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特許7572161自動化された侵入検出用システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】自動化された侵入検出用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/55 20130101AFI20241016BHJP
【FI】
G06F21/55 320
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020077898
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2020201940
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】16/409,735
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アルワリア, ラージプリ―ト シン
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-030286(JP,A)
【文献】特開2009-129332(JP,A)
【文献】特開2016-027491(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0020666(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0164896(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法であって、
デバイスの通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、並びに
前記デバイスのプロセッサを使用して
記ネットワークに対する前記検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、
前記ネットワークとの通信に関連する前記IPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、
前記履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び
前記IPアドレスについての前記履歴文脈情報が前記1以上のブロック閾値を超える場合に、前記IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを含み、
前記インジケータ管理システムが、前記ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、前記IPアドレスを前記ブロックリストに追加する、方法。
【請求項2】
前記検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)警告をトリガとして使用することを更に含み、前記検出された脅威が、高信頼度署名を脅威として含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高信頼度署名が、誤検出特定の可能性がないか、低いか、又は非常に低いうちの少なくとも1つで前記脅威を特定する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記高信頼度署名が、少なくとも1つの送信元から読み出される、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの送信元が、前記デバイス又は前記ネットワークのうちの少なくとも1つに位置付けられている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの送信元が、信頼される第三者である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記履歴文脈情報が、文脈システム内の前記文脈情報のデータベース内に記憶され、前記文脈情報のデータベースが、前記ネットワークで検出された全ての前記IPアドレスについての履歴情報を含む要約データベースである、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記履歴文脈情報が、前記IPアドレスのそれぞれについての、最初に見られた日付け、最後に見られた日付け、内部ヒットカウント、及びアプリケーション層データを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記履歴文脈情報が、前記IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータを含み、
前記IPアドレスのそれぞれについての前記以前のTCP/IP接続確立インジケータが、前記デバイスが各IPアドレスとのTCP/IP接続を以前に確立していたかどうかを示し、
前記デバイスが前記IPアドレスのそれぞれとのTCP/IP接続を以前に確立していたことが、前記IPアドレスのそれぞれが有効でありスプーフされていないことを示す、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するための自動化された侵入警告型のブラックリスティング用デバイスであって、
ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取るように構成された通信インターフェース、並びに
プロセッサであって、
前記ネットワークに対する前記検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、
前記ネットワークとの通信に関連する前記IPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、
前記履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び
前記IPアドレスについての前記履歴文脈情報が前記1以上のブロック閾値を超える場合に、前記IPアドレスをインジケータ管理システムに出力すること、を実行するように構成されたプロセッサを備え、
前記インジケータ管理システムが、前記ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、前記IPアドレスを前記ブロックリストに追加する、デバイス。
【請求項11】
前記履歴文脈情報が、文脈システム内の前記文脈情報のデータベース内に記憶され、前記文脈情報のデータベースが、前記ネットワークで検出された全ての前記IPアドレスについての履歴情報を含む要約データベースである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記履歴文脈情報が、前記IPアドレスのそれぞれについての、最初に見られた日付け、最後に見られた日付け、内部ヒットカウント、及びアプリケーション層データを含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記履歴文脈情報が、前記IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータを含み、
前記IPアドレスのそれぞれについての前記以前のTCP/IP接続確立インジケータが、前記デバイスが各IPアドレスとのTCP/IP接続を以前に確立していたかどうかを示し、
前記デバイスが前記IPアドレスのそれぞれとのTCP/IP接続を以前に確立していたことが、前記IPアドレスのそれぞれが有効でありスプーフされていないことを示す、請求項11又は12に記載のデバイス。
【請求項14】
自動化された侵入警告型のブラックリスティング用のコンピュータ実行可能指示命令が記憶された1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記指示命令が、コンピュータによって実行されたときに、前記コンピュータに、
通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、並びに
プロセッサを使用して
前記ネットワークに対する前記検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、
前記ネットワークとの通信に関連する前記IPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、
前記履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び
前記IPアドレスについての前記履歴文脈情報が前記1以上のブロック閾値を超える場合に、前記IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法の動作を実行させ、
前記インジケータ管理システムが、前記ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、前記IPアドレスを前記ブロックリストに追加する、1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)警告をトリガとして使用するように更に構成され、前記検出された脅威が、高信頼度署名を脅威として含む、請求項14に記載の1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(サイバーアタックとしても知られる)敵対的なネットワーク侵入は、通常、悪意のある当事者が、敵対的なインフラ(例えば、悪意のある当事者の管理下にある1以上の計算デバイス)を使用して、インターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムをスキャンして脆弱性を見つけることから始まる。このサイバーアタックの予備調査段階は、通常、侵入検出システム(IDS)警告をトリガする。予備調査段階の後には、通常、これもまた同じ敵対的なインフラから生じる何らかの種類の攻撃段階(例えば、悪意のある電子メールを送ること、指揮統制動作を実行すること、又は他の敵対的なネットワークトラフィック)が行われる。
【0002】
