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特許7572106埋込バックプレーンを有するファンアウト発光ダイオード(LED)デバイス基板、照明システム及び製造方法
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  • 特許-埋込バックプレーンを有するファンアウト発光ダイオード(LED)デバイス基板、照明システム及び製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】埋込バックプレーンを有するファンアウト発光ダイオード(LED)デバイス基板、照明システム及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20241016BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20241016BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20241016BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20241016BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241016BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241016BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241016BHJP
【FI】
H01L23/36 C
H01L33/62
H01L33/64
F21V19/00 150
F21V19/00 170
G09F9/00 346A
G09F9/33
F21Y115:10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021557935
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020025378
(87)【国際公開番号】W WO2020205581
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】62/826,612
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/831,384
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヒン,ツェ-ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,チン
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0353827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0240745(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0064329(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0316565(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/36
H01L 33/62
H01L 33/64
F21V 19/00
G09F 9/00
G09F 9/33
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板内に第1のキャビティを形成し、
前記第1のキャビティ内にバックプレーンを配置し、
前記基板及び前記バックプレーンの上に誘電体材料の少なくとも1つの層を形成し、
前記誘電体材料の前記少なくとも1つの層内に第2のキャビティを形成して、前記バックプレーンの表面の少なくとも一部を露出させ、
前記第2のキャビティ内に、前記バックプレーンの前記表面の前記少なくとも一部と接触させて熱伝達プレートを配置する、
ことを有する方法。
【請求項2】
前記第1のキャビティ内に前記バックプレーンを配置することに先立って、前記基板をテープ上に配置する、ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のキャビティ内に前記バックプレーンを配置することは更に、前記バックプレーンを前記テープに結合することを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記基板の少なくとも1つの表面をめっきする、ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板は複数のビアを有し、前記めっきすることは更に、前記ビアの内面をめっきすることを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基板及び前記バックプレーンの上に前記誘電体材料の前記少なくとも1つの層を形成することは更に、前記基板の第1の表面及び前記バックプレーンの第1の表面の上に前記誘電体材料の前記少なくとも1つの層を形成することを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の表面とは反対側の前記基板及び前記バックプレーンの第2の表面の上に、前記誘電体材料の少なくとも1つの更なる層を形成する、ことを更に有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記誘電体材料内に少なくとも1つのビアを形成し、前記めっきの少なくとも一部を露出させる、ことを更に有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのビアを導電材料で充填する、ことを更に有する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記誘電体材料の外面上で前記少なくとも1つのビアの上に少なくとも1つの導電パッドを形成する、ことを更に有する請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記誘電体材料の前記少なくとも1つの層内に複数のビアを形成し、該複数のビアを導電材料で充填して、前記バックプレーンに電気的に結合された導電構造のアレイを形成する、ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記導電構造のうちの少なくとも一部に複数の発光ダイオード(LED)アレイを電気的に結合する、ことを更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のビア上に複数の導電パッドを形成する、ことを更に有する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の導電パッド上に複数の金属ピラーを形成する、ことを更に有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の金属ピラー上に複数のはんだバンプを形成する、ことを更に有する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
LEDアレイを前記複数の金属ピラー上の前記複数のはんだバンプとアライメントする、ことを更に有する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも前記はんだバンプに熱を加えて前記はんだバンプをリフローさせ、前記LEDアレイ内の個々のエミッタを前記複数のはんだバンプの個々のはんだバンプに電気的に結合する、ことを更に有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記基板内に少なくとも1つの他の第1のキャビティを形成し、
前記基板の前記少なくとも1つの他の第1のキャビティ内に少なくとも1つの他のバックプレーンを配置し、
前記誘電体材料の前記少なくとも1つの層内に少なくとも1つの他の第2のキャビティを形成して、前記少なくとも1つの他のバックプレーンの表面の少なくとも一部を露出させ、
前記少なくとも1つの他の第2のキャビティ内に、前記少なくとも1つの他のバックプレーンの前記表面の前記少なくとも一部と接触させて、少なくとも1つの他の熱伝導材料を配置する、
ことを更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記誘電体材料の前記少なくとも1つの層内に少なくとも1つの他の複数のビアを形成し、該複数のビアを導電材料で充填して、前記少なくとも1つの他のバックプレーンに電気的に結合された、導電構造の少なくとも1つの他のアレイを形成し、
前記少なくとも1つの他のバックプレーンに電気的に結合された、導電構造の前記少なくとも1つの他のアレイに、少なくとも1つの他のLEDアレイを電気的に結合する、
ことを更に有する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基板をダイシングして複数のLED照明システムを形成する、ことを更に有する請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2019年3月29日に出願された米国仮出願第62/826,612号、2018年3月2日に出願された欧州特許出願第18159747.7号、及び2020年3月26日に出願された米国特許出願第16/831,384号の利益を主張するものであり、それら双方をあたかも完全に記載されているかのように援用する。
【背景技術】
【0002】
精密制御照明用途は、小型の発光ダイオード(LED)照明システムの生産及び製造を必要とし得る。そのようなシステムのいっそう小さいサイズは、非従来的なコンポーネント及び製造プロセスを必要とし得る。
【発明の概要】
【0003】
製造方法が記述される。一方法は、基板内に第1のキャビティを形成し、該第1のキャビティ内にバックプレーンを配置することを含む。基板及びバックプレーンの上に誘電体材料の少なくとも1つの層が形成される。誘電体材料の上記少なくとも1つの層内に、バックプレーンの表面の少なくとも一部を露出させるように第2のキャビティが形成される。第2のキャビティ内に、バックプレーンの表面の上記少なくとも一部と接触させて熱伝導材料が配置される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
添付の図面とともに例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解が得られることになる。
図1】LEDアレイ例の上面図である。
図2】複数のLEDアレイを含むパネル例の断面図である。
図3】回路基板に結合された個片化されたLEDアレイアセンブリを含むLED照明システム例の断面図である。
図4】LED照明システムが取り付けられ得る回路基板例のブロック図である。
図5】LED照明システムが組み込まれ得る無線装置例のブロック図である。
図6】無線装置例の背面図である。
図7】例えば図2のLED照明システムなどのLED照明システムを製造する方法例のフロー図である。
図8図8A、8B、8C、8D、8E、8F、8G、8H、8I、8J及び8Kは、製造プロセスの様々な段階におけるLED照明システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、添付の図面を参照して、複数の異なる光照明システム及び/又は発光ダイオード(“LED”)実装の例がいっそう十分に説明される。これらの例は、相互に排他的なものではなく、更なる実装を達成するために、1つの例に見られる特徴を、1つ以上の他の例に見られる特徴と組み合わせることができる。従って、理解されることには、添付の図面に示される例は、単に例示の目的で提供されており、それらは決して本開示を限定することを意図していない。全体を通して、同様の要素は似通った符号で参照する。
