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特許7572171クロックデータ復元回路及びこれを含むディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】クロックデータ復元回路及びこれを含むディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/033 20060101AFI20241016BHJP
   H03L 7/08 20060101ALI20241016BHJP
   H03L 7/107 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04L7/033
H03L7/08 107
H03L7/107 150
H03L7/107 120
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020111853
(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公開番号】P2021040304
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0108758
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0033117
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 正 泌
(72)【発明者】
【氏名】柳 京 昊
(72)【発明者】
【氏名】李 佶 勳
(72)【発明者】
【氏名】林 ヒョン 旭
【審査官】北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5257294(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104796141(CN,A)
【文献】特開2011-009849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00-7/033
H04L 25/00-25/66
G06F 1/04-1/14
H03L 7/00-7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準クロック信号とデータ信号にクロック信号が埋め込まれたデータパケットとを出力するタイミングコントローラと、
前記タイミングコントローラから前記基準クロック信号及び前記データパケットを受信するクロックデータ復元回路と、
前記受信されたデータパケットに基づいて画像を表示するディスプレイパネルと、を備え、
前記クロックデータ復元回路は、電圧制御発振器を含み、
前記クロックデータ復元回路は、前記タイミングコントローラから前記基準クロック信号を受信すると、前記電圧制御発振器からの第1内部クロック信号を用いて前記受信された基準クロック信号の周波数範囲を検出し、前記検出された周波数範囲に基づいて前記クロックデータ復元回路のジッタ特性を決定するパラメータを調整し、
前記電圧制御発振器は、前記第1内部クロック信号の周波数を調整して第2内部クロック信号を出力し、
前記クロックデータ復元回路は、前記第2内部クロック信号に基づいて前記基準クロック信号に追従する第3内部クロック信号を生成し、
前記クロックデータ復元回路は、前記タイミングコントローラから前記データパケットを受信すると、前記第3内部クロック信号を用いて前記データパケットから前記データ信号及び前記データ信号に同期したクロック信号を復元することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記クロックデータ復元回路は、前記基準クロック信号の周期がN回繰り返される間に前記第1内部クロック信号の立ち上がりエッジの数をカウントし、カウント値と前記Nとを比較し、比較の結果に基づいて前記基準クロック信号の周波数範囲を検出することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記クロックデータ復元回路は、前記基準クロック信号の周波数と前記第2内部クロック信号の周波数との差に対応する制御コードを生成し、
前記電圧制御発振器は、前記制御コードを用いて微調整(fine tuning)を行うことで第3内部クロック信号を出力することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記パラメータは、前記制御コード及び制御電圧に基づいて前記第3内部クロック信号を出力する前記電圧制御発振器の利得を含むことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記パラメータは、電荷ポンプが前記基準クロック信号と前記第2内部クロック信号との間の位相差に相当する位相制御信号に応答して出力する電流量を含むことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記パラメータは、前記電荷ポンプから出力される電流に基づいて前記制御電圧を前記電圧制御発振器に出力するループフィルタのキャパシタンスを含むことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記パラメータは、前記電荷ポンプから出力される電流に基づいて前記制御電圧を前記電圧制御発振器に出力するループフィルタの抵抗値を含むことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
自動周波数調整器及び電圧制御発振器を備えるクロックデータ復元回路であって、
前記自動周波数調整器は、
タイミングコントローラからの基準クロック信号及び前記電圧制御発振器からの第1内部クロック信号を受信し、
前記基準クロック信号の周期がN回繰り返される間に前記第1内部クロック信号の立ち上がりエッジの数をカウントし、
前記カウントされた結果に基づいて前記基準クロック信号の周波数範囲を検出し、前記周波数範囲によって前記第1内部クロック信号の周波数が調整された前記電圧制御発振器からの第2内部クロック信号を受信し、且つ
前記基準クロック信号の周波数と前記第2内部クロック信号の周波数との差に対応する制御コードを出力し、
前記電圧制御発振器は、
前記自動周波数調整器から前記制御コード及び前記周波数範囲を受信し、
前記周波数範囲を用いて粗調整(coarse tuning)を行うことで前記第2内部クロック信号を出力し、
前記制御コード及び制御電圧を用いて微調整(fine tuning)を行うことで前記基準クロック信号に追従する前記電圧制御発振器からの第3内部クロック信号を前記自動周波数調整器に出力することを特徴とするクロックデータ復元回路。
【請求項9】
前記基準クロック信号及び前記第2内部クロック信号を受信し、且つ前記基準クロック信号と前記第2内部クロック信号との間の位相差に相当する位相制御信号を出力する位相検出器と、
前記位相制御信号に応答して電流を出力する電荷ポンプと、
前記電荷ポンプから出力される電流に基づいて前記制御電圧を生成し、前記制御電圧を前記電圧制御発振器に出力するループフィルタと、を更に含むことを特徴とする請求項に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項10】
