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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】混合冷媒システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/02 20060101AFI20241016BHJP
   F25J 1/00 20060101ALI20241016BHJP
   F25J 5/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
F25J1/02
F25J1/00 A
F25J5/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023049618
(22)【出願日】2023-03-27
(62)【分割の表示】P 2021015880の分割
【原出願日】2016-07-08
(65)【公開番号】P2023082058
(43)【公開日】2023-06-13
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】62/190,069
(32)【優先日】2015-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515255010
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】デュコート,ジュニア,ダグラス・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ポドルスキ,ジェームズ
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/146138(WO,A1)
【文献】特開昭60-114681(JP,A)
【文献】中国実用新案第202361751(CN,U)
【文献】英国特許出願公開第02326465(GB,A)
【文献】特開平08-159652(JP,A)
【文献】特開2001-165563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00 - 5/00
C10L 3/06 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合冷媒でガスを冷却するためのシステムであって:
a.高温端、低温端、前記高温端で供給原料を受け入れるように構成された前処理供給原料ストリーム冷却通路、ならびに、前記低温端から冷却された処理済生成物ストリームを移送するように構成された、処理された供給原料ストリーム冷却通路を含む主熱交換器であって、前記主熱交換器は、高圧蒸気冷却通路、高圧液体冷却通路、低温分離器蒸気冷却通路、低温分離器液体冷却通路および冷凍通路も含む、主熱交換器;
b.前記冷凍通路の出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第1セクション、前記圧縮器第1セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第1セクション冷却器、前記第1セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有する段間分離装置、前記段間分離装置の前記蒸気出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第2セクション、前記圧縮器第2セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第2セクション冷却器、前記第2セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する高圧分離装置を含む、混合冷媒圧縮器システム;
c.前記高圧分離装置の前記蒸気出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路;
d.前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口を有する低温蒸気分離器であって、液体出口および蒸気出口を有する低温蒸気分離器;
e.前記低温蒸気分離器の前記液体出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する前記熱交換器の前記低温分離器液体冷却通路;
f.前記高圧分離装置の前記液体出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する前記熱交換器の前記高圧液体冷却通路;
g.前記低温蒸気分離器の前記蒸気出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記低温分離器蒸気冷却通路;
h.前記低温分離器蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路の入口と流体連通している出口を有する膨張装置;
i.供給原料流体出口を有する前記前処理供給原料ストリーム冷却通路、および供給原料流体入口を有する、前記処理された供給原料ストリーム冷却通路;
j.i)前記供給原料流体出口からの混合相供給原料流体を受け入れるように構成された重質分分離装置であって、前記重質分分離装置は、前記重質分分離装置からの蒸気が前記熱交換器の前記処理された供給原料ストリーム冷却通路へ進むように、前記供給原料流体入口と流体連通した重質分分離装置蒸気出口を含み、さらに、前記重質分分離装置は、重質分分離装置液体出口も含む;
ii)前記混合冷媒圧縮システムの前記高圧分離装置の前記液体出口と流体連通している分岐;
iii)外部供給原料処理熱交換器であって、前記外部供給原料処理熱交換器は、前記重質分分離装置液体出口からの液体供給原料ストリームと、前記分岐からの冷凍ストリームとを受け入れて、前記液体供給原料ストリームが前記外部供給原料処理熱交換器内で前記冷凍ストリームとの熱交換によって加熱され、温められた液体供給原料ストリームが形成されるように構成されている;
iv)前記外部供給原料処理熱交換器からの温められた液体供給原料ストリームを受け入れるように構成された凝縮物除去カラム
を含む外部供給原料処理システム
を含む、システム。
【請求項2】
前記重質分分離装置が重質分ノックアウトドラムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記段間分離装置が液体出口を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記段間分離装置の前記液体出口と流体連通している入口、および前記高圧分離装置と流体連通している出口を有する段間ポンプをさらに含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記高圧分離装置と流体連通している入口、および前記段間分離装置と流体連通している出口を有する高圧再循環膨張装置をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記主熱交換器が低圧液体冷却通路を含み、前記熱交換器の前記低圧液体冷却通路が前記段間分離装置の前記液体出口と流体連通している入口を有し、かつさらに、前記低圧液体冷却通路の出口と連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する第1の膨張装置を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷凍通路の前記出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有するサクション分離装置をさらに含み、前記圧縮器第1セクション入口が、前記サクション分離装置の前記蒸気出口と流体連通している、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記高圧分離装置の前記蒸気出口と流体連通している再循環蒸気ライン、前記再循環蒸気ラインからの蒸気を受け入れるように構成された再循環弁入口と前記サクション分離装置へ流体を向けるように構成された再循環弁出口とを有するアンチサージ再循環弁を更に含む、請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2015年7月8日出願の米国仮出願第62/190,069号の利益を主張するものである。その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、一般に、ガスを冷却または液化するためのシステムおよび方法、より詳細には、ガスを冷却または液化するための混合冷媒システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]天然ガスおよび他のガスは、貯蔵および輸送のために液化される。液化はそのガスの体積を減少させ、これは一般に、1回または複数回の冷凍サイクルでの間接熱交換により、ガスを冷却することによって実施される。冷凍サイクルは設備の複雑さおよびサイクルの性能効率のため費用がかかる。したがって、設備コストを低くし、稼働させるのに複雑さがより小さく、より効率的であり、かつより安価なガスの冷却および/または液化システムが必要である。
【0004】
[0004]主としてメタンである天然ガスを液化するには、一般に、ガスストリームを約-160℃~-170℃に冷却し、次いで、圧力をおおよそ大気圧に低下させる必要がある。ガス状メタンを液化するための典型的な温度-エンタルピー曲線は、S字型曲線に沿って3つの領域を有する。ガスが冷却されるのにしたがって、約-75℃超の温度でガスはデスーパーヒーティング状態であり;約-90℃未満の温度で液体は過冷却状態である。これらの温度間で、比較的平坦な領域が観察され、そこでは、ガスは凝縮して液体になる。
【0005】
[0005]冷凍プロセスは、天然ガスを液化するのに必要な冷却を提供し、これらのうちで最も効率的なものは、天然ガスのための冷却曲線に、理想的には全温度範囲を通して数℃以内まで、密に近接する加熱曲線を有する。しかし、冷却曲線は、S字型プロファイルおよび大きな温度範囲を特色とするので、そうした冷凍プロセスは設計するのが困難である。それらの平坦な蒸発曲線のため、純成分冷媒プロセスは、二相領域において最も良く機能する。他方、多成分冷媒プロセスは、傾斜した蒸発曲線を有しており、デスーパーヒーティングおよび過冷却領域のためによりふさわしい。天然ガスを液化するために、両方のタイプのプロセスおよびその2つのハイブリッドタイプが開発されている。
【0006】
[0006]カスケード式のマルチレベル純成分冷凍サイクルは、プロピレン、エチレン、メタンおよび窒素などの冷媒で最初に使用された。十分なレベルで、そうしたサイクルは、図1に示されている冷却曲線に近似する正味の加熱曲線を発生させることができる。しかし、レベルの数が増加するのにしたがって、追加的な圧縮器トレーンが必要となり、望ましくないことに、これは、機械的複雑さを増すことになる。さらに、純成分冷媒は天然ガス冷却曲線に従うのではなく、一定温度で蒸発し、冷凍弁はその液体を蒸気中に不可逆的にフラッシュするので、そうしたプロセスは熱力学的に非効率的である。これらの理由によって、資本コストおよびエネルギー消費を低減し、操作性を改善するために、混合冷媒プロセスが普及してきている。
【0007】