【0006】
理解されることには、様々な要素を記述するために、ここでは第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、それらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。ここで使用されるとき、用語“及び/又は”は、関連して列挙されるアイテムのうちの1つ以上のアイテムの任意の及び全ての組み合わせを含み得る。
【0007】
理解されることには、例えば層、領域、又は基板などの要素が他の要素の“上に”ある又は“上へと”延在するとして言及されるとき、それが直に他の要素の上にある又は直にその上へと延在してもよいし、あるいは、介在する要素も存在してもよい。対照的に、或る要素が他の要素の“直上に”ある又は“直に上へと”延在するとして言及されるときには、介在する要素は存在しないとし得る。これまた理解されることには、或る要素が他の要素に“接続される”又は“結合される”として言及されるとき、それは直に他の要素に接続又は結合されてもよいし、及び/又は、1つ以上の介在要素を介して他の要素に接続又は結合されてもよい。対照的に、或る要素が他の要素に“直に接続される”又は“直に結合される”として言及されるときには、その要素と他の要素との間に介在する要素は存在しない。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きの要素を包含することが意図される。
【0008】
ここでは、図に示されるときの、1つの要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を記述するために、例えば“下方”、“上方”、“上側”、“下側”、“水平”又は“鉛直”などの相対的な用語が使用されることがある。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きのデバイスを包含することが意図される。
【0009】
また、LED、LEDアレイ、電気コンポーネント、及び/又は電子コンポーネントが、1つの、2つの、それともそれより多くのエレクトロニクス基板上に収容されるのかは、設計上の制約及び/又は用途にも依存し得る。
【0010】
現在利用可能な最も効率的な光源の中に、半導体発光デバイス(LED)、又は例えば紫外線(UV)又は赤外線(IR)の光出力を放つデバイスなどの光出力放射デバイスがある。これらのデバイス(以下、“LED”)は、発光ダイオード、共振器型発光ダイオード、垂直共振器レーザダイオード、端面発光レーザ、又はこれらに類するものを含み得る。LEDは、例えば、それらの小型さ及びより低い電力要求により、数多くの様々な用途にとっての魅力的な候補であり得る。例えば、それらは、カメラ及び携帯電話などの手持ち式の電池駆動装置用の光源(例えば、フラッシュ光及びカメラフラッシュ)として使用され得る。それらはまた、例えば、自動車照明、ヘッドアップディスプレイ(HUD)照明、園芸照明、街路灯、ビデオ用のトーチ、一般照明(例えば、家庭、店舗、オフィス及びスタジオの照明、劇場/舞台の照明、及び建築照明)、拡張現実(AR)照明、仮想現実(VR)照明のために使用され、ディスプレイ用のバックライトとして使用され、また、IR分光法に使用され得る。単一のLEDでは白熱光源よりも明るくない光を提供することになり、従って、もっと明るいことが望まれる又は必要とされる用途では、マルチジャンクションデバイス又はLEDのアレイ(例えば、モノリシックLEDアレイ、マイクロLEDアレイなど)が使用され得る。
【0011】
図1は、一例のLEDアレイ102の上面図である。図1に示す例において、LEDアレイ102は、エミッタ120のアレイである。LEDアレイは、例えばLEDアレイエミッタの精密な制御を必要とするものなどの用途に使用されることがある。LEDアレイ102内のエミッタ120は、個々にアドレス指定可能であったり、あるいはグループ/サブセットでアドレス指定可能であったりし得る。
【0012】
LEDアレイ102の3×3部分の拡大図も図1に示している。3×3拡大図に示すように、LEDアレイ102は、各々が幅wを有する複数のエミッタ120を含み得る。実施形態において、幅wは約100μm以下(例えば、30μm)とし得る。エミッタ120間のレーン122は幅がwの広さとし得る。実施形態において、幅wは約20μm以下(例えば、5μm)とし得る。レーン122は、隣接し合うエミッタ間にエアギャップを提供してもよいし、他の材料を含んでもよい。1つのエミッタ120の中心から隣接するエミッタ120の中心までの距離dは、約120μm以下(例えば、30μm)とし得る。理解されることには、ここで提供される幅及び距離は単なる例であり、実際の幅及び/又は寸法は様々であり得る。
【0013】
理解されることには、図1には対称なマトリクスに配置された正方形のエミッタが示されているが、ここに記載される実施形態には任意の形状及び配置のエミッタが適用され得る。例えば、図1のLEDアレイ102は、例えば20×100マトリクス、対称マトリクス、非対称マトリクス、又はこれらに類するものなど、任意の適用可能な配置で20,000個を超えるエミッタを含み得る。これまた理解されることには、ここに記載される実施形態を実装するために、複数組のエミッタ、マトリクス、及び/又は基板が任意の形態で配置されてもよい。
【0014】
