(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】情報収集システム、情報収集方法、プログラム、及び管理サーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241016BHJP
G07C 9/00 20200101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07C9/00
(21)【出願番号】P 2020053169
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-03-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】398002617
【氏名又は名称】ぴあ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(72)【発明者】
【氏名】山中 伸浩
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-162031(JP,A)
【文献】特開2008-242905(JP,A)
【文献】特開2009-181469(JP,A)
【文献】特開2002-63305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバと、前記管理サーバと通信可能なユーザ端末とを備える、情報収集システムであって、
前記ユーザ端末は、
チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報とユーザを特定する特定情報とを記憶する情報記憶部と、
前記ユーザが前記イベントの前記チケットデータを使用して前記イベント会場に入場した後の、前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザが前記イベント会場から出場した出場時刻を取得すると共に前記ユーザが途中退場したか否かを判定する途中退場判定部と、
前記ユーザが途中退場したと前記途中退場判定部が判定したとき、前記管理サーバに前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを送信する情報送信部と、を備え、
前記管理サーバは、前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを受信し、前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けて記憶
し、
前記管理サーバは、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、ことを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離以上に離れた状態になった場合に、前記途中退場判定部は前記ユーザが途中退場したと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記出場時刻、又は、前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離離れた状態になった時刻から計測した時間が、所定時間以上経過した場合に、前記途中退場判定部は前記ユーザが途中退場したと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離以上に離れた状態になり、且つ、前記出場時刻又は前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離離れた状態になった時刻から計測した時間が、所定時間以上経過した場合に、前記途中退場判定部は前記ユーザが途中退場したと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記所定距離は、前記イベント会場から前記イベント会場の最寄り駅までの距離である、ことを特徴とする請求項2又は4に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記所定時間は、前記イベント会場から前記イベント会場の最寄り駅までの移動にかかる所要時間である、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記イベント会場の周辺に前記ユーザが休憩可能な休憩施設がある場合、前記休憩施設が前記イベント会場の周辺に無い場合と比較して前記所定時間が長く設定される、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の情報収集システム。
【請求項8】
前記ユーザ端末は、前記ユーザが途中退場したことを前記途中退場判定部が判定した退場判定時刻から前記イベントの終了時刻までの時間が予め定められた再販可能時間以上である場合、前記ユーザにチケットを再販するか否かを確認し、前記ユーザが前記チケットの再販を指示した場合、前記チケットを当日券として再販することを前記管理サーバに要求する再販促進部を備える、ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の情報収集システム。
【請求項9】
前記ユーザ端末は、前記ユーザが途中退場したことを前記途中退場判定部が判定した場合、前記管理サーバにクーポンの配信を要求するクーポン取得部を備える、ことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の情報収集システム。
【請求項10】
管理サーバと、前記管理サーバと通信可能なユーザ端末とを用いた情報収集方法であって、
前記ユーザ端末が、チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報と、ユーザを特定する特定情報とを記憶するデータ登録ステップと、
前記ユーザ端末が、前記イベントの前記チケットデータを使用して前記ユーザが前記イベント会場に入場した後の、前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザ端末が、前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザが前記イベント会場から出場した出場時刻を取得すると共に前記ユーザが途中退場したか否かを判定する途中退場判定ステップと、
前記ユーザが途中退場したと前記ユーザ端末が判定したとき、前記ユーザ端末が前記管理サーバに前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを送信する情報送信ステップと、
前記管理サーバが、前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを受信し、前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けて記憶する、途中退場者情報記憶ステップと、
前記管理サーバが、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、比較ステップと、を含むことを特徴とする情報収集方法。
【請求項11】
管理サーバと、前記管理サーバと通信可能なユーザ端末によりプログラムとして実行される、情報を収集するためのプログラムであって、
前記ユーザ端末が、チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報とユーザを特定する特定情報とを記憶するデータ登録ステップと、
前記ユーザ端末が、前記イベントの前記チケットデータを使用して前記ユーザが前記イベント会場に入場した後の、前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記ユーザ端末が、前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザが前記イベント会場から出場した出場時刻を取得すると共に前記ユーザが途中退場したか否かを判定する途中退場判定ステップと、
