(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20241016BHJP
G01L 3/10 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
F16K37/00 M
G01L3/10 311
(21)【出願番号】P 2020209304
(22)【出願日】2020-12-17
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 亮
(72)【発明者】
【氏名】成田 浩昭
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-288198(JP,A)
【文献】実開昭54-135977(JP,U)
【文献】特開2020-121611(JP,A)
【文献】特開2020-153407(JP,A)
【文献】特開2020-067295(JP,A)
【文献】特開昭53-131677(JP,A)
【文献】特開2013-015459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0182377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
G01L 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量制御弁として構成されたアクチュエータであって、
駆動源と、
前記駆動源を制御する制御部と、
前記駆動源及び前記制御部を収容している筐体と、
前記駆動源により駆動されて回転する駆動軸である第1シャフトと、
前記第1シャフトと同軸
で、前記第1シャフトの回転に従動して回転することで、菅内を流れる流体の流量を制御する弁体を回転させる従動軸である第2シャフトと、
前記第1シャフトと前記第2シャフトとが一体で回転するよう前記第1シャフトと前記第2シャフトとを連結するカップリングと、
前記カップリング
の表面に配置され、前記第2シャフトが前記第1シャフトに対して相対的に回転したときに前記表面に生じる歪みを検出するように構成された歪みゲージと、
前記歪みゲージにより検出された前記歪みに基づいて、前記弁体に加わる弁体トルクを導出するように構成されたトルク導出部と、を備え、
前記トルク導出部は、前記筐体の外に配置されている回路基板により構成され、
前記回路基板は、前記第1シャフト又は前記第2シャフトが通る貫通孔又は切り欠きを有し、前記カップリングに固定されている
アクチュエータ。
【請求項2】
前記カップリングは、前記第1シャフトの一端部が挿入される第1孔が開口する第1表面と、前記第2シャフトの一端部が挿入される第2孔が開口する前記第1
表面と反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とを繋ぐ第3表面と、を備え、
前記歪みゲージは、前記第3表面に配置されている、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記カップリングは、前記第1孔と前記第2孔とが連通する連通孔を有する筒形状であり、
前記第1シャフトの前記一端部と前記第2シャフトの前記一端部とは、前記連通孔内で離間しており、
前記歪みゲージは、前記第1シャフトの軸線方向において、前記第1シャフトの前記一端部と前記第2シャフトの前記一端部との間に配置されている、
請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記カップリングの前記歪みゲージの近傍の温度を検出するように構成された温度センサをさらに備え、
前記トルク導出部は、前記歪みと、前記温度センサにより検出された前記温度とに基づいて前記トルクを導出するように構成されている、
請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記制御部は、前記トルク導出部と有線で通信し、かつ、前記トルク導出部に有線で電力を供給するように構成されている、
請求項
1に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記制御部は、前記トルク導出部と無線で通信し、かつ、前記トルク導出部に無線で電力を供給するように構成されている、
請求
1に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関し、より具体的には、カップリングにより連結された複数のシャフトを有するアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
カップリングにより連結された第1シャフト及び第2シャフトを有するアクチュエータが知られている。このようなアクチュエータの例として、流量制御弁が挙げられる。流量制御弁は、モータにより回転させられる出力軸(第1シャフト)と、当該出力軸にカップリングにより連結された弁軸(第2シャフト)と、弁軸に接続され、管内を流れる流体の流量を制御する弁体と、を有する。このような流量制御弁は、弁体及び弁軸を出力軸に対して相対回転させる弁体トルクを検出するトルクセンサを備えることがある。
