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特許7572503エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 17/00 20160101AFI20241016BHJP
   H02K 9/00 20060101ALI20241016BHJP
   F25B 27/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
F03D17/00
H02K9/00 A
F25B27/00 Q
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023080288
(22)【出願日】2023-05-15
(62)【分割の表示】P 2022024445の分割
【原出願日】2017-07-06
(65)【公開番号】P2023140346
(43)【公開日】2023-10-04
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】10-2016-0085274
(32)【優先日】2016-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0085847
(32)【優先日】2017-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515349065
【氏名又は名称】サイトロニック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】リ,マイケル ミョンソブ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-520699(JP,A)
【文献】特開2011-190951(JP,A)
【文献】特開平03-108649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/00
H02K 9/00
F25B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー変換システムにおいて、数値解析を利用して気体、流体または熱力学を動的シミュレーションした結果が条件として設定される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、設定された前記条件に対する数値解析技法を用いて、該エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析を実証データに基づいて最適化し、その最適化した結果に応じて最適な方法が抽出される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、抽出された前記最適な方法に基づいて、前記気体、流体または熱力学をモニタリング、計測、または分析し、制御する段階を含み、
前記エネルギー変換システムにおいて、燃料貯蔵タンクに貯蔵された液化燃料に関する熱エネルギーまたは冷熱が、冷媒を介してモーター、発電機、電力ケーブル、電力貯蔵装置、二次電池、及び燃料電池のうち、少なくとも何れかへ提供される、エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項2】
前記条件は、外力または内力に関連する条件である、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項3】
エネルギー変換システムにおいて、数値解析を利用して気体、流体または熱力学を動的シミュレーションした結果が条件として設定される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、設定された前記条件に対する数値解析技法を用いて、該エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析を実証データに基づいて最適化し、その最適化した結果に応じて最適な方法が抽出される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、抽出された前記最適な方法に基づいて、前記気体、流体または熱力学をモニタリング、計測、または分析し、制御する段階を含み、
前記エネルギー変換システムは、ガス成分をモニタリングすることができるガス分析機を含む、エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項4】
前記ガス分析機は、吸収分析法、燃焼分析法、化学分析法、及び機器分析法のうち、少なくとも何れかを用いる分析機である、請求項に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項5】
電気式または光学式の計測技術を利用して、前記エネルギー変換システム、または該エネルギー変換システムが含まれる構造物が計測される、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項6】
前記エネルギー変換システムは、船舶、自動車、ロケット、ジェット、及び発電機のうち、少なくとも何れかに使用される、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項7】
前記構造物は、船舶、自動車、ロケット、ジェット、及び発電機のうち、少なくとも何れかである、請求項に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項8】
前記発電機は、風力発電機、潮流発電機、水力発電機、及び海流発電機のうち、少なくとも何れかである、請求項又は請求項に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項9】
電気式または光学式の計測技術を利用して、前記エネルギー変換システムが含まれる構造物に対して作用する外力または前記外力に対する前記構造物の反応が測定される、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項10】
前記外力は、風力荷重、潮流荷重、水力荷重、海流荷重、波力荷重、及び電流負荷のうち、少なくとも何れかである、請求項に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項11】
前記反応は、変位、変形、動き、及び渦流のうち、少なくとも何れかである、請求項又は請求項10に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項12】
電気式または光学式の計測技術を利用して、前記エネルギー変換システムが含まれる構造物に対して作用する内力または前記内力に対する前記構造物の反応が測定される、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項13】
前記内力は、前記エネルギー変換システムに含まれた燃料貯蔵タンク、エネルギー変換装置、燃料伝達ライン、または条件制御装置に加わるスロッシング負荷、流負荷、圧力負荷、及び熱負荷のうち、少なくとも何れかであり、
