(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】音響チャネル付きスマートグラス
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20241016BHJP
H04R 1/22 20060101ALI20241016BHJP
【FI】
H04R1/02 103Z
H04R1/22 310
H04R1/02 101B
(21)【出願番号】P 2023513767
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(86)【国際出願番号】 US2021048752
(87)【国際公開番号】W WO2022051426
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-03-22
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516201548
【氏名又は名称】ビュージックス コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Vuzix Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110003340
【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポーター,タイラー
(72)【発明者】
【氏名】オコナー,コディー
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0095299(US,A1)
【文献】米国特許第03809829(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0187465(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0179409(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0041821(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0064255(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00 - 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端と先端を有するテンプルアームと、
前記テンプルアームの基端に結合された光学システムと、
前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置されたスピーカと、
前記スピーカの周りに少なくとも部分的に配置され、バックボリュームを形成するコンパートメント
であって、少なくとも部分的に前記テンプルアームによって画成されるコンパートメントと、
前記テンプルアーム内に少なくとも部分的に配置され、前記スピーカと音響的に連通している通路と、
前記テンプルアームに配置され、前記通路と音響的に連通する1つ以上のオーディオポートと、
を備えたスマートグラス装置。
【請求項2】
前記1つ以上のオーディオポートが、着用者の耳介の前方で着用者の外耳道の上方に配置されるように構成される、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項3】
前記スピーカは、前記着用者の耳介の後方に配置されるように構成される、請求項2に記載のスマートグラス装置。
【請求項4】
前記通路は、前記1つ以上のオーディオポートの上方に少なくとも部分的に配置された傾斜面を含み、前記傾斜面は、前記1つ以上のオーディオポートに向かって音波を偏向させるように動作可能である、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項5】
さらに、前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置された電源を備え、前記電源は、前記コンパートメントに少なくとも部分的に配置される、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項6】
さらに、フロントボリュームと、前記フロントボリュームと前記通路との間に配置されたアパーチャと、備え、
前記フロントボリュームが第1の幅を有し、前記通路が第2の幅を有し、前記アパーチャが第3の幅を有し、前記第3の幅が前記第2の幅より小さい、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項7】
前記光学システムが平面導波路アセンブリを備え、前記平面導波路アセンブリは、画像担持光を入力結合し、前記画像担持光を全内部反射を介して伝播し、前記画像担持光を出力結合して、アイボックス内にバーチャル像を生成するように動作可能である、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項8】
