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特許7572650サーバ装置、端末装置、情報処理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】サーバ装置、端末装置、情報処理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20241017BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20241017BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20241017BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20241017BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/35
A63F13/87
G06F3/0484
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023105248
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2019077416の分割
【原出願日】2019-04-15
(65)【公開番号】P2023121800
(43)【公開日】2023-08-31
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】豊島 有紀
【審査官】前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-166965(JP,A)
【文献】特開2018-051268(JP,A)
【文献】週刊「ぷかぷか艦隊」Vol.19,World of Warships[online],2016年07月29日,インターネット<URL:https://worldofwarships.asia/ja/news/pukapuka-fleet/pukapuka_fleet_vol19/>,[2024年5月29日検索]
【文献】ブラックリスト,目覚めし冒険者の広場(WaybackMachine)[online],2012年08月18日,インターネット<URL://https://web.archive.org/web/20120818115806/https://hiroba.dqx.jp/sc/public/playguide/guide_4_19/>,[2024年5月30日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1ユーザを少なくとも含む複数のユーザによってプレイまたは閲覧されるゲームのゲーム空間の情報を、前記第1ユーザの端末装置に表示させ、
前記ゲームを、前記第1ユーザを少なくとも含む2以上のユーザから、順番に各ユーザに関連付けられるキャラクタの操作を受け付けることにより進行させ、
前記複数のユーザのうち前記第1ユーザとは異なる複数の他のユーザの端末装置から指示情報を受け付けた場合に、
前記第1ユーザの端末装置に、前記複数の他のユーザから受け付けた前記指示情報のうち、前記2以上のユーザに含まれるユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を、前記ゲーム空間の情報に重ねて表示させ、前記2以上のユーザに含まれないユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を表示させない、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、第1ユーザを少なくとも含む複数のユーザによってプレイまたは閲覧されるゲームのゲーム空間の情報を、前記第1ユーザの端末装置に表示させ、
プロセッサが、前記ゲームを、前記第1ユーザを少なくとも含む2以上のユーザから、順番に各ユーザに関連付けられるキャラクタの操作を受け付けることにより進行させ、
プロセッサが、前記複数のユーザのうち前記第1ユーザとは異なる複数の他のユーザの端末装置から指示情報を受け付けた場合に、
プロセッサが、前記第1ユーザの端末装置に、前記複数の他のユーザから受け付けた前記指示情報のうち、前記2以上のユーザに含まれるユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を、前記ゲーム空間の情報に重ねて表示させ、前記2以上のユーザに含まれないユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を表示させない、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、
第1ユーザを少なくとも含む複数のユーザによってプレイまたは閲覧されるゲームのゲーム空間の情報を、前記第1ユーザの端末装置に表示させる機能と、
前記ゲームを、前記第1ユーザを少なくとも含む2以上のユーザから、順番に各ユーザに関連付けられるキャラクタの操作を受け付けることにより進行させる機能と、
前記複数のユーザのうち前記第1ユーザとは異なる複数の他のユーザの端末装置から指示情報を受け付けた場合に、
