(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】可搬型デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/256 20210101AFI20241016BHJP
A61B 5/291 20210101ALI20241016BHJP
【FI】
A61B5/256 110
A61B5/291
(21)【出願番号】P 2023061873
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2020566877の分割
【原出願日】2019-02-12
【審査請求日】2023-04-06
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】523457660
【氏名又は名称】ネクストマインド エスエーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】クアイダー、シド
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ハオ
(72)【発明者】
【氏名】グーピル、アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセリアル、ジャンヌ
(72)【発明者】
【氏名】プロワヤール、ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ビアンシャレッリ、アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ジェルヴェ、ガエル
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-530064(JP,A)
【文献】特開2015-083212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0215916(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0065816(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05 - 5/0538
A61B 5/24 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから発せられる脳波(EEG)信号を取得する可搬型デバイスであって、
-前記ユーザの頭蓋の局所的な領域にフィットする可撓性サポートと、
-前記ユーザが当該
可搬型デバイスを装着したとき頭皮との接触を形成するために前記サポートに配置され、前記ユーザの神経活動によって生成された電気信号を検出するセンサの組と、
-前記センサの各々によって検出された電気信号をフィルタおよび増幅するための電気回路と、
-前記電気回路からの信号を処理するための電気システムを備えるハウジングと、を備え、
前記可撓性サポートは、中央部と、平行なブランチの組と、を備え、
前記センサの組は、前記可撓性サポートおよび前記平行なブランチの組の上に配置されて、前記ユーザが当該可搬型デバイスを装着したとき当該ユーザの頭蓋と接触し、
前記電気回路は、前記可撓性サポート内に収容され、前記センサとともにアクティブ電極を形成し、
前記ハウジングは、前記可撓性サポートに機械的に接続されて、前記サポートとともに、前記ユーザに装着される衣類またはアクセサリへの接続手段を形成
し、
前記可撓性サポートは、中央部と、可撓性の横ブランチを用いて前記中央部に接続されたブランチと、を備えることを特徴とする可搬型デバイス。
【請求項2】
前記可撓性サポートは、複数の平行なブランチの組を備えることを特徴とする請求項1に記載の可搬型デバイス。
【請求項3】
前記センサの組は、導電性ポリマーを備えることを特徴とする請求項1に記載の可搬型デバイス。
【請求項4】
前記可撓性サポートおよび前記ハウジングは、可撓性のアタッチメントポイントにより機械的に接続され、クリップ型の接続手段を形成することを特徴とする請求項1に記載の可搬型デバイス。
【請求項5】
前記センサの各々は、前記可撓性サポートに可動的に固定されることを特徴とする請求項1に記載の可搬型デバイス。
【請求項6】
前記センサの各々は、前記可撓性サポートの凹部に配置され、前記電気回路と電気的に接触する基部を備えることを特徴とする請求項1に記載の可搬型デバイス。
【請求項7】
前記電気的な接触は、スプリングフィンガーによって実現され、
前記スプリングフィンガーが、前記基部との接触ポイントを形成することを特徴とする請求項6に記載の可搬型デバイス。
【請求項8】
前記センサの各々は、複数のブレードを備え、
前記ブレードは、ユーザが当該可搬型デバイスを装着したとき、頭皮との線接触を形成することを特徴とする請求項1に記載の可搬型デバイス。
【請求項9】
