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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】バッテリ接続モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20241016BHJP
   H01M 50/519 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241016BHJP
   H01M 50/528 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/519
H01M50/284
H01M50/298
H01M50/583
H01M50/569
H01M50/204 401D
H01M50/528
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023017274
(22)【出願日】2023-02-08
(65)【公開番号】P2023118086
(43)【公開日】2023-08-24
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】202210129502.9
(32)【優先日】2022-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】リン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リム キアン ヘン
(72)【発明者】
【氏名】ツェン シャン シウ
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-140865(JP,A)
【文献】特開2019-050200(JP,A)
【文献】特開2017-004741(JP,A)
【文献】国際公開第2016/035334(WO,A1)
【文献】特開2013-105522(JP,A)
【文献】特開2013-097894(JP,A)
【文献】特開2019-023996(JP,A)
【文献】特開2022-015564(JP,A)
【文献】特開2021-197261(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113056114(CN,A)
【文献】特開2020-202060(JP,A)
【文献】特開2020-013652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0313139(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0069223(US,A1)
【文献】中国実用新案第211350786(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/284
H01M 50/298
H01M 50/204
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリを接続するために使用されるバッテリ接続モジュールであって、
載置トレイと、
該載置トレイ上に組み立てられた複数の母線であって、前記複数のバッテリを接続するために使用される、複数の母線と、
主回路基板であって、複数の第1の配線及び複数の第2の配線を備え、前記複数の第1の配線の一端の接続点が第1の接続点接続領域に集約されており、前記複数の第1の配線のうちの少なくともいくつかの他端が前記複数の母線を接続しており、前記複数の第2の配線の一端が前記主回路基板上に取り付けられた動作構成要素を接続しており、前記複数の第2の配線の他端の接続点が第2の接続点接続領域内に集約されている、主回路基板と、
前記第1の接続点接続領域の前記複数の第1の配線及び前記第2の接続点接続領域の前記複数の第2の配線をそれぞれブリッジするために使用されている複数のブリッジ配線を備えるブリッジ回路基板であって、各ブリッジ配線が、その上に可融セグメントを含む、ブリッジ回路基板と、
一対のコネクタとを備え、
前記ブリッジ回路基板の各ブリッジ配線の一方の端が、一方のコネクタの端子を介して、前記主回路基板の第1の接続点接続領域に集約された複数の第1の配線の一端の接続点と接続され、前記ブリッジ回路基板の各ブリッジ配線の他方の端が、他方のコネクタの端子を介して、前記主回路基板の第2の接続点接続領域に集約された複数の第2の配線の他端の接続点と接続されている、バッテリ接続モジュール。
【請求項2】
前記可融セグメントが、前記ブリッジ配線上に提供された可融配線として構築されている、請求項に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項3】
前記ブリッジ回路基板が、フレキシブル回路基板として構築されており、前記主回路基板が、剛性回路基板として構築されている、請求項に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項4】
前記コネクタの端子の2つの端と、前記主回路基板及び前記ブリッジ回路基板との間の接続様式が、貫通孔タイプの溶接である、請求項に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項5】
前記主回路基板の別のいくつかの第1の配線の他端が、センサを接続するために更に使用されている、請求項1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項6】
前記主回路基板及び各母線が、間の導電片を介して接続されている、請求項1に記載のバッテリ接続モジュール。
【請求項7】
前記導電片が、回路基板接続セグメントと、母線接続セグメントと、前記回路基板接続セグメントと前記母線接続セグメントとの間に位置決めされている緩衝セグメントと、を備える、請求項に記載のバッテリ接続モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリ技術分野に関し、具体的には、バッテリ接続モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
中国実用新案特許出願公開第203691758(U)号は、直列に接続された2つ以上の可融アセンブリを含むフレキシブルプリント回路基板を開示しており、各可融アセンブリは、内部に並列に接続されたコネクタ及び可融ワイヤを備える。使用中、1つの可融アセンブリのコネクタは動作コネクタとして提供され、動作コネクタの2つのパッドはそれらの間で開放回路であるが、別の可融アセンブリのコネクタはバックアップコネクタとして作用し、バックアップコネクタの2つのパッドは、はんだによって短絡され、そのためバックアップコネクタと並列に接続された可融ワイヤを短絡させ、これは、バックアップコネクタが導電性ワイヤとして直接作用することと同等である。一方、フレキシブルプリント回路基板の可融モジュールは、回路が過電流であるとき、過電流保護を機能させるために、動作コネクタに並列に接続された可融ワイヤを溶融及び遮断させ得、他方、フレキシブルプリント回路基板の可融モジュールは、修復するのに便利であり、動作コネクタに並列に接続された可融ワイヤが溶融及び遮断されるとき、バックアップコネクタ上に予め溶接されたはんだを除去する必要があるだけであり、次いで、動作コネクタの第1のパッド及び第2のパッドがはんだで溶接されて、第1のパッド及び第2のパッドを短絡させ、そのため回路が導通し、バックアップコネクタに並列に接続された可融ワイヤが動作し得る。
【0003】
中国実用新案特許出願公開第209787546(U)号(米国特許出願公開第2020/0203777(A1)号に対応する)は、回路基板及びバッテリモジュールを開示し、具体的には、第1の分岐経路及び第2の分岐経路を開示し、第1の分岐経路が、第1の可融ゾーンで形成され、第2の分岐経路が、第2の可融ゾーンで形成されることを開示している。第2の分岐経路の一端は、第1の可融ゾーンを除いて、サンプリング端部又は第1の分岐経路の一部に接続され、第2の分岐経路の他端は、サンプリング端部及び第1の分岐経路から離間されている。回路基板のサンプリングプロセスにおいて、第1のパッドは、サンプリング回路のサンプリング端部、第1の分岐経路、及び出力端部を介して、収集された信号を外部コントローラに送信する。第1の分岐経路の第1の可融ゾーンが溶融及び遮断される(この時点で、サンプリング回路のサンプリング端部及び出力端部が切断される)とき、サンプリング回路には第2の分岐経路が更に設けられているため、回路基板は、第2の分岐経路及び第2のパッドによって迅速に修復されて、回路基板の復帰修復中にサンプリング端部と出力端部との間の電気的接続を行うことによって、回路基板の再使用という目的を達成することができる。
【0004】
上記の従来技術は両方とも、コネクタ又は他の電子構成要素が同じ回路基板上に提供され、次いで、電子構成要素に取り付けられた回路基板が母線との溶接動作で実施される技術的解決策を開示する。しかしながら、回路基板の製造動作中に回路基板と母線との間で溶接問題が生じる場合、高い価値を有する回路基板全体の廃棄をもたらす可能性がある。そして、使用中、過電流状態の回路が、溶融及び遮断された可融線を含む回路をもたらすとき、上記の従来技術において開示された可融線を含む回路が必要とされる場合があるが、可融線を含む回路は、1回だけしか修理することができず、可融線を含む回路を修理することができないとき、高い価値を有する回路基板全体の廃棄をもたらし、バッテリパック全体が廃棄されることさえあり得る。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本開示の目的は、従来技術における少なくとも1つの欠点を改善することができる、バッテリ接続モジュールを提供することである。
【0006】
