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特許7572222スイッチ装置、スイッチ配設構造、スイッチ装置を備えた電動式開閉装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】スイッチ装置、スイッチ配設構造、スイッチ装置を備えた電動式開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/74 20150101AFI20241016BHJP
   E05F 15/643 20150101ALI20241016BHJP
【FI】
E05F15/74
E05F15/643
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020196893
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085284
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】森藤 広喜
(72)【発明者】
【氏名】松原 可菜子
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-062948(JP,A)
【文献】特開2008-175441(JP,A)
【文献】実開平06-012657(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備え、送受信される伝送波が変化したことを検知してスイッチ起動がなされるスイッチ装置において、
前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、前記検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、
ブラケットは先端側ほど幅狭な三角形状をして突出形成され、送受信器は該ブラケットの先端部に設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備え、送受信される伝送波が変化したことを検知してスイッチ起動がなされるスイッチ装置において、
前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、前記検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、
一対のブラケットの対向間隔は、平均体格の大人が開いた手の甲幅よりも狭いが、開いた手の甲厚よりは広いものに設定されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
伝送波は光であり、送受信器は投受光器であり、送受信される伝送波の変化は投受光される光軸の遮断であることを特徴とする請求項1または2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備え、送受信される伝送波が変化したことを検知してスイッチ起動がなされるスイッチ装置において、
前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、前記検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、
伝送波は光であり、送受信器は投受光器であり、送受信される伝送波の変化は投受光される光軸の遮断であり、
一対のブラケットは、投受光器による光の投受光方向が上下方向になるよう上下に対向して配され、
投光器が下側ブラケットに設けられ、受光器が上側ブラケットに設けられていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
送受信器は、取り付け面から突出するブラケットに設けられることで、遮断物がブラケット間に侵入して伝送波を変化させることを、ブラケットが取り付けられる取り付け面に沿う方向を越えた取り付け面側からの侵入でも許容されるよう構成していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のスイッチ装置。
【請求項6】
使用者が座して用便する便座が設けられたトイレブースの出入り口の開閉のため左右移動するように設けられるドア体の開閉駆動を電動式の開閉機を用いて行い、該開閉機の起動を行うため部屋内に配されるスイッチ装置を、空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備えて構成してなるトイレブース用電動式開閉装置において、
前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、
前記ブラケットは、便座に坐する平均体格の大人が手を伸ばしたときに該手が到達しない部位に設けられていることを特徴とするトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造
【請求項7】
前記ブラケットは、出入り口の左右方向一側方に配される部屋内側面に設けられることを特徴とする請求項6記載のトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造
【請求項8】
