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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】単位セルおよびこれを含む電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20241016BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20241016BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALN20241016BHJP
   H01M 10/0583 20100101ALN20241016BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20241016BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/466
H01M50/46
H01M10/052
H01M10/0566
H01M10/0583
H01M10/0585
【請求項の数】 49
(21)【出願番号】P 2023512034
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 KR2022006013
(87)【国際公開番号】W WO2022250306
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0066461
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0048387
(32)【優先日】2022-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン、ヒェオク
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、セオン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ヨン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ス テク
(72)【発明者】
【氏名】クォン、スーン クァン
(72)【発明者】
【氏名】ベ、サンホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミンウーク
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-152226(JP,A)
【文献】特開2019-053862(JP,A)
【文献】特開2019-091581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00-10/39
H01M 50/40-50/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;
前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および
前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、
前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度り小さい単位セル。
【請求項2】
定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;
前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および
前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、
前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着部の粘度は前記第2接着部の粘度と同一であるかまたはこれより小さく、
前記第1接着部の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、
前記第2接着部の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下である単位セル。
【請求項3】
定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;
前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および
前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、
前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着部の厚さは前記電極の厚さより小さく、
前記第2接着部の厚さは前記電極の厚さと同一であるかまたはこれより小さく、
前記第1接着部の厚さは前記電極の厚さに対して0.01%以上~10%以下であり、
前記第2接着部の厚さは前記電極の厚さに対して90%以上100%以下である単位セル。
【請求項4】
定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;
前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および
前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、
前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、
前記第2接着組成物は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなる単位セル。
【請求項5】
定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;
前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および
前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、
前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着部は、電解液に溶解される性質を有する単位セル。
【請求項6】
前記第1接着部の剪断強度は0.15MPa以上0.5MPa以下であり、
前記第2接着部の剪断強度は0.15MPa以上3.5MPa以下である、請求項2から5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項7】
前記第2接着部の剪断強度は1.5MPa以上3.5MPa以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項8】
前記第1接着部の粘度は前記第2接着部の粘度と同一であるかまたはこれより小さい、請求項1、3から5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項9】
前記第1接着部の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、
前記第2接着部の粘度は50cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下である、請求項に記載の単位セル。
【請求項10】
前記第2接着部の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下である、請求項に記載の単位セル。
【請求項11】
前記第1接着部の厚さは前記電極の厚さより小さく、
前記第2接着部の厚さは前記電極の厚さと同一であるかまたはこれより小さい、請求項1、2、4、5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項12】
前記第1接着部の厚さは前記電極の厚さに対して0.01%以上~10%以下であり、
前記第2接着部の厚さは前記電極の厚さに対して90%以上100%以下である、請求項11に記載の単位セル。
【請求項13】
前記第1接着部の接着力は前記第2接着部の接着力と同一であるかまたはこれより大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項14】
前記第1接着部の接着力は50gf/mm以上100gf/mm以下であり、
前記第2接着部の接着力は20gf/mm以上100gf/mm以下である、請求項13に記載の単位セル。
【請求項15】
前記第2接着部は前記分離膜の端部と前記電極の端部との間に位置する、請求項1から5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項16】
前記第2接着部の幅は前記分離膜の端部と前記電極の端部との間の距離より小さい、請求項15に記載の単位セル。
【請求項17】
前記第1接着部および前記第2接着部は、それぞれ互いに離隔している複数のドットを含むパターンで形成されている、請求項15に記載の単位セル。
【請求項18】
前記第2接着部に含まれている前記複数のドットは、前記電極の端部と前記分離膜の端部との間の距離より小さい直径を有する、請求項17に記載の単位セル。
【請求項19】
前記第1接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、
前記第2接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、エポキシ系物質、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなる、請求項1から3、5のいずれか一項に記載の単位セル。
