(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】ステータ及びレゾルバ
(51)【国際特許分類】
H02K 3/50 20060101AFI20241016BHJP
H02K 3/18 20060101ALI20241016BHJP
G01D 5/20 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/18 J
G01D5/20 110H
(21)【出願番号】P 2021085437
(22)【出願日】2021-05-20
【審査請求日】2023-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 紘明
【審査官】三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-201944(JP,A)
【文献】特開2004-064821(JP,A)
【文献】特開2018-046620(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0336827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0323677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/50
H02K 3/18
G01D 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁極歯が
径方向外側に環状に配設されたステータコアと、前記複数の磁極歯のそれぞれに電線を巻回して形成した複数の巻線と、前記ステータコアの軸方向端面に周方向に並べて配設された複数の接続端子と、を有し、
前記巻線を複数接続することにより形成される1相分の巻線群を複数備え、前記巻線群の両端から延びる延長線がそれぞれ異なる前記接続端子に接続され
ることによってブリッジ回路が形成されているステータであって、
前記ステータコアの周縁部には、周方向に隣り合う2つの前記磁極歯の間の位置に、前記ステータコアの前記軸方向端面から軸方向に突出するガイド機構
が設けられ、
複数の前記延長線のうち一部の前記延長線が前記ガイド機構の
前記径方向外側に巻き付けられることによって、前記延長線を前記ガイド機構の
前記径方向外側に巻き付けなかった場合と比較して、前記ステータコアの前記軸方向端面における前記延長線の交差が減少するように配線されることを特徴とするステータ。
【請求項2】
請求項1に記載されたステータであって、
周方向に隣り合う2つの前記磁極歯の間に複数の前記ガイド機構が設けられ、
複数の前記延長線のうち一部の前記延長線が前記ガイド機構の
前記径方向外側に巻き付けられることによって、前記ステータコアの前記軸方向端面における前記延長線の交差が無くなるように配線されることを特徴とするステータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたステータと、
回転軸に固定さ
れ内周に凹凸が設けられた磁性体からなる
円環状のロータと、を備え、
前記ロータと前記ステータの間のリラクタンスの変化を検出することによって、前記回転軸の回転位置を検出することを特徴とするレゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状に配設された複数の磁極歯のそれぞれに電線を巻回して形成される巻線を有するステータと、上記のステータとロータの間のリラクタンスの変化を検出することにより回転軸の回転位置を検出するレゾルバに関する。
【背景技術】
【0002】
回転角センサのレゾルバとしてバリアブルリラクタンス型レゾルバ(以下、VR型レゾルバと略称する)があり、一般的なVR型レゾルバにおいては、環状のステータに、コイル状に巻回された励磁巻線及び出力巻線が備わっている。特許文献1には、環状に配設された複数の磁極歯に電線を巻回して形成した複数の巻線と、ステータコアの軸方向端面に周方向に並べて配設された4つの接続端子と、を有し、巻線を複数接続することにより形成される巻線群の両端から延びる延長線がそれぞれ異なる接続端子に接続されているステータを備えたレゾルバが開示されている。
【0003】
また、特許文献1に開示されるレゾルバでは、ステータを製造する際に、接続端子Aから接続端子Bまでステータコアの周方向に反時計回りに電線を巻き付けた後、接続端子Bで折り返して接続端子Cまでステータコアの周方向に時計回りに巻き付けて、更に接続端子Cで折り返して接続端子Dまでステータコアの周方向に反時計回りに巻き付けた後、接続端子Dで折り返してステータコアの周方向に時計回りに巻き付けて接続端子Aに接続している。つまり、特許文献1に開示されるレゾルバでは、電線をステータコアに巻き付ける際に、1周毎に巻き付ける方向を逆方向に変更している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図2に示すように、複数の巻線23を直列接続して形成された4つの巻線群24の両端から延びる延長線25を接続端子A~Dに接続してブリッジ回路を形成する場合、
