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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/54 20140101AFI20241017BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20241017BHJP
   A63F 13/847 20140101ALI20241017BHJP
【FI】
A63F13/54
A63F13/55
A63F13/847
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020214945
(22)【出願日】2020-12-24
(65)【公開番号】P2022100760
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2023-10-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山東 善樹
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 知久
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩介
【審査官】白形 優依
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-253861(JP,A)
【文献】特開2009-125108(JP,A)
【文献】特開2004-173940(JP,A)
【文献】特開2010-115253(JP,A)
【文献】特開2014-161722(JP,A)
【文献】キャラクターボイス一覧<<TW>>,KILLING FLOOR JP [online],2014年11月24日,[2024年6月19日検索], インターネット <URL:https://w.atwiki.jp/killingfloor/pages/136.html#id_696e29b4>
【文献】ヒーロー台詞まとめ,電ファミWiki,2020年04月26日,[2024年6月19日検索], インターネット <URL:https://web.archive.org/web/20201101041206/https://wiki.denfaminicogamer.jp/overwatch/ヒーロー台詞まとめ#xc4c2dff>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザに対して音声データを再生する第1再生装置を備えるコンピュータを、
第1ユーザの操作に応じて動作する第1キャラクタと、第2ユーザの操作に応じて動作する第2キャラクタとをそれぞれ動作させることによりゲームを進行する進行部と、
前記第1再生装置に、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタの音声データを再生させる再生部と
して機能させ、
前記再生部は、前記第2ユーザの操作によって前記第2キャラクタの音声データを再生する第1モードと、前記第2ユーザの操作によらずに前記第2キャラクタの音声データを再生する第2モードとを有し、
前記コンピュータは、第2ユーザに対して音声を再生する第2再生装置をさらに備え、
前記再生部は、
前記第1モードでは、前記第1再生装置および前記第2再生装置に、前記第2ユーザの操作によって前記第2キャラクタの音声データを再生させ、
前記第2モードでは、前記第1再生装置および前記第2再生装置のうちの前記第1再生装置のみに、ゲームの状況に応じた前記第2キャラクタの音声データを再生させる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記再生部は、ゲームの状況に応じて、前記第1モードまたは前記第2モードで、前記第2キャラクタの音声データを再生することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記再生部は、前記第2モードでは、ゲームの状況に応じた前記第2キャラクタの音声データを再生することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1つにおいて、
前記コンピュータは、前記第1再生装置を含む第1ゲーム装置と、前記第2再生装置を含む第2ゲーム装置とを備え、
前記ゲームは、前記第1ゲーム装置と前記第2ゲーム装置とが通信することにより進行されるマルチプレイゲームであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項1~請求項のいずれか1つにおいて、
前記再生部は、前記第1キャラクタが第1動作から第2動作に遷移する際に、前記ゲームの状況に応じて、前記第1動作に対応づけられた前記第1キャラクタの音声データの再生を継続または中断することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1~請求項のいずれか1つにおいて、
前記ゲームの状況には、優先度が設定されており、
前記再生部は、前記優先度にしたがって、前記第1キャラクタの音声データを再生することを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1~請求項のいずれか1つのゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と
