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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】電子決済アプリ、および電子決済方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/04 20120101AFI20241016BHJP
【FI】
G06Q20/04 310
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024002010
(22)【出願日】2024-01-10
【審査請求日】2024-03-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼城 賢大
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 安代
(72)【発明者】
【氏名】岩井 研人
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-176044(JP,A)
【文献】特許第7348419(JP,B1)
【文献】特表2005-539327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末装置において動作し、決済サーバと協働して電子決済サービスを提供する電子決済アプリであって、
前記利用者端末装置のプロセッサに、
前記決済サーバと通信する通信処理と、
店舗情報を含むコード画像を読み取る処理と、
有効期限が設定されかつ電子決済サービスを利用できる店舗のうち予め設定された設定店舗で利用可能であり、単位ごとに所定の金額が定められており、且つ複数単位購入可能な電子的なバウチャーを用いた電子決済を行うときに利用者による前記バウチャーの何単位を消費するかの選択を受け付ける受付処理と、
前記決済サーバに前記バウチャーの消費する単位と、前記バウチャーの消費する単位と単位ごとの金額を乗じたバウチャー利用額とを送信して前記決済サーバへ前記電子決済のリクエストを送信する処理と、
利用者が前記電子決済において前記バウチャーを利用する操作を行った場合に、インターフェース画面を前記利用者端末装置の表示部に表示させる処理と、を実行させ、
前記インターフェース画面は、前記電子決済の支払い金額を入力するための入力欄と、前記バウチャーの単位ごとの金額を示す情報と、前記電子決済で利用する前記バウチャーを消費する単位を示す情報と、前記消費する単位に前記単位ごとの金額を乗じた金額を示す情報とを含む、
電子決済アプリ。
【請求項2】
前記インターフェース画面は、前記利用者が前記利用する操作によって選択した前記バウチャーの種別を示す情報と、前記バウチャーの利用可能額を示す情報とを含む、
請求項1に記載の電子決済アプリ。
【請求項3】
前記利用者端末装置のプロセッサに、
前記利用者が前記バウチャーを消費する単位を変更する操作を行った場合に、変更前の前記単位を示す情報を前記変更されたバウチャーを消費する単位を示す情報に変更し、変更前の前記乗じた金額を示す情報を前記変更された前記消費する単位に前記単位ごとの金額を乗じた金額を示す情報に変更する処理を実行させる、
請求項1または2に記載の電子決済アプリ。
【請求項4】
前記支払い金額が入力され、前記支払い金額および前記バウチャーを消費する単位を確定する操作が行われたことに応じて、前記決済サーバに前記バウチャーの消費する単位と、前記バウチャーの消費する単位に単位ごとの金額を乗じたバウチャー利用額と、前記支払い金額を送信して前記決済サーバへ前記電子決済のリクエストを送信する処理と、実行させる、
請求項1または2に記載の電子決済アプリ。
【請求項5】
前記利用者端末装置のプロセッサに、
前記利用者端末装置の表示部に表示させた前記電子決済において利用するバウチャーを選択させる画面において、前記電子決済で利用可能なバウチャーと共に、前記バウチャーの消費する単位と単位ごとの金額とを乗じたバウチャー利用額が、前記入力される支払い金額に対して不足する場合に、利用される他の支払い方法の情報を前記表示部に表示させる処理を、前記利用者が前記電子決済において前記バウチャーを利用する操作を行った場合に、前記インターフェース画面を前記利用者端末装置の表示部に表示させる処理の前に、実行させる、
請求項1または2に電子決済アプリ。
【請求項6】
利用者端末装置が、
決済サーバと通信する通信処理と、
店舗情報を含むコード画像を読み取る処理と、
有効期限が設定されかつ電子決済サービスを利用できる店舗のうち予め設定された設定店舗で利用可能であり、単位ごとに所定の金額が定められており、且つ複数単位購入可能な電子的なバウチャーを用いた電子決済を行うときに利用者による前記バウチャーの何単位を消費するかの選択を受け付ける受付処理と、
前記決済サーバに前記バウチャーの消費する単位と、前記バウチャーの消費する単位と単位ごとの金額を乗じたバウチャー利用額とを送信して前記決済サーバへ前記電子決済のリクエストを送信する処理と、
利用者が前記電子決済において前記バウチャーを利用する操作を行った場合に、インターフェース画面を前記利用者端末装置の表示部に表示させる処理と、を実行し、