既存のものは、IDS警告で提示される特定のパターン(例えば、特定の既知の種類のサイバーアタックの可能性を示す文字シーケンス)に基づいて、特定のスキャン又は敵対的なトラフィックを防止するだけである。この防止の手段は、インフラを敵対的なものとして特定することができない。したがって、敵対的なインフラからの後続のトラフィックを、起点(origination point)に基づいて侵入防止システム(IPS)などによって体系的に防止することができない。代わりに、作業人員は手動で、選択的なIDSヒットを再確認し、履歴文脈の検索を実行し、次いで、ブロック及びモニタ動作をトリガしなければならない。しばしば、殊に高トラフィック環境では、単位時間当たりに受け取られるIDS警告の数が圧倒的に多いので、手動の検索を拡張することは困難であり又は不可能である。そのような環境で働いているオペレータは、そのような文脈ベースの判断を自動化するために必要な、より長い期間の履歴を保持するリソース及び能力を欠いている。
【0003】
したがって、従来のシステムは、通常、攻撃者を抑制する(例えば、攻撃者からの多数のサイバーアタック中に一時的にブロックする)だけである。しかし、単一の署名一致にのみ基づいてインターネットプロトコル(IP)アドレスからの全てのトラフィックをブロックすることは、IPアドレスがスプーフィング(spoofing:インターネット上で他人になりすますこと)に脆弱であるため、非常に危険である。スプーフされたIPアドレスを使用する攻撃者は、ネットワークで通常業務を行う際に使用されるIPアドレスからのものと思われる攻撃を開始することによって、ネットワーク破壊を引き起こすことができる。
【発明の概要】
【0004】
ある実施態様は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング(ブラックリスト生成)用デバイスを提供する。デバイスは、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取るように構成された通信インターフェース、及びプロセッサを含む。該プロセッサは、ネットワークに対する検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び、IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力すること、を実行するように構成されている。インジケータ管理システムは、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する。
【0005】
他の実施態様は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法を提供する。該方法は、通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するIPアドレスを特定すること、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び、IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレス(154)をインジケータ管理システムに出力することを含む。インジケータ管理システムは、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する。
【0006】
更に他の実施態様は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用のコンピュータ実行可能指示命令が記憶された1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体を提供する。その指示命令は、コンピュータによって実行されたときに、コンピュータに動作を実行させる。該動作は、通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するIPアドレスを特定すること、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び、IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを含む。インジケータ管理システムは、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する。
【0007】
この概要は、以下の詳細な説明で更に説明される単純化された形態を採る概念のうちの選ばれたものを導入するために提供されている。上記の概要ならびに特定の実施態様の以下の詳細な説明は、添付の図面を参照して読むことにより、より深く理解される。この概要は、特許請求の範囲の主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の主題の範囲を決定する助けとして使用されることを意図するものでもない。
【0008】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことで、より良く理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施態様による、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用デバイスの一実施態様を示すブロック図である。
図2】一実施態様による、敵対的なインフラに関連付けられたインターネットプロトコル(IP)アドレスについての履歴文脈情報のサンプルデータベース記録を示す表形式の図である。
図3】一実施態様による、通常業務のインフラに関連付けられたIPアドレスについての履歴文脈情報のサンプルデータベース記録を示す表形式の図である。
図4】内部ネットワークの自動化された侵入警告型のブラックリスティングの一実施態様を示すフロー図である。
図5】一実施態様による、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法を示すフローチャートである。
図6】一実施態様による、検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)を使用する自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法を示すフローチャートである。その場合、検出された脅威は、高信頼度署名をトリガとして含む。
図7】一実施態様による、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために文脈システムを使用することを更に含む、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法を示すフローチャートである。
図8】一実施態様による、動作環境を示す例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
対応する参照符号は、図面全体を通して対応する部品を示す。
【0011】
図面を参照すると、本開示の実施態様は、予備調査段階のスキャン及びその後の(1以上の)攻撃段階などの悪意のある行為から、インターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムを保護する、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用システム及び方法を含む。該システム及び方法は、悪意のある当事者の管理下にある敵対的なインフラが、スキャンして脆弱性を見つけ、又はそれ以外の方法でインターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムと相互作用することを試みるときに、そのようなインフラを自動的に特定する。ある実施態様では、この試みられた予備調査が、発信元の敵対的なインフラについての情報を含む(1以上の)侵入検出システム(IDS)警告を生成する。
【0012】
本開示は、敵対的なトラフィックの開始点に基づいて(例えば、インターネットプロトコル(IP)アドレスによって)、敵対的なインフラ及び敵対的なインフラからの全てのその後のトラフィックを特定するために、(1以上の)IDS警告を使用する。様々な実施態様が、全てのIDS警告の再確認を自動化し、履歴文脈の検索を実行し、次いで、任意の必要なブロック及びモニタ動作をトリガする。この自動化された再確認は、高トラフィックのインターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムで単位時間あたりに受け取られる、普通であれば大量な数であるはずのIDS警告に対応するように拡張可能である。そのような自動化のより高い効率を前提とすると、本開示を実装した環境内で作業する現代のオペレータは、そのような文脈ベースの判断を自動化し、それによって、ユーザの体験をも改善するために必要な、より長い期間の文脈情報を保持するための十分なリソース及び能力を有する。
【0013】
本開示は、自動的に攻撃者を抑制することに限られない。単一署名一致にのみ基づいて、IPアドレスからの全てのトラフィックをブロックすることは、悪意のある当事者が特定を避けるためにスプーフした、ネットワークの通常業務を行うために使用されるIPをブロックする危険性が高い。更に、スプーフされたIPアドレスをブロックすることは、ブロックされたIPアドレスに位置付けられた実際のデバイス又はサービスに対する、サービス妨害攻撃を実質的に引き起こす。これらのデバイス及びサービスは、今やインターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムと相互作用することができない。インターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムの外部にある重要なインフラ(例えば、公共のウェブサイト、ドメインネームサーバーなど)へのアクセスを意図的にブロックしようとする悪意のある当事者は、このようなシナリオで簡単にアクセスをブロックすることができる。スプーフィングが問題にならない場合でも、単一署名一致のみに基づいてIPアドレスからの全てのトラフィックを無差別にブロックすると、(例えば、記憶装置、メモリ、処理能力などの過剰使用を引き起こすことによって)インターネットにアクセス可能なネットワーク化されたシステムのリソースに過度の負担がかかる恐れもある。
