(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】車両、特に鉄道車両の空気供給システムの特性量を監視および測定するための監視および測定装置ならびに方法
(51)【国際特許分類】
B60T 17/22 20060101AFI20241016BHJP
B60T 17/00 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
B60T17/22 Z
B60T17/00 B
(21)【出願番号】P 2023509747
(86)(22)【出願日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021071213
(87)【国際公開番号】W WO2022033880
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】102020210176.0
(32)【優先日】2020-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503159597
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア シーネンファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Schienenfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80,D-80809 Muenchen,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヴィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】アヌアル グマティ
(72)【発明者】
【氏名】マーク-オリヴァー ヘアデン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン リナー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン シュミート
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー キルマイヤー
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00263669(EP,A2)
【文献】特開2011-149758(JP,A)
【文献】特開2007-223589(JP,A)
【文献】特開昭55-035996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 17/22
B60T 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の空気供給設備用の監視および測定装置(1)であって、前記監視および測定装置(1)には、
圧縮空気を供給するように適合されたコンプレッサ(2)と、
前記コンプレッサ(2)
と直接接続可能に配置されている所定の体積体(3,3a,3b)と、
前記所定の体積体(3,3a,3b)の
直後に配置されている遮断弁(4,4a,4b)と、
前記コンプレッサ(2)と前記遮断弁(4,4a,4b)との間の圧力管路(L)の任意の位置に設けられておりかつ前記所定の体積体(3,3a,3b)において上昇する圧力を測定するように構成されている圧力センサ(5,5a,5b)と、が含まれて
おり、
前記コンプレッサ(2)と前記遮断弁(4,4a,4b)との間の圧力管路(L)には前記所定の体積体(3,3a,3b)が1つだけ設けられており、
前記所定の体積体(3)は、空気乾燥装置(3a,3b)の体積であり、前記弁(4)は、あらかじめ設定された目標圧力に達した以降、開くように構成されている圧力リリーフ弁である、
監視および測定装置(1)。
【請求項2】
さらに、前記圧力センサ(5)の信号に基づき、充填時間(ΔtFuell)にわたり、前記所定の体積体(3,3a,3b)において圧力変化(Δp)を特定するように適合されている計算ユニット(7)を有する、請求項1記載の監視および測定装置(1)。
【請求項3】
前記計算ユニット(7)はさらに、前記所定の体積体(3)に流れる空気流の体積流量を特定するように適合されている、請求項2記載の監視および測定装置(1)。
【請求項4】
前記計算ユニット(7)はさらに、瞬時の前記圧力変化(Δp)が、あらかじめ定めた範囲内にないか、または前記圧力が非線形に変化する場合にアラーム信号を出力するように構成されている、請求項2または3記載の監視および測定装置(1)。
【請求項5】
切換弁(6)により、選択的に第1空気乾燥装置(3a)または第2空気乾燥装置(3b)は、前記コンプレッサ(2)に
直接接続可能であり、所定の体積体(3)として機能し、前記第1空気乾燥装置(3a)の下流に第1弁(4a)が設けられており、前記切換弁(6)と前記第1弁(4a)との間に第1圧力センサ(5a)が設けられており、前記第2空気乾燥装置(3b)の下流に第2弁(4b)が設けられており、前記切換弁(6)と前記第2弁(4b)との間に第2圧力センサ(5b)が設けられている、請求項
1から4までのいずれか1項記載の監視および測定装置(1)。