前記スピーカは、前記通路の少なくとも一部と垂直な方向に振動するように動作可能なドライバを備える、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項9】
前記1つ以上のオーディオポートが、前記テンプルアームの基端に隣接して配置される、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項10】
前記1つ以上のオーディオポートが、前記テンプルアームの底面に配置される、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項11】
さらに、
基端と先端を有する第2テンプルアームと、
前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置された第2スピーカと、
前記第2スピーカの周りに少なくとも部分的に配置され、第2バックボリュームを形成する第2コンパートメントと、
前記第2テンプルアーム内に少なくとも部分的に配置され、前記第2スピーカと音響的に連通している第2通路と、
前記第2テンプルアームに配置され、前記第2通路と音響的に連通する第2オーディオポートと、
を備えた請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項12】
前記通路は少なくとも一部が音響ガイドによって画成され、前記音響ガイドは、フロントボリュームを少なくとも部分的に画成するスピーカプレートを有する、請求項1に記載のスマートグラス装置。
【請求項13】
基端と先端を有するテンプルアームと、
前記テンプルアームの基端に結合された光学システムと、
前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置されたスピーカと、
前記スピーカの周りに少なくとも部分的に配置され、バックボリュームを形成するコンパートメントと、
前記テンプルアーム内に少なくとも部分的に配置され、前記スピーカと音響的に連通している通路と、
フロントボリュームと、
前記フロントボリュームと前記通路との間に配置されたアパーチャと、
前記テンプルアームに配置され、前記通路と音響的に連通する1つ以上のオーディオポートと、
を備え、
前記フロントボリュームが第1の幅を有し、前記通路が第2の幅を有し、前記アパーチャが第3の幅を有し、前記第3の幅が前記第2の幅より小さい、スマートグラス装置。
【請求項14】
基端と先端を有するテンプルアームと、
前記テンプルアームの基端に結合された光学システムと、
前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置されたスピーカと、
前記スピーカの周りに少なくとも部分的に配置され、バックボリュームを形成するコンパートメントと、
前記テンプルアーム内に少なくとも部分的に配置され、前記スピーカと音響的に連通している通路と、
前記通路の少なくとも一部を画成する音響ガイドであって、フロントボリュームを少なくとも部分的に画成するスピーカプレートを有する音響ガイドと、
前記テンプルアームに配置され、前記通路と音響的に連通する1つ以上のオーディオポートと、
を備えたスマートグラス装置。
【請求項15】
前記スピーカはドライバを備え、前記音響ガイドが前記ドライバと前記フロントボリュームとの間に第1アパーチャを画成する、請求項14に記載のスマートグラス装置。
【請求項16】
基端と先端を有するテンプルアームと、
前記テンプルアームの基端に結合された光学システムと、
前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置されたスピーカと、
前記スピーカの周りに少なくとも部分的に配置され、バックボリュームを形成するコンパートメントと、
前記テンプルアーム内に少なくとも部分的に配置され、前記スピーカと音響的に連通している通路と、
前記テンプルアームに配置され、前記通路と音響的に連通する1つ以上のオーディオポートと、
を備え、
前記通路は、前記1つ以上のオーディオポートの上方に少なくとも部分的に配置された傾斜面を含み、前記傾斜面は、前記1つ以上のオーディオポートに向かって音波を偏向させるように動作可能である、スマートグラス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はスマートグラスに関し、より具体的にはスマートグラス装置におけるオーディオ出力に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の急速な進歩に伴い、モバイル装置 (ヘッドマウントディスプレイ、スマートグラス等) のメーカーは、移動の利便性を実現するために、より小さな形状でより優れた機能を追加するという課題に絶えず取り組んでいる。例えば、モバイル装置のすでに高度な機能を超えて、バーチャル表示に付随するオーディオ機能を備えたスマートグラス装置が求められている。
