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特許7572523トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含むパーソナルケア組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペンを含むパーソナルケア組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/31 20060101AFI20241016BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20241016BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61Q 9/02 20060101ALI20241016BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20241016BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/02
A61Q5/00
A61Q9/02
A61Q19/00
A61Q19/10
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023142021
(22)【出願日】2023-09-01
(62)【分割の表示】P 2020533667の分割
【原出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2023164917
(43)【公開日】2023-11-14
【審査請求日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】62/611,246
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/637,052
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/230,202
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】アンサローネ、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ハードレイン、ジョン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】リン、ユー クン
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525514(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0131395(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00 - 8/99
A61Q 1/00 - 99/00
REGISTRY(STN)/CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する非治療方法であって、
(a)(i)1つ以上の活性成分と、(ii)所望により、1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、(iii)1重量パーセント~50重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))からなるフォーム形成成分と、を含むゲル、ローション又はクリームの形態のパーソナルケア組成物を提供する工程と、
(b)前記ゲル、ローション、又はクリームを、処置されている前記ヒトの前記皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜上にかつ/又は中に展延する工程と、
(c)前記ゲル、ローション、又はクリームを、送達中並びに/又は前記皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜と接触している間に、前記ゲル、ローション、又はクリームから前記トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させることによって、発泡させる工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記パーソナルケア組成物が、1つ以上の補助ゲル、ローション、又はクリーム形成成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発泡工程が、前記ゲル、ローション及び/又はクリームを、前記処置されているヒトの前記皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜の上にかつ/又は中に展延することを含み、前記展延が、前記1233zd(E)の前記蒸発のためのエネルギーを提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア組成物であって、
(a)ヒトの前記皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(b)所望により、1つ以上の補助ゲル、ローション、又はクリーム形成成分と、
(c)1重量パーセント~50重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))からなるフォーム形成成分であって、前記重量百分率は前記組成物中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォーム形成成分と、を含む、ゲル、ローション、又はクリーム含む、パーソナルケア組成物
【請求項5】
前記フォーム形成成分が、前記パーソナルケア組成物中の前記成分の重量に基づいて、3重量パーセント~6重量パーセントの前記1233zd(E)からなる、請求項に記載のパーソナルケア組成物
【請求項6】
パーソナルケアゲル、ローション、クリーム又はフォームでヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する非治療方法であって、
(a)中の内容物を分配するように開放可能な閉鎖容器を提供する工程であって、前記閉鎖容器が内部に、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの前記皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、1つ上の補助ゲル、ローション、又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、前記成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて、30重量パーセント~50重量パーセントの量で存在し、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))からなるフオーム形成成分と
(iv)所望により、前記パーソナルケア製剤を前記容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、
を含むパーソナルケア製剤を含む、提供する工程と、
(b)前記パーソナルケア製剤を前記容器から噴射することによって、前記パーソナルケア製剤を前記容器から分配する工程と、
(c)前記分配されたパーソナルケア製剤を前記皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用する工程と、
(d)前記分配工程後に、前記適用されたパーソナルケア製剤から前記トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))の少なくとも一部を蒸発させることによって、前記処置されているヒトに冷感を提供する工程と、を含む、方法。
【請求項7】
前記分配工程が、前記パーソナルケア製剤の発泡を開始する、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア組成物、並びに後発泡効果を使用する組成物、物品、及び方法を含むがこれらに限定されないパーソナルケアを提供するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚ローション及びクレンザー及びシェービングクリーム(フォーム及びゲルを含む)などのパーソナルケア組成物は、一般に、活性成分に加えていくつかの成分を含む。このような追加成分としては、例えば、増粘剤、懸濁化剤、界面活性剤、及び発泡剤を含んでもよく、これらは、組成物が皮膚に分配されるとき及び/又は皮膚に適用される際に、組成物の特性に影響を与えるために含まれる。
【0003】
1つの特定のタイプの製剤は、分配されると、及び/又は処置される皮膚若しくは頭皮の領域内又はその上に塗り込む際に自己発泡性であるゲルである。例えば、今日使用されるパーソナルケア製品のより一般的な形態の1つは、後発泡シェービングゲルである。このような後発泡組成物では、石鹸、界面活性剤、活性成分、及び比較的揮発性の炭化水素を有する他の成分を添加して、圧力下に維持されたときに、透明で安定したゲル又はエマルションを形成することが一般的である。これらの材料が分配され、機械的に攪拌されると、ゲルは、一般に、分配後のゲルへのエネルギーの添加に起因してフォームを形成する。
【0004】
出願人らは、後発泡製剤及び非後発泡製剤を含む、従来のパーソナルケア製剤の性能が、いくつかの点で欠けている、及び/又は改善され得ることを理解するようになった。例として、出願人らは、多くの従来の配合において、発泡後の用途においてフォームを形成するためにこれまで使用された揮発性炭化水素は、製剤の他の望ましい態様の劣化をもたらしたことを見出した。例えば、出願者らは、このような従来の後発泡製剤は、適用後にフォームを過度に素早く生成し、これは、製剤が使用者の皮膚若しくは毛髪上に展延し、かつ/又は使用者にとって望ましい範囲まで皮膚/毛髪に浸透する能力を打ち消す傾向があることを、出願者らは理解するようになった。更に、従来の後発泡製剤が発泡前に皮膚上に展延することができた比較的小さい範囲であっても、このような製剤は、活性成分が皮膚の毛穴に浸透する能力を強化又は改善することがなく、それによって、改善された性能の知覚及び現存性の両方を与えることがなかった。