上述のように、例えばLEDアレイ102などのLEDアレイは、微細なピッチ及びライン間隔を持つエミッタを含み得る。例えばこれなどのLEDアレイは、マイクロLEDアレイ又は単にマイクロLEDと称されることがある。マイクロLEDは、基板上に設けられた個々のエミッタのアレイを含むことができ、あるいは、それらエミッタを形成する複数のセグメントに分割された単一のシリコンウエハ又はダイであることができる。後者のタイプのマイクロLEDは、モノリシックLEDと称され得る。そのようなアレイは、特に各LED又はエミッタが別々にアドレス可能である場合に、個々のLED又はエミッタとLED照明システム内の回路基板及び/又は他のコンポーネントとの間で信頼性ある相互接続を行うことに関して難題を突き付け得る。さらに、そのようなアレイは、例えば60ワット以上など、それらに電力供給するためにかなりの電力を必要とし、それ故に、動作中にかなりの熱を放ち得る。従って、そのようなアレイでは、微細なライン空間及び微細間隔のエミッタの個別アドレス可能性を供するとともに十分な放熱を提供することができる構造が必要とされる。
【0015】
ここに記載される実施形態は、LED照明システム、複数のLEDアレイを含むパネル、及び微細なライン空間を有するLEDアレイの製造方法を提供し得るとともに、そのようなLEDアレイの要求を満たすのに十分な放熱を提供し得る。そのようなLEDアレイ及びLED照明システムは、例えばカメラフラッシュ用途を含む様々な用途で使用され得る。
【0016】
図2は、複数のLEDアレイを含む一例のパネル200の断面図である。図2に示す例において、パネル200は、基板212と、2つのLEDアレイアセンブリ202及び204とを含んでいる。基板212は、頂面210及び底面214を持ち、例えば有機材料などの任意の好適な回路基板材料から形成され得る。実施形態において、基板212は、例えばコア材料、ラミネート材料、誘電体、ソルダーマスク、及び導電材料などの複数の異なる材料から形成され得る。2つのLEDアレイアセンブリ202及び204は各々、基板212に埋め込まれたバックプレーン220、複数の第1の導電構造226、複数の第2の導電構造228、229、熱伝導体230、LEDアレイ240、アンダーフィル材料244、及び波長変換構造242を含み得る。バックプレーン220は、頂面222及び底面224を持ち得る。LEDアレイ240は、例えば図1に関して上述したものなどのマイクロLEDとし得る。
【0017】
実施形態において、LEDアレイアセンブリ202及び204の各々について、第1の導電構造226は、バックプレーン220の頂面から基板212を貫いて延在し、基板212の頂面210より上まで延在する。一部の実施形態において、第1の導電構造226は、基板212の頂面210より上まで延在しなくてもよく、基板212の頂面210で、又はそれより下で停止してもよい。一部の実施形態において、第1の導電構造226は、異なる導電構造の組み合わせを含んでもよい。例えば、第1の導電構造226は、バックプレーン220と基板212の頂面210との間を延在する導電ビアを含み得る。それら導電ビア上に、導電ピラーが配置されて、(例えば、それら導電ビアの上の金属パッドを介して)それら導電ビアに電気的に結合され得る。それらピラー上に、はんだバンプが形成され、リフローされて、各々がLEDアレイ内のLED又はエミッタに結合され得る。一部の実施形態において、第1の導電構造216のうちのサブセットが、LEDアレイに電気的に結合されてもよい。図2では、2つの第1の導電構造226が各バックプレーン220に結合されて示されているが、第1の導電構造226のアレイが、各バックプレーン220に結合されてもよく、また、対応するLEDアレイ224と同様のライン間隔を有してもよい。
【0018】
図2には示していないが、当業者には理解されることになるように、LEDアレイ240の各々は、例えば、表面トレース、ビア、又はバックプレーン220の中若しくは上の他のメタライゼーションを介した、第1の導電構造226と第2の導電構造228、229との間の電気接続によってなどで、対応する第2の導電構造228、229に電気的に結合されてもよい。これは、パネル200が個々のLEDアレイアセンブリ202及び204にダイシングされて、回路基板上にマウントされたり、それ以外で他の外部アセンブリに電気的に結合されたりしたときに、LEDアレイ240内の個々のLED又はエミッタがドライバ及び/又は他の回路によって個別に駆動されることを可能にし得る。実施形態において、バックプレーン220は、非有機材料から形成され得るものであるインターポーザ基板とし得る。実施形態において、バックプレーン220は、基板212がバックプレーン220を全ての面で完全に取り囲むように、基板212に完全に埋め込まれ得る。バックプレーン220は、例えば、有機材料、無機材料、シリコン材料又はガラス材料を含め、多数の異なる材料のいずれかから形成され得る。
【0019】
図2に示す例において、第2の導電体228、229は、バックプレーン220の頂面222と基板210の底面214との間の電気接続を提供している。導電構造228は、例えば、基板210内の導電ビアとし得る。一部の実施形態において、導電構造228は、マイクロビア、ワイヤ、金属ピラー、はんだカラム、又は他の導電構造であってもよい。導電構造229は、例えば、バックプレーン220から導電構造228まで水平方向に延在してそれらの間に電気接続を提供する電気トレースとし得る。理解されることになるように、例えば、ファンイン、ファンアウト、直線状及びカーブ状の水平レイアウトを含め、様々なタイプ及び構成の電気トレースが使用され得る。導電構造228、229は、例えば、銅、銀、アルミニウム、金などの金属、又は金属合金、又は導電性ポリマー組成物、グラフェン、又は導電性セラミックを含め、多様な導電材料から形成され得る。
【0020】