【0014】
したがって、ある実施態様では、本開示が、遭遇した各IPアドレスについて、過去に有効な通信制御プロトコル(TCP)/IP接続(有効な識別TCP三元ハンドシェイクを必要とする)が確立されたていかどうかの記録を保持する。そのような有効な接続が、以前に確立されていたならば、IPアドレスは、有効でありスプーフされていないことが示される。これらの実施態様では、有効なTCP/IP接続の要件が、任意のハンドシェイクメカニズムを提供しないユーザデータグラムプロトコル(UDP)接続の使用に関連付けられたスプーフィングの危険性をないものにする。あるそのような実施態様では、履歴文脈データが、部分的にしかし全体的にではなく、過去に有効なTCP/IP接続が確立されていたかどうかの記録を含む。
【0015】
完全に拡張可能な自動化された侵入警告型のブラックリスティング用システム及び方法は、通常業務が影響を受けないように敵対的なインフラを自動的にブロックするとして開示される。既存の現代のIPS及び/又は拡張不可能な手動のブラックリスティング技法と比較して、本開示の自動化されたシステム及び方法は、実質的な費用節約を提供し、普通であれば手動のプロセスに必要であるはずのリソース及び人員を束縛せず、IDS警告又は検出された脅威によって表される大量の数の既知の予備調査及び攻撃の試みのブラックリスティングを介して、自動化されたネットワーク防御を可能にすることによって、全体的なネットワーク保護を高める。
【0016】
様々な実施態様における本明細書で説明される要素は、予備調査段階のスキャンで悪意のある当事者によって使用されるIPアドレスが、同じ悪意のある当事者によって他のベクトルによる攻撃(例えば、電子メール、データベースアクセス、セキュリティーホールエクスプロイト(exploit)など)向けに再使用される可能性がかなり高いと認識することによって、自動化された侵入警告型のブラックリスティングを提供するために、従来とは異なるやり方で動作する。ある実施態様では、IDS警告が、本開示にブラックリスティングをトリガする高信頼度署名を提供し、通常業務のトラフィックを自動的にブラックリスティングすることをもたらす誤検出特定の可能性をなくす、低くする、又は非常に低くすることを保証する。このやり方では、プロセッサが、本明細書で説明される動作を実行するようにプログラムされたときに、プロセッサが、従来とは異なるやり方で使用され、悪意のあるネットワーク行為のより信頼できる特定及び警告を可能にする。
【0017】
意図せずに中断された通常業務のトラフィックに対する保護の追加の層として、本開示のある実施態様は、IPアドレスによって潜在的に敵対的なインフラを特定した後で、文脈システムに対して検索を実行して、局所的なネットワーク環境内でIPアドレスに関連付けられた履歴文脈を特定する。内部ネットワーク環境内でIPアドレスに関連付けられた悪意のあるトラフィックに対して、圧倒的な量の通常業務のトラフィックが存在する場合に、本開示は、IPアドレスをブラックリストするように動作しない。しかし、特定のIPアドレスからの接続の大部分が悪意を有する場合に、本開示は、敵対的なインフラが未だ予備調査段階にある間に、敵対的なインフラのIPアドレスをブラックリストして、後に損傷を与える可能性がある攻撃段階を防止する。
【0018】
したがって、本開示は、自動化されていない代替策よりも効果的であり、実施することがより経済的である。本開示は、完全に拡張可能な自動化された侵入警告型のブラックリスティングの形態を採るネットワーク保護を提供し、更に、通常業務のトラフィックに対する最小の潜在的な混乱をもたらす。
【0019】
図1を参照すると、ブロック図が、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用デバイス100の一実施態様を示している。ある実施態様では、デバイス100が、コンピュータ、サーバ、分散システム、ウェブサーバ、データベース、モバイルデバイス、通信デバイス、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、又はそれらの組み合わせである。デバイス100は、ネットワーク110に対する検出された脅威150を示すネットワーク脅威報告106を受け取るように構成された通信インターフェース112、及びプロセッサ102を備える。ネットワーク102は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又はそれらの両方を含む。通信インターフェース112は、デバイス100とネットワーク110を介してアクセス可能な任意の他の構成要素との間の双方向通信を可能にするように構成されている。
【0020】
ある実施態様では、プロセッサ102が、検出された脅威150に関連する侵入検出システム(IDS)警告160をトリガとして使用するように更に構成されている。IDS警告160は、ネットワーク110から、特有の攻撃状態に合致する(したがって、特有の攻撃状態を特定する)ように構成されたデバイス100にわたり、通信可能なある1つのデータである。特有の攻撃状態は、標的に侵入する又は標的を傷付けるための敵対的なインフラによって使用される特定のツール(例えば、特定の既知の(データを破壊する)トロイの木馬、ウィルス、ワーム、有害なHTTP POSTリクエスト、又は他の悪意のあるコード)を含む。そのような実施態様では、検出された脅威150が、高信頼度署名154を脅威として含む。したがって、高信頼度署名154は、特定の識別可能な攻撃の種類に直接的にリンク可能であり、デバイス100が最も適切なやり方で反応することを可能にする。幾つかのそのような実施態様では、高信頼度署名154が、誤検出特定の可能性がないか、低いか、又は非常に低いうちの少なくとも1つで脅威を特定する。他の実施態様では、デバイス100が、それに対して正確な署名が利用可能でないところの潜在的な脅威の発見的又はパターン照合ベースの解析向けの基礎として、利用可能な高信頼度署名154を使用する。
【0021】
他のそのような実施態様では、高信頼度署名154が、少なくとも1つの送信元170から読み出される。本明細書で説明されるように、送信元170は、デバイス100によって使用可能な少なくとも1つの高信頼度署名154を含む、デバイス100によってアクセス可能な任意の保存場所である。送信元170を含むある実施態様では、送信元170が、デバイス100又はネットワーク110のうちの少なくとも1つに位置付けられる。送信元は、特定のウェブサイト、特定の組織、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるものではない。幾つかのそのような実施態様では、デバイス100を含むか又は含まないかの何れかで、送信元170が、ネットワーク110の複数の記憶デバイスにわたり分散される。送信元170を含む他の実施態様では、送信元170が、信頼される第三者である。1つの例示として、ある産業では、競争者が、競争者に知られている全ての高信頼度署名を組み合わせた信頼される第三者の送信元170を生成するためのネットワークセキュリティリソースをプールし、次いで、競争者によって共有される全体的なインフラ(例えば、地球規模のインターネット)にわたる高められ且つ恒久的に改善されるネットワークセキュリティを促進するために、送信元を共有する。
【0022】
プロセッサ102は、ネットワーク110に対する検出された脅威150に関連するIPアドレス152を特定すること、及び、ネットワーク110との通信に関連するIPアドレス152についての履歴文脈情報120を特定するために、文脈情報104のデータベースにアクセスすること、を実行するように構成されている。履歴文脈情報120は、とりわけ、本明細書の図2及び図3の議論でより詳細に説明される。
【0023】
ある実施態様では、履歴文脈情報120が、文脈システム114内の文脈情報104のデータベース内に記憶される。文脈システム114は、ブロック閾値108を構成し、調整し、保持するために、文脈情報104のデータベースを使用する。幾つかのそのような実施態様では、文脈情報104のデータベースが、ネットワーク110で検出される全てのIPアドレス152についての履歴情報124を含む要約データベースである。他のそのような実施態様では、履歴文脈情報120が、IPアドレス152のそれぞれについての、最初に見られた日付け122、最後に見られた日付け124、及び内部ヒットカウント126を含む。しかし、ある実施態様では、他の文脈又は履歴データが保持されてよい。更に他のそのような実施態様では、履歴文脈情報120が、アプリケーション層データ130を含む。アプリケーション層データ130は、IPアドレス152に歴史的に関連付けられた、特定の認証された種類のアプリケーション又は通信プロトコルについての情報を含む、ログされたトランザクションデータを含むが、それらに限定されるものではない。ログされたトランザクションデータのソーシング(sourcing)は、本明細書の他の場所で説明される。したがって、アプリケーション層データ130を含む実施態様では、アプリケーション層データ130が、電子メールの履歴、プロキシ接続履歴、ウェブサーバ接続履歴に関するログされたトランザクションデータ、又はIPアドレス152に関連付けられた任意の他のログされたトランザクションデータ、のうちの少なくとも1つを含むが、それらに限定されるものではない。アプリケーション層データ130を含む幾つかの実施態様では、アプリケーション層データ130を使用して、通常業務のトラフィックを敵対的なインフラのトラフィックから区別する。通常業務のトラフィックは、認証可能で許容可能なアプリケーション層データ130を生成する。一方、敵対的なインフラのトラフィックは、そのようなデータを生成しない。
【0024】
最初に見られた日付け122は、デバイス100がIPアドレス152からの接続リクエストを受け取った最も早い日付けである。最後に見られた日付け124は、デバイスがIPアドレス152からの接続リクエストを受け取った最後の日付けである。ある実施態様では、最初に見られた日付け122と最後に見られた日付け124の両方が、カレンダーの日付け、並びに、時間、分、及び秒で測定された時間のうちの少なくとも1つを含むタイムスタンプとして記憶される。ある実施態様では、最初に見られた日付け122と最後に見られた日付け124が、ISO8601に従って記憶される。内部ヒットカウント126は、最初に見られた日付け122で始まり、最後に見られた日付け124で終わる、IPアドレス152からデバイス100によって受け取られた接続リクエストの数である。
