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特許7572457アクティブ領域内に発光ダイオード及びドライバ集積回路を有するバックライトを備えた電子デバイスディスプレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】アクティブ領域内に発光ダイオード及びドライバ集積回路を有するバックライトを備えた電子デバイスディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/133 20060101AFI20241016BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241016BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241016BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20241016BHJP
【FI】
G02F1/133 535
G09F9/00 336F
G02F1/13357
F21S2/00 482
F21S2/00 498
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022570163
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 US2021026201
(87)【国際公開番号】W WO2021236243
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】17/203,336
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/203,311
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/203,340
(32)【優先日】2021-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/029,082
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/029,048
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/029,069
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】ラム デイヴィッド ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】チェン ジンドン
(72)【発明者】
【氏名】グー ミンシャー
(72)【発明者】
【氏名】チィ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム キョンウク
(72)【発明者】
【氏名】パク グァンスン
(72)【発明者】
【氏名】リ ヤンミン
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/038080(WO,A1)
【文献】米国特許第10199362(US,B1)
【文献】特開2007-294385(JP,A)
【文献】国際公開第2011/024496(WO,A1)
【文献】特開2019-102297(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101303480(CN,A)
【文献】特開2009-158125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133
G09F 9/00
G02F 1/13357
F21S 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
複数の画素と、
前記複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトと、を備え、前記バックライトはアクティブ領域を有するとともに、
対向する第1及び第2の表面を有する基板と、
前記アクティブ領域内の前記基板の前記第1の表面上に取り付けられた発光ダイオードのアレイであって、前記複数の画素によってオーバーラップされる発光ダイオードのアレイと、
前記アクティブ領域内の前記基板の前記第1の表面上に実装された複数のドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路は、前記発光ダイオードのアレイの個別のサブセットの輝度を制御する、複数のドライバ集積回路と、
前記基板の前記第1の表面に取り付けられた導電層と、
前記導電層の露出した部分に結合されたヒートシンク構造と、を含む、電子デバイス。
【請求項2】
前記基板はガラス基板であり、前記導電層は熱伝導性を有し、
前記バックライトは、複数の反射層であって、各反射層は、個別のドライバ集積回路の最上面に形成される、複数の反射層を更に含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記複数のドライバ集積回路は、1つ以上の相互接続された連鎖に配置され、各相互接続された連鎖内で、各ドライバ集積回路からの出力は、後続のドライバ集積回路への入力として提供される、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項4】
各ドライバ集積回路は複数の入出力コンタクトを有し、前記複数の入出力コンタクトの各々は前記基板の前記第1の表面上の回路層にはんだ付けされ、前記発光ダイオードの各々は、前記基板の前記第1の表面上の前記回路層にはんだ付けされているそれぞれの入出力コンタクトを有する、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項5】
各ドライバ集積回路は複数の入出力コンタクトを有し、各ドライバ集積回路のための前記複数の入出力コンタクトは、
デジタルアドレス情報を受信するように構成されている第1の入出力コンタクトと、
デジタル発光ダイオード輝度情報を受信するように構成されている第2の入出力コンタクトと、
後続のドライバ集積回路のためのデジタル出力アドレス情報を提供するように構成されており、前記ドライバ集積回路のための前記発光ダイオードのアレイの前記個別のサブセットに電気的に接続される、第3の入出力コンタクトと、
接地に電気的に接続されている第4の入出力コンタクトと、を含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項6】
各ドライバ集積回路は複数の入出力コンタクトを有し、各ドライバ集積回路のための前記複数の入出力コンタクトは、
双方向データバスに結合されている第1の入出力コンタクトを含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項7】
各ドライバ集積回路は1つの出力ピンを含み、前記ドライバ集積回路のための前記発光ダイオードのアレイの前記個別のサブセット内の前記発光ダイオードは、前記出力ピンと電源ラインとの間に直列に結合されている、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項8】
各ドライバ集積回路は少なくとも2つの出力ピンを含み、前記ドライバ集積回路のための前記発光ダイオードのアレイの前記個別のサブセット内の前記発光ダイオードは、前記少なくとも2つの出力ピンの個別の出力ピンと電源ラインとの間にそれぞれ結合された発光ダイオードの少なくとも第1のグループ及び第2のグループを含み、前記複数の画素は複数の液晶ディスプレイ画素を含む、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項9】
電子デバイスであって、
複数の画素と、
前記複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトと、を備え、前記バックライトは、
ガラス基板上の少なくとも1つの導電層を含むガラス薄膜回路層と、
前記ガラス薄膜回路層の上面上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイであって、それぞれのセルの2次元アレイに配列されている発光ダイオードの2次元アレイと、
前記ガラス薄膜回路層の前記上面上に取り付けられたドライバ集積回路であって、前記発光ダイオードの2次元アレイの間に散在しているドライバ集積回路と、
前記導電層の露出した部分に結合されたヒートシンク構造と、を含み、
前記導電層は、前記発光ダイオードの2次元アレイと、前記ガラス基板との間に配置されている、電子デバイス。
【請求項10】
前記バックライトは、
デジタル信号を前記ドライバ集積回路に提供するように構成された複数のデジタル信号ラインを含む、請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記バックライトは、電源ラインを更に備え、前記発光ダイオードの2次元アレイは、複数の発光ダイオードグループに配置され、各発光ダイオードグループは、個別のドライバ集積回路と前記電源ラインとの間に結合されている、請求項9に記載の電子デバイス。
【請求項12】
電子デバイスであって、
基板と、
前記基板の上面上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイと、
前記基板の前記上面上に取り付けられたドライバ集積回路であって、前記ドライバ集積回路は、前記発光ダイオードの2次元アレイによって画定されるフットプリント内に配置されており、各ドライバ集積回路は、前記発光ダイオードの2次元アレイのうちの少なくとも1つの発光ダイオードを制御し、前記ドライバ集積回路は、複数のデイジーチェーン接続されたグループに配置されている、ドライバ集積回路と、
前記基板の前記上面に取り付けられた導電層と、
前記導電層の露出した部分に結合されたヒートシンク構造と、を備える、電子デバイス。
【請求項13】
前記基板はガラス基板である、請求項12に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は概して、ディスプレイを有する電子デバイスに関し、より具体的には、バックライトを有するディスプレイに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願第17/203,311号(2021年3月16日出願)、米国特許出願第17/203,336号(2021年3月16日出願)、米国特許出願第17/203,340号(2021年3月16日出願)、米国仮特許出願第63/029,048号(2020年5月22日出願)、米国仮特許出願第63/029,069号(2020年5月22出願)、及び米国仮特許出願第63/029,082号(2020年5月22日出願)の優先権を主張するものであり、それらの出願内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ及び携帯電話などの電子デバイスはディスプレイを有する。有機発光ダイオードディスプレイなどの一部のディスプレイは、光を生成する画素のアレイを有する。この形式のディスプレイでは、画素自体が光を生成するのでバックライト照明は不要である。他のディスプレイは、ユーザ向けに情報を表示するためにディスプレイを介して透過される光の量を変えることができる受動型画素を持つ。受動型画素は、それ自体光を生成しないので、受動型画素を有するディスプレイにバックライトを提供することが望ましいことが多い。受動型画素は、2つの電極層と2つの偏光子層との間に形成された液晶材料の層から形成され得る。
【0004】
ディスプレイの代表的なバックライトアセンブリでは、エッジライト型導光板は、発光ダイオード光源などの光源により生成されたバックライトを分配させるために使用される。反射体が、バックライト効率を向上させるために導光板の下で形成される場合がある。
【0005】
従来のバックライトアセンブリは、目に見えるアーチファクトを引き起こす場合があり、堅牢でない場合があり、電子デバイス内で望ましくないほど大量の空間を占有する場合がある。
【0006】
したがって、改善されたバックライトを有するディスプレイを提供できることが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
ディスプレイは、観察者に画像を表示するための画素のアレイを有することができる。画素のアレイは、カラーフィルタ層、液晶層、薄膜トランジスタ層、上部偏光子層、及び下部偏光子層などの表示層から形成される液晶画素であってもよい。
【0008】
この画素アレイは、バックライトユニットからのバックライト照明で照らされてもよい。バックライトユニットは、発光ダイオードのアレイを含むことができ、各発光ダイオードは個別のセル内に配置される。各発光ダイオードの輝度は、ディスプレイの視認を最適化するために、各表示フレームにおいて変更され得る。異なる発光ダイオードは、所与の表示フレームの内容に基づいて固有の輝度の大きさを有し得る。
【0009】
バックライトの発光ダイオードを制御するために、ドライバ集積回路を使用することができる。各ドライバ集積回路は、1つ以上の関連付けられた発光ダイオードを制御して、所望の輝度レベルを有するようにさせてもよい。ドライバ集積回路は、バックライトのアクティブ領域に形成されてもよい。例えば、発光ダイオードは、ガラス基板の上面に取り付けられてもよい。ドライバ集積回路は、ガラス基板の上面に取り付けられてもよい。ドライバ集積回路は、発光ダイオードの間に散在させることができる。
【0010】
ドライバ集積回路は、互いにデイジーチェーン接続されるグループに配置されてもよい。デジタル信号(アドレス指定情報などの情報を含む)は、ドライバ集積回路のグループを通して伝搬され得る。各ドライバ集積回路は、最小限の複雑性のために少数の入出力コンタクト(ピン)を有し得る。ドライバ集積回路は、例として、4つのピン、6つのピン、又は9つのピンを有し得る。
【0011】
バックライトの熱性能を管理するために、バックライトは、発光ダイオード用のガラス基板の下面に取り付けられた熱伝導層を含むことができる。ガラス基板はまた、追加の熱分散のためにヒートシンクに結合される露出した導電層を有してもよい。温度センサ及び/又は光センサなどのセンサが、ガラス基板の上面に形成されてもよい。センサは、タイミングコントローラなどのコントローラにリアルタイム測定値を提供することができる。タイミングコントローラは、次に、センサ情報に少なくとも部分的に基づいてバックライト内の発光ダイオードの動作を制御することができる。