前記電荷ポンプは、前記自動周波数調整器から前記周波数範囲を受信し、前記周波数範囲を用いて粗調整を行うことを特徴とする請求項に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項11】
前記ループフィルタは、前記自動周波数調整器から前記周波数範囲を受信し、前記周波数範囲を用いて粗調整を行うことを特徴とする請求項に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項12】
前記自動周波数調整器は、
前記基準クロック信号及び前記第2内部クロック信号を受信し、前記基準クロック信号の周波数と前記第2内部クロック信号の周波数とを比較し、比較の結果に基づいて最上位ビットを出力するカウンタと、
前記最上位ビットに基づいて、前記基準クロック信号の周波数と前記第2内部クロック信号の周波数との差に対応する制御コードを出力する連続近似部と、を含むことを特徴とする請求項に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項13】
前記自動周波数調整器は、
前記基準クロック信号の周期がN回繰り返される時間を決定するコントローラと、
カウント数に基づいて前記基準クロック信号の前記周波数範囲を検出する周波数検出部と、を更に含み、
前記カウンタは、前記コントローラによって決定された時間の間に、前記第1内部クロック信号の立ち上がりエッジをカウントし、カウントされた結果を前記カウント数として前記周波数検出部に出力することを特徴とする請求項12に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項14】
前記周波数検出部は、前記カウント数と前記Nとを比較し、比較の結果に基づいて前記基準クロック信号の前記周波数範囲を検出することを特徴とする請求項13に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項15】
クロックデータ復元回路であって、
前記クロックデータ復元回路が基準クロック信号を受信すると、第1内部クロック信号を用いて前記受信された基準クロック信号の周波数範囲を検出する自動周波数調整器と、
前記周波数範囲に基づいて第2内部クロック信号を出力し、制御電圧に基づいて前記基準クロック信号に追従する第3内部クロック信号を出力する電圧制御発振器と、
前記基準クロック信号と前記第2内部クロック信号との間の位相差に相当する位相制御信号に応答して出力する電流の電流量を決定する電荷ポンプと、
前記電荷ポンプから出力される電流に基づいて前記制御電圧を前記電圧制御発振器に出力するループフィルタと、を備え、
前記クロックデータ復元回路は、前記検出された周波数範囲に基づいて前記クロックデータ復元回路のジッタ特性を決定するパラメータを調整することを特徴とするクロックデータ復元回路。
【請求項16】
前記電圧制御発振器の利得は、前記検出された周波数範囲が低いほど減少することを特徴とする請求項15に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項17】
前記電荷ポンプから流れる電流量は、前記検出された周波数範囲が低いほど減少することを特徴とする請求項15に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項18】
前記ループフィルタの抵抗値は、前記検出された周波数範囲が低いほど増加することを特徴とする請求項15に記載のクロックデータ復元回路。
【請求項19】
前記ループフィルタのキャパシタンスは、前記検出された周波数範囲が低いほど増加することを特徴とする請求項15に記載のクロックデータ復元回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロックデータ復元回路及びこれを含むディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置は、タイミングコントローラからデータパケットを受信し、データパケットを用いて画像表現に関連する各種信号を発生させるディスプレイ駆動回路(display driving integrated circuit:DDI)を含む。ディスプレイ装置は、各種信号を用いることにより、ディスプレイパネルに画像を具現する。
【0003】
最近、ディスプレイ装置が高解像度化するにつれて、タイミングコントローラとDDIとの間にデータパケットをより効率的且つ安定的に提供するインタフェースが求められている。
【0004】
特に、クロック信号及びデータ信号を復元するクロックデータ復元回路に対する必要性が増大しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-179659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、広い動作周波数範囲を有するクロックデータ復元回路及びこれを含むディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるディスプレイ装置は、基準クロック信号とデータ信号にクロック信号が埋め込まれたデータパケットとを出力するタイミングコントローラと、前記タイミングコントローラから前記基準クロック信号及び前記データパケットを受信するクロックデータ復元回路と、前記受信されたデータパケットに基づいて画像を表示するディスプレイパネルと、を備え、前記クロックデータ復元回路は、前記タイミングコントローラから前記基準クロック信号を受信すると、第1内部クロック信号を用いて前記受信された基準クロック信号の周波数範囲を検出し、前記検出された周波数範囲に基づいて前記クロックデータ復元回路のジッタ特性を決定するパラメータを調整し、前記第1内部クロック信号の周波数を調整して第2内部クロック信号を出力し、前記クロックデータ復元回路は、前記タイミングコントローラから前記データパケットを受信すると、前記データパケットから前記データ信号及び前記データ信号に同期したクロック信号を復元する。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるクロックデータ復元回路は、基準クロック信号及び第1フィードバッククロック信号を受信し、前記基準クロック信号の周期がN回繰り返される間に前記第1フィードバッククロック信号の立ち上がりエッジの数をカウントし、前記カウントされた結果に基づいて前記第1フィードバッククロック信号の周波数範囲を検出し、前記周波数範囲によって前記第1フィードバッククロック信号の周波数が調整された第2フィードバッククロック信号を受信し、且つ前記基準クロック信号の周波数と前記第2フィードバッククロック信号の周波数との差に対応する制御コードを出力する自動周波数調整器と、前記自動周波数調整器から前記制御コード及び前記周波数範囲を受信し、前記周波数範囲を用いて粗調整(coarse tuning)を行うことで前記第2フィードバッククロック信号を出力し、前記制御コード及び制御電圧を用いて微調整(fine tuning)を行うことで前記基準クロック信号に追従する第3フィードバッククロック信号を出力する電圧制御発振器と、を備える。