(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 31/18 20060101AFI20241016BHJP
B65H 31/06 20060101ALI20241016BHJP
B65H 31/20 20060101ALI20241016BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B65H31/18
B65H31/06
B65H31/20
G03G15/00 460
(21)【出願番号】P 2021036253
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 潤也
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-252512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/18
B65H 31/06
B65H 31/20
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の上面から外部へ用紙を排出する排紙口と、
前記排紙口から排出される用紙の下端を支持する用紙支持部と、
前記用紙支持部が支持する用紙の有無を検知する用紙検知部と、
前記用紙支持部を前記排紙口に向かって昇降させる昇降部と
、を備える画像形成装置であって、
前記昇降部は、
前記用紙検知部での検知結果に応じて、前記用紙支持部を昇降させるとともに、前記用紙支持部が支持する用紙のサイズに応じて、前記用紙支持部を昇降させること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の画像形成装置であって、
前記用紙検知部は、前記用紙支持部近傍に設けられ、前記用紙支持部が支持する用紙の下端部を検知する下端検知部を有すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の画像形成装置であって、
前記用紙検知部は、前記排紙口近傍に設けられ、前記用紙支持部が支持する用紙の上端部を検知する上端検知部を有すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の画像形成装置であって、
前記下端検知部によって用紙の下端部を検知し、前記上端検知部によって用紙の上端部を検知していない場合、前記昇降部は、前記用紙支持部を上昇させること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項
3または請求項
4に記載の画像形成装置であって、
前記用紙支持部が上昇した際、前記用紙検知部は、前記上端検知部が用紙の上端を検知してから前記用紙支持部が上昇した距離に基づいて、前記筐体の上面からの用紙飛び出し量を検知すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項
5までのいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記用紙支持部へ搬送する用紙のサイズを通知するサイズ通知部を備えること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の画像形成装置であって、
前記用紙支持部へ異なるサイズの用紙が搬送される場合、前記昇降部は、最も大きいサイズの用紙に応じた位置に前記用紙支持部を移動させること
を特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の上面から用紙を排出する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭や職場などの使用環境に応じて、多様な画像形成装置が求められている。例えば、画像形成した用紙については、排出口から排出した後、排紙トレイ上に順次積載する構成が広く用いられているが、利便性や美観を考慮して、異なる構成としたものが提案されている。具体的に、筐体に設けた用紙取出口が上向きに開口しており、用紙取出口から飛び出すように用紙を排出する構成が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置は、画像形成部が内蔵される筐体と、用紙が排出される排紙部とを備える。排紙部は、排出された用紙の表面または裏面を支持する排紙トレイと、用紙を取り出すための用紙取出口とを有し、筐体の外周壁の内面側が排紙トレイとして用いられ、用紙取出口が上向きに開口している。
【0005】
上述した画像形成装置では、使用頻度の高い用紙サイズを想定して排紙トレイの位置が設定されており、他のサイズの用紙を使用する場合や、異なるサイズの用紙が混ざっている場合に対する想定がされていない。そのため、異なるサイズの用紙が排出された場合に、用紙の有無の確認や、用紙の取り出し易さなどに対する配慮が不十分であるという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、用紙の視認性と取り易さの向上、およびスタッキング性の維持を図る画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、筐体と、前記筐体の上面から外部へ用紙を排出する排紙口と、前記排紙口から排出される用紙の下端を支持する用紙支持部と、前記用紙支持部が支持する用紙の有無を検知する用紙検知部と、前記用紙支持部を前記排紙口に向かって昇降させる昇降部と、を備える画像形成装置であって、前記昇降部は、前記用紙検知部での検知結果に応じて、前記用紙支持部を昇降させるとともに、前記用紙支持部が支持する用紙のサイズに応じて、前記用紙支持部を昇降させることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る画像形成装置では、前記用紙検知部は、前記用紙支持部近傍に設けられ、前記用紙支持部が支持する用紙の下端部を検知する下端検知部を有する構成としてもよい。
