(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置
(51)【国際特許分類】
H02P 7/29 20160101AFI20241016BHJP
【FI】
H02P7/29 G
(21)【出願番号】P 2022580104
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2021110816
(87)【国際公開番号】W WO2022028520
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-02-07
(31)【優先権主張番号】202010787348.5
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521549408
【氏名又は名称】格陸博科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】劉兆勇
(72)【発明者】
【氏名】陳義平
(72)【発明者】
【氏名】顧勤冬
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-296849(JP,A)
【文献】特開2020-104769(JP,A)
【文献】特開2016-077077(JP,A)
【文献】特開2003-259631(JP,A)
【文献】特開2016-208832(JP,A)
【文献】特開2006-335114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 7/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキングスイッチ回路、2軸加速度センサユニット、メインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1を含み、メインMCUユニットU2がパーキングスイッチ回路及び2軸加速度センサの信号を検出することにより、パーキングモータの制御を実行し;
モニタリングMCUユニットU1が制御システム全体の動作状態を監視し、メインMCUユニットU2に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2をリセットし;このうち、
ピン3が5V電源及びキャパシタC98と接続され、ピン4がキャパシタC98のもう一端と接続され、さらに接地され;
ピン6がモータ駆動回路のMOSスイッチQ12のゲートと接続され、さらにモータ駆動制御信号を送信し;
ピン9がモータ動作電流を測定するためのホールセンサU5と接続され、これはモータが正常な動作状態にあるかどうかを判断するのに用いられ、電流が過負荷の場合、ピン6が信号を送信してモータの稼働を制御し;
モータの両端はそれぞれ単極双投リレーRL1によりモータの正、負極の接続方向が制御され、これによりモータの正回転又は逆回転を制御し;モータがMOSパワースイッチによりPWMスイッチを駆動し、これによりその回転速度及びトルクを調節することを特徴とする、2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置
であって、
メインMCUユニットU2において、
ピン84が5V電源及びキャパシタC101と接続され、ピン83がキャパシタC101のもう一端と接続され、さらに接地され;
ピン12、13が2チャンネル単極双投リレーRL1と接続され、これによりモータの正逆回転を制御し;
ピン10がモータ駆動MOSスイッチQ11のゲートと接続され;
ピン43、95がホールセンサU5と接続され、
モニタリングMCUユニットU1のピン6が抵抗R74と接続され、抵抗R74のもう一端が抵抗R75及びMOSスイッチQ12のゲートと接続され、抵抗R75のもう一端及びMOSスイッチQ12のソースが接地され;MOSスイッチQ12のドレインがMOSスイッチQ11のドレイン、ダイオードD20のカソード、トランジスタQ9のベース及び抵抗R69と接続され;抵抗R69のもう一端が13V電源と接続され;
MOSスイッチQ11のソースが接地され、ゲートが抵抗R72と接続され、抵抗R72のもう一端が抵抗R70及びメインMCUユニットU2のピン10と接続され、抵抗R70のもう一端が5V電源と接続され;