[0007]Manleyの米国特許第5,746,066号は、カスケード式のマルチレベル純成分プロセスの熱力学的非効率性を排除する、エチレン回収のためのカスケード式のマルチレベル混合冷媒プロセスを記載している。これは、冷媒はガス冷却曲線にしたがって上昇する温度で蒸発し、液体冷媒はフラッシングの前に過冷却され、熱力学的不可逆性を減少させるからである。純冷媒プロセスと比較して、冷媒サイクルがより少なくて済むため、機械的複雑さはいくらか低減される。例えば、Newtonの米国特許第4,525,185号;Liuらの米国特許第第4,545,795号;Paradowskiらの米国特許第第4,689,063号;およびFischerらの米国特許第第6,041,619号;ならびにStoneらの米国特許出願公開第2007/0227185号およびHulseyらの米国特許出願公開第2007/0283718号を参照されたい。
【0008】
[0008]カスケード式のマルチレベル混合冷媒プロセスは、公知のものの中で最も効率的なプロセスであるが、より容易に操作できる、より簡単で、より効率的なプロセスが望ましい。
【0009】
[0009]冷凍用に1つの圧縮器しか必要とせず、機械的複雑さをさらに減少させる単一の混合冷媒プロセスが開発されている。例えば、Swensonの米国特許第4,033,735号を参照されたい。しかし、主に2つの理由のため、このプロセスは、上記で論じたカスケード式のマルチレベル混合冷媒プロセスよりいくらか多い電力を消費する。
【0010】
[0010]第1に、典型的な天然ガス冷却曲線に密に近接する正味の加熱曲線を発生する単一混合冷媒組成物を見出すことは、不可能ではないが、困難である。そうした冷媒は、それらの沸点が相平衡によって熱力学的に束縛される、相対的に高い沸騰成分と低い沸騰成分の範囲を必要とする。より高い沸騰成分は、低温でのそれらの凍結を回避するためにさらに限定される。望ましくない結果は、冷却過程のいくつかのポイントで比較的大きい温度差が必然的に発生し、これは電力消費との関連で非効率的であるということである。
【0011】
[0011]第2に、単一混合冷媒プロセスにおいて、より高い沸騰成分が、そのプロセスのより高温の末端でのみ冷凍を提供するとしても、冷媒成分のすべては最も低い温度まで実施される。望ましくない結果は、より低い温度で「不活性」であるそれらの成分を冷却し再加熱するためにエネルギーを消費しなければならないということである。これは、カスケード式のマルチレベル純成分冷凍プロセスでも、またカスケード式のマルチレベル混合冷媒プロセスでもあてはまらない。
【0012】
[0012]この第2の非効率性を緩和し、また、第1の点にも対処するために、単一混合冷媒から、より重い画分を分離し、より高温レベルの冷凍でそのより重い画分を使用し、次いで、後続する圧縮のために、そのより重い画分をより軽い画分と再混合する、多くの解決法が開発されている。例えば、Podbielniakの米国特許第2,041,725号;Perretの米国特許第3,364,685号;Sarstenの米国特許第4,057,972号;Garrierらの米国特許第4,274,849号;Fanらの米国特許第4,901,533号;Uenoらの米国特許第5,644,931号;Uenoらの米国特許第5,813,250号;Armanらの米国特許第6,065,305号;およびRobertsらの米国特許第6,347,531号;ならびにSchmidtの米国特許出願公開第2009/0205366号を参照されたい。慎重な設計によれば、平衡でないところでのストリームの再混合が熱力学的に非効率的であるにしても、これらのプロセスはエネルギー効率を改善することができる。これは、高圧で軽質画分および重質画分が分離され、次いで低圧で再混合され、その結果、それらが単一の圧縮器中で一緒に圧縮され得るからである。一般に、ストリームが、平衡で分離され、別個に処理され、次いで、非平衡条件で再混合される場合、熱力学的損失が発生し、これは、最終的に電力消費を増大させる。したがって、そうした分離の数は最小限にすべきである。これらのプロセスはすべて、より重い画分をより軽い画分から分離するために、冷凍プロセスにおいて、種々の場所で簡単な気/液平衡を使用する。
【0013】
[0013]しかし、簡単な一段気/液平衡分離は、還流での多重平衡段を使用するのと同じ程度には、画分を濃縮しない。より高度の濃縮は、特定の温度範囲にわたって冷凍を提供する組成物を単離するのに、より高い精度を可能にする。これは、典型的なガス冷却曲線に従うようにプロセス能力を増進させる。Gauthierの米国特許第4,586,942号およびStockmannらの米国特許第6,334,334号(後者はLIMUM(登録商標)3プロセスとしてLindeによって市販されている)は、異なる温度帯での冷凍に使用される分離された画分をさらに濃縮し、それにより、全体的なプロセスの熱力学的効率を改善するために、上記の大気圧縮器トレーンにおいて、いかに分画を使用し得るかを記載している。画分を濃縮し、それらの蒸発の温度範囲を小さくするための第2の理由は、それらの画分がそのプロセスの冷凍された部分を去るときに、それらが、確実に完全に蒸発するようにするためである。これは、冷媒の潜熱を十分に活用し、下流の圧縮器中への液体の同伴を排除する。この同じ理由のため、重質画分液体は、通常、そのプロセスの一部として、冷媒のより軽い画分中に再注入される。重質画分の分別は、再注入によってフラッシングを減少させ、二相液体の機械的分配を改善する。
【0014】
[0014]Stoneらの米国特許出願公開第2007/0227185号に例示されているように、そのプロセスの冷凍された部分から、部分的に蒸発した冷凍ストリームを除去することは公知である。Stoneらは、これを、機械的(かつ熱力学的でない)理由のために、2つの別の混合冷媒を必要とするカスケード式のマルチレベル混合冷媒プロセスの関連において使用している。部分的に蒸発した冷凍ストリームは、圧縮の直前に、それらの予め分離された蒸気画分との再混合によって完全に蒸発する。
【0015】
[0015]マルチストリームの混合冷媒システムは公知であり、そこにおいて、重質画分の簡単な平衡分離は、主熱交換器を出るときに、その重質画分が完全に蒸発していない場合、混合冷媒プロセス効率を大幅に改善することが分かっている。例えば、Gushanasらの米国特許出願公開第2011/0226008号を参照されたい。圧縮器のサクションで存在する場合、液体冷媒を、予め分離し、時には、より高い圧力までポンピングしなければならない。液体冷媒を、その冷媒の蒸発した、より軽い画分と混合する場合、圧縮器サクションガスは冷却され、これは必要な電力をさらに減少させる。冷媒の重質成分は、熱交換器の低温端から排除され、これは、冷媒凍結の可能性を低下させる。また、中間段の間での重質画分の平衡分離は、第2またはより高次の段の圧縮器にかかる負担を減少させ、これはプロセス効率を改善する。独立した冷却前冷凍ループにおける重質画分の使用は、熱交換器の高温端で加熱/冷却曲線が極めて接近することをもたらすことができ、これは、より効率的な冷凍をもたらす。
【0016】
[0016]「低温蒸気」分離は、高圧蒸気を液体および蒸気ストリームに分別するために使用されている。例えば、上記で論じたStockmannらの米国特許第6,334,334号;「State of the Art LNG Technology in China」、Lange, M., 5th Asia LNG Summit, Oct. 14, 2010;「Cryogenic Mixed Refrigerant Processes」、International Cryogenics Monograph Series, Venkatarathnam, G., Springer、199~205頁;および「Efficiency of Mid Scale LNG Processes Under Different Operating Conditions」、Bauer, H., Linde Engineeringを参照されたい。Air ProductsによってAP-SMR(商標)LNGプロセスとして市販されている別のプロセスでは、「高温」混合冷媒蒸気は、低温混合冷媒液体および蒸気ストリームに分離される。例えば、「Innovations in Natural Gas Liquefaction Technology for Future LNG Plants and Floating LNG Facilities」、International Gas Union Research Conference 2011, Bukowski, J.らを参照されたい。これらのプロセスにおいて、そのように分離された低温液体は、それ自体中温度冷媒として使用され、共通の返送ストリームを合流させる前では、そのように分離された低温蒸気から分離されたままになる。返送冷媒の残りと一緒に、低温液体および蒸気ストリームは、カスケードを介して再混合され、熱交換器の底部から一緒に排出される。
【0017】
[0017]上記で論じた蒸気分離システムでは、低温蒸気分離器中で液体を部分的に凝縮させるために使用される高温冷凍は、高圧アキュムレータからの液体によってもたらされる。これは、より高い圧力および理想温度未満の温度を必要とし、望ましくないことに、その両方は、稼働の間により多くの電力を消費する。
【0018】
[0018]低温蒸気分離を使用する別のプロセスは、多段の混合冷媒システムにおいてではあるが、Costain Oilの英国特許第2,326,464号に記載されている。このシステムでは、別個の還流熱交換器からの蒸気は、部分的に凝縮され、液体と蒸気ストリームに分離される。そのように分離された液体および蒸気ストリームは冷却され、低圧返送ストリーム中に再合流する前に、別々にフラッシュされる。次いで、主熱交換器を出る前に、低圧返送ストリームは、上記還流熱交換器からの過冷却されフラッシュされた液体と混合され、次いで、圧縮器ステージ間に設置された分離ドラムによって提供される、過冷却されフラッシュされた液体とさらに混合される。このシステムでは、「低温蒸気」分離された液体と上記還流熱交換器からの液体が、低圧返送ストリームを合流させる前に混合されることはない。すなわち、それらは、分離されたまま留まり、次いで、低圧返送ストリームと独立に合流する。
【0019】
[0019]電力消費は、とりわけ、返送ストリームのそれらの合流前に、高圧アキュムレータから得られた液体と低温蒸気分離された液体を混合することによって大幅に低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【文献】米国特許第5,746,066号
【文献】米国特許第4,525,185号
【文献】米国特許第4,545,795号
【文献】米国特許第4,689,063号
【文献】米国特許第6,041,619号
【文献】米国特許出願公開第2007/0227185号
【文献】米国特許出願公開第2007/0283718号
【文献】米国特許第4,033,735号
【文献】米国特許第2,041,725号
【文献】米国特許第3,364,685号
【文献】米国特許第4,057,972号
【文献】米国特許第4,274,849号
【文献】米国特許第4,901,533号
【文献】米国特許第5,644,931号
【文献】米国特許第5,813,250号
【文献】米国特許第6,065,305号
【文献】米国特許第6,347,531号
【文献】米国特許出願公開第2009/0205366号
【文献】米国特許第4,586,942号
【文献】米国特許第6,334,334号
【文献】米国特許出願公開第2011/0226008号
【文献】英国特許第2,326,464号
【非特許文献】
【0021】
【文献】「State of the Art LNG Technology in China」、Lange, M., 5th Asia LNG Summit, Oct. 14, 2010
【文献】「Cryogenic Mixed Refrigerant Processes」、International Cryogenics Monograph Series, Venkatarathnam, G., Springer、199~205頁
【文献】「Efficiency of Mid Scale LNG Processes Under Different Operating Conditions」、Bauer, H., Linde Engineering
