造が弾性回復片510の弾性復元に干渉することを回避する。なお、弾性回復片510が長いほど、その振れ幅が小さくなる。弾性回復片510の有効振り子長さが板ばね弾性片210の有効振り子長さより短い場合、ベース120から弾性回復片510に伝達される振動により弾性回復片510の振れ幅が大きいため、ハウジング110の振動感が強い。一方、弾性回復片510の天面を板ばね弾性片210の天面より高くまたは面一にすることにより、弾性回復片510の有効振り子長さを板ばね弾性片210の有効振り子長さ以上にすることができ、弾性回復片510の振れ幅を相対的に小さくすることができるため、ハウジング110の振動感をさらに弱めることができる。
【0072】
本願は電動せん断装置をさらに提案し、該電動せん断装置は、カッターヘッド組立体と、往復式磁気浮上リニアモータ10とを含み、往復式磁気浮上リニアモータ10の具体的な構造については、上記実施例を参照し、往復式磁気浮上リニアモータ10の可動組立体400は、カッターヘッド組立体を往復運動させるように、カッターヘッド組立体に接続されている。本電動せん断装置は上記全ての実施例の全ての技術案を採用したので、少なくとも上記実施例の技術案がもたらす全ての有益効果を有し、ここでは説明を省く。
【0073】
この電動せん断装置は、具体的にはシェーバー、ヘアカッター、ヘアトリマー等であってもよく、ここでは具体的に限定しない。該往復式磁気浮上リニアモータ10が1つの可動組立体400のみを有する場合、一つの可動カッターヘッドと固定カッターヘッドを設けて、この可動カッターヘッドを往復式磁気浮上リニアモータ10の可動組立体400に接続し、この往復式磁気浮上リニアモータ10により可動カッターヘッドを固定カッターヘッドに対して往復移動させて、せん断を実現することができる。この往復式磁気浮上リニアモータ10が2つの可動組立体400を有する場合、カッターヘッドが二つの可動カッターヘッドを含むようにし、二つの可動カッターヘッドをそれぞれ、二つの可動組立体400に接続し、往復式磁気浮上リニアモータ10により、2つの可動カッターヘッドをそれぞれ逆方向に往復運動させて、せん断を実現する。
【0074】
最後に説明すべきは、上記の実施例は、本願の技術案を限定するものではなく、説明するためにのみ使用されるものであり、前述の実施例を参照して本明細書を詳細に説明したが、当業者であれば、前述の各実施例に記載された技術方案を修正し、又はその一部の技術的特徴を均等置換することができ、これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の要旨及び範囲から逸脱させるものではないことを、理解すべきである。
【符号の説明】
【0075】
10 往復式磁気浮上リニアモータ
100 ブラケット
110 ハウジング
111 ハウジング本体
112 取付凸ブロック
120 ベース
121 取付セグメント
122 位置決め嵌合溝
123 位置決め貫通孔
124 退避空間
125 嵌設凸ブロック
200 弾性支持モジュール
210 板ばね弾性片
211 第1の接続端部
212 第2の接続端部
213 本体セグメント
214 挿接セグメント
220 アダプタ組立体
221 嵌設ブロック
222 本体部
223 挿接部
230 第1の接続部材
300 駆動組立体
400 可動組立体
410 磁石取付座
411 接続セグメント
420 磁石
500 懸架制振モジュール
510 弾性回復片
511 横方向延在セグメント
512 第2の挿入孔
513 貫通孔
514 上下方向延在セグメント
520 挟持ブロック組立体
521 挟持ブロック
522 第1の挿入孔
530 第2の接続部材
540 横方向接続片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7