前記条件制御装置は、前記エネルギー変換装置および前記燃料伝達ラインのうち一部が熱交換を行うことにより、前記エネルギー変換装置の温度が降温するとき、前記エネルギー変換装置の温度が予め設定された基準温度区間内に設定されるように、前記燃料伝達ラインを制御する、請求項12に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項14】
前記内力に対する前記構造物の反応は、変位、変形、動き、ウォーキング、座屈、及び渦流のうち、少なくとも何れかである、請求項12又は請求項13に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項15】
前記エネルギー変換システムにおいて、計測器により計測される計測対象の構造物が伝導体であるか、又は、当該エネルギー変換システムが電磁場内で計測を行う場合、光計測を用いて、実験もしくは観察による計測結果、又は実証データが生成され、前記計測結果又は前記実証データに対し、状況認識技術を利用して処理または加工することにより、前記計測結果又は前記実証データの誤差範囲が最小化される、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項16】
前記エネルギー変換システムにおいて、人工知能またはマシンラーニング技法を用いて前記計測結果又は前記実証データの誤差範囲が最小化される、請求項15に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項17】
前記エネルギー変換システムは、水上風力発電機、潮流発電機、海流発電機、及び水力発電機のうち、少なくとも何れかに含まれる、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項18】
エネルギー変換システムにおいて、数値解析を利用して気体、流体または熱力学を動的シミュレーションした結果が条件として設定される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、設定された前記条件に対する数値解析技法を用いて、該エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析を実証データに基づいて最適化し、その最適化した結果に応じて最適な方法が抽出される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、抽出された前記最適な方法に基づいて、前記気体、流体または熱力学をモニタリング、計測、または分析し、制御する段階を含み、
前記エネルギー変換システムは、冷熱利用システムであり、
前記冷熱利用システムは、
冷熱エネルギーを有る液化燃料を貯蔵する燃料貯蔵タンクと、
前記燃料貯蔵タンクから伝達された前記液化燃料に含まれている冷熱を受けて、受けた前記冷熱を、液相を維持しつつ熱エネルギーを伝達できる物質である冷媒へ伝達する熱交換器と、を含む、エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項19】
前記冷熱利用システムは、
前記燃料貯蔵タンクに貯蔵された前記液化燃料から改質ガスを抽出する改質器と、
前記改質器から伝達された前記改質ガスを液化させることにより液化改質ガスを生成する改質ガス液化装置と、を更に含み、
前記熱交換器は、前記改質ガス液化装置から伝達された前記液化改質ガスに含まれている冷熱を受けて、受けた前記冷熱を、液相を維持しつつ熱エネルギーを伝達できる物質である冷媒へ伝達する、請求項18に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項20】
前記エネルギー変換システムは、水を用いて水素燃料を生成する燃料生成装置を含む、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項21】
前記エネルギー変換システムは、水を用いて水素燃料を生成し、生成した前記水素燃料を前記燃料貯蔵タンクへ供給する燃料生成装置を含む、請求項18に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項22】
エネルギー変換システムにおいて、数値解析を利用して気体、流体または熱力学を動的シミュレーションした結果が条件として設定される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、設定された前記条件に対する数値解析技法を用いて、該エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析を実証データに基づいて最適化し、その最適化した結果に応じて最適な方法が抽出される段階と、
前記エネルギー変換システムにおいて、抽出された前記最適な方法に基づいて、前記気体、流体または熱力学をモニタリング、計測、または分析し、制御する段階を含み、
前記エネルギー変換システムの液化燃料は、エンジン、内燃機関、及び燃料電池のうち、少なくとも何れかへ供給されるエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項23】
前記エネルギー変換システムの液化燃料は、LPG、LNG、液化水素、炭素、酸素、窒素、及び水素のうち、少なくとも何れかを含む燃料である、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項24】
前記改質ガスは、水素、酸素、炭素、窒素、または、これらのうちいずれか2種以上の組み合わせを含む、請求項19に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項25】
前記改質ガスは、水素ガス、酸素ガス、炭素ガス、炭化水素、及び炭素酸化物のうち、少なくとも何れかを含む、請求項19に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項26】
前記エネルギー変換システムの冷媒は、液化燃料、不活性ガス、アンモニア、窒素、及び不凍液のうち、少なくとも何れかである、請求項1に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【請求項27】
前記計測器は、ライダー、粒子追跡速度計、粒子画像流速計、歪みセンサー、加速度計、電流計、音響放出検査器、地震感知器、流速計、温度センサー、距離分割光損失測定器(OTDR)、DTS、BOTRA、BOTDR、DAS、及びDVSのうち、少なくとも何れかである、請求項15又は請求項16に記載のエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明の概念による実施形態は、エネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間同期化方法、及びエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導現象(superconductivity)は、ある物質が、電気抵抗がゼロとなり、内部磁場を押し出すなどの性質を示す現象である。超伝導体(superconductor)は、このような超伝導現象が現れる物質である。
【0003】
一般に、超伝導体を含む超伝導装置を用いる超伝導システムは、前記超伝導体の温度を臨界温度以下に冷却させるための別途の冷却設備が必要である。しかし、このような別途の冷却設備は、多くのスペースを占め、前記冷却設備の運用および維持、管理が難しいという問題がある。
【0004】