【文献】「Innovations in Natural Gas Liquefaction Technology for Future LNG Plants and Floating LNG Facilities」、International Gas Union Research Conference 2011, Bukowski, J.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
[0020]上記課題の少なくとも一部に対処し効率を改善する、ガスを冷却または液化するための、混合ガスのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0023】
[0021]以下で説明し特許請求する方法、装置およびシステムにおいて別個にまたは一緒に具現化し得る、本主題のいくつかの態様が存在する。一緒になったこれらの態様は、単独で使用するか、または本明細書で説明する主題の他の態様と組み合わせて使用することができ、これらの態様の説明は、別個でのこれらの態様の使用、あるいは、別個での、または、本文書に添付される特許請求の範囲で示されるような様々な組合せでのそうした態様の特許請求を排除しようとするものではない。
【0024】
[0022]一態様では、混合冷媒でガスを冷却するためのシステムを提供する。このシステムは、高温端および低温端を、それらの間に延在する供給原料ストリーム冷却通路と共に含む主熱交換器であって、その供給原料ストリーム冷却通路が、高温端で供給原料ストリームを受け入れ、低温端から冷却された生成物ストリームを移送するように適合されている主熱交換器を含む。この主熱交換器は、高圧蒸気冷却通路、高圧液体冷却通路、低温分離器蒸気冷却通路、低温分離器液体冷却通路および冷凍通路も含む。
【0025】
[0023]このシステムは、冷凍通路の出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第1セクションを含む混合冷媒圧縮器システムも含む。第1セクション冷却器は、その圧縮器第1セクションの出口と流体連通している入口、および出口を有する。段間分離装置は、その第1セクション冷却器の出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する。圧縮器第2セクションは、その段間分離装置の蒸気出口と流体連通している入口、および出口を有する。第2セクション冷却器は、その圧縮器第2セクションの出口と流体連通している入口、および出口を有する。高圧分離装置は、その第2セクション冷却器の出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する。
【0026】
[0024]熱交換器の高圧蒸気冷却通路は、高圧分離装置の蒸気出口と流体連通している入口を有し、低温蒸気分離器は、その高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口を有し、その低温蒸気分離器は液体出口および蒸気出口を有する。熱交換器の低温分離器液体冷却通路は、その低温蒸気分離器の液体出口と流体連通している入口、および冷凍通路と流体連通している出口を有する。熱交換器の低圧液体冷却通路は、その段間分離装置の液体出口と流体連通している入口を有する。第1の膨張装置は、その低圧液体冷却通路の出口と連通している入口、および冷凍通路と流体連通している出口を有する。熱交換器の高圧液体冷却通路は、その高圧分離装置の液体出口と流体連通している入口、および冷凍通路と流体連通している出口を有する。熱交換器の低温分離器蒸気冷却通路は、その低温蒸気分離器の蒸気出口と流体連通している入口を有する。第2の膨張装置は、その低温分離器蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口、および冷凍通路の入口と流体連通している出口を有する。
【0027】
[0025]別の態様では、混合冷媒でガスを冷却するためのシステムは、高温端および低温端を、それらの間に延在する供給原料ストリーム冷却通路と共に含む主熱交換器を含む。この供給原料ストリーム冷却通路は、高温端で供給原料ストリームを受け入れ、低温端から冷却された生成物ストリームを移送するように適合されている。主熱交換器は、高圧蒸気冷却通路、高圧液体冷却通路、低温分離器蒸気冷却通路、低温分離器液体冷却通路および冷凍通路も含む。
【0028】
[0026]このシステムは、冷凍通路の出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第1セクションを含む混合冷媒圧縮器システムも含む。第1セクション冷却器は、その圧縮器第1セクションの出口と流体連通している入口、および出口を有する。段間分離装置は、その第1セクション冷却器の出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有する。圧縮器第2セクションは、その段間分離装置の蒸気出口と流体連通している入口、および出口を有する。第2セクション冷却器は、その圧縮器第2セクションの出口と流体連通している入口、および出口を有する。高圧分離装置は、その第2セクション冷却器の出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する。
【0029】
[0027]熱交換器の高圧蒸気冷却通路は、高圧分離装置の蒸気出口と流体連通している入口を有する。低温蒸気分離器は、その高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口を有し、その低温蒸気分離器は液体出口および蒸気出口を有する。熱交換器の低温分離器液体冷却通路は、その低温蒸気分離器の液体出口と流体連通している入口、および冷凍通路と流体連通している出口を有する。熱交換器の高圧液体冷却通路は、その高圧分離装置の液体出口と流体連通している入口、および冷凍通路と流体連通している出口を有する。熱交換器の低温分離器蒸気冷却通路は、その低温蒸気分離器の蒸気出口と流体連通している入口を有する。膨張装置は、その低温分離器蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口、および冷凍通路の入口と流体連通している出口を有する。
【0030】
[0028]さらに別の態様では、ガスを冷却する熱交換器へ混合冷媒を提供するための圧縮器システムを提供する。この圧縮器システムは、熱交換器から混合冷媒を受け入れるように適合されたサクション入口、および出口を有する圧縮器第1セクションを含む。第1セクション冷却器は、その圧縮器第1セクションの出口と流体連通している入口、および出口を有する。段間分離装置は、第1セクションアフタークーラーの出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有する。圧縮器第2セクションは、その段間分離装置の蒸気出口と流体連通しているサクション入口、および出口を有する。第2セクション冷却器は、その圧縮器第2セクションの出口と流体連通している入口、および出口を有する。高圧分離装置は、その第2セクション冷却器の出口と流体連通している入口ならびに蒸気出口および液体出口を有し、その蒸気出口は、高圧混合冷媒蒸気ストリームを熱交換器へ提供するように適合されており、前記液体出口は、高圧混合冷媒液体ストリームを熱交換器へ提供するように適合されている。高圧再循環膨張装置は、高圧分離装置と流体連通している入口、および段間分離装置と流体連通している出口を有する。
【0031】
[0029]さらに別の態様では、混合冷媒を用いて、高温端および低温端を有する熱交換器中でガスを冷却する方法は、最初および最後の圧縮冷却サイクルを用いて混合冷媒を圧縮し冷却する工程、高圧液体ストリームおよび高圧蒸気ストリームを形成するように、最初および最後の圧縮冷却サイクル後に混合冷媒を分離する工程、低温分離器蒸気ストリームおよび低温分離器液体ストリームを形成するように、熱交換器および低温分離器を用いて高圧蒸気ストリームを冷却し分離する工程、膨張した低温ストリームを形成するように、低温分離器蒸気ストリームを冷却し膨張させる工程、過冷却された低温分離器ストリームを形成するように、低温分離器液体ストリームを冷却する工程、低圧液体ストリームを形成するように、最初および最後の圧縮冷却サイクルの間に、混合冷媒を平衡化し分離する工程、膨張した低圧ストリームを形成するように、低圧液体ストリームを冷却し膨張させる工程、過冷却された高圧ストリームを形成するように、高圧液体ストリームを過冷却する工程を含む。過冷却された低温分離器ストリームおよび過冷却された高圧ストリームを、膨張させて、膨張した低温分離器ストリームおよび膨張した高圧ストリームを形成するか、または混合し、次いで、膨張させて、中温度ストリームを形成する。その膨張したストリームまたは中温度ストリームは、膨張した低圧ストリームおよび膨張した低温ストリームと合流されて、主冷凍ストリームを形成する。ガスのストリームは、主冷凍ストリームでの向流熱交換でその熱交換器を通過し、それによってガスは冷却される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】[0030]本開示の混合冷媒システムおよび方法の実施形態を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図2】[0031]図1の混合冷媒システムの混合冷媒圧縮器システムのプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図3】[0032]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図4】[0033]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、混合冷媒圧縮器システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図5】[0034]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、混合冷媒圧縮器システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図6】[0035]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、混合冷媒圧縮器システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図7】[0036]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図8】[0037]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図9】[0038]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図10】[0039]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図11】[0040]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムの中温度部分を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図12】[0041]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムの中温度部分を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図13】[0042]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