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▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】自動食器洗浄洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/42 20060101AFI20241016BHJP
   C12N 9/50 20060101ALI20241016BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20241016BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20241016BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20241016BHJP
   C12N 15/57 20060101ALN20241016BHJP
   C12N 9/26 20060101ALN20241016BHJP
【FI】
C11D7/42
C12N9/50 ZNA
C11D7/26
C11D7/32
C11D3/395
C12N15/57
C12N9/26
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022205315
(22)【出願日】2022-12-22
(62)【分割の表示】P 2020570051の分割
【原出願日】2019-06-13
(65)【公開番号】P2023052030
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】62/686,763
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/852,320
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ゲーデゲブール、フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】エステル、デイヴィッド・アーロン
(72)【発明者】
【氏名】ベーブ、リリア・マリア
(72)【発明者】
【氏名】ケイパー、ティイス
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイエフ、ヴィクトール
(72)【発明者】
【氏名】プリセリウス、シーナ
(72)【発明者】
【氏名】エンジン、ヘイティス・ビラー
(72)【発明者】
【氏名】マルダー、ハーム・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン・スティクト-タンス、サンダー
(72)【発明者】
【氏名】ペレス-プラート・ヴィヌエサ、エヴァ・マリア
【審査官】鳥居 敬司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/205755(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/192692(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 7/00-7/60
C12N 9/00-9/99
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテアーゼを含む自動食器洗浄組成物であって、前記プロテアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、前記変異体が、39位にグルタミン酸(E)残基を有し、
(i)8V、9A/C/E/H/M/N/Q/S/W/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/I/T、12A/C/D/E/M/N、14D、15D/E/H/I/M/V/W/Y、16L/M、17C/E、18A/C/D/E/F/G/L/M/Q/T、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20C/D、24A/E、25A/C/D/E/M/N、26A/I、27K、36C/E/I/M/Q/T/V、42C/D/E/Q、43L、44C/E/G/H/I/K/L/N/Q/S/T/V、52A/C/D/H/L/M/N/T、54A/C/L/M/V、55A/C/D/E/M、57D/E/M、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、76D/E/F/M/N、82A、84D、95A、96M/Q、97E/H、102M、104A/D/H/N/V/Y、107M、115H、116E/H、118D、120V、128G、129H、131D/E、135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、139E、141E/N、142D/E/N、143E/H/Q、144E、145C、147C、148L/V、154D、156A/C/D/N/T、157C/D/E/N/Q、158C/L/Q/V/Y、159L、160C、161W、164A/K/M/Q/Y、166D/E、167E、169L、170G、174V、176A/C/D/E/L/M/N、177C/D/E、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182C/D/E/G/Q/S/T/Y、186F、188C/D/E、189C/D/E、191E、192C/M、193A/M、198D/E、200M/Y、207K/L/N/Q/T、209P、210C/D/E/L/N/Q/Y、211E/K/L/Q、212C/Q、228L、230E、231C/E/H/L/N/Q/S、232F、234A/D/E/M/T/W/Y、236D/G/S/T、238A/D/E/M/V、239D/E/L/M/N、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/L/Y、250D/S/T、253D/E/P、254Y、255A/C/D/E/M/V、256C/E/H/L/Y、257C、259D/E/M/N、262L、263D、264T、266M、268A/C/D/E、及び269H/P/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、
前記変異体のアミノ酸位置が、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされ、
前記自動食器洗浄組成物が、配列番号1のアミノ酸配列を有するプロテアーゼを含む自動食器洗浄組成物と比較して、クレームブリュレ汚れの改善された除去性能を示す、自動食器洗浄組成物。
【請求項2】
前記変異体が、9A/C/E/M/N/Q/Y、10A/M/N/Q/W、11A/I、12A/C/D/E/M/N、14D、15D/M/V/Y、17C、18C/D/E、19A/C/D/E/F/H/I/L/N/Q/S/T/W/Y、20C、24E、25C/D/E、27K、36C/E/Q/T、42C/E、43L、44C/E/G/H/N/Q/T、52A/C/D/M/N、54A/C/M/V、55A/C/D/E、57D/E/M、59A/C/D/E/M/N/T、60S、76D/E、84D、96M、97E、104D/H/N/V、116E、128G、131D/E、135A/E/H/I/L/M/S/T、141E、142D/E、154D、156A/C/D/N、157C/D/E/Q、158C/Q/T、159L、164A/K/M/Q/Y、176A/C/D/E/N、177C/D/E、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、182D/E、188C/D/E、189C/D/E、193A/M、198D/E、207K/L/N/Q/T、209P、210D/E/N、211E/L/Q、212Q、230E、231C/E/H/L/N、236D/T、238D/E/V、239D/E/M、245E、246L、247E、249D/E、250D/S、253D/E/P、255A/C/D/E、256C/E、257C、259D/E/M/N、262L、263D、268E、及び269H/Pから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記プロテアーゼが、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する変異体である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物がリン酸塩を含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、前記組成物の10重量%~50重量%の有機錯化剤系を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の10重量%超の漂白剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記漂白剤が、漂白活性化剤及び/又は漂白触媒を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記漂白触媒が、マンガン触媒である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記錯化剤系が、クエン酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸-N,N-二酢酸、イミノジコハク酸、カルボキシメチルイヌリン、これらの塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
前記錯化剤系が、メチルグリシン二酢酸の塩を含む、請求項5又は9に記載の組成物。
【請求項11】
前記錯化剤系が、クエン酸及びメチルグリシン二酢酸を、0.5:1~2:1の重量比で含む、請求項5、9又は0に記載の組成物。
【請求項12】
前記漂白剤が過炭酸塩である、請求項6~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、分散剤ポリマーを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、カルボキシル化/スルホン化ポリマーを含む分散剤ポリマーを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
i)前記組成物の10重量%~50重量%の有機錯化剤系と、
ii)前記組成物の少なくとも10重量%の過炭酸塩を含む、漂白と、
iii)非イオン性界面活性剤と、
iv)分散剤ポリマーと、
v)アミラーゼと、を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
汚れた食器を食器洗浄機において軟水で洗浄する方法であって、
i)前記汚れた食器を提供する工程と、
ii)請求項1~15のいずれか一項に記載の洗浄組成物で前記食器を処理する工程と、
iii)前記食器をすすぐ工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤の分野に属する。特に、本発明は、特定のプロテアーゼを含む自動食器洗浄洗剤に関する。本組成物は、従来のプロテアーゼを含む組成物と比べて、タンパク質汚れの改善された除去を提供する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄組成物の性能及びそれらの環境特性を改善するための恒久的な要望が存在する。
【0003】
環境への懸念により、リン酸塩は、次第に生分解性錯化剤に置き換えられている。これらの錯化剤は、金属に対する強い結合能を有することがあり、かつ/又は高濃度で使用されて、酵素の安定性に悪影響を及ぼす場合があり、特に、錯化剤は、プロテアーゼの構造的カルシウム金属イオンを抽出することによってプロテアーゼに悪影響を及ぼす場合がある。プロテアーゼは、製品中及び/又は使用時において影響を受け得る。高濃度の漂白剤を有する組成物は、良好な洗浄を提供することができるが、漂白剤はまた、酵素、具体的にはプロテアーゼの性能を損なう場合がある。この作用は、高濃度の錯化剤、高温及び長時間サイクルによって悪化する場合がある。
【0004】
自動食器洗浄組成物は、特定の使用条件下で最適な性能を有するように設計されることができ、例えば、軟水サイクルにおいて最適な性能を有するように組成物を設計することができるが、軟水で最適な性能を有する組成物は、硬水サイクルでは最適な性能を有さない場合があり、逆もまた同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、タンパク質汚れをより良好に除去する食器洗浄組成物を提供することである。好ましくは、この除去は、組成物を、軟水中、好ましくは様々な水硬度条件下で使用したときに良好であるべきである。高温の長時間サイクルで洗浄されるひどく汚れた洗い物などのストレス条件下であっても、組成物が改善された安定性を有し、改善された性能を提供することもまた所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、特定のプロテアーゼを含む自動食器洗浄洗剤組成物が提供される。本組成物は、好ましくは、リン酸塩を含まない自動食器洗浄組成物である。より好ましくは、本組成物は、錯化剤系を含み、より好ましくは、本組成物は、錯化剤系及び高濃度の漂白系を含む。本組成物は、卵及び/又はクレームブリュレの除去において、改善された安定性及び/又は性能を示す。本発明の組成物は、軟水並びに/又は自動食器洗浄において使用される高温及び/若しくは長時間サイクルに好適であり得る。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、本発明の組成物を使用する自動食器洗浄方法が、提供される。自動食器洗浄においてクレームブリュレを除去するための、本発明の組成物の使用もまた提供される。
【0008】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の組成物の要素は、変更すべきところは変更して、本発明の他の態様にも適用される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、特定のプロテアーゼを含む自動食器洗浄組成物を包含する。本組成物は、好ましくはリン酸塩を含まず、好ましくは錯化剤系を含む。本組成物は、従来のプロテアーゼを含む洗浄組成物と比べて、複数の条件下で改善された安定性を有し、改善された洗浄をもたらす。本組成物は、特に、卵及び/又はクレームブリュレの汚れに対して、良好なタンパク質洗浄を提供する。本発明はまた、自動食器洗浄方法も包含する。本発明の組成物は、高温の長時間サイクルにおいて、かつ軟水を使用する場合に、良好な洗浄を提供することができる。
【0010】
「軟」水とは、本明細書において、約2gpg(34.3ppm)未満の硬度を有する水を意味する。ガロン当たりのグレイン(gpg)は、1米ガロンの水(3.785412L)に溶解した1グレイン(64.8ミリグラム)の炭酸カルシウムとして定義される水の硬度の単位である。これは、17.1百万分率(ppm)に換算される。
【0011】
「高温」サイクルとは、本明細書において、主サイクルが50℃超、好ましくは55℃超の温度で実施される食器洗浄プログラムとして理解される。
【0012】
本明細書で「長時間」サイクルとは、主サイクルが少なくとも25分間、好ましくは少なくとも30分間及びより好ましくは少なくとも35分間の期間を有する、食器洗浄プログラムとして理解される。
【0013】
本発明の組成物は、変異型プロテアーゼを含み、変異型プロテアーゼは、基準プロテアーゼ(配列番号1のプロテアーゼ)に対して既定の割合の同一性を有する。
【0014】
本発明の組成物のプロテアーゼは、本明細書において「本発明のプロテアーゼ」と称されることがある。配列番号1を有するプロテアーゼは、本明細書では「基準プロテアーゼ」又は「親プロテアーゼ」と称されることがある。
【0015】
2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」によって表される。
【0016】