前記インターフェース画面は、前記電子決済の支払い金額を入力するための入力欄と、前記バウチャーの単位ごとの金額を示す情報と、前記電子決済で利用する前記バウチャーを消費する単位を示す情報と、前記消費する単位に前記単位ごとの金額を乗じた金額を示す情報とを含む、
電子決済方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済アプリ、決済サーバ、電子決済方法、電子決済システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスにおいて電子的なバウチャーを付与し、バウチャーが使用できる店舗でバウチャーを使用して電子決済を実行する電子決済サービスがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許7348419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、バウチャー利用した電子決済を実行すると一度にバウチャーの利用可能額の全額を消費してしまい、ユーザの利便性が低下していた。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者の利便性を向上させることができる電子決済アプリ、決済サーバ、電子決済方法、電子決済システム、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、利用者端末装置において動作し、決済サーバと協働して電子決済サービスを提供する電子決済アプリであって、前記利用者端末装置のプロセッサに、前記決済サーバと通信する通信処理と、店舗情報を含むコード画像を読み取る処理と、有効期限が設定されかつ電子決済サービスを利用できる店舗のうち予め設定された設定店舗で利用可能であり、単位ごとに所定の金額が定められており、且つ複数単位購入可能な電子的なバウチャーを用いた電子決済を行うときに利用者による前記バウチャーの何単位を消費するかの選択を受け付ける受付処理と、前記決済サーバに前記バウチャーの消費する単位と、前記バウチャーの消費する単位と単位ごとの金額を乗じたバウチャー利用額とを送信して前記決済サーバへ前記電子決済のリクエストを送信する処理と、を実行させる電子決済アプリである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利用者の利便性を向上させることができる電子決済アプリ、決済サーバ、電子決済方法、電子決済システム、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】バウチャー情報178の一例を示す図である。
図8】バウチャーを用いた電子決済の大まかな流れの一例を示したシーケンス図である。
図9】ユーザスキャンによる電子決済を行う場合の決済アプリ20の表示の一例を示す図(その1)である。
図10】ユーザスキャンによる電子決済を行う場合の決済アプリ20の表示の一例を示す図(その2)である。
図11】バウチャーの自動適用をオンに設定した利用者が電子決済を行う場合の決済サーバ100の処理の一例を示すフローチャートである。
図12】バウチャーと他の決済方法を併用して電子決済を行う場合の決済サーバ100の動作の一例を示すフローチャートである。
図13】利用者が有効期限までの日数が近いバウチャーを所有している場合にバウチャーを自動適用する決済サーバ100の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の電子決済アプリ、決済サーバ、電子決済方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」、「管理装置」「情報提供装置」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、バウチャーID、端末決済方法、支払いの優先順位設定、優先順位1、優先順位2、カード決済方法、提携カード番号、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
バウチャーIDとは、バウチャーを特定可能な識別情報である。利用者情報172に記憶されるバウチャーIDと、後述するバウチャー情報178に記憶されるバウチャーIDとが紐づけられている。1人の利用者に複数のバウチャーIDが紐づけられていてもよい。バウチャー自動適用設定は、利用者が電子決済をする際に使用できるバウチャーがある場合において、バウチャーを自動的に適用し電子決済を行うか否かを示す内容を含む。更に、バウチャー自動適用設定には、バウチャーの金額が購入金額以下であった場合に併用する決済方法(併用決済方法)が含まれる。バウチャー自動適用設定は、利用者自身が設定することができる。併用決済方法は、電子決済サービスにおけるチャージ残高による決済と、クレジットカードによる後払い決済とのどちらか一方に設定される。
【0027】