前記第1ユーザの端末装置に、前記複数の他のユーザから受け付けた前記指示情報のうち、前記2以上のユーザに含まれるユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を、前記ゲーム空間の情報に重ねて表示させ、前記2以上のユーザに含まれないユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を表示させない機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項4】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置に接続されるサーバ装置とを含む情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
第1ユーザを少なくとも含む複数のユーザによってプレイまたは閲覧されるゲームのゲーム空間の情報を、前記第1ユーザの端末装置に表示させ、
前記ゲームを、前記第1ユーザを少なくとも含む2以上のユーザから、順番に各ユーザに関連付けられるキャラクタの操作を受け付けることにより進行させ、
前記複数のユーザのうち前記第1ユーザとは異なる複数の他のユーザの端末装置から指示情報を受け付けた場合に、
前記第1ユーザの端末装置に、前記複数の他のユーザから受け付けた前記指示情報のうち、前記2以上のユーザに含まれるユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を、前記ゲーム空間の情報に重ねて表示させ、前記2以上のユーザに含まれないユーザから受け付けた前記指示情報に基づく画像を表示させない、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、端末装置、情報処理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のユーザに共通の画面を表示する技術が知られている。例えば特許文献1には、ユーザの操作を案内するためのアノテーション文章を、画面に重畳表示する例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】再表2014/002812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、あるユーザAが、他のユーザBから操作に関するアドバイスを受けることについて配慮がされていない。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、ユーザ間で操作のアドバイスの授受を行うことのできるサーバ装置、端末装置、情報処理システム、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来例の問題点を解決する本発明の一態様は、複数のユーザのそれぞれが所持する端末装置に接続されるサーバ装置であって、前記複数のユーザの端末装置のそれぞれに共通して表示される情報の表示空間中の位置を特定する座標情報を含む、当該特定された位置に画像を表示する指示を、表示指示情報として、前記複数のユーザの少なくとも一部のユーザの端末装置から受け入れる受入手段と、前記表示指示情報の受け入れ元となったユーザとは異なるユーザの端末装置に対して、前記受け入れた表示指示情報に基づく画像の表示を行う旨の指示を生成して出力する指示出力手段と、を含み、当該指示を受けた端末装置に、表示空間情報に基づいて表示される情報の表示空間上で、前記受け入れた表示指示情報に含まれる座標情報で特定される位置に、所定の画像を重ね合わせて表示させることとしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、ユーザ間で操作のアドバイスの授受を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの例を表す構成ブロック図であ る。
図2】本発明の実施の形態に係るサーバ装置の例を表す機能ブロック図である。
図3】本発明の実施の形態に係る端末装置にて入力される表示指示情報の例を表す 説明図である。
図4】本発明の実施の形態に係る端末装置の例を表す機能ブロック図である。
図5】本発明の実施の形態に係る端末装置において表示される画面の例を表す説明 図である。
図6】本発明の実施の形態に係る情報処理システムの動作例を表す流れ図である。
図7】本発明の実施の形態に係る情報処理システムのもう一つの動作例を表す流れ 図である。
図8】本発明の実施の形態に係る端末装置において表示される画面のもう一つの例 を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、図1に例示するように、サーバ装置10と、このサーバ装置10に対してネットワークを介して通信可能に接続された複数の端末装置20とを含んで構成されている。
【0010】
サーバ装置10は、図1に例示するように、制御部11、記憶部12、及び、通信部13を含んで構成される。ここで制御部11は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。
【0011】