【0012】
バックライトの効率を高めるために、ガラス基板は、白色拡散ガラスから形成されてもよい。また、ガラス基板の上面に反射層を形成してもよい。また、ガラス基板の下面に反射層を形成してもよい。ドライバ集積回路が存在するディスプレイのアクティブ領域に影が現れるのを防ぐために、ドライバ集積回路の上面に反射層が形成されてもよい。発光ダイオードは、周期性を低減し、ムラを防止するために、非正方形グリッドレイアウトで配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る、ディスプレイを有する例示的な電子デバイスの概略図である。
図2】一実施形態に係る、例示的なディスプレイの上面図である。
図3】一実施形態に係る、バックライト及び画素アレイを有する電子デバイスにおける例示的なディスプレイの側断面図である。
図4】一実施形態に係る、それぞれのセルに配置された発光ダイオードを有する例示的なバックライトの上面図である。
図5】一実施形態に係る、ディスプレイの異なる部分がどのように異なる目標輝度レベルを有し得るかを示す例示的なディスプレイの上面図である。
図6】一実施形態に係る、ディスプレイの非アクティブ領域において、基板の上面上の発光ダイオード(LED)と、基板の上面上のLEDドライバ集積回路(IC)とを有する例示的なバックライトの側断面図である。
図7】一実施形態に係る、ディスプレイのアクティブ領域において、基板の上面上の発光ダイオード(LED)と、基板の下面上のLEDドライバ集積回路(IC)とを有する例示的なバックライトの側断面図である。
図8】一実施形態に係る、ディスプレイのアクティブ領域において、基板の上面上の発光ダイオード(LED)と、基板の上面上のLEDドライバ集積回路(IC)とを有する例示的なバックライトの側断面図である。
図9】一実施形態に係る、ディスプレイのアクティブ領域全体に分散したドライバICを含む例示的なLEDアレイの上面図である。
図10】一実施形態に係る、アクティブ領域内のLEDドライバICに信号を直接提供するタイミングコントローラを有する例示的なディスプレイの概略図である。
図11】一実施形態に係る、アクティブ領域内のLEDドライバICに信号を直接供給するバックライトコントローラに信号を供給するタイミングコントローラを備えた例示的なディスプレイの概略図である。
図12】一実施形態に係る、6つのピンを有するドライバICを備えた例示的なLEDアレイの概略図である。
図13】一実施形態に係る、異なるLEDゾーンを独立して制御するための9つのピンを有する例示的なドライバICの概略図である。
図14】一実施形態に係る、ガラス基板にはんだ付けされたLED及びドライバICの両方を有する例示的なLEDアレイの側断面図である。
図15】一実施形態に係る、ガラス基板上の導電層がどのように露出され、ヒートシンクに接続され得るかを示す例示的なバックライトの上面図である。
図16】実施形態に係る、図15の例示的なバックライトの側断面図である。
図17】一実施形態に係る、温度及び光センサがバックライトのアクティブ領域にわたってどのように分散され得るかを示す、例示的バックライトの上面図である。
図18】一実施形態に係る、反射層がガラスLED基板の下面にどのように取り付けられ得るかを示す例示的なバックライトの側断面図である。
図19】一実施形態に係る、反射層及び別個の熱伝導層がガラスLED基板の下面にどのように取り付けられ得るかを示す例示的なバックライトの側断面図である。
図20】一実施形態に係る、反射性かつ熱伝導層がガラスLED基板の下面にどのように取り付けられ得るかを示す例示的なバックライトの側断面図である。
図21】一実施形態に係る、基板が白色拡散ガラスからどのように形成され得るかを示す例示的なバックライトの側断面図である。
図22】一実施形態に係る、LEDドライバICの上面上に反射層がどのように形成され得るかを示す例示的なバックライトの側断面図である。
図23】一実施形態に係る、LEDがどのようにジグザグパターンで配置され得るかを示す例示的なLEDアレイの上面図である。
図24】一実施形態に係る、LEDが、増加したゾーン間間隔を伴うジグザグパターンにおいてどのように配置され得るかを示す、例示的LEDアレイの上面図である。
図25】一実施形態に係る、バックライト内のLEDグループの例示的な発光プロファイルのグラフである。
図26】一実施形態に係る、所望の発光プロファイルを達成するために、中心LEDが周囲の周辺LEDよりも高い電流でどのように駆動され得るかを示す例示的なLEDアレイの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ディスプレイを備え得るタイプの例示的な電子デバイスを、図1に示す。電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話機、メディアプレーヤ、又は他のハンドヘルド型若しくはポータブル型の電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイス、眼鏡若しくはユーザの頭部上に装着される他の機器内に組み込まれたデバイス、又は他のウェアラブル若しくは小型のデバイスなどのより小さいデバイス、ディスプレイ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータディスプレイ、組み込み型コンピュータを含まないコンピュータディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを有する電子機器がキオスク若しくは自動車内に装着されているシステムなどの組み込み型システム、あるいは他の電子機器であることができる。電子デバイス10は、一対の眼鏡(例えば、支持フレーム)の形状を有してもよく、ヘルメット形状を有する筐体を形成してもよく、又はユーザの頭部上若しくは目の近くに1つ以上のディスプレイの構成要素を装着及び固定するのに役立つ他の構成を有してもよい。
【0015】
図1に示すように、電子デバイス10は、デバイス10の動作をサポートするための制御回路16を含むことができる。制御回路16は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するように構成されている他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含む場合がある。制御回路16内の処理回路は、デバイス10の動作を制御するために使用される場合がある。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
【0016】
入出力デバイス12などのデバイス10内の入出力回路系を使用して、データをデバイス10へ供給することを可能にしてもよく、データをデバイス10から外部デバイスへ提供することを可能にしてもよい。入出力デバイス12は、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、音源、振動器、カメラ、センサ、発光ダイオード、及び他の状態インジケータ、データポートなどを含むことができる。ユーザは、入出力デバイス12の入力リソースを介してコマンドを供給することによって、デバイス10の動作を制御することができ、入出力デバイス12の出力リソースを使用して、デバイス10から状態情報及び他の出力を受信することができる。
【0017】
入出力デバイス12は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含み得る。ディスプレイ14は、ユーザからのタッチ入力を収集するためのタッチセンサを含むタッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はディスプレイ14は、タッチ感応性でなくてもよい。ディスプレイ14のためのタッチセンサは、静電容量式タッチセンサ電極のアレイ、音響タッチセンサ構造体、抵抗性タッチ構成要素、力ベースのタッチセンサ構造体、光ベースのタッチセンサ、又は他の好適なタッチセンサ装置に基づいてもよい。ディスプレイ14用のタッチセンサは、ディスプレイ14の表示画素を有する共通ディスプレイ基板上に形成された電極から形成されてもよく、又はディスプレイ14の画素に重なる別個のタッチセンサパネルから形成されてもよい。所望であれば、ディスプレイ14は、タッチセンシティブでなくてもよい(すなわち、タッチセンサが省略されてもよい)。電子デバイス10内のディスプレイ14は、ユーザが典型的な視点から目線を逸らす必要なくビューイングできるヘッドアップディスプレイであってもよく、又はユーザの頭部上に装着されるデバイスに組み込まれたヘッドマウントディスプレイであってもよい。所望であれば、ディスプレイ14は、ホログラムを表示するために使用されるホログラフィックディスプレイであってもよい。
【0018】
制御回路系16は、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアをデバイス10上で実行するために使用されてもよい。デバイス10の動作中、制御回路16上で実行中のソフトウェアは、ディスプレイ14上に画像を表示することができる。
【0019】
入出力デバイス12はまた、力センサ(例えば、歪みゲージ、容量性力センサ、抵抗力センサなど)、マイクロフォンなどのオーディオセンサ、容量性センサなどのタッチセンサ及び/又は近接センサ(例えば、ディスプレイに関連付けられた二次元容量性タッチセンサ、及び/又はボタン、トラックパッド、若しくはディスプレイに関連付けられていない他の入力デバイスを形成するタッチセンサ)、並びに他のセンサなどの、1つ以上のセンサ13を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ13は、光を放射して検出する光センサなどの光センサ(例えば、半反射型光近接構造などの光近接センサ)、超音波センサ、並びに/又は他のタッチ及び/若しくは近接センサ、単色及び色周辺光センサ、画像センサ、指紋センサ、温度センサ、三次元非接触ジェスチャ(「エアジェスチャ」)を測定するための近接センサ及び他のセンサ、圧力センサ、位置、向き、及び/又は動きを検出するためのセンサ(例えば、加速度計、コンパスセンサなどの磁気センサ、ジャイロスコープ、及び/又はこれらのセンサの一部若しくは全てを含む慣性測定ユニット)、健康センサ、高周波センサ、深度センサ(例えば、ステレオ撮像装置に基づく構造化光センサ及び/又は深度センサ)、飛行時間測定値を収集する、自己混合センサ並びに光検出及び測距(ライダー)センサなどの光センサ、湿度センサ、水分センサ、視線追跡センサ、及び/又は他のセンサを含むことができる。いくつかの構成では、デバイス10は、ユーザ入力を収集するためにセンサ13及び/又は他の入出力デバイスを使用することができる(例えば、ボタン押圧入力を収集するためにボタンを使用することができ、ユーザタッチスクリーン入力を収集するためにディスプレイに重なるタッチセンサを使用することができ、タッチ入力を収集するためにタッチパッドを使用することができ、オーディオ入力を収集するためにマイクロフォンを使用することができ、指が入力面に接触するときの監視に加速度計を使用することができ、ひいては、指押圧入力を収集するために使用することができる)。
【0020】
ディスプレイ14は、液晶ディスプレイであってもよいし、他のタイプのディスプレイ技術(例えば、有機発光ダイオードディスプレイ)に基づくディスプレイであってもよい。本明細書では、ディスプレイ14が液晶ディスプレイであるデバイス構成が、しばしば例として説明される。しかしながら、これは、単に例示に過ぎない。所望であれば、任意の好適なタイプのディスプレイが使用され得る。一般に、ディスプレイ14は、矩形形状を有してもよく(すなわち、ディスプレイ14は矩形の専有面積、及び矩形の専有面積の周りに延びる矩形の周辺縁部を有してもよく)、又は他の好適な形状を有してもよい。ディスプレイ14は平らであってもよく、又は曲線状の輪郭を有してもよい。
【0021】
図2は、ディスプレイ14がどのように画素22のアレイを有し得るかを示すディスプレイ14の一部の上面図である。画素22は、赤色フィルタ要素R、緑色フィルタ要素G、及び青色フィルタ要素Bなどの異なる色のカラーフィルタ要素を有してもよい。画素22は、行及び列に配列されてもよく、ディスプレイ14のアクティブ領域AAを形成してもよい。画素22は、一例として、液晶ディスプレイ層から形成されてもよい。図2のディスプレイ14及びアクティブ領域AAの矩形形状は、単なる例示である。必要に応じて、アクティブ領域AAは、非矩形形状(例えば、1つ以上の曲線部分を有する形状)を有してもよい。例えば、アクティブ領域は、一例では丸みを帯びた角を有してもよい。
【0022】
ディスプレイ14の側断面図を図3に示す。図3に示すように、ディスプレイ14は、画素アレイ24などの画素アレイを含むことができる。画素アレイ24は、図2の画素22などの画素のアレイ(例えば、画素の行と列を有する画素のアレイ)を含んでもよい。画素アレイ24は、液晶ディスプレイモジュール(液晶ディスプレイ又は液晶層と呼ばれることもある)又は他の好適な画素アレイ構造体から形成されてもよい。
【0023】
ディスプレイ14の動作中に、画素アレイ24上に画像を表示することができる。バックライトユニット42(バックライト、バックライト層、バックライト構造体、バックライトモジュール、バックライトシステムなどと呼ばれることもある)を使用して、画素アレイ24を通過するバックライト照明44を生成してもよい。この照明は、ディスプレイ14を方向21で見る観察者20などの観察者による観察のために、画素アレイ24上の任意の画像を照らす。
【0024】
バックライトユニット42は、光学フィルム26、光拡散体(光拡散体層)などの光拡散体34及び発光ダイオード(LED)アレイ36を有してもよい。発光ダイオードアレイ36は、バックライト照明44を生成する発光ダイオード38などの光源の2次元アレイを含んでもよい。発光ダイオード38は、一例として、行と列に配置されてもよく、図3のX-Y平面内にあってもよい。
【0025】
各発光ダイオード38によって生成された光は、次元Zに沿って、光拡散体34及び光学フィルム26を通って上方向に移動し、次に画素アレイ24を通過する。光拡散体34は、発光ダイオードアレイ36からの光を拡散させ、それによって、均一なバックライト照明44を提供するのに役立つ光散乱構造体を含んでもよい。光学フィルム26は、二色性フィルタ32蛍光体層30及びフィルム28などのフィルムを含んでもよい。フィルム28は、光44をコリメートするのに役立ち、それによって、ユーザ20のためにディスプレイ14のブライトネスを向上させるブライトネス向上フィルム、及び/又は他の光学フィルム(例えば、補償フィルムなど)を含んでもよい。