前記センサの各々は、2枚のブレードを備えることを特徴とする請求項8に記載の可搬型デバイス。
【請求項10】
前記ブレードは、互いに平行に配置されることを特徴とする請求項8に記載の可搬型デバイス。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の可搬型デバイスを用いて、ユーザから発せられる脳波(EEG)信号を取得する方法であって、
-前記ユーザの頭皮に接触するセンサを用いて、前記ユーザの神経活動によって生成された電気信号を測定するステップと、
-前記ハウジングに配置された電気処理システムを用いて、前記可搬型デバイスの電気回路からの電気信号を処理するステップと、を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脳波信号(EEG)を取得する可搬型デバイスまたは可搬型表面脳波計およびこれらの脳波計を用いて脳波信号を取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面脳波計は、頭蓋表面上の拡散電気ポテンシャルの変化を測定することができる。これらの電気ポテンシャルの変化は、脳波信号またはEEG信号と呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
第1の困難さは、EEG信号を取得するために使われるデバイスの信頼性に関する。実際、観測される電気ポテンシャルの変化の強度が非常に低い(数マイクロボルトのオーダ)場合、EEG信号を取得するためには、電極と頭皮との間の電気伝導度を最大にする、すなわち両者の接触を完全にすることが必要となる。これは、ユーザの毛髪に起因して、非常に難しい。
【0004】
現在使われているデバイスには、信号の信頼性を保証するためのいくつかの解決手段が使われている。
【0005】
いくつかの表面脳波計は、ジェル電極を備える。この場合、接触はジェルまたは導電性液体により実現される。これらはユーザの毛髪を通して浸透し、容易に頭皮に到達する。ジェルにより、電気的インピーダンスを減少させ、周辺信号との干渉を減少させることができる。この解決手段により、頭皮の任意の場所で良好な電気伝導度を得ることができる。しかしながらこのタイプのデバイスは、電極を配置するための技術的補助を必要とする。特にこのタイプのデバイスには、長い時間が必要である(ジェルが配置されたとき、電気伝導度は電極ごとに異なる)。さらにデバイスの使用時間は、数時間以内(ジェルが乾燥し、接触が保証できなるまで)に限られる。
【0006】
近年、乾燥した(ドライな)表面脳波計、いわゆる「アクティブ電極」が開発されている。このような電極は、例えば米国特許出願US20133066183に開示されている。ドライ-アクティブ電極の機能は、頭皮表面上における電気ポテンシャルの変化の検知後に、これをフィルタし増幅することにある。このようにして得られたアナログ信号は、マイクロコントローラによって制御される1つ以上のアナログ-デジタル変換器を用いてデジタル信号に変換される。マイクロコントローラは、解析のためこれらのデータを受信し、蓄積する、または他のデバイスに送信する。
【0007】
ドライ-アクティブ電極の場合、頭皮との接触は、電気回路に接続された固体の導電性電極または「センサ」を用いて実現される。これにより、ジェルの不在に起因するインピーダンス増加を克服することができる。アクティブ電気部品により、ジェル電極の場合と同等の信号取得が可能となる。アクティブ電極のさらなる利点は、信号をフィルタ、および/または増幅でき、これにより信号対雑音比を改善できることにある。しかしながらこの技術の主要な困難さは、頭皮へのアクセスである。
【0008】
一般に現在の解決手段は、ポリマーをベースとするセンサと、ユーザの頭皮への到達のための高圧力を与えるピンと、を用いる(例えば、米国特許出願201514788を参照)。このアプローチは頭皮との接触を改善できる一方、特に長時間での使用時、使い心地が極めて悪いという欠点がある。
【0009】
さらに表面脳波計のデザインにおける別の困難さは、脳波信号の公衆への受容性にある。これは、美観上の制約および使い心地に関する制約を課す。
【0010】
実際、一般に医療分野または研究用システムは、弾力性または不浸透性の布で作られた覆い(センサはここに設置される)と、センサに接続された電気回路と、取得システムの筐体と、を備える。これらは3つの別個の部品で形成されため、使用時はオペレータ/助手による組み立てが必要である。
【0011】
専門の技術者のユーザへの補助を必要としない可搬型の脳波取得デバイスが提案されている。例えば米国特許出願20020029005は、脳波信号を取得するためのヘッドギアを開示する。このヘッドギアは、所定の位置に配置された電極と、調整可能な弾力性のバンドと、を備える。これにより、電極と頭皮との接触が確実なものとなる。しかしながらこのようなデバイスは多くの別個の調整可能部品を有するため、使用が煩雑である。
【0012】