【0010】
本発明に係る画像形成装置では、前記用紙検知部は、前記排紙口近傍に設けられ、前記用紙支持部が支持する用紙の上端部を検知する上端検知部を有する構成としてもよい。
【0011】
本発明に係る画像形成装置では、前記下端検知部によって用紙の下端部を検知し、前記上端検知部によって用紙の上端部を検知していない場合、前記昇降部は、前記用紙支持部を上昇させる構成としてもよい。
【0012】
本発明に係る画像形成装置では、前記用紙支持部が上昇した際、前記用紙検知部は、前記上端検知部が用紙の上端を検知してから前記用紙支持部が上昇した距離に基づいて、前記筐体の上面からの用紙飛び出し量を検知する構成としてもよい。
【0013】
本発明に係る画像形成装置は、前記用紙支持部へ搬送する用紙のサイズを通知するサイズ通知部を備える構成としてもよい。
【0014】
本発明に係る画像形成装置では、前記用紙支持部へ異なるサイズの用紙が搬送される場合、前記昇降部は、最も大きいサイズの用紙に応じた位置に前記用紙支持部を移動させる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、用紙支持部を昇降させて、筐体の上面からの用紙飛び出し量を調整することで、用紙の視認性と取り易さの向上、およびスタッキング性の維持を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す外観斜視図である。
【
図2】
図1に示す画像形成装置の外観上面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略側面図である。
【
図4】下方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【
図5】上方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、下方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、下方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【
図9】変形例における用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を示す外観斜視図であって、
図2は、
図1に示す画像形成装置の外観上面図である。
【0019】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10は、略矩形状の筐体11を備え、筐体11の上面11bであって、前面11a寄りには、上向きに開口した排紙口11cが設けられている。また、筐体11の上面11bには、排紙口11cの他に、画像読取部12および操作部13が設けられている。
【0020】
画像読取部12は、載置された原稿を読み取って画像データを生成する。操作部13は、例えば、ディスプレイとボタンとで構成されており、ユーザへの表示や、ユーザからの入力を受け付ける。なお、これに限定されず、ディスプレイとボタンとが一体とされたタッチパネルであってもよい。
【0021】
図3は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の概略側面図である。
【0022】
画像形成装置10は、露光装置23、現像装置25、感光体ドラム21、帯電器24、転写ローラ22、定着装置26、給紙トレイ31、用紙支持部41、および用紙搬送経路Sを備える構成とされており、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙Pに対して単色の画像を形成する。
【0023】
給紙トレイ31は、画像形成に使用する用紙Pを蓄積しておくためのトレイである。給紙トレイ31に蓄積された用紙Pは、ピックアップローラ32によって用紙搬送経路Sに供給され、搬送ローラ33およびレジストローラ34を経て、後述する転写ニップ部へ送られる。この際、レジストローラ34は、搬送されている用紙Pを一旦保持し、転写ニップ部へ用紙Pを送るタイミングを調整する。
【0024】
感光体ドラム21は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体である。帯電器24は、感光体ドラム21の表面を所定の電位に帯電させる。露光装置23は、感光体ドラム21の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置25は、感光体ドラム21の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム21の表面にトナー像を形成する。転写ローラ22は、感光体ドラム21との間に転写ニップ部を形成するように設けられている。転写ニップ部を用紙Pが通過する際、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像が用紙Pに転写される。
【0025】
定着装置26は、ヒートローラおよび加圧ローラ等を備え、ヒートローラと加圧ローラとの間の定着ニップ部を用紙Pが通過する際、用紙Pに転写されたトナー像を加熱および加圧して、用紙Pにトナー像を定着させる。
【0026】
定着ニップ部を通過した用紙Pは、用紙搬送経路Sに設けられた排出ローラ35を経て、用紙支持部41へ送られる。本実施の形態では、スイッチバック式を用いて排出ローラ35から用紙支持部41へ用紙Pを搬送する構成とされている。具体的に、用紙Pは、先端(上端)が排紙口11cへ向かうように搬送され、後端(下端)が排出ローラ35を通過すると、下方へ落下し、下端が用紙支持部41によって受け止められる。
【0027】