【0003】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、軍事、商業、工業、消防、娯楽などのさまざまな用途向けに開発されている。これらの用途の多くでは、オーディオ機能を提供することに特別な価値がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、組み込まれたスピーカと、オーディオドライバから離れて配置されたオーディオポートと、を有するスマートグラス装置を提供する。
【0005】
第1の例示的な実施形態において、本開示は、基端と先端を有するテンプルアームを含むスマートグラス装置を提供する。スマートグラス装置は前記テンプルアームの基端に結合された光学システムと、前記テンプルアームの先端に少なくとも部分的に配置されたスピーカを備えている。スマートグラス装置はまた、前記スピーカの周りに少なくとも部分的に配置されたコンパートメントを有し、このコンパートメントはバックボリュームを形成する。通路が前記テンプルアーム内に少なくとも部分的に配置されている。この通路は、前記コンパートメントと音響的に連通している。1つ以上のオーディオポートがテンプルアームに配置され、前記通路と音響的に連通している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面は、詳細な説明の一部として本明細書に組み込まれる。開示された図面は、ここで開示されている主題の実施形態を示しており、本開示の選択された原理および教示を示している。しかし、 図面はここで開示されている主題のすべての可能な実施形態を
示しているわけではなく、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態によるスマートグラス装置を示す。
【0008】
【
図2】本開示の一実施形態によるスマートグラス装置の斜視図である。
【0009】
【
図3A】
図2のスマートグラス装置の一部を右側から見た斜視図である。
【0010】
【
図3B】
図2のスマートグラス装置の一部を切り欠かれた状態で示す、右側からの斜視図である。
【0011】
【
図4】
図2のスマートグラス装置の一部と着用者の耳を、右側から見た斜視図である。
【0012】
【
図5】
図2のスマートグラス装置のオーディオチャネルの一部を、右側から見た斜視図である。
【0013】
【
図6】
図2のスマートグラス装置のオーディオチャネルの一部を、左側から見た斜視図である。
【0014】
【
図7】
図2のスマートグラス装置の一部を、左側から見た斜視図である。
【0015】
【
図8】
図2のスマートグラス装置の一部を断面にして上から見た斜視図である。
【0016】
【
図9】
図2のスマートグラス装置の一部を上から見た断面図である。
【詳細な説明】
【0017】
本発明は、明確に指定されている場合を除いて、様々な代替の向きおよびステップシーケンスを想定し得ることを理解すべきである。添付の図面に示され以下の明細書で説明される特定のアセンブリおよびシステムは、本明細書で定義される発明概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、開示された実施形態に関連する特定の寸法、方向、または他の物理的特性は、特に断りのない限り、限定と見なされるべきではない。また、そうでない場合もあるが、本明細書に記載の様々な実施形態における同様の要素は、同様の参照番号で共通に参照される。
【0018】
本明細書で使用される場合、「第1」、「第2」等の用語は必ずしも順序、順次または優先関係を示すものではなく、特に明記しない限り、単に1つの要素または要素の集合を他と明確に区別するために用いられる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「視者」、「操作者」、「観察者」、および「使用者(ユーザー)」という用語は均等と見なされ、電子装置を装着し及び/又は電子装置を用いて画像を見る人または機械を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「集合(set)」という用語は、要素又はメンバーの集まりをいう概念として初等数学で広く理解されているように、非空集合を指す。本明細書で使用される場合、「部分集合(subset)」という用語は、特に明記されない限り、非空の真部分集合、すなわち、1以上の要素を持つ、より大きな集合のうちの部分集合を指す。部分集合が全体集合Sを構成してもよい。しかし、集合Sの「真部分集合(proper subset)」は、集合Sに完全に含まれ、しかも集合Sの少なくとも1つのメンバーを除外したものを指す。
【0021】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、軍事、商業、産業、消防、娯楽などのさまざまな用途向けに開発されている。HMDは、HMDユーザーの視野内にある現実世界の像に視覚的に重ね合わせることができるバーチャルカラー画像を形成するように動作可能である。平面導波路とも呼ばれる光学的に透明な平行平板導波路は、多色または単色のプロジェクタシステムによって生成された画像担持光をHMDユーザーに伝送する。平面導波路は、画像担持光を狭い空間で伝送し、画像をHMDユーザーの瞳孔に向け、HMDユーザーの視野にある現実世界の像にバーチャル像を重ねることができる。
