(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】温風暖房機
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20241016BHJP
F24C 15/08 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
F24H9/02 302Z
F24C15/08 N
(21)【出願番号】P 2021105976
(22)【出願日】2021-06-25
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐哉
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 篤
(72)【発明者】
【氏名】武田 真純
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-020958(JP,U)
【文献】特開2017-044390(JP,A)
【文献】特開2006-038268(JP,A)
【文献】特開平03-020561(JP,A)
【文献】実開昭62-132368(JP,U)
【文献】実公平07-049320(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F24C 15/08
F24F 1/02
H05K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
置き台と、背面板と、左右の側面板と、天板とにより構成される枠体と、表示部と操作部とを有し、前記枠体の正面上部に取り付けられる表示操作部ユニットと、断面コ字状で、正面部と、該正面部の両端に形成した左右の側面部と、前記正面部と側面部との間に形成した円弧部と、上端に形成した内曲げ部とからなり、上部が前記表示操作部ユニットの下部と当接し、前記枠体の正面に取り付けられる前パネルとにより器具本体が構成される温風暖房機に於いて、前記表示操作部ユニットの下部の両端に、前記前パネルの前記円弧部から側面部にかけて当接する突出部を形成し
、前記突出部は、前記表示操作部ユニットの両端下部に凹部を形成することで前記表示操作部ユニットの両端下部の外側にリブ状に設けられ、前記突出部の外面は、前記表示操作部ユニットの外面と面一に形成されることを特徴とする温風暖房機。
【請求項2】
前記突出部の内面下端が前記内曲げ部の上側の曲げ終端に当接することを特徴とする請求項
1記載の温風暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温風を吹き出して室内を暖房する温風暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいては、置き台と、背面板と、左右の側面板と、天板とにより枠体を構成し、この枠体の正面開口部の上部に金属製の操作パネルを組み付け、この操作パネルの下部に金属製の前パネルの上部を係合して前パネルを組み付けることで温風暖房機の器具本体を構成していた。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、枠体の正面開口部の上部に金属製の操作パネルを組み付け、この操作パネルの下部に金属製の前パネルの上部を係合して前パネルを組み付けていた。枠体の正面開口部の上部に組み付ける操作パネルが樹脂製の場合は、金属製の前パネルの形状のばらつきを樹脂製の操作パネルで吸収しきれないため、予め樹脂製の操作パネルと金属製の前パネルの合わせ目に隙間を設けて前パネルの形状のばらつきを吸収する方法がある。しかし、隙間を設けることは外観性を損なう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、置き台と、背面板と、左右の側面板と、天板とにより構成される枠体と、表示部と操作部とを有し、前記枠体の正面上部に取り付けられる表示操作部ユニットと、断面コ字状で、正面部と、該正面部の両端に形成した左右の側面部と、前記正面部と側面部との間に形成した円弧部と、上端に形成した内曲げ部とからなり、上部が前記表示操作部ユニットの下部と当接し、前記枠体の正面に取り付けられる前パネルとにより器具本体が構成される温風暖房機に於いて、前記表示操作部ユニットの下部の両端に、前記前パネルの前記円弧部から側面部にかけて当接する突出部を形成したものである。
【0006】
又、前記突出部は、前記表示操作部ユニットの両端下部に凹部を形成することで前記表示操作部ユニットの両端下部の外側にリブ状に設けられ、前記突出部の外面は、前記表示操作部ユニットの外面と面一に形成されるものである。
【0007】
又、請求項2では、前記突出部の内面下端が前記内曲げ部の上側の曲げ終端に当接するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、表示操作部ユニットの下部の両端に、前パネルの前記円弧部から側面部にかけて当接する突出部を形成したので、表示操作部ユニットの下部と前パネルの合わせ目に隙間を生じることがなく、前パネルの側面部の内曲げ部に発生する波打ちや歪が見えないので、外観性を損なうのを防止できる。
【0009】
又、突出部は、表示操作部ユニットの両端下部に凹部を形成することで表示操作部ユニットの両端下部の外側にリブ状に設けられ、突出部の外面は、表示操作部ユニットの外面と面一に形成されるので、突出部の外面と表示操作部ユニットの外面と面一で外観性を向上することができる。
【0010】
又、請求項2によれば、突出部の内面下端が内曲げ部の上側の曲げ終端に当接するので、前パネルの円弧部の内曲げ部のしわ状の凹凸が生じていても、突出部が内曲げ部の曲げ終端に当接し、表示操作部ユニットの下部と前パネルの合わせ目に隙間が発生するのを防止して、円弧部の内曲げ部にしわ状の凹凸や歪があっても見えないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態を示す温風暖房機の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る温風暖房機1は、