【0003】
他方、特許文献1には、回転軸に加わるトルクを回転軸に設けた起歪部及び歪みゲージにより検出する発明が開示されている。特許文献1には、当該発明により、負荷側との軸継手が不要との記載(段落0018)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記流量制御弁のようなトルクセンサを有するアクチュエータでは、第1シャフトと第2シャフトとの間にトルクセンサが配置され、トルクセンサと第1シャフト及び第2シャフトそれぞれとを連結する2つのカップリングが設けられることになる。しかしながら、このような構成では、アクチュエータの軸線方向の全長が長くなってしまうとの問題がある。ここで、上述のように、特許文献1には負荷側との軸継手が不要との記載があり、この記載によれば、回転軸の軸線方向における全長を短くし得るので、上記問題を解決し得る。しかし、特許文献1に記載の発明は、そもそも第1シャフト及び第2シャフトといった複数のシャフトを前提とした構造でないため、上記アクチュエータに適用することができない。
【0006】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、第2シャフトを第1シャフトに対して相対的に回転させるトルクを検出可能なアクチュエータの軸線方向の全長が長くなることを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るアクチュエータは、第1シャフトと、前記第1シャフトと同軸の第2シャフトと、前記第1シャフトと前記第2シャフトとが一体で回転するよう前記第1シャフトと前記第2シャフトとを連結するカップリングと、前記カップリングの前記表面に配置され、前記第2シャフトが前記第1シャフトに対して相対的に回転したときに前記表面に生じる歪みを検出するように構成された歪みゲージと、を備える。
【0008】
前記カップリングは、前記第1シャフトの一端部が挿入される第1孔が開口する第1表面と、前記第2シャフトの一端部が挿入される第2孔が開口する前記第1面と反対側の第2表面と、前記第1表面と前記第2表面とを繋ぐ第3表面と、を備え、前記歪みゲージは、前記第3表面に配置されている、ようにしてもよい。
【0009】
前記カップリングは、前記第1孔と前記第2孔とが連通する連通孔を有する筒形状であり、前記第1シャフトの前記一端部と前記第2シャフトの前記一端部とは、前記連通孔内で離間しており、前記歪みゲージは、前記第1シャフトの軸線方向において、前記第1シャフトの前記一端部と前記第2シャフトの前記一端部との間に配置されている、ようにしてもよい。
【0010】
前記アクチュエータは、前記歪みゲージにより検出された前記歪みに基づいて、前記第2シャフトに加わるトルクを導出するように構成されたトルク導出部をさらに備え、前記第1シャフトは、駆動源により駆動されて回転する駆動軸であり、前記第2シャフトは、前記第1シャフトの回転に従動して回転することで回転対象物を回転させる従動軸であり、前記トルクは、前記回転対象物への負荷により前記第2シャフトに加わる、ようにしてもよい。
【0011】
前記アクチュエータは流量制御弁であり、前記回転対象物は、菅内を流れる流体の流量を制御する弁体であり、前記第2シャフトに加わる前記トルクは、前記弁体に加わる弁体トルクである、ようにしてもよい。
【0012】
前記アクチュエータは、前記カップリングの前記歪みゲージの近傍の温度を検出するように構成された温度センサをさらに備え、前記トルク導出部は、前記歪みと、前記温度センサにより検出された前記温度とに基づいて前記トルクを導出するように構成されている、ようにしてもよい。
【0013】
前記アクチュエータは、前記駆動源と、前記駆動源を制御する制御部と、前記駆動源及び前記制御部を収容している筐体と、を備え、前記トルク導出部は、前記筐体の外に配置されている回路基板により構成されている、ようにしてもよい。
【0014】
前記回路基板は、前記第1シャフト又は前記第2シャフトが通る貫通孔又は切り欠きを有し、前記カップリングに固定されている、ようにしてもよい。
【0015】
前記制御部は、前記トルク導出部と有線で通信し、かつ、前記トルク導出部に有線で電力を供給するように構成されている、ようにしてもよい。
【0016】
前記制御部は、前記トルク導出部と無線で通信し、かつ、前記トルク導出部に無線で電力を供給するように構成されている、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第2シャフトと第1シャフトとを連結するカップリングの表面に歪みゲージを配置したので、トルクセンサを第2シャフトと第1シャフトとの間にカップリングとは別に設けるといったことが不要となっている。従って、本発明によれば、アクチュエータの軸線方向の全長が長くならない。さらに、本発明によれば、歪みゲージにより、第2シャフトが第1シャフトに対して相対的に回転したときにカップリングの表面に生じる歪みを検出する。この歪みは、第2シャフトを1シャフトに対して相対的に回転させるトルクによるものである。従って、前記の歪みを検出する歪みゲージは、第2シャフトを1シャフトに対して相対的に回転させるトルクを検出しているともいえる。以上の通り、本発明によれば、第2シャフトを第1シャフトに対して相対的に回転させるトルクを検出可能なアクチュエータの軸線方向の全長が長くなることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係るアクチュエータの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1のアクチュエータのカップリング付近の立面拡大図である。