熱伝導体230は、例えば銅、アルミニウム、又は他の金属材料などの、良好な熱伝達特性を有する任意のタイプの熱材料の構造とし得る。熱伝導体230は、金属スラグ又は他の剛性の熱伝達プレートとし得る。熱伝導体230は、基板210の底面214内のキャビティ内に配置され、バックプレーン220に熱的に結合され得る。図2に示す例において、熱伝導体230は、バックプレーン220と接触する頂面と、基板212の底面214と同一平面にある底面とを有している。しかしながら、実施形態において、熱伝導体230の底面は、基板212の底面214に対して、実質的に同一平面にあってもよいし、凹所化されてもよいし、あるいは、基板212の底面214より下まで延在してもよい。パネル200がダイシングされ、個々のLEDアレイアセンブリ202又は204が回路基板上にマウントされるとき、熱伝導体230は、対応する熱板又は他のヒートシンクデバイス若しくは材料に結合されることができ、それにより、例えば図1に関して上述したような、LEDアレイに必要な放熱量が提供され得る。
【0021】
波長変換構造242は、LEDアレイ240の各々の上に配置され得る。実施形態において、波長変換構造242は、少なくとも1つの蛍光体材料又は量子ドット又は色素を含有する成形材料又はセラミック材料などの蛍光体材料とし得る。波長変換構造242は、選択された波長変換材料を用いて所望の波長変換特性を提供するための任意の好適な厚さとし得る。LEDアレイが、1つ以上の波長変換材料と組み合わされて、オン状態にあるときに白色光又は他の色の単色光を作り出し得る。オン状態にあるLEDによって放たれる光の全て又は一部のみが、波長変換構造242によって変換され得る。そうである必要があるわけではないが、未変換の光が、LEDアレイアセンブリ202、204から放射される光の最終スペクトルの一部となり得る。例として、波長変換構造242を備えたLEDアレイアセンブリ202、204は、黄色発光蛍光体材料又は緑色発光及び赤色発光蛍光体材料と組み合わされた青色発光LED又はエミッタであるか、あるいはそれを含むか、であることができる。他の例として、波長変換構造242を備えたLEDアレイアセンブリ202、204は、青色発光及び黄色発光蛍光体材料又は青色発光、緑色発光及び赤色発光蛍光体材料と組み合わされたUV発光LED又はエミッタ発光体であるか、あるいはそれを含むか、であることができる。
【0022】
アンダーフィル材料244は、さもなければ露出されることになる電気及び/又は電子コンポーネント並びに導電要素に対する保護を提供することができ、且つ/或いは基板212の頂面210へのLEDアレイ244の機械的結合を提供又は支援することができる。実施形態において、アンダーフィル材料は、ポリマーバインダーとすることができ、基板210の頂面212より上に突出する第1の導電構造226の部分を取り囲むことができる。
【0023】
例えば図2のLEDアレイアセンブリ202、204などのLEDアレイアセンブリは、例えば光アブソーバ、リフレクタ、他の光学コーティング、又は電気絶縁材料などの更なる要素(図示せず)を含み得る。実施形態において、LEDアレイアセンブリは、例えば有機、無機、又は有機/無機の組み合わせのバインダ又はフィラー材料などの、光学的及び電気絶縁材料を含み得る。例えば、アンダーフィル244を提供するために、接着剤、エポキシ、アクリレート又はニトロセルロースが、セラミック粒子と共に使用され得る。他の有機/無機バインダ、フィラー又は側壁は、例えば、埋め込まれた反射性酸化チタン又は他の反射性散乱粒子を有するエポキシであってもよい。無機バインダは、ゾル-ゲル(例えば、TEOS又はMTMSのゾル-ゲル)又は水ガラスとしても知られる液体ガラス(例えば、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウム)を含み得る。実施形態において、バインダは、物理特性を調整するフィラーを含み得る。フィラーは、光学的又は熱的な性能を改善することが可能な、無機ナノ粒子、シリカ、ガラス粒子若しくは繊維、又は他の材料を含み得る。
【0024】
実施形態において、各LED若しくはエミッタ、又は付随する波長変換構造に対して、マイクロレンズ、又は例えばリフレクタ、散乱素子若しくはアブソーバなどの他の一次若しくは二次光学素子が結合されたり位置付けられたりし得る。加えて、あるいは代わりに、LEDアレイ全体の上に一次光学系が位置付けられてもよく、それは、直接的に取り付けられてもよいし、あるいは好適なパッケージングにてLEDアレイから距離を置いて実装されてもよい。具体的な用途に対し、必要に応じて、保護層、透明層、熱的な層、又は他のパッケージング構造が使用されてもよい。
【0025】
図3は、回路基板300に結合された個片化されたLEDアレイアセンブリ202を含むLED照明システム例の断面図である。図3に示す例において、基板212の底面214は、回路基板300の頂面に隣接して配置されている。回路基板は、複数の導電パッド302を有し得る。図3に示す例において、回路基板300上の導電パッド302は、第2の導電構造229にはんだ付けされ、あるいはその他の方法で電気的に結合される。基板212内の熱伝導構造230も、回路基板上の熱伝導パッド304にはんだ付けされ、それに接触して配置され、あるいはその他の方法で熱的に結合され得る。熱伝導構造230と回路基板300との間の直接的な接触及び/又は接合は、さもなければ例えばLEDアレイ240からの光放射を阻止してしまい得るLED照明システムの上の(又は他の場所の)追加の放熱構造の必要なしに、ヒートシンク目的のためのLEDアセンブリ202から回路基板300への効率的な熱伝達を可能にする。回路基板300は、具体的な用途で使用される、より大きいシステムの一部とし得る(図4、5及び6に関して例を後述する)。第2の導電構造229は第1の導電構造226と電気的に結合されているので、LEDアレイ202は、回路基板300上の回路を介してLEDアレイ202に電力供給し、それからの光放射を駆動又はその他の方法で制御するために、回路基板300に電気的に結合されることができる。
【0026】