支払いの優先順位設定は、利用者が電子決済の支払い方法の優先順位を設定しているか否かを示す情報である。支払いの優先順位設定が有効である場合、利用者が電子決済の支払い方法の優先順位を設定済みであることを示す。支払いの優先順位設定が無効である場合、利用者が電子決済の支払い方法の優先順位を設定していないことを示す。支払いの優先順位設定として、例えば、2つの支払い方法を設定することができる(優先順位1、2)。支払い方法は、例えば、チャージ残高による支払い、または後払いによる支払いとのどちらか一方に設定される。
【0028】
決済処理部130は、チャージ残高が一定額より下回る場合に、オートチャージを実行してもよい。利用者は、予めチャージ残高が一定額より下回る場合にオートチャージを実行するか否かを決済アプリ20上にて設定をする。例えば、1000円を下回った場合、5000円をオートチャージするという設定である。利用者情報172のオートチャージ設定が、有効であればオートチャージが実行可能になり、無効であればオートチャージは実行されない。決済処理部130は、電子決済を行いチャージ残高が更新される度にチャージ残高と一定額を比較し、チャージ残高が一定額より下回ると判断された場合オートチャージを実行する。決済処理部130は、オートチャージを実行すると、オートチャージした金額とチャージ残高を合計した最新のチャージ残高を利用者情報172に更新させる。
【0029】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0030】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0031】
バウチャー管理部150は、利用者が所有するバウチャーに関する情報を管理する。バウチャーに関する情報は、バウチャー情報178に記憶されている。バウチャー管理部150は、必要に応じてバウチャー情報178から情報を取得し、バウチャーを用いた電子決済が行われるたびに情報を更新する。
【0032】
バウチャーは、有効期限が設定されかつ電子決済サービスを利用できる店舗のうち予め設定された設定店舗で利用可能であり、単位ごとに所定の金額が定められており、且つ複数単位購入可能である。バウチャーは、1回の電子決済で使用できる単位数と単位ごとの金額が予め定めされており、例えば、1回の電子決済で500円のバウチャーが2枚まで使用できると決められている。所定の金額と使用できる単位数は、バウチャーごとに異なっており、発行元の事業者が決定する。
【0033】
図7は、バウチャー情報178の一例を示す図である。バウチャー情報178は、例えば、バウチャーの識別情報であるバウチャーIDに対して、単価、残枚数、最大使用枚数、有効期限、利用可能店舗、利用可能市区町村などの情報が対応付けられた情報である。単価は、バウチャーを1枚使用するごとに利用できる単価の金額である。残枚数は、残りのバウチャーの枚数である。最大使用枚数は、1回の電子決済で使用できる単位数である。有効期限は、バウチャーの使用ができる期限日を示したものである。利用可能店舗とは、バウチャーを使用できる店舗のことである。利用可能自治体とは、バウチャーの発行元が自治体である場合の利用可能店舗に相当する情報である。自治体は、都道府県単位であってもよいし、市区町村単位であってもよいし、商店街などの自主的な団体であってもよい。
【0034】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0035】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0036】
図8は、バウチャーを用いた電子決済の大まかな流れの一例を示したシーケンス図である。図2との相違点を中心に説明する。ユーザスキャンの場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S20)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S21)。
【0037】
次に、決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得する(S22)。次に、決済サーバ100は、ユーザに付与されたバウチャーのうち、当該店舗で利用可能なバウチャーを特定し(S22#)、上述したS22、S22#で得られた情報を決済アプリ20に送信する(S23)。
【0038】
利用者は、加盟店名や店舗名、利用可能なバウチャーが表示された画面において、バウチャーを選択し、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S24)。利用者端末装置10は、選択されたバウチャーの情報と入力された決済金額とを決済サーバ100に送信する(S25)。決済サーバ100は、バウチャーの使用金額や使用枚数などを示す使用情報を決済アプリ20に表示させる(S26)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額や承諾情報を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S27)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S28)。決済サーバ100は、例えば、バウチャーで利用可能な金額から決済金額を差し引いて電子決済を行う。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S29)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S30)。