【0005】
従来の製剤の別の態様は、パーソナルケア製品を皮膚及び/又は毛髪に適用した結果として、使用者に冷感を与える能力である。このような感覚は、ヒト組織に含まれる一過性受容体電位(TRP)チャネルを操作する感覚剤として既知の特定の成分を含むことによって、多くの従来の製剤に提供されている。例えば、米国特許出願公開第2017/0000713号を参照されたい。出願人らは、このような感覚剤成分の使用が、これらの成分及びそれらの誘導体の比較的高いコストを含むいくつかの欠点を有し得ることを理解するようになった。別の潜在的な欠点は、感覚剤が使用者の生物学的機能と直接相互作用する必要性であり、これは、直接生物学的相互作用に対して特に敏感及び/又はアレルギー性であり、かつ使用者と接触したままになっている成分の結果として長続きする副作用を経験し得る使用者などの特定のケース/用途において望ましくない場合がある。したがって、出願人らは、より単純で低コストの機構を使用し、かつ上記の感覚剤の他の欠点を伴わずに、このような冷感を達成する望ましさを理解するようになった。更に、出願人らは、皮膚/毛髪/粘膜への適用時に本質的に直ちに現れる冷感を経験したいとする多くの
使用者の要望を認識するようになり、これらの感覚剤は、明らかに即時リフレッシュする冷感が所望される皮膚、身体、及び粘膜への用途に限定されている。加えて、出願人らはまた、冷却効果が長時間持続し、好ましくは同時に、適用時に本質的に即時の冷感を提供すると認識される処置組成物及び方法の利点を理解するようにもなった。
【図面の簡単な説明】
【0006】
特許又は出願ファイルは、色で実行される少なくとも1つの図面を含む。カラー図面(1つ又は複数)を有するこの特許又は特許出願公開のコピーは、要求に応じて、必要な手数料を支払って、官庁から提供される。
【0007】
図1A】実施例3に記載の実験から得られた正面図を示す白黒写真である。
【0008】
図1B】実施例3に記載の実験から得られた正面図を示す白黒写真である。
【0009】
図2】実施例4に記載の実験の結果を示す白黒写真である。
【0010】
図3】実施例5に記載の実験の結果を示す白黒写真である。
【0011】
図4】実施例6に記載の実験の結果を示す白黒写真である。
【0012】
図5】実施例7に記載の実験の結果を示すカラー写真である。
【0013】
図6】実施例8Aに記載の実験の結果を示すカラー写真である。
【0014】
図7】実施例11に記載の実験の結果を示すカラー写真である。
【0015】
図8】実施例12に記載の実験の結果を示すカラー写真である。
【発明の概要】
【0016】
出願人らは、従来の製剤及び方法に関連して上述された欠点及び障害のうちの1つ以上、好ましくはそのような欠点及び障害の全てを、本発明による方法、物品、及びパーソナルケア製剤を使用して低減又は実質的に排除することができることを理解するようになった。
【0017】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、
【0018】
(a)(i)1つ以上の活性成分と、(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、(iii)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むフォーム形成成分とを含むゲル、ローション、又はクリームなどの形態のパーソナルケア組成物を提供する工程と、
【0019】
(b)当該ゲル、ローション、又はクリームを、処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜上にかつ/又は中に展延する工程と、
【0020】
(c)当該ゲル、ローション、又はクリームを、送達中並びに/又は皮膚、毛髪及び/又は粘膜と接触している間に、当該ゲル、ローション、又はクリームから当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させることによって、発泡させる工程と、を含む、方法を含む。
【0021】
ゲル、ローション、又はクリームを形成するために使用される成分は、皮膚、毛髪、
又は粘膜に所望の効果を提供するという意味で活性な機能を有すると考えられ得ることが当業者には理解されるであろう。例として、皮膚コンディショナーはクリームの形態であってもよく、それ自体は製剤の活性成分であると考えられる。したがって、用語「補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分」は、本明細書では、主として製剤の粘度、感触、質感、送達特性などに影響を及ぼすなど、皮膚又は毛髪の改善以外の目的のために製剤中に含まれる成分を特定するために、本明細書で使用される。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「ゲル、ローション又はクリームを発泡させる」及び同様の用語は、ゲル、ローション、クリームなどの少なくとも実質的な割合が発泡されることを意味する。したがって、この用語は、ゲル、ローション、又はクリームの一部が未発泡のままである意味の段階を含むが、本発明の好ましい実施形態では、ゲル、ローション、クリームなどの実質的に全て(例えば、90パーセント以上)が発泡される。
【0023】
本発明はまた、ヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
【0024】
(a)容器、好ましくは圧力下の容器にゲル、ローション、クリームなどの形態のパーソナルケア組成物を提供する工程であって、当該ゲル、ローション、又はクリームは、(i)1つ以上の活性成分と、(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、(iii)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むフォーム形成成分とを、を含む工程と、
【0025】
(b)当該ゲル、ローション、又はクリームを当該容器から処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜に分配する工程と、
【0026】
(c)当該ゲル、ローション、又はクリームを、当該ゲル、ローション又はクリームから当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させることによって、発泡させる工程と、
【0027】
(d)当該発泡工程(c)の前、間、及び/又は後に、当該ゲル、ローション、クリーム、及び/又はフォームを、処置されているヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上に及び/又は中に展延する工程と、を含む方法を含む。
【0028】
本発明はまた、ヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
【0029】
(a)ゲル、ローション、クリームなどの形態のパーソナルケア組成物を提供する工程であって、(i)1つ以上の活性成分と、(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、(iii)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))並びにトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含むフォーム形成成分と、を含む工程と、
【0030】
(b)当該ゲル、ローション、又はクリームを、当該ゲル、ローション、又はクリームから当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及び/又は当該トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を蒸発させることによって、発泡させる工程と、
【0031】
(c)当該発泡工程(b)の前、間、及び/又は後に、当該ゲル、ローション、クリーム、及び/又はフォームを、処置されているヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上に及び/又は中に展延する工程と、を含む方法を含む。
【0032】
本発明はまた、ヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
【0033】
(a)容器、好ましくは圧力下の容器にゲル、ローション、クリームなどの形態のパーソナルケア組成物を提供する工程であって、前記ゲル、ローション、又はクリームは、(i)1つ以上の活性成分と、(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、(iii)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))並びにトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含むフォーム形成成分と、を含む工程と、
【0034】
(b)当該ゲル、ローション、又はクリームを当該容器から処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜に分配する工程と、
【0035】
(c)当該分配工程の間及び/又は後に、当該ゲル、ローション、又はクリームを、当該ゲル、ローション又はクリームから当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及び/又はトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を蒸発させることによって、発泡させる工程と、
【0036】
(d)当該発泡工程(c)の間及び/又は後に、当該ゲル、ローション、又はクリームを、処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜の上に及び/又は中に展延する工程と、を含む方法を含む。