本開示の実施形態のバッテリ接続モジュールは、複数のバッテリを接続するために使用され、バッテリ接続モジュールは、載置トレイと、複数の母線と、主回路基板と、ブリッジ回路基板と、を備え、複数の母線は、載置トレイ上に組み立てられ、複数の母線は、複数のバッテリを接続するために使用され、主回路基板は、複数の第1の配線及び複数の第2の配線を備え、複数の第1の配線の一端の接続点は、第1の接続点接続領域内に集約され、複数の第1の配線のうちの少なくともいくつかの他端は、複数の母線を接続し、複数の第2の配線の一端は、主回路基板上に取り付けられた動作構成要素を接続し、複数の第2の配線の他端の接続点は、第2の接続点接続領域内に集約され、ブリッジ回路基板は、第1の接続点接続領域の複数の第1の配線と第2の接続点接続領域の複数の第2の配線とをそれぞれブリッジするために使用される複数のブリッジ配線を備え、各ブリッジ配線は、その上に可融セグメントを備える。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、バッテリ接続モジュールは、コネクタを更に備え、各ブリッジ配線の2つの端は、コネクタの端子を介して、主回路基板の第1の配線及び第2の配線にそれぞれ接続される。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、可融セグメントは、ブリッジ配線上に提供される可融配線として構築される。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ブリッジ回路基板は、フレキシブル回路基板として構築され、主回路基板は、剛性回路基板として構築される。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、コネクタの端子の2つの端と、主回路基板及びブリッジ回路基板との間の接続様式は、貫通孔タイプの溶接である。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、主回路基板の別のいくつかの第1の配線の他端は、センサを接続するために更に使用される。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、主回路基板及び各母線は、それらの間の導電片を介して、接続される。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、導電片は、回路基板接続セグメントと、母線接続セグメントと、回路基板接続セグメントと母線接続セグメントとの間に位置決めされた緩衝セグメントと、を備える。
【0014】
上記開示の一実施形態は、少なくとも以下の利点又は有益な効果を有し、実施形態のバッテリ接続モジュールにおいて、ブリッジ回路基板は、主回路基板の複数の第1の配線と複数の第2の配線とをそれらの間で接続するブリッジとして作用し、複数の第1の配線及び複数の第2の配線は、別々に提供され、異なる機能及び作用を有することができ、例えば、複数の第1の配線は、複数の母線及び温度センサを接続するために使用されてもよく、複数の第2の配線は、動作構成要素(電子構成要素、電気コネクタなど含む)を接続するために使用されてもよい。同時に、可融セグメントが、ブリッジ回路基板上に提供され、そのため回路が過電流であるとき、ブリッジ回路基板上の可融配線が溶融し遮断された後、ブリッジ回路基板を単に交換する必要があるだけであり、主回路基板を引き出して交換する必要がなく、修理が簡単であり、コストが低いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】複数のバッテリが組み立てられた本開示の一実施形態のバッテリ接続モジュールの斜視図である。
図2】本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール及び複数のバッテリの分解概略図である。
図3】本開示の実施形態のバッテリ接続モジュールの斜視図である。
図4図3の点線枠Aによって示される部分的な拡大図である。
図5】本開示の実施形態のバッテリ接続モジュールの分解概略図である。
図6】載置トレイ及び複数の母線が省略された状態の、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュールの別の分解概略図である。
図7】本開示の実施形態のブリッジ回路基板の上面図である。
図8】本開示の実施形態の主回路基板の第1の接続点接続領域及び第2の接続点接続領域の上面図である。
図9図5の点線枠Bによって示される部分的な拡大図である。
【符号の説明】
【0016】
参照符号は、以下のように表される。
【0017】
100 バッテリ接続モジュール
200 バッテリ
210 電極
1 載置トレイ
11 回路基板取付領域
111 中間セグメント
112 延在セグメント
13 受容溝
13a 副凹状溝
131 側壁
132 隔壁
133 支持部
134 担持部
135 押圧部材
136 内壁
2 母線
21 出力母線
221 膨出部
222 電極接続部
3 主回路基板
31 第1の配線
311 第1の導電孔
32 第2の配線
321 導電パッド
3211 第2の切り欠き
322 第2の導電孔
33 第1の接続点接続領域
34 第2の接続点接続領域
4 コネクタ
41 導電性端子
5 ブリッジ回路基板
51 ブリッジ配線
511 第3の導電孔
512 第4の導電孔
52 可融セグメント
53 第3の接続点接続領域
54 第4の接続点接続領域
6 導電片
61 回路基板接続セグメント
611 第1の切り欠き
62 緩衝セグメント
621 緩衝バー
63 母線接続セグメント
7 動作構成要素
71 電気コネクタ
72 電子構成要素
8 センサ
81 温度センサ
