(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
B66C 7/10 20060101AFI20241016BHJP
E01F 8/00 20060101ALI20241016BHJP
B66C 5/10 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B66C7/10
E01F8/00
B66C5/10
(21)【出願番号】P 2020124290
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 勝久
(72)【発明者】
【氏名】重藤 和英
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】福永 大輝
(72)【発明者】
【氏名】沼崎 孝義
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-044455(JP,A)
【文献】特開2008-214056(JP,A)
【文献】特開2019-206848(JP,A)
【文献】特開平05-319774(JP,A)
【文献】特開平11-301966(JP,A)
【文献】実開平03-080082(JP,U)
【文献】実開昭63-133577(JP,U)
【文献】実開平02-099888(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0044146(US,A1)
【文献】中国実用新案第205603070(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 7/10
E01F 8/00
B66C 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台に荷吊りユニットを搭載した移動体であって、
前記荷吊りユニットが、
前記移動体の前後方向に延びて、前記移動体の幅方向で対向する一対の走行レールと、
前記荷台の各隅部から上方へ延びて、前記走行レールの端部が連結される上端部を有する複数の支柱と、
前記一対の走行レールの間隔よりも長い荷吊り用のビームと、
前記一対の走行レールに沿って移動可能に構成されて、前記一対の走行レールに対して、前記ビームを、前記ビームの延在方向に沿って移動可能に、かつ、鉛直方向を回転中心として回転可能に吊り下げる一対の吊り下げ機構と、
前記ビームの水平度を検出可能なセンサと、
前記複数の支柱の各々の下端部に連結されたジャッキを含み、前記センサの検出値に基づいて、前記ビームの水平度を調整可能な調整装置と、を備え
て前記荷台に対して着脱可能に構成されている
移動体。
【請求項2】
荷台に荷吊りユニットを搭載した移動体であって、
前記荷吊りユニットが、
前記移動体の前後方向に延びて、前記移動体の幅方向で対向する一対の走行レールと、
前記荷台の各隅部から上方へ延びて、前記走行レールの端部が連結される上端部を有する複数の支柱と、
前記一対の走行レールの間隔よりも長い荷吊り用のビームと、
前記一対の走行レールに沿って移動可能に構成されて、前記一対の走行レールに対して、前記ビームを、前記ビームの延在方向に沿って移動可能に、かつ、鉛直方向を回転中心として回転可能に吊り下げる一対の吊り下げ機構と、
前記ビームの水平度を検出可能なセンサと、
前記センサの検出値に基づいて、前記ビームの水平度を調整可能な調整装置と、を備え
て前記荷台に対して着脱可能に構成されており、
前記調整装置は、前記複数の支柱を伸縮させるリフタを含む
移動体。
【請求項3】
前記調整装置は、前記複数の支柱の各々の下端部に連結されたジャッキを含む
請求項2に記載の移動体。
【請求項4】
前記調整装置は、
前記一対の走行レールの延在方向における一方側に位置する支柱を伸縮させる第1リフタと、
前記一対の走行レールの延在方向における他方側に位置する支柱を伸縮させる第2リフタと、を含む
請求項
2または3に記載の
移動体。
【請求項5】
前記センサの検出値に基づいて前記調整装置を制御し、前記ビームを水平に保持する制御装置をさらに備える
請求項1~4のいずれか一項に記載の
移動体。
【請求項6】
前記複数の支柱の下端部を連結する下部フレーム
体を有し、
前記下部フレーム体は、
前記一対の走行レールの延在方向に並ぶ一対の支柱を連結するフレームを、前記一対の走行レールの対向方向における一方側に有している
請求項1~5のいずれか一項に記載の
移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象を吊り上げて搬送する荷吊りユニットを搭載した移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路や一般道路には、車両走行時などに発生する騒音を遮る遮音壁が構築される場合がある。こうした遮音壁は、例えば、道路に沿って複数のH型支柱を所定間隔で設置するとともに、互いに隣接する一対の支柱の間に複数の遮音パネルを上方から差し込むことにより構築される(例えば、特許文献1,2等参照)。遮音壁の施工現場では、遮音パネルを吊り上げて搬送する荷吊りユニットを搭載した移動体を用い、遮音パネルの設置と移動体の移動とを繰り返しながら遮音壁が構築される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-091129号公報