【0037】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0038】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0039】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0040】
(c)約1重量パーセント~約50重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含む、それから本質的になる又はそれからなるフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づいている、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤2と称されることがある。
【0041】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0042】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0043】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0044】
(c)約1重量パーセント~約50重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含むフォーム形成成分であって、当該
1234ze(E)と当該1233zd(E)との重量比は約90:10~約50:50であり、当該重量百分率は製剤中の成分(a)、(b)、及び(c)の合計に基づいている、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤2と称されることがある。
【0045】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0046】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0047】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0048】
(c)約1重量パーセント~約10重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むフォーム形成成分であって、当該重量百分率トは、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、当該フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤3と称されることがある。
【0049】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0050】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0051】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0052】
(c)約1重量パーセント~約10重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))から本質的になるフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤4と称されることがある。
【0053】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0054】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0055】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0056】
(c)約1重量パーセント~約10重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))からなるフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォー
ム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤5と称されることがある。
【0057】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0058】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0059】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0060】
(c)約3重量パーセント~約10パーセント未満の、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤6と称されることがある。
【0061】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0062】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0063】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0064】
(c)約3重量パーセント~約6重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))から本質的になるフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤7と称されることがある。
【0065】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
【0066】
(a)ヒトの皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
【0067】
(b)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0068】
(c)約3重量パーセント~約6重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))からなるフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤を含む。利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パー
ソナルケア製剤8と称されることがある。
【0069】
本発明はまた、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約5重量パーセント~約50重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約50重量パーセント~約95重量百分率のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))、を含む、それらから本質的になる、又はそれからなるフォーム形性成分と、を含むパーソナルケア製剤を含む。
利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤9と称されることがある。
本発明はまた、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約15重量パーセント~約40重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約60重量パーセント~約85重量百分率のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))、を含む、それらから本質的になる、又はそれからなるフォーム形性成分と、を含むパーソナルケア製剤を含む。
【0070】
利便性の目的のために本段落によるパーソナルケア製剤は、本明細書では便宜上、パーソナルケア製剤10と称されることがある。
【0071】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、パーソナルケア製剤1~10のそれぞれを含む、本発明のパーソナルケア組成物をヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用することを含む方法を含む。
【0072】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、パーソナルケア製剤1~10のそれぞれを含む、本発明のパーソナルケア組成物をヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜上に展延する工程を含む方法を含む。
【0073】
本発明は、ヒト皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、パーソナルケア製剤1~10のそれぞれを含む、本発明のパーソナルケア組成物をヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜に送達する工程と、次いで送達されたパーソナルケア組成物を発泡させる工程と、を含む方法を含む。
【0074】
本発明は、ヒト皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、パーソナルケア製剤1~10のそれぞれを含む、本発明のパーソナルケア組成物をヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜に、送達する工程と、次いで送達されたパーソナルケア組成物を当該フォーム形成成分の蒸発によって発泡させる工程と、を含む方法を含む。
【0075】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、(a)1つ以上の活性成分及びトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むパーソナルケア組成物を提供する工程であって、当該1つ以上の活性成分が、当該1233zd(E)によって、及び/又はそれを用いて担持される、工程と、
(b)当該パーソナルケア組成物を、処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜の上に及び/又は中に適用する工程と、