【0026】
発光ダイオード38は、任意の好適な色の光を放射することができる。例示的な一構成では、発光ダイオード38は青色光を放射する。ダイクロイックフィルタ層32は、発光ダイオード38からの青色光を通過させる一方で、他の色の光を反射するように構成することができる。蛍光体層30(例えば、白色蛍光材料の層、又は青色光を白色光に変換する他の光輝性材料の層)によって、発光ダイオード38からの青色光を白色光に変換することができる。所望であれば、他のフォトルミネセンス材料を使用して、青色光を異なる色の光(例えば、赤色光、緑色光、白色光など)に変換してもよい。例えば、1つの層30(光ルミネセンス層又は色変換層と呼ばれる場合もある)が、青色光を赤色と緑色の光に変換する量子ドットを含んでもよい(例えば、赤色、緑色、及び青色の成分などを含む白色バックライト照明を生成するためなど)。発光ダイオード38が白色光を放射する構成を使用することもできる(例えば、所望であれば層30を省略してもよいように)。
【0027】
層30内の燐光材料によって生成された白色光などの白色光を層30が放出する構成では、層30から下向き(-Z)方向に放出された白色光を、ダイクロイックフィルタ層32によって、バックライト照明として画素アレイ24で反射させることができる(すなわち、層32は、バックライトをアレイ36から外向きに反射させるのに役立ち得る)。層30が、例えば、赤色及び緑色の量子ドットを含む構成では、ダイクロイックフィルタ32は、赤色及び緑色の量子ドットから赤色及び緑色の光をそれぞれ反射して、バックライトをアレイ36から外向きに反射させるのを助けるように構成することができる。バックライト42の光輝性材料(例えば、層30の材料)を拡散体層34の上に配置することにより、発光ダイオード38は、アレイ36の発光ダイオードセル(タイル)の縁部に向かって、これらのセルの中央よりも多くの光を放出するように構成することができ、それによって、バックライト照明の均一性を向上させるのに役立つ。
【0028】
画素アレイ24が液晶ディスプレイを形成するのに用いられる構成において、画素アレイ24は、液晶層52などの液晶層を含んでもよい。液晶層52をディスプレイ層58及び56などのディスプレイ層の間に挟むことができる。層56及び58は下部偏光子層60と上部偏光子層54の間に挟入されてもよい。所望であれば、他のタイプの液晶ディスプレイ構造体を使用して画素アレイ24を形成してもよい。
【0029】
層56及び58はガラス又はプラスチックのクリア層などの透明基板層から形成されてよい。層56及び58は、薄膜トランジスタ層及び/又はカラーフィルタ層などの層であってもよい。(例えば、薄膜トランジスタ層及び/又はカラーフィルタ層を形成するために)導電性トレース、カラーフィルタ素子、トランジスタ並びにその他の回路及び構造体は層58及び56の基板上に形成してよい。タッチセンサ電極は、また、層58及び56などの層の中に組み込まれてもよく、及び/又はタッチセンサ電極はその他の基板上に形成してよい。
【0030】
1つの例示的な構成では、層58は、薄膜トランジスタに基づく画素回路のアレイと、液晶層52に電界を印加してディスプレイ14上に画像を表示するための関連する電極(画素電極)とを備える薄膜トランジスタ層であってもよい。層56は、カラー画像を表示する能力を有するディスプレイ14を提供するためのカラーフィルタ素子のアレイを含むカラーフィルタ層であってもよい。所望する場合、層58はカラーフィルタ層であってもよく、層56は薄膜トランジスタ層であってもよい。共通基板層上でカラーフィルタ素子が薄膜トランジスタ構造と組み合わされる構成もまた、用いることができる。
【0031】
デバイス10内のディスプレイ14の動作中に、制御回路(例えば、プリント回路上の1つ以上の集積回路)を使用して、ディスプレイ14上に表示される情報(例えば、表示データ)を生成してもよい。表示される情報は、(一例として)プリント回路64などのリジッド又はフレキシブルプリント回路内の導電性金属トレースから形成される信号経路などの信号経路を用いて、回路62A又は62Bなどのディスプレイドライバ集積回路に伝達されてもよい。集積回路62Aなどの集積回路及び/又はフレキシブルプリント回路64などのフレキシブルプリント回路は、(一例として)レッジ領域66において基板58に取り付けられてもよい。
【0032】
図4は、バックライト42用の例示的な発光ダイオードアレイの上面図である。図4に示すように、発光ダイオードアレイ36は、発光ダイオード38の行と列を含んでもよい。各発光ダイオード38は、それぞれのセル(タイル領域)38Cと関連付けられていてもよい。セル38Cの縁部の長さDは、2mm、18mm、1~10mm、1~4mm、10~30mm、5mm超、10mm超、15mm超、20mm超、25mm未満、20mm未満、15mm未満、10mm未満、又は他の好適なサイズであってもよい。所望であれば、六角形状にタイル貼りされたアレイ及び、他の好適なアレイパターンで構成される発光ダイオード38を有するアレイが使用されてもよい。矩形セルを有するアレイでは、各セルが等しい長さの辺を有してもよく(例えば、各セルは、4つの等しい長さのセル縁部がそれぞれの発光ダイオードを取り囲む、正方形の外形線を有してもよい)、又は各セルが異なる長さの側部を有してもよい(例えば、正方形ではない矩形形状)。発光ダイオードアレイ36がセル38Cなどの正方形の発光ダイオード領域の行と列(例えば、例えば、セル38Cの2次元アレイ)を有する図4の構成は、単なる例示である。
【0033】
場合によっては、各セル38Cは、単一の発光ダイオードを含んでもよい。あるいは、各セル38Cは、発光ダイオードダイのアレイ(例えば、各セル38Cに2×2グループの発光ダイオード又は3×3グループの発光ダイオードなどのアレイで配置された複数の個別の発光ダイオード38)から形成された光源を有してもよい。光源38’内のダイオード38は、共通の基板上に取り付けられていてもよく、アレイ36にわたって延在するプリント回路基板上に取り付けられてもよく、アレイ36にわたって延在するガラス基板上に取り付けられてもよく、又は他の所望の配置を使用してアレイ36内に取り付けられてもよい。一般に、各セル38Cは、単一の発光ダイオード、一対の発光ダイオード、2~20個の発光ダイオード、少なくとも2個の発光ダイオード、少なくとも4個の発光ダイオード、少なくとも8個の発光ダイオード、5個未満の発光ダイオード、4~12個の発光ダイオード、8~12個の発光ダイオード、8~10個の発光ダイオード、9個の発光ダイオード、又は他の所望の数の発光ダイオードを含むことができる。
【0034】
発光ダイオード38は、デバイス10内の制御回路によって一斉に制御されてもよく、又は個別に制御されてもよい。発光ダイオードを個別に制御することは、電子デバイスが、画素アレイ24上に表示される画像のダイナミックレンジを改善するのに役立ち、バックライトの電力消費を潜在的に低減するローカルディミング方式を実装することを可能にし得る。ディスプレイのダイナミックレンジは、ディスプレイが放射することができる最も高い強度の光(例えば、最も明るい光)と、ディスプレイが放射することができる最も低い強度の光(例えば、最も暗い光)との間の比と考えられ得る。
【0035】
バックライトユニット42内の発光ダイオードの全てが一斉に制御される場合、ディスプレイのダイナミックレンジが制限されることがある。図5に示される例を考える。図5では、オブジェクト72-1及び72-2などのオブジェクトがディスプレイ14(スクリーン14と呼ばれることもある)上に表示されている。この例では、オブジェクト72-1は、高輝度レベルを有し得る。オブジェクト72-2は、中輝度レベルを有してもよい。ディスプレイの背景は、低輝度レベルを有し得る。図5のディスプレイ14にバックライトを提供する発光ダイオードが一斉に制御される場合、発光ダイオードの全ては、オブジェクト72-1に対して最適化された輝度に設定され得る。このシナリオでは、オブジェクト72-1は、その意図された輝度で表示され得る。しかしながら、ディスプレイの背景もまた、オブジェクト72-1に対して最適化された高輝度を有するバックライトを受けている。したがって、ディスプレイの背景は、画素を通る光漏れなどのディスプレイ制限又は他の制限に起因して所望よりも明るく見えることがあり、ディスプレイのダイナミックレンジは所望よりも低い。あるいは、全ての発光ダイオードが、ディスプレイの背景に対して最適化された輝度に設定されてもよい。このシナリオでは、背景は、その意図された輝度で表示され得る。しかしながら、オブジェクト72-1は、背景に対して最適化された低輝度を有するバックライトも受けている。したがって、オブジェクト72-1は所望よりも暗く見え、ディスプレイのダイナミックレンジは所望よりも低くなる。更に別の実施形態では、全ての発光ダイオードの輝度は、オブジェクト72-2に対して最適化された輝度に設定されてもよい。このシナリオでは、オブジェクト72-1は所望のものより暗く見え、背景は所望のものより明るく見える。
【0036】
加えて、バックライトユニット42内の発光ダイオードの全てを一斉に制御することは、電力消費制限を導入し得る。バックライトユニットの最大許容電力消費は、全ての発光ダイオードがピーク輝度レベルで動作することを防止し得る。例えば、発光ダイオードの全てが、電力消費要件を満たしながら、明るいオブジェクト72-1に対して所望の輝度で光を放射することができない場合がある。
【0037】
要約すると、バックライト輝度がディスプレイ全体にわたって同じであるようにバックライト内の発光ダイオードの全てを一斉に動作させることは、表示される画像の美観におけるトレードオフを強いる。ディスプレイの一部は、所望よりも暗いか又は所望よりも明るい場合があり、ディスプレイのダイナミックレンジは所望よりも低くなる。
【0038】
ディスプレイのダイナミックレンジを増大させるために(及び電力消費要件を超えることなくピーク輝度レベルを可能にするために)、バックライトユニット42内の発光ダイオードを個別に制御することができる。例えば、ディスプレイの領域14-1内の発光ダイオードは、オブジェクト72-1の高輝度に対して最適化された高輝度を有してもよく、ディスプレイの領域14-2内の発光ダイオードは、オブジェクト72-2の中輝度に対して最適化された輝度を有してもよく、ディスプレイの領域14-3内の発光ダイオードは、ディスプレイの背景の低輝度に対して最適化された低輝度を有してもよい。一例では、領域14-1内の発光ダイオードは最大輝度で動作してもよく、一方、背景領域14-3内の発光ダイオードはオフにされてもよい(例えば、最小輝度で動作する)。このようにディスプレイ全体にわたって発光ダイオードの輝度を変化させることは、ディスプレイのダイナミックレンジを増大させる。
【0039】
したがって、バックライト照明44を生成するために発光ダイオード38などの独立して制御可能な光源の2次元アレイを有することにより、ディスプレイのダイナミックレンジを増大させることができる。発光ダイオードの2次元アレイを有するバックライトは、2次元バックライトと呼ばれることもある。これらのタイプのバックライトは、直接照射型バックライトと呼ばれることもある。直接照射型バックライトは、エッジライト型導光板を有するバックライト(光が画素アレイの平面に平行に放射され、導光板によって画素アレイに向かって垂直に方向転換される)とは対照的に、画素アレイに向かって垂直に光を放射する。
【0040】
バックライト42内の発光ダイオードを制御するために、駆動回路がディスプレイ14に含まれてもよい。LEDのための駆動回路は、集積回路、薄膜トランジスタ回路、及び/又は他の好適な回路から形成され得る。一例では、駆動回路は、リジッドプリント回路基板(例えば、ポリイミドなどの誘電体材料の複数の層及び導電層を有するプリント回路基板)上に薄膜トランジスタ回路として組み込まれてもよい。しかしながら、このような構成に関連するコストは、特に、多数の発光ダイオードを有するバックライトにおいて、高くなり得る。LED駆動回路の代替構成は、ドライバ集積回路(ドライバICと呼ばれることもある)がバックライト42に含まれることである。各ドライバICは、1つ以上の対応する発光ダイオードを制御してもよい。このようにして、発光ダイオードは、バックライト全体にわたって変化する輝度の大きさを有するように制御され得る。ドライバ集積回路はまた、一例ではガラス基板と組み合わせて使用されてもよい。言い換えれば、(例えばポリイミドを用いて形成された)リジッドプリント回路基板上に取り付けられる発光ダイオード及びドライバICは代わりに、発光ダイオード及びドライバICはガラス基板上に取り付けられてもよい。ガラス基板は、必要に応じて構成要素間で信号を転送することを可能にする導電性トレース(例えば、銅トレース)を有することができる。
【0041】
LED及び対応するドライバICを基板上に実装する方法には多くの選択肢がある。図6に示すように、基板84の上面には、LED38が実装されている。図6の構成では、ドライバIC82もまた非アクティブ領域IA内の基板84の上面に実装されている。LED38を有するバックライトの領域は、ディスプレイのアクティブ領域AA(例えば、光を放射するディスプレイの領域)に対応する。バックライト42は、画素アレイと同様に、アクティブ領域及び非アクティブ領域を有するものとして説明することができる。バックライトのアクティブ領域及び画素アレイのアクティブ領域は、同じフットプリントを有してもよい。バックライトの非アクティブ領域及び画素アレイの非アクティブ領域は、同じフットプリントを有してもよく、又は任意選択的に異なるフットプリントを有してもよい。バックライト又は画素アレイのいずれかのアクティブ領域及び非アクティブ領域は、単にディスプレイのアクティブ領域及び非アクティブ領域と呼ばれることもある。
【0042】