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、添付図面を参照して、例示的な実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、例示的な実施形態は、様々な形態で実装することができ、本明細書で説明する実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、逆に、これらの実施形態を提供することは、本開示を包括的かつ完全なものにし、例示的な実施形態の概念を当業者に十分に伝える。図面中の同じ参照番号は、同じ又は同様の構造を表し、したがって、それらの繰り返しの説明は省略される。
【0019】
図1及び図2に示されるように、図1は、複数のバッテリが組み立てられた本開示の実施形態のバッテリ接続モジュールの斜視図であり、図2は、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール及び複数のバッテリの分解概略図である。本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100は、複数のバッテリ200を接続するために使用され、複数のバッテリ200の電圧、温度、又は他のバッテリパラメータを検出するために使用される。
【0020】
図3及び図4に示されるように、図3は、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100の斜視図であり、図4は、図3の点線枠Aによって示された部分的な拡大図である。本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100は、載置トレイ1、複数の母線2、主回路基板3、及びブリッジ回路基板5を含む。複数の母線2は、載置トレイ1上に組み立てられ、複数の母線2は、複数のバッテリ200を接続するために使用される。主回路基板3は、載置トレイ1上に提供され、主回路基板3は、複数の第1の配線31及び複数の第2の配線32を含む。ブリッジ回路基板5は、複数のブリッジ配線51を含み、複数のブリッジ配線51は、主回路基板3の複数の第1の配線31及び複数の第2の配線32をそれぞれブリッジするために使用される。
【0021】
本開示の実施形態における、「含む(include/including )」及び「有する(has/having)」という用語並びにそれらの任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることが意図されていることが理解され得る。例えば、一連の工程又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、又はデバイスは、列挙された工程又はユニットに限定されず、任意選択的に、列挙されていない工程若しくはユニットも含み、又は任意選択的に、プロセス、方法、製品、若しくはデバイスに固有の他の工程又は構成要素も含む。
【0022】
図5及び図9に示されるように、図5は、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100の分解概略図であり、図9は、図5の点線枠Bで示した部分的な拡大図である。載置トレイ1は、例えば、絶縁材料によって一体的に形成されてもよく、回路基板取付領域11及び複数の受容溝13を含む。回路基板取付領域11は、主回路基板3を取り付けるために使用され、複数の受容溝13は、複数の母線2を取り付けるために使用される。
【0023】
回路基板取付領域11は、実質的にU字形状であり、2つの延在セグメント112及び中間セグメント111を含み、中間セグメント111は、載置トレイ1の長さ方向において載置トレイ1の一端に位置決めされ、2つの延在セグメント112は、それぞれ中間セグメント111の2つの端を接続し、載置トレイ1の長さ方向に沿って延在する。これに対応して、主回路基板3もまた実質的にU字形状であり、回路基板取付領域11内に対応して取り付けることができる。
【0024】
回路基板取付領域11の形状及び主回路基板3の形状は、U字形状に限定されないことが理解され得る。
【0025】
複数の受容溝13は、2つのグループに分割されてもよく、受容溝13の2つのグループは、載置トレイ1の幅方向に沿って互いに対向するように提供され、各グループの受容溝13は、載置トレイ1の長さ方向に沿って互いに離間して提供され、かつ並んで配置される。換言すると、各グループの受容溝13は、回路基板取付領域11の対応する延在セグメント112の延在方向に沿って互いに離間して提供され、かつ並んで配置される。受容溝13の2つのグループは、回路基板取付領域11の2つの延在セグメント112に対応してそれぞれ提供され、受容溝13の2つのグループは、載置トレイ1の2つの延在セグメント112の外側にそれぞれ提供される。
【0026】
複数の母線2は、2つのグループに分割されてもよく、母線2の2つのグループは、受容溝13の2つのグループにそれぞれ取り付けられる。各グループの母線2は、載置トレイ1の長さ方向に沿って並んで配置されて提供され、母線2の各グループの一端に位置決めされた母線2は、出力母線21であり、2つの出力母線21は、バッテリパックの正極及び負極をそれぞれ表し得、外部負荷の正極及び負極と接続するために使用され得る。2つの出力母線21は、載置トレイ1の長さ方向に沿って載置トレイ1の2つの端にそれぞれ位置決めされ得る。
