(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電池スタック用プレート及び電池スタック用プレートの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20241016BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20241016BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20241016BHJP
H01M 50/548 20210101ALN20241016BHJP
H01M 50/557 20210101ALN20241016BHJP
H01M 50/51 20210101ALN20241016BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H01M50/204 401D
H01M50/209
H01M50/298
H01M50/569
H01M50/548 101
H01M50/557
H01M50/51
(21)【出願番号】P 2022066584
(22)【出願日】2022-04-13
【審査請求日】2023-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 怜史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 素宜
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 広尊
(72)【発明者】
【氏名】柳原 真一
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-118071(JP,A)
【文献】特開2022-003625(JP,A)
【文献】特開2020-198211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-298
H01M 50/50-598
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、側板面に凹設された板状のハウジングを備えた、
電池スタック用プレートであって、
前記ハウジングは、嵌合方向及び板厚方向の双方に交差する交差方向に2分割された第1サブハウジングと、第2サブハウジングと、を有し、
前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングは各々、互いに連結するための連結部を有し、
前記連結部は、前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングの互いに連結される連結板側面に凸設された凸部と、前記連結板側面において前記凸部と前記板厚方向にずれた位置に凹設された凹部と、を有し、
前記第1サブハウジングが有する前記凹部に前記第2サブハウジングが有する前記凸部が挿入され、前記第2サブハウジングを有する前記凹部に前記第1サブハウジングが有する前記凸部が挿入されて、前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングが連結され
、
前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングは、
前記導電性プレートに導通接続される電圧検知端子を収容する端子収容凹部、前記電圧検知端子に導通接続される電線を収容する電線収容凹部及び前記電線を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子、前記電線及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、の何れか1つから構成されている、
電池スタック用プレート。
【請求項2】
請求項1に記載の電池スタック用プレートにおいて、
前記凸部は、前記嵌合方向に沿って並ぶ複数のピンと、複数の前記ピンを連結する平板部と、を有する、
電池スタック用プレート。
【請求項3】
請求項2に記載の電池スタック用プレートにおいて、
前記凸部は、前記嵌合方向両端の前記ピンに設けられ、前記嵌合方向外側に突出して前記凹部の前記嵌合方向に圧入される第1圧入リブを有し、
前記第1圧入リブと前記平板部は、前記板厚方向において同じ位置に設けられる、
電池スタック用プレート。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電池スタック用プレートにおいて、
前記凸部は、前記平板部の前記板厚方向両面から突出し、前記凹部の前記板厚方向に圧入される第2圧入リブを有し、
前記第2圧入リブは、前記平板部の前記嵌合方向中央に配置される、
電池スタック用プレート。
【請求項5】
積層された複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、側板面に凹設された板状のハウジングを備えた、
電池スタック用プレートであって、
前記ハウジングは、嵌合方向及び板厚方向の双方に交差する交差方向に2分割された第1サブハウジングと、第2サブハウジングと、を有し
、
前記第1サブハウジングが有する凹部に前記第2サブハウジングが有する凸部が挿入され、前記第2サブハウジングが有する凹部に前記第1サブハウジングが有する凸部が挿入されて、前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングが前記交差方向に連結され、
前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングは、
前記導電性プレートに導通接続される電圧検知端子を収容する端子収容凹部、前記電圧検知端子に導通接続される電線を収容する電線収容凹部及び前記電線を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子、前記電線及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、の何れか1つから構成されている、