本実施の形態の一例では、この制御部11は、端末装置20のユーザを、ユーザ名やパスワード等の認証情報を用いるなどして認証する。また制御部11は、複数のユーザの端末装置20のそれぞれに共通して表示される情報の表示空間を表す表示空間情報を生成して送出する処理を行っている。さらにこの制御部11は、当該複数のユーザのうち、少なくとも一部のユーザの端末装置20から、上記表示空間中の位置を特定する座標情報を含む、当該特定された位置に画像を表示する指示を、表示指示情報として受け入れ、当該受け入れた表示指示情報との受け入れ元となったユーザとは異なるユーザの端末装置20に対して、上記受け入れた表示指示情報に基づく、所定の画像の表示を行う旨の指示を生成して出力する。
【0012】
これにより本実施の形態の例の制御部11は、上記指示をした端末装置20に対し、表示空間情報に基づいて表示される情報の表示空間上で、上記受け入れた指示に含まれる座標情報で特定される位置に、所定の画像を重ね合わせて表示させる。この制御部11の詳しい動作については、後に説明する。
【0013】
記憶部12は、ディスクデバイスやメモリデバイス等であり、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。またこの記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。この記憶部12には、ユーザごとにユーザ名やパスワード等の認証情報と、当該ユーザのフレンド(関係者)として予め設定された他のユーザを特定する情報(ユーザ名等でよい)とを関連付けたユーザデータベースが保持され、制御部11における認証の処理に利用される。
【0014】
通信部13は、ネットワークインタフェース等であり、制御部11から入力される指示に従って、指定された宛先に対して指示や種々の情報を送出する。またこの通信部13は、ネットワークを介して受信した要求や、種々の情報等を受け入れて制御部11に出力する。
【0015】
端末装置20は、ユーザによって操作される端末であり、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ制御デバイスである。この端末装置20は、メモリ等の記憶手段に記憶されたプログラムに従って動作し、ネットワークを介してサーバ10との間で通信を行う。
【0016】
この端末装置20は、制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、通信部25とを含んで構成される。ここで制御部21は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態において、この制御部21は、端末装置20本来の機能を達成するための動作(例えばスマートフォンであれば、電話機としての動作)を行うほか、サーバ装置10から端末装置20にて表示される情報の表示空間を表す表示空間情報を受信して、当該表示空間情報に基づく情報表示処理(この処理により表示される情報を、以下、基本情報と呼ぶ)を実行する。またこの制御部21は、画像の表示の指示をサーバ装置10から受信して、この指示に基づき、表示している基本情報の表示空間上で、ここで受信した指示に含まれる座標情報で特定される位置に、所定の画像を、重畳情報として重ね合わせて表示する処理を実行する。この画像の表示の指示は、サーバ装置10が他の端末装置20から受け入れた、座標情報を含む表示指示情報に基づいて生成したものであり、画像を表示する基本情報の表示空間上の座標情報を含む。この制御部21の処理については後に詳しく述べる。
【0017】
記憶部22は、ディスクデバイスやメモリデバイス等であり、制御部21によって実行されるプログラムを保持する。またこの記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。
【0018】
操作部23は、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイスを含む。この操作部23は、ユーザが指示した画面上の位置を表す情報を、制御部21に出力する。表示部24は、ディスプレイデバイスであり、制御部21から入力される指示に従って画像を表示する。
【0019】
通信部25は、ネットワークインタフェース等であり、制御部21から入力される指示に従って、指定された宛先に対して指示や種々の情報を送出する。またこの通信部25は、ネットワークを介して受信した要求や、種々の情報等を受け入れて制御部21に出力する。
【0020】
ここでサーバ装置10の制御部11の動作について説明する。本実施の形態では、制御部11は、記憶部12に格納されたプログラムを実行することにより、図2に例示するように、機能的に、表示情報生成部31と、指示受入部32と、表示指示情報受入部33と、指示出力部34と、処理実行部35とを含んで構成される。
【0021】
なお、以下の例では、サーバ装置10が、複数のユーザによってプレイされるゲームの処理を実行しているものとし、複数のユーザ(ゲームをプレイするプレイヤのほか、ゲームを閲覧する閲覧者を含んでもよい)に対して、それらのユーザが所持する端末装置20に共通して、ゲーム空間の情報を表示させるものとする。具体的にここでの例ではサーバ装置10が提供するゲームが次のようなものであるとする。すなわち、サーバ装置10は、図3に例示するように、二次元のゲーム空間G内に、敵側キャラクタX,Y,Z(サーバ装置10のプログラムにより制御される)と、自陣側キャラクタA,B,C(プレイヤとなる各ユーザ(以下、単にプレイヤと呼ぶ)により操作される)とを表示させる。各キャラクタには、それぞれ予め定められた体力ゲージが設定されているものとする。