LNG貯蔵タンクのLNGを、超伝導装置を循環する冷媒の冷却剤として供給して、冷却設備を代替する技術があるが、前記LNGを冷媒の冷却剤としてのみ使用するので、様々なエネルギー源が活用されるシステムでは、その活用度が低く、エネルギー効率が低いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、液化燃料に含まれている冷熱を効率よく利用することに必要なエネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間を該エネルギー変換システムに使用される時間に同期化するとともに、当該エネルギー変換システムの診断機能のためのモニタリングや、計測、分析を最適化できる数値解析方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間同期化方法は、エネルギー変換システムにおいて、計測器で生成された第1信号が前記計測器から構造物に搭載されたセンサーまで伝達されるのにかかる第1時間が測定される段階と、前記エネルギー変換システムにおいて、前記第1信号に反応して前記センサーによって生成された測定情報を含む第2信号が前記センサーから前記計測器まで伝達されるのにかかる第2時間が測定される段階と、前記エネルギー変換システムにおいて、前記計測器が前記第2信号に含まれている前記測定情報を定量化し、前記定量化の結果に応じて前記測定情報に該当する測定値を抽出する過程にかかる第3時間が測定される段階と、前記エネルギー変換システムにおいて、測定された第1時間、測定された第2時間、または測定された第3時間が、当該エネルギー変換システムで使用される時間と同期化される段階と、含む。
【0007】
本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法は、エネルギー変換システムにおいて、数値解析を利用して気体、流体または熱力学を動的シミュレーションした結果が条件として設定される段階と、前記エネルギー変換システムにおいて、設定された前記条件に対する数値解析技法を用いて、該エネルギー変換システムの診断機能のための数値解析を実証データに基づいて最適化し、その最適化した結果に応じて最適な方法が抽出される段階と、前記エネルギー変換システムにおいて、抽出された前記最適な方法に基づいて、前記気体、流体または熱力学をモニタリング、計測、または分析し、制御する段階を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間同期化方法、及びエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法は、液化燃料に含まれている冷熱を効率よく利用することに必要なエネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間を該エネルギー変換システムに使用される時間に同期化するとともに、当該エネルギー変換システムの診断機能のためのモニタリングや、計測、分析を最適化することができる。
【0009】
本発明の実施形態に係る冷熱利用システムは、液化燃料に含まれている冷熱を多方面に活用することができるという効果がある。
【0010】
本発明の実施形態に係る冷熱利用システムは、液化燃料(または液化改質ガス)に含まれている冷熱を利用して、液化装置または超伝導装置などの超低温の環境が必要な装置の前記超低温環境を構築することができるので、エネルギーを効率よく使用することができる。
【0011】
本発明の実施形態に係る冷熱利用システムは、燃料貯蔵タンクに貯蔵された液化燃料に含まれている冷熱を利用して、超伝導発電機の超伝導状態を維持するとともに、前記液化燃料を使用するエンジンから生成された力学的エネルギーを、前記超伝導発電機を用いて電気エネルギーに変換することができるので、エネルギーを効率よく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムを概念的に示す図である。
図2】本発明の実施形態によって、燃料伝達ラインの一部がエネルギー変換装置をコイル状に取り囲む例示を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムを概念的に示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの診断/制御機能のための数値解析およびそれによるモニタリング/計測方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間同期化方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムを含み、液化燃料の冷熱を活用するハイブリッドシステムを概念的に示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る冷熱利用システムを概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための具体的な内容を詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムを概念的に示す。図1を参照すると、本発明の実施形態に係るエネルギー変換システム100は、燃料貯蔵タンク(または燃料貯蔵装置)110、エネルギー変換装置120、燃料伝達ライン130、および条件制御装置140を含むことができる。
【0015】
燃料貯蔵タンク110は、液化燃料(liquefied fuel)を貯蔵する。燃料貯蔵タンク110に貯蔵された液化燃料は、駆動装置または燃料電池(fuel cell)へ供給できる。前記駆動装置は、エンジン(engine)または内燃機関(internal combustion engine)であり得るが、これに限定されるものではない。たとえ、図1には一つの燃料貯蔵タンク110が示されているが、燃料貯蔵タンク110は一つまたはそれ以上であり得る。
【0016】
燃料貯蔵タンク110に貯蔵された液化燃料は、低温(例えば、氷点下)または高圧の状態であり得る。例えば、前記液化燃料は、LPG(liquefied petroleum gas)、LNG(liquefied natural gas)、および液化水素(liquefied hydrogen)のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記LPG、前記LNG、及び前記液化水素は、25℃と1気圧で(例えば、標準状態(standard state))で気相(gas phase)なので、前記LPG、前記LNG、及び前記液化水素を液相に維持するためには、燃料貯蔵タンク110の内部は低温または高圧の状態でなければならない。
【0017】
燃料貯蔵タンク110に貯蔵された液化燃料は、燃料貯蔵タンク110からエネルギー変換装置120へ伝達される前に、電気エネルギー(または電力(electric power))または力学的エネルギー(または動力(power))に変換でき、燃料貯蔵タンク110は、変換された電気エネルギーまたは力学的エネルギーをエネルギー変換装置120へ伝達することができる。
【0018】
エネルギー変換装置120は、燃料貯蔵タンク110から伝達された電気エネルギーを力学的エネルギーに変換し(例えば、モーター(motor)を用いて変換)、或いは伝達された力学的エネルギーを電気エネルギーに変換することができる(例えば、発電機(generator)を用いて変換)。