手が到達しない部位は、便座に対して出入り口側上方の左右方向何れか一方のトイレブース内側面であることを特徴とする請求項6または7記載のトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造
【請求項9】
ドア体は、平面視で円弧形状をし、戸尻側部位がトイレブース内の左右方向一方側に入り込むよう設けられた円弧状のガイドレールに案内されて開閉移動するものであり、
スイッチ装置用のブラケットはトイレブース内の左右方向他方の内側面に設けられることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1記載のトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造
【請求項10】
部屋の出入り口の開閉のため左右移動するように設けられるドア体の開閉駆動を電動式の開閉機を用いて行い、該開閉機の起動を、前記請求項3または4記載のスイッチ装置を部屋内に配して行うにあたり、
前記スイッチ装置の起動を受けて開閉機の開閉駆動制御をするための制御部が備えられ、
該制御部は、ドア体の開閉状態を判別する開閉判別手段と、前記投受光器の光軸が遮断された場合に、該遮断された時間を認識する遮断時間認識手段と、遮断時間が予め設定される時間に達した場合に、開閉機に対して開閉判別手段の判別に基づいて対応する開閉駆動指令を出力する開閉駆動手段とを備え、
該開閉駆動手段は、ドア体を開放するための遮断時間を、ドア体を閉鎖するための遮断時間よりも長い時間に設定されていることを特徴とするスイッチ装置を備えた電動式開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトイレブース、シャワーブースや更衣室、さらには小型のシェアオフィス等として用いられるブース(部屋)の出入り口を電動式で開閉する等のため設けられる非接触型のスイッチ装置、該スイッチ装置の配設構造、該スイッチ装置を備えた電動式開閉装置の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、駅構内やデパート(店舗)、オフィス、学校等の不特定の人が利用する建物に設けられるトイレブース等のブースのなかには、出入り口の開閉をするドア体を電動式にして開閉駆動するようにしたものがある。そしてこのようなブースでは、ブースに入った使用者がドア体の閉鎖、開放の作動をさせるときに、ブース内に設けたスイッチ装置の起動操作をすることになる。
このようなスイッチ装置として押しボタン式等の接触型のものがあるが、該接触型とした場合に、スイッチ装置は前回の使用者が接触したものであることが前提となり、このため次回の使用者にとって、衛生的観点から直接手で触ってスイッチ操作することが躊躇される。
そこでこのような場合に、直接接触する必要がない非接触型のスイッチ装置とすることが提唱されている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-12657号公報
【文献】特許第4915657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来の非接触型のスイッチ装置は、何れも人や物等がスイッチ装置に近接したことを検知判断する近接型のセンサーを使用したものであるため、使用しない人等が近接した場合でも起動してしまうという問題がある。そして例えばこのようなスイッチ装置をトイレブース内に設けた場合、トイレブース内に入った使用者の体や荷物等がスイッチ装置に不用意に近接しただけでスイッチ起動することになってドア体が開閉作動をしてしまうという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備え、送受信される伝送波が変化したことを検知してスイッチ起動がなされるスイッチ装置において、前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、前記検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、ブラケットは先端側ほど幅狭な三角形状をして突出形成され、送受信器は該ブラケットの先端部に設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項2の発明は、空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備え、送受信される伝送波が変化したことを検知してスイッチ起動がなされるスイッチ装置において、前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、前記検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、一対のブラケットの対向間隔は、平均体格の大人が開いた手の甲幅よりも狭いが、開いた手の甲厚よりは広いものに設定されていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項3の発明は、伝送波は光であり、送受信器は投受光器であり、送受信される伝送波の変化は投受光される光軸の遮断であることを特徴とする請求項1または2記載のスイッチ装置である。
