(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-15
(45)【発行日】2024-10-23
(54)【発明の名称】地盤改良撹拌装置
(51)【国際特許分類】
E02D 3/12 20060101AFI20241016BHJP
【FI】
E02D3/12 102
(21)【出願番号】P 2024110879
(22)【出願日】2024-07-10
【審査請求日】2024-07-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000185972
【氏名又は名称】小野田ケミコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石井 敏樹
(72)【発明者】
【氏名】吉尾 健
(72)【発明者】
【氏名】竹山 幸生
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英治
(72)【発明者】
【氏名】近藤 佳宏
(72)【発明者】
【氏名】中路 大樹
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-222714(JP,A)
【文献】特開平8-302666(JP,A)
【文献】特開2006-336300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる管状の内側管と、
前記内側管と同軸に前記内側管の外周を取り囲み、回転不可能に固定された前記内側管に対して回転可能な管状の外側管と、
下端部に設けられた掘削部材、前記掘削部材の径方向外側部から上方に向かって延びる上延部材、及び、前記上延部材の内側面から前記内側管に向かって突設された撹拌翼を有し、前記外側管の下端部に設けられ、前記外側管の回転に伴い回転する掘削・撹拌部材と、
前記掘削部材と前記撹拌翼との上下方向の間に位置するように前記内側管から突設され、前記回転する掘削・撹拌部材との間に隙間を有する共回り防止翼と、を備えることを特徴とする地盤改良撹拌装置。
【請求項2】
前記内側管は、上端に液状体又はスラリー状体が供給される供給口を、下端に前記液状体又はスラリー状体を吐出する吐出口を有し、前記内側管の先端部は、前記掘削部材に形成された貫通孔の内部に位置することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良撹拌装置。
【請求項3】
前記掘削・撹拌部材は、前記上延部材と前記外側管の下部とを連結する連結部材を有することを特徴とする請求項1に記載の地盤改良撹拌装置。
【請求項4】
前記内側管の上部にて、前記外側管から露出する部分に設けられ、前記内側管に作用する回転トルクを検出する検出手段を備えることを特徴する請求項1に記載の地盤改良撹拌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤改良撹拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良工法として、掘削部材により掘削した土を撹拌翼によって地盤中で回転させて、スラリー状の固化材と土とを撹拌混合し、固結体(コラム)を地中内に造成することによって軟弱地盤の支持力などを増加させる機械撹拌工法がある。この工法において、掘削した土塊が撹拌翼と一体となって回転する共回り現象が発生することがある。共回り現象が発生すると、固化材と土との混合不良が生じて、不均質な固結体が造成され、所定の品質を得られないおそれがある。
【0003】
そこで、第1の共回り防止技術として、掘削部材及び撹拌翼が固定された外側管と別の撹拌翼が固定された内側管とからなる内外二重管を構成し、外側管と内側管とを相互逆回転させて、撹拌翼を相対的に逆回転させながら掘削を実施するにより共回り現象を防止することがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
第2の共回り防止技術として、掘削部材及び撹拌翼が固定された回転軸に、撹拌翼の半径より大きな半径を有する共回り防止翼を相対回転自在に設け、共回り防止翼の水平方向端部を掘削穴の内周壁に食い込ませて固定した状態で掘削を実施することにより、共回り現象を防止することがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3739620号公報