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明他の態様によるクロックデータ復元回路は、前記クロックデータ復元回路が基準クロック信号を受信すると、第1内部クロック信号を用いて前記受信された基準クロック信号の周波数範囲を検出する自動周波数調整器と、前記周波数範囲に基づいて第2内部クロック信号を出力し、制御電圧に基づいて前記基準クロック信号に追従する第3内部クロック信号を出力する電圧制御発振器と、前記基準クロック信号と前記第2内部クロック信号との間の位相差に相当する位相制御信号に応答して出力する電流の電流量を決定する電荷ポンプと、前記電荷ポンプから出力される電流に基づいて前記制御電圧を前記電圧制御発振器に出力するループフィルタと、を備え、前記検出された周波数範囲に基づいて前記クロックデータ復元回路のジッタ特性を決定するパラメータを調整する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、クロックデータ復元回路は、タイミングコントローラから受信された基準クロック信号の周波数範囲を決定し、決定された周波数範囲毎に適切なジッタ(jitter)及び安定度(stability)を有するようにクロックデータ復元回路のパラメータを調整する。これにより、高速動作領域に最適化されたクロックデータ復元回路は、低速動作領域でもジッタ特性を維持することができるため、広い動作周波数範囲を有するクロックデータ復元回路を提供することができるという効果がある。
本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより簡単に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるディスプレイシステムを説明するためのブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置を説明するためのブロック図である。
図3】本発明の一実施形態によるCDR回路を説明するためのブロック図である。
図4】(a)及び(b)は本発明の一実施形態による位相検出器の動作を説明するためのタイミング図である。
図5】本発明の一実施形態による電圧制御発振器の周波数を調整する方法を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態による位相検出器及び直並列変換器の動作を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態による自動周波数調整器を説明するためのブロック図である。
図8】本発明の一実施形態によるカウンタの動作を説明するためのグラフである。
図9】本発明の一実施形態による周波数検出部の動作を説明するためのグラフである。
図10】本発明の一実施形態による電圧制御発振器の周波数を調整する方法を説明するための図である。
図11】本発明の一実施形態によるループフィルタのパラメータを調整する方法の一例を説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態によるループフィルタのパラメータを調整する方法の他の例を説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態による電圧制御発振器のパラメータを調整する方法を説明するための図である。
図14】本発明の一実施形態による電荷ポンプのパラメータを調整する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態によるディスプレイシステムを説明するためのブロック図である。
【0014】
図1を参照すると、ディスプレイシステム1は、TV、タブレット(tablet)、スマートフォン(smart phone)などで具現される。ディスプレイシステム1は、外部装置2、アプリケーションプロセッサ(application processor:AP)3、タイミングコントローラ4、及びディスプレイ装置5を含む。
【0015】
外部装置2は、セットトップボックス(set-top box)、コンピュータ(PC)、ラップトップ(laptop)などを含む。外部装置2は、アプリケーションプロセッサ(AP)3に連結され、中央サーバから映像信号などの情報を受信してアプリケーションプロセッサ(AP)3に伝達する役割を果たす。
【0016】
タイミングコントローラ4は、アプリケーションプロセッサ(AP)3から映像信号及び制御信号の入力を受ける。タイミングコントローラ4は、映像信号及び制御信号を用いてデータパケットを生成する。データパケットでは、データ信号にクロック信号が埋め込まれる(embedded)。タイミングコントローラ4は、データパケットをディスプレイ装置5に提供する。
【0017】
ディスプレイ装置5は、例えば有機発光表示装置(organic light emitting diode display:OLED)又は液晶表示装置(liquid crystal display:LCD)であるが、これに限定されるものではない。
【0018】
ディスプレイ装置5は、タイミングコントローラ4からデータパケットを受信する。ディスプレイ装置5は、データパケットを用いることにより、画像表現に関連する各種信号を発生させる。ディスプレイ装置5は、ディスプレイパネルに画像を具現する。
【0019】
本明細書では、タイミングコントローラ4とディスプレイ装置5とが別々に分離されるように図示且つ説明しているが、ディスプレイ装置5にタイミングコントローラ4が含まれるようにすることもできる。
【0020】
本実施形態によると、タイミングコントローラ4から出力されるデータパケットは、広範囲の周波数を有する。ディスプレイ装置5は、データパケットを受信するクロックデータ復元回路を含む。クロックデータ復元回路は、データパケットからデータ信号及びクロック信号を復元する。データパケットが広範囲の周波数を有する場合、クロックデータ復元回路によって復元されたクロック信号のジッタ特性を維持することが難しくなる。本発明では、クロックデータ復元回路に入力データの周波数範囲を検出する周波数検出部を追加する。これにより、本発明のクロックデータ復元回路は、外部信号がなくても、広い入力周波数範囲でジッタ特性を均一に維持することができる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置を説明するためのブロック図である。
【0022】
図2を参照すると、ディスプレイ装置10は、タイミングコントローラ20、データ駆動部30、及びディスプレイパネル40を含む。データ駆動部30は、複数のDDI1~DDI4(display driving integrated circuit:DDI)を含む。例えば、ディスプレイパネル40は、4個未満の領域又は4個以上の領域に区分される。データ駆動部30は、ディスプレイパネル40に用いられるガラス基板上に直接付着されるか、又はディスプレイパネル30にフレキシブルフィルムがパッチ付着される。
【0023】
実施形態によって、タイミングコントローラ20は、複数のDDI1~DDI4(DDI)のそれぞれに含まれる。
【0024】
タイミングコントローラ20は、初期トレーニングモードで、基準クロック信号をデータ駆動部30に提供する。データ駆動部30は、内部クロック信号と基準クロック信号との位相を同期させることで、位相同期ループ(phase locked loop:PLL)回路をロック(lock)させる。