【0019】
エネルギー変換装置120は、特定の低温区間で最適な変換効率を示すことができる。実施形態によって、エネルギー変換装置120は、超低温区間で最適なエネルギー変換効率を提供することができる。例えば、エネルギー変換装置120は、前記特定の超低温区間で最適な変換効率を有する超伝導(superconductor)モーターまたは超伝導発電機として実現できる。
【0020】
本明細書において、超低温とは、超伝導現象が発揮できる(または観察できる)温度を意味する。例えば、前記超低温は、絶対温度40度以下の温度を意味することができるが、これに限定されるものではない。
【0021】
燃料伝達ライン130は、燃料貯蔵タンク110に貯蔵された液化燃料を駆動装置または燃料電池へ伝達する通路または装置であり得る。
【0022】
実施形態によって、燃料伝達ライン130は、エネルギー変換装置120から発生した熱を利用して、燃料貯蔵タンク110から供給される液化燃料を気化させ、気化された燃料を前記駆動部または前記燃料電池へ伝達することができる。
【0023】
実施形態によって、燃料伝達ライン130の一部は、エネルギー変換装置120の外部を包むことができる。例えば、図2に示すように、燃料伝達ライン130の一部は、エネルギー変換装置120をコイル状に取り囲むパイプ構造を持つことができる。このとき、燃料伝達ライン130は、電力線も一緒に包むことができ、これにより熱交換器として用いて電力損失を最小限に抑えることができる。
【0024】
実施形態によって、燃料伝達ライン130の少なくとも一部は、エネルギー変換装置120の外部体積をすべて包み込む形で実現できる。
【0025】
条件制御装置140は、エネルギー変換装置120および燃料伝達ライン130のうちの一部が熱交換を行うことにより、エネルギー変換装置120の温度が降温するとき、エネルギー変換装置120の温度が(予め設定された)基準温度区間に設定されるように燃料伝達ライン130を制御することができる。
【0026】
実施形態によって、条件制御装置140は、エネルギー変換装置120の温度を測定することが可能な温度感知センサーを含むことができる。条件制御装置140は、温度感知センサーを用いてエネルギー変換装置120の温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいて、エネルギー変換装置120の温度が前記基準温度区間を外れたかを感知することができる。
【0027】
図1に示されたエネルギー変換システム100は、船舶(vessel)、車両(vehicle)、ロケット(rocket)、ジェット(jet)または発電機(generator)などに含まれ得るが、これに限定されるものではない。
【0028】
エネルギー変換システム100は、燃料貯蔵タンク110に貯蔵された液化燃料に関連する事故を防止することができるように動作することができる。
【0029】
エネルギー変換システム100は、燃料貯蔵タンク110に貯蔵された液化燃料に関連する冷熱エネルギー(または冷熱)を冷媒(refrigerant)を介して超伝導モーター、発電機、電力ケーブル、二次電池または燃料電池へ提供することができる。例えば、前記冷媒は不活性ガス(inert gases)であり得る。したがって、前記超伝導モーター、前記発電機、前記電力ケーブル、前記二次電池または前記燃料電池は、最適の条件(例えば、超伝導状態に達することができる条件)の下で作動することができるので、最適な効率を提供することができる。
【0030】
エネルギー変換システム100は、不活性ガスまたは空気をモニタリングすることが可能なガス分析機(gas analyzer)をさらに含むことができる。実施形態によって、前記ガス分析機は、不活性ガスまたは空気の入力端(燃料貯蔵タンク110とエネルギー変換装置120との間)または出力端(燃料伝達ライン130と駆動部との間、または燃料伝達ライン130と燃料電池との間)に位置することができる。
【0031】
例えば、前記ガス分析機は、吸収分析法(absorption spectrometry)、燃焼分析法(combustion analysis)、化学分析法(chemistry analysis)および/または機器分析法(instrumental analysis)を用いる分析機であり得る。例えば、前記ガス分析機は、分光器(spectrometer)またはガス吸収技法に基づく分析機であり得る。
【0032】
したがって、エネルギー変換システム100は、不活性ガスまたは空気をモニタリングし、モニタリング結果を用いて、発生する可能性のある爆発を未然に防止(preventive explosion)することができる。
【0033】
エネルギー変換システム100は、電気式計測(electrical measuring)技術または光学式計測(optical measuring)技術を利用して、エネルギー変換システム100、またはエネルギー変換システム100が含まれる構造物を計測することができる。例えば、エネルギー変換システム100は、船舶、自動車、ロケット、ジェットまたは外力に反応して動力を生成する発電機(例えば、風力発電機、潮流発電機、水力発電発電機または海流発電機など)に含まれ得るので、前記構造物は、前記船舶、前記自動車、前記ロケット、ジェットまたは前記発電機を意味することができる。
【0034】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、電気式計測技術または光学計測(または光計測)技術を利用して、構造物に対して作用する外力(external force)または前記外力に対する前記構造物の反応を測定することができる。例えば、前記外力は、風力荷重(wind load)、潮流荷重(tide load)、水力荷重(hydraulic load)、海流荷重(ocean current load)、波力荷重(wave load)または電流負荷(electric current load)であり、前記外力に対する前記構造物の反応は、変位(displacement)、変形(deformation)、動き(motion)または渦流(vortex)であり得る。
【0035】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、電気式計測技術または光学計測技術を利用して、構造物に対して作用する内力(internal force)または前記内力に対する前記構造物の反応を測定することができる。例えば、前記内力は、エネルギー変換システム100に含まれる構成(例えば、燃料貯蔵タンク110または320)、エネルギー変換装置120または330、燃料伝達ライン130または140、または条件制御装置140または350に加わるスロッシング負荷(sloshing load)、流負荷(flow load)、圧力負荷(pressure load)または熱負荷(thermal load)であり、前記内力に対する前記構造物の反応は、変位、変形、動き、ウォーキング(walking)、座屈(buckling)または渦流であり得る。
【0036】