上述のように、例えばLEDアレイ202、204などのLEDアレイは、アドレス可能なアセンブリとすることができ、粒度の細かい配向の強度、空間、及び時間制御からの恩恵を受ける用途をサポートし得る。これは、以下に限られないが、ピクセルブロック又は個々のピクセルからの放射光の精密な空間パターン形成を含み得る。用途に応じて、放射光は、スペクトル的に異なってもよく、経時的に適応的であってもよく、及び/又は環境応答性であってもよい。LEDアレイは、様々な強度、空間又は時間パターンで、予めプログラムされた配向を提供してもよい。放射光は、受信されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいてもよく、また、光無線通信に使用されてもよい。付随する光学系がピクセルレベル、ピクセルブロックレベル、又はデバイスレベルにおいて異なってもよい。一例のLEDアレイは、共通の光学系が付随した、共通制御される高密度ピクセルの中央ブロックを有するデバイスを含むことができ、一方、エッジピクセルは個々の光学系を有してもよい。LEDアレイによってサポートされる一般的な用途は、カメラフラッシュ、自動車ヘッドライト、建築及びエリア照明、街路照明、並びに情報ディスプレイを含み得る。
【0027】
図4は、例えばLEDアレイアセンブリ202、204などのLEDアレイアセンブリの取付けのためのLEDデバイス取付け領域418を含む回路基板300の一例の上面図である。図4に示す例において、回路基板300は、基板上に、電力モジュール412と、センサモジュール414と、接続及び制御モジュール418とを含んでいる。
【0028】
センサモジュール414は、LEDアレイが実装されることになる用途に必要なセンサを含み得る。センサ例は、光学センサ(例えば、IRセンサ及びイメージセンサ)、運動センサ、熱センサ、メカニカルセンサ、近接センサ、又はさらにはタイマを含み得る。例として、街路照明、一般照明、及び園芸照明用途におけるLEDは、例えば検出されたユーザの存在、検出された周囲照明条件、検出された気象条件などの複数の異なるセンサ入力に基づいて、又は昼/夜の時間に基づいて、ターンオフ/オンされ及び/又は調整され得る。これは、例えば、光出力の強度、光出力の形状、光出力の色を調節すること、及び/又はエネルギーを節約するために光をターンオン又はオフすることを含み得る。AR/VR用途では、ユーザの動きを検出するために運動センサが使用され得る。運動センサ自体が、例えばIR検出器LEDなどのLEDであってもよい。他の一例として、カメラフラッシュ用途では、フラッシュ照明の色、強度照明パターン、及び/又は形状が最適に較正され得るように、イメージセンサ及び/又は他の光学センサ若しくはピクセルを使用して、キャプチャされるシーンの照明を測定し得る。代わりの実施形態では、回路基板300はセンサモジュールを含まない。
【0029】
接続及び制御モジュール416は、システムマイクロコントローラと、外部装置から制御入力を受信するように構成された任意のタイプの有線又は無線モジュールとを含み得る。例として、無線モジュールは、ブルートゥース(登録商標)、Zigbee、Z-wave、メッシュ、WiFi、近距離無線通信(NFC)、及び/又はピア・ツー・ピアモジュールを含み得る。マイクロコントローラは、LED照明システムに組み込まれた任意のタイプの特殊目的コンピュータ又はプロセッサであって、上記有線又は無線モジュール、又はLED照明システム内の他のモジュール、装置若しくはシステムからの入力(例えば、センサデータ、及びLEDデバイス取付け領域418に取り付けられたLEDアレイからフィードバックされるデータなど)を受信し、それに基づいて他のモジュールに制御信号を提供するように構成された又は構成可能なものとし得る。特殊目的プロセッサによって実装されるアルゴリズムは、特殊目的プロセッサによる実行のために非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにて実装され得る。非一時的なコンピュータ読み取り可能記憶媒体の例は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、及び半導体メモリデバイスを含む。メモリは、マイクロコントローラの一部として含められてもよいし、回路基板300上又は回路基板300外のいずれかの、別の場所に実装されてもよい。
【0030】
モジュールという用語は、ここで使用されるとき、1つ以上の回路基板300にはんだ付けされ得る個々の回路基板上に配置された電気及び/又は電子コンポーネントを指し得る。しかしながら、モジュールという用語はまた、同様の機能を提供するが同一の領域又は異なる領域の1つ以上の回路基板に個別にはんだ付けされ得る電気及び/又は電子コンポーネントも指し得る。図4では回路基板300が特定のモジュールを有するものとして示されているが、これらは単に図示及び例示のためのものである。当業者が認識することには、回路基板は用途に応じて任意数及び多様な異なるモジュールを含み得る。
【0031】
上述のように、例えば図3に示したものなどのLED照明システムは、幾つもの異なる用途で使用されることができ、特に、密に詰められたLEDアレイ及び/又は個別アドレス可能なLEDデバイス若しくはエミッタが望ましいとし得るフラッシュ用途で有用であり得る。図5及び6は、例えば図3のLED照明システム300などのLED照明システムを組み込み得るアプリケーションシステム例の図である。図5及び6に示す例はLEDフラッシュ用途向けであるが、当業者が理解することには、例えばここに記載されるものなどのLEDアレイアセンブリは数多くの異なる用途に使用されることができる。
【0032】
