(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】パーソナルケア製品及び化粧製品のための界面活性剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20241016BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241016BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20241016BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241016BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20241016BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20241016BHJP
C11D 1/62 20060101ALI20241016BHJP
C11D 1/88 20060101ALI20241016BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20241016BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20241016BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20241016BHJP
C11D 3/33 20060101ALI20241016BHJP
C09K 23/18 20220101ALI20241016BHJP
C07C 211/63 20060101ALI20241016BHJP
C07C 229/08 20060101ALI20241016BHJP
C07C 291/04 20060101ALI20241016BHJP
C07C 309/14 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q5/02
A61Q5/12
A61Q19/10
A61Q11/00
A61Q1/10
C11D1/62
C11D1/88
C11D3/50
C11D3/43
C11D3/37
C11D3/33
C09K23/18
C07C211/63
C07C229/08
C07C291/04
C07C309/14
(21)【出願番号】P 2022554759
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021021571
(87)【国際公開番号】W WO2021183562
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-09
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517213094
【氏名又は名称】アドバンシックス・レジンズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ADVANSIX RESINS & CHEMICALS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】アシルバサム,エドワード
【審査官】伊藤 真明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-108057(JP,A)
【文献】米国特許第05972323(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0081277(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079898(US,A1)
【文献】特開昭49-076818(JP,A)
【文献】特表2000-502718(JP,A)
【文献】特開2007-169508(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0010426(US,A1)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,(2010), Vol. 20,pp. 2726-2728
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
C11D 1/00- 19/00
C09K 23/00- 23/56
C07C 1/00-409/44
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンプーのための製剤であって、
以下の式:
【化1】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化2】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化3】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化4】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【化5】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及びこれらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの界面活性剤、
発泡剤及び増粘剤のうちの少なくとも1つ、並びに
水
を含む、製剤。
【請求項2】
pH安定剤をさらに含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
香料をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
ヘアコンディショナーのための製剤であって、
以下の式:
【化6】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化7】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化8】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化9】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【化10】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの界面活性剤、
脂肪成分及び乳化剤のうちの少なくとも1つ、並びに
水
を含む、製剤。
【請求項5】
少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、請求項4に記載の製剤。
【請求項6】
発泡剤をさらに含む、請求項4または請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
少なくとも1つのクレーをさらに含む、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項8】
香料をさらに含む、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項9】
クレンザーのための製剤であって、
以下の式:
【化11】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化12】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化13】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化14】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【化15】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの界面活性剤、
溶媒、水溶性ポリマー、及び湿潤剤のうちの少なくとも1つ、並びに
水
を含む、製剤。
【請求項10】
脂肪成分をさらに含む、請求項9に記載の製剤。
【請求項11】
少なくとも1つのコンディショナーをさらに含む、請求項9又は請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
練り歯磨きのための製剤であって、
以下の式:
【化16】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【化17】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【化18】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【化19】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【化20】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの界面活性剤、
フッ化物イオン源及び炭酸カルシウムのうちの少なくとも1つ、並びに
水
を含む、製剤。
【請求項13】
少なくとも1つの塩基性アミノ酸をさらに含む、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
香味剤をさらに含む、請求項12又は請求項13に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全内容が参照により本明細書に援用される2020年3月11日に出願された米国仮特許出願第62/988,201号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、パーソナルケア製品及び化粧製品における使用のための界面活性剤に関する。そのような界面活性剤は、表面活性特性を有するアミノ酸の誘導体を含み得る。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤(表面活性特性を有する分子)は、洗剤からヘアケア製品や化粧品まで様々な製剤における商業的用途に広く用いられている。表面活性特性を有する化合物は、中でも、石鹸、洗剤、潤滑剤、湿潤剤、発泡剤、及び展着剤として用いられる。パーソナルケアクレンジング製品(例:シャンプー、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、液体ハンドソープ、など)では、界面活性剤は、組成物のクレンジング属性の多くを提供することから、最も重要な成分であることが多い。
【0004】
界面活性剤は、非イオン性、双性イオン性、カチオン性、又はアニオン性であり得る。原理上は、いかなる界面活性剤のクラス(例:カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性)も、クレンジング又は洗浄用途に適するものであるが、実用上は、多くのパーソナルケアクレンザー及び家庭用洗浄製品は、2種類以上の界面活性剤クラスからの2つ以上の界面活性剤の組み合わせを用いて製剤される。
【0005】
多くの場合、界面活性剤は、相対的に非水溶性の疎水性「尾部」基及び相対的に水溶性の親水性「頭部」基を有する両親媒性分子である。これらの化合物は、2つの液体間、気液間、又は固液間の界面などの界面で吸着し得る。相対的に極性の成分と相対的に非極性の成分とを含む系では、疎水性の尾部は、相対的に非極性の成分と選択的に相互作用し、一方親水性の頭部は、相対的に極性の成分と選択的に相互作用する。水と油との間の界面の場合、親水性の頭部基は、選択的に水中へ延び、一方疎水性の尾部は、選択的に油中へ延びる。気水界面に添加されると、親水性の頭部基は、選択的に水中へ延び、一方疎水性の尾部は、選択的に気体中へ延びる。界面活性剤が存在すると、水分子間の分子間相互作用の少なくとも一部が乱され、水分子間の相互作用の少なくとも一部が、水分子の少なくとも一部と界面活性剤との間の一般的にはより弱い相互作用に置き換わる。これは、表面張力を低下させる結果となり、界面を安定化させるようにも働き得る。
【0006】
充分に高い濃度では、界面活性剤は、疎水性の尾部が極性溶媒に曝露することを制限するように作用する凝集体を形成する場合がある。1つのそのような凝集体は、ミセルである。典型的なミセルでは、分子は球状に配列されて、界面活性剤の疎水性の尾部が選択的に球の内側に位置し、界面活性剤の親水性の頭部が選択的にミセルの外側に位置した状態となり、この場合、頭部がより極性の高い溶媒と選択的に相互作用する。任意の化合物が表面張力に対して有する効果及びそれがミセルを形成する濃度は、界面活性剤を規定する特徴として有用であり得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、シャンプー、コンディショナー、毛髪染料、脱毛製品、クレンザー、化粧品、マスカラ、歯科装具用クレンザー、及び練り歯磨きなどのパーソナルケア製品を提供する。これらの製品は、本明細書で開示する1又は複数種類の界面活性剤のクラスからの1又は複数の界面活性剤を含むように製剤され得る。
【0008】
本開示は、表面活性特性を有するアミノ酸の誘導体の形態であるパーソナルケア製品のための界面活性剤を提供する。アミノ酸は、天然若しくは合成アミノ酸であってよい、又はカプロラクタムを例とするラクタムなどの分子の開環反応を介して得られてもよい。アミノ酸は、官能化されて、表面活性特性を有する化合物が形成されてもよい。特徴的なことには、これらの化合物は、低い臨界ミセル濃度(CMC)及び/又は液体の表面張力を低下させる能力を有し得る。
【0009】
本開示は、シャンプーのための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0010】
【0011】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;汚れ浸透剤;発泡剤;起泡力増進剤;pH安定剤;少なくとも1つの増粘剤;香料、及び水、を含む。
【0012】
本開示はさらに、ヘアコンディショナーのための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0013】
【0014】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;脂肪成分;少なくとも1つの増粘剤;少なくとも1つの乳化剤;発泡剤;少なくとも1つのクレー;少なくとも1つの増粘剤;香料;及び水、を含む。
【0015】
本開示はさらに、クレンザーのための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0016】
【0017】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;少なくとも1つの湿潤剤;少なくとも1つのコンディショナー;少なくとも1つの溶媒;少なくとも1つの水溶性ポリマー;少なくとも1つの水溶性溶媒;少なくとも1つの脂肪成分;疎水性改質剤;及び水、を含む。
【0018】
本開示はさらに、マスカラのための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0019】
【0020】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;少なくとも1つの脂肪成分;少なくとも1つのレオロジー改質剤;少なくとも1つの乳化剤;少なくとも1つのポリマー;顔料;及び水、を含む。
【0021】
本開示はさらに、練り歯磨きのための製剤を提供し、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0022】
【0023】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;少なくとも1つの塩基性アミノ酸;炭酸カルシウム;フッ化物イオン源;香味剤;及び水、を含む。
【0024】
本開示の上述の及び他の特徴、並びにそれらを達成する方法は、以下の実施形態の記述を添付の図面と合わせて参照することによって、より明らかとなり、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、例1bで述べるように、界面活性剤1についてpH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)の単位の濃度(c)を表す。
【
図2】
図2は、例1cで述べるように、界面活性剤1についての時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)の単位の表面経過時間を表す。
【
図3】
図3は、例2bで述べるように、界面活性剤2についてpH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)の単位の濃度(c)を表す。
【
図4】
図4は、例2cで述べるように、界面活性剤2についての時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)の単位の表面経過時間を表す。
【
図5】
図5は、例3bで述べるように、界面活性剤3についてpH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)の単位の濃度(c)を表す。
【
図6】
図6は、例3cで述べるように、界面活性剤3についての時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)の単位の表面経過時間を表す。
【
図7】
図7は、例4bで述べるように、界面活性剤4についてpH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)の単位の濃度(c)を表す。
【
図8】
図8は、例4cで述べるように、界面活性剤4についての時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)の単位の表面経過時間を表す。
【
図9】
図9は、例5bで述べるように、界面活性剤5についてpH=7で測定した表面張力対濃度のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力(γ)を表し、X軸は、ミリモル(mM)の単位の濃度(c)を表す。
【
図10】
図10は、例5cで述べるように、界面活性剤5についての時間に対する表面張力の変化としての動的表面張力のプロットを示し、Y軸は、ミリニュートン毎メートル(mN/m)の単位の表面張力を表し、X軸は、ミリ秒(ms)の単位の表面経過時間を表す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で用いられる場合、「これらの終点を用いたいずれかの範囲内」の句は、文字通り、値が列挙の低い値の方にあるか、又は列挙の高い値の方にあるかにかかわらず、その句の前に列挙された値のいずれか2つからのいずれの範囲が選択されてもよいことを意味する。例えば、値の対は、低い方の値2つ、高い方の値2つ、又は低い方の値及び高い方の値、から選択されてよい。
【0027】