図10に示すように、4つの接続端子A~Dをステータコア22の軸方向端面に周方向に並べて配設すると、ステータコア22の軸方向端面で延長線25が互いに交差して接触することになる。このように延長線が交差して接触すると、振動等の影響により交差接触点で延長線が摩耗し断線することがある。これは4つの接続端子A~Dの並び順を変えても改善しない。
【0006】
そこで、本発明は、複数の接続端子が軸方向端面に周方向に並べて配設されたステータについて、巻線群の両端から延びる延長線がステータコアの軸方向端面で交差する交差接触点を減少させて、摩耗による延長線の断線を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るステータは、複数の磁極歯が径方向外側に環状に配設されたステータコアと、前記複数の磁極歯のそれぞれに電線を巻回して形成した複数の巻線と、前記ステータコアの軸方向端面に周方向に並べて配設された複数の接続端子と、を有し、前記巻線を複数接続することにより形成される1相分の巻線群を複数備え、前記巻線群の両端から延びる延長線がそれぞれ異なる前記接続端子に接続されることによってブリッジ回路が形成されているステータであって、前記ステータコアの周縁部には、周方向に隣り合う2つの前記磁極歯の間の位置に、前記ステータコアの前記軸方向端面から軸方向に突出するガイド機構が設けられ、複数の前記延長線のうち一部の前記延長線が前記ガイド機構の前記径方向外側に巻き付けられることによって、前記延長線を前記ガイド機構の前記径方向外側に巻き付けなかった場合と比較して、前記ステータコアの前記軸方向端面における前記延長線の交差が減少するように配線されることを特徴とする。
【0008】
このステータによれば、一部の延長線がガイド機構の径方向外側に巻き付けられることによって、ステータコアの軸方向端面で延長線が交差する交差接触点が減少するため、摩耗による延長線の断線を抑制することができる。
【0009】
本発明のステータの一態様において、周方向に隣り合う2つの前記磁極歯の間に複数の前記ガイド機構が設けられ、複数の前記延長線のうち一部の前記延長線が前記ガイド機構の前記径方向外側に巻き付けられることによって、前記ステータコアの前記軸方向端面における前記延長線の交差が無くなるように配線されていてもよい。
【0010】
この態様によれば、複数のガイド機構が設けられ、一部の延長線がガイド機構の径方向外側に巻き付けられることによって、ステータコアの軸方向端面で延長線が交差する交差接触点が無くなるため、摩耗による延長線の断線を抑制することができる。
【0011】
本発明のレゾルバの一態様において、回転軸に固定され内周に凹凸が設けられた磁性体からなる円環状のロータと、を備え、前記ロータと前記ステータの間のリラクタンスの変化を検出することによって、前記回転軸の回転位置を検出してもよい。
【0012】
この態様によれば、摩耗による延長線の断線が抑制されたレゾルバを提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、複数の接続端子が軸方向端面に周方向に並べて配設されたステータについて、巻線群の両端から延びる延長線がステータコアの軸方向端面で交差する交差接触点を減少させて、摩耗による延長線の断線を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態のレゾルバの軸方向端面の一部を示す図である。
【
図2】第1の実施形態のレゾルバ及び第2の実施形態のレゾルバのステータの巻線群と接続端子の接続を示す回路図である。
【
図3】第1の実施形態のレゾルバのステータに1本目の電線を配線した状態を示す図である。
【
図4】第1の実施形態のレゾルバのステータに1本目の電線と2本目の電線を配線した状態を示す図である。
【
図5】第1の実施形態のレゾルバのステータに1本目から3本目の電線を配線した状態を示す図である。
【
図6】第2の実施形態のレゾルバの軸方向端面の一部を示す図である。
【
図7】第2の実施形態のレゾルバのステータに1本目の電線を配線した状態を示す図である。
【
図8】第2の実施形態のレゾルバのステータに1本目の電線と2本目の電線を配線した状態を示す図である。
【
図9】第2の実施形態のレゾルバのステータに1本目から3本目の電線を配線した状態を示す図である。
【
図10】ガイド機構が設けられていないステータに延長線を配線した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1の実施形態>
以下、
図1~
図5を参照しながら、本発明の第1の実施形態のレゾルバ10について説明する。
図1は、レゾルバ10の軸方向端面の一部を示す図である。レゾルバ10はVR型レゾルバであって、内周に凹凸が設けられた磁性体からなる円環状のロータ1と、ロータ1の径方向内側に配置されるステータ2を備える。レゾルバ10は、ロータ1とステータ2の間のリラクタンスの変化を検出することによって、ロータ1に固定された不図示の回転軸の回転位置を検出することができる。