【請求項20】
前記第2接着組成物は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなる、請求項19に記載の単位セル。
【請求項21】
請求項1から5のいずれか一項に記載の単位セルを交互に積層して形成された電極組立体において、
前記第1接着部は、前記電極と前記分離膜との間ごとに同一の位置に配置される接着パターンを含む電極組立体。
【請求項22】
請求項1から5のいずれか一項に記載の単位セルを交互に積層して形成された電極組立体において、
前記第1接着部は、前記電極と前記分離膜との間ごとに互いにずらした形態で配置される接着パターンを含む電極組立体。
【請求項23】
請求項1から4のいずれか一項に記載の単位セルが交互に積層されている電極組立体と共に電解液を含む電池セル。
【請求項24】
前記第1接着部は、電解液に溶解される性質を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の単位セル
【請求項25】
前記分離膜がフォルディングされてジグザグ形態を有する、請求項23に記載の電池セル。
【請求項26】
定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;
前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および
前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、
前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度と同一であるかこれより小さい単位セルが交互に積層されている電極組立体と共に電解液を含み、
前記分離膜がフォルディングされてジグザグ形態を有する、電池セル。
【請求項27】
電極の第1面または第1分離膜の接合領域のうちの少なくともいずれか一つに第1接着剤を適用する段階;
前記第1接着剤を前記電極の第2面または第2分離膜の接合領域のうちの少なくとも一つに適用する段階であって、前記電極の第2面は前記第1面から前記電極の反対側に位置する段階;
前記第1分離膜の周辺領域または前記第2分離膜の周辺領域のうちの少なくとも一つに第2接着剤を適用する段階;および
前記電極の第1面が前記第1分離膜の接合領域に接し、前記電極の第2面が前記第2分離膜の接合領域に接するように前記第1分離膜と前記第2分離膜との間に前記電極を積層することによって少なくとも一部分のスタックを形成する段階を含み、
前記スタックは、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域が前記電極の周縁を超えて外側に伸びるように形成され、
前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域はその間に電極を位置させずに互いに対向し、
前記第1接着剤の剪断強度は前記第2接着剤の剪断強度り小さい単位セルの製造方法。
【請求項28】
電極の第1面または第1分離膜の接合領域のうちの少なくともいずれか一つに第1接着剤を適用する段階;
前記第1接着剤を前記電極の第2面または第2分離膜の接合領域のうちの少なくとも一つに適用する段階であって、前記電極の第2面は前記第1面から前記電極の反対側に位置する段階;
前記第1分離膜の周辺領域または前記第2分離膜の周辺領域のうちの少なくとも一つに第2接着剤を適用する段階;および
前記電極の第1面が前記第1分離膜の接合領域に接し、前記電極の第2面が前記第2分離膜の接合領域に接するように前記第1分離膜と前記第2分離膜との間に前記電極を積層することによって少なくとも一部分のスタックを形成する段階を含み、
前記スタックは、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域が前記電極の周縁を超えて外側に伸びるように形成され、
前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域はその間に電極を位置させずに互いに対向し、
前記第1接着剤の剪断強度は前記第2接着剤の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着剤の粘度は前記第2接着剤の粘度と同一であるかまたはこれより小さく、
前記第1接着剤の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、
前記第2接着剤の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下である単位セルの製造方法。
【請求項29】
電極の第1面または第1分離膜の接合領域のうちの少なくともいずれか一つに第1接着剤を適用する段階;
前記第1接着剤を前記電極の第2面または第2分離膜の接合領域のうちの少なくとも一つに適用する段階であって、前記電極の第2面は前記第1面から前記電極の反対側に位置する段階;
前記第1分離膜の周辺領域または前記第2分離膜の周辺領域のうちの少なくとも一つに第2接着剤を適用する段階;および
前記電極の第1面が前記第1分離膜の接合領域に接し、前記電極の第2面が前記第2分離膜の接合領域に接するように前記第1分離膜と前記第2分離膜との間に前記電極を積層することによって少なくとも一部分のスタックを形成する段階を含み、
前記スタックは、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域が前記電極の周縁を超えて外側に伸びるように形成され、
前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域はその間に電極を位置させずに互いに対向し、
前記第1接着剤の剪断強度は前記第2接着剤の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着剤の厚さは前記電極の厚さより小さく、
前記第2接着剤の厚さは前記電極の厚さと同一であるかまたはこれより小さく、
前記第1接着剤の厚さは前記電極の厚さに対して0.01%以上~10%以下であり、
前記第2接着剤の厚さは前記電極の厚さに対して90%以上100%以下である単位セルの製造方法。
【請求項30】
電極の第1面または第1分離膜の接合領域のうちの少なくともいずれか一つに第1接着剤を適用する段階;
前記第1接着剤を前記電極の第2面または第2分離膜の接合領域のうちの少なくとも一つに適用する段階であって、前記電極の第2面は前記第1面から前記電極の反対側に位置する段階;
前記第1分離膜の周辺領域または前記第2分離膜の周辺領域のうちの少なくとも一つに第2接着剤を適用する段階;および
前記電極の第1面が前記第1分離膜の接合領域に接し、前記電極の第2面が前記第2分離膜の接合領域に接するように前記第1分離膜と前記第2分離膜との間に前記電極を積層することによって少なくとも一部分のスタックを形成する段階を含み、
前記スタックは、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域が前記電極の周縁を超えて外側に伸びるように形成され、
前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域はその間に電極を位置させずに互いに対向し、
前記第1接着剤の剪断強度は前記第2接着剤の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着剤は、エチレン-ビニルアセテート(EVA)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、
前記第2接着剤は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなる単位セルの製造方法。
【請求項31】
電極の第1面または第1分離膜の接合領域のうちの少なくともいずれか一つに第1接着剤を適用する段階;
前記第1接着剤を前記電極の第2面または第2分離膜の接合領域のうちの少なくとも一つに適用する段階であって、前記電極の第2面は前記第1面から前記電極の反対側に位置する段階;
前記第1分離膜の周辺領域または前記第2分離膜の周辺領域のうちの少なくとも一つに第2接着剤を適用する段階;および
前記電極の第1面が前記第1分離膜の接合領域に接し、前記電極の第2面が前記第2分離膜の接合領域に接するように前記第1分離膜と前記第2分離膜との間に前記電極を積層することによって少なくとも一部分のスタックを形成する段階を含み、
前記スタックは、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域が前記電極の周縁を超えて外側に伸びるように形成され、
前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域はその間に電極を位置させずに互いに対向し、
前記第1接着剤の剪断強度は前記第2接着剤の剪断強度と同一であるかこれより小さく、
前記第1接着剤は、電解液に溶解される性質を有する単位セルの製造方法。
【請求項32】
前記電極の第1面および前記電極の第2面に直交する方向に沿って前記スタックを圧縮する段階をさらに含む、請求項27から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項33】
電池ケースに前記スタックおよび電解液を配置する段階をさらに含む、請求項27から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項34】
前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域は、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周り周囲に伸びて、前記周辺領域のそれぞれが前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの接合領域を囲む、請求項27から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項35】