図6に示すように、ドライバIC82は、ディスプレイの非アクティブ領域(IA)内の基板の周辺に配置される。ドライバICは、全て基板84の周辺に配置されてもよく、各々が発光ダイオードの対応するグループを制御してもよい。しかしながら、このタイプの構成には多くの制限がある。第1に、一般に、非アクティブ領域のサイズを最小化することが望ましい。非アクティブ領域は、ディスプレイの美観に寄与することなく、電子デバイス内の貴重な空間を占有する。ディスプレイの周辺にドライバICを有することは、望ましくないことに、ディスプレイの発光面積を増加させることなくディスプレイのフットプリントを増加させる。加えて、ディスプレイの非アクティブ領域のみにドライバICを配置することは、バックライト内のLEDの数を増加させることを困難にし得る。バックライトの周辺にドライバICのみを有することによって、各ドライバICは、多数の発光ダイオードを制御しなければならない場合がある(周辺ドライバICは、中央LED及び周辺LEDの両方を制御しなければならないため)。
【0043】
バックライトの代替配置を図7に示す。図示のように、この構成では、発光ダイオード38は基板84の上面に配置され、ドライバIC82は基板84の下面に配置される。このようにドライバICを下面に配置することにより、図6の大きな非アクティブ領域が不要になる。換言すれば、アクティブ領域は実質的に基板84の縁部まで延在してもよい。しかしながら、ドライバICを基板の下面に配置することは、バックライトユニットの全厚86を増加させる。加えて、ドライバIC82が基板84の反対側の発光ダイオードを適切に制御するために、より複雑な導電性ルーティング(例えば、導電性ビアを伴う)が必要とされ得る。
【0044】
図8は、ドライバICがアクティブ領域内の基板84の上面に配置される別の可能な構成の側断面図である。図示されるように、ドライバICは、バックライトのLEDの間に配置されてもよい。この構成では、非アクティブ領域のサイズを最小限に抑えることができる(ドライバICが非アクティブ領域のサイズを増大させないため)。ドライバICが基板84の上面上にあるので、バックライトの厚さ及び複雑さを軽減することができる。更に、ドライバICがアクティブ領域内に配置されるので、各LEDは、対応するドライバICを有することができる。したがって、ドライバICは、低い複雑さ及びサイズを有し得る(各ドライバICが少数のLEDを制御する必要があるだけであるため)。低複雑度のドライバICを使用することは、必要とされる相互接続の数を低減し、バックライトのサイズがより大きなサイズ(すなわち、バックライト内のより多数のLED)にスケーリングされることを可能にする。
【0045】
デジタル信号を使用して、ドライバIC82(LEDドライバIC82又はバックライトドライバIC82と呼ばれることもある)を制御することができる。バックライトのためにデジタル制御線を使用することは、単一基板上のより大きいバックライトを可能にし得、各ドライバICのための総ピン数を減少させ得、バックライト内の相互接続の数を減少させ得、ドライバICによって可能にされる駆動電流の大きさを増加させ得る。
【0046】
前述したように、基板84は、任意選択的に、リジッドプリント回路基板(例えば、ポリイミドなどの誘電体材料から形成された複数の絶縁層を有する)であってもよい。あるいは、LEDアレイの製造コスト及び複雑さを低減するために、基板84(LED基板84と呼ばれることもある)をガラスから形成してもよい。ガラス基板上に導電性トレース(例えば、銅トレース)を堆積させて、ガラス基板に取り付けられた構成要素間の電気的接続を可能にすることができる。
【0047】
図9は、ディスプレイのアクティブ領域全体にわたって分散されたドライバICを有する例示的な発光ダイオードアレイの上面図である。図9に示すように、各ドライバIC82は、対応するLEDグループ102を制御してもよい。各LEDグループ102(LEDゾーン102と呼ばれることもある)は、1つ以上の発光ダイオードを含むことができる。発光ダイオードは、電源ライン106とドライバICとの間に直列に接続されていてもよい。図9の例では、各LEDゾーン102は、電源ライン106とドライバICとの間に直列に接続された9個のLEDを含む。
【0048】
本明細書では、LEDグループ(又はLEDゾーン)という用語は、独立して制御可能なLEDのグループを指すために使用され得る。例えば、別々に制御される第1及び第2の発光ダイオードは、(グループ当たり1つのLEDのみが存在する場合であっても)第1及び第2の固有のLEDグループと呼ばれる。これに対し一緒に制御される9個の発光ダイオードは、単一のLEDグループと呼ばれる。各LEDグループは、そのLEDグループに関連付けられた発光領域を指し得る関連付けられたLEDセルを有する。LEDは、(高度にコリメートされた光とは対照的に)広範囲の角度にわたって光を放射するので、所与のLEDグループに関連付けられた発光領域のフットプリントは、LEDグループ自体のフットプリントよりも大きくなる。各LEDグループは、1つの輝度値を有するように制御されるので、各グループに関連付けられたLEDセルは、関連付けられた単一の輝度値を有し得る。換言すれば、輝度は、理想的には、LEDセルにわたって均一であり得る。実際には、LEDセルにわたっていくらかの不均一性が存在し得る(例えば、LED上のホットスポットによって引き起こされる)。図3に関連して説明したフィルム26は、各LEDセル内の光の均一性を高めるように設計することができる。
【0049】
電源ライン106は、LEDアレイにわたって電源電圧VLED(例えば、正の電源電圧)を供給することができる。各LEDグループは、第1の端子(例えば、アノード)が電源ラインに結合された発光ダイオードを有することができる。次いで、そのLEDの第2の端子(例えば、カソード)は、後続のLEDの第1の端子に接続される。この連鎖は、各LEDが、先行するLEDの第2の端子に結合された第1の端子と、後続のLEDの第1の端子に結合された第2の端子とを有する状態で続いてもよい。図9の例では、各LEDは、先行するLEDのカソードに結合されたアノードと、後続のLEDのアノードに結合されたカソードとを有する。グループ内の第1のLEDは、電源ライン106に結合されたアノードを有する。グループ内の最後のLEDは、ドライバIC82に結合されたカソードを有する。
【0050】
この構成は、必要に応じて逆にされてもよく、グループ内の最初のLEDは、電源ライン(例えば、接地電源ライン)に結合されたカソードを有し、グループ内の最後のLEDは、ドライバICに結合されたアノードを有し、他のLEDは、先行するLEDのアノードに結合されたカソードと後続のLEDのカソードに結合されたアノードとを有する。
【0051】
図9に示すように、ドライバICは、任意選択で、行及び列のアレイに配置されてもよい。ドライバICの各行及び列は、任意の所望の数のドライバICを含むことができる。各ドライバIC82は、ピンと呼ばれる入出力コンタクトを有する。ピンは、信号を送受信するためにドライバICによって使用される。
【0052】
図9において、各ドライバICは、4つのピン(P1、P2、P3、P4)を有する。ドライバICの様々なサブセットは、互いに直列に連鎖(例えば、デイジーチェーン接続)されてもよい。図9では、ドライバICの各列が互いに連鎖されている。しかしながら、ドライバICのより小さなグループ、より大きなグループは、所望であれば、互いに連鎖され得ることに留意されたい。
【0053】
ピンP4は、入力ピンと呼ばれることもあり、ピンP1は、出力ピンと呼ばれることもある。所与の列内のドライバICのうちの1つ(例えば、図9のドライバIC82-1)のピンP4は、制御ライン108-1から入力を受信し得る。ドライバIC82-1上のピンP4からの入力は、その後、ドライバIC82-1上のピンP1において出力され得る。ドライバIC82-1からの出力は、ドライバIC82-2(例えば、列内の次のドライバIC)の入力ピンP4で受信される。
【0054】
言い換えれば、各ドライバICの出力は、連鎖内の(例えば、図9の列内の)次のドライバICへの入力として提供される。これは、各ドライバICの出力ピンP1が隣接するドライバICの入力ピンP4に電気的に接続されることを意味する。したがって、信号ライン108-1を介して提供される情報は、所与の列内のドライバICを通して伝搬され得る。一例では、信号ライン108-1は、初期化情報(例えば、アドレス情報)をドライバICに提供するように構成されたデジタル信号ラインである。初期化情報は、信号ライン108-1によってドライバIC82-1に提供される。次いで、ドライバIC82-1は、初期化情報を次のドライバIC(82-2)に渡し、これは、初期化情報を次のドライバICに渡し、以下同様である。
【0055】
ドライバICの各列は、少なくとも1つのドライバICの入力ピンP4に初期化情報を提供するための対応するデジタル信号ラインを有することができる。図9に示すように、ドライバICの第2の列は、ドライバIC82-3のピンP4に情報を提供する対応するデジタル信号ライン108-2を有することができる。次に、ドライバIC82-3は、初期化情報を次のドライバIC(82-4)に渡し、これは初期化情報を次のドライバICに渡し、以下同様である。
【0056】
各ドライバICは、個別の信号ラインに結合されたピンP3もまた含む。例えば、ドライバIC82-1及び82-2のピンP3は、信号ライン104-1に結合される。ドライバIC82-3及び82-4のピンP3は、信号ライン104-2に接続される。言い換えれば、ドライバICの各列は、ドライバICのピンP3に情報を提供するために使用される対応する信号ラインを有することができる。この例では、信号ライン104-1を使用して、LED輝度値をドライバICに提供することができる。例えば、信号ライン104-1は、ドライバIC82-1に対して、その対応するLEDグループ102の輝度を第1の所与の大きさに更新するように指示し、ドライバIC82-2に対して、その対応するLEDグループ102の輝度を第2の所与の大きさに更新するように指示し、信号ライン104-2は、ドライバIC82-3に対して、その対応するLEDグループ102の輝度を第3の所与の大きさに更新するように指示し、ドライバIC82-4に対して、その対応するLEDグループ102の輝度を第4の所与の大きさに更新するように指示し、以下同様である。
【0057】
信号ライン104及び108は、デジタル信号を伝達するために使用されるデジタル信号ラインであってもよい。信号ラインは、データ、命令、又は任意の他の所望の情報を伝達するために使用され得る。したがって、信号ラインは、制御ライン、データラインなどと呼ばれることもある。複数の信号ラインは、単一のバス110の一部であってもよい。図9は、信号ライン104-1、104-2、108-1、及び108-2がバス110の一部である例を示す。
【0058】
LEDアレイは複数のバスを含むことができ、各バスは、ドライバIC列の対応するサブセットに信号を提供する。換言すれば、LEDアレイは、所与の数のバス(x)を有することができる。これらのバスの各々は、所与の数のドライバIC列(y)に1つ以上の信号を提供してもよい。各ドライバIC列は、所与の数(z)のドライバICを有し得る。任意の所望の値が、x、y、及びzに対して使用され得る。1つの例示的な例では、24個のバス、バスごとに2つのドライバIC列、及び列ごとに27個のドライバICがあり得る。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、LEDアレイは、任意の所望の数のバス(例えば、1、2、2より多い、5より多い、10より多い、20より多い、30より多い、50より多い、100より多い、500より多い、100未満、40未満、30未満、20未満、20と30との間、20と25との間、15と50との間など)を含み得る。LEDアレイは、バス当たり任意の所望の数のドライバIC列(例えば、1、2、3、4、4より多い、8より多い、10より少ない、5より少ない、1と4との間など)を含み得る。LEDアレイは、ドライバIC列ごとに任意の所望の数のドライバICを含んでもよい(例えば、5を超える、10を超える、20を超える、30を超える、50を超える、100を超える、500を超える、100未満、40未満、30未満、20未満、20と30との間、25と30との間、20と50との間など)。バスはまた、1つ以上の列の一部のみが互いに連鎖される構成において、ドライバICの部分列に信号を提供してもよい。
【0059】
各ドライバIC内のピンP2は、接地(例えば、接地電源電圧)に結合され得る。したがって、図9の各ドライバICは、そのLEDグループ102を介して接地に電流をシンクする。図9の例では、各ドライバICは、連鎖内の最後のLEDのカソードと接地との間に結合される。この例は単なる例示に過ぎない。代替的な構成において、各ドライバICは、連鎖内の第1のLEDのアノードと正の電源ライン106との間に結合され得る。
【0060】
図9の信号ライン(例えば、104-1、104-2、108-1、108-2、及び106)は、LEDアレイの接続領域104に結合することができる。接続領域105は、例えば、LED基板から離れているコントローラに結合されるコネクタであってもよい。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、任意の所望の接続方式を使用して、信号ライン上に所望の信号を提供することができる。
【0061】
各ドライバICは、長さ212及び幅214を有することができる。ドライバICの複雑さを低減すること(例えば、4つのピンのみを有すること、各ドライバICが1つのLEDグループのみを制御することなどによって)は、ドライバICの長さ及び幅が低減されることを可能にし得る。ドライバICの長さ及び幅は、任意の所望のそれぞれの距離(例えば、0.5ミリメートル未満、1.0ミリメートル未満、0.4ミリメートル未満、0.3ミリメートル未満、0.2ミリメートル未満、0.1ミリメートル超、0.2ミリメートル超、0.3ミリメートル超、0.2~0.5ミリメートル、0.30~0.35ミリメートルなど)であってもよい。例示的な一実施例では、長さ212及び幅214の両方が0.5ミリメートル未満であってもよい。長さ212及び幅214の両方は、0.30~0.35ミリメートルであってもよい。
【0062】
LEDアレイ36の動作中、ドライバICは、アドレス指定フェーズ(初期化フェーズと呼ばれることもある)において動作可能であってもよい。アドレス指定フェーズの間、信号ライン108は、(例えば、外部コントローラから)アドレスをドライバICに割り当てる。アドレスは、所与の列内のドライバICを通して伝搬され得る。言い換えれば、アドレス指定フェーズ中、各ドライバIC(連鎖内の最後のドライバICを除く)は、ピンP1上に出力を提供し、この出力は、隣接するドライバICのピンP4によって(例えば、ピン間に結合されたデジタル信号ラインを介して)受信される。いくつかの実施形態では、情報の同じパケットがドライバICを通過してもよい。他の実施形態では、パケットは、連鎖内の次のドライバICに渡される前に、所与のドライバICによって修正され得る。