【0016】
ステータ2は、20個の磁極歯21が外周に環状に配設されたステータコア22と、20個の磁極歯21のそれぞれに電線を巻回して形成された20個の巻線23と、ステータコア22の軸方向端面に周方向に一直線上に並べて配設された4つの接続端子A~Dを有する。そして、ステータコア22の周縁部には、周方向に隣り合う2つの磁極歯21の間に、ステータコア22の軸方向端面から軸方向に突出するガイド機構26a及びガイド機構26bが設けられている。ガイド機構26a及びガイド機構26bは、ステータコア22の軸方向端面に直立された柱形状の絶縁材により形成可能である。
【0017】
図2は、レゾルバ10のステータ2の巻線23と接続端子A~Dの接続を示す回路図である。
図2に示すように、5つの巻線23を直列に接続することにより1相分の巻線群24が形成される。そして、全部で4相分の巻線群24が形成され、巻線群24の両端から延びる延長線25が、それぞれ異なる接続端子A~Dに接続されることによって、ブリッジ回路が形成されている。なお、延長線25は、
図1に示すように、全部で延長線25a~25hの8本ある。以下、8本の延長線25a~25hを区別する必要がないときは、延長線25と総称する。
【0018】
次に、巻線群24及び延長線25の配線方法について説明する。1相分の巻線群24とその両端から延びる2本の延長線25は、1本の電線の一端を4つの接続端子A~Dのうちの1つに接続し、5つの磁極歯21に順番に巻き付けて巻線群24を形成した後に、異なる接続端子に他端を接続することによって完成する。つまり、1相分の巻線群24とその両端から延びる2本の延長線25は、1本の電線により形成される。巻線群24及び延長線25の配線は、4つの接続端子A~Dのうち、どの接続端子へ電線を接続するところから開始してもよいが、ここでは、
図3に示すように、1本目の電線W1を接続端子Dへ接続するところから開始するものとして、以下に配線方法を説明する。
【0019】
一端を接続端子Dに接続した1本目の電線W1は、ステータコア22に備えた近傍の磁極歯21に巻回して巻線23を作成した後、
図3の破線の矢印に示すように、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡される。そして、電線W1を別の磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、このように磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W1を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成して、電線W1の他端を接続端子Aに接続する。このように電線W1の一端を接続端子Dに接続した後に5つの磁極歯21に電線W1を巻回して他端を接続端子Aに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Dに接続する延長線25gと、接続端子Aに接続する延長線25bが配線される。
【0020】
次に、
図4に示すように、2本目の電線W2の一端を接続端子Aに接続し、ガイド機構26aの径方向外側に巻き付けた後にステータコア22の周方向に反時計回りに渡され、電線W2を磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W2を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成する。そして、このように1つの巻線群24を形成してから、電線W2をガイド機構26aの径方向外側に巻き付けた後に電線W2の他端を接続端子Bに接続する。このように電線W2の一端を接続端子Aに接続した後に5つの磁極歯21に電線W2を巻回して他端を接続端子Bに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Aに接続する延長線25aと、接続端子Bに接続する延長線25dが配線される。
【0021】
次に、
図5に示すように、3本目の電線W3の一端を接続端子Bに接続し、ガイド機構26aの径方向外側に巻き付けた後にステータコア22の周方向に反時計回りに渡され、電線W3を磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W3を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成する。そして、このように1つの巻線群24を形成してから、電線W3をガイド機構26bの径方向外側に巻き付けた後に電線W3の他端を接続端子Cに接続する。このように電線W3の一端を接続端子Bに接続した後に5つの磁極歯21に電線W3を巻回して他端を接続端子Cに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Bに接続する延長線25cと、接続端子Cに接続する延長線25fが配線される。
【0022】
次に、
