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特許7572259業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20241016BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G61/00 422
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021019307
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022122161
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志水 敦史
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-183257(JP,A)
【文献】特開2005-035760(JP,A)
【文献】特開2004-051374(JP,A)
【文献】国際公開第2010/131293(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部および制御部を備えた業務支援装置であって、
前記記憶部は、
商品の保管場所情報を含む商品情報と販売先情報と、前記保管場所情報で特定される保管場所に実際に存在する商品の在庫数である実在庫数とが対応付けて登録された在庫テーブルを記憶し、
前記制御部は、
発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、前記販売先情報と、の入力を受付ける受付手段と、
受付けた前記実績前情報と前記販売先情報とを対応付けて予定管理テーブルに登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記在庫テーブルは、販売先が未定であることを示す情報を前記販売先情報として登録可能なものであること、
を特徴とする請求項に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記登録手段は、
前記発注情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績前情報である前記発注情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記予定管理テーブルである発注テーブルに登録する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記登録手段は、
前記受注情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績前情報である前記受注情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記予定管理テーブルである受注テーブルに登録する、
ことを特徴とする請求項1~請求項の何れか1項に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記登録手段は、
前記販売先変更情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績前情報である前記販売先変更情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記予定管理テーブルである変更指示テーブルに登録する、
ことを特徴とする請求項1~請求項の何れか1項に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記受付手段は、
商品の仕入実績情報、商品の売上実績情報、および、販売先の変更実績情報、の少なくとも1つである実績情報と前記販売先情報との入力を更に受付け、
前記登録手段は、
受付けた前記実績情報と前記販売先情報とを対応付けて実績管理テーブルに登録する、
ことを特徴とする請求項1~請求項の何れか1項に記載の業務支援装置。
【請求項7】
受付けた前記実績情報および前記販売先情報に基づいて、前記在庫テーブルを更新する更新手段、
を備えることを特徴とする請求項に記載の業務支援装置。
【請求項8】
前記登録手段は、
前記仕入実績情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績情報である前記仕入実績情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記実績管理テーブルである仕入テーブルに登録し、
前記売上実績情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績情報である前記売上実績情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記実績管理テーブルである売上テーブルに登録し、
前記変更実績情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績情報である前記変更実績情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記実績管理テーブルである変更テーブルに登録する、
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の業務支援装置。
【請求項9】
制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための業務支援方法であって、
前記記憶部には、
商品の保管場所情報を含む商品情報と販売先情報と、前記保管場所情報で特定される保管場所に実際に存在する商品の在庫数である実在庫数とが対応付けて登録された在庫テーブルが記憶され、
前記制御部で実行される、
発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、前記販売先情報と、の入力を受付けるステップと、
受付けた前記実績前情報と前記販売先情報とを対応付けて予定管理テーブルに登録するステップと、
を含むことを特徴とする業務支援方法。
【請求項10】
制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、
前記記憶部には、
商品の保管場所情報を含む商品情報と販売先情報と、前記保管場所情報で特定される保管場所に実際に存在する商品の在庫数である実在庫数とが対応付けて登録された在庫テーブルが記憶され、