米国特許出願20170027466もまた、補助を必要とせずに使用可能な可搬型の脳波取得デバイスを開示する。このデバイスは、調整可能な着脱式機械部品の数が削減されており、経験の浅いユーザも簡単かつ素早く使うことができる。これを実現するために、この脳波信号取得デバイスは、頭頂部に位置づけられ、全ての電気部品を収容することができる中央部を備える。長い腕と短い腕が、中央部から頭部全体を囲んで延びる。これらの腕の端部にセンサが配置される。これらの腕の少なくともいくつかは、弾力性を持つかかまたはバネの機能を持つ。これにより、当該デバイスの外周に適用したとき、必要とされるセンサと頭皮へとの接触を保証するのに十分な力で頭部を把持することができる。しかしながらこれらのデバイスは、繊細さを欠くことに加えて使い心地が非常に悪いという欠点を持つ。なぜなら、頭の位置を垂直かつ直線的に保たなければ、把持力はセンサのみを通して伝わり、これが一点への著しい圧力集中を生むからである。
【0013】
米国特許出願2016157777もまた、可搬型の脳波取得デバイスを開示する。このデバイスは、頭頂部に位置づけられる中央部を備える。長い腕と短い腕が、中央部から頭部全体を囲んで延びる。これらの腕の端部にセンサが配置される。全ての電気部品は、中央部または柔軟なブランチの内部に収容可能である。
【0014】
米国特許出願2015112453および米国特許出願2017258400は、可搬型の脳波取得デバイスを開示する。これらにおいては、電気部品の少なくともいくつかが、デバイスの電気コネクタの1つに接続可能なアセンブリの内部に収容可能である。米国特許出願2015112453に開示されたデバイスでは、アセンブリは着脱可能に接続される。
【0015】
上述のデバイスはオペレータの技術的補助を不要とし、ユーザの頭皮への満足すべき接触を実現する解決手段を与える。しかしながらこれらは、特に民生用アプリケーション(例えば、ビデオゲーム、トレーニング、睡眠補助など)に求められる繊細さを欠く。
【0016】
本明細書は、ドライ-アクティブ電極を備えた可搬型の表面脳波計を提案する。これは、優れた信号品質を実現するとともに、非常に使いやすく、使い心地がよく、極めて繊細である。このような可搬型表面脳波計は、病院環境での使用(例えば診療のための通院患者による使用)に適するとともに、脳波記録の新しい適用分野の開拓も促すこともできる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様は、ユーザから発せられる脳波(EEG)信号を取得する可搬型デバイスに関する。この可搬型デバイスは、以下を備える。
-ユーザの頭蓋の局所的な領域にフィットする可撓性サポート。
-ユーザの神経活動によって生成された電気信号を検出するセンサの組。このセンサの組は、ユーザが当該装置を装着したとき頭皮との接触を形成するために、サポートに配置される。
-センサの各々によって検出された電気信号をフィルタおよび増幅するための電気回路。これは、可撓性サポート内に収容され、センサとともにアクティブ電極を形成する。
-電気回路からの信号を処理するための電気システムを備えるハウジング。このハウジングは、可撓性サポートに機械的に接続されて、サポートとともに、ユーザに装着される衣類またはアクセサリへの接続手段を形成する。
【0018】
ここで説明するデバイスでは、様々な電気的機能を担う電気部品が、可撓性サポートとハウジングとに分配される。後者は、衣類またはアクセサリへの接続手段を形成するために、機械的に協働する。両者により、ユーザの頭蓋と接触するサポートは、より柔軟で薄いものとなる。典型的にはサポートの厚さは10mm未満であり、さらには5mm未満とすることもできる。さらにデバイスは、取得されるEEG信号の品質を落とすことなく、非常に使いやすいものとすることができる。従ってここで説明する可搬型デバイスは、少なくとも先行技術と同等の性能レベルを提供するとともに、民生用アプリケーションと同等の使いやすさと人間工学をも提供する。
【0019】
この可搬型デバイスは人間に適用されるが、ある種の動物に適用されてもよい。このデバイスは、非侵襲で、精度が高く、使い心地がよい。これらの特性は、動物を用いた研究での使用に適する。
【0020】
可撓性サポートに配置されるセンサの数は、アプリケーションによる。例えばこの数は、2以上128以下、あるいはさらに多いものとすることができる。想定されるアプリケーションに応じて、脳の特定の領域、例えば視覚野、聴覚野、運動野、体性感覚皮質あるいは前頭前野で生成された脳活動を測定するために、サポートは、頭蓋の限られた領域を覆う。あるいはサポートは、頭蓋の表面全体を覆ってもよい。センサの数は、サポートによって覆われる表面および必要な空間分解能をもとに決定することができる。
【0021】
1つ以上の実施の形態では、可撓性サポートとハウジングとの間に隙間を形成するため、可撓性サポートとハウジングとは、アタッチメントポイント(例えば、偏心アタッチメントポイント)を用いて機械的に接続される。衣類および/またはアクセサリは、この隙間を通過することができる。この隙間は2mm以上5mm以下であることが好ましい。