電池スタック用プレート。
【請求項6】
積層された複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、側板面に凹設された板状の電池スタック用プレートの製造方法であって、
前記導電性プレートに導通接続される電圧検知端子を収容する端子収容凹部、前記電圧検知端子に導通接続される電線を収容する電線収容凹部及び前記電線を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子、前記電線及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、を製造し、
第1サブハウジング及び第2サブハウジングをそれぞれ、前記電圧検知用ハウジングと、前記温度検知用ハウジングと、前記ダミー用ハウジングとから選択し、選択した
前記第1サブハウジング及び前記第2サブのハウジングを嵌合方向及び板厚方向に交差する交差方向に連結する、
電池スタック用プレートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池スタック用プレート及び電池スタック用プレートの製造方法
【背景技術】
【0002】
従来から各種の蓄電装置が提案されており、例えば、特許文献1に開示された蓄電装置は、積層された複数の蓄電モジュールと、蓄電モジュールの間に配置された複数の板状部材(導電モジュール)とを備えている。複数の蓄電モジュール及び複数の板状部材は、一対の絶縁板の間に配置されると共に拘束具により拘束力が加えられることにより、略直方体形状に形成された積層体(電池スタック)を構成している。
【0003】
板状部材は、冷却板(導電性プレート)と、絶縁部分(電池スタック用プレート)と、を有する。冷却板は、絶縁部分と絶縁部分の間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した電池スタック用プレートとしては、電圧検知端子を収容した電圧検知ユニットと、温度センサを収容する温度検知ユニットと、電圧検知端子及び温度センサの双方を収容する電圧・温度検知ユニットと、何も収容しないダミーユニットと、があり、電池スタックの仕様に応じてこれらが選択的に積層される。特に、電圧検知ユニット、温度センサとしては、電圧検知端子や温度センサに接続された電線の引き出し方向も電池ユニットの仕様によって定められる。
【0006】
このため、電池スタックの仕様の変更等があった際に、電線の引き出し方向が異なるユニットが必要となり、汎用性が低く、様々な電池スタックの仕様に対応できない、という問題があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、汎用性が高く、様々な電池スタックの仕様に対応できる電池スタック用プレート及び電池スタック用プレートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電池スタック用プレートは、下記を特徴としている。
積層された複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、側板面に凹設された板状のハウジングを備えた、
電池スタック用プレートであって、
前記ハウジングは、嵌合方向及び板厚方向の双方に交差する交差方向に2分割された第1サブハウジングと、第2サブハウジングと、を有し、
前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングは各々、互いに連結するための連結部を有し、
前記連結部は、前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングの互いに連結される連結板側面に凸設された凸部と、前記連結板側面において前記凸部と前記板厚方向にずれた位置に凹設された凹部と、を有し、
前記第1サブハウジングが有する前記凹部に前記第2サブハウジングが有する前記凸部が挿入され、前記第2サブハウジングを有する前記凹部に前記第1サブハウジングが有する前記凸部が挿入されて、前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングが連結され、
前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングは、
前記導電性プレートに導通接続される電圧検知端子を収容する端子収容凹部、前記電圧検知端子に導通接続される電線を収容する電線収容凹部及び前記電線を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子、前記電線及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、の何れか1つから構成されている、
電池スタック用プレートであること。
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電池スタック用プレートは、下記を特徴としている。
積層された複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、側板面に凹設された板状のハウジングを備えた、
電池スタック用プレートであって、
前記ハウジングは、嵌合方向及び板厚方向の双方に交差する交差方向に2分割された第1サブハウジングと、第2サブハウジングと、を有し、
前記第1サブハウジングが有する凹部に前記第2サブハウジングが有する凸部が挿入され、前記第2サブハウジングが有する凹部に前記第1サブハウジングが有する凸部が挿入されて、前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングが前記交差方向に連結され、
前記第1サブハウジング及び前記第2サブハウジングは、