図14】[0043]本開示の混合冷媒システムの追加の実施形態における、混合冷媒圧縮器システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図15】[0044]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、混合冷媒圧縮器システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図16】[0045]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図17】[0046]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図18】[0047]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図19】[0048]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムを例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図20】[0049]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムの中温度部分を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図21】[0050]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムの中温度部分を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図22】[0051]本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態における、熱交換システムの中温度部分を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図23】[0052]供給原料処理システムを含む本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図24】[0053]供給原料処理システムを含む本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
図25】[0054]供給原料処理システムを含む本開示の混合冷媒システムおよび方法の追加の実施形態を例示するプロセスフローダイヤグラムおよび概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0055]液体天然ガスを生産するために天然ガスを液化することに関して、その実施形態を以下に例示し説明するが、本発明は、他の種類の流体を液化または冷却するために使用し得ることに留意すべきである。
【0034】
[0056]本明細書では、以下の実施形態で説明される通路およびストリームが、どちらも、図に示される同じ要素番号で参照されることがあることにも留意すべきである。やはり、本明細書で使用され、当業界で公知であるように、熱交換器は、そこで、異なる温度で2つ以上のストリーム間で、またはストリームとその環境間で間接熱交換が行われるその装置または装置中の領域である。本明細書で使用される、「連通」、「連通すること」および同種の用語は、一般に、別段の指定のない限り、流体連通を指す。また、連通している2つの流体は、混合によって熱を交換し得るが、そうした交換は、そのような交換が熱交換器中で起こり得るとしても、熱交換器における熱交換と同じとは見なされないものとする。熱交換システムは、具体的に説明されていなくても、熱交換器の一部である、またはそれと関連していることが当業界で一般に公知であるもの、例えば膨張装置、フラッシュ弁などを含むことができる。本明細書で使用される、「~の圧力を低下させること」は相変化を含まないが、「フラッシング」または「フラッシュされた」という用語は、部分的な相変化をも含む相変化を包含する。本明細書で使用される、「高い」、「中間の」、「高温の」などの用語は、当業界で慣用的であり、2010年3月17日出願の米国特許出願12/726,142号および2014年3月18日出願の米国特許出願14/218,949号(これらの内容のそれぞれを参照により本明細書に組み込む)に例示されているように、比較し得るストリームに対するものである。2001年12月25日発行の米国特許第6,333,445号の内容も参照により本明細書に組み込む。
【0035】
[0057]混合冷媒システムおよび方法の第1の実施形態を図1に例示する。このシステムは、全般的に50で示される混合冷媒(MR)圧縮器システム、および全般的に70で示される熱交換システムを含む。
【0036】
[0058]熱交換システムは、高温端101および低温端102を有する、全般的に100で示されるマルチストリーム熱交換器を含む。この熱交換器は、供給原料ストリーム冷却通路105および処理された供給原料ストリーム冷却通路120でできている供給原料ストリーム冷却通路103中で、熱交換器中の冷凍ストリームでの熱交換による熱の除去によって、液化された高圧天然ガス供給原料ストリーム5を受け入れる。結果として、液体天然ガス(LNG)生成物のストリーム20がもたらされる。熱交換器のマルチストリーム設計は、複数のストリームの単一の交換器中への好都合でエネルギー-効率的な統合を可能にする。適切な熱交換器は、Chart Energy & Chemicals、Inc.、The Woodlands、Texasから購入することができる。Chart Energy & Chemicals、Incから入手できるプレートアンドフィン型マルチストリーム熱交換器は、物理的にコンパクトであるというさらなる利点を提供する。
【0037】
[0059]以下でより詳細に説明されるように、熱交換器100を含む図1のシステムは、当業界で公知の他のガス処理または供給原料ガス処理のオプション125を実施するように構成することができる。これらの処理オプションは、ガスストリームが、熱交換器を1回または複数回出入りさせる(図1に例示されているように)ことを必要とする可能性があり、そのオプションは、例えば、天然ガス液体回収、凍結成分除去または窒素廃棄を含み得る。
【0038】
[0060]熱の除去は、MR圧縮器システム50(および本明細書で説明される他のMR圧縮器システム)を用いて、処理し再調整される単一混合冷媒を使用して、熱交換システム70(および本明細書で説明される他の熱交換システム)の熱交換器100において遂行される。一例に過ぎないが、混合冷媒は、2つ以上のC1~C5炭化水素および任意選択のNを含むことができる。さらに、混合冷媒は、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、イソブタン、n-ブタン、イソブテン、ブチレン、n-ペンタン、イソペンタン、Nの2つ以上またはその組合せを含むことができる。より詳細な例示的冷媒組成物(ストリーム温度および圧力と併せた)は、限定しようとするものではないが、2014年3月18日出願の米国特許出願14/218,949号に提示されている。
【0039】
[0061]熱交換システム70は、熱交換器100から混合冷媒を受け入れ、混合冷媒をその熱交換器100に戻す、低温蒸気分離器200、中温度スタンドパイプ300および低温スタンドパイプ400を含む。
【0040】
[0062]MR圧縮器システムは、サクションドラム600、多段圧縮器700、段間分離装置またはドラム800および高圧分離装置900を含む。蓄積または分離ドラムが、装置200、300、400、600、800および900について例示されているが、これらに限定されないが、別のタイプの容器、サイクロン型分離器、蒸留ユニット、コアレッシング分離器またはメッシュもしくはベーン型ミスト除去器を含む、代替の分離装置を使用することもできる。
【0041】
[0063]それらの入口のためにサクションドラムを必要としない圧縮器を使用する実施形態おいては、サクションドラム600を省略し得ることを理解すべきである。そうした圧縮器の非限定的な例はスクリュー型圧縮器である。
【0042】
[0064]MR圧縮器システム50および熱交換システム70の機能および追加の構成要素を以下で説明することとする。
[0065]圧縮器第1セクション701は、冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720が段間分離装置またはドラム800へ提供されるように、圧縮されたサクションドラムMR蒸気ストリーム710を第1セクション冷却器710Cに提供するための圧縮流体出口を含む。ストリーム720は段間分離装置またはドラム800へ進み、得られる低圧MR蒸気ストリーム855は、圧縮器第2セクション702に提供される。圧縮器第2セクション702は、圧縮された高圧MR蒸気ストリーム730を第2セクション冷却器730Cへ提供する。結果として、少なくとも部分的に凝縮している高圧MRストリーム740は高圧分離装置900へ進む。
【0043】
[0066]本実施形態および以下の実施形態において、その圧縮器第2セクションおよび第2セクション冷却器が、最後の圧縮器セクションおよび最後のセクション冷却器となるように、第1の圧縮および冷却セクションと第2の圧縮および冷却セクションの間に、1つまたは複数の追加の中間的な圧縮/圧縮器および冷却/冷却器セクションがあってよいことを理解されたい。圧縮器701および702は多段圧縮器の異なるセクションとして例示し記載されているが、これらの圧縮器701および702は、その代わりに、2つ以上の圧縮器を含む別個の圧縮器であってよいことをさらに理解すべきである。
【0044】
[0067]高圧分離装置900は、MRストリーム740を、高圧MR蒸気ストリーム955、および好ましくは中間沸騰冷媒液体ストリームである高圧MR液体ストリーム975の平衡とし分離する。
【0045】
[0068]全般的に図3の52で示されるMR圧縮器システムの代替の実施形態において、任意選択の中間ドラムポンプ880Pは、冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720が、それが中間ドラム800に入る際に部分的に凝縮している場合にポンプ880Pおよびストリーム740からのストリームが分離装置900中で混合され平衡化されるように、MR前方向液体ストリーム880の高圧分離装置900へのポンプ輸送を提供される。例に過ぎないが、ポンプ880Pを出るストリームは、600psigの圧力および37.8℃(100°F)の温度を有し得る。
【0046】
[0069]さらに、MR圧縮器システム52は、高圧MR再循環混合相ストリーム990が中間ドラム800に提供されるように、高圧MR再循環液体ストリーム980を高圧分離装置900から膨張装置980Eへ任意選択で提供することができ、それによってストリーム720および990は混合され平衡化される。高圧分離装置900から中間ドラム800へ液体を再循環すると、ポンプ880Pを、その中間ドラムが、そうでない場合、低温液体の十分な供給を受けられなくなる条件下、例えば高い周囲温度が存在する(すなわち、暑い日)場合、稼働するように保持する。装置980Eを開けると、十分な液体が収集されるまで、ポンプ880Pを停止させる必要性が排除され、それによって、高圧分離装置900へ流れる冷媒は一定組成に保持される。例に過ぎないが、ストリーム980は、600psigの圧力および37.8℃(100°F)の温度を有することができ、ストリーム990は、200psigの圧力および15.6℃(60°F)の温度を有することができる。
【0047】
