(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】発泡噴射装置及び発泡噴射装置を備える便器
(51)【国際特許分類】
B05B 7/04 20060101AFI20241016BHJP
B05B 7/24 20060101ALI20241016BHJP
B01F 23/235 20220101ALI20241016BHJP
B01F 23/2326 20220101ALI20241016BHJP
B01F 25/314 20220101ALI20241016BHJP
B01F 25/452 20220101ALI20241016BHJP
E03D 9/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B05B7/04
B05B7/24
B01F23/235
B01F23/2326
B01F25/314
B01F25/452
E03D9/00 C
E03D9/00 F
(21)【出願番号】P 2022569490
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2020110384
(87)【国際公開番号】W WO2021243854
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-04-17
(31)【優先権主張番号】202010621503.6
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010505650.7
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519356397
【氏名又は名称】厦門科牧智能技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】KOMOO INTELLIGENT TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】林孝發
(72)【発明者】
【氏名】林孝山
(72)【発明者】
【氏名】劉祖華
(72)【発明者】
【氏名】林山
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-138420(JP,A)
【文献】米国特許第06042089(US,A)
【文献】特表2023-534896(JP,A)
【文献】国際公開第2007/013518(WO,A1)
【文献】特開2017-048567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0291607(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-1/36
7/00-7/32
E03D 9/00-9/16
B01F 21/00-25/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡噴射本体を含み、前記発泡噴射本体には、発泡室、及び、前記発泡室と連通する吸気口、加速孔及び泡噴射口が設けられており、発泡溶液は、前記加速孔を経由して加速され、前記発泡噴射本体の発泡室に進入することで、前記発泡噴射本体の発泡室に負圧を発生させ、且つ、前記吸気口から空気が吸い込まれ、空気と発泡溶液が混合されることで泡が発生
し、
前記発泡噴射本体は、自吸ジョイント、発泡噴射ヘッド、及び、導泡噴射ヘッドを含み、前記発泡噴射ヘッドは前記自吸ジョイント及び前記導泡噴射ヘッドに接続され、前記自吸ジョイントには前記吸気口及び前記加速孔が設けられており、前記導泡噴射ヘッドには前記泡噴射口が設けられていることを特徴とする発泡噴射装置。
【請求項2】
前記発泡噴射本体の発泡室には発泡部材が設置され、空気と混合された発泡溶液が前記発泡部材と衝突して更に発泡することを特徴とする請求項1に記載の発泡噴射装置。
【請求項3】
前記発泡部材は1つのメッシュシートを含み、或いは、前記発泡部材は少なくとも2つのメッシュシートを含み、前記少なくとも2つのメッシュシートは発泡溶液の流動方向に沿って分布していることを特徴とする請求項2に記載の発泡噴射装置。
【請求項4】