前記導電性プレートに導通接続される電圧検知端子を収容する端子収容凹部、前記電圧検知端子に導通接続される電線を収容する電線収容凹部及び前記電線を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子、前記電線及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、の何れか1つから構成されている、
電池スタック用プレートであること。
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電池スタック用プレートの製造方法は、下記を特徴としている。
積層された複数の蓄電モジュール間にそれぞれ配置される導電性プレートの側縁部に嵌合するための嵌合溝が、側板面に凹設された板状の電池スタック用プレートの製造方法であって、
前記導電性プレートに導通接続される電圧検知端子を収容する端子収容凹部、前記電圧検知端子に導通接続される電線を収容する電線収容凹部及び前記電線を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子、前記電線及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、を製造し、
第1サブハウジング及び第2サブハウジングをそれぞれ、前記電圧検知用ハウジングと、前記温度検知用ハウジングと、前記ダミー用ハウジングとから選択し、選択した前記第1サブハウジング及び前記第2サブのハウジングを嵌合方向及び板厚方向に交差する交差方向に連結する、
電池スタック用プレートの製造方法であること。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、汎用性が高く、様々な電池スタックの仕様に対応できる電池スタック用プレート及び電池スタック用プレートの製造方法を提供することができる。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る電池スタック用プレートを含む積層型の電池スタックを、その一部を分解して示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す導電モジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す電池スタック用プレートに用いられる電圧検知用ハウジングの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す電池スタック用プレートに用いられる電圧検知用ハウジングのミラー品の分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す電池スタック用プレートに用いられる温度検知用ハウジングの分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1に示す電池スタック用プレートに用いられるダミー用ハウジングの分解斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4~
図6に示す電圧検知用ハウジング、温度検知用ハウジング、ダミー用ハウジングを組み合わせて製造した電池スタック用プレートを示す図である。
【
図8】
図8は、
図1に示す第1サブハウジング、第2サブハウジングが有する連結部の部分斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示す第2サブハウジングを後端側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電池スタック用プレートを含む積層型の電池スタックについて説明する。
【0015】
以下、説明の便宜上、
図1等に示すように、「前後方向(FB方向)」、「左右方向(RL方向)」、「上下方向(UD方向)」、「前(F)」、「後(B)」、「左(L)」、「右(R)」、「上(U)」、及び「下(D)」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。
【0016】
電池スタック用プレート5、6を備えた導電モジュール3は、典型的には、
図1に示す積層型の電池スタック1に使用される。電池スタック1は、矩形薄板状の充放電可能な蓄電モジュール2と、隣接する蓄電モジュール2の間を電気的に接続可能な矩形薄板状の導電モジュール3と、を上下方向に交互に積層して構成される。電池スタック1では、複数の蓄電モジュール2が導電モジュール3を介して電気的に直列に接続されている。蓄電モジュール2は、内部に複数の電池セル(図示省略)が内蔵された構造を有し、蓄電モジュール2全体として、充放電可能な一つの電池として機能する。
【0017】
導電モジュール3は、
図1に示すように、矩形薄板状の導電性プレート4(なお、導電性プレート4は、後述するように、ヒートシンクとしての機能も有する。)と、導電性プレート4の右側に連結された矩形薄板状の電池スタック用プレート5と、導電性プレート4の左側に連結された矩形薄板状の電池スタック用プレート6とで、全体として矩形薄板状の形状を有するように構成される。電池スタック用プレート5と、電池スタック用プレート6と、の間に導電性プレート4を挟んで連結している。
【0018】
本明細書では、板状の導電性プレート4、電池スタック用プレート5、6の板厚方向を上下方向、長手方向を前後方向、短手方向を左右方向としている。
【0019】
また、
図2に示すように、導電性プレート4と電池スタック用プレート5とは、導電性プレート4の右側縁部に設けられた前後方向に延びるフランジ部(側縁部)41と、電池スタック用プレート5の左板側面に凹設された前後方向に延びる嵌合溝73とが嵌合することで、互いに連結される。導電性プレート4と電池スタック用プレート6とは、導電性プレート4の左側縁部に設けられた前後方向に延びるフランジ部42と、電池スタック用プレート6の右板側面に凹設された前後方向に延びる嵌合溝61とが嵌合することで、互いに連結されている。
【0020】