前記制御部において、
発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、商品の前記販売先情報と、の入力を受付けるステップと、
受付けた前記実績前情報と前記販売先情報とを対応付けて予定管理テーブルに登録するステップと、
を実行させるための業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の在庫を管理するシステムが知られている。例えば、商品の管理場所も含めて管理するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-35760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、商品の販売先も含めて管理することを要求される場合がある。しかし、従来技術では、実際の実績が確定した段階で販売先の登録または更新が行われており、実績が確定する前段階では、販売先向けの予定在庫を把握することは困難であった。このため、従来技術では、商品の発注段階や受注段階などの実際の実績が確定する前の段階では、販売先向けの予定在庫を把握することが出来ず、業務遂行の効率が低下する場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、業務遂行の効率向上を図ることが可能な業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、記憶部および制御部を備えた業務支援装置であって、前記記憶部は、商品情報と販売先情報と在庫数と、が対応付けて登録された在庫テーブルを記憶し、前記制御部は、発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、前記販売先情報と、の入力を受付ける受付手段と、受付けた前記実績前情報と前記販売先情報とを対応付けて予定管理テーブルに登録する登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明に係る業務支援装置の前記登録手段は、前記発注情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績前情報である前記発注情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記予定管理テーブルである発注テーブルに登録することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る業務支援装置の前記登録手段は、前記受注情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績前情報である前記受注情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記予定管理テーブルである受注テーブルに登録することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る業務支援装置の前記登録手段は、前記販売先変更情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績前情報である前記販売先変更情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記予定管理テーブルである変更指示テーブルに登録する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る業務支援装置の前記受付手段は、前記商品の仕入実績情報、前記商品の売上実績情報、および、前記販売先の変更実績情報、の少なくとも1つである実績情報と前記販売先情報との入力を更に受付け、前記登録手段は、受付けた前記実績情報と前記販売先情報とを対応付けて実績管理テーブルに登録することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る業務支援装置は、受付けた前記実績情報および前記販売先情報に基づいて、前記在庫テーブルを更新する更新手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る業務支援装置の前記登録手段は、前記仕入実績情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績情報である前記仕入実績情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記実績管理テーブルである仕入テーブルに登録し、前記売上実績情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績情報である前記売上実績情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記実績管理テーブルである売上テーブルに登録し、前記変更実績情報および前記販売先情報の入力を受付けたときに、前記実績情報である前記変更実績情報と前記販売先情報とを対応付けて、前記実績管理テーブルである変更テーブルに登録する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る業務支援方法は、制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための業務支援方法であって、前記記憶部には、商品情報と販売先情報と在庫数とが対応付けて登録された在庫テーブルが記憶され、前記制御部で実行される、発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、前記販売先情報と、の入力を受付けるステップと、受付けた前記実績前情報と前記販売先情報とを対応付けて予定管理テーブルに登録するステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る業務支援プログラムは、制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための業務支援プログラムであって、前記記憶部には、商品情報と販売先情報と在庫数とが対応付けて登録された在庫テーブルが記憶され、前記制御部において、発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、前記販売先情報と、の入力を受付けるステップと、受付けた前記実績前情報と前記販売先情報とを対応付けて予定管理テーブルに登録するステップと、を実行させるための契約管理プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、業務遂行の効率向上を図ることが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2A図2Aは、在庫テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図2B図2Bは、発注点マスタテーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図3A図3Aは、発注テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図3B図3Bは、変更指示テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図3C図3Cは、受注テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図4A図4Aは、仕入テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図4B図4Bは、変更テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図4C図4Cは、売上テーブルのデータ構成の一例を示す模式図である。
図5図5は、本実施の形態における業務支援装置が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本実施の形態における業務支援装置を用いた業務の流れの一例の説明図である。
図7A図7Aは、発注テーブルの一例の模式図である。
図7B図7Bは、仕入テーブルの一例の模式図である。
図7C図7Cは、更新前の在庫テーブルの一例の模式図である。
図7D図7Dは、更新後の在庫テーブルの一例の模式図である。
図8A図8Aは、変更指示テーブルの一例の模式図である。
図8B図8Bは、変更テーブルの一例の模式図である。
図8C図8Cは、更新前の在庫テーブルの一例の模式図である。
図8D図8Dは、更新後の在庫テーブルの一例の模式図である。
図9A図9Aは、受注テーブルの一例の模式図である。
図9B図9Bは、売上テーブルの一例の模式図である。
図9C図9Cは、更新前の在庫テーブルの一例の模式図である。
図9D図9Dは、更新後の在庫テーブルの一例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
業務支援装置100は、複数の契約を結合管理する装置である。業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備える。業務支援装置100が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に記憶されている各種のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、例えば、在庫テーブル106aと、発注点マスタテーブル106bと、予定管理テーブル106cと、実績管理テーブル106dと、を記憶する。予定管理テーブル106cは、発注テーブル106e、変更指示テーブル106f、および受注テーブル106gを含む。実績管理テーブル106dは、仕入テーブル106h、変更テーブル106i、および売上テーブル106jを含む。
【0025】
これらのテーブルのデータ構成の一例を説明する。なお、本実施形態では、在庫テーブル106a、発注点マスタテーブル106b、予定管理テーブル106c、実績管理テーブル106d、発注テーブル106e、変更指示テーブル106f、受注テーブル106g、仕入テーブル106h、変更テーブル106i、および売上テーブル106jなどのテーブルの構造を簡略化して記載するものとする。実際のテーブルの構造は、より複雑であるが、本発明と直接関係のない部分については実際より簡略化して示した。また、これらのテーブルのデータ形式は、テーブルに限定されない。例えば、テーブルのデータ形式は、データベースまたはファイルであってもよい。
【0026】
図2Aは、在庫テーブル106aのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0027】
在庫テーブル106aは、現在の商品の在庫状況を管理するためのテーブルである。詳細には、在庫テーブル106aは、商品の商品情報と、商品の販売先情報と、商品の在庫数と、が対応付けて登録されたテーブルである。
【0028】
商品情報とは、商品を表す情報である。例えば、商品情報は、商品名、商品のロット、商品の管理場所である倉庫、などを含む。なお、商品情報に含まれる情報は、これらに限定されない。商品の在庫数は、本実施形態では“数量”として示した。在庫テーブル106aに登録される“数量”は、実際の在庫数を表す情報である。
【0029】
販売先情報は、商品の販売先を示す情報である。本実施形態では、在庫テーブル106aには、販売先が決定した商品については、販売先の販売先情報が登録される。図2Aには、販売先の販売先情報として“得意先A”が登録された例を示した。一方、販売先が未決定の商品については、在庫テーブル106aには、販売先情報として、販売先が未定であることを表す“FREE”が登録される。なお、販売先が未定であることを表す情報は、“FREE”に限定されない。
【0030】
在庫テーブル106aは、後述する制御部102の処理によって更新される(詳細後述)。なお、以下では、販売先情報を、単に、販売先と称して説明する場合がある。
【0031】
図2Bは、発注点マスタテーブル106bのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0032】
発注点マスタテーブル106bは、発注点を管理するためのマスタテーブルである。詳細には、発注点マスタテーブル106bには、商品の管理場所である倉庫と、販売先と、商品の商品名と、発注点数と、安全在庫数と、が対応付けて登録される。発注点数とは、この数を下回ったら発注しなければならない下限値を表す。安全在庫数とは、この数の商品があれば在庫不足にはならない下限値を表す。
【0033】
図3A図3Cは、予定管理テーブル106cのデータ構成の一例を示す模式図である。予定管理テーブル106cとは、実際の実績が確定する前段階、すなわち予定段階の商品の情報を管理するためのテーブルである。実際の実績が確定する前段階とは、例えば、商品の発注段階、商品の受注段階、商品の販売先などの変更段階、などである。予定管理テーブル106cは、ユーザによる入力装置112の操作指示などによって登録される。