【0025】
タイミングコントローラ20がデータ駆動部30からPLL回路がロックされたことを示す信号を受信すると、タイミングコントローラ20は、データパケットをデータ駆動部30に提供する。データパケットでは、データ信号にクロック信号が埋め込まれる。
【0026】
ディスプレイパネル40は、複数の領域(R1~R4)に区分される。説明の便宜上、図2には、ディスプレイパネル40が4個の領域(R1~R4)に区分されるように示しているが、これに限定されるものではない。複数のDDI1~DDI4(DDI)は、それぞれディスプレイパネル40の4個の領域(R1~R4)のうちの対応する領域を制御する。また、複数のDDI1~DDI4(DDI)は、それぞれデータパケットに基づいてディスプレイパネル40のうちの対応する領域(R1~R4)に画像を表示する。
【0027】
尚、複数のDDI1~DDI4(DDI)は、それぞれ受信回路(RX1~RX4)を含む。各受信回路(RX1~RX4)は、クロックデータ復元(clock and data recovery:CDR)回路を含む。CDR回路は、タイミングコントローラ20から基準クロック信号を受信すると、内部クロック信号と基準クロック信号との位相を同期させ、PLL回路をロックさせる。
【0028】
タイミングコントローラ20がCDR回路からPLL回路がロックされたことを示す信号を受信すると、タイミングコントローラ20は、データパケットをCDR回路に提供する。CDR回路は、タイミングコントローラ20からデータパケットを受信すると、受信されたデータパケットからデータ信号とデータ信号に同期したクロック信号とを復元する。CDR回路は、復元されたデータ信号及びクロック信号をDDIに含まれるロジック回路に送信する。
【0029】
一般に、CDR回路は、高速動作領域に最適化される。ディスプレイの解像度やフレームレート(frame rate)などにより、タイミングコントローラがCDR回路に送信するデータ量が異なる。例えば、解像度が高いほどデータ量が増加するため、CDR回路は高速動作領域で動作する。従来、高速動作領域で最適化されたCDR回路は、低速動作領域において大きいジッタを誘発する可能性があった。そのため、CDR回路は、データを復元するときにエラーを発生させる虞があった。
【0030】
本実施形態によるCDR回路は、入力されるデータからデータの周波数範囲を検出し、検出された周波数範囲を用いることでCDR回路のパラメータを周波数範囲に合わせて変更する。CDR回路は、入力される周波数範囲に基づいてパラメータが調整されるため、受信したデータが広い周波数範囲を有しても、復元されるクロック信号のジッタを最小限に抑えることができる。これにより、CDR回路は、広い動作周波数範囲を有することができる。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態によるCDR回路を説明するためのブロック図であり、図4(a)及び(b)は、本発明の一実施形態による位相検出器の動作を説明するためのタイミング図であり、図5は、本発明の一実施形態による電圧制御発振器の周波数を調整する方法を説明するための図であり、図6は、本発明の一実施形態による位相検出器及び直並列変換器の動作を説明するための図である。
【0032】
図3を参照すると、CDR回路100は、自動周波数調整器110(automatic frequency controller:AFC)、位相検出器120(phase detector:PD)、電荷ポンプ130(charge pump:CP)、ループフィルタ140(loop filter:LF)、電圧制御発振器150(voltage controlled oscillator:VCO)、及び直並列変換器160(deserializer:DES)を含む。PLL回路は、PD120、CP130、LF140、及びVCO150を含む。即ち、CDR回路100は、PLL回路を含む。
【0033】
CDR回路100は、初期トレーニングモードで、タイミングコントローラTCから基準クロック信号CK_REFを受信する。CDR回路100は、基準クロック信号CK_REFと内部クロック信号(CK_VCO1~CK_VCO3)との位相を同期させる。クロック信号CK_REFと内部クロック信号(CK_VCO1~CK_VCO3)との位相が同期すると、PLL回路がロックされる。
【0034】
PLL回路がロックされると、CDR回路100は、タイミングコントローラTCからデータパケットを受信する。データパケットでは、データ信号にクロック信号が埋め込まれる。CDR回路100は、通常の動作モードで、データパケットからデータ信号とデータ信号に同期したクロック信号とを復元する。
【0035】
本明細書では、CDR回路100が、初期トレーニングモードで、タイミングコントローラTCから基準クロック信号CK_REFを受信すると、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲を検出し、検出された周波数範囲に合わせてCDR回路100のパラメータを変更する動作を中心に説明する。CDR回路100は、変更されたパラメータに基づいて基準クロック信号CK_REFに追従する内部クロック信号を生成する。
【0036】
AFC110は、タイミングコントローラTCから出力された基準クロック信号CK_REF、及びVCO150から出力された第1内部クロック信号CK_VCO1を受信する。AFC110は、第1内部クロック信号CK_VCO1を用いることにより、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを決定する。AFC110は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBをCP130、LF140、及びVCO150に出力する。
【0037】
これにより、CDR回路100は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを用いて、CP130、LF140、及びVCO150のそれぞれのパラメータを制御する。例えば、パラメータは、CP130から出力される電流の量ICP、LF140の抵抗値(RLF)、LF140のキャパシタンス(CLF)、及びVCO150の利得KVCOを含む。即ち、CDR回路100は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを用いることで、粗調整(coarse tuning)を行う。VCO150は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBに応答して第2内部クロック信号CK_VCO2を出力する。VCO150が周波数範囲FBに応答して第2内部クロック信号CK_VCO2を決定する方法は、図9を参照して詳細に説明する。
【0038】
PD120は、タイミングコントローラTCから出力された基準クロック信号CK_REF、及びVCO150から出力された第2内部クロック信号CK_VCO2を受信する。PD120は、基準クロック信号CK_REFと第2内部クロック信号CK_VCO2との間の位相差に相当する位相制御信号(UP、DOWN)を出力する。
【0039】