トランジスタQ9のコレクタが抵抗R68と接続され、抵抗R68のもう一端が13V電源と接続され;Q9のエミッタがダイオードD20のアノード、抵抗R71と接続され;抵抗R71のもう一端がキャパシタC65、抵抗R73、ツェナーダイオードD21のカソード及びMOSスイッチQ10のゲートと接続され、キャパシタC65、抵抗R73、ツェナーダイオードD21のもう一端及びMOSスイッチQ10のソースが接地され;
MOSスイッチQ10のドレインがダイオードD14及びダイオードD15のアノード、2チャンネル単極双投リレーRL1の1ピンと接続され、2チャンネル単極双投リレーRL1の2ピンが13V電源と接続され、2チャンネル単極双投リレーRL1の3ピンがダイオードD16のアノード、MOSスイッチQ7のドレインと接続され、MOSスイッチQ7のゲートが抵抗R55、抵抗R56と接続され、抵抗R55のもう一端がメインMCUユニットU2の13ピンと接続され、抵抗R56のもう一端及びMOSスイッチQ7のソースが接地され;
2チャンネル単極双投リレーRL1の4ピンがD16のカソード、2チャンネル単極双投リレーRL1の6ピン、ダイオードD10のカソード及び13V電源と接続され;2チャンネル単極双投リレーRL1の5ピンがダイオードD10のアノード、MOSスイッチQ6のドレインと接続され、MOSスイッチQ6のゲートが抵抗R49、抵抗R50と接続され、抵抗R49のもう一端がメインMCUユニットU2の12ピンと接続され、抵抗R50のもう一端及びQ6のソースが接地され;
2チャンネル単極双投リレーRL1の7ピンがブラシ付き直流モータのB端子、D14のカソード、キャパシタC38、C39及びキャパシタC47と接続され、キャパシタC47のもう一端が接地され、直流モータのA端子がキャパシタC38、C39のもう一端、ホールセンサU5の1、2ピンと接続され;2チャンネル単極双投リレーRL1の8ピ
ンがダイオードD15のカソード、キャパシタC48及びホールセンサU5の3、4ピンと接続され、キャパシタC48のもう一端が接地され;
ホールセンサU5の5ピンが接地され、6ピンが抵抗R54と接続され、抵抗R54のもう一端がメインMCUユニットU2の95ピンと接続され;ホールセンサU5の7ピンが抵抗R51、抵抗R52と接続され、抵抗R51のもう一端がメインMCUユニットU2の43ピン及びキャパシタC41と接続され、キャパシタC41のもう一端が接地され;抵抗R52のもう一端がモニタリングMCUユニットU1の9ピン及びキャパシタC45と接続され、キャパシタC45のもう一端がU5の5ピンと接続され;ホールセンサU5の8ピンが抵抗R53、5V電源及びキャパシタC40と接続され、抵抗R53のもう一端がホールセンサU5の6ピンと接続され、キャパシタC40のもう一端が接地され、
モニタリングMCUユニットU1において、
ピン1、2がそれぞれモニタリングMCUユニットU1のリセット入力及びプログラムダウンロードの信号接続に用いられ;
ピン7がメインMCUユニットU2のピン96と接続され、メインMCUユニットU2がモニタリングMCUユニットU1へのイネーブルチップセレクト信号を送信し、これによりモニタリングMCUユニットU1をイネーブルし;
ピン8、13、14はSPIインターフェース信号を入出力し、SPIメモリと接続され、メインMCUユニットU2のピン91、92、93がSPIセンサと接続され;SPIインターフェース信号はSPIバスにおけるメモリMCUユニットU2のメモリチップに対する読み書きにエラーが生じたかどうかを監視するのに用いられ、エラーが生じた場合、相応する制御論理に応じてメインMCUユニットU2をリセットし;
ピン10は、モータが駆動する負荷が正常な動作状態にあるかどうかを判断するための張力センサと接続され、過負荷の場合、ピン6が信号を送信してモータの稼働を制御し、張力負荷に対する制御を実現し;
ピン11はリセット出力であり、メインMCUユニットU2をリセットし;
ピン15、16はそれぞれメインMCUユニットU2のピン71、72と接続され、メインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1の通信及びインタラクティブとして用いられ;