請求項4の発明は、空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備え、送受信される伝送波が変化したことを検知してスイッチ起動がなされるスイッチ装置において、前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、前記検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、伝送波は光であり、送受信器は投受光器であり、送受信される伝送波の変化は投受光される光軸の遮断であり、一対のブラケットは、投受光器による光の投受光方向が上下方向になるよう上下に対向して配され、投光器が下側ブラケットに設けられ、受光器が上側ブラケットに設けられていることを特徴とするスイッチ装置である。
請求項5の発明は、送受信器は、取り付け面から突出するブラケットに設けられることで、遮断物がブラケット間に侵入して伝送波を変化させることを、ブラケットが取り付けられる取り付け面に沿う方向を越えた取り付け面側からの侵入でも許容されるよう構成していることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1記載のスイッチ装置である。
請求項6の発明は、使用者が座して用便する便座が設けられたトイレブースの出入り口の開閉のため左右移動するように設けられるドア体の開閉駆動を電動式の開閉機を用いて行い、該開閉機の起動を行うため部屋内に配されるスイッチ装置を、空中伝送する伝送波の送受信をする送受信器を備えて構成してなるトイレブース用電動式開閉装置において、前記送受信器を、躯体側の取り付け面から突出する状態で該取り付け面に取り付けられる一対のブラケットに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けることで、検知される伝送波の変化を、ブラケット間に遮断物が非接触状態で侵入することで行う構成にするにあたり、前記ブラケットは、便座に坐する平均体格の大人が手を伸ばしたときに該手が到達しない部位に設けられていることを特徴とするトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造である
請求項7の発明は、前記ブラケットは、出入り口の左右方向一側方に配される部屋内側面に設けられることを特徴とする請求項6記載のトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造である
請求項8の発明は、手が到達しない部位は、便座に対して出入り口側上方の左右方向何れか一方のトイレブース内側面であることを特徴とする請求項6または7記載のトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造である
請求項9の発明は、ドア体は、平面視で円弧形状をし、戸尻側部位がトイレブース内の左右方向一方側に入り込むよう設けられた円弧状のガイドレールに案内されて開閉移動するものであり、スイッチ装置用のブラケットはトイレブース内の左右方向他方の内側面に設けられることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1記載のトイレブース用電動式開閉装置におけるスイッチ装置の配設構造である
請求項10の発明は、部屋の出入り口の開閉のため左右移動するように設けられるドア体の開閉駆動を電動式の開閉機を用いて行い、該開閉機の起動を、前記請求項3または4記載のスイッチ装置を部屋内に配して行うにあたり、前記スイッチ装置の起動を受けて開閉機の開閉駆動制御をするための制御部が備えられ、該制御部は、ドア体の開閉状態を判別する開閉判別手段と、前記投受光器の光軸が遮断された場合に、該遮断された時間を認識する遮断時間認識手段と、遮断時間が予め設定される時間に達した場合に、開閉機に対して開閉判別手段の判別に基づいて対応する開閉駆動指令を出力する開閉駆動手段とを備え、該開閉駆動手段は、ドア体を開放するための遮断時間を、ドア体を閉鎖するための遮断時間よりも長い時間に設定されていることを特徴とするスイッチ装置を備えた電動式開閉装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、空中伝送波用の送受信器を備えた非接触型のスイッチ装置を、遮断物がブラケット間に侵入すること等により送受信される伝送波に変化があったことを検知してスイッチ起動されことになって、人等が近接したことによる誤検知を回避して操作者が意識した非接触での確実なスイッチ作動ができることになる。しかも送受信器が設けられるブラケットが、先端側ほど幅狭な三角形状をしているため、ブラケットに手提げ等の荷物を掛けた場合に、該荷物がブラケット先端側に移動してブラケットから外れることを誘導できる結果、使用者がブラケットに荷物を掛けることによるスイッチ装置の誤作動を効果的に回避できることになる。
請求項2の発明とすることにより、空中伝送波用の送受信器を備えた非接触型のスイッチ装置を、遮断物がブラケット間に侵入すること等により送受信される伝送波に変化があったことを検知してスイッチ起動されことになって、人等が近接したことによる誤検知を回避して操作者が意識した非接触での確実なスイッチ作動ができることになる。しかもブラケット間の対向間隔が、平均体格の大人が開いた手の甲幅よりは狭いため、使用者が躓いたりしたときに不用意に開いた手がスイッチ装置に掛かったときに、該手がブラケット間に入ることを効果的に回避しながら、甲厚よりも広いためブラケット間に手を入れる意図したスイッチ操作が邪魔されることがなく操作性が向上する。