【0025】
更に他のそのような実施態様では、履歴文脈情報120が、IPアドレス152のそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータ128を含む。IPアドレス152のそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータ128を含む実施態様では、以前のTCP/IP接続確立インジケータ128が、デバイス100が、各IPアドレス152とのTCP/IP接続を以前に確立していたかどうかを示す。デバイス100が、IPアドレス152のそれぞれとのTCP/IP接続を以前に確立していた場合に、IPアドレス152のそれぞれは、有効でありスプーフされていない。
【0026】
プロセッサ102は、履歴文脈情報120を1以上のブロック閾値108と比較するように更に構成されている。ある実施態様において、1以上のブロック閾値108は、IPアドレス152が、IPアドレス152から生じた通常業務の接続リクエストの数又はIPアドレス152から生じた敵対的な接続リクエストの数に基づいて、1以上のブロック閾値108のうちの1つに関連付けられるかどうかを示す数値である。通常業務の接続リクエストの最も高い可能な数を許容することを優先するそのような幾つかの実施態様では、IPアドレス152から生じた通常業務の何らかの履歴が、履歴文脈情報120の範囲内に存在する場合に、1以上のブロック閾値108は、そのようなIPアドレス152からの全てのトラフィックの通過を可能にするように構成されている。未知のIPアドレス152に関して可能な限り慎重になるように構成された他の実施態様では、1以上のブロック閾値108が、履歴文脈情報120の範囲内に未だ含まれていない任意のIPアドレス152から生じた全てのリクエストをブロックするように構成されている。本開示の特定の用途の必要性及び要件に応じて、ブロック閾値108は、通常業務に関連付けられているか又は関連付けられてないかに関わらず、IPアドレス152から生じる接続リクエストの量が変動することを可能にするように構成可能である。任意の実施態様では、1以上のブロック閾値108が超えられると、デバイスが、関連するIPアドレス152を本明細書で更に説明されるようにブラックリストすることになる。
【0027】
IPアドレス152についての履歴文脈情報120が、1以上のブロック閾値108を超えた場合に、プロセッサ102は、IPアドレス152をインジケータ管理システム180に出力するように更に構成されている。インジケータ管理システム180は、プロセッサ102からインジケータ管理システム180に出力された任意のIPアドレス152による、ネットワーク110への全ての潜在的な敵対的アクセスを抑止するように構成されている。インジケータ管理システム180は、ネットワーク110の境界システム190用のブロックリスト182を保持し、IPアドレス152をブロックリスト182に追加する。境界システム190は、ネットワーク110の外側で生じた敵対的なインフラ及び行為から、ネットワーク110の外側縁部を表すネットワーク境界ゲートウェイシステム(図示せず)を保護するように構成された、個別の防御システムのフルセットである。ある実施態様では、ネットワーク境界が、ネットワーク(例えば、ビジネスエンティティの内部ネットワーク)の私的な且つ局所的に管理・所持された側と、ネットワーク(例えば、公的なインターネット)の公的な且つプロバイダによって管理された側と、の間の境界を含むが、それらに限定されるものではない。ある実施態様では、境界システム190が、アプリケーション層データ130を含むトランザクションデータをログするように構成されている。
【0028】
そのような敵対的なインフラ及び行為は、電子メールスクリーニング、ファイアウォール侵入、システムをモニタするパケットスニッフィング(packet sniffing)、リバースプロキシエクスプロイト(reverse proxy exploit)、又は不正アクセスを可能にする任意の他の脆弱性エクスプロイトを含むが、それらに限定されるものではない。より一般的に、境界システムは、ありとあらゆる境界攻撃に対して保護するように意図されている。境界攻撃は、外側の当事者が悪意のあるペイロードをアップロードするためにアクセスを取得することを可能にする、ネットワーク縁部の脆弱性をエクスプロイトすることが意図された任意の侵入又は他の攻撃を含むが、それらに限定されるものではない。そのような境界攻撃は、外側の当事者が、トロイの木馬、ウィルス、バックドア、シェル、又は外側の当事者に指揮統制又はデータ引き出し能力を与える任意の他の類似のプログラムのうちの少なくとも1つをアップロードすることを可能にするために、ゲートウェイシステム内に不正に確保されたポートをエクスプロイトすることを含むが、それらに限定されるものではない。ゲートウェイシステムは、ネットワーク110と、ネットワーク110と通信可能に接続された、ネットワーク110の外側の全ての他のエンティティと、の間の通信可能な入口/出口の全てのポイントである。
【0029】
図2及び図3は、集合的に、IPアドレス(例えば、IPアドレス152)についての履歴文脈情報200、300(例えば、図1の履歴文脈情報122)のサンプルデータベース記録の表形式の図である。履歴文脈情報200、300のデータベース記録のそれぞれは、少なくとも、最初に見られた日付け212、312(例えば、図1の最初に見られた日付け122)、最後に見られた日付け214、314(例えば、図1の最後に見られた日付け124)、内部ヒットカウント216、316(例えば、図1の内部ヒットカウント126)、以前のTCP/IP接続確立インジケータ218、318(例えば、図1の以前のTCP/IP接続確立インジケータ128)、及びアプリケーションデータ層情報220、320(例えば、図1のアプリケーションデータ層130)を含む。ある実施態様では、履歴文脈情報200のサンプルデータベース記録が、1以上のブロック閾値(例えば、図1における1以上のブロック閾値108)を超える。ある実施態様では、履歴文脈情報300のサンプルデータベース記録が、1以上のブロック閾値を超えない。
【0030】
図2は、敵対的なインフラに関連付けられたIPアドレス(例えば、IPアドレス154)についての履歴文脈情報200のサンプルデータベース記録を示している。最初に見られた日付け212と最後に見られた日付け214の差は、10分間をカバーするデータを含む履歴文脈情報200のサンプルデータベース記録を示している。この時間中に、敵対的なインフラに関連付けられたIPアドレスは、内部ヒットカウント216によれば、ネットワーク(例えば、図1のネットワーク110)にアクセスする試みを5000回行った。以前のTCP/IP接続確立インジケータ218は、このIPアドレスとの完全に認証されたTCP/IP接続が、以前に確立されていなかったことを示している。アプリケーションデータ層220は、IPアドレスが、認証されていない遠隔アクセスプロトコル(例えば、MICROSOFT WINDOWS(登録商標)遠隔デスクトップ接続プロトコルに関連付けられたプロトコル)に関連付けられたポートへの接続をオープンするようにリクエストしていることを示している。したがって、様々な実施態様で、悪意のある電子行為が、自動的に特定され特定のIPアドレスと関連付けられる。すなわち、閾値化を使用して、履歴データを悪意があり且つ敵対的なインフラに関連付けられるとして特定する。
【0031】
図3は、通常業務のインフラに関連付けられたIPアドレスについての履歴文脈情報300のサンプルデータベース記録を示している。最初に見られた日付け312と最後に見られた日付け314の差は、2か月間をカバーするデータを含む履歴文脈情報300のサンプルデータベース記録を示している。この期間中に、通常業務のインフラに関連付けられたIPアドレスは、内部ヒットカウント316によれば、ネットワーク(例えば、図1のネットワーク110)にアクセスする試みを50回行った。以前のTCP/IP接続確立インジケータ318は、このIPアドレスとの完全に認証されたTCP/IP接続が、以前に確立されていたことを示している。アプリケーションデータ層320は、IPアドレスが、信頼される仮想私設ネットワーク(VPN)ソリューションに関連付けられたポートへの接続をオープンするようにリクエストしていることを示している。したがって、様々な実施態様で、通常の電子ビジネス行為が、自動的に特定され特定のIPアドレスと関連付けられる。すなわち、閾値化を使用して、履歴データを合法的なビジネス通信であり通常業務のインフラに関連付けられるとして特定する。
【0032】
敵対的なインフラに関連付けられ、通常業務のインフラに関連付けられる、これらの値は、異なるアプリケーション、設定、ビジネス環境、ネットワーク構造などにおいて異なってよい。これらの値は、単に例示として示されている。
【0033】
図4は、内部ネットワークの自動化された侵入警告型のブラックリスティングの一実施態様400を示すフロー図である。侵入の試み402中に、境界侵入検出システム(IDS)、ファイアウォール、及びDMZ境界420(集合的に、例えば、図1の境界システム190)の外側の攻撃者は、ネットワーク(例えば、図1のネットワーク110)の脆弱性をテストする又はエクスプロイトすることを試みる。動作404で、IDSは、侵入の試み402を検出し、高信頼度署名のIDS警告を送る。406で、攻撃者のIPアドレスは、インジケータ管理システム(例えば、図1のインジケータ管理システム180)に追加される。インジケータ管理システムは、文脈システム(例えば、図1の文脈システム114)との通信によって、408で、IPアドレスが以前にネットワークで見られていたかどうかを判定し、410で、インジケータ管理システムが、文脈システムからyesの応答を受け取るか又はnoの応答を受け取る。412で、文脈システムがインジケータ管理システムにnoの応答を送信する場合に、将来的にそのIPアドレスの敵対的なインフラとの通信を防止するために、そのIPアドレスは、ブロックリスト(例えば、境界侵入検出システム(IDS)、ファイアウォール、及びDMZ境界420を含む、サービスゲートウェイ及びファイアウォール用の図1のブロックリスト182)に追加される。