【
図4】
図4は、
図1の第1制御部が実行するトルク導出処理のフローチャートである。
【
図5】
図5は、変形例に係るアクチュエータの一部の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、変形例に係るアクチュエータの一部の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、変形例に係るアクチュエータの一部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に係るアクチュエータ10について
図1から
図4を参照して説明する。本発明の実施の形態に係るアクチュエータ10は、空調システム等の設備において、配管を流れる冷温水の流量を制御する流量制御弁として構成されている。以下の説明では、
図1に示すように後述の第1シャフト43及び第2シャフト44が延びている方向を上下方向とし、後述の弁本体20側を下として説明する。この上下方向は実際の天地方向と一致しなくてもよい。
【0020】
図1に示すように、アクチュエータ10は、内部を流れる流体の流量を制御する弁本体20と、弁本体20を駆動する駆動装置30と、弁本体20に取り付けられ、駆動装置30を支持するヨーク90と、を備える。
【0021】
弁本体20は、流体が流れる流路21Aを形成している円筒状の管継手21と、当該管継手21の内部つまり流路21Aの途中に配置された弁体22と、を備える。弁体22は、駆動装置30により駆動されて回転する。弁体22は、回転することで流路21Aの開口面積を変化させることで、流路21Aを流れる流体の流量を制御する。
【0022】
駆動装置30は、弁体22を駆動する駆動機構40と、駆動機構40を制御する制御機構50と、弁体22に加わるトルクである弁体トルクを検出するトルク検出機構60と、を備える。駆動機構40の一部、及び、制御機構50は、駆動装置30の筐体31内に収容され、トルク検出機構60は、駆動機構40の構成部材であって筐体31の外側に配置された後述のカップリング45上に配置されている。
【0023】
弁体22を駆動する駆動機構40は、駆動源41、第1シャフト43、第2シャフト44、及び、カップリング45を備える。
【0024】
駆動源41は、第1シャフト43を駆動して回転させる機構であり、モータ41A及び減速機41Bを含んで構成されている。モータ41Aは、特定のモータに限定されず、例えば、DCモータ、ACモータ、ステッピングモータなどの各種の制御用モータであればよい。モータ41Aは、回転軸41AAを備える。モータ41Aは、制御機構50により制御され、回転軸41AAを回転させる。減速機41Bは、噛合された、歯数の異なる複数の歯車を含むギヤボックスなどの動力伝達機構からなる。減速機41Bは、モータ41Aの回転軸41AAの回転を、減速して第1シャフト43に伝達し、第1シャフト43を回転させる。
【0025】
第1シャフト43及び第2シャフト44は、棒形状を有する。第1シャフト43及び第2シャフト44は、同軸に配置され、これらの中心軸が同じ軸線上に位置している。第1シャフト43及び第2シャフト44は、カップリング45により連結されている。この連結により、第1シャフト43、カップリング45、及び、第2シャフト44は、一体で回転する。第2シャフト44の下端部には、弁本体20の弁体22が接続されている。モータ41Aが減速機41Bを介して第1シャフト43を回転させることで、この回転がカップリング45及び第2シャフト44を介して弁体22に伝わり、弁体22が回転する。従って、第1シャフト43は、駆動源41により駆動されて回転する駆動軸となっている。第2シャフト44は、第1シャフト43の回転に従動して回転することで回転対象物としての弁体22を回転させる従動軸となっている。弁体22の回転角度つまり弁開度は、モータ41Aの回転軸41AAの回転角度により調整される。
【0026】
ここで、第1シャフト43、第2シャフト44及びカップリング45の構造等を、
図2を参照して説明する。
【0027】
第1シャフト43には、減速機41Bを構成するギア41BAが固定されている。また、第1シャフト43は、筐体31の下部31AによりベアリングBを介して回転可能に支持されている。第1シャフト43の下端側の一部は、筐体31の外側に突き出ている。
【0028】
カップリング45は、第1孔45Aが開口した上面(第1表面)45B、第2孔45Cが開口した、上面45Bの反対側の下面(第2表面)45D、及び、上面45Bと下面45Dとをつなぐ側面(第3表面)45Eを備える。第1孔45Aと第2孔45Cとは、連通しており、連通孔45Gを構成している。従って、カップリング45は、連通孔45Gの内壁を内周壁とする円筒形状を有する。