例えば、エネルギー変換システム100は、ライダー(lidar)、粒子追跡速度計(particle tracking velocimetry)、粒子画像流速計(particle image velocimetry)、歪みセンサー(strain sensor)、加速度計(accelerometer)、電流計((ammeter)、音響放出検査器(acoustic emission tester)、地震感知器(seismometer)、流速計(current meter)、温度センサー(thermal sensor)、または距離分割光損失測定器(optical time domain reflectometer(OTDR))、DTS(distrivuted temperature sensor)、BOTRA(brillouin optical time domain reflectometry analyzer)、BOTDR(brillouin optical time domain reflectometry)、DAS(distributed acoustic sensor)、またはDVS(distributed vibration sensor)を用いて計測することができる。
【0037】
エネルギー変換システム100は、計測結果または状態基準保全(condition based maintenance)を用いる診断(diagnostic)機能または予知(prognostic)機能を行うことができる。
【0038】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、予測制御(温度、気体または流体力学の流れ、圧力、計測、診断および制御)または自己制御を含む制御機能、またはEC(emergency control)またはESD(emergency shut down)を含む安全機能を提供することができる。
【0039】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、心拍(heart beat)または挙動(behavior)センサーまたは位置センサーを介して海洋構造物の作業者の状態(condition)または位置をモニタリングすることができ、モニタリングの結果に基づいて前記作業者が危険な状態にあるときに警報またはアラームを発生することができる。
【0040】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、状態基準保全を用いたメンテナンス機能などを提供することができる。
【0041】
エネルギー変換システム100は、計測対象構造物が伝導体であるか或いはエネルギー変換システム100が電磁場内で計測を行う場合には、光計測(例えば、光有線計測または光無線計測)を用いて実験(または観察)による計測結果または実証データ(empirical data)の誤差範囲を最小化することができる。実施形態によって、エネルギー変換システム100は、前記計測結果または前記実証データを状況認識(context awareness)技術を利用して処理(または加工)することにより、前記計測結果または前記実証データの誤差範囲を最小化することができる。
【0042】
したがって、エネルギー変換システム100は、計測の不確実性を排除することができ、計測の精度または反復度を改善することができる。
【0043】
実施形態によって、人工知能(artificial intelligence)またはマシンラーニング(machine learning)技法を用いて前記計測結果または前記実証データの誤差範囲を最小化することができる。よって、エネルギー変換システム100は(半)自動化できる。
【0044】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、光ファイバセンサー(optical fiber sensor)を用いて光有線計測機能を行うことができる。実施形態によって、光ファイバセンサーは計測対象構造物の温度または張力を測定することができる。
【0045】
光ファイバセンサーは光信号伝達用繊維を含むことができる。前記光ファイバセンサーは、シリカ(silica)、石英(quartz)またはポリマー(polymer)を含む光信号伝達用繊維を含むことができ、前記光信号伝達用繊維は、温度断熱機能または張力補強機能のための機能性複合材がコーティングまたはパッケージングされた繊維であり得る。
【0046】
図3は本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムを概念的に示す図である。図3を参照すると、エネルギー変換システム300は、燃料生成装置310、燃料貯蔵タンク320、エネルギー変換装置330、燃料伝達ライン340、および条件制御装置350を含むことができる。実施形態によって、図3のエネルギー変換システム300は、水(water)を利用することが可能な発電機に含まれ得る。例えば、エネルギー変換システム300は、水上風力発電機、潮流発電機、海流発電機または水力発電機に含まれ得る。
【0047】
図3のエネルギー変換システム300は、水素燃料を生成する燃料生成装置310をさらに含み、液化燃料の中でも水素燃料を使用するという点で、図1のエネルギー変換システム100とは相違する。図3のエネルギー変換装置330、燃料伝達ライン340および条件制御装置350それぞれは、図1のエネルギー変換装置120、燃料伝達ライン130および条件制御装置140それぞれの機能の中でも、水素燃料に関連する機能を行うことができると理解できる。よって、これら(320、330、340、および350)についての詳細な説明は省略する。
【0048】
燃料生成装置310は、エネルギー変換システム300が利用可能な水(例えば、エネルギー変換システム300に隣接する水)を用いて水素燃料を生成し、生成された水素燃料を燃料貯蔵タンク320へ供給することができる。燃料貯蔵タンク320は、燃料生成装置310から伝達された水素燃料を貯蔵することができる。
【0049】
図4は本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの診断機能(または制御機能)のための数値解析またはこれによるモニタリング(または計測)方法を示すフローチャートである。
【0050】
図1乃至図4を参照すると、エネルギー変換システム100または300(以下、100と表記)は、マルチフィジックス(multiphysics)またはその類似技法に基づく数値解析(numeric analysis)(または数値モデリング)を利用して気体、流体または熱力学を動的シミュレーション(dynamic simulation)した結果を条件(boundary condition)として設定することができる(S410)。例えば、前記条件は、外力または内力に関連する条件であり得る。
【0051】
エネルギー変換システム100は、前記条件に対するFSI(fluid structure interaction)技法またはそれと類似する技法を用いて、診断機能(または制御機能)のための数値解析(または数値解析モデリング)を実験(または観察)による計測結果または実証データに基づいて最適化(optimization)(または有効化(validation))し、前記最適化の結果に応じて最適な(または単純な)方法(または式)を抽出する(S420)。例えば、エネルギー変換システム100は、前記診断機能(または制御機能)のための数値解析方法を、前記計測結果に適した方法で最適化することができる。
【0052】
エネルギー変換システム100は、段階S420で抽出された最適の方法に基づいて気体、流体または熱力学、位置、形状のうちの少なくとも一つをモニタリング、計測または分析して制御(例えば、フィードフォワード(feed forward)または予知(predictive))することができる(S430)。