本明細書で用いられる場合、「アルキル」の語は、いずれの飽和炭素鎖をも意味し、直鎖であっても又は分岐鎖であってもよい。
【0028】
本明細書で用いられる場合、「表面活性」の句は、関連する化合物が、それが少なくとも部分的に溶解されている媒体の表面張力及び/又は他の相との界面張力を低下させることができ、したがって、気液界面及び/又は他の界面に少なくとも部分的に吸着され得ることを意味する。「界面活性剤」の用語は、そのような化合物に適用され得る。
【0029】
不正確さの用語に関して、「約」及び「およそ」の用語は、交換可能に用いられてよく、記載された測定値を含み、その記載された測定値に対して合理的に近いいずれの測定値も含む測定値を意味する。記載された測定値に対して合理的に近い測定値は、該当する技術分野の当業者によって理解され、容易に確認される合理的に小さい量の分、記載された測定値から逸脱している。そのような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために成される少しの調整に起因すると考えられ得る。該当する技術分野の当業者によって、そのような合理的に小さい差異に関する値が容易に確認されるものではないと判断される場合には、「約」及び「およそ」の用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味するものと理解されてよい。
【0030】
本開示は、シャンプー、コンディショナー、毛髪染料、脱毛製品、クレンザー、化粧品、マスカラ、及び練り歯磨きなどのパーソナルケア製品の製剤を提供する。
【0031】
I.シャンプー製剤
シャンプー組成物は、界面活性剤及びコンディショニング剤の組み合わせを含み得る。そのような製品は、1又は複数の界面活性剤を、シリコーン、炭化水素油、脂肪エステル、又はこれらの組み合わせなどのコンディショニング剤と組み合わせて含む。コンディショニング剤を含むシャンプー組み合わせ物の場合、コンディショニング剤の堆積は、ある特定のカチオン性堆積ポリマーを含めることによって改善され得る。これらのカチオン性堆積ポリマーは、カチオン性置換基で修飾されたセルロース系ポリマー又はグアーポリマーなどの天然ポリマーであってよい。
【0032】
例えば、シャンプー用製剤は:a)化粧品的に許容される媒体;b)約1重量%~約60重量%の本開示の界面活性剤のうちの少なくとも1つ;及びc)約0.01重量%~約10重量%の水溶性のカチオン性修飾デンプンポリマー、を含んでよく、上記水溶性のカチオン性修飾デンプンポリマーは、約1000~約200,000の分子量、及び約0.7meq/g~約7meq/gの電荷密度を有する。
【0033】
加えて、シャンプー製剤はさらに、約0.01重量%~約10重量%の1又は複数の油状コンディショニング剤を含んでよい。
【0034】
本開示はまた、上記で述べたシャンプー製剤を毛髪又は皮膚に適用する工程、及び毛髪又は皮膚をリンスする工程、を含む、毛髪又は皮膚を処理する方法にも関する。
【0035】
パーソナルケア組成物においてカチオン性修飾デンプンポリマーと本開示の1又は複数の界面活性剤とを組み合わせることは、クレンジング性能を低下させることなく、毛髪及び/又は皮膚へのコンディショニング剤の堆積を高める。
【0036】
1.化粧品的に許容される媒体
本開示のシャンプー製剤は、化粧品的に許容される媒体を含む。媒体のレベル及び種は、他の成分との適合性、及び製品の他の所望される特性に応じて選択される。一般的に、化粧品的に許容される媒体は、組成物の重量に対して、約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、又は約55重量%以下、約60重量%以下、約70重量%以下、約80重量%以下、約90重量%以下、若しくは約99重量%以下の量で存在する。化粧品的に許容される媒体は、本発明の組成物が、例えば、注ぐことのできる液体、ゲル、ペースト、乾燥粉末、又は乾燥フィルムの形態であり得るように選択されてよい。
【0037】
本開示のシャンプー製剤に有用である化粧品的に許容される媒体としては、水及び低級アルキルアルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用である低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコールであり、好ましくは、エタノール及びイソプロパノールから選択される。
【0038】
2.界面活性剤
本発明のシャンプー製剤は、界面活性剤系とも称される1又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤系は、組成物に洗浄性能を付与するために含まれる。界面活性剤系は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であってよい少なくとも1つの界面活性剤、及び所望に応じて、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせであってよい少なくとも1つの他の界面活性剤を含む。そのような界面活性剤は、本明細書で述べる必須成分と物理的及び化学的に適合性を有するべきであり、又はそうでなければ、製品の安定性、審美性、若しくは性能を過度に損なうべきではない。
【0039】
本開示のシャンプー製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの界面活性剤の1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤であって、
【0040】
【0041】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤及び/又は共界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン、を含む。
【0042】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~5のいずれか1つ以上を含み得る。
【0043】
シャンプー製剤中の界面活性剤系の濃度は、所望される洗浄及び泡立ち(lather)性能を得るのに充分であるべきであり、一般的には、組成物の重量に対して、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、約40重量%以下、約45重量%以下、若しくは約50重量%以下の範囲内、又は約8重量%~約30重量%若しくは約10重量%~約25重量%などのこれらの終点を用いたいずれかの範囲内である。
【0044】
3.コンディショニング剤
本開示のシャンプー製剤は、油状コンディショニング剤を含み得る。そのようなコンディショニング剤は、毛髪及び/又は皮膚に対して特定のコンディショニング効果を与えるために用いられる物質である。毛髪トリートメント組成物において、適切なコンディショニング剤は、光沢、柔らかさ、櫛通り、静電気防止特性、濡れた状態での取り扱い、ダメージ、まとまりやすさ(manageability)、ボディ、及びべたつき(greasiness)に関する1又は複数の効果をもたらすものである。本開示のシャンプー製剤に有用である油状コンディショニング剤は、乳化された液体粒子を形成する水不溶性、水分散性である不揮発性の液体を含み得る。適切な油状コンディショニング剤は、シリコーン(例:シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニング油(例:炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪エステル)として一般的に特徴付けられるコンディショニング剤、若しくはこれらの組み合わせ、又はそうでなければ、本明細書における水性界面活性剤マトリックス中に液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0045】
1又は複数の油状コンディショニング剤は、組成物の重量に対して、約0.01重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、若しくは約10重量%以下の範囲内、又は約0.05重量%~約5重量%などのこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の濃度で存在し得る。
【0046】
油状コンディショニング剤のカチオン性加水分解デンプンポリマーに対する比は、少なくとも約2:1であり得る。
【0047】
第四級アンモニウム化合物などの他のコンディショニング剤も、シャンプー製剤中に含まれてよい。本発明のパーソナルケア組成物中のコンディショニング剤として用いられる適切な第四級アンモニウム化合物としては、限定されるものではないが、アミド部分などのカルボニル部分又はリン酸エステル部分又は類似の親水性部分を有する長鎖置換基を伴う親水性第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0048】
有用な親水性第四級アンモニウム化合物の例としては、限定されるものではないが、CTFA Cosmetic Dictionary中においてリシノールアミドプロピルトリモニウムクロリド、リシノールアミドトリモニウムエチルサルフェート、ヒドロキシステアラミドプロピルトリモニウムメチルサルフェート、及びヒドロキシステアラミドプロピルトリモニウムクロリドと称される化合物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
有用な第四級アンモニウム界面活性剤のさらなる例としては、限定されるものではないが、CTFA Dictionary中での名称として、Quaternium-16、Quaternium-27、Quaternium-30、Quaternium-52、Quaternium-53、Quaternium-56、Quaternium-60、Quaternium-61、Quaternium-62、Quaternium-63、Quaternium-71 Quaternium-33、Quaternium-43、イソステアラミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、Quaternium-22、及びQuaternium-26、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0050】
4.カチオン性修飾ポリマー
本開示のシャンプー製剤は、水溶性カチオン性修飾デンプンポリマーを含む。本明細書で用いられる場合、「カチオン性修飾デンプン」の用語は、デンプンを小分子量に分解する前にカチオン基が付与されたデンプン、又はデンプンを所望される分子量に修飾した後にカチオン性基が付与されたデンプンを意味する。「カチオン性修飾デンプン」の用語の定義は、両性修飾デンプンも含む。「両性修飾デンプン」の用語は、カチオン性基及びアニオン性基が付与されたデンプン加水分解物を意味する。
【0051】
本開示のシャンプー製剤は、組成物の重量に対して、約0.01重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、若しくは約10重量%以下の範囲内で、又は約0.05重量%~約5重量%などのこれらの終点を用いたいずれかの範囲内でカチオン性修飾デンプンポリマーを含む。
【0052】
本開示のシャンプー製剤に用いられるカチオン性修飾デンプンポリマーは、約1000以上~約200,000以下の分子量を有する。1つの例では、カチオン性修飾デンプンポリマーは、約5000~約100,000の分子量を有する。本明細書で用いられる場合、「分子量」の用語は、重量平均分子量を意味する。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)により、直列に繋いだ2つのヒドロゲルカラム(Waters Ultrahydrogel Linear 6-13um、7.8×300nm GPCカラム、パーツ番号011545)を備えたAlliance HPLC(Waters 2695 Separation Module)を30℃のカラム温度及び0.9ml/分の流速で用い、及びViscotek Model 300 TDA(トリプル検出器アレイ)の光散乱検出器(単一角、90°)、粘度検出器、及び屈折率検出器をすべて30℃の検出器温度で用い、American Polymer Standards Corporationからのプルラン狭分布標準P-800(Mw=788,000)を用いて作成した方法により、25~100μlの注入量で0.147のdn/dcを用いて測定され得る。GPC法に従う重量平均分子量測定に関するさらなる詳細は、「Non-Thermoplastic Starch Fibers and Starch Composition for Making Same」と題する米国特許出願公開第2003/0154883(A1)号に記載されている。
【0053】
本開示のシャンプー製剤は、約0.7meq/g以上~約7meq/g以下の電荷密度を有するカチオン性修飾デンプンポリマーを含む。そのような電荷密度を得るための化学的修飾としては、限定されるものではないが、アミノ基及び/又はアンモニウム基のデンプン分子への付与が挙げられる。これらのアンモニウム基の限定されない例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基が挙げられ得る。カチオン性基は、小分子量に分解する前のデンプンに付与されてよく、又はカチオン性基は、そのような修飾の後に付与されてもよい。
【0054】
本開示のシャンプー製剤に用いられるカチオン性修飾デンプンポリマーは、マルトデキストリンを含み得る。したがって、1つの例では、カチオン性修飾デンプンポリマーは、約35未満、より好ましくは約1以上~約20以下のデキストロース当量(「DE」)値によってもさらに特徴付けられ得る。DE値は、デキストロースを基準とした加水分解デンプンの還元当量の指標であり、パーセント(乾燥基準)として表される。完全にデキストロースに加水分解されたデンプンは、DE値100を有し、未加水分解デンプンのDE値は0である。DE値のために適するアッセイとしては、“Dextrose Equivalent”, Standard Analytical Methods of the Member Companies of the Corn Industries Research Foundation, 1st ed., Method E-26に記載のものが挙げられる。加えて、本発明のカチオン性修飾デンプンポリマーは、デキストリンを含み得る。デキストリンは、典型的には、広範な分子量のデンプンの熱分解生成物である。
【0055】
化学修飾前のデンプン原料は、塊茎、マメ科植物、穀草、及び穀物などの様々な原料から選択され得る。このようなデンプン原料の限定されない例としては、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、モチトウモロコシデンプン、オートムギデンプン、キャッサバデンプン、モチムギ、ワキシーライスデンプン(waxy rice starch)、グルテナスライスデンプン(glutenous rice starch)、スイートライスデンプン(sweet rice starch)、アミオカ(amioca)、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、スイートライス、又はこれらの混合物が挙げられ得る。
【0056】
1つの例では、カチオン性修飾デンプンポリマーは、分解したカチオン性メイズデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びこれらの混合物から選択される。別の例では、カチオン性修飾デンプンポリマーは、カチオン性トウモロコシデンプンである。
【0057】
デンプンは、分解の前又は小分子量への修飾後、1又は複数の追加の修飾を含み得る。例えば、これらの修飾としては、架橋、安定化反応、リン酸化(phophorylations)、及び加水分解が挙げられ得る。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化が挙げられ得る。
【0058】
本発明のカチオン性修飾デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例:酸、酵素、又はアルカリ分解)、酸化デンプン(例:過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、又は他のいずれかの酸化剤)、物理的/機械的分解デンプン(例:処理装置の熱機械エネルギーの投入による)の形態、又はこれらの組み合わせで組成物中に組み込まれ得る。
【0059】
5.他の添加剤
シャンプー製剤は、汚れ浸透剤、発泡剤、起泡力増進剤、増粘剤、香料、顔料、及び/又は保存剤などの他の添加剤を含み得る。
【0060】
そのような追加成分の個々の濃度は、組成物の重量に対して、約0.001重量%以上、約0.01重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、若しくは約10重量%以下の範囲内、又は約0.05重量%~約5重量%などのこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であり得る。
【0061】
未希釈で測定したシャンプー製剤のpHは、好ましくは約3~約9、より好ましくは約4~約8である。緩衝剤又は他のpH調節剤が、望ましいpHを実現するために含まれてもよい。
【0062】
本開示のシャンプー製剤は、フケ防止活性剤も含有し得る。フケ防止活性剤の適切な限定されない例としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状硫黄、角質溶解剤、及びこれらの混合物が挙げられる。そのようなフケ防止活性剤は、シャンプー製剤の必須成分と物理的及び化学的に適合性を有するべきであり、そうでなければ、製品の安定性、審美性、若しくは性能を過度に損なうべきではない。
【0063】
本開示のシャンプー製剤は、1又は複数の乳白剤も含有し得る。乳白剤は、典型的には、色又は真珠光沢など、シャンプー製剤に所望される審美的効果を付与するために、クレンジング組成物に用いられる。本開示のシャンプー製剤において、組成物の重量に対して、約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下の乳白剤を組み込むことが好ましい。
【0064】
適切な乳白剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、ポリメチルメタクリレート、微粉化TEFLON(登録商標)、窒化ホウ素、硫酸バリウム、アクリレートポリマー、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、チョーク、トウモロコシデンプン、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、水和シリカ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、微結晶セルロース、コメデンプン、シリカ、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン、アルミナ、アタパルジャイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、ナイロン、シリル化シリカ、絹粉末、大豆粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉末、又はこれらの混合物が挙げられる。上述の粉末は、レシチン、アミノ酸、鉱油、シリコーン油、又は様々な他の剤により、単独で又は組み合わせて、表面処理されていてもよく、これは、粉末の表面を被覆して、粒子に疎水性の性質を付与する。