請求項3の発明とすることにより、空中伝送波用の送受信器が、光の投受光をする投受光器でよく、しかも投受光される光軸の遮断でスイッチ起動なされるものでよいことになってスイッチ装置を汎用性が高く安価に構成できることになる。
請求項4の発明とすることにより、空中伝送波用の送受信器を備えた非接触型のスイッチ装置を、遮断物がブラケット間に侵入すること等により送受信される伝送波に変化があったことを検知してスイッチ起動されことになって、人等が近接したことによる誤検知を回避して操作者が意識した非接触での確実なスイッチ作動ができることになる。しかもブラケットが、空中伝送波の送受信方向が縦向きとなるよう上下に対向配設されるため、使用者が躓いたりしたときにブラケットに手を掛けたときに、該掛けた手が伝送波を不用意に変化させてしまうことを効果的に回避できるうえ、上側のブラケットに手提げや衣服(例えば上着やコート)等の荷物を掛けたときに、該荷物が伝送波の変化してしまうことも有効に回避できることになってスイッチ操作の操作性が向上する。そのうえ、空中伝送波用の送受信機が、光の投受光をする投受光器で良く、しかも投受光される光軸の遮断でスイッチ起動なされるもので良いことになってスイッチ装置を汎用性が高く安価に構成できることになる。さらに受光器が上側ブラケットに設けられているため、投受光器が可視光線を利用したものである場合に天井の照明器具による影響を可及的に回避できることになる。
請求項5の発明とすることにより、空中伝送波である光を変化させることが、スイッチ装置が取り付けられる正面側からだけでなく、ブラケットが取り付けられる取り付け面に沿う方向からもできることになって操作性が向上する。
請求項6の発明とすることにより、空中伝送波用の送受信器を備えた非接触型のスイッチ装置を、遮断物がブラケット間に侵入すること等により送受信される伝送波に変化があったことを検知してスイッチ起動されことになって、人等が近接したことによる誤検知を回避して操作者が意識した非接触での確実なスイッチ作動ができることになる。そのうえスイッチ装置が、部屋の出入り口を開閉するドア体駆動用の開閉機の起動に用いたものである場合に、光軸を遮断することによる非接触型のものである結果、物体が近接したことによりスイッチ起動がなされるような誤作動をなくし、使用者が意識してブラケット間に手を入れることに基づく出入り口の意識的な開閉ができることになる。しかもスイッチ装置がトイレブースに設けられたものである場合に、スイッチ装置が便座に坐した使用者が手を伸ばした時に届かない部位に配されている結果、トイレ使用中に誤ってドア体が開放してしまうことを効果的に回避できることになる。
請求項7の発明とすることにより、スイッチ装置が、部屋の出入り口を開閉するドア体駆動用の開閉機の起動に用いたものである場合に、光軸を遮断することによる非接触型のものである結果、物体が近接したことによりスイッチ起動がなされるような誤作動をなくし、使用者が意識してブラケット間に手を入れることに基づく出入り口の意識的な開閉ができることになる。
請求項8の発明とすることにより、スイッチ装置が便座に坐した使用者が手を伸ばした時に届かない部位が、出入り口側上方の左右方向一方側であるため、使用者がドア体を開けようとしたときに意識的に手を伸ばす側上方位置となるため、使用者の意識した操作によりスイッチ作動がなされることになって誤作動防止が図れることになる。
請求項9の発明とすることにより、スイッチ装置が、ドア体が円弧状となったトイレブース内に設けられたものであるときに、ドア体が開放したときにトイレブース内に移動する左右方向一方側ではなく、戸先側となる他方側に配されたものになるため、スイッチ装置がドア体に隠れてしまうようなことがなく、常に視認される他方側位置に配されたものとなって操作性が損なわれることがない。
請求項10の発明とすることにより、使用者が部屋に入ったときにドア体を閉鎖すべくスイッチ起動させるため光源を遮断する時間に対して、ドア体を開放するときの光源遮断時間の方が長いものに設定されている結果、ドア体の閉鎖作動が迅速になされたものにしながら、ドア体の開放は、使用者が意識した長い光源遮断操作が要求されることになって、誤作動による開放を効果的に防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】トイレブースの正面図である。
図2】トイレブースのドア体が閉鎖姿勢になった状態の平面図である。
図3】トイレブースのドア体が開放姿勢になった状態の平面図である。
図4】トイレブースの戸尻側縦断面側面図である。
図5】トイレブースの戸先側縦断面側面図である。
図6】(A)(B)はベース板の正面図、取り付け状態を示す側面図である。
図7】スイッチ装置部位の正面図である。
図8】スイッチ装置部位の断面側面図である。
図9】(A)(B)(C)(D)(E)はブラケットの正面図、平面図、側面図、断面図、斜視図である。
図10】制御システムのブロック回路図である。
図11】開閉制御システムのフローチャート図である。