【0022】
1つ以上の実施の形態では、アタッチメントポイントは可撓性を有する。これにより、接続手段を形成する「クリップ」またはクランプを形成することができる。
【0023】
1つ以上の実施の形態では、アタッチメントポイントはまた、可撓性サポートに収容された電気部品と、ハウジング内に収容された電気部品との間の電気的接触を実現する。
【0024】
1つ以上の実施の形態では、アタッチメントポイントは着脱可能である。
【0025】
1つ以上の実施の形態では、剛性ハウジングに収容された電気信号処理システムは、フィルタ・増幅用電気回路からの信号をデジタル信号に変換する1つ以上のアナログ/デジタル変換器(ADC)と、マイクロプロセッサと、を備える。このマイクロプロセッサは、特にデジタル信号を、外部の処理ユニットに送信および/または蓄積する。剛性ハウジングはもちろん他の電気部品、例えばバッテリおよび/または他のタイプのセンサ(例えば、加速度センサおよび/またはジャイロスコープ)を収容してもよい。
【0026】
1つ以上の実施の形態では、可撓性サポートは透かし細工である。例えば可撓性サポートは複数のブランチを備え、これらのブランチに少なくともいくつかのセンサが配置される。この構造により、より柔軟なサポートが与えられ、頭蓋の形状への適合性を向上させることができる。
【0027】
例えばセンサは、2個以上6個以下のブランチに配分される。
【0028】
1つ以上の実施の形態では、ブランチは平行である。これにより、衣類または器具がサポート全体を覆っていない場合であっても、より均一な圧力をセンサに加えることができる。これにより、ユーザがデバイスを正しい位置に設置するための移動動作を容易に理解することができる。
【0029】
1つ以上の実施の形態では、可撓性の横ブランチを用いて、2個以上のブランチが中央部に接続されてもよい。
【0030】
1つ以上の実施の形態では、3個以上のブランチが平行に櫛状に配置されてもよい。
【0031】
1つ以上の実施の形態では、各センサは、例えばスプリング型の機械接続を用いて、可撓性サポートに可動的に固定される。これにより、頭皮との接触が改善される。
【0032】
1つ以上の実施の形態では、スプリング型の機械接続は、センサの基部との接触ポイントを形成するスプリングフィンガーを備える。これにより、センサはいくつかの軸に関して運動することができる。
【0033】
1つ以上の実施の形態では、スプリングフィンガーにより、センサとフィルタ・増幅回路との電気的接触が確実なものとなる。
【0034】
1つ以上の実施の形態では、各センサは、可撓性サポートの凹部に配置され、フィルタ・増幅回路と電気的に接触する基部を備える。
【0035】
1つ以上の実施の形態では、センサは、前述の基部に配置される複数の導電性ブレードを備える。この導電性ブレードは、ユーザがデバイスを装着したとき、頭蓋との線接触を形成する。
【0036】
このような線接触により、接触表面領域が増し、感度とユーザの使い心地とが向上する。
【0037】
1つ以上の実施の形態では、導電性ブレードは実質的に平行に配置される。有利なことに、少なくともいくつかのセンサがサポートの平行なブランチ上に配置されることにより、導電性ブレードはブランチと平行になる。
【0038】
1つ以上の実施の形態では、各センサは2枚の導電性ブレードを備える。この2という数はよい折衷である。なぜならこれにより、良好な測定精度を保ちつつ、接触圧力を分散できるからである。
【0039】
1つ以上の実施の形態では、2枚のブレード間の端から端までの距離は、2mmより大きい。これにより、毛髪がこの間隔を通過することができる。精度が失われないためには、この隙間は50mm未満、望ましくは10mm未満である。例えばこの隙間は2mm以上6mm未満である。
【0040】
1つ以上の実施の形態では、導電性ブレードは、ユーザの頭皮との接触に侵入する導電性層を形成する導電性ポリマーコーティングを備える。
【0041】
1つ以上の実施の形態では、少なくとも1つのポイント(導電性であってもなくてもよい)を有する。このポイントは、サポートが頭皮上に位置づけられると、頭皮との接触に最初に侵入する。このポイントがあることによる効果は、デバイスを装着するときに毛髪を分けることにある。これにより、ユーザの頭蓋は導電性ブレードにさらされる。
【0042】
本発明の第2の態様は、第1の態様の可搬型デバイスを備える、脳波(EEG)信号を取得する衣類またはアクセサリに関する。
【0043】
この衣類またはアクセサリは、例えばヘッドバンド、ヘッドギア、ヘッドセットなどである。
【0044】
本発明の第3の態様は、第1の態様の可搬型デバイスを用いて、ユーザから発せられる脳波(EEG)信号を取得する方法に関する。この方法は、以下のステップを備える。
-ユーザの頭皮に接触するセンサを用いて、ユーザの神経活動によって生成された電気信号を測定するステップ。