【0065】
本開示のシャンプー製剤は、水不溶性物質を組成物中に分散された形態で懸濁させるのに又はシャンプー製剤の粘度を改質するのに有効な濃度で、懸濁剤をさらに含み得る。そのような濃度は、一般に、組成物の重量に対して、約0.01重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、若しくは約10重量%以下の範囲内、又は約0.05重量%~約5重量%などのこれらの終点を用いたいずれかの範囲内である。
【0066】
本明細書において有用である懸濁剤としては、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書において、カルボマーのCTFA名を有する架橋アクリル酸ポリマーなどのビニルポリマーが有用である。
【0067】
本開示のシャンプー製剤は、1又は複数のパラフィン系炭化水素を含有し得る。本発明の組成物での使用に適するパラフィン系炭化水素としては、ヘアケア又は他のパーソナルケア組成物での使用が知られている物質が挙げられ、1atmでの蒸気圧が約21℃(約70°F)以上であるものなどである。限定されない例としては、ペンタン及びイソペンタンが挙げられる。
【0068】
本開示のシャンプー製剤は、1又は複数の噴射剤も含有し得る。本発明の組成物での使用に適する噴射剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケア組成物での使用が知られている物質が挙げられ、液化ガス噴射剤及び圧縮ガス噴射剤などである。適切な噴射剤は、1atmで約21℃(約70°F)未満の蒸気圧を有する。適切な噴射剤の限定されない例は、アルカン、イソアルカン、ハロアルカン、ジメチルエーテル、窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素、及びこれらの混合物である。
【0069】
本開示のシャンプー製剤は、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体、並びにビタミンA、D、E、及びこれらの誘導体など、水溶性及び水不溶性のビタミンも含有し得る。本発明の組成物は、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸、及びこれらの塩、並びにチロシン、トリプタミン、リジン、ヒスタジン(histadine)、及びこれらの塩など水溶性及び水不溶性のアミノ酸も含有し得る。
【0070】
本開示のシャンプー製剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、及びコカミドプロピルベタインなどの発泡剤又は起泡力増進剤を含有し得る。
【0071】
本開示のシャンプー製剤は、キサンタンガム及びアクリレートコポリマーなどの増粘剤を含み得る。
【0072】
本開示のシャンプー製剤は、塩化ナトリウムなどの一価又は二価の塩を含有し得る。
【0073】
本開示のシャンプー製剤は、キレート剤も含有し得る。
【0074】
本開示のシャンプー製剤は、抜け毛防止に有用な物質及び育毛刺激剤又は育毛剤をさらに含み得る。
【0075】
6.作製方法
本開示のシャンプー製剤は、一般に、室温又は約72℃を例とする高温のいずれかで、原料成分を一緒に混合することによって作製され得る。熱は、固体原料成分が組成物中に存在する場合にのみ使用する必要がある。原料成分は、バッチ処理温度で混合される。電解質、ポリマー、香料、及び粒子を含む追加の原料成分は、室温で生成物に添加され得る。
【0076】
7.毛髪の処理方法
本開示のシャンプー製剤は、毛髪をクレンジング及びコンディショニングするための従来の方法で用いられる。一般に、毛髪の処理方法は、本開示のシャンプー製剤を毛髪に適用することを含む。より具体的には、シャンプー製剤の有効量が、水で濡らされた状態であることが好ましい毛髪に適用され、次にシャンプー製剤がすすぎ落とされる。そのような有効量は、一般に、約1g~約50g、好ましくは約1g~約20gの範囲内である。毛髪への適用は、典型的には、毛髪のほとんど又はすべてがシャンプー製剤と接触するように、毛髪全体にシャンプー製剤を行きわたらせることを含む。
【0077】
毛髪を処理するためのこの方法は、(a)有効量のシャンプー製剤を毛髪に適用する工程、及び(b)毛髪の適用領域を水ですすぐ工程、を含む。これらの工程は、所望されるクレンジング及びコンディショニング効果を実現するために所望される回数繰り返されてよい。
【0078】
本開示のシャンプー製剤のいくつかの形態では、シャンプー製剤は、ポンプディスペンサーボトル又はエアロゾル容器にパッケージされ得る。他の有用な形態では、シャンプー製剤は、乾燥されてフィルム若しくは粉末とされてよく、又は毛髪への適用に用いられることになる基材に適用されてもよい。
【0079】
II.コンディショナー製剤
本開示は、ヘアコンディショナーの製剤を提供する。本開示のコンディショナー製剤は、長持ちするスタイリング及びコンディショニング効果を提供することができ、縮れ毛の抑制及びはっきりとしたカールを付与することができ、毛髪の健全性及びまとまりやすさを改善することができる。毛髪が、所望に応じて、例えばシャンプーによりクレンジングされた後、コンディショナーが、毛髪に複数の効果を付与するために毛髪に適用され得る。例えば、毛髪は、まずリンスオフコンディショナーによって処理されてよく(所望に応じてクレンジングされた後)、これは、コンディショニング及びもつれをほどく特性を毛髪に提供する。
【0080】
リンスオフコンディショナーの限定されない例は、1又は複数の固体、半固体、又は液体の天然脂肪化合物を含む、少なくとも4重量%以上の天然脂肪成分;1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される、少なくとも1重量%以上の1又は複数の界面活性剤;1又は複数の非イオン性増粘剤;1又は複数の乳化剤;1又は複数の鉱物系クレー;並びに水を含み得る。
【0081】
1.脂肪化合物
リンスオフコンディショナーは、天然の固体又は半固体脂肪化合物(例:ワックス又はバター)、及び天然液体油の両方を含み得る。例えば、シアバター及びヒマワリ種油の組み合わせが特に有用であり得る。リンスオフコンディショナーの適切な粘度は、そうではなく、天然脂肪成分、界面活性剤、及び非イオン性増粘剤を用いて達成されてもよい。例えば、非イオン性ポリサッカリド増粘剤(例:スクレロチウムガム)が特に有用であり得る。
【0082】
リンスオフコンディシニングマスクは、多い量の(典型的には、少なくとも4又は5重量%)天然脂肪成分を含む。天然脂肪成分は、天然の固体又は半固体脂肪化合物(例:ワックス又はバター)、及び天然液体油の両方を含み得る。本開示の目的のために、固体又は半固体脂肪化合物は、31℃以上の融点を有する脂肪物質である。他方、油は、31℃未満の融点を有する脂肪物質である。したがって、油は、室温では液体である。天然脂肪成分の総量の言及は、リンスオフコンディショナー中に非天然脂肪成分が含まれないことを必ずしも示すものではない。言い換えると、いくつかの場合では、リンスオフコンディショナーは、天然脂肪成分の化合物に加えて、1又は複数の非天然脂肪化合物を含み得る。しかしながら、天然製品を得る目的で、非天然脂肪化合物を含めないことが望ましいであろう。
【0083】
本開示で用いられる場合、「天然」の用語は、植物又は野菜由来の原料成分などの天然ベースの原料成分を意味し、例えば、本開示の天然脂肪成分又は固体若しくは半固体の天然脂肪化合物又は天然油である。本開示で用いられる場合、「非天然」の用語は、天然ベースではなく、鉱油若しくはシリコーン油などのアルカン又は炭化水素又は合成油を含み得る原料成分を意味する。
【0084】
天然脂肪成分の総量は、リンスオフコンディショナーの総重量に基づいて、約4重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、又は約15重量%以下、約20重量%以下、若しくは約25重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であり得る。
【0085】
固体又は半固体脂肪化合物の限定されない例としては、植物、動物、及び鉱物源由来のものが挙げられ、例えば、シアバター、シロヤマモモロウ、ミツロウ、イリッペバター、パラフィンロウ、硬獣脂(hard tallow)、ラノリン、コカムバター、サラバター、ゲイロウ、ムルムル種子バター、ミツロウ、セレシンロウ、カカオバター、ホホバロウ、カンデリラロウ、パームバター、カルナウバロウ、エスパルトロウ、シェラックロウ、サトウキビロウ、亜炭ロウ、オーリクリーロウ、米ぬかロウ、ヒマシロウ、モンタンロウ、サトウキビロウ、米ぬかロウ、ヒマワリロウ、及びこれらの混合物である。いくつかの場合では、シアバターが特に有用であり得る。
【0086】
天然油の限定されない例としては、植物、動物、及び鉱物源由来の油が挙げられ、例えば、ココナッツ油、コムギ胚芽油、ヒマワリ種子油、アボカド油、ホホバ油、ババスー油、マカダミア油、アーモンド油、杏仁油、ニンジン油、ヒマシ油、柑橘類種子油、トウモロコシ油、綿実油、ホホバ油、亜麻仁油、鉱油、ミンク油、オリーブ油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ナタネ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、植物油、コムギ胚芽油、及びこれらの混合物である。いくつかの場合では、ヒマワリ油が特に有用であり得る。
【0087】
2.界面活性剤
本発明のコンディショナー製剤は、界面活性剤系とも称される1又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤系は、毛髪上に堆積させることでキューティクルを滑らかにし、柔らかさを作り出すために含まれる。界面活性剤系は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であってよい少なくとも1つの界面活性剤、及び所望に応じて、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせであってよい少なくとも1つの他の界面活性剤を含む。
【0088】
本開示のコンディショナー製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの界面活性剤の1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤であって、
【0089】
【0090】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤及び/又は共界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン、を含む。
【0091】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~5のいずれか1つ以上を含み得る。
【0092】
リンスオフコンディショナー中の1又は複数の界面活性剤の総量は様々であってよいが、典型的には、リンスオフコンディショニングマスクの総重量に基づいて、少なくとも1重量%以上である。いくつかの場合では、1又は複数の界面活性剤の総量は、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、約6重量%以上、又は約8重量%以下、約10重量%以下、約12重量%以下、若しくは約15重量%以下、又は約1重量%~約8重量%、約1重量%~約6重量%、約1重量%~約5重量%、若しくは約2重量%~約10重量%などのこれらの終点内に含まれるいずれかの範囲内であり得る。
【0093】
3.増粘剤
リンスオフコンディショナーは、1又は複数の非イオン性増粘剤を含み得る。本開示を通して言及されるすべての増粘剤は、「レオロジー改質剤」、「増粘化合物」、「増粘剤(thickeners)」、「ゲル化剤」などと称される場合もある。非イオン性増粘剤としては、非イオン性グアーガム、スクレロチウムガム、微生物由来のバイオポリサッカリドガム、植物滲出液由来のガム、セルロース、特にヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0094】
適切な非イオン性増粘剤としては、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたセルロースが挙げられ得る。そのような修飾セルロースの例としては、アルキル、アリールアルキル、若しくはアルキルアリール基、又はこれらの混合などの、アルキル基はC8~C22が好ましい、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたヒドロキシエチルセルロース、例えばAqualon社が販売する製品NATROSOL PLUS GRADE 330 CS(C16アルキル)又はBerol Nobel社が販売する製品BERMOCOLL EHM 100;及びアルキルフェニルポリアルキレングリコールエーテル基で修飾されたヒドロキシエチルセルロース、Amerchol社が販売する製品AMERCELL POLYMER HM-1500(ポリエチレングリコール(15)ノニルフェニルエーテル)など、が挙げられ得る。
【0095】
さらなる適切な非イオン性増粘剤としては、少なくとも1つの脂肪鎖を含む基で修飾されたヒドロキシプロピルグアー、Lamberti社が販売する製品ESAFLOR HM 22(C22アルキル鎖)並びにRhone-Poulenc社が販売する製品RE210-18(C14アルキル鎖)及びRE205-1(C20アルキル鎖)など、が挙げられ得る。
【0096】
さらに他の適切な非イオン性増粘剤としては、ビニルピロリドン及び脂肪鎖疎水性モノマーのコポリマー;C1~C6アルキルメタクリレート又はアクリレート及び少なくとも1つの脂肪鎖を含む両親媒性モノマーのコポリマー;通常はポリオキシエチレン化された種類の親水性ブロックと、脂肪配列単独並びに/又は脂環式及び/若しくは芳香族配列であってよい疎水性ブロックとの両方を鎖中に含むポリウレタンポリエーテル;又は少なくとも1つの脂肪鎖を有するアミノプラストエーテル主鎖を備えたポリマーが挙げられ得る。
【0097】
いくつかの例では、非イオン性増粘剤は、ポリサッカリド及び会合性ポリマーから成る群より選択され得る。いくつかの場合では、好ましい非イオン性増粘剤は、スクレロチウムガム、グアーガム、所望に応じて疎水性基で修飾されるヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどの所望に応じて疎水性基で修飾されるヒドロキシアルキルセルロース、及び所望に応じて疎水性基で修飾されるイヌリンである。いくつかの場合では、スクレロチウムガムが特に有用である。
【0098】
1又は複数の非イオン性増粘剤の総量は、様々であってよいが、典型的には、リンスオフコンディショナーの総重量に基づいて、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、又は約4重量%以下、約6重量%以下、約8重量%以下、又はこれらの終点によって含まれるいずれかの範囲内である。
【0099】
4.乳化剤
リンスオフコンディショナーは、エマルジョンの形態、例えば油中水型エマルジョンの形態であり得る。したがって、1又は複数の乳化剤が含まれ得る。有用な乳化剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪アルコール、ポリオールと脂肪酸とのエステル、10~30個の炭素原子を有する分岐鎖又は不飽和鎖を備えたポリオール脂肪エステル及び脂肪エーテル、ソルビタンと脂肪酸とのエステル、糖と脂肪酸とのエステル、及びこれらの混合物が挙げられる。乳化剤中の脂肪鎖は、例えば、約8個~約35個の炭素原子の長さであってよく、飽和又は不飽和であってよく、所望に応じて分岐鎖状であってもよい。いくつかの場合では、脂肪鎖は、約10個~約30個の炭素原子の長さ、又は約12個~約24個の炭素原子の長さである。
【0100】
乳化剤の限定されない例としては、ラウリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン;ベヘン酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラノリン脂肪酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸乳酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸クエン酸グリセリル、ステアリン酸乳酸グリセリル;イソステアリン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリグリセリル-3、セスキオレイン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸トリグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、ジステアリン酸グリコール、ヒドロキシステアリン酸グリコール、オレイン酸グリコール、リシノール酸グリコール、ステアリン酸グリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸スクロース、ラウリン酸スクロース、セスキステアリン酸メチルグルコース、ジオレイン酸メチルグルコース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0101】
1又は複数の乳化剤の総量は、リンスオフコンディショナー中の他の成分及びそれらの量に応じて様々であり得る。しかしながら、1又は複数の乳化剤の総量は、典型的には、リンスオフコンディショナーの総重量に基づいて、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約5重量%以上、又は約10重量%以下、約12重量%以下、約14重量%以下、約16重量%以下、若しくは約20重量%以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内である。
【0102】
5.クレー
1又は複数の鉱物系クレーが、リンスオフコンディショナー中に含まれ得る。鉱物系クレーとしては、カオリン(例:鉱物のカオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、及びナクライト)、スメクタイト(例:モンモリロナイト、ノントロナイト、及びバイデライトなどの2八面体スメクタイト、並びにサポナイトを例とする3八面体スメクタイト)、イライト(例:クレーマイカ)、クロライト、並びにセピオライト及びアタパルジャイトなどの他の種類のクレーが挙げられ得る。