【0034】
図5は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法500を示すフローフローチャートである。ある実施態様では、図5で示されている方法が、図1のデバイス100などのデバイスによって実行される。方法500は、502で、通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、504で、プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、506で、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、508で、履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び、510、512で、IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを含む。インジケータ管理システムは、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、512で、IPアドレスがインジケータ管理システムに出力されるならば、514で、IPアドレスをブロックリストに追加する。その後、プロセスは完了する。図5で示されている動作は、デバイスによって実行され、本開示の態様は、他のエンティティによる動作の実行を企図する。ある実施態様では、クラウドサービスが、動作のうちの1以上を実行する。更に、これらのステップは、本明細書で説明される1以上の実施態様によって実行される。
【0035】
図6は、検出された脅威に関連するIDS警告を使用する自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法600を示すフローフローチャートである。その場合、検出された脅威は、高信頼度署名をトリガとして含む。ある実施態様では、図6で示されている方法が、図1のデバイス100などのデバイスによって実行される。動作602は、図5で描かれている方法500の動作502に類似し、したがって、説明は繰り返されない。604では、プロセッサが、検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)警告をトリガとして使用するように更に構成されている。その場合、検出された脅威は、高信頼度署名を脅威として含む。ある実施態様では、高信頼度署名が、誤検出特定の可能性がないか、低いか、又は非常に低いうちの少なくとも1つで脅威を特定する。幾つかの他の実施態様では、高信頼度署名が、少なくとも1つの送信元から読み出される。幾つかのそのような実施態様では、少なくとも1つの送信元が、デバイス又はネットワークのうちの少なくとも1つに位置付けられる。他のそのような実施態様では、少なくとも1つの送信元が、信頼される第三者である。動作606、608、610、612、614、及び616は、図5で描かれている方法500の動作504、506、508、510、512、及び514に類似し、したがって、説明は繰り返されない。その後、プロセスは完了する。図6で示されている動作は、デバイス(例えば、図1のデバイス100)によって実行されるが、本開示の態様は、他のエンティティによる動作の実行を企図する。ある実施態様では、クラウドサービスが、動作のうちの1以上を実行する。
【0036】
図7は、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために文脈システムを使用することを更に含む、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法700を示すフローチャートである。ある実施態様では、図7で示されている方法が、図1のデバイス100などのデバイスによって実行される。動作702及び704は、図5で描かれている方法500の動作502及び504に類似し、したがって、説明は繰り返されない。706では、履歴文脈情報が、文脈システム内の文脈情報のデータベース内に記憶され、文脈情報のデータベースが、ネットワークで検出された全てのIPアドレスについての履歴情報を含む要約データベースである。
【0037】
ある実施態様では、履歴文脈情報が、IPアドレスのそれぞれについての、最初に見られた日付け、最後に見られた日付け、内部ヒットカウント、及びアプリケーション層データを含む。幾つかのそのような実施態様では、履歴文脈情報が、IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータを含む。IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータは、デバイスが、各IPアドレスとのTCP/IP接続を以前に確立していたかどうかを示している。デバイスが、IPアドレスのそれぞれとのTCP/IP接続を以前に確立していた場合に、IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータは、IPアドレスのそれぞれが、有効でありスプーフされていないことを示す。ある実施態様では、履歴文脈情報が、アプリケーション層データを含む。アプリケーション層データは、IPアドレスに歴史的に関連付けられた特定の認証された種類のアプリケーション又は通信プロトコルについての情報を含むログされたトランザクションデータを含むが、それらに限定されるものではない。したがって、アプリケーション層データを含む実施態様では、アプリケーション層データが、電子メールの履歴、プロキシ接続履歴、ウェブサーバ接続履歴に関するログされたトランザクションデータ、又はIPアドレスに関連付けられた任意の他のログされたトランザクションデータのうちの少なくとも1つを含むが、それらに限定されるものではない。
【0038】
動作708、710、712、及び714は、図5で描かれている方法500の動作508、510、512、及び514に類似し、したがって、説明は繰り返されない。その後、プロセスは完了する。図7で示されている動作は、デバイス(例えば、図1のデバイス100)によって実行されるが、本開示の態様は、他のエンティティによる動作の実行を企図する。ある実施態様では、クラウドサービスが、動作のうちの1以上を実行する。
【0039】
図4及び本明細書の実施態様400で詳細に説明された、デバイス100並びに方法500、600、及び700のうちの幾つかの代替的な実施態様では、侵入の試み(例えば、図4の侵入の試み402)中に、攻撃者のIPアドレス(例えば、図1のIPアドレス152)が、IPアドレスが特定された直後で、文脈情報のデータベースにアクセスする前に、インジケータ管理システム(例えば、図1のインジケータ管理システム180)に追加される。本明細書で説明されたデバイス100並びに方法500、600、及び700の性能と比較して、そのような代替的な実施態様は、全ての侵入の記録をインジケータ管理システム内に記録することを可能にする。これは、その履歴文脈情報がブロック閾値を超えないIPアドレスに関連付けられた侵入の試みを含む。したがって、そのIPアドレスは、ブロックリストに追加されない。
【0040】
デバイス100のそのような代替的な実施態様では、プロセッサ102が、以下の動作を取るように構成されている。該動作は、ネットワーク110に対する検出された脅威150に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレス152を特定すること、IPアドレス152をインジケータ管理システム180に出力すること、ネットワーク110との通信に関連するIPアドレス152についての履歴文脈情報120を特定するために、文脈情報104のデータベースにアクセスすること、履歴文脈情報120を1以上のブロック閾値108と比較すること、IPアドレス152についての履歴文脈情報120が1以上のブロック閾値108を超える場合に、インジケータ管理システム180によって保持されるネットワーク110の境界システム190用のブロックリスト182にIPアドレス152を追加することを含む。
【0041】
方法500のそのような代替的な実施態様(図示せず)は、以下の順序で生じる動作を含む。すなわち、502、504、512、506、508、510、及び514。方法600のそのような代替的な実施態様(図示せず)は、以下の順序で生じる動作を含む。すなわち、602、604、606、614、608、610、612、及び616。方法700のそのような代替的な実施態様(図示せず)は、以下の順序で生じる動作を含む。すなわち、702、704、712、706、708、710、及び714。方法500、方法600、及び方法700のそのような代替的な実施態様は、本明細書で以前に開示されたものとは異なる方法で動作する。
【0042】
更なる実施例
本開示は、自動化された侵入警告型のブラックリスティングを対象とする。自動化された侵入警告型のブラックリスティングの幾つかの実施態様は、通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び、IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを含むが、それらに限定されるものではない。インジケータ管理システムは、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する。
【0043】
図面内の様々な要素の機能の少なくとも一部分は、幾つかの実施態様では、図面内の他の要素又は図面内で示されていないエンティティ(例えば、コンピュータ)によって実行される。
【0044】
ある実施態様では、図5図6、及び図7で示されている動作が、単一の人物、人間の集団、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用の完全に若しくは部分的に自動化されたデバイス、又はそれらの任意の組み合わせによって実行される。一例示として、ある実施態様では、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用のデバイス、インジケータ管理システム、及び境界システムが、それぞれ、別々の供給者によって完全に分離した組立者に提供される。その組立者は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用のデバイス、インジケータ管理システム、及び境界システムを共に接続する。