【文献】特開2022-015199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した第1の共回り技術においては、内側管と外側軸とを相対的に逆回転させる構成を設ける必要があり、システムが複雑化するという課題がある。
【0007】
第2の共回り防止技術においては、掘削の進行に伴って、共回り防止翼の水平端部を掘削孔の周辺地盤に対し係合させながら、鉛直下方向に貫入させる必要がある。そのため、特に硬質地盤である場合には、貫入が困難であると共に、共回り防止翼の破損が生じ得るという課題がある。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、システムの簡素化が可能であり、破損が生じ難い構成を有する、共回り現象を防止可能な地盤改良撹拌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の地盤改良撹拌装置は、上下方向に延びる管状の内側管と、前記内側管と同軸に前記内側管の外周を取り囲み、回転不可能に固定された前記内側管に対して回転可能な管状の外側管と、下端部に設けられた掘削部材、前記掘削部材の径方向外側部から上方に向かって延びる上延部材、及び、前記上延部材の内側面から前記内側管に向かって突設された撹拌翼を有し、前記外側管の下端部に設けられ、前記外側管の回転に伴い回転する掘削・撹拌部材と、前記掘削部材と前記撹拌翼との上下方向の間に位置するように前記内側管から突設され、前記回転する掘削・撹拌部材との間に隙間を有する共回り防止翼と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の地盤改良撹拌装置によれば、掘削部材が掘削した土が撹拌翼と共回りする共回り現象を、回転不可能に固定された共回り防止翼によって防止することができる。これにより、上述した第1の共回り防止技術と比較して、内側管を回転させる構成を設ける必要がないので、システムの簡素化を図ることが可能となる。また、上述した第2の共回り防止技術と比較して、共回り防止翼を固定するために、その水平方向端部を掘削穴の内周壁に食い込ませる必要がないので、共回り防止翼に破損が生じおそれを低減することが可能となる。
【0011】
本発明の地盤改良撹拌装置において、前記内側管は、上端に液状体又はスラリー状体が供給される供給口を、下端に前記液状体又はスラリー状体を吐出する吐出口を有し、前記内側管の先端部は、前記掘削部材に形成された貫通孔の内部に位置することが好ましい。
【0012】
この場合、固定された内側管を介して、掘削部材が掘削する部分に水などの液状体又は固化材などのスラリー状体を供給することが可能となる。また、上述した第1及び第2の共回り防止技術のように、回転可能な内側管又は回転軸を介して水や固化材などを供給ために必要なスイベル機構などの構成を設ける必要がないので、システムの簡素化を図ることが可能となる。
【0013】
また、本発明の地盤改良撹拌装置において、前記掘削・撹拌部材は、前記上延部材と前記外側管の下部とを連結する連結部材を有することが好ましい。
【0014】
この場合、掘削部材と撹拌翼との上下方向の間に共回り防止翼が位置し、かつ、共回り防止翼と干渉しない掘削・撹拌部材を、連結部材を用いて簡易に設けることが可能となる。
【0015】
また、本発明の地盤改良撹拌装置において、前記内側管の上部にて、前記外側管から露出する部分に設けられ、前記内側管に作用する回転トルクを検出する検出手段を備えることが好ましい。
【0016】
撹拌翼によって撹拌される撹拌土のせん断力は、共回り防止翼に回転トルクとして作用する。そのため、内側管に作用する回転トルクを介して共回り防止翼に作用する回転トルクを外側管から露出する部分に設けられた検出手段によって検出することにより、共回り現象の発生の有無を簡易に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る地盤改良撹拌装置を示す概略断面図。
【
図3】時間と回転センサの検出値及び深度との関係の一例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る地盤改良撹拌装置100について、