(c)当該適用されたパーソナルケア組成物から当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させる工程であって、それにより当該1つ以上の活性成分の少なくとも一部が、当該蒸発の間に処置されているヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上及び/又は中に残っており、それにより当該蒸発すると、処置されている当該ヒトが冷感を経験する工程と、を含む方法を含む。
【0076】
本明細書で使用するとき、用語「トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させる」という用語及び類似する用語は、1233zdの少なくとも実質的な割合が蒸発することを意味する。したがって、この用語は、1233zdの一部が蒸発していないままである意味の段階を含むが、本発明の好ましい実施形態では、1233zdの実質的に全て(例えば、90%以上)が蒸発される。また、当該1つ以上の活性成分が、処置されるヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上に及び/又は中に残っている必要性は、「留まっている」組成物及び方法並びに「洗い流す」組成物及び方法の両方を意図していることが理解されるであろう。したがって、本発明は、有効成分が、製品を除去するための使用者の能動的意図又は努力なしに、使用の皮膚、毛髪、及び/又は粘膜上に残存することが意図される方法を含む。このような「残存する」用途では、1233zdの実質的に全てが、適用後に実質的な期間(例えば、5分以上)にわたって蒸発することが好ましい。一方、「洗い流す」用途では、塗布後にクリーム、ローション、ゲル、フォームなどを除去するための肯定的な作用(例えば、水ですすぐことなどによって)、及びそのような実施形態では、蒸発前に一部の部分、潜在的に1233zdの実質的な部分が使用者から除去されることが想到される。したがって、「留まっている」及び「洗い流す」用途の両方は、本発明の範囲内である。
【0077】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)1つ以上の活性成分と、約1重量パーセント~約50重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むパーソナルケア組成物を提供する工程であって、当該1つ以上の活性成分が、当該1233zd(E)によって及び/又はそれを用いて担持され、当該重量百分率は、パーソナルケア組成物中の成分の合計に基づく、工程と、
(b)当該パーソナルケア組成物を、処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜の上に及び/又は中に適用する工程と、
(c)当該適用されたパーソナルケア組成物から当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させる工程であって、それにより当該1つ以上の活性成分の少なくとも一部が、当該蒸発の間に処置されているヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上及び/又は中に残っており、それにより当該蒸発すると、処置されている当該ヒトが冷感を経験する工程と、を含む方法を含む。
【0078】
本発明は、ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)1つ以上の活性成分と、約1重量パーセント~約50重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))とトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))との組み合わせを含むパーソナルケア組成物を提供する工程であって、(i)当該1234ze(E)と当該1233zd(E)との重量比が約90:10~約50:50であり、(ii)当該1つ以上の活性成分は、当該1233zd(E)及び当該1234ze(E)のうちの少なくとも1つによって及び/又はそれを用いて担持され、及び(iii)当該重量百分率が、パーソナルケア組成物中の成分の合計に基づいている、工程と、
(b)当該パーソナルケア組成物を、処置されているヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜の上に及び/又は中に適用する工程と、
(c)当該適用されたパーソナルケア組成物から当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させる工程であって、それにより当該1つ以上の活性成分の少なくとも一部が、当該蒸発の間に処置されているヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上及び/又は中に残っており、それにより当該蒸発すると、処置されている当該ヒトが冷感を経験する工程と、を含む方法を含む。
【0079】
本発明は、ゲル、ローション、クリームなどを含む、ヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤を適用するための物品であって、
(a)中の内容物を分配するために開放可能な閉鎖容器と、
(b)当該容器内に収容されたパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
(iii)約1重量パーセント~約50重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E)を含む、それから本質的になる、又はそれからなるフォーム形成成分であって、当該重量百分率は、製剤中の成分(i)、(ii)及び(iii)の合計に基づいている、フォーム形成成分と、を含むパーソナルケア製剤と、
(c)所望により、当該パーソナルケア組成物を当該容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含む、当該物品を含む。
【0080】
当業者であれば、本発明の物品は、本発明のパーソナルケア組成物を分配するための開放可能な閉鎖容器を含むことを理解するであろう。したがって、本発明は、容器が開放可能であるが容易に再閉鎖されない(例えば、パーソナルケア製剤を分配するための開口部を提供するために破る又は切り裂くことができるサッシェなどの場合のような)容器と、再閉鎖可能な容器と、を含む(再閉鎖可能容器は(例えば、缶などの場合など)は、パーソナルケア製剤の分配を可能にするために開けることができるバルブを有するノズルを有し、その後、再閉鎖して、後の時点で使用するために製剤の残りの部分を缶内に維持する)。いずれの場合においても、主に再閉鎖可能な容器の場合、本発明の発泡成分はまた、容器からパーソナルケア製剤を排出するに役立つ力を提供し得ることが企図される。一例として、発泡成分が1233zd及び1234zeの両方を含む好ましい実施形態では、パーソナルケア組成物の1234ze成分は、一般に、製剤と共に容器から出て、発泡作用を提供するだけでなく、パーソナルケア製剤を容器から排出するのを少なくとも補助するように機能する。このような実施形態では、製剤は、好ましくは、製剤と混和及び/又は分散及び/又は乳化される成分として1233zd(E)及び1234ze(E)の両方を含むことが好ましく、そのような場合、1234ze(E)成分は、容器から出るときに製剤の発泡、並びに噴射力の提供に寄与する。本発明の説明の目的のために、このような実施形態における1234ze,及び同じ又は同様の様式で挙動する他の構成成分
は、パーソナルケア組成物の発泡に実質的に寄与するため、用語「発泡成分」などの範囲内である。容器からパーソナルケア組成物を噴射させるのに役立つように作用するが、実質的に発泡に寄与しないような方法で、容器内に、比較的高い蒸気圧を有する1234ze、又は他の材料が含まれてもよいことが想到される。このような実施形態は、例えば、本発明のパーソナルケア組成物が容器内のバッグ内に含まれ、1234zeが容器内であってバッグの外側に含まれ、したがって、バッグに圧力を加えることによってパーソナルケア組成物に排出力を及ぼす、バッグオンバルブタイプの構成を提供することを含んでもよい。例えば、参照として本明細書に援用される、米国特許出願公開第2013/0184233号を参照されたい。そのような場合、袋の外側にある1234zeは、本明細書では「外部噴射剤」と呼ばれる。他の実施形態では、噴射剤は、缶に含まれるが、例えばパーソナルケア組成物から相分離されることによって、本パーソナルケア組成物からほとんど分離されたままであり、かかる実施形態では、パーソナルケア製剤が排出される際に、噴射剤は缶内に留まる傾向がある。このような実施形態では、相分離噴射剤は、パーソナルケア組成物の発泡に実質的に寄与しないため、「外部噴射剤」と考えられる。このような実施形態の全ては、本発明の範囲内である。
【0081】
したがって、本発明は、ゲル、ローション、クリームなどを含むヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤を適用するための物品であって、
(a)中の内容物を分配するために開放可能な閉鎖容器と、
(b)当該容器内に収容されたパーソナルケア製剤であって、当該パーソナルケア製剤が、エマルション及び/又は分散液の形態であり、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0082】
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
【0083】
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約5重量パーセント~約50重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
(2)成分(1)及び成分(2)の合計に基づいて、約50重量パーセント~約95重量百分率のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなるフォーム形成成分と、
(c)所望により、当該パーソナルケア組成物を当該容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含む、当該物品を含む。