図1に示すように、4本目の電線W4の一端を接続端子Cに接続し、ガイド機構26bの径方向外側に巻き付けた後にステータコア22の周方向に反時計回りに渡され、電線W4を磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W4を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成する。そして、このように1つの巻線群24を形成してから、電線W4をガイド機構26bの径方向外側に巻き付けた後に電線W4の他端を接続端子Dに接続する。このように電線W4の一端を接続端子Cに接続した後に5つの磁極歯21に電線W4を巻回して他端を接続端子Dに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Cに接続する延長線25eと、接続端子Dに接続する延長線25hが配線される。
【0023】
本実施形態のレゾルバ10は、このように4本の電線W1~W4を配線することによって、
図1に示すように、ステータコア22の軸方向端面において、8本の延長線25a~25hが互いに交差して接触する交差接触点がなくなるため、摩耗による延長線25の断線を抑制することができる。
【0024】
また、本実施形態のレゾルバ10は、特許文献1に開示されるレゾルバとは異なり、ステータ2を製造する際に、4本の電線W1~W4をいずれもステータコア22の周囲を同じ方向に巻き付けることができる。そのため、レゾルバ10は、特許文献1に開示されるレゾルバと比較して、ステータ2の製造工程における作業効率を向上させることができる。
【0025】
<第2の実施形態>
次に、
図2及び
図6~
図9を参照しながら、本発明の第2の実施形態のレゾルバ20について説明する。第2の実施形態のレゾルバ20は、ガイド機構26が1つしか設けられておらず、8本の延長線27a~27hの配線が異なる点を除き、第1の実施形態のレゾルバ10と同一の構成を有している。
【0026】
図6は、レゾルバ20の軸方向端面の一部を示す図である。レゾルバ20は、第1の実施形態のレゾルバ10と同様に、VR型レゾルバであって、内周に凹凸が設けられた磁性体からなる円環状のロータ1と、ロータ1の径方向内側に配置されるステータ3を備える。レゾルバ20は、ロータ1とステータ3の間のリラクタンスの変化を検出することによって、ロータ1に固定された不図示の回転軸の回転位置を検出することができる。
【0027】
ステータ3は、第1の実施形態のレゾルバ10のステータ2と同様に、20個の磁極歯21が外周に環状に配設されたステータコア22と、20個の磁極歯21のそれぞれに電線を巻回して形成された20個の巻線23と、ステータコア22の軸方向端面に一直線上に周方向に並べて配設された4つの接続端子A~Dを有する。そして、ステータコア22の周縁部には、周方向に隣り合う2つの磁極歯21の間に、ステータコア22の軸方向端面から軸方向に突出する1つのガイド機構26が設けられている。ガイド機構26は、ステータコア22の軸方向端面に直立された柱形状の絶縁材により形成可能である。
【0028】
レゾルバ20のステータ3の巻線23と接続端子A~Dは、
図2の回路図に示すように接続されている。
図2に示すように、5つの巻線23を直列に接続することにより1相分の巻線群24が形成される。そして、全部で4相分の巻線群24が形成され、巻線群24の両端から延びる延長線27が、それぞれ異なる接続端子A~Dに接続されることによって、ブリッジ回路が形成されている。なお、延長線27は、
図6に示すように、全部で延長線27a~27hの8本ある。以下、8本の延長線27a~27hを区別する必要がないときは、延長線27と総称する。
【0029】
次に、巻線群24及び延長線27の配線方法について説明する。1相分の巻線群24とその両端から延びる2本の延長線27は、1本の電線の一端を4つの接続端子A~Dのうちの1つに接続し、5つの磁極歯21に順番に巻き付けて巻線群24を形成した後に、異なる接続端子に他端を接続することによって完成する。巻線群24及び延長線27の配線は、4つの接続端子A~Dのうち、どの接続端子へ電線を接続するところから開始してもよいが、ここでは、
図7に示すように、1本目の電線W1を接続端子Dへ接続するところから開始するものとして、以下に配線方法を説明する。
【0030】
一端を接続端子Dに接続した1本目の電線W1は、ステータコア22に備えた近傍の磁極歯21に巻回して巻線23を作成した後、
図7の破線の矢印に示すように、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡される。そして、電線W1を別の磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、このように磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W1を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成して、電線W1の他端を接続端子Aに接続する。このように電線W1の一端を接続端子Dに接続した後に5つの磁極歯21に電線W1を巻回して他端を接続端子Aに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Dに接続する延長線27hと、接続端子Aに接続する延長線27aが配線される。