[0070]全般的に図4の54で示されるMR圧縮器システムの別の代替の実施形態では、混合相主MRストリーム610は、図1および図3の熱交換器からサクション分離装置600へ戻される。サクション分離装置600は、それを通してサクションドラムMR液体ストリーム675がドラムを出る液体出口を有する。ストリーム675はサクションドラムポンプ675Pへ進み、サクションドラムMRストリーム680をもたらし、これは中間ドラム800へ進む。あるいは、ストリーム680は、分岐ストリーム681を介して、圧縮されたサクションドラムMR蒸気ストリーム710へ流れ得る。さらに別の代替案として、ストリーム680は、分岐ストリーム682を介して、冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720へ流れ得る。
【0048】
[0071]図4にさらに例示され、当業界で公知であるように、MR再循環蒸気ライン960、アンチサージ再循環弁960E、およびアンチサージ再循環弁960E出口からサクション分離装置600へ走るライン970を含む圧縮器能力またはサージ制御システムが提供される。当業界で公知の代替の圧縮器能力またはサージ制御配置を、図4に例示した能力またはサージ制御システムの代わりに使用することができる。
【0049】
[0072]全般的に図5の56で示され、上記の実施形態におけるような、MR圧縮器システムの簡単な代替の実施形態では、サクション分離装置600は、蒸気主MRストリーム610を、図1の熱交換器の冷凍通路から受け入れるための入口を含む。サクションドラムMR蒸気ストリーム655は、サクションドラムの出口から圧縮器第1セクション701へ提供される。
【0050】
[0073]圧縮器第1セクション701は、冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720が中間ドラム800に提供されるように、圧縮されたサクションドラムMR蒸気ストリーム710を第1セクション冷却器710Cへ提供するための圧縮流体出口を含む。ストリーム720は中間ドラム800へ進み、得られる低圧MR蒸気ストリーム855は圧縮器第2セクション702に提供される。圧縮器第2セクション702は、圧縮された高圧MR蒸気ストリーム730を第2セクション冷却器730Cへ提供する。結果として、少なくとも部分的に凝縮している高圧MRストリーム740は、高圧分離装置900へ進む。
【0051】
[0074]高圧分離装置900は、MRストリーム740を、高圧MR蒸気ストリーム955、および好ましくは中間沸騰冷媒液体ストリームである高圧MR液体ストリーム975に分離する。
【0052】
[0075]全般的に図6の58で示されるMR圧縮器システムの代替の実施形態では、任意選択の中間ドラムポンプ880Pは、冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720が中間ドラム800に入る際に部分的に凝縮している場合、MR前方向液体ストリーム880を、中間ドラム800から高圧分離装置900へポンプ輸送するために提供される。さらに、MR圧縮器システム58は、高圧MR再循環混合相ストリーム990が分離装置ドラム800に提供されるように、高圧分離装置900から膨張装置980Eへの高圧MR再循環液体ストリーム980を任意選択で提供することができる。
【0053】
[0076]その他は、図6のMR圧縮器システム58は、図5のMR圧縮器システム54と同じである。
[0077]図1および図3の熱交換システム70は、上記のMR圧縮器システムのそれぞれで(および、代替のMR圧縮器システム実施形態で)使用することができ、これを、ここで、図7を参照して詳細に論じることとする。図7に例示され、前に記されているように、マルチストリーム熱交換器100は、熱交換器中の冷凍ストリームでの熱交換による熱の除去によって、供給原料ストリーム冷却通路103中で冷却および/または液化される、高圧天然ガス供給原料ストリーム5などの供給原料流体ストリームを受け入れる。結果として、液体天然ガスなどの生成物流体20のストリームがもたらされる。
【0054】
[0078]供給原料ストリーム冷却通路103は、熱交換器100の高温端に入口を有する前処理供給原料ストリーム冷却通路105、およびそれを通して生成物20が排出される低温端での生成物出口を有する処理された供給原料ストリーム冷却通路120を含む。前処理供給原料ストリーム冷却通路105は、供給原料流体出口10が合流する出口を有し、処理された供給原料ストリーム冷却通路120は、供給原料流体入口15と連通している入口を有する。供給原料流体出口、および入口10および15は、外部供給原料処理(図1および図3の125)、例えば天然ガス液体回収、凍結成分除去または窒素廃棄などのために提供される。外部供給原料処理システムの一例を、図23図25を参照して以下に提示する。
【0055】
[0079]全般的に図8の72で示される熱交換システムの代替の実施形態では、供給原料ストリーム冷却通路103は、熱交換器100の高温端および低温端の間を途切れることなく通過する。そうした実施形態は、外部供給原料処理システムが熱交換器100で熱統合されない場合に用いることができる。
【0056】
[0080]この熱交換器は、熱交換器の低温端で、低温MR蒸気ストリーム455および低温MR液体ストリーム475を受け入れる入口を有する低温冷凍通路140を含む、全般的に図7の170で示される冷凍通路を含む。冷凍通路170は、それを通して冷媒返送ストリーム610が熱交換器100を出る熱交換器の高温端での冷媒返送ストリーム出口を有する主冷凍通路160、および対応する通路を介して中温度MR蒸気ストリーム355および中温度MR液体ストリーム375を受け入れるように適合された中温度冷媒入口150も含む。結果として、以下でより詳細に説明されるように、低温MR蒸気および液体ストリーム(455および475)ならびに中温度MR蒸気および液体ストリーム(355および375)は、中温度冷媒入口150で、熱交換器内において混合される。
【0057】
[0081]中温度冷媒ストリームと低温冷媒ストリームの混合は、概ね、そこでそれらが合流するポイントから、および、そこから主冷凍通路出口への冷媒フローの方向の下流で、熱交換器中で中温度帯または領域を形成する。
【0058】
[0082]蒸気または混合相である主MRストリーム610は、熱交換器100の主冷凍通路160を出て、図1図6のいずれかのMR圧縮器システムへ進む。一例に過ぎないが、図1図3図5および図6の実施形態において、主MRストリーム610は蒸気である可能性がある。周囲温度が設計より低温になってくると、主MRストリーム610は混合相(蒸気および液体)となり、液体は、サクションドラム600(図1図3図5および図6の)中で蓄積することになる。より低い温度で、そのプロセスが定常状態になってきた後、主MRストリームは、再度すべて露点で蒸気となる。日中温まってきた場合、サクションドラム600中の液体は蒸発し、主MRストリームはすべて蒸気となることになる。結果として、その周囲温度が設計より低温になってきた場合、混合相主MRストリームは、過渡状態においてのみ生じる。あるいは、このシステムを、混合相主MRストリーム610のために設計することができる。
【0059】
[0083]熱交換器100はまた、高温端で、図1図6のMR圧縮器システムのいずれかから高圧MR蒸気ストリーム955を受け入れ、高圧MR蒸気ストリームを冷却して、混合相低温分離器MR供給原料ストリーム210を形成するように適合された高圧蒸気冷却通路195も含む。通路195は、低温蒸気分離器200と連通している出口も含む。低温蒸気分離器200は、低温分離器供給原料ストリーム210を低温分離器MR蒸気ストリーム255と低温分離器MR液体ストリーム275に分離する。
【0060】
[0084]熱交換器100は、低温分離器MR蒸気ストリーム255を受け入れるように、低温蒸気分離器200と連通している入口を有する低温分離器蒸気冷却通路127も含む。低温分離器MR蒸気ストリームは、通路127中で冷却されて凝縮した低温MRストリーム410を形成し、これは、膨張装置410Eでフラッシュされて、低温スタンドパイプ400の方へ向かう膨張した低温MRストリーム420を形成する。膨張装置410E(および本明細書で開示されるすべての「膨張装置」の場合のように)は、非限定的な例として、弁(例えばジュールトムソン弁)、タービンまたは制限オリフィスであってよい。
【0061】
[0085]低温スタンドパイプ400は、混合相ストリーム420を、低温MR蒸気ストリーム455および低温MR液体ストリーム475に分離する。これは、低温冷媒通路140の入口に入る。蒸気および液体ストリーム455および475は、ストリーム455および475のための別個の入り口を有するヘッダーを介して、低温冷媒通路140へ入ることが好ましい。これは、ヘッダー内での液体および蒸気のより一様な分布を提供する。
【0062】
[0086]低温分離器MR液体ストリーム275は、低温分離器液体冷却通路125中で冷却されて過冷却された低温分離器MR液体ストリーム310を形成する。
[0087]高圧液体冷却通路197は、図1図6のMR圧縮器システムのいずれかから、高圧MR液体ストリーム975を受け入れる。高圧液体975は好ましくは中間沸騰冷媒液体ストリームである。高圧液体ストリームは、高温端に入り、冷却されて、過冷却された高圧MR液体ストリーム330を形成する。冷媒液体ストリーム310および330の両方は、膨張装置310Eおよび膨張装置330Eを介して独立にフラッシュされて、膨張した低温分離器MRストリーム320および膨張した高圧MRストリーム340を形成する。膨張した低温分離器MRストリーム320は、中温度スタンドパイプ300中で膨張した高圧MRストリーム340と混合し平衡化されて、中温度MR蒸気ストリーム355および中温度MR液体ストリーム375を形成する。代替の実施形態では、2つのストリーム310および330を混合し、次いでフラッシュさせることができる。
【0063】
[0088]中温度MRストリーム355および375は、冷凍通路の中温度冷媒入口150へ向けられ、そこで、それらは、合流した低温MR蒸気ストリーム455および低温MR液体ストリーム475と混合され、主冷凍通路160において冷凍を提供する。この冷媒は、蒸気相または混合相主MRストリームもしくは冷媒返送ストリーム610として主冷凍通路160を出る。返送ストリーム610は、任意選択で、過熱された蒸気冷媒返送ストリームであってよい。
【0064】
[0089]全般的に図9の74で示される熱交換システムの代替の実施形態は、低温MR膨張ループの代替の実施形態を提供する。この実施形態では、図7および図8の低温スタンドパイプ400は除かれている。結果として、低温分離器蒸気冷却通路127からの凝縮した低温MRストリーム410は熱交換器の低温端を出、膨張装置410Eでフラッシュされて低温MRストリーム465を形成する。次いで、混合相ストリーム465は、低温冷媒通路140の入口に入る。熱交換システム74の残りは、図7の熱交換器システム70と同じであり、同じ仕方で稼働する。供給原料ストリーム処理の出口、および入口10および15(処理システムに送りおよび処理システムから受け取る)は、図8の熱交換システム72に示した仕方で、省くことができる。
【0065】
[0090]全般的に図10の76で示される、熱交換システムの別の代替実施形態では、図7図9の中温度スタンドパイプ300は省かれている。結果として、図10および図11に例示されているように、冷媒液体ストリーム310および330の両方は、膨張装置310Eおよび330Eを介して独立にフラッシュされて、膨張した低温分離器MRストリーム320および膨張した高圧MRストリーム340を形成し、これらは、混合されて、中温度冷凍通路136を通して流れる中温度MRストリーム365を形成する。中温度MRストリーム365は、通路136を介して冷凍通路の中温度冷媒入口150へ向けられ、そこで、これは、低温MRストリーム465と混合されて、主冷凍通路160における冷凍を提供する。熱交換システム76の残りは、図9の熱交換器システム74と同じであり、同じ仕方で稼働する。供給原料ストリーム処理出口、および入口10および15(処理システムとのやりとりにつながる)は、図8の熱交換システム72に示した仕方で、省くことができる。