【文献】特開2018-087480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、荷吊りユニットを搭載した移動体では、移動体に設けられたアウトリガなどを用いて荷吊りユニットの水平出しを行うことが一般的である。しかしながら、遮音壁の施工現場では、移動体の移動が繰り返し行われるため、移動させるたびにアウトリガを用いて水平出しを行っていては効率よく遮音壁を構築することができない。なお、こうした問題は、遮音壁の構築に用いられる荷吊りユニットや移動体に限られるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する荷吊りユニットは、一対の走行レールと、前記一対の走行レールの間隔よりも長い荷吊り用のビームと、前記一対の走行レールに沿って移動可能に構成されて、前記一対の走行レールに対して、前記ビームを、前記ビームの延在方向に沿って移動可能に、かつ、鉛直方向を回転中心として回転可能に吊り下げる一対の吊り下げ機構と、前記ビームの水平度を検出可能なセンサと、前記センサの検出値に基づいて、前記ビームの水平度を調整可能な調整装置と、を備える。
【0006】
上記課題を解決する荷吊りユニットを搭載した移動体は、前記荷吊りユニットが、一対の走行レールと、前記一対の走行レールの間隔よりも長い荷吊り用のビームと、前記一対の走行レールに沿って移動可能に構成されて、前記一対の走行レールに対して、前記ビームを、前記ビームの延在方向に沿って移動可能に、かつ、鉛直方向を回転中心として回転可能に吊り下げる一対の吊り下げ機構と、前記ビームの水平度を検出可能なセンサと、前記センサの検出値に基づいて、前記ビームの水平度を調整可能な調整装置と、を備える。
【0007】
上記構成の荷吊りユニットは、前記一対の走行レールの端部を支持する複数の支柱を有し、前記調整装置は、前記複数の支柱の各々の下端部に連結されたジャッキを含むことが好ましい。
【0008】
上記構成の荷吊りユニットは、前記一対の走行レールの端部を支持する伸縮可能な複数の支柱を有し、前記調整装置は、前記複数の支柱を伸縮させるリフタを含むことが好ましい。
【0009】
上記構成の荷吊りユニットでは、前記調整装置は、前記一対の走行レールの延在方向における一方側に位置する支柱を伸縮させる第1リフタと、前記一対の走行レールの延在方向における他方側に位置する支柱を伸縮させる第2リフタと、を含むことが好ましい。
【0010】
上記構成の荷吊りユニットは、前記センサの検出値に基づいて前記調整装置を制御し、前記ビームを水平に保持する制御装置をさらに備えることが好ましい。
上記構成の荷吊りユニットは、前記一対の走行レールの端部を支持する複数の支柱と、前記複数の支柱の下端部を連結する下部フレーム体と、を有し、前記下部フレーム体は、前記一対の走行レールの延在方向で並ぶ一対の支柱を連結するフレームを、前記一対の走行レールの対向方向における一方側に有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、荷吊りユニットの水平出しを効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】荷吊りユニットの一実施形態、該荷吊りユニットを搭載した移動体の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【
図2】移動体の後方から見た吊り下げ機構を模式的に示す図。
【
図3】ビームの張り出し動作開始時を模式的に示す上面図。
【
図4】ビームの張り出し動作の途中経過を模式的に示す上面図。
【
図5】移動体の右側にビームが最大限張り出した状態を模式的に示す上面図。
【
図6】荷吊りユニットに関する電気的な構成を示す機能ブロック図。
【
図7】足場プレートを展開した状態を模式的に示す図。
【
図8】リフタによる荷吊りユニットの高さ調整の様子を模式的に示す図。
【
図9】荷吊りユニットが遮音パネルを吊り上げた状態を模式的に示す図。
【
図10】荷吊りユニットを用いて遮音パネルを搬送する様子を模式的に示す図。
【
図11】遮音パネルを設置する様子を模式的に示す図。
【
図12】移動体の移動時における作業内容を模式的に示す図。
【
図13】変形例において、荷吊りユニット、および、該荷吊りユニットを搭載した移動体を模式的に示す斜視図である。
【
図14】変形例において、移動体の後方から見た転倒防止機構を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1~
図12を参照して、荷吊りユニットおよび荷吊りユニットを搭載した移動体の一実施形態について説明する。