図4(a)に示すように、第2内部クロック信号CK_VCO2の位相が基準クロック信号CK_REFよりも遅いと、PD120は、基準クロック信号CK_REFの位相を早めるためのアップ(UP)パルス信号を発生させる。アップ(UP)パルス信号は、基準クロック信号CK_REFの立ち上がりエッジと第2内部クロック信号CK_VCO2の立ち上がりエッジとの間に示される。
【0040】
図4(b)に示すように、第2内部クロック信号CK_VCO2の位相が基準クロック信号CK_REFよりも早いと、PD120は、基準クロック信号CK_REFの位相を遅延させるためのダウン(DOWN)パルス信号を発生させる。ダウン(DOWN)パルス信号は、第2内部クロック信号CK_VCO2の立ち上がりエッジと基準クロック信号CK_REFの立ち上がりエッジとの間に示される。
【0041】
再び図3を参照すると、CP130は、第1位相制御信号UPに応答して所定の電流(又は電荷)をLF140のキャパシタCLFに充電する。CP130は、第2位相制御信号DOWNに応答してLF140のキャパシタCLFに保存された電流(又は電荷)を放電する。LF140は、CP130から出力される電流の電流量に応じてVCO150に出力される制御電圧Vを可変させる。
【0042】
AFC110は、タイミングコントローラTCから出力された基準クロック信号CK_REF、及びVCO150から出力された第2内部クロック信号CK_VCO2を受信する。AFC110は、基準クロック信号CK_REFの周波数と第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数との差に対応する制御コードCODEを出力する。制御コードCODEは、n個のビットで構成される。
【0043】
VCO150はAFC110から制御コードCODEを受信し、LF140から制御電圧Vを受信する。VCO150は、制御コードCODE及び制御電圧Vに応答して基準クロック信号CK_REFに追従する第3内部クロック信号CK_VCO3を出力する。即ち、VCO150は、制御コードCODE及び制御電圧Vを用いて微調整(fine tuning)を行うことで、第3内部クロック信号CK_VCO3を出力する。
【0044】
図3及び図5を参照すると、VCO150は、AFC110から制御コードCODEを受信し、LF140から制御電圧Vを受信する。一例として、制御コードCODEは第2制御コードCODE2であり、制御電圧Vは第1制御電圧V1である。VCO150は、第2制御コードCODE2及び第1制御電圧V1に応答して第1周波数f1を有する第3内部クロック信号CK_VCO3を出力する。
【0045】
実施形態によって、PD120の位相制御信号(UP、DOWN)に応じて制御電圧Vが変化する。例えば、第2内部クロック信号CK_VCO2の位相が基準クロック信号CK_REFよりも遅い場合、即ちPD120が第1位相制御信号UPを出力すると、制御電圧Vは第2制御電圧V2に変化する。VCO150は、第2制御コードCODE2及び第2制御電圧V2に応答して第2周波数f2を有する第3内部クロック信号CK_VCO3を出力する。
【0046】
逆に、第2内部クロック信号CK_VCO2の位相が基準クロック信号CK_REFよりも早い場合、即ちPD120が第2位相制御信号DOWNを出力すると、制御電圧Vは第3制御電圧V3に変化する。VCO150は、第2制御コードCODE2及び第3制御電圧V3に応答して第3周波数f3を有する第3内部クロック信号CK_VCO3を出力する。
【0047】
再び図3を参照すると、基準クロック信号CK_REFの周波数と第3内部クロック信号CK_VCO3の周波数とが同一である場合、第3内部クロック信号CK_VCO3の周波数は、基準クロック信号CK_REFの周波数にロック(lock)される。
【0048】
CDR回路100が、第3内部クロック信号CK_VCO3の周波数が基準クロック信号CK_REFの周波数にロック(lock)されたことをタイミングコントローラTCに告げると、タイミングコントローラTCは、データパケットをCDR回路100に送信する。
【0049】
PD120は、タイミングコントローラTCからデータパケットを受信する。また、PD120は、VCO150から第3内部クロック信号CK_VCO3を受信する。尚、PD120は、第3内部クロック信号CK_VCO3を用いることにより、データパケットからデータ信号をサンプリングする。更に、PD120は、サンプリングされたデータ信号SDATA及び第3内部クロック信号CK_VCO3をDES160に出力する。
【0050】
DES160は、サンプリングされたデータ信号SDATA及び第3内部クロック信号CK_VCO3を用いることにより、データ信号及びクロック信号を復元する。DES160は、復元されたデータ信号及び復元されたクロック信号をDDIのロジックに出力する。図6に示した実施形態で、復元されたデータ信号をRDATAとして示し、復元されたクロック信号をRCKとして示す。
【0051】
図3及び図6を共に参照すると、電圧制御発振器VCOは、インバータ結合を用いた5段のリング発振器である。各段から出力されるクロック信号は、同一の位相差を有する。PD120は、各段から出力されたクロック信号に応答してデータパケットからデータ信号をサンプリングする。
【0052】
DES160はPD120からサンプリングされたデータ信号SDATA及び第3内部クロック信号CK_VCO3を受信する。DES160は、サンプリングされたデータ信号SDATAを並列化する。DES160は、並列化されたデータ信号RDATA、及びデータ信号RDATAに同期したクロック信号RCKを生成する。DES160は、復元されたデータ信号RDATA及びクロック信号RCKをDDIのロジックに出力する。
【0053】
本実施形態によると、AFC110は、第1内部クロック信号CK_VCO1を用いることにより、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを決定する。AFC110は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBをCP130、LF140、及びVCO150に出力する。これにより、CDR回路100は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを用いて、CP130、LF140、及びVCO150のそれぞれのパラメータを制御する。基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBに基づいてCDR回路100のパラメータが調整されるため、CDR回路100は、受信されたデータが広い周波数範囲を有しても、復元されるクロック信号のジッタを最小限に抑えることができる。これにより、復元されたクロック信号は安定し、CDR回路100は広い動作周波数範囲を有することができる。
【0054】
図7は、本発明の一実施形態による自動周波数調整器を説明するためのブロック図であり、図8は、本発明の一実施形態によるカウンタの動作を説明するためのグラフであり、図9、は本発明の一実施形態による周波数検出部の動作を説明するためのグラフであり、図10は、本発明の一実施形態による電圧制御発振器の周波数を調整する方法を説明するための図である。
【0055】
図7を参照すると、自動周波数調整器200は、コントローラ210、カウンタ220、連続近似部230、及び周波数検出部240を含む。
【0056】