前記ユーザが途中退場したと前記ユーザ端末が判定したとき、前記ユーザ端末が前記管理サーバに前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを送信する情報送信ステップと、 前記管理サーバが、前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを受信し、前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記管理サーバが、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、比較ステップと、を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
ユーザを特定する特定情報、イベントの開演日時、及び、イベント会場の情報を記憶し、位置情報を取得可能なユーザ端末と通信可能な管理サーバであって、
前記管理サーバは、
前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づき、前記イベントを途中退場したと前記ユーザ端末により判定された前記ユーザの前記特定情報と、前記イベントを途中退場した出場時刻と、を前記ユーザ端末から受信し、
前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けして記憶
し、
前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、ことを特徴とする管理サーバ。
【請求項13】
ユーザを特定する特定情報、イベントの開演日時、及び、イベント会場の情報を記憶し、位置情報を取得可能なユーザ端末と通信可能な管理サーバを用いた情報収集方法であって、
前記管理サーバが、
前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づき、前記イベントを途中退場したと前記ユーザ端末により判定された前記ユーザの前記特定情報と、前記イベントを途中退場した出場時刻と、を前記ユーザ端末から受信し、
前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けして記憶するステップ
と、
前記管理サーバが、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較するステップと、を含む、ことを特徴とする情報収集方法。
【請求項14】
ユーザを特定する特定情報、イベントの開演日時、及び、イベント会場の情報を記憶し、位置情報を取得可能なユーザ端末と通信可能な管理サーバによりプログラムとして実行される情報を収集するためのプログラムであって、
前記管理サーバが、
前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づき、前記イベントを途中退場したと前記ユーザ端末により判定された前記ユーザの前記特定情報と、前記イベントを途中退場した出場時刻と、を前記ユーザ端末から受信し、
前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けして記憶するステップ
と、
前記管理サーバが、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較するステップと、を含む、ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集システム、情報収集方法及びプログラムに係り、特にイベント等で途中退場した観客の情報を収集する情報収集システム、情報収集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ業界では分単位の視聴率がリサーチされており、リサーチされた結果は貴重なマーケティング情報として活用されている。例えば、情報番組においてペットコーナーの視聴率は良かったが、政治経済のコーナーでは視聴率が良くなかった場合、次回からペットコーナーの時間帯を増やすなどの対策が行われる等、リサーチされた結果は、より視聴者の好みに合った番組作りに活用されている。
【0003】
一方、イベント業界では、テレビ業界の視聴率調査に相当するリサーチは行われておらず、例えば、イベント会場から途中退場した観客に関する情報、例えば途中退場した観客数や時間帯、観客の属性等を収集するシステムは提供されてこなかった。
途中退場した観客の情報を収集してマーケティング情報として活用すれば、イベントにおいて、時間帯ごとに提供されているコーナーについて、どのコーナーが注目されていたのかを知ることができる。そのため、テレビ番組と同様に観客の好みに合わせたイベント作りを行うことができる。更には、退場した観客を把握することで、当日券としてチケットのリセール(再販)にも利用することができる。従来、そのような着眼点がなく、途中退場した観客に関する情報収集は行われていなかった。
【0004】
例えば、特許文献1には、イベントのチケットについて、当日券を発券・販売する当日券販売システムが開示されている。特許文献1の当日券販売システムでは、前売券購入者の位置情報を取得し、予め定められた時刻までに入場が間に合うか否かを判定する。間に合わないと判定した場合は、前売券をキャンセル扱いとし、キャンセル扱いとした前売券に相当する枚数を当日券として発券している。しかしながら、特許文献1のシステムでは、チケットが使用されイベント会場に入場した後の観客の位置情報等は取得されておらず、入場した観客が途中退場した否かは不明であった。そのため、観客が途中退場し空席となった席は有効利用されることはなかった。また、コーナー毎の観客数等の情報は把握されておらず、観客の好みに合ったイベント作りにシステムを活用することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、イベント会場に入場した観客(以下、ユーザと称する場合がある)が途中退場したか否かを判定し、途中退場した観客の人数及びその観客の属性を収集する情報収集システム、情報収集方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明に係る情報収集システムによれば、管理サーバと、前記管理サーバと通信可能なユーザ端末とを備える、情報収集システムであって、前記ユーザ端末は、チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報とユーザを特定する特定情報とを記憶する情報記憶部と、前記ユーザが前記イベントの前記チケットデータを使用して前記イベント会場に入場した後の、前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザが前記イベント会場から出場した出場時刻を取得すると共に前記ユーザが途中退場したか否かを判定する途中退場判定部と、前記ユーザが途中退場したと前記途中退場判定部が判定したとき、前記管理サーバに前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを送信する情報送信部と、を備え、前記管理サーバは、前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを受信し、前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けて記憶し、前記管理サーバは、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、ことにより解決される。
【0008】