【0084】
したがって、本発明は、ゲル、ローション、クリームなどを含むヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤を適用するための物品を含む物品であって、
(a)中の内容物を分配するために開放可能な閉鎖容器と、
(b)当該容器内に収容されたパーソナルケア製剤であって、当該パーソナルケア製剤が、エマルション及び/又は分散液の形態であり、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約15重量パーセント~約40重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約60重量パーセント~約85重量百分率のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含む、それらから本質的になる、又はそれらからなるフォーム形成成分と、
(c)所望により、当該パーソナルケア組成物を当該容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含む、当該物品を含む。
【0085】
本発明はまた、パーソナルケアゲル、ローション、クリーム、フォームなどでヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)中の内容物を分配するように開放可能な閉鎖容器を提供する工程であって、閉鎖容器が内部に、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約5重量パーセント~約50重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
【0086】
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約50重量パーセント~約95重量百分率の、当該1233zd(E)とは異なる共発泡剤であって、当該共発泡剤は、好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含む、それからなる、又はそれからなるフォーム形成成分と、
(iv)所望により、当該パーソナルケア組成物を当該容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含む工程と、
(b)当該パーソナルケア製剤を当該容器から実質的に同時に噴射させ、最初に当該パーソナルケア製剤を発泡させることによって、当該パーソナルケア製剤を当該容器から分配し、それにより当該噴射及び最初の発泡は当該共発泡剤により提供される工程と、
(c)当該分配されたパーソナルケア製剤を、フォームの形態で皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用する工程と、
(d)当該適用工程後に、当該適用されたパーソナルケア組成物から当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))の少なくとも一部を蒸発させることによって、処置されているヒトに冷感を提供する工程と、を含む、方法。
【0087】
本発明はまた、パーソナルケアゲル、ローション、クリーム、フォームなどでヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)中の内容物を分配するように開放可能な閉鎖容器を提供する工程であって、閉鎖容器が内部に、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
【0088】
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約15重量パーセント~約40重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約60重量パーセント~約85重量百分率の、当該1233zd(E)とは異なる共発泡剤であって、当該共発泡剤は、好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含む、それからなる、又はそれからなるフォーム形成成分と、
(iv)所望により、当該パーソナルケア組成物を当該容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含む工程と、
(b)当該パーソナルケア製剤を当該容器から実質的に同時に噴射させ、最初に当該パーソナルケア製剤を発泡させることによって、当該パーソナルケア製剤を当該容器から分配し、それにより当該噴射及び最初の発泡は当該共発泡剤により提供される工程と、
(c)当該分配されたパーソナルケア製剤を、フォームの形態で皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用する工程と、
(d)当該適用工程後に、当該適用されたパーソナルケア組成物から当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))の少なくとも一部を蒸発させることによって、処置されているヒトに冷感を提供する工程と、を含む、方法。
【0089】
本発明はまた、パーソナルケアゲル、ローション、クリーム、フォームなどでヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)中の内容物を分配するように開放可能な閉鎖容器を提供する工程であって、閉鎖容器が内部に、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、好ましくは1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、当該成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)合計に基づいて、約15重量パーセント~約40重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに、
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約60重量パーセント~約85重量百分率の、当該1233zd(E)とは異なる共発泡剤であって、当該共発泡剤は、好ましくは、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含む、それからなる、又はそれからなるフォーム形成成分と、
(iv)所望により、当該パーソナルケア組成物を当該容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含む工程と、
(b)当該パーソナルケア製剤を当該容器から実質的に同時に噴射させ、最初に当該パーソナルケア製剤を発泡させることによって、当該パーソナルケア製剤を当該容器から分配し、それにより当該噴射及び最初の発泡は当該共発泡剤により提供される工程と、
(c)当該分配されたパーソナルケア製剤を、フォームの形態で皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用する工程と、
(d)当該適用工程後に、当該適用されたパーソナルケア組成物から当該トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))の少なくとも一部を蒸発させることによって、処置されているヒトに冷感を提供する工程であって、当該1つ以上の活性成分の少なくとも一部が、当該蒸発中に処置されているヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の上及び/又は中に残存する、工程と、を含む、方法。
【発明を実施するための形態】
【0090】
本発明の好ましい方法、物品、及び組成物は、従来のパーソナルケア方法及びパーソナルケア組成物と比較して、1つ以上、好ましくはいくつかの予想外の性能特性を提供する。これらの性能利点としては、以下が挙げられる。
-展延性の改善
-改善された湿潤性
-使用者の皮膚、毛髪及び/又は粘膜への活性成分の浸透性の改善
-適用直後に本質的に感じられる又は少なくとも知覚される皮膚/粘膜への冷感
-使用者好ましくは感覚剤を使用することなく、に提供される増強された長く持続する冷涼感。
本明細書で使用するとき、用語「パーソナルケア組成物」、「パーソナルケア製剤」などは、人に局所的に適用される組成物、製剤などを意味する。
【0091】
本発明のパーソナルケア組成物及び製剤は、例えばローション、クリーム、ゲルなどの形態であり得、そのような形態では、組成物は好ましくは後発泡性組成物又は製剤である。したがって、後発泡製剤が、後発泡ではない多くの用途、ローション、クリーム、ゲルなどにおいて好ましいが、使用者に冷感を提供する特定の実施形態も含めて、本発明の広範な範囲内であることが理解されるであろう。本発明の組成物及び製剤は、一般に後発泡組成物ではないが、本発明の有利な冷感を提供する噴霧剤又はエアゾール化粉末、ミストなどの形態であり得る。
【0092】
本明細書で使用するとき、用語「後発泡性」は、適用されるとき、フォームの形態では本質的にないが、熱(体温の形態であってもよい)又は他のエネルギー(例えば、皮膚上及び/又は毛髪に製剤を擦る又は展延することに関連する運動エネルギーなど)の適用の結果として、発泡製品を生成する。便宜上、必ずしも限定するものではないが、後発泡作用に関連する組成物、製剤、及び方法は、非後発泡性組成物、製剤、及び方法とは分けて以下に説明される。
後発泡組成物、製剤及び方法
【0093】
本発明の後発泡態様は、ローション、クリーム、ゲルなどの形態の製剤及び組成物を利用することができ、ゲルが好ましい。かかる実施形態では、製剤及び組成物は、概して、(a)好ましくはクレンザーを含む、1つ以上の活性成分と、(b)所望により、好ましくは、クリーム、ローション若しくはゲルを形成するのに役立つ、及び/又はフォームの本体を形成するのに役立つ1つ以上の補助構成剤と、(c)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E)を含む、それ本質的になる、又はそれからなる発泡剤と、(d)組成物中に含まれ得る成分(a)、(b)及び(c)以外の任意の追加成分と、を含む。
【0094】