【0027】
各母線2は、導電性材料を曲げることによって一体的に形成され得る。複数の母線2のうちの2つの出力母線21を除いて、他の母線2の各々は、膨出部221及び2つの電極接続部222を含む。2つの電極接続部222は、膨出部221の2つの反対側にそれぞれ位置決めされ、対応するバッテリ200の電極210と電気的に接続するために使用される。
【0028】
図5を引き続き参照すると、載置トレイ1は、側壁131及び複数の隔壁132を含む。側壁131は、矩形を形成するように取り囲む。
【0029】
複数の隔壁132の各々の一端は、側壁131の長辺の内側に接続され、複数の隔壁132の各々の他端は、載置トレイ1の幅方向に沿って載置トレイ1の内部に向かって延在し、そのため、複数の受容溝13が隔てられる。一実施形態では、各隔壁132は、側壁131の長辺に対して垂直であり得るが、本開示はそれに限定されず、例えば、隔壁132及び側壁131の長辺はまた、それらの間のある角度によって提供されてもよい。
【0030】
載置トレイ1は、複数の支持部133を更に含み、各受容溝13は、複数の支持部133のうちの1つの内部に提供されている。支持部133は、細長い構造であってもよく、1つの受容溝13を2つの副凹状溝13aに隔てるように、対応する隔壁132に対して平行に提供され得る。すなわち、載置トレイ1の長さ方向に沿って、複数の支持部133及び複数の隔壁132が交互に提供される。
【0031】
支持部133に位置決めされた各副凹状溝13aの内壁136は、担持部134を更に備え、担持部134は、母線2を担持するために使用される。母線2が受容溝13に取り付けられるとき、支持部133は、母線2を支持するために、母線2の膨出部221に入る。母線2の2つの電極接続部222は、2つの副凹状溝13a内にそれぞれ受容され、担持部134によってそれぞれ担持される。
【0032】
載置トレイ1は、複数の押圧部材135を更に含み、各副凹状溝13aは、1つ以上の押圧部材135に提供され得る。母線2が受容溝13内に取り付けられるとき、押圧部材135は、母線2が受容溝13から取り外されることを防止する担持部134から離れるように電極接続部222の側面を押圧することができる。一実施形態では、押圧部材135は、弾性ラッチ部材であってもよいが、本開示は、これに限定されない。
【0033】
担持部134、支持部133、及び押圧部材135の協働作用下では、母線2は受容溝13内に制限されるが、母線2は、載置トレイ1に対して完全には固定されておらず、母線2は、その後の超音波溶接プロセスに対応するように、載置トレイ1に対してわずかに移動可能であり得ることに留意されたい。
【0034】
図6図8に示されるように、図6は、載置トレイ1及び複数の母線2が省略された状態の、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100の別の分解概略図であり、図7は、本開示の実施形態のブリッジ回路基板5の上面図であり、図8は、本開示の実施形態の主回路基板3の第1の接続点接続領域33及び第2の接続点接続領域34の上面図である。
【0035】
主回路基板3の複数の第1の配線31の一端の接続点は、第1の接続点接続領域33内に集約され、複数の第1の配線31のうちの少なくともいくつかの他端は、複数の母線2を接続し、別のいくつかの第1の配線31のうちの他端は、センサ8を接続するために使用される。主回路基板3の複数の第2の配線32の一端は、主回路基板3上に取り付けられた動作構成要素7を接続し、主回路基板3の複数の第2の配線32の他端の接続点は、第2の接続点接続領域34内に集約される。主回路基板3上に取り付けられた動作構成要素7は、電気コネクタ71、電子構成要素72などを含み得る。
【0036】
センサ8は、温度センサ81(例えば、NTC(Negative Temperature Coefficient thermistor、負温度係数サーミスタ))であり得ることが理解され得る。例えば、温度センサ81は、溶接された主回路基板3の他のいくつかの第1の配線31と機械的及び電気的に接続されてもよい。各温度センサ8は、2つの第1の配線31を接続する。
【0037】
本実施形態では、主回路基板3及び各母線2は、それらの間の導電片6を介して接続される。導電片6を接続するために使用される主回路基板3の第1の配線31の他端は、拡大導電パッド321として構築されてもよく、導電片6は、導電パッド321上に溶接される。
【0038】
ブリッジ回路基板5は、第1の接続点接続領域33の複数の第1の配線31と第2の接続点接続領域34の複数の第2の配線32とをそれぞれブリッジするために使用される複数のブリッジ配線51を含む。各ブリッジ配線51は、その上に可融セグメント52を含む。
【0039】
可融部材(ヒューズ)は、電流が所定の値を一定時間超過したとき、可融部材自体によって生成される熱によって可融部材を溶融させ、電流が過電流であるときに回路を遮断する機能を実現し、過電流保護を機能させると理解され得る。
【0040】