【0063】
初期化フェーズの間、輝度値は、信号ライン104を使用してドライバICに提供され得る。輝度値は複数の輝度値を含むことができ、各輝度値は個別のLEDゾーン102に対応する。ドライバICは、輝度値を有するパケットを受信し、パケットを解析してその対応する輝度値を決定し、その目標LED輝度を新たに受信された輝度値に等しくなるように更新することができる。ドライバICは、信号経路108を介して受信した割り当てられたアドレスに基づいて、パケット内の複数の輝度値から適切な輝度値を選択することができる。輝度値を有する単一のパケットがLED画素アレイ全体に提供されてもよく、異なるパケットが各バス上に提供されてもよく、又は異なるパケットが各ディスプレイIC列に提供されてもよい。より多くの固有のパケットを有することは、各パケット内に含まれる必要があるデータの量を低減し得る。
【0064】
初期化が完了した後、ドライバICは、初期化モードから通常モード(表示モードと呼ばれることもある)に切り替えることができる。通常モードの間、各ドライバICは、その関連付けられたLEDゾーン102を制御して、ピンP3において輝度データを介して受信された輝度で光を放射する。LEDゾーン102の輝度を制御するために、ディスプレイICは、所与の量の電流をピンP2において接地にシンクする。ディスプレイICは、例えば、ゾーン102内のLEDを通過することが許される電流の量を制御し、したがってLEDの輝度を制御する駆動トランジスタを含むことができる。
【0065】
図9のLEDアレイを動作させるために使用され得る多数の制御スキームが存在する。一実施形態では、タイミングコントローラ(TCON)を使用して、LEDアレイを制御することができる。図10は、バックライト42のLEDアレイ36を制御するタイミングコントローラを有する例示的な電子デバイスの概略図である。図10に示すように、電子デバイス10は、回路基板120などの基板上にタイミングコントローラ122(TCON)を含むことができる。回路基板120は、フレキシブルプリント回路基板又はリジッドプリント回路基板であってもよい。タイミングコントローラ122は、メインロジックボード130上のグラフィック処理ユニット132(GPU)から情報を受信してもよい。メインロジックボード130は、一例において、リジッドプリント回路基板であってもよい。GPU132は、ディスプレイ14のためのデータをタイミングコントローラ122に提供し得る。タイミングコントローラ122は、データを表示するように(バックライトの)画素アレイ24及びLEDアレイ36を制御する。
【0066】
画素アレイ24を制御するために、タイミングコントローラ122は、ディスプレイドライバ集積回路128を使用することができる。ディスプレイドライバ集積回路128(図3のディスプレイドライバ集積回路62A/62Bと同様)は、画素アレイ24の液晶ディスプレイ画素を画素ごとに調整するように構成され得る。画素は、所望の画素ごとの透明度及び対応する輝度を達成するために、異なる量の光を通過させるように調節されてもよい。各ディスプレイドライバ集積回路128は、画素アレイ24内の画素の対応するサブセットを制御することができる。
【0067】
各ディスプレイドライバ集積回路は、図10に示すように、個別のフレキシブルプリント回路126上に配置することができる。フレキシブルプリント回路126と回路基板120との間に結合された1つ以上の任意選択のドータボード124があってもよい。一般に、図10におけるプリント回路126及び124の描写は、単に例示的なものである。画素アレイ24をディスプレイドライバ集積回路128に結合するために、任意の所望の接続方式(例えば、任意の所望の数の介在する回路基板、コネクタ、信号ラインなど)を使用することができる。同様に、ディスプレイドライバ集積回路128をタイミングコントローラ122に結合するために、任意の所望の接続方式(例えば、任意の所望の数の介在する回路基板、コネクタ、信号ラインなど)を使用することができる。
【0068】
タイミングコントローラ122は、画素アレイ24と一致してLEDアレイ36を制御することができる。例えば、画像データの所与のフレームに対して、タイミングコントローラ122は、画素アレイ24に対するディスプレイドライバIC128に画素値を送信することができ、LEDゾーン102に対するLEDドライバIC82にLED輝度値を送信することができる。図10において、タイミングコントローラ122は、基板84上のドライバIC82に直接信号を送る。接続構造(例えば、フレキシブルプリント回路)136は、回路基板120とLED基板84との間に結合されてもよい。接続構造は、タイミングコントローラ122からドライバ82へ(及び任意選択でドライバ82からタイミングコントローラ122へ戻る)信号を渡すことができる。
【0069】
図10はまた、メインロジックボード130が、LEDアレイ36に電源電圧(例えば、VLED)を供給するように構成された昇圧コンバータ134をどのように含むことができるかを示している。図10に示す様々なプリント回路は、はんだ、信号経路、ビア、ピンなどを使用して電気的に接続することができる。
【0070】
タイミングコントローラ122とLEDアレイ36との間の信号ラインの数は、LEDアレイに含まれるドライバICの数に比例してもよい。LEDアレイのサイズ及び密度が増加するにつれて、含まれるドライバICの数が増加し得る。ドライバICの数を増やすと、必要な信号経路の数が増える。タイミングコントローラ122とドライバICとの間に多数の信号経路をルーティングすることは、所望の信号経路の全てを含むために利用可能な空間が限られているために困難であり得る。LEDドライバIC82の数が十分に少ない場合、タイミングコントローラ122は、信号をドライバICに直接送信してもよい。しかしながら、LEDドライバICの数が増加するにつれて、LEDドライバIC82を制御するための専用のバックライトコントローラを設けることが好ましい場合がある。
【0071】
図11は、バックライト42のLEDアレイ36を制御するバックライトコントローラを有する例示的な電子デバイスの概略図である。図11の構成は、タイミングコントローラ122とLEDドライバIC82との間にバックライトコントローラ138(BCON)が存在することを除いて、先に図10に示した構成と同じである。バックライトコントローラ138は、接続構造136(例えば、フレキシブルプリント回路)上に実装されてもよく、タイミングコントローラ122から信号を受信してもよい。バックライトコントローラ138は、タイミングコントローラ122からの信号に基づいて、ドライバIC82に信号を供給する。
【0072】
バックライトコントローラ138の存在は、タイミングコントローラとLEDドライバIC82との間の信号経路の数の低減を可能にし得る。タイミングコントローラ122とバックライトコントローラ138との間では、信号経路の数を減らすことができる。バックライトコントローラ138は、TCONからの信号に基づいて、ドライバIC82に信号の完全な補完を提供することができる。しかしながら、完全な信号経路ルーティングは、より小さな領域(BCONとドライバICとの間)においてのみ必要とされる。これは、LEDアレイ36とタイミングコントローラ122との間のルーティング及びファンアウトの問題を軽減し得る。
【0073】
図10及び図11の配置は、単なる例示に過ぎない。一般に、LEDアレイ36、画素アレイ24、及び対応する制御回路(BCON138、TCON122、GPU132、昇圧コンバータ134など)の構成要素は、任意の所望の数及びタイプの基板上に任意の所望の組合せで配置することができる。構成要素は、はんだ、信号経路、ビア、ピンなどの任意の組合せを使用して電気的に接続され得る。
【0074】
図9の例では、各LEDドライバ集積回路は4つのピンを有する。各ドライバICにおけるピンの数を最小化することは、有利には、LED基板84上のルーティングを最小化し得る。ドライバIC内のより少ないピンはまた、ドライバICの複雑度を低下させることを可能にし得、したがって、より小さく、より安価に製造し得る。しかしながら、所望であれば、各ドライバIC内のピンの数は、追加の機能性のために増加されてもよい。図12は、各ドライバIC82が6つのピン(P1、P2、P3、P4、P5、及びP6)を有するLEDアレイの例である。図9に示すものと同様に、各ドライバICは、関連するLEDゾーン102の輝度を制御する。
【0075】
ピンP1~P4の機能は、図12においても図9と同様であってよい。ピンP1は、この場合も、各ドライバIC82の出力ピンとして機能することができる。ゾーン102の発光ダイオードは、ドライバICの電源ライン106とピンP1との間に結合される。出力ピンP1はまた、図9に関連して説明したように、連鎖内の次のドライバICの入力ピンP4にも結合される。ピンP2は接地に結合され得る。ピンP4は、コントローラ138から(例えば、信号ライン108を介して)識別情報(例えば、アドレス指定情報)を受け取ることができる。P3は、図9に関連して説明したのと同様の輝度値を受け取ることができる。コントローラがバックライトコントローラ138である図12の例は、単なる例示である。図10に示すように、ドライバIC82は、所望であれば、代わりにタイミングコントローラ122によって直接制御されてもよい。
【0076】
図12において、ドライバICはまた、双方向データ信号ラインに結合されるピンP5を有する。双方向データ信号ライン142は、コントローラ138からドライバICに制御信号又はデータを提供するために使用され得る。代替として、双方向データ信号ライン142は、ドライバICからコントローラ138にフィードバック情報を伝達するために使用されてもよい。例えば、ドライバICは、短絡の存在を示すフラグ、ドライバICが十分な電圧を受信しているかどうかのステータスなどの診断情報をコントローラに送信してもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ138は、バス142を介して輝度値をドライバICに伝達してもよい(例えば、輝度値は、P3の代わりにピンP5に提供されてもよい)。このタイプの構成では、P3ピンは任意選択で省略されてもよく、又は異なるタイプの信号を受信するために使用されてもよい。
【0077】
コントローラ138は、バス142上の転送の方向を制御することができる。コントローラ138は、例えば、バス(及び抵抗器148)とバイアス電圧供給端子との間に結合されたスイッチ146を使用して、信号転送の方向を制御することができる。コントローラ138は、スイッチ146の状態を制御して、バス142上の信号転送の方向を制御することができる。
【0078】
図12において、ドライバICはまた、信号ライン144に結合されるピンP6を有する。信号ライン144は、クロック信号をLEDドライバICに提供するために使用されるデジタル信号ラインであってもよい。クロック信号は、ドライバICの動作のタイミングを制御するために、コントローラ138によって使用され得る。
【0079】
図9及び図12のドライバICは各々、LEDを制御するための1本の出力ピン(ピンP1)を有する。この例は単なる例示に過ぎない。必要に応じて、ドライバICは、複数のLEDゾーンの独立した制御を可能にする追加の出力ピンを含むことができる。図13は、複数のLEDゾーンを制御するための複数の出力ピンを有するドライバICの概略図である。示されるように、LEDドライバIC82は、9つのピン(P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、及びP9)を含む。ピンP1、P2、P3、P4、P5、及びP6は、図9及び図12に関連して説明したのと同じ機能を有することができる。ピンP7、P8、及びP9は、追加のLEDゾーンを制御するための追加の出力ピンとして機能することができる。例えば、出力ピンP1は、LEDゾーン102-1を制御するために使用されてもよい(例えば、電流は、ゾーン102-1内のLEDを通過し、出力ピンP1及び接地ピンP2を介して接地に渡される)。追加の出力ピンP7は、LEDゾーン102-2を制御するために使用されてもよい(例えば、電流は、ゾーン102-2内のLEDを通過し、出力ピンP7及び接地ピンP2を介して接地に渡される)。追加の出力ピンP8は、LEDゾーン102-3を制御するために使用されてもよい(例えば、電流は、ゾーン102-3内のLEDを通過し、出力ピンP8及び接地ピンP2を介して接地に渡される)。追加の出力ピンP9は、LEDゾーン102-4を制御するために使用されてもよい(例えば、電流は、ゾーン102-4内のLEDを通過し、出力ピンP9及び接地ピンP2を介して接地に渡される)。
【0080】
追加の出力ピンを含むことによって、単一のLEDドライバICは、異なる輝度値を有するように複数のLEDゾーンを制御することを可能にされる。例えば、図13において、LEDゾーン102-1、102-2、102-3、及び102-4は全て、ドライバIC82によって制御されるように、固有の輝度の大きさを有してもよい。このようにマルチゾーン制御を可能にすることは、LEDアレイにおいて必要とされる総ドライバICの数を低減し得る。しかしながら、個々のドライバIC各々の複雑さ及びサイズは増大する。したがって、ディスプレイ内のLEDドライバICのために選択されるピンの数は、そのディスプレイのための特定の設計制約に依存し得る。
【0081】
9個のLEDを含む各LEDゾーンの図9及び図12の例は、単なる例示である。一般に、各LEDゾーンは、任意の所望の数のLEDを含むことができる(例えば、単一の発光ダイオード、一対の発光ダイオード、2~20個の発光ダイオード、少なくとも2個の発光ダイオード、少なくとも4個の発光ダイオード、少なくとも8個の発光ダイオード、5個未満の発光ダイオード、4~12個の発光ダイオード、8~12個の発光ダイオード、8~10個の発光ダイオード、9個の発光ダイオード、又は他の所望の数の発光ダイオード)。LEDゾーン内のLEDの数にかかわらず、LEDは、図9及び図12に関連して図示及び説明されるように、直列に接続されてもよい。
【0082】