また、上記課題は、本発明に係る情報収集方法によれば、管理サーバと、前記管理サーバと通信可能なユーザ端末とを用いた情報収集方法であって、前記ユーザ端末が、チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報と、ユーザを特定する特定情報とを記憶するデータ登録ステップと、前記ユーザ端末が、前記イベントの前記チケットデータを使用して前記ユーザが前記イベント会場に入場した後の、前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記ユーザ端末が、前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザが前記イベント会場から出場した出場時刻を取得すると共に前記ユーザが途中退場したか否かを判定する途中退場判定ステップと、前記ユーザが途中退場したと前記ユーザ端末が判定したとき、前記ユーザ端末が前記管理サーバに前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを送信する情報送信ステップと、前記管理サーバが、前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを受信し、前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けて記憶する、途中退場者情報記憶ステップと、前記管理サーバが、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、比較ステップと、を含むことにより解決される。
【0009】
また、上記課題は、管理サーバと、前記管理サーバと通信可能なユーザ端末によりプログラムとして実行される、情報を収集するためのプログラムであって、前記ユーザ端末が、チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報とユーザを特定する特定情報とを記憶するデータ登録ステップと、前記ユーザ端末が、前記イベントの前記チケットデータを使用して前記ユーザが前記イベント会場に入場した後の、前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記ユーザ端末が、前記イベントの開演日時、前記イベント会場の情報、及び、前記ユーザ端末の位置情報に基づいて、前記ユーザが前記イベント会場から出場した出場時刻を取得すると共に前記ユーザが途中退場したか否かを判定する途中退場判定ステップと、前記ユーザが途中退場したと前記ユーザ端末が判定したとき、前記ユーザ端末が前記管理サーバに前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを送信する情報送信ステップと、前記管理サーバが、前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻とを受信し、前記特定情報と前記出場時刻とを、前記イベントを特定するイベントIDと関連付けて記憶する記憶ステップと、前記管理サーバが、前記イベントの終了後、記憶された前記ユーザの前記特定情報と前記出場時刻に基づいて統計情報を算出し、前記イベントのスケジュールと比較する、比較ステップと、を含むことにより解決される。
【0010】
上記の情報収集システム、情報収集方法及びプログラムによれば、ユーザである観客がチケットデータを使用してイベント会場に入場した後、ユーザ端末が、ユーザ端末の位置情報を取得して、イベントの開演日時、イベント会場の情報及びユーザ端末の位置情報に基づいて、ユーザが出場した出場時刻を取得しユーザが途中退場したか否か判定する。そして途中退場したと判定したとき、ユーザ端末が管理サーバにユーザの特定情報と出場時刻とを送信する。管理サーバがユーザの出場時刻を記憶していくことにより、管理サーバに、途中退場したユーザの出場時刻や特定情報(年齢や性別等)の情報が収集され、イベントのコーナー又は時間帯よるユーザ(観客)の人数や属性を把握することが可能になる。
【0011】
上記の情報収集システムにおいて、前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離以上に離れた状態になった場合に、前記途中退場判定部は前記ユーザが途中退場したと判定するとよい。
イベントに参加したユーザの中には、イベント開催中、完全に退場するのではなく、食事、休憩、買物のために一時的にイベント会場を離れる場合がある。そのため、ユーザ端末の途中退場判定部は、ユーザ端末の位置情報を利用して、イベント会場から所定距離以上離れたときに途中退場したと判定する。これにより、一時的にイベント会場を離れたユーザを除外することができ、より正確に途中退場者の情報を収集することができる。
【0012】
また、上記の情報収集システムにおいて、前記出場時刻、又は、前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離離れた状態になった時刻から計測した時間が、所定時間以上経過した場合に、前記途中退場判定部は前記ユーザが途中退場したと判定するとよい。
途中退場判定部は、ユーザがイベント会場から出場した時刻、又は、イベント会場から所定距離離れた状態になった時刻から所定時間以上経過した場合に、ユーザが途中退場したと判定する。これにより、一時的にイベント会場を離れたユーザを除外することができ、より正確に途中退場者の情報を収集することができる。
【0013】
上記の情報収集システムにおいて、前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離以上に離れた状態になり、且つ、前記出場時刻又は前記ユーザ端末の位置が前記イベント会場から所定距離離れた状態になった時刻から計測した時間が、所定時間以上経過した場合に、前記途中退場判定部は前記ユーザが途中退場したと判定するとよい。
途中退場判定部が、ユーザ端末の位置情報を利用して、イベント会場から所定距離以上離れると共に所定時間以上経過した場合にユーザが途中退場したと判定する。これにより、一時的にイベント会場を離れたユーザを除外することができ、より正確に途中退場者の情報を収集することができる。
【0014】
上記の情報収集システムにおいて、前記所定距離は、前記イベント会場から前記イベント会場の最寄り駅までの距離であるとよい。
イベント会場から退場したユーザが最寄り駅の付近まで来た場合、イベント会場に戻らずそのまま交通機関(鉄道、バス、タクシー等)により帰宅し、完全に退場する可能性が高い。そのため、途中退場の判定に用いる所定距離をイベント会場から最寄り駅までの距離とすることにより、より正確に途中退場の判定を行うことができる。
【0015】
上記の情報収集システムにおいて、前記所定時間は、前記イベント会場から前記イベント会場の最寄り駅までの移動にかかる所要時間であるとよい。
ユーザがイベント会場から離れた時間が、イベント会場から最寄り駅までの移動にかかる所要時間以上経過した場合、ユーザは交通機関を用いて帰宅し、完全に退場した可能性が高い。そのため、所定時間を最寄り駅までの移動にかかる所要時間とすることにより、より正確に途中退場の判定を行うことができる。
【0016】
上記の情報収集システムにおいて、前記イベント会場の周辺に前記ユーザが休憩可能な休憩施設がある場合、前記休憩施設が前記イベント会場の周辺に無い場合と比較して前記所定時間が長く設定されるとよい。
休憩可能な休憩施設、例えばホテル、飲食店又は公園等がイベント会場の周辺にある場合、イベント会場を出場した観客は、休憩施設で一時的に休憩しその後イベント会場に戻ってくる可能性がある。そのため、会場周辺に休憩施設がある場合、途中退場の判定に用いる所定時間を、休憩施設が無い場合より長めに設定するとよい。長めに設定することで、より正確に途中退場の判定を行うことができる。
【0017】
上記の情報収集システムにおいて、前記ユーザ端末は、前記ユーザが途中退場したことを前記途中退場判定部が判定した退場判定時刻から前記イベントの終了時刻までの時間が予め定められた再販可能時間以上である場合、前記ユーザにチケットを再販するか否かを確認し、前記ユーザが前記チケットの再販を指示した場合、前記チケットを当日券として再販することを前記管理サーバに要求する再販促進部を備えるとよい。