本実施形態では、ブリッジ回路基板5は、主回路基板3の複数の第1の配線31と複数の第2の配線32との間を接続するブリッジとして作用し、複数の第1の配線31及び複数の第2の配線32は、別々に提供され、異なる機能及び作用を有することができ、例えば、複数の第1の配線31は、複数の母線2及び温度センサ81を接続するために使用され得、複数の第2の配線32は、動作構成要素7(電子構成要素72、電気コネクタ71などを含む)を接続するために使用され得る。同時に、可融セグメント52が、ブリッジ回路基板5上に提供され、そのため回路が過電流であるとき、ブリッジ回路基板5上の可融配線が溶融して遮断された後、ブリッジ回路基板5を単に交換する必要があるだけであり、主回路基板3を引き出して交換する必要がなく、修理が簡単であり、コストが低いという利点を有する。
【0041】
可融セグメント52は、ブリッジ配線51上に提供される可融配線として構築されることが理解され得る。可融配線は、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100の動作配線と接続され、回路が過電流にあるときに溶融及び遮断されて、過電流保護を機能させることができる。
【0042】
一実施形態では、ブリッジ回路基板5は、フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit、FPC)として構築され、主回路基板3は、剛性回路基板として構築される。フレキシブル回路基板は、柔軟で屈曲可能なプリント回路基板であり、導電銅箔の層数によって、フレキシブルプリント回路基板は、単層基板、両面基板、二層基板、多層基板などに分類することができ、本開示の実施形は、それに対して特に限定しないが、単層フレキシブル回路基板は、コストが低いという利点を有することが理解され得る。フレキシブル回路基板を選択することは、ブリッジ回路基板5及び主回路基板3を組み立て又は分解するのにより便利である。主回路基板3が剛性回路基板として構築されることは、コストを低減し得る。
【0043】
図6に示されるように、バッテリ接続モジュール100は、コネクタ4を更に含む。ブリッジ回路基板5の各ブリッジ配線51の2つの端は、コネクタ4の導電端子41を介して主回路基板3の第1の配線31及び第2の配線32とそれぞれ接続される。
【0044】
一実施形態では、コネクタ4の導電端子41の2つの端と、主回路基板3及びブリッジ回路基板5との間の接続様式は、貫通孔タイプの溶接である。
【0045】
具体的には、第1の配線31の一端の接続点は、第1の導電孔311として構築されてもよく、第1の導電孔311は、主回路基板3の上部表面及び下部表面を貫通する。一実施形態では、第1の導電孔311の周りの上部表面及び下部表面は各々、円形の導電性リングを有してもよい。一実施形態では、第1の導電孔311の内壁には、導電層が提供され得る。複数の第1の配線31の複数の第1の導電孔311は、第1の接続点接続領域33内に集約される。
【0046】
第2の配線32の一端の接続点は、第2の導電孔322として構築されてもよく、第2の導電孔322の構造は、第1の導電孔311の構造と同じである。複数の第2の配線32の複数の第2の導電孔322は、第2の接続点接続領域34内に集約される。
【0047】
ブリッジ回路基板5の各ブリッジ配線51の2つの端は、それぞれ第3の導電孔511及び第4の導電孔512として構築されてもよく、第3の導電孔511及び第4の導電孔512は、第1の導電孔311と同様に構築され得る。複数のブリッジ配線51の一端の複数の第3の導電孔511は、第3の接続点接続領域53内に集約され、複数のブリッジ配線51の他端の複数の第4の導電孔512は、第4の接続点接続領域54内に集約される。
【0048】
ブリッジ回路基板5の第3の接続点接続領域53及び主回路基板3の第1の接続点接続領域33は、対応して提供され、複数の第3の導電孔511及び複数の第1の導電孔311は、1対1対応として提供される。ブリッジ回路基板5の第4の接続点接続領域54及び主回路基板3の第2の接続点接続領域34は、対応して提供され、複数の第4の導電孔512及び複数の第2の導電孔322は、1対1対応として提供される。
【0049】
本実施形態では、主回路基板3の複数の第1の配線31は、一方のコネクタ4を介して、ブリッジ回路基板5の複数のブリッジ配線51の一端と接続され、主回路基板3の複数の第2の配線32は、他方のコネクタ4を介して、ブリッジ回路基板5の複数のブリッジ配線51の他端と接続される。コネクタ4は、複数の導電端子41を含む。
【0050】
一方のコネクタ4の導電端子41の2つの端は、対応する第1の導電孔311及び対応する第3の導電孔511にそれぞれ挿入され、溶接によって、第1の配線31と、ブリッジ配線51の一端との接続を実現する。他方のコネクタ4の導電端子41の2つの端は、対応する第2の導電孔322及び対応する第4の導電孔512にそれぞれ挿入され、溶接によって、第2の配線32と、ブリッジ配線51の他端との接続を実現する。
【0051】