用語「変異体」は、基準プロテアーゼに対する1つ以上の(例えば、いくつかの)位置において突然変異、すなわち、置換、挿入及び/又は欠失を含むプロテアーゼを意味する。置換は、ある位置を占有するアミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることを意味し、欠失は、ある位置を占有するアミノ酸の除去を意味し、挿入は、ある位置を占有するアミノ酸に隣接しかつその直後に、アミノ酸を付加することを意味する。本発明の変異体は、基準プロテアーゼと少なくとも90%、好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも95%及び特に99%の同一性を有する。
【0017】
配列番号1は、S039E置換を有するB.ギブソニイのサブチリシンBgi02446に対応する。
【0018】
用語「野生型」プロテアーゼは、自然界に見られる細菌、酵母菌又は糸状菌等の自然発生微生物によって発現されるプロテアーゼを意味する。
【0019】
本発明は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するアミノ酸配列を含み、1つ以上の追加のアミノ酸置換を更に含む、変異体を含む、組成物を提供する。本明細書に提供される変異体は、配列番号1のアミノ酸配列を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、改善された洗浄性能、又は改善された安定性、又は改善された洗浄性能及び改善された安定性の両方など、1つ以上の改善された特性を示す。
【0020】
酵素関連の用語
アミノ酸修飾に関する命名法
本明細書の酵素変異体を説明する中で、参照しやすいように以下の命名法が用いられる:元のアミノ酸(複数可):位置(複数可):置換アミノ酸(複数可)。
【0021】
この命名法に従うと、例えば、195位におけるグリシンの代わりにグルタミン酸に置換したものは、G195Eと示される。同じ位置でグリシンが欠失したものは、G195と示され、追加のアミノ酸残基、例えばリジンを挿入したものは、G195GKと示される。特定の酵素が他の酵素と比較して「欠失」を含有し、このような位置で挿入が行われる場合、これは、36位におけるアスパラギン酸の挿入については36Dというように示される。複数の突然変異は、プラスにより分離され、すなわち、S99G+V102Nは、位置99と102における突然変異が、それぞれ、セリンをグリシンに、バリンをアスパラギンに置換することを表す。ある位置(例えば、102位)のアミノ酸が、アミノ酸の群、例えば、N及びIからなる群から選択される別のアミノ酸により置換され得る場合、これは、V102N、Iと示される。
【0022】
全ての場合において、一般に認められたIUPACの一文字又は三文字アミノ酸略記を用いる。
【0023】
プロテアーゼのアミノ酸番号付け
本特許で使用される番号付けは、配列番号1に対するものである。
【0024】
アミノ酸の同一性
2つのアミノ酸配列の間の関連性は、パラメータ「同一性」により説明される。本発明の目的上、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、EMBOSSパッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0からのNeedleプログラムを用いることによって決定される。Needleプログラムは、Needleman,S.B.及びWunsch,C.D.(1970)J.Mol.Biol.48、443~453に記載のグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。用いられる置換マトリクスは、BLOSUM62であり、ギャップオープニングペナルティは、10であり、ギャップエクステンションペナルティは、0.5である。
【0025】
本明細書で使用される酵素のアミノ酸配列(「本配列」)と、異なるアミノ酸配列(「異質配列」)との間の同一性の度合いは、2つの配列のアラインメントにおける完全一致の数を「本配列」の長さ又は「異質配列」の長さのいずれか短い方で除算して、計算される。この結果を同一性パーセントとして表す。完全一致は、「本配列」及び「異質配列」に、同一のアミノ酸残基が重複部分の同じ位置に備わっている場合に発生する。配列の長さは、配列中のアミノ酸残基の数である。
【0026】
用語「サクシネート系化合物」及び「コハク酸系化合物」は、本明細書において互換的に使用される。
【0027】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求又は記述されるものが1つ以上であることを意味すると理解される。
【0028】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0029】
全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、重量基準で計算される。全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、全組成に基づいて計算される。
【0030】
本発明のプロテアーゼ
本発明の変異体は、配列番号1のプロテアーゼと少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも95%及び特に少なくとも99%の同一性を有する。変異体は、39位にグルタミン酸(E)残基を有し、
(i)3V、4T、8V、9A/C/E/G/H/K/M/N/Q/W/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/I/S/T、12A/C/D/G/M/N/R/S/T/V/W、14D、15D/E/F/H/I/K/M/P/Q/V/W/Y、16L/M/S、17C/E/F/G/I/L/N/V/W/Y、18A/C/D/E/F/G/L/M/Q/T、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20A/C/D/M/N/T、24A/E/、25A/C/D/E/M/N、26A/I、33T、36C/E/I/L/M/Q/T/V、42C/D/E/M/Q、43L、44C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/T/V/W/Y、47I/Y、50I、52A/C/D/H/L/M/N/S/T/Y、54A/C/G/L/M/N/T/V、55A/C/D/E/H/N/S/Y、57D/E/H/M/N/Q/T、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、69S、76A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、82A、84D/F/H/Y、95A/N、96M/Q、97E/H/K、101T、102L/M、104A/D/H/M/N/T/V/W/Y、105V、107K/M、110L、113T/V、114V、115E/H/Q、116E/H、118D/E/N、120V、128G、129A/H/N/Y、131A/D/E/I/M/N/P/Q/V、133M、135A/E/F/H/I/K/L/M/Q/S/T/V/W/Y、136M、137L、139E/S、141E/H/N、142A/D/E/H/M/N/Q、143E/H/M/N/V、144E/N、145C、147C、148L/V、150M、156C/D/N/T、157A/C/D/E/N/Q、158A/C/F/L/M/N/Q/V/W/Y、159L、160A/C/D/M/T、161W、164A/K/M/Q/Y、166D/E/I/P/Q/V、167E、170G、174V、176A/C/D/L/M/N/S、177A/C/D/E/G/H/K/L/M/Q/S/W/Y、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182A/C/D/E/G/H/I/K/L/P/Q/T/V/W/Y、186F、188C/D/E/I/L/M/N/Q/S/V/W/Y、189C/D/E、190M、191E、192C/M、193A/M、198D/E、200H/I/K/M/V/Y、207K/L/N/Q、209P、210C/D/E/F/G/L/N/P/Q/Y、211E/L/Q/R、212A/C/Q、218C/S、227M/Q、228L、230A/D/L/M/N、231C/E/H/I/L/N/Q/S/T、232F/H/Q/R/W、234A/D/E/M/T/W/Y、236G/S/T、238A/D/E/M/V、239D/E/L/M/N/T、242A、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/F/I/L/S/Y、250S/T、253E、254P/Y、255A/C/D/E/F/I/M/V/W、256C/F/H/M/W/Y、257C/M、259D/E/M/N、262L、263D/Q、264T、265A/M/N/Q、266L/M/N/Q/R、268A/C/D/E及び269H/P/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、
変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。
【0031】
変異体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する。変異体は、
(ii)3V、4T、8V、9A/C/E/G/H/K/M/N/Q/W/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/I/S/T、12A/C/D/G/M/N/R/S/T/V/W、14D、15D/E/F/H/I/K/M/P/Q/V/W/Y、16L/M/S、17C/E/F/G/I/L/N/V/W/Y、18A/C/D/E/F/G/L/M/Q/T、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20A/C/D/M/N/T、24A/E/、25A/C/D/E/M/N、26A/I、33T、36C/E/I/L/M/Q/T/V、42C/D/E/M/Q、43L、44C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/T/V/W/Y、47I/Y、50I、52A/C/D/H/L/M/N/S/T/Y、54A/C/G/L/M/N/T/V、55A/C/D/E/H/N/S/Y、57D/E/H/M/N/Q/T、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、69S、76A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、82A、84D/F/H/Y、95A/N、96M/Q、97E/H/K、101T、102L/M、104A/D/H/M/N/T/V/W/Y、105V、107K/M、110L、113T/V、114V、115E/H/Q、116E/H、118D/E/N、120V、128G、129A/H/N/Y、131A/D/E/I/M/N/P/Q/V、133M、135A/E/F/H/I/K/L/M/Q/S/T/V/W/Y、136M、137L、139E/S、141E/H/N、142A/D/E/H/M/N/Q、143E/H/M/N/V、144E/N、145C、147C、148L/V、150M、156C/D/N/T、157A/C/D/E/N/Q、158A/C/F/L/M/N/Q/V/W/Y、159L、160A/C/D/M/T、161W、164A/K/M/Q/Y、166D/E/I/P/Q/V、167E、170G、174V、176A/C/D/L/M/N/S、177A/C/D/E/G/H/K/L/M/Q/S/W/Y、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182A/C/D/E/G/H/I/K/L/P/Q/T/V/W/Y、186F、188C/D/E/I/L/M/N/Q/S/V/W/Y、189C/D/E、190M、191E、192C/M、193A/M、198D/E、200H/I/K/M/V/Y、207K/L/N/Q、209P、210C/D/E/F/G/L/N/P/Q/Y、211E/L/Q/R、212A/C/Q、218C/S、227M/Q、228L、230A/D/L/M/N、231C/E/H/I/L/N/Q/S/T、232F/H/Q/R/W、234A/D/E/M/T/W/Y、236G/S/T、238A/D/E/M/V、239D/E/L/M/N/T、242A、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/F/I/L/S/Y、250S/T、253E、254P/Y、255A/C/D/E/F/I/M/V/W、256C/F/H/M/W/Y、257C/M、259D/E/M/N、262L、263D/Q、264T、265A/M/N/Q、266L/M/N/Q/R、268A/C/D/E及び269H/P/Wからなる群から選択される少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つのアミノ酸置換(配列番号1の番号付けを使用)を含み、
変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。
【0032】
本組成物は、卵、クレームブリュレの除去が非常に良好であり、かつ/又は良好な安定性を示す。
【0033】
クレームブリュレの除去に関して、特に好ましい組成物は、プロテアーゼを含み、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、3V、9A/C/E/K、10A/M/N/Q、11A/I、12C/D、14D、15D/E/H/I/M/V/Y、16M、17C/F/I/L/W、18D/E、19A/C/D/E/H/I/L/Q/S/T/W、24A/E、36C/E、42C/D/E、44C/E/W/Y、52A/C/D/H、54L/M;55A/D/H/S、57D/E/、59A/C/D/E/N、60S、76E/H/K/L/M/N/T、84H/Y、95N、96Q、97E、104A/D、107K、110L、116E、129H/N/Y、131D/E、135A/E/H/I/L/M/S/T/V/W/Y、136M、141E、142E、144E、156C/D、157A/C/D/E、158A/C、160A/M、164A/M/Q/Y、166D/E、176C/D、177C/D/M/S/Y、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、182D/E、188C/D/E/M、189C/D/E、193A/M、198D/E、200I/Y、207K/L/Q、209P、210D/E/N、238A/D/E/M、239D/E、241C/G/L/Q/T/Y、245E、247E/ 249C/D/E/Y、253E、255C/D/E、256C/Y、259D/E、262L、268D/E及び269H/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0034】
変異体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、好ましくは少なくとも3つの置換を有する。
【0035】
本発明の組成物において使用するのに特に好ましい変異体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも95%及び特に少なくとも99%の同一性を有する変異体からなる群から選択される。
【0036】
一実施形態では、本明細書に提供される組成物は、プロテアーゼを含み、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有する、変異体であり、