前記第1接着剤の剪断強度は0.15MPa以上0.5MPa以下であり、前記第2接着剤の剪断強度は0.15MPa以上3.5MPa以下である、請求項28から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項36】
前記第2接着剤の剪断強度は1.5MPa以上3.5MPa以下である、請求項28から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項37】
前記第1接着剤の粘度は前記第2接着剤の粘度以下である、請求項27、29~31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項38】
前記第1接着剤の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、
前記第2接着剤の粘度は50cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下である、請求項37に記載の単位セルの製造方法。
【請求項39】
前記第2接着剤の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下である、請求項38に記載の単位セルの製造方法。
【請求項40】
前記第1接着剤の厚さは前記電極の厚さより薄く、
前記第2接着剤の厚さは前記電極の厚さと同一であるかまたはこれより小さい、請求項27、28、30、31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項41】
前記第1接着剤の厚さは前記電極の厚さに対して0.01%以上~10%以下であり、
前記第2接着剤の厚さは前記電極の厚さに対して90%以上100%以下である、請求項40に記載の単位セルの製造方法。
【請求項42】
前記第1接着剤の接着力は前記第2接着剤の接着力以上である、請求項27から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項43】
前記第1接着剤の接着力は50gf/mm以上100gf/mm以下であり、
前記第2接着剤の接着力は20gf/mm以上100gf/mm以下である、請求項42に記載の単位セルの製造方法。
【請求項44】
前記第1分離膜および前記第2分離膜の周辺領域に適用された前記第2接着剤の幅は、前記第2接着剤が塗布される周辺領域の幅より小さい、請求項27から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項45】
前記第1接着剤および前記第2接着剤は、互いに離隔したそれぞれのドットパターンでそれぞれ塗布される、請求項27から31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項46】
前記第2接着剤のドットパターンでドットのそれぞれは、前記第1分離膜および前記第2分離膜のそれぞれの周辺領域の幅より小さい直径を有する、請求項45に記載の単位セルの製造方法。
【請求項47】
前記第1接着剤のドットパターンでドットは行と列の格子に配列される、請求項45に記載の単位セルの製造方法。
【請求項48】
前記第1接着剤は、エチレン-ビニルアセテート(EVA)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、前記第2接着剤は、エチレン-ビニルアセテート(EVA)系物質、アクリル系物質、エポキシ系物質、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなる、請求項27から29、31のいずれか一項に記載の単位セルの製造方法。
【請求項49】
前記第2接着剤は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなる、請求項48に記載の単位セルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2021年5月24日付韓国特許出願第10-2021-0066461号および2022年4月19日付韓国特許出願第10-2022-0048387号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、単位セルおよびこれを含む電池セルに関し、より具体的には従来の熱と圧力を利用したラミネーションの代わりに、接着組成物を利用して電極と分離膜および分離膜と分離膜を接着させた単位セルおよびこれを含む電池セルに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても大きな関心を受けている。
【0004】
このような二次電池は、電池ケースの形状により、電極組立体が円筒型または角型の金属カンに内蔵されている円筒型電池および角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池とに分類される。ここで、電池ケースに内蔵される電極組立体は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介された分離膜構造からなって充放電が可能な発電素子であって、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介して巻き取ったジェリーロール型と、多数の正極と負極を分離膜に介した状態で順次に積層したスタック型とに分類される。
【0005】
この中でも、特にスタック型またはスタック/フォルディング型電極組立体をアルミニウムラミネートシートのパウチ型電池ケースに内蔵した構造のパウチ型電池が、低い製造費用、小さい重量、容易な変形形態などの理由により使用量が漸次に増加している。
【0006】
ここで、スタック型電極組立体の場合、単位セルを予め製造した後、複数個の前記単位セルを積層して製造がなされる方式が一般的である。より具体的に、前記単位セルは、分離膜-負極-分離膜-正極の順で交互に積層されている状態で、ラミネーティング装置を通じて熱と圧力が加えられ得、これにより各構成要素は互いに固定され得る。
【0007】
ただし、分離膜-負極-分離膜-正極の順で交互に積層された後、ラミネーティング装置に進入される前またはラミネーション進行中に、分離膜あるいは電極のうちの一部が正位置から押し出されることで、破損が発生したり接着力の差が発生するなどの問題がある。
【0008】
そのために、電極と分離膜との間の動きが防止されており、電極と分離膜の変形および破損が防止され得る単位セルを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、従来の熱と圧力を利用したラミネーションの代わりに、接着組成物を利用して電極と分離膜および分離膜と分離膜を接着させた単位セルおよびこれを含む電池セルを提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、前述した課題に制限されず、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態による単位セルは、定められた個数だけ交互に積層されている分離膜と電極;前記分離膜と前記電極との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部;および前記分離膜と他の分離膜との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部を含み、前記第1接着部の剪断強度は前記第2接着部の剪断強度と同一であるかまたはこれより小さい。
【0012】
前記第1接着部の剪断強度は0.15MPa以上0.5MPa以下であり、前記第2接着部の剪断強度は0.15MPa以上3.5MPa以下であり得る。
【0013】
前記第2接着部の剪断強度は1.5MPa以上3.5MPa以下であり得る。
【0014】
前記第1接着部の粘度は前記第2接着部の粘度と同一であるかまたはこれより小さくてもよい。
【0015】
前記第1接着部の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、前記第2接着部の粘度は50cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下であり得る。
【0016】
前記第2接着部の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下であり得る。
【0017】
前記第1接着部の厚さは前記電極の厚さより小さく、前記第2接着部の厚さは前記電極の厚さと同一であるかまたはこれより小さくてもよい。
【0018】
前記第1接着部の厚さは前記電極の厚さに対して0.01%以上~10%以下であり、前記第2接着部の厚さは前記電極の厚さに対して90%以上100%以下であり得る。
【0019】
前記第1接着部の接着力は前記第2接着部の接着力と同一であるかまたはこれより大きくてもよい。
【0020】
前記第1接着部の接着力は50gf/mm以上~100gf/mm以下であり、前記第2接着部の接着力は20gf/mm以上~100gf/mm以下であり得る。
【0021】
前記第2接着部は前記分離膜の端部と前記電極の端部との間に位置することができる。
【0022】
前記第2接着部の幅は前記分離膜の端部と前記電極の端部との間の距離より小さくてもよい。
【0023】
前記第1接着部および前記第2接着部は、それぞれ互いに離隔している複数のドットを含むパターンで形成され得る。
【0024】
前記第2接着部に含まれている前記複数のドットは、前記電極の端部と前記分離膜の端部との間の距離より小さい直径を有することができる。
【0025】