図7及び図8を参照すると、コントローラ210は、タイミングコントローラTCから基準クロック信号CK_REFを受信する。コントローラ210は、基準クロック信号CK_REFの周期がN回繰り返される時間Tを決定する。コントローラ210は、基準クロック信号CK_REFの周期がN回繰り返される時間Tに基づいてパルス幅Tを有するパルスCNT_ENを出力する。例えば、基準クロック信号CK_REFの周期が1s、N=100である場合、コントローラ210は、基準クロック信号CK_REFの周期が100回繰り返される時間(T=100s)を決定する。コントローラ210は、100sのパルス幅Tを有するパルスCNT_ENを出力する。
【0057】
カウンタ220は、コントローラ210からカウンタリセット信号CNT_Rbを受信する。カウンタ220は、カウンタリセット信号CNT_Rbに応答してリセットされる。カウンタ220は、電圧制御発振器VCOから第1内部クロック信号CK_VCO1を受信する。カウンタ220は、T時間の間に入力される第1内部クロック信号CK_VCO1の立ち上がりエッジの数をカウントし、且つカウント値CNTを出力する。例えば、第1内部クロック信号CK_VCO1の周期が2sである場合、カウンタ220は、100sの間に入力される第1内部クロック信号CK_VCO1の立ち上がりエッジのカウント値(M=50)を出力する。
【0058】
図7及び図9を参照すると、周波数検出部240は、コントローラ210から周波数検出クロック信号CK_FDを受信する。周波数検出部240は、周波数検出クロック信号CK_FDに応答してカウンタ220からカウント値CNTを受信する。周波数検出部240は、カウント値Mに基づいて基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FB(frequency band)を検出する。
【0059】
例えば、カウント値Mが、基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数の半分(N/2)よりも小さい場合、周波数検出部240は、周波数範囲FBを1.35GHz以上の第1周波数範囲FB0と判断する。
【0060】
カウント値Mが、基準クロック信号CK_REFの周波数が繰り返される回数の半分(N/2)よりも大きく、基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数Nよりも小さい場合、周波数検出部240は、周波数範囲FBを0.90GHz~1.80GHzの範囲の第2周波数範囲FB1と判断する。
【0061】
カウント値Mが、基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数Nよりも大きく、基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数の2倍2Nよりも小さい場合、周波数検出部240は、周波数範囲FBを0.45GHz~1.35GHzの範囲の第3周波数範囲FB2と判断する。
【0062】
カウント値Mが、基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数の2倍2Nよりも大きい場合、周波数検出部240は、周波数範囲FBを0.1GHz~0.90GHzの範囲の第4周波数範囲FB3と判断する。
【0063】
カウント値Mが、基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数Nよりも大きいほど低周波範囲であると判断し、カウント値Mが基準クロック信号CK_REFの周期が繰り返される回数Nよりも小さいほど高周波数範囲であると判断する。
【0064】
電圧制御発振器VCOは、周波数検出部240から基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを受信する。例えば、図10に示すように、周波数範囲FBが第2周波数範囲FB1である場合、電圧制御発振器VCOは0.90GHz~1.80GHzの範囲の中間値である1.35GHzの周波数を有する第2内部クロック信号CK_VCO2を出力する。
【0065】
再び図7を参照すると、カウンタ220は、VCO150から基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBに応答して生成された第2内部クロック信号CK_VCO2を受信する。カウンタ220は、タイミングコントローラTCから出力された基準クロック信号CK_REFの周波数と第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数とを比較する。一例として、カウンタ220は、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数が基準クロック信号CK_REFの周波数よりも小さい場合、ロジック「1」を出力する(MSB=1)。逆に、カウンタ220は、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数が基準クロック信号CK_REFの周波数よりも大きい場合、ロジック「0」を出力する(MSB=0)。
【0066】
連続近似部230は、コントローラ210からイネーブル信号AFC_START及び出力タイミング信号AFC_BANDを受信する。連続近似部230は、イネーブル信号AFC_STARTに応答してイネーブルされる。イネーブルされた連続近似部230は、カウンタ220から最上位ビットMSBを受信する。
【0067】
連続近似部230は、最上位ビットMSBに基づいて基準クロック信号CK_REFの周波数と第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数との間の差に対応する制御コードCODEを生成する。例えば、最上位ビットMSBがロジック「1」である場合、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数を増加させる。逆に、最上位ビットMSBがロジック「0」である場合、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数を減少させる。連続近似部230は、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数が基準クロック信号CK_REFの周波数と同一になるまで第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数を増加又は減少させる。連続近似部230は、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数を増加又は減少させる動作を介して基準クロック信号CK_REFの周波数と第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数との差に対応する制御コードCODEを出力する。
【0068】
連続近似部230は、出力タイミング信号AFC_BANDに応答して制御コードCODEを出力する。連続近似部230は、制御コードCODE及び終了信号AFC_ENDを出力する。連続近似部230は、終了信号AFC_ENDをコントローラ210に出力する。終了信号AFC_ENDは、第2内部クロック信号CK_VCO2の周波数が基準クロック信号CK_REFの周波数に合わせられたことを示す信号である。