ピン17、18、19、20がパーキングスイッチ信号を入力するのに用いられ、複合状態ではモニタリングMCUユニットU1内部のAD変換後、モニタリングMCUユニットU1が所定の論理に応じて、ユーザがクランプ又はリリース動作を開始したことを判断し、さらにはモータの正回転及び逆回転を制御し、張力負荷を駆動することを特徴とする、2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置。
【請求項2】
モータの両端はそれぞれ単極双投リレーRL1によりモータの正、負極の接続方向が制御され、これによりモータの正回転又は逆回転を制御することを特徴とする、請求項1に記載の2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置。
【請求項3】
モータはMOSパワースイッチによりPWMスイッチを駆動し、これによりその回転速度及びトルクを調節することを特徴とする、請求項2に記載の2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置。
【請求項4】
モニタリングMCUユニットU1において、
ピン3が5V電源及びキャパシタC98と接続され、ピン4がキャパシタC98のもう一端と接続され、さらに接地され;
ピン6がモータ駆動回路のMOSスイッチQ12のゲートと接続され、さらにモータ駆動制御信号を送信し;
ピン9がモータの動作電流を測定するためのホールセンサU5と接続され、これはモータが正常な動作状態にあるかどうかを判断するのに用いられ、電流が過負荷の場合、ピン6が信号を送信してモータの稼働を制御することを特徴とする、請求項3に記載の2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置。
【請求項5】
モニタリングMCUユニットU1に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2がモニタリングMCUユニットU1をリセットすることを特徴とする、請求項1に記載の2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車電子制御の技術分野に関し、特に2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の電子パーキングブレーキ制御システムは、主にマイクロコントローラ、I0処理回路、Hブリッジ駆動回路、パーキングスイッチ回路及び2軸加速度センサからなる。マイクロコントローラ、Hブリッジ駆動回路は、電子パーキングブレーキシステムを構成する核心モジュールである。自動車の電子パーキングブレーキシステムにおいて、1つのMCUを主な制御部品としており、一定のフリーズ、故障、不具合のリスクが存在し、自動車のパーキングブレーキの安全に影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置を提供することである。1つのモニタリングMCUユニットU1を多く導入したユニットであり、メインMCUユニットU2がフリーズすると、モニタリングMCUユニットU1によりメインMCUユニットU2を迅速にリセットすることができ、メインMCUユニットU2を迅速に応答状態にする。パーキングブレーキ制御能力を回復させ、システムの安全性を最大に高め、これによりシステムの応用全体がより信頼できる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の上記技術的目的は、以下の技術案により実現することができる。
2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置は、パーキングスイッチ回路、2軸加速度センサユニット、メインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1を含み、メインMCUユニットU2はパーキングスイッチ回路及び2軸加速度センサの信号を検出することにより、パーキングモータの制御を実行する。
モニタリングMCUユニットU1は制御システム全体の動作状態を監視し、さらにメインMCUユニットU2に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2をリセットする。
【0005】
