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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】鋼管杭の継手構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 5/24 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
E02D5/24 103
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023124785
(22)【出願日】2023-07-31
【審査請求日】2024-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
(73)【特許権者】
【識別番号】308023826
【氏名又は名称】株式会社テクノ九州
(73)【特許権者】
【識別番号】394002981
【氏名又は名称】株式会社岡本建設用品製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】堺 純一
(72)【発明者】
【氏名】田中 照久
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真征
(72)【発明者】
【氏名】藤川 繁次
(72)【発明者】
【氏名】金満 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】岡本 善輝
(72)【発明者】
【氏名】藪中 秀延
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3108413(JP,U)
【文献】実用新案登録第2531458(JP,Y2)
【文献】実開昭54-111266(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/00~5/80
E04B 1/58
F16B 7/00~7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の鋼管杭の端部同士を同軸上で接合する鋼管杭の継手構造であって、
前記一対の鋼管杭の端部にそれぞれ溶接される一対の継手部材であり、それぞれ、前記一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第1平面で切断した半円柱状の嵌入部と、前記円柱より大径で前記一対の鋼管杭の端部間に位置する胴部であり、前記第1平面に連続する第2平面を有する胴部とを備えた一対の継手部材と、
前記一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入された一対の継手部材同士を貫通する挿通孔と、
前記挿通孔に挿通して前記一対の継手部材同士を結合する結合部材と
を有する鋼管杭の継手構造。
【請求項2】
前記胴部は、前記一対の鋼管杭の端部に溶接される半円柱状部を有し、前記半円柱状部は円柱を前記第2平面で切断した形状である請求項1記載の鋼管杭の継手構造。
【請求項3】
前記胴部は、円柱を前記第2平面で切断した半円柱状部と、前記半円柱状部の外周部に設けられ、前記一対の鋼管杭の端部に溶接される円筒部とを有する請求項1記載の鋼管杭の継手構造。
【請求項4】
前記一対の継手部材は同一形状である請求項1から3のいずれか1項に記載の鋼管杭の継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の鋼管杭の端部同士を接合する場合に使用する鋼管杭の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管杭の継手構造については、従来、様々なタイプのものが提案されている。本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された鋼管杭の機械式継手がある。この鋼管杭の機械式継手は、円筒状で接合対象の鋼管杭と略同径で、周壁に複数の孔を有する外継手管と、円筒状で外継手管内径より若干小さい外径で、外継手管の孔と連通する同径の孔を有する内継手管と、鋼管杭とほぼ同じ外径で、内径が内継手管の外径より若干大きい鋼製外リングと、外径が孔より若干小さい鋼製円柱体で構成し、外継手管を一方の鋼管杭の端面に固着し、鋼製外リングを内継手管外周に挿入し、鋼管杭、鋼製外リング、内継手管で囲われた空間内を溶接し、この鋼製外リングを介して内継手管をもう一方の鋼管杭に溶接し、内外継手管の孔が連通する様に外継手管に内継手管を挿入し、鋼製外リングの端面と外継手管の端面とを対向させ、これらの孔に鋼製円柱体を差し込んで内継手管と外継手管とを結合することを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-168789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された鋼管杭の機械式継手では、下鋼管杭と上鋼管杭との結合を行うためには、内外継手管の孔が連通する様に孔の位置を合わせてこれらの孔に鋼製円柱体を差し込めるようにする必要があるが、下鋼管杭に対して上鋼管杭は軸心周りに回転自在であるため、孔の位置を合わせながら外継手管に内継手管を挿入することが難しい。また、特許文献1に記載された鋼管杭の機械式継手では、軸心周りの捻り方向の外力を鋼製円柱体のみが受けるため、鋼製円柱体の強度に注意する必要がある。