【0069】
電圧制御発振器VCOは、連続近似部230から制御コードCODEを受信する。例えば、図10に示すように、周波数範囲FBが第2周波数範囲FB1、制御コードCODEが第2制御コードCODE2である場合、電圧制御発振器は、第2制御コードCODE2及び制御電圧を用いて微調整を行うと共に、第3内部クロック信号CK_VCO3を出力する。
【0070】
本実施形態によると、CDR回路は、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FBを決定する。また、基準クロック信号CK_REFの周波数範囲FB毎に適切なジッタ及び安定度を有するように、CDR回路のパラメータを調整する。これにより、高速動作領域に最適化されたCDR回路は、低速動作領域でもジッタ特性を維持することができる。
【0071】
図11は、本発明の一実施形態によるループフィルタのパラメータを調整する方法の一例を説明するための図である。
【0072】
図11を参照すると、ループフィルタLFは、基準クロック信号の周波数範囲FBを用いることにより粗調整を行う。粗調整されたループフィルタLFは、制御電圧Vを電圧制御発振器VCOに出力する。電圧制御発振器VCOは、ループフィルタLFから制御電圧Vを受信し、自動周波数調整器AFCから制御コードCODEを受信する。電圧制御発振器VCOは、制御コードCODE及び制御電圧Vを用いて微調整を行うことで、基準クロック信号に追従する内部クロック信号を出力する。
【0073】
以下、ループフィルタLFのパラメータを調整する方法を説明する。
【0074】
ループフィルタLFは、抵抗RLF及び第1~第3キャパシタ(CLF1~CLF3)を含む。第1~第3キャパシタ(CLF1~CLF3)はそれぞれ並列に連結される。並列に連結された第1~第3キャパシタ(CLF1~CLF3)は、第1ノードND1で抵抗に直列に連結される。第2キャパシタCLF2と第1ノードとの間に第1スイッチSW1が連結され、第3キャパシタCLF3と第1ノードとの間に第2スイッチSW2が連結される。第3キャパシタCLF3のキャパシタンスは、第2キャパシタCLF2のキャパシタンスよりも大きい。
【0075】
第1周波数範囲FB0から第4周波数範囲FB3に行くほど基準クロック信号の周波数範囲FBは低くなる。基準クロック信号の周波数範囲FBが低くなると、ループフィルタLFのキャパシタンスは増加する。ループフィルタLFのキャパシタンスが増加するほどCDR回路の安定度は増加する。
【0076】
例えば、周波数範囲FBが第1周波数範囲(FB0=00)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオフされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオフされる。これにより、ループフィルタLFのキャパシタンスは、第1キャパシタCLF1のキャパシタンスに該当する値である。
【0077】
周波数範囲FBが第2周波数範囲(FB1=01)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオンされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオフされる。これにより、ループフィルタLFのキャパシタンスは、第1キャパシタCLF1のキャパシタンスと第2キャパシタCLF2のキャパシタンスとの合計に該当する値である。
【0078】
周波数範囲FBが第3周波数範囲(FB2=10)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオフされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオンされる。これにより、ループフィルタLFのキャパシタンスは、第1キャパシタCLF1のキャパシタンスと第3キャパシタCLF3のキャパシタンスとの合計に該当する値である。
【0079】
周波数範囲FBが第4周波数範囲(FB3=11)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオンされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオンされる。これにより、ループフィルタLFのキャパシタンスは、第1キャパシタCLF1のキャパシタンス、第2キャパシタCLF2のキャパシタンス、及び第3キャパシタCLF3のキャパシタンスの合計に該当する値である。
【0080】
図12は、本発明の一実施形態によるループフィルタのパラメータを調整する方法の他の例を説明するための図である。図12は、図11のループフィルタLFにおける抵抗RLFを具体的に示す図である。
【0081】
図12を参照すると、ループフィルタLFは、第1~第3抵抗(RLF1~RLF3)を含む。第1~第3抵抗(RLF1~RLF3)は、第2ノードND2と第3ノードND3との間にそれぞれ並列に連結される。第2抵抗RLF2と第2ノードND2との間に第1スイッチSW1が連結され、第3抵抗RLF3と第2ノードND2との間に第2スイッチSW2が連結される。第2抵抗RLF2の抵抗値は、第3抵抗RLF3の抵抗値よりも大きい。
【0082】
第1周波数範囲FB0から第4周波数範囲FB3に行くほど基準クロック信号の周波数範囲FBは低くなる。基準クロック信号の周波数範囲FBが低くなると、ループフィルタLFの抵抗値は増加する。
【0083】
例えば、周波数範囲FBが第1周波数範囲(FB0=00)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオンされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオンされる。これにより、ループフィルタLFの抵抗値は、第1抵抗RLF1、第2抵抗RLF2、及び第3抵抗RLF3の合成抵抗に該当する値である。
【0084】
周波数範囲FBが第2周波数範囲(FB1=01)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオフされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオンされる。これにより、ループフィルタLFの抵抗値は、第1抵抗RLF1と第3抵抗RLF3との合成抵抗に該当する値である。
【0085】
周波数範囲FBが第3周波数範囲(FB2=10)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオンされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオフされる。これにより、ループフィルタLFの抵抗値は、第1抵抗RLF1と第2抵抗RLF2との合成抵抗に該当する値である。
【0086】
周波数範囲FBが第4周波数範囲(FB3=11)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオフされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオフされる。これにより、ループフィルタLFの抵抗値は、第1抵抗RLF1に該当する値である。
【0087】