【0053】
したがって、エネルギー変換システム100は、エネルギー変換システム100(またはエネルギー変換システム100が含まれている構造物)の燃料消費量を削減するか、安全運用をするか、或いは安全運用時間を延長することができる。
【0054】
実施形態によって、エネルギー変換システム100は、人工知能またはマシンラーニング技法を用いて図4の段階(S410乃至S430)を行うことができる。よって、エネルギー変換システム100は(半)自動化できる。
【0055】
エネルギー変換システム100は、構造物に対する計測を行い、計測結果に基づいて、前記構造物の外形をパルスレーザー(pulsed laser)を用いてスキャニングし(すなわち、レーザースキャニングして)、三次元画像として加工して表示することができる。
【0056】
図5は本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間同期化方法を示すフローチャートである。図1乃至図5を参照すると、エネルギー変換システム100は、計測器で生成された第1信号が、前記計測器から、構造物に搭載されたセンサーにまで伝達されるのにかかる第1時間を測定する(S510)。前記第1信号は、前記センサーを活性化または作動可能にイネーブル(enable)させる信号である。例えば、前記第1信号は、ターンオン(turn-on)信号または作動電圧であり得る。エネルギー変換システム100は、前記第1信号に反応して前記センサーによって生成された第2信号が前記センサーから前記計測器にまで伝達されるのにかかる第2時間を測定する(S520)。前記第2信号は、前記センサーによって生成された検出信号であり得る。例えば、前記第2信号は測定情報を含むことができる。
【0057】
エネルギー変換システム100は、前記計測器が、前記第2信号に含まれている測定情報を定量化し、前記定量化の結果に応じて前記測定情報に該当する測定値を抽出する過程にかかる第3時間を測定する(S530)。
【0058】
エネルギー変換システム100は、測定された第1時間、測定された第2時間、または測定された第3時間を、エネルギー変換システム100で使用される時間と同期化する。ここで、時間とは、GPS等により取得される標準時間であっても良い(S540)。
【0059】
図6は本発明の実施形態に係るエネルギー変換システムを含み、液化燃料の冷熱を活用するハイブリッドシステムを概念的に示す。
【0060】
図6を参照すると、風力、潮力、波力、地熱または太陽エネルギーなどの新再生可能動力601とボイラータービン動力602は、タービン(またはスチームタービン)603へ伝達される。タービン603は、電気エネルギーを生成することが可能な発電機(generator)であり得る。実施形態によって、タービン603は、伝達された動力601および602を利用して電気エネルギーを生産することができる。
【0061】
タービン603は、熱交換604を介して液化燃料の冷熱エネルギーの伝達を受けて電気エネルギー(または電気)を生産することができる。生産された電気エネルギーはバッテリー充電613を介して貯蔵される。実施形態によって、図6の熱交換604は図1のエネルギー変換装置120であり得る。
【0062】
実施形態によって、タービン603はハイブリッド車や船舶、ロケットなどに含まれ得る。
【0063】
ハイブリッド車に含まれる車両用発電機が例示的に説明される。前記車両用発電機は、ベルトを介して車両のエンジンに接続される。この時、前記ベルトは、前記車両用発電機の回転体(例えば、ローター(rotor))に接続され、前記エンジンが駆動すると、前記車両用発電機の回転体が回転し、これにより、前記車両用発電機は電気エネルギーを生産する。すなわち、前記車両用発電機は、エンジンによって発生した力学的エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0064】
車両用発電機は、回転体の回転による所定の交流電圧を誘導し、前記交流電圧を整流して直流成分の電圧を発生する発電機と、前記発電機の出力端と接地との間に接続され、前記発電機から供給される電気エネルギーを蓄積する蓄電池と、前記発電機の出力端に一側端が接続された警告灯と、前記警告灯の他側端と接地との間に接続された警告灯駆動トランジスタと、前記発電機の出力を入力とする端子とを含み、前記端子が短絡される場合、前記警告灯駆動トランジスタをターンオンさせることにより、前記警告灯を点灯するように制御する検出装置を含むことができる。前記端子同士の間には保護ダイオードが接続され、前記発電機の出力端には負荷(load)が接続され得る。
【0065】
前記車両用発電機は、前記端子のいずれかが短絡されると、警告灯が点灯し、短絡されていない他の端子は発電し続けるようになり、蓄電池または負荷に電気エネルギーが中断なく供給される。
【0066】
熱交換604は、燃料筒605に貯蔵された液化燃料をBOG(boiled off gas)液化(Liquification)606を経て作られたBOG607を熱交換処理して冷熱エネルギーを生成する。実施形態によって、燃料筒605は図1の燃料貯蔵タンク110であり得る。
【0067】
前記冷熱エネルギーはガス供給システム608へ伝達できる。実施形態によって、ガス供給システム608は燃料ガス供給システム(fueled gas supply system)であり得る。
【0068】
ガス供給システム608は図1の条件制御装置104であり得る。
【0069】
実施形態によって、ガス供給システム608は、圧縮機用電動機(motor for compressor)、ポンプ(pump)およびバルブ(valve)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0070】
ガス供給システム608は、前記伝達された冷熱エネルギーを第1エンジン609と第2エンジン610へ伝達することができる。
【0071】
第1エンジン609は、前記冷熱エネルギーによって駆動され、タービン603を動作させて電気を生産することができる。また、第1エンジン609は、CO2液化またはハイドレート(hydrate)工程611によって、CO2液化ガスをCO2貯蔵筒612に貯蔵することができる。例えば、第1エンジン609は低圧エンジン(low pressure engine)であり得る。
【0072】
第2エンジン610は、前記伝達された冷熱エネルギーに応じて駆動され、タービン603から電気エネルギーの供給を受けて駆動されるモーター614と連動して推進体(propellant)615を駆動させることができる。推進体615は、プロペラまたは車輪であり得るが、これに限定されるものではない。
【0073】
例えば、第2エンジン610は、高圧エンジン(high pressure engine)であり、2~3000RPMの範囲で作動することができる。
【0074】
BOG607は改質器616へ伝達できる。改質器616は、BOG607から水素を抽出し、抽出された水素を水素貯蔵筒617に貯蔵することができる。実施形態によって、水素貯蔵筒617には、液化工程620によって生成された水素液化燃料が貯蔵できる。例えば、液化工程620は、熱交換604を介して生成された冷熱エネルギーを利用することができる。
【0075】
前記水素液化燃料は燃料電池619に供給できる。