前記発泡噴射本体には、更に、前記加速孔の上流側に位置する給液経路が設けられており、前記給液経路は前記加速孔と連通しており、前記加速孔の直径は前記給液経路の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の発泡噴射装置。
【請求項5】
前記吸気口には、排泡管
を接続するための排泡ジョイントが接続されて
おり、前記排泡ジョイントは略L字型をなしており、垂直部分が下方を向いて前記吸気口に接続されることを特徴とする請求項1に記載の発泡噴射装置。
【請求項6】
前記発泡噴射本体の発泡室には、前記発泡噴射本体の発泡室を第1室と第2室に分割する遮断壁が設けられており、前記遮断壁には、第2室と第1室を連通する貫通孔が設けられており、前記吸気口、前記加速孔は前記第1室と連通しており、前記泡噴射口は前記第2室と連通しており、前記発泡部材は前記第2室に位置することを特徴とする請求項2又は3に記載の発泡噴射装置。
【請求項7】
前記貫通孔の直径は前記加速孔の直径よりも大きく、前記貫通孔と前記加速孔は同一の軸線上に位置することを特徴とする請求項6に記載の発泡噴射装置。
【請求項8】
前記自吸ジョイントには、前記第1室、吸気口及び加速孔が設けられており、前記発泡噴射ヘッドには前記第2室が設けられており、或いは、前記発泡噴射ヘッドと前記導泡噴射ヘッドが組み合わされて前記第2室を囲繞し、前記遮断壁は前記発泡噴射ヘッド又は前記自吸ジョイントに設けられ、前記泡噴射口は前記導泡噴射ヘッドに設けられることを特徴とする請求項6に記載の発泡噴射装置。
【請求項9】
前記自吸ジョイントと前記発泡噴射ヘッド、或いは、前記自吸ジョイント、前記発泡噴射ヘッド及び前記導泡噴射ヘッドが組み合わされて前記発泡噴射本体の発泡室を囲繞し、前記自吸ジョイントには前記吸気口及び前記加速孔が設けられており、前記導泡噴射ヘッドには前記泡噴射口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発泡噴射装置。
【請求項10】
前記自吸ジョイントと前記発泡噴射ヘッドはフック接続され、前記発泡噴射ヘッドと前記導泡噴射ヘッドはフック接続されることを特徴とする請求項8又は9に記載の発泡噴射装置。
【請求項11】
前記導泡噴射ヘッドは第1管体及び第2管体を含み、前記第1管体は横向きであり、前記第2管体は傾斜して設置され、前記第2管体の上端は前記第1管体と連通しており、前記第2管体の下端には前記泡噴射口が設けられていることを特徴とする請求項8又は
9に記載の発泡噴射装置。
【請求項12】
前記導泡噴射ヘッドは装着ベースを更に含み、前記装着ベースに前記第1管体が設置されることを特徴とする請求項
11に記載の発泡噴射装置。
【請求項13】
発泡溶液供給装置を含む発泡装置であって、
更に、請求項1~
12のいずれか1項に記載の発泡噴射装置を含み、前記発泡噴射装置は、前記発泡溶液供給装置から発泡溶液を供給されることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項
13に記載の発泡装置が設置されていることを特徴とする発泡噴射装置を備える便器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サニタリー分野に関し、特に、発泡噴射装置及び便器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のスマート便器には、温水洗浄、温風乾燥、便座ヒータ等の多くの機能が備わっている。しかし、実際の使用過程では、排泄物の落下によって便器内の液体が跳ね、体部を汚してしまう。また、排泄物は流されるまで自然に露出した状態となるため、臭いが広がりやすく、除去も難しい。これらは、人々が用を足す際にあたり不都合である。そこで、市場には、泡発生装置が発生させた泡で便器のボウルを覆い、汚物が便器に付着するとの課題を効果的に解決する発泡便器が登場している。
【0003】
現在市販されているスマート便器の発泡構造は、通常、発泡石とエアポンプに発泡剤を組み合わせ、水と混合することで泡を発生させるが、ウォータータンク、貯液タンク、ウォーターポンプ、液体ポンプ及びエアポンプ等を含むため、構造が複雑で、体積が大きい。また、接続構造や機能実現のための構造が複雑であり、効率的でもなく、且つ、スマート便器の内部空間を過剰に占有する。従って、発泡機能を備える便器はいずれも体積が巨大となる。また、発泡効率が低く、構造が複雑であるほか、コストも嵩んでしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題に対し、占有空間が少なく、構造がシンプルな発泡噴射装置と発泡装置及び発泡便器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が技術的課題を解決するために採用する技術方案は、下記の通りである。