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、施工が簡単であり、捩り方向の外力に対する剛性が高い鋼管杭の継手構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の鋼管杭の継手構造は、一対の鋼管杭の端部同士を同軸上で接合する鋼管杭の継手構造であって、一対の鋼管杭の端部にそれぞれ溶接される一対の継手部材であり、それぞれ、一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第1平面で切断した半円柱状の嵌入部と、前記円柱より大径で一対の鋼管杭の端部間に位置する胴部であり、第1平面に連続する第2平面を有する胴部とを備えた一対の継手部材と、一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入された一対の継手部材同士を貫通する挿通孔と、挿通孔に挿通して一対の継手部材同士を結合する結合部材とを有する。
【0007】
本発明の鋼管杭の継手構造によれば、一対の継手部材のそれぞれの半円柱状の嵌入部が、一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入される際、それぞれの半円柱状の嵌入部の第1平面が対面に配置されて面接触する状態で位置決めされる。このとき、挿通孔は一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入された一対の継手部材同士を貫通するので、この挿通孔に結合部材を挿通することが容易であり、これにより一対の継手部材同士を結合することができる。
【0008】
また、一対の継手部材は、同一形状であることが望ましい。これにより、同一形状の一対の継手部材を一対の鋼管杭のそれぞれに溶接することで、本発明の鋼管杭の継手構造が得られる。
【発明の効果】
【0009】
(1)一対の鋼管杭の端部にそれぞれ溶接される一対の継手部材であり、それぞれ、一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第1平面で切断した半円柱状の嵌入部と、前記円柱より大径で一対の鋼管杭の端部間に位置する胴部であり、第1平面に連続する第2平面を有する胴部とを備えた一対の継手部材と、一対の鋼管杭の互いの端部に嵌入された一対の継手部材同士を貫通する挿通孔と、挿通孔に挿通して一対の継手部材同士を結合する結合部材とを有する構成により、一対の継手部材のそれぞれの半円柱状の嵌入部の第1平面が対面に配置されて面接触する状態で位置決めされ、挿通孔に結合部材を挿通して一対の継手部材同士を結合することができるので、施工が簡単である。また、捻り方向の外力に対して一対の継手部材のそれぞれの第1平面およびこれに連続する第2平面で受けるため、剛性が高い鋼管杭の継手構造となる。
【0010】
(2)一対の継手部材が、同一形状であることにより、同一形状の一対の継手部材を一対の鋼管杭のそれぞれに溶接することで、本発明の鋼管杭の継手構造が得られるので、低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態における鋼管杭の継手構造を示す斜視図である。
図2図1の鋼管杭の接続前の状態を示す正面図である。
図3図1の鋼管杭の接続後の状態を示す正面図である。
図4図1の鋼管杭の接続後、結合部材により結合する例を示す正面図である。
図5】別の結合例を示す正面図である。
図6】本発明の第2実施形態における鋼管杭の継手構造を示す斜視図である。
図7図6の鋼管杭の接続前の状態を示す正面図である。
図8図6の鋼管杭の接続後の状態を示す正面図である。
図9図6の鋼管杭の接続後、結合部材により結合する例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
図1は本発明の第1実施形態における鋼管杭の継手構造を示す斜視図、図2図1の鋼管杭の接続前の状態を示す正面図、図3図1の鋼管杭の接続後の状態を示す正面図、図4図1の鋼管杭の接続後、結合部材により結合する例を示す正面図である。
【0013】
図1図3に示すように、本発明の第1実施形態における鋼管杭の継手構造は、一対の鋼管杭P1,P2の端部同士を同軸上で接合する一対の継手部材1A,1Bを有する。継手部材1A,1Bは、それぞれ一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入される半円柱状の嵌入部11と、一対の鋼管杭P1,P2の端部間に位置する胴部12とを備える。また、継手部材1A,1Bは、胴部12の鋼管杭P1,P2へそれぞれ溶接する側に突設され、鋼管杭P1,P2の端部に嵌入される突設部13を備える。
【0014】
半円柱状の嵌入部11は、鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第1平面11Aで切断した形状である。胴部12は、嵌入部11の円柱より大径(本実施形態においては鋼管杭P1,P2の外径と同径)の円柱をその軸心を含む第2平面12Aで切断した形状である。第2平面12Aは第1平面11Aと同一面上にあり、第1平面11Aに連続する平面である。突設部13は、鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第3平面13Aで切断した形状である。第3平面13Aは第2平面12Aと同一面上にあり、第2平面12Aに連続する平面である。