【0076】
水素または酸素改質器618は、モーター614へ伝達されるエネルギー(例えば、電気エネルギー)を利用して酸素または水素を抽出し、抽出された酸素または水素を燃料電池619へ伝達することができる。
【0077】
水素または酸素改質器618は、抽出された水素を液化工程620で処理し、液化された水素を水素貯蔵筒617に貯蔵することができる。
【0078】
水素または酸素改質器618は、抽出された酸素を液化工程620で処理し、液化された酸素を酸素貯蔵筒に貯蔵することができる。
【0079】
たとえ、図6のハイブリッドシステムは、一つの水素貯蔵筒617を含むと図示されているが、実施形態によって、前記ハイブリッドシステムは、水素貯蔵筒617の他に別途の酸素貯蔵筒を含むことができる。
【0080】
図7は本発明の実施形態に係る冷熱利用システムを概念的に示す。図7を参照すると、冷熱利用システム700は、燃料貯蔵タンク710、熱交換器720、改質器(reformer)730、改質ガス液化装置740、燃料電池750、および超伝導装置760を含むことができる。実施形態によって、冷熱利用システム700は、BOG貯蔵タンク712、燃料液化装置714、および/または改質ガス貯蔵タンク732をさらに含むことができる。
【0081】
図7の冷熱利用システム700は、図6に示されたハイブリッドシステムと対応できる。
【0082】
燃料貯蔵タンク710は、図6の燃料筒605に該当することができ、熱交換器720は、図6の熱交換604に該当することができ、改質器730は、図6の改質器616に該当することができ、改質ガス液化装置740は、図6の液化工程620に該当することができ、燃料電池750は、図6の燃料電池619に該当することができ、超伝導装置760は、図6のタービン603、第1エンジン609、第2エンジン610またはモーター614に該当することができるが、これに限定されるものではない。
【0083】
燃料貯蔵タンク710は液化燃料(LF)を貯蔵することができる。液化燃料(LF)は、超低温(very low temperature)の状態を持ち、これにより冷熱エネルギーを持つ。冷熱エネルギーとは、低温の物体に含まれている超低温の熱エネルギーを意味する。
【0084】
実施形態によって、液化燃料(LF)は、LPG、LNGおよび液化水素のうちのいずれかであり得るが、これに限定されるものではなく、水素(hydrogen)を含み、冷熱を貯蔵することが可能な物質をすべて意味することができる。例えば、液化燃料(LF)水素、炭素及び酸素のうちの少なくとも一つを含む天然物質(natural chemical)または合成物質(synthetic chemical)であり得る。
【0085】
前述したように、超低温とは、超伝導現象が発揮できる(または観察できる)温度を意味する。例えば、前記超低温は、絶対温度40度以下の温度を意味することができるが、これに限定されない。
【0086】
燃料貯蔵タンク710は、燃料貯蔵タンク710の内部を低温または高圧状態に維持するための制御装置をさらに含むことができる。例えば、燃料貯蔵タンク710は温度センサーまたは圧力センサーを含むことができる。
【0087】
燃料貯蔵タンク710は、熱交換器720へ液化燃料(LF)を伝達することができる。液化燃料(LF)は、燃料貯蔵タンク710と熱交換器720との間に接続された燃料ラインを介して伝達できる。
【0088】
燃料貯蔵タンク710から生成されたBOG(BG)は改質器730へ伝達できる。BOG(BG)は、燃料貯蔵タンク710に貯蔵された液化燃料(LF)が自然に蒸発されることにより生成されたガスを意味する。実施形態によって、BOG(BG)は、標準状態(例えば、25℃または1気圧)で液化燃料(LF)から生成されたガスであり得る。
【0089】
実施形態によって、燃料貯蔵タンク710はリリーフバルブ711を含むことができる。リリーフバルブ711は、燃料貯蔵タンク710内でBOG(BG)が生成されることにより、燃料貯蔵タンク710の圧力が基準圧力を超えるとき、自動的に開放されて生成されたBOG(BG)をBOG貯蔵タンク712へ伝達することができる。
【0090】
BOG貯蔵装置712は、燃料貯蔵タンク710から伝達されたBOG(BG)を貯蔵することができる。BOG貯蔵装置712は、BOG(BG)を燃料液化装置714および/または改質器730へ伝達することができる。
【0091】
燃料液化装置714は、伝達されたBOG(BG)を液化させ、液化されたBOGを燃料貯蔵タンク710へ伝達することができる。前記液化されたBOGは、液化燃料(LF)と同一の物質であり得る。
【0092】
実施形態によって、燃料液化装置714は、熱交換器720から伝達された超低温の冷媒(REF)に含まれている冷熱を利用して、BOG(BG)を液化させ、液化されたBOGを燃料貯蔵タンク710へ伝達することができる。
【0093】
燃料貯蔵タンク710から生成されたBOG(BG)は、BOG貯蔵装置712に貯蔵できる。
【0094】
熱交換器720は、燃料貯蔵タンク710から伝達された液化燃料(LF)と改質ガス液化装置740から伝達された液化改質ガス(LRG)に含まれている冷熱を冷媒(REF)へ伝達することができる。
【0095】
冷媒(REF)は、熱エネルギー(例えば、冷熱エネルギー)を伝達することが可能な物質であり得る。実施形態によって、冷媒(REF)は、液化燃料(LF)であるか、或いは不活性ガス(inert gas)、アンモニア、窒素、および不凍液のいずれかであり得るが、これに限定されるものではなく、超低温または高温で液相を維持することが可能な物質を意味する。
【0096】
実施形態によって、熱交換器720は、液化燃料(LF)が伝達される液化燃料ライン(または液化改質ガス(LRG)が伝達される液化水素ライン)を冷媒(REF)に通過させることにより、液化燃料(LF)(または液化改質ガス(LRG))に含まれている冷熱を冷媒(REF)へ伝達することができる。
【0097】
実施形態によって、熱交換器720は、液化燃料(LF)を気化させて気化燃料(GF)を生成し、これにより発生した気化熱を利用して冷媒(REF)に液化燃料(LF)の冷熱を伝達することができる。
【0098】
熱交換器720は、冷媒(REF)を冷熱利用システム700に含まれている装置へ伝達することができる。実施形態によって、熱交換器720は、冷媒(REF)を燃料液化装置714、改質ガス液化装置740または超伝導装置760へ伝達することができる。
【0099】
実施形態によって、冷熱利用システム700は、冷媒(REF)を各装置へ伝達する冷媒ライン722をさらに含むことができる。
【0100】
熱交換器720は、気化燃料(GF)をエンジン770へ伝達することができる。実施形態によって、熱交換器720は、前記液化燃料を加熱させて気化燃料を生成する気化器、前記気化器から伝達された前記気化燃料を高圧で圧縮させる圧縮機、または圧縮された気化燃料をエンジンへ伝達する噴射器を含むことができる。
【0101】
改質器730は、燃料貯蔵タンク710(またはBOG貯蔵タンク712)から伝達されたBOG(BG)を改質し、改質の結果に応じてBOG(BG)から改質ガス(RG)を抽出することができる。実施形態によって、改質器730は、BOG(BG)から水素(hydrogen)、酸素(oxygen)または炭素(carbon)を抽出することができる。
【0102】