電池スタック用プレート5に設けられた嵌合溝73は左方向が開口され、この開口からフランジ部41を嵌合溝73内に挿入して、嵌合溝73とフランジ部41とを嵌合させる。また、電池スタック用プレート6に設けられた嵌合溝61は右方向が開口され、この開口からフランジ部42を嵌合溝61内に挿入して、嵌合溝61とフランジ部42とを嵌合させる。即ち、本明細書では、左右方向が嵌合方向となる。
【0021】
上下に隣接する蓄電モジュール2の間に位置する個々の導電モジュール3において、導電性プレート4は、
図1に示すように、上下の蓄電モジュール2と直接接触している。このため、導電性プレート4は、上側の蓄電モジュール2の下面と下側の蓄電モジュール2の上面とを導通する機能、並びに、上下の蓄電モジュール2から発生する熱を外部に放出するヒートシンクとしての機能を果たす。
【0022】
上下に隣接する蓄電モジュール2の間に位置する個々の導電モジュール3において、電池スタック用プレート5としては、電池スタック1の仕様に応じて、後述する電圧検知ユニット、温度検知ユニット、電圧・温度検知ユニット、及び、ダミーユニットのうち、何れか一つが適用される。
【0023】
まず、電池スタック用プレート5の詳細な構成について説明する。電池スタック用プレート5は、
図1及び
図2に示すように、樹脂製、矩形薄板状のハウジング7を備えている。このハウジング7は、前後方向(交差方向)に2つに分割された矩形薄板状の第1サブハウジング71と、第2サブハウジング72と、を有する。第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72は各々、互いに連結するための連結部74(
図3~
図6参照)を有している。
【0024】
本実施形態では、第1サブハウジング71、第2サブハウジング72としては、
図3~
図6に示すように、電圧検知用ハウジング75、電圧検知用ハウジング75のミラー品76(電圧検知用ハウジング)、温度検知用ハウジング77、ダミー用ハウジング78の何れか1つから構成されている。
【0025】
図3に示す電圧検知用ハウジング75は、電圧検知端子8に接続された電線9を介して、蓄電モジュール2の電圧を示す信号を出力する機能を果たす。電圧検知用ハウジング75は、矩形薄板状の樹脂板から構成され、上述した嵌合溝73の半分と、端子収容凹部751と、電線収容凹部752と、引出口753と、連結部74と、を有している。嵌合溝73は、電圧検知用ハウジング75の左板側面に設けられている。
【0026】
端子収容凹部751は、電圧検知端子8を収容するための凹部であり、樹脂板の上面に凹設されている。電線収容凹部752は、電線9を収容するための凹部であり、樹脂板の上面に凹設されている。本実施形態では、引出口753は、電圧検知用ハウジング75の後端面に設けられ、電線9は、電圧検知用ハウジング75の後端から引き出される。連結部74は、電圧検知用ハウジング75の前端に設けられる。連結部74の詳細については後述する。
【0027】
金属製の電圧検知端子8は、1枚の金属板に対してプレス加工等の加工を施すことで形成される。電圧検知端子8は、上方から、端子収容凹部751に嵌め込まれて収容される。電圧検知端子8は、上方向から見て、L字形状に設けられている。電圧検知用ハウジング75は、電圧検知端子8において導電性プレート4との導通接続部81が下側から露出されるように一部切り欠いた切り欠き754が設けられる。これにより、電圧検知用ハウジング75に設けられた嵌合溝73と導電性プレート4に設けられたフランジ部41とを嵌合させると、電圧検知用ハウジング75に収容された電圧検知端子8の導通接続部81
と導電性プレート4のフランジ部41とが上下方向に重なって接触する。この導通接続部81を超音波接続などすることにより電圧検知端子8と導電性プレート4とを電気的に接続させる。
【0028】
上記電圧検知用ハウジング75には、右方からカバー10が装着される。カバー10は、樹脂成型品であり、端子収容凹部751に収容された電圧検知端子8、電線収容凹部752に収容された電線9を上方から覆って保護する機能を果たす。
【0029】
図4に示すミラー品76は、電圧検知用ハウジング75と同様に、電圧検知端子8に接続された電線9を介して、蓄電モジュール2の電圧を示す信号を出力する機能を果たす。ミラー品76は、矩形薄板状の樹脂板から構成され、上述した嵌合溝73の半分と、端子収容凹部761と、電線収容凹部762と、引出口763と、切り欠き764と、連結部74と、を有している。嵌合溝73は、ミラー品76の左板側面に設けられている。
【0030】
端子収容凹部761は、電圧検知端子8を収容するための凹部であり、樹脂板の上面に凹設されている。電圧検知端子8は、
図3に示す状態から上下を反転させた状態で、端子収容凹部761に収容することができる。電線収容凹部762は、電線9を収容するための凹部であり、樹脂板の上面に凹設されている。本実施形態では、引出口763は、ミラー品76の前端面に設けられ、電線9は、ミラー品76の前端から引き出される。連結部74は、ミラー品76の後端に設けられる。連結部74の詳細については後述する。
【0031】
上述したミラー品76の連結部74を除いた部分は、電圧検知用ハウジング75の連結部74を除いた部分をミラー反転した形状となっている。
【0032】
上記ミラー品76には、右方からカバー11が装着される。カバー11は、樹脂成型品であり、端子収容凹部761に収容された電圧検知端子8、電線収容凹部762に収容された電線9を上方から覆って保護する機能を果たす。カバー11は、カバー10をミラー反転した形状となっている。
【0033】
図5に示す温度検知用ハウジング77は、温度センサ12に接続された電線13を介して、蓄電モジュール2の温度を示す信号を出力する機能を果たす。温度検知用ハウジング77は、矩形薄板状の樹脂板から構成され、上述した嵌合溝73の半分と、センサ収容部771と、連結部74と、を有している。嵌合溝73は、この温度検知用ハウジング77の左側板部に設けられている。
【0034】
センサ収容部771は、温度検知用ハウジング77の前後方向一端(
