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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
B65D33/00 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020144923
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039751
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】上杉 知宏
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 太郎
(72)【発明者】
【氏名】原 正人
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-218292(JP,A)
【文献】特開2012-245990(JP,A)
【文献】特開2012-106748(JP,A)
【文献】特開平04-115946(JP,A)
【文献】特開2018-090288(JP,A)
【文献】特開2012-246049(JP,A)
【文献】特開2008-001372(JP,A)
【文献】特開平11-091800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋であって、
前記包装袋は、多重フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部を備え、
前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備え、
前記多重フィルムの最内層は、イージーピール樹脂層であり、
前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、
前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、
前記縦シール部は、前記外側フィルムが前記包装袋の外面側になるように前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の前記内側フィルムと他縁側の内側フィルムを重ね合わせて形成した合掌部において前記内側フィルム同士を溶着することによって形成され、
前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、
前記合掌部は、前記本体部の一側縁に向けて倒されており、
前記合掌部の前記本体部側の面は、前記縦シール部の形成領域と重なる領域において前記本体部の外面に溶着されており、
前記多重フィルムの最外層は、イージーピール樹脂層である、包装袋。
【請求項2】
請求項1に記載の包装袋であって、
前記合掌部において前記多重フィルムの一縁と他縁の位置が揃っておらず、かつ、前記一縁と前記他縁とが互いに溶着されていない、包装袋。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の包装袋の開封方法であって、
前記合掌部の前記本体部側の面を、前記本体部の外面から剥離させることによって前記合掌部を立たせる工程と、
前記合掌部における前記多重フィルムの一縁と他縁をそれぞれ把持して逆方向に引っ張ることによって縦シール部を剥離させる工程とを含む、包装袋の開封方法。
【請求項4】
包装袋の製袋充填方法であって、
前記包装袋は、多重フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部を備え、
前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備え、
前記多重フィルムの最内層及び最外層は、それぞれイージーピール樹脂層であり、
前記製袋充填方法は、縦シール工程と、本体シール工程と、横シール工程とを含み、
前記縦シール工程では、前記外側フィルムが前記包装袋の外面側になるように前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の前記内側フィルムと他縁側の内側フィルムを重ね合わせて形成した合掌部において前記内側フィルム同士を溶着することによって前記縦シール部が形成され、
前記本体シール工程では、前記多重フィルムの前記他縁側近傍を折り返して、前記他縁側近傍の前記外側フィルム同士を溶着することによって、前記合掌部を前記包装袋の外面に溶着するための本体シール部が形成され、
前記横シール工程では、前記筒体の上側および下側を閉塞させて溶着することによって前記上側横シール部および前記下側横シール部が形成され、
前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、
前記合掌部は、前記本体部の一側縁に向けて倒されており、
前記合掌部の前記本体部側の面は、前記縦シール部の形成領域と重なる領域において前記本体部の外面に溶着されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多重フィルムで構成された包装袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-43025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図1の形態では、多重フィルムの両側縁部の内面同士を重ね合わせた合掌部に縦シール部が設けられている。このような形態では、包装袋に落下等による衝撃が加わったときに内容物による圧力によって縦シール部が剥離されて内容物が漏出する虞がある。このため、特許文献1では、LLDPEのような非常に溶着性に優れた樹脂を多重フィルムの最内層に配置して、縦シール部のシール強度を高めている。