-ハウジングに配置された電気処理システムを用いて、可搬型デバイスの電気回路からの電気信号を処理するステップ。
【0045】
1つ以上の実施の形態では、電気信号を処理するステップは、フィルタ・増幅回路からの電気信号をアナログ/デジタル変換する処理と、このデジタル信号を外部の処理ユニットに送信するおよび/またはこのデジタル信号を蓄積する処理と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明のその他の利点および特徴は、以下の図面を参照して説明を読むことで明らかになるだろう。
【
図1A】本発明の第1の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図1B】本発明の第1の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図1C】本発明の第1の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図1D】本発明の第1の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図1E】本発明の第1の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図2A】本発明の第2の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図2B】本発明の第2の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図2C】本発明の第2の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図3A】本発明の第3の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図3B】本発明の第3の実施の形態に係る可搬型EEG信号取得デバイスを異なる方向から見た図である。
【
図4】本発明に係る可搬型デバイスを用いたEEG信号の取得および処理のための電気的アーキテクチャの例を示す図である。
【
図5C】本発明に係るセンサの別の例を示す図である。
【
図6】可撓性サポートに可動的に固定されたセンサの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1A-1Dはそれぞれ、本発明の第1の例に係る可搬型EEG信号取得デバイス1の正面図、第1側面図、背面図および第2側面図を示す。
図1Eは、ユーザがこのデバイスを装着した様子を示す。
【0048】
図1Aから1Dに示される可搬型デバイスは、ユーザの頭部の局所的な領域(頭蓋の後方の後頭部)にフィットする可撓性サポート11と、可撓性サポート11に機械的かつ電気的に接続されるハウジング12と、を備える。このサポート上に、ユーザの神経活動によって生成された電気信号を検出するセンサ13が配置される。さらに、他のユーザで測定された信号から共通モードを除去するために、接地または「バイアス」と呼ばれる電極13Bが与えられる。後にさらに詳しく述べるように、各センサは、複数の導電性ブレード(例えば、2枚の導電性ブレード131、132)を備えてもよい。これらは、例えば、ユーザがデバイスを装着したとき頭皮との線接触を形成するように、実質的に平行に配置されてよい。これらの導電性ブレードはまた、ユーザの頭皮上の圧力によって変形可能であってもよい。各センサは、電気信号(
図1A-1Dには示されない)をフィルタし増幅する電気回路を備え、アクティブ電極を形成する。フィルタ・増幅用電気回路からの信号は、電気システムによって処理される。以下に示すように、この電気システムは、例えば、1つ以上のアナログ/デジタル変換器(ADC)と、マイクロコントローラと、を備える。これにより、特に処理した信号を外部の装置に記憶および/または送信することができる。アクティブ電極のフィルタ・増幅用電気回路は、可撓性サポート内に収容される。一方、電気システムは、ハウジング12内に収容される。電気部品を可撓性サポート(ここにセンサが配される)内とハウジング内とにそれぞれ分離することにより、可撓性サポート11のデザイン(特に、形状、厚さ、機械的弾力性)を多様なものとすることができる。例えば可撓性サポートの厚さXsは、有利には10mm未満、例えば2mm以上10mm未満、さらに有利には5mm未満、例えば2mm以上5mm未満とすることができる。ハウジングはもちろん、デバイスの動作に必要な他の電気部品、例えばバッテリおよび/または他のタイプのセンサ(例えば、加速度計および/またはジャイロスコープ)を収容してもよい。
図1A-1Dの例では、ハウジング12にはまた、オン/オフスイッチと接続ポート123(例えばUSBポート)とが与えられる。
【0049】
さらに、