【0029】
第1孔45Aには、第1シャフト43の下端部43Aが挿入された状態で、カップリング45に固定される。第2孔45Cには、第2シャフト44の上端部44Aが挿入された状態で、カップリング45に固定される。第1シャフト43の下端部43A及び第2シャフト44の上端部44Aは、連通孔45G内で間隔Dを空けてつまり離間して対向した状態で固定される。下端部43A及び上端部44Aの固定方法は任意である。例えば、下端部43A及び上端部44Aは、カップリング45に締結されることにより、第1孔45A又は第2孔45Cに固定される。例えば、下端部43A及び上端部44Aは、D形状の断面を有し、D形状の平面部が、円筒状のカップリング45を径方向に貫通する不図示のボルトにより押さえられることによりカップリング45に締結される。締結の方法は、任意であり、クランプ締結、面圧締結、又は、ピン締結などであってもよい。
【0030】
図1に示すように、制御機構50は、信号処理回路51と、電源回路52と、モータ駆動回路53と、回転位置センサ54と、第1制御部55と、を備えている。
【0031】
信号処理回路51は、上位装置UDと第1制御部55との通信を中継するために各種の信号を処理する。信号処理回路51には、上位装置UDから、弁体22の開度の目標値を示す開度目標信号が入力される。信号処理回路51は、入力された開度目標信号を処理して当該開度目標信号が示す前記目標値を抽出して第1制御部55に出力する。信号処理回路51は、さらに、第1制御部55から後述の警告情報が入力されたときに、当該警告情報を示す信号を生成して上位装置UDに送信する。
【0032】
電源回路52は、電源PSから供給される電力を、アクチュエータ10の各部を動作させるための電力に変換して出力する。特に、電源回路52は、電源PSからの電力を、モータ駆動回路53用の電力、及び、第1制御部55用の電力に変換し、変換後の電力を、モータ駆動回路53、及び、第1制御部55にそれぞれ供給する。
【0033】
モータ駆動回路53は、電源回路52からの電力により動作し、後述のように第1制御部55からの制御信号に基づいてモータ41Aを駆動する。
【0034】
回転位置センサ54は、減速機41Bに取り付けられ、第1シャフト43の回転角度を検出し、検出した回転角度を第1制御部55に出力する。回転位置センサ54は、回転角度を検出可能なセンサであればどのようなセンサでもよい。このようなセンサとして、例えば、円形差動トランス型角度センサ、磁気抵抗型角度センサ、ポテンショメータ、インクリメンタルエンコーダ、アブソリュートエンコーダなどが挙げられる。
【0035】
第1制御部55は、マイクロコンピュータ等の各種のコンピュータにより構成されており、アクチュエータ10全体を制御する。第1制御部55は、電源回路52からの電力により動作し、モータ駆動回路53に制御信号を供給することで、モータ駆動回路53によるモータ41Aの駆動を制御する。第1制御部55は、信号処理回路51から供給される弁体22の開度の目標値と、回転位置センサ54から供給される第1シャフト43の回動角度とに基づいて、第1シャフト43の回転角度を前記の目標値に対応する回転角度に近づける制御信号をモータ駆動回路53に供給する。モータ駆動回路53は、当該制御信号に従ってモータ41Aを駆動する。第1制御部55は、このようなフィードバック制御によりモータ41Aを制御し、弁体22の開度が上位装置UDから供給される目標値となるよう第1シャフト43の回転角度を制御する。
【0036】
第1制御部55は、さらに、トルク検出機構60に電力を供給するとともに、トルク検出機構60から後述の弁体トルクのトルク値を取得する。第1制御部55は、取得した弁体トルクのトルク値が所定の閾値を超えたときなどに所定の動作をする。この点については、トルク検出機構60を説明してから詳述する。
【0037】
図1に示すように、弁体22に加わる弁体トルクを検出するトルク検出機構60は、歪みゲージ61と、温度センサ62と、アナログ処理回路63と、第2制御部64と、を備える。アナログ処理回路63と第2制御部64とは、
図2及び
図3に示す回路基板65により構成されている。第2制御部64は、回路基板65に実装されているマイクロコンピュータ等から構成されている。なお、
図2及び
図3では、回路基板65が簡略化して描かれており、実際に実装されている回路素子等は省略されている。
【0038】
図3に示すように、歪みゲージ61は、カップリング45の側面45Eに配置されている。歪みゲージ61は、カップリング45の側面45Eに接着剤等により貼り付けられ、側面45Eの歪みを検出する。歪みゲージ61は、薄いシート状の電気絶縁体と、この電気絶縁体に折り返しパターンでパターン形成された金属製の抵抗体と、を有する。歪みゲージ61の抵抗体の抵抗値は、カップリング45の側面45Eの歪みに応じて変化する。つまり、歪みゲージ61は、歪みを前記の抵抗体の抵抗値に変換している。歪みゲージ61は、この変換により、歪みを検出している。歪みゲージ61として、前記の抵抗体の代わりに、前記の歪みに応じて抵抗値が変化する半導体を有する半導体歪みゲージが採用されてもよい。歪みゲージ61の抵抗体又は半導体の抵抗値つまり歪みゲージ61が検出した歪みは、電圧信号の形で、2本のリード線L1を介して、アナログ処理回路63に出力される。歪みゲージ61は、歪みを検出できれば、どのような検出器であってもよい。