【0006】
発泡噴射装置は発泡噴射本体を含む。前記発泡噴射本体には、その発泡室と連通する吸気口、加速孔及び泡噴射口が設けられている。発泡溶液は、加速孔を経由して加速され、発泡噴射本体の発泡室に進入することで、発泡噴射本体の発泡室に負圧を発生させる。そして、吸気口から空気が吸い込まれ、空気と発泡溶液が混合されることで泡が発生する。
【0007】
更に、前記発泡噴射本体の発泡室には発泡部材が設置され、空気と混合された発泡溶液が前記発泡部材と衝突して更に発泡する。
【0008】
更に、前記発泡部材は1つのメッシュシートを含む。或いは、前記発泡部材は少なくとも2つのメッシュシートを含み、前記少なくとも2つのメッシュシートは発泡溶液の流動方向に沿って分布している。
【0009】
更に、前記発泡噴射本体には、前記加速孔の上流側に位置する給液経路が更に設けられている。前記給液経路は前記加速孔と連通しており、前記加速孔の直径は給液経路の直径よりも小さい。
【0010】
更に、前記吸気口には排泡管又は排泡ジョイントが接続されている。
【0011】
更に、前記発泡噴射本体の発泡室には、前記発泡噴射本体の発泡室を第1室と第2室に分割する遮断壁が設けられている。前記遮断壁には、第2室と第1室を連通する貫通孔が設けられている。前記吸気口、加速孔は第1室と連通しており、前記泡噴射口は第2室と連通している。前記発泡部材は第2室に位置する。
【0012】
更に、前記貫通孔の直径は前記加速孔の直径よりも大きく、前記貫通孔と前記加速孔は同一の軸線上に位置する。
【0013】
更に、前記発泡噴射本体は、自吸ジョイント、発泡噴射ヘッド及び導泡噴射ヘッドを含む。発泡噴射ヘッドは自吸ジョイント及び導泡噴射ヘッドに接続される。自吸ジョイントには、前記第1室、吸気口及び加速孔が設けられている。発泡噴射ヘッドには前記第2室が設けられている。或いは、発泡噴射ヘッドと導泡噴射ヘッドが組み合わされて前記第2室を囲繞する。前記遮断壁は発泡噴射ヘッド又は自吸ジョイントに設けられる。前記泡噴射口は導泡噴射ヘッドに設けられる。
【0014】
更に、前記発泡噴射本体は、自吸ジョイント、発泡噴射ヘッド及び導泡噴射ヘッドを含む。発泡噴射ヘッドは自吸ジョイント及び導泡噴射ヘッドに接続される。自吸ジョイントと発泡噴射ヘッド、或いは、自吸ジョイント、発泡噴射ヘッド及び導泡噴射ヘッドが組み合わされて前記発泡噴射本体の発泡室を囲繞する。自吸ジョイントには前記吸気口及び加速孔が設けられている。導泡噴射ヘッドには前記泡噴射口が設けられている。
【0015】
更に、前記発泡噴射本体は自吸ジョイント及び導泡噴射ヘッドを含む。自吸ジョイントと導泡噴射ヘッドは密封状に接続され、これらが前記発泡噴射本体の発泡室を囲繞する。自吸ジョイントには前記吸気口及び加速孔が設けられている。発泡噴射ヘッドには前記泡噴射口が設けられている。
【0016】
更に、前記自吸ジョイントと前記発泡噴射ヘッドはフック接続され、前記発泡噴射ヘッドと前記導泡噴射ヘッドはフック接続される。
【0017】
更に、前記導泡噴射ヘッドは第1管体及び第2管体を含む。第1管体は横向きであり、第2管体は傾斜して設置される。第2管体の上端は第1管体と連通しており、第2管体の下端には前記泡噴射口が設けられている。
【0018】
更に、前記導泡噴射ヘッドは装着ベースを更に含み、前記装着ベースに前記第1管体が設置される。
【0019】
本発明は、更に、発泡装置を提供する。前記発泡装置は、発泡溶液供給装置を含み、更に、上記の本発明で記載した発泡噴射装置を含む。前記発泡噴射装置は、前記発泡溶液供給装置から発泡溶液を供給される。
【0020】
本発明は、更に、上記の本発明で記載した発泡装置を含む発泡便器を提供する。
【発明の効果】
【0021】
従来技術と比較して、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0022】