を備えたことを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラムおよびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームのキャラクタの動作に応じて効果音が出力されるように効果音情報を生成する効果音情報生成装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-125435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的なゲームでは、ユーザの操作に応じて、仮想空間におけるキャラクタが動作するとともに、キャラクタの音声データが再生される。複数のユーザによってゲームが行われる場合(マルチプレイゲームの場合)には、各プレイヤの操作に応じて、各キャラクタの音声データが再生される。すなわち、ユーザの操作がなければ、対応するキャラクタの音声データが再生されないこととなる。このような場合、ゲームに対するユーザの興趣性が損なわれることがあった。
【0005】
本発明の目的は、ゲームに対するユーザの興趣性を向上させることができるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、第1ユーザに対して音声データを再生する第1再生装置を備えるコンピュータを、
第1ユーザの操作に応じて動作する第1キャラクタと、第2ユーザの操作に応じて動作する第2キャラクタとをそれぞれ動作させることによりゲームを進行する進行部と、
前記第1再生装置に、前記第1キャラクタおよび前記第2キャラクタの音声データを再生させる再生部と
して機能させ、
前記再生部は、前記第2ユーザの操作によって前記第2キャラクタの音声データを再生する第1モードと、前記第2ユーザの操作によらずに前記第2キャラクタの音声データを再生する第2モードとを有する
ことを特徴とするゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の発明では、前記再生部は、前記第1モードまたは前記第2モードで、前記第2キャラクタの音声データを再生してもよい。
【0008】
また、第1の発明では、前記再生部は、前記第2モードでは、ゲームの状況に応じて、前記第2キャラクタの音声データを再生してもよい。
【0009】
また、第1の発明では、前記コンピュータは、第2ユーザに対して音声を再生する第2再生装置をさらに備え、
前記再生部は、
前記第1モードでは、前記第1再生装置および前記第2再生装置に、前記第2ユーザの操作によって前記第2キャラクタの音声データを再生させ、
前記第2モードでは、前記第1再生装置および前記第2再生装置のうちの前記第1再生装置のみに、ゲームの状況に応じて、前記第2キャラクタの音声データを再生させてもよい。
【0010】
また、第1の発明では、前記コンピュータは、前記第1再生装置を含む第1ゲーム装置と、前記第2再生装置を含む第2ゲーム装置とを備え、
前記ゲームは、前記第1ゲーム装置と前記第2ゲーム装置とが通信することにより進行されるマルチプレイゲームであってもよい。
【0011】
また、第1の発明では、前記再生部は、前記第1キャラクタが第1動作から第2動作に遷移する際に、前記第1動作または前記第2動作に応じて、前記第1動作に対応づけられた前記第1キャラクタの音声データの再生を継続または中断してもよい。
【0012】
また、第1の発明では、前記ゲームの状況には、優先度が設定されており、
前記再生部は、前記優先度にしたがって、前記第1キャラクタの音声データを再生してもよい。
【0013】
第2の発明は、前記第1の発明の音声再生プログラムを記憶した記憶部と、前記音声再生プログラムを実行する制御部と、を備えたことを特徴とするゲーム装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ゲームに対するユーザの興趣性を向上させることができるゲームプログラムおよびゲーム装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】ゲームシステムの構成を示すブロック図。
図2】ゲーム装置の構成を示すブロック図。
図3】第1処理におけるキャラクタの音声データの再生状況を説明するための図。
図4】第1処理において再生されるキャラクタの音声データの概念図。
図5】ゲーム装置の動作を示すフローチャート。
図6】第2処理において再生されるキャラクタの音声データの概念図。
図7】第3処理において再生されるキャラクタの音声データの概念図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態にかかるゲームプログラムおよびゲームシステムについて、図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態で説明するゲームプログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置において実行される。
【0018】
このゲームプログラムによるゲームでは、ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間(以下、単に仮想空間という)で活動させたり、プレイヤキャラクタの仲間に対して様々なアクションを行わせたりする。
【0019】