前記第1接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、前記第2接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、エポキシ系物質、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。
【0026】
前記第2接着組成物は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。
【0027】
本発明の他の一実施形態による電極組立体は、前記単位セルを交互に積層して形成され、前記第1接着部は、前記電極と前記分離膜との間ごとに同一の位置に配置される接着パターンを含む。
【0028】
本発明の他の一実施形態による電極組立体は、前記単位セルを交互に積層して形成され、前記第1接着部は、前記電極と前記分離膜との間ごとに互いにずらした形態で配置される接着パターンを含む。
【0029】
本発明の他の一実施形態による電池セルは、前記単位セルが交互に積層されている電極組立体と共に電解液を含む。
【0030】
前記第1接着部は、電解液に溶解される性質を有することができる。
【0031】
前記電池セルは、前記分離膜がフォルディングされてジグザグ形態を有することができる。
【0032】
本発明の他の一実施形態による単位セルの製造方法は、電極の第1面または第1分離膜の接合領域のうちの少なくともいずれか一つに第1接着剤を適用する段階;前記第1接着剤を前記電極の第2面または第2分離膜の接合領域のうちの少なくとも一つに適用する段階であって、前記電極の第2面は前記第1面から前記電極の反対側に位置する段階;前記第1分離膜の周辺領域または前記第2分離膜の周辺領域のうちの少なくとも一つに第2接着剤を適用する段階;および前記電極の第1面が前記第1分離膜の接合領域に接し、前記電極の第2面が前記第2分離膜の接合領域に接するように前記第1分離膜と前記第2分離膜との間に前記電極を積層することによって少なくとも一部分のスタックを形成する段階を含み、前記スタックは、前記第1、2分離膜のそれぞれの周辺領域が前記電極の周縁を超えて外側に伸びるように形成され、前記第1、2分離膜のそれぞれの周辺領域はその間に電極を位置させずに互いに対向し、前記第1接着剤の剪断強度は前記第2接着剤の剪断強度と同一であるかまたはこれより小さい。
【0033】
前記単位セルの製造方法は、前記電極の第1面および前記電極の第2面に直交する方向に沿って前記スタックを圧縮する段階をさらに含むことができる。
【0034】
前記単位セルの製造方法は、電池ケースに前記スタックおよび電解液を配置する段階をさらに含むことができる。
【0035】
前記第1、2分離膜のそれぞれの周辺領域は、前記第1、2分離膜のそれぞれの周り周囲に伸びて、前記周辺領域のそれぞれが前記第1、2分離膜のそれぞれの接合領域を囲むことができる。
【0036】
前記第1接着剤の剪断強度は0.15MPa以上0.5MPa以下であり、前記第2接着剤の剪断強度は0.15MPa以上3.5MPa以下であり得る。
【0037】
前記第2接着剤の剪断強度は1.5MPa以上3.5MPa以下であり得る。
【0038】
前記第1接着剤の粘度は前記第2接着剤の粘度以下であり得る。
【0039】
前記第1接着剤の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、前記第2接着剤の粘度は50cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下であり得る。
【0040】
前記第2接着剤の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下であり得る。
【0041】
前記第1接着剤の厚さは前記電極の厚さより薄く、前記第2接着剤の厚さは前記電極の厚さと同一であるかまたはこれより小さくてもよい。
【0042】
前記第1接着剤の厚さは前記電極の厚さに対して0.01%以上~10%以下であり、前記第2接着剤の厚さは前記電極の厚さに対して90%以上100%以下であり得る。
【0043】
前記第1接着剤の接着強度は前記第2接着剤の接着強度以上であり得る。
【0044】
前記第1接着剤の接着力は50gf/mm以上100gf/mm以下であり、前記第2接着剤の接着力は20gf/mm以上100gf/mm以下であり得る。
【0045】
前記第1、2分離膜の周辺領域に適用された前記第2接着剤の幅は、前記第2接着剤が塗布される周辺領域の幅より小さくてもよい。
【0046】
前記第1接着剤および前記第2接着剤は、互いに離隔したそれぞれのドットパターンでそれぞれ塗布され得る。
【0047】
前記第2接着剤のドットパターンでドットのそれぞれは、前記第1、2分離膜のそれぞれの周辺領域の幅より小さい直径を有することができる。
【0048】
前記第1接着剤のドットパターンでドットは行と列の格子に配列され得る。
【0049】
前記第1接着剤は、エチレン-ビニルアセテート(EVA)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、前記第2接着剤は、エチレン-ビニルアセテート(EVA)系物質、アクリル系物質、エポキシ系物質、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。
【0050】
前記第2接着剤は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。
【発明の効果】
【0051】
実施形態によると、本発明の単位セルおよびこれを含む電池セルは、従来の熱と圧力を利用したラミネーションの代わりに、接着組成物を利用して電極と分離膜および分離膜と分離膜を接着させることで、電極と分離膜との間の動きが防止され、電極と分離膜の変形および破損が防止され得る。
【0052】
本発明の効果は、前述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明の一実施形態による単位セルの分解斜視図である。
図2図1の構成要素が結合された単位セルを示す斜視図である。
図3図2のA-A軸に沿って切断した断面図である。
図4図2の単位セルが加圧される過程を示す断面図である。
図5図2の単位セルに含まれている第1接着部および第2接着部が塗布される過程を示す図面である。
図6】本発明の他の一実施形態による電池セルの上面図である。
図7図2の単位セルに含まれている接着組成物のLSV(Linear Sweep Voltammetry)を示す図面である。
図8】本発明の他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
図9】本発明のまた他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、添付した図面を参照して本発明の多様な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0055】
本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。
【0056】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0057】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0058】
また、明細書全体において、「平面上」という時、これは対象部分を上方から見た時を意味し、「断面上」という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0059】
以下、本発明の実施形態による単位セルについて説明する。
【0060】
図1は本発明の一実施形態による単位セルの分解斜視図である。図2図1の構成要素が結合された単位セルを示す斜視図である。図3図2のA-A軸に沿って切断した断面図である。
【0061】
図1および図2を参照すると、本発明の一実施形態による単位セルは、定められた個数だけ交互に積層されている分離膜210、250と電極110、150;分離膜210、250と電極110、150との間に位置し、第1接着組成物からなる第1接着部310;および分離膜210、250と他の分離膜210、250との間に位置し、第2接着組成物からなる第2接着部350を含む。
【0062】
より具体的に、分離膜210、250は、下部分離膜210および上部分離膜250を含み、電極110、150は、第1電極110および第2電極150を含み、下部分離膜210、第1電極110、上部分離膜250、および第2電極150の順で積層され得る。
【0063】
ここで、第1電極110は一方向に突出している第1電極タブ115を含むことができ、第2電極150は一方向に突出している第2電極タブ155を含むことができる。一例として、図1および図2に示すように、第1電極110と第2電極150との間に上部分離膜250が位置するように積層されるが、第1電極110の第1電極タブ115と第2電極150の第2電極タブ155とが互いに反対方向に位置するように積層され得る。ただし、これに限定されるのではなく、第1電極タブ115と第2電極タブ155が同じ方向に位置するように積層される構造も本実施形態に含まれ得る。
【0064】
ここで、第1電極110および第2電極150は、それぞれ電極集電体と前記電極集電体上に位置する活物質層とを含むことができる。ここで、前記活物質層は、電極活物質を含む電極組成物からなることができる。より具体的に、第1電極110および第2電極150は正極または負極であり得る。ここで、前記正極は、正極集電体と正極活物質を含む活物質層とを含むことができ、前記負極は、負極集電体と負極活物質を含む活物質層とを含むことができる。一例として、第1電極110は負極であり、第2電極150は正極であり得る。ただし、これに限定されるのではなく、反対の場合にも同様に本実施形態に含まれ得る。
【0065】