図1に示すように、移動体10は、例えばキャブオーバ型のトラックである。移動体10は、前後方向に延びる車体フレーム11を有している。車体フレーム11の前部にはキャブ12が搭載されている。車体フレーム11には、キャブ12の後方に略矩形状の荷台13が設けられている。荷台13には荷吊りユニット25が着脱可能に搭載されている。
【0014】
車体フレーム11には、キャブ12の下方に、例えばエンジンやモータ・ジェネレタなどで構成される駆動動力源が搭載されている。車体フレーム11には、キャブ12の下方に操舵輪14が設けられ、荷台13の下方に駆動輪15が設けられている。
【0015】
荷吊りユニット25は、荷台13に載置された搬送対象を吊り上げて所定位置まで搬送する際に用いられる。搬送対象は、例えば、高速道路や一般道路等において遮音壁を構成する遮音パネルPである。
【0016】
荷吊りユニット25は、枠体30とビーム34とを備えている。枠体30は、支柱31、下部フレーム体32、上部フレーム体33で構成されている。
各支柱31は、荷台13の各隅部から上方に延びている。各支柱31は、複数の支柱部によって伸縮可能に構成される。本実施形態においては、各支柱31は、筒状の下側支柱部31Aと、下側支柱部31Aに内挿されて下側支柱部31Aに対して進退移動可能な筒状の上側支柱部31Bとを有する二重筒構造に構成されている。下側支柱部31Aおよび上側支柱部31Bは、例えば角形鋼管で構成される。
【0017】
各支柱31は、移動体10の走行中は、上側支柱部31Bを下側支柱部31Aに格納することにより、荷吊りユニット25を含めた移動体10の車高を低く抑える。また、各支柱31は、施工現場においては、荷吊りユニット25を遮音壁等の施工に適した高さへと調整される。
【0018】
前側に位置する一対の支柱31、および、後側に位置する一対の支柱31においては、下側支柱部31Aの上端部が連結フレーム31Cによって連結されている。これにより、枠体30の機械的な強度、例えば支柱31を伸張させたときの強度を高めることができる。
【0019】
また、各支柱31は、下側支柱部31Aの下端部に固定されたジャッキ35を介して荷台13に連結されている。ジャッキ35は、移動体10の駆動動力源によって駆動される電動機械式のジャッキである。ジャッキ35は、移動体10に搭載された制御装置100を通じて、個別に、また、複数同時に駆動可能に構成されている。ジャッキ35は、制御装置100からの駆動信号を受けて支柱31の延在方向に伸縮する。荷吊りユニット25は、ジャッキ35を選択的に駆動させることにより、移動体10の前後方向および幅方向において相対高さを調整可能に構成されている。ジャッキ35は、ビーム34の水平度を調整可能な調整装置を構成する。なお、ジャッキ35は、流体作動式のジャッキであってもよい。
【0020】
下部フレーム体32は、各支柱31の下端部を繋ぐようにチャンネル状(コ字状)に配設された複数のフレームで構成されている。下部フレーム体32は、前側下部フレーム36、後側下部フレーム37、右側下部フレーム38を有している。各フレーム36~38は、角形鋼管、H形鋼、I形鋼、横方向に開口する断面チャンネル状(コ字状)の鋼材で構成されている。前側下部フレーム36は、前側に位置する一対の支柱31を連結している。後側下部フレーム37は、後側に位置する一対の支柱31を連結している。右側下部フレーム38は、右側に位置する前後一対の支柱31を連結している。各フレーム36~38は、溶接やボルトナットを用いた締結などといった各種接合法によって各支柱31の下側支柱部31Aに連結されている。
【0021】
なお、下部フレーム体32は、後述する一対の走行レール45の延在方向に並ぶ一対の支柱31の下側支柱部31Aを連結するフレームを、一対の走行レール45の対向方向における一方側に有していればよい。そのため、下部フレーム体32は、右側下部フレーム38に代えて、左側に位置する前後一対の支柱31の下側支柱部31Aを連結する左側下部フレームを有する構成であってもよい。
【0022】
本実施形態において、右側下部フレーム38は、角形鋼管で構成される。右側下部フレーム38には、足場プレート40が取り付けられている。足場プレート40は、荷吊りユニット25の前後方向の長さと略同等の長板状に形成されている。足場プレート40は、ヒンジ41を介して取り付けられており、右側下部フレーム38に対して回動可能に構成されている。足場プレート40は、移動体10が走行する際には荷吊りユニット25側に折り畳んで格納可能に、また、荷台13に載置された搬送対象を搬送する際には水平方向に展開可能に構成されている。
【0023】
なお、足場プレート40は、支柱31の所定高さ位置に取り付けてもよい。また、足場プレート40は、回動可能な折り畳み式に限定されず、下部フレーム体32や支柱31に設けられたブラケット等に固定される構成であってもよい。また、足場プレート40は、移動体10の右側および左側の双方に設けられてもよい。
【0024】
上部フレーム体33は、各支柱31の上端部に連結されている。上部フレーム体33は、左右一対の走行レール45、前側上部フレーム46、後側上部フレーム47、中央上部フレーム48を備えている。
【0025】