さらに、モータの両端はそれぞれ単極双投リレーRL1により、モータの正、負極の接続方向が制御され、これによりモータの正回転又は逆回転を制御する。
【0006】
さらに、モータはMOSパワースイッチによりPWMスイッチを駆動し、これによりその回転速度及びトルクを調節する。
【0007】
さらに、モニタリングMCUユニットU1において、ピン3は5V電源及びキャパシタC98と接続され、ピン4はキャパシタC98のもう一端と接続され、さらに接地される。
ピン6はモータ駆動回路のMOSスイッチQ12のゲートと接続され、さらにモータ駆動制御信号を送信する。
ピン9はモータの動作電流を測定するためのホールセンサU5と接続され、これはモータが正常な動作状態にあるかどうかを判断するのに用いられる。電流が過負荷である場合、ピン6が信号を送信してモータの稼働を制御する。
【0008】
さらに、メインMCUユニットU2において、ピン84は5V電源及びキャパシタC101と接続され、ピン83はキャパシタC101のもう一端と接続され、さらに接地される。
ピン12、13は2チャンネル単極双投リレーRL1と接続され、これによりモータの正逆回転を制御する。
ピン10はモータ駆動MOSスイッチQ11のゲートと接続される。
ピン43、95はホールセンサU5と接続される。
【0009】
さらに、モニタリングMCUユニットU1のピン6は抵抗R74と接続され、抵抗R74のもう一端は抵抗R75及びMOSスイッチQ12のゲートと接続され、抵抗R75のもう一端及びMOSスイッチQ12のソースは接地される。MOSスイッチQ12のドレインはMOSスイッチQ11のドレイン、ダイオードD20のカソード、トランジスタQ9のベース及び抵抗R69と接続され;抵抗R69のもう一端は13V電源と接続される。
MOSスイッチQ11のソースは接地され、ゲートは抵抗R72と接続され、抵抗R72のもう一端は抵抗R70及びメインMCUユニットU2のピン10と接続され、抵抗R70のもう一端は5V電源と接続される。
トランジスタQ9のコレクタは抵抗R68と接続され、抵抗R68のもう一端は13V電源と接続される。Q9のエミッタはダイオードD20のアノード、抵抗R71と接続される。抵抗R71のもう一端はキャパシタC65、抵抗R73、ツェナーダイオードD21のカソード及びMOSスイッチQ10のゲートと接続され、キャパシタC65、抵抗R73、ツェナーダイオードD21のもう一端及びMOSスイッチQ10のソースは接地される。
MOSスイッチQ10のドレインはダイオードD14及びダイオードD15のアノード、2チャンネル単極双投リレーRL1の1ピンと接続され、2チャンネル単極双投リレーRL1の2ピンは13V電源と接続され、2チャンネル単極双投リレーRL1の3ピンはダイオードD16のアノード、MOSスイッチQ7のドレインと接続される。MOSスイッチQ7のゲートは抵抗R55、抵抗R56と接続され、抵抗R55のもう一端はメインMCUユニットU2の13ピンと接続され、抵抗R56のもう一端及びMOSスイッチQ7のソースは接地される。
2チャンネル単極双投リレーRL1の4ピンは、D16のカソード、2チャンネル単極双投リレーRL1の6ピン、ダイオードD10のカソード及び13V電源と接続される。2チャンネル単極双投リレーRL1の5ピンはダイオードD10のアノード、MOSスイッチQ6のドレインと接続され、MOSスイッチQ6のゲートは抵抗R49、抵抗R50と接続され、抵抗R49のもう一端はメインMCUユニットU2の12ピンと接続され、抵抗R50のもう一端及びQ6のソースは接地される。
2チャンネル単極双投リレーRL1の7ピンはブラシ付き直流モータのB端子、D14のカソード、キャパシタC38、C39及びキャパシタC47と接続され、キャパシタC47のもう一端は接地され、直流モータのA端子はキャパシタC38、C39のもう一端、ホールセンサU5の1、2ピンと接続される。2チャンネル単極双投リレーRL1の8ピンはダイオードD15のカソード、キャパシタC48及びホールセンサU5の3、4ピンと接続され、キャパシタC48のもう一端は接地される。