図14は、発光ダイオード及びドライバICが基板の上面にどのように実装され得るかを示す側断面図である。示されるように、LEDアレイ36は、(例えば、ガラスから形成される)基板84を含む。基板84は、ガラス基板84又はガラス層84と呼ばれることもある。回路層150(薄膜回路と呼ばれることもある)は、ガラス層84上に形成することができる。回路層150は、ガラス層84上に堆積された1つ以上の導電層を含んでもよい。回路層150は、所望の経路に従うトレースを形成するように(例えば、図9のような信号ラインを形成するように)パターン化されてもよい。一例において、回路層150は、介在する絶縁層を有する第1及び第2の導電層を含む。ガラス層84及び回路層150は、薄膜層152、薄膜ガラス152、薄膜回路層152、薄膜回路ガラス152、ガラス基板152、LED基板152、ガラスLED基板152などと総称されることがある。言い換えれば、ガラス基板という用語は、ガラス自体の個々の層(例えば、ガラス基板84)と、LEDが取り付けられるガラス層及び導電層の集合的な組合せ(例えば、ガラス基板152)との両方を指すために使用され得る。
【0083】
図14に示すように、回路層150は、コンタクトパッド154(入出力コンタクト154、はんだパッド154などと呼ばれることもある)を含むことができる。コンタクトパッドは、はんだ160によって実装された構成要素に電気的に接続され得る。図14に示すように、発光ダイオード38は、ガラス基板152上に実装され、はんだ160によってコンタクトパッド154に電気的に接続される。特に、発光ダイオード38は、はんだ160でコンタクトパッド154に取り付けられた入出力コンタクト156(例えば、ピン、はんだパッドなど)を有する。ドライバ集積回路82は、ガラス基板152上に実装され、はんだ160によってコンタクトパッド154に電気的に接続される。特に、ドライバIC82は、はんだ160でコンタクトパッド154に取り付けられた入出力コンタクト158(例えば、ピン、はんだパッドなど)を有する。図14に示すように、ドライバIC82は、ディスプレイのアクティブ領域におけるLED38間の薄膜回路ガラス152に実装されてもよい。
【0084】
図14の例では、LED38及びドライバIC82は、表面実装技術(SMT)構成要素であってもよい。この例は単なる例示であり、LED38及びドライバIC82を薄膜回路ガラス152に取り付けるために、他の実装技術を使用することができる。図14の構成の1つの利点は、LED38及びドライバIC82を単一の実装ステップで薄膜回路ガラス152に取り付けることができることである。換言すれば、LED38及びドライバIC82は同様のサイズを有し、同様の方法で薄膜回路ガラスにはんだ付けされるので、LED38及びドライバIC82の両方の取付けプロセスを同時に実行することができる。これは、LEDアレイに関連する製造コスト及び複雑さを低減するのに有利である。
【0085】
バックライトの効率を向上させるために、薄膜回路ガラス152の上面に反射層162を形成してもよい。反射層162は、LED38及びドライバIC82によってまだ占有されていない薄膜回路ガラス152の上面の部分を充填するようにパターン化されてもよい。換言すれば、LED38及びドライバIC82は、反射層162内の開口部内に形成される。
【0086】
反射層162は、任意の所望の材料から形成することができる。一例として、反射層は、拡散性白色材料(例えば、白色インクスプレー又は白色テープ)から形成されてもよい。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、反射層162は、拡散反射及び/又は鏡面反射を引き起こし得る。拡散反射では、入射光線を任意の方向に反射させることができる。鏡面反射では、入射光線は、反射材料に当たるのと同じ角度で反射される。反射層162は、別の例として、鏡面反射を引き起こす金属コーティングから形成されてもよい。反射層162は、LED38によって放射される光の高い反射率(例えば、50%超、70%超、80%超、90%超、92%超、94%超、96%超、99%超、99%未満など)を有することができる。反射層162は、任意の所望の厚さ(例えば、1ミクロン超、2ミクロン超、3ミクロン超、5ミクロン超、10ミクロン超、25ミクロン超、3ミクロン未満、5ミクロン未満、10ミクロン未満、25ミクロン未満、100ミクロン未満、3~15ミクロン、1~25ミクロンなど)を有してもよい。反射層162は、白色オーバーコート層162と呼ばれることもある。
【0087】
LEDアレイ36を有するバックライト42では、熱的な考慮も考慮され得る。特に、LEDアレイ36の構成要素(例えば、LED38及びドライバIC82)は、ディスプレイの動作中に熱を発生する場合がある。注意が払われない場合、熱発生は、ディスプレイの性能に悪影響を及ぼし得る。ガラス基板84は、熱伝導率が低くてもよい。その結果、構成要素によって生成される熱は、アレイにわたって均一に拡散されないこともある。
【0088】
バックライトにわたる熱拡散を促進するために、熱伝導層164が基板84に取り付けられてもよい。熱伝導層164は、高い熱伝導率を有することができ、したがって、バックライト全体にわたって熱をより均一に拡散する。熱伝導層164は、任意の所望の材料から形成することができる。熱伝導層164は、100W/mK超、200W/mK超、300W/mK超、400W/mK超、100W/mK~400W/mKの熱伝導率、又は別の所望の熱伝導率を有してもよい。熱伝導層164(熱拡散層164と呼ばれることもある)を形成するために使用され得る材料の例としては、金属(例えば、銅、他の金属、又は銅と他の金属との組み合わせ)、カーボンナノチューブ、グラファイト、又は高い熱伝導率を示す他の材料が挙げられる。必要に応じて、熱拡散層164は、異なるタイプの2つ以上の熱伝導層(例えば、グラファイト層に取り付けられた銅層など)から形成されてもよい。ポリマーキャリアフィルムはまた、層164に組み込まれてもよい(例えば、グラファイトの層を支持するために)。例示的な一実施例では、熱拡散層164は、2つのポリマーキャリアフィルムの間に狭入されたグラファイトの層を含む。
【0089】
バックライトからの熱を分配するための更なる技術が、図15及び16に示されている。図15は、露出した導電層を有する例示的なバックライト42の上面図である。具体的には、反射層162は、回路層150内の下にある導電層150-1を露出させるために、バックライトの周辺でエッチングされてもよい。LED38及びドライバIC82は、図14に示されるように、反射層162の凹部に形成されてもよい。導電層150-1の露出部分は、反射層162の周りにリング状に延在する。導電層150-3は、絶縁層150-2によって導電層150-1から分離され得る。導電層150-1及び絶縁層150-2は、下にある導電層150-3を露出させるために、バックライトの周辺でエッチングされてもよい。導電層150-3の露出部分は、導電層150-1及び反射層162の周りにリング状に延在する。
【0090】
導電層150-1及び150-3の露出部分は、更なる熱分散のためにヒートシンクに結合されてもよい。図15に示されるように、導電層150-3はヒートシンク166に結合され、導電層150-1はヒートシンク168に結合される。ヒートシンク166及び168は、任意の所望の材料又は構成要素(例えば、金属筐体構成要素、フィンを伴う専用ヒートシンク等の付加的機能を果たす電子デバイスの構成要素)から形成されてもよい。ヒートシンクは、一例では、熱伝導性ペーストを用いて導電層150-1及び150-3に取り付けられ得る。ヒートシンク166及び168は、ヒートシンク構造体と呼ばれることもある。個別のヒートシンクに接続された導電層150-1及び150-3を有する図15の例は、単なる例示である。別の例では、薄膜回路ガラス152の露出した導電層150-1及び150-3は、単一のヒートシンク構造体に結合されてもよい。
【0091】
図16は、図15に示すバックライトの側断面図を示す。図16に示すように、導電層150-3は、ガラス層84の上面に堆積される。絶縁層150-2は、導電層150-3上に堆積される。導電層150-1は、絶縁層150-2上に堆積される。反射層162は、導電層150-1上に堆積される。導電層150-3の露出部分はヒートシンク168に結合され、導電層150-1の露出部分はヒートシンク166に結合される。
【0092】
熱拡散及び分散を促進するための図14図16の技法に加えて、バックライトは、能動的温度感知のための温度センサを含むことができる。図17に示すように、温度センサ170は、薄膜回路ガラス152上のバックライトのアクティブ領域にわたって分散されてもよい。温度センサは、信号経路174を使用してバックライトコントローラ138に温度データを提供することができる。バックライトコントローラ138は、温度データをタイミングコントローラ122に提供してもよい。バックライトにわたる温度センサからの温度データは、2D熱プロファイルがバックライトについて決定されることを可能にし得る。薄膜回路ガラス152にわたる温度の2D熱プロファイルを使用して、温度に基づくリアルタイム光学補償を可能にすることができる。例えば、バックライト42内のLED38及び画素アレイ24内の画素の性能は、動作温度に依存し得る。2D熱プロファイルからの動作温度を使用して、LED及び画素は、リアルタイム温度条件において所望の輝度値を示すように動作され得る。
【0093】
各温度センサは、任意の所望の技術を使用して形成することができる。1つの可能な構成では、温度センサ170は、薄膜回路ガラス152上の薄膜トレースの抵抗の変化に基づいて温度を測定する4点抵抗センサであってもよい。言い換えれば、温度センサは、(例えば、物理蒸着又は他の所望の技法を使用して堆積される)ガラス基板上の金属トレースから形成されてもよい。
【0094】
図17の例では、4つの発光ダイオードの各グループ間に温度センサ170が形成されている。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、温度センサ170は、任意の所望のパターンでLEDアレイにわたって分散され得る。温度センサは、アレイにわたって均一な密度で、又はアレイにわたって非均一な密度で分散されてもよい。温度センサに対するLEDの比率は、4対1(図17のように)又は任意の他の所望の比率(例えば、1対1、2対1、3対1、4対1超、8対1超、10対1超、25対1超、50対1超、8対1未満、10対1未満、25対1未満、50対1未満、100対1未満、1対1~10対1、2対1~5対1、4対1~100対1等)であってもよい。
【0095】
バックライトはまた、LEDの輝度及び/又は色をリアルタイムで感知するための光センサを含んでもよい。図17に示すように、光センサ172は、薄膜回路ガラス152上のバックライトのアクティブ領域にわたって分散されてもよい。光センサは、信号経路174を使用してバックライトコントローラ138に光データを提供することができる。バックライトコントローラ138は、光データをタイミングコントローラ122に提供することができる。バックライトにわたる光センサからの光データは、輝度及び色の2Dプロファイルがバックライトについて決定されることを可能にし得る。薄膜回路ガラス152にわたる2D光学プロファイルは、リアルタイム光学補償を可能にするために使用され得る。例えば、LED及び画素の動作は、リアルタイム光学条件を説明し得る。1つの非限定的な例として、光センサは、所与のLEDが予想よりも低い輝度を有することを示すデータを提供することができる。タイミングコントローラは、それに応じて、目標輝度レベルに達するまで、そのLEDの輝度を増加させてもよい。各光センサは、輝度レベルを測定するための任意の所望の構成要素を含んでもよい。光センサは、複数の色チャネルを有してもよく、異なる光センサは、異なる色チャネルを有してもよく、光センサの全ては、同一の単一色チャネルを有してもよい等である。
【0096】
図17の例では、光センサ172は、4つの発光ダイオードの各グループの間に形成される。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、光センサ172は、任意の所望のパターンでLEDアレイにわたって分散されてもよい。光センサは、アレイにわたって均一な密度で、又はアレイにわたって不均一な密度で分散されてもよい。光センサに対するLEDの比率は、4対1(図17のように)又は任意の他の所望の比率(例えば、1対1、2対1、3対1、4対1超、8対1超、10対1超、25対1超、50対1超、8対1未満、10対1未満、25対1未満、50対1未満、100対1未満、1対1~10対1、2対1~5対1、4対1~100対1等)であってもよい。
【0097】
また、図17では、等しい数の温度センサ170及び光センサ172が存在する。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、温度センサ及び光センサの数及び位置は、独立して選択することができる。したがって、所望であれば、異なる数の温度センサ及び光センサが存在してもよく、温度センサ及び光センサは、所望であれば、アクティブ領域にわたって異なるパターンで配置されてもよい。
【0098】
薄膜回路ガラス152の上面上の反射層(162)に加えて、薄膜回路ガラス152の下面上に反射層が含まれてもよい。図18は、薄膜回路ガラスの下面に取り付けられた反射層を含む例示的なバックライトの側断面図である。図示のように、反射層176は薄膜回路ガラス152の下面に取り付けられている。反射層176は、発光ダイオード38からの光を反射することによってバックライトの効率を増加させることができる。
【0099】
図14に関連して前述したように、LED38は、はんだ160によって回路層150内の入出力コンタクト154に取り付けられてもよい。LED38は、方向182に(例えば、画素アレイ24を通って観察者に向かって)光を放射することができる。しかしながら、LED38は、方向184(画素アレイ及び観察者から離れる方向)に光を放射することもできる。反射層176がない場合、方向184に放射された光は、電子デバイス内で失われ、観察者に到達しないこともある。この効率の低下を回避するために、反射層176が存在して、光を画素アレイを通して方向182に戻すように再方向付けしてもよい。反射層176は、LED38及びドライバIC82とは反対側のガラス基板84に取り付けられる。
【0100】