【0103】
リンスオフコンディショナー中の鉱物系クレーの総量は、様々であってよいが、典型的には、リンスオフコンディショナーの総重量に基づいて、約0.01重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、若しくは約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であり得る。
【0104】
6.水及び水溶性溶媒
リンスオフコンディショナー中の水の総量は、様々であってよいが、典型的には、リンスオフコンディショナーの総重量に基づいて、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、又は約80重量%以下、約90重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内である。
【0105】
水溶性溶媒が、所望に応じてリンスオフコンディショナー中に含まれてもよい。「水溶性溶媒」の用語は、「水混和性溶媒」の用語と相互交換可能であり、25℃及び大気圧(760mmHg)で液体である化合物を意味し、それは、これらの条件下で少なくとも50%の水への溶解度を有する。いくつかの場合では、水溶性溶媒は、少なくとも60%、70%、80%、又は90%の溶解度を有する。水溶性溶媒の限定されない例としては、例えば、C1~4アルコール、ポリオール、グリコール、及びこれらの混合物などの有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール、及びフェニルエチルアルコールなどのモノアルコール及びポリオール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル、例えばエチレングリコールのモノメチル、モノエチル、及びモノブチルエーテル、プロピレングリコール若しくはそのエーテル、例えばプロピレングリコールのモノメチルエーテルなど、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにはジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル若しくはモノブチルエーテルが限定することなく言及され得る。有機溶媒の他の適切な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオール、及びグリセリンである。有機溶媒は、揮発性又は非揮発性化合物であってよい。
【0106】
水溶性溶媒のさらなる限定されない例は、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(カプリリルグリコール)、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、及び4-メチル-1,2-ペンタンジオールなどのアルカンジオールを含むポリオール(多価アルコール);エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、及びイソプロパノールなどの1~4個の炭素原子を有するアルキルアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテルなどのグリコールエーテル;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセタミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン、及びこれらの混合物、から選択される。
【0107】
多価アルコールも有用であり得る。多価アルコールの例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリオール化合物も用いられ得る。限定されない例としては、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、5-ヘキセン-1,2-ジオール、及び2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、並びにこれらの混合物などの脂肪族ジオールが挙げられる。
【0108】
1又は複数の水溶性溶媒の総量は、様々であってよいが、典型的には、リンスオフコンディショナーの総重量に基づいて、約0.1重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、又は約15重量%以下、約20重量%以下、約25重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であり得る。
【0109】
7.他の添加剤
本開示のコンディショナー製剤は、例えば乳化剤、発泡剤、ヒドロトロープ剤、香料、顔料、及び安定剤などの他の添加剤を含み得る。
【0110】
本開示のコンディショナー製剤は、乳化剤を含み得る。適切な乳化剤としては、ラウリン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン;ベヘン酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、ヤシ油脂肪酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラノリン脂肪酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、パルミチン酸乳酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸クエン酸グリセリル、ステアリン酸乳酸グリセリル;イソステアリン酸ポリグリセリル-4、オレイン酸ポリグリセリル-3、セスキオレイン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸トリグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、ジステアリン酸グリコール、ヒドロキシステアリン酸グリコール、オレイン酸グリコール、リシノール酸グリコール、ステアリン酸グリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ヒドロキシステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、ヤシ油脂肪酸スクロース、ラウリン酸スクロース、セスキステアリン酸メチルグルコース、ジオレイン酸メチルグルコース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、セチルエステル、ポリエチレングリコール(PEG)及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。
【0111】
本開示のコンディショナー製剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、及びコカミドプロピルベタインなどの発泡剤又は起泡力増進剤を含み得る。
【0112】
本開示のコンディショナー製剤は、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、短鎖(C1~11)アルキルベンゼンスルホネート、中鎖(C6~11)アルキルスルホネート、中鎖(C6~11)アルキルサルフェート、アルキルポリグルコシド、中鎖(C6~C10)アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、ホスフェートエステルヒドロトロープ剤、及び中鎖(C6~11)アルキルエーテル(10モルまでのエチレンオキシド)サルフェートなどのヒドロトロープ剤を含み得る。ヒドロトロープ化合物のカチオンとしては、アルカリ金属、アンモニウム、及びトリエタノールアンモニウムカチオンが挙げられ得る。
【0113】
8.使用方法
本開示に従って毛髪を処理するための典型的な方法(「ルーチン」とも称される)は、毛髪を、例えばシャンプーなどのクレンジング組成物でクレンジングする所望に応じて行ってよい第一の工程、及び毛髪をリンスオフコンディショナーで処理し、リンスオフコンディショナーを、毛髪上にそれを充分な長さの時間にわたって維持させた後に毛髪からすすぎ落とす第二の工程、を含み得る。
【0114】
III.クレンザー
本開示はさらに、クレンザーの製剤を提供する。これらの製剤は、身体、特に皮膚をクレンジングするのに有用であり得る。加えて、本開示のクレンジング製剤は、皮膚から化粧を除去するのに有用であり得る。皮膚から化粧をクレンジング及び/又は除去する場合、クレンザー製剤は、皮膚に適用され、水で皮膚からすすぎ落とされ得る。これらのクレンザー製剤は、皮膚に対して優しいものであり得、及びクレンジング中に皮膚に水分を補給し得る。
【0115】
本開示のクレンザーは、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、及び1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される少なくとも1つの追加の界面活性剤、油剤、水溶性アルコール、水溶性ポリオール、少なくとも1つの水溶性ポリマー、水溶性無機又は有機塩、並びに水を含み得る。
【0116】
1.界面活性剤
本開示のクレンザーは、非イオン性界面活性剤から選択される第一の界面活性剤、及び1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の追加の界面活性剤を含む第二の界面活性剤を含み得る。組成物に安定性を付与するために、界面活性剤の混合物を用いることが好ましい場合がある。これにより、クレンザーを、残留感なくすすぎ落とすことが可能となる。
【0117】
本開示のクレンザー製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの界面活性剤の1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤であって、
【0118】
【0119】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤及び/又は共界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン、を含む。
【0120】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~5のいずれか1つ以上を含み得る。
【0121】
第一の界面活性剤の含有量は、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内である。これにより、この剤を、残留感なく完全にすすぎ落とすことが可能となる。この範囲内の含有量は、化粧との改善された適合性を提供し、着色分を浮かせることができ、同時に残留感なくきれいにすすぎ落とすことができる。
【0122】
1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤は、第二の界面活性剤に用いられ得る。この第二の界面活性剤の含有量は、約1重量%以上、約5重量%以上、又は約10重量%以下、約15重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内である。
【0123】
2.油剤
油剤は、炭化水素油、並びにエステル油及びエーテル油から成る群より選択される1、2、又は3つ以上の化合物を含んでよく、30℃での粘度は、30mPa・s以下である。油剤の粘度は、BM型粘度計を用いることによって測定され得る(TOKIMEC Co.,Ltd.より市販、測定条件:ローターNo.1、60rpm、1分間)。そのような低粘度の油剤は、マイクロセグメント(micro segments)に対する高い浸透性及び着色分に対する高い溶解度を呈し、それによって、油性マスカラなどの油性化粧着色分に対する向上されたクレンジング力が実現される。さらに、そのような油剤は、強い油状の感触を含まず、改善された使用感を呈する。油剤は、20℃で液体であることが好ましく、なぜなら、それによって、上述した理由による向上されたクレンジング力が提供されるからである。
【0124】
化粧組成物に通常用いられ、上述の条件を満たす液体油が、そのような油剤に用いられ得る。例えば、液体パラフィン、液体イソパラフィン、スクアレン(scualane)、イソドデカンなどが、油剤の炭化水素油に用いられ得る。
【0125】
油剤のエステル油としては、イソステアリン酸コレステリルエステル(イソステアリン酸コレステリル)、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクタデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどが挙げられ得る。結晶の析出し難さを考慮して、分岐鎖状アルキル鎖を有するエステル油が好ましい。
【0126】
油剤のエーテル油としては、アルキル-1,3-ジメチルブチルエーテル、ジオクチルエーテル、ノニルフェニルエーテルなどのエーテル油が挙げられ得る。
【0127】
油剤の含有量は、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、約35重量%以下、約40重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内である。
【0128】
3.水溶性ポリオール
水溶性ポリオールは、分子内に3つ以上のヒドロキシ基を有する化合物であり、グリセロール、ジグリセロールなどのグリセロール、ソルビトール、マルチトール、マルトース、フルクトース、キシリトール、マルトトリオース、トレイトール、エリスリトール、グルコースなどのサッカリド、及びメチルグルコシド、エチルグルコシドなどの糖誘導体、などである。これらの中でも、グリセロール、ソルビトール、及びマルチトールが、水分維持効果を高めるために好ましい。さらに、グリセロール及びソルビトールは、すすぎ力の観点から好ましい。水溶性ポリオールは、スキンクレンジング製剤全体における表層疎水性を高める役割を有する。
【0129】
水溶性ポリオールのうちの1又は複数が用いられてよく、2つ以上の化合物の組み合わせを用いることが好ましい場合がある。
【0130】
水溶性ポリオールは、クレンザー製剤中に、10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、約35重量%以下、約40重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内で存在する。
【0131】
4.水溶性アルコール
水溶性アルコールは、分子内に1又は2つのヒドロキシル基を有する化合物である。水溶性アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどの一価アルコール、及びエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコールなどのグリコールが挙げられ得る。広い温度範囲にわたる温度安定性を考慮すると、分子中に2つのヒドロキシル基を有する化合物が好ましい場合があり、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール、及びジプロピレングリコールがさらにより好ましい。
【0132】
1又は複数の水溶性アルコールの混合物が用いられてもよい。水溶性アルコールは、クレンザー製剤中に、10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0133】
クレンザー製剤中における水溶性ポリオールの水溶性アルコールに対する質量比は、好ましくは0.1~2.5であり、より好ましくは1~2.5である。
【0134】
5.水溶性ポリマー
水溶性ポリマーは、(メタ)アクリル酸を構造単位として含有する水溶性ポリマー((メタ)アクリル酸由来の構造単位を含有する水溶性ポリマー)及びアクリロイルメチルタウレート-ビニルピロリドンコポリマーから選択される成分の1、2、又は3つ以上から構成され得る。水溶性ポリマーは、本発明のスキンクレンジング剤組成物の粘度を増加させる役割を有し、それによって、クレンザーを皮膚に塗布した場合の液体の垂れが回避され、及びクレンジングが容易となるように、クレンザーを着色分と充分に混合することができる。
【0135】
(メタ)アクリル酸構造単位を含有する水溶性ポリマーは、(メタ)アクリル酸をモノマーとして用いることによって合成される化合物であってよく、アクリル酸-アルキルメタクリレートコポリマーなどであり、それは、典型的には、アクリル酸とアルキル(C10~C30)メタクリレートとの架橋型コポリマーであり、より典型的には、例えばPEMULEN TR-1、PEMULEN TR-2、PEMULEN TR-1、PEMULEN TR-1、Carbopol ETD 2020(Lubrizol Advanced Materials Inc.から市販)などの市販品である。
【0136】
(メタ)アクリル酸を構造単位として含有する水溶性ポリマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸の単位のすべて又は一部をアルカリ剤で中和することによって用いられる。中和のためのアルカリ剤は、その剤が化粧組成物中に通常ブレンドすることができるアルカリ剤である限りにおいて特に限定されず、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどである。1又は複数の化合物が、アルカリ剤として用いられ得る。剤は、組成物のpHが5以上、6以上、又は7以下、8以下、若しくは9以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であるように、約0.01重量%以上、0.1重量%以上、0.2重量%以上、0.4重量%以上、又は0.6重量%以下、0.8重量%以下、1.0重量%以下、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内で存在し得る。
【0137】
6.水溶性無機及び有機塩
水溶性塩は、水溶性無機塩及び1~8個の炭素原子を有する水溶性有機塩から選択される定められた成分の1、2、又は3つ以上から構成され得る。水溶性は、本明細書において、20℃で100gの水に5グラム以上溶解することができる化合物とする。クレンザーの水溶性塩は、水和及び溶解され、したがって、スキンクレンジング剤組成物全体の表層疎水性が高められる。
【0138】
適切な水溶性無機塩としては、アルカリ金属の金属水酸化物、並びに塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、三リン酸、ピロリン酸、及び炭酸とのアンモニウム塩;例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどの塩化物;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、などが挙げられ得る。
【0139】