(iii)3V、4T、8V、9A/C/E/G/H/K/M/N/Q/W/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/I/S/T、12A/C/D/G/M/N/R/S/T/V/W、14D、15D/E/F/H/I/K/M/P/Q/V/W/Y、16L/M/S、17C/E/F/G/I/L/N/V/W/Y、18A/C/D/E/F/G/L/M/Q/T、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20A/C/D/M/N/T、24A/E/、25A/C/D/E/M/N、26A/I、33T、36C/E/I/L/M/Q/T/V、42C/D/E/M/Q、43L、44C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/T/V/W/Y、47I/Y、50I、52A/C/D/H/L/M/N/S/T/Y、54A/C/G/L/M/N/T/V、55A/C/D/E/H/N/S/Y、57D/E/H/M/N/Q/T、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、69S、76A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、82A、84D/F/H/Y、95A/N、96M/Q、97E/H/K、101T、102L/M、104A/D/H/M/N/T/V/W/Y、105V、107K/M、110L、113T/V、114V、115E/H/Q、116E/H、118D/E/N、120V、128G、129A/H/N/Y、131A/D/E/I/M/N/P/Q/V、133M、135A/E/F/H/I/K/L/M/Q/S/T/V/W/Y、136M、137L、139E/S、141E/H/N、142A/D/E/H/M/N/Q、143E/H/M/N/V、144E/N、145C、147C、148L/V、150M、156C/D/N/T、157A/C/D/E/N/Q、158A/C/F/L/M/N/Q/V/W/Y、159L、160A/C/D/M/T、161W、164A/K/M/Q/Y、166D/E/I/P/Q/V、167E、170G、174V、176A/C/D/L/M/N/S、177A/C/D/E/G/H/K/L/M/Q/S/W/Y、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182A/C/D/E/G/H/I/K/L/P/Q/T/V/W/Y、186F、188C/D/E/I/L/M/N/Q/S/V/W/Y、189C/D/E、190M、191E、192C/M、193A/M、198D/E、200H/I/K/M/V/Y、207K/L/N/Q、209P、210C/D/E/F/G/L/N/P/Q/Y、211E/L/Q/R、212A/C/Q、218C/S、227M/Q、228L、230A/D/L/M/N、231C/E/H/I/L/N/Q/S/T、232F/H/Q/R/W、234A/D/E/M/T/W/Y、236G/S/T、238A/D/E/M/V、239D/E/L/M/N/T、242A、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/F/I/L/S/Y、250S/T、253E、254P/Y、255A/C/D/E/F/I/M/V/W、256C/F/H/M/W/Y、257C/M、259D/E/M/N、262L、263D/Q、264T、265A/M/N/Q、266L/M/N/Q/R、268A/C/D/E及び269H/P/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、
変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号1のプロテアーゼを含む組成物と比べて、特に卵及び/又はクレームブリュレの除去において、改善された安定性及び改善された性能を示す。
【0037】
別の実施形態は、プロテアーゼを含む組成物を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有し、
(iv)3V、4T、8V、9A/C/E/G/H/K/M/N/Q/W/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/I/S/T、12A/C/D/G/M/N/R/S/T/V/W、14D、15D/E/F/H/I/K/M/P/Q/V/W/Y、16L/M/S、17C/E/F/G/I/L/N/V/W/Y、18A/C/D/E/F/G/L/M/Q/T、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20A/C/D/M/N/T、24A/E/、25A/C/D/E/M/N、26A/I、33T、36C/E/I/L/M/Q/T/V、42C/D/E/M/Q、43L、44C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/T/V/W/Y、47I/Y、50I、52A/C/D/H/L/M/N/S/T/Y、54A/C/G/L/M/N/T/V、55A/C/D/E/H/N/S/Y、57D/E/H/M/N/Q/T、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、69S、76A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、82A、84D/F/H/Y、95A/N、96M/Q、97E/H/K、101T、102L/M、104A/D/H/M/N/T/V/W/Y、105V、107K/M、110L、113T/V、114V、115E/H/Q、116E/H、118D/E/N、120V、128G、129A/H/N/Y、131A/D/E/I/M/N/P/Q/V、133M、135A/E/F/H/I/K/L/M/Q/S/T/V/W/Y、136M、137L、139E/S、141E/H/N、142A/D/E/H/M/N/Q、143E/H/M/N/V、144E/N、145C、147C、148L/V、150M、156C/D/N/T、157A/C/D/E/N/Q、158A/C/F/L/M/N/Q/V/W/Y、159L、160A/C/D/M/T、161W、164A/K/M/Q/Y、166D/E/I/P/Q/V、167E、170G、174V、176A/C/D/L/M/N/S、177A/C/D/E/G/H/K/L/M/Q/S/W/Y、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182A/C/D/E/G/H/I/K/L/P/Q/T/V/W/Y、186F、188C/D/E/I/L/M/N/Q/S/V/W/Y、189C/D/E、190M、191E、192C/M、193A/M、198D/E、200H/I/K/M/V/Y、207K/L/N/Q、209P、210C/D/E/F/G/L/N/P/Q/Y、211E/L/Q/R、212A/C/Q、218C/S、227M/Q、228L、230A/D/L/M/N、231C/E/H/I/L/N/Q/S/T、232F/H/Q/R/W、234A/D/E/M/T/W/Y、236G/S/T、238A/D/E/M/V、239D/E/L/M/N/T、242A、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/F/I/L/S/Y、250S/T、253E、254P/Y、255A/C/D/E/F/I/M/V/W、256C/F/H/M/W/Y、257C/M、259D/E/M/N、262L、263D/Q、264T、265A/M/N/Q、266L/M/N/Q/R、268A/C/D/E及び269H/P/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含む、変異体であり、
変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、特に卵及び/又はクレームブリュレの除去において、改善された安定性及び性能を示す。
【0038】
別の実施形態は、プロテアーゼを含む組成物を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有し、3V、9A/C/E/K、10A/M/N/Q、11A/I、12C/D、14D、15D/E/H/I/M/V/Y、16M、17C/F/I/L/W、18D/E、19A/C/D/E/H/I/L/Q/S/T/W、24A/E、36C/E、42C/D/E、44C/E/W/Y、52A/C/D/H、54L/M;55A/D/H/S、57D/E/、59A/C/D/E/N、60S、76E/H/K/L/M/N/T、84H/Y、95N、96Q、97E、104A/D、107K、110L、116E、129H/N/Y、131D/E、135A/E/H/I/L/M/S/T/V/W/Y、136M、141E、142E、144E、156C/D、157A/C/D/E、158A/C、160A/M、164A/M/Q/Y、166D/E、176C/D、177C/D/M/S/Y、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、182D/E、188C/D/E/M、189C/D/E、193A/M、198D/E、200I/Y、207K/L/Q、209P、210D/E/N、238A/D/E/M、239D/E、241C/G/L/Q/T/Y、245E、247E/ 249C/D/E/Y、253E、255C/D/E、256C/Y、259D/E、262L、268D/E及び269H/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、
変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、特に卵の除去において、改善された洗浄性能を示す。
【0039】
別の実施形態は、プロテアーゼを含む組成物を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有し、9A/C/E/M/N/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/T、12A/C/D/M、14D、15D/E/H/I/M/V/W/Y、16L/M、17C/E、18C/D/E/M、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20C/D、24A/E、25A/C/D/E/M/N、26A、36C/E/Q/V、42C/D/E、43L、44C/E/G/H/I/L/N/Q/T、52A/C/D/L/M/N、54A/C/L/M/V、55A/C/D/E、57D/E、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、76D/E/N、82A、84D、96Q、97E/H、104A/D/H/N/V/Y、115H、116E、129H、131D/E、135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、139E、141E、142D/E、143E、144E、147C、148L、156C/D/N/T、157C/D/E、158C/L/Q/Y、159L、164A/K/M/Q/Y、166D/E、167E、174V、176A/C/D/N、177C/D、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、182C/D/E、188C/D/E、189C/D/E、193A/M、198D/E、207K/L/Q、209P、210C/D/E/L/N/Y、212C、228L、231C/E/L/N/Q、232F、234D/E/T/W/Y、236T、238A/D/E/M/V、239D/E/M/N、241C/G/L/Q/T/Y、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/L/Y、253E、254Y、255A/C/D/E/、256C/Y、257C、259D/E/M/N、262L、263D、268C/D/E及び269H/P/Wから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、改善された洗浄性能、特にクレームブリュレの除去を示す。
【0040】
別の実施形態では、親プロテアーゼ(例えば、配列番号1)と比較して改善されたクレームブリュレ洗浄性能を有する、変異体を含む組成物が提供され、変異体は、9、10、12、14、15、17、18、19、20、24、25、36、42、44、52、54、55、57、59、76、84、97、104、116、131、135、139、141、142、143、147、156、157、158、164、166、167、176、177、178、179、180、182、188、189、198、207、210、212、231、234、238、239、245、247、249、253、254、255、156、257、259、263、268及び269から選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、これらの位置は、配列番号1に対応して番号付けされ、置換により、本出願における親サブチリシンに対して全体的な負の正味電荷が導入される。いくつかの実施形態では、変異体は、9C/E/Y、10A/K/M/N/Q/W、12C/D、14D、15D/E/Y、17C/E、18C/D/E、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20C/D、24E、25C/D/E、36C/E、42C/D/E、44C/E/G/H/I/L/N/Q/T、52C/D、54C、55C/D/E、57D/E、59C/D/E、76D/E、84D、97E、104D/Y、116E、131D/E、135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、139E、141E、142D/E、143E、147C、156C/D、157C/D/E、158C/Y、164A/K/M/Q/Y、166D/E、167E、176C/D、177C/D、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182C/D/E、188C/D/E、189C/D/E、198D/E、207K/L/Q、210C/D/E/Y、212C、230D、231C/E/L/N/Q、234D/E/Y、238D/E、239D/E、245E、247E、249C/D/E/Y、253E、254Y、255C/D/E、256C/Y、257C、259D/E、263D、268C/D/E及び269H/P/Wから選択される、1つ以上の位置に1つ以上の負に荷電したアミノ酸置換を含むか、又はその1つ以上の位置で正に荷電したアミノ酸を置き換え、これらの位置は、配列番号1に対応して番号付けされる。
【0041】
別の実施形態は、プロテアーゼを含む組成物を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有するアミノ酸配列を含み、9N、11A、12A/M、15I/V、16L/M、19C/K/L/Q、20D、24A、25A/D/N、52D、54A/L/M/V、55A/D、59A/M/N、60S、96Q、129H、157D、158Q、159L、177D、179A/K、182D、207L、210E、232F、及び256Yから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、卵及びクレームブリュレの除去において、改善された洗浄性能を示す。
【0042】