ホールセンサU5の5ピンは接地され、6ピンは抵抗R54と接続され、抵抗R54のもう一端はメインMCUユニットU2の95ピンと接続される。ホールセンサU5の7ピンは抵抗R51、抵抗R52と接続され、抵抗R51のもう一端はメインMCUユニットU2の43ピン及びキャパシタC41と接続され、キャパシタC41のもう一端は接地される。抵抗R52のもう一端はモニタリングMCUユニットU1の9ピン及びキャパシタC45と接続され、キャパシタC45のもう一端はU5の5ピンと接続される。ホールセンサU5の8ピンは抵抗R53、5V電源及びキャパシタC40と接続され、抵抗R53のもう一端はホールセンサU5の6ピンと接続され、キャパシタC40のもう一端は接地される。
【0010】
さらに、モニタリングMCUユニットU1において、ピン1、2はそれぞれモニタリングMCUユニットU1のリセット入力及びプラグラムダウンロードの信号接続に用いられる。
ピン7はメインMCUユニットU2のピン96と接続され、メインMCUユニットU2はモニタリングMCUユニットU1へのイネーブルチップセレクト信号を送信して、モニタリングMCUユニットU1をイネーブルする。
ピン8、13、14はSPIインターフェース信号を入出力し、SPIメモリと接続され、メインMCUユニットU2のピン91、92、93はSPIセンサと接続される。これはSPIバスにおけるメインMCUユニットU2のメモリチップに対する読み書きにエラーが生じたかどうかを監視するのに用いられ、エラーが生じた場合、相応する制御論理に応じてメインMCUユニットU2をリセットする。
ピン10は、モータが駆動する負荷が正常な動作状態にあるかどうかを判断するための張力センサと接続され、過負荷の場合、ピン6が信号を送信してモータの稼働を制御し、張力負荷に対する制御を実現する。
ピン11はリセット出力に用いられ、メインMCUユニットU2をリセットする。
ピン15、16はそれぞれメインMCUユニットU2のピン71、72と接続され、メインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1の通信及びインタラクティブとして用いられる。
ピン17、18、19、20はパーキングスイッチ信号を入力するのに用いられ、複合状態ではモニタリングMCUユニットU1内部のAD変換後、モニタリングMCUユニットU1が所定の論理に応じて、ユーザがクランプ又はリリース動作を開始したことを判断し、さらにはモータの正回転及び逆回転を制御し、張力負荷を駆動する。
【0011】
さらに、モニタリングMCUユニットU1に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2がモニタリングMCUユニットU1をリセットする。
【発明の効果】
【0012】
上記をまとめると、本発明は以下の有益な効果を有する。
1.1つのモニタリングMCUユニットU1を多く導入したユニットにより、メインMCUユニットU2がフリーズすると、モニタリングMCUユニットU1によりメインMCUユニットU2を迅速にリセットすることができ、メインMCUユニットU2を迅速に応答状態にする。パーキングブレーキ制御能力を回復させ、システムの安全性を最大に高め、これによりシステムの応用全体がより信頼できる。
【0013】
2.高出力Hブリッジ駆動回路のコストは比較的高い。リレー直流モータ駆動ユニットは2チャンネル単極双投(SPDT)リレーを採用して、モータの正回転及び逆回転を制御し、さらにMOSパワースイッチを採用してPWMスイッチを駆動し、回転速度及びトルクを調節する。リレー直流モータ駆動ユニットはHブリッジ駆動回路の代わりとなる優れた案であり、これは低コストで、動作が信頼でき、技術の核心である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明のシステム全体の接続概要図である。
【
図2】
図2は、2つのMCUを有する冗長設計アーキテクチャにおけるメインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1の信号接続図である。
【
図3】
図3は、モータのMOS駆動接続回路である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を組み合わせて、本発明の具体的な実施形態についてさらに説明する。本実施例は本発明を制限しない。
【0016】