【0022】
画像光ガイドにおいて、コリメートされ相対的に角度的にエンコードされたカラー画像投射源からの光ビームは、インカップリング回折光学要素などのインカップリング光学要素によって光学的に透明な平面導波路内へと結合される。このインカップリング回折光学要素は、平面導波路の表面に取り付けられるか形成され、または導波路内に配置されている。このような回折光学要素は、回折格子、ホログラフィック光学素子として形成されるが、これらに限定されない。例えば、回折格子は、表面レリーフによって形成することができる。回折されたカラー画像担持光は、平面導波路に沿って伝搬した後、同様の出力格子によって、平面導波路外に戻すことができる。この出力格子は、1以上の方向に沿って瞳拡大を提供するように構成されている。さらに、1以上の中間回折光学要素(例えば回転格子等)を導波路に沿い光学的に入力格子と出力格子の間に配置して、1以上の方向の瞳孔拡大を提供することができる。平行平板導波路から出力された画像担持光は、視者に対して拡大されたアイボックス内にバーチャル像を提供する。
【0023】
実像を形成する方法とは対照的に、バーチャル像がディスプレイ面に形成されることはない。つまり、ディスプレイ面がバーチャル像を知覚する位置にあるとしたら、このディスプレイ面に像は形成されない。拡張現実表示において、バーチャル像表示には固有の利点が数多くある。例えば、バーチャル像の見かけの大きさはディスプレイ面の寸法や位置によって制限されない。さらに、バーチャル像のソースとなる対象物は、小さくすることができる。例えば拡大鏡が対象物のバーチャル像を提供する。実像を投影するシステムに比べて、ある程度離れたところにあるように見えるバーチャル像を形成することによって、よりリアルな視覚体験を提供することができる。また、バーチャル像を提供すれば、実像投影の場合には必要となるスクリーンアーチファクトを補正する必要が無くなる。本開示に記載の拡張現実(AR)スマートグラス装置は、そのバーチャル像機能に付随する組み込まれたオーディオ機能を提供する。
【0024】
図1に示すように、一実施形態では、拡張現実を見るために動作可能なディスプレイシステムは、スマートグラス10を含む。スマートグラス10は、少なくとも右テンプルアーム12と、処理ユニット14とを含む。処理ユニット14は、データおよびコンピュータプログラムを格納するように動作可能なメモリを有する。処理ユニット14はまた、コンピュータプログラムを実行するように動作可能である。スマートグラス10は、画像光ガイド22を有する右眼光学システム20を含む。スマートグラス10は、画像を生成するために動作可能な画像ソース24を含む。画像ソース24には、ピコプロジェクタ、マイクロLEDプロジェクタ、または同様のデバイス等があるが、これらに限定されない。スマートグラス10によって形成されるバーチャル像は、視者が画像光ガイド22を通して見る現実世界のシーンコンテンツに、重なるようにして見ることができる。拡張現実視覚化技術の当業者によく知られている追加の構成要素を装備してもよい。例えばシーンコンテンツを見るため及び/又は視者の視線を追跡するために、HMDのフレームに取り付けられた1つ以上のカメラを装備してもよい。
【0025】
図1~
図3Bに示すように、一実施形態では、右テンプルアーム12は、右眼光学システム20に隣接して配置された基端12Aと、基端12Aの反対側に配置された先端12Bとを含む。テンプルアームの先端12Bには、バッテリなどの電源16およびスピーカ18が配置されている。処理ユニット14は、電源16とスピーカ18に電気的につながっている。例えば、スピーカ18は、オーディオドライバを有する電気音響変換器であってもよい。
【0026】
図3A~
図4を参照すると、一実施形態では、スピーカ18は、電源16とテンプルアームの基端12Aとの間に配置されている。コンパートメント30は、電源16とスピーカ18の間に配置され、これら電源16とスピーカ18によって少なくとも部分的に画成される。別の実施形態では、コンパートメント30は、電源16によってではなく、テンプルアーム12の材料とスピーカ18によって画成されてもよい。コンパートメント30は、オーディオチャネル32と流体(例えば、空気)連通している。
【0027】