左右一対の走行レール45は、移動体10の前後方向に延びているとともに移動体10の幅方向で対向している。左右一対の走行レール45の延在方向は、各走行レール45が延びる方向である。左右一対の走行レール45の対向方向は、走行レール45が互いに向かい合う方向であり、左右一対の走行レール45が並ぶ方向である。枠体30において、走行レール45の延在方向は移動体10の前後方向に対応し、走行レール45の対向方向は移動体10の幅方向に対応している。
【0026】
左右一対の走行レール45は、例えば、H形鋼またはI形鋼で構成されている。左側の走行レール45は、移動体10の左側に位置する前後一対の支柱31の上端部間に架け渡されている。右側の走行レール45は、移動体10の右側に位置する前後一対の支柱31の上端部間に架け渡されている。これらの走行レール45は、溶接やボルトナットを用いた締結などといった各種接合法によって支柱31の上端部に連結されている。
【0027】
各走行レール45の前端部および後端部には、シャックル49が設けられている。これらのシャックル49にロープなどを巻き掛けることにより、クレーンなどによる荷吊りユニット25の荷台13への積み込みなどが可能となる。
【0028】
前側上部フレーム46、後側上部フレーム47、および、中央上部フレーム48は、角形鋼管、H形鋼、I形鋼、横方向に開口する断面チャンネル状(コ字状)の鋼材で構成されている。前側上部フレーム46は、前側に位置する左右一対の支柱31の上端部を連結している。後側上部フレーム47は、後側に位置する左右一対の支柱31の上端部を連結している。中央上部フレーム48は、左右一対の走行レール45の中央部において上面部を連結している。これらのフレーム46,47,48は、溶接やボルトナットを用いた締結などといった各種接合法によって各々の連結対象に連結されている。
【0029】
また、上部フレーム体33は、中央上部フレーム48よりも前側に位置する前側クロスバー51と、中央上部フレーム48よりも後側に位置する後側クロスバー52と、を有している。
【0030】
前側クロスバー51は、互いに交差する一対のフレームで構成されている。一方のフレームは、左側の走行レール45の前端部と右側の走行レール45の中央部とを連結している。他方のフレームは、左側の走行レール45の中央部と右側の走行レール45の前端部とを連結している。
【0031】
後側クロスバー52は、互いに交差する一対のフレームで構成されている。一方のフレームは、左側の走行レール45の中央部と右側の走行レール45の後端部とを連結している。他方のフレームは、左側の走行レール45の後端部と右側の走行レール45の中央部とを連結している。
【0032】
ビーム34は、吊り下げ機構55を介して各走行レール45に吊り下げられている。ビーム34は、例えば、H形鋼又はI形鋼で構成されている。ビーム34は、左右一対の走行レール45の離間距離よりも長く、かつ、上部フレーム体33の対角距離(左側の走行レール45の前端と右側の走行レール45の後端との離間距離)よりも短い長さに形成されている。ビーム34は、各走行レール45に取り付けられた吊り下げ機構55によって、各走行レール45に沿って移動可能に、かつ、ビーム34の延在方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0033】
ビーム34には、荷吊り用プレーントロリ56を介して天秤フレーム57が吊り下げられている。天秤フレーム57は、荷吊り用プレーントロリ56によってビーム34を走行可能に構成されている。天秤フレーム57の両端部には、チェーンブロック等、遮音パネルPを保持可能な吊り具58が設けられている。遮音パネルPを保持した状態にある吊り具58を操作することにより、遮音パネルPを昇降させることができる。
【0034】
図2に示すように、吊り下げ機構55は、各走行レール45を走行可能な上側プレーントロリ61とビーム34を走行可能な下側プレーントロリ62とを有している。
上側プレーントロリ61は、走行レール45を挟んで対向する一対のプレート63と、一対のプレート63を連結する連結軸64と、各プレート63に回転自在に軸支されて走行レール45の下側フランジ面を転動するローラ65とを備えている。
【0035】
下側プレーントロリ62は、ビーム34を挟んで対向する一対のプレート68と、各プレート68を連結する連結軸69と、各プレート68に回転自在に軸支されてビーム34の上側フランジ面を転動するローラ70とを備えている。
【0036】
上側プレーントロリ61および下側プレーントロリ62は、その連結軸64,69が接続部材71によって接続されている。接続部材71は、スイベルやダブルサルカン等で構成される回転継手である。接続部材71は、連結軸64に取り付けられる上側接続部71Aと連結軸69に取り付けられる下側接続部71Bとが相対回転可能に構成されている。接続部材71は、鉛直方向を回転中心として上側プレーントロリ61および下側プレーントロリ62を相対回転可能に接続している。すなわち、吊り下げ機構55では、接続部材71の上側接続部71Aおよび下側接続部71Bが相対回転することで、各走行レール45に対する水平方向へのビーム34の傾動動作が円滑に行われるようになっている。