図1A-1Eに示されるように、サポート11とハウジング12とは、ユーザによって装着される衣類またはアクセサリへの接続手段を形成するように協働する。この例では、ハウジング12は、偏心アタッチメント121を用いてサポート11に接続される。これにより、ハウジングとサポートとの間に隙間(数ミリメートル、例えば2mm以上5mm以下)が形成される。衣類および/またはアクセサリは、この隙間を通過することができる。この例では、アタッチメントポイントは柔軟である。従って、衣類および/またはアクセサリ(例えば、
図1Eに示されるヘッドバンド101)が通過することのできるクランプまたは「クリップ」を形成することができる。ヘッドバンドに弾力性があることにより、可撓性サポートをユーザの頭蓋100に押し付けることができる。アタッチメントポイント121はまた、アクティブ電極のフィルタ・増幅回路とハウジングの電気システムとの間の電気的結合を形成する。例えば、アタッチメントポイントはスリーブを備える。電気的接続はこのスリーブを通過することができる。アタッチメントポイントは着脱式であってもよい。
【0050】
サポートの形状は、ユーザが装着したとき、異なるセンサ間の圧力分布が確実に均等になるようにデザインされることが好ましい。
図1A-1Dの例では、可撓性サポート11は、透かし細工であり、横ブランチ113、114を用いて中央部110に接続された外側ブランチ111、112を備える。これにより、アセンブリに可撓性が与えられる。センサは、外側ブランチおよび中央部に配置される。この例では、中央部110は実質的に円形であり、ハウジングに重ね合わせられる。ハウジングが円形であることにより、簡単に手で掴むことができる。
【0051】
図1A-1Eの例では、中央部の外側に配置された2つの外側ブランチが示される。これらの外側ブランチにより、センサを頭蓋の関心領域に配置することができる。必要に応じて、センサを支持する他のブランチ(例えば、頭蓋の側方部にセンサを位置づける第3のブランチおよび第4のブランチ)が与えられてもよい。
【0052】
可撓性サポート11が別の形状(特に透かし細工形状)であってもよいことは明らかである。
【0053】
図2A-2Cに、本明細書における第2の例である可搬型EEG信号取得デバイス20を示す。
【0054】
図2Aおよび2Bは、それぞれ正面図および側面図である。
図2Cは、ユーザがヘッドバンド101を用いて装着したときのデバイス20を示す。可搬型デバイスは、ユーザの頭蓋の局所的な領域にフィットする可撓性サポート21と、可撓性サポート21に電気的かつ機械的に接続された剛性ハウジング22と、を備える。可撓性サポート21は、センサ(前述の例では、センサ13)を支持する。各センサは、フィルタ・増幅回路(図示しない)を備え、アクティブ電極を形成する。
【0055】
この例ではサポート21は、やはり透かし細工であり、良好な可撓性を持つ。この例ではサポート21は、所定の数のブランチ211-215を持つ。これらのブランチはすべて平行に配置される。これらのブランチには、センサが配置される。これらの図面には接地電極は示されないが、もちろんこれらが前述の例と同様に与えられてもよい。この例では再び、センサを備えたブランチ211-215は、横ブランチ216-217によって接続される。これにより、アセンブリに可撓性が与えられる。
【0056】
この例では、ハウジング22およびサポート21(ハウジング22は、アタッチメント221を用いてサポート21に接続される)は、前述の例と同様に、衣類またはアクセサリへの接続手段を形成するように協働する。
図2Cに示されるように、ユーザの頭蓋100にデバイス20を固定するために、サポート21とハウジング22との間に形成された隙間にヘッドバンド101が挿入されてもよい。
【0057】
図3A-3Bに、本明細書における第3の例である可搬型EEG信号取得デバイス30を示す。
【0058】
この例では再び、可搬型デバイス30は、可撓性サポート31と、ハウジング32と、を備える。サポート31とウジング32とは、衣類または器具への接続手段を形成するために機械的に接続される。さらに、サポート31とハウジング32とは、電気的に接続される。この例ではサポート31は、透かし細工である。サポート31は、中央部310と、外側ブランチ311-314の組と、を形成する。外側ブランチ311-314は、横ブランチ315-318を用いて、中央部に接続される。これにより、サポートに可撓性が与えられる。この例では、
図1A-1Eの場合と同様、サポートの中央部310は実質的に円形である。この形状は、ハウジング32の形状に重ね合わせられる。これにより、ユーザは容易に掴むことができる。センサ13の組および接地電極13Bは、サポート31の中央部および外側ブランチ上に配置される。
【0059】
前述の図面、特に