1~8個の炭素原子を有する適切な水溶性有機塩としては、乳酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸などの酸のアルカリ金属、アンモニウムなどとの塩;クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、乳酸カリウム、コハク酸アンモニウム、リンゴ酸カリウムなど、が挙げられ得る。
【0140】
7.水
水は、クレンザー製剤中に、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、又は30重量%以下、40重量%以下、50重量%以下、又は5重量%~50重量%、10重量%~30重量%、又は20重量%~40重量%などのこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内で存在する。これによって、クレンザーを残留感なくきれいにすすぎ落とすことが可能となるが、充分なクレンジング力は維持される。
【0141】
8.他の添加剤
クレンザー製剤は、さらに、クレンジング剤に通常用いられる成分を含有してよく、典型的には、例えば増粘剤、殺菌剤、保湿剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感覚改善剤(feel improvers)、着香剤、抗炎症剤、皮膚美白剤、制汗剤、UV吸収剤、抗酸化剤、様々な種類の抽出物などが適切に含まれ得る。
【0142】
IV.マスカラ
本開示は、マスカラの製剤も提供する。本開示のマスカラ製剤は、良好なボディとボリュームをまつ毛に付与し、まつ毛に容易に適用することができ、従来のマスカラよりもダマが少ない滑らかで均一な層が得られる低ワックス及び/又はワックスフリーのマスカラ組成物を提供する。本発明のマスカラはまた、水で容易に除去することができ、従来のマスカラよりも剥がれ又はにじみを起こすことが少ない。
【0143】
マスカラ製剤は、水中油型エマルジョン(O/W)の形態であり得る。本開示のO/Wエマルジョンは、水相中に分散された油相(又は親油性相)を含む。そのようなエマルジョンでは、水相は、したがって、組成物の連続相であり、一方油相は、組成物の分散相である。油相は、組成物の総重量に対する重量基準で、約3重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、又は約30重量%以下、約35重量%以下、約40重量%以下、約45重量%以下、約50重量%以下の範囲内、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内の量で存在する。
【0144】
水相は、組成物の総重量に対する重量基準で、約50重量%以上、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、若しくは約70重量%以上、約75重量%以下、約80重量%以下、約85重量%以下、約90重量%以下、約95重量%以下、約97重量%以下の範囲内、又はこれらの終点によって包含されるいずれかの範囲内の量で存在する。
【0145】
本発明のエマルジョンの25℃でのpHは、約6.5以上、約7.0以上、約7.5以下、約8.0以下、約8.5以下の範囲内、又はこれらの終点を用いた約8.5までのいずれかの範囲内であり、最も好ましくは約7.3+/-0.3である。
【0146】
マスカラは、液体脂肪物質、1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤、1又は複数のレオロジー改質剤又は粘度増加剤、少なくとも1つの膜形成ポリマー及び少なくとも1つの共膜形成剤(co-film former)を含む1又は複数の膜形成系、並びに水を含み得る。
【0147】
1.液体脂肪物質
液体脂肪物質は、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、ジメチコン(及び)ジメチコノール、並びにこれらの混合物から選択され得る。
【0148】
液体脂肪物質は、マスカラ製剤中に、約0.1重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、又は約15重量%以下、約20重量%以下、約25重量%以下、約30重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0149】
2.界面活性剤
マスカラ製剤は、まとめて界面活性剤系と称される、1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤系は、O/Wエマルジョンの乳化剤として機能する。
【0150】
本開示のマスカラ製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの界面活性剤の1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤であって、
【0151】
【0152】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤及び/又は共界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン、を含む。
【0153】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~5のいずれか1つ以上を含み得る。
【0154】
界面活性剤系は、マスカラ製剤中に、約3重量%以上、約5重量%以上、約8重量%以上、又は約10重量%以下、約15重量%以下、約20重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在する。
【0155】
3.レオロジー改質剤
レオロジー改質剤又は粘度増加剤は、セルロース系増粘剤(例:ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン性セルロースエーテル誘導体、四級化セルロース誘導体など)、グアーガム及びその誘導体(例:ヒドロキシプロピルグアー、カチオン性グアー誘導体など)、微生物由来のガム(例:キサンタンガム、スクレログルカンガムなど)及び植物滲出液由来のガム(例:アラビアガム、ガッチガム、カラヤガム、トラガントガム、カラゲナンガム、カンテンガム、及びカロブガム)などのガム、ペクチン、アルギン酸塩、及びデンプン、アクリル酸又はアクリルアミドプロパンスルホン酸の架橋ホモポリマー、会合性ポリマー、非会合性増粘ポリマー、水溶性増粘ポリマー、並びにこれらの混合物など、アクリレート系ポリマー、ポリサッカリド、ポリアミノ化合物、両親媒性ポリマー、及び他の粘度改質剤を含む非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性ポリマーから選択され得る。
【0156】
他の適切なレオロジー改質剤又は粘度増加剤としては、ベヘン酸グリセロール、PEG-150ジステアレートなどのポリエチレン及びそのコポリマー、ステアリン酸マグネシウム、ポリアクリル酸(Carbomersとして市販)並びにポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリロイルジメチルタウレートなどのアクリレートコポリマーなどの合成ポリマー、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0157】
レオロジー改質剤又は粘度増加剤は、マスカラ製剤中に、約0.2重量%以上、約0.4重量%以上、約0.6重量%以上、約0.8重量%以上、又は約1.0重量%以下、約1.2重量%以下、約1.4重量%以下、約1.6重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在する。
【0158】
4.膜形成系
マスカラ製剤は、第一の膜形成ポリマー及び第二の共膜形成剤を含む膜形成系を含む。
【0159】
第一の膜形成ポリマーは、アクリレートコポリマー、スチレン/アクリレートコポリマー、アクリルアミド/アクリレートコポリマー、ポリウレタン、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択され得る。アクリレートコポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、並びにメチル、エチル、及びエチルヘキシルエステルなどの低級アルキルエステルを例とするこれらの単純エステルから選択される2つ以上のモノマーを含むコポリマーから選択され得る。適切なアクリレートコポリマーとしては、アンモニウムアクリレートコポリマー、エチルアクリレートコポリマー、アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー、アクリレート/オクチルアクリレートコポリマー、アルキル(メタ)アクリレートコポリマー、アクリレート/C12~C22アルキルメタクリレートコポリマー、エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、及びt-ブチルアクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーが挙げられ得る。例示的な市販のアクリレートコポリマーとしては、限定されるものではないが、Ashland Specialty Ingredientsが販売するALLIANZ(商標)OPT;Sensient Cosmetic Technologies LCWが販売するCOVACRYL A15及びCOVACRYL E14;Kobo Products,Inc.が販売するDAITOSOL(登録商標)4000 SJT、DAITOSOL(登録商標)5000 AD、DAITOSOL(登録商標)5000 SJ、KOBOGUARD(登録商標)50A、及びKOBOGUARD(登録商標)50N;AkzoNobelが販売するDERMACRYL(登録商標)AQF、YODOSOL 32A707、YODOSOL GH15、YODOSOL GH32、YODOSOL GH33、YODOSOL GH34、YODOSOL GH35、YODOSOL GH800、及びYODOSOL GH810;BASFが販売するLUVIFLEX(登録商標)SOFT、LUVIMER(登録商標)36D、及びLUVIMER(登録商標)100P;並びにNeoresins,Inc.が販売するNEOCRYL(登録商標)XK-90が挙げられる。
【0160】
膜形成剤は、ポリアクリレート-21及びポリアクリレート-15などのポリアクリレート、並びにアクリレートコポリマーから選択されてもよい。
【0161】
膜形成剤は、ポリアクリレートラテックス、ポリウレタンラテックス、及びこれらのコポリマーなどのラテックス膜形成ポリマーから選択されてもよい。ラテックスポリマーの適切な例としては、エチルヘキシルアクリレート/hemaコポリマー(及び)アクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー(Syntran(登録商標)PC5775)、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー(Syntran(登録商標)5760、Syntran(登録商標)5009、Syntran(登録商標)PC5620)、ポリアクリレート-21(及び)アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(Syntran(登録商標)PC5100、Syntran(登録商標)PC5776、Eudragit(登録商標)E 100、Jurymer ET-410C)、スチレン/アクリレート/アンモニウムメタクリレートコポリマー(Syntran(登録商標)5009CG)、オレフィン/アクリレートグラフト化ポリマー(及び)ラウレス硫酸ナトリウム(及び C12-15 SEC-パレス 15(Syntran(登録商標)EX108)、アクリレートコポリマー(Aculyn(登録商標)33Aポリマー、Avalure(登録商標)Ace 210/120/315アクリルコポリマー、Carbopol(登録商標)Aqua SF-1ポリマー、Daitosol(登録商標)500 AD、Coatex(登録商標)Co 633、Eliclear(登録商標)380/700/4U、Eudragit(登録商標)L 100、Joncryl(登録商標)85、Luviflex(登録商標)Soft)、アクリレート/エチルヘキシルアクリレートコポリマー(Daitosol(登録商標)5000SJ、Daitosol(登録商標)4000SJT、MJA PS34-21、SDP-001)が挙げられ得る。Syntran(登録商標)ポリマーは、供給業者Interpolymer Corp.から市販されている。
【0162】
ラテックスポリマーの適切な例は、ポリウレタン-35、ポリウレタン-35、及びポリウレタン-35である。
【0163】
ラテックスポリマーは、アクリレートラテックスポリマー、特に、スチレン/アクリレートコポリマーであってよい。適切な市販のスチレン/アクリレートコポリマーとしては、限定されるものではないが、Kobo Products,Inc.が販売するDAITOSOL(登録商標)5000 STY;BASFが販売するJONCRYL(登録商標)77;Neoresins,Inc.が販売するNEOCRYL(登録商標)BT-62;Dow Chemical Companyが販売するRHOPLEX(商標)P-376及びUCAR(商標)DL 432S;並びにAkzoNobelが販売するYODOSOL GH41及びYODOSOL GH840が挙げられる。
【0164】
アクリルアミド/アクリレートコポリマーは、アクリル酸/アクリル酸エチル/t-ブチルアクリルアミドコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、及びオクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリレートコポリマーから選択され得る。例示的な市販のアクリルアミド/アクリレートコポリマーとしては、限定されるものではないが、AkzoNobelが販売するAMPHOMER(登録商標)LV-71及びDERMACRYL(登録商標)79、並びにBASFが販売するULTRAHOLD(登録商標)STRONGが挙げられる。
【0165】
共膜形成剤は、ジビニルジメチコン/ジメチコンコポリマー、C12-13 パレス-23及びC12-13 パレス-3などのポリマーであり得る。
【0166】
膜形成系は、マスカラ製剤中に、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、約35重量%以下、約40重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在する。
【0167】
膜形成系は、約7重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、又は約20重量%以下、約25重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で第一の膜形成ポリマーを含み得る。
【0168】
膜形成系は、約0.2重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、又は約2重量%以下、約3重量%以下、約4重量%以下、約5重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で共膜形成剤を含み得る。
【0169】
5.水
マスカラ製剤は、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、又は約60重量%以下、約70重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で水を含み得る。
【0170】
6.他の添加剤
マスカラ製剤は、合一剤(coalescents)及び/又は可塑剤を含み得る。合一剤を含めることで、水性分散体中のポリマー粒子の合一が促進されること、及び可塑剤を含めることで、水性分散体中のポリマーを可塑化することが可能となることが知られている。いかなる合一剤/可塑剤が用いられてもよく、当業者であれば、例えば製剤される化粧組成物の種類及びその所望される特性に基づいて、通常手順の実験をほとんど又はまったく行うことなく適切な合一剤/可塑剤を選択することができるであろう。
【0171】
所望に応じて含まれてよい合一剤及び/又は可塑剤は、クエン酸トリブチル、テキサノールエステルアルコール、アジピン酸ジイソブチル、tert-ブチル酸と2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールとのエステル、アジピン酸ジエチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチル2-エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及びこれらの混合物から選択され得る。単なる例として、所望に応じて含まれてよい合一剤は、ブチレングリコール、カプリリルグリコール、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0172】
合一剤及び/又は可塑剤は、化粧組成物中に、約0.1重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0173】
マスカラ製剤は、1又は複数の軟化剤/保湿剤も含み得る。これらの化合物は、まつ毛に水分を補給し、「ウェットな」テクスチャ及び光沢のある外観も提供する。有用な軟化剤としては、限定されないが、例えば、カルナウバロウ、ミツロウ、鉱油、アーモンド油、ヒマシ油、ゴマ油、水素化ポリイソブテン、ブチレングリコールジカプリレートジカプレート(Myglyol(登録商標)としてSasolから市販)など、及びこれらの混合物が挙げられる。PEG-12ジメチコン、さらにはジメチコン/ジメチコールも、軟化剤として用いられ得る。
【0174】
マスカラ製剤は、少なくとも1つの顔料(又は染料)を含み得る。適切な顔料/染料は、限定されるものではないが、微粉染料、脂溶性染料、及び水溶性染料が挙げられる。
【0175】
微粉染料は、例えば、顔料及び真珠光沢物質(nacres)から選択され得る。適切な顔料としては、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和酸化クロム、及びフェリックブルー(ferric blue)が挙げられる。有機顔料の限定されない例としては、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、並びにコチニールカルミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、及びアルミニウムをベースとするレーキが挙げられる。
【0176】
用いられ得る真珠光沢物質としては、例えば、酸化鉄を含むチタンマイカ、フェリックブルー又は酸化クロムを含むチタンマイカ、上記に挙げたものから選択される有機顔料を含むチタンマイカなどの着色真珠光沢顔料、及びオキシ塩化ビスマスをベースとする真珠光沢顔料が挙げられる。
【0177】