【0037】
また、吊り下げ機構55は、ストッパ74とロック機構75とを有している。ストッパ74は、ビーム34の両端部に設けられている。ストッパ74は、各プレーントロリ56,62のビーム34からの脱落を防止する。ロック機構75は、ボルト等によってビーム34に着脱可能に構成されている。ロック機構75は、例えば、断面略L字状のアングル材で構成されている。ロック機構75は、下側プレーントロリ62をストッパ74との間に挟み込みこんで、ビーム34に対する下側プレーントロリ62の走行を規制することにより、ビーム34の自身の延在方向への移動を規制する。ロック機構75によって、左側の下側プレーントロリ62がロックされると、移動体10の左側へのビーム34の張り出しが防止される。また、ロック機構75によって、右側の下側プレーントロリ62がロックされると、移動体10の右側へのビーム34の張り出しが防止される。
【0038】
図3~
図5を参照して、ビーム34の張り出し動作について説明する。なお、移動体10の右側への張り出し動作と左側への張り出し動作は略同様の動作である。そのため、以下では、移動体10の右側への張り出し動作を説明し、左側への張り出し動作についての説明は省略する。
【0039】
図3に示すように、荷吊りユニット25においては、ビーム34の延在方向を荷吊りユニット25の略対角方向にすることにより、左右一対の走行レール45間にビーム34が格納される。
【0040】
この状態から、左側の走行レール45に取り付けられた吊り下げ機構55の下側プレーントロリ62をロック機構75でロックしたのち、ビーム34をR方向に回動させることで、移動体10の右側へのビーム34の張り出し動作が開始される。
【0041】
図4に示すように、ビーム34をR方向へ回動させると、ビーム34の左端部は、ロック機構75によって走行レール45よりも左側への張り出しを規制されたまま、吊り下げ機構55の上側プレーントロリ61によって走行レール45を後方に向けて移動する。
【0042】
一方、ビーム34の右端部は、右側の走行レール45に取り付けられた吊り下げ機構55の上側プレーントロリ61によって走行レール45を前方に向けて移動する。この際、吊り下げ機構55の下側プレーントロリ62がビーム34を走行することにより、ビーム34の右端部は、走行レール45よりも右側へビーム34の延在方向に沿うように送り出される。
【0043】
図5に示すように、ビーム34を走行レール45に対して90度回動させると、ビーム34は、走行レール45よりも右側に最大限に張り出した状態になる。
荷吊りユニット25は、ビーム34をR方向に回動させたり、ビーム34を走行レール45に沿って移動させたりすることによって、移動体10の側方の所望位置まで搬送対象を搬送できるように構成されている。
【0044】
図1に示すように、荷吊りユニット25は、支柱31を伸縮可能な前後一対のリフタ90を有している。前後一対のリフタ90は、調整装置を構成する。前後一対のリフタ90は、移動体10の駆動動力源によって駆動されるとともに、制御装置100によって、個別に、また、同時に駆動可能に構成されている。前側に位置するリフタ90が第1リフタであり、後側に位置するリフタが第2リフタである。なお、これらのリフタ90は、その位置が異なるだけで基本的な構成は同じであるため、後側に位置するリフタ90について説明し、前側に位置するリフタ90については、その詳細な説明は省略する。
【0045】
リフタ90は、リフタベース91、リフタ本体92を有している。リフタベース91は、溶接やボルトナットを用いた締結などといった各種接合法によって、後側に位置する一対の支柱31や後側下部フレーム37に対して固定されている。
【0046】
リフタ本体92は、リフタベース91に取り付けられている。リフタ本体92は、伸縮フレーム93を有している。伸縮フレーム93の上端部は、溶接やボルトナットを用いた締結などといった各種接合法によって後側上部フレーム47に連結されている。
【0047】
リフタ本体92は、図示されない油圧シリンダを有しており、制御装置100からの駆動信号を受けて伸縮フレーム93を伸縮させることにより、後側上部フレーム47の高さを調整可能に構成されている。
【0048】
荷吊りユニット25は、前後一対のリフタ90の伸縮フレーム93が同時期に伸縮することにより、荷吊りユニット25の全体高さが調整可能に構成されている。また、荷吊りユニット25は、前後一対のリフタ90の一方において伸縮フレーム93が伸縮することにより、前後方向における相対高さを調整可能に構成されている。
【0049】
図1に示すように、ビーム34には、ビーム34の水平度を検出可能なセンサ95が取り付けられている。センサ95は、例えば、ジャイロセンサ、傾斜角センサ、加速度センサなどである。センサ95は、ビーム34の水平度を検出し、その検出した水平度を示す検出信号を制御装置100に出力する。制御装置100は、センサ95からの信号に基づいてビーム34の水平度を取得する。なお、センサ95は、ビーム34に1以上取り付けられていればよく、複数個取り付けられていてもよい。また、複数個取り付けられる場合には、検出するパラメータが異なっていてもよい。