1.発泡噴射本体には、その発泡室と連通する吸気口、加速孔及び泡噴射口が設けられている。そのため、発泡溶液は、加速孔を経由して加速され、発泡噴射本体の発泡室に進入することで、発泡噴射本体の発泡室に負圧を発生させる。そして、吸気口から空気が吸い込まれ、空気と発泡溶液が混合されることで泡が発生する。よって、本発明では、発泡石やエアポンプを使用しなくても発泡を実現可能である。且つ、構造がいっそうシンプルとなり、体積が小さく、装着しやすく、低コストであり、発泡効率が高い。
【0023】
2.前記発泡部材を設置することで、本発明では更なる発泡が可能なため、発泡効率がいっそう向上し、大量の泡が発生する。
【0024】
3.好ましくは、前記発泡部材はメッシュシートである。こうすることで、構造がシンプルとなるだけでなく、装着がスピーディーとなり、発生する泡もよりきめ細かく均一となる。
【0025】
4.前記自吸部には、更に、前記加速孔の上流側に位置する給液経路が設けられており、前記給液経路が前記加速孔と連通している。こうすることで、発泡噴射本体を外部の発泡溶液供給ダクトにいっそう接続しやすくなるだけでなく、加速孔の構造をよりシンプルに設計することも可能となる(例えば、丸孔とすればよい)。
【0026】
5.前記吸気口には排泡管又は排泡ジョイントが接続されている。よって、発泡溶液を使い切り、加速孔から空気が押し込まれるだけの異常な状況において、発泡噴射装置内に残留した発泡溶液が発生させた泡は、吸気口を通じて四方に溢れるのではなく、排泡管、又は排泡ジョイント及びそれに接続される排泡管を通じて適切な位置に排出可能となる。
【0027】
6.前記遮断壁及びその貫通孔を設置することで、発泡噴射本体内で発生した負圧を発泡室の第1室内で循環させられるため、外気に対する吸引力が増大する。
【0028】
7.前記自吸部は自吸ジョイントであり、前記発泡部は発泡噴射ヘッド及び導泡噴射ヘッドを含む。自吸ジョイントは、発泡噴射ヘッドを介して導泡噴射ヘッドに接続される。また、前記遮断壁は発泡噴射ヘッドに設けられる。よって、本発明の発泡噴射装置は、別々の自吸ジョイント、発泡噴射ヘッド及び導泡噴射ヘッドを含む。このような方式によれば、本発明の発泡噴射装置の構造をより製造及び量産しやすくなる。
【0029】
8.前記発泡噴射本体は、自吸ジョイント、発泡噴射ヘッド及び導泡噴射ヘッドを含むか、自吸ジョイント及び導泡噴射ヘッドを含む。これにより、発泡噴射本体をより製造及び量産しやすくなる。
【0030】
9.前記導泡噴射ヘッドは、前記第1管体及び第2管体を含むため、導泡噴射ヘッドを適切な動作状態となるよう調節しやすい。特に、前記導泡噴射ヘッドは装着ベースを更に含み、前記装着ベースに前記第1管体が設置される。よって、装着ベースをそのまま利用して、導泡噴射ヘッドの装着及び位置決めを完了させられる。
【0031】
以下に、図面と実施例を組み合わせて、本発明につき更に詳細に説明する。ただし、本発明における発泡噴射装置と発泡装置及び発泡便器は実施例に限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、実施例1における本発明の発泡噴射装置の概略分解図である。
【
図2】
図2は、実施例1における本発明の発泡噴射装置の概略構造
図1である。
【
図3】
図3は、実施例1における本発明の発泡噴射装置の概略構造
図2である。
【
図4】
図4は、実施例1における本発明の発泡噴射装置の断面図である。
【
図5】
図5は、実施例1における本発明の発泡噴射装置の発泡の概略図である。
【
図6】
図6は、実施例1における本発明の発泡装置/発泡便器の概略構造図である。
【
図7】
図7は、実施例1における本発明の発泡装置/発泡便器の一部の断面図である。
【
図8】
図8は、実施例2における本発明の発泡噴射装置の発泡の概略図である。
【
図9】
図9は、実施例3における本発明の発泡噴射装置の発泡の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0033】
図1~
図5を参照する。本発明の発泡噴射装置は発泡噴射本体を含む。前記発泡噴射本体には、その発泡室と連通する吸気口12、加速孔13及び泡噴射口321が設けられている。発泡溶液は、加速孔13を経由して加速され、発泡噴射本体の発泡室に進入することで、発泡噴射本体の発泡室に負圧を発生させる。そして、吸気口12から空気が吸い込まれ、空気と発泡溶液が混合されることで泡が発生する。前記発泡溶液は、水と発泡剤の混合液である。また、好ましくは、発泡剤は発泡液である。前記発泡液は、発泡原液であってもよいし、希釈された発泡原液であってもよい。