【0034】
本実施形態では、予定管理テーブル106cは、発注テーブル106e、変更指示テーブル106f、および受注テーブル106gを含む。
【0035】
図3Aは、発注テーブル106eのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0036】
発注テーブル106eは、発注データを管理するためのテーブルである。発注テーブル106eは、購買担当者などのユーザが商品の発注を行うときに、該ユーザによって登録されるテーブルである。本実施形態では、発注テーブル106eは、発注対象の商品の発注情報と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0037】
発注情報は、実績前情報の一例である。発注情報は、商品の発注に関する情報である。例えば、発注情報は、発注番号、行番号、発注日、入荷倉庫、担当者、商品、ロット、数量、などを含む。なお、発注情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0038】
図3Bは、変更指示テーブル106fのデータ構成の一例を示す模式図である。変更指示テーブル106fは、販売先情報の変更指示を行うときに、倉庫管理者等のユーザによって登録されるテーブルである。本実施形態では、変更指示テーブル106fは、販売先変更対象の商品の販売先変更情報と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0039】
販売先変更情報は、実績前情報の一例である。販売先変更情報は、販売先を変更する対象の商品の、販売先変更に関する情報である。例えば、販売先変更情報は、変更指示番号、行番号、変更指示日、入荷倉庫、出荷倉庫、商品、ロット、数量、などを含む。なお、販売先変更情報に含まれる情報は、これらに限定されない。変更指示テーブル106fに登録される販売先情報は、例えば、変更前の販売先情報である“販売先(出荷)”と、変更後の販売先情報である“販売先(入荷)”を含む。
【0040】
なお、本実施形態では、予定管理テーブル106cは、販売先情報の変更指示を行うときに、倉庫管理者等のユーザによって登録されるテーブルである場合を一例として説明する。しかし、予定管理テーブル106cは、商品の管理場所である倉庫情報の変更指示を行うときに、倉庫管理者などのユーザによって登録されるテーブルとして用いてもよい。この場合、例えば、予定管理テーブル106cにおける“出荷倉庫”は、変更前の管理場所を示し、“入荷倉庫”は、変更後の管理場所を示す。
【0041】
図3Cは、受注テーブル106gのデータ構成の一例を示す模式図である。受注テーブル106gは、受注情報を登録するときに、営業担当者などのユーザによって登録されるテーブルである。本実施形態では、受注テーブル106gは、受注対象の商品の受注情報と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0042】
受注情報は、実績前情報の一例である。受注情報は、受注対象の商品に関する情報である。例えば、受注情報は、受注番号、行番号、受注日、出荷倉庫、担当者、商品、ロット、数量、などを含む。なお、受注情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0043】
図4A図4Cは、実績管理テーブル106dのデータ構成の一例を示す模式図である。実績管理テーブル106dとは、実際の実績が確定した後の段階、すなわち実績段階の商品を管理するためのテーブルである。実績段階とは、例えば、仕入実績の登録、変更実績の登録、売上実績の登録、などの実績が確定した段階である。実績管理テーブル106dは、例えば、これらの実績の各々が確定した段階で、ユーザによる入力装置112の操作指示などによって登録される。
【0044】
本実施形態では、実績管理テーブル106dは、仕入テーブル106hと、変更テーブル106iと、売上テーブル106jと、を含む。
【0045】
図4Aは、仕入テーブル106hのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0046】
仕入テーブル106hは、仕入データを管理するためのテーブルである。仕入テーブル106hは、購買担当者などのユーザが商品の仕入実績を登録するときに、該ユーザによって登録されるテーブルである。本実施形態では、仕入テーブル106hは、仕入実績情報と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0047】
仕入実績情報は、実績情報の一例である。仕入実績情報は、商品の仕入実績に関する情報である。例えば、仕入実績情報は、仕入番号、行番号、仕入日、入荷倉庫、担当者、商品、ロット、数量、などを含む。なお、仕入実績情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0048】
図4Bは、変更テーブル106iのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0049】
変更テーブル106iは、販売先の変更実績情報を管理するためのテーブルである。変更テーブル106iは、実際の販売先が変更されて変更が確定したときに、倉庫管理者等のユーザによって登録されるテーブルである。本実施形態では、変更テーブル106iは、販売先が変更された商品の変更実績情報と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0050】
変更実績情報は、実績情報の一例である。変更実績情報は、変更後の確定した販売先に関する情報である。例えば、変更実績情報は、変更番号、行番号、変更日、入荷倉庫、出荷倉庫、商品、ロット、数量、などを含む。なお、変更実績情報に含まれる情報は、これらに限定されない。変更テーブル106iに登録される販売先情報は、例えば、変更前の販売先情報である“販売先(出荷)”と、変更後の販売先情報である“販売先(入荷)”を含む。
【0051】
図4Cは、売上テーブル106jのデータ構成の一例を示す模式図である。
【0052】
売上テーブル106jは、売上データを管理するためのテーブルである。売上テーブル106jは、営業担当者などのユーザが商品の売上実績を登録するときに、該ユーザによって登録されるテーブルである。本実施形態では、売上テーブル106jは、売り上げた商品の売上実績情報と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0053】