図13は、本発明の一実施形態による電圧制御発振器のパラメータを調整する方法を説明するための図である。図13には、インバータ結合を用いた3段のリング発振器である電圧制御発振器VCOを示す。一つのインバータを拡大した拡大図を参照すると、電圧制御発振器VCOは、第1ロードキャパシタC1及び第2ロードキャパシタC2を含む。第1ロードキャパシタC1及び第2ロードキャパシタC2が電圧制御発振器VCOの出力部に連結されると、電圧制御発振器VCOのローディングキャパシタンスは増加する。第1ロードキャパシタC1の一端及び第2ロードキャパシタC2の一端はインバータの第1出力端子OUTNに連結され、第1ロードキャパシタC1の他端及び第2ロードキャパシタC2の他端はインバータの第2出力端子OUTPに連結される。
【0088】
第1ロードキャパシタC1の一端と第1出力端子OUTNとの間に第1スイッチSW1が連結され、第1ロードキャパシタC1の他端と第2出力端子OUTPとの間に第2スイッチSW2が連結される。第2ロードキャパシタC2の一端と第1出力端子OUTNとの間に第3スイッチSW3が連結され、第2ロードキャパシタC2の他端と第2出力端子OUTPとの間に第4スイッチSW4が連結される。
【0089】
第1周波数範囲FB0から第4周波数範囲FB3に行くほど基準クロック信号の周波数範囲FBは低くなる。基準クロック信号の周波数範囲FBが低くなると、電圧制御発振器VCOのローディングキャパシタンスは増加する。第1ロードキャパシタC1のキャパシタンスは第1ローディングキャパシタンスであり、第2ロードキャパシタC2のキャパシタンスは第2ローディングキャパシタンスである。第2ローディングキャパシタンスは第1ローディングキャパシタンスよりも大きい。
【0090】
例えば、周波数範囲FBが第1周波数範囲(FB0=00)である場合、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオフされ、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオフされる。これにより、ローディングキャパシタンスの増加量は0である。
【0091】
周波数範囲FBが第2周波数範囲(FB1=01)である場合、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオンされ、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオフされる。これにより、ローディングキャパシタンスの増加量は、第1ローディングキャパシタンスに該当する値である。
【0092】
周波数範囲FBが第3周波数範囲(FB2=10)である場合、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオフされ、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオンされる。これにより、ローディングキャパシタンスの増加量は、第2ローディングキャパシタンスに該当する値である。
【0093】
周波数範囲FBが第4周波数範囲(FB3=11)である場合、第1スイッチSW1及び第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオンされ、第3スイッチSW3及び第4スイッチSW4は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオンされる。これにより、ローディングキャパシタンスの増加量は、第1ローディングキャパシタンスと第2ローディングキャパシタンスとの合計に該当する値である。
【0094】
図14は、本発明の一実施形態による電荷ポンプのパラメータを調整する方法を説明するための図である。図14を参照すると、電荷ポンプCPは、第1~第3電流源(ICP1~ICP3)を含む。第1~第3電流源(ICP1~ICP3)は、第4ノードND4と第5ノードND5との間に並列に連結される。第1~第3電流源(ICP1~ICP3)のそれぞれの電流は、第4ノードND4から第5ノードND5に流れる方向である。第2電流源ICP2と第5ノードND5との間に第1スイッチSW1が連結され、第3電流源ICP3と第5ノードND5との間に第2スイッチSW2が連結される。第3電流源ICP3に流れる電流は、第2電流源ICP2に流れる電流よりも大きい。
【0095】
第1周波数範囲FB0から第4周波数範囲FB3に行くほど基準クロック信号の周波数範囲FBは低くなる。基準クロック信号の周波数範囲FBが低くなると、電荷ポンプCPから流れる電流量が減少する。
【0096】
例えば、周波数範囲FBが第1周波数範囲(FB0=00)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオンされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオンされる。これにより、電荷ポンプCPから流れる電流量は、第1電流源ICP1から流れる電流量、第2電流源ICP2から流れる電流量、及び第3電流源ICP3から流れる電流量の合計に該当する値である。
【0097】
周波数範囲FBが第2周波数範囲(FB1=01)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオフされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=0)に応答してターンオンされる。これにより、電荷ポンプCPから流れる電流量は、第1電流源ICP1から流れる電流量及び第3電流源ICP2から流れる電流量の合計に該当する値である。
【0098】
周波数範囲FBが第3周波数範囲(FB2=10)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=0)に応答してターンオンされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオフされる。これにより、電荷ポンプCPから流れる電流量は、第1電流源ICP1から流れる電流量及び第2電流源ICP3から流れる電流量の合計に該当する値である。
【0099】
周波数範囲FBが第4周波数範囲(FB3=11)である場合、第1スイッチSW1は周波数範囲(FB[0]=1)に応答してターンオフされ、第2スイッチSW2は周波数範囲(FB[1]=1)に応答してターンオフされる。これにより、電荷ポンプCPから流れる電流量は、第1電流源ICP1から流れる電流量に該当する値である。
【0100】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 ディスプレイシステム
2 外部装置
3 アプリケーションプロセッサ(AP)
4、20 タイミングコントローラ
5、10 ディスプレイ装置
30 データ駆動部
40 ディスプレイパネル
100 CDR回路
110、200 自動周波数調整器(AFC)
120 位相検出器(PD)
130 電荷ポンプ(CP)
140 ループフィルタ(LF)
150 電圧制御発振器(VCO)
160 直並列変換器(DES)
210 コントローラ
220 カウンタ
230 連続近似部
240 周波数検出部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14