モバイル装置用のカメラフラッシュ用途にはLEDアレイがよく適し得る。典型的に、画像キャプチャを支援するために、高輝度LEDからの強くて短い閃光が使用され得る。残念ながら、従来のLEDフラッシュでは、光の多くが、既に十分に照られている領域又はそれ以外の理由で照明される必要のない領域を照らすことで無駄にされる。発光ピクセルアレイの使用は、決定された時間量にわたるシーンの部分ごとの制御された照明を提供し得る。これは、カメラフラッシュが、例えば、ローリングシャッターキャプチャの間に撮像される領域のみを照明することを可能にし、キャプチャされる画像の信号対雑音比を最小化するとともに人物又はターゲット被写体の上又はそれにまたがる影を最小化する照明でさえ提供することを可能にし、及び/又は影を際立たせる高コントラスト照明を提供することを可能にし得る。LEDアレイのエミッタがスペクトル的に異なる場合、所望の色調又は色の暖かさを提供するように、フラッシュ照明の色温度が動的に調節され得る。
【0033】
図5は、一例の無線装置500の図である。図5に示す例において、無線装置500は、プロセッサ512、トランシーバ502、アンテナ504、スピーカ/マイクロフォン506、キーパッド508、ディスプレイ/タッチパッド510、メモリ516、電源518、及びカメラ514を含んでいる。
【0034】
プロセッサ512は、汎用プロセッサ、特殊目的プロセッサ、従来からのプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、DSPコアに付随した1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、集積回路(IC)、状態マシン、及びこれらに類するものとし得る。プロセッサ512は、スピーカ/マイクロフォン506、キーパッド508、ディスプレイ/タッチパッド510、及び/又はカメラ514に結合されることができ、また、これらからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ512はまた、ユーザデータを、スピーカ/マイクロフォン506、キーパッド508、ディスプレイ/タッチパッド510、及び/又はカメラ514に出力し得る。さらに、プロセッサ512は、例えばメモリ516などの任意のタイプの好適なメモリからの情報にアクセスすることができ、また、その中にデータを格納することができる。プロセッサ512は、電源518から電力を受け取ることができ、無線装置500内の他のコンポーネントに対して電力を分配及び/又は制御するように構成されることができる。
【0035】
プロセッサ512はまた、カメラ514に結合され得る。実施形態において、カメラ514は、例えば、イメージセンサ、読出し回路、フラッシュモジュール、及び/又は任意の他の必要回路若しくはカメラ514を動作させるために必要な制御具を含み得る。実施形態において、フラッシュモジュールは、例えば図3のLED照明システム300などのLED照明システムと、ドライバ、1つ以上のセンサ、及び/又はフラッシュを動作させるために必要な任意の他の回路又は制御具とを含み得る。
【0036】
図6は、カメラ514の更なる詳細を示す無線装置600の背面図である。図6に示す例において、無線装置600は、ケーシング620及びカメラ514を含んでいる。カメラ514はレンズ640を含んでおり、それを介してカメラのイメージセンサ(図6には示さず)がシーンの像をキャプチャし得る。カメラモジュール514はまた、例えば図3のLED照明システム300などの1つ以上のLED照明システムの一部とし得るものである1つ以上のLEDアレイを含むことができるフラッシュ650を含み得る。
【0037】
図7は、例えば図2のパネル200及び/又は図3のLED照明システム300などの、LEDアレイのパネル及び/又はLED照明システムを製造する方法700の一例のフロー図である。図8A、8B、8C、8D、8E、8F、8G、8H、8I、8J及び8Kは、製造方法の様々な段階におけるLEDアレイのパネルの断面図である。
【0038】
図7に示す一例の方法700において、基板内にキャビティが形成される(702)。図8Aは、基板802の断面図800Aである。基板802は、その中に形成されたビア803と、基板802の頂面及び底面の一部の上及びビア803内に形成されたメタライゼーション804とを有している。メタライゼーション804は、図2の第2の導電構造228、229の少なくとも一部を形成する。図8Bは、その中にキャビティ806が形成された基板802の断面図800Bである。この断面図では、基板806を完全に2つの断片に分離しているように開口部が示されているが、キャビティは、基板中を部分的に通って形成されてもよいし、あるいは、基板を完全に貫いて形成されるが全ての側面を基板802の少なくとも一部によって取り囲まれたビア又は他の開口部であってもよい。
【0039】
戻って図7を参照するに、基板のキャビティ内にバックプレーンが配置され得る(704)。図8C及び8Dは、バックプレーンの配置における異なる時点での基板の断面図800C及び800Dである。図8Cにて、テープ808又は他の一時的構造が、基板802の上に配置され、メタライゼーション804の頂面810に接着され又はその他の方法で結合される。図8Dにて、バックプレーン812がキャビティ806内に配置され、テープ又は他の一時的構造808に接着され又はその他の方法で結合される。
【0040】
戻って図7を参照するに、基板及びバックプレーンの上に誘電体材料の少なくとも1つの層が形成され得る(706)。図8E及び8Fは、誘電体材料の少なくとも1つの層の形成中の様々な時点での基板の断面図800E及び800Fである。図8Eは、バックプレーン812及び基板802の他方の面が依然としてテープ又は他の一時的構造808上にありながら、バックプレーン812及び基板802の一方の面の上に形成された誘電体材料814を示す断面図である。図8Eに示される例において、誘電体材料814はまた、別の材料で充たされていない基板802内の全ての空所及びビアを充填している。図8Fにて、テープ又は他の一時的構造808が除去され、そして、テープ又は他の一時的構造808の除去によって露出された基板802及びバックプレーン812の面上に、誘電体材料814の少なくとも1つの他の層が形成される。実施形態において、誘電体材料は、例えばポリイミドなどのポリマー誘電体材料とし得る。