図5では前側)を矩形状に切り欠いて設けられている。センサ収容部771の左右方向に対向する内壁面には、前後方向に沿ったフランジ部772が設けられている。温度センサ12は、略立方体状に設けられ、左右方向に対向する側面にフランジ部772がスライド挿入されるスライド溝121が設けられている。スライド溝121は、前後方向に沿って設けられる。
【0035】
連結部74は、温度検知用ハウジング77の前後方向他端(
図5では後端)に設けられている。連結部74については後述する。温度検知用ハウジング77の連結部74を除いた部分は、
図5に示す状態と、
図5に示す状態から上下を反転した状態と、が互いにミラー反転した形状となるように設けられている。
【0036】
図6に示すダミー用ハウジング78は、矩形薄板状の樹脂板から構成され、前後方向一端(
図6中後端)に連結部74が設けられている。ダミー用ハウジング78は、樹脂板のみから構成され、電圧検知端子8、温度センサ12の何れも収容されていない。ダミー用ハウジング78の連結部74を除いた部分は、
図6に示す状態と、
図6に示す状態から上
下を反転した状態と、が互いにミラー反転した形状となるように設けられている。
【0037】
次に、電池スタック用プレート5の製造方法について、
図7を参照して説明する。まず、電池スタック用プレート5を電圧検知ユニットとし、かつ、電圧検知端子8に接続された電線9を後端から引き出したい場合、
図7(A)に示すように、第1サブハウジング71として電圧検知用ハウジング75を選択し、第2サブハウジング72としてダミー用ハウジング78を選択する。
【0038】
電圧検知用ハウジング75は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。ダミー用ハウジング78は、連結部74を後側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。即ち、ダミー用ハウジング78を、
図6の状態から左右方向に沿った軸を中心に180°回転させて上下を反転させた状態で配置する。そして、電圧検知用ハウジング75、ダミー用ハウジング78の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0039】
次に、電池スタック用プレート5を電圧・温度検知ユニットとし、かつ、電圧検知端子8に接続された電線9を後側から引き出し、温度センサ12に接続された電線13を前側から引き出したい場合、
図7(B)に示すように、第1サブハウジング71として電圧検知用ハウジング75を選択し、第2サブハウジング72として温度検知用ハウジング77を選択する。
【0040】
電圧検知用ハウジング75は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。温度検知用ハウジング77は、連結部74を後側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。即ち、温度検知用ハウジング77を、
図5と同じ状態で配置する。そして、電圧検知用ハウジング75、温度検知用ハウジング77の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0041】
次に、電池スタック用プレート5を電圧検知ユニットとし、温度センサ12に接続された電線13を後側から引き出したい場合、
図7(C)に示すように、第1サブハウジング71として温度検知用ハウジング77を選択し、第2サブハウジング72としてダミー用ハウジング78を選択する。
【0042】
温度検知用ハウジング77は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。即ち、温度検知用ハウジング77を、
図5の状態から左右方向に沿った軸を中心に180°回転させて上下をひっくり返した状態で配置する。ダミー用ハウジング78は、連結部74を後側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。そして、温度検知用ハウジング77、ダミー用ハウジング78の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0043】
次に、電池スタック用プレート5を電圧・温度検知ユニットとし、温度センサ12に接続された電線13を後側から引き出し、電圧検知端子8に接続された電線9を前側から引き出したい場合、
図7(D)に示すように、第1サブハウジング71として温度検知用ハウジング77を選択し、第2サブハウジング72としてミラー品76を選択する。
【0044】
温度検知用ハウジング77は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。ミラー品76は、連結部74を後側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。即ち、ミラー品76は、
図4と同じ状態に配置する。そして、温度検知用ハウジング77、ミラー品76の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0045】
次に、電池スタック用プレート5を温度検知ユニットとし、温度センサ12に接続され
た電線13を後側から引き出したい場合、
図7(E)に示すように、第1サブハウジング71としてダミー用ハウジング78を選択し、第2サブハウジング72として温度検知用ハウジング77を選択する。
【0046】
ダミー用ハウジング78は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。温度検知用ハウジング77は、連結部74を後側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。そして、ダミー用ハウジング78、温度検知用ハウジング77の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0047】