【請求項6】
前記第1弁(4a)および前記第2弁(4b)は、あらかじめ設定された目標圧力に達した以降、開くように構成されている圧力リリーフ弁である、請求項
5記載の監視および測定装置(1)。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の監視および測定装置(1)を用いて、車
両の空気供給システム(L)の特性量を監視および測定する方法であって、前記方法には、次のステップ、すなわち、
a)圧力センサ(5)を用いて、
コンプレッサ(2)の直後に配置されている所定の体積体(3)における圧力を測定するステップと、
b)コンプレッサ(2)によって供給される圧縮空気を前記所定の体積体(3)にポンピングするステップと、
c)充填時間(ΔtFuell)にわたり、前記所定の体積体(3)における圧力変化(Δp)を特定するステップと、
d)前記圧力変化(Δp)が、あらかじめ定めた、好適には線形の経過を有するか否かを調べるステップと、が含まれている、方法。
【請求項8】
さらに次の別のステップ、すなわち、
e)ステップd)において前記圧力変化(Δp)のあらかじめ定めたまたは線形の経過が特定されない場合にアラーム信号を出力するステップを有する、請求項
7記載の方法。
【請求項9】
前記所定の体積体(3)は、空気乾燥装置(3a,3b
)である、請求項
7または
8記載の方法。
【請求項10】
さらに前記所定の体積体(3)に流れる空気流の体積流量を特定する、請求項
7、
8または
9のいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明によって扱われるのは、車両、特に鉄道車両の空気供給システムの特性量を監視および測定するための監視および測定装置ならびに方法である。
【0002】
鉄道車両における空気供給設備には、さまざまな容器およびタンク、コンプレッサ、乾燥装置、弁、管路ならびに別の部品が含まれている。鉄道車両における空気供給は特に、ブレーキシステムに圧縮空気を供給するのに重要である。
【0003】
空気供給設備におけるエラーおよび損傷、例えば、漏れ、ピストンリングの摩耗、弁破壊または別の欠陥等は、多くの場合に空気供給システムの吐出性能の低下を生じさせるが、同時に全体的な故障を生じてしまうことはない。
【0004】
このような障害は多くの場合に直ちに気づかれることはなく、これにより、欠陥を有する設備を引き続いて動作させることができ、このことは、重大な結果的損傷、例えばブレーキシステムの故障または不均衡な摩耗を生じさせてしまうことがある。
【0005】
従来技術では、さまざまな箇所で圧力を測定することができる、鉄道車両の空気圧設備用の監視システムが既知である。このような監視システムにはしたがって、コストのかかる測定装置かまたは繁雑な測定装置のいずれかが装備されており、これらの測定装置は、管路において伝送される空気量の体積流量を直接測定するか、または車両全体のコンポーネントの充填時間を用いて、空気供給システムの吐出性能を表すことが試みられる。しかしながらこの際には、車両全体を所定の動作状態にしなければならず、容器圧力が対応して既知でなければならず、またすべての消費装置をオフにしなければならないが、これは実際には実現が困難であるという問題が発生する。
【0006】
別の問題は、機関車牽引式列車(例えば、対応する機関車を備えた旅客車、貨車等)も現代の動力車も必要に応じて連結および連結解除され、これにより、空気供給システムのコンポーネントのさまざまな全体体積体が存在することである。したがって、従来技術の方法にしたがってコンプレッサの吐出性能を特定するためには、また漏れおよび別のエラーを検出するためには、変化する全体体積を考慮しなければならないが、この全体体積は、測定するのが極めて繁雑になってしまい、またこのことは、容易にエラーを生じてしまうことになり得る。
【0007】
したがって、本発明の課題は、鉄道車両の空気供給システムの機能についての信頼性が高くかつ実現容易な監視および測定装置と、対応する方法とを提供することである。
【0008】
この課題は、請求項1記載の監視および測定装置によって、ならびに請求項8記載の、空気供給システムの特性量を監視および測定する方法によって解決される。別の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
【0009】
車両、特に鉄道車両の空気供給システム用の、本発明による監視および測定装置には、圧縮空気を供給するように適合されたコンプレッサと、コンプレッサの下流に配置されている所定の体積体と、同様に所定の体積体の下流に配置されており、かつ所定の体積体を遮断して、空気が漏れ出ることがないようにするか、またはこれを開放して周囲または別の車両コンポーネントとの圧力交換が行われ得るように構成される遮断弁と、が含まれている。本発明による監視および測定装置にはさらに、コンプレッサと遮断弁との間の圧力管路の任意の位置に設けられておりかつ所定の体積体において形成される圧力を測定するように構成されている圧力センサが含まれている。
【0010】