【0022】
そしてプレイヤが自陣側のキャラクタの一つ(各自が使用するキャラクタは決められているものとする)の攻撃方法を選択して敵側キャラクタを攻撃し(敵側キャラクタの体力ゲージを更新する)、敵側キャラクタの攻撃を防御する(自陣側キャラクタの体力ゲージを更新する)というターンを繰り返し実行する。この際、サーバ装置10は、敵側キャラクタや自陣側キャラクタのゲーム空間G内での位置を更新する。そして全ての敵側キャラクタの体力ゲージが「0」となるか(勝利)、あるいは全ての自陣側キャラクタの体力ゲージが「0」となれば(敗北)、終了となるものとする。
【0023】
またここで攻撃方法は、攻撃の方向と強度とを設定することにより行うものとする。この設定は、ゲーム空間G内の少なくとも一点を特定することによって行うものとする。
【0024】
本実施の形態のこの例では、表示情報生成部31は、ゲーム空間Gの情報として、図3に例示したように、各キャラクタの画像を、ゲームの処理により決定されたそれぞれのキャラクタの位置の情報に応じて表示する画像を生成して出力する。またこの表示情報生成部31が生成する画像には、ゲーム空間Gの画像のほか、現在、どのユーザが操作する順番となっているかを表す情報や、各キャラクタの体力ゲージの値等が含まれてもよい。
【0025】
指示受入部32は、ゲームに参加する(キャラクタを操作する)プレイヤの端末装置20を特定する情報(例えばネットワークアドレスでよい)を保持する。また指示受入部32は、当該プレイヤを、順番に、操作者(操作プレイヤに相当)として選択する。そして操作者として選択したプレイヤの端末装置20に対して、操作者となったことを表す情報を送出するとともに、他のプレイヤの端末装置20に対しては、操作者でないことを表す情報を送出する。そして指示受入部32は、操作者として選択したプレイヤの端末装置20から、当該プレイヤが操作するキャラクタの攻撃方法の指示を受け入れる。なお、指示受入部32が操作者から受け入れた指示に基づいて、表示空間であるゲーム空間Gの表示情報が更新されることとなる。
【0026】
既に述べたように、ここでの攻撃方法の指示は、攻撃の方向と強度とをゲーム空間G内の少なくとも一点を特定することによって行われる。具体的には、操作者となったプレイヤは端末装置20であるスマートフォンの画面に表示されたゲーム空間G内の一点を指でタップし、画面に触れた状態を維持しつつ指を別の一点へ移動し、移動後に指を離す操作を行う。これにより端末装置20は、ゲーム空間G内の二点(タップした点と、指を離した点)の指示を得て、当該指示された二点を表す情報として、ゲーム空間G内の当該二点の座標情報を、サーバ装置10に送出する。
【0027】
この例では、指示受入部32は、操作者として選択したプレイヤの端末装置20から送出される二点の座標情報を受け入れて、処理実行部35に出力する。
【0028】
表示指示情報受入部33は、指示受入部32が操作者として選択したプレイヤ以外のユーザ(ゲームに参加する他のプレイヤ、または、ゲームに参加していないユーザを含んでもよい)から、表示空間であるゲーム空間G内の位置を特定する座標情報を含む、表示指示情報を受け入れる。具体的にここで受け入れる表示指示情報に含まれる座標情報は、ゲーム空間G内での指の移動軌跡を表すよう、複数あってもよい。このように移動軌跡を表す例では、表示指示情報はユーザのゲーム空間G内での指の移動軌跡上の各点の座標情報を含む(座標情報のリストを含む)こととなる。
【0029】
指示出力部34は、ここで受け入れた表示指示情報に基づいて、表示指示情報受入部33で受け入れた表示指示情報の受け入れ元となったユーザとは異なるユーザ(例えば操作者となったプレイヤや、閲覧中のユーザ等を含む、以下、表示対象ユーザと呼ぶ)の端末装置20に対して送出する指示を生成して、当該表示対象ユーザの端末装置20に対して当該生成した指示を、重畳表示指示として出力する。
【0030】
具体的に、この指示出力部34は、表示指示情報受入部33が受け入れた表示指示情報が、ゲーム空間G内の一点Pを特定する指示であった場合は、表示対象ユーザの端末装置20に対し、図3(a)に例示するように、ゲーム空間G内の対応する点Pの位置を強調表示する(図3の例では、半透明の二重の円で強調表示する例を示している)旨の指示を出力する。
【0031】
また、指示出力部34は、表示指示情報受入部33が受け入れた表示指示情報が、ゲーム空間G内の点Qから点Rまでを結ぶ軌跡上の各点の座標情報を含むものであった場合は、表示対象ユーザの端末装置20に対し、図3(b)に例示するように、ゲーム空間G内の対応する点Qの位置から点Rの位置への軌跡を強調表示する(図3の例では、幅のある線分で強調表示する例を示している)旨の指示を出力する。
【0032】
さらに、指示出力部34は、表示指示情報受入部33が受け入れた表示指示情報が、ゲーム空間G内の点Sを長押しするものであった場合は、表示対象ユーザの端末装置20に対し、図3(c)に例示するように、ゲーム空間G内の対応する点Sの位置を中心として、この中心から第1の所定の距離にあるランダムな位置を起点として複数のアイコンや図形、点などを表示し、これらのアイコン等を上記中心から放射方向(動径方向外側)に時間経過に応じて移動しつつ、所定のタイミングごとに、上記ランダムな起点に新たなアイコン等の表示を行い、また、中心から第2の所定の距離に至ったアイコン等を消去する旨の指示、あるいは、中心からの距離に応じて透明度を大きくし、透明度が所定値未満となったアイコン等を削除する旨の指示などを出力する。