ユーザが途中退場したと判定した退場判定時刻から、イベントの終了時刻まである程度時間が残っている場合、残り時間のイベント内容によっては入場希望者が居る場合がある。例えば、複数のアーティストが出演するイベントの場合、ユーザは目的のアーティストの出演が終了すると途中退場する場合がある。一方、その後のコーナーを希望するユーザが居る場合、チケットが再販されればそのユーザが購入する場合がある。空席を有効に利用することができ、より多くのユーザを入れることができる
【0018】
上記の情報収集システムにおいて、前記ユーザ端末は、前記ユーザが途中退場したことを前記途中退場判定部が判定した場合、前記管理サーバにクーポンの配信を要求するクーポン取得部を備えるとよい。
クーポンは例えば他のサービスで利用可能な割引券又は優待券である。途中退場するユーザにクーポンを配布することにより、例えばやむを得ない事情により途中退場したユーザに対して損をした気持ちを和らげることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、イベント会場に入場した観客が途中退場したか否かを判定し、途中退場した観客の人数及び観客の属性を収集する情報収集システム、情報収集方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態である途中退場者の情報収集システムを示すシステム構成図である。
【
図2】途中退場者の情報収集システムのハードウェア構成図である。
【
図3】イベント会場、周辺施設及びユーザの位置関係を示す図である。
【
図4】管理サーバ及びユーザ端末の機能ブロック図である。
【
図5A】管理サーバが記憶するチケット情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5B】管理サーバが記憶するユーザの特定情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5C】ユーザ端末が記憶する情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】チケット購入処理に関するシーケンス図である。
【
図7】途中退場判定処理を示すシーケンス図である。
【
図8B】クーポン取得処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)について
図1から
図7を参照しながら説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、以下の説明や図面中に記載された画面のデザイン及びレイアウトは、あくまでも一例に過ぎず、本発明の用途やユーザの要望等に応じて適宜変更可能である。
また、以下の説明において本発明による情報収集システム及び情報収集方法について説明するが、かかる情報収集方法をコンピュータにより実行可能なプログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、該プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0022】
<<情報収集システム1のシステム構成>>
図1に示されるように、途中退場者の情報収集システム1は、管理サーバ10とユーザUが使用するユーザ端末30とを備える。管理サーバ10及びユーザ端末30はインターネット等の通信回線Nを介して相互に通信可能に接続される。ユーザ端末30は一台に限らず複数台同時に管理サーバ10に接続することができ、それぞれが個別に作動する。各ユーザ端末30の機能は同一であるため、ここでは、ユーザUが一台のユーザ端末30を使用する場合について説明する。
【0023】
ユーザ端末30は、イベントの観客であるユーザUが所有しユーザUにより操作されるスマートフォン、タブレット端末等の携帯端末(コンピュータ)である。そして、ユーザ端末30にはチケットTiのデータが記憶されている。このチケットTiは、ユーザUが所有する電子チケットであり、所定イベントへの参加権を有するものである。また、ユーザ端末30は、ユーザ端末30自体の位置情報を取得することが可能である。そして、ユーザ端末30は、管理サーバ10からの要求又は所定の条件に応じて、ユーザ端末30の位置情報等の情報を管理サーバ10に送信することができる。
【0024】
チケットTiのチケットデータとして、具体的には、イベントを特定するイベントID、イベントの開演日時(開始時刻、終了時刻を含む)の情報及びイベント会場S(会場名、緯度、経度を含む)の情報が登録されている(
図5C参照)。そして、チケットTiの所有者であるユーザUの情報、イベント会場Sにおける座席情報、チケットのステータス(使用状態)等の情報も含まれる。これらのチケットデータは、チケット購入時にユーザ端末30に登録されると共に管理サーバ10においても管理される。
【0025】
管理サーバ10は、チケットTiの情報を管理するコンピュータである。例えば、管理サーバ10は、チケットTiの購入、チケットTiの譲渡、チケットTiのキャンセル及びチケットTiの使用状態の管理等を行う。また、チケットTiを有するユーザUのユーザ端末30の位置情報をユーザ端末30から取得することが可能になっている。
【0026】
また、管理サーバ10は、ユーザUのユーザ端末30にチケットTiのデータ(電子チケット)を提供する。提供する際、管理サーバ10は、ユーザ端末30からユーザUを特定するための特定情報(ユーザID、氏名、年齢、性別等)を受け付ける。そして、管理サーバ10は、チケットTiに関連付けて、ユーザUの特定情報を記憶する。また、管理サーバ10は、ユーザ端末30にチケットTiのデータを管理するプログラム(アプリケーション)を提供するか、通信回線Nに接続された別のサーバからプログラムをダウンロードするよう促すことができる。
【0027】
ユーザ端末30は、ユーザUがチケットTiを使用してイベント会場Sに入場した(チケットがもぎられた)後、ユーザ端末30自体の位置情報を取得する。位置情報の取得は所定の時間間隔(例えば1秒間隔)で、少なくともイベントが終了するまで実施される。また、ユーザ端末30は、ユーザUがイベント会場Sを離れて途中退場したことを判定した場合、イベント会場Sを出場した出場時刻T0とユーザUの特定情報、例えばユーザIDとを管理サーバ10に送信する(途中退場の判定方法は後述する)。
管理サーバ10は、ユーザ端末30が送信した途中退場したユーザUの特定情報を受信し記憶装置12に記憶していく。イベントの主催者は、管理サーバ10に蓄積されたユーザUの特定情報、入場時刻及び出場時刻の情報を利用して、例えばイベントのコーナー毎の観客数や属性情報等を集計し、次のイベント作りに活用する。
【0028】
<<ハードウェア構成>>
次に、
図2を参照しながら、管理サーバ10及びユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。
【0029】
[管理サーバ10のハードウェア構成]
図2に示されるように、管理サーバ10は、ハードウェア構成として、プロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13を備える。
【0030】
プロセッサ11は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェア(例えばCPU:Central Processing Unit)である。そして、プロセッサ11は、記憶装置12に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、管理サーバ10の各部を制御する。
【0031】
記憶装置12は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。一例としては、記憶装置12には、後述するチケット情報テーブルTa1、特定情報テーブルTa2等のデータが記憶される。また、記憶装置12は、プロセッサ11のワークメモリとしても用いられる。なお、記憶装置12には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれてもよい。