【0039】
より具体的には、S26の処理において、利用者はバウチャーの利用する枚数(消費数)を最大使用枚数まで自由に選べることができる。利用者は、決済アプリ20の画面に表示されたバウチャーの情報を確認しながら、枚数を選択する。決済アプリ20は、バウチャーの枚数を選択されるごとにバウチャー利用額を計算し表示してもよい。利用者端末装置10は、利用者が選択したバウチャーの消費数とバウチャー利用額を含む電子決済に関する情報を決済サーバ100へ送信する。
【0040】
図9および図10は、ユーザスキャンによる電子決済を行う場合の決済アプリ20の表示の一例を示す図である。利用者が、利用者端末装置10を用いて店舗において提示された店舗識別情報を含む店舗コード画像60を読み取ると、決済サーバ100は、インターフェース画面IM1を決済アプリ20に表示させる。インターフェース画面IM1は、購入金額を入力することができる画面である。領域AR1の支払い方法が表示されている領域を選択する操作を行うと、インターフェース画面IM2が表示される。
【0041】
インターフェース画面IM2は、支払い方法を選択することができる画面である。利用者がバウチャーを使用したい場合に領域AR2にある「商品券」と表示されている箇所を選択する操作を行うと、決済サーバ100は、インターフェース画面IM3を決済アプリ20に表示させる。
【0042】
インターフェース画面IM3は、使用する商品券を選択することができる画面である。バウチャー管理部150は、バウチャー情報178から取得した利用者が所有している商品券の情報を領域AR3に表示させる。利用者が使用したい商品券が表示されている箇所を選択する操作行うと決済サーバ100は、インターフェース画面IM4を決済アプリ20に表示させる。
【0043】
図10のインターフェース画面IM4は、バウチャーを利用する単位額と、利用する枚数と、と単位額と利用する枚数を乗じたバウチャーの利用金額とを表示することができる画面である。領域AR4は、「商品券1枚の金額」、「商品券利用枚数」、「商品券利用金額」を表示する。「商品券1枚の金額」は、利用者がインターフェース画面IM3で選択した商品券の単価を表示する。「商品券利用枚数」は、例えば、上下の矢印が表示されており、利用者が矢印を操作して、枚数を選択することができる。「商品券利用金額」は、利用者の操作する「商品券利用枚数」に応じて、決済アプリ20が商品券の単価を乗じる計算を行い、金額を表示する。利用者が表示された内容を確認し、「次へ」を選択する操作を行うと、決済サーバ100は、インターフェース画面IM5を決済アプリ20に表示させる。
【0044】
インターフェース画面IM5は、購入金額が支払うべき金額として正しいか店舗が確認する画面である。利用者は、表示された金額が支払うべき金額として正しいと認識すると「支払う」を選択し、決済サーバ100は、インターフェース画面IM6を決済アプリ20に表示させる。インターフェース画面IM6は、支払い内容の詳細が確認できる画面である。利用者はバウチャーを利用して電子決済を行ったため、領域AR5には、「○○県△△町商品券 1000円」と表示されており、利用者が選択した商品券を1000円利用したことがわかる。領域AR6には、「○○県△△町商品券」と表示されており、バウチャーを利用した電子決済が実行されたことがわかる。
【0045】
利用者が、予め、利用者が事前にバウチャーを優先的に利用することを設定した場合、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から電子決済のリクエストを送信するときに、バウチャーを選択する操作をしなくてもバウチャーが自動適用される。例えば、図9のインターフェース画面IM1~IM3の操作が省略され、図10のインターフェース画面IM4の操作から開始するようになる。
【0046】
ストアスキャンによる電子決済の場合、第1店舗端末装置50は、決済アプリ20が表示したコード画像を読み取り、コード画像をデコードしてワンタイムコード等を取得する。第1店舗端末装置50は、そのワンタイムコードを含む決済情報を作成して決済サーバ100へ送信する。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、利用者を特定し、利用者がバウチャーを自動適用する設定をしている場合、バウチャーの情報を決済アプリ20に送信する。利用者が、決済アプリ20に表示されたバウチャーの情報を確認しながら、使用するバウチャーの枚数を選択し電子決済に同意すると、決済アプリ20は、決済情報と承諾情報を決済サーバ100へ送信する。決済サーバ100は、受信した決済情報と承諾情報に基づいて電子決済を行う。
【0047】