便宜上、限定するためではないが、成分(a)、(b)及び(d)は、本明細書では「製剤ベース」又は「クレンザーベース」と称されることもある(活性成分がクレンザーを含む場合)、又は「ゲルベース」(製剤がゲルの形態である場合)と称されることもある。
活性成分
【0095】
本発明の組成物及び方法に使用される活性成分は、多種多様な目的及び機能を有することができ、そのような成分は全て本発明の範囲内である。一般に、このような成分は、使用者に、好ましくは使用者の皮膚、毛髪、及び/又は粘膜への何らかの利益を提供するか、又は少なくとも期待することになる。したがって、活性成分としては、化粧剤(すなわち、局所適用による皮膚、毛髪又は粘膜への栄養の提供、及び/又は皮膚、毛髪若しくは粘膜のコンディショニングを提供し、化粧的に処置する薬剤)、医薬品(すなわち、損傷又は病気からの回復を、好ましくは、皮膚、毛髪、又は粘膜に対して、促進又は補助す
ることができる薬剤、)、及び薬物医薬品(すなわち、好ましくは皮膚、毛髪、及び粘膜を処置するのに有効な薬物を含む、局所適用による送達に適した薬物)を含む。活性成分は、2つ以上の動作モード及び/又は効果を有することができ、したがって、本発明の目的のために2つ以上の製品カテゴリーに適切に含まれ得ることが当業者には理解されるであろう。
【0096】
活性成分の例としては、着色、脱色、及び外観変化剤(顔料、色素沈着防止剤、皮膚美白剤、反射剤など);毛髪処置剤(毛髪整形剤、もつれ防止剤、湿潤櫛とおり剤、毛髪成長促進剤、育毛促進剤、育毛阻害剤、染毛剤、ヘアコンディショナー、ヘア柔軟剤、毛髪保湿剤、フケ防止剤など);フィルム形成ポリマー;保湿剤;アミノ酸及びそれらの誘導体;抗菌剤;アレルギー阻害剤;抗ニキビ剤(サリチル酸、過酸化ベンゾイル、硫黄、アダパレン、及びグリコール酸など);老化防止剤及び抗しわ剤(ジメチルアミノエタノール(「DMAE」)、レチノール、ビタミンC、ヒドロキシ酸、ペルプチド(perptides)、茶抽出物、ブドウ種子抽出物及びナイアシンアミドなど)、防腐剤;鎮痛剤;鎮咳
薬;鎮痒薬;局所麻酔薬;抗ヒスタミン薬;抗感染症;炎症阻害剤;脱臭剤及び制汗剤(アルミニウムクロロ水和物及びアルミニウム-ジルコニウムテトラクロロ水和物);薬剤剤;皮膚軟化剤及び皮膚保湿剤;スキンファーミング剤;抗真菌剤;シェービング調製物、ローション、クリーム、及びゲル;香料;メークアップ調製物;化粧品(皮膚クレンザー、スキンコンディショナー、メークアップなど);並びにサンスクリーン及びサンブロック(ベンゾフェノン、ボルネロン、ブチルpaba、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスキリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、paba、メトキシシンナメートカリウム、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルメトキシシンナメート、オキシベンゾン、オクトクリレン、サリチル酸オクチル、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、エチルヒドロキシプロピルアミノベンゾエート、メンチルアントラニレート、アミノ安息香酸、シノキセート、ジエタノールアミンメトキシシンナメート、グリセリルアミノベンゾエート、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、パジメート0、及び赤ペトロラタム);防虫剤、皮膚保護剤(例えば、オートミール、ベタグルカン、ナツシロギク、大豆及びこれらの誘導体、重炭酸塩ソーダ、コロイド状オートミール、界面活性剤系コロイド状オートミールクレンザー、Anagallis Arvensis、Oenothera Biennis、Verbena Officinalisなど)、ビタミン(ビタミンB複合体などであって、チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB6,ビタミンB12,ピリドキシン、イノシトール、カルニチン;ビタミンA、C、D、E、K、並びにビタミンAパルミテート及びプロビタミンなどのそれらの誘導体(例えば、パンテノール(プロビタミンB5)及びパンテノールトリアセテートを含む)。
【0097】
本発明と共に使用される活性成分の量は、特定の用途に応じて広く異なり得るものであり、全てのそのような量は、本明細書に含まれる教示を考慮して当業者によって決定することができ、本発明の広範な範囲内にある。例えば、活性成分の量は、本発明によって提供される改善を考慮して、成分が皮膚、毛髪、又は粘膜の細孔を貫通する、その上に、又はその中に浸透する成分の能力に応じて変化し得る。活性成分の相対量に影響を及ぼし得る他の要因としては、関与する特定の活性成分、所望される特定の利益、使用者の活性成分に対する感度、健康状態、使用者の年齢、及び皮膚、毛髪、及び/又は粘膜の状態、並びに同様のものが挙げられる。要するに、有益剤は、好ましくは「安全かつ有効な量」で使用され、これは、所望の皮膚、毛髪、若しくは粘膜の効果を送達するのに十分高い量であるか、又は処置されるべき特定の状態を改変するのに十分高い量であり、望ましくない有害で深刻な副作用を回避する量である。好ましい実施形態では、活性成分は、組成物/製剤の総重量に基づいて、パーソナルケア組成物又はパーソナルケア製剤系中に、約0.01重量パーセント~約50重量パーセント、又は約0.01重量パーセント~約20重量パーセント、又は約0.01重量パーセント~約10重量パーセント、又は約0.0
1重量パーセント~約5重量パーセント、又は約0.01重量パーセント~約1.0重量パーセントの量で存在する。
補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分
【0098】
本発明の製剤に使用され得る補助成分の種類は、製剤の特定の形態(例えば、ゲル、クリーム又はローション)、及び所望の製剤の特定の属性に応じて広範囲に変更可能であり、並びに任意の及び全てのそのような構成成分が本発明の範囲内に含まれる。
【0099】
ゲルと関連して、例えば、好ましい実施形態におけるゲル形成成分は、好ましくは、製剤の総重量に基づく主要な割合で、水性石鹸を含む。水性石鹸成分中の石鹸は、例えば、石鹸又は表面活性剤のいずれかであり得、これはまた、一般的にアニオン性又は非イオン性である湿潤剤と呼ばれることもある。
【0100】
後発泡ゲルの製造に好適な、好ましくはアミン又は塩基性塩である石鹸(高級脂肪酸の水溶性塩)は、一般に当該技術分野において既知であり、そのような石鹸は全て本発明の範囲内である。一般に、このような成分は、好ましくは、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸などの脂肪酸のアルカリ、アンモニウム又は可溶性アミン塩であり得る。当該技術分野において既知であるように、石鹸は、獣脂などの動物性脂肪、又は植物性脂肪の中和又はけん化によって調製されてもよい。好適な石鹸成分の選択は、本明細書の教示から当業者の範囲内であると見なされる。
【0101】
石鹸の代わりに、又はそれと共に使用することができるアニオン性又は非イオン性表面活性剤は、水に相当に可溶性であるものであるべきであり、そのような剤の例としては、トリエタノールアミンのラウリル硫酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル置換フェノールの水溶性ポリオキシエチレンエーテル、及び水溶性ポリオキシエチレンセチルエーテルが挙げられる。好適な湿潤剤の選択は、本明細書の教示から当業者の範囲内であると見なされる。
【0102】
後発泡用途で使用するためのゲルの形成に関連する1つの困難は、その非発泡状態では、均一な流体様式で皮膚又は毛髪上で容易に展延可能なゲルを形成することが困難であることが確認されている。例えば、特定のアルコキシル化アルキルリン酸エステル界面活性剤の使用について記載している米国特許第5,334,325,号を参照されたい。この文献の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0103】
後発泡用途で使用するための本発明のゲル、クリーム及びローションに含まれ得る他の補助成分としては、ゲル増粘及び潤滑のためのポリマー、皮膚軟化剤用化粧品エステル、保湿用保湿剤、芳香剤、染料及び防腐剤が挙げられる。
【0104】
本発明と共に使用される補助成分の量は、特定の用途に応じて広く異なり得るものであり、全てのそのような量は、本明細書に包含される教示を考慮して当業者によって決定することができ、本発明の広範な範囲内にある。好ましい実施形態では、補助成分は、組成物/製剤の総重量に基づいて、パーソナルケア組成物又はパーソナルケア製剤システム中に、製剤中の成分の総重量に基づいて、約40重量パーセント~約90重量パーセント、又は約50重量パーセント~約80重量パーセント、又は約50重量パーセント~約70重量パーセントで存在する。
発泡剤
【0105】
上述したように、本製剤及び方法で使用するための発泡剤は、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)を含む。本発明に関連して使用される1233zdは、トランス又はシス異性体形態のいずれか、そしてそれらのありとあらゆる組み
合わせ、であり得、好ましい実施形態では、1233zdは、トランス1233zdを少なくとも約80%、又は好ましくは少なくとも約90%、又は好ましくは少なくとも約95%、又は好ましくは少なくとも約97%で含むことが好ましい。好ましい実施形態では、製剤中に存在する1233zdは、trans1233zdから本質的になるか、又はそれからなる。
【0106】
発泡剤は、ある相対量の1233zdであって、好ましくはトランス1233zdを含むことができ、その量は任意の特定の用途に所望される特定の性能パラメータに応じて広範に変化することが想到される。好ましい実施形態では、発泡剤は、少なくとも約5重量パーセントのトランス1233zd、好ましくは約5%~約100%のトランス1233zdで含まれる。本発明にはまた、発泡剤はある相対量の1233zdであって、好ましくはトランス1233zdが約5%~約60%のトランス1233zdで含まれる実施形態も含まれる。本発明にはまた、発泡剤はある相対量の1233zdであって、好ましくはトランス1233zdが、少なくとも約10%のトランス1233zd、又は好ましくは約10%~約100%のトランス1233zdで含まれる実施形態も含まれる。本発明はまた、発泡剤が約10%~約60%のトランス1233zdで含まれる実施形態も含まれる。