このゲームでは、プレイヤキャラクタ等の移動過程やアクション等において、所定のトリガ条件を満たすとサウンドが流れる。所定のトリガ条件とは、例えば、プレイヤキャラクタの所定場所への移動、敵キャラクタの出現、敵キャラクタを倒したあと、アイテムの発見などである。
【0020】
また、このゲームは、複数のユーザが参加して進行されるマルチプレイゲームである。このゲームでは、各ユーザの操作に応じて、対応するキャラクタが動作を行うとともに、キャラクタの音声データが再生される。
【0021】
特に、このゲームでは、ユーザの操作するキャラクタが、ゲーム状況に応じて、自動的に発話することがある。これにより、ゲームに対するユーザの興趣性を向上させることができる。
【0022】
<ゲームシステムの構成>
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、複数(ここでは、2台)のゲーム装置を備えている。ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、データ通信を行うことができる。
【0023】
ゲームシステム1は、例えば、複数のユーザが参加して進行されるマルチプレイゲームに用いられる。なお、ゲームシステム1に認証サーバやマッチングサーバを備え、ゲーム装置5からの要求に応じて、ユーザのマッチングを行ってもよい。
【0024】
また、ゲーム装置5a,5bは、同一の構成であり、それぞれ、ディスプレイ61a,61b、スピーカ62a,62bおよびコントローラ63a,63bが接続されている。なお、以下の説明において、ゲーム装置5a、ディスプレイ61a、スピーカ62aおよびコントローラ63aを使用するユーザを第1ユーザとし、ゲーム装置5b、ディスプレイ61b、スピーカ62bおよびコントローラ63bを使用するユーザを第2ユーザとする。
【0025】
すなわち、スピーカ62aは、第1ユーザに対して音声データを再生する。また、スピーカ62bは、第2ユーザに対して音声データを再生する。
【0026】
<ゲーム装置の構成>
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて、所定のゲームを実行する。図2は、本実施形態のゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、インストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。
【0027】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0028】
ネットワークインターフェース51は、例えば、ゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。
【0029】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報にしたがって、プレイヤキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52はディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0030】
オーディオ処理部53は、制御部56の指示にしたがってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。
【0031】
操作部54は、コントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、コントローラ63に設けられたボタン等の操作子(図示を省略)を操作することにより、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0032】
記憶部55は、HDD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。また、記憶部55には、他のゲーム装置5から受信した他アカウント情報なども記憶される。
【0033】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置5自身の動作を制御する。例えば、制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、グラフィック処理部52およびオーディオ処理部53を動作させる。
【0034】
<制御部の機能的構成>
制御部56は、ゲームプログラムを実行することにより、通信部561、ゲーム進行部562および再生部563として機能する。
【0035】
通信部561は、ネットワークインターフェース51を介して、他のゲーム装置5と通信を行う機能である。通信部561は、操作部54がコントローラ63から受信した各種操作信号を、他のゲーム装置5に送信する。
【0036】
ゲーム進行部562は、ユーザの操作に応じて、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0037】
また、ゲーム進行部562は、ユーザの操作に応じて、当該ユーザの操作対象となるキャラクタを仮想空間において動作させる。例えば、ゲーム装置5aでは、ゲーム進行部562は、コントローラ63aからの操作信号に応じて、第1ユーザの操作対象となる第1キャラクタC1を動作させる。そして、ゲーム進行部562は、他のゲーム装置5(ここでは、ゲーム装置5b)から受信した操作信号に応じて、第2ユーザの操作対象となる第2キャラクタC2を動作させる。
【0038】