【0034】
本実施例において、前記発泡噴射本体の発泡室には発泡部材が設置され、空気と混合された発泡溶液が前記発泡部材と衝突して更に発泡する。
【0035】
本実施例において、前記発泡部材は少なくとも2つのメッシュシート4を含む。前記少なくとも2つのメッシュシート4は、発泡溶液の流動方向に沿って分布している。具体的に、前記メッシュシート4の数は2つである。ただし、これに限らず、その他の実施例において、前記メッシュシートの数は1つである。或いは、前記メッシュシートの数は2つよりも多い。具体的に、前記メッシュシート4は円形構造をなしており、固定リング41と、前記固定リング内に設けられるグリッドシート42を含む。グリッドシート42には多数の網目が均一に分布している。また、その他の実施例において、前記発泡部材は、間隔を置いて分布するいくつかの遮断バー等を含む。
【0036】
本実施例において、前記発泡噴射本体の発泡室には、前記発泡噴射本体の発泡室を第1室11と第2室7に分割する遮断壁21が設けられている。前記遮断壁21には、第2室7と第1室11を連通する貫通孔211が設けられている。前記吸気口12、加速孔13は第1室11と連通しており、前記泡噴射口321は第2室7と連通している。前記発泡部材(即ち、メッシュシート4)は第2室7に位置する。前記貫通孔211の直径は前記加速孔13の直径よりも大きい。また、前記貫通孔211と前記加速孔13は同一の軸線上に位置する。ただし、これに限らない。前記遮断壁21及びその貫通孔211を設置することで、発泡噴射本体内で発生した負圧を発泡室の第1室11内で循環させられるため、外気に対する吸引力が増大する。
【0037】
本実施例において、前記発泡噴射本体には、更に、前記加速孔13の上流側に位置する給液経路14が設けられている。前記給液経路14は前記加速孔13と連通している。また、前記加速孔13の直径及び前記貫通孔211の直径は、いずれも給液経路14の直径よりも小さい。また、その他の実施例において、前記加速孔は径が変化する孔であり、例えばテーパー孔等とする。
【0038】
本実施例において、前記吸気口12には排泡ジョイント6が接続されている。前記排泡ジョイント6は排泡管を接続するために使用可能である。また、その他の実施例では、前記吸気口に排泡管が直に接続されている。前記排泡ジョイント6は略L字型をなしており、垂直部分が下方を向いて吸気口12に接続される。排泡ジョイント6又は排泡管を設置することで、発泡溶液を使い切り、加速孔13から空気が押し込まれるだけの異常な状況において、発泡噴射装置内に残留した発泡溶液が発生させた泡は、排泡管、又は排泡ジョイント6及びそれに接続される排泡管を通じて適切な位置に排出可能となる。これにより、泡が吸気口12を通じて四方に溢れるとの事態が回避される。
【0039】
本実施例において、前記発泡噴射本体は、自吸ジョイント1、発泡噴射ヘッド2及び導泡噴射ヘッド3を含む。発泡噴射ヘッド2は、自吸ジョイント及び導泡噴射ヘッド3に接続される。自吸ジョイント1には、前記第1室11、吸気口12、加速孔13及び給液経路14が設けられている。また、発泡噴射ヘッド2と導泡噴射ヘッド3が組み合わされて前記第2室7を囲繞する。ただし、これに限らず、その他の実施例では、発泡噴射ヘッドに前記第2室が設けられる。前記遮断壁21は発泡噴射ヘッド2の一端に設けられ、発泡噴射ヘッド2の他端は開口している。また、前記泡噴射口321は導泡噴射ヘッド3に設けられる。なお、その他の実施例において、前記遮断壁は自吸ジョイントに設けられる。つまり、本発明の発泡噴射本体は、別々の自吸ジョイント1、発泡噴射ヘッド2及び導泡噴射ヘッド3を含む。このような方式によれば、本発明の発泡噴射装置の構造をより製造及び量産しやすくなる。また、その他の実施例において、発泡噴射本体は一体的に成型され、且つ3Dプリント方式で製造可能である。
【0040】