【0045】
本明細書で使用される際に、「インフラ」又は「ネットワークインフラ」は、ネットワーク接続、通信、動作、及び管理を可能にする、全体のネットワークのハードウェア及びソフトウェアリソースを含むが、それらに限定されるものではない。このインフラは、ユーザ、プロセス、アプリケーション、サービス、及び外部ネットワークの間の通信経路並びにサービスを提供する。ある実施態様では、内部私設ネットワーク及び公的ネットワーク(例えば、公的なインターネット)が、分離しているが通信可能に接続されたインフラを有する。本明細書の開示が「敵対的なインフラ」に言及するときに、そのような敵対的なインフラは、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用の本開示のシステム及び方法の保護の下でネットワークと通信可能に接続された、任意のインフラを指すと理解される。
【0046】
本明細書で使用される際に、インターネットプロトコル(IP)アドレス(例えば、図1のIPアドレス152)は、通信を容易にするためにインターネットプロトコルを使用してネットワークに接続される全てのデバイスに割り当てられた数値符号である。本開示の文脈において、IPアドレスは、本開示の全機能をサポートすることができる任意の代替的なネットワークアドレス指定プロトコル(例えば、媒体アクセス制御(MAC)アドレスなど)向けに直ちに代替可能である。TCPは、インターネットプロトコルと協働して、IPアドレスマップドネットワーク(IP address-mapped network)を介して通信するデバイスで実行されるアプリケーション同士の間のオクテットストリーム(octet stream:例えば、数バイトのデータ)の、信頼できる、順序付けられた、エラーチェックされた伝達を提供する。
【0047】
UDPは、必要最低限度の接続なし通信モデルを利用する。UDPは、データの整合性のためにチェックサムを使用し、データグラムの送信元と宛先で様々な機能をアドレス指定するためにポート番号を使用する。UDPは、ハンドシェイクを欠いており、基礎となるネットワークの信頼性が低い任意のネットワークにトラフィックを公開し、伝達又は順序付けを保証することができず、重複した保護を提供することができない。
【0048】
公的なインターネットでは、インターネットプロトコルのバージョン4(IPv4)とインターネットプロトコルのバージョン6(IPv6)の間の移行が進行中であることに留意されたい。IPv4は、パブリックインターネットのデバイス向けに最大4,294,967,296までのIPアドレスを提供する。IPv6は、パブリックインターネットに少なくとも3.4×1038のIPアドレスを提供する。公的なインターネットが、IPv4、IPv6、又はそれらの何らかの組み合わせを使用しても、利用可能なIPアドレスは多数なので、攻撃を特定して攻撃に応答するために、IDS署名又は類似の脅威インジケータに先ず頼ることは、IPアドレスをホワイトリスティング又はブラックリスティングすることに先ず頼るネットワークセキュリティモデルを構築することを試みるよりも、遥かに効率的であり現実的である。しかし、本明細書の他の場所で説明されるように、TCP/IPハードウェアのハンドシェイク認証記録を、セキュリティの二次的な層として使用することによって、意味のある利益が得られる。
【0049】
ある実施態様では、高信頼度署名が、ネットワークの中への侵入をモデル化するために使用される情報セキュリティのキルチェーンモデルに関連する情報を少なくとも部分的に含む(例えば、ロッキードマーチンのCYBER KILL CHAIN(登録商標)、Unified Kill Chainなど)。そのようなキルチェーンモデルでは、各段階で確立された制御を介して攻撃を終了できるように、攻撃が漸進的な段階(例えば、初期の予備調査からデータの引き出しまで)で生じると理解される。キルチェーンモデルは、適正に実装されたときに、ネットワーク防御を継続的に改善する価値のある管理ツールである。キルチェーンモデルの様々な実施態様は、特定の用途の必要性に応じて、種々の段階を認識する。ある架空のキルチェーンモデルは、以下の段階を含むが、それらに限定されるものではない。すなわち、予備調査(例えば、弱点の調査)、兵器化(例えば、配信可能なペイロードの構築)、配信(例えば、悪意のあるリンクなどのペイロードの送信)、エクスプロイト(例えば、標的コンピュータにおけるコードの実行)、インストール(例えば、標的アセットへのマルウェアのインストール)、C2(例えば、システムを遠隔から制御するためのチャネルの生成)、及び動作(例えば、悪意のある動作を遠隔から実行する)である。
【0050】
ある実施態様では、検出された脅威(例えば、図1の検出された脅威150)又は高信頼度署名(例えば、図1の高信頼度署名154)が、少なくとも1つのセキュリティ侵害インジケータ(IOC)を含む。少なくとも1つのIOCは、ネットワーク脅威(例えば、コンピュータ侵入)を示すアーチファクト(すなわち、観察可能な特徴)を含む。幾つかのそのような実施態様では、少なくとも1つのIOCが、IPアドレス、ウィルス署名、電子メールアドレス、電子メール主題、ドメイン名、ユーアールアイ(URI)、ユーアールエル(URL)、ファイル名、メッセージダイジェストアルゴリズム5(MD5)ハッシュ、任意の他の種類のハッシュ、ファイルパス、又はそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されるものではない。幾つかのそのような実施態様では、ブロック閾値(例えば、図1のブロック閾値108)の厳密さが、少なくとも1つの検出されたIOCに従って変動するように構成可能である。他のそのような実施態様では、IOCが、キルチェーン内の特定の段階のインジケータである。
【0051】
そのような実施態様では、本開示が、(例えば、IDS警告を介した)高信頼度署名を検出した際に、文脈に基づいて発信元のIPアドレスをブロックするか否かを判定する。具体的には、単位時間当たりの発信元のIPアドレスからのヒット数を特定することによって、文脈が提供される。そのような実施態様では、単位時間当たりのヒット数が適用可能なブロック閾値を超える場合に、IPアドレスがブロックされる。但し、文脈情報が、IPアドレスを以前に又は同時に生じた通常業務に関連付ける場合を除く。
【0052】
本明細書で開示されるように、ブロック閾値は、任意の特定の環境又は用途の必要性又は要件を満たすように構成可能である。ブロック閾値を利用する本開示の全ての実施態様では、ブロック閾値が、特定の発信元のIPアドレスからのトラフィックが、ブロックされ又はブラックリストされるべきかどうかを判定する。但し、そのようなブロック又はブラックリスティングを禁止する例外が存在しない場合である。ある実施態様では、そのような例外が、発信元IPアドレスに関連付けられたネットワークの通常業務のトラフィックの最小量の履歴を含む。ある実施態様では、通常業務のトラフィックの最小量のそのような履歴が、通常業務のトラフィックの任意のゼロではない量を含む。
【0053】
本開示の実施態様は、敵対的なインフラによるアクセスに対して脆弱なネットワークを使用する任意の環境において又は任意の用途に対して使用可能である。そのようなネットワークは、航空宇宙用途、地球用途、物理的なデバイスのサービス若しくは保守用途、又はそれらの任意の組み合わせ、の全ての種類において使用される通信ネットワークを含むが、それらに限定されるものではない。
【0054】
一実施例として、自動化された侵入警告型のブラックリスティングの一実施態様が、表1の動作に関連付けられた以下のIDS警告を受け取る。
【0055】
上述の実施例では、IDS警告及び表1に従って、送信元IPアドレスが、China Chopper web-shellを、ネットワークの境界システムにロードしようと試みた。China Chopper web-shell用のIDSは、高信頼度署名である。それは、非常に具体的な条件を探し、この仮説の目的で、誤検出特定を返さないという実績がある履歴を有する。これらの試みられた侵入に遭遇したことがある従来の現代の侵入検出システムは、この正確なIDS(例えば、IDS警告の正確な文字のシーケンス及び条件)に合致する攻撃だけブロックすることになる。執拗な又は洗練された攻撃者は、未だ同じ送信元IPアドレスを未だ使用しながら、単に攻撃の種類を変更すること(例えば、悪意のあるコードをウェブサイトの中に投入する試みの代わりに、フィッシング電子メール又は指揮統制動作)によって、そのような制限された従来の現代のアプローチを回避することができる。本明細書で説明されるように、本開示は、悪意のある攻撃に関連付けられたIPアドレスを特定することによって完全に、敵対的なインフラをブラックリスティングすることによって、従来の現代のアプローチのこの制限を克服する。
【0056】
別の一実施例は、発信元のIPアドレスが、最後の接続の試みから遡って7日前に最初に遭遇したというシナリオを含む。全部で34回の接続の試みが行われた。関連付けられたIDS警告内の高信頼度署名の存在が、発信元のIPアドレスにおけるインフラが攻撃を試みたことを立証する。高信頼度署名の形態を採るIDS警告によって試みられた攻撃を立証した、更に、適用可能なブロック閾値が満たされた、(例えば、IPアドレスをブロックすることによって、履歴文脈に基づいて、通常業務に影響を与えることなしに、ネットワークの安全性が増加することになる)本明細書の開示の一実施態様は、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力する。
【0057】