再生部563は、ユーザの操作またはゲームの状況に応じて、キャラクタの音声データを再生する。例えば、再生部563は、ゲーム装置5aにおいて、第1ユーザの操作に応じて、第1キャラクタC1の音声データを、スピーカ62aから再生させる。
【0039】
ここで、再生部563は、ゲーム装置5aにおいて、第2ユーザの操作によって第2キャラクタC2の音声データを再生する第1モードと、第2ユーザの操作によらずに第2キャラクタC2の音声データを再生する第2モードとを有する。再生部563は、第1モードまたは第2モードで、第2キャラクタC2の音声データを再生する、第1処理を実行する。
【0040】
図3は第1処理におけるキャラクタの音声データの再生状況を説明するための図であり、図4は第1処理において再生されるキャラクタの音声データの概念図である。
【0041】
例えば、再生部563は、ゲーム装置5aにおいて、通常、第1モードで第2キャラクタの音声データを再生している。すなわち、再生部563は、第1モードにおいては、第2ユーザの操作によって第2キャラクタC2の音声データを再生する。
【0042】
これに対して、再生部563は、ゲーム装置5aにおいて、所定のゲーム状況である場合、第2モードで第2キャラクタC2の音声データを再生することがある。すなわち、再生部563は、第2モードにおいては、第2ユーザの操作によらずに第2キャラクタC2の音声データを再生する。
【0043】
所定のゲームの状況(第1キャラクタの状況)には、例えば、図4に示すようなものがある。図4に示すように、本ゲームでは、所定のゲームの状況に対して、第2キャラクタの音声データ(セリフ)が設定されている。
【0044】
図4に示すゲームの状況では、例えば、第1キャラクタC1が危機的状況であるため第1ユーザが緊張していたり、第1ユーザがクエストを失敗して落ち込んでいたり、第1ユーザがクエストを成功させて喜んでいたりする。第2モードでは、各ゲームの状況に応じた、第2キャラクタC2の応援や激励、気遣いなどを示す音声データが、第1ユーザに対して、自動的に再生される。
【0045】
このように、第1処理では、ゲームの状況に応じて、第2キャラクタC2の応援や激励、気遣いなどを示す音声データが自動的に再生されるため、第1ユーザはあたかも第2ユーザから声援を受けているように感じる。これにより、ゲームに対する第1ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0046】
さらに、第2ユーザが第1ユーザに対する声援を送るための操作が不要となり、第2ユーザの操作の手間が省ける。
【0047】
また、図3に示すように、ゲーム装置5aを使用する第1ユーザに対しては、スピーカ62aから第2キャラクタC2の音声データが自動的に再生される。一方で、ゲーム装置5bを使用する第2ユーザに対しては、スピーカ62bから第2キャラクタC2の音声データが自動的に再生されない。これにより、第2ユーザがゲームプレイに違和感を覚えることがない。
【0048】
また、ゲームの状況に応じて自動的に再生される音声データを、定型的なもの(挨拶や応援など)とすることで、第2ユーザのゲームプレイにおける違和感を軽減させることができる。
【0049】
なお、図4は第1処理におけるゲームの状況の一例を示すものであるが、ゲームの状況は図4に示すものに限られないし、第1キャラクタの状況にも限られない。
【0050】
(ゲーム装置の動作)
図1図5を用いて、ゲーム装置における動作の一連の流れを説明する。図5はゲーム装置5(ここでは、ゲーム装置5a)の動作を示すフローチャートである。
【0051】
まず、再生部563は、ゲームが、図4に示すような所定のゲームの状況にあるかどうかを判定する(ステップS1)。
【0052】
ゲームが所定のゲーム状況にないと判定した場合(ステップS1のNo)、再生部563は、第1モードで動作する(ステップS2)。すなわち、再生部563は、ゲーム装置5bからの操作信号に応じて(第2ユーザの操作によって)、第2キャラクタC2の音声データを再生する。
【0053】
これに対して、ゲームが所定のゲーム状況にあると判定した場合(ステップS1のYes)、再生部563は、第2モードで動作する(ステップS3)。すなわち、再生部563は、ゲームの状況に応じた第2キャラクタC2の音声データを自動的に再生する。つまり、再生部563は、第2ユーザの操作によらずに第2キャラクタの音声データを再生する。その後、ステップS2が実行される。
【0054】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、第1ユーザに対して音声データを再生するスピーカ62a(第1再生装置)を備えるゲームシステム1(コンピュータ)を、第1ユーザの操作に応じて動作する第1キャラクタC1と、第2ユーザの操作に応じて動作する第2キャラクタC2とをそれぞれ動作させることによりゲームを進行するゲーム進行部562と、スピーカ62aに、第1キャラクタC1および第2キャラクタC2の音声データを再生させる再生部563として機能させ、再生部563は、第2ユーザの操作によって第2キャラクタC2の音声データを再生する第1モードと、第2ユーザの操作によらずに第2キャラクタC2の音声データを再生する第2モードとを有するものである。
【0055】
<発明の効果>
以上のように、再生部563は、スピーカ62aにより、第1ユーザに対して、第1キャラクタC1および第2キャラクタC2の音声データを再生する。そして、再生部563は、第2ユーザの操作によって第2キャラクタC2の音声データを再生する第1モードと、第2ユーザの操作によらずに第2キャラクタC2の音声データを再生する第2モードと有する。