図1及び
図2を参照して説明する。地盤改良撹拌装置100は、主として、内側管10、外側管20、掘削・撹拌部材30、共回り防止翼40及び検出手段50を備えている。内側管10と外側管20とにより、二重管構造が構成されている。
【0019】
そして、内側管10及び外側管20は、掘削穴の深度に応じた本数が上下方向にそれぞれ接続される。そして、一番下の内側管10の下部に共回り防止翼40が、一番下の外側管20の下部に掘削・撹拌部材30が、一番上の内側管10の上部に検出手段50がそれぞれ設けられている。ただし、内側管10及び外側管20は、それぞれ1本だけであってもよい。
【0020】
地盤改良撹拌装置100は、図示しないが、単軸式の機械撹拌工法に用いられる杭打ち機や小型杭打ち機などの施工機械に設けられる。施工機械は、外側管20を回転させる回転軸、この回転軸を回転させる機構、回転軸を昇降させる機構、リーダーやマスト、及び、リーダーやマストを支持する重機、セメントミルクなどの固化材を製造、貯蔵が可能なプラント設備、プラント設備から固化材を供給する供給手段などを備えている。なお、固化材の代わりに、水などの液状体や固化材以外のスラリー状体を供給するものであってもよい。
【0021】
内側管10は、鉛直方向に延びる円管状の部材である。内側管10の上部は、施工機械のリーダーに昇降可能に設けられた部材に固定されており、回転不可能に構成されている。
【0022】
そして、前述の供給手段によって固化材が、内側管10の上端に形成された供給口11を介して内側管10の内部に供給される。そして、この固化材は、内側管10の先端に形成された吐出口12から外部に吐出される。一番下の内側管10の先端部は、後述する掘削部材31に形成された貫通孔の内部に位置しており、掘削部材31が掘削した土に対して固化材が吐出される。
【0023】
外側管20は、内側管10と同軸に内側管10の外周を取り囲み、回転不可能に固定された内側管10に対して回転可能な円管状の部材である。外側管20は、詳細は図示しないが、その上部が、施工機械のリーダーに昇降可能に設けられた駆動装置21の回転可能な回転軸に、把持部材によって固定されている。これにより、外側管20は、回転可能に構成されている。なお、外側管20は、正方形管状や矩形管状などであってもよい。
【0024】
掘削・撹拌部材30は、ここでは、掘削部材31、下部ボス32、上部ボス33、上延部材34、連結部材35、及び撹拌翼36から構成されている。
【0025】
掘削部材31は、掘削・撹拌部材30の下端部に設けられている。掘削部材31には、複数の掘削ビット31aが溶接などにより固定されている。
【0026】
下部ボス32は、円板状であり、掘削部材31の上部に溶接などで固定されている。そして、下部ボス32の中央部には鉛直方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔は、掘削部材31に形成され、内部を内側管10が挿通する貫通孔と連続するように構成されている。
【0027】
上部ボス33は、厚い円板状であり、その上端部に六角軸33aを有し、外側管20の下端部とスプライン嵌合によって固定されている。そして、上部ボス33の中央部には鉛直方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔は、外側管20に形成され、内部を内側管10が挿通する貫通孔と連続するように構成されている。
【0028】
上延部材34は、掘削部材31の径方向外側部から上方に向かって延びている。なお、上延部材34は、ここでは、掘削部材31の径方向外側端部から上方に向かって鉛直に延びている。ただし、上延部材34は、これには、限定されず、掘削部材31の径方向外側端部より内側の部分を基端としていてもよく、また、鉛直ではなく、直線状又は曲線状に斜めに上方に向かって延びていてもよい。上延部材34の形状は、ここでは、平板状であるが、これに限定されない。
【0029】