少なくとも1つの顔料/染料は、マスカラ製剤中に、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、又は約25重量%以下、約30重量%以下、約35重量%以下、約40重量%以下の範囲内、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0178】
マスカラ製剤は、さらに、充填剤、繊維、溶媒、分散剤、酸化防止剤、保存剤、香料、追加の増粘剤又は質感付与剤(texturizers)、液体脂質/油、追加の粘度改質剤、追加の膜形成剤、日焼け防止剤、追加の顔料/着色剤/染料、シリカ、クレー、湿潤剤及び保湿剤、乳化剤、追加の構造化剤及び充填剤、界面活性剤、光沢剤、コンディショニング剤、化粧的、皮膚科的、及び医薬的活性剤、ビタミン、植物抽出物、追加の膜形成剤、合一剤/可塑剤、pH調節剤/中和剤、安定剤、及びこれらの混合物を含み得る。
【0179】
V.練り歯磨き
本開示はさらに、練り歯磨きの製剤を提供する。練り歯磨きの製剤が、口腔健康状態の改善、着色汚れの除去、及びう歯の予防のために用いられ得る。
【0180】
練り歯磨き製剤は、遊離形態又は塩形態の塩基性アミノ酸、炭酸カルシウム、フッ化物イオン源、香味剤、1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤、水、及び他の所望に応じて含まれる添加剤を含み得る。
【0181】
1.アミノ酸
練り歯磨き製剤は、遊離形態又は塩形態の塩基性アミノ酸を含み得る。適切なアミノ酸としては、アルギニン、リジン、及びヒスチジンなどの天然の塩基性アミノ酸だけでなく、水溶性で、約7以上のpHの水溶液を提供する、分子内にカルボキシル基及びアミノ基を有するいずれの塩基性アミノ酸も挙げられる。例えば、塩基性アミノ酸としては、限定されるものではないが、アルギニン、リジン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ヒスチジン、ジアミノブタン酸、ジアミンプロピオン酸、これらの塩、及びこれらの組み合わせが挙げられ得る。ある特定の実施形態では、塩基性アミノ酸は、アルギニン、シトルリン、オルニチン、並びにこれらの塩及び組み合わせを含み得る。
【0182】
塩基性アミノ酸は、遊離形態又は塩形態であってよい。塩の場合、そのような塩は、医薬的に許容されるべきである。塩基性アミノ酸は、医薬的に許容される無機若しくは有機の酸又は塩基から誘導される塩であってよく、例えば生理学的に許容されるアニオンを形成する酸によって形成される酸付加塩、例えば塩酸塩若しくは臭化物塩、又はカリウム、ナトリウム、カルシウム、若しくはマグネシウムを例とするアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属などの生理学的に許容されるカチオンを形成する塩基によって形成される塩基付加塩であってよい。塩基性アミノ酸は、アミノ酸の炭酸水素塩であり得る。
【0183】
遊離形態又は塩形態の塩基性アミノ酸は、0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、又は約3重量%以下、約4重量%以下、約5重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在する。
【0184】
2.炭酸カルシウム
練り歯磨き製剤は、炭酸カルシウムを含み得る。天然の炭酸カルシウムは、白亜、石灰石、大理石、及び石灰華などの岩石中、さらには卵殻及び貝殻に見出される。天然の炭酸カルシウムは、口腔ケア組成物の研磨剤として用いられ得る。典型的には、天然の炭酸カルシウム研磨剤は、所望に応じて精製又は部分的に精製されて不純物が除去されていてよい、微細に粉砕された石灰石である。ある特定の実施形態では、天然の炭酸カルシウムは、10ミクロン未満、例えば3~7ミクロン又は約5.5ミクロン、の平均粒径を有する。
【0185】
練り歯磨き製剤は、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、又はリン酸二カルシウム二水和物などのリン酸カルシウム研磨剤を例とするさらなるカルシウム含有研磨剤を含んでいてよい。ある特定の実施形態では、組成物は、約20μmまでの平均粒径を有する沈降シリカ、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイト、若しくは他のシリカ含有物質、及び/又はこれらの組み合わせなどのシリカ研磨剤を含む。
【0186】
練り歯磨き製剤中の炭酸カルシウムの量は、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、又は約40重量%以下、約45重量%以下、約50重量%以下、約55重量%以下、約60重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内であり得る。
【0187】
3.フッ化物イオン源
組成物は、可溶性フッ化物塩などの1又は複数のフッ化物イオン源を含み得る。適切なフッ化物イオン源としては、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、アンモニウム、フルオロケイ酸塩、フッ化アミン、フッ化アンモニウム、及びこれらの1又は複数の組み合わせが挙げられる。
【0188】
フッ化物イオン源は、約25ppm~約25,000ppmのフッ化物イオンを、例えば約500ppm~約200ppm、約1000ppm~約1600ppmを供給するのに充分な量で存在し得る。
【0189】
フッ化物塩の重量は、練り歯磨き製剤中に適切なレベルのフッ化物イオンを提供するために選択され得る。フッ化物塩は、約0.01重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約4重量%以上、又は約6重量%以下、約8重量%以下、約10重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0190】
4.界面活性剤
練り歯磨き製剤は、1又は複数種類の界面活性剤クラスから選択される1又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤は、練り歯磨き製剤のための安定剤として機能する。
【0191】
本開示の練り歯磨き製剤での使用に適する界面活性剤は、式Iの界面活性剤の1又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤であって、
【0192】
【0193】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤及び/又は共界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン、を含む。
【0194】
特に、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書で述べる界面活性剤1~5のいずれか1つ以上を含み得る。
【0195】
1又は複数の界面活性剤は、練り歯磨き製剤中に、約1.0重量%以上、約1.1重量%以上、約1.2重量%以上、又は約1.3重量%以下、約1.4重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在する。
【0196】
5.香味剤
練り歯磨き製剤は、香味剤を含み得る。香味剤は、1又は複数のエッセンシャルオイル、さらには様々な香味アルデヒド、エステル、及び/又はアルコールを含み得る。適切な香味剤としては、ペパーミント、ウィンターグリーン、ササフラス、クローブ、セージ、ユーカリ、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、及びオレンジのオイルから選択される1又は複数のエッセンシャルオイルが挙げられ得る。
【0197】
香味剤は、組成物中に、約0.1重量%以上、約1.2重量%以上、約1.4重量%以上、又は約1.6重量%以下、約1.8重量%以下、約2.0重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0198】
6.他の添加剤
練り歯磨き製剤は、ベンジルアルコールなどの静菌性保存剤などの他の添加剤を含み得る。
【0199】
ベンジルアルコールは、練り歯磨き製剤中に、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、約0.4重量%以上、約0.5重量%以上、又は約0.6重量%以下、約0.7重量%以下、約0.8重量%以下、又はこれらの終点を用いたいずれかの範囲内の量で存在し得る。
【0200】
練り歯磨き製剤はまた、ポリエチレングリコール、ポリビニルメチルエーテルマレイン酸コポリマー、及びポリサッカリド(例:カルボキシメチルセルロース若しくは微結晶セルロースなどのセルロース誘導体、又はキサンタンガム若しくはカラゲナンガムなどのポリサッカリドガム)などの1又は複数のポリマーを含み得る。ポリアクリレートゲルを例とする酸性ポリマーが、遊離酸、又は部分的若しくは完全に中和された水溶性アルカリ金属(例:カリウム及びナトリウム)塩又はアンモニウム塩として提供され得る。
【0201】
練り歯磨き製剤は、1又は複数の湿潤剤も含み得る。湿潤剤は、空気への曝露時に組成物が硬化することを防止し得る。ある特定の実施形態では、組成物は、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、プロピレングリコール、及びこれらの混合物などの食用多価アルコールから選択される1又は複数の湿潤剤を含む。
【0202】
7.作製方法
本開示はさらに、練り歯磨きとして用いるための製剤を作製する方法を提供する。方法は、以下の一連の工程:a)塩基性アミノ酸を、フッ化物イオン源を含む溶液に添加すること、b)炭酸カルシウムを添加すること、及びc)アニオン性界面活性剤を添加すること、を含み得る。
【0203】
VI.界面活性剤
本開示は、アミノ酸の誘導体の形態であるパーソナルケア製品に使用するための界面活性剤を提供する。アミノ酸は、天然若しくは合成であってよい、又はカプロラクタムなどのラクタムの開環反応から得られてもよい。本開示の化合物は、表面活性特性を有することが示されており、例えば界面活性剤及び湿潤剤として用いられ得る。特に、本開示は、式Iの界面活性剤の化合物であって:
【0204】
【0205】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、化合物;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン、を提供する。
【0206】
本開示によって提供される1つの具体的な化合物は、6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド(界面活性剤1)であり、以下の式を有する:
【0207】
【0208】
本開示によって提供される第二の具体的な化合物は、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド(界面活性剤2)であり、以下の式を有する:
【0209】
【0210】
上記の構造において、「N→O」の表記は、窒素と酸素との間の非イオン性結合相互作用を意味することを意図している
本開示によって提供される第三の具体的な化合物は、6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤3)であり、以下の式を有する:
【0211】
【0212】
本開示によって提供される第四の具体的な化合物は、4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート(界面活性剤4)であり、以下の式を有する:
【0213】
【0214】
本開示によって提供される第五の具体的な化合物は、6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤5)であり、以下の式を有する:
【0215】
【0216】
これらの界面活性剤は、様々な方法によって合成され得る。1つのそのような方法は、ラクタムを開環してN末端及びC末端を有するアミノ酸を得ることを含む。N末端を、1又は複数のアルキル化剤及び/又は酸と反応させることで、第四級アンモニウム塩が得られ得る。別の選択肢として、N末端を酸化剤と反応させることで、アミンNオキシドが得られ得る。C末端を、酸の存在下でアルコールと反応させることで、エステルが得られ得る。
【0217】
アミノ酸は、天然若しくは合成であってよい、又はカプロラクタムなどのラクタムの開環反応から誘導されてもよい。開環反応は、酸又はアルカリ触媒反応であってよく、酸触媒反応の例を以下のスキーム1に示す。
【0218】
【0219】
アミノ酸は、少なくは1個の又は多くは12個の炭素を、N末端とC末端との間に有し得る。アルキル鎖は、分岐鎖又は直鎖であってよい。アルキル鎖には、窒素、酸素、又は硫黄が介在していてもよい。アルキル鎖は、さらに、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてもよい。N末端窒素は、アシル化又は1若しくは複数のアルキル基でアルキル化されていてもよい。例えば、アミノ酸は、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸であってよい。
【0220】
界面活性剤1は、以下のスキーム2に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が、炭酸ナトリウムの存在下、ヨウ化メチルでアルキル化される。
【0221】
【0222】
界面活性剤2は、以下のスキーム3に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が過酸化水素で酸化されて、アミンオキシドが得られる。
【0223】
【0224】
界面活性剤3は、以下のスキーム4に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が、炭酸ナトリウムの存在下、ヨウ化メチルでアルキル化される。
【0225】
【0226】
界面活性剤4は、以下のスキーム5に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、還流下、ギ酸中でホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸が得られる。次に、遊離カルボン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でドデカノールなどのアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが得られる。次に、N-末端が、還流下の酢酸エチル中、1,4-ブタンスルトンで処理されて、所望されるスルホネートが得られる。
【0227】
【0228】
界面活性剤5は、以下のスキーム6に示すように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸が、トルエン中、p-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下でアルコールで処理されて、対応するエステル、ドデシル6-アミノヘキサノエートが得られる。N末端が塩酸でプロトン化されて、所望される塩酸塩が得られる。
【0229】
【0230】
本開示の化合物は、表面活性特性を呈する。これらの特性は、様々な方法によって測定し、表され得る。界面活性剤を表し得る1つの方法は、分子の臨界ミセル濃度(CMC)による。CMCは、ミセルを形成する界面活性剤の濃度として定義され得るものであり、それよりも高い濃度では、追加の界面活性剤はすべてミセルに取り込まれる。
【0231】
界面活性剤濃度が上昇するに従って、表面張力は低下する。表面が界面活性剤分子で完全に覆われると、ミセルが形成し始める。この時点が、CMCを、さらには最小表面張力を表している。界面活性剤をさらに添加しても、表面張力にさらに影響を与えることはない。CMCは、したがって、界面活性剤濃度の関数として表面張力の変化を観察することによって測定され得る。この値を測定するためのそのような1つの方法は、ウィルヘルミープレート法である。ウィルヘルミープレートは、通常、ワイヤで天秤に取り付けられた薄いイリジウム-白金プレートであり、空気-液体界面に対して垂直に配置される。天秤を用いて、濡れによってプレートに働く力が測定される。次に、この値を用い、式1に従って表面張力(γ)が算出され:
式1:γ=F/l cosθ
式中、lは、濡れ周長(w及びdをそれぞれプレートの厚さ及び幅とした場合に、2w+2d)に等しく、cosθについては、液体とプレートとの間の接触角は、現存文献値がない場合は0と仮定する。
【0232】
界面活性剤の性能を評価するために用いられる別のパラメータは、動的表面張力である。動的表面張力は、特定の表面又は界面の経過時間に対する表面張力の値である。界面活性剤が添加された液体の場合、これは、平衡値と異なり得る。表面が生成された直後は、表面張力は、純液体の表面張力と等しい。上記で述べたように、界面活性剤は、表面張力を低下させるものであるため、表面張力は、平衡値に到達するまで低下する。平衡に到達するのに要する時間は、界面活性剤の拡散速度及び吸着速度に依存する。
【0233】
動的表面張力を測定する1つの方法は、最大泡圧式張力計によるものである。この装置は、キャピラリーによって液体中に形成された気泡の最大内圧を測定する。測定された値は、気泡形成の開始から最大圧力となるまでの時間である、ある特定の表面経過時間での表面張力に相当する。表面張力の表面経過時間に対する依存性は、気泡が生成される速度を変動させることによって測定することができる。
【0234】
表面活性化合物は、接触角によって測定される固体基材上での湿潤能力によっても評価され得る。液滴が、空気などの第三の媒体中で固体表面と接触する場合、液体、気体、及び固体間で三相線が形成される。三相線で役割を果たしており、液滴の接線である表面張力の単位ベクトルと、表面と、の間の角度が、接触角として表される。接触角(湿潤角としても知られる)は、液体による固体の濡れ性の尺度である。完全濡れの場合、液体は固体上に完全に拡がっており、接触角は0°である。濡れ特性は、典型的には、任意の化合物に対して1~100×CMCの濃度で測定されるが、濃度に依存する特性ではないことから、濡れ特性の測定値は、これよりも高い又は低い濃度で測定されてもよい。
【0235】
1つの方法では、光学接触角ゴニオメーターが、接触角の測定に用いられ得る。この装置は、デジタルカメラ及びソフトウェアを用いて、表面上の液体の静止液滴の輪郭形状を分析することによって接触角を求める。
【0236】
本開示の表面活性化合物に対する考え得る用途としては、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗剤、スポットフリーリンス溶液、床及びカーペットクリーナー、落書き除去用の洗浄剤、作物保護用の湿潤剤、作物保護用の補助剤、並びにエアロゾルスプレーコーティング用の湿潤剤として用いるための製剤が挙げられる。
【0237】
当業者であれば、化合物間の少しの相違が、著しく異なる界面活性剤特性に繋がり得ることから、異なる用途においては、異なる基材と共に異なる化合物が用いられ得ることは理解される。