また、決済処理部130は、バウチャーを自動適用する場合、電子決済を行いたい店舗で利用できるバウチャーが複数ある場合は、バウチャー利用のみで電子決済を処理することができる金額(購入金額>バウチャー利用額)のバウチャーを優先的に適用する。決済処理部130は、バウチャー利用のみで電子決済を処理することができる金額(購入金額>バウチャー利用額)のバウチャーが複数ある場合は、有効期限が使用日に近いものを優先的に適用する。更に、決済処理部130は、同じ有効期限であるバウチャーが複数ある場合は、利用者に付与された日が早いバウチャーから利用するように自動適用する。
【0048】
決済処理部130は、有効期限までの日数が短いバウチャーを優先的に適用させ電子決済を行ってもよい。例えば、決済処理部130は、利用者が有効期限までの日数が3か月であるバウチャーと有効期限までの日数が6か月であるバウチャーを所有している場合、有効期限までの日数が3か月であるバウチャーを適用して電子決済を行う。決済処理部130は、対象として、有効期限までの日数が一定日数を下回ったバウチャーを対象にしてもよい。一定日数は、任意に定められてよい。
【0049】
決済処理部130は、利用者が有効期限までの日数が短い(例えば一定日数以下の)バウチャーを所有している場合のみ、バウチャーの自動適用を行うようにしてもよい。決済処理部130は、有効期限までの日数が短いバウチャーを所有していない場合は、バウチャーを用いた決済方法以外の決済方法を用いて電子決済を行う。
【0050】
決済処理部130は、バウチャーの使用金額と併用決済方法の利用可能額の合計が購入金額を下回る場合、もう一方の併用決済方法を更に併用することやオートチャージによってチャージ金額を増やすことを行い、電子決済を実行してもよい。
【0051】
決済処理部130は、電子決済における購入金額が、利用者によって選択されたバウチャーの消費数と単位ごとの金額を乗じた金額であるバウチャー利用額以上である場合、予め利用者が設定した決済方法であって、電子決済サービスにおけるチャージ残高またはクレジットカードによる後払い決済とのどちらか一方の決済方法を併用して電子決済を実行する。
【0052】
図11は、バウチャーの自動適用をオンに設定した利用者が電子決済を行う場合の決済サーバ100の処理の一例を示すフローチャートである。決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報を取得する(S100)。決済情報とは、店舗識別情報を含む利用者が行いたい電子決済の情報である。
【0053】
決済処理部130は、取得した店舗識別情報から、その店舗がバウチャーを使用できるか否かを判定する(S110)。バウチャーを使用できない店舗である場合、チャージ残高等を利用した電子決済を行う(S120)。
【0054】
S110の処理において、電子決済を行おうとしている店舗がバウチャーを使用できると判定した場合、決済処理部130は、利用者が有効なバウチャーを所有しているか否かを判定する(S130)。決済処理部130は、利用者が有効なバウチャーを所有していないと判定した場合、チャージ残高等を利用した電子決済を行う(S120)。
【0055】
決済処理部130は、利用者が有効なバウチャーを所有していると判定した場合、バウチャー管理部150を介してバウチャー情報178から、利用者が所有する有効なバウチャーの情報を取得し、決済アプリ20に表示させる(S140)。利用者は、表示されたバウチャーの情報を確認しながら、バウチャーの消費数を決定する。
【0056】
決済処理部130は、決済アプリ20からバウチャーの消費数とバウチャー利用額とを取得した場合(S150)、取得したバウチャー利用額よりも購入金額が上回るか否かを判定する(S160)。決済処理部130は、決済アプリ20からバウチャーの消費数とバウチャー利用額とを取得しなかった場合、S120の処理のバウチャー以外の決済方法を用いて電子決済を行う。
【0057】
S160の処理において、バウチャー利用額よりも購入金額が同一の場合、決済処理部130は、バウチャーを用いて電子決済を行う(S170)。バウチャー利用額よりも購入金額を上回る場合、決済処理部130は、バウチャーと他の決済方法を併用して電子決済を行う(S180)。この処理について図12を用いて説明する。
【0058】
図12は、バウチャーと他の決済方法を併用して電子決済を行う場合の決済サーバ100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、本フローチャートの処理は、オートチャージ設定を利用した処理を例示したものであるが、バウチャーを利用した電子決済においてオートチャージ設定を利用しないようにしてもよい。図12以降の図においては、バウチャー利用額を「VUA(Voucher Usage Amount)」、チャージ残高を「CB(Charge Balance)」、後払い利用可能額を「DP(Deferred Payment)」、オートチャージ額を「AC(Auto Charge)」、購入金額を「PA(Purchase Amount)」と表現する。利用者は、併用決済方法をチャージ残高による決済に設定し、支払い方法の優先順位をチャージ残高、後払いの順に設定し、オートチャージ設定を有効に設定しているものとする。
【0059】