前記負極活物質は、当業界における通常のリチウム二次電池用負極活物質を使用することができ、一例として、リチウム金属、リチウム合金、石油コークス、活性化炭素(activated carbon)、グラファイト(graphite)、ケイ素、スズ、金属酸化物またはその他炭素類などのような物質を使用することができる。
【0066】
また、前記正極活物質は、一例として、リチウム-コバルト系酸化物、リチウム-マンガン系酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン系酸化物、リチウム-マンガン-コバルト系酸化物、リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物、およびリチウムリン酸鉄からなる群より選択されるか、あるいはこれらの組み合わせまたはこれらの複合酸化物などであり得る。
【0067】
前記負極集電体または前記正極集電体は、電池に化学的変化を誘発しないが高い導電性を有するものであれば特に制限されるのではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素またはアルミニウムやステンレススチール表面に炭素、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどを使用することができる。
【0068】
分離膜210、250は、第1電極110と第2電極150を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供することができる。また、分離膜210、250は、下部分離膜210および上部分離膜250を含むが、下部分離膜210および上部分離膜250は互いに異なるかまたは互いに同一の素材の分離膜が適用され得る。
【0069】
一例として、分離膜210、250は、通常、リチウム二次電池でセパレータとして使用されるものであれば特別な制限なく使用可能であり、特に電解質のイオン移動に対して低抵抗でありながら、電解液含湿能力に優れたものが好ましい。具体的には多孔性高分子フィルム、例えばエチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルムまたはこれらの2層以上の積層構造体を使用することができる。
【0070】
以下、本実施形態による単位セルに含まれている第1接着部310および第2接着部350を中心に説明する。
【0071】
図1および図3を参照すると、第1接着部310は、第1電極110と下部分離膜210との間、第1電極110と上部分離膜250との間、および第2電極150と上部分離膜250との間のうちの少なくとも一つに位置することができる。
【0072】
第1接着部310は第1接着組成物からなり、第2接着部350は第2接着組成物からなることができる。一例として、前記第1接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなり、前記第2接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、エポキシ系物質、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。より好ましくは、前記第2接着組成物は、前述した物質の中でもポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。
【0073】
これにより、第1接着部310は、第1電極110および第2電極150をそれぞれ下部分離膜210および/または上部分離膜250に固定させることができる。つまり、従来のラミネート工程とは異なり、第1接着部310は、電極110、150と分離膜210、250との間の動きを防止することができ、電極110、150と分離膜210、250の変形および破損を防止することができる。
【0074】
図1および図3を参照すると、第1接着部310および第2接着部350は形成されている位置が互いに異なるため、互いに物理的特性あるいは物理的条件が互いに異なり得る。
【0075】
第1接着部310の剪断強度は第2接着部350の剪断強度と同一であるかまたはこれより小さくてもよい。ここで、第1接着部310の剪断強度は0.15MPa以上~0.5MPa以下であり、第2接着部350の剪断強度は0.15MPa以上~3.5MPa以下であり得る。
【0076】
一例として、第1接着部310の剪断強度および第2接着部350の剪断強度は0.15MPa以上0.5MPa以下であり得る。より具体的に、第1接着部310の剪断強度および第2接着部350の剪断強度は0.2MPa以上0.5MPa以下であり得る。
【0077】
これにより、第1接着部310および第2接着部350は前述した範囲の剪断強度を有することによって、第1接着部310および第2接着部350は、それぞれ圧着ロール510、520(図4)により容易に圧着され得る。
【0078】
これとは異なり、第1接着部310および第2接着部350の剪断強度が0.15MPa未満である場合、電極210、250と分離膜210、250との間の接着および固定に不利になることがある。また、第1接着部310および第2接着部350の剪断強度が0.5MPa超過である場合、第1接着部310が圧着ロール510、520(図4)により容易に圧着されないことがあり、第1接着部310の第1厚さd1が過度に大きいかまたは不均一になることがある。
【0079】
他の一例として、第1接着部310の剪断強度は0.15MPa以上0.5MPa以下であり、第2接着部350の剪断強度は1.5MPa以上~3.5MPa以下であり得る。より具体的に、第1接着部310の剪断強度は0.2MPa以上0.5MPa以下であり、第2接着部350の剪断強度は2.0MPa以上~3.5MPa以下であり得る。
【0080】
これにより、第1接着部310の第2接着部350は前述した範囲の剪断強度を有することによって、第2接着部350は、それぞれ圧着ロール510、520(図4)により容易に圧着され得る。また、第2接着部350の剪断強度が第1接着部310の剪断強度より大きいため、第2接着部350のうちの一部が電極110、150と接したり、分離膜210、250の端部を逸脱して外部に漏れる現象を未然に防止することができる。
【0081】
これとは異なり、第2接着部350の剪断強度が1.5MPa未満である場合、一部の工程上で第2接着部350が両側に広がるようになり、第2接着部350のうちの一部が電極110、150と接したり、分離膜210、250の端部を逸脱して外部に漏れるなどの問題がある。また、第2接着部350の剪断強度が3.5MPa超過である場合、第2接着部350が圧着ロール510、520(図4)により容易に圧着されないことがあり、第2接着部350の第2厚さd2が過度に大きいかまたは不均一になることがある。
【0082】
また、第1接着部310の第1厚さd1は第2接着部350の第2厚さd2より小さくてもよい。より具体的に、第1接着部310の第1厚さd1は電極110、150の厚さD1より小さく、第2接着部350の第2厚さd2は電極110、150の厚さD1と同一であるかまたはこれより小さくてもよい。一例として、図3のように、第1接着部310の第1厚さd1は第1電極110の厚さd2より小さく、第2接着部350の第2厚さd2は第1電極110の厚さD1と同一であるかまたはこれより小さくてもよい。
【0083】
これにより、第1接着部310は相対的に小さい厚さを有することによって、電極110、150と分離膜210、250との間に発生し得る隙間を減らし、単位セル100の空間的効率性が向上することができる。また、第2接着部350は第1電極110と類似の厚さを有することによって、下部分離膜210と上部分離膜250との間が容易に接着および固定されながらも、単位セル100の厚さが相対的に均一になり得る。
【0084】
また、第1接着部310の第1厚さd1は電極110、150の厚さD1に対して0.01%以上~10%以下であり得る。より具体的に、第1接着部310の第1厚さd1は電極110、150の厚さD1に対して0.05%以上~8%以下であり得る。一例として、第1接着部310の第1厚さd1は電極110、150の厚さD1に対して1%以上~5.0%以下であり得る。
【0085】
これにより、第1接着部310の第1厚さd1は電極110、150の厚さD1に対して前述した範囲の比率を有することによって、電極110、150と分離膜210、250との間が容易に接着および固定されながらも、単位セル100の厚さが相対的に均一になり得る。
【0086】
これとは異なり、第1接着部310の第1厚さd1が電極110、150の厚さD1に対して0.01%未満である場合、電極110、150と分離膜210、250との間の固定力が十分でないため、後工程で電極110、150と分離膜210、250とが互いに離れる問題がある。また、第1接着部310の第1厚さd1が電極110、150の厚さD1に対して10%超過である場合、電極110、150と分離膜210、250との間の間隔が過度に大きいため、単位セル100の空間効率性および電池容量が低下する問題がある。
【0087】
図4図2の単位セルが加圧される過程を示す断面図である。
【0088】
また、図3および図4を参照すると、第1接着部310の第1厚さd1および第2接着部350の第2厚さd2は、圧着ロール510、520により単位セル100の上下および両側方向に圧着された後の厚さであり得る。ここで圧着ロール510、520は、ニップロール(Nip roll)などのようなロールであり得、単位セル100を単位セル100の上下および両側方向に圧着させることができる。
【0089】
ここで、圧着ロール510、520により圧着される前の単位セル100で、第1接着部310の第3厚さd3は第1接着部310の第1厚さd1より大きくてもよい。より具体的に、第1接着部310の第3厚さd3は電極110、150の厚さD1に対して40%以上~60%以下であり得る。一例として、第1接着部310の第3厚さd3は電極110、150の厚さD1に対して45%以上~55%以下であり得る。