売上実績情報は、実績情報の一例である。売上実績情報は、売り上げた商品に関する情報である。例えば、売上実績情報は、売上番号、行番号、売上日、出荷倉庫、担当者、商品、ロット、数量、などを含む。なお、売上実績情報に含まれる情報は、これらに限定されない。
【0054】
図1に戻り説明を続ける。制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS(オペレーティング・システム)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0055】
本実施形態では、制御部102は、受付部102aと、登録部102bと、更新部102cと、出力制御部102dと、を備える。
【0056】
受付部102aは、ユーザによる入力装置112の操作指示によって入力される各種の情報を受け付ける。
【0057】
本実施形態では、受付部102aは、発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、商品の販売先情報と、の入力を受付ける。
【0058】
登録部102bは、受付けた実績前情報と販売先情報とを対応付けて予定管理テーブル106cへ登録する。詳細には、登録部102bは、発注情報および販売先情報の入力を受付けた場合、発注情報と販売先情報とを対応付けて発注テーブル106eへ登録する。また、登録部102bは、受注情報および販売先情報の入力を受付けた場合、受注情報と販売先情報とを対応付けて受注テーブル106gへ登録する。また、登録部102bは、販売先変更情報および販売先情報の入力を受付けたときに、販売先変更情報と販売先情報とを対応付けて、変更指示テーブル106fへ登録する。
【0059】
また、本実施形態では、受付部102aは、商品の仕入実績情報、商品の売上実績情報、および、販売先の変更実績情報、の少なくとも1つである実績情報および販売先情報の入力を受付ける。
【0060】
登録部102bは、受付けた実績情報と販売先情報とを対応付けて実績管理テーブル106dへ登録する。詳細には、登録部102bは、仕入実績情報および販売先情報の入力を受付けた場合、仕入実績情報と販売先情報とを対応付けて仕入テーブル106hへ登録する。登録部102bは、売上実績情報および販売先情報の入力を受付けた場合、売上実績情報と販売先情報とを対応付けて売上テーブル106jへ登録する。また、登録部102bは、販売先の変更実績情報および販売先情報の入力を受付けた場合、変更実績情報と販売先情報とを対応付けて変更テーブル106iへ登録する。
【0061】
更新部102cは、受付けた実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブルを更新する。
【0062】
出力制御部102dは、在庫テーブル106a、発注点マスタテーブル106b、予定管理テーブル106c、および実績管理テーブル106dに基づいて、販売先情報に対応する情報を出力する。
【0063】
[2.具体例]
図5図9Dを参照して、本実施の形態における業務支援装置100の処理の具体例を説明する。
【0064】
まず、本実施形態の業務支援装置100が実行する情報処理の流れを説明する。
【0065】
図5は、本実施の形態における業務支援装置100が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0066】
受付部102aは、発注情報および販売先情報の入力を受付けたか否かを判断する(ステップS100)。ステップS100で肯定判断すると(ステップS100:Yes)ステップS102へ進む。ステップS102では、登録部102bは、発注情報と販売先情報とを対応付けて発注テーブル106eへ登録する(ステップS102)。そして、本ルーチンを終了する。
【0067】
ステップS100で否定判断すると(ステップS100:No)、ステップS104へ進む。ステップS104では、受付部102aは、仕入実績情報および販売先情報の入力を受付けたか否かを判断する(ステップS104)。ステップS104で肯定判断すると(ステップS104:Yes)ステップS106へ進む。ステップS106では、登録部102bは、仕入実績情報と販売先情報とを対応付けて仕入テーブル106hへ登録する(ステップS106)。更新部102cは、ステップS106で登録された仕入実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブル106aを更新する(ステップS108)。そして、本ルーチンを終了する。
【0068】
ステップS104で否定判断すると(ステップS104:No)、ステップS110へ進む。ステップS110では、受付部102aは、販売先変更情報および販売先情報の入力を受付けたか否かを判断する(ステップS110)。ステップS110で肯定判断すると(ステップS110:Yes)、ステップS112へ進む。ステップS112では、ステップS110で受付けた販売先変更情報と販売先情報とを対応付けて、変更指示テーブル106fへ登録する(ステップS112)。そして、本ルーチンを終了する。
【0069】
ステップS110で否定判断すると(ステップS110:No)、ステップS114へ進む。ステップS114では、受付部102aは、販売先の変更実績情報と販売先情報との入力を受付けたか否かを判断する(ステップS114)。ステップS114で肯定判断すると(ステップS114:Yes)、ステップS116へ進む。ステップS116では、登録部102bは、変更実績情報と販売先情報とを対応付けて変更テーブル106iへ登録する(ステップS116)。更新部102cは、ステップS116で登録された変更実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブル106aを更新する(ステップS118)。そして、本ルーチンを終了する。
【0070】
ステップS114で否定判断すると(ステップS114:No)、ステップS120へ進む。ステップS120では、受付部102aは、受注情報および販売先情報の入力を受付けたか否かを判断する(ステップS120)。ステップS120で肯定判断すると(ステップS120:Yes)、ステップS122へ進む。ステップS122では、登録部102bは、ステップS120で受付けた受注情報と販売先情報とを対応付けて受注テーブル106gへ登録する(ステップS122)。そして、本ルーチンを終了する。
【0071】