【0015】
一対の継手部材1A,1Bは、接合する一対の鋼管杭P1,P2の端部に互い違いに対向するように配置されて溶接される。なお、胴部12の突設部13側の端部には、30°~45°の開先12Bが設けられ、工場内で溶接部W1を溶接することにより継手部材1A,1Bが鋼管杭P1,P2に固着される。
【0016】
上記一対の継手部材1A,1Bが溶接された鋼管杭P1,P2では、それぞれの半円柱状の嵌入部11の第1平面11Aが対面に配置されて面接触する状態で位置決めされ、図3に示すように、継手部材1A,1Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部11が鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入される。
【0017】
また、継手部材1A,1Bには、図3に示すように継手部材1A,1Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部11が鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入された状態において、一対の継手部材1A,1B同士を貫通する挿通孔14が設けられている。
【0018】
この挿通孔14には、例えば図4に示すように、結合部材としての寸切りボルト15Aを挿通し、座金15Bおよびナット15Cを用いて締結することにより、一対の継手部材1A,1B同士を結合する。なお、一方の座金15Bおよびナット15Cを予め一方の継手部材1Aに溶接しておくことも可能である。また、寸切りボルト15Aを頭部付きボルトとすることもできる。
【0019】
あるいは、図5に示すように、継手部材1A,1Bから座金15Bおよびナット15Cが突出しないように深座繰り16を設け、同様に結合部材としての寸切りボルト15Aを挿通し、座金15Bおよびナット15Cを用いて締結することにより、一対の継手部材1A,1B同士を結合する構成とすることも可能である。この場合も、一方の座金15Bおよびナット15Cを予め一方の継手部材1Aに溶接しておくことも可能である。また、寸切りボルト15Aを頭部付きボルトとすることもできる。
【0020】
上記構成の鋼管杭の継手構造では、一対の継手部材1A,1Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部11が、一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入される際、それぞれの半円柱状の嵌入部11の第1平面11Aが対面に配置されて面接触する状態で位置決めされる。このとき、挿通孔14は一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入された一対の継手部材1A,1B同士を貫通するので、この挿通孔14に寸切りボルト15Aを挿通することが容易であり、これにより一対の継手部材1A,1B同士を結合することができる。
【0021】
すなわち、この継手構造によれば、一対の継手部材1A,1Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部11の第1平面11Aが対面に配置されて面接触する状態で位置決めされ、挿通孔14に寸切りボルト15Aを挿通して一対の継手部材1A,1B同士を結合することができるので、施工が簡単である。また、捻り方向の外力に対して一対の継手部材1A,1Bのそれぞれの第1平面11Aおよびこれに連続する第2平面12A、さらには第3平面13Bで受けるため、剛性が高い。
【0022】
なお、上記一対の継手部材1A,1Bは同一形状であり、同一形状のものを一対の鋼管杭P1,P2のそれぞれに溶接しており、部品点数を少なくすることができるので、低コストである。
【0023】
<実施の形態2>
図6は本発明の第2実施形態における鋼管杭の継手構造を示す斜視図、図7図6の鋼管杭の接続前の状態を示す正面図、図8図6の鋼管杭の接続後の状態を示す正面図、図9図6の鋼管杭の接続後、結合部材により結合する例を示す正面図である。
【0024】
図6図8に示すように、本発明の第2実施形態における鋼管杭の継手構造は、一対の鋼管杭P1,P2の端部同士を同軸上で接合する一対の継手部材2A,2Bを有する。継手部材2A,2Bは、それぞれ一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入される半円柱状の嵌入部21と、一対の鋼管杭P1,P2の端部間に位置する胴部22とを備える。
【0025】
半円柱状の嵌入部21は、鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第1平面21Aで切断した形状である。胴部22は、嵌入部21の円柱より大径(本実施形態においては鋼管杭P1,P2の外径と同径)の円筒部23Aと、嵌入部21の円柱と同径の円柱をその軸心を含む第2平面22Aで切断した半円柱状部23Bとから構成される。第2平面22Aは第1平面21Aと同一面上にあり、第1平面21Aに連続する平面である。円筒部23Aは半円柱状部23Bの外周部に設けられており、円筒部23Aと第2平面22Aとの間は他方の嵌入部21が嵌入可能な空洞部23Cとなっている。
【0026】
一対の継手部材2A,2Bは、接合する一対の鋼管杭P1,P2の端部に互い違いに対向するように配置されて溶接される。なお、円筒部23Aの鋼管杭P1,P2に溶接される側の端部には、30°~45°の開先22Bが全周に設けられ、工場内で溶接部W2を全周溶接することにより継手部材2A,2Bが鋼管杭P1,P2に固着される。