【0050】
図6に示すように、制御装置100は、各種情報を取得し、その取得した各種の情報、および、メモリーに記憶したプログラムや各種のデータに基づいて各種の処理を実行する。制御装置100は、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、或いは、それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0051】
制御装置100には、センサ95のほか、操作部101、リフタ90、ジャッキ35、表示部102が接続されている。操作部101は、有線式であってもよいし、無線式であってもよい。また、表示部102は、操作部101に設けられることが好ましい。これら操作部101と表示部102は、調整装置を構成する。
【0052】
操作部101は、オペレータによって操作可能に構成されている。操作部101は、オペレータの操作に基づく操作信号を制御装置100に出力する。操作部101は、前後一対のリフタ90および各ジャッキ35を個別に、また、同時に操作可能に構成されている。また、操作部101は、上部フレーム体33を上昇させる上昇操作、上部フレーム体33を下降させる下降操作が実行可能に構成されている。制御装置100は、操作部101からの操作信号に基づいて、リフタ90やジャッキ35を駆動制御する。
【0053】
制御装置100は、ビーム34の水平度に基づいて、ビーム34が水平に保持されるようにジャッキ35を駆動制御する水平制御を行う。
制御装置100は、操作部101による操作状況のほか、ビーム34の水平度、前後一対のリフタ90や各ジャッキ35の駆動状況などを表示部102に表示する。
【0054】
図7~
図12を参照して、荷吊りユニット25を用いた遮音壁の構築方法の一例について説明する。なお、
図7~
図12では、一部の部材を省略して移動体10を示している。
図7に示すように、遮音壁110の施工現場の道路111に、荷吊りユニット25を搭載した移動体10を停車させたのち、折りたたみ状態にある足場プレート40を展開する。なお、施工現場に到着するまでの間、荷吊りユニット25は、各支柱31が格納状態、ビーム34が格納状態、ジャッキ35が収縮状態にある初期状態に保持される。また、遮音壁110を構成するH型支柱112は、道路111に沿って所定間隔で複数設置されている。
【0055】
次に、
図8に示すように、操作部101を操作して、荷吊りユニット25の高さ調整と水平出しとを行う。高さ調整および水平出しにおいて、制御装置100は、操作部101からの操作信号に基づいてリフタ90およびジャッキ35を駆動制御する。
【0056】
具体的には、高さ調整では、まず、操作部101の起動ボタンを操作して制御装置100を起動する。起動時、制御装置100は、各ジャッキ35を最大伸張量の半分程度の中間伸張量まで伸張させる。
【0057】
次に、ビーム34の位置を高くする場合には、操作部101で上昇操作を行う。上昇操作において、制御装置100は、各リフタ90の伸縮フレーム93を伸張させる。上昇操作ののちにビーム34の位置を低くする場合には、操作部101で下降操作を行う。下降操作において、制御装置100は、各リフタ90の伸縮フレーム93を収縮させる。なお、遮音壁110の高さが低く、上昇操作の必要がない場合には、荷吊りユニット25の高さ調整は行わなくてもよい。
【0058】
水平出しでは、表示部102に表示されたビーム34の水平度を確認しながら操作部101を操作し、各リフタ90や各ジャッキ35を個別に駆動制御してビーム34を水平にする。例えば、ビーム34の左側が低いようであれば、左側のジャッキ35を伸張させたり、右側のジャッキ35を収縮させたりする。また例えば、ビーム34の前側が低いようであれば、前側のジャッキ35を伸張させたり、後側のジャッキ35を収縮させたりする。また、前側のリフタ90の伸縮フレーム93を伸張させたり、後側のリフタ90の伸縮フレーム93を収縮させたりする。
【0059】
水平出しが完了すると、操作部101に設けられた設定ボタンを操作する。設定ボタンが操作されると、制御装置100は、ビーム34の高さ位置を維持しつつ、ビーム34を水平に保持する水平制御を開始する。
【0060】
この水平制御において、制御装置100は、センサ95の検出信号に基づいて、ビーム34が水平に保持されるようにジャッキ35を駆動制御する。
例えば、制御装置100は、フィードバック制御を行い、ビーム34の高さ位置を維持しつつ、ビーム34が水平となる各ジャッキ35の伸縮量を個別に算出する。そして制御装置100は、各ジャッキ35の伸縮量が、その算出した伸縮量となるようにジャッキ35を駆動制御する。
【0061】
なお、水平制御の実行中に上昇操作や下降操作が行われた場合、制御装置100は、その操作が終了するまで水平制御を中断する。上昇操作や下降操作が終了すると、制御装置100は、水平制御を再開し、その操作終了時におけるビーム34の高さ位置を維持しつつ、ビーム34が水平に保持されるようにジャッキ35を駆動制御する。また、水平制御は、操作部101の操作により停止可能に構成されている。