別の実施形態は、プロテアーゼを含む組成物を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有するアミノ酸配列を含み、3V、4T、8V、9A/E/G/H/K/N/Q/W/Y、10Q、11A、12A/C/G/M/N/T、15F/H/M/P/Q/W、16S、17C/E/F/I/L/N/V/W/Y、18A/D/E/L/M/Q、19C/D/Y、20C/D/M/N、24A/E、25C/D/N、26I、33T、36C/I/L/M/Q/V、42C/D/E/M/Q、44C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/T/V/W/Y、47I/Y、50I、52A/M/N/S/T/Y、54N/V、55C/D/E/N、57E/H/M/N/Q/T、59N、76A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、82A、84D/F/H/Y、95A/N、96M、97K、101T、102L/M、104M/N/T/V/W、105V、107M、113V、114V、115Q、116E/H、118D/E、131A/D/E/I/M/N/P/Q/V、133M、135A/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、136M、142A/D/E/H/M/N/Q、143E/H/M/N、147C、148V、150M、156N/T、157A/C/N、158C/F/L/M/N/Q/V/W/Y、159L、160A/C/M/T、166D/E/P/Q、170G、176C/M、177A/C/D/H/L/M/Q/W/Y、179M/Q、180K、182A/C/E/G/H/I/K/L/P/Q/T/V/W/Y、188C/D/E/I/L/M/N/Q/V/W/Y、189D、192C/M、193M、200H/I/K/M/V/Y、209P、210E/F/P、218C/S、228L、231C/E/H/N/T、232F/H、234D/M、236G/S/T、238A/D/E/M/V、239E/L/M/T、242A、246A/L、249E/F/I/L/S/Y、250S、253E、254P、255C/D/E/F/I/M/V/W、256C/F/H/W/Y、264T、266L/M/N及び268Cから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、本組成物は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、改善された安定性を示す。
【0043】
別の実施形態は、プロテアーゼを含む組成物を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸残基(E)を有するアミノ酸配列を含み、9A/E/H/K/N/W/Y、10Q、11A、12A/C/M/N、15F/H/M/W、17C/E/F/I/L/N/V/W、18D/E/M、19C/D/Y、20C/D/M/N、24A/E、25C/D/N、36C/L/Q/V、42C/D/E、44C/E/G/H/I/L/N/Q/T、52A/M/N、54V、55C/D/E、57E/S、59N、76D/E/K/L/N、82A、84D、95N、97K、102L/M、104N/V、116E、118D、131D/E/M/N/P、135A/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、136M、142D/E、143E/N、147C、156N/T、157A/C、158C/L/Q/Y、159L、160M、166D/E、170G、176C、177A/C/D/L/M/Y、179M/Q、180K、182A/C/E/Y、188C/D/E/M、189D、193M、209P、210E、218S、228L、231C/E/N、232F、234D、236T、238A/D/E/M/V、239E/M、246A/L、249E/L/Y、253E、255C/D/E、256C/Y、及び268Cから選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。いくつかの実施形態では、本組成物は、特に卵又はクレームブリュレの除去において、改善された洗浄性能を示す。本組成物はまた、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するプロテアーゼを含む組成物と比較して、改善された安定性を示す。
【0044】
いくつかの実施形態では、親プロテアーゼ又は変異体はまた、Q012E、Q037E、N060D、N097D、Q107E、N115D、N154D、N167D、Q176E、Q185E、Q200E、N205D、Q230E、N236D、N242D、N250D、N253D、Q256E、N253D-Q256E、G025R-M117I-H118N、A149S、R044P-D175N-Y208N-Q230H、L041F-G078D-P084A、S101G-T174A、I021V-N177I、I021V-S142G-T188A、I021V-M122L-A222S、Q012L-I021V-M122L-A222S、I021V-M122L-N253D、I021V-N177V-V228I、I021V-S039T-M122L-N177E、I021V-V079L-D087E-A209N-A222S、I021V-M122L-A222S-T247N、I021V-M122L、S039E-N074D-D087E、N253P、S039E-N074D-D087E-N253D、I021V-S039E-N074D-D087E-N253D、S039E-N074D-D087E-M122L-N253D、I021V-S039E-N074D-D087E-M122L-N253D、I021V、M122L、M211S、P212N、Q012L、N177V、A222S、V228I、T274N、R099E、N097D-R099E、S097D、S099E、I043V、M122L-N145S-T156A、M211N-P212D、M211L-P212D、G160S、D127P-M211L-P212D、P212H、Q012L-M122L-A222S、D127P、N145S、T156A、M211N及びP212Dから選択される少なくとも1つ、2つ、3つ又はそれ以上の追加の置換を含む。
【0045】
本開示は、表面に露出されるアミノ酸に1つ以上の修飾を有する変異体を含む。酵素変異体における表面修飾は、洗浄性能に関する最小限の性能指数、洗剤組成物中の酵素の安定性及び酵素の熱安定性を有するが、これらの特性のうちの少なくとも1つは親サブチリシン酵素から改善されていることにより、洗剤組成物において有用であり得る。いくつかの実施形態では、表面修飾は、その位置におけるアミノ酸の疎水性及び/又は電荷を変化させる。疎水性は、White and Wimley(White,S.H.and Wimley,W.C,.(1999)Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.28:319-65)に記載されているものなど、当該技術分野において公知の技法を使用して判定することができる。目的のpHにおけるアミノ酸の正味電荷は、Hass and Mulder(Hass,M.A.S and Mulder,F.A.A(2015)Annu.Rev.Biophys.44:53-75)に記載されているものなど、アミノ酸中の滴定可能な化学基のpK値を使用して計算することができる。
【0046】
本明細書で使用するとき、「表面特性」は、静電荷、並びにタンパク質表面が示す疎水性及び親水性などの特性に関して使用することができる。本明細書に提供される変異体は、好適な修飾として、76、84、97、104、116、131、135、139、141、142、143、157位を含む、表面修飾のうちの少なくとも1つを有し、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列と対応して番号付けされる。
【0047】
酸化、キレート化剤、変性、界面活性剤、熱安定性及び/又はpH安定性プロテアーゼの文脈において、用語「強化された安定性」又は「改善された安定性」は、基準プロテアーゼ、例えば、野生型プロテアーゼ又は親プロテアーゼと比較して、経時的により高度に保持されるタンパク質分解活性を指す。
【0048】
更なる実施形態は、クレームブリュレの汚れを洗浄する方法であって、洗浄を必要とする表面又は物品を、1つ以上のプロテアーゼを含む組成物と接触させることを含む、方法を対象とし、プロテアーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する変異体であり、変異体は、配列番号1のアミノ酸配列の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するアミノ酸配列を含み、9A/C/E/M/N/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/T、12A/C/D/E/M、14D、15D/E/H/I/M/V/W/Y、16L/M、17C/E、18C/D/E/M、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20C/D、24A/E、25A/C/D/E/M/N、26A、27K、36C/E/Q/V、42C/D/E、43L、44C/E/G/H/I/L/N/Q/S/T、52A/C/D/L/M/N、54A/C/L/M/V、55A/C/D/E/M、57D/E、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、76D/E/N、82A、84D、96Q、97E/H、104A/D/H/N/V/Y、115H、116E、129H、131D/E、135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、139E、141E、142D/E、143E、144E、147C、148L、154D、156A/C/D/N/T、157C/D/E、158C/L/Q/T/Y、159L、164A/K/M/Q/Y、166D/E、167E、169L、174V、176A/C/D/E/N、177C/D/E、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182C/D/E、188C/D/E、189C/D/E、193A/M、198D/E、206D、207K/L/Q、209P、210C/D/E/L/N/Y、211K/L、212C、228L、230A/D/E/H/M/N、231C/E/L/N/Q、232F、234D/E/T/W/Y、236D/T、238A/D/E/M/V、239D/E/M/N、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/L/Y、250D、252A/Q、253D/E/P、254Y、255A/C/D/E、256C/E/Y、257C、259D/E/M/N、262L、263D、268C/D/E及び269H/P/W並びに組合せから選択される配列番号1に対応する1つ以上の位置に1つ以上の置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。また更なる実施形態は、クレームブリュレの汚れを洗浄する方法であって、洗浄を必要とする表面又は物品を、1つ以上の変異体を含む組成物と接触させることを含む、方法を対象とし、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するアミノ酸配列を含み、9A/C/E/M/N/Y、10A/K/M/N/Q/W、11A/T、12A/C/D/E/M、14D、15D/E/H/I/M/V/W/Y、16L/M、17C/E、18C/D/E/M、19A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、20C/D、24A/E、25A/C/D/E/M/N、26A、27K、36C/E/Q/V、42C/D/E、43L、44C/E/G/H/I/L/N/Q/S/T、52A/C/D/L/M/N、54A/C/L/M/V、55A/C/D/E/M、57D/E、59A/C/D/E/M/N/Q/T、60S、76D/E/N、82A、84D、96Q、97E/H、104A/D/H/N/V/Y、115H、116E、129H、131D/E、135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、139E、141E、142D/E、143E、144E、147C、148L、154D、156A/C/D/N/T、157C/D/E、158C/L/Q/T/Y、159L、164A/K/M/Q/Y、166D/E、167E、169L、174V、176A/C/D/E/N、177C/D/E、178D、179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、180K、182C/D/E、188C/D/E、189C/D/E、193A/M、198D/E、207K/L/Q、209P、210C/D/E/L/N/Y、211K/L、212C、228L、231C/E/L/N/Q、232F、234D/E/T/W/Y、236D/T、238A/D/E/M/V、239D/E/M/N、245E、246A/L、247E/Q、249C/D/E/L/Y、250D、253D/E/P、254Y、255A/C/D/E、256C/E/Y、257C、259D/E/M/N、262L、263D、268C/D/E及び269H/P/W並びに組合せから選択される配列番号1の位置に対応する1つ以上の位置に1つ以上の置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。
【0049】
更なる実施形態は、卵の汚れを洗浄する方法であって、洗浄を必要とする表面又は物品を、1つ以上のサブチリシン変異体を含有する組成物と接触させることを含む、方法を対象とし、変異体は、9H/K/N/W、11A/I、12A/M/N/R/S/V、15F/I/K/V、16L/M、17F/G/I/L/N/V/W、18F、19C/K/L/Q、20A/D/M/N/T、24A、25A/D/N、36L、52D/H、54A/G/L/M/V、55A/D/H/S/Y、57S、59A/M/N、60S、69S、76K/L、95N、96Q、97K、102L/M、107K、110L、113T、118D、120V、129A/H/N/Y、131M/N/P、136M、143N、144N、145C、157A/D、158Q、159L、160M、166I、170G、176L、177A/D/G/K/L/M/S/Y、179A/K、182A/D/Y、188M、191E、207L、210E/G/Q、211R、218S、227M、232F/W、256Y、263Q、265A/M/Q及び268A並びに組合せから選択される配列番号1の位置に対応する1つ以上の位置に1つ以上の置換を有し、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。また更なる実施形態は、卵の汚れを洗浄する方法であって、洗浄を必要とする表面又は物品を、1つ以上の変異体を含有する組成物と接触させることを含む、方法を対象とし、変異体は、配列番号1の39位に対応する位置にグルタミン酸を有するアミノ酸配列を含み、9H/K/N/W、11A/I、12A/M/N/R/S/V、15F/I/K/V、16L/M、17F/G/I/L/N/V/W、18F、19C/K/L/Q、20A/D/M/N/T、24A、25A/D/N、36L、52D/H、54A/G/L/M/V、55A/D/H/S/Y、59A/M/N、60S、69S、76K/L、95N、96Q、97K、102L/M、107K、110L、113T、118D、120V、129A/H/N/Y、131M/N/P、136M、143N、144N、145C、157A/D、158Q、159L、160M、166I、170G、176L、177A/D/G/K/L/M/S/Y、179A/K、182A/D/Y、188M、191E、207L、210E/G/Q、211R、218S、227M、232F/W、256Y、263Q、265A/M/Q及び268Aから選択される配列番号1の位置に対応する1つ以上の位置に1つ以上の置換を更に含み、変異体のアミノ酸位置は、配列番号1のアミノ酸配列に対応して番号付けされる。
【0050】
本発明のプロテアーゼは、組成物が軟水で使用される場合でも、リン酸塩を含まない組成物において非常に良好に機能する。
【0051】
本発明の組成物中のプロテアーゼの好ましい濃度は、組成物1グラム当たり約0.04~約5mg、より好ましくは約0.05~約2mgの活性プロテアーゼを含む。
【0052】
自動食器洗浄組成物
自動食器洗浄組成物は、任意の物理的形態であってよい。自動食器洗浄組成物は、ルース粉末であっても、ゲルであっても、単位用量形態で提示されてもよい。好ましくは、組成物は単位用量形態であり、単位用量形態としては、圧縮錠剤及び水溶性パックが挙げられる。本発明の自動食器洗浄組成物は、好ましくは、単位用量形態で提示され、固体、液体及びゲルの形態を含む任意の物理的形態であり得る。本発明の組成物は、多区画型パックの形態、より具体的には、異なる物理的形態の組成物を有する区画、例えば固体形態の組成物を含む区画と液体形態の組成物を含む別の区画とを含む多区画型パックでの提供に非常によく適している。組成物は、好ましくは、ポリビニルアルコールなどの水溶性フィルムに封入される。厚さ100μm未満、好ましくは20~90μmのポリビニルアルコールフィルムに包まれた単位用量形態の組成物がとりわけ好ましい。本発明の洗剤組成物は、約8~約25グラム、好ましくは約10~約20グラムの重量を有する。この重量範囲は、食器洗浄機のディスペンサーに余裕をもって収まる。この範囲は洗剤としては少ない量に相当するものであるが、洗剤は上記に述べたような効果の全てを提供するように配合されている。