図1に示すように、2つのMCUを有する冗長設計の自動車電子パーキング実行制御装置は、パーキングスイッチ回路、2軸加速度センサユニット、メインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1を含み、メインMCUユニットU2はパーキングスイッチ回路及び2軸加速度センサの信号を検出することにより、パーキングモータの制御を実行する。パーキングスイッチ回路、2軸加速度センサユニット、1つのMCUにより、パーキングモータを制御するのは既存技術であり、ここでは述べない。
【0017】
既存回路の接続を保持すると同時に、2つのMCUを有する冗長設計の制御論理を加える。具体的に、モニタリングMCUユニットU1は制御システム全体の動作状態を監視し、さらにメインMCUユニットU2に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2をリセットする。モニタリングMCUユニットU1に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2がモニタリングMCUユニットU1をリセットする。
【0018】
図2及び
図3に示すように、パーキングモータは直流モータであり、モータはMOSパワースイッチによりPWMスイッチを駆動し、これによりその回転速度及びトルクを調節する。コスト、リスクを低下させるため、モータの両端はそれぞれ単極双投リレーRL1(SPDT)によりモータの正、負極の接続方向が制御され、2チャンネル単極双投リレーRL1によりモータの両端における正負極の接続を切り替え、これによりモータの正回転又は逆回転を制御する。該リレー直流モータ駆動ユニットは、Hブリッジ駆動回路の代わりとなる優れたアーキテクチャであり、これは低コストで、動作が信頼できる。
【0019】
図2に示すように、モニタリングMCUユニットU1はU1であり、メインMCUユニットU2はU2である。
このうち、モニタリングMCUユニットU1において、ピン1、2はそれぞれモニタリングMCUユニットU1のリセット入力及びプログラムダウンロードの信号接続に用いられる。
ピン3、4は動作電源の入力接続に用いられ;ピン3は5V電源及びキャパシタC98と接続され、ピン4はキャパシタC98のもう一端と接続され、さらに接地される。
ピン5、12は使用されない。
ピン6はモータ駆動回路のスイッチMOSのゲートと接続され、さらにモータ駆動制御信号を送信する。
ピン7はメインMCUユニットU2のピン96と接続され、メインMCUユニットU2がU1へのイネーブルチップセレクト信号を送信し、チップU1をイネーブルする。
ピン8、13、14はSPIインターフェース信号を入出力し、SPIメモリ(MISO、MOSI、SCK)と接続され、メインMCUユニットU2のピン91、92、93はSPIセンサ(MOSI、MISO、SCK)と接続される。これはSPIバスにおけるメインMCUユニットU2のメモリチップに対する読み書きにエラーが生じたかどうかを監視するのに用いられ、エラーが生じた場合、相応する制御論理に応じてメインMCUユニットU2をリセットする。
ピン9はモータ動作電流を測定するためのホールセンサU5と接続され、これはモニタリングMCUユニットU1によりモータが正常な動作状態にあるかどうかを判断するのに用いられる。電流が過負荷である場合、ピン6が信号を送信してモータの稼働を制御する。
ピン10は、モータが駆動する負荷が正常な動作状態にあるかどうかを判断するための張力センサと接続される。過負荷の場合、ピン6が信号を送信し、モータの稼働を制御して、張力負荷の制御を実現する。
ピン11はリセット出力に用いられ、所定の計算方法に基づいてメインMCUユニットU2をリセットする。いかにしてMCUをリセットするかは既存技術であり、ここでは述べない。
ピン15、16はそれぞれメインMCUユニットU2のピン71、72と接続され、UART信号によりメインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1の通信及びインタラクティブを実現する。これはメインMCUユニットU2及びモニタリングMCUユニットU1のホスト、バックアップの切換を行うデータ交換チャネルである。