反射層176は、他の任意の所望の絶縁材料で形成されてもよい。一例として、反射層は、拡散性白色材料(例えば、白色インクスプレー又は白色テープ)から形成されてもよい。この例は、単なる例示に過ぎない。反射層176は、別の例として、金属コーティングから形成されてもよい。一般に、反射層176は、拡散反射及び/又は鏡面反射を引き起こし得る。反射層176は、LED38によって放射される光の高い反射率(例えば、50%超、70%超、80%超、90%超、92%超、94%超、96%超、99%超、99%未満など)を有することができる。反射層176は、任意の所望の厚さ(例えば、1ミクロン超、2ミクロン超、3ミクロン超、5ミクロン超、10ミクロン超、25ミクロン超、3ミクロン未満、5ミクロン未満、10ミクロン未満、25ミクロン未満、100ミクロン未満、3~15ミクロン、1~25ミクロン、1~5ミクロンなど)を有してもよい。反射層176は、コーティングであってもよいし、テープの層であってもよい。反射層176は、反射コーティング176又は反射テープ176として説明される場合がある。
【0101】
図19は、ガラス基板の下面に取り付けられた反射層及び熱伝導層の両方を含むバックライトの側断面図である。図19に示すように、反射層176は、ガラス基板84の下面に取り付けられてもよい。反射層176は、バックライトユニットの光効率を高めることができる。更に、(図14に関連して説明したように)熱伝導層164は、反射層176がガラス基板84の下面と熱伝導層164との間に狭入されるように、反射層に取り付けられる。熱伝導層164は、反射層176からの効率の利益に加えて、熱拡散の利益を提供することができる。
【0102】
更に別の例では、図20の側断面図に示されるように、単一の反射性かつ熱伝導層178が、ガラス基板84の下面に取り付けられてもよい(図19のような別個の反射及び熱伝導層176/164の代わりに)。反射性かつ熱伝導層178は、バックライトの効率を高めるために高い反射率を有してもよい。例えば、反射性かつ熱伝導層178は、50%超、70%超、80%超、90%超、92%超、94%超、96%超、99%超、99%未満などの反射率を有し得る。加えて、反射性かつ熱伝導層178は、所望の熱拡散特性を達成するために高い熱伝導率を有し得る。熱伝導層178は、100W/mK超、200W/mK超、300W/mK超、400W/mK超、100W/mK~400W/mKの熱伝導率、又は別の所望の熱伝導率を有してもよい。
【0103】
図21は、ガラス基板が白色拡散ガラスからどのように形成され得るかを示す例示的なバックライトの側断面図である。なお、薄膜回路ガラス152の基板として、透明度の高いクリアガラスの代わりに、白色拡散ガラス84Wを用いてもよい。白色拡散ガラス84Wは、光の所望の拡散を達成する分散粒子186(例えば、散乱粒子)を含んでもよい。白色拡散ガラス84Wの反射率は、20%超、30%超、40%超、50%超、70%超、80%超、90%超、92%超、94%超、96%超、99%超、99%未満などであってもよい。
【0104】
LEDドライバ集積回路82は、LED38間のバックライトのアクティブ領域にわたって分散される。ドライバIC82は、光を放射せず、薄膜回路ガラス152上の他の反射処理を覆う(例えば、ドライバIC82は、光が反射層162、反射層176などに到達するのを防ぐことができる)。注意が払われない場合、ドライバICは、(例えば、純粋な白色画像が別様に所望されるとき、ディスプレイ上の影として)可視であり得る。ドライバICがディスプレイ内に目に見えるアーチファクトを引き起こすことを防止し、バックライトの効率を高めるために、ドライバICは反射性上面を有してもよい。
【0105】
図22は、反射性上面を有するドライバICを有する例示的なバックライトの側断面図である。図22に示すように、ドライバIC82の上面188に反射層180を形成してもよい。反射層180は、他の任意の所望の絶縁材料で形成されてもよい。一例として、反射層180は、拡散性白色材料(例えば、白色インクスプレー又は白色テープ)から形成されてもよい。反射層180は、別の例として、金属コーティングであってもよい。一般に、反射層180は、拡散反射及び/又は鏡面反射を引き起こし得る。反射層180は高い反射率(例えば、50%超、70%超、80%超、90%超、92%超、94%超、96%超、99%超、99%未満など)を有することができる。反射層180は、任意の所望の厚さ(例えば、1ミクロン超、2ミクロン超、3ミクロン超、5ミクロン超、10ミクロン超、25ミクロン超、3ミクロン未満、5ミクロン未満、10ミクロン未満、25ミクロン未満、100ミクロン未満、3~15ミクロン、1~25ミクロンなど)を有してもよい。
【0106】
ドライバIC82の上に形成されている別個の反射層180の図22の例は、単なる例示である。別の例示的な例では、ICの上面188自体を研磨して、上面の反射率を増加させることができる。このタイプの構成では、上面188の反射率は、50%超、70%超、80%超、90%超、92%超、94%超、96%超、99%超、99%未満などであり得る。ドライバIC82が別個の反射層180を有する場合、反射層180の上面は、ドライバICの上面であるとみなされ得る(例えば、反射層が上面を効果的に形成するため)。
【0107】
図23は、可能なLEDレイアウトを示す例示的なLEDアレイの上面図である。示されるように、LED38は、均一な正方形グリッドの代わりに、ジグザグ状グリッド(例えば、非正方形グリッド)に従って配列されてもよい。均一な正方形グリッドにおいて、LEDは、(例えば、図4に示されるものと同様に)直線の列及び行に配列されてもよい。しかしながら、このタイプの構成は、ディスプレイの動作中にグリッドムラなどの目に見えるアーチファクトをもたらし得る。目に見えるアーチファクトは、均一な正方形グリッドの周期性によって引き起こされ得る。したがって、図23のように非正方形グリッドにLEDを配置することは、周期性を低減し、目に見えるアーチファクトを軽減することができる。
【0108】
図23に示すように、LEDは、ジグザグ状グリッドライン190に従って配置されてもよい。LEDは、いくつかのの行(「R」)及び列(「C」)に配置される。所与の行内で、LEDの配置を画定するグリッドラインは、ジグザグパターンに従ってもよい(例えば、直線の代わりに、グリッドラインは、互いに対して角度を成す複数のセグメントを有する)。LEDの行を画定するグリッドラインは、水平グリッドラインと称され得る。同様に、所与の列内で、LEDの配置を画定するグリッドラインは、ジグザグパターンに従ってもよい(例えば、直線の代わりに、グリッドラインは、互いに対して角度を成す複数のセグメントを有する)。LEDの列を画定するグリッドラインは、垂直グリッドラインと称され得る。
【0109】
結果として得られるパターンは、互いに対して異なる角度で交差する水平及び垂直グリッドラインを有する。例えば、いくつかの点において、グリッドラインは、互いに対して直角(例えば、角度194)である。しかしながら、他の点では、グリッドラインは、互いに対して鋭角(例えば、鋭角192)である。他の点では、グリッドラインは、互いに対して鈍角(例えば、鈍角196)である。角度192及び196は補角であってもよい。
【0110】
図23において、水平及び垂直グリッドラインはジグザグパターンである。したがって、LEDは、非正方形グリッド又は非矩形グリッド(例えば、グリッドラインが矩形を形成しない)に配置されていると呼ぶことができる。したがって、LEDの行は、ジグザグ状行、ジグザグパターンに従う行、又は非直線の行と呼ばれることがある。同様に、LEDの列は、したがって、ジグザグ状列、ジグザグパターンに従う列、又は非直線の列と称され得る。図23のジグザグパターンの結果として、ディスプレイ内の隣接するLED間に多数の異なる距離が存在し得る。例えば、LEDのうちのいくつかは、対角線上に対向するLED(例えば、すぐ隣接する行及びすぐ隣接する列)によって距離D1だけ分離されてもよい。他のLEDは、対角線上に対向するLEDから距離D2又はD3だけ離れていてもよい。D3はD1よりも小さくてもよく、D1はD2よりも小さくてもよい。これは、各LEDと対角線上に対向するLEDとの間の距離がLEDアレイにわたって均一である正方形グリッドとは対照的である。
【0111】
周期性を緩和するための図23のジグザグ状グリッドラインの例は、単なる例示である。必要に応じて、グリッドライン及びLEDは、六角形配置、八角形配置、又は任意の他の所望の配置を有してもよい。ディザリングはまた、アレイにわたるLEDの位置に分散を加えるために使用されてもよい。
【0112】
図24は、別の可能なLEDレイアウトを有する例示的なLEDアレイの上面図である。図24では、LEDの各3×3グループ(LEDゾーン102と呼ばれることもある)は、図23に比べて低減されたレイアウトフットプリントを有する。図23と同様に、図24のグリッドライン190は、水平ジグザグ状グリッドライン及び垂直ジグザグ状グリッドラインを含む。しかしながら、図23では、LEDは、水平ジグザグ状グリッドラインと垂直ジグザグ状グリッドラインとの交点に配置されている。図24では、中央LED38Cのみが、水平ジグザグ状グリッドラインと垂直ジグザグ状グリッドラインとの間の交点に配置されている。グループの周辺LED(38P)は、グリッドライン交点から中央LED38Cに向かって方向198に移動される。
【0113】
このようにLEDを配置することは、各LEDグループのフットプリントの表面積を効果的に減少させる。結果として、各隣接するLEDグループ間の距離200は、より大きい(例えば、グループ間の距離200は、図23よりも図24の方が大きい)。より小さいLEDゾーンを有することは、ハロー効果を緩和することによってバックライト性能を改善し得る。ハロー効果は、ディスプレイ上の小さい領域が高輝度を有し、低輝度領域によって囲まれる(例えば、夜空の星)ことが意図されるときに生じる現象を指すことがある。理想的には、低輝度領域は、高輝度領域から完全に独立して制御可能である。しかしながら、意図された高輝度領域及び低輝度領域の両方が1つのLEDゾーンの面積を占める場合、(LEDゾーンがディスプレイ上の高輝度領域に対して高輝度に設定されるので)意図された低輝度領域に明るい「ハロー」が存在することになる。各LEDゾーンの面積を低減することは、このハロー効果を緩和し得る(意図された領域においてのみ意図されたバックライト輝度レベルを有するためのより多くの分解能が存在するため)。
【0114】
LEDアレイ36のLEDゾーンは、目標エネルギープロファイルを有するように最適化されてもよい。図25は、2つのLEDゾーンの位置の関数として輝度を示す、例示的なエネルギープロファイルのグラフである。示されるように、輝度はプロファイル202に従い、各対応するLEDゾーンに対して1つのピークを有する。隣接するLEDゾーンのピーク間の距離は、ピッチ206として示されている。プロファイルの別の関連する特性は距離204であり、これはピークの最大輝度の半分である輝度におけるピークの幅である(本明細書では半値全幅又はFWと呼ぶ)。ピッチ206(P)の距離204(FW)に対する比は、バックライトにおけるLEDゾーンの重要な特性であり得る。バックライト42内のLEDゾーン(例えば、図9図12図23図24等のゾーン)のP/FWは、1.3未満、1.2未満、1.1未満、1超、1.05~1.2、1.05~1.15、1.01~1.2等であってもよい。図25に示されるプロファイル形状は、単なる例示である。所与のLEDゾーンの輝度プロファイルは、任意の所望の形状に従うことができる。
【0115】
所望の発光プロファイルを達成するために、所与のLEDゾーンの中心LEDは、周辺LEDよりも多くの電流で駆動され得る。図26は、第1のゾーン102-A内の第1のLEDが、第2のゾーン102-B内のLEDとは異なる電流でどのように駆動され得るかを示す、例示的なLEDアレイの上面図である。中心LED(「A」)をより高い電流で駆動させることは、LEDの3×3グループの発光プロファイルを最適化することができる。単一のドライバIC82を使用してゾーン102-A及び102-Bの両方を駆動することができ、又は2つの別個のドライバICを使用して2つのゾーンを駆動することができる。ゾーン102-A及び102-B内のLEDは、異なる電流で駆動され、したがって、異なるゾーンと称され得るが、LEDの3×3グループは、依然として、所望の発光プロファイルを達成するように一緒に動作するように設計され得る。したがって、3×3グループは、依然として、単位LEDグループ又はLEDセルと称され得る。
【0116】
LEDゾーン102-A及び102-Bによって形成されるLEDグループでは、周辺LED(「B」)と中央LED(「A」)との間の電流の比は一定であり得る。言い換えれば、LEDグループは依然として単一の目標輝度値を有することができ、ドライバICは、目標輝度及び最適化された発光プロファイルを達成するために、所定の比率ごとに電流を印加することができる。周辺LEDとは異なる電流(輝度)を有する中央LEDの図26の例は、単なる例示である。一般に、グループ内のLEDのいずれかは、所望に応じて発光プロファイルを調整するのを助けるために固有の輝度を有することができる。
【0117】
本明細書では、アクティブ領域内にドライバICを有するLEDアレイは、画素アレイ(例えば、液晶画素アレイ)のためのバックライトとして働くものとして説明される。必要に応じて、本明細書に示されるタイプの構成は、独立型ディスプレイ(例えば、外部LCD画素なし)を形成するために使用されてもよいことに留意されたい。LEDは、アクティブ領域内のドライバICによって制御される表示画素を形成することができる。
【0118】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトと、を備え、バックライトはアクティブ領域を有するとともに、表面を有する基板と、アクティブ領域内の基板の表面上に取り付けられた発光ダイオードのアレイであって、複数の画素によってオーバーラップされる発光ダイオードのアレイと、アクティブ領域内の基板の表面上に実装された複数のドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路は、発光ダイオードのアレイの個別のサブセットの輝度を制御する、複数のドライバ集積回路と、を含む、電子デバイスが提供される。
【0119】
別の実施形態によれば、基板はガラス基板である。
【0120】
別の実施形態によれば、複数のドライバ集積回路は、1つ以上の相互接続された連鎖に配置される。
【0121】
別の実施形態によれば、各相互接続連鎖内で、各ドライバ集積回路からの出力は、後続のドライバ集積回路への入力として提供される。
【0122】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路は、複数の入出力コンタクトを有する。
【0123】