ステップS120で否定判断すると(ステップS120:No)、ステップS124へ進む。ステップS124では、売上実績情報および販売先情報の入力を受付けたか否かを判断する(ステップS124)。ステップS124で否定判断すると(ステップS124:No)本ルーチンを終了する。ステップS124で肯定判断すると(ステップS124:Yes)、ステップS126へ進む。ステップS126では、登録部102bは、ステップS124で受付けた実績情報と販売先情報とを対応付けて実績管理テーブル106dへ登録する(ステップS126)。更新部102cは、ステップS126で登録された実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブル106aを更新する(ステップS128)。そして、本ルーチンを終了する。
【0072】
ここで、上述したように、発注テーブル106e、変更指示テーブル106f、および受注テーブル106gなどの予定管理テーブル106cは、実際の実績が確定する前段階、すなわち予定段階の商品を管理するためのテーブルである。一方、仕入テーブル106h、変更テーブル106i、および売上テーブル106jなどの実績管理テーブル106dは、実際の実績が確定した後の段階、すなわち実績段階の商品を管理するためのテーブルである。そして、在庫テーブル106aは、商品の実際の在庫状況を管理するためのテーブルである。
【0073】
このため、更新部102cは、予定管理テーブル106cが登録または変更されたタイミングでは在庫テーブル106aを更新せず、実績管理テーブル106dが登録または更新されたときに、在庫テーブル106aを更新する。このため、更新部102cは、商品の実際の在庫状況を反映したテーブルとなるように、在庫テーブル106aを更新する。
【0074】
また、実績前段階で登録される発注テーブル106e、変更指示テーブル106f、および受注テーブル106gは、それぞれ、発注情報、受注情報、および販売先変更情報、などの実績前情報と、販売先情報と、を対応づけたテーブルである。また、在庫テーブル106aは、商品情報と、販売先情報と、在庫数と、を対応付けたテーブルである。
【0075】
このため、ユーザは、在庫テーブル106aに登録されている情報と、発注テーブル106e、変更指示テーブル106f、および受注テーブル106gの各々に登録されている情報とを、販売先情報を検索キーとして検索することができる。すなわち、ユーザは、発注の検討時、販売先情報の変更指示情報の登録時、および受注情報の登録時などの、実際の実績が特定または登録される前段階で、販売先単位で、在庫テーブル106aおよび予定管理テーブル106cに登録されている情報を確認することができる。
【0076】
このため、本実施形態の業務支援装置100におけるこれらのテーブルを参照することで、用いることで、ユーザは、実績が確定する前段階で、特定の販売先向けの予定在庫を把握すること可能となる。
【0077】
次に、本実施の形態における業務支援装置100を用いた業務の流れと、テーブルの内容の推移について、具体的に説明する。
【0078】
図6は、本実施の形態における業務支援装置100を用いた業務の流れの一例の説明図である。図6には、商品の発注、仕入、変更、受注、売上、のこの順の流れに沿った業務フローの一例を示した。
【0079】
まず、例えば、購買担当者が商品の発注を検討する(ステップS1)。発注段階では、購買担当者は、発注を検討する際に、現在庫の他、販売先別の入荷予定、出荷予定を加味して発注の要否を検討する。詳細には、購買担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、在庫テーブル106aおよび発注点マスタテーブル106bを参照しながら、発注勧告リストを生成する。例えば、購買担当者は、図2Aに示す在庫テーブル106aに示される商品の在庫状況と、図2Bに示す発注点マスタテーブル106bと、を比較し、発注が必要な商品のリストを発注勧告リストとして出力する。発注が必要な商品は、例えば、在庫数が発注点を下回った商品である。
【0080】
ここで、本実施形態の在庫テーブル106aは、販売先情報と、商品情報と、在庫数と、を対応付けたテーブルである。また、発注点マスタテーブル106bは、倉庫、商品、発注点数、および安全在庫数と、販売先情報と、を対応付けたテーブルである。
【0081】
このため、購買担当者などのユーザは、販売先情報を検索キーとして在庫テーブル106aおよび発注点マスタテーブル106bを検索することで、販売先ごとに、商品の発注の要否を検討することができる。
【0082】
次に、購買担当者は、発注情報を入力する(ステップS2)。購買担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、発注対象の商品の発注情報と、販売先情報と、を入力する。例えば、業務支援装置100の出力制御部102dは、図7Aに示す発注テーブル106eの登録画面を出力装置114へ表示する。図7Aは、発注テーブル106eの一例の模式図である。購買担当者は、表示された登録画面を参照しながら発注情報を入力する。また、購買担当者は、販売先の指定が決まっている場合には、販売先情報を入力する。購買担当者は、販売先が未定の場合には、“FREE”を販売先情報として入力する。業務支援装置100の登録部102bは、入力を受付けたこれらの情報を、発注テーブル106eへ登録する。このため、例えば、図7Aに示す発注テーブル106eが登録された状態となる。
【0083】
図6に戻り説明を続ける。発注情報に基づいて商品の仕入がなされると、購買担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、仕入実績情報と販売先情報を入力する(ステップS3)。例えば、業務支援装置100の出力制御部102dは、図7Bに示す仕入テーブル106hの登録画面を出力装置114へ表示する。図7Bは、仕入テーブル106hの一例の模式図である。購買担当者は、例えば、発注情報と、表示された登録画面と、を参照しながら仕入実績情報と販売先情報を入力する。業務支援装置100の登録部102bは、入力を受付けたこれらの情報を、仕入テーブル106hへ登録する。このため、例えば、図7Bに示す仕入テーブル106hが登録された状態となる。
【0084】
なお、発注情報および仕入実績情報を入力するユーザは、購買担当者に限定されない。
【0085】
更新部102cは、登録された仕入実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブル106aを更新する。
【0086】
このため、例えば、図7Cに示す在庫テーブル106aは、図7Bに示す仕入テーブル106hに登録された仕入実績情報および販売先情報に基づいて、図7Dに示す在庫テーブル106aへと更新される。図7Cは、更新前の在庫テーブル106aの一例の模式図である。図7Dは、更新後の在庫テーブル106aの一例の模式図である。