【0032】
通信用インターフェース13は、例えばネットワークインターフェースカードを含み構成され、インターネット、イントラネット等の通信回線Nを経由して、ユーザ端末30等のコンピュータと通信する。
【0033】
[ユーザ端末30のハードウェア構成]
図2に示されるように、ユーザ端末30は、プロセッサ31、記憶装置32、通信用インターフェース33、入力装置34、表示装置35及びGPSチップ36を備える。なお、入力装置34及び表示装置35はユーザ端末30の外部装置として設けられていてもよい。
【0034】
プロセッサ31は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェア(例えばCPU)である。そして、プロセッサ31は、記憶装置32に記憶されるプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、ユーザ端末30の各部を制御する。
【0035】
記憶装置32は、例えばメモリ、磁気ディスク装置を含み構成され、各種のプログラムやデータを記憶するほか、プロセッサ31のワークメモリとしても機能する。なお、記憶装置32には、フラッシュメモリ、光学ディスク等の情報記憶媒体が含まれてもよい。
【0036】
通信用インターフェース33は、例えばネットワークインターフェースカードを含み構成され、インターネット、イントラネット等の通信回線Nを経由して、管理サーバ10等のコンピュータと通信する。
【0037】
入力装置34は、例えばタッチパネル、キーボード、マウス等を含み構成され、ユーザからの入力を受け付ける。
【0038】
表示装置35は、例えば液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置等を含み構成され、プロセッサ31により生成されるグラフィックデータに基づく画面を出力する。
【0039】
GPSチップ36は、GPS(Global positioning system)衛星からのGPS信号を受信し、ユーザ端末30の位置を測定するデバイスである。
なお、本実施形態では、ユーザ端末30の位置の測定にGPSを用いることとするが、携帯電話の基地局位置情報や、Wi-Fiの基地局位置情報を用いてもよい。
【0040】
[情報収集システム1の概要]
次に、
図3~
図8を参照しながら、途中退場者の情報収集システム1における処理の概要について説明する。
なお、以下に説明する例においては、ユーザUのユーザ端末30にはチケットTiのデータ(電子チケット)が記憶され、チケットTiはイベント会場Sで開催されるイベントの参加権(入場権)を有するものとする。
【0041】
イベントは、例えば複数のアーティストが順番に出演するものであり、観客は購入した電子チケットを用いて一旦入場処理した後は、特定のゲートでリストバンド等の入場証を見せるだけでイベント会場Sの出入りを自由に行うことができる。
図3に示すようにイベント会場Sは例えばスタジアムであり、観客は最寄り駅Stからイベント会場Sまで徒歩で移動する。イベント会場Sの周辺には飲食店R、休憩施設であるホテルH、公園Pが設けられている。
【0042】
入場処理を済ましたユーザUはイベント会場Sに自由に出入りできることから、イベント会場Sから単に出場して離れただけでは、途中退場したか否か不明である。そのため、本実施形態に係る情報収集システム1では、まず、ユーザUは、チケットTiを購入する際、専用アプリケーションをユーザ端末30にインストールし、チケットTiを管理する。また、専用アプリケーションにより、ユーザ端末30自体の位置情報と、チケットデータに登録されたイベントの開催日時、イベント会場Sの情報(緯度、経度)を用いて、ユーザUがイベントを途中退場したか否かを判定している。
【0043】
ユーザUが、ユーザ端末30のチケットTiを用いて入場処理すると、その後、ユーザ端末30は、ユーザ端末30自体の位置情報の計測を開始し、所定の時間間隔(例えば1秒毎)で、位置情報を取得する。そして、ユーザUがユーザ端末30と共にイベント会場Sから離れた場合、出場時刻T0を記録する。その後、ユーザ端末30は、出場したユーザUがイベント会場Sから更に一定の距離L(所定距離)離れたか否かを確認する。ユーザUがイベント会場Sに戻った場合は完全に退場する意思はないものと判定する。
【0044】
ユーザUがイベント会場Sから一定の距離L以上離れた状態で、一定の時間J(所定時間)経過した場合、ユーザ端末30はユーザUが途中退場したと判定し、出場時刻T0を退場時刻とする。
なお、判定に用いる一定の時間Jの計測開始点は、ユーザUがイベント会場Sを出場した時刻(出場時刻T0)としてよく、また、ユーザUがイベント会場Sから一定の距離L離れたときの時刻としてもよい。
【0045】
途中退場の判定に用いる一定の距離Lは、例えば、
図3に示すようにイベント会場Sから最寄り駅Stまでの距離LSとしてよい。最寄り駅StまでユーザUが移動した場合、ユーザUは交通機関を用いて帰宅することが予想されるためである。
また、途中退場の判定に用いる一定の時間Jは、イベント会場Sから最寄り駅Stまでの移動にかかる所要時間Wとしてよい。イベント会場Sから徒歩により最寄り駅Stまで所要時間Wかかる場合、イベント会場Sを出場してから所要時間W経過した場合、ユーザUは退場したと判定する。
【0046】
途中退場の判定に用いる一定の距離L及び一定の時間Jは、イベントの種類やイベント会場Sの場所によって変更してよい。また、
図3に示すようにイベント会場Sの近隣に飲食店R、ホテルH、公園P等の休憩施設がある場合は、食事又は休憩を終えた後、ユーザUは再度イベント会場Sに戻ってくる可能性がある。そのため、途中退場の判定に用いる一定の時間Jを、休憩施設等が周辺に無い場合と比較して長くに設定しておくとよい。また、途中退場の判定に用いる一定の時間Jは、時間帯によって変更しても良い。例えば、昼時はユーザUが食事をするために長くイベント会場Sの外に滞在する可能性がある。そのため、ユーザUが出場した時間帯が昼時の場合、一定の時間Jをより長く設定する。
また、本実施形態では途中退場の判定に、一定の距離Lと一定の時間Jにより判定しているが、これは一例であり、何れか一方の指標を用いて途中退場の判定を行ってもよい。すなわち、ユーザU(ユーザ端末30)がイベント会場Sから一定の距離L以上離れた場合に途中退場したと判定してもよい。また、ユーザUがイベント会場Sから一定の時間J以上離れていた場合に途中退場したと判定してもよい。
【0047】
ユーザUが途中退場したと判定したユーザ端末30は、管理サーバ10にユーザUの特定情報、例えばユーザIDと実際にイベント会場Sから出場した出場時刻T0とを送信する。管理サーバ10は、ユーザ端末30から受信した特定情報及び出場時刻T0を記憶し蓄積していく。イベント終了後、管理サーバ10は、途中退場したユーザUの人数や時間帯、ユーザUの属性(年齢、性別等)の統計情報を算出し、イベントのスケジュールと比較して、例えば、どのコーナーで退場者が増えたか等を割り出す。
【0048】
また、ユーザ端末30は、ユーザUが途中退場したと判定した場合、ユーザUにチケットを当日券として再販することを勧めてもよい(チケット再販処理)。ユーザ端末30が途中退場したことを判定した時刻(退場判定時刻T1)から、イベントの終了時刻TLまで十分な時間がある、例えば一つ以上のコーナーが残っている場合、イベントに参加を希望する別のユーザが居る可能性がある。そのため、退場判定時刻T1から終了時刻TLまで、一定の時間(以下、再販可能時間TR)より長い場合は、ユーザ端末30の表示装置35に、チケットTiを再販することをすすめる画面を表示する。ユーザUがチケットTiの再販指示を入力した場合、チケットTiを当日券として再販する再販指示情報(チケット再販要求)を管理サーバ10に送信する。再販指示情報を受信した管理サーバ10は、チケットTiを当日券として再販する処理を行う。なお、退場判定時刻T1から終了時刻TLまでの時間が再販可能時間TR以下である場合は、チケットTiの再販が困難であると判定し、チケット再販処理を終了する。