【0066】
[0091]図12に例示されているように、膨張装置310Eおよび330Eは、2つのストリームが混合されてストリーム335を形成するように、過冷却された低温分離器MRストリーム310および過冷却された高圧MRストリーム330の通路から省くことができる。この実施形態では、膨張装置136Eは、ストリーム335がフラッシュされて中温度MRストリーム365を形成するように、中温度冷凍通路136内に配置される。混合相である中温度MRストリーム365は、中温度冷媒入口150へ提供される。
【0067】
[0092]混合冷媒システムおよび方法の他の代替実施形態を、図13に例示する。このシステムは、全般的に60で示されるMR圧縮器システム、および全般的に80で示される熱交換システムを含む。図13の実施形態は、以下で説明する詳細を除いて、図1の実施形態と同じであり、同じ機能を有する。結果として、同じ参照番号は、対応する構成要素について繰り返されることになる。
【0068】
[0093]圧縮器第1セクション701は、冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720が中間ドラム800へ提供されるように、圧縮されたサクションドラムMR蒸気ストリーム710を第1セクション冷却器710Cへ提供するための圧縮流体出口を含む。ストリーム720は中間ドラム800へ進み、得られる低圧MR蒸気ストリーム855は、圧縮器第2セクション702へ提供される。圧縮器第2セクション702は、圧縮された高圧MR蒸気ストリーム730を第2セクション冷却器730Cへ提供する。結果として、少なくとも部分的に凝縮している高圧MRストリーム740は、高圧分離装置900へ進む。
【0069】
[0094]高圧分離装置900は、MRストリーム740を、高圧MR蒸気ストリーム955と、好ましくは中間沸騰冷媒液体ストリームである高圧MR液体ストリーム975に分離する。高圧MR再循環液体ストリーム980は、ストリーム975から分岐され、膨張装置980Eへ提供され、その結果、高圧MR再循環混合相ストリーム990が中間ドラム800へ提供される。これは、高温周囲温度(すなわち、暑い日など)の間に、中間ドラム800が乾燥してしまうのを回避する。上記(図3に関して)および以下で説明するように、再循環ストリーム980を、代わりに、高圧分離装置900から膨張装置980Eへ直接送ることができる。
【0070】
[0095]上記のMR圧縮器システム実施形態とは対照的に、MR圧縮器システム60の中間ドラム800は、高い沸点を有する低圧MR液体ストリーム875を提供するための液体出口を含む。低圧MR液体ストリーム875は、熱交換器100の低圧液体冷却通路187によって受け入れられ、さらに、以下で説明するように操作される。
【0071】
[0096]MR圧縮器システムの代替の実施形態が、全般的に図14の62で示されており、これは、やはり、低圧MR液体ストリーム875を提供する液体出口を有する中間ドラム800を含む。
【0072】
[0097]全般的に図15の64で示されるMR圧縮器システムの別の代替の実施形態では、混合相主MRストリーム610は、図13の熱交換器からサクション分離装置600へ戻される。サクション分離装置600は、それを通してサクションドラムMR液体ストリーム675がドラムを出る液体出口を有する。ストリーム675はサクションドラムポンプ675Pへ進み、これはサクションドラムMRストリーム680をもたらし、中間ドラム800へ進む。任意選択の分岐サクションドラムMRストリーム681および682は、圧縮されたサクションドラムMR蒸気ストリーム710および/または冷却され圧縮されたサクションドラムMRストリーム720へ流れ得る。
【0073】
[0098]その他は、図15のMR圧縮器システム64は、図13のMR圧縮器システム60と同じであり、同じように機能する。
[0099]図13および図16の熱交換システム80は、図13図14および図15(および代替のMR圧縮器システム実施形態)のMR圧縮器システム60、62および64のそれぞれで使用することができる。熱交換システム80を、ここで、図16を参照して詳細に論じることとする。
【0074】
[0100]図16に例示され、かつ上記されているように、マルチストリーム熱交換器100は、熱交換器における冷凍ストリームでの熱交換による熱の除去によって、供給原料ストリーム冷却通路103中で冷却および/または液化される、高圧天然ガス供給原料ストリーム5などの供給原料流体ストリームを受け入れる。結果として、液体天然ガスなどの生成物流体20のストリームがもたらされる。
【0075】
[0101]図7の熱交換システム70の場合のように、熱交換システム80の供給原料ストリーム冷却通路103は、熱交換器100の高温端で入口を有する前処理供給原料ストリーム冷却通路105、および、それを通して生成物20が出る低温端に生成物出口を有する処理された供給原料ストリーム冷却通路120を含む。前処理供給原料ストリーム冷却通路105は、供給原料流体出口10と合流する出口を有し、処理された供給原料ストリーム冷却通路120は、供給原料流体入口15と連通している入口を有する。供給原料流体出口、および入口10および15は、外部供給原料処理(図1および図3の125)、例えば天然ガス液体回収、凍結成分除去または窒素廃棄などのために提供される。
【0076】
[0102]全般的に図17の82で示される熱交換システム代替の実施形態では、供給原料ストリーム冷却通路103は、熱交換器100の高温端と低温端の間を途切れることなく通過する。そうした実施形態は、外部供給原料処理システムが熱交換器100で熱統合されない場合に用いることができる。
【0077】
[0103]図7の熱交換システム70の場合のように、熱交換器100は、熱交換器の低温端で、低温MR蒸気ストリーム455および低温MR液体ストリーム475を受け入れる入口を有する低温冷凍通路140を含む、全般的に図16の170で示される冷凍通路を含む。冷凍通路170は、また、それを通して冷媒返送ストリーム610が熱交換器100を出る、熱交換器の高温端での冷媒返送ストリーム出口、および対応する通路を介して中温度MR蒸気ストリーム355および中温度MR液体ストリーム375を受け入れるように適合された中温度冷媒入口150を有する主冷凍通路160も含む。結果として、低温MR蒸気および液体ストリーム(455および475)ならびに中温度MR蒸気および液体ストリーム(355および375)は、熱交換器内において、中温度冷媒入口150で混合される。
【0078】
[0104]中温度冷媒ストリームと低温冷媒ストリームの混合は、概ね、そこでそれらが合流するポイントから、そこから主冷凍通路出口への冷媒フローの方向の下流で、熱交換器中で中温度帯または領域を形成する。
【0079】
[0105]主MRストリーム610は、熱交換器100の主冷凍通路160を出、図13図15のいずれかのMR圧縮器システムへ進み、これは、蒸気相または混合相中にある。一例に過ぎないが、図13および図14の実施形態では、主MRストリーム610は蒸気であってよい。周囲温度が設計より低温になってくると、主MRストリーム610は混合相(蒸気および液体)となり、液体は、サクションドラム600(図13図15の)中で蓄積することになる。より低い温度でプロセスが定常状態になってきた後、主MRストリームは、再度すべて露点で蒸気となる。日中温まってきた場合、サクションドラム600中の液体は蒸発し、主MRストリームはすべて蒸気となることになる。結果として、その周囲温度が設計より低温になってきた場合、混合相主MRストリームは、過渡状態においてのみ生じる。あるいは、このシステムを、混合相主MRストリーム610のために設計することができる。
【0080】
[0106]熱交換器100はまた、高温端で、図13図15のMR圧縮器システムのいずれかから高圧MR蒸気ストリーム955を受け入れ、高圧MR蒸気ストリームを冷却して、混合相低温分離器MR供給原料ストリーム210を形成するように適合された高圧蒸気冷却通路195も含む。通路195は、低温分離器供給原料ストリーム210を低温分離器MR蒸気ストリーム255と低温分離器MR液体ストリーム275に分離する、低温蒸気分離器200と連通している出口を含む。
【0081】
[0107]熱交換器100は、低温分離器MR蒸気ストリーム255を受け入れるように低温蒸気分離器200の蒸気出口と連通している入口を有する低温分離器蒸気冷却通路127も含む。低温分離器MR蒸気ストリームは通路127中で冷却されて、凝縮した低温MRストリーム410を形成し、次いで、膨張装置410Eでフラッシュされて、膨張した低温MRストリーム420を形成し、これは、低温スタンドパイプ400へ向かう。膨張装置410E(および、本開示で開示されるすべての「膨張装置」での場合におけるような)は、非限定的な例として、ジュールトンプソン弁、タービンまたはオリフィスであってよい。
【0082】
[0108]低温スタンドパイプ400は、混合相ストリーム420を、低温MR蒸気ストリーム455と低温MR液体ストリーム475に分離し、これらは、低温冷媒通路140の入口に入る。
【0083】
[0109]低温分離器MR液体ストリーム275は、低温分離器液体冷却通路125中で冷却されて、過冷却された低温分離器MR液体ストリーム310を形成する。
[0110]高圧液体冷却通路197は、図13図15のMR圧縮器システムのいずれかから高圧MR液体ストリーム975を受け入れる。高圧液体975は、好ましくは中間沸騰冷媒液体ストリームである。高圧液体ストリームは高温端に入り、冷却されて、過冷却された高圧MR液体ストリーム330を形成する。冷媒液体ストリーム310および330の両方は、膨張装置310Eおよび330Eによって独立にフラッシュされて、膨張した低温分離器MRストリーム320および膨張した高圧MRストリーム340を形成する。膨張した低温分離器MRストリーム320は、中温度スタンドパイプ300中で、膨張した高圧MRストリーム340と混合されて、中温度MR蒸気ストリーム355および中温度MR液体ストリーム375を形成する。代替の実施形態では、2つのストリーム310および330は、混合し、次いでフラッシュさせることができる。
【0084】
[0111]中温度MRストリーム355および375は冷凍通路の中温度冷媒入口150へ向かい、そこで、それらは、合流した低温MR蒸気ストリーム455および低温MR液体ストリーム475と混合され、主冷凍通路160中で冷凍を提供する。冷媒は、蒸気相または混合相主MRストリームもしくは冷媒返送ストリーム610として主冷凍通路160を出る。返送ストリーム610は、任意選択で、過熱された蒸気冷媒返送ストリームであってよい。
【0085】
[0112]熱交換器100は、また、上記したように、図13図15のいずれかのMR圧縮器システムの段間分離装置またはドラム800の液体出口から、好ましくは高沸点冷媒である低圧MR液体ストリーム875を受け入れる低圧液体冷却通路187も含む。高沸点MR液体ストリーム875は、低圧液体冷却通路187中で冷却されて、過冷却された低圧MRストリームを形成し、これは、熱交換器をストリーム510として出る。次いで、過冷却された低圧MR液体ストリーム510は、フラッシュされるか、またはその圧力を膨張装置510Eで低減させて、膨張した低圧MRストリーム520を形成する。例に過ぎないが、ストリーム510は200psigの圧力および-90℃(-130°F)の温度を有してよく、ストリーム520は、50psigの圧力および-90℃(-130°F)の温度を有し得る。ストリーム520は図16に例示されているように、中温度スタンドパイプ300へ向かい、そこでこれは、膨張した低温分離器MRストリーム320および膨張した高圧MRストリーム340と混合される。結果として、高沸点冷媒が、中温度冷媒入口150に、したがって主冷凍通路160に提供される。