用紙支持部41は、排紙口11cの下方であって、筐体11の前面に沿う位置に設けられており、排紙口11cから排出される用紙Pの下端を支持する。用紙支持部41に支持された用紙Pは、上端側の一部が排紙口11cより上方に突出している。なお、用紙Pが排紙口11cから突出した長さ(用紙飛び出し量)は、用紙支持部41の位置や用紙Pのサイズによって適宜変化する。
【0028】
図3では、1つの給紙トレイ31を備えた構成を示しているが、これに限らず、複数の給紙トレイ31を備えた構成としてもよい。また、給紙トレイ31を備えた給紙装置を画像形成装置10に接続し、給紙装置から用紙Pを供給する構成としてもよい。複数の給紙トレイ31を設けた際、給紙トレイ31毎に異なるサイズの用紙Pを蓄積してもよい。以下では説明のため、用紙Pのうち、サイズが大きい用紙を大判用紙Paと呼び、サイズが小さい用紙を小判用紙Pbと呼んで両者を区別することがある。
【0029】
画像形成装置10では、画像形成における条件に基づいて、用紙支持部41へ搬送する用紙Pのサイズを通知するサイズ通知部を備えていてもよい。サイズが異なる用紙Pを収容している際には、通知されたサイズに応じて、搬送する用紙Pを選択する。
【0030】
排紙口11c近傍では、用紙支持部41に支持された用紙Pをガイドする用紙ガイドが設けられていてもよい。用紙ガイドについては、排紙口11cに近づくにつれて、用紙Pの幅方向(
図2の左右方向)での中央が突出するように湾曲した構造としてもよい。用紙ガイドに沿って用紙Pを湾曲させることで、用紙Pの剛性を高め、排紙口11cから飛び出した用紙Pの一部が垂れ下がることを避けられる。
【0031】
図3では、用紙Pに単色の画像を形成するモノクロの画像形成装置10を示したが、これに限定されず、用紙Pに多色の画像を形成するカラーの画像形成装置10としてもよい。カラーの画像形成装置10では、例えば、複数の感光体ドラム21を設け、それぞれに異なる色のトナー像を形成し、複数色のトナー像を用紙P上で重ね合わせることで、多色の画像を形成することができる。
【0032】
次に、排紙口11cおよび用紙支持部41周辺の構造について、
図4および
図5を参照して説明する。
【0033】
図4は、下方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【0034】
画像形成装置10には、用紙支持部41を排紙口11cに向かって昇降させる昇降部43が設けられている。用紙支持部41には、昇降伝達部42が取り付けられており、昇降伝達部42は、昇降部43に接続されている。本実施の形態において、昇降伝達部42および昇降部43は、ラックアンドピニオン構造とされており、昇降部43には、図示しない駆動部が接続されている。駆動部から伝達された力によって、昇降部43を駆動させることで、昇降伝達部42を通じて、用紙支持部41を昇降させることができる。本実施の形態では、昇降部43と用紙支持部41との間に昇降伝達部42を設けているが、これに限定されず、昇降部43が直に用紙支持部41を昇降させる構成としてもよい。
【0035】
図4では、昇降部43が用紙支持部41を下方へ降下させた状態を示しており、用紙支持部41は、排紙口11cから離間した下方位置に配置されている。下方位置については、用紙支持部41に支持された大判用紙Paにおける用紙飛び出し量が、適切な長さになるように設定されている。
【0036】
図5は、上方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【0037】
図5は、
図4に対し、用紙支持部41が排紙口11cに近づく方向(矢符Dの方向)へ移動した状態を示している。用紙支持部41は、排紙口11cに近接した上方位置に配置されている。上方位置については、用紙支持部41に支持された小判用紙Pbにおける用紙飛び出し量が、適切な長さになるように設定されている。
図5に示す状態から、昇降部43を駆動させて、用紙支持部41が排紙口11cから離れる方向(矢符Dに対して反対の方向)へ移動させると、
図4に示す状態に戻る。
【0038】
上述したように、画像形成装置10において、昇降部43は、用紙支持部41が支持する用紙Pのサイズに応じて、用紙支持部41を昇降させる。このように、用紙支持部41を昇降させて、筐体11の上面11bからの用紙飛び出し量を調整することで、用紙Pの視認性と取り易さの向上、およびスタッキング性の維持を図ることができる。
【0039】
用紙Pのサイズについては、サイズ通知部からの通知によって把握すればよく、通知された用紙Pのサイズに応じて、適切な位置に用紙支持部41を移動させればよい。
【0040】
画像形成装置10では、
図4に示す状態と、
図5に示す状態とで用紙飛び出し量が略同じになるように、下方位置および上方位置が設定されている。従って、用紙支持部41で支持する用紙Pのサイズが変わっても、用紙支持部41の位置を調整することで、用紙飛び出し量を一定に揃えることができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0042】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、用紙支持部41近傍の構造が異なっている。なお、第2実施形態は、
図1ないし
図5に示す第1実施形態と略同様の構成とされているので、説明を省略し、異なる点のみ説明する。
【0043】
図6は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【0044】
第2実施形態では、第1実施形態に対し、用紙支持部41が支持する用紙Pの有無を検知する用紙検知部(下端検知部51および上端検知部52)が設けられている点で異なる。昇降部43は、用紙検知部での検知結果に応じて、用紙支持部41を昇降させる。用紙検知部によって、用紙支持部41上に用紙Pが有るかどうかを検知することで、適切な機会に用紙支持部41を上昇させて、用紙Pの取り忘れを防ぐことができる。なお、用紙支持部41を昇降させる動作については、後述する