極めて複雑でありかつ多くの消費装置が接続されている全体システムにおける圧力測定と比較して、本発明により、特に定期的にかつ自動的にも行うことができる、比較的容易でありかつ信頼性が高い監視を選択することができる。このためにはまた、ただ1つの圧力センサだけが必要である。したがって充填時間中の圧力変化は、空気供給システム内で、比較的小さいが明瞭に定められる体積体において測定される。所定の体積体は、変化もせず、一定のままであり、後続の計算に対して一定である。したがってこの測定は、空気供給システムに接続されているどの消費装置にも依存しない。
【0011】
監視および測定装置は好適にはさらに、圧力センサの信号に基づいて、所定の体積体における、充填時間にわたる圧力変化を特定するように適合されてように適合されている計算ユニットを有し、これは極めて容易かつコスト的に有利に実現可能である。
【0012】
さらに好適には、計算ユニットは、所定の体積体に流れる空気流の体積流量を特定するように適合されている。本発明によると、体積流量測定には特別な体積流量センサは必要ではなく、体積流量は、所定の体積体における、時間にわたる圧力変化だけを用いて計算される。このためには、圧力センサで十分である。時間にわたり、所定の体積体において形成される圧力により、体積流量を計算によって特定することができる。万一空気供給システムに漏れがある場合には、吐出性能が小さくなり得るため、体積流量には減少が生じ得る。
【0013】
全体体積流量は、圧縮空気が充填される時間によって除算される、所定の体積体に流れる空気体積の差分である。したがって、圧力上昇の変化、すなわち圧力変化は、体積流量と直接に関係し、圧力変化は、時間にわたって測定される圧力差分の商から得られる。次いで、体積流量は、測定された圧力変化を介して計算可能である。このために所定の車両状態を形成する必要なく(したがって、例えば、圧縮空気のそれぞれの消費装置のオフ)、吐出性能、したがって体積流量を測定するための複雑な測定装置も不要であり、したがって体積流量は、計算によって特定可能である。
【0014】
さらに好適には、計算ユニットはさらに、瞬時の圧力変化が、あらかじめ定めた範囲内にないか、または圧力が非線形に、したがって、例えば跳躍的に降下するかまたは非線形に上昇する場合にアラーム信号を出力するように構成されている。圧縮空気を十分な量で供給することが、空気供給設備の主たる課題であるため、エラーは、吐出性能に直接に作用することになるが、本発明によるシステムによってこのエラーを識別することができる。これにより、重大なエラーを回避するための診断能力および可能性を格段に向上させることができ、車両における付加的なテストおよび測定の手間が、不要であるかもしくは良好に自動化可能である。
【0015】
さらに好適には、上記の所定の体積体は、空気乾燥装置の体積である。これは、所定の体積体として使用するのに適切である。というのは、空気乾燥装置の体積は、既知であり、さらにシステムにおける消費装置(例えば、ブレーキ、エアコンディショナー)の瞬時の消費量には依存しないからである。すなわち、空気乾燥装置は基本的に、弁によって列車の残りの空気圧システムから切り離されている。したがって、明確に定められる体積が存在する。
【0016】
実践的には複数の空気乾燥装置が並行して使用されるため、別の好ましい実施形態では、切換弁によって選択的に第1空気乾燥装置および第2空気乾燥装置とコンプレッサとを接続することができ、2つの空気乾燥装置が、所定の体積体として機能することができる。この場合、第1空気乾燥装置の下流に第1弁が設けられ、切換弁と第1弁との間には第1圧力センサ(第1空気乾燥装置の圧力を測定するようにされている)が設けられており、第2空気乾燥装置の下流に第2弁が設けられ、切換弁と第2弁との間には第2圧力センサ(第2空気乾燥装置の圧力を測定するようにされている)が設けられている。
【0017】
2つの空気乾燥装置については既知の体積および既知の出口圧力を定めることができるため、この圧力測定は、空気乾燥設備の既存のシステムに容易に組み込むことができる。
【0018】
さらに好適には、第1弁および第2弁(ただ1つの弁が設けられている場合には第1弁だけ)は、あらかじめ設定した目標圧力の範囲以降で空気流を通過させる圧力リリーフ弁である。
【0019】
重要な利点は、システムが容易に実施できることであり、1つまたは2つの圧力センサにより、容易でありかつ信頼性が高い監視を定期的かつ自動的に実行することができる。空気乾燥装置は、この圧力リリーフ弁により、列車の残りの空気圧システムから切り離されているが、特定の設定圧力に到達した際には、これらの弁が開き、車両への接続が形成され、圧力変化の測定を自動的に終了することができる。したがって、圧力リリーフ弁の設定圧力のレベルで内部圧力上昇を測定することが可能であり、この圧力に達するまで、閉じ込められかつつねに同じままの体積が常時得られる。これにより、時間が節約される。というのは、別の容器に圧縮空気を充填する必要がなく、このために上記の空気乾燥装置または2つの空気乾燥装置を使用できるからである。
【0020】
空気供給システムを監視するため、および車両、特に鉄道車両の空気供給システムの特性量を測定するための本発明による方法には、次のステップ、すなわち、
a)圧力センサを用いて、所定の体積体における圧力を測定するステップと、
b)コンプレッサによって供給される圧縮空気を所定の体積体にポンピングするステップと、
c)充填時間(ΔtFuell)にわたり、所定の体積体における圧力変化(Δp)を特定するステップと、