【0033】
この指示を受けた端末装置20は、点Sを中心としてアイコン等の図形が湧き出すように、散点的にアイコン等の図形が放射状に広がるアニメーションを表示することとなる。
【0034】
処理実行部35は、ゲームとしての処理を実行する。具体的にこの処理実行部35は、各ユーザの端末装置20に対して、ゲーム空間に配される各キャラクタの種類を表す情報
(キャラクタの外観の画像を含んでもよい)や、座標情報、並びに、体力ゲージの値を送信して端末装置20でのゲーム空間の描画を行わせる。
【0035】
そして処理実行部35は、指示受入部32がプレイヤの端末装置20から受け入れた座標情報と、ゲーム空間に配される各キャラクタの座標情報とを用いて所定の規則に従って敵側キャラクタの体力ゲージを更新する。この更新の方法は、ゲームの規則に従って定めることができ、種々の方法を採用できるので、ここでの詳しい説明は省略する。
【0036】
またこのとき処理実行部35は、体力ゲージの更新後、体力ゲージが「0」となった敵側キャラクタがいれば、当該敵側キャラクタが倒されたものとして処理を行う。そして処理実行部35は、敵側キャラクタがすべて倒されたと判断されると、プレイヤの勝利として、各ユーザの端末装置20に対し、ゲームに勝利したことを表す表示を行うよう指示を出力する。
【0037】
また処理実行部35は、体力ゲージの更新後に敵側キャラクタが1体でも残っている(体力ゲージが「0」でない敵側キャラクタが存在する)と判断すると、体力ゲージが「0」となっていない敵側キャラクタを順次選択して、当該敵側キャラクタからの「攻撃」の処理を実行し、各プレイヤの自陣側キャラクタの体力ゲージを更新する。ここで体力ゲージの更新後、体力ゲージが「0」となった自陣側キャラクタが存在すれば、当該自陣側キャラクタが倒されたものとして処理を行う。そして処理実行部35は、自陣側キャラクタがすべて倒されたと判断されると、プレイヤの敗北として、各ユーザの端末装置20に対し、ゲームに敗北したことを表す表示を行うよう指示を出力する。
【0038】
一方、体力ゲージの更新後に自陣側キャラクタが1体でも残っている(体力ゲージが「0」でない自陣側キャラクタが存在する)と判断したときには、この処理実行部35は、次に指示受入部32から指示があるまで待機する。
【0039】
次に、端末装置20の制御部21の動作について説明する。本実施の形態では、この制御部21は、記憶部22に格納されたプログラムを実行することで、図4に例示するように、基本情報表示部41と、操作通信部42と、表示情報受信部43と、重畳情報表示部44とを機能的に含む構成を実現する。
【0040】
基本情報表示部41は、サーバ装置10から受信した、ゲーム空間に配される各キャラクタの種類を表す情報(キャラクタの外観の画像を含んでもよい)や、座標情報、並びに、体力ゲージの値の情報に基づいて、ゲーム空間の画像を生成して表示出力する。具体的に、この基本情報表示部41が生成して表示するゲーム空間の画像は図5(a)に例示するように、ゲーム空間Gの背景画像上、各キャラクタの座標情報が表す位置に、対応するキャラクタの外観の画像を配したものとなる(A,B,C,X,Y,Z)。また基本情報表示部41は、各キャラクタの外観の画像に隣接して、対応する体力ゲージを表す情報を表示する(図5(a)ではバーとして表示する例を示している)。
【0041】
またこの基本情報表示部41は、サーバ装置10から受信する情報に基づいてユーザが操作者となっているか否かを表す情報を、基本情報に含めて表示する。具体的に、この基本情報表示部41は、サーバ装置10から操作者として選択された旨の情報を受け入れると、ユーザが操作者となっていることを表す表示を、基本情報に含めて行う。また、基本情報表示部41は、サーバ装置10から、操作者として選択されていない旨の情報を受け入れると、ユーザが操作者となっていることを表す表示を消去する。
【0042】
操作通信部42は、ユーザが、表示されたゲーム空間上で位置を指定する操作を受け入れる。例えば端末装置20がスマートフォンである場合、その画面に表示されたゲーム空間G内の一点Sを指でタップし、画面に触れた状態を維持しつつ指を別の一点Tへ移動し、移動後に指を離して、当該操作によって得られた座標情報を送信する操作(例えば画面上に表示された「送信」ボタンのタップ操作)を行うと、この操作通信部42は、当該操作により特定された二点S,T間の各点の座標情報をサーバ装置10に対して送信する。
【0043】
具体的にこの操作通信部42は、ユーザの指が画面に触れている間、所定の時間間隔ごとに繰り返してユーザの触れている位置に対応するゲーム空間G内の座標情報を取得し、取得した座標情報のリストの末尾に追加する。そして操作通信部42は、ユーザが座標情報を送信する操作を行ったときに、当該座標情報のリストを、操作により特定された各点の座標情報としてサーバ装置10に対して送信する。
【0044】
本実施の形態では、サーバ装置10において、操作者として選択されたプレイヤが当該操作を送信した場合は、ゲームにおける実際の操作として利用され、操作者として選択されていないプレイヤや、プレイヤでないユーザが当該操作を送信した場合は表示指示情報として利用される。