【0005】
一方、縦シール部のシール強度が非常に高いので、縦シール部を剥離させて包装袋を開封することが困難であり、特許文献1のような包装袋は、ハサミなどで切断することによって開封することが想定されているが、開封に手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、多重フィルムで構成された包装袋において、縦シール部での剥離性に優れるとともに内容物の漏出の虞を低減させる技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、包装袋であって、前記包装袋は、多重フィルムに縦シール部を形成して構成された筒体と、上側横シール部と、下側横シール部を備え、前記多重フィルムは、互いに重ねられた内側フィルムと外側フィルムを備え、前記多重フィルムの最内層は、イージーピール樹脂層であり、前記上側横シール部は、前記筒体の上側を閉塞させるように設けられ、前記下側横シール部は、前記筒体の下側を閉塞させるように設けられ、前記縦シール部は、前記外側フィルムが前記包装袋の外面側になるように前記多重フィルムを筒状に湾曲させて前記多重フィルムの一縁側の前記内側フィルムと他縁側の内側フィルムを重ね合わせて形成した合掌部において前記内側フィルム同士を溶着することによって形成され、前記包装袋は、前記合掌部とそれ以外の本体部で構成され、前記合掌部は、前記本体部の一側縁に向けて倒されており、前記合掌部の前記本体部側の面は、前記本体部の外面に溶着されている、包装袋が提供される。
【0008】
本発明の包装袋は、最内層がイージーピール樹脂層である多重フィルムで構成されているので、縦シール部での剥離性に優れている。また、合掌部の本体部側の面が、本体部の外面に溶着されているので、包装袋に衝撃が加わったときに内容物による圧力が縦シール部に加わりにくい。従って、本発明の包装袋は、縦シール部の剥離性に優れるとともに内容物の漏出の虞を低減させることができる。
【0009】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記多重フィルムの最外層は、イージーピール樹脂層である、包装袋である。
好ましくは、前記記載の包装袋であって、前記多重フィルムは、筒状フィルムが扁平化されて構成される、包装袋である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の包装袋1の斜視図である。
図2図2Aは、図1中のA-A断面図であり、図2Bは、図2A中の領域Bの拡大図である。
図3】製袋充填機100の構成図である。
図4】製袋充填機100の横シール機116近傍の拡大図であり、横シール機116で横シール部11を形成している状態を示す。
図5】多重フィルム2の他縁2b近傍に折り返し部2cを形成した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0012】
1.包装袋1
図1に示すように、本発明の一実施形態の包装袋1は、多重フィルム2に縦シール部7を形成して構成された筒体3と、上側横シール部4と、下側横シール部5を備える。包装袋1内には、内容物が充填されている。内容物の例としては、フラワーペースト、ジャム、餡等の粘稠性食品が挙げられる。
【0013】
<多重フィルム2>
多重フィルム2は、互いに重ねられた複数枚のフィルムで構成される。本実施形態では、図2に示すように、多重フィルム2は、互いに重ねられた内側フィルム21と外側フィルム22を備える。内側フィルム21と外側フィルム22は、一対のローラで挟圧する等の密着処理によって互いに剥離可能に密着した状態になっていてもよい。なお、図2等では、便宜上、内側フィルム21と外側フィルム22の間に間隔を開けて図示している。
【0014】
多重フィルム2は、分離可能な複数枚のフィルムを重ねた分離可能型多重フィルムであってもよく、筒状フィルムを扁平化した扁平化多重フィルムであってもよい。図2に示すように、扁平化多重フィルムでは、内側フィルム21と外側フィルム22は、幅方向の一縁2aと他縁2bにおいて互いに繋がっている。分離可能型多重フィルムを構成する各フィルムや、筒状フィルムは、単層フィルムと積層フィルムの何れであってもよい。多重フィルム2の厚さは、例えば20~300μmであり、70~140μmが好ましい。
【0015】
内側フィルム21と外側フィルム22は、それぞれ、単層フィルムであっても積層フィルムであってもよい。単層フィルムとしては、シーラント層で構成されるものが好ましい。積層フィルムとしては、複数のシーラント層が積層されたものや、基材層の両側にシーラント層が設けられたものが好ましい。
【0016】
基材層は、強度に優れて高い耐衝撃性を有する素材により形成される。基材層としては、例えば、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、共重合体等が用いられる。接着層は、基材層とシーラント層を互いに積層するように接着するための層であり、接着層としては、例えば、ポリエチレン等が用いられる。
【0017】
シーラント層は、ヒートシール性に優れた樹脂で構成されることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-プロピレンブロック共重合体などのポリオレフィン系樹脂で形成することができる。
【0018】