メインMCUユニットU2がUARTバスを介してモニタリングMCUユニットU1の関連状態にアクセスするとき、モニタリングMCUユニットU1が相応する定時周期内で正確に応答することができない場合、モニタリングMCUユニットU1が異常であると判定する。メインMCUユニットU2は、モニタリングMCUユニットU1をリセットする。例えばメインMCUユニットU2は1つの疑似ランダムコードを送信し、モニタリングMCUユニットU1はそのCRCチェックサムを計算してメインMCUユニットU2に返信する。メインMCUユニットU2はそのCRCチェックサム及び逆算による検証結果に基づき、結果が一致する場合、モニタリングMCUユニットU1がすべて正常であるとし、そうでなければ異常と判定する。
【0020】
ピン17、18、19、20はパーキングスイッチ入力信号を入力するのに用いられ、さらに4つのパーキングスイッチ入力信号は抵抗キャパシタネットワークにより5V以内のアナログ電圧信号に変換され、MCUのAD変換器が収集及び状態判断するのに便利である。複合状態ではモニタリングMCUユニットU1内部のAD変換後、モニタリングMCUユニットU1が所定の論理に応じてユーザがクランプ又はリリース動作を開始したことを判断し、さらにはモータの正回転及び逆回転を制御して張力負荷を駆動する。
【0021】
図2に示すように、メインMCUユニットU2において、ピン83、84は動作電源の入力接続に用いられ;ピン84は5V電源及びキャパシタC101と接続され、ピン83はキャパシタC101のもう一端と接続され、さらに接地される。ピン12、13は2チャンネル単極双投リレーRL1と接続され、これによりモータの正逆回転を制御する。ピン10はモータ駆動回路のMOSスイッチQ11のゲートと接続され、Q11をオン又はオフするのに用いられる。さらには後段の高出力MOSFETのQ10をオン又はオフして、モータを通電又は遮断する。
ピン43、95はホールセンサU5と接続され、ピン43はモータ動作電流の検出信号の入力に用いられ、ピン95はモータ動作時の過電流過負荷信号の入力に用いられる。
【0022】
図3に示すように、具体的に、モニタリングMCUユニットU1のピン6は抵抗R74と接続され、抵抗R74のもう一端は抵抗R75及びMOSスイッチQ12のゲートと接続され、抵抗R75のもう一端及びMOSスイッチQ12のソースは接地される。MOSスイッチQ12のドレインはMOSスイッチQ11のドレイン、ダイオードD20のカソード、トランジスタQ9のベース及び抵抗R69と接続され;抵抗R69のもう一端は13V電源と接続される。
MOSスイッチQ11のソースは接地され、ゲートは抵抗R72と接続され、抵抗R72のもう一端は抵抗R70及びメインMCUユニットU2のピン10と接続され、抵抗R70のもう一端は5V電源と接続される。
トランジスタQ9のコレクタは抵抗R68と接続され、抵抗R68のもう一端は13V電源と接続される。Q9のエミッタは、ダイオードD20のアノード、抵抗R71と接続される。抵抗R71のもう一端はキャパシタC65、抵抗R73、ツェナーダイオードD21のカソード及びMOSスイッチQ10のゲートと接続され、キャパシタC65、抵抗R73、ツェナーダイオードD21のもう一端及びMOSスイッチQ10のソースは接地される。
MOSスイッチQ10のドレインはダイオードD14及びダイオードD15のアノード、2チャンネル単極双投リレーRL1の1ピンと接続され、2チャンネル単極双投リレーRL1の2ピンは13V電源と接続され、2チャンネル単極双投リレーRL1の3ピンはダイオードD16のアノード、MOSスイッチQ7のドレインと接続される。MOSスイッチQ7のゲートは抵抗R55、抵抗R56と接続され、抵抗R55のもう一端はメインMCUユニットU2の13ピンと接続され、抵抗R56のもう一端及びMOSスイッチQ7のソースは接地される。
2チャンネル単極双投リレーRL1の4ピンは、D16のカソード、2チャンネル単極双投リレーRL1の6ピン、ダイオードD10のカソード及び13V電源と接続される。2チャンネル単極双投リレーRL1の5ピンはダイオードD10のアノード、MOSスイッチQ6のドレインと接続され、MOSスイッチQ6のゲートは抵抗R49、抵抗R50と接続され、抵抗R49のもう一端はメインMCUユニットU2の12ピンと接続され、抵抗R50のもう一端及びQ6のソースは接地される。