【0039】
カップリング45の側面45Eの歪みは、第2シャフト44が第1シャフト43に対して相対的に回転したときに、この相対回転によりカップリング45がねじれることにより生じる。この相対回転は、弁体22に加わる弁体トルクが、この弁体22を介して第2シャフト44に加わることで生じる。ここで、弁体トルクは、特に、第1シャフト43に対して弁体22を相対的に回転させるトルクをいう。弁体トルクは、第1シャフト43が回転するときに弁体22を回転させないように弁体22に加わる力、つまり、第1シャフト43とともに回転しようとする弁体22を反対方向に回転させようとするトルクも含む。さらに、弁体トルクは、第1シャフト43が回転していないときに弁体22に加わるトルクを含む。弁体トルクは、弁体22を介して第2シャフト44に加わることから、第2シャフト44を第1シャフト43に対して相対的に回転させるトルクともいえる。歪みゲージ61は、側面45Eの歪みを検出することで、第2シャフト44を第1シャフト43に対して相対的に回転させるトルクを検出する。
【0040】
歪みゲージ61がカップリング45の側面45Eの歪みを検出することを考慮し、カップリング45は、第1シャフト43及び第2シャフト44を連結するのに十分な強度を有しつつ表面歪みが大きな材料により形成される。当該材料としては、例えばジュラルミン又は超ジュラルミンが挙げられる。
【0041】
歪みゲージ61の位置は、歪みが生じる側面45Eの任意の位置でよい。ここでは、歪みゲージ61は、
図3に示すように、上下方向における、第1シャフト43の下端部43Aと、第2シャフト44の上端部44Aとの間の位置(間隔Dの位置)に配置される。この位置は、前記のねじれ乃至歪みが大きい部分でもあるので、歪みゲージ61をこの位置に配置することで、歪みが精度よく検出される。歪みゲージ61は、カップリング45の表面に配置されればよく、連通孔45Gの内周面(この面も表面とする)に設けられてもよい。歪みゲージ61は、連通孔45Gの内周面の、第1シャフト43の下端部43Aと、第2シャフト44の上端部44Aとの間の位置に配置されてもよい。この場合、上記2本のリード線L1は、カップリング45に形成された孔又は切り欠きを通って引き回される。
【0042】
温度センサ62は、カップリング45の側面45Eの歪みゲージ61の近傍に設けられ、カップリング45における歪みゲージ61の近傍の温度を検出する。温度センサ62は、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ等であればよい。温度センサ62は、温度を抵抗値に変換することで当該温度を検出する。温度センサ62の抵抗値つまり温度センサ62により検出された温度は、電圧信号の形で、2本のリード線L2を介して、アナログ処理回路63に出力される。温度センサ62は、温度を検出するセンサであれば、どのようなセンサであってもよい。
【0043】
図2及び
図3に示すように、アナログ処理回路63及び第2制御部64を構成する回路基板65は、カップリング45の上面45Bに、不図示のボルト等により固定されている。回路基板65は、ケース等に覆われていてもよい。回路基板65は、第1シャフト43が通る貫通孔(又は切り欠き。以下、この貫通孔について同じ)65Aを有する。第1シャフト43が貫通孔65Aを通ることで、回路基板65が第1シャフト43から一方向に向かった領域のみに偏在することを防止できる。
【0044】
図1に戻り、アナログ処理回路63は、各種のフィルタ回路、増幅回路、ホイーストンブリッジ回路等の検出回路等のアナログ回路を含んで構成される。アナログ処理回路63は、歪みゲージ61及び温度センサ62から出力される各電圧信号をアナログ処理し、当該各電圧信号が示す抵抗値つまり歪みゲージ61が検出した歪み又は温度センサ62が温度を取得し、第2制御部64に出力する。
【0045】
第2制御部64は、第1制御部55と有線で接続されており、第1制御部55から有線で供給される電力により動作するとともに、アナログ処理回路63に必要な電力を有線で供給する。第2制御部64は、アナログ処理回路63からの歪み及び温度(抵抗値)をアナログ/デジタル変換し、変換後のデジタルデータとしての歪み及び温度に基づいて弁体トルクを導出する。つまり、第2制御部64は、歪みゲージ61が検出した歪み及び温度センサ62が検出した温度に基づいて弁体トルクを導出するトルク導出部として動作する。第2制御部64は、例えば、
図4に示すトルク導出処理を実行することで、弁体トルクを導出する。アナログ処理回路63からの歪み及び温度は、第2制御部64の外部のアナログ/デジタル変換回路によりデジタルデータに変換され、第1制御部55に入力されてもよい。
【0046】