【0053】
組成物は、好ましくは、リン酸塩を含まない。本明細書において「リン酸塩を含まない」とは、組成物が、組成物の1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満のリン酸塩を含むものとして理解される。
【0054】
本発明の組成物は、好ましくは、リン酸塩を含まず、錯化剤系を含む。
【0055】
錯化剤系
本発明の目的のために、「錯化剤」とは、カルシウム、マグネシウム、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、マンガン、鉄、アルミニウム及び他のカチオン性多価イオンのような多価イオンと結合して水溶性の錯体を形成することが可能な化合物のことである。錯化剤は、Ca2+に対する対数安定性定数([logK])が少なくとも3である。安定性定数、logKは、温度25℃でイオン強度0.1の溶液中で測定される。本発明の組成物は、組成物の10重量%~50重量%の錯化剤系を含む。好ましくは、組成物は、クエン酸、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸-N,N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、カルボキシメチルイヌリン、L-アスパラギン酸N,N-二酢酸四ナトリウム塩(ASDA)及びこれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を含む。本発明の目的のために、用語「酸」は、錯化剤を指すとき、酸及びその塩を含む。
【0056】
好ましい実施形態では、組成物は、本発明物の15重量%~40重量%のMGDA、より好ましくはMGDAの三ナトリウム塩を含む。この高濃度のMGDAを含む組成物は、硬水の存在下において、また長時間及び/又は高温サイクルにおいても、良好に機能する。
【0057】
好ましい実施形態では、組成物は、本発明物の15重量%~28重量%のクエン酸、より好ましくはクエン酸ナトリウムを含む。クエン酸を含む組成物は、軟水の存在下において良好に機能する。
【0058】
好ましい実施形態では、錯化剤系は、クエン酸及びMGDAを、好ましくは約0.5:1~約2:1、より好ましくは約0.5:1~約2.5:1の重量比で含む。
【0059】
分散剤ポリマー
分散剤ポリマーは、組成物の約0.1~約20重量%、好ましくは0.2~約15重量%、より好ましくは0.3~重量%の任意の好適な量で使用され得る。
【0060】
分散剤ポリマーは、自動食器洗浄プロセスにおいてカルシウム又は炭酸カルシウムを懸濁させることができる。
【0061】
分散剤ポリマーは、25℃で、30mg/g~250mg/gのCa/gの分散剤ポリマー、好ましくは35mg/g~200mg/gのCa/gの分散剤ポリマー、より好ましくは40mg/g~150mgのCa/gの分散剤ポリマーの範囲内で、カルシウム結合能を有する。ポリマーが本発明の意味において分散剤ポリマーであるかどうかを判定するために、以下の指示に従い、以下のカルシウム結合能の判定を行う。
【0062】
カルシウム結合能試験方法
本明細書で言及されるカルシウム結合能は、Meettler Toledo SevenMulti(商標)ベンチトップメータ及びPerfectION(商標)櫛形Ca組合せ電極などのpH/イオンメータを用いて、滴定によって決定される。結合能を測定するために、ビーカー又はターゴトメータポットに適した加熱撹拌装置を25℃に設定し、メータ付イオン電極を製造元の指示に従って較正する。電極較正の標準濃度は試験濃度をブラケティングし、25℃で測定しなければならない。脱イオン水1Lに3.67gのCaCl-2HOを添加することにより、1000mg/gのCaの原液を調製し、次いで希釈を行ってそれぞれ100mg/g、10mg/g、及び1mg/g濃度のカルシウムを含む、それぞれ100mLの3つの作用液を調製する。100mg Ca/gの作用液を、25℃で実施される滴定中の初期濃度として使用する。各作用液のイオン強度は、2.5g/LのNaClをそれぞれ添加することによって調節する。100mg Ca/gの作用液100mLを加熱し、25℃に達するまで撹拌する。カルシウムイオン濃度の初期測定は、イオン電極を使用して溶液が25℃に達したときに行う。次いで、試験ポリマーをカルシウム作用液に徐々に加え(0.01g/L間隔で)、各増分の添加後に5分間攪拌した後に測定する。滴定は、溶液が1mg/gのカルシウムに達したら停止する。残りの2つのカルシウム濃度の作用液を用いて、滴定手順を繰り返す。試験ポリマーの結合能は、添加された試験ポリマーのグラム/Lに対する、測定されたカルシウム濃度の直線勾配として計算される。
【0063】
分散剤ポリマーは、好ましくは、6を超えるpHを有する水溶液中に溶解した場合に、負の正味電荷を有する。
【0064】
分散剤ポリマーは、より低いpHで負電荷を増加させ、硬水中でのその分散特性を改善するために、スルホン化カルボン酸エステル又はアミドもまた有し得る。好ましい分散剤ポリマーは、スルホン化/カルボキシル化ポリマー、すなわち、スルホン化モノマー及びカルボキシル化モノマーの両方を含むポリマーである。
【0065】
好ましくは、分散剤ポリマーは、ポリカルボン酸のスルホン化誘導体であり、2、3、4又はそれ以上の異なるモノマー単位を含むことができる。好ましいコポリマーは、次のものを含む:
一般式(III)を有するカルボン酸モノマーから誘導された少なくとも1つの構造単位:
【0066】
【化1】
式中、R~Rは、水素、メチル、2~12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖飽和アルキル基、2~12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のモノ又はポリ不飽和アルケニル基、-NH2若しくは-OH、又は-COOH、又はCOORで置換された前述のアルキル又はアルケニル基から独立して選択され、式中、Rは、水素、アルカリ金属又は2~12個の炭素を有する直鎖若しくは分枝鎖の飽和若しくは不飽和のアルキル若しくはアルケニル基であり、
好ましいカルボン酸モノマーは、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、2-フェニルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、フマル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、メチレンマロン酸又はソルビン酸のうちの1つ以上を含む。アクリル及びメタクリル酸がより好ましい。
【0067】
任意に、一般式(IV)を有する少なくとも1つの非イオン性モノマーから誘導される1つ以上の構造単位:
【0068】
【化2】
【0069】
式中、R~Rは、水素、メチル、フェニル又は1~6個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から独立して選択され、環状構造の一部であってもよく、Xは、-CH-、-COO-、-CONH-又は-CONR-から選択される、任意に存在するスペーサ基であり、Rは、直鎖若しくは分枝鎖の、1~22個の炭素原子を有する飽和アルキル基又は6~22個の炭素原子を有する不飽和の好ましくは芳香族の基から選択される。
【0070】
好ましい非イオン性モノマーは、ブテン、イソブテン、ペンテン、2-メチルペント-1-エン、3-メチルペント-1-エン、2,4,4-トリメチルペント-1-エン、2,4,4-トリメチルペント-2-エン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、2-メチル-3-メチル-シクロペンテン、ヘキセン、2,3-ジメチルヘキサ-1-エン、2,4-ジメチルヘキサ-1-エン、2,5-ジメチルヘキサ-1-エン、3,5-ジメチルヘキサ-1-エン、4,4-ジメチルヘキサ-1-エン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、10個以上の炭素原子を有する、デカ-1-エン、ドデカ-1-エン、ヘキサデカ-1-エン、オクタデカ-1-エン及びドコサ-1-エンなどのα-オレフィンのうちの1つ以上を含み、好ましい芳香族モノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベジルスチレン(bezylstyrene)、4-シクロヘキシルスチレン、4-プロピルスチロール、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレンであり、好ましいカルボン酸エステルモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートであり、好ましいアミドは、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-2-エチルヘキシルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-ラウリルアクリルアミド、N-ステアリルアクリルアミド、N-ベヘニルアクリルアミドである。
【0071】
並びに一般式(V)及び(VI)を有する少なくとも1つのスルホン酸モノマーから誘導される少なくとも1つの構造単位:
【0072】
【化3】
式中、Rは、少なくとも1つのsp2結合を含む基であり、Aは、O、N、P、S、アミド又はエステル結合であり、Bは、単環式又は多環式芳香族基又は脂肪族基であり、各tは、独立して0又は1であり、M+は、カチオンである。一態様では、Rは、C2~C6アルケンである。別の態様では、R7は、エテン、ブテン又はプロペンである。
【0073】
好ましいスルホン化モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピル、3-スルホ-プロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド及び上述の酸又はそれらの水溶性塩の混合物のうちの1つ以上を含む。
【0074】
好ましくは、このポリマーは、以下の濃度の各種モノマー、すなわち、ポリマーの約40~約90重量%、好ましくは約60~約90重量%の1種以上のカルボン酸モノマー、ポリマーの約5~約50重量%、好ましくは約10~約40重量%の1種以上のスルホン酸モノマー、及び任意にポリマーの約1重量%~約30重量%、好ましくは約2~約20重量%の1種以上の非イオン性モノマーを含む。特に好ましいポリマーは、ポリマーの約70重量%~約80重量%の少なくとも1種のカルボン酸モノマー及びポリマーの約20重量%~約30重量%の少なくとも1種のスルホン酸モノマーを含む。
【0075】
ポリマー中、カルボン酸基又はスルホン酸基の全て又はいくつかが中和形態で存在していてよく、すなわちいくつか又は全ての酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子が、金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと置き換えられ得る。
【0076】
カルボン酸は、好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0077】
好ましい市販のポリマーとしては、Alco Chemicalにより供給されるAlcosperse 240、Aquatreat AR540、及びAquatreat MPS、Rohm & Haasによって供給されるAcumer 3100、Acumer 2000、Acusol 587G及びAcusol 588G、BF Goodrichによって供給されるGoodrich K-798、K-775及びK-797並びにISP technologies Inc.によって供給されるACP1042が挙げられる。特に好ましいポリマーは、Rohm&Haasによって供給されるAcusol 587G及びAcusol 588Gである。
【0078】
適切な分散剤ポリマーには、低分子量のアニオン性カルボン酸ポリマーが含まれる。それらは、約200,000g/mol以下、又は約75,000g/mol以下、又は約50,000g/mol以下又は約3,000g/mol~約50,000g/mol、好ましくは約5,000g/mol~約45,000g/molの重量平均分子量を有するホモポリマー又はコポリマーであり得る。分散剤ポリマーは、1,000~20,000、特に2,000~10,000及び特に好ましくは3,000~5,000の平均分子量を有するポリアクリレートの低分子量ホモポリマーであってもよい。
【0079】
分散剤ポリマーは、70,000未満の分子量を有する、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とマレイン酸のコポリマー並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸とフマル酸のコポリマーであってもよい。それらの分子量は、2,000~80,000、より好ましくは20,000~50,000、特に30,000~40,000g/molの範囲であり、(メタ)アクリレート対マレエート又はフマレートセグメントの比は30:1~1:2の範囲である。
【0080】
分散剤ポリマーは、3,000~100,000、あるいは4,000~20,000の分子量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーであってもよく、分散剤ポリマーの50重量%未満、あるいは20重量%未満のアクリルアミド含有量も使用され得る。あるいは、そのような分散剤ポリマーは、4,000~20,000の分子量及びポリマーの0重量%~15%のアクリルアミド含有量を有してもよい。
【0081】
本明細書に好適な分散剤ポリマーには、イタコン酸ホモポリマー及びコポリマーも含まれる。
【0082】
あるいは、分散剤ポリマーは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、アルコキシル化ポリカルボキシレート、ポリエチレングリコール、スチレンコポリマー、セルロースサルフェートエステル、カルボキシル化ポリサッカライド、両親媒性グラフトコポリマー及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0083】
漂白系
本発明の組成物は、高濃度の漂白剤、好ましくは過炭酸塩を、漂白活性化剤又は漂白触媒又はその両方と組み合わせて含む、漂白系を含む。好ましくは、漂白活性化剤はTAEDであり、漂白触媒はマンガン漂白触媒である。
【0084】
漂白剤
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の約10~約20重量%、より好ましくは約12~約18重量%の漂白剤、好ましくは過炭酸塩を含む。
【0085】
無機及び有機漂白剤が、本明細書における使用に好適である。無機漂白剤には、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などの過水和塩が挙げられる。無機過水和塩は、通常、アルカリ金属塩である。無機過水和塩は、追加の保護なしの結晶性固体として含まれ得る。あるいは、塩はコーティングされていてもよい。好適なコーティングには、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられる。当該コーティングは、表面に塗布される混合物として塗布されるか、又は順次積層して塗布され得る。
【0086】
アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書における使用に好ましい漂白剤である。過炭酸塩は、最も好ましくは、製品内安定性を提供するコーティングされた形態で製品に組み込まれる。