シーラント層は、イージーピール樹脂で構成してもよい。イージーピール樹脂は、凝集破壊性を有することが好ましい。イージーピール樹脂は、例えばヒートシール可能な2種類以上の樹脂からなり、JIS K6854による剥離強度が概ね10N/15mm幅未満となるような弱シールを構成可能な樹脂である。イージーピール樹脂は、一例では、ポリエチレン(PE)系樹脂とポリプロピレン(PP)又はポリブテン(PB)系樹脂との混合樹脂で構成される。
【0019】
また、積層フィルムは、ラミネートフィルムと、共押出フィルムのどちらでもよいが、共押出フィルムは、ラミネートフィルムよりも安価に製造することができ、且つ柔軟性が高いのでピンホールが形成されにくいという点で、好ましい。共押出フィルムは、共押出インフレーションフィルムであることがさらに好ましい。筒状フィルムが共押出インフレーションフィルムであることが特に好ましい。ラミネートは、押出ラミネートであっても、ドライラミネートであってもよい。
【0020】
多重フィルム2の最内層(内側フィルム21の最内層)は、イージーピール樹脂で構成されたイージーピール樹脂層である。これによって、縦シール部7の剥離性が高まるので、縦シール部7を剥離して包装袋1を開封することが容易になる。また、多重フィルム2の最外層(外側フィルム22の最外層)は、イージーピール樹脂で構成されたイージーピール樹脂層であることが好ましい。筒状フィルムの最外層がイージーピール樹脂層である場合、扁平化多重フィルムの両面がイージーピール樹脂層となるので、多重フィルム2の最内層と最外層の両方がイージーピール樹脂層となる。
【0021】
<縦シール部7、合掌部8>
縦シール部7は、図2に示すように、外側フィルム22が包装袋1の外面側になるように多重フィルム2を筒状に湾曲させて多重フィルム2の一縁2a側の内側フィルム21と他縁2b側の内側フィルム21を重ね合わせて形成した合掌部8において内側フィルム21同士を溶着することによって形成することができる。包装袋1のうち合掌部8以外の部位が本体部9である。本体部9は袋状である。
【0022】
合掌部8は、包装袋1の一縁1aに向けて倒されており、合掌部8の本体部9側の面8aは、本体シール部10において、本体部9の外面9aに溶着されている。この状態では、多重フィルム2の他縁2bの近傍に折り返し部2cが形成され、他縁2bと折り返し部2cの間が反転部2dとなる。反転部2dでは、内側フィルム21が包装袋1の外面に向いている。本体シール部10では、本体部9の外側フィルム22と反転部2dの外側フィルム22が溶着される。
【0023】
合掌部8が本体部9に溶着されていない場合は、包装袋1に衝撃が加わったときに、合掌部8が立ち上がって、内容物による圧力が縦シール部7に加わり、縦シール部7が剥離されやすい。一方、本実施形態では、本体シール部10において合掌部8が本体部9に溶着されているので、包装袋1に衝撃が加わったときに、合掌部8が立ち上がることがなく、内容物による圧力が縦シール部7に加わりにくい。従って、縦シール部7の剥離による内容物の漏出が抑制される。縦シール部7は、合掌部8の全体に設けられていてもよく、合掌部8の一部に設けられていてもよい。
【0024】
合掌部8において縦シール部7に対向する領域8bでは、多重フィルム2の一縁2a又は他縁2b側の内側フィルム21と外側フィルム22は溶着されていることが好ましい。また、本体部9において本体シール部10に対向する領域9bでは、内側フィルム21と外側フィルム22が溶着されていることが好ましい。本体シール部10を形成する領域は、縦シール部7を形成する領域と重なっていることが好ましく、一致していることがさらに好ましい。このような構成によれば、縦シール部7及び本体シール部10を同時に形成することができ、縦シール部7又は本体シール部10に対向する領域8b,9bにおいて内側フィルム21と外側フィルム22を溶着することができる。
【0025】
縦シール部7及び本体シール部10を形成した状態で、多重フィルム2の一縁2aと他縁2bの位置は、揃っていてもいなくてもよい。後述するように、包装袋1を封筒貼り形式の包装袋であるかのように開封する場合は、一縁2aが他縁2bよりも突出している方が一縁2aを把持しやすいので、好ましい。
【0026】
<上側横シール部4及び下側横シール部5>
上側横シール部4及び下側横シール部5は、それぞれ、筒体3の上側及び下側を閉塞させるように設けられる。横シール部4,5は、それぞれ、筒体3の上端及び下端に沿って形成することが好ましい。横シール部4,5は、縦シール部7に直交するように形成することが好ましい。
【0027】
2.包装袋1の開封方法
包装袋1は、以下の2通りの方法で開封可能である。
【0028】
第1の方法では、最初に本体シール部10を剥離させて合掌部8を立たせた後に、縦シール部7を剥離させる。この方法では、合掌部8の一縁2aと他縁2bをそれぞれ把持して一縁2aと他縁2bを逆方向に引っ張ることによって縦シール部7を剥離させることができるので、作業性に優れている。
【0029】
第2の方法では、本体シール部10は剥離させずに、封筒貼り形式の包装袋であるかのように、本体部9を押さえた状態で、合掌部8の一縁2aを把持して、一縁2aを本体部9から引き離すことによって縦シール部7を剥離させる。縦シール部7の溶着強度が高い場合には、この方法の方が縦シール部7を剥離させやすい場合がある。
【0030】
このように、本実施形態の包装袋1は、2通りの方法で開封が可能であるので、開封性が優れている。
【0031】
2.製袋充填方法
次に、図3図5を用いて、多重フィルム2を用いた製袋充填方法について説明する。この方法は、縦型の製袋充填機100を用いて実施可能である。