【0045】
表示情報受信部43は、サーバ装置10から重畳表示指示を受信する。この重畳表示指示は既に述べたように、サーバ装置10が他のユーザの端末装置20のいずれかから受け入れた、ゲーム空間中の位置を特定する座標情報を含む表示指示情報に基づいて生成した、画像を表示する旨の指示を含むものである。
【0046】
重畳情報表示部44は、表示情報受信部43が受信した重畳表示指示に基づいて、基本情報に重ね合わせて表示する重畳情報を生成し、基本情報に重ね合わせて表示する。具体的にサーバ装置10が、ゲーム空間G内の対応する点Qの位置から点Rの位置への軌跡を強調表示する(図3(b))旨の指示を出力したときには、重畳情報表示部44は、基本情報(図5(a))に図3(b)の画像を重畳情報として重ね合わせて、図5(b)に例示するような画面を表示することとなる。なお、重畳情報の表示を行うか否かは、ユーザの操作に応じて切替可能としてよい。この場合、重畳情報が表示されている場合に限り、重畳表示指示を受け入れ可能としてよい。
【0047】
[動作]
本実施の形態の情報処理システムは以上の構成を有しており、次のように動作する。なお、以下の例では既に例示したゲームがサーバ装置10により提供されるものとする。
【0048】
またここでは複数の端末装置20(スマートフォンとする)のユーザがサーバ装置10にログインして、ゲームのサービスを要求し、サーバ装置10は各ユーザを、予め登録されたユーザ名やパスワードを用いて認証する等の処理を行うものとする。
【0049】
サーバ装置10は、認証したユーザのうち、プレイヤとなるユーザを所定の数だけ特定する(例えばここでの例では3名とする)。このプレイヤの特定は、ユーザの希望により行われてよい(多数の希望者がある場合は、希望者のうちからランダムに決定してよい)。
【0050】
ここで特定されたユーザがプレイヤとなり、さらにサーバ装置10から指示される順番に操作者となる。プレイヤは操作者となったときに端末装置20を操作して、自己が操作するキャラクタの動きを指示する。サーバ装置10は、当該プレイヤが端末装置20に対して行った指示の内容を、端末装置20から受信してゲームを進行させる。
【0051】
本実施の形態において特徴的なことの一つは、この操作者となったプレイヤ以外のプレイヤや、プレイヤとなっていないユーザからもゲーム空間上の位置を指定する操作を、サーバ装置10が受け入れて、端末装置20における表示の処理に供することである。本実施の形態ではこれにより、操作者でないユーザが、操作者となっているプレイヤに対して操作のアドバイスを提供できるようになる。
【0052】
具体的には図6に例示するように、操作者でないユーザが端末装置20を操作して、ゲーム画面G上で点Qから点Rへ指を滑らせる操作(図3(b)に例示した操作)を行った場合(S1)、このユーザの端末装置20が当該操作により特定された二点Q,Rの間の各点の座標情報をサーバ装置10に対して送信する(S2)。
【0053】
サーバ装置10は、この各点の座標情報を、表示指示情報として受け入れ、ゲーム空間G内の対応する点Qの位置から点Rの位置への軌跡を強調表示する旨の重畳表示指示を、表示対象ユーザの端末装置20へ出力する(S3)。ここでの例では、表示対象ユーザは操作者となっているプレイヤとする。もちろん表示対象ユーザは操作者となっているプレイヤに限られるものではなく、ゲーム画面(表示空間)を共有する全てまたは一部のユーザであってもよい。
【0054】
操作者となっているプレイヤの端末装置20では、サーバ装置10から重畳表示指示を受信し、その時点で表示されている基本情報(図5(a))に重畳表示指示に基づく画像
図3(b)の画像)を重畳情報として重ね合わせて、図5(b)に例示するような画面を表示する(S4)。
【0055】
操作者となったプレイヤは、この表示をアドバイスとして参照し、当該アドバイスを参考にして操作を行うこととすればよい(S5)。
【0056】
[表示の消去]
なお、本実施の形態では、操作者となっているプレイヤのゲーム画面に重畳して、他者のアドバイスの情報が表示されるが、実際に操作を行う際にはこの重畳した表示により、ゲーム画面が見づらくなることも考えられる。そこで本実施の形態の端末装置20は、重畳情報の表示を次に例示する方法等により消去することとしてもよい。
【0057】
すなわち、本実施の形態の端末装置20は、
(1)重畳情報を表示してから予め定めた時間が経過したときに重畳表示を消去する、
(2)ユーザが操作部23にタッチするなど、操作を開始したタイミングで重畳表示を消去する、などの方法により重畳情報の表示を取りやめてもよい。
【0058】
このように本実施の形態では、端末装置20が、基本情報に重ね合わせて表示した重畳情報の表示開始後、所定の条件が満足されたタイミングが経過するまで待機し、その後、重畳表示を取りやめることとしてもよい。
【0059】
また、サーバ装置10から、図3(b)に例示したように、多数の点に係る座標情報を含む重畳表示指示を受信するときには、端末装置20では、各点の座標情報を逐次的に受信することとなるが、この場合、端末装置20は、当該逐次的に受信した座標情報で表される位置に、所定の画像(例えば円等の図形の画像)を表示する処理を順次実行することとしてもよい。なお、所定の画像の色や形状等の表示態様は、重畳表示指示の元となった操作を行ったユーザごとに変えてもよい。