図7および
図8と併せて説明する。
【0045】
下端検知部51は、用紙支持部41近傍に設けられ、用紙支持部41が支持する用紙Pの下端部を検知する。下端検知部51は、例えば、アクチュエータと光センサとで構成されており、アクチュエータが用紙Pの下端に押圧されて揺動したかどうかを、光センサで検知することで、用紙支持部41上に用紙Pが有るかどうかを判断できる。このように、用紙支持部41上で用紙Pを支持する構造とされているので、用紙Pの下端部を検知することで、用紙Pが有るかどうかを確実に判断できる。
【0046】
上端検知部52は、排紙口11c近傍に設けられ、用紙支持部41が支持する用紙Pの上端部を検知する。上端検知部52は、例えば、光センサであって、排紙口11c近傍が検知範囲として設定されている。このように、上端検知部52によって用紙Pの上端部を検知することで、ユーザが視認できるように、排紙口11cから用紙Pの上端が飛び出しているかどうかを判断できる。
【0047】
図6に示す状態において、用紙支持部41は、下方位置に配置されており、大判用紙Paと小判用紙Pbとを支持している。この際、小判用紙Pbの上端部は、上端検知部52の検知範囲に届いていないが、大判用紙Paの上端部は、上端検知部52の検知範囲に存在しているので、上端検知部52は、用紙Pの上端部を検知したという検知結果を出力する。また、下端検知部51は、大判用紙Paおよび小判用紙Pbの下端部に押圧されており、用紙Pの下端部を検知したという検知結果を出力する。
【0048】
図7は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、下方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【0049】
図7は、
図6に対し、用紙支持部41で支持する用紙Pが、大判用紙Paだけに変化した状態を示している。つまり、
図6に示す状態では、大判用紙Paだけが、排紙口11cから飛び出しているので、ユーザが視認できる大判用紙Paを取り出した結果、
図7に示すように、用紙支持部41上には、小判用紙Pbが取り残される。
【0050】
用紙支持部41が下方位置に配置されていて、小判用紙Pbが支持されているので、小判用紙Pbは、下端検知部51によって下端部を検知されるが、上端検知部52には、上端部を検知されない。このように、下端検知部51によって用紙Pの下端部を検知し、上端検知部52によって用紙Pの上端部を検知していない場合、昇降部43は、用紙支持部41を上昇させる。
【0051】
図8は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置において、下方に位置している状態の用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【0052】
図8は、
図7に対し、用紙支持部41が排紙口11cに近づく方向(矢符Dの方向)へ移動した状態を示している。用紙支持部41は、排紙口11cに近接した上方位置に配置されている。用紙支持部41を上昇したことによって、小判用紙Pbは、上端検知部52によって上端部を検知され、上端部の一部が排紙口11cより上方に突出する。このように、サイズの小さい用紙Pが用紙支持部41上に取り残されている際、ユーザが視認できるように、用紙支持部41を上昇させて、用紙Pの取り忘れを防ぐことができる。
【0053】
また、用紙支持部41が上昇した際、用紙検知部は、上端検知部52が用紙Pの上端を検知してから用紙支持部41が上昇した距離に基づいて、筐体11の上面11bからの用紙飛び出し量を検知してもよい。このように、用紙飛び出し量を検知することで、用紙飛び出し量が一定になるように調節することができる。なお、小判用紙Pbだけに限らず、大判用紙Paについても、用紙飛び出し量を検知するようにしてもよい。この場合、大判用紙Paに対して、下端部を検知しつつ、上端部をしないように、下方位置よりも下方に用紙支持部41を降下させる構成とすればよい。
【0054】
図6に示すように、用紙支持部41へ異なるサイズの用紙Pが搬送される場合、昇降部43は、最も大きいサイズの用紙Pに応じた位置に用紙支持部41を移動させてもよい。例えば、大判用紙Paと小判用紙Pbとが搬送される場合、用紙支持部41を予め下方位置に移動させた状態で、用紙Pが搬送されるのを待つ。このように、最も大きいサイズの用紙まるに合わせた位置に用紙支持部41を移動させることで、一部の用紙Pが大きく飛び出し、上端が垂れ下がるといった事態を避けられる。
【0055】
排出ローラ35から用紙支持部41へ用紙Pを搬送する経路については、
図9に示す変形例のような構造としてもよい。
【0056】
図9は、変形例における用紙支持部近傍を示す拡大説明図である。
【0057】
変形例において、用紙搬送経路Sは、定着ニップ部から上方へ延びた後、下方へ向かうように湾曲している。そして、上方から下方へ向かうようにして排出ローラ35を通過する。用紙Pは、先端(下端)が用紙支持部41へ向かうように搬送され、後端(上端)が排出ローラ35を通過すると、下方へ落下し、下端が用紙支持部41によって受け止められる。用紙支持部41については、用紙Pの後端が排出ローラ35を通過する前に、予め搬送される用紙Pのサイズに応じ、上端検知部52によって用紙Pの上端部が検知されない位置に移動させればよい。
【0058】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10 画像形成装置
11 筐体
11a 前面
11b 上面
11c 排紙口
41 用紙支持部
42 昇降伝達部
43 昇降部
51 下端検知部(用紙検知部の一部)
52 上端検知部(用紙検知部の一部)
P 用紙
Pa 大判用紙
Pb 小判用紙