【0041】
誘電体材料814のこの少なくとも1つの層は、1つ以上の再配線層(RDL)とし得る。RDL層の数は、LEDアレイパネルが実装される具体的な用途に依存し得る。図2のパネル200に対して、基板802が、誘電体材料814の少なくとも一部と共に、バックプレーン220が埋め込まれた図2の基板212を形成し得る。換言すれば、基板212にバックプレーン220を埋め込む1つの方法は、例えば基板802などの基板内にキャビティを形成し、その後、誘電体材料の少なくとも1つの層と一緒になった基板の中にバックプレーンが埋め込まれるように、基板及びバックプレーンの上に誘電体の1つ以上の層を形成することを含み得る。
【0042】
戻って図7を参照するに、誘電体材料の少なくとも1つの層内にキャビティが形成され、バックプレーンの表面の少なくとも一部を露出させ得る(708)。誘電体材料の少なくとも1つの層内に熱伝導材料が配置される(710)。戻って図8Fを参照するに、誘電体材料814内にキャビティが形成され、該キャビティ内に熱伝導材料818が配置されている。
【0043】
図8Gは、パネルの断面図800Gである。図8Gでは、図8Fのアセンブリ全体がひっくり返されており、もはや誘電体材料814の頂面となったものの中にビアが形成され、バックプレーン812の表面を露出させている。これらのビアは、導電材料で充填されるかライニングされるかすることができ、導電パッド816が誘電体材料814の外面上に形成され得る。導電材料を有するビア(及びオプションでパッド)は、例えば、図2の第1の導電構造226を形成し得る。もはや誘電体材料814の底面となったものの中に、他のビア及びオプションで導電パッド816が形成され得る。これらは、メタライゼーション804に電気的に結合されることができ、基板212の底面まで延在するものである図2の第2の導電構造228、229の一部となることができる。図8Gには示していないが、誘電体材料814の底面に形成されたビア/パッド816のこれらの部分及びメタライゼーション804は、図2に関して上で説明したように、バックプレーン812内又は上のトレース及び/又はビアによって、又はメタライゼーション804の他の部分若しくはビアをライニング若しくは充填する導電材料によって、誘電体材料814の頂面に形成されたビア/パッド816に電気的に結合されることができる。これは、上述のように、第1の導電構造226と第2の導電構造228、229との間の電気的結合を提供することができる。図8Gにはバックプレーン812の頂面から延在するビア/パッド816が3つのみ示されているが、密集したビア/パッドのアレイが存在することができ、それらが、LEDアレイ内の個々のLED又はエミッタに電気的に結合され得る。
【0044】
図8H、8I、8J、及び8Kは、当該方法の様々な更なる段階におけるパネルの例800H、800I、800J、及び800Kの図である。図8Hにて、誘電体材料814の頂面及び底面の特定の部分上にソルダーマスク又は他のパッシベーション材料820が形成され得る。図8Iにて、図8Gの導電パッド816上に、例えば銅ピラーなどの導電ピラー822が形成され得る。図8Jにて、導電ピラー822上に、例えばはんだバンプ又ははんだボールなどのはんだ材料824が形成され得る。図8Kにて、はんだ材料822の上にLEDアレイ826が配置され又はその他の方法で置かれ得る。アセンブリ800K全体を加熱することができ、はんだ材料822がリフローし、従って、LEDアレイ826をピラー822に電気的且つ機械的に結合し得る。ピラー822は、LEDアレイ826内の個々のLED又はエミッタに結合されてもよい。図示していないが、以下を含む後続の処理工程、すなわち、アンダーフィルを形成すること、LEDアレイ826の上に波長変換構造を形成すること(例えば、蛍光体インテグレーション)、基板の薄化又はレーザリフトオフ(例えば、LEDアレイ826の成長基板又は他の一時的基板の薄化又は除去)、及び/又は例えば図3のLED照明システム300などの複数のLED照明システムへとパネルをダイシングすること、を含む後続の処理工程が行われ得る。
【0045】
実施形態において、波長変換構造は、電圧を印加して、少なくとも1つの蛍光体材料を含有する材料を電気泳動堆積させることによって形成され得る。印加電圧持続時間を変化させることは、堆積される材料の量及び厚さを対応して変化させ得る。あるいは、LEDは、例えば、有機バインダを用いて蛍光体粒子をLEDアレイに接着させることにより、蛍光体含有材料でコーティングされてもよい。蛍光体含有材料は、ディスペンスされ、スクリーン印刷され、スプレー塗布され、成形され、又はラミネートされてもよい。あるいは、特定の用途では、少なくとも1つの蛍光体材料を含有するガラス、及び/又は蛍光体材料を含有するプリフォームされた焼結セラミックが、LEDアレイに結合されてもよい。
【0046】
上述の図は、特定の相対サイズを持った、熱伝導材料、LEDアレイ及びバックプレーンを示しているが、当業者が認識することには、これらの素子のサイズは様々とし得る。例えば、バックプレーンは、対応するLEDアレイより大きくても小さくてもよく、熱伝導材料は、バックプレーンより大きくても小さくてもよい。これらの素子の各々のサイズは、例えば、性能及びコストの最適化に依存し得る。
【0047】
実施形態を詳細に説明してきたが、当業者が理解することには、ここに記載された実施形態には、本明細書を所与として、発明概念の精神から逸脱することなく、変更が為され得る。従って、発明の範囲が、図示して記述した特定の実施形態に限定されるという意図はない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図8K