【0060】
このように表示すると、端末装置20のゲーム画面G上で重畳情報としての図形の画像が徐々に増加するなどして変化することとなり、アドバイスの内容がより分かりやすく表示される。
【0061】
この場合、端末装置20は、さらに、表示してから所定の時間だけ経過した画像の表示から順次取りやめることとしてもよい。この例では図3(b)のように、Q点からR点までの軌跡上の各点の座標情報(断続的であってもよい)が逐次的に受信されたとき、Q点側から上記軌跡上に所定の図形(例えば円)の画像がR点に向かって順次表示されることとなるが、各図形の画像について所定の時間が経過したところで当該図形の画像を消去する。これによると、先に受信した座標情報に基づく位置に配した図形から順に所定の時間が経過するごとに消去されることとなる。なお、所定の画像の表示開始から消去までの時間は、重畳表示指示の元となった操作を行ったユーザごとに変えてもよいし、所定の画像の表示態様ごとに変えてもよい。
【0062】
[多数のユーザから表示指示情報が提供された場合]
また本実施の形態のある例では、サーバ装置10が、多数のユーザから表示指示情報を受け入れることがあり得るが、この場合、サーバ装置10は、受け入れた表示指示情報のそれぞれに基づく重畳表示指示を生成して、各重畳表示指示を所定の順序(例えば元となった表示指示情報の受信順)で表示対象ユーザの端末装置20に出力してもよい。
【0063】
この場合、端末装置20は、受信した重畳表示指示に基づく重畳情報の表示を順次行うこととしてもよい。
【0064】
また、別の例では、サーバ装置10は、受け入れた表示指示情報のうちから、予め定めた条件で一部の表示指示情報を選択して、当該選択した表示指示情報のそれぞれに基づく重畳表示指示を生成して、各重畳表示指示を所定の順序(例えば元となった表示指示情報の受信順)で表示対象ユーザの端末装置20に出力することとしてもよい。
【0065】
例えばサーバ装置10は、2以上のユーザからそれぞれ受け入れた表示指示情報のうちから、予め定めた条件に基づいて1のユーザから受け入れた表示指示情報を選択する。そしてサーバ装置10は、当該選択した表示指示情報に基づく、重畳表示指示を生成して、表示対象ユーザの端末装置20に出力する。
【0066】
ここでサーバ装置10が表示指示情報を選択する条件には次のような条件がある:
(1)プレイヤであること(操作者となり得ること)、または
(2)サーバ装置10において、ユーザごとに、当該ユーザの「フレンド」(関係者)として、他のユーザを特定する情報が関連付けられている場合、操作者となったプレイヤ、またはプレイヤに対してフレンドとなっているユーザであること、を条件として1以上のユーザを選択する。
【0067】
また、これらのいずれかの条件によってもユーザに絞り込めない場合は、サーバ装置10は、ランダムに、あるいはユーザの選択を求めて、1以上のユーザを決定し、当該決定したユーザの表示指示情報を選択することとしてもよい。
【0068】
さらに別の条件として、
(3)操作者となったユーザにより選択された1以上のユーザを、上記条件とし、サーバ装置10は、当該選択されたユーザの表示指示情報を選択することとしてもよい。
【0069】
また、上記条件はゲームの種類に応じて設定されてもよい。例えばここまでの例では、ユーザ側のチームとコンピュータにより制御される側のチームとの対戦型のゲームを例として説明したが、本実施の形態の情報処理システムの適用の対象は、このようなゲームに限るものではなく、例えばユーザが複数のチームに分かれて対戦する型のゲームにも適用できる。
【0070】
このような場合、一方側のチームのプレイヤへのアドバイスが、他方側のチームのプレイヤの端末装置20に表示されないようにするとともに、一方側のチームのプレイヤは、同じチームのアドバイス(表示指示情報に基づく重畳情報)のみを選択できるようにしておくことが好適である。そこでこの例においては上記条件は、
(4)同じチームに属するユーザのうち1以上のユーザの表示指示情報を選択することとしてもよい。
【0071】
[図形の種類]
また、ここまでの説明において、重畳情報として表示される、各座標情報ごとの図形の画像は、円などの予め定められたものとしていたが、本実施の形態はこれに限られない。
【0072】
例えば、ユーザは、表示指示情報を入力する際に、自らが作成した、あるいは購入するなどして使用権を得たアイコンやイラスト等を座標情報ごとに表示される図形の情報として端末装置20に対して指示してもよい。
【0073】
この例では、端末装置20は、座標情報ごとに表示される図形として利用可能な図形の一覧を表示して、ユーザの選択を受け入れる(図3図5のE)。ユーザは、この一覧から使用する図形の情報を選択する。端末装置20は、当該ユーザの選択操作を受け入れ、選択された図形の情報を、表示指示情報に含めてサーバ装置10へ送出する。
【0074】
そしてサーバ装置10は、当該表示指示情報に基づいて、当該表示指示情報に含まれる座標情報とともに、当該図形の情報を含む重畳表示指示を生成して、表示対象ユーザの端末装置20に対して送出し、表示対象ユーザの端末装置20が当該重畳表示指示に基づき、基本情報に重ね合わせて、重畳表示指示に含まれる各座標情報が表すゲーム空間G上の位置に、重畳表示指示に含まれる図形の情報が表す図形の画像を重畳情報として表示する。