オーディオチャネル32は、テンプルアーム12の少なくとも一部を通って配置される。テンプルアーム12には1つ以上のオーディオポート34が配置されており、このオーディオポート34はオーディオチャネル32を介してスピーカ18と音響的に連通している。音波は、オーディオチャネル32内の空気を介して伝搬するように動作可能である。一実施形態では、オーディオポート34は、着用者の耳介50(外耳)のほぼ前方かつ着用者の外耳道52の上方に配置されている。これに対して、スピーカ18は、着用者の耳介50のほぼ背後または後方に配置される。一実施形態では、オーディオチャネル32は、スピーカ18と音響的に連通する概ね長方形の通路36を含む。コンパートメント30は密閉されたバックボリュームを形成する。他の実施形態では、通路36は、円形、楕円形、三角形等の断面形状を有するが、これらに限定されない。通路36はまた、オーディオポート34と音響的に連通している。1つ以上のオーディオポート34は、テンプルアーム12のほぼ底部に配置される。一実施形態では、オーディオチャネル32を通ってオーディオポート34まで伝播する音波の破壊的な干渉を低減するために、通路36は、音波をオーディオポート34に向けて偏向させるように配向された傾斜面38を含む。傾斜面38は、ほぼ水平方向に伝播してきた音波を、1つ以上のオーディオポート34に向かって、ほぼ垂直方向に偏向させる。音波54は、1つ以上のオーディオポート34を出て、着用者の外耳道52に入る。一実施形態では、スピーカ18は、オーディオドライバが通路36に対してほぼ垂直な方向に振動することができるように配置される。
【0028】
着用者の外耳道から離れたテンプルアーム12の先端12Bにスピーカ18を配置することにより、コンパートメント30は、テンプルアーム12のサイズに起因して着用者に不快感を与えることなく、スピーカ18の周りにバックボリュームを形成することが可能なサイズにすることができる。オーディオチャネル32は、テンプルアーム12の長さの少なくとも一部に沿って、スピーカ18からオーディオポート34に音波を送るように動作可能である。換言すれば、オーディオチャネル32は、スピーカ18の位置とは無関係に、オーディオポート34をテンプルアーム12に沿った任意の位置に配置することを可能にする。
【0029】
一実施形態では、フロントボリュームと通路36との間の境界は、アパーチャ40を画成する。アパーチャ40は第1の幅w1を有し、通路36は第2の幅w2を有し、第2の幅w2は第1の幅w1より大きい。一実施形態では、通路36は、アパーチャ40の最小幅から徐々に幅が増大する。一実施形態では、コンパートメント30は、アパーチャ40の最小幅から徐々に幅が増大する。
【0030】
図5、
図6、
図8を参照すると、一実施形態では、テンプルアーム12は音響ガイド60を含む。音響ガイド60は、オーディオチャネルの通路36の少なくとも一部を画成する。一実施形態では、音響ガイドは、スピーカプレート62に接続されたチャネルアーム35を含む。一実施形態では、音響ガイドのチャネルアーム35は、長方形の通路36の3つの面を形成し、テンプルアーム12の外側を向く部分は、長方形の通路36の第4の面を形成する。音響ガイドのスピーカプレート62は、コンパートメント30内に配置され、スピーカ18に当接するか、または結合される。スピーカプレート62およびテンプルアーム12の内側を向く部分は、少なくとも部分的にフロントボリュームを画成する。スピーカプレート62はアパーチャ64を含み、このアパーチャ64を介してスピーカ18のドライバがフロントボリュームと音響的に連通する。音響ガイド60は、スピーカプレート62とチャネルアーム35との間にアパーチャ41を画成する。アパーチャ41は、フロントボリュームと、アパーチャ40及び/又は通路36との間の流体連通を提供する。
図9に示すように、一実施形態では、スピーカ18によって生成された音波AW1は、フロントボリュームを通り、アパーチャ41、40を通って通路36内へと伝播する。
【0031】
一実施形態では、所定の圧力の音波をフィルタリングするように動作可能な音響材料がアパーチャ40に配置され、またはアパーチャ40に隣接して配置されている。一実施形態では、音波が実質的な影響なしに通過する音響的な透過材料が、1以上のオーディオポート34に配置され、またはこのオーディオポート34に隣接して配置され、ほこり、汚れ、液体、くずが通路36に入るのを防ぐ。
【0032】
一実施形態では、
図2に示すように、スマートグラス10は、基端13Aおよび先端13Bを有する左テンプルアーム13を含み、このテンプルアーム13は、右テンプルアーム12に関して説明されたように、第2のスピーカ18、オーディオチャネル32を含む。テンプルアーム12、13の各々にスピーカ18とオーディオチャネル32を有することにより、ステレオ音響が可能になる。
【0033】
本明細書に記載の実施形態の1つまたは複数の特徴を組み合わせて、図示されていない追加の実施形態を作成することができる。様々な実施形態を詳細に説明したが、それらは例として提示したものであり、限定するものではないことを理解されたい。開示された主題が、その範囲、精神、または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態、変形、および修正で具現化され得ることは、当業者には明らかであろう。したがって、上述の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、その均等の意味および範囲内にあるすべての変更が含まれることが意図されている。