次に、電池スタック用プレート5を電圧検知ユニットとし、電圧検知端子8に接続された電線9を後側から引き出したい場合、
図7(F)に示すように、第1サブハウジング71としてダミー用ハウジング78を選択し、第2サブハウジング72としてミラー品76を選択する。
【0048】
ダミー用ハウジング78は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。ミラー品76は、連結部74を後側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。そして、ダミー用ハウジング78、ミラー品76の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0049】
次に、電池スタック用プレート5を電圧検知ユニットとし、バックアップ用に2つの電圧検知端子8を収容したい場合、
図7(G)に示すように、第1サブハウジング71として電圧検知用ハウジング75を選択し、第2サブハウジング72としてミラー品76を選択する。
【0050】
電圧検知用ハウジング75は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。ミラー品76は、連結部74を後端に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。そして、電圧検知用ハウジング75、ミラー品76の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0051】
次に、電池スタック用プレート5を電圧検知ユニットとし、バックアップ用に2つの温度センサ12を収容したい場合、
図7(H)に示すように、第1サブハウジング71、第2サブハウジング72として温度検知用ハウジング77を選択し、第2サブハウジング72としてミラー品76を選択する。
【0052】
2つの温度検知用ハウジング77の一方は、連結部74を前側に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。2つの温度検知用ハウジング77のうち他方は、連結部74を後端に向け、嵌合溝73を左側に向けて配置する。そして、2つの温度検知用ハウジング77の連結部74同士を連結して電池スタック用プレート5を完成する。
【0053】
上述した実施形態によれば、電池スタック用プレート5のハウジング7は、前後方向に2分割された第1サブハウジング71と、第2サブハウジング72と、を有し、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72は各々、互いに連結するための連結部74を有する。そして、第1サブハウジング71、第2サブハウジング72は、電圧検知用ハウジング75、そのミラー品76、温度検知用ハウジング77、ダミー用ハウジング78の何れか1つから構成されている。
【0054】
これにより、電圧検知用ハウジング75、ミラー品76、温度検知用ハウジング77、ダミー用ハウジング78を組み合わせて、
図7に示すように、8種類の電池スタック用プレート5を製造することができる。従来例では、8種類の電池スタック用プレート5を製造するには、8つの金型が必要となっていたが、本実施形態では、4つの金型を用いてハ
ウジング75~78を形成し、これらハウジング75~78を組み合わせて8種類の電池スタック用プレート5を製造することができる。このため、汎用性が高く、様々な電池スタック1の仕様に対応できる。
【0055】
次に、第1サブハウジング71、第2サブハウジング72が各々有する連結部74の詳細について説明する。連結部74は、
図8及び
図9に示すように、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72の互いに連結される連結板側面S1に凸設した凸部741と、連結板側面S1において上下方向にずれた位置に凹設された凹部742と、を有する。そして、第1サブハウジング71が有する凹部742に第2サブハウジング72が有する凸部741が圧入(挿入)され、第2サブハウジング72が有する凹部742に第1サブハウジング71が有する凸部741が圧入(挿入)されて、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72が前後方向に連結される。
【0056】
本実施形態では、第1サブハウジング71の連結板側面S1においては、上側に凸部741が設けられ、下側に凹部742が設けられる。第2サブハウジング72の連結板側面S1では、下側に凸部741が設けられ、上側に凹部742が設けられる。
【0057】
凸部741は、左右方向に並ぶ複数のピン741Aと、複数のピン741Aを連結する平板部741Bと、凸部741を凹部742に圧入するために設けられた第1圧入リブ741Cと、第2圧入リブ741Dと、を有する。ピン741Aは、本実施形態では、6本並べて設けられている。平板部741Bは、上下方向に垂直に設けられ、複数のピン741Aの根元(連結板側面S1側)を連結するように設けられている。
【0058】
第1圧入リブ741Cは、左右方向両端のピン741Aに設けられ、左右方向外側に突出して凹部742の左右方向に圧入される。第1圧入リブ741Cは、左右方向両側のピン741Aの根元から先端に亘って連続して設けられている。また、第1圧入リブ741Cの先端部には、先端に向かうに従ってリブの高さが低くなるテーパが設けられている。また、第1圧入リブ741Cと平板部741Bと、は上下方向において同じ位置に設けられている。
【0059】
第2圧入リブ741Dは、平板部741Bの上下方向両面から突出し、凹部742の上下方向に圧入される。第2圧入リブ741Dは、平板部741Bの左右方向中央に配置される。第2圧入リブ741Dは、平板部741Bの根元から先端に亘って連続して設けられている。また、第2圧入リブ741Dの先端部には、先端に向かうに従ってリブの高さが低くなるテーパが設けられている。
【0060】