実施形態によって、改質ガス(RG)は、水素、酸素、炭素またはこれらの組み合わせを含むことができる。例えば、改質ガス(RG)は、水素ガス、酸素ガス、炭素ガス、炭化水素(hydro carbon)または炭素酸化物(oxide of carbon)であり得るが、これに限定されるものではない。
【0103】
抽出された改質ガス(RG)は改質ガス貯蔵タンク732に貯蔵できる。たとえ、図7には、冷熱利用システム700が一つの改質ガス貯蔵タンク732を含むと図示されているが、実施形態によって、冷熱利用システム700は、複数の改質ガス貯蔵タンクを含むことができ、改質ガス(RG)は、その性質に応じて分離されて貯蔵できる。
【0104】
実施形態によって、改質器730は、エンジン770の作動に応じて発生した熱エネルギーを利用して、BOG(BG)から改質ガス(RG)を抽出することができる。
【0105】
改質器730は、抽出された改質ガス(RG)を改質ガス液化装置740および/または燃料電池750へ伝達することができる。実施形態によって、改質器730は、抽出された改質ガス(RG)を改質ガス貯蔵タンク732へ伝達することができる。
【0106】
改質ガス貯蔵タンク732は、貯蔵された改質ガス(RG)を改質ガス液化装置740および/または燃料電池750へ伝達することができる。
【0107】
改質ガス液化装置740は、伝達された改質ガス(RG)を液化させ、液化改質ガス(LRG)を生成し、生成された液化改質ガス(LRG)を熱交換器720へ伝達することができる。実施形態によって、改質ガス液化装置740は、熱交換器720から伝達された超低温の冷媒(REF)に含まれている冷熱を利用して、改質ガス(RG)を液化させることができる。
【0108】
燃料電池(fuel cell)750は、改質器730から伝達された改質ガス(RG)を利用して電気エネルギー(または電力(PW))を生成することができる。実施形態によって、燃料電池750は、改質器730から伝達された水素ガスまたは酸素ガスを用いて電気エネルギー(PW)を生成することができる。
【0109】
燃料電池750は、生成された電気エネルギー(PW)を超伝導装置760へ伝達することができる。
【0110】
超伝導装置760は、超伝導体を含む装置であり得る。超伝導装置760は、超低温の状態で、超伝導現象を利用して作動する装置であり得る。実施形態によって、超伝導装置760は、熱交換器720から伝達された冷媒(REF)に含まれている冷熱を利用して超伝導状態を維持し、前記超伝導状態で作動することができる。
【0111】
冷熱利用システム700は、一つの超伝導装置760または二つ以上の超伝導装置760を含むことができる。
【0112】
実施形態によって、二つ以上の超伝導装置760を含むとき、超伝導装置760は、超伝導発電機761、超伝導電力機器763および/または超伝導電力貯蔵装置765を含むことができる。
【0113】
超伝導発電機761は、冷媒(REF)に貯蔵された冷熱を利用して超伝導状態を維持し、超伝導状態で電気エネルギー(または電力(PW))を生成することができる。実施形態によって、超伝導発電機761は、超伝導状態で、エンジン770から伝達された力学的エネルギー(ME)を電気エネルギー(PW)に変換することができる。
【0114】
実施形態によって、超伝導発電機761は、超伝導電磁石と超伝導回転子(例えば、コイル)を含むことができる。前記超伝導電磁石は、前記超伝導コイルを包むことができ、電磁場を生成することができる。前記超伝導コイルは、エンジン770が回転するとき、前記超伝導電磁石によって生成された電磁場内で回転して力学的エネルギー(ME)を電気エネルギー(PW)に変換することができる。
【0115】
超伝導電力機器763は、冷媒(REF)に貯蔵された冷熱を利用して超伝導状態を維持し、超伝導状態で電気エネルギー(PW)を消費することができる。実施形態によって、超伝導電力機器763は、燃料電池750から伝達された電気エネルギー(PW)を消費することができる。
【0116】
超伝導電力貯蔵装置765は、冷媒(REF)に貯蔵された冷熱を利用して超伝導状態を維持し、超伝導状態で超伝導発電機761から生産された電気エネルギー(PW)を貯蔵することができる。超伝導電力貯蔵装置765は、貯蔵された電気エネルギー(PW)を冷熱利用システム700に含まれている装置(例えば、超伝導電力機器763)へ伝達することができる。
【0117】
実施形態によって、超伝導電力貯蔵装置765は、超伝導発電機761から生産された電気エネルギー(PW)を磁気エネルギーに変換して貯蔵し、貯蔵された磁気エネルギーを電気エネルギー(PW)に変換して超伝導電力機器763へ供給することができる。
【0118】
実施形態によって、超伝導電力貯蔵装置765は、超伝導発電機761から生産された電気エネルギー(PW)を力学的エネルギーに変換して貯蔵するフライホイール(flywheel)であり得る。
【0119】
実施形態によって、超伝導装置760は、電気エネルギー(PW)を装置750、761、763または765の間で伝達する超伝導ケーブル767をさらに含むことができる。実施形態によって、超伝導ケーブル767は、超伝導発電機761または燃料電池750で生成された電気エネルギー(PW)を冷熱利用システム700の各装置へ伝達することができる。
【0120】
実施形態によって、超伝導ケーブル761は、冷媒ライン721によって取り囲まれ得る。例えば、超伝導ケーブル761は、電気エネルギー(PW)および冷媒(REF)を装置750、761、763または765の間で伝達する複合ケーブルで構成できる。
【0121】
エンジン770は、熱交換器720から伝達された気体燃料(GF)を用いて力学的エネルギーを生産する内燃機関であり得る。実施形態によって、エンジン770から発生した熱エネルギーは改質器730によって使用できる。例えば、エンジン770はロケットエンジンまたはジェットエンジン(jet engine)であり得る。
【0122】
冷熱利用システム700によれば、液化燃料(LF)(または液化改質ガス(LRG))に含まれている冷熱を液化装置または超伝導装置など、超低温の環境が必要な装置の前記超低温環境を構築することができるので、エネルギーを効率よく使用することができる。
【0123】
例えば、冷熱利用システム700によれば、液化燃料(LF)に含まれている冷熱を利用して超伝導装置760の超伝導状態を維持し、液化燃料(LF)から抽出された気体水素(GH)を用いて生成された電力エネルギーを超伝導装置760へ供給することができる。
【0124】
本発明は、図面に示された実施形態を参考として説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、本技術分野における通常の知識を有する者であれば、そこから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するだろう。よって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付された請求の範囲の技術的思想によって定められるべきであろう。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の概念による実施形態は、エネルギー変換システムの計測関連信号の伝達所要時間同期化方法、及びエネルギー変換システムの診断機能のための数値解析方法に関する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7