本実施例において、前記自吸ジョイント1と前記発泡噴射ヘッド2はフック接続され、前記発泡噴射ヘッド2と前記導泡噴射ヘッド3はフック接続される。且つ、前記発泡噴射ヘッド2は、一部が前記導泡噴射ヘッド3内に嵌入される(導泡噴射ヘッド3との隙間を密封するために、発泡噴射ヘッド2の外部にはシールリング5が覆設されている)。前記第2室7の一部は前記発泡噴射ヘッド2に位置する。また、前記第2室7の残りの部分は前記導泡噴射ヘッド3に位置するとともに、前記発泡部材(即ち、メッシュシート4)が装着されている。即ち、メッシュシート4は、発泡噴射ヘッド2と導泡噴射ヘッドの内部に設置される位置規制段差の間に位置規制される。
【0041】
本実施例において、具体的に、前記導泡噴射ヘッド3は第1管体31及び第2管体32を含む。第1管体31は横向きであり、第2管体32は傾斜して設置される。第1管体31の一端は前記発泡噴射ヘッド2に接続され、且つこれらが組み合わされて前記第2室が形成される。具体的に、発泡噴射ヘッド2と第1管体31は嵌接により組み合わされる。装着時には、まず、メッシュシート4を第1管体31内に装入してから、発泡噴射ヘッド2の一部を第1管体31内に嵌入する。そして、発泡噴射ヘッド2と第1管体31の内部に設けられる環状の位置規制段差によってメッシュシート4を位置規制する。第1管体31の他端は第2管体32の上端と連通している。且つ、第1管体31と第2管体32の間の夾角は90度よりも大きい。第2管体32の下端には前記泡噴射口321が設けられている。また、前記導泡噴射ヘッド3は、更に、装着孔が設けられた装着ベース33を含み、前記装着ベース33に前記第1管体31が設置される。
【0042】
本実施例において、前記自吸ジョイント1と発泡噴射ヘッド2のフック接続の方式は、次の通りである。自吸ジョイント1には2つの第1係合溝15が設けられており、発泡噴射ヘッド2には、自吸ジョイント1に向かう2つの第1弾性係合爪22が設けられている。前記2つの第1弾性係合爪22の末端における対向する外側には、それぞれ第1バーブ(barb)221が設けられている。接続時には、2つの第1弾性係合爪22が、1つずつ2つの第1係合溝15に挿通される。且つ、2つの第1弾性係合爪22の第1バーブ221が、それぞれ第1係合溝15における発泡噴射ヘッド2から離間する一端の辺縁に掛けられる。また、前記発泡噴射ヘッド2と導泡噴射ヘッド3のフック接続の方式は、次の通りである。導泡噴射ヘッド3の第1管体31には2つの第2係合溝311が設けられており、発泡噴射ヘッド2には、導泡噴射ヘッド3に向かう2つの第2弾性係合爪23が設けられている。前記2つの第2弾性係合爪23の末端における対向する外側には、それぞれ第2バーブ231が設けられている。接続時には、2つの第2弾性係合爪23が、1つずつ2つの第2係合溝311に挿通される。且つ、2つの第2弾性係合爪23の第2バーブ231が、それぞれ第2係合溝311における発泡噴射ヘッド2から離間する一端の辺縁に掛けられる。
【0043】
本実施例では、前記排泡ジョイント6と自吸ジョイント1についてもフック接続の方式で接続する。具体的に、排泡ジョイント6は略L字型をなしている。排泡ジョイント6の垂直部分は下方を向いており、自吸ジョイント1の吸気口12が存在する部位に嵌接されて組み合わされる。且つ、排泡ジョイント6の垂直部分には2つの係合ブロック61が設けられており、自吸ジョイント1には、上方を向く2つの第3弾性係合爪16が設けられている。前記2つの第3弾性係合爪16の末端には第3バーブ161がそれぞれ設けられている。また、2つの第3バーブ161は対向して設置される。接続時には、2つの第3弾性係合爪16が2つの係合ブロック61における対向する外側に位置し、且つ、2つの第3弾性係合爪の第3バーブ161がそれぞれ2つの係合ブロック61の上端に掛けられる。
【0044】
本発明の発泡噴射装置は、応用に際し、発泡溶液供給装置と組み合わせて使用されるとともに、スマート便器に応用される。また、発泡の原理は次の通りである。
【0045】
発泡溶液は、水柱形式で自吸ジョイント1の給液経路14から進入し、加速孔13を経由して加速、加圧されたあと、第1室11に進入してベンチュリ効果を形成する。すると、第1室11に負圧が形成されて外気が吸気口12から吸い込まれることで、空気と発泡溶液が第1室11内で混合され、1回目の発泡を発生させる。そして、発泡溶液は、引き続き前方に押し出される過程で第2室7に進入し、2つのメッシュシート4に相次いで衝突することで、2回目の発泡及び3回目の発泡を発生させる。発泡が完了すると、
図5に示すように、泡は、後端の発泡溶液によって押し込まれ、最終的に、導泡噴射ヘッド3の泡噴射口321を通じて排出される。