2チャンネル単極双投リレーRL1の7ピンはブラシ付き直流モータのB端子、D14のカソード、キャパシタC38、C39及びキャパシタC47と接続され、キャパシタC47のもう一端は接地され、直流モータのA端子はキャパシタC38、C39のもう一端、ホールセンサU5の1、2ピンと接続される。2チャンネル単極双投リレーRL1の8ピンはダイオードD15のカソード、キャパシタC48及びホールセンサU5の3、4ピンと接続され、キャパシタC48のもう一端は接地される。
ホールセンサU5の5ピンは接地され、6ピンは抵抗R54と接続され、抵抗R54のもう一端はメインMCUユニットU2の95ピンと接続される。ホールセンサU5の7ピンは抵抗R51、抵抗R52と接続され、抵抗R51のもう一端はメインMCUユニットU2の43ピン及びキャパシタC41と接続され、キャパシタC41のもう一端は接地される。抵抗R52のもう一端はモニタリングMCUユニットU1の9ピン及びキャパシタC45と接続され、キャパシタC45のもう一端はU5の5ピンと接続される。ホールセンサU5の8ピンは抵抗R53、5V電源及びキャパシタC40と接続され、抵抗R53のもう一端はホールセンサU5の6ピンと接続され、キャパシタC40のもう一端は接地される。
【0023】
本発明のモニタリングMCUユニットU1は、電子パーキングブレーキ制御システムの冗長制御の核心である。モニタリングMCUユニットU1は制御システム全体の動作状態を独立して監視することができ、異常に対して警告を発し、所定の制御論理に応じて処理する。メインMCUユニットU2に異常が生じたとき、モニタリングMCUユニットがメインMCUユニットU2をリセットすることができ、同時にモニタリングMCUユニットU1に異常が生じたとき、メインMCUユニットU2がモニタリングMCUユニットU1をリセットすることができ、これにより制御システムの冗長操作を実現する。
【0024】
リレー直流モータ駆動ユニットの設計は、電子パーキングブレーキ制御システムの低コストの核心である。リレー直流モータ駆動ユニットは2チャンネル単極双投(SPDT)リレーを採用して、モータの正回転及び逆回転を制御し、さらにMOSパワースイッチを採用してPWMスイッチを駆動し、降圧、速度調整を行う。そのデューティ比が高いほど、モータの出力パワーは高く、これにより回転速度及びトルクを調節する。モータはモータの動作電流を測定するためのホールセンサU5と接続され、U1及びU2に送信するADC入力ピンは、それぞれU1のピン9及びU2のピン43であり、負荷の大きさを計算するのに用いられる。ダイオードとも接続して、逆起電力を解消し、電源バスを保護して、サージの発生を防止する。簡単で、信頼でき、コストが廉価であり、充分に経済的なブラシレス直流モータの制御及び駆動方法である。コスト戦略、保護の核心である。
【0025】
動作原理:
通電後、メインMCUユニットU2は正常に通電してシステムチェックが動作し、イネーブルをモニタリングMCUユニットU1のピン7に送信し、モニタリング機能をイネーブルする。モニタリングMCUユニットU1は、主にメインMCUユニットU2及びSPIメモリのデータアクセス(ピン8、13、14)、外部スイッチ信号の入力(ピン17、18、19、20)、モータ電流信号(ピン9)、張力センサ信号(ピン10)を監視し、さらにモニタリングMCUユニットU1内部における所定メモリの動作状態の真理値表と比較して、4者の間の動作論理が予想と符合するかどうかを監視する。符合する場合、監視を保持し続ける。予想と符合しない場合、ピン6がモータを停止するように駆動し、さらにUART(ピン15、16)を介してメインMCUユニットU2と通信し、メインMCUユニットU2の動作が異常であると提示し、診断情報を保存し、初期リセット状態に入る準備をする。メインMCUユニットU2がUARTを介して送信する確認をモニタリングMCUユニットU1が受信してからリセットするとき、それ自体の状態情報を保存した後、モニタリングMCUユニットU1のピン11がリセット信号をメインMCUユニットU2に送信し、一連の異常、故障のリセットを完了する。迅速に故障修復プログラムに入り、パーキングの正常な動作を保障する。
【0026】
以上の記載は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するのに用いられない。当業者は本発明の本質及び保護の範囲内で、本発明に対して各種の修正又は同等の置換を行うことができ、この種の修正又は同等の置換も本発明の技術案の保護範囲内にあるとみなすべきである。