【0090】
また、第2接着部350の第4厚さd4は第2厚さd2より大きくてもよい。より具体的に、第2接着部350の第4厚さd4は電極110、150の厚さD1に対して90%以上105%以下であり得る。一例として、第2接着部350の第4厚さd4は電極110、150の厚さD1に対して95%以上105%以下であり得る。
【0091】
これにより、圧着ロール510、520により圧着される前の第1接着部310および第2接着部350の厚さは、前述した範囲の厚さ比率を有することができるため、圧着ロール510、520により単位セル100が圧着された後にも分離膜210、250の間あるいは電極210、250と分離膜210、250との間が容易に接着および固定されながらも、単位セル100の厚さが相対的に均一になり得る。
【0092】
また、第1接着部310の接着力は、第2接着部350の接着力と同一であるかまたはこれより大きくてもよい。ここで、第1接着部310および第2接着部350の接着力は、予め準備された一対の引張ジグの間に前記第1接着組成物および前記第2接着組成物を3mm間隔で15個のドットを塗布した後に垂直剥離することによって測定され得る。
【0093】
この時、第1接着部310の接着力は50gf/mm以上~100gf/mm以下であり、第2接着部350の接着力は20gf/mm以上~100gf/mm以下であり得る。より具体的に、第1接着部310の接着力は55gf/mm以上~95gf/mm以下であり、第2接着部350の接着力は25gf/mm以上~95gf/mm以下であり得る。一例として、第1接着部310の接着力は60gf/mm以上~90gf/mm以下であり、第2接着部350の接着力は25gf/mm以上~90gf/mm以下であり得る。
【0094】
これにより、第1接着部310および第2接着部350は前述した範囲の接着力を有することによって、第1接着部310および第2接着部350は、それぞれ分離膜210、250の間あるいは電極210、250と分離膜210、250との間を容易に接着および固定させることができる。
【0095】
これとは異なり、第1接着部310の接着力が50gf/mm未満であるか100gf/mm超過である場合、後工程で電極210、250と分離膜210、250が互いに離れたり製造工程が難しいという問題がある。また、第2接着部350の接着力が20gf/mm未満であるか100gf/mm超過である場合、後工程で上部分離膜250と下部分離膜210が互いに離れたり製造工程が難しいという問題がある。
【0096】
図5図2の単位セルに含まれている第1接着部および第2接着部が塗布される過程を示す図面である。
【0097】
また、第1接着部310の粘度は第2接着部350の粘度と同一であるかまたはこれより小さくてもよい。より具体的に、図3および図5を参照すると、第1接着部310および第2接着部350は塗布装置600により電極110、150および/または分離膜210、250に塗布され得る。一例として、塗布装置600はインクジェット噴射装置などのような装置であり得、塗布装置600は内部圧力室の体積変化を起こすハウジング610、前記圧力室の体積を縮小させる壁面620、および接着組成物が吐出される吐出口610aを含むことができる。つまり、第1接着部310および第2接着部350の粘度は塗布装置600の吐出口610aで吐出される吐出粘度であり得る。
【0098】
より具体的に、第1接着部310および第2接着部350の粘度は摂氏150度で塗布装置600の吐出口610aで吐出される粘度(cP(150℃時))であり得る。ここで、第1接着部310の粘度は50cP(150℃時)以上~120cP(150℃時)以下であり、第2接着部350の粘度は50cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下であり得る。
【0099】
一例として、第1接着部310の粘度および第2接着部350の粘度は、それぞれ60cP(150℃時)以上~110cP(150℃時)以下であり得る。より具体的に、第1接着部310の粘度および第2接着部350の粘度は、それぞれ70cP(150℃時)以上~100cP(150℃時)以下であり得る。
【0100】
これにより、第1接着部310および第2接着部350は前述した範囲の粘度を有することによって、第1接着部310および第2接着部350は、それぞれ分離膜210、250の間あるいは電極210、250と分離膜210、250との間を容易に接着および固定させることができる接着力を有しながらも、塗布装置600の吐出安定性が向上することができる。
【0101】
これとは異なり、第1接着部310および第2接着部350の粘度が60cP(150℃時)未満である場合、電極110、150と分離膜210、250との間の接着および固定に不利になることがある。また、第1接着部310および第2接着部350の粘度が120cP(150℃時)超過である場合、第1接着部310が圧着ロール510、520(図4)により容易に圧着されないことがあり、第1接着部310の第1厚さd1が過度に大きいかまたは不均一になることがある。
【0102】
他の一例として、第1接着部310の粘度は60cP(150℃時)以上~110cP(150℃時)以下であり、第2接着部350の粘度は800cP(150℃時)以上~12000cP(150℃時)以下であり得る。より具体的に、第1接着部310の粘度は70cP(150℃時)以上~100cP(150℃時)以下であり、第2接着部350の粘度は850cP(150℃時)以上~11000cP(150℃時)以下であり得る。
【0103】
これにより、第1接着部310および第2接着部350は前述した範囲の粘度を有することによって、第1接着部310および第2接着部350は、それぞれ分離膜210、250の間あるいは電極110、150と分離膜210、250との間を容易に接着および固定させることができる接着力を有しながらも、塗布装置600の吐出安定性が向上することができる。また、第2接着部350の粘度が第1接着部310の粘度より大きいため、第2接着部350のうちの一部が電極110、150と接したり、分離膜210、250の端部を逸脱して外部に漏れる現象を未然に防止することができる。
【0104】
これとは異なり、第2接着部350の粘度が800cP(150℃時)未満である場合、一部の工程上で第2接着部350が両側に広がるようになり、第2接着部350のうちの一部が電極110、150と接したり、分離膜210、250の端部を逸脱して外部に漏れるなどの問題がある。また、第2接着部350の粘度が12000cP(150℃時)超過である場合、塗布装置600の吐出安定性が低下する問題がある。
【0105】
ここで、第2接着部350の第1幅r1は分離膜210、250の端部と電極110、150の端部との間の距離D2より小さくてもよい。より具体的に、第2接着部350の第1幅r1は圧着ロール510、520により単位セル100の上下および両側方向に圧着された後の幅であり得る。つまり、第2接着部350の第1幅r1は圧着ロール510、520により圧着される前の第2接着部350の第2幅r2より大きくてもよい。
【0106】
これにより、第2接着部350の第1幅r1は分離膜210、250の端部と電極110、150の端部との間の距離D2より小さいため、第2接着部350が圧着ロール510、520により圧着された後にも第2接着部350のうちの一部が電極110、150と接したり、分離膜210、250の端部を逸脱して外部に漏れることを防止することができる。
【0107】
また、第1接着部310および第2接着部350は、図1および図3のように、それぞれ互いに離隔している複数のドットを含むパターンで形成され得る。ここで、前記複数のドットの間の間隔は必要に応じて同一であるかまたは互いに異なるように調節され得る。
【0108】
これにより、第1接着部310および第2接着部350は前述したパターンで形成され得るため、複数の単位セル100を含む電極組立体1100(図4)に対して電解液が注液される場合、電極組立体1100(図4)が急速に含浸され得る利点がある。より具体的に、第1接着部310および第2接着部350で複数のドットが互いに離隔しており、複数のドットの間に電解液が流れ得る利点がある。つまり、電池セル100(図4)の製造時間を相対的に短縮させ、収率も改善され得る。
【0109】
第1接着部310は電極110、150と分離膜210、250との間のリチウムイオン通路を妨害することがある。これを防止するために、第1接着部310は電解液に対する溶解度が高い物質からなることが好ましい。
【0110】
本発明の一実施形態によれば、第1接着部310および第2接着部350は互いに異なる組成の物質を含むことができる。一例として、第1接着部310を形成する第1接着組成物は、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなることができ、第2接着部350を形成する第2接着組成物は、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。例として、前記第1接着組成物がアクリル系物質からなる場合、アクリル系物質がエステル基(ester group)を含むため、電解液に一定量の溶解度を示すと考えることができる。
【0111】
これにより、第1接着部310に含まれている前記第1接着組成物は、第2接着部350に含まれている前記第2接着組成物と比較する時、複数の単位セル100を含む電極組立体1100(図6)に電解液が注液される場合、電極110、150と分離膜210、250との間で溶解されていてもよい。つまり、この場合、電極110、150と分離膜210、250との間に位置する第1接着部310は、電解液に溶解されて、電極110、150と分離膜210、250との間のリチウムイオン通路を妨害しないことができる。
【0112】