【0087】
ここで、上記ステップS2の発注情報の入力段階では、在庫テーブル106aは、図7Cに示す更新前の状態となっている。しかし、本実施形態では、在庫テーブル106aおよび発注テーブル106eには、販売先情報に対応づけて、各種の情報が登録されている。例えば、ユーザは、ステップS2の発注情報の入力の段階において、図7Cに示す在庫テーブル106aおよびステップS2で入力した発注テーブル106eを確認する。例えば、特定の販売先向けの予定在庫数は、「現在の在庫数+入荷予定の在庫数-出荷予定の在庫数」によって容易に計算可能である。
【0088】
この確認により、ユーザは、実際の実績が確定した後の状態である図7Dに示す在庫テーブル106aの在庫状況を、図7Cに示す更新前の在庫テーブル106aおよび発注テーブル106eによって確認することが可能となる。また、ユーザは、発注検討を容易に行うことができる。
【0089】
具体的には、図7A図7Dに示す例では、ユーザは、発注情報の入力の段階で、在庫全体に対して、得意先Aに対して確保されている在庫が12個あり、過剰な発注・確保になっていないかを事前にチェックすることができる。
【0090】
図6に戻り説明を続ける。すなわち、本実施形態の業務支援装置100では、売上実績が確定するステップS3の前段階である、ステップS2の発注情報の入力段階で、販売先向けの予定在庫を把握可能なシステムを提供することができる。
【0091】
次に、例えば、倉庫担当者が、販売先変更情報を入力する(ステップS4)。購買担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、販売先変更情報と、販売先情報と、を入力する。例えば、業務支援装置100の出力制御部102dは、図8Aに示す変更指示テーブル106fの登録画面を出力装置114へ表示する。図8Aは、変更指示テーブル106fの一例の模式図である。倉庫担当者は、表示された登録画面を参照しながら販売先変更情報と販売先情報を入力する。業務支援装置100の登録部102bは、入力を受付けたこれらの情報を、変更指示テーブル106fへ登録する。このため、例えば、図8Aに示す変更指示テーブル106fが登録された状態となる。
【0092】
図6に戻り説明を続ける。変更指示テーブル106fに基づいて、実際に販売先が変更されると、倉庫担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、変更実績情報と販売先情報を入力する(ステップS5)。例えば、業務支援装置100の出力制御部102dは、図8Bに示す変更テーブル106iの登録画面を出力装置114へ表示する。図8Bは、変更テーブル106iの一例の模式図である。倉庫担当者は、移動先変更情報と、表示された登録画面と、を参照しながら変更実績情報と販売先情報を入力する。業務支援装置100の登録部102bは、入力を受付けたこれらの情報を、変更テーブル106iへ登録する。このため、図8Bに示す変更テーブル106iが登録された状態となる。
【0093】
なお、販売先変更情報および変更実績情報を入力するユーザは、倉庫担当者に限定されない。また、上述したように、ユーザは、商品を別の倉庫へ移すための指示情報を、販売先変更情報として入力してもよい。同様に、ユーザは、商品を別の倉庫へ移したことを示す情報を、変更実績情報として入力してもよい。
【0094】
更新部102cは、登録された変更実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブル106aを更新する。
【0095】
このため、例えば、図8Cに示す在庫テーブル106aは、図8Bに示す変更テーブル106iに登録された変更実績情報および販売先情報に基づいて、図8Dに示す在庫テーブル106aへと更新される。図8Cは、更新前の在庫テーブル106aの一例の模式図である。図8Dは、更新後の在庫テーブル106aの一例の模式図である。
【0096】
ここで、上記ステップS4の販売先変更情報の入力段階では、在庫テーブル106aは、図8Cに示す更新前の状態となっている。しかし、本実施形態では、変更指示テーブル106fおよび在庫テーブル106aには、販売先情報に対応づけて、各種の情報が登録されている。例えば、ユーザは、ステップS4の発注情報の入力の段階で、図8Cに示す在庫テーブル106aおよびステップS4で入力した変更指示テーブル106fを確認する。この確認により、ユーザは、実際の実績が確定した後の状態である図8Dに示す在庫テーブル106aの在庫状況を、図8Cに示す更新前の在庫テーブル106aおよび変更指示テーブル106fによって確認することが可能となる。
【0097】
具体的には、図8A図8Dに示す例では、ユーザは、販売先変更情報の入力の段階で、得意先Aに確保されていた12個の在庫が受注されて1個になっており、適切に払出されていることを確認することができる。
【0098】
図6に戻り説明を続ける。すなわち、本実施形態の業務支援装置100では、変更実績が確定するステップS5の前段階である、ステップS4の販売先変更情報の入力段階で、販売先向けの予定在庫を把握可能なシステムを提供することができる。
【0099】
次に、例えば、営業担当者が、受注情報を入力する(ステップS6)。営業担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、受注情報と、販売先情報と、を入力する。例えば、業務支援装置100の出力制御部102dは、図9Aに示す受注テーブル106gの登録画面を出力装置114へ表示する。図9Aは、受注テーブル106gの一例の模式図である。営業担当者は、表示された登録画面を参照しながら受注情報を入力する。また、営業担当者は、販売先の指定が決まっている場合には、販売先情報を入力する。営業担当者は、販売先が未定の場合には、“FREE”を販売先情報として入力する。業務支援装置100の登録部102bは、入力を受付けたこれらの情報を、受注テーブル106gへ登録する。このため、例えば、図9Aに示す受注テーブル106gが登録された状態となる。
【0100】
図6に戻り説明を続ける。受注テーブル106gに基づいて、実際に商品が販売されると、営業担当者は、業務支援装置100の入力装置112を操作することで、売上実績情報と販売先情報を入力する(ステップS7)。例えば、業務支援装置100の出力制御部102dは、図9Bに示す売上テーブル106jの登録画面を出力装置114へ表示する。図9Bは、売上テーブル106jの一例の模式図である。営業担当者は、受注情報と、表示された登録画面と、を参照しながら売上実績情報と販売先情報を入力する。業務支援装置100の登録部102bは、入力を受付けたこれらの情報を、売上テーブル106jへ登録する。このため、図9Bに示す売上テーブル106jが登録された状態となる。