別の実施形態によれば、複数の入出力コンタクトの各々は、基板の表面上の回路層にはんだ付けされている。
【0124】
別の実施形態によれば、発光ダイオードの各々は、基板の表面上の回路層にはんだ付けされたそれぞれの入出力コンタクトを有する。
【0125】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路の複数の入出力コンタクトは、デジタルアドレス情報を受信するように構成された第1の入出力コンタクトを含む。
【0126】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路の複数の入出力コンタクトは、デジタル発光ダイオード輝度情報を受信するように構成された第2の入出力コンタクトを含む。
【0127】
別の実施形態では、各ドライバ集積回路のための複数の入出力コンタクトは、後続のドライバ集積回路のためのデジタル出力アドレス情報を提供するように構成されており、ドライバ集積回路のための発光ダイオードのアレイの個別のサブセットに電気的に接続される、第3の入出力コンタクトと、を含む。
【0128】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路の複数の入出力コンタクトは、接地に電気的に接続された第4の入出力コンタクトを含む。
【0129】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路の複数の入出力コンタクトは、双方向データバスに結合された第1の入出力コンタクトを含む。
【0130】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路は1つの出力ピンを含み、ドライバ集積回路のための発光ダイオードのアレイの個別のサブセット内の発光ダイオードは、出力ピンと電源ラインとの間に直列に結合されている。
【0131】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路は少なくとも2つの出力ピンを含み、ドライバ集積回路のための発光ダイオードのアレイの個別のサブセット内の発光ダイオードは、少なくとも2つの出力ピンの個別の出力ピンと電源ラインとの間にそれぞれ結合された発光ダイオードの少なくとも第1のグループ及び第2のグループを含む。
【0132】
別の実施形態によれば、複数の画素は複数の液晶ディスプレイ画素を含む。
【0133】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトと、を備え、バックライトは、
ガラス基板上の少なくとも1つの導電層を含むガラス薄膜回路層と、ガラス薄膜回路層の上面上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイであって、それぞれのセルの2次元アレイに配列されている2次元アレイと、ガラス薄膜回路層の上面上に取り付けられたドライバ集積回路であって、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在しているドライバ集積回路と、を含む、電子デバイスが提供される。
【0134】
別の実施形態によれば、バックライトは、デジタル信号をドライバ集積回路に提供するように構成された複数のデジタル信号ラインを含む。
【0135】
別の実施形態によれば、バックライトは、電源ラインを備え、発光ダイオードの2次元アレイは、複数の発光ダイオードグループに配置され、各発光ダイオードグループは、個別のドライバ集積回路と電源ラインとの間に直列に結合されている。
【0136】
一実施形態によれば、電子デバイスは、基板と、基板の上面上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイと、
基板の上面上に取り付けられたドライバ集積回路であって、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイによって画定されるフットプリント内に配置されており、各ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイのうちの少なくとも1つの発光ダイオードを制御し、ドライバ集積回路は、複数のデイジーチェーン接続されたグループに配置されている、ドライバ集積回路と、備える。
【0137】
別の実施形態によれば、基板はガラス基板である。
【0138】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトとを含み、バックライトは、第1の表面及び対向する第2の表面を有するガラス基板と、ガラス基板の第1の表面上に取り付けられた発光ダイオードのアレイであって、複数の画素によってオーバーラップされる発光ダイオードのアレイと、ガラス基板の第1の表面上に取り付けられたドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路は、発光ダイオードのアレイの少なくとも1つの発光ダイオードを制御する、ドライバ集積回路と、ガラス基板の第2の表面に取り付けられた熱伝導層と、を含む、電子デバイスが提供される。
【0139】
別の実施形態によれば、バックライトはアクティブ領域を有し、各ドライバ集積回路はアクティブ領域内に配置される。
【0140】
別の実施形態によれば、発光ダイオードのアレイは、発光ダイオードの2次元アレイを含み、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在される。
【0141】
別の実施形態によれば、電子デバイスは、ドライバ集積回路にデジタル信号を提供するように構成されたコントローラを含む。
【0142】
別の実施形態によれば、コントローラは、デジタル信号をドライバ集積回路に直接提供するように構成されたタイミングコントローラである。
【0143】
別の実施形態によれば、コントローラはバックライトコントローラであり、電子デバイスは、制御信号をバックライトコントローラに提供するように構成されたタイミングコントローラを含み、バックライトコントローラは、制御信号に基づいてデジタル信号をドライバ集積回路に直接提供するように構成される。
【0144】
別の実施形態によれば、熱伝導層は、100W/mKより大きい熱伝導率を有する。
【0145】
別の実施形態によれば、熱伝導層は、80%を超える反射率を有する反射性かつ熱伝導層である。
【0146】
別の実施形態によれば、熱伝導層はグラファイトを含む。
【0147】
別の実施形態によれば、バックライトは、熱伝導層とガラス基板の第2の表面との間に狭入されている反射層を含む。
【0148】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトとを含み、バックライトは、基板と、基板に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイであって、それぞれのセルの2次元アレイに配列されている発光ダイオードの2次元アレイと、基板上に取り付けられたドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路は少なくとも1つのセルを制御する、ドライバ集積回路と、基板上に取り付けられたセンサであって、光ダイオードの2次元アレイの間に散在しているセンサと、センサからの情報に少なくとも部分的に基づいて発光ダイオードの2次元アレイを制御するように構成されたコントローラと、を含む、電子デバイスが提供される。
【0149】
別の実施形態によれば、バックライトはアクティブ領域を有し、各ドライバ集積回路はアクティブ領域内に配置される。
【0150】
別の実施形態によれば、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在される。
【0151】
別の実施形態によれば、センサは、バックライトの少なくとも一部に関連する温度を測定するように構成された温度センサを含む。
【0152】
別の実施形態によれば、センサは、発光ダイオードの2次元アレイの少なくとも1つの発光ダイオードからの光出力を測定するように構成された光センサを含む。
【0153】
別の実施形態によれば、センサは、温度センサ及び光センサを含む。
【0154】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトと、を備え、バックライトは、
ガラス基板上の導電層を含むガラス薄膜回路層と、ガラス薄膜回路層の上面上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイと、ガラス薄膜回路層の上面上に取り付けられたドライバ集積回路と、導電層の露出部分に結合されたヒートシンク構造体とを含む、電子デバイスが提供される。
【0155】
別の実施形態によれば、導電層は第1の導電層であり、ガラス薄膜回路層は、第2の導電層と、第1の導電層と第2の導電層との間に狭入された絶縁層とを含む。
【0156】
別の実施形態によれば、第2の導電層の露出部分は、追加のヒートシンク構造に結合される。
【0157】
別の実施形態によれば、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在される。
【0158】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトとを含み、バックライトは、上面を有する基板と、基板の上面に形成された反射層であって、複数の開口部を有する反射層と、
基板の上面上に取り付けられた発光ダイオードのアレイであって、複数の画素によってオーバーラップされる発光ダイオードのアレイと、基板の上面上に取り付けられたドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路は、発光ダイオードのアレイのうちの少なくとも1つの発光ダイオードを制御し、各発光ダイオード及び各ドライバ集積回路は、複数の開口部のうちの個別の開口部内に配置される、ドライバ集積回路と、を含む、電子デバイスが提供される。
【0159】
別の実施形態によれば、バックライトはアクティブ領域を有し、各ドライバ集積回路はアクティブ領域内に配置される。
【0160】
別の実施形態によれば、発光ダイオードのアレイは、発光ダイオードの2次元アレイを含み、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在される。
【0161】
別の実施形態によれば、バックライトは、基板の下面に取り付けられた追加の反射層を含む。
【0162】
別の実施形態によれば、バックライトは、追加の反射層に取り付けられた熱伝導層を含み、追加の反射層は、基板の下面と熱伝導層との間に挿入される。
【0163】
別の実施形態によれば、追加の反射層は、100W/mKより大きい熱伝導率及び80%より大きい反射率を有する反射性かつ熱伝導層である。
【0164】
別の実施形態によれば、基板は白色拡散ガラス層を含む。
【0165】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路の上面は、80%より大きい反射率を有する。
【0166】
別の実施形態によれば、各ドライバ集積回路は、そのドライバ集積回路の個別の上面を覆う追加の反射層を含む。
【0167】
別の実施形態によれば、発光ダイオードのアレイは、それぞれのセルの2次元アレイに配置された発光ダイオードの2次元アレイであり、各セルは複数の発光ダイオードを含み、所与のセル内の隣接する発光ダイオード間の間隔は、隣接するセル間の間隔よりも小さい。
【0168】
別の実施形態によれば、発光ダイオードのアレイは、複数のジグザグ状列及び複数のジグザグ状行に配置された発光ダイオードの2次元アレイである。
【0169】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトとを含み、バックライトは、基板と、基板上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイであって、複数の非直線の行及び複数の非直線の列を含む発光ダイオードの2次元アレイと、基板上に取り付けられたドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路が発光ダイオードの2次元アレイの少なくとも1つの発光ダイオードを制御するドライバ集積回路とを含む、電子デバイスが提供される。
【0170】
別の実施形態によれば、バックライトはアクティブ領域を有し、各ドライバ集積回路はアクティブ領域内に配置される。
【0171】
別の実施形態によれば、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在される。
【0172】
別の実施形態によれば、複数の非直線の行は複数のジグザグ状行を含み、複数の非直線の列は複数のジグザグ状列を含む。
【0173】
別の実施形態によれば、少なくとも3つの別個の間隔の大きさが、発光ダイオードの2次元アレイ内の対角線上に隣接する発光ダイオード間に存在する。
【0174】
別の実施形態によれば、発光ダイオードの2次元アレイはそれぞれのセルの2次元アレイに配置され、各セルは複数の発光ダイオードを含み、所与のセル内の隣接する発光ダイオード間の間隔は、隣接するセル間の間隔よりも小さい。
【0175】
別の実施形態によれば、発光ダイオードの2次元アレイは、それぞれのセルの2次元アレイに配列され、各セルは、3×3配置の複数の発光ダイオードを含み、各セルの中央発光ダイオードは、そのセル内の周辺発光ダイオードよりも高い輝度で駆動されるように構成される。
【0176】
一実施形態によれば、電子デバイスであって、複数の画素と、複数の画素のためのバックライト照明を生成するように構成されたバックライトとを含み、バックライトは、基板と、基板上に取り付けられた発光ダイオードの2次元アレイと、基板上に取り付けられたドライバ集積回路であって、各ドライバ集積回路が発光ダイオードの2次元アレイの少なくとも1つの発光ダイオードを制御するドライバ集積回路と、複数の反射層であって、個別のドライバ集積回路の最上面に形成される複数の反射層とを含む、電子デバイスが提供される。
【0177】
別の実施形態によれば、ドライバ集積回路は、発光ダイオードの2次元アレイの間に散在される。
【0178】
前述は単なる例示であり、当業者は、記載された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。
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