【0031】
次に、
図8に示すように、2本目の電線W2の一端を接続端子Aに接続し、ガイド機構26の径方向外側に巻き付けた後にステータコア22の周方向に反時計回りに渡され、電線W2を磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W2を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成する。そして、このように1つの巻線群24を形成してから、電線W2をガイド機構26の径方向外側に巻き付けた後に電線W2の他端を接続端子Bに接続する。このように電線W2の一端を接続端子Aに接続した後に5つの磁極歯21に電線W2を巻回して他端を接続端子Bに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Aに接続する延長線27bと、接続端子Bに接続する延長線27dが配線される。
【0032】
次に、
図9に示すように、3本目の電線W3の一端を接続端子Bに接続し、ガイド機構26の径方向外側に巻き付けた後にステータコア22の周方向に反時計回りに渡され、電線W3を磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W3を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成する。そして、このように1つの巻線群24を形成してから、電線W3をガイド機構26の径方向外側に巻き付けた後に電線W3の他端を接続端子Cに接続する。このように電線W3の一端を接続端子Bに接続した後に5つの磁極歯21に電線W3を巻回して他端を接続端子Cに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Bに接続する延長線27cと、接続端子Cに接続する延長線27eが配線される。
【0033】
次に、
図6に示すように、4本目の電線W4の一端を接続端子Cに接続し、ステータコア22の周方向に反時計回りに渡され、電線W4を磁極歯21に巻回して巻線23を作成する。そして、磁極歯21間をステータコア22の周方向に反時計回りに渡す作業と磁極歯21に電線W4を巻回して巻線23を作成する作業を繰り返しながら、5つの巻線23が直列接続する1つの巻線群24を形成する。そして、このように1つの巻線群24を形成してから、電線W4をガイド機構26の径方向外側に巻き付けた後に電線W4の他端を接続端子Dに接続する。このように電線W4の一端を接続端子Cに接続した後に5つの磁極歯21に電線W4を巻回して他端を接続端子Dに接続することにより、1つの巻線群24と、接続端子Cに接続する延長線27fと、接続端子Dに接続する延長線27gが配線される。
【0034】
本実施形態のレゾルバ20は、このように4本の電線W1~W4を配線することによって、
図10に示すようにガイド機構26を設けず延長線25をガイド機構26の径方向外側に巻き付けていないステータを備える場合と比較して、ステータコア22の軸方向端面において、
図6に示すように8本の延長線27a~27hが互いに交差して接触する交差接触点が減少するため、摩耗による延長線27の断線を抑制することができる。
【0035】
また、第1の実施形態のレゾルバ10は2つのガイド機構26a,26bを備えるが、本実施形態のレゾルバ20はガイド機構26を1つのみ備える。そのため、レゾルバ20は、ステータ3の周囲の部品との干渉を避ける等の都合により、ガイド機構26を2つ設けることが困難な場合に、1つのガイド機構26を設けることによって、ステータコア22の軸方向端面における延長線27の交差接触点を減少させて、摩耗による延長線27の断線を抑制することができる。
【0036】
更に、本実施形態のレゾルバ20は、特許文献1に開示されるレゾルバとは異なり、ステータ3を製造する際に、4本の電線W1~W4をいずれもステータコア22の周囲を同じ方向に巻き付けることができる。そのため、特許文献1に開示されるレゾルバと比較して、ステータ3の製造工程における作業効率を向上させることができる。
【0037】
<実施形態の補足>
本開示のレゾルバは、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、ステータの磁極歯及び巻線の数は20以外であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 ロータ、2,3 ステータ、10,20 レゾルバ、21 磁極歯、22 ステータコア、23 巻線、24 巻線群、25,25a,25b,25c,25d,25e,25f,25g,25h,27,27a,27b,27c,27d,27e,27f,27g,27h 延長線、26,26a,26b ガイド機構、A,B,C,D 接続端子、W1,W2,W3、W4 電線。