【0056】
すなわち、再生部563は、第2モードでは、第2キャラクタC2の音声データが自動的に再生されるため、第2ユーザの操作によらずに、第1ユーザは、第2ユーザからの声援を受けることができる。これにより、ゲームに対するユーザ(第1ユーザ)の興趣性を向上させることができる。
【0057】
また、再生部563は、ゲームの状況に応じて、第1モードまたは第2モードで、第2キャラクタC2の音声データを再生する。これにより、再生部563は、ゲームの状況に応じて、第2キャラクタC2の音声データを再生することができる。
【0058】
また、再生部563は、第2モードでは、ゲームの状況に応じた第2キャラクタC2の音声データを再生する。これにより、第2モードでは、ゲームの状況に応じた第2キャラクタC2の音声データが再生されるため、第1ユーザは、あたかも第2ユーザから声援を受けているように感じることができる。したがって、ゲームに対するユーザ(第1ユーザ)の興趣性を向上させることができる。
【0059】
また、ゲームシステム1は、第2ユーザに対して音声を再生するスピーカ62b(第2再生装置)をさらに備える。再生部563は、第1モードでは、スピーカ62a,62bに、第2ユーザの操作によって第2キャラクタC2の音声データを再生させる。再生部563は、第2モードでは、スピーカ62a,62bのうちのスピーカ62aのみに、ゲームの状況に応じた第2キャラクタC2の音声データを再生させる。これにより、スピーカ62bから第2キャラクタC2の音声データが自動的に再生されないため、第2ユーザがゲームプレイに違和感を覚えることがない。
【0060】
また、ゲームシステム1は、スピーカ62aを含むゲーム装置5a(第1ゲーム装置)と、スピーカ62bを含むゲーム装置5b(第2ゲーム装置)とを備える。本ゲームは、ゲーム装置5a,5bが通信することにより進行されるマルチプレイゲームである。これにより、ゲームシステム1を、マルチプレイゲームに適用することができる。
【0061】
[その他の実施形態]
なお、再生部563は、第1キャラクタC1が第1動作から第2動作に遷移する際に、第1動作または第2動作(ゲームの状況)に応じて、第1動作に対応づけられた第1キャラクタC1の音声データの再生を継続または中断する、第2処理を行ってもよい。
【0062】
図6は第2処理において再生されるキャラクタの音声データの概念図である。図6に示すように、第1キャラクタC1の第1行動に対して、第1キャラクタC1の音声データ(セリフ)が設定されている。そして、第1行動の後に第1キャラクタC1の第2行動が行われた場合、音声データの再生を継続するか中断するかが設定されている。
【0063】
例えば、第1キャラクタC1が「止まれ!のポーズ」(他のユーザに危険を通知する動作)の後に、「しゃがむ」動作または「移動」動作を行った場合には、音声データの再生が継続されるが、第1キャラクタC1が「ダメージを受けた」動作を行った場合には、音声データが中断される。これに対して、第1キャラクタC1が「ガッツポーズ」(ユーザの喜びを表現するポーズ)の後に、「しゃがむ」動作を行った場合には、音声データの再生が継続されるが、第1キャラクタC1が「移動」動作または「ダメージを受けた」動作を行った場合には、音声データが中断される。
【0064】
これは、第1動作が、ゲームの進行上、重要な動作(例えば、他のユーザに危険を通知する動作など)である場合、第2動作後も音声データの再生を継続する必要性が高い。
【0065】
また、第2行動が、キャラクタの動作として軽微なもの(例えば、しゃがむ動作)である場合、第2動作後も音声データを継続しても違和感がないが、キャラクタの動作として大きなもの(例えば、移動動作やダメージを受けた動作)である場合、第2動作後に音声データの再生を継続すると違和感が生じる。すなわち、再生部563が第2処理を行うことにより、ゲームに対するユーザ(第1ユーザ)の興趣性を向上させることができる。
【0066】
なお、図6では、第2処理におけるゲームの状況が、第1キャラクタの第1動作または第2動作である場合を例にして説明したが、これに限られないし、必ずしも第1キャラクタの動作である必要はない。
【0067】
また、ゲームの状況には、優先度が設定されており、再生部563は、優先度にしたがって、第1キャラクタC1の音声データを再生する、第3処理を行ってもよい。
【0068】
図7は第3処理において再生されるキャラクタの音声データの概念図である。図7に示すように、ゲームの状況(第1キャラクタの状況)に対して、優先度と、第1キャラクタC1の音声データ(セリフ)とが設定されている。
【0069】
ゲームプレイ時には、音声データが設定されたゲームの状況が同時に発生することがある。例えば、第1キャラクタC1が麻痺によるダメージを受けつつ、体力ゲージが0になることがある。このような場合に、音声データを同時に再生したり、時間をずらして再生したりすると、ゲームプレイに違和感が生じる。
【0070】
このため、第3処理では、再生部563は、複数のゲームの状況が同時に発生した場合、優先度が最も高いゲームの状況に応じた第1キャラクタC1の音声データのみを再生する。この処理により、ゲームプレイの違和感を抑えている。すなわち、再生部563が第3処理を行うことにより、ゲームに対するユーザ(第1ユーザ)の興趣性を向上させることができる。
【0071】
なお、図7では、第3処理におけるゲームの状況が、第1キャラクタC1の状況である場合を例にして説明したが、これに限られないし、必ずしも第1キャラクタC1の状況である必要はない。