【0046】
本発明の発泡噴射装置は、自吸方式で空気を吸い込み、発泡部材との衝突を組み合わせることで更に発泡して大量の泡を発生させる。また、発泡過程全般にわたり発泡石やエアポンプを使用する必要がないため、構造が非常にシンプルとなる。且つ、体積が小さく、装着しやすく、低コストであり、発泡効率が高い。
【0047】
図6及び
図7を参照する。本発明の発泡装置は、発泡溶液供給装置8及び上記の本発明で記載した発泡噴射装置を含む。前記発泡噴射装置は、前記発泡溶液供給装置8から発泡溶液を供給される。具体的に、前記発泡溶液供給装置8は、ウォータータンク81、貯液ケース84、混合弁83及びポンプ体82を含む。混合弁83の給水口はウォータータンク81に接続されており、混合弁83の給液経路は貯液ケース84に接続されている。また、混合弁83の混合液出口はポンプ体82の送入端に接続されており、ポンプ体82の送出端は前記発泡噴射装置の給液経路14に接続されている。動作時には、ポンプ体82が起動し、混合弁83内の空気が引き出されて負圧が発生するとともに、混合弁83の給水口及び給液経路を通じて水及び発泡液(前記発泡液は、発泡原液又は希釈された発泡原液である)がそれぞれ吸い込まれる。水と発泡液は混合弁83内で十分に混合されて発泡溶液を形成する。前記発泡溶液は、混合弁83の混合液出口からポンプ体82に進入し、ダクトを通じて前記発泡噴射装置の給液経路14に送出されると、加速孔13を経由して加速、加圧されたあと、第1室11に進入してベンチュリ効果を形成する。すると、第1室11に負圧が形成されて外気が吸気口12から吸い込まれることで、空気と発泡溶液が第1室11内で混合され、1回目の発泡を発生させる。そして、発泡溶液は、引き続き前方に押し出される過程で2つのメッシュシート4に相次いで衝突することで、2回目の発泡及び3回目の発泡を発生させる。発泡が完了すると、泡は後端の発泡溶液によって押し込まれ、最終的に、導泡噴射ヘッド3の泡噴射口321を通じて排出される。
【0048】
前記発泡溶液供給装置は、以下の構造を採用してもよい。即ち、前記発泡溶液供給装置は、貯液ケース、ウォータータンク、混合弁及び2つのポンプ体を含む。そのうち、一方のポンプ体の送入端はウォータータンクに接続され、一方のポンプ体の送出端は混合弁の給水口に接続される。また、他方のポンプ体の送入端は貯液ケースに接続され、他方のポンプ体の送出端は混合弁の給液経路に接続される。また、混合弁の混合液出口は、前記発泡噴射装置の給液経路に接続される。動作時には、貯液ケース内の発泡液について、まず一方のポンプ体を動作させるよう制御して、発泡液を混合弁に送入してから、他方のポンプ体を起動して水を混合弁に送入し、発泡液と混合することで発泡溶液を形成する。他方のポンプ体は、水を混合弁に引き込んだあと、a.定量的又は定時的な送入後に水の引き込みを停止する、b.水を混合弁内に引き込み続ける、という2つの動作を実行可能である。そして、送入した水が混合弁内の発泡溶液を送出する動力を付与可能になると、発泡溶液が発泡噴射装置に押し出される。
【0049】
本発明における発泡装置は、スマート便器に応用可能である。装着時には、便座10の後部の上端に設置される支持本体(具体的に、前記支持本体は支持プレート9であるが、これに限らない)に発泡装置を設置する。また、ボウルの水封面に泡を噴射し得るよう、発泡噴射装置における導泡噴射ヘッド3の第2管体32を支持本体に挿通し、便座10のボウル内に伸入させる。
【0050】
図6及び
図7を参照する。本発明の発泡便器はスマート便器であり、便座10と、上記の本発明で記載した発泡装置を含む。具体的に、前記発泡噴射装置は、その装着ベース33を介して、発泡便器における便座10の後部の上端に設置される支持本体(具体的に、前記支持本体は支持プレート9であるが、これに限らない)に装着される。且つ、ボウルの水封面に泡を噴射し得るよう、発泡噴射装置における導泡噴射ヘッド3の第2管体32が支持本体に挿通されて便座10のボウル内に伸入する。また、前記発泡溶液供給装置も前記支持本体に設置される。
【0051】
本発明の発泡便器における発泡噴射装置の発泡原理は上述した通りのため、ここでは改めて詳述しない。
【実施例2】
【0052】
図8を参照する。本発明の発泡噴射装置は、前記発泡噴射本体の発泡室20に遮断壁を設置しない点で上記実施例1と異なっている。
【0053】