連結部材35は、上延部材34の上部から延びて上部ボス33を介して外側管20に連結されている。なお、連結部材35は、ここでは、上延部材34の上端部から水平方向に延びている。ただし、連結部材35は、これには、限定されず、上延部材34の上端部より下方の部分を基端としていてもよく、また、水平ではなく、直線状又は曲線状に斜めに延びていてもよい。連結部材35は、特に、連結部材35の上面に撹拌土が載り難くなるので、径方向内側に向かって上向きに傾斜していることが好ましい。連結部材35の形状は、ここでは、平板状であるが、これには限定されない。なお、連結部材35は、掘削した土を撹拌する撹拌部材としても機能する。
【0030】
撹拌翼36は、ここでは、上延部材34の内側面の上下方向の中間部から内側管10に向かって水平方向に内側管10の近傍まで延びるように構成されている。ただし、撹拌翼36は、水平方向に延びるものに限定されず、直線状又は曲線状に斜めに延びていてもよい。撹拌翼36は、掘削部材31より上方に位置している。撹拌翼36は、ここでは、180°互いに反対方向に延出して、2枚形成されている。
【0031】
また、撹拌翼36は、ここでは、上延部材34の中央部から同じ高さ位置にて形成されている。しかし、撹拌翼36が形成される位置は、これに限定されない。例えば、撹拌翼36は、上延部材34の中央部から上下方向にずれた位置に形成されていてもよく、さらに、複数の撹拌翼36が形成される高さ位置が異なっていてもよい。さらに、複数の撹拌翼36が1つの上延部材34に高さ位置を代えて形成されていてもよい。
【0032】
ここでは、各撹拌翼36は、鉛直方向に延びる矩形状の平板と、この平板の上端に位置する水平方向に延びる矩形状の平板からなる縦断面がT状形状となっている。ただし、撹拌翼36の形状は、これに限定されず、単なる平板状であっても、傾斜した平板状であっても、湾曲してもよく、従来の種々の形状などであってもよい。
【0033】
撹拌翼36は、径方向の長さが掘削部材31よりも小さくなっている。これにより、掘削・撹拌部材30の回転に伴い回転したときに、内側管10及び後述するボス41と撹拌翼36が干渉することが防止されている。
【0034】
共回り防止翼40は、ここでは、内側管10の外周面に溶接などによって固定された円筒状のボス41に突設されている。共回り防止翼40は、内側管10と同様に回転不可能である。共回り防止翼40は、ここでは、掘削部材31と撹拌翼36との上下方向の中間に位置している。共回り防止翼40は、径方向の長さが掘削部材31よりも小さくなっている。これにより、回転する掘削・撹拌部材30と共回り防止翼40とが干渉することが防止されている。
【0035】
共回り防止翼40は、ここでは、掘削部材31と撹拌翼36の上下方向の中間位置、及び、撹拌翼36と連結部材35の上下方向の中間位置にて、それぞれ径方向外側に向かって上延部材34の近傍まで水平方向に延びるように構成されている。共回り防止翼40は、ここでは、それぞれの位置にて、180°互いに反対方向に延出して、2枚形成されている。なお、撹拌翼36及び共回り防止翼40は、それぞれ、翼の間の角度が180°の2枚翼に限定されず、翼の間の角度が120°の3枚翼、翼の間の角度が90°の4枚翼などであっても、翼が1枚だけの単独翼であってもよい。また、撹拌翼36と共回り防止翼40との枚数は、同じであっても相違していてもよい。
【0036】
また、共回り防止翼40は、ここでは、それぞれ高さ位置にて2枚形成されている。しかし、共回り防止翼40が形成される位置は、これに限定されない。例えば、掘削部材31と撹拌翼36の上下方向の間にて異なる位置に形成されていてもよく、撹拌翼36と連結部材35の上下方向の間にて異なる位置に形成されていてもよい。
【0037】
ここでは、各共回り防止翼40は、鉛直方向に延びる矩形状の平板から構成されている。ただし、共回り防止翼40の形状は、これに限定されず、傾斜した平板状であっても、湾曲してもよく、従来の種々の相対回転する共回り防止翼と同じ形状などであってもよい。
【0038】
共回り防止翼40は、径方向の長さが掘削部材31よりも小さくなっている。これにより、共回り防止翼40は掘削穴の内壁面と干渉しない。また、共回り防止翼40は、回転する掘削・撹拌部材30の外延部材34の内側面との間に隙間を有している。これにより、掘削・撹拌部材30と共回り防止翼40とが干渉することが防止されている。
【0039】
なお、ボス41は、掘削・撹拌部材30の下部ボス32と上部ボス33との間に上下方向を挟まれており、これにより、共回り防止翼40の掘削・撹拌部材30に対する鉛直方向の位置決めがなされている。