【0049】
ユーザ端末30は、ユーザUが途中退場したと判定した場合、ユーザUにクーポンを配布してもよい(クーポン取得処理)。ユーザ端末30は、途中退場したと判定したとき、ユーザUの出場時刻T0がイベントの終了時刻TLより前であれば、ユーザUにクーポンの取得を希望するか確認する。具体的には、ユーザ端末30は、表示装置35にクーポンの取得を希望するか否かを選択する画面を表示する。ユーザUがクーポンの取得を希望した場合、ユーザ端末30は、管理サーバ10にクーポン要求を送信する。管理サーバ10は、ユーザ端末30からクーポンの要求を受け付けた場合、管理サーバ10は、ユーザ端末30にクーポンを送信する。クーポンを受領したユーザ端末30は、クーポンを受領したことを表示装置35に表示する。なお、クーポンを配布することが可能な時間を設定してもよい。例えば、出場時刻T0が、イベントの終了時刻TLより所定時間前(クーポン配布終了時刻TC)である場合にクーポンを配布するよう設定してもよい。
【0050】
[ユーザ端末30の機能の説明]
次に、
図4を参照しながら、上記の処理を実現するためにユーザ端末30に備えられる機能について説明する。
図4に示されるように、ユーザ端末30は、情報記憶部41、位置情報取得部42、途中退場判定部43、情報送信部44、再販促進部45及びクーポン取得部46を備える。
【0051】
ユーザ端末30に備えられる上記各部の機能は、プロセッサ31が、記憶装置32に記憶されるプログラム(アプリケーション)及びデータに基づいて、ユーザ端末30の各部を制御することにより実現されるものである。なお、ユーザ端末30は、上記のプログラムを、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(CD-ROM、SDカード、USBメモリ等)から読み込むこととしてもよく、また、インターネット又はイントラネット等の通信回線Nを介して受信してもよい。
以下、ユーザ端末30に備えられる上記の各部の機能について説明する。
【0052】
情報記憶部41は、ユーザUのチケットTiの情報を記憶する。「チケットTi」とは、所定のイベントについてチケットであって、ユーザUが所有する電子チケットである。「チケットTi」には、
図5Cに示す情報テーブルTa3のようにイベントが行われる場所(イベント会場S)の情報(会場名、緯度、経度)と、イベント開演時間(開始時刻、終了時刻)が関連付けられる。また、ユーザUの座席情報が関連付けられてもよい。また、チケットTiを所有するユーザUを特定するためのユーザID、チケットのステータスを示すデータが記憶されてもよい。ユーザUの氏名・年齢・性別・職業の情報も記憶されてもよい。なお、イベントは入場料を取るものに限定されない。すなわち、チケットは有償、無償の何れでもよい。
【0053】
また、情報記憶部41は、途中退場の判定に用いるデータを記憶する。途中退場を判定する一定の距離L(所定距離)としてイベント会場Sから最寄り駅Stまでの距離LSを記憶する。途中退場を判定する一定の時間J(所定時間)としてイベント会場Sから最寄り駅Stまで徒歩によりかかる所要時間Wが記憶される。また、イベントを再販することが可能な再販促進時間、クーポンの配布を終了するクーポン配布終了時刻TCを記憶する。
【0054】
情報記憶部41は、主にユーザ端末30の記憶装置32により実現される。イベント会場Sの位置情報は、緯度、経度だけでなくイベント会場Sを含むエリアとして定められてもよい。登録された緯度、経度の位置を中心とした半径100mの円のエリアをイベント会場Sの範囲としてもよい。
【0055】
「チケットのステータス」とは、チケットTiの状態を示す情報である。例えば、「ステータス」には、購入済、発券済、使用済(入場済)等の複数の状態を含む。
「購入済」とは、チケットを購入後から発券するまでの状態に相当する。
「発券済」とは、チケットを発券した状態から使用済(入場済)までの状態に相当する。
「使用済」とは、チケットを使用した後の状態に相当する。例えば、チケットを使用してイベント会場Sに入った後の状態が、上記の「使用済」の状態に相当する。
すなわち、「チケットTiのステータスが使用済」とは、チケットTiが使用済であることを示す。
【0056】
「特定情報」とは、ユーザUを特定するための情報であり、少なくともユーザIDを含む。ユーザIDはユーザ毎に設定される一意の記号や番号である。ユーザIDは、システム毎に割り振られた番号であってもよく、また、ユーザUが所有するユーザ端末30特有の情報、例えば電話番号を使用してもよい。特定情報にはユーザIDの氏名、年齢、性別、職業等の情報含まれてよい。ユーザUの特定情報は、ユーザ端末30は、チケットTiの電子チケットを購入又はダウンロードする際に、管理サーバ10に対して特定情報を送信し、管理サーバ10に登録するようにしてよい。また、チケットTiを使用してイベント会場に入場したときに特定情報を送信するようにしてもよい。
【0057】
[位置情報取得部42の説明]
位置情報取得部42は、チケットTiのデータを記憶するユーザ端末30の位置情報を取得する。「ユーザ端末30」とは、ユーザUが保有する携帯端末であって、チケットTiのデータを記憶する携帯端末である。「ユーザ端末の位置情報」とは、端末(ユーザ端末30)の現在位置を示す情報である。例えば、ユーザ端末30のGPSチップ36により得られる位置情報が、上記の「ユーザ端末の位置情報」に相当する。ユーザ端末30のGPSチップ36から位置情報の受信を開始するタイミングは、チケットTiを使用した直後であるのが望ましく、その後、定期的な間隔、例えば1秒毎に位置情報を取得するのが望ましい。
【0058】
[途中退場判定部43の説明]
途中退場判定部43は、位置情報取得部42が取得したユーザUの位置情報と、イベントの開演日時及びイベント会場の情報とに基づいて、ユーザUが途中退場したか否かを判定する。途中退場判定部43は、ユーザUの位置情報が、イベント会場Sから離れたとき、出場時刻T0を記録する。出場時刻T0がイベントの終了時刻前であれば、ユーザUが途中退場をするのか否かを判定する。ユーザUが、イベント会場Sから一定の距離L(所定距離)離れたか否か、例えば、イベント会場Sから最寄り駅Stまでの距離LS以上で離れたか否か判定する。ユーザUが一定の距離L以上離れている場合、一定の時間J以上経過しているか否か判定する。一定の時間J以上経過している場合、途中退場判定部43はユーザUが途中退場したと判定する。
【0059】
途中退場判定部43は、ユーザ端末30のプロセッサ31、記憶装置32、GPSチップ36によって実現される。
【0060】
[情報送信部44の説明]
情報送信部44は、ユーザUが途中退場したと途中退場判定部43が判定した場合に、ユーザUの特定情報と出場時刻T0を管理サーバ10に送信する。情報送信部44は、ユーザ端末30のプロセッサ31、記憶装置32、通信用インターフェース33により実現される。
【0061】
[再販促進部45の説明]
再販促進部45は、ユーザUが途中退場したと途中退場判定部43が判定した場合、退場判定時刻T1とイベントの終了時刻TLとを比較し、終了時刻TLまでの時間が、予め定められた再販可能時間TRよりも長い場合、ユーザUにチケットのリセール(再販)を促す。再販可能時間TRは、例えばイベントの最後のコーナーの上演時間である。最後のコーナーが1時間以上ある場合、1時間以上前に途中退場したことが分かっていると、他の希望するユーザUを入場させることができる。再販促進部45は、ユーザ端末30の表示装置35に、チケットの再販をすすめる内容を表示し、ユーザUがチケットの再販を要求した場合、チケットを当日券として再販することを管理サーバ10に要求する。