【0072】
また、上記実施形態におけるゲームの状況は、上述した例に限られず、例示と異なるものであってもよい。また、ゲームの状況は、以下のようなパラメータに基づいて設定されてもよいし、以下のパラメータを組み合わせたものに基づいて設定されてもよい。
【0073】
(A)プレイヤキャラクタに関連するパラメータ
プレイヤキャラクタに関連する候補パラメータとしては、プレイヤキャラクタの体力値、スタミナ値、仮想空間における位置、状態、所持アイテムの種類、装備の種類に関するパラメータを例示できる。その他にも、候補パラメータとして、プレイヤあるいはプレイヤキャラクタのランク(経験値)、ゲーム内における通貨の所持額、所持アイテムの状態を利用できる。所持アイテムの状態とは、例えば、武器の手入れの状態などを例示できる。
【0074】
なお、体力値、およびスタミナ値は、ゲームによって種々の定義がある。体力値は、例えば、ゲームにおける、キャラクタの存続性を示すポイントである。スタミナ値は、例えば、ゲームにおける、キャラクタの行動力を示すポイントである。
【0075】
(B)ノンプレイヤキャラクタに関連するパラメータ
この種の候補パラメータとしては、ノンプレイヤキャラクタの種類、体力値、スタミナ値、仮想空間における位置、プレイヤキャラクタとの距離、プレイヤキャラクタとの友好度(仲間であるか否か)を例示できる。
【0076】
(C)その他のパラメータ
その他の候補パラメータとしては、現在プレイ中のクエスト(ゲーム上の課題)の情報(難易度、種類等)、クエストに関する経過時間を例示できる。マルチプレイにおける参加人数、マルチプレイにおける参加者のランク等のパラメータ、マルチプレイにおける他のプレイヤキャラクタに関連する各種パラメータも、候補パラメータとして例示できる。
【0077】
また、ゲーム内の時刻(日付、季節などを含む)、プレイ中における現実の時刻、ゲームにおける気象、プレイ時間の総計なども候補パラメータの一例である。更に、課金の額も候補パラメータの一例である。
【0078】
また、再生部563は、第1モードによって第1キャラクタC1の音声データの再生している場合には、第2モードによって第2キャラクタC2の音声データの再生をしないようにしてもよい。また、再生部563は、第1モードによって第1キャラクタC1の音声データの再生が終了した後、所定期間経過するまでは、第2モードによって第2キャラクタC2の音声データの再生をしないようにしてもよい。
【0079】
また、再生部563は、第1ゲーム装置5a,5b間の通信規格にしたがって、第2モードによる音声データの再生を無効化してもよい。例えば、通信規格がBluetooth(登録商標)などの近距離通信規格である場合、再生部563は、第2モードによる音声データの再生を無効化してもよい。
【0080】
第1ゲーム装置5a,5b間の通信規格が近距離通信規格で通信されている場合、第1ユーザ(および第2ユーザ)に、スピーカ63a,63bから出力(再生)される音声データが聞こえてしまう。この場合、再生部563が第2モードによって音声データを再生すると、スピーカ63a,63bから再生される音声データが一致せず、ユーザが違和感を覚えてしまう。第1ゲーム装置5a,5b間の通信規格が近距離通信規格で通信されている場合、再生部563が第2モードを無効化することによって、スピーカ63a,63bから再生される音声データの不一致による違和感を抑えることができる。
【0081】
また、再生部563は、第1ゲーム装置5aと第2ゲーム装置5bとの位置情報にしたがって、第2モードによる音声データの再生を無効化してもよい。例えば、第1ゲーム装置5aと第2ゲーム装置5bとの位置が所定距離以内である場合、再生部563は、第2モードによる音声データの再生を無効化してもよい。これにより、スピーカ63a,63bから再生される音声データの不一致による違和感を抑えることができる。
【0082】
また、ゲームシステム1は、複数のユーザが参加して進行されるマルチプレイゲームに用いることができる。また、ゲームシステム1は、アドベンチャーゲームやアクションゲーム、FPS(First Person shooter)、レースゲーム、スポーツゲーム、RPG(ロールプレインゲーム)、シューティングゲームなど、どのようなジャンルのゲームに対しても適用することができる。
【0083】
また、ゲームプログラムは、いわゆるオンラインゲーム用のゲームプログラムとして実装してもよい。ゲームプログラムがオンラインゲーム用である場合には、制御部56で行っていた処理をそれらに代わってサーバ側で行ってもよいし、サーバ側とクライアント(ゲーム装置5)側とで分担してもよい。
【0084】
上記実施形態では、ゲーム装置5が、パーソナルコンピュータおよびプレイステーション等の装置である場合について説明したが、ゲーム装置5の種類は、これに限定されない。例えば、ゲーム装置5は、スマートフォンやタブレット、ゲームセンターに提供されるアーケードゲームの筐体などであってもよい。
【0085】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能
である。
【符号の説明】
【0086】
5(5a,5b) ゲーム装置
53 オーディオ処理部
55 記憶部
56 制御部
561 通信部
562 ゲーム進行部
563 再生部
C1 第1キャラクタ
C2 第2キャラクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7