【0032】
<S1:フィルム湾曲工程>
まず、ロール状原反Fから繰り出された多重フィルム2は、複数の繰り出しロール120、121を経てフォーマ112に導かれる。ロール状原反Fからフォーマ112までの経路途中にはセンサ119が配されており、多重フィルム2に長さ方向において一定間隔で印刷されたレジマークを検知して、製袋充填機100の軌道上に一定の長さの多重フィルム2を一定の時間間隔で送り出せるようになっている。
【0033】
多重フィルム2は、図5に示すように、他縁2b近傍に折り返し部2cが形成されるように折り返され、その後、フォーマ112において、筒状に湾曲されて、湾曲した先端の両側縁部がオーバーラップした合掌部8が形成される。多重フィルム2がフォーマ112で筒状に湾曲される際に、折り返し部2cと他縁2bの間の反転部2dが、フォーマ112のセーラに接触するので、フォーマ112において反転部2dが元に戻ることが抑制される。なお、多重フィルム2を筒状に湾曲させる前に、本体シール部10を形成してもよい。
【0034】
<S2:縦シール工程>
次に、縦シール機113によるヒートシールによって、縦シール部7及び本体シール部10を形成する。縦シール機113は、一対のシールロールを備え、多重フィルム2が一定の時間間隔で移動するタイミングに合わせて、多重フィルム2の合掌部8及び本体部9を一対のシールロールで挟持しながら一対のシールロールを互いに逆方向に回転させることで多重フィルム2を送り出しながらヒートシールを行う。これによって、縦シール部7と本体シール部10が同時に形成される。多重フィルム2に縦シール部7を形成することによって、筒体3が形成される。
【0035】
<S3:横シール工程>
次に、送りロール114を回転させることで、筒体3を所定の長さだけ下流に移動させ、図4に示すように、筒体3の所定位置を横シール機116にてヒートシールし、横シール部11を形成する。横シール部11は、下流側の包装袋1の上側横シール部4と上流側の筒体3の下側横シール部5が繋がって構成されており、後述する切断工程において上下に分割される。横シール機116は、一対のシールバー116aを備え、上記所定位置を一対のシールバー116aで所定時間挟持することでヒートシールを行う。
【0036】
<S4:切断工程>
次に、送りロール114を回転させることで、横シール部11をプレス兼カッター118の位置に移動させる。プレス兼カッター118は、一対のバー118aを備える。
【0037】
次に、プレス兼カッター118を閉じて横シール部11を挟圧して冷却するとともに、カッター刃(不図示)で横シール部11を切断して上下に分割することによって、下流側の包装袋1の上側横シール部4と、上流側の筒体3の下側横シール部5を形成する。下流側の包装袋1は、横シール部11の切断に伴って、コンベア130上へ落下する。
【0038】
<S5:充填工程>
次に、しごきロール115を開くと、以前の工程でホッパ111から投入されてしごきロール115の上側に溜まっている内容物Wがしごきロール115の下側に落下する。筒体3には下側横シール部5が形成されているので、落下した内容物Wは、筒体3内に充填される。筒体3の周囲には、成形装置123が配置されており、筒体3の周面が成形装置123に当接して筒体3の外形が規定されるようになっている。
【0039】
次に、内容物Wをさらに筒体3内に投入し、筒体3内の内容物Wがセンサ122の位置にまで到達すると、しごきロール115を閉じることによって、内容物Wをしごきロール115の上側部分と下側部分に分断する。しごきロール115の下側部分の内容物が包装袋1の一袋分の内容物である。また、しごきロール115を閉じることによって筒体3に密着部3aが形成され、密着部3aと下側横シール部5の間に袋部3bが形成される。袋部3bの上側に上側横シール部4が形成されることによって包装袋1が形成される。
【0040】
<S6:送り工程>
次に、しごきロール115を閉じたまま、送りロール114を回転させることで、密着部3aを横シール機116の位置にまで移動させる。その後は、S3と同様に横シール工程を実施することで、内容物Wが充填された部位(袋部3b)よりも高い位置(密着部3a)において横シール部11を形成することができる。
【0041】
この後は、S1~S6の工程を繰り返すことによって、内容物Wが充填された包装袋1を連続的に製造することができる。
【0042】
以上の工程により、内容物Wが充填された包装袋1が製造される。なお、上記形態では、一対のシールバー116aを用いて、横シール部4,5が合わさった横シール部11を形成しているが、横シール部4と横シール部5を別々のシールバーで形成してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 :包装袋
1a :一縁
2 :多重フィルム
2a :一縁
2b :他縁
2c :折り返し部
2d :反転部
3 :筒体
3a :密着部
3b :袋部
4 :上側横シール部
5 :下側横シール部
7 :縦シール部
8 :合掌部
8a :面
8b :領域
9 :本体部
9a :外面
9b :領域
10 :本体シール部
11 :横シール部
21 :内側フィルム
22 :外側フィルム
100 :製袋充填機
111 :ホッパ
112 :フォーマ
113 :縦シール機
114 :送りロール
115 :ロール
116 :横シール機
116a :シールバー
118 :プレス兼カッター
118a :バー
119 :センサ
120 :繰り出しロール
121 :繰り出しロール
122 :センサ
123 :成形装置
130 :コンベア
F :ロール状原反
W :内容物
図1
図2
図3
図4
図5