決済処理部130は、バウチャー利用額とチャージ残高の合計額が購入金額より上回るか(VUA+CB>PA)否かを判定する(S200)。
【0060】
バウチャー利用額とチャージ残高の合計額が購入金額より上回る(VUA+CB>PA)場合、決済処理部130は、バウチャー利用額とチャージ残高を併用して電子決済を行う(S210)。バウチャー利用額とチャージ残高の合計額が購入金額を下回る場合、決済処理部130は、バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額の合計額が購入金額以上(VUA+CB+DP≧PA)であるか否かを判定する(S220)。
【0061】
バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額の合計額が購入金額以上である場合、決済処理部130は、バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額の合計額で電子決済を行う(S230)。バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額の合計額が購入金額を下回る場合、決済処理部130は、オートチャージを実行し、バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額とオートチャージ額の合計額が購入金額以上(VUA+CB+DP+AC≧PA)であるか否かを判定する(S240)。
【0062】
バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額とオートチャージ額の合計額が購入金額以上である場合、決済処理部130は、バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額とオートチャージ額の合計額で電子決済を行う(S250)。バウチャー利用額とチャージ残高と後払い利用可能額とオートチャージ額の合計額が購入金額を下回る場合、決済処理部130は、決済失敗とし、決済アプリ20にエラー通知を出力させる(S260)。S250の処理またはS260の処理のあと、本フローチャートの処理を終了し、図11のフローチャートに戻る。
【0063】
図13は、利用者が有効期限までの日数が近いバウチャーを所有している場合にバウチャーを自動適用する決済サーバ100の処理の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートとの差異を説明する。
【0064】
S110の処理において、電子決済をしたい店舗がバウチャーを使用できると判定された場合、決済処理部130は、利用者が有効期限までの日数が短いバウチャーを所有しているか否かを判定する(S130A)。決済処理部130は、利用者が有効期限までの日数が短いバウチャーを所有している場合、バウチャーの情報を決済アプリ20に表示させる(S140)。利用者は、バウチャーの情報を確認しながら、バウチャーの消費数を決定する。決済処理部130は、利用者が有効期限までの日数が短いバウチャーを所有していない場合、バウチャー以外の決済方法を用いて電子決済を行う(S120)。
【0065】
以上説明した実施形態によれば、単位ごとの所定の金額が定められており、且つ複数単位購入可能な電子的バウチャーを何単位ごとに消費するか決定して電子決済を実行することによりバウチャーを利用した複数回の電子決済を行うことができる。複数回の電子決済を利用者の決めた単位で行うことができることによって、ユーザの利便性を向上させる。また、バウチャーを複数回利用するために利用者の店舗への来店回数が増加し、特に高齢者などの外出機会を増やすことができる。
【0066】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0067】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100、100A 決済サーバ
120、120A 決済コンテンツ提供部
122A 表示制御部
130 決済処理部
140 情報管理部
【要約】
【課題】電子的バウチャーを何単位ごとに消費するか利用者によって指定した電子決済を行うことができる電子決済アプリ、決済サーバ、電子決済方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】決済サーバと協働して電子決済サービスを提供する電子決済アプリであって、利用者端末装置のプロセッサに、有効期限が設定されかつ電子決済サービスを利用できる店舗のうち予め設定された設定店舗で利用可能であり、単位ごとに所定の金額が定められており、且つ複数単位購入可能な電子的なバウチャーを用いた電子決済を行うときに利用者によるバウチャーの何単位を消費するかの選択を受け付ける受付処理と、決済サーバにバウチャーの消費する単位と、バウチャーの消費する単位と単位ごとの金額を乗じたバウチャー利用額とを送信して決済サーバへ電子決済のリクエストを送信する処理と、を実行させる電子決済アプリ。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13