図12】スイッチ装置への遮断物の侵入方向を示す平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はトイレ用のブースであって、該ブース1は、出入り口(開口部)Eを形成すべく前面(正面)に左右間隙を存する状態で設けられる前面(正面)パネル体2と、奥行きの壁面Wから前面パネル体2に先端部(前端部)が突き当たるようにして設けられる側面(奥行き)パネル体3とを備えて構成されることで、左右に隣接する状態で複数のものが区画形成されていること等は何れも従来通りである。因みにこのようなブース1としては、側面パネルの一方または両方を壁W等の躯体面として構成する場合もあり、これらは必要において適宜実施されるものである。尚、Tはブース1内に設けられ、使用者が出入り口E側を向いた姿勢で座して使用する大小便用の便座(便器)、Pは出入り口Eの上側部位を覆蓋するためのカバー体である。
【0009】
4は平面視で円弧形状をしたドア体(戸体、扉体)であって、該ドア体4の左右上端縁部には連結金具5aを介してハンガーローラ(吊りローラ)5が設けられている。そしてドア体4は、ハンガーローラ5がブース1の上方部位に設けた円弧状のガイドレール(ハンガーレール、案内レール)6に転動案内されることで左右スライド移動して出入り口Eの開閉をするハンガー式のものとなっている。
この場合にガイドレール6は、前記ドア体4の円弧形状に対応して円弧状の移動軌跡になるよう構成されたものであって、ブース1の上方において、戸先側となる前面パネル体2部位から、出入り口E部位、戸尻側となる前面パネル体2部位を越え、戸尻側(左右方向一方側)の側面パネル体3の内側面に沿う状態でブース1内に入り込むよう形成されている。因みにガイドレール6は、本実施の形態では前面パネル体2、側面パネル体3の上端部に図示しない支持ブラケットを介して複数個所が取り付け支持されることで躯体側に設けられた構成になっている。
【0010】
そしてこのように構成されることにより、ドア体4は、ハンガーローラ5がガイドレール6に案内されて転動することにより円弧軌跡に沿って左右方向にスライド移動することで、戸先側端縁部4aが戸先側前面パネル体2に設けた戸当り2aに当接して前記出入り口Eを閉鎖する閉鎖姿勢と、戸尻側前面パネル体2側部位に位置していて出入り口Eを開放(開口)する開放姿勢とに変姿できるようになっており、しかもこのものでは、ドア体4が開放姿勢になったときに、ブース1内に侵入しているドア板4の戸尻側端縁部4bと便座Tの前端縁部とは、便座Tに坐した使用者があいだに挟まれないよう適宜の間隔X(例えば300mm以上)を存したものになるよう設定されている。
【0011】
またこのものでは、ガイドレール6の戸尻側部位と天井面Hとのあいだに、ドア体4を電動で開閉駆動せしめるための開閉機7と、該開閉機7の駆動制御をするための制御部8とが配されたものになっている。前記開閉機7に設けられる出力用のスプロケット(輪体)7aには、長尺状の伝動ベルト(伝動体)9の中間部位が掛けられているが、該伝動ベルト9は、ドア体4の上端縁部に設けたガイド体10の円弧外周側面に当接する状態で配されたものであって、左右両端縁部が、ガイド体10の戸先側、戸尻側の各端縁部に設けた支持部材10aを介してガイド体10に取り付け支持されている。そして後述するように制御部8からの駆動指令に基づき開閉機7が正逆駆動してスプロケット7aが回転することにより伝動ベルト9が左右方向に移動することになり、これによってドア体4の出入り口Eに対する開閉移動がなされる構成になっている。
【0012】
11は戸先側の側面パネル体3のブース内側面に取り付けられる非接触型のスイッチ装置であって、該スイッチ装置11は、側面パネル体3の内側面(室内側面)に当てがわれる縦長平板状(長方形状)のベース材12と、該ベース材12に上下に間隔Zを存して対向配設される一対のブラケット13と、該各ブラケット13に設けられる投受光器14、14aとを備えて構成されるものであって、スイッチ装置11は、本実施の形態においては、戸先側の側面パネル体3の出入り口Eに近接した内側面部位に配されている。
そして本実施の形態において投受光器14、14aは、光源として可視領域の光線(可視光線)ではなく可視領域外の赤外線を採用しているが、投光器14が上方に向けて投光するよう下側のブラケット13に設けられ、受光器14aが下側からの光を受光するよう上側のブラケット13に設けられたものとなっており、この様に構成することで、赤外線を光源としたものにおいて、受光器14aが受光する感度(精度)について、天井に設けられる照明等の上方から照射される光による影響を可及的に受けることがないよう配慮されている。
【0013】
さらにスイッチ装置11は、前記戸先側の側面パネル体3の出入り口Eに近接した内側面部位に配設されることになるが、この配設位置は、具体的には前記便座Tに出入り口E部位側を向いて坐した状態の平均体格の大人の使用者が手を伸ばした時に、該手が到達しない(届かない)部位であり、例えば便座Tの前端縁からの距離Yが650mm以上前方(出入り口E側)部位で、かつ床面Fからの高さUが1200mm以上となった部位に配されたものとなっており、このようにすることで、便座Tに坐している使用者が差し出した手がブラケット13間に入り込むことで、スイッチ装置11の不用意なスイッチ起動がなされないよう配慮されている。