非後発泡性組成物、製剤、及び方法
【0107】
上述したように、本発明はまた、後発泡作用を呈さないクリーム、ローション、ゲル、フォーム、ミスト、粉末、スプレーなども含む。例として、本明細書に記載されるような有利な冷却効果は、均一なクリーム、ローション、ゲル、フォーム、ミスト、粉末、スプレーなどのために提供することができ、それらは後発泡作用を示すように設計されてないが、それにもかかわらず、本発明の1233zdがクリーム、ローション、ゲル、フォーム、ミスト、粉末、スプレーなどが、使用者の皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用された後に蒸発して、その結果本明細書に記載されるような有利な冷却効果を提供する。更なる例として、本発明の1233zdを一部に含めることにより、本製剤の有利な能力は、後発泡作用が達成されない又は所望されない実施形態であっても、使用者の皮膚/粘膜の毛穴及び/又は使用者の毛嚢の中に浸透する及び/又は直接送達される有効成分の有利な能力を提供する。
【0108】
したがって、本発明の非後発泡性実施形態はまた、クリーム、ローション、ゲル、フォーム、ミスト、粉末、スプレーなどの形態の製剤及び組成物を利用することができ、それらの中で製剤及び組成物は、一般に、(a)1つ以上の活性成分、好ましくはクレンザーを含む1つ以上の活性成分、(b)所望により、好ましくは、クリーム、ローション、ゲル、フォーム、ミスト、粉末、スプレーなどを形成するのに役立つ1つ以上の補助成分と、(c)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含む、又はそれから本質的なる、又はそれからなる、発泡剤と、(d)組成物中に含まれ得る成分(a)、(b)及び(c)以外の任意の追加成分と、を含む。このような非発泡性用途における成分(a)、(b)及び(c)の種類及び量は、広範に異なり得るものであり、後発泡用途に関連して本明細書に記載されるような成分の種類及び量を含む。非起泡性実施形態では、便宜上、限定するためではないが、構成要素(a)、(b)及び(d)はまた、本明細書では「製剤ベース」又は「クレンザーベース」などと称されることもある(活性成分がクレンザーを含む場合)。
好ましい実施形態
【0109】
本発明の好ましい実施形態は、約80%~約99%のクレンザー基剤と、約1重量%~約20重量%の、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))とを含み、この百分率は重量基準である。
【0110】
本発明の好ましい実施形態は、約80%~約99%のクレンザー基剤と、約1重量%~約20重量%の発泡剤とを含み、発泡剤は、組成物中の全ての発泡剤に基づいて、少なくとも約50重量%の1233zd(E)を含み、又は、少なくとも約75重量%の1233zd(E)、又は少なくとも約80重量%の1233zd(E)、又は少なくとも約90重量%の1233zd(E)、又は少なくとも約100重量%である。
【0111】
本発明の好ましい実施形態は、約80%~約99%のクレンザー基剤と、約1重量%~約10重量%の、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含む、又はそれから本質的なる、若しくはそれからなる発泡剤とを含み、この百分率は重量基準である。
【0112】
本発明の好ましい実施形態は、約50%~約99%のクレンザー基剤と、約1重量%~約50%の発泡剤とを含み、発泡剤は、組成物中の全発泡剤に基づいて、少なくとも約5%の1233zd(E)、又は少なくとも約10重量%の1233zd(E)、又は約5重量%~約50重量%の1233zd(E)、又は少なくとも約10重量%~約10重量%~約40重量%の1233zd(E)を含む。
【0113】
本発明の好ましい実施形態は、約90%~約99%のクレンザー基剤と、1重量%超~約10重量%未満の発泡剤とを含み、発泡剤は、組成物中の全ての発泡剤に基づいて、少なくとも約50重量%の1233zd(E)を含む。
【0114】
本発明の好ましい実施形態は、約90%~約99%のクレンザー基剤と、1重量%超~約10重量%未満の発泡剤とを含み、発泡剤は、組成物中の全ての発泡剤に基づいて、少なくとも約75重量%の1233zd(E)を含む。
【0115】
本発明の好ましい実施形態は、約90%~約99%のクレンザー基剤と、1重量%超~約10重量%未満の発泡剤とを含み、発泡剤は、組成物中の全ての発泡剤に基づいて、少なくとも約80重量%の1233zd(E)を含む。
【0116】
本発明の好ましい実施形態は、約90%~約99%のクレンザー基剤と、1重量超~約10重量パーセント未満の発泡剤とを含み、発泡剤は、組成物中の全ての発泡剤に基づいて少なくとも約90重量パーセント%の1233zd(E)を含む。
【0117】
本パーソナルケア組成物は、多種多様なシャンプー(乳児用シャンプー、コンディショニングシャンプー、保湿シャンプーなどを含む)パーソナルケア製品/用途、皮膚及び身体クレンザー(シャワーゲル、浴槽フォーム、洗顔クレンザー、デリケートゾーンクレンザー、保湿体ウオッシュ、抗菌体ウオッシュ、バスゲル、ハンドソープ、顔面スクラブ、フットスクラブなどを含む)、ヘアケア組成物(毛髪染料、ヘアコンディショナー、ヘアクリーム、及びヘアスタイリング製剤を含む)、スキンケア組成物(皮膚ローション、クリーム及びクリーム、皮膚ホワイトニング、日焼け用ローション、日焼け止めローション、キャリアローション、保湿剤、ビタミンCクリーム、抗菌ローション、フェイシャルマスク、ボディマスク、メイクアップファンデーション、サンケア製剤、制汗剤などを含む)、の形態で、及び/又はそれらの中で使用することができる。
【実施例
【0118】
実施例1-1233zd発泡剤
自己発泡ゲル(シャワーゲル及び他のパーソナルケアクレンザーとしての使用に好適な)を94重量%のクレンザー基剤及び6重量%の1233zd(E)で形成した。この製剤は、本明細書においてゲル1と称される。
実施例2-1233zd/イソペンタン共沸発泡剤
【0119】
94重量%のクレンザー基剤と、1233zd(E)とイソペンタンとの共沸混合物様混合物の6重量%を含む自己発泡性ゲル(シャワーゲル及び他のパーソナルケアクレンザーとしての使用に好適)を形成した。共沸混合物様混合物は、混合物中の、1233zd(E)及びイソペンタンに基づいて、84重量%の1233zd(E)、及び6重量%のイソペンタンからなっていた。この製剤は、本明細書においてゲル2と称される。
比較例1-イソペンタン発泡剤
【0120】
自己発泡性ゲルは、96.7重量%のクレンザー基剤及び3.3重量%のイソペンタンを含む(ゲルC1内における1233zd(E)の場合と同じモル%を表す)。この製剤は、本明細書においてゲル-C1と称される。
比較例2-イソペンタン発泡剤
【0121】
94重量%のクレンザー基剤と6重量%のイソペンタンとを含む自己発泡性ゲルを形成した。この製剤は、本明細書においてゲルC2と称される。
実施例3-湿潤能力
【0122】
ゲル-1、ゲルC1のそれぞれを紙に分配し、1~2分間静置した後、フィルムアプリケータ/ドローダウンバーを使用して紙から塗り落とした。次に写真を撮影し、図1A(正面図)及び図1B(背面図)として再現した。
実施例4-展延能力
【0123】
ゲル1及びゲルC1のそれぞれを紙に分配し、1~2分間静置した後、フィルムアプリケータ/ドローダウンバーを使用して紙から塗り落とした。各場合で試料を紙全体から塗り落とし(水平に)、バーの下の紙を露出させた。次に写真を撮影し、図2として再現した。
実施例5-展延能力/湿潤能力
【0124】
ゲル1、ゲル2、ゲルC1、及びゲルC2のそれぞれを紙に分配し、1~2分間静置し、次いで、フィルムアプリケータ/ドローダウンバーを使用して紙から塗り落とした。各場合で試料を紙全体から塗り落とし(水平に)、バーの下の紙を露出させた。次に写真を撮影し、図3として再現した。
【0125】
この実施例は、本発明によるゲル(ゲル1及びゲル2)を示し、炭化水素及びアルコール(ゲルC1及びゲルC2)で作製されたゲルと比較して優れた湿潤特性を示す。したがって、皮膚/毛髪/身体ケア製品をより良好に浸透させ、更に皮膚の小孔に浸透させること、並びに皮膚/毛髪中及び皮膚/毛髪上に活性成分のより良好な付着をもたらし、ひいてはより良好な有効性をもたらす。更に、優れた湿潤特性は、改善された展延性をもたらし、ひいてはパーソナルケア製品の皮膚との接触面積の増加をもたらすことができる。これらの改善された湿潤性及び展延性特性により、従来の製品と同等物を得る目的を可能にするが、製品の投与量/量をより少なくすることができる。
実施例6-起泡能力
【0126】
ゲル1、ゲル2、ゲルC1、及びゲルC2のそれぞれを発泡特性について評価した。次に写真を撮影し、図4として再現した。
【0127】
この試験の結果は、本発明に従って形成されたゲル(ゲル1及びゲル2)が、発泡作用が始まる前に皮膚/頭皮上での製品のより良好な展延を可能にする利益を含み、並びに非常に有利な予想外の遅延後発泡作用を示すことを示す。加えて、この特性は、より高い粘度を有する製剤の運搬及び定着を可能にし、ひいては、炭化水素アルコールで作製され
たフォームと比較して、改善された(例えば、クッション性)感触を提供する利益を有し、これは皮膚/頭皮上に本質的に瞬間的に薄い泡状生成物を生成するという欠点を有する。遅延発泡特性はまた、製品が長時間にわたって継続的に作業し続けるという視覚的指標を使用者に提供するという利点を有することができる。
実施例7-冷却寿命
【0128】
ゲル1及びゲルC1のそれぞれを紙に分配し、30分間静置し、適用後0分、12分、25分、及び30分後に赤外写真を撮影した。これらの写真は、図5として提供される。これらの画像は、適用後の時間の関数としての、暗領域(色写真に着色された紫色)の存在によって示される、これらの画像、明らかには、適用後30分後に、冷却効果は、本発明のゲルに従って継続し、一方、以前に使用された炭化水素(イソペンタン)で作製されたゲルは、12分後には冷却効果が低下し、冷却は約25分後に実質的に停止したことを明らかに示す。