更に別の1つの仮説的なシナリオでは、オンラインサービスの大きくて著名なプロバイダ(例えば、グーグル)によって所有されているIPアドレスが、高信頼度署名によって立証される際に、攻撃を示すIDSアラートをトリガする。本明細書の開示は、ブロック閾値が、試みられた攻撃によって満たされたことを検出する。しかし、IPアドレスに関連付けられた履歴文脈は、過去2年にわたりIPアドレスから生じた50億回の通常業務の履歴を示す。この仮説的なシナリオでは、本開示の一実施態様が、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力しない。というのも、そうすると、通常業務に多大な影響をもたらし得るからである。
【0058】
本開示の態様が、それらの関連付けられた動作を有する様々な実施態様に関して説明されてきたが、当業者は、任意の数の種々の実施態様からの動作の組み合わせも、本開示の態様の範囲内にあることを理解するだろう。
【0059】
個人を特定できる情報は、本開示の態様によって追跡されないが、実施態様は、ユーザからモニタ及び/又は収集されたデータを参照して説明されてきた。ある実施態様では、(例えば、ダイアログボックスや好みの設定を介して)データの収集についてユーザに通知が行われ、ユーザは、モニタリング及び/又は収集について同意を与えるか又は拒否する機会が与えられる。時々、同意は、オプトイン同意又はオプトアウト同意の形態を採る。
【0060】
例示的な動作環境
本開示は、様々な用途向けの様々な環境で動作可能である。例示のみを目的として、本開示の実施態様が動作する潜在的な動作環境を限定する意図なしに、以下の例示的な動作環境が提示される。
【0061】
本開示は、図8における機能ブロック図800として、一実施態様による計算装置と共に動作可能である。そのような一実施態様では、計算装置818の構成要素が、本明細書内で説明される1以上の実施態様による電子デバイスの一部品として実装されてよい。計算装置818は、電子デバイスの動作を制御するためにコンピュータ実行可能な指示命令を処理するためのマイクロプロセッサ、コントローラ、又は任意の他の種類のプロセッサであってよい、1以上のプロセッサ819を備える。動作システム820を備えるプラットフォームソフトウェア又は任意の他の適切なプラットフォームソフトウェアが、アプリケーションソフトウェア821がデバイスで実行されることを可能にする装置818に提供されてよい。一実施態様によれば、本明細書で説明される自動化された侵入警告型のブラックリスティングは、ソフトウェアによって完了されてよい。
【0062】
コンピュータ実行可能な指示命令は、コンピュータ装置818によってアクセス可能な任意のコンピュータ可読媒体を使用して提供されてよい。コンピュータ可読媒体は、非限定的に、メモリ822などのコンピュータ記憶媒体、及び通信媒体を含んでよい。メモリ822などのコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読指示命令、データ構造、プログラムモジュールなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装された、揮発性及び不揮発性の取り外し可能及び取り外し不能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、計算装置によってアクセスされるための情報を記憶するために使用され得る、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又は任意の他の非伝送媒体を含むが、それらに限定されるものではない。対照的に、通信媒体は、コンピュータ可読指示命令、データ構造、プログラムモジュールなどを、搬送波などの変調されたデータ信号又は他の移送メカニズムで具現化してよい。本明細書で説明される際に、コンピュータ記憶媒体は、通信媒体を含まない。したがって、コンピュータ記憶媒体は、伝播する信号自体であると解釈されるべきではない。伝播信号自体は、コンピュータ記憶媒体の例ではない。コンピュータ記憶媒体(メモリ822)は、計算装置818内に示されているが、該記憶装置は、(例えば、通信インターフェース823を使用して)ネットワーク又は他の通信リンクを介して、分散され又は遠隔に位置付けられアクセスされてよい。
【0063】
計算装置818は、1以上の出力デバイス825、ある実施態様では、電子デバイスから分離され得る又は電子デバイスに一体化され得るディスプレイ又はスピーカに、情報を出力するように構成された入力/出力コントローラ824を備えてよい。入力/出力コントローラ824は、1以上の入力デバイス826、ある実施態様では、キーボード、マイクロフォン、又はタッチパッドからの入力を、受け取り処理するように構成されてもよい。一実施態様では、出力デバイス825が、入力デバイスとして作用してもよい。タッチ感応ディスプレイは、1つのそのようなデバイスである。入力/出力コントローラ824は、出力デバイス以外のデバイス、例えば局所的に接続されたプリンティングデバイスにデータを出力してもよい。ある実施態様では、ユーザが、(1以上の)入力デバイス826に入力を提供してよく、及び/又は、(1以上の)出力デバイス825から出力を受け取ってよい。
【0064】
本明細書で説明される機能は、1以上のハードウェア論理構成要素によって、少なくとも部分的に実行可能である。一実施態様によれば、計算装置818は、プロセッサ819によって実行されたときにプログラムコードによって、説明された動作及び機能の実施態様を実行するように構成されている。代替的に又は更に、本明細書で説明される機能は、1以上のハードウェア論理構成要素によって、少なくとも部分的に実行可能である。非限定的に、使用可能なハードウェア論理構成要素の例示的な種類は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム固有の標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、複雑なプログラマブル論理デバイス(CPLD)、グラフィックス処理ユニット(GPU)を含む。
【0065】
したがって、様々な実施態様は、通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するIPアドレスを特定すること、ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び、IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力すること、を実行するためのシステム及び方法を含む。インジケータ管理システムは、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する。
【0066】
本明細書で説明されるように、本開示は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用システム及び方法を提供する。本明細書のシステム及び方法は、非限定的に上述の例示的な動作環境を含む、幾つかのネットワーク環境で使用されるのに適した、自動化された侵入警告型のブラックリスト内で効率的且つ効果的に構築され展開される。
【0067】
本開示の実施説明のために、上部、底部、下方、中央、横方向、水平、垂直、前方などの空間及び方向に関する様々な語が用いられる場合があるが、そのような語は図面で示す方向に対するものとして用いられているにすぎないことを理解されたい。向きを、反転させる、回転させる、又はそうでなければ、上部が下部に、また下部が上部になるように、また水平が垂直になる等のように変化させることができる。
【0068】
本明細書で使用する、タスク又は動作を実施する「ように構成される」構造、限定事項、又は要素は、特にタスク又は動作に対応するように、構造的に形成、構成、又は適合されている。明確さのため、及び誤解を避けるために、タスク又は動作を実施するために変更可能であるに過ぎない対象物は、本明細書で使用するタスク又は動作を実施する「ように構成」されてはいない。
【0069】
本明細書で与えられる任意の範囲又は値は、当業者に明らかであるように、求められる効果を失うことなしに拡張可能又は変更可能である。本明細書で与えられる任意の期間又は時間の範囲は、他の期間又は時間の範囲をカバーしてよい。
【0070】
本主題は、構造的特徴及び/又は方法論的行為に固有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【0071】
上述の利益及び利点は、一実施態様に関連するか、又は幾つかの実施態様に関連し得ることが理解されるであろう。本実施態様は、本明細書の背景技術において説明された全ての課題を解決するもの、又は述べられた利益及び利点の何れか若しくは全てを有するものに限定されない。
【0072】
本明細書で図示され説明された実施態様、並びに、本明細書で具体的に説明されなかったが特許請求の範囲の態様の範囲内にある実施態様は、自動化された侵入警告型のブラックリスティング用の例示的な手段を構成する。
【0073】
本明細書で図示され説明された本開示の実施態様における動作の実行又は実施の順序は、別段に指定されない限り、必須のものではない。すなわち、動作は、別段に指定されない限り、任意の順序で実行することができ、本開示の実施例は、本明細書で開示されたものに追加した動作又はより少ない動作を含んでよい。一例示として、別の動作の前、同時、又は後に特定の動作を実行又は実施することは、本開示の態様の範囲内にあると考えられる。
【0074】
本開示の態様の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び「前記(said)」は、要素のうちの1以上が存在することを意味するものとする。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図し、挙げられた要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。「例示的な(exemplary)」という用語は、「の一実施例(an example of)」を意味するものとする。「A、B、及びCのうちの1以上」という言い回しは、「Aの少なくとも1つ及び/又はBの少なくとも1つ及び/又はCの少なくとも1つ」を意味する。
【0075】
本開示の態様を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の態様の範囲から逸脱することなく修正および変更が可能であることは明らかであろう。本開示の態様の範囲から逸脱することなく、上記の構造、製品、および方法に様々な変更を加えることができるため、上述の説明に含まれ、添付の図面に示された全ての事項は、例示的なものとして且つ限定的にではなく解釈されることを意図している。