【0075】
この例によると、各ユーザは、アドバイスの内容を自分の好みにカスタマイズすることができ、娯楽性も向上する。
【0076】
さらにこの図形の情報は、動きのある(アニメーション効果のついた)アイコン等であってもよい。この場合、例えばユーザがゲーム空間G上の一点を指定し、端末装置20が一つの座標情報を含んだ表示指示情報を送出した場合でも、このように動きのあるアイコン等を当該ユーザが指定しておくことにより、サーバ装置10を介して、対応する重畳表示指示を受けた、表示対象ユーザ側の端末装置20では、上記ユーザが指定した一点に、動きのある(例えば花火のように当該指定された一点を中心に広がる)画像が表示されることとなる。
【0077】
[座標点の強調表示]
ここまでの例では、重畳情報は、図形などを複数の座標に散点表示するようにしていたが、本実施の形態はこれだけに限られない。
【0078】
例えば、図7に例示するように、操作者でないユーザが端末装置20を操作して、ゲーム画面G上で点Pをタップ(あるいは長押し)する操作を行った場合(S11)、このユーザの端末装置20が当該操作により特定された点Pの座標情報をサーバ装置10に対して送信する(S12)。
【0079】
サーバ装置10は、この点の座標情報を、表示指示情報として受け入れ、ゲーム空間G内の対応する点Pの近傍を強調表示する旨の重畳表示指示を、表示対象ユーザの端末装置20へ出力する。この強調表示は、図3(a)に例示したように、点Pを中心とする所定半径の円などの図形を描画することにより行うこととしてもよいが、本実施の形態はこれだけに限られず、次のようにしてもよい。
【0080】
すなわち、本実施の形態のある例に係るサーバ装置10は、基本情報中で、点Pから各キャラクタの位置までの距離を演算して、点Pから最も近い位置にいるキャラクタを見出す(S13)。そしてサーバ装置10は、このキャラクタの位置と点Pとの間の距離Lが予め定めたしきい値を下回るかを判断する(S14)。
【0081】
ここで上記距離Lが予め定めたしきい値を下回ると判断すると(S14:Yes)、サーバ装置10は、処理S13で見出したキャラクタの位置の中心(キャラクタの画像の外接矩形の中心でよい)を中心とした所定半径の円などの図形を描画する旨の重畳表示指示を、表示対象ユーザの端末装置20へ出力する(S15)。この例では、端末装置20側では、タップされた点Pではなく、その近くに所在するキャラクタを強調表示することとなる(図8)。
【0082】
図8の例では、強調表示部分を区別しやすくするため、星形の多角形で強調表示を行う例を示している。
【0083】
また、処理S14において、上記距離Lが予め定めたしきい値を下回らないと判断すると(S14:No)、サーバ装置10は、ゲーム空間G内の対応する点Pの近傍を強調表示する旨の重畳表示指示を、表示対象ユーザの端末装置20へ出力する(S16)。
【0084】
なお、ここではキャラクタや点P近傍を強調表示させるにあたり、強調表示する対象の近傍に円などの図形を描く等の処理を行う例としたが、本実施の形態において、この強調表示は、例えばキャラクタの画像や点P近傍の所定範囲の色を反転(色相や明度を反転)、ないし点滅することとしてもよいし、キャラクタや点Pを指す矢印を描画させることとしてもよい。
【0085】
操作者となったプレイヤは、この表示をアドバイスとして参照し、当該アドバイスを参考にして操作を行うこととすればよい。
【0086】
また、この例でも端末装置20は、
(1)重畳情報を表示してから予め定めた時間が経過したときに重畳表示を消去する、
(2)ユーザが操作部23にタッチするなど、操作を開始したタイミングで重畳表示を消去する、などの方法により重畳情報の表示を取りやめてもよい。
【0087】
[変形例]
また本実施の形態のここまでの説明ではサーバ装置10がゲームの処理を行う例について説明したが、サーバ装置10が提供するサービスはゲームだけでなく、例えば地図情報であってもよい。この場合、各ユーザの端末装置20において表示されている地図情報(基本情報)に対し、あるユーザが道順の軌跡上にある各点の座標情報を含んだ表示指示情報をサーバ装置10に送信すると、サーバ装置10が、当該表示指示情報に基づいて、他のユーザの端末装置20に対して、当該経路上の各点を示す図形を描画して重ね合わせて表示する旨の重畳表示指示を生成して出力する。
【0088】
そして各ユーザの端末装置20では、基本情報に当該重畳表示指示に基づく重畳情報が重ね合わせて表示され、道順等のアドバイスを受けることが可能となる。また、重畳表示指示として文字を書くことで、表示空間を共有する複数のユーザが重畳表示に基づいて、筆談によるコミュニケーションを取ることも可能である。
【符号の説明】
【0089】
10 サーバ装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、20 端末装置、21 制御部、22 記憶部、23 操作部、24 表示部、25 通信部、31 表示情報生成部、32 指示受入部、33 表示指示情報受入部、34 指示出力部、35 処理実行部、41 基本情報表示部、42 操作通信部、43 表示情報受信部、44 重畳情報表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8