【0040】
検出手段50は、内側管10の上部にて、内側管10が外側管20から露出する部分に設けられている。検出手段50は、内側管10に作用する回転トルク(ねじれモーメント)を検出する回転トルクセンサである。ここでは、回転トルクセンサ50は、内側管10の供給口11を閉塞しないように、内側管10の上端部にて、施工機械のリーダーを昇降可能に設けられた部材に設置されている。この回転トルクセンサ50により、共回り防止翼40に作用する回転トルクを内側管10に作用する回転トルクを介して検出することが可能となる。
【0041】
上述した本発明の実施形態に係る地盤改良撹拌装置100によれば、掘削部材31が掘削された土が撹拌翼36と共回りする共回り現象が、固定された共回り防止翼40によって防止される。
【0042】
そして、上述した第1の共回り防止技術と比較して、内側管10を回転させる構成を設ける必要がない。また、固定された内側管10の上端の供給口11から固化材を供給可能であるので、上述した回転する内側管や回転軸を介して固化材を供給するために必要なスイベル機構などの構成を設ける必要がない。これらにより、システムの簡素化を図ることが可能となる。
【0043】
また、上述した第2の共回り防止技術と比較して、共回り防止翼40を固定するために、その水平方向端部を掘削穴の内周壁に食い込ませる必要はないので、共回り防止翼40に破損が生じるおそれを低減することが可能となる。
【0044】
さらに、回転トルクセンサ50が検出した検出値に基づいて、作業者又はコンピュータなどの検出値監視手段が共回り現象の発生の有無を判断してもよい。回転トルクセンサ50によって共回り防止翼40に作用する回転トルクが検出されるが、この回転トルクは撹拌翼36によって撹拌されている撹拌土のせん断力を含んでいる。
【0045】
そこで、例えば、
図3のグラフで示すように、地盤改良撹拌装置100の引き抜き時に回転トルクの検出値に異常が上昇して異常値が生じた場合、共回り現象が発生したと推定することができる。この場合、不均質な固結体が造成され、所定の品質を得られないおそれがあるので、即時に再施工することが好ましい。なお、
図3に示すように、掘削穴を最下端まで掘削した後、一度、地盤改良撹拌装置100を少し上昇させている。これは、最下端部付近の撹拌土は下方の撹拌翼36でしか撹拌されないため、十分に撹拌されないことを防止するためである。
【0046】
また、回転トルクセンサ50は内側管10の上部に設けられており、地上に存在するので、有線あるいは無線によって、施工機械に搭載された管理装置と簡易に連動することができ、リアルタイムの監視が可能である。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内であれば適宜変更することができる。例えば、掘削・撹拌部材30の構成は上述したものに限定されない。掘削・撹拌部材30は、共回り防止翼40が掘削部材31と撹拌翼36との上下方向の間に位置し、かつ、共回り防止翼40と干渉しなければ、その構成は任意である。
【符号の説明】
【0048】
10…内側管、 11…供給口、 12…吐出口、 20…外側管、 21…駆動装置、 30…掘削・撹拌部材、 31…掘削部材、 31a…掘削ビット、 32…下部ボス、 33…上部ボス、 33a…六角軸、 34…上延部材、 35…連結部材、 36…撹拌翼、 40…共回り防止翼、 41…ボス、 50…検出手段、回転トルクセンサ、 100…地盤改良撹拌装置。
【要約】
【課題】システムの簡素化が可能であり、破損が生じ難い構成を有する、共回り現象を防止可能な地盤改良撹拌装置を提供する。
【解決手段】地盤改良撹拌装置100は、上下方向に延びる管状の内側管10と、内側管10と同軸に内側管10の外周を取り囲み、回転不可能に固定された内側管10に対して回転可能な管状の外側管20と、下端部に設けられた掘削部材31、掘削部材31の径方向外側部から上方に向かって延びる上延部材34、及び、上延部材34の内側面から内側管10に向かって突設された撹拌翼36を有し、外側管20の下端部に設けられ、外側管20の回転に伴い回転する掘削・撹拌部材30と、掘削部材31と撹拌翼36との上下方向の間に位置するように内側管10から突設され、回転する掘削・撹拌部材30との間に隙間を有する共回り防止翼40とを備える。
【選択図】
図1