ここで、第2接着部350に含まれている前記複数のドットは、電極110、150の端部と分離膜210、250の端部との間の距離D2より小さい直径を有することができる。ここで、第2接着部350の直径は前述した第2接着部350の幅r1、r2と同一に説明され得る。
【0113】
図7を参照すると、1番位置に該当する第1接着部310に含まれている前記第1接着組成物とは異なり、2番位置に該当する第2接着部350に含まれている前記第2接着組成物の場合、線形走査ボルタンメトリー(Linear Sweep Voltammetry;LSV)による結果、4.0V付近で酸化反応が現れると確認される。これは電池セル内で副反応を招いて容量および寿命短縮の要因になり得る。したがって、第1接着部310には前記第2接着組成物を使用することは好ましくない。第2接着部350を形成する理由のうちの一つは、電解液注入工程時に引き起こされる分離膜の折れを防止するためである。図7のような結果は、前記第1接着組成物としてエチレン-ビニルアセテート系物質、アクリル系物質、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つを使用し、前記第2接着組成物としてポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つを使用した場合に現れ得る。
【0114】
本明細書で説明する実施形態による分離膜は、CCS(Ceramic Coated Separator)であり得る。一般に分離膜は、基材フィルムと前記基材フィルムの少なくとも一面にコーティング層が形成されているが、前記コーティング層はアルミナ粉とこれらをかたまるようにするバインダーを含むことができる。SRS(Safety Reinforced Separator)は前記コーティング層表面にバインダーが多量コーティングされているが、CCSは前記コーティング層表面にバインダーがコーティングされていないか、またはSRSに比べて表面に分布するバインダー含有量が非常に低くてもよい。たとえ本実施形態によるCCS分離膜の場合、分離膜のコーティング層表面にコーティングされたバインダー含有量はほぼ3wt%以下であり得る。
【0115】
分離膜がCCSである場合には、電極組立体に含まれている内部電極が固定されていない状態で移送するため、移送中に整列が乱れる可能性がある。もちろん、分離膜がCCSである場合に熱と圧力で固定させることもできるが、電極と分離膜の積層体を形成した後に熱と圧力の固定装置に移送する過程でも内部電極の整列が乱れることがある。また、熱と圧力で電極と分離膜を付けるためにはバインダー含有量が高い高価の分離膜を使用しなければならないという短所もある。これに反し、本実施形態によると、移送中に内部電極の整列が乱れることを防止しながら固定力を高めることができる。
【0116】
図6は本発明の他の一実施形態による電池セルの上面図である。
【0117】
図2および図6を参照すると、本発明の他の一実施形態による電池セル1000は、前述した単位セル100が交互に積層されている電極組立体1100と共に電解液を含む。ここで、単位セル100の第1電極タブ115が積層されている第1電極タブら1150と第2電極タブ155が積層されている第2電極タブら1550は、それぞれ電極リード3000と電気的に連結され得る。電極リード3000の上部および/または下部にはリードフィルム4000が位置することができる。
【0118】
また、電極組立体1100は電池ケース120内部に装着されているが、電極組立体1100は前記電解液と共に凹状の収納部2100に位置することができる。また、シーリング部2500は電池ケース2000の外周面が互いに熱融着されてシーリングされて形成され得る。
【0119】
一例として、前記電解液は、有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル状高分子電解質、固体無機電解質、および溶融型無機電解質のうちの少なくとも一つからなることができる。ただし、これに限定されるのではなく、一般に使用される電解液は全て含まれ得る。
【0120】
以下、より具体的な実施例を通じて本発明の内容を説明するが、下記の実施例は本発明を例として説明するためのものであり、本発明の権利範囲がこれに限定されるのではない。
【0121】
<実験例1-剪断強度、粘度、接着力の測定>
接着組成物として、エチレン-ビニルアセテート(EVA、Ethylene vinyl acetate)系物質、アクリル系物質、エポキシ系物質、ポリオレフィン系物質、ゴム(Rubber)系物質、ポリアミド系物質、およびポリウレタン系物質に対して、それぞれ剪断強度、粘度、および接着力を測定した。
【0122】
ここで、アクリル系物質はBASF社のacResin 204UVであり、EVA系物質はHenkel社のTechnomelt 4046であり、エポキシ系物質はHenkel社のLotite EA608であり、ポリオレフィン系物質はHenkel社のSupra502であり、ゴム系物質はHenkel社の2802dispomeltであり、ポリアミド系物質はHenkel社のHPX 002であり、ポリウレタン系はFuller社のEH9702である。
【0123】
剪断強度は、UTM(Universal testing machine)を利用してASTM D3163規格により剪断強度を測定した。その結果は表1に示した。
【0124】
粘度は、ブルックフィールド社(Brookfield)DV2T LV TJ10モデル装備のスピンドル(spindle)部分をコーン(cone)とプレート(plate)に交替して、CPA-40Z coneを適用して10rpm条件で測定され得る。その結果は表1に示した。
【0125】
接着力は、予め準備された一対の引張ジグの間に前述した接着組成物のうちの一つを3mm間隔で15個のドットを塗布した後に垂直剥離することによって測定され得る。その結果は表1に示した。
【0126】
【表1】
【0127】
<実施例1>
正極活物質としてLiNi0.6Mn0.2Co0.2、導電剤としてカーボンブラックおよびバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)をそれぞれ使用し、正極活物質:導電剤:バインダーの重量比を96:2:2にして混合した混合物に溶剤であるNMPを添加して正極活物質スラリーを製造した。アルミニウム集電体に正極活物質スラリーを塗布した後、乾燥および圧延して正極を製造した。ここで正極の厚さは200umである。
【0128】
負極活物質として人造黒鉛、導電剤としてカーボンブラックおよびバインダーとしてSBRエマルジョン水溶液をそれぞれ使用し、負極活物質:導電剤:バインダーの重量比を94:1:5比率で混合した混合物に水を添加して負極活物質スラリーを製造した。銅集電体に負極活物質スラリーを塗布した後、乾燥および圧延して負極を製造した。ここで負極の厚さは200umである。
【0129】
ポリエチレン/ポリプロピレン素材のベースシート(厚さ:10μm)上にAl2O3とPVDFを94:6の重量比で混合されたスラリーを両面に塗布(各厚さ:3μm)し、60℃で乾燥して分離膜を製造した。前記分離膜は位置により上部分離膜および下部分離膜と命名する。
【0130】
製造された下部分離膜、負極、上部分離膜、正極の順で交互に積層するが、前記分離膜と前記負極との間および前記分離膜と前記正極との間にacResin 204UVからなる第1接着部が位置し、前記上部分離膜と前記下部分離膜との間にacResin 204UVからなる第2接着部が位置する単位セルを製造した。
【0131】
<実施例2>
前記実施例1で、第2接着部はSupra502からなる組成物が使用された。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0132】
<実施例3>
前記実施例1で、第1接着部はLotite EA608からなる組成物が使用され、第2接着部はSupra502からなる組成物が使用された。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0133】
<実施例4>
前記実施例1で、第1接着部はTechnomelt 4046からなる組成物が使用され、第2接着部はSupra502からなる組成物が使用された。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0134】
<比較例1>
前記実施例1で、第1接着部はSupra502からなる組成物が使用された。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0135】
<比較例2>
前記実施例1で、第2接着部が前記上部分離膜と前記下部分離膜との間に形成されなかった。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0136】
<比較例3>
前記実施例1で、第1接着部は2802 dispomeltからなる組成物が使用され、第2接着部が前記上部分離膜と前記下部分離膜との間に形成されなかった。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0137】
<比較例4>
前記実施例1で、第2接着部はSupra502からなる組成物が使用され、第1接着部が前記分離膜と前記負極との間および前記分離膜と前記正極との間に形成されなかった。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0138】
<比較例5>
前記実施例1で、第2接着部は2802 dispomeltからなる組成物が使用され、第1接着部が前記分離膜と前記負極との間および前記分離膜と前記正極との間に形成されなかった。この点を除いては実施例1と同様に単位セルを製造した。
【0139】
<実験例2-電極ずれおよび接着部の厚さ測定>