d)圧力変化(Δp)が、あらかじめ定めた、好適には線形の経過を有するか否かを調べるステップと、が含まれている。
【0021】
圧力変化の突然の変化(したがって、例えば、圧力上昇の線形でない経過、または圧力降下であってもよい)は、漏れ、弁のエラーまたはピストンリングの摩耗を示す。この場合にこの異常は直ちに明らかになり、エラーとして通知されることが可能である。
【0022】
したがって、好適には、この方法においてさらにステップe)が設けられており、ステップe)では、ステップd)において圧力変化または体積流量の線形の経過が特定されない場合にアラーム信号を出力する。
【0023】
好適には、本発明による方法において、空気乾燥装置の体積は、所定の体積体であり、したがって測定方法は、空気供給システムの限定された部分に容易に組み込み可能であり、このシステムは、どの消費装置にも依存しない。この方法は、コンプレッサの吐出性能の数値を測定するためにも使用可能である。
【0024】
好適にはさらに、所定の体積体に流れる空気流の体積流量を特定する。これは、少なくとも1つの圧力センサだけによって行うことができ、これには、1つまたは複数の体積流量センサは不要である。
【0025】
以下では、添付の図面を用いて本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】時間にわたり、所定の体積体における圧力経過を示す線図である。
【0027】
図1には、本発明による監視および測定装置1が示されている。空気供給システムには、圧力管路Lによって所定の体積体3に接続されているコンプレッサ2が含まれている。所定の体積体3の下流には圧力センサ5が設けられており、さらに先の下流には遮断弁4が設けられている。したがってコンプレッサ2は、圧力管理Lを通して、所定の体積体3に空気を送り、所定の体積体3の出口は、遮断弁4によって閉じられている。圧力センサ5により、時間にわたり、全体システムにおける圧力が記録される。時間にわたる圧力変化を用いて特定することができるのは漏れの有無であり、また付加的には、圧力センサ5により、時間にわたり、所定の体積体3における圧力上昇が測定されることにより、圧縮空気における体積流量が測定される。圧力上昇の測定される変化は、ここから計算可能である体積流量に直接に関連している。圧力変化は、充填時間Δtfuellにわたる所定の圧力差分Δpの商から得られる。万一圧力変化が連続して線形でなく、場合によっては前に特定して記憶した経過に対応しないかまた変動する場合、漏れを推定することができる。
【0028】
図2には、時間tにわたり、所定の体積体3における圧力がプロットされている。圧力経過が線形である場合、下の圧力境界と上の圧力境界との間で圧力が線形に上昇し、この場合に圧力差分Δpが、充填時間Δtfuellにわたって測定可能である。
【0029】
図3には、本発明の第2実施形態の回路図が示されている。この実施形態では、所定の体積体は、2つの空気乾燥装置3aと空気乾燥装置3bとに分けられている。コンプレッサ2からの空気は、切換弁6に導かれ、この切換弁6は、第1空気乾燥装置3aと第2空気乾燥装置3bとの間もしくはこれらに対応する圧力管路L1と圧力管路L2との間で切換可能である。第1空気乾燥装置3aおよび第2空気乾燥装置3bの後ろにはそれぞれ、第1圧力センサ5aおよび第2圧力センサ5bが配置されている。次いで、圧力センサ5aおよび圧力センサ5bの後ろにはそれぞれ、圧力リリーフ弁4aおよび圧力リリーフ弁4bが配置されており、この圧力リリーフ弁は、設定した圧力値以上で開き、消費装置に空気を送出することができる。換言すると、特定の設定圧力に達してはじめて、車両への接続が形成される。しかしながら、内部圧力上昇が、圧力リリーフ弁の設定圧力のレベルに達するまで、閉じ込められかつつねに同じままの体積が得られる。したがって、目下使用される空気乾燥装置3aまたは空気乾燥装置3bが、所定の体積体3として使用される。コンプレッサ2により、空気が供給され、第1圧力センサ5aまたは第2圧力センサ5bにより、圧力経過が記録される。それぞれの弁4aおよび弁4bのあらかじめ定めた設定圧力に達してはじめて、これらの弁が開き、測定が終わる。第1圧力センサ5aおよび第2圧力センサ5bの測定した圧力値は、計算ユニット7に転送される。コンプレッサ2をオフにすると、空気乾燥装置3aおよび空気乾燥装置3bは完全に空気が抜かれ、また目下動作しておらずかつ再生される空気乾燥装置3aおよび空気乾燥装置3bも完全に空気が抜かれる。空気が抜かれることによって保証されるのは、つねに同じ初期圧が存在することであり、これにより、信頼性の高い測定のためにつねに体積および初期圧が既知である。空気供給システムのオンと、空気乾燥装置3aと空気乾燥装置3bとの間の切り換えが定期的に行われるため、圧力変化の評価を定期的に、特に自動的に行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1 監視および測定装置
2 コンプレッサ
3 所定の体積体
3a 第1空気乾燥装置
3b 第2空気乾燥装置
4 弁
4a 第1弁
4b 第2弁
5 圧力センサ
5a 第1圧力センサ
5b 第2圧力センサ
6 切換弁
7 計算ユニット
ΔtFuell 所定の体積体についての充填時間
L,L1,L2 圧力管路
L 空気供給システム