【0086】
[0113]熱交換システムの代替の実施形態は、全般的に図18の84で示されており、低温MR膨張ループの代替の実施形態を提供する。より具体的には、この実施形態では、図13図16および図17の低温スタンドパイプ400は除かれている。結果として、低温分離器蒸気冷却通路127からの凝縮した低温MRストリーム410は、熱交換器の低温端を出、膨張装置410Eでフラッシュされて低温MRストリーム465を形成する。次いで、混合相ストリーム465は、低温冷媒通路140の入口に入る。熱交換システム84の残りは、図16の熱交換器システム80と同じであり、同じ仕方で稼働する。供給原料ストリーム処理出口、および入口10および15(処理システムとのやりとりにつながる)は、図17の熱交換システム82に示した仕方で、省くことができる。
【0087】
[0114]全般的に図19の86で示される熱交換システムの別の代替実施形態では、図16図18の中温度スタンドパイプ300は省かれている。結果として、図19および図20に例示されているように、冷媒液体ストリーム310および330の両方は、膨張装置310Eおよび330Eを介して独立にフラッシュされて、膨張した低温分離器MRストリーム320および膨張した高圧MRストリーム340を形成する。これら2つのストリームは、膨張した低圧MRストリーム520と混合されて、中温度冷凍通路136を通して流れる中温度MRストリーム365を形成する。中温度MRストリーム365は、通路136を介して、冷凍通路の中温度冷媒入口150へ向かい、そこで、これは、低温MRストリーム465と混合されて、主冷凍通路160における冷凍を提供する。熱交換システム86の残りは、図18の熱交換器システム84と同じであり、同じ仕方で稼働する。供給原料ストリーム処理出口、および入口10および15(処理システムとのやりとりにつながる)は、図17の熱交換システム82に示した仕方で、省くことができる。
【0088】
[0115]図21に例示されているように、膨張装置310Eおよび330Eは、過冷却された低温分離器MRストリーム310および過冷却された高圧MRストリーム330の通路から省くことができる。この実施形態では、膨張装置315Eは、ストリーム310および330の合流部の下流ではあるがストリーム520との合流部の上流に配置される。結果として、310および330の混合ストリームからなるストリーム335はフラッシュされ、次いで、ストリーム520と混合され、その結果、混合相である中温度MRストリーム365が、通路136を介して中温度冷媒入口150に提供される。
【0089】
[0116]代替の実施形態では、図20および図21の膨張装置510Eは省くことができ、その結果、過冷却された低圧MRストリーム510が提供されて(ストリーム520の代わりに)、膨張装置315Eによる膨張後、ストリーム335と混合されてストリーム365を形成する。
【0090】
[0117]図22で例示される別の代替実施形態では、ストリーム335およびストリーム510は、組み合わされた混合および膨張装置136Eに向かうことができる。装置136Eは、一例に過ぎないが、複数の入口、および別個の液体および蒸気出口を有することができる。別の例として、その間にストリーム510がフィードされる、直列になった2つの液体エキスパンダーを使用することができる。
【0091】
[0118]上記実施形態のそれぞれにおいて、外部処理、前処理、後処理、総合的処理の1つもしくは複数またはその組合せを、独立に、供給原料ストリーム冷却通路と連通させ、供給原料ストリーム、生成物ストリームまたはその両方を処理するように適合させることができる。
【0092】
[0119]例として、図7および図16を参照して上記したように、熱交換器100の供給原料ストリーム冷却通路103は、交換器100の高温端で入口を有する前処理供給原料ストリーム冷却通路105、および、それを通して生成物20が出る低温端に生成物出口を有する処理された供給原料ストリーム冷却通路120を含む。前処理供給原料ストリーム冷却通路105は、供給原料流体出口10と合流する出口を有し、処理された供給原料ストリーム冷却通路120は、供給原料流体入口15と連通している入口を有する。供給原料流体出口、および入口10および15は、外部供給原料処理(図1および図3の125)、例えば天然ガス液体回収、凍結成分除去または窒素廃棄などのために提供される。
【0093】
[0120]MR圧縮器システム50および熱交換システム70で使用されるような、外部供給原料処理のためのシステムの例は、全般的に図23の125で示される。図23に例示されているように、供給原料流体出口10は、混合相の供給原料流体を重質分ノックアウトドラム12(または他の分離装置)へ向かわせる。ドラム12は、供給原料ストリーム連通入口15と連通している蒸気出口を含み、その結果、分離装置12からの蒸気は、熱交換器の処理された供給原料ストリーム冷却通路120へ進む。分離装置12は、それを通して液体ストリーム14が熱交換器16へ流れる液体出口も含み、その液体ストリーム14は、MR圧縮器システム50の高圧MR液体ストリーム975の分岐によって提供される冷媒ストリーム18との熱交換によって加熱される。得られる加熱液体19は、さらなる処理のために、凝縮物除去カラム21へ流れる。
【0094】
[0121]外部供給原料処理125は、図24に例示されているようなMR圧縮器システム52および熱交換システム70、および図25に例示されているようなMR圧縮器システム60および熱交換システム80を含む、上記のMR圧縮器システムおよび熱交換システム実施形態のいずれかと組み合わせることもできる。
【0095】
[0122]図23図25の22に例示されているように、供給原料ガスは、ストリーム5として熱交換器100に入る前に、前処理システム22によって前処理にかけることができる。
【0096】
[0123]外部処理、前処理または後処理のそれぞれは、供給原料ストリームから、硫黄、水、CO、天然ガス液体(NGL)、凍結成分、エタン、オレフィン、C6炭化水素、C6+炭化水素、Nの1つもしくは複数またはその組合せを除去することの1つまたは複数を独立に含むことができる。
【0097】
[0124]さらに、1つまたは複数の前処理は、供給原料ストリーム冷却通路と連通され、供給原料ストリーム、生成物ストリームまたはその両方を処理するように適合された、脱硫、脱水、CO除去、1つまたは複数の天然液体(NGL)の除去の1つもしくは複数またはその組合せを独立に含むことができる。
【0098】
[0125]さらに、1つまたは複数の外部処理は、供給原料ストリーム冷却通路と連通され、供給原料ストリーム、生成物ストリームまたはその両方を処理するように適合された、1つもしくは複数の天然液体(NGL)の除去、1つもしくは複数の凍結成分の除去、エタンの除去、1つもしくは複数のオレフィンの除去、1つもしくは複数のC6炭化水素の除去、1つもしくは複数のC6+炭化水素の除去の1つまたは複数を独立に含むことができる。
【0099】
[0126]上記実施形態のそれぞれには、生成物からのNの除去を含むことができ、供給原料ストリーム冷却通路と連通され、供給原料ストリーム、生成物ストリームまたはその両方を処理するように適合されていてよい、1つまたは複数の後処理が提供されてもよい。
【0100】
[0127]本発明の好ましい実施形態を示し、説明してきたが、その範囲が添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨から逸脱することなく、それに変更および改変を加えることができることは、当業者に明らかであろう。
【0101】
[発明の態様]
[1]
混合冷媒でガスを冷却するためのシステムであって:
a.高温端および低温端を、それらの間に延在する供給原料ストリーム冷却通路と共に含む主熱交換器であって、前記供給原料ストリーム冷却通路は、前記高温端で供給原料ストリームを受け入れ、前記低温端から冷却された生成物ストリームを移送するように適合されており、前記主熱交換器は、低圧液体冷却通路、高圧蒸気冷却通路、高圧液体冷却通路、低温分離器蒸気冷却通路、低温分離器液体冷却通路および冷凍通路も含む、主熱交換器;
b.前記冷凍通路の出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第1セクション、前記圧縮器第1セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第1セクション冷却器、前記第1セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する段間分離装置、前記段間分離装置の前記蒸気出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第2セクション、前記圧縮器第2セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第2セクション冷却器、前記第2セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する高圧分離装置を含む、混合冷媒圧縮器システム;
c.前記高圧分離装置の前記蒸気出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路;
d.前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口を有する低温蒸気分離器であって、液体出口および蒸気出口を有する低温蒸気分離器;
e.前記低温蒸気分離器の前記液体出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する前記熱交換器の前記低温分離器液体冷却通路;
f.前記段間分離装置の前記液体出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記低圧液体冷却通路;
g.前記低圧液体冷却通路の出口と連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する第1の膨張装置;
h.前記高圧分離装置の前記液体出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する前記熱交換器の前記高圧液体冷却通路;
i.前記低温蒸気分離器の前記蒸気出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記低温分離器蒸気冷却通路;ならびに、
j.前記低温分離器蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路の入口と流体連通している出口を有する第2の膨張装置
を含む、システム。
[2]
前記低温分離器液体冷却通路と流体連通している入口を有する第3の膨張装置、および前記高圧液体冷却通路と流体連通している入口を有する第4の膨張装置をさらに含み、前記第3および第4の膨張装置が、それぞれ、前記冷凍通路と流体連通している出口を有する、1に記載のシステム。
[3]
前記冷凍通路が、前記第3および第4の膨張装置の前記出口、および前記第1の膨張装置の前記出口と流体連通している中温度冷媒入口を含み、前記中温度冷媒入口と前記熱交換器の前記高温端の間に延在する主冷凍通路および前記熱交換器の前記低温端と前記中温度冷媒入口の間に延在する低温冷凍通路を含む、2に記載のシステム。
[4]
前記熱交換器が、前記冷凍通路と流体連通している出口、ならびに前記低温分離器液体冷却通路の前記出口および前記高圧液体冷却通路の前記出口および前記第1の膨張装置の前記出口と流体連通している入口を有する中温度冷媒通路を含み、