【0027】
上記一対の継手部材2A,2Bが溶接された鋼管杭P1,P2では、それぞれの半円柱状の嵌入部21の第1平面21Aが対面に配置されて面接触する状態で位置決めされ、図8に示すように、継手部材2A,2Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部21が鋼管杭P1,P2の互いの端部の空洞部23Cに嵌入される。
【0028】
また、継手部材2A,2Bには、図8に示すように継手部材2A,2Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部21が鋼管杭P1,P2の互いの端部の空洞部23Cに嵌入された状態において、一対の継手部材2A,2B同士を貫通する挿通孔24A,24B,24Cが設けられている。挿通孔24Aは嵌入部21に設けられている。挿通孔24Bは胴部22の半円柱状部23Bに設けられ、挿通孔24Cは胴部22の円筒部23Aに設けられている。
【0029】
これらの挿通孔24Aおよび挿通孔24B,24Cには、例えば図9に示すように、結合部材としての寸切りボルト15Aをそれぞれ挿通し、座金15Bおよびナット15Cを用いて締結することにより、一対の継手部材2A,2B同士を結合する。なお、第1実施形態と同様に、一方の座金15Bおよびナット15Cを予め一方の継手部材2Aに溶接しておくことも可能である。また、寸切りボルト15Aを頭部付きボルトとすることもできる。
【0030】
あるいは、図示を省略するが、第1実施形態と同様に、継手部材から座金およびナットが突出しないように深座繰りを設け、同様に結合部材としての寸切りボルトを挿通し、座金およびナットを用いて締結することにより、一対の継手部材2A,2B同士を結合する構成とすることも可能である。この場合も、一方の座金およびナットを予め一方の継手部材2Aに溶接しておくことも可能である。また、寸切りボルトを頭部付きボルトとすることもできる。
【0031】
上記構成の鋼管杭の継手構造では、一対の継手部材2A,2Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部21が、一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部の空洞部23Cに嵌入される際、それぞれの半円柱状の嵌入部21の第1平面21Aが対面に配置されて面接触する状態で位置決めされる。このとき、挿通孔24Aおよび挿通孔24B,24Cは一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入された一対の継手部材2A,2B同士を貫通するので、これらの挿通孔24Aおよび挿通孔24B,24Cにそれぞれ寸切りボルト15Aを挿通することが容易であり、これにより一対の継手部材2A,2B同士を結合することができる。
【0032】
すなわち、この継手構造によれば、一対の継手部材2A,2Bのそれぞれの半円柱状の嵌入部21の第1平面21Aが対面に配置されて面接触する状態で位置決めされ、挿通孔24Aおよび挿通孔24B,24Cに寸切りボルト15Aをそれぞれ挿通して一対の継手部材2A,2B同士を結合することができるので、施工が簡単である。また、捻り方向の外力に対して一対の継手部材2A,2Bのそれぞれの第1平面21Aおよびこれに連続する第2平面22Aで受けるため、剛性が高い。
【0033】
なお、上記一対の継手部材2A,2Bは同一形状であり、同一形状のものを一対の鋼管杭P1,P2のそれぞれに溶接しており、部品点数を少なくすることができるので、低コストである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、複数の鋼管杭の端部同士を接合する場合に使用する鋼管杭の継手構造として有用であり、特に、施工が簡単であり、捩り方向の外力に対する剛性が高い鋼管杭の継手構造として好適である。
【符号の説明】
【0035】
P1,P2 鋼管杭
W1,W2 溶接部
1A,1B,2A,2B 継手部材
11,21 嵌入部
11A,21A 第1平面
12,22 胴部
12A,22A 第2平面
12B,22B 開先
13 突設部
13A 第3平面
14,24A,24B,24C 挿通孔
15A 寸切りボルト
15B 座金
15C ナット
16 深座繰り
23A 円筒部
23B 半円柱状部
23C 空洞部
【要約】
【課題】施工が簡単であり、捩り方向の外力に対する剛性が高い鋼管杭の継手構造の提供。
【解決手段】一対の鋼管杭P1,P2の端部同士を同軸上で接合する鋼管杭の継手構造であって、一対の鋼管杭P1,P2の端部にそれぞれ溶接される一対の継手部材1A,1Bであり、それぞれ、一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入可能な円柱をその軸心を含む第1平面11Aで切断した半円柱状の嵌入部11と、前記円柱より大径で一対の鋼管杭P1,P2の端部間に位置する胴部12であり、第1平面11Aに連続する第2平面12Aを有する胴部12とを備えた一対の継手部材1A,1Bと、一対の鋼管杭P1,P2の互いの端部に嵌入された一対の継手部材1A,1B同士を貫通する挿通孔14と、挿通孔14に挿通して一対の継手部材1A,1B同士を結合する寸切りボルトとを有する鋼管杭の継手構造である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9