【0062】
高さ調整および水平出しが完了すると、荷台13や足場プレート40等を足場として作業員による遮音パネルPの設置作業が行われる。
まず、
図9に示すように、天秤フレーム57に設けられた吊り具58に荷台13上の遮音パネルPを取り付けたのち、チェーンブロックを操作して遮音パネルPを吊り上げる。
【0063】
次に、
図10に示すように、遮音パネルPを吊り上げた状態でビーム34を回転させることにより、走行レール45よりも移動体10の右側へとビーム34を張り出させる。そして、荷吊り用プレーントロリ56をビーム34に沿って走行させ、一対のH型支柱112の上方まで遮音パネルPを搬送する。
【0064】
次に、
図11に示すように、吊り具58のチェーンブロックを操作して遮音パネルPを下降させ、一対のH型支柱112の間に差し込む。そして、差し込んだ遮音パネルPを、隣接する遮音パネルPの両端に落下防止ワイヤ(図示せず)で接続してボルト等で締結することにより、遮音パネルPの設置作業が終了する。以降、
図9~
図11に示す各工程を繰り返し行い、所望高さまで遮音パネルPを設置する。
【0065】
図9~
図11に示す各工程において、制御装置100は、ビーム34の水平制御を継続して行う。一連の工程において、例えば、
図10,11に示すように遮音パネルPが移動体10の右側方まで搬送された状態にある荷吊りユニット25には、移動体10の右側へ傾けようとする荷重が作用する。このとき、荷吊りユニット25が僅かに傾いたとしても、水平制御によってビーム34が水平に保持されるようにジャッキ35が駆動制御される。このため、ビーム34の両端部の間、すなわち遮音パネルPの搬送経路に高低差が生じにくくなるから、遮音パネルPの搬送や設置を容易に行うことができる。
【0066】
図12に示すように、所望高さまで遮音パネルPが設置されると、操作部101やビーム34を操作して荷吊りユニット25を初期状態へと復帰させるとともに足場プレート40を格納する。そして、遮音パネルPが設置されていないH型支柱112付近まで移動体10を移動させて、
図7~
図11に示した各工程を行って遮音パネルPを設置する。こうした遮音パネルPの設置と移動体10の移動とが繰り返し行われることにより、遮音壁110が構築される。
【0067】
本実施形態の作用および効果について説明する。
(1)荷吊りユニット25では、ジャッキ35やリフタ90によって水平出しを行うことができる。これにより、移動体10が移動するたびにアウトリガを用いた水平出しを行う必要がないため、遮音壁110の構築を効率よく行うことができる。
【0068】
(2)ジャッキ35は、伸張量を個別に制御可能に構成されている。これにより、移動体10の前後方向および幅方向の各々において細かな高さ調整を行うことが可能となる。その結果、荷吊りユニット25の水平出しを容易に行うことができるとともに、水平制御によってビーム34が水平に保持されやすくなる。
【0069】
(3)荷吊りユニット25は、前後一対のリフタ90を有している。これにより、例えばクレーンなどを用いることなく支柱31を伸縮させることができるため、荷吊りユニット25の高さ調整や水平出しを容易に行うことができる。また、高さ調整や水平出しにかかわる作業員への作業負荷を軽減することができる。
【0070】
(4)制御装置100は、センサ95の検出値に基づいて水平制御を行う。これにより、遮音パネルPの吊り上げ時や搬送時などにおいてもビーム34が水平に保持されることから、遮音パネルPの設置を容易に行うことができる。
【0071】
(5)荷吊りユニット25は、アウトリガやクレーンを用いることなく高さ調整や水平出しを行うことができる。その結果、荷吊りユニット25を搭載可能な移動体10の自由度を高めることができる。
【0072】
(6)下部フレーム体32は、右側に位置する前後一対の支柱31、および、左側に位置する前後一対の支柱31のうち、右側に位置する一対の支柱31を連結している。これにより、フォークリフトなどを用いた荷台13への遮音パネルPの積み込みを移動体10の左側から行うことで、フォークリフトのフォーク部が下部フレーム体32に干渉することがない。その結果、作業員は、積み込み作業をスムーズに行うことができる。
【0073】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・荷吊りユニット25においては、水平制御が行われなくともよい。この場合、遮音パネルPの搬送時、表示部102に表示されるビーム34の水平度に基づいて操作部101が操作されることにより、ビーム34が水平に保持されることが好ましい。
【0074】
・荷吊りユニット25においては、リフタ90を用いることなく、ジャッキ35で調整装置が構成されてもよい。こうした構成によれば、荷吊りユニット25の部品点数を削減することができる。なお、この場合、荷吊りユニット25は、作業員によって高さ調整可能に構成されることが好ましい。
【0075】
・荷吊りユニット25においては、ジャッキ35を用いることなく、各支柱31を個別に伸縮させるリフタ90で調整装置が構成されてもよい。こうした構成によれば、リフタ90で高さ調整や水平出し、ビーム34の水平制御が可能であるため、荷吊りユニット25の部品点数を削減することができる。