尚、本実施の形態においては、空中伝送波として光線の一つである赤外線を選択し、投受光器14、14aによる投受光の光軸を遮断することでスイッチ検知をするものとしたが、これに限定されないものであることは勿論であって、空中伝送波が光線である場合、該光線としては、赤外線に限定されず、可視光線、赤外線と同じく可視領域外の遠赤外線、さらにはレーザー光線等の空中を伝送する適宜の伝送波としての光線(光源)を採用することができ、また光線以外の空中伝送波として、音波(超音波を含む)、マイクロ波等の通常知られた伝送波であってもよいことは勿論である。
そして空中伝送波が、本実施の形態の赤外線であるような場合に、投受光器14、14aとなる送受信器としては、送信器(投光器14)から送信(投光)された伝送波(光線)を、対向側に設けた受信器(受光器14a)で直接受光するものとしているが、本発明はこのような投受光型のものに限定されないものであって、送受信器を一対のブラケットに設ける構成として、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態で設けられたものであれば、各ブラケットに送信器、受信器を設けたものに限定されず、送受信器を、同じブラケット13に配したものであって、送信器から送信された伝送波が対向配設したブラケット13に当たって反射するものとし、そして該反射した反射波(反射光)を受信器で受信する構成にし、反射波の受信がなかったり、反射波が遮断物に当たったことにより乱れたり反射時間が異なったりする等の変化を検知してスイッチ起動する反射型のものであっても本発明を実施することができる。
因みに、検知範囲が互いに対向するブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる状態とは、例えば伝送波を音波やマイクロ波のようなものとし、受信器が反射した伝送波を受信することを検知するものである場合、ブラケットの外周縁間を結ぶ軌跡の外から反射した伝送波の受信は含まないことを意味し、この場合の含まないことの判別は、送信してから受信するまでの時間の計測で反射物位置の遠近距離の認識をすることでできることは公知である。
【0014】
そして前記スイッチ装置11を構成するベース材12は、ビス12aを介して側面パネル体3に取り付けられる。また上下のブラケット13は、平面視で頂点が円弧形状に面取りされた二等辺の三角柱形状に構成され、二等辺三角形の底辺に相当する底片部13aを、前記側面パネル体3に取り付けられた状態のベース材12に当接した状態で、二等辺に相当する側片部13bから螺入したビス13cを介してベース材12に取り付けられることになり、これによってブラケット13は、側面パネル体3の内側面からブース1の左右方向内側に向けて突出する状態で取り付けられる。
このようにブラケット13が、先端側ほど幅狭になる三角形状(先鋭形状)に形成されていることで、ブラケット13に手提げ等の荷物を掛けたときに、該掛けた荷物の先端側への移動を誘発して荷物を掛けずらいものとし、これによって使用者がブラケット13に荷物を掛けることを諦めさせることができるよう配慮している。
このような配慮効果をさらに高めるため、ブラケット13の上面を、先端側ほど低位になるよう傾斜状にすることもできる。
【0015】
さらに前記上下のブラケット13は、互いに対向するブラケット13の上下対向面同士の対向間隔Zが、前記平均体格の大人が開いた手の甲の幅よりは小さいが該開いた手の甲の厚さよりは広い間隔(例えば70mm)に設定されている。そしてこのように対向間隔Zが設定されていることで、ブース1内にいる使用者が躓く等して思わず開いた手をブラケット13部位に突いたとき、該開いた手が上下ブラケット13のあいだに入り込んでスイッチ起動することを効果的に回避できるように配慮されているが、該対向間隔Zは、開いた手の甲厚よりは大きい設定になっているため、使用者がスイッチ起動をさせるため意図して上下ブラケット13のあいだに手を差し込むことを阻害することがないように配慮されたものになっている。
【0016】
しかもこのように構成されるスイッチ装置11の投受光器14、14aは、ブラケット13の先端部位に互いに対向するよう設けられたものになっており、この様に取り付けられることで、投光器14から受光器14aに至る光軸Lは上下ブラケット13の外周縁部を結ぶ軌跡内に納まる(軌跡からはみ出ない)設定になっており、そしてこの光軸Lを手で遮断することで手が遮断物となってスイッチ起動がなされる設定になっている。
そしてこのような光軸Lの遮断は、手を上下ブラケット13の対向間の間隙Zに挿入することでもなされるが、投受光器14、14aは、前記突出するブラケット13の先端部位に設けられていることにより、側面パネル体3の内側面から然るべき突出部位に設定(側面パネル体3の内側面から光軸Lの軸心までの距離を例えば45mmに設定)したものになっているため、前記上下ブラケット13の対向間に手を挿入して光軸Lの遮断をする場合に、該挿入した手をベース材12に当接するまで深く挿入する必要はなく、ベース材12に当接することがない途中までの挿入でスイッチ起動ができるように配慮された非接触型のものとなっている。
【0017】