図1E、2Cおよび3Bに示される例では、可搬型デバイス(それぞれ、10、20および30)は、ヘッドバンド101を用いて、ユーザの頭蓋に押し付けられる。ハウジングおよびサポートによって形成された接続手段が、他の任意のタイプの衣類またはアクセサリに適用できることは容易に理解できるだろう。こうした衣類またはアクセサリの例としては、ヘッドセット、任意のタイプのヘッドギア(例えば、サポートとハウジングの間を通過する弾力性のあるバンドを備えたもの)、オーディオヘッドセット(頭蓋の頂部に装着するもの)、仮想現実または拡張現実ヘッドセット、安全帽、自転車用ヘルメット、外科用帽子、防護マスクなどがある。サポートおよびハウジングによって形成された接続手段は、ユーザに装着される衣類またはアクセサリに適用することもできる。可撓性サポートおよびハウジングによって形成された接続手段において、衣類またはアクセサリへの固定を確実にするために、任意のタイプのデバイス、スクラッチタグ、スナップファスナー、機械的または磁気的クリップなどが与えられてもよい。
【0060】
実際にはユーザが装着する前に、可搬型デバイスを衣類またはアクセサリに「クリップ留め」してもよい。あるいは逆に、ユーザが装着した後に、可搬型デバイスを衣類またはアクセサリに「クリップ留め」してもよい。
【0061】
前述の図で示されるように、導電性ブレードはすべて平行であることが好ましい。これにより、導電性ブレードの向きと平行な移動動作(例えば、デバイスが頭蓋の後頭部に装着するものである場合、頭頂部から下に向かう動作)によって、サポートを頭蓋に位置づけることができる。実際には接触と使い心地をよくするために、移動動作は頭髪の方向に沿うものであることが好ましい。
【0062】
図1A-1Eおよび
図2A-2Cに示されるように、センサを支持するサポートの様々なブランチは、実質的に互いに平行でありかつ導電性ブレードのラインに平行であってよい。これにより、美的、機械的そして人間工学的効果が与えられる。実際、平行なブランチが与えられることにより、ヘッドバンドを備えサポートを完全には覆わないセンサに対しても、圧力を的確に加えることができる。ヘッドバンドは平行なブランチ上に配置され、端部において電極を圧迫する。導電性ブレードに平行に配置されたブランチにより、装着されたときにサポートの見える部分が最小となる。デバイスの配置に必要な移動動作の理解がより容易となる。
【0063】
図4に、本発明に係る可搬型デバイスを用いたEEG信号の取得および処理のための電気的アーキテクチャの例を示す。
【0064】
前述のように、本発明に係る可搬型デバイスは、所定の数(例えば2個以上128個以下、好ましくは2個以上64個以下、さらに好ましくは4個以上16個以下)のアクティブ電極41を備える。アクティブ電極41の各々は、ユーザ100の神経活動によって生成された電気信号を検出するセンサ411と、フィルタおよび増幅のための電気回路412を備える。例えば電気回路412は、1次のハイパスアナログフィルタ、増幅器および1次のローパスアナログフィルタを備える。フィルタにより、検出した信号から、対象とするアプリケーションに関係のない周波数領域成分を除去することができる。増幅器により、信号強度をADCの特性に適合させることができ、変換の最大分解能を得ることができる。
図4に示されるように、可搬型デバイスはまた、1つ以上の参照電極41Rと、いわゆる「バイアス」または接地電極41Bと、を備える。アクティブ電極は、1つ以上のアナログ-デジタル変換器42(ADC)に接続される。各ADCは、所定の数(例えば1以上128以下)のアクティブ電極からの信号を変換することができる。参照電極は、全ての変換器に接続される。参照電極(単数または複数)は、他の電極から離れた場所で、ユーザの頭と接触して配置されることが好ましい。参照電極は、例えば、
図1Cに示されるポート123のような接続ポートを用いて接続され、耳に接触するように配置されてよい。あるいは参照電極は、可搬型デバイスが取り付けられる衣類またはアクセサリに固定されてもよい。変換器42は、マイクロコントローラ43によって制御され、例えばSPI(シリアル・ペリフェラル・インタフェース)プロトコルにより互いに通信する。マイクロプロセッサが、受信したデータをカプセル化し、例えばブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Li-Fiなどの技術により、外部の処理ユニット44、例えばコンピュータ、携帯電話、自動車や飛行機のオンボードコンピュータなどに送信する。取得システムのすべての部品は、ハウジング内に収容されたバッテリ(
図4には示されない)により電力を与えられる。
【0065】
本発明に係る可搬型デバイスの動作モードに応じて、各アクティブ電極は、電気ポテンシャルの値を測定する。この値から、参照電極によって測定されたポテンシャルが引かれる(Ei=Vi-Vref)。この引算の結果が、ADC42を用いてデジタル化され、マイクロコントローラ43によって送信される。
図4に示されるように、これを実現するためにデバイスは、所定の数(例えば2個以上64個以下、好ましくは4個以上16個以下)のアクティブ測定電極と、1個または2個の参照電極41Rと、さらなる接地電極41B(「バイアス」電極)と、を備える。
【0066】