実施例8A-冷却寿命
【0129】
ゲル1、ゲルC1、及びゲルC2のそれぞれを、周囲条件(約72F)下で紙上に分配し、40分間静置し、適用後0分、10分、20分、及び40分後に赤外線写真を撮影した。これらの写真は、図6として提供される。これらの画像は、適用後の時間の関数としての、暗領域(色写真に着色された紫色)の存在によって示される、これらの画像、明らかに、適用後から40分もの長い間、冷却効果は、本発明のゲルによって継続し、一方、以前に使用された炭化水素(イソペンタン)で作製されたゲルでは、20分後に冷却効果が低下し、冷却は40分で実質的に停止したことを明らかに示す。
【0130】
ゲル1及びゲルC2のそれぞれについて、適用されるゲルの重量(初期適用重量)が決定される。次いで、5分、10分、15分、20分、及び25分の塗布後の紙に残った量の重量を測定した。 結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0131】
上記表1に報告された結果は、ゲル1は、等重量のイソペンタンが紙を離れる速度よりもはるかに遅い速度で紙を離れるという点で、本発明による驚くべき予想外の利点を示す。出願人は、いかなる特定の動作理論にも拘らず、又はいかなる特定の動作理論にも束縛されるものではないが、この予想外の結果は、本発明のゲルによって提供される冷却効果の予想外の寿命に少なくとも部分的に寄与していると考えられる。この結果は、1233zd(E)の沸点がイソペンタンの沸点よりも低いことを考慮すると、特に予想外である。
実施例8B-冷却寿命
【0132】
ゲル2、ゲルC1、及びゲルC2のそれぞれを、周囲条件(約72F)下で紙上に分配し、適用されたゲルの重量(初期適用重量)が測定される。次いで、適用後の時間5分、10分、15分、20分、及び25分における紙に残ったゲルの量を重量で測定した。結果を以下の表2に示す。
【表2】
実施例9-1233zd発泡剤
【0133】
97重量%のクレンザー基剤及び3重量%の1233zd(E)を含む自己発泡性ゲル(シャワーゲル及び他のパーソナルケアクレンザーとしての使用に好適)を形成した。この製剤は、本明細書においてゲル9と称される。
実施例10-1233zd発泡剤
【0134】
90重量%のクレンザー基剤及び10重量%の1233zd(E)を含む自己発泡性ゲル(シャワーゲル及び他のパーソナルケアクレンザーとしての使用に好適)を形成した。この製剤は、本明細書においてゲル10と称される。
実施例11-冷却寿命
【0135】
ゲル9、ゲル1(6% 1233zd(E))及びゲル10のそれぞれを紙に分配し、50分間静置し、適用後0分、10分、30分、及び50分後に赤外線写真を撮影した。これらの写真は、図7として提供される。取り付けられたデータは、それぞれの場合では、色紫色は、適用後30分でさえも冷却効果を示すため、3、6及び10%のそれぞれにおいて、1233zd(E)の濃度に関して本発明によって冷却寿命が生じることを示す。加えて、更に予想外に、データは、冷却効果が、最初に、及び適用後10分で、3~6%の(濃いダークな紫色によって示されるように)の濃度範囲で好ましいように増強され、更に、約3~6%の濃度では50分においてさえいくらかの冷却効果が継続し、一方、約10%の濃度では、冷却効果は実質的に消散されることを示す。
比較例3-発泡剤なし
【0136】
比較例1と同じクレンザー基剤を100%含むゲル、すなわち発泡剤を含まないゲルを形成する。この製剤は、本明細書においてゲル-C3と称される。
【0137】
比較例4-1% 1233zd(E)発泡剤
【0138】
99重量%のクレンザー基剤と1重量%の1223zd(E)とを含むゲルを形成した。この製剤は、本明細書において、1% 1233zd(E)を超える製剤と比較するため、ゲルC4と称される。
実施例12-冷却寿命
【0139】
ゲル-C3(すなわち、0% 1233zd)、ゲル-C4ゲル1(すなわち、1%
1233zd)、ゲル9(3% 1233zd)、ゲル1(6% 1233zd)、及びゲルC1(10% 1233zd)のそれぞれ2グラムずつをヒト被験者の前腕内側に分注し(周囲温度72°Fで)、皮膚上に円形で本質的に同時に及び同じ方法で擦り付け塗布し、30分間静置し、0分、10分、20分、及び30分後に赤外線写真を撮影した。これらの写真は、図8に提供される。
【0140】
この実施例12に基づいて、冷感の例外的かつ予期せぬ寿命が、1233zdの1重量%超~約10重量%未満の濃度で提供されると結論付けられる。これらの濃度で生成される最も暗い色によって上の写真シリーズに示されるように、約3%~約6%の濃度で、最も予想外かつ最も優れた結果をもたらす。使用者への刺激又は否定的な感覚は生じなかった。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
ヒトの皮膚、毛髪、及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)(i)1つ以上の活性成分と、(ii)所望により、1つ以上の補助ゲル、ローション又はクリーム形成成分と、(iii)トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むフォーム形成成分とを含むゲル、ローション、又はクリームの形態のパーソナルケア組成物を提供する工程と、
(b)前記ゲル、ローション、又はクリームを、処置されている前記ヒトの前記皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜上にかつ/又は中に展延する工程と、
(c)前記ゲル、ローション、又はクリームを、送達中並びに/又は前記皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜と接触している間に、前記ゲル、ローション、又はクリームから前記トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を蒸発させることによって、発泡させる工程と、を含む、方法。
[2]
前記パーソナルケア組成物が、1つ以上の補助ゲル、ローション、又はクリーム形成成分を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記発泡工程が、前記ゲル、ローション、クリーム、及び/又はフォームを、前記処置されているヒトの前記皮膚、毛髪及び/若しくは粘膜の上にかつ/又は中に展延することを含み、前記展延が、前記1233zd(E)の前記蒸発のためのエネルギーを提供する、[1]に記載の方法。
[4]
前記パーソナルケア組成物が、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を更に含む、[1]に記載の方法。
[5]
ヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置するためのパーソナルケア製剤であって、
(a)ヒトの前記皮膚及び/又は毛髪及び/又は粘膜に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(b)所望により、1つ以上の補助ゲル、ローション、又はクリーム形成成分と、
(c)約1重量パーセント~約50重量パーセントの、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))を含むフォーム形成成分であって、前記重量百分率は前記製剤中の成分(a)、(b)及び(c)の合計に基づく、フォーム形成成分と、を含むゲル、ローション、クリームなどを含む、パーソナルケア製剤。
[6]
前記フォーム形成成分が、前記1233zd(E)及びトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze(E))を含む、[5]に記載のパーソナルケア組成物。
[7]
前記1234ze(E)の前記1233zd(E)に対する重量比が、約90:10~約50:50である、[6]に記載のパーソナルケア組成物。
[8]
前記フォーム形成成分が、前記パーソナルケア組成物中の前記成分の重量に基づいて、約3重量パーセント~約6重量パーセントの前記1233zd(E)から本質的になる、[5]に記載のパーソナルケア組成物。
[9]
パーソナルケアゲル、ローション、クリーム又はフォームでヒトの皮膚、毛髪及び/又は粘膜を処置する方法であって、
(a)中の内容物を分配するように開放可能な閉鎖容器を提供する工程であって、前記閉鎖容器が内部に、エマルション及び/又は分散液の形態のパーソナルケア製剤であって、
(i)ヒトの前記皮膚及び/又は毛髪に有益な効果を提供するための1つ以上の活性成分と、
(ii)所望により、1つ上の補助ゲル、ローション、又はクリーム形成成分と、
(iii)フォーム形成成分であって、前記成分(i)、(ii)及び(iii)の総重量に基づいて、約30重量パーセント~約50重量パーセントの量で存在し、
(1)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約5重量パーセント~約100重量パーセントのトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))、並びに所望により
(2)成分(1)及び(2)の合計に基づいて、約50重量パーセント~約95重量百分率の、前記1233zd(E)とは異なる共発泡剤、を含む、フォーム形成成分と、
(iv)所望により、前記パーソナルケア組成物を前記容器から排出するに役立つ力を提供するための外部噴射剤と、を含むパーソナルケア製剤を含む、提供する工程と、
(b)前記パーソナルケア製剤を前記容器から噴射することによって、前記パーソナルケア製剤を前記容器から分配する工程と、
(c)前記分配されたパーソナルケア製剤を前記皮膚、毛髪及び/又は粘膜に適用する工程と、
(d)前記分配工程後に、前記適用されたパーソナルケア組成物から前記トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd(E))の少なくとも一部を蒸発させることによって、前記処置されているヒトに冷感を提供する工程と、を含む、方法。
[10]
前記分配工程が、前記パーソナルケア製剤の発泡を開始する、[9]に記載の方法。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8