【0087】
過酸化モノ過硫酸カリウムは、本明細書で有用な別の無機過水和塩である。
【0088】
典型的な有機漂白剤は、有機ペルオキシ酸、特にドデカンジペルオキシ酸、テトラデカンジペルオキシ酸及びヘキサデカンジペルオキシ酸である。モノ及びジペルアゼライン酸、モノ及びジペルブラシル酸も、本明細書において好適である。ジアシル及びテトラアシル過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジラウロイルは、本発明の関連において使用可能な他の有機過酸化物である。
【0089】
更なる典型的な有機漂白剤としては、ペルオキシ酸が挙げられ、具体例は、アルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換の誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸の他、ペルオキシ-α-ナフトエ酸及びモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシヘキサン酸(PAP)]、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸及びN-ノネニルアミドペルスクシネート、並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイルジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0090】
漂白活性化剤
漂白活性化剤は、一般的に、60℃以下の温度での洗浄中の漂白活性を増強する有機過酸前駆体である。本明細書での使用に好適な漂白活性化剤には、過加水分解条件下で、好ましくは1~12個の炭素原子、特に2~10個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸(peroxoycarboxylic acid)、及び/又は任意に置換された過安息香酸を与える化合物が含まれる。好適な物質は、炭素原子の数が指定されているO-アシル基及び/若しくはN-アシル基並び/又は任意に置換されたベンゾイル基を有する。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はイソ-NOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、二酢酸エチレングリコール及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、並びにクエン酸トリエチルアセチル(TEAC)も好まれる。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の0.01~5、好ましくは0.2~2重量%の漂白活性化剤、好ましくはTAEDを含む。
【0091】
漂白触媒
本明細書の組成物は、好ましくは、漂白触媒、好ましくは金属含有漂白触媒を含有する。より好ましくは、金属含有漂白触媒は、遷移金属含有漂白触媒、特にマンガン又はコバルト含有漂白触媒である。
【0092】
本明細書での使用に好ましい漂白触媒としては、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体が挙げられる。本明細書での使用に特に好ましい漂白触媒は、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)及び1,2,4,7-テトラメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)である。
【0093】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.001~0.5重量%、より好ましくは0.002~0.05重量%、より好ましくは0.005~0.075重量%の漂白触媒を含む。好ましくは、漂白触媒は、マンガン漂白触媒である。
【0094】
無機ビルダー
本発明の組成物は、好ましくは、無機ビルダーを含む。好適な無機ビルダーは、炭酸塩、ケイ酸塩及びこれらの混合物からなる群から選択される。炭酸ナトリウムが、本明細書での使用に特に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の5~60重量%、より好ましくは10~50重量%、特に15~45重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0095】
界面活性剤
本明細書での使用に好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が挙げられ、好ましくは、組成物は、いかなる他の界面活性剤も含まない。従来的には、表面修飾目的、特に非イオン性界面活性剤は、膜形成及び斑点形成を回避し、光沢を改善するためのシート化を目的として、自動食器洗浄において使用されてきた。非イオン性界面活性剤は、汚れの再堆積の防止にも寄与することができることが判明している。
【0096】
好ましくは、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系を含み、より好ましくは、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系は、蒸留水中1%の濃度で測定して、40~70℃、好ましくは45~65℃の転相温度を有する。「非イオン性界面活性剤系」とは、本明細書において、2つ以上の非イオン性界面活性剤の混合物を意味する。非イオン性界面活性剤系が、本明細書での使用に好適である。これらは、単一の非イオン性界面活性剤よりも、製品中で、改善された洗浄及び仕上がり特性並びに良好な安定性を有すると考えられる。
【0097】
転相温度とは、それよりも低い温度では界面活性剤又はその混合物が油膨張ミセルとして水性相中に優先的に分配され、それよりも高い温度では水膨張逆ミセルとして油性相に優先的に分配される温度である。転相温度は、混濁が生じる温度を識別することによって視覚的に判断することができる。
【0098】
非イオン性界面活性剤又は系の転相温度は、以下のように判断することができる:蒸留水中、溶液の1重量%の対応する界面活性剤又は混合物を含有する溶液を調製する。溶液を軽く撹拌した後、転相温度を分析して、プロセスが化学平衡で生じることを確実にする。転相温度は、75mm密封ガラス試験管中に溶液を浸漬することによって熱安定性の浴槽内で測定する。漏れがないことを確実にするために、転相温度の測定の前後に試験管を秤量しておく。温度が事前予測した転相温度より数度下に達するまで、温度を1℃/分未満の速度で徐々に増加させる。転相温度は、濁りの最初の兆候があった時点で視覚的に判断される。
【0099】
好適な非イオン性界面活性剤としては、i)6~20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノール(alkyphenol)と、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり、好ましくは少なくとも12モル、特に好ましくは少なくとも16モル、更により好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキシドとの反応によって調製される、エトキシル化非イオン性界面活性剤、ii)6~20個の炭素原子及び少なくとも1つのエトキシ基及びプロポキシ基を有するアルコールアルコキシル化界面活性剤が挙げられる。界面活性剤i)とii)との混合物が、本明細書での使用に好ましい。
【0100】
別の好適な非イオン性界面活性剤は、次式で表されるエポキシで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコールであり、
R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(OH)R2] (I)
式中、R1は、4~18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基であり、R2は、2~26個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基であり、xは、0.5~1.5、より好ましくは約1の平均値を有する整数であり、yは、少なくとも15、より好ましくは少なくとも20の値を有する整数である。
【0101】
好ましくは、式Iの界面活性剤は、末端エポキシド単位[CH2CH(OH)R2]中に少なくとも約10個の炭素原子を有する。本発明によれば、式Iの好適な界面活性剤は、例えば、Olin Corporationによる1994年10月13日に公開された国際公開第94/22800号に記載の、Olin CorporationのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF-18B非イオン性界面活性剤である。
【0102】
酵素
他のプロテアーゼ
本発明の組成物は、本発明のプロテアーゼに加えてプロテアーゼを含むことができる。2つ以上のプロテアーゼの混合物は、特に再付着防止剤及び/又はスルホン化ポリマーと共に使用されるとき、より広い温度、サイクル持続時間及び/又は基質範囲にわたって洗浄の増強に貢献することができ、優れた光沢効果を提供することができる。
【0103】
本発明の変異型プロテアーゼと組み合わせての使用に好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ、及び中性又はアルカリ性セリンプロテアーゼを含むセリンプロテアーゼ、例えば、サブチリシン(EC3.4.21.62)が挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号に記載されている、バチルス種、B.レンタス、B.アルカロフィラス、B.ズブチリス、B.アミロリケファシエンス、B.プミルス、B.ギブソニイ及びB.アキバイなどのバチルス由来のもの。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに同第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス由来のもの、国際公開第2014194032号、同第2014194054号及び同第2014194117号に記載されているバチルス、ブレビバチルス、サーモアクチノミセス、ゲオバチルス、パエニバチルス、リシニバチルス又はスプレプトミセス種由来のもの、国際公開第2015193488号に記載されているクリベラ・アルミノサ由来のもの並びに国際公開第2016075078号に記載されているストレプトミセス及びリソバクター由来のもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているバチルス種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ、同第2015024739号及び同第2016066757号に記載されているこのバチルス種TY145サブチラーゼの変異体を含む。
【0104】
本発明の洗剤に特に好ましい追加のプロテアーゼは、バチルス・レンタス由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、特に100%の同一性を示すポリペプチドであり、これは、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/37627号に示されるようなBPN番号付け方式及びアミノ酸略記を使用して、以下の位置の1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に突然変異を有する:V68A、N76D、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I、Q206L/D/E、Y209W及び/又はM222S。
【0105】
最も好ましくは、追加のプロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの自然変異を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の突然変異(BPN番号付け方式)を含むプロテアーゼの群から選択される。
【0106】
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
(vii)S99AD
【0107】
好適な市販入手可能な追加のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)及びEsperase(登録商標)(Denmark)としてNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの;商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの;並びにHenkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の図29に示され、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの突然変異を有する、本明細書において以降BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びに花王製のKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0108】
Properase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Excellase(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、BLAP及びBLAP変異体からなる群から選択される市販のプロテアーゼは、本発明の変異型プロテアーゼと組み合わせて本明細書に用いるのに特に好ましい。
【0109】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましい濃度としては、組成物1g当たり約0.05~約10mg、より好ましくは約0.5~約7mg、特に約1~約6mgの活性プロテアーゼが挙げられる。
【0110】
アミラーゼ
好ましくは、本発明の組成物は、アミラーゼを含み得る。好適なα-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α-アミラーゼは、バチルスの菌種、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステロサーモフィラス、バチルス・ズブチリス又は他のバチルス種、例えば、バチルス種NCBI12289、NCBI12512、NCBI12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)国際公開第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号及び同第2017/192657号に記載されている変異体、特に、配列番号11に対して以下の位置に1つ以上の置換を有する変異体:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484、好ましくは、D183及びG184の欠失も含む変異体。
(b)国際公開第06/002643号の配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体並びに参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号、同第2011/100410号及び同第2013/003659号に記載されている変異体。
(c)バチルス種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に以下の突然変異:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T突然変異を含むものが、特に好ましい。
(d)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは同第09/149130号の配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステロファーモフィラス(Geobacillus Stearophermophilus)由来の野生型酵素又はその切断版と少なくとも90%の同一性を示すもの。