上述した実施形態によれば、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72が有する連結部74は、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72の互いに連結される連結板側面S1に凸設された凸部741と、連結板側面S1において凸部741と上下方向にずれた位置に凹設された凹部742と、を有する。そして、第1サブハウジング71が有する凹部742に第2サブハウジング72が有する凸部741が挿入され、第2サブハウジング72が有する凹部742に第1サブハウジング71の凸部741が挿入されて、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72が連結される。
【0061】
以上の構成によれば、上側に凸部741、下側に凹部742が設けられた第1サブハウジング71の上下を反転させて、上側に凹部742、下側に凸部741が設けられた第2サブハウジング72としても構成することができる。このため、温度検知用ハウジング77やダミー用ハウジング78のように連結部74を除いた部分を上下反転させた形状が互いにミラー形状であれば、第1サブハウジング71、第2サブハウジング72を同じ形状にすることができ、より一層、金型数を抑えて、汎用性を高めることができる。
【0062】
上述した実施形態によれば、凸部741は、左右方向に沿って並ぶ複数のピン741Aと、複数のピン741Aを連結する平板部741Bと、を有している。これにより、平板部741Bによりピン741Aを補強できる。
【0063】
上述した実施形態によれば、凸部741は、左右方向両端のピン741Aに設けられ、左右方向外側に突出して凹部742の左右方向に圧入される第1圧入リブ741Cを有し、第1圧入リブ741Cと平板部741Bは、上下方向において同じ位置に設けられる。以上の構成によれば、凸部741を凹部742内に左右方向に圧入することができ、より強固に第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72を連結することができる。
【0064】
上述した実施形態によれば、凸部741は、平板部741Bの上下方向両面から突出し、凹部742の上下方向に圧入される第2圧入リブ741Dを有し、第2圧入リブ741Dは、平板部741Bの左右方向中央に配置される。これにより、凸部741を凹部742内に上下方向に圧入することができ、より強固に第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72を連結することができる。
【0065】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0066】
上述した実施形態によれば、第1サブハウジング71、第2サブハウジング72は、電圧検知用ハウジング75、ミラー品76、温度検知用ハウジング77、ダミー用ハウジング78の何れか1つから構成されていたが、これに限ったものではない。例えば、温度センサ12を収容するセンサ収容部と、電圧検知端子8を収容する端子収容凹部、電線9を収容する電線収容凹部が形成されたハウジングと、そのミラー品と、から構成されていてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態によれば、連結部74としては、凸部741を凹部742に圧入させていたが、これに限ったものではない。連結部74としては、第1サブハウジング71及び第2サブハウジング72を連結できるものであればよく、凸部741を凹部742に挿入するだけでもよい。
【0068】
また、上述した実施形態によれば、温度検知用ハウジング77、ダミー用ハウジング78としては、第1サブハウジング71としても、第2サブハウジング72としても構成できるようにしていたが、これに限ったものではない。例えば、第1サブハウジング71の連結部74を凸部741のみから構成し、第2サブハウジング72の連結部74を凹部742のみから構成して、第1サブハウジング71として選択できるハウジング77、78と、第2サブハウジング72として選択できるハウジング77、78と、を別々の形状に設けてもよい。
【0069】
また、電池スタック用プレート6についても電池スタック用プレート5と同様に第1サブハウジング、第2サブハウジングから構成してもよい。
【0070】
ここで、上述した本発明に係る電池スタック用プレート、電池スタック用プレートの製造方法の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
積層された複数の蓄電モジュール(2)間にそれぞれ配置される導電性プレート(4)の側縁部(41)に嵌合するための嵌合溝(73)が、側板面に凹設された板状のハウジング(7)を備えた、
電池スタック用プレート(5)であって、
前記ハウジング(7)は、嵌合方向(左右方向)及び板厚方向(上下方向)の双方に交差する交差方向(前後方向)に2分割された第1サブハウジング(71)と、第2サブハウジング(72)と、を有し、
前記第1サブハウジング(71)及び前記第2サブハウジング(72)は各々、互いに連結するための連結部(74)を有し、
前記連結部(74)は、前記第1サブハウジング(71)及び前記第2サブハウジング(72)の互いに連結される連結板側面(S1)に凸設された凸部(741)と、前記連結板側面(S1)において前記凸部(741)と前記板厚方向にずれた位置に凹設された凹部(742)と、を有し、
前記第1サブハウジング(71)が有する前記凹部(742)に前記第2サブハウジング(72)が有する前記凸部(741)が挿入され、前記第2サブハウジング(72)を有する前記凹部(742)に前記第1サブハウジング(71)が有する前記凸部(741)が挿入されて、前記第1サブハウジング(71)及び前記第2サブハウジング(72)が連結される、
電池スタック用プレート(5)。
【0071】