そのうえ前記上下ブラケット13の対向間への手等の遮断物の挿入方向は、ブラケット13が側面パネル体3から突出する左右方向側(ブラケット13の突出方向正面側)からだけでなく、図12に示すよう平面視したときに、ブラケット13が取り付けられる側面パネル体3の内側面に沿う180度の角度を越え、前記側面パネル体3に偏倚した側からの挿入も可能となった広角度の方向からの挿入が許容されることになり、これにより広角方向からのスイッチ起動操作ができるよう配慮されている。さらにこの場合、前記広角度域からの遮断物の挿入は、水平方向だけでなく上下傾斜する方向からの立体的な挿入も許容されることになって高い操作性が発揮されることになる。
尚、本実施の形態において、ベース材12の上下ブラケット13間のスペース、およびベース材12の前後方向側方には、スイッチ操作や注意事項等の必要事項を記載したシール17、18が貼付されていて、使用者に注意喚起をするように配慮されている。
【0018】
次に、開閉機7の制御部8による駆動制御について説明する。図10のブロック回路図に示すように、制御部8には、入力側として前記スイッチ装置11の他に、全開検知センサ15、全閉検知センサ16が接続され、出力側として開閉機7が接続されるが、全閉、全開検知センサ15、16は、本実施の形態のものは開閉機7に内装されたエンコーダ方式のものが採用されており、スプロケット7aを回転するための駆動軸(図示せず)の回転量に基づきドア体4が全閉姿勢、全開姿勢になったことの判断ができるようにしたものである。そしてこのような全閉、全開検知センサ15、16としては、エンコーダ方式のものに限定されないことは勿論であって、例えばドア体4が全閉姿勢、全開姿勢になった状態をリミットスイッチで検知する等の位置検知、ドア体4が全閉姿勢、全開姿勢になってドア体4が移動規制を受けたときに増大する開閉機7の負荷検知、さらには開閉機7に設けられる電動モータをサーボモータ等のパルス制御による駆動制御としたときに、該駆動制御において実行される駆動位置検知に基づいて全閉姿勢、全開姿勢の位置検知ができるようにしたもの等、各種の開閉位置検知手段とすることができ、このようなことは必要において適宜選択できるものである。
【0019】
前記制御部8は、電源投入時等の初期設定がなされた状態で、図11に示すように、ドア体4の開閉制御システム(開閉制御ルーチン)が実行されることになるが、このものではまず、制御部8において、全開検知センサ15、全閉検知センサ16からの信号に基づきドア体4が全閉姿勢であるか全開姿勢であるかの判別がなされ(S1)、ドア体4が全開姿勢であると判別された場合、スイッチ装置11が予め設定される第一所定時間(例えば1秒間)T1のあいだ継続してONになったか(光軸が遮断されたか)の判断(認識)がなされる(S2)。そして第一所定時間のあいだスイッチ操作11がON(光軸Lの遮断)であったと判断された場合、開閉機7に対して閉鎖指令を出力し(S3)、全閉検知スイッチ16によりドア体4が全閉姿勢になったと判断された場合(S4)、開閉機7の駆動停止指令を出力すると共に、タイマの始動をする(S5)。
【0020】
これに対し、ドア体4が全開姿勢でないと判別された場合、ドア体4は全閉姿勢であり、この場合には、前記タイマの予め設定されるタイマ時間(例えば30分)Tが経過したか(S6)の判断がなされ、経過したと判断された場合、開閉機7に対して開放指令を出力し(S7)、ドア体4が全開になったと判断された場合(S8)、開閉機7の駆動停止(S9)をしてリターンする。因みにタイマ時間Tを経過したと判断された場合にはドア体4の閉鎖状態が通常使用に対して長すぎる異常と判断し、管理室に通知したり警報を鳴らす等の異常対応を併せて実行することができる。
また前記タイマ時間Tの経過判断(S6)において、経過していない(タイマ時間T内である)と判断された場合に、スイッチ装置が第二所定時間(例えば2秒間)T2のあいだ、継続してONになったかの判断(認識)がなされ(S10)、ONになったと判断された場合、前記開閉機7に開放駆動指令を出力する制御(S7)に移行する設定になっており、このようにしてドア体4の開閉駆動制御が実行される。
尚、本実施の形態に記載した前記ドア体4の開閉制御システムは、ドア体4が正常に開閉作動している平常状態時の制御システムの一例について簡便に記載したものであって、初期設定時、ドア体4が途中で停止した場合のような異常時、故障時等、ドア体4の開閉を電動で行う場合において必要な各種の制御システムについての説明は本発明と直接関係がないので省略する。
【0021】
叙述の如く構成された本実施の形態において、トイレブース1に設けたドア体4の電動開閉をするため設けられるスイッチ装置11を、投受光器14、14a間に走査する光軸Lを手等の遮断物により遮断することでスイッチ起動がなされる非接触型のものとしている結果、手等の遮断物による光軸Lの遮断が、一対のブラケット13の外周縁間を結ぶ軌跡内に納まる範囲、つまりブラケット13からはみ出ることがない範囲でなされることになって、人や荷物等が近接したことを受けてスイッチ起動するような誤検知を回避して操作者が意識した非接触での確実なスイッチ作動ができることになる。
しかもこの場合に投受光器14、14aは、側面パネル体3から突出するブラケット13に設けられているため、手等の遮断物がブラケット13間に侵入して光軸Lの遮断することを、側面パネル体3のブラケット13が取り付けられる内側面に沿う180度以上の方向から侵入することでできることになって、操作性が優れたものになる。