(e)国際公開第2016091688号の配列番号1と少なくとも89%の同一性を示す変異体、特にH183+G184位での欠失並びに405、421、422及び/又は428位に1つ以上の突然変異を含むもの。
(f)パエニバチルス・カードラノリティカスYK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号の配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体。
(g)サイトファーガ種由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号の配列番号1)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体。
(h)バチルス・ズブチリス由来のAmyE(国際公開第2009149271号の配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示す変異体。
(i)受託番号AB051102を有するバチルス種KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示す変異体。
(j)バチルス種由来のAAI10の成熟アミノ酸配列(国際公開第2016180748号の配列番号7)と少なくとも80%の同一性を示す変異体
(k)アリシクロバチルス種アミラーゼの成熟アミノ酸配列(国際公開第2016180748号の配列番号8)と少なくとも80%の同一性を示す変異体
【0111】
好ましくは、アミラーゼは、遺伝子操作を受けた酵素であり、漂白酸化を起こしやすいアミノ酸のうちの1つ以上が、より酸化しにくいアミノ酸で置換されている。特に、メチオニン残基は、任意の他のアミノ酸で置換されることが好ましい。特に、最も酸化しやすいメチオニンが置換されることが好ましい。好ましくは、配列番号2の202に相当する位置のメチオニンが置換される。好ましくは、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0112】
好適な市販のα-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、ATLANTIC(登録商標)、INTENSA(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbHWehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PREFERENZ S(登録商標)シリーズ(PREFERENZ S1000(登録商標)及びPREFERENZ S2000(登録商標)を含む)並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont.,Palo Alto,California)並びにKAM(登録商標)(Kao,14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan)が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、ATLANTIC(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、POWERASE(登録商標)、INTENSA(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0113】
好ましくは、本発明の製品は、組成物1g当たり少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10mg、より好ましくは約0.1~約6mg、特に約0.2~約5mgの活性アミラーゼを含む。
【0114】
好ましくは、本発明の組成物のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、粒状体の形態であり、この粒状体は、粒状体の29重量%超の硫酸ナトリウムを含み、並びに/又は硫酸ナトリウム及び活性酵素(プロテアーゼ及び/若しくはアミラーゼ)は、3:1~100:1、又は好ましくは4:1~30:1、又はより好ましくは5:1~20:1の重量比である。
【0115】
結晶成長抑制剤
結晶成長抑制剤は、炭酸カルシウム結晶に結合して、アラゴナイト及び方解石などの種の更なる成長を防止することができる材料である。
【0116】
効果的な結晶成長抑制剤の例には、ホスホン酸塩、ポリホスホン酸塩、イヌリン誘導体、ポリイタコン酸ホモポリマー及び環状ポリカルボキシレートが挙げられる。
【0117】
好適な結晶成長抑制剤は、HEDP(1-ヒドロキシエチリデン1,1-ジホスホン酸)、カルボキシメチルイヌリン(CMI)、トリカルバリル酸及び環状カルボキシレートを含む群から選択されてもよい。本発明の目的のため、用語カルボキシレートは、アニオン形態及びプロトン化したカルボン酸形態の両方を包含する。
【0118】
環状カルボキシレートは、少なくとも2つ、好ましくは3つ又は好ましくは少なくとも4つのカルボキシレート基を含み、環状構造は、単環若しくは二環アルカン又は複素環のいずれかに基づく。好適な環状構造には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン若しくはシクロペンタン若しくはシクロヘプタン、ビシクロ-ヘプタン若しくはビシクロ-オクタン、及び/又はテトラヒドロフランが挙げられる。好ましい結晶成長抑制剤の1つは、シクロペンタンテトラカルボキシレートである。
【0119】
少なくとも75%、好ましくは100%のカルボキシレート基を素環の三次元構造の同じ側か又は「シス」位に有する環状カルボキシレートは、本明細書での使用に好ましい。
【0120】
素環の同じ側にある2つのカルボキシレート基は、直接隣接しているか、又は「オルト」位にあることが好ましい。
【0121】
好ましい結晶成長抑制剤には、HEDP、トリカルバリル酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸(THFTCA)及びシクロペンタンテトラカルボン酸(CPTCA)が挙げられる。THFTCAは、好ましくは2c,3t,4t,5c配置であり、CPTCAは、シス,シス,シス,シス配置である。本明細書での使用に特に好ましい結晶成長抑制剤は、HEDPである。
【0122】
部分的に脱炭酸したポリイタコン酸ホモポリマーもまた、本明細書での使用に好ましく、好ましくは脱炭酸のレベルは50モル%~90モル%の範囲である。本明細書での使用に特に好ましいポリマーは、Itaconixにより供給されるItaconix TSI(登録商標)である。
【0123】
結晶成長抑制剤は、好ましくは、組成物の約0.01~約10重量%、特に約0.02~約5重量%、特に0.05~3重量%の量で存在する。
【0124】
金属ケア剤
金属ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼並びに銀及び銅などの非鉄金属を含む金属の曇り、腐食又は酸化を、防止又は低減することができる。好ましくは、本発明の組成物は、製品の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、金属ケア剤はベンゾトリアゾール(BTA)である。
【0125】
ガラスケア剤
ガラスケア剤は、食器洗浄プロセス中にガラス製品の外観を保護する。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、ガラスケア剤は亜鉛含有材料、特に水亜鉛土である。他の好適なガラスケア剤は、ポリエチレンイミン(PEI)である。特に好ましいPEIは、BASFにより供給されるLupasol(登録商標)FGである。
【0126】
本発明の自動食器洗浄組成物は、好ましくは、20℃の蒸留水中1重量/体積%の水溶液中で測定した場合に、約9~約12、より好ましくは約10~約11.5未満、特に約10.5~約11.5のpHを有する。
【0127】
本発明の自動食器洗浄組成物は、好ましくは、20℃において100グラムの製品を含むNaOH中で測定した場合に、pH9.5で、約10~約20、より好ましくは約12~約18の予備アルカリ度を有する。
【0128】
本発明の好ましい自動食器洗浄組成物は、以下のものを含む:
i)組成物の10~20重量%の過炭酸ナトリウム、
ii)組成物の10重量%~50重量%の有機錯化剤系(好ましくは、錯化剤系は、MGDAを含む)、
iii)TAED、
iv)アミラーゼ、
v)任意であるが好ましくは組成物の5~50重量%の無機ビルダー、好ましくは炭酸ナトリウム、
vi)任意であるが好ましくは組成物の2~10重量%の非イオン性界面活性剤、
vii)他の任意の成分としては、結晶成長抑制剤、好ましくはHEDP、及びガラスケア剤が挙げられる。
【0129】
本発明の好ましい自動食器洗浄組成物は、以下のものを含む:
i)組成物の10~20重量%の漂白剤、好ましくは過炭酸ナトリウム、
ii)組成物の10重量%~50重量%の有機錯化剤系、
iii)マンガン漂白触媒及び任意にTAED、
iv)アミラーゼ、
v)任意であるが好ましくは組成物の5~50重量%の無機ビルダー、好ましくは炭酸ナトリウム、
vi)任意であるが好ましくは組成物の2~10重量%の非イオン性界面活性剤、
vii)任意であるが好ましくはガラスケア剤。
【0130】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【実施例
【0131】
表1に示す組成物を使用した。各組成物3gを1リットルの脱イオン水に溶解し、pH11の洗浄溶液を作製した。本発明のプロテアーゼを、0.25~0.75ppmの濃度で洗浄溶液に添加する。良好なクレームブリュレ除去が得られる。
【0132】
【表1】
【0133】
表1:自動食器洗浄(ADW)組成物
アミラーゼ Stainzyme(登録商標)Plus、Novozymes社により供給
TAED テトラアセチルエチレンジアミン
MGDA メチルグリシン二酢酸三ナトリウム、BASF社により供給
漂白触媒 MnTACN(マンガン1,4,7-トリアザシクロノナン)
スルホン化ポリマー Acusol 588、Dow Chemicals社により供給
Lutensol TO7 非イオン性界面活性剤、BASF社により供給
【0134】
洗剤中の洗浄性能
卵黄汚れ
本明細書に記載のプロテアーゼ変異体の自動食器洗浄(ADW)の洗浄性能を、卵黄マイクロスウォッチ(PAS-38、Center for Testmaterials BV,Vlaardingen,Netherlands)及びGSM-B洗剤(下記の表1を参照)、pH10.5を使用して、マイクロタイタープレート(MTP)において、配列番号1のアミノ酸配列を有する基準プロテアーゼと比べて試験した。(MTPに適合するように)予めパンチし、すすいだPAS-38スウォッチ及びすすいでいないものを、このアッセイで使用した。すすいだスウォッチは、180μLの10mM CAPS緩衝液(pH11)を、PAS-38マイクロスウォッチを含むMTPに添加し、60℃及び1100rpmで30分間振盪させることによって、準備した。インキュベーションの後に、緩衝液を除去し、スウォッチを脱イオン水ですすいで、任意の残留緩衝液を除去し、MTPを空気乾燥させた後、アッセイで使用した。全てのマイクロスウォッチプレートには、酵素を添加する前に、374ppmの水硬度に調整した3g/LのGSM-B洗剤を充填した。PAS-38スウォッチを洗剤及び酵素と共に40℃で30分間インキュベートした後、SpectraMaxプレートリーダーを用いて405nmで吸光度を読み取った。各サンプル値からブランク対照(酵素なし)の値を差し引くことにより、吸光度の結果を得た(以下「ブランク減算吸光度」)。各条件及び変異体について、ブランク減算吸光度を同濃度の基準プロテアーゼのブランク減算吸光度で除算することによって性能指数(PI)を計算した。基準プロテアーゼの値は、試験に含まれた、かつ適宜ラングミュア適合又はヒルシグモイド適合に適合した基準プロテアーゼの標準曲線から決定した。
【0135】
クレームブリュレ汚れ
本明細書に記載されるVlaardingen(the Netherlands)のCFTによって調製されたカスタム注文のメラミン食器洗浄機モニター(タイル)及び標識したDM10cを使用して、クレームブリュレ汚れに対する変異体の洗浄性能を試験した。この試験において使用したDM10cタイルは、市販のDM10モニター(クレームブリュレはDebic.comの製品)を調製するために使用される同じ材料2.7gを使用して調製されるが、150℃ではなく140℃で2時間焼成した。メラミンタイルを蓋として使用し、マイクロタイタープレート(MTP)上にしっかりと押し付けた。3g/LのGSMB又はMGDA洗剤(それぞれ表1及び2)を、374ppmの水硬度に調整し、それぞれの酵素サンプルをMTPに添加した後に、メラミンタイルの蓋をMTPに取り付けた。MTPの体積容量、それ故に、MTPに添加される溶液の体積は変化してもよく、インキュベーション条件下で溶液と汚れ表面との間の接触を可能にする最小限の体積の溶液をMTPに添加する必要がある。この例では、酵素を含有する300μLの体積の洗剤を、アルミニウム96ウェルMTPの各ウェルに添加した。MTPを、Infors熱振盪器において、40℃、250rpmで、45分間インキュベートした。インキュベーションの後に、タイルをMTPから取り出し、空気乾燥させた。
【0136】
プレートを撮影し、カスタムソフトウェアを使用して各汚れの範囲からRGB値を測定することによって、汚れ除去を定量化した。洗浄したタイルの汚れ除去率(SRI%)値を、以下の式においてRGB値を使用して計算した。
【0137】
SRI%=(ΔE/ΔE初期)×100
式中、ΔE=SQR((R洗浄後-R洗浄前+(G洗浄後-G洗浄前+(B洗浄後-B洗浄前
式中、ΔE初期=SQR((R-R洗浄前+(G-G洗浄前+(B-B洗浄前
【0138】
各サンプル値からブランク対照(酵素なし)の値を差し引くことにより、洗浄性能を得た(以下「ブランク減算洗浄」)。各条件及び変異体について、ブランク減算洗浄を同濃度の基準プロテアーゼ(アミノ酸配列番号1を有する)のブランク減算洗浄で除算することによって性能指数(PI)を計算した。親プロテアーゼのPIの値は、試験に含まれた、かつ適宜ラングミュア適合又はヒルシグモイド適合に適合した親プロテアーゼの標準曲線から決定した。
【0139】
【表2】
【0140】
【表3】
【0141】
AAPF活性アッセイ
(アミノ酸配列番号1を有する)基準プロテアーゼ及びその変異体のプロテアーゼ活性を、N-suc-AAPF-pNAの加水分解を測定することにより試験した。AAPF加水分解アッセイに使用した試薬溶液は、0.005% TWEEN(登録商標)-80を含有する100mMトリス/HCl(pH8.6)(トリス希釈緩衝液)、10mM CaCl及び0.005% TWEEN(登録商標)-80を含有する100mMトリス緩衝液(pH8.6)(トリス/Ca緩衝液)、並びにDMSO中160mM suc-AAPF-pNA(suc-AAPF-pNA原液)(Sigma:S-7388)であった。1mLのsuc-AAPF-pNA原液を100mLのトリス/Ca緩衝液に添加し、十分に混合することによって基質作用液を調製した。酵素サンプルを、1mg/suc-AAPF-pNA作用液を含むMTP(Greiner 781101)に添加し、室温(RT)でSpectraMaxプレートリーダーを動的モードで使用して405nmで3分間にわたって活性をアッセイした。プロテアーゼを含有しないブランクの吸光度を各サンプルの読み取り値から差し引いた。プロテアーゼ活性をmOD・分-1として表した。
【0142】
安定性アッセイ
変異体をストレス緩衝液で希釈し、上記のAAPFアッセイを使用して、加熱インキュベーション工程の前後に変異体のタンパク質分解活性を測定することによって、本明細書に記載の変異体の安定性を測定した。基準プロテアーゼが約30~45%の残留活性を示すように、加熱インキュベーション工程の温度及び持続時間を選択した。サンプルを、384ウェルの熱サイクラーにおいて、56℃で5分間インキュベートした。トリス-EDTA(50mMトリス、pH9、5mM EDTA、0.005% Tween 80)緩衝化条件において、安定性を測定した。安定性PIは、変異体の残留活性を基準プロテアーゼの残留活性で除算することによって得た。