再販促進部45は、主にユーザ端末30のプロセッサ31、記憶装置32、通信用インターフェース33及び入力装置34により実現される。
【0062】
[クーポン取得部46の説明]
クーポン取得部46は、ユーザUが途中退場したと途中退場判定部43が判定した場合、管理サーバ10にクーポンをユーザ端末30に配布するよう要求する。管理サーバ10からクーポンが送信された場合、クーポン取得部46はクーポンを取得し、クーポンを取得したことを表示装置35に表示する。
クーポン取得部46は、主にユーザ端末30のプロセッサ31、記憶装置32及び通信用インターフェース33、表示装置35により実現される。
【0063】
上記ユーザ端末30は、イベントに参加するユーザUのそれぞれが所有しており、
図4に示すように複数台、管理サーバ10に接続される。それぞれのユーザ端末30は、所有するユーザUの位置に応じて個別に作動する。
【0064】
[管理サーバ10の機能の説明]
図4を参照しながら、管理サーバ10に備えられる機能について説明する。
図4に示されるように、管理サーバ10は情報記憶部21、チケット再販部22、クーポン配信部23を備える。
【0065】
管理サーバ10に備えられる上記各部の機能は、プロセッサ11が、記憶装置12に記憶されるプログラム及びデータに基づいて、管理サーバ10の各部を制御することにより実現されるものである。なお、管理サーバ10は、上記のプログラムを、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(CD-ROM、SDカード、USBメモリ等)から読み込むこととしてもよい。
以下、管理サーバ10に備えられる上記の各部の機能について説明する。
【0066】
[情報記憶部21の説明]
管理サーバ10の情報記憶部21は、チケットTiの情報を記憶すると共に、チケットTiを購入したユーザUの特定情報を記憶する。管理サーバ10に記憶されるチケットTiの情報は、ユーザ端末30に記憶されるチケットTiの情報とほぼ同じであり、
図5Aに示す、チケット情報テーブルTa1のように、イベント開演時間(開始時刻、終了時刻)、イベントが行われる場所(イベント会場S)の情報(会場名、緯度、経度)とが記憶されている。また、チケットTiを所有するユーザUを特定するためのユーザID、座席情報、チケットのステータスを示すデータが記憶されてもよい。また、情報記憶部21には、
図5Bに示す特定情報テーブルTa2のように、ユーザUの年齢・性別・職業の情報が記憶される。ユーザUの情報は任意に設定することが可能である。
情報記憶部21は、ユーザ端末30から送付された途中退場したユーザUの特定情報及び出場時刻T0を受信する。受信したユーザUの特定情報とチケットTiに記憶されているユーザUの特定情報とを照合し、一致したチケットTiのチケット情報テーブルTa1に出場時刻T0を記憶する。
【0067】
情報記憶部21は、主に管理サーバ10の記憶装置12により実現されるが、特定情報の受信や、途中退場したユーザUの出場時刻T0の記憶には、プロセッサ11及び通信用インターフェース13により実現される。
【0068】
[チケット再販部22の説明]
管理サーバ10のチケット再販部22は、ユーザ端末30からチケットの再販要求を受け付けた場合、チケットの再販手続きを行う。管理サーバ10にチケットのキャンセル待ちが登録されている場合は、キャンセル待ちのユーザに当日券が発行されたこと連絡する。他のユーザUが当日券を購入した場合には、当日券を購入した新たなユーザUに送付する。
【0069】
チケット再販部22は、管理サーバ10のプロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13により実現される。
【0070】
[クーポン配信部23の説明]
管理サーバ10のクーポン配信部23は、ユーザ端末30からクーポンの配信要求を受け付けた場合、ユーザ端末30にクーポンの配信を行い、ユーザUにクーポンを配信したことを記録する。
クーポン配信部23は、管理サーバ10のプロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13により実現される。
【0071】
[情報収集システム1における処理の説明]
次に、
図6~
図8Bを参照しながら、情報収集システム1において実行される処理の流れについて説明する。
【0072】
[チケット購入処理]
まず、
図6に示すシーケンス図を参照しながら、情報収集システム1において実行されるチケット購入処理の流れについて説明する。本実施形態の情報収集システム1では、ユーザ端末30にアプリケーションがダウンロードされ、そのアプリケーションにより、チケットTiの管理及び途中退場の判定処理が実施される。
図6に示すシーケンスは、ユーザUがユーザ端末30を用いて管理サーバ10にアクセスしてチケットを購入すると同時にアプリケーションを受信する処理に関するものである。
【0073】
図6に示されるように、ユーザ端末30は、ユーザUから受け付けた操作に応じて、管理サーバ10に対してチケットの購入を要求する(S201)。管理サーバ10は、ユーザ端末30からチケットの購入要求を受け付けると(S101)、要求に係るチケットの購入処理を実行する(S102)。そして、管理サーバ10は、購入処理の完了後に、購入完了の旨をユーザ端末30に対して通知する(S103)。購入時、ユーザ端末30から、ユーザUの特定情報が送信され、管理サーバ10が特定情報を受信し、記憶する。
【0074】
ユーザ端末30は、管理サーバ10からチケット購入完了通知を受信する(S202)。その後、ユーザ端末30は、ユーザUからの操作に基づいて、購入したチケット(電子チケット)のダウンロードを管理サーバ10に対して要求する(S203)。本例では、ユーザ端末30は、チケットTiのダウンロードを要求することとする。
【0075】
管理サーバ10は、ユーザ端末30からチケットTiのダウンロード要求を受け付けると(S104)、ユーザ端末30に対して専用アプリケーションをダウンロードすることを要求する(S105)。
【0076】
ユーザ端末30が、管理サーバ10から専用アプリケーションのダウンロード要求を受け付けると(S204)、管理サーバ10はユーザ端末30に対して専用アプリケーションを送信する(S106)。ユーザ端末30は、専用アプリケーションを受信し記憶装置32に格納する。
【0077】
その後、管理サーバ10はチケットTiのチケットデータ(電子チケット)をユーザ端末30に送信する(S107)。ユーザ端末30は、管理サーバ10からチケットTiのチケットデータを受信し(S206)、ユーザ端末30の記憶装置32に格納する。ユーザ端末30は、チケットデータとしてイベントの開演日時及びイベント会場の情報と、ユーザUを特定する特定情報を記憶する(データ登録ステップ)。
以上が、ユーザ端末30のチケット購入処理、専用アプリケーション及びチケットデータのダウンロード処理の流れである。なお、ユーザ端末30が別チケットの購入時に専用アプリケーションをすでにダウンロードしている場合、専用アプリケーションをユーザ端末30にダウンロードさせる工程(S105、S106、S204、S205)を省略してよい。
【0078】
[途中退場判定処理]
次に、
図7に示すシーケンス図を参照しながら、情報収集システム1において実行される途中退場判定処理の流れについて説明する。
図7に示すシーケンスは、ユーザUが購入したチケットTiを使用してイベント会場に入場した後、途中退場したか否かを判定する処理に関するものである。
【0079】
図7に示されるように、まずユーザUは、ユーザ端末30に記録されたチケットデータを使用してイベント会場Sに入場する(S401)。このとき、ユーザUがイベント会場Sに入場したこと、具体的には特定情報と入場時刻とを管理サバ―10に送信する。管理サーバ10は、特定情報及び入場時刻を受信し、ユーザUがイベント会場SにチケットTiを使用してイベント会場Sに入場したことを登録し、入場時刻を記憶する(S301)。イベントが時間帯ごとに提供される複数のコーナーにより構成されている場合、ユーザUは途中から参加する場合がある。