【0022】
さらに前記一対のブラケット13の対向間隔Zが70mmと、平均体格の大人が開いた手の甲幅よりも狭いが、開いた手の甲厚よりは広い間隔に設定されているため、ブース1内の使用者が躓いたりしたときに不用意に開いた手がスイッチ装置11に掛かったときに、該手がブラケット13間に入ってスイッチ起動をしてしまうことを効果的に回避できる一方で、該間隔Zは甲厚よりも広いものであるためブラケット13間に手を入れる意図したスイッチ操作の邪魔になることもなく操作性の優れたものとなる。
そしてこの場合に一対のブラケット13は、光軸Lが縦向きとなるよう上下に対向して配されているため、使用者が躓いたりしたときにブラケットに手を掛ける場合に、上側のブラケット13に手を掛けることになり、この結果、該掛けた手が光軸を遮断してしまうことをさらに効果的に回避できることになるだけでなく、使用者が手提げや衣服等の荷物を上側のブラケット13にかけたとき、該荷物が光軸Lを遮蔽することを有効に回避できることになってスイッチ作動の確実化を向上できる。しかもこのものでは、投光器14が下側ブラケット13に設けられ、受光器14aが上側ブラケット13に設けられたものであるため、投受光器が光源を可視光線としたものである場合に天井の照明器具による影響を可及的に回避できることになる。
【0023】
また、投受光器14、14aが設けられるブラケットは、先端側ほど幅狭な三角形状をする状態で突出形成されているため、ブラケットに手提げ等の荷物を掛けた場合に、該荷物がブラケット先端側に移動してブラケットから外れることを誘導できることになって使用者がブラケットに荷物を掛けることによるスイッチ装置の誤作動を効果的に回避できることになる。
【0024】
そしてこのように構成されるスイッチ装置11は、光軸Lを遮断することによる非接触型のものが、ブース1の出入り口Eの開閉のため左右移動するように設けられるドア体4を電動駆動させるための開閉機7の起動を行うべく出入り口Eの戸先側の側面パネル体3に設けられている結果、人や荷物等の物体がスイッチ装置11に近接したことによりスイッチ起動がなされるような誤作動がなく、使用者が意識してブラケット13間に手等の遮断物を入れるという使用者が意識した操作でスイッチ起動をなしてのドア体4の開閉ができることになる。
【0025】
しかもこのものが、使用者が座して用便する便座Tが設けられたトイレブース1であった場合に、スイッチ装置11を構成部材となるブラケット13は、便座Tに坐する平均体格の大人が手を伸ばしたときに該手が到達しない部位に設けられているため、便座Tに坐する使用者が誤ってブラケット13間に手を差し入れてドア体4が開放してしまうことを回避できることになる。
そしてこの場合にスイッチ装置14が設けられる部位が、戸先側の側面パネル体3の内側面であって、使用者がドア体4を開けようとしたときに意識的に手を伸ばす側となるため、スイッチ操作をするべく自然に伸ばした手によるスイッチ作動がなされることになって操作性に優れ、誤作動防止が図れることになる。
しかもドア体4は、平面視で円弧形状をし、戸尻側部位がトイレブース内の左右方向一方側に入り込むよう設けられた円弧状のガイドレールに案内されて開閉移動するものであり、そしてスイッチ装置11用のブラケット13は戸先側の側面パネル体3の内側面に設けられる結果、スイッチ装置11が開放しているドア体4に隠れてしまうようなことがなく、常に視認される戸先側に配されたものとなって操作性が損なわれることがない。
【0026】
またこのものでは、ドア体4の開閉駆動を電動式の開閉機7を用いて行い、該開閉機7の開閉のための制御駆動を行うにあたり、該制御をする制御部8は、投受光器14、14aの光軸Lが遮断されたことに基づいて開閉機7の駆動を行うことになるが、この場合に、全閉しているドア体4を開放するための光軸Lの遮断時間である第二所定時間T2を、ドア体4を閉鎖するための遮断時間である第一所定時間T1よりも長い時間(T1<T2)に設定しているため、ドア体4の閉鎖作動については迅速に行うことができるものにしながら、ドア体4の開放は、使用者が意識した長い光源遮断操作が要求されることになって、誤作動による不本意な開放を効果的に防止できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、トイレブース、シャワーブースや更衣室、さらには小型のシェアオフィス等として用いられるブース(部屋)の出入り口を電動式で開閉する等のため設けられる非接触型のスイッチ装置、該スイッチ装置の配設構造、該スイッチ装置を備えた電動式開閉装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 ブース
3 側面パネル体
4 ドア体
4a 戸先側端縁部
4b 戸尻側端縁部
6 ガイドレール
7 開閉機
8 制御部
11 スイッチ装置
12 ベース材
13 ブラケット
14 投光器
14a 受光器
15 全開検知センサ
16 全閉検知センサ
E 出入り口
L 光軸
T 便座
U スイッチ装置の床面からの高さ
X 便座と開放したドア体との間隔
Y 便座とスイッチ装置との距離
Z ブラケット間の間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12