図4に示すトルク導出処理において、第2制御部64は、まず、前記の歪みに基づいて、弁体トルクのトルク値を導出する(ステップS11)。第2制御部64は、当該トルク値を、歪みに基づく計算により導出してもよいし、歪みとトルク値とが対応付けられたテーブルを参照して導出してもよい。なお、前記の歪みは、ここでは抵抗値により示されるので、第2制御部64は、抵抗値に基づいて計算又はテーブル等を参照して歪みの値を導出し、導出した歪みに基づいてトルク値を導出してもよい。
【0047】
その後、第2制御部64は、前記の温度に基づいて、ステップS11で導出した弁体トルクのトルク値の補正値を取得する(ステップS12)。第2制御部64は、自身のメモリに、温度とトルク値の補正値とが対応付けられた補正テーブルを記憶している。この補正テーブルは、製品ごと、つまり、歪みゲージ61乃至アクチュエータ10ごとに固有のものであり、アクチュエータ10の工場出荷時等において第2制御部64のメモリに格納される。第2制御部64は、前記の温度に基づいて補正テーブルを参照し、当該温度に対応する補正値を取得する。第2制御部64は、温度に基づく計算により補正値を取得してもよい。なお、前記の温度は、ここでは抵抗値により示されるので、第2制御部64は、抵抗値に基づいて計算又はテーブル等を参照して温度を導出し、導出した温度に基づいて補正値を取得してもよい。
【0048】
その後、第2制御部64は、ステップS12で取得した補正値で、ステップS11で導出したトルク値を補正し(ステップS13)、補正後のトルク値を現在の弁体トルクのトルク値として、第1制御部55に出力する(ステップS14)。
【0049】
上述のように、
図1に示す第1制御部55は、例えば弁体トルクのトルク値が予め定められた閾値を超えている場合に、所定の動作を行う。閾値は、この閾値をトルク値が超えた場合に、例えば、弁本体20に異常が発生しているといえる値、又は、弁体22又はカップリング45等が破損し得る値として設定されているものとする。異常としては、弁体22に異物が衝突して弁体トルクが上昇する異常、第1シャフト43の回転に伴って回転しようとしたときに弁体22に異物等による負荷がかかって弁体トルクが上昇する異常等が挙げられる。弁体22又はカップリング45等が破損し得る場合としては、前記異物の存在の他、管21A内の流体の流れが想定以上であり、回転する弁体22に想定される以上の弁体トルクがかかる場合などが含まれる。第1制御部55は、前記所定の動作として、例えば、信号処理回路51に、弁体トルクのトルク値が想定以上の高い旨を報知する情報を出力する。信号処理回路51は、当該情報を示す信号を生成して上位装置UDに送信する。上位装置UDは、当該情報に基づいて、弁体トルクのトルク値が異常値を示している旨を報知することで、ユーザにアクチュエータ10の異常を知らせる。
【0050】
以上のように、この実施の形態に係るアクチュエータ10では、第1シャフト43と第2シャフト44とが一体で回転するよう両者を連結するカップリング45の側面45Eに、第2シャフト44が第1シャフト43に対して相対的に回転したときに側面45Eに生じる歪みを検出する歪みゲージ61を設けたので、トルクセンサをカップリング45とは別に設けるといったことが不要となっている。従って、アクチュエータ10の軸線方向である上下方向の全長は短くなっている。さらに、歪みゲージ61は、前記の歪みを検出することで、第2シャフトを1シャフトに対して相対的に回転させるトルクを検出できる。このように、本実施の形態によれば、第2シャフト44を第1シャフト43に対して相対的に回転させるトルクを検出可能なアクチュエータ10の軸線方向(上下方向)の全長が長くなることが抑制される。また、本実施形態によれば、第1シャフト43と第2シャフト44との連結及び弁体トルクの検出の両機能がカップリング45に集約され、装置構成が簡素化されており、これにより、弁体トルク計測の大幅なコストダウンが可能となっている。なお、弁体トルクをモータ41Aの電流値により検出する方法も考えられる。しかし、本実施の形態のアクチュエータ10はモータ41Aの出力トルクを減速機41Bのギアにより増幅させているため、検出したトルク上昇が、弁体22の弁体トルクの上昇によるものか、アクチュエータの制御機構50側で切り分けできないという問題がある。本実施の形態によれば、歪みゲージ61の使用によって、このような不都合が解消されている。
【0051】
また、カップリング45は、第1シャフト43の下端部43Aが挿入される第1孔45Aが開口する上面45Bと、第2シャフト44の上端部44Aが挿入される第2孔45Cが開口する下面45Dと、上面45Bと下面45Dとをつなぐ側面45Eと、を備える。そして、歪みゲージ61は、カップリング45の側面45Eに配置されている。このような構成により、従来からの構造のカップリング45において、弁体トルクにより歪みが生じやすい側面45Eに歪みゲージ61を設けることができ、アクチュエータ10の軸方向の全長が長くなることが効果的に抑制される。
【0052】