【0238】
以下の限定されない実施形態は、異なる界面活性剤の異なる特性を示すために提供される。以下の表1では、界面活性剤の略称と、それらの対応する化学構造との関連を示している。
【0239】
【0240】
5つの化合物の各々は、表面活性剤として有効であり、数ある用途の中でも、湿潤剤又は発泡剤、分散剤、乳化剤、及び洗剤用として有用である。
【0241】
界面活性剤1、界面活性剤3、及び界面活性剤5は、カチオン性である。これらの界面活性剤は、上記で述べた用途、及び表面処理剤などの、パーソナルヘアケア製品などの、いくつかのさらなる特別な用途の両方に有用であり、また、撥水性表面を生成するために用いることもできる。
【0242】
界面活性剤4は、非イオン性であり、シャンプー、洗剤、硬質表面クリーナー、及び様々な他の表面洗浄製剤に用いることができる。
【0243】
界面活性剤5は、双性イオン性である。これらの界面活性剤は、上記で述べた用途のすべてにおける共界面活性剤として有用である。
【0244】
実施例
核磁気共鳴(NMR)分光法は、Bruker 500MHz分光計で行った。臨界ミセル濃度(CMC)は、ウィルヘルミープレート法により、Pt-Irプレートを備えた張力計(DCAT 11,DataPhysics Instruments GmbH)を用いて23℃で特定した。動的表面張力は、最大泡圧式張力計(Kruss BP100,Kruss GmbH)を用いて23℃で特定した。接触角は、デジタルカメラを備えた光学接触角ゴニオメーター(OCA 15 Pro,DataPhysics GmbH)を用いて特定した。
【0245】
例1a:
6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド(界面活性剤1)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0246】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(1.0g、3.05mmol)を、アセトニトリル(10mL)中に溶解した。次に、炭酸ナトリウム(0.388g、3.66mmol)を添加し、反応物を室温で10分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.57mL、9.16mmol)を添加し、反応混合物を24時間にわたって40℃に加熱し、続いて室温まで冷却した。この混合物をろ過し、濃縮して、6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドを、黄色固体として92%の収率で得た。1H NMR (DMSO)δ 4.00(t,J=6.7Hz,2H),3.30-3.22(m,2H),3.04(s,9H),2.34(t,J=7.4Hz,2H),1.70-1.63(m,2H),1.62-1.46(m,4H),1.31-1.20(m,20H),0.86(t,J=6.9Hz,3H)。
【0247】
例1b:
界面活性剤1の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約1mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約33mN/m、すなわち33mN/m±3.3mN/mである。
図1は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。プロットから、表面張力は、CMCでは約34mN/mであり、1.0mmol以上の濃度では、約33.8mN/mである。
【0248】
例1c:
界面活性剤1の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。
図2は、表面張力対時間としての結果のプロットを表し、1ms~75msの時間間隔で、表面張力が約55.5mN/mから約39.9mN/mに急速に低下することを示している。75ms~50,410msの時間間隔では、表面張力は、約39.9mN/mから約34mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0249】
例1d:
界面活性剤1の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角32°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、67.1°であった(表2)。
【0250】
【0251】
例2a:
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド(界面活性剤2)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0252】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(1.0g、3.05mmol)を、蒸留水(80mL)中に溶解した。過酸化水素(50%溶液、1.04g、30.5mmol)を添加した。反応物を加熱して12時間還流し、次に溶媒を真空除去した。得られた固体をアセトンで洗浄して、所望されるN-オキシドを90%の収率で得た。1H NMR(500MHz,DMSO)δ 4.00(t,J=6.6Hz,2H),3.30-3.26(m,2H),3.18(s,6H),2.31(t,J=7.4Hz,2H),1.76-1.73(m,2H),1.54-1.57(m,4H),1.30-1.24(m,22H),0.86(t,J=6.9Hz,3H)。
【0253】
例2b:
界面活性剤2の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.08mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約28mN/m、すなわち28mN/m±2.8mN/mである。
図3は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。プロットはさらに、0.08mmol以上の濃度において、表面張力が30mN/m以下であることも示している。
【0254】
例2c:
界面活性剤2の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。
図4は、表面張力対時間のプロットを表し、化合物が、およそ7.6秒で表面を完全に飽和したことを示している。プロットから分かるように、動的表面張力は、4900ms以上の表面経過時間で、40mN/m以下である。
【0255】
例2d:
界面活性剤2の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、水よりも非常に低い接触角39.3°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、57.4°であった(表3)。
【0256】
【0257】
例3a:
6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤3)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0258】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(100mg、0.305mmol)を、水(10mL)中に溶解した。濃塩酸(11.14mg、0.305mmol)を添加した。
【0259】
例3b:
界面活性剤3の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約1.4mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約30mN/m、すなわち30mN/m±3mN/mである。
図5は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。プロットはさらに、2.7mmol以上の濃度において、表面張力が33mN/m以下であることも示している。
【0260】
例3c:
界面活性剤3の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。
図6は、表面張力対時間のプロットを表し、1~100msの時間間隔で、表面張力が約50mN/mから約40mN/mに急速に低下することを示している。100~50000msの時間間隔では、表面張力は、40mN/mから約34mN/mにゆっくり低下し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に近づいている。
【0261】
例3d:
界面活性剤3の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角42.5°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、66.6°であった(表4)。
【0262】
【0263】
例4a:
4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート(界面活性剤4)の合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(11.99g、75.36mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(12.68g、75.36mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(14.33g、75.36mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを51%の収率で得た。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.5Hz,2H),2.27(t,J=7.3Hz,2H),2.13-2.16(m,2H),2.01(s,6H),1.54-1.53(m,6H),1.27-1.18(m,20H),0.86(t,3H)。
【0264】
ドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(1.0g、3.05mmol)を、酢酸エチル(30mL)中に溶解した。次に、1,4-ブタンスルトン(0.62g、4.57mmol)を添加し、この混合物を加熱して12時間還流した。反応物を室温まで冷却し、溶媒を真空除去した。1H NMR(DMSO)δ 4.00(t,J=6.7Hz,2H),3.29-3.15(m,4H),2.97(s,6H),2.47(t,J=7.4Hz,2H),2.33(t,J=7.4Hz,2H),1.81-1.70(m,2H),1.66-1.55(m,6H),1.32-1.23(m,20H),0.86(t,J=6.9Hz,3H)。
【0265】
例4b:
界面活性剤4の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.1mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約38mN/m、すなわち38mN/m±3.8mN/mである。
図7は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、表面張力は、CMCでは約38mN/mであり、1mmol以上の濃度では、表面張力は37mN/m以下である。
【0266】
例4c:
界面活性剤4の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。
図8は、表面張力対時間のプロットを表し、化合物が、およそ1秒で表面を完全に飽和したことを示している。プロットから、動的表面張力は、4000ms以上の表面経過時間で、40.5mN/m以下である。
【0267】
例4d:
界面活性剤4の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、接触角46.5°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、62.7°であった(表5)。
【0268】
【0269】
例5a:
6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド(界面活性剤5)の合成
6-アミノヘキサン酸(5.0g、38.11mmol)を、Dean-Starkトラップを取り付けた丸底フラスコ中のトルエン(50mL)に溶解した。次に、ドデカノール(6.41g、38.11mmol)及びp-トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)(7.24g、38.11mmol)を添加した。反応物を加熱し、Dean-Starkトラップに水が見られなくなるまで、24時間にわたって還流させた。溶媒を真空除去し、得られた固体をヘキサンで洗浄した。固体をジクロロメタン(200mL)に溶解し、飽和炭酸ナトリウムで洗浄して、ドデシル6-アミノヘキサノエートを40%の収率で得た。
【0270】
ドデシル6-アミノヘキサノエート(100mg、0.363mmol)を、水(10mL)中に溶解した。次に、濃塩酸(13.23mg、0.363mmol)を添加した。
【0271】
例5b:
界面活性剤5の臨界ミセル濃度(CMC)の特定
臨界ミセル濃度(CMC)を調べた。水中での濃度と共に変化する表面張力から、CMCは、約0.75mmolであると特定した。この界面活性剤で到達可能である最小表面張力のプラトー値は、約23mN/m、すなわち23mN/m±2.3mN/mである。
図9は、これらの結果のプロットであり、表面張力対濃度を示している。結果のプロットから、表面張力は、CMCでは約23mN/mであり、0.7mmol以上の濃度では、表面張力は23.2mN/m以下である。
【0272】
例5c:
界面活性剤5の動的表面張力の特定
動的表面張力を、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時での変化を測定する最大泡圧式張力計で特定した。
図10は、表面張力対時間のプロットを示し、化合物が、およそ1.5秒で表面を完全に飽和したことを示している。プロットから、動的表面張力は、3185ms以上の表面経過時間で、28.5mN/m以下である。
【0273】
例5d:
界面活性剤5の濡れ特性の特定
表面張力及び表面動態に加えて、化合物の濡れ特性を様々な表面上で試験した。例えば、ポリエチレン-HDなどの疎水性基材は、非常に低い接触角16.6°の表面濡れを呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基材上では、測定した接触角は、水よりも非常に低く、39.3°であった(表6)。
【0274】
【0275】
例6:
シャンプー用製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~5のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、シャンプーとして用いるための製剤を提供する。この製剤は、毛髪に滑らかでシルキーな感触を与えるのに有用である。製剤の成分を以下の表7に示す。加えて、製剤は、他の天然油及び原料成分、さらには消費者へのアピールのためにビタミンを、1重量%未満の量で含んでもよい。
【0276】
【0277】
例7:
ヘアコンディショナー用製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~5のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、ヘアコンディショナーとして用いるための製剤を提供する。この製剤は、ヘアコンディショナーがもたらす櫛通りの良さ及びシルキーでソフトな感触は保持しながら、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-7、及びジメチコン油を置き換える又は削減するために用いられ得る。製剤を以下の表8に示す。
【0278】
【0279】
例8:
クレンザー用製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~5のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、クレンザーとして用いるための製剤を提供する。この製剤は、皮膚の洗浄及び化粧の除去に用いられ得る。液体油などの脂肪成分が、油性の化粧を除去する補助となり得る。製剤を以下の表9に示す。
【0280】
【0281】
例9:
マスカラ用製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~5のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、マスカラとして用いるための製剤を提供する。この製剤は、皮膚の洗浄及び化粧の除去に用いられ得る。液体油などの脂肪成分が、油性の化粧を除去する補助となり得る。製剤を以下の表10に示す。
【0282】
【0283】
例10:
練り歯磨き用製剤
この例では、本明細書で述べる界面活性剤1~5のうちの1又は複数であってよい界面活性剤を含む、練り歯磨きとして用いるための製剤を提供する。製剤を以下の表11に示す。
【0284】
【0285】
態様
態様1は、シャンプーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0286】
【0287】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;発泡剤;及び水、を含む。
【0288】
態様2は、起泡力増進剤をさらに含む、態様1に記載の製剤である。
【0289】
態様3は、少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、態様1又は態様2に記載の製剤である。
【0290】
態様4は、pH安定剤をさらに含む、態様1~3のいずれか1つに記載の製剤である。
【0291】
態様5は、汚れ浸透剤をさらに含む、態様1~4のいずれか1つに記載の製剤である。
【0292】
態様6は、香料をさらに含む、態様1~5のいずれか1つに記載の製剤である。
【0293】
態様7は、界面活性剤が、以下の式:
【0294】
【0295】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様1~6のいずれか1つに記載の製剤である。
【0296】
態様8は、界面活性剤が、以下の式:
【0297】
【0298】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様1~6のいずれか1つに記載の製剤である。
【0299】
態様9は、界面活性剤が、以下の式:
【0300】
【0301】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様1~6のいずれか1つに記載の製剤である。
【0302】
態様10は、界面活性剤が、以下の式:
【0303】