図5Aおよび5Bに、本発明に係るセンサの例の2つの図面を示す。
【0067】
この例では、センサ50は、固定デバイス52を用いて可撓性サポート(図示しない)に収容される基部51と、複数の導電性ブレード53、54と、を備える。ユーザが装着したとき、導電性ブレードは頭皮との線接触を形成する。線接触により、頭皮との接触面積が大きくなるという利点がもたらされる。これにより、信号の受信感度が向上し、ユーザの使い心地も向上する。さらに導電性ブレードが実質的に平行に配置されると、形成される線接触は、移動動作(これは、デバイスが装着されるとき、毛髪を分ける)と同等になる。
【0068】
導電性ブレードの数は2が最適であることが、アプリケーションによって示された。センサあたり1枚のみブレードを備える場合、頭皮上のブレードによって形成された接触が」不安定性になり、1枚のみのブレード上の圧力分布がユーザに不快感を与える可能性がある。アプリケーションは、頭蓋の十分小さい表面領域を覆うには2枚のブレードが最適であり、良好な信号精度が得られることを示した。ブレード同士の間隔は、毛髪が通過できること、信号の観測値、およびユーザの使い心地の観点からみた圧力分布などの要求条件の間の折衷によって決まる。2枚のブレードの間隔は、毛髪が通過するのに十分である大きさであることが好ましい。例えば2枚のブレード間の端から端までの距離は、2mmより大きい。2枚のブレードの最大間隔は、覆われるべき表面領域全体と、センサの数に依存する。しかしながら精度の低下を防ぐためには、50mm未満、有利には10mm未満であることが望ましい。例えば間隔XLは、2mm以上6mm以下である。
【0069】
図5Aおよび5Bの例では、センサ50は、プラスチック部品520に収容される金属構造物510を備える。金属構造物は、基部51において、接触部511を形成する。これにより、フィルタおよび増幅回路に電流が確実に流れる。金属構造物は、各ブレード53、54において、頭皮との電気的接触領域512を形成する。
【0070】
頭皮との接触点では、金属処理(例えば、銀/塩化銀めっき)がされてもよい。
【0071】
図5A、5Bに示される例では、頭皮との接触領域において、ブレードは若干凹んでいる。これにより、より自然に頭皮の形状にフィットすることができる。
【0072】
図5A、5Bに示されるように、ブレードは、センサの両側に、1個または2個のポイント(
図5Bにおける541、542)を有する。これにより、対称性が保たれ、センサがサポートに対して回転することができる。センサの底面側のポイントはまた、センサが頭皮に到達できるように毛髪に潜り込みやすくすることに役立つ。ポイントは導電性でなくてもよい。
【0073】
図5A、5Bに示されるように、ブレードは固体であってよい。これにより、剛性がより強固となる。
【0074】
図5Cに、本発明に係るセンサの別の例を示す。この例では、導電性ポリマー(例えば、PEDOT:PSSタイプ)が、可撓性層543を形成する。この層は、圧力を加えられると頭皮上で平坦となり、接触表面領域が増す。その後、圧力は頭蓋上で良好に分布する。これにより、デバイスの使い心地が改善される。また、接触表面領域が増し、頭蓋とセンサとのインタフェースにおける電気抵抗が低下する。これにより、センサに流れるEEG信号が増す。さらに可撓性ポリマーは、ユーザの頭皮に対するデバイスの微小運動を吸収し、インタフェースにおける電気的特性をより安定なものとする。これにより雑音、すなわち脳活動に関係のない測定値の変動が減少する。最後にこれらのポリマーは、生体適合性があるという利点を持つ。
【0075】
本発明に係るセンサを形成するのに、他の形態および/またはコーティングを用いてもよいことは明らかである。例えば、センサの構造に金属以外の導電性材料(例えば、導電性ポリマー)を用いることにより、センサの金属部分をなくしてもよい。
【0076】
図6に、可撓性サポート61に固定された
図5A、5Bに記載のセンサ50の例を示す。
図6Aに示される通りセンサの基部51は、サポートの2つのプレート62、63の間に形成された凹部65に着脱可能に固定することができる。センサ50は、可撓性サポート61に対して可動的に固定される。これにより、デバイスを異なる頭蓋の形状に適合させることができる。スプリング効果を持つ金属ブレード66により、基部の導電性領域511と、可撓性サポートの内部にプリントされた回路64に配置されたフィルタおよび増幅回路との電気的接触が確実となる。センサの基部との接触ポイントがあるおかげで、ブレード66は、垂直軸(サポートに直行する軸)方向の並進運動および2つの水平軸周りの回転運動が保証される。こうした運動性は、センサおよびそのサポートの形成に必須である。
【0077】
いくつかの詳細の実施の形態を通して説明を行った。しかしながら、本発明に係る可搬型脳波信号取得デバイスは、異なる変形、別形、改良および改造を含む。これらの変形、別形、改良および改造が、以下の請求項で規定される本発明の範囲に含まれることは当業者に明らかであろう。