さらに、カップリング45は、第1孔45Aと第2孔45Cとが連通した連通孔45Gを有する筒形状である。このような構成により、従来からの構造のカップリング45に歪みゲージ61を設けることができ、アクチュエータ10の軸方向の全長が長くなることがより効果的に抑制される。さらに、第1シャフト43の下端部43Aと第2シャフト44の上端部44Aとは、連通孔45G内で離間して配置間隔をあけて配置されており、歪みゲージ61は、上下方向において、第1シャフト43の下端部43Aと第2シャフト44の上端部44Aとの間の位置に配置されている。このような構成により、カップリング45の側面45Eにおいて、第2シャフト44に弁体トルクが加わったときに比較的大きく歪む位置に歪みゲージ61が配置されるので、歪みが検出されやすくなる。これにより、弁体トルクの検出もされやすくなる。
【0053】
さらに、歪みゲージ61により検出された歪みに基づいて、弁体22への負荷により第2シャフト44に加わる弁体トルクを導出する第2制御部(トルク導出部)64を設けたことにより、弁本体20内の異常等をトルクにより監視できる。
【0054】
さらに、カップリング45の歪みゲージ61の近傍の温度を検出する温度センサ62を設け、第2制御部(トルク導出部)64は、温度センサ62により検出された温度に基づいて弁体トルクを補正するように構成されている。歪みゲージ61が検出した歪みに基づく弁体トルクのトルク値は、カップリング45の熱膨張の影響を受けて真の値とはなっていないことがある。上記のようにカップリング45の、歪みゲージ61の近傍温度に基づいて弁体トルクのトルク値を補正することで、精度の良い弁体トルクのトルク値が得られる。なお、歪みゲージ61の抵抗体又は半導体の抵抗値等が熱により変化し、これにより、歪みゲージ61により検出される歪み(特に、抵抗値で示される歪み)ないしトルク値が真の値にならないことがある。このため、第2制御部64は、前記のトルク値を導出する際に、前記温度に基づいて、前記歪みの値を補正するようにしてもよい。第2制御部64が行う、温度に基づく補正の対象及び方法は任意である。第2制御部64は、例えば、歪みゲージ61が検出した歪みと温度センサ62により検出された温度とに基づいて弁体トルクを導出するように構成されればよい。これにより、精度の良い弁体トルクが得られる。
【0055】
さらに、第2制御部(トルク導出部)64を構成する回路基板65が、アクチュエータ10の駆動源41及び第1制御部55等を収容する筐体31の外に配置されている。これにより、第2制御部64が壊れたときには回路基板65を交換すればよいので、筐体31を空けるといった手間を省くことができる。ここで、第2制御部64が上記のように補正テーブルを記憶し、当該補正テーブルは、個々の歪みゲージ61で異なる内容となる場合を考える。この場合、アクチュエータ10が実際に使用されている現場において、歪みゲージ61及び第2制御部64のいずれかの一方でも故障すれば、歪みゲージ61と第2制御部64との両者を交換する必要が生じる。このような場合でも、前記の現場において、筐体31の外に配置した回路基板65の交換のみで第2制御部64を交換できるので、第2制御部64の交換作業が容易である。さらに、回路基板65及び歪みゲージ61がカップリング45上に集まっているので、回路基板65及び歪みゲージ61の両者の交換作業が容易である。これらの優位性は、特に、トルクの導出及び補正を第1制御部55で行う態様と比べたときにいえる。前記の態様では、歪みゲージ61の交換に伴って、第1制御部55が記憶する補正テーブルの更新、又は、第1制御部55の交換等が必要になり、これらは、筐体31を空けて行う必要があり手間がかかるからである。
【0056】
また、本実施の形態では、第2制御部(トルク導出部)64を構成する回路基板65が、第1シャフト43が通る貫通孔(又は切り欠き)65Aを有し、カップリング45に固定されている。回路基板65は、カップリング45の下面45Dに固定されてもよい。この場合、貫通孔65Aには、第2シャフト44が通る。第1シャフト43又は第2シャフト44が貫通孔65Aを通ることで、回路基板65が第1シャフト43又は第2シャフト44から一方向に向かった領域のみに偏在することを防止できる。これにより、回転するカップリング45が偏心することが軽減される。さらに、この実施の形態では、歪みゲージ61及び回路基板65をカップリング45に設けるので、トルク検出のための構成を容易に後付けできる。第2制御部64は、導出したトルクを第1制御部55に送信することに代えて又は加えて、当該トルクを自身で所定の閾値等と比較してもよい。この場合、第2制御部64は、前記のトルクが閾値等を超えたときに、スピーカ、及び表示灯等のいずれか又は2つ以上の任意の組み合わせによりその旨を出力してもよい。
【0057】
さらに、第1制御部55は、第2制御部(トルク導出部)64と有線で通信し、かつ、第2制御部64に有線で電力を供給することにより、通信及び電力の供給が高い確度で行われる。
【0058】
本実施の形態に係るアクチュエータ10は、流量制御弁として構成されている。流量制御弁における弁体トルクの計測は、安価に行うことが求められている。市販のトルクセンサはロボットのアーム部などで使用され、高速、多回転、高トルク、高精度の軸トルクを計測する必要があり、通常は複雑な構造で高価である。このため、前記のトルクセンサは、当該流量制御弁には向かない。他方、本実施の形態でのトルク計測は、例えば、弁体22を50~60秒かけて約90度回転させるときに行われ、さらに、弁本体20に異常があるか否かを検知するためのものである。このため、計測精度はそれほど求められてない。このため、歪みゲージ61によるトルク検出の構成は簡素化が可能である。