【0076】
上記の説明は、限定ではなく、例示を意図するものであることを理解するべきである。一例示として、上述の実施態様(及び/又はそれらの側面)は、互いに組み合わせて使用されてよい。更に、本開示の様々な実施態様の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料に適応させるために、本開示の様々な実施形態の教示に多数の改変を加えることが可能である。本明細書に記載の材料の形状寸法及び種類は、本開示の様々な実施態様のパラメータを規定することを意図しているが、これらの実施態様は限定的なものではなく例示的な実施態様である。上述の説明を精査することにより、当業者には他の多くの他の実施態様が明らかであろう。本開示の様々な実施態様の範囲は、添付の特許請求の範囲、並びに、かかる特許請求の範囲が認められる均等物の全範囲を参照して決定されるべきである。添付の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「そこにおいて(in which)」という語は、それぞれ、「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という語の明白な同義語として使用される。また、「第1」「第2」及び「第3」等の語は単に符号として使用され、それらの対象物に数的要件を課すことを意図するものではない。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション書式で記述されておらず、かかる特許請求の範囲の限定が、更なる構造のない機能の記述が後続する「のための手段(means for)」という言い回しを明示的に使用しない限り、35U.S.C.§112(f)に基づいて解釈されるべきではない。
【0077】
ここに記載した説明では、ベストモードを含む本開示の様々な実施態様を開示し、且つ当業者が任意のデバイス又はシステムの作成及び使用、並びに組込まれた任意の方法の実行を含め、本開示の様々な実施態様を実施することを可能にするために実施例を使用している。本開示の様々な実施態様の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者が想起する他の実施例を含む。かかる他の実施例は、実施例が特許請求の範囲の文言と相違しない構造要素を有する場合、又は、実施例が、特許請求の範囲の文言とごくわずかな相違しかない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【0078】
複数の条項
以下の条項は、更なる態様を説明する。
【0079】
条項の組A
A1.
自動化された侵入警告型のブラックリスティング用デバイスであって、
ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取るように構成された通信インターフェース、並びに
プロセッサであって、
ネットワークに対する検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、
ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、
履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び
IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力すること、を実行するように構成されたプロセッサを備え、
それによって、インジケータ管理システムが、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する、デバイス。
A2.
プロセッサが、検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)警告をトリガとして使用するように更に構成され、検出された脅威が、高信頼度署名を脅威として含む、条項A1のデバイス。
A3.
高信頼度署名が、誤検出特定の可能性がないか、低いか、又は非常に低いうちの少なくとも1つで脅威を特定する、条項A1又はA2のデバイス。
A4.
高信頼度署名が、少なくとも1つの送信元から読み出される、条項A1からA3のいずれか1つのデバイス。
A5.
少なくとも1つの送信元が、デバイス又はネットワークのうちの少なくとも1つに位置付けられている、条項A1からA4のいずれか1つのデバイス。
A6.
少なくとも1つの送信元が、信頼される第三者である、条項A1からA5のいずれか1つのデバイス。
A7.
履歴文脈情報が、文脈システム内の文脈情報のデータベース内に記憶され、文脈情報のデータベースが、ネットワークで検出された全てのIPアドレスについての履歴情報を含む要約データベースである、条項A1からA6のいずれか1つのデバイス。
A8.
履歴文脈情報が、IPアドレスのそれぞれについての、最初に見られた日付け、最後に見られた日付け、内部ヒットカウント、及びアプリケーション層データを含む、条項A1からA7のいずれか1つのデバイス。
A9.
履歴文脈情報が、IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータを含み、
それによって、IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータが、デバイスが各IPアドレスとのTCP/IP接続を以前に確立していたかどうかを示し、
それによって、デバイスがIPアドレスのそれぞれとのTCP/IP接続を以前に確立していたことが、IPアドレスのそれぞれが有効でありスプーフされていないことを示す、条項A1からA8のいずれか1つのデバイス。
【0080】
条項の組B
B1.
自動化された侵入警告型のブラックリスティング用方法であって、
通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、
プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、
ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、
履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び
IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを含み、
それによって、インジケータ管理システムが、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する、方法。
B2.
プロセッサが、検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)警告をトリガとして使用するように更に構成され、検出された脅威が、高信頼度署名を脅威として含む、条項B1の方法。
B3.
高信頼度署名が、誤検出特定の可能性がないか、低いか、又は非常に低いうちの少なくとも1つで脅威を特定する、条項B1又はB2の方法。
B4.
高信頼度署名が、少なくとも1つの送信元から読み出される、条項B1からB3のいずれか1つの方法。
B5.
少なくとも1つの送信元が、デバイス又はネットワークのうちの少なくとも1つに位置付けられている、条項B1からB4のいずれか1つの方法。
B6.
少なくとも1つの送信元が、信頼される第三者である、条項B1からB5のいずれか1つの方法。
B7.
履歴文脈情報が、文脈システム内の文脈情報のデータベース内に記憶され、文脈情報のデータベースが、ネットワークで検出された全てのIPアドレスについての履歴情報を含む要約データベースである、条項B1からB6のいずれか1つの方法。
B8.
履歴文脈情報が、IPアドレスのそれぞれについての、最初に見られた日付け、最後に見られた日付け、内部ヒットカウント、及びアプリケーション層データを含む、条項B1からB7のいずれか1つの方法。
B9.
履歴文脈情報が、IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータを含み、
それによって、IPアドレスのそれぞれについての以前のTCP/IP接続確立インジケータが、デバイスが各IPアドレスとのTCP/IP接続を以前に確立していたかどうかを示し、
それによって、デバイスがIPアドレスのそれぞれとのTCP/IP接続を以前に確立していたことが、IPアドレスのそれぞれが有効でありスプーフされていないことを示す、条項B1からB8のいずれか1つの方法。
【0081】
条項の組C
C1.
自動化された侵入警告型のブラックリスティング用のコンピュータ実行可能指示命令が記憶された1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体であって、指示命令が、コンピュータによって実行されたときに、コンピュータに、
通信インターフェースを使用して、ネットワークに対する検出された脅威を示すネットワーク脅威報告を受け取ること、
プロセッサを使用して、ネットワークに対する検出された脅威に関連するインターネットプロトコル(IP)アドレスを特定すること、
ネットワークとの通信に関連するIPアドレスについての履歴文脈情報を特定するために、文脈情報のデータベースにアクセスすること、
履歴文脈情報を1以上のブロック閾値と比較すること、及び
IPアドレスについての履歴文脈情報が1以上のブロック閾値を超える場合に、IPアドレスをインジケータ管理システムに出力することを実行させ、
それによって、インジケータ管理システムが、ネットワークの境界システム用のブロックリストを保持し、IPアドレスをブロックリストに追加する、1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体。
C2.
プロセッサが、検出された脅威に関連する侵入検出システム(IDS)警告をトリガとして使用するように更に構成され、検出された脅威が、高信頼度署名を脅威として含む、条項C1の1以上の非一過性のコンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8