【0080】
ユーザUがイベント会場Sに入場した後、ユーザ端末30は、ユーザ端末30自体の位置情報の取得を開始する(S402)。なお、位置情報の取得はイベントが開始される前から実施されてもよく、ユーザUがイベント会場Sに入場した後、引き続き位置情報の取得が行われていればよい。位置情報はユーザ端末30のGPSチップ36から取得され、少なくともイベントが終了するまで、又は、ユーザ端末30におりユーザUが途中退場したと判定される時点まで実施される(位置情報取得ステップ)。
【0081】
ユーザ端末30は、取得した位置情報とイベント会場Sの情報とを比較し、取得した位置情報がイベント会場Sの範囲外となった場合、ユーザUがイベント会場Sを何らかの理由によりイベント会場から離れたと判定し、出場した出場時刻T0を記憶する(S403)。
【0082】
このとき、出場時刻T0と、イベントの終了時刻TLとを比較する(S404)。出場時刻T0が終了時刻TLより後の場合(S404でNo)、ユーザUは途中退場することなくイベント終了後に退場しているため、途中退場判定処理を終了する。出場時刻T0が終了時刻TLより前の場合(S404でYes)、ユーザUは途中退場する可能性があり、途中退場判定処理を続ける。
【0083】
ユーザ端末30は、引き続き位置情報を取得し、イベント会場Sから離れた距離を算出し、ユーザ端末30とイベント会場Sとの距離と、予め設定された一定の距離L(所定距離)とを比較する(S405)。ユーザ端末30とイベント会場Sとの距離が一定の距離Lより小さい場合(S405でNo)は、ユーザ端末30の位置情報を取得を続ける。ユーザ端末30とイベント会場Sとの距離が一定の距離L以上となった場合(S405でYes)、イベント会場Sから出場した出場時刻T0から、又は、ユーザ端末30がイベント会場から一定の距離L離れた時刻T1から一定の時間J(所定時間)が経過したか否かを判定する(S406)。
【0084】
ステップS406で、一定の時間J経過していない場合(S406でNo)、途中退場したと判定せず、位置及び時間の計測を引き続き行う。一定の時間J経過し、イベント会場Sからの位置が一定の距離Lである場合(S406でYes)、ユーザ端末30はユーザUが途中退場したと判定する(途中退場判定ステップ)。
【0085】
ユーザ端末30は、ユーザUがイベント会場Sを出場した出場時刻T0を途中退場した退場時刻としてユーザUの特定情報と共に管理サーバ10に送信する(S407、情報送信ステップ)。
【0086】
管理サーバ10は、ユーザUの特定情報と出場時刻T0を受信して、出場時刻T0を退場時刻として記憶装置12に記憶する(S302、途中退場者情報記憶ステップ)。ユーザ端末30は途中退場判定処理を終了し、再販促進処理又はクーポン取得処理を実施する。
【0087】
次に、
図8A及び
図8Bに示すシーケンス図を参照しながら、情報収集システム1において実行される再販促進処理及びクーポン取得処理の流れについて説明する。
図8Aに示すシーケンス図は、ユーザUがイベントを途中退場したとユーザ端末30が判定した後に実行される再販促進処理である。
図8Bに示すシーケンス図は、ユーザUがイベントを途中退場したとユーザ端末30が判定した後に実行されるクーポン取得処理に関するものである。なお、再促進処理及びクーポン取得処理は、情報収集システム1により、両方実施されてもよい。また、何れか一方の処理が実施されてもよい。再促進処理及びクーポン取得処理は、情報収集システム1により、実施されなくてもよい。
【0088】
[再販促進処理]
ユーザ端末30は、ユーザUが途中退場したことを判定した退場判定時刻T1と、情報記憶部41に記憶されたイベントの終了時刻TLとを比較し、退場判定時刻T1から終了時刻TLまでの時間が再販可能時間RT以上であるか否かを判定する(S601)。予め設定された再販可能時間RTより短い場合(S601でNo)、ユーザUのチケットTiを再販することはできないと判定し再販促進処理を終了する。その後、クーポン取得処理をしてもよい。
退場判定時刻からイベント終了時刻までの時間が、再販可能時間RT以上である場合(S601でYes)、ユーザUのチケットTiは再販可能であると判定し、ユーザ端末30は、表示装置35にチケットTiの再販を促す内容を表示して再販してよいか否か確認する(S602)。ユーザUがユーザ端末30の画面を見てチケットTiの再販を要求した場合(S602でYes)、ユーザ端末30は、管理サーバ10にチケットTiの再販要求を送信する(S603)。
【0089】
管理サーバ10は、ユーザ端末30からチケットTiの再販要求を受け付けた場合(S501)、チケットTiの再販手続きを行う。管理サーバ10は例えばチケットのキャンセル待ちを登録した人々に当日券が発効されたことを連絡する。当日券の購入希望者がいる場合は、その希望者に当日券を販売する(S502)。
【0090】
[クーポン取得処理]
ユーザ端末30は、ユーザUが途中退場したと判定した場合、クーポン取得処理を実行してもよい。ユーザ端末30は、ユーザUが途中退場したと判定した後、クーポンを要求するか否かをユーザに確認する(S801)。具体的にはユーザ端末の表示装置35に、クーポンを要求するか否かを確認する内容を表示する。ユーザUがユーザ端末30の画面を見てクーポンを要求した場合(S801でYes)、ユーザ端末30は、管理サーバ10にクーポンをユーザ端末30に配布するよう要求する(S802)。クーポンを要求しない場合(S801でNo)ユーザ端末30は、クーポン取得処理を終了する。
【0091】
管理サーバ10は、ユーザ端末30のクーポンの配布要求を受け付けた場合(S701)、管理サーバ10はユーザ端末30にクーポンを送信する(S702)。管理サーバ10はユーザ端末30にクーポンを発行したことを記録する。また、ユーザ端末30は、クーポンを受信し記憶装置32に記憶し、クーポンを取得したことを表示装置35に表示する(S803)。
【0092】
以上、図を用いて本発明の実施形態である情報収集システム1、情報収集方法、及び情報収集方法を実施するプログラムについて説明した。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えばユーザUの途中退場を判定した後、チケットの再販処理又はクーポンの配布処理等が不要な場合は実施しなくてもよい。また、チケットの再販処理又はクーポンの配布処理のうち何れか一方を実施してもよい。
また、本実施形態で想定されたイベントでは一旦入場処理が行われると自由に入出場可能であったが、再入場できないイベントでは、イベントの終了時刻前にイベント会場Sから出場した時点で途中退場したと判定してもよい。
また、本実施形態では、ユーザ端末30のアプリケーションにより、途中退場を判定していたが、途中退場の判定は管理サーバ10側で実施されてもよい。この場合、ユーザ端末30は定期的に又は管理サーバ10の要求に応じてユーザ端末30の位置情報を管理サーバ10に送信する。管理サーバ10は受信した位置情報を基に途中退場したか否かを判定する。
【符号の説明】
【0093】
1 情報収集システム
10 管理サーバ
11 プロセッサ
12 記憶装置
13 通信用インターフェース
21 情報記憶部
22 チケット再販部
23 クーポン配信部
30 ユーザ端末
31 プロセッサ
32 記憶装置
33 通信用インターフェース
34 入力装置
35 表示装置
36 GPSチップ
41 情報記憶部
42 位置情報取得部
43 途中退場判定部
44 情報送信部
45 再販促進部
46 クーポン取得部
N 通信回線
S イベント会場
St 最寄り駅
R 飲食店
H ホテル
P 公園
Ti 電子チケット
Ta1 チケット情報テーブル
Ta2 特定情報テーブル
Ta3 情報テーブル
U ユーザ
L 一定の距離(所定距離)
LS 最寄り駅までの距離
J 一定の時間(所定時間)
W 所要時間
T0 出場時刻
T1 退場判定時刻
TL 終了時刻
TR 再販可能時間
TC クーポン配布終了時刻