実施例1~4、比較例1~5で製造されたそれぞれの単位セルに対して、GE社のCT Scannerを通じて170kV、200umA、34Wの条件で33um/pixelの解像度で電極ずれを測定した。その結果は表2に示した。
【0140】
また、実施例1~4、比較例1~5で製造されたそれぞれの単位セルに対して、圧着ロールにより単位セルの上下および両側方向に圧着された後、第1接着部および/または第2接着部の厚さを測定した。その結果は表2に示した。
【0141】
【表2】
【0142】
<実験結果の分析>
表1および表2を参照すると、実施例1~実施例4のように、第1接着部にacResin 204UV、Lotite EA608、Technomelt 4046からなる組成物が使用される場合、電極ずれの問題が発生せず、第1接着部の厚さは、それぞれ電極の厚さ(200um)に対して5%以下であり、第2接着部の厚さは電極の厚さ(200um)とほぼ同等であるかまたはこれより小さいことを確認できる。特に、実施例1の場合、実施例2~4とは異なり、第2接着部がacResin 204UVからなる組成物が使用されて、第1接着部および第2接着部が全て優れた接着力を有することを確認できる。
【0143】
これとは異なり、比較例1のように、第1接着部にSupra502からなる組成物が使用される場合、実施例1および実施例2とは異なり、第1接着部の厚さは、それぞれ電極の厚さ(200um)に対して25%以上30%以下であり、第1接着部の厚さが過度に大きく現れることを確認できる。
【0144】
これは、比較例1で使用されたSupra502の場合、実施例1~実施例4で使用されたacResin 204UV、Lotite EA608、Technomelt 4046より剪断強度および粘度が大きいため、第1接着部の厚さが実施例1~実施例4に比べて大きく現れることを確認できる。また、Supra502より剪断強度が大きい2802dispomelt、HPX 002、EH9702の場合にも同様に解釈され得る。
【0145】
これにより、第1接着部は、acResin 204UV、Lotite EA608、Technomelt 4046のようなアクリル系、EVA系、およびエポキシ系物質のうちの少なくとも一つからなる場合、電極ずれの問題がないながらも、第1接着部の厚さが電極厚さ(200um)に対して非常に小さい厚さを有することができる。
【0146】
また、第2接着部の場合、実施例1~実施例4、比較例1のように、acResin 204UVまたはSupra502からなるとしても、電極ずれの問題が発生せず、第2接着部の厚さは電極の厚さ(200um)とほぼ同等であるかまたはこれより小さいことを確認できる。つまり、第2接着部は組成物の剪断強度および粘度と関係なく、圧着後厚さがほぼ類似に測定されることを確認できる。
【0147】
これにより、第2接着部は、acResin 204UV、Lotite EA608、Technomelt 4046、Supra502、2802dispomelt、HPX 002、EH9702のような、アクリル系、EVA系、エポキシ系、ポリオレフィン系、ゴム(Rubber)系、ポリアミド系、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることができる。
【0148】
ただし、第2接着部の剪断強度あるいは粘度が小さい場合、工程上で第2接着部を長時間放置時、第2接着部のうちの一部が電極と接したり、分離膜の端部を逸脱して外部に漏れる現象が発生することがある。
【0149】
これにより、第2接着部は、実施例2~実施例4のように、第2接着部はSupra502、2802dispomelt、HPX 002、EH9702のような、ポリオレフィン系、ゴム(Rubber)系、ポリアミド系、およびポリウレタン系物質のうちの少なくとも一つからなることがより好ましい。
【0150】
また、比較例2および比較例3のように、第1接着部だけ単位セル内に位置する場合、比較例3とは異なり、比較例2は第1接着部の厚さが実施例1および2と類似していることを確認できる。しかし、比較例2および比較例3共に上部分離膜と下部分離膜との間の接着層が形成されておらず、追加の工程上で分離膜が折れる問題が発生することがあり、電極の不良率を高めることがある。
【0151】
また、比較例4および比較例5のように、第2接着部だけ単位セル内に位置する場合、第2接着部の厚さは全て実施例1~4と類似していることを確認できる。しかし、分離膜と正極および分離膜と負極の間の接着層が形成されておらず、電極がずれる問題が発生することがあり、電極の不良率を高めることがある。
【0152】
これにより、比較例2~比較例5とは異なり、実施例1~実施例4は、単位セル内に第1接着部および第2接着部が全て含まれることで、第1接着部および第2接着部が電極と分離膜および分離膜と分離膜の間の動きを防止することができ、従来のラミネーション工程とは異なり、電極と分離膜の変形および破損を防止することができる。
【0153】
図8は本発明の他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【0154】
図8を参照すると、本実施例による電極組立体3は、基本単位体30が複数回反復形成されて製造された電極積層体40を含むことができる。ここで、基本単位体30は、分離膜322がフォルディングされてジグザグ模様を有しながら、電極31を覆い、電極31と分離膜322が積層されている単位体であり得る。つまり、基本単位体30は、分離膜322の一側および他側が順次にフォルディングされて電極31を覆いながら、電極31と分離膜322が順次に積層され得る。
【0155】
電極組立体3は固定テープが付着され得るが、前記固定テープの代わりに分離膜322の一端部が電極積層体40の外面のうちの一部を囲んでいることもできる。本実施形態の基本単位体30は、電極3112、3122と分離膜322が接着剤34で互いに接着されている状態であり得る。これにより、電極3112、3122と分離膜322は接着剤34の接着力により整列度を維持することができる。
【0156】
本実施形態の電極積層体40は、分離膜322が電極3112、3122の上下部および一側面を覆っており、前記固定テープなしでも、基本単位体30同士の積層整列状態を維持することができる。また、本実施形態の電極積層体40の外側に前記固定テープが付着しているか、または分離膜322の一端部が囲んでいる場合には、基本単位体30同士の積層整列状態をより安定的に維持することができる。
【0157】
また、本実施形態で製造された電極組立体3で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322との間ごとに同一の位置に配置され得る。一例として、図8に示されているように、本実施形態の電極組立体3で、第1電極3112の下部と分離膜322との間に位置する接着剤34と、第1電極3112の上部と分離膜322との間に位置する接着剤34とは、第1電極3112または分離膜322の底面を基準にそれぞれ同一の垂直線上に配置され得、接着剤34が配置されている間隔は互いに同一であり得る。これは第2電極3122と分離膜322との間に位置した接着剤34の場合にも同様に説明され得る。
【0158】
これにより、本実施形態で製造された電極組立体3で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322との間ごとに同一の位置に配置されており、工程時間および効率性が増大できるという利点がある。
【0159】
図9は本発明のまた他の一実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【0160】
図9を参照すると、本実施形態による電極組立体4で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322との間ごとに配置されると共に、互いに隣接した層に配置された接着剤34はずらした交差した形態で配置され得る。一例として、図9に示されているように、本実施形態の電極組立体4で、第1電極3112の下部と分離膜322との間に位置する第1接着剤34-1と、第1電極3112の上部と分離膜322との間に位置する第2接着剤34-2とは、互いにずらして配置され得る。この時、第1接着剤34-1と第2接着剤34-2は位置が互いにずらして配置されているに過ぎず、塗布されている間隔は互いに同一であり得る。これは第2電極3122と分離膜322との間に位置した接着剤14の場合にも同様に説明され得る。
【0161】
ただし、これに限定されるのではなく、第1接着剤34-1および第2接着剤34-2が互いにずらして配置される構造は、多様な方式により塗布されて製造され得る。
【0162】
これにより、本実施形態の電極組立体4で、接着剤34は電極3112、3122と分離膜322との間ごとに配置されていると共に、互いに隣接した層に配置された接着剤34はずらした形態で配置されており、接着剤34による電極組立体4の厚さ増加を最小化することができる。同時に、互いに隣接した層に配置された接着剤34が互いにずらして配置されており、前述した電池セルに含まれている電解液に接着剤34がより容易に溶解され得る。
【0163】
図8および図9による電極組立体3、4で使用される接着剤34は、前述した第1接着部310に含まれる第1接着組成物を使用することができる。
【0164】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0165】
100:単位セル
110:第1電極
150:第2電極
210:下部分離膜
250:上部分離膜
310:第1接着部
350:第2接着部
510、520:圧着ロール
600:塗布装置
1000:電池セル
1100:電極組立体
2000:電池ケース
3000:電極リード
4000:リードフィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9