本実施例でも同様に、前記発泡噴射本体は、自吸ジョイント1、発泡噴射ヘッド2及び導泡噴射ヘッド3を含む。発泡噴射ヘッド2は、自吸ジョイント1及び導泡噴射ヘッド3に接続される。また、自吸ジョイント1、発泡噴射ヘッド2及び導泡噴射ヘッド3が組み合わされて、前記発泡噴射本体の発泡室20を囲繞する。ただし、これに限らず、その他の実施例では、自吸ジョイントと発泡噴射ヘッドが組み合わされて前記発泡噴射本体の発泡室20を囲繞する。前記発泡噴射ヘッド2における対向する両端はそれぞれ開口しており、前記自吸ジョイント1における前記加速孔13と対向する一端も開口している。また、前記泡噴射口321は導泡噴射ヘッド3に設けられる。前記自吸ジョイント1、発泡噴射ヘッド2及び導泡噴射ヘッド3の接続方式は上述した通りのため、ここでは改めて詳述しない。また、その他の実施例において、前記発泡噴射本体は一体的に成型される。
【0054】
本発明の発泡噴射装置は、動作時に、発泡溶液が水柱形式で自吸ジョイント1の給液経路14から進入し、加速孔13を経由して加速、加圧されたあと、発泡室20に進入してベンチュリ効果を形成する。すると、発泡室20に負圧が形成されて外気が吸気口12から吸い込まれることで、空気と発泡溶液が混合され、1回目の発泡を発生させる。そして、発泡溶液は、引き続き前方に押し出される過程で発泡室20に進入し、2つのメッシュシート4に相次いで衝突することで、2回目の発泡及び3回目の発泡を発生させる。発泡が完了すると、
図8に示すように、泡は後端の発泡溶液によって押し込まれ、最終的に、導泡噴射ヘッド3の泡噴射口321を通じて排出される。
【実施例3】
【0055】
図9を参照する。本発明の発泡噴射装置は、上記実施例2と以下の点で異なっている。即ち、前記発泡噴射本体は自吸ジョイント1及び導泡噴射ヘッド3を含み、自吸ジョイント1と導泡噴射ヘッド3が密封状に接続される。また、自吸ジョイント1と導泡噴射ヘッド3が組み合わされて前記発泡噴射本体の発泡室20を囲繞する。且つ、同様に、前記発泡室20にも遮断壁は設置されていない。ただし、これに限らず、その他の実施例では、前記発泡室に実施例1で記載した遮断壁が設けられる。具体的には、自吸ジョイント1における給液経路14と対向する一端が導泡噴射ヘッド3に嵌接されて組み合わされる。且つ、これらをフック接続方式で更に固定してもよい。前記導泡噴射ヘッドの構造は、上記実施例1及び実施例2で記載した導泡噴射ヘッドの構造と同様である。
【0056】
本発明の発泡噴射装置は、動作時に、発泡溶液が水柱形式で自吸ジョイント1の給液経路14から進入し、加速孔13を経由して加速、加圧されたあと、発泡室20に進入してベンチュリ効果を形成する。すると、発泡室20に負圧が形成されて外気が吸気口12から吸い込まれることで、空気と発泡溶液が混合され、1回目の発泡を発生させる。そして、発泡溶液は、引き続き前方に押し出される過程で発泡室20に進入し、2つのメッシュシート4に相次いで衝突することで、2回目の発泡及び3回目の発泡を発生させる。発泡が完了すると、
図9に示すように、泡は、後端の発泡溶液によって押し込まれ、最終的に、導泡噴射ヘッド3の泡噴射口321を通じて排出される。
【0057】
上記の実施例は本発明の発泡噴射装置と発泡装置及び発泡便器について更に説明するためのものにすぎず、本発明は実施例に限定されない。本発明の技術的本質に従って上記の実施例に対し行われる何らかの簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明における技術方案の保護範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、発泡噴射装置と発泡装置及び発泡便器を開示する。前記発泡噴射装置は発泡噴射本体を含む。前記発泡噴射本体には、発泡室、及び発泡室と連通する吸気口、加速孔及び泡噴射口が設けられている。発泡溶液は、加速孔を経由して加速され、発泡噴射本体の発泡室に進入することで、発泡噴射本体の発泡室に負圧を発生させる。そして、吸気口から空気が吸い込まれ、空気と発泡溶液が混合されることで泡が発生する。本発明の発泡噴射装置は、ベンチュリ効果により負圧を発生させて自動的に空気を吸い込み、気液混合により泡を発生させる。従って、本発明の構造はシンプルであり、体積が小さく、装着しやすく、低コストであり、発泡効率が高いため、産業上の利用可能性を有する。