【0059】
本発明は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態に対して種々の変更を施してもよい。以下、上記実施の形態の変形例を説明するが、以下の変形例の少なくとも一部同士を組み合わせてもよい。
【0060】
トルク検出機構60のアナログ処理回路63及び第2制御部64の位置は適宜変更可能である。例えば、
図5に示すように、アナログ処理回路63及び第2制御部64を筐体31内に配置してもよい。なお、
図5では、駆動機構40等は省略している(
図6以降も同じ)。第1制御部55及び第2制御部64は、共通のマイクロコンピュータ等のコンピュータにより構成されてもよい。つまり、1のコンピュータが、第1制御部55及び第2制御部64として動作してもよい。このような構成によれば、回路基板65等を筐体31の外に配置しなくてよくなり、アクチュエータ10の装置構成が簡単となる。アナログ処理回路63は、カップリング上の回路基板65により構成され、第2制御部64のみ、筐体31内に配置されてもよい。この場合、第1制御部55が第2制御部64として動作してもよい。
【0061】
第1制御部55と第2制御部64とは、無線で通信し、かつ、無線で電力の供給を行ってもよい。例えば、
図6に示すように、筐体31内には、第1制御部55に加え、電力を無線で送信する無線給電部59Aと、前記のトルク値等の情報を無線で送受信する無線通信部59Bを設ける。また、カップリング45上又は回路基板65に、無線給電部59Aからの電力を受電する無線受電部69Aと、前記のトルク値等の情報を無線で送受信する無線通信部69Bを設ける。無線給電部59A及び無線受電部69Aは、電力を無線で供給する各種回路等により構成されている。無線通信部59B及び69Bは、それぞれ、アンテナと、変調又は復調回路と、を含んで構成される。通信及び電力の供給が無線で行われることで、第1制御部55と第2制御部64とを繋ぐ配線の引き回し等が不要になる。このような構成は、後述のように本発明を、第1シャフト及び第2シャフトが360度以上回転するロボット等、第1シャフト及び第2シャフトが多回転するすべての装置に適用する場合に有利である。これにより、第1シャフト等が回転することによって配線が絡まるといった不都合が抑制される。
【0062】
第1制御部55と第2制御部64とは、通信と電力の供給とのうち、少なくとも一方を無線で行い、他方を有線で行ってもよい。例えば、
図7に示すように、電力の供給については有線で行ってもよい。電力の供給を無線で行うと環境条件により電界強度が大きくなり、これにより、無線通信に使用される電波に対して、混線等の悪影響が及ぼされるおそれがある。前記のように電力の供給を有線で行うことで、無線通信に使用される電波等の混線が防止される。
【0063】
アクチュエータ10を構成する部材の形状等は適宜変更可能である。例えば、カップリング45の形状は、例えば、多角筒等であってもよい。カップリング45の第1孔45A及び第2孔45Cは、連通していなくてもよい。
【0064】
本発明は、流量制御弁以外のアクチュエータにも適用可能である。例えば、本発明を、空気の風量を調整する弁体を有する風量調整ダンパに適用してもよい。本発明は、カップリングにより連結された第1シャフト及び第2シャフトを有するアクチュエータ全般に適用できる。第1シャフトは、例えば、モータ、エンジン等の駆動源からの駆動力が直接又は間接的に伝達されて回転する駆動軸等であればよい。第2シャフトは、例えば、第1シャフトと一体で第1シャフトに従動して回転し、所定の回転対象物(弁体、又は、ロボットのアーム等)を回転させる軸であればよい。本発明は、大型弁のアクチュエータ、各種のダンパ、及び、ロボット等の2軸以上の軸をカップリングで連結したすべての装置に適用できる。
【0065】
以上、実施の形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、本発明には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る、上記の実施の形態及び変形例に対する様々な変更が含まれる。上記実施の形態及び変形例に挙げた各構成は、矛盾の無い範囲で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0066】
10…アクチュエータ、20…弁本体、22…弁体、30…駆動装置、31…筐体、40…駆動機構、41…駆動源、41A…モータ、43…第1シャフト、44…第2シャフト、45…カップリング、45A…第1孔、45B…上面、45C…第2孔、45D…下面、45E…側面、45G…連通孔、50…制御機構、55…第1制御部、無線給電部…59A、無線通信部…59B、60…トルク検出機構、61…歪みゲージ、62…温度センサ、64…第2制御部、無線受電部…69A、無線通信部…69B。