【0101】
なお、受注情報および売上実績情報を入力するユーザは、営業担当者に限定されない。
【0102】
更新部102cは、登録された売上実績情報および販売先情報に基づいて、在庫テーブル106aを更新する。
【0103】
このため、例えば、図9Cに示す在庫テーブル106aは、図9Bに示す売上テーブル106jに登録された売上実績情報および販売先情報に基づいて、図9Dに示す在庫テーブル106aへと更新される。図9Cは、更新前の在庫テーブル106aの一例の模式図である。図9Dは、更新後の在庫テーブル106aの一例の模式図である。
【0104】
ここで、上記ステップS6の受注情報の入力段階では、在庫テーブル106aは、図9Cに示す更新前の状態となっている。しかし、本実施形態では、受注テーブル106gおよび在庫テーブル106aには、販売先情報に対応づけて、各種の情報が登録されている。例えば、ユーザは、ステップS6の受注情報の入力の段階で、図9Cに示す在庫テーブル106aおよびステップS6で入力した受注テーブル106gを確認する。この確認により、ユーザは、実際の実績が確定した後の状態である図9Dに示す在庫テーブル106aの在庫状況を、図9Cに示す更新前の在庫テーブル106aおよび受注テーブル106gによって確認することが可能となる。
【0105】
すなわち、本実施形態の業務支援装置100では、変更実績が確定するステップS7の前段階である、ステップS6の受注情報の入力段階で、販売先向けの予定在庫を把握可能なシステムを提供することができる。このため、ユーザである営業担当は、受注情報の入力段階で、販売先向けの予定在庫を容易に把握することができる。
【0106】
具体的には、図7A図9Dに示す例では、ユーザは、得意先Bに対して確保されている在庫が5個から7個に増えており、かつ受注予定がないため、過剰な確保になっている可能性を早期に把握することができる。
【0107】
以上説明したように、本実施形態の業務支援装置100は、記憶部106および制御部102を備える。記憶部106は、商品情報と販売先情報と在庫数とが対応付けて登録された在庫テーブル106aを記憶する。制御部102は、受付部102aと、登録部102bと、を備える。受付部102aは、発注対象の商品の発注情報、受注対象の商品の受注情報、および販売先変更対象の商品の販売先変更情報、の少なくとも1つである実績前情報と、商品の販売先情報と、の入力を受付ける。登録部102bは、受付けた実績前情報と販売先情報とを対応付けて予定管理テーブル106cに登録する。
【0108】
このため、ユーザは、実際の実績が確定する前段階であっても、販売先情報を含む在庫テーブル106aおよび予定管理テーブル106cを参照することで、実績が確定した後の予定管理テーブル106cにおける、販売先向けの在庫状況を確認することができる。すなわち、本実施形態の業務支援装置100は、実際の実績が確定する前段階で、販売先向けの予定在庫を把握可能なシステムを提供することができる。また、ユーザは、発注検討や在庫確認などの実績が特定される前段階における、販売先ごとの予定在庫を短時間で容易に確認することができる。
【0109】
従って、本実施形態の業務支援装置100は、業務遂行の効率の向上を図ることができる。
【0110】
また、本実施形態の業務支援装置100では、販売先情報を含む上記構成のテーブルを備えた構成とすることで、どの販売先にどの商品が割り当てられているかを、容易に把握可能なシステムを提供することができる。また、本実施形態の業務支援装置100では、販売先情報を含む上記構成のテーブルを備えた構成とすることで、販売先情報を検索キーとした情報を提供することができる。このため、ユーザは、特定の販売先に対する在庫状況を容易に把握することができ、特定の販売先に対して過剰に在庫を抱え込んでいるか否か等の情報を容易に確認することができる。また、本実施形態の業務支援装置100では、特定の販売先に対する在庫の回転率悪化を抑制することができる。
【0111】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0112】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0113】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0114】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0115】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0116】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0117】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0118】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0119】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0120】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0121】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0122】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0123】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0124】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0125】
100 業務支援装置
102a 受付部
102b 登録部
102c 更新部
102d 出力制御部
106a 在庫テーブル
106c 予定管理テーブル
106d 実績管理テーブル
106e 発注テーブル
106f 変更指示テーブル
106g 受注テーブル
106i 変更テーブル
106j 売上テーブル
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D