図1と
図2に示すように、温風を吹き出して室内の温度を上昇させる暖房装置である。
【0013】
温風暖房機1は、器具本体2と、燃油を燃焼させる燃焼部3と、温風を送り出す対流ファン4と、温風吹き出し口5と、温風吹き出し口枠6と、可動ルーバー7と、可動ルーバー7を所定の揺動角度範囲で揺動させる揺動装置(図示せず)と、動作を制御する制御部8と、を備えている。
尚、温風暖房機1において、説明の便宜上、使用者から見て、左右、前後、及び上下方向という。
【0014】
?器具本体2は、置き台9と、背面板10と、左右の側面板11、12と、天板13とからなる枠体14と、器具本体2正面側に表示部15を有し、器具本体2上面側に操作部16を有し、前記枠体14の正面上部に取り付けられる横長の直方体状の表示操作部ユニット17と、前記温風吹き出し口5が設けられた前パネル18とから構成されている。
【0015】
燃焼部3は、燃油を燃焼させる装置で、該燃焼部3は、燃油を気化する気化器19と、燃油を加熱して気化させる気化ヒータ(不図示)と、スパーク放電して点火する点火手段(図示せず)と、気化した石油等の燃油を燃焼させるバーナ20と、燃焼空間を形成する燃焼筒21と、燃焼用空気をバーナ20へ送風する燃焼ファン22とからなり、前記燃焼ファン22を駆動する直流モータからなる燃焼ファンモータ23と、送風管24と、を備えている。
【0016】
対流ファン4は、背面の温風取り入れ口のファンガード25に取り付けられた直流モータからなる対流ファンモータ26に取り付けられている。対流ファン4から温風吹き出し口5までは送風ボックス27が配設されている。送風ボックス27は、前面に送風ボックス開口部28が設けられ、対流ファン4によって送風された温風を送風ボックス開口部28から温風吹き出し口5へ導風する。
温風吹き出し口5は、温風を室内へ向けて前方へ吹き出す開口部であり、前パネル18に設けられている。
【0017】
可動ルーバー7は、温風吹き出し口5に配設され、上段に配設された第1の可動ルーバー29と、第1の可動ルーバー29の下方に配設された第2の可動ルーバー30と、を備えており、ルーバー駆動手段(図示せず)により可動される。
【0018】
左右の側面板11、12には、器具本体2正面側に縦長のフランジ部31が設けられ、このフランジ部31には、縦長形状の係合孔が複数形成されている。
フランジ部31の上部には、上部係合孔32が形成され、中部には、中部係合孔33が形成され、下部には、下部係合孔34が形成されている。
【0019】
前パネル18は、断面コ字状で、正面部35と、該正面部35の両端に形成した左右の側面部36と、前記正面部35と側面部36との間に形成した円弧部37と、上端に形成した内曲げ部38とからなる。
この円弧部37をプレス加工にて形成する際、円弧部37の内曲げ部38には波打ってしわ状の凹凸が生じたり、歪が発生する場合がある。
前パネル18の側面部36の先端の上部には、上部舌片39が形成され、中部には、中部舌片40が形成され、下部には、下部舌片41が設けられている。
又、前パネル18の上部には差込孔42が形成された係合部43が複数設けられている。
【0020】
表示操作部ユニット17の前方下部には、前パネル18の係合部43の差込孔42に差し込まれる係合片44が複数設けられている。
表示操作部ユニット17の両端の下部には、取付孔45を形成した取付部46が設けられ、左右の側面板11、12のフランジ部31に設けた取付用孔(図示せず)にネジ(図示せず)にて固定される。
又、表示操作部ユニット17の両端の下面には凹部47を形成し、該凹部47を形成することにより表示操作部ユニット17の両端下部の外側にリブ状に突出部48が設けられる。
この凹部47は、前パネル18の円弧部37の内曲げ部38のしわ状の凹凸や歪が生じる部位に位置し、又、突出部48は、前パネル18の円弧部37のしわ状の凹凸や歪が生じない内曲げ部38の曲げ終端に当接する。
【0021】
次に表示操作部ユニット17を取り付けた状態の枠体14に、前パネル18を組み付ける動作を説明する。
まず、前パネル18の下部が手前にくるように斜めに持ち、前パネル18の係合部43の差込孔42を、表示操作部ユニット17の係合片44に係合させる。
【0022】
そして前パネル18の係合部43の差込孔42を、表示操作部ユニット17の係合片44に係合させた状態で、前パネル18の下部をフランジ部31に近づけていくと、フランジ部31の上部係合孔32に前パネル18の上部舌片39が挿入されていく。
【0023】
そして、そのまま前パネル18の下部をフランジ部31に近づけていくと、前パネル18が上部係合孔32の下端に当接している上部舌片39に案内されて、前パネル18の下部と置き台9とが接触することなく前パネル18を組み付けられ、前パネル18の下部と置き台9とが接触して傷をつけてしまうのを防止できるものである。
【0024】
そして、更に前パネル18の下部をフランジ部31に近づけていくと、中部係合孔33に中部舌片40が挿入され、次に下部係合孔34に下部舌片41が挿入されて、前パネル18が仮り組み付け状態となる。
そして、左右の側面板11、12の下部に形成した前パネル固定孔(図示せず) にネジ(図示せず) を取り付けることで、左右の側面板11、12と下部舌片41のネジ止め孔(図示せず) がネジ止めされて、前パネル18の組み付けが完了する。
【0025】
このとき、突出部48の外面は、表示操作部ユニット17の外面と面一なので、突出部48の外面と表示操作部ユニット17の外面とは一体化していて外観性を向上することができる。
【0026】
又、突出部48の内面下端が内曲げ部38の上側の曲げ終端に当接するので、前パネル18の円弧部37の内曲げ部38のしわ状の凹凸が生じていても、突出部48が内曲げ部38の曲げ終端に当接し、表示操作部ユニット17の下部と前パネル18の合わせ目に隙間が発生するのを防止して、円弧部37の内曲げ部38にしわ状の凹凸や歪があっても見えないようにできる。
【符号の説明】
【0027】
2 器具本体
9 置き台
10 背面板
11、12 側面板
13 天板
14 枠体
15 表示部
16 操作部
17 表示操作部ユニット
18 前パネル
35 正面部
36 側面部
37 円弧部
38 内曲げ部
48 突出部