別の実施形態では、コネクタ4の導電端子41の2つの端と主回路基板3及びブリッジ回路基板5との間の接続は、表面取付技術(Surface Mounted Technology、SMT)を用いてもよく、又は、例えば、フレキシブル回路基板コネクタを用いてもよく、又は他の接続様式を用いてもよい。導電片6は、回路基板接続セグメント61と、母線接続セグメント63と、回路基板接続セグメント61と母線接続セグメント63との間に位置決めされた緩衝セグメント62と、を含む。回路基板接続セグメント61は、主回路基板3の第1の配線31の一端と電気的に接続するために使用され、例えば、回路基板接続セグメント61は、第1の配線31の導電パッド321と溶接され、回路基板接続セグメント61は、第1の切り欠き611を有し、温度センサ81に対応する導電パッド321は、第2の切り欠き3211を有し、第1の切り欠き611及び第2の切り欠き3211は、対応して提供される。導電パッド321の第2の切り欠き3211は、温度センサ81を受容するために使用される。母線接続セグメント63は、母線2を接続するために使用される。緩衝セグメント62は、2つの緩衝バー621を有し、緩衝セグメント62は、剛性がより小さく、かつ弾性を有し、主回路基板3と母線2との間に相対移動が生成されるとき、緩衝セグメント62は、相対移動を補償することができ、導電片6全体の損傷を回避する。
【0052】
結論として、本開示の実施形態のバッテリ接続モジュール100の利点及び有益な効果は、本実施形態のバッテリ接続モジュール100において、ブリッジ回路基板5が、主回路基板3の複数の第1の配線31と複数の第2の配線32との間を接続するブリッジとして作用し、複数の第1の配線31及び複数の第2の配線32が、別々に提供され、異なる機能及び作用を有し得、例えば、複数の第1の配線31が、複数の母線2及び温度センサ81を接続するために使用され得、複数の第2の配線32が、動作構成要素7(電子構成要素72、電気コネクタ71などを含む)を接続するために使用され得ることを少なくとも含む。同時に、可融セグメント52が、ブリッジ回路基板5上に提供され、そのため回路が過電流であるとき、ブリッジ回路基板5上の可融配線が溶融し遮断された後、ブリッジ回路基板5を単に交換する必要があるだけであり、主回路基板3を引き出して交換する必要がなく、修理が簡単であり、コストが低いという利点を有する。
【0053】
本開示によって提供される実施形態/実装様式は、矛盾することなく互いに組み合わせることができることが理解され得、ここでは詳細に説明しない。
【0054】
本開示の実施形態では、「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、説明の目的でのみ使用されており、相対的な重要性を示す又は示唆するとして理解することはできず、「複数の」という用語は、特に明確に定義されない限り、2つ以上を指す。「取り付ける(mount )」、「と接続する(connect with)」、「接続する(connect )」、「固定する(fix )」という用語及び他の同義語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、「接続する」は、固定して接続する、取り外し可能に接続する、又は一体的に接続するであり得、「と接続する」は、直接接続してもよいか、又は中間媒体を介して間接的に接続してもよい。当業者であれば、特定の状況による本開示の実施形態における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0055】
本開示の実施形態の説明において、向き又は位置の関係を示す「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語は、図に示された配向又は位置の関係に基づいており、本開示の実施形態を説明し、説明を簡略化する便宜のためだけのものであり、言及されたデバイス又はユニットが特定の方向を有し、特定の向きで構築及び動作されなければならないことを示す又は示唆するためではないことを理解されたい。したがって、これらの用語は、本開示の実施形態に対する限定として理解することはできない。
【0056】
本明細書の説明において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」などの用語の説明は、実施形態又は実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の実施形態の少なくとも1つの実施形態又は実施例内に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語の概略的表現は、必ずしも同じ実施形態又は実施例を指すものではない。更に、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ以上の実施形態又は実施例において適切な様式で組み合わせることができる。
【0057】
上記は、本開示の実施形態の単に好ましい実施形態であり、本開示の実施形態を限定するために使用されない。当業者にとって、本開示の実施形態は、様々な修正及び変更を有することができる。本開示の実施形態の趣旨及び原理内で行われる任意の修正、同等の置換、改善などは、本開示の実施形態の保護範囲内に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9