そして、前記中温度冷媒通路内に配置された中温度膨張装置をさらに含む、1に記載のシステム。
[5]
前記低温分離器液体冷却通路および前記高圧液体冷却通路の出口と流体連通している入口、および前記中温度膨張装置の前記入口と流体連通している出口を有する合流部をさらに含む、4に記載のシステム。
[6]
前記低温分離器液体冷却通路および前記高圧液体冷却通路が、前記低圧液体冷却通路の前記出口と流体連通している、1に記載のシステム。
[7]
前記低温分離器液体冷却通路の前記出口、前記高圧液体冷却通路の前記出口および前記第1の膨張装置の前記出口と流体連通している中温度分離装置をさらに含み、前記中温度分離装置が、前記冷凍通路と流体連通している蒸気および液体出口を含む、1に記載のシステム。
[8]
前記第2の膨張装置の前記出口と流体連通している低温分離装置をさらに含み、前記低温分離装置が、前記冷凍通路と流体連通している蒸気および液体出口を含む、1に記載のシステム。
[9]
前記冷凍通路が、前記低温分離器液体冷却通路の前記出口、前記高圧液体冷却通路の前記出口、および前記低圧液体冷却通路の前記出口と流体連通している中温度冷媒入口を含み、前記中温度冷媒入口と前記熱交換器の前記高温端の間に延在する主冷凍通路および前記熱交換器の前記低温端と前記中温度冷媒入口の間に延在する低温冷凍通路を含む、1に記載のシステム。
[10]
前記供給原料ストリーム冷却通路が、供給原料処理システムと流体連通されるように適合された供給原料処理出口および供給原料処理入口を含む、1に記載のシステム。
[11]
前記冷凍通路の前記出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有するサクション分離装置をさらに含み、前記圧縮器第1セクション入口が、前記サクション分離装置の前記蒸気出口と流体連通している、1に記載のシステム。
[12]
混合冷媒でガスを冷却するためのシステムであって:
a.高温端および低温端を、それらの間に延在する供給原料ストリーム冷却通路と共に含む主熱交換器であって、前記供給原料ストリーム冷却通路は、前記高温端で供給原料ストリームを受け入れ、記低温端から、冷却された生成物ストリームを移送するように適合されており、前記主熱交換器は、高圧蒸気冷却通路、高圧液体冷却通路、低温分離器蒸気冷却通路、低温分離器液体冷却通路および冷凍通路も含む、主熱交換器;
b.前記冷凍通路の出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第1セクション、前記圧縮器第1セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第1セクション冷却器、前記第1セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有する段間分離装置、前記段間分離装置の前記蒸気出口と流体連通している入口、および出口を有する圧縮器第2セクション、前記圧縮器第2セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第2セクション冷却器、前記第2セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口、ならびに液体出口および蒸気出口を有する高圧分離装置を含む、混合冷媒圧縮器システム;
c.前記高圧分離装置の前記蒸気出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記高圧蒸気冷却通路;
d.前記高圧蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口を有する低温蒸気分離器であって、液体出口および蒸気出口を有する低温蒸気分離器;
e.前記低温蒸気分離器の前記液体出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する前記熱交換器の前記低温分離器液体冷却通路;
f.前記高圧分離装置の前記液体出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路と流体連通している出口を有する前記熱交換器の前記高圧液体冷却通路;
g.前記低温蒸気分離器の前記蒸気出口と流体連通している入口を有する前記熱交換器の前記低温分離器蒸気冷却通路;および
h.前記低温分離器蒸気冷却通路の出口と流体連通している入口、および前記冷凍通路の入口と流体連通している出口を有する膨張装置(410E)
を含む、システム。
[13]
前記段間分離装置が液体出口を有する、12に記載のシステム。
[14]
前記段間分離装置の前記液体出口と流体連通している入口、および前記高圧分離装置と流体連通している出口を有する段間ポンプをさらに含む、13に記載のシステム。
[15]
前記高圧分離装置と流体連通している入口、および前記段間分離装置と流体連通している出口を有する高圧再循環膨張装置をさらに含む、13に記載のシステム。
[16]
前記冷凍通路の前記出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有するサクション分離装置をさらに含み、前記圧縮器第1セクション入口が、前記サクション分離装置の前記蒸気出口と流体連通している、11に記載のシステム。
[17]
ガスを冷却する熱交換器へ混合冷媒を提供するための圧縮器システムであって:
a.前記熱交換器から混合冷媒を受け入れるように適合されたサクション入口、および出口を有する圧縮器第1セクション;
b.前記圧縮器第1セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第1セクション冷却器;
c.前記第1セクションアフタークーラーの前記出口と流体連通している入口、および蒸気出口を有する段間分離装置
d.前記段間分離装置の前記蒸気出口と流体連通しているサクション入口、および出口を有する圧縮器第2セクション;
e.前記圧縮器第2セクションの前記出口と流体連通している入口、および出口を有する第2セクション冷却器;
f.前記第2セクション冷却器の前記出口と流体連通している入口ならびに蒸気出口および液体出口を有する高圧分離装置であって、前記蒸気出口が、高圧混合冷媒蒸気ストリームを前記熱交換器へ提供するように適合されており、前記液体出口が、高圧混合冷媒液体ストリームを前記熱交換器へ提供するように適合されている高圧分離装置;ならびに、
g.前記高圧分離装置と流体連通している入口、および前記段間分離装置と流体連通している出口を有する高圧再循環膨張装置
を含む、圧縮器システム。
[18]
前記段間分離装置が液体出口を含み、前記段間分離装置の前記液体出口と流体連通している入口、および前記高圧分離装置と流体連通している出口を有する段間ポンプをさらに含む、17に記載の圧縮器システム。
[19]
前記高圧再循環膨張装置入口が、前記高圧分離装置の前記液体出口と流体連通している、17に記載の圧縮器システム。
[20]
前記段間分離装置が、混合冷媒を前記熱交換器へ向かわせるように適合された液体出口を有する、17に記載の圧縮器システム。
[21]
前記圧縮器第1セクションおよび圧縮器第2セクションが、多段圧縮器の段である、17に記載の圧縮器システム。
[22]
前記熱交換器から前記混合冷媒を受け入れるよう適合された入口、および蒸気出口を有するサクション分離装置をさらに含み、前記圧縮器第1セクション入口の前記サクション入口が、前記サクション分離装置の前記蒸気出口と流体連通している、17に記載の圧縮器システム。
[23]
混合冷媒を用いて、高温端および低温端を有する熱交換器中でガスを冷却する方法であって:
a.最初および最後の圧縮冷却サイクルを用いて混合冷媒を圧縮し冷却する工程;
b.高圧液体ストリームおよび高圧蒸気ストリームを形成するように、前記最初および最後の圧縮冷却サイクル後に前記混合冷媒を分離する工程;
c.低温分離器蒸気ストリームおよび低温分離器液体ストリームを形成するように、前記熱交換器および低温分離器を用いて前記高圧蒸気ストリームを冷却し分離する工程;
d.膨張した低温ストリーム(420)を形成するように、前記低温分離器蒸気ストリームを冷却し膨張させる工程;
e.過冷却された低温分離器ストリーム(310)を形成するように、前記低温分離器液体ストリームを冷却する工程;
f.低圧液体ストリームを形成するように、前記最初および最後の圧縮冷却サイクルの間に、前記混合冷媒を平衡化し分離する工程;
g.膨張した低圧ストリーム(520)を形成するように、前記低圧液体ストリームを冷却し膨張させる工程;
h.過冷却された高圧ストリーム(330)を形成するように、前記高圧液体ストリームを過冷却する工程;
i.前記過冷却された低温分離器ストリーム(310)および前記過冷却された高圧ストリーム(330)を膨張させて、膨張した低温分離器ストリーム(320)および膨張した高圧ストリーム(340)を形成するか、または前記過冷却された低温分離器ストリーム(310)と前記過冷却された高圧ストリーム(330)を混合し、得られたストリーム(335)を膨張させて中温度ストリーム365を形成する工程;
j.前記膨張した低温分離器ストリーム(320)および前記膨張した高圧ストリーム(340)または前記中温度ストリーム(365)を、前記膨張した低圧ストリーム(520)および前記膨張した低温ストリーム(420)と合わせて主冷凍ストリームを形成する工程;および
k.前記ガスが冷却されるように、前記ガスのストリームを、前記主冷凍ストリームと、向流熱交換で前記熱交換器を通過させる工程
を含む、方法。
[24]
低温蒸気ストリーム(455)および低温液体ストリーム(475)を形成するように前記膨張した低温ストリーム(420)を分離する工程をさらに含み、工程iが、前記低温蒸気ストリームおよび前記低温液体ストリームを前記主冷凍ストリームへ向かわせる工程を含む、23に記載の方法。
[25]
前記ガスが、工程kの間に液化される、23に記載の方法。
[26]
工程d、e、gおよびhの前記冷却が、熱交換器を使用して遂行される、23に記載の方法。
[27]
低温蒸気ストリーム(455)および低温液体ストリーム(475)を形成するように前記膨張した低温ストリーム(420)を分離する工程をさらに含み、工程iが、前記低温蒸気ストリームおよび前記低温液体ストリームを、前記膨張した低温分離器ストリーム(320)、前記膨張した高圧ストリーム(340)および前記膨張した低圧ストリーム(520)と合わせて、前記主冷凍ストリームを形成する工程を含む、26に記載の方法。
[28]
分離装置において、前記膨張した低温分離器ストリーム(320)、前記膨張した高圧ストリーム(340)および前記膨張した低圧ストリーム(520)が合流し分離され、その結果、中温度蒸気ストリーム(355)および中温度液体ストリーム(375)が形成され、かつ前記膨張した低温ストリームと合わされる、26に記載の方法。
[29]
低温蒸気ストリーム(455)および低温液体ストリーム(475)を形成するように、前記膨張した低温ストリーム(420)を分離する工程をさらに含み、工程iが、前記低温蒸気ストリームおよび前記低温液体ストリームを前記中温度蒸気ストリーム(355)および中温度液体ストリーム(375)と合わせて前記主冷凍ストリームを形成する工程を含む、28に記載の方法。
[30]
工程iが、前記過冷却された低温分離器ストリーム(310)および前記過冷却された高圧ストリーム(330)を合わせて、合流され過冷却されたストリーム(335)を形成する工程、および前記合流され過冷却されたストリーム(335)を膨張させて中温度冷媒ストリーム(365)を形成する工程、および前記中温度冷媒ストリームを前記膨張した低圧ストリーム(520)と合わせる工程を含む、23に記載の方法。
図1
図2
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図5
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