【0143】
食器用途における変異体の性能
(配列番号1のアミノ酸配列を有する)基準プロテアーゼ及びその変異体の洗浄性能を、以下の洗浄アッセイにおいて評価した。PAS-38技術的汚れをGSM-B洗剤を使用して、クレームブリュレ汚れをGSM-B又はMGDA洗剤のいずれかを使用して、上記の安定性アッセイにおいて評価した。基準プロテアーゼ及びその変異体のこれらの評価の結果を、基準プロテアーゼに対して計算した性能指数(PI)値として、表4に示す。
【0144】
【表4-1】
【0145】
【表4-2】
【0146】
【表4-3】
【0147】
【表4-4】
【0148】
【表4-5】
【0149】
【表4-6】
【0150】
【表4-7】
【0151】
【表4-8】
【0152】
【表4-9】
【0153】
【表4-10】
【0154】
【表4-11】
【0155】
【表4-12】
【0156】
【表4-13】
【0157】
【表4-14】
【0158】
【表4-15】
【0159】
以下の変異体は、次のアッセイ:BMI HDL洗浄、BMI HDD洗浄、PAS-38 ADW洗浄、クレームブリュレのADW洗浄又はトリス-EDTA緩衝液中の安定性のうちの1つにおいて、基準プロテアーゼと比較して、改善された性能指数(PI値≧1.1)を示した。T003V、V004T、I008V、T009A/C/E/G/H/K/M/N/Q/S/W/Y、R010A/K/M/N/Q/W、V011A/I/S/T、Q012A/C/D/E/G/M/N/R/S/T/V/W、P014D、A015D/E/F/H/I/K/M/P/Q/V/W/Y、V016L/M/S、H017C/E/F/G/I/L/N/V/W/Y、N018A/C/D/E/F/G/L/M/Q/T、R019A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、G020A/C/D/M/N/T、S024A/E、G025A/C/D/E/M/N、V026A/I、R027K、S033T、S036A/C/E/I/L/M/Q/T/V、N042C/D/E/M/Q、I043L、R044C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/S/T/V/W/Y、A047I/Y、V050I、G052A/C/D/H/L/M/N/S/T/Y、P054A/C/G/L/M/N/T/V、T055A/C/D/E/H/M/N/S/Y、A057D/E/H/M/N/Q/T、L059A/C/D/E/M/N/Q/T、N060S、T069S、S076A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、V082A、P084D/F/H/Y、N085S、G095A/N、A096M/Q、N097E/H/K、S101T、V102L/M、G104A/D/H/M/N/T/V/W/Y、I105V、Q107K/M、E110L、A113T/V、T114V、N115E/H/Q、N116E/H、H118D/E/N、A120V、M122L、F128G、P129A/H/N/Y、S131A/D/E/I/M/N/P/Q/T/V、L133M、R135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、A136M、V137L、Y139E/S、T141E/H/N、S142A/D/E/H/M/N/Q、R143E/H/M/N/Q/V、D144E/N、V145C、V147C、I148L/V、A150M、N154D、S156A/C/D/N/T、G157A/C/D/E/N/Q、S158A/C/F/L/M/N/Q/T/V/W/Y、V159L、G160A/C/D/M/S/T、Y161W、R164A/K/M/Q/Y、A166D/E/I/P/Q/V、N167E、M169L、A170G、T174V、Q176A/C/D/E/L/M/N/S、N177A/C/D/E/G/H/K/L/M/Q/S/W/Y、N178D、R179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、R180K、N182A/C/D/E/G/H/I/K/L/P/Q/S/T/V/W/Y、Y186F、T188A/C/D/E/I/L/M/N/Q/S/V/W/Y、G189C/D/E、I190M、D191E、I192C/M、V193A/M、N198D/E、Q200H/I/K/M/V/Y、R207K/L/N/Q/T、V209P、S210C/D/E/F/G/L/N/P/Q/Y、M211E/K/L/Q/R、N212A/C/Q/S、T218C/S、A224V、L227M/Q、V228L、Q230E、R231C/E/H/I/L/N/Q/S/T、Y232F/H/Q/R/W、S234A/D/E/M/T/W/Y、N236D/G/S/T、T238A/D/E/M/V、Q239D/E/L/M/N/T、N242A、K245E、N246A/L/S、T247E/Q、T249C/D/E/F/I/L/S/Y、N250D/S/T、N253D/E/P、S254P/Y、S255A/C/D/E/F/I/M/N/V/W、Q256C/E/F/H/L/M/W/Y、F257C/M、S259D/E/M/N、V262L、N263D/Q、A264T、E265A/M/N/Q、A266L/M/N/Q/R、T268A/C/D/E及びR269H/P/W。
【0160】
以下の変異体は、PAS-38アッセイのうちの1つにおいて、基準プロテアーゼと比較して、改善されたADW洗浄性能指数(PI値≧1.1)を示した。T009H/K/N/W、V011A/I、Q012A/M/N/R/S/V、A015F/I/K/V、V016L/M、H017F/G/I/L/N/V/W、N018F、R019C/K/L/Q、G020A/D/M/N/T、S024A、G025A/D/N、S036A/L、G052D/H、P054A/G/L/M/V、T055A/D/H/S/Y、L059A/M/N、N060S、T069S、S076K/L、G095N、A096Q、N097K、V102L/M、Q107K、E110L、A113T、H118D、A120V、M122L、F128G、P129A/H/N/Y、S131M/N/P、A136M、R143N、D144N、V145C、G157A/D、S158Q/T、V159L、G160D/M/S、A166I、A170G、Q176L、N177A/D/G/K/L/M/S/Y、R179A/K、N182A/D/S/Y、T188M、D191E、R207L、S210E/G/Q、M211E/Q/R、T218S、L227M、Y232F/W、Q256L/Y、N263Q、E265A/M/Q及びT268A。
【0161】
以下の変異体は、クレームブリュレアッセイのうちの1つにおいて、基準プロテアーゼと比較して、改善されたADW洗浄性能指数(PI値≧1.1)を示した。T009A/C/E/M/N/Y、R010A/K/M/N/Q/W、V011A/T、Q012A/C/D/E/M、P014D、A015D/E/H/I/M/V/W/Y、V016L/M、H017C/E、N018C/D/E/M、R019A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、G020C/D、S024A/E、G025A/C/D/E/M/N、V026A、R027K、S036C/E/Q/V、N042C/D/E、I043L、R044C/E/G/H/I/L/N/Q/S/T、G052A/C/D/L/M/N、P054A/C/L/M/V、T055A/C/D/E/M、A057D/E、L059A/C/D/E/M/N/Q/T、N060S、S076D/E/N、V082A、P084D、A096Q、N097E/H、G104A/D/H/N/V/Y、N115H、N116E、F128G、P129H、S131D/E、R135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、Y139E、T141E、S142D/E、R143E、D144E、V147C、I148L、N154D、S156A/C/D/N/T、G157C/D/E、S158C/L/Q/T/Y、V159L、R164A/K/M/Q/Y、A166D/E、N167E、M169L、T174V、Q176A/C/D/E/N、N177C/D/E、N178D、R179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、R180K、N182C/D/E、T188C/D/E、G189C/D/E、V193A/M、N198D/E、R207K/L/N/Q/T、V209P、S210C/D/E/L/N/Y、M211E/K/L/Q、N212C/Q、V228L、Q230E、R231C/E/L/N/Q、Y232F、S234D/E/T/W/Y、N236D/T、T238A/D/E/M/V、Q239D/E/M/N、K245E、N246A/L、T247E/Q、T249C/D/E/L/Y、N250D、N253D/E/P、S254Y、S255A/C/D/E、Q256C/E/Y、F257C、S259D/E/M/N、V262L、N263D、T268C/D/E及びR269H/P/W。
【0162】
以下の変異体は、少なくとも1つのPAS-38アッセイ及び少なくとも1つのクレームブリュレアッセイにおいて、基準プロテアーゼと比較して、改善された洗浄性能指数(PI値≧1.1)を示した。T009N、V011A、Q012A/M、A015I/V、V016L/M、R019C/K/L/Q、G020D、S024A、G025A/D/N、G052D、P054A/L/M/V、T055A/D、L059A/M/N、N060S、A096Q、F128G、P129H、G157D、S158Q/T、V159L、N177D、R179A/K、N182D、R207L、S210E、M211E/Q、Y232F及びQ256Y。
【0163】
以下の変異体は、トリス-EDTA緩衝液中において、基準プロテアーゼと比較して、改善された安定性(PI値≧1.1)を示した。T003V、V004T、I008V、T009A/E/G/H/K/N/Q/S/W/Y、R010Q、V011A、Q012A/C/G/M/N/T、A015F/H/M/P/Q/W、V016S、H017C/E/F/I/L/N/V/W/Y、N018A/D/E/L/M/Q、R019C/D/Y、G020C/D/M/N、S024A/E、G025C/D/N、V026I、R027K、S033T、S036A/C/I/L/M/Q/V、N042C/D/E/M/Q、R044C/E/F/G/H/I/K/L/N/Q/S/T/V/W/Y、A047I/Y、V050I、G052A/M/N/S/T/Y、P054N/V、T055C/D/E/N、A057E/H/M/N/Q/T、L059N、S076A/D/E/F/H/K/L/M/N/R/T/Y、V082A、P084D/F/H/Y、N085S、G095A/N、A096M、N097K、S101T、V102L/M、G104M/N/T/V/W、I105V、Q107M、A113V、T114V、N115Q、N116E/H、H118D/E/N、S131A/D/E/I/M/N/P/Q/T/V、L133M、R135A/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、A136M、S142A/D/E/H/M/N/Q、R143E/H/M/N/Q、V147C、I148V、A150M、S156N/T、G157A/C/N、S158C/F/L/M/N/Q/T/V/W/Y、V159L、G160A/C/M/S/T、A166D/E/P/Q、A170G、Q176C/M、N177A/C/D/H/L/M/Q/W/Y、R179M/Q、R180K、N182A/C/E/G/H/I/K/L/P/Q/S/T/V/W/Y、T188A/C/D/E/I/L/M/N/Q/V/W/Y、G189D、I192C/M、V193M、Q200H/I/K/M/V/Y、V209P、S210E/F/P、M211K、N212S、T218C/S、V228L、Q230E、R231C/E/H/N/T、Y232F/H、S234D/M、N236D/G/S/T、T238A/D/E/M/V、Q239E/L/M/T、N242A、N246A/L/S、T249E/F/I/L/S/Y、N250D/S、N253D/E、S254P、S255C/D/E/F/I/M/V/W、Q256C/E/F/H/W/Y、A264T、A266L/M/N及びT268C。
【0164】
以下の変異体は、少なくとも1つのPAS-38アッセイ又は少なくとも1つのクレームブリュレアッセイでのADW洗浄において、基準プロテアーゼと比較して、改善された性能指数(PI値≧1.1)を示し、トリス-EDTA緩衝液中において、改善された安定性(PI値≧1.1)を示した。T009A/E/H/K/N/W/Y、R010Q、V011A、Q012A/C/M/N、A015F/H/M/W、H017C/E/F/I/L/N/V/W、N018D/E/M、R019C/D/Y、G020C/D/M/N、S024A/E、G025C/D/N、R027K、S036A/C/L/Q/V、N042C/D/E、R044C/E/G/H/I/L/N/Q/S/T、G052A/M/N、P054V、T055C/D/E、A057E、L059N、S076D/E/K/L/N、V082A、P084D、G095N、N097K、V102L/M、G104N/V、N116E、H118D、S131D/E/M/N/P、R135A/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、A136M、S142D/E、R143E/N、V147C、S156N/T、G157A/C、S158C/L/Q/T/Y、V159L、G160M/S、A166D/E、A170G、Q176C、N177A/C/D/L/M/Y、R179M/Q、R180K、N182A/C/E/S/Y、T188C/D/E/M、G189D、V193M、V209P、S210E、M211K、T218S、V228L、Q230E、R231C/E/N、Y232F、S234D、N236D/T、T238A/D/E/M/V、Q239E/M、N246A/L、T249E/L/Y、N250D、N253D/E、S255C/D/E、Q256C/E/Y及びT268C。
【0165】
負電荷変化を有する以下の変異体は、クレームブリュレアッセイのうちの少なくとも1つにおいて、基準プロテアーゼと比較して、改善された性能指数(PI値≧1.1)を示した。T009C/E/Y、R010A/K/M/N/Q/W、Q012C/D/E、P014D、A015D/E/Y、H017C/E、N018C/D/E、R019A/C/D/E/F/H/I/K/L/N/Q/S/T/W/Y、G020C/D、S024E、G025C/D/E、R027K、S036C/E、N042C/D/E、R044C/E/G/H/I/L/N/Q/S/T、G052C/D、P054C、T055C/D/E、A057D/E、L059C/D/E、S076D/E、P084D、N097E、G104D/Y、N116E、S131D/E、R135A/E/F/H/I/K/L/M/S/T/V/W/Y、Y139E、T141E、S142D/E、R143E、V147C、N154D、S156C/D、G157C/D/E、S158C/Y、R164A/K/M/Q/Y、A166D/E、N167E、Q176C/D/E、N177C/D/E、N178D、R179A/C/E/F/G/H/I/K/M/Q/S/V/W/Y、R180K、N182C/D/E、T188C/D/E、G189C/D/E、N198D/E、R207K/L/N/Q/T、S210C/D/E/Y、M211E、N212C、Q230E、R231C/E/L/N/Q、S234D/E/Y、N236D、T238D/E、Q239D/E、K245E、T247E、T249C/D/E/Y、N250D、N253D/E、S254Y、S255C/D/E、Q256C/E/Y、F257C、S259D/E、N263D、T268C/D/E及びR269H/P/W。
【0166】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【配列表】
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