【0076】
・荷吊りユニット25の水平出しは、水平制御によって行われてもよい。すなわち、上昇操作や下降操作の終了直後から水平制御が行われてもよい。
・吊り下げ機構55は、プレーントロリ61,62を用いた構成に限られない。吊り下げ機構55は、例えば、走行レール45やビーム34を走行可能なギヤトロリを用いた構成であってもよいし、走行レール45やビーム34に設けたガイド部材に沿ってスライド移動するスライダを用いた構成であってもよい。
【0077】
・伸縮可能に構成される支柱31は、2つの支柱部によって構成されるものに限らず、3以上の支柱部によって構成されてもよい。
・搬送対象は、遮音壁110を構成する遮音パネルPに限らず、太陽光パネルといった他の構築物を構成するものであってもよい。
【0078】
・移動体10は、アウトリガやクレーンが搭載されたトラックであってもよい。また、移動体10は、キャブオーバ型のトラックに限らず、荷吊りユニット25を搭載可能なものであればよく、例えば、トラック以外の車両や船舶等の他の移動体であってもよい。
【0079】
・下部フレーム体32は、移動体10の幅方向における両側に、前後一対の支柱31の下側支柱部31Aを連結するフレームを有していてもよい。
例えば、
図13に示すように、荷吊りユニット25は、右側下部フレーム38に加えて、左側に位置する前後一対の支柱31の下側支柱部31Aを連結する左側下部フレーム39を有していてもよい。この場合、左側下部フレーム39は、観音開きの要領で移動体10の側方へ開放可能に軸支された前側フレーム部39Aと後側フレーム部39Bとを有する分割構造とされることが好ましい。前側フレーム部39Aおよび後側フレーム部39Bを移動体10の側方へ向けて開放することで、例えば、フォークリフトで遮音パネルPを荷台13に積み込む際に、フォークリフトのフォーク部と左側下部フレーム39との干渉を防止できる。なお、こうした観音開きの機構は、右側下部フレーム38や後側下部フレーム37等の他のフレームに適用してもよい。
【0080】
・また、
図14に示すように、左側下部フレーム39をH形鋼またはI形鋼で構成した場合、その左側下部フレーム39を利用して、ビーム34の転倒防止機構80を設けてもよい。転倒防止機構80は、シャックル81、チェーンブロック82、プレーントロリ83、ワイヤロープ84を有している。シャックル81は、ビーム34の端部の下面に固定されている。チェーンブロック82は、シャックル81に吊り下げられている。プレーントロリ83は、下部フレーム体32の左側下部フレーム39を走行可能に構成されている。ワイヤロープ84は、チェーンブロック82とプレーントロリ83とを連結している。
【0081】
転倒防止機構80においては、チェーンブロック82を巻き上げることで、左側下部フレーム39を支点として、プレーントロリ83、ワイヤロープ84、チェーンブロック82、および、シャックル81を介して、ビーム34に適宜張力が付与される。転倒防止機構80は、ビーム34の移動に追従してプレーントロリ83が左側下部フレーム39を走行するため、ビーム34に対して所望の張力が常に付与されるように構成されている。
【0082】
こうした転倒防止機構80を設けることにより、カウンタウェイト等を用いることなく、荷吊りユニット25の吊荷側への転倒を防止することができる。また、張力によってビーム34が傾くことが抑えられるため、下側プレーントロリ62の各ローラ70が上側フランジ面から浮き上がることも確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0083】
P…遮音パネル、10…移動体、11…車体フレーム、12…キャブ、13…荷台、14…操舵輪、15…駆動輪、25…荷吊りユニット、30…枠体、31…支柱、31A…下側支柱部、31B…上側支柱部、31C…連結フレーム、32…下部フレーム体、33…上部フレーム体、34…ビーム、35…ジャッキ、36…前側下部フレーム、37…後側下部フレーム、38…右側下部フレーム、39…左側下部フレーム、39A…前側フレーム部、39B…後側フレーム部、40…足場プレート、41…ヒンジ、45…走行レール、46…前側上部フレーム、47…後側上部フレーム、48…中央上部フレーム、49…シャックル、51…前側クロスバー、52…後側クロスバー、55…吊り下げ機構、56…荷吊り用プレーントロリ、57…天秤フレーム、58…吊り具、61…上側プレーントロリ、62…下側プレーントロリ、63…プレート、64…連結軸、65…ローラ、68…プレート、69…連結軸、70…ローラ、71…接続部材、71A…上側接続部、71B…下側接続部、74…ストッパ、75…ロック機構、80…転倒防止機構、81…シャックル、82…チェーンブロック、83…プレーントロリ、84…ワイヤロープ、90…リフタ、91…リフタベース、92…リフタ本体、93…伸縮フレーム、95…センサ、100…制御装置、101…操作部、102…表示部、110…遮音壁、111…道路、112…H型支柱。