【0304】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様1~6のいずれか1つに記載の製剤である。
【0305】
態様11は、界面活性剤が、以下の式:
【0306】
【0307】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様1~6のいずれか1つに記載の製剤である。
【0308】
態様12は、シャンプーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0309】
【0310】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;増粘剤;及び水、を含む。
【0311】
態様13は、起泡力増進剤をさらに含む、態様12に記載の製剤である。
【0312】
態様14は、pH安定剤をさらに含む、態様12又は態様13に記載の製剤である。
【0313】
態様15は、汚れ浸透剤をさらに含む、態様12~14のいずれか1つに記載の製剤である。
【0314】
態様16は、香料をさらに含む、態様12~15のいずれか1つに記載の製剤である。
【0315】
態様17は、界面活性剤が、以下の式:
【0316】
【0317】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0318】
態様18は、界面活性剤が、以下の式:
【0319】
【0320】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0321】
態様19は、界面活性剤が、以下の式:
【0322】
【0323】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0324】
態様20は、界面活性剤が、以下の式:
【0325】
【0326】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0327】
態様21は、界面活性剤が、以下の式:
【0328】
【0329】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様12~16のいずれか1つに記載の製剤である。
【0330】
態様22は、ヘアコンディショナーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0331】
【0332】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;脂肪成分;及び水、を含む。
【0333】
態様23は、乳化剤をさらに含む、態様22に記載の製剤である。
【0334】
態様24は、少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、態様22又は態様23に記載の製剤である。
【0335】
態様25は、発泡剤をさらに含む、態様22~24のいずれか1つに記載の製剤である。
【0336】
態様26は、少なくとも1つのクレーをさらに含む、態様22~25のいずれか1つに記載の製剤である。
【0337】
態様27は、香料をさらに含む、態様22~26のいずれか1つに記載の製剤である。
【0338】
態様28は、界面活性剤が、以下の式:
【0339】
【0340】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様22~27のいずれか1つに記載の製剤である。
【0341】
態様29は、界面活性剤が、以下の式:
【0342】
【0343】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様22~27のいずれか1つに記載の製剤である。
【0344】
態様30は、界面活性剤が、以下の式:
【0345】
【0346】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様22~27のいずれか1つに記載の製剤である。
【0347】
態様31は、界面活性剤が、以下の式:
【0348】
【0349】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様22~27のいずれか1つに記載の製剤である。
【0350】
態様32は、界面活性剤が、以下の式:
【0351】
【0352】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様22~27のいずれか1つに記載の製剤である。
【0353】
態様33は、クレンザーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0354】
【0355】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;少なくとも1つの溶媒;及び水、を含む。
【0356】
態様34は、少なくとも1つの水溶性ポリマーをさらに含む、態様33に記載の製剤である。
【0357】
態様35は、少なくとも1つの水溶性溶媒をさらに含む、態様33又は態様34に記載の製剤である。
【0358】
態様36は、少なくとも1つの脂肪成分をさらに含む、態様33~35のいずれか1つに記載の製剤である。
【0359】
態様37は、少なくとも1つのコンディショナーをさらに含む、態様33~36のいずれか1つに記載の製剤である。
【0360】
態様38は、疎水性改質剤をさらに含む、態様33~37のいずれか1つに記載の製剤である。
【0361】
態様39は、界面活性剤が、以下の式:
【0362】
【0363】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様33~38のいずれか1つに記載の製剤である。
【0364】
態様40は、界面活性剤が、以下の式:
【0365】
【0366】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様33~38のいずれか1つに記載の製剤である。
【0367】
態様41は、界面活性剤が、以下の式:
【0368】
【0369】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様33~38のいずれか1つに記載の製剤である。
【0370】
態様42は、界面活性剤が、以下の式:
【0371】
【0372】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様33~38のいずれか1つに記載の製剤である。
【0373】
態様43は、界面活性剤が、以下の式:
【0374】
【0375】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様33~38のいずれか1つに記載の製剤である。
【0376】
態様44は、クレンザーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0377】
【0378】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;湿潤剤;及び水、を含む。
【0379】
態様45は、少なくとも1つの水溶性ポリマーをさらに含む、態様44に記載の製剤である。
【0380】
態様46は、少なくとも1つの水溶性溶媒をさらに含む、態様44又は態様45に記載の製剤である。
【0381】
態様47は、少なくとも1つの脂肪成分をさらに含む、態様44~46のいずれか1つに記載の製剤である。
【0382】
態様48は、少なくとも1つのコンディショナーをさらに含む、態様44~47のいずれか1つに記載の製剤である。
【0383】
態様49は、疎水性改質剤をさらに含む、態様44~48のいずれか1つに記載の製剤である。
【0384】
態様50は、少なくとも1つの溶媒をさらに含む、態様44~49のいずれか1つに記載の製剤である。
【0385】
態様51は、界面活性剤が、以下の式:
【0386】
【0387】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様44~50のいずれか1つに記載の製剤である。
【0388】
態様52は、界面活性剤が、以下の式:
【0389】
【0390】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様44~50のいずれか1つに記載の製剤である。
【0391】
態様53は、界面活性剤が、以下の式:
【0392】
【0393】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様44~50のいずれか1つに記載の製剤である。
【0394】
態様54は、界面活性剤が、以下の式:
【0395】
【0396】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様44~50のいずれか1つに記載の製剤である。
【0397】
態様55は、界面活性剤が、以下の式:
【0398】
【0399】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様44~50のいずれか1つに記載の製剤である。
【0400】
態様56は、マスカラのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0401】
【0402】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;少なくとも1つのポリマー;及び水、を含む。
【0403】
態様57は、少なくとも1つの脂肪成分をさらに含む、態様56に記載の製剤である。
【0404】
態様58は、少なくとも1つのレオロジー改質剤をさらに含む、態様56又は態様57に記載の製剤である。
【0405】
態様59は、少なくとも1つの乳化剤をさらに含む、態様56~58のいずれか1つに記載の製剤である。
【0406】
態様60は、顔料をさらに含む、態様56~59のいずれか1つに記載の製剤である。
【0407】
態様61は、界面活性剤が、以下の式:
【0408】
【0409】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様56~60のいずれか1つに記載の製剤である。
【0410】
態様62は、界面活性剤が、以下の式:
【0411】
【0412】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様56~60のいずれか1つに記載の製剤である。
【0413】
態様63は、界面活性剤が、以下の式:
【0414】
【0415】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様56~60のいずれか1つに記載の製剤である。
【0416】
態様64は、界面活性剤が、以下の式:
【0417】
【0418】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様56~60のいずれか1つに記載の製剤である。
【0419】
態様65は、界面活性剤が、以下の式:
【0420】
【0421】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様56~60のいずれか1つに記載の製剤である。
【0422】
態様66は、練り歯磨きのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0423】
【0424】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;フッ化物イオン源;及び水、を含む。
【0425】
態様67は、少なくとも1つの塩基性アミノ酸をさらに含む、態様66に記載の製剤である。
【0426】
態様68は、炭酸カルシウムをさらに含む、態様66又は態様67に記載の製剤である。
【0427】
態様69は、香味剤をさらに含む、態様66~68のいずれか1つに記載の製剤である。
【0428】
態様70は、界面活性剤が、以下の式:
【0429】
【0430】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様66~68のいずれか1つに記載の製剤である。
【0431】
態様71は、界面活性剤が、以下の式:
【0432】
【0433】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様66~68のいずれか1つに記載の製剤である。
【0434】
態様72は、界面活性剤が、以下の式:
【0435】
【0436】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様66~68のいずれか1つに記載の製剤である。
【0437】
態様73は、界面活性剤が、以下の式:
【0438】
【0439】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様66~68のいずれか1つに記載の製剤である。
【0440】
態様74は、界面活性剤が、以下の式:
【0441】
【0442】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様66~68のいずれか1つに記載の製剤である。
【0443】
態様75は、シャンプーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0444】
【0445】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;発泡剤、起泡力増進剤、及び増粘剤のうちの少なくとも1つ;並びに水、を含む。
【0446】
態様76は、pH安定剤をさらに含む、態様75に記載の製剤である。
【0447】
態様77は、汚れ浸透剤をさらに含む、態様75又は態様76に記載の製剤である。
【0448】
態様78は、香料をさらに含む、態様75~77のいずれか1つに記載の製剤である。
【0449】
態様79は、界面活性剤が、以下の式:
【0450】
【0451】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【0452】
【0453】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【0454】
【0455】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【0456】
【0457】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【0458】
【0459】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、態様75~78のいずれか1つに記載の製剤である。
【0460】
態様80は、ヘアコンディショナーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0461】
【0462】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;脂肪成分及び乳化剤のうちの少なくとも1つ;並びに水、を含む。
【0463】
態様81は、少なくとも1つの増粘剤をさらに含む、態様80に記載の製剤である。
【0464】
態様82は、発泡剤をさらに含む、態様80又は態様81に記載の製剤である。
【0465】
態様83は、少なくとも1つのクレーをさらに含む、態様80~82のいずれか1つに記載の製剤である。
【0466】
態様84は、香料をさらに含む、態様80~83のいずれか1つに記載の製剤である。
【0467】
態様85は、界面活性剤が、以下の式:
【0468】
【0469】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【0470】
【0471】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【0472】
【0473】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【0474】
【0475】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【0476】
【0477】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、態様80~84のいずれか1つに記載の製剤である。
【0478】
態様86は、クレンザーのための製剤であり、それは、式Iの少なくとも1つの界面活性剤であって、
【0479】
【0480】
式中、R1及びR2は、同じであっても又は異なっていてもよく、水素及びC1~C6アルキルから成る群より選択されてよく、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよく;nは、2~5の整数であり(2及び5を含む);mは、9~20の整数であり(9及び20を含む);末端窒素は、R3でさらに置換されてもよく、この場合R3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルから成る群より選択され、C1~C6アルキルは、所望に応じて、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートから成る群より選択される1又は複数の置換基で置換されていてよい、界面活性剤;所望に応じて存在してよく、存在する場合、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、及び水酸化物イオンから成る群より選択される、この化合物に付随する対イオン;溶媒、水溶性ポリマー、及び湿潤剤のうちの少なくとも1つ;並びに水、を含む。
【0481】
態様87は、脂肪成分をさらに含む、態様86に記載の製剤である。
【0482】
態様88は、少なくとも1つのコンディショナーをさらに含む、態様86又は態様87に記載の製剤である。
【0483】
態様89は、疎水性改質剤をさらに含む、態様86~88のいずれか1つに記載の製剤である。
【0484】
態様90は、界面活性剤が、以下の式:
【0485】
【0486】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド;
以下の式:
【0487】
【0488】
を有するドデシル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド;
以下の式:
【0489】
【0490】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;
以下の式:
【0491】
【0492】
を有する4-((6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート;
以下の式:
【0493】
【0494】
を有する6-(ドデシルオキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド;及び
これらの組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、態様86~89のいずれか1つに記載の製剤である。