上記[1]の構成によれば、複数種類のハウジングから第1サブハウジング(71)及び第2サブハウジング(72)として選択した2つを組み合わせて、電池スタック用プレート(5)を製造することができる。このため、汎用性が高く、様々な電池スタック(1)の仕様に対応できる。また、板厚方向一方側に凸部(741)、板厚方向他方側に凹部(742)が設けられた第1サブハウジング(71)の上下を反転させて、板厚方向一方側に凹部(742)、板厚方向他方側に凸部(741)が設けられた第2サブハウジング(72)としても構成することができる。このため、連結部(74)を除いた部分を板厚方向に反転させた形状が互いにミラー形状であれば、第1サブハウジング(71)、第2サブハウジング(72)を同じ形状にすることができ、より一層、金型数を抑えて、汎用性を高めることができる。
【0072】
[2]
[1]に記載の電池スタック用プレート(5)において、
前記凸部(741)は、前記嵌合方向に沿って並ぶ複数のピン(741A)と、複数の前記ピン(741A)を連結する平板部(741B)と、を有する、
電池スタック用プレート(5)。
【0073】
上記[2]の構成によれば、平板部(741B)によりピン(741A)を補強することができる。
【0074】
[3]
[2]に記載の電池スタック用プレート(5)において、
前記凸部(741)は、前記嵌合方向両端の前記ピン(741A)に設けられ、前記嵌合方向外側に突出して前記凹部(742)の前記嵌合方向に圧入される第1圧入リブ(741C)を有し、
前記第1圧入リブ(741C)と前記平板部(741B)は、前記板厚方向において同じ位置に設けられる、
電池スタック用プレート(5)。
【0075】
上記[3]の構成によれば、凸部(741)を凹部(742)内に嵌合方向に圧入することができ、より強固に第1サブハウジング(71)及び第2サブハウジング(72)を連結することができる。
【0076】
[4]
[2]又は[3]に記載の電池スタック用プレート(5)において、
前記凸部(741)は、前記平板部(741B)の前記板厚方向両面から突出し、前記凹部(742)の前記板厚方向に圧入される第2圧入リブ(741D)を有し、
前記第2圧入リブ(741D)は、前記平板部(741B)の前記嵌合方向中央に配置される、
電池スタック用プレート(5)。
【0077】
上記[4]の構成によれば、凸部(741)を凹部(742)内に板厚方向に圧入することができ、より強固に第1サブハウジング(71)及び第2サブハウジング(72)を連結することができる。
【0078】
[5]
積層された複数の蓄電モジュール(2)間にそれぞれ配置される導電性プレート(4)の側縁部(41)に嵌合するための嵌合溝(73)が、側板面に凹設された板状のハウジング(7)を備えた、
電池スタック用プレート(5)であって、
前記ハウジング(7)は、嵌合方向(左右方向)及び板厚方向(上下方向)の双方に交差する交差方向(前後方向)に2分割された第1サブハウジング(71)と、第2サブハウジング(72)と、を有し、
前記第1サブハウジング(71)及び前記第2サブハウジング(72)は各々、互いに連結するための連結部(74)を有し、
前記第1サブハウジング(71)及び前記第2サブハウジング(72)は、
前記導電性プレート(4)に導通接続される電圧検知端子(8)を収容する端子収容凹部(751、761)、前記電圧検知端子(8)に導通接続される電線(9)を収容する電線収容凹部(752、762)及び前記電線(9)を外部に引き出す引出口(753、763)を有する電圧検知用ハウジング(75、76)と、
温度センサ(12)を収容するセンサ収容部(771)を有する温度検知用ハウジング(77)と、
前記電圧検知端子(8)、前記電線(9)及び前記温度センサ(12)の何れも収容されていないダミー用ハウジング(78)と、の何れか1つから構成されている、
電池スタック用プレート(5)。
【0079】
上記[5]の構成によれば、電圧検知用ハウジング(75、76)、温度検知用ハウジング(77)、ダミー用ハウジング(78)を組み合わせて、電池スタック用プレート(5)を製造することができる。このため、汎用性が高く、様々な電池スタック(1)の仕様に対応できる。
【0080】
[6]
積層された複数の蓄電モジュール(2)間にそれぞれ配置される導電性プレート(4)の側縁部(41)に嵌合するための嵌合溝(73)が、側板面に凹設された板状の電池スタック用プレート(5)の製造方法であって、
前記導電性プレート(4)に導通接続される電圧検知端子(8)を収容する端子収容凹部(761)、前記電圧検知端子(8)に導通接続される電線(9)を収容する電線収容凹部(762)及び前記電線(9)を外部に引き出す引出口を有する電圧検知用ハウジングと、
温度センサを収容するセンサ収容部を有する温度検知用ハウジングと、
前記電圧検知端子(8)、前記電線(9)及び前記温度センサの何れも収容されていないダミー用ハウジングと、を製造し、
前記電圧検知用ハウジング、前記温度検知用ハウジング及び前記ダミー用ハウジングの
中から2つを選択して、選択した2つのハウジングを嵌合方向及び板厚方向に交差する交差方向に連結する、
電池スタック用プレート(5)の製造方法。
【0081】
上記[6]の構成によれば、電圧検知用ハウジング(75、76)、温度検知用ハウジング(77)、ダミー用ハウジング(78)を組み合わせて、電池スタック用プレート(5)を製造することができる。このため、汎用性が高く、様々な電池スタック(1)の仕様に対応できる。
【符号の説明】
【0082】
2 蓄電モジュール
4 導電性プレート
5 電池スタック用プレート
7 ハウジング
8 電圧検知端子
9 電線
12 温度センサ
41 フランジ部(側縁部)
71 第1サブハウジング
72 第2サブハウジング
73 嵌合溝
74 連結部
75 電圧検知用ハウジング
76 ミラー品(電圧検知用ハウジング)
77 温度検知用ハウジング
78 ダミー用ハウジング
741 凸部
742 凹部
741A ピン
741B 平板部
741C 第1圧入リブ
751、761 端子収容凹部
752、762 電線収容凹部
753、763 引出口
771 センサ収容部
S1 連結板側面