IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三甲株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20241017BHJP
   B65D 6/26 20060101ALI20241017BHJP
   B65D 6/10 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
B65D6/18 C
B65D6/26 P
B65D6/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021116193
(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公開番号】P2023012643
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】高木 俊輔
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110451052(CN,A)
【文献】特開2019-073337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0270022(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111108046(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第102008006696(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
B65D 6/26
B65D 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の第1側壁部は、第1部材と、前記第1部材に対して前記容器の外方側に位置し、前記第1部材との間に内部空間を形成する第2部材とにより構成され、
前記第2部材の下辺部は、前記第1部材の下辺部の下側に位置する延出部を備え、
前記延出部は、前記第1側壁部が前記起立姿勢にある状態で前記容器の内方側に延出し、前記第1部材の下辺部の下側にまで延出しており、
前記第2部材は、前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部から下方に突出する補助突部を備え、
前記第1側壁部を前記底壁構成部に対して回動変位可能に連結する一対の回動軸部は、それぞれに対応する前記補助突部に設けられ、
前記各補助突部は前記回動軸部の回動方向に沿って湾曲し、前記底壁構成部に対して摺接可能な湾曲部を備えるとともに、前記第1部材の下辺部の下側位置に延出した前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部に設けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記底壁構成部は、前記容器が設置される設置面に接地する接地部を備える底壁第1部材と、前記底壁第1部材に対して上方に位置し、収容物が載置される載置部と、前記土台部とを具備するとともに、前記底壁第1部材との間に底壁内部空間を形成する底壁第2部材とにより構成され、
前記底壁内部空間には断熱部材が設けられ、
水平方向において、前記起立姿勢にある前記第1側壁部の前記第1部材の下辺部、及び、前記延出部の前記容器の外方側には、前記土台部において形成され、前記断熱部材が設けられた前記底壁内部空間が配置されることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の第1側壁部は、第1部材と、前記第1部材に対して前記容器の外方側に位置し、前記第1部材との間に内部空間を形成する第2部材とにより構成され、
前記第2部材の下辺部は、前記第1部材の下辺部の下側に位置する延出部を備え、
前記第2部材は、前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部から下方に突出する補助突部を備え、
前記第1側壁部を前記底壁構成部に対して回動変位可能に連結する一対の回動軸部は、それぞれに対応する前記補助突部に設けられ、
前記各補助突部は前記回動軸部の回動方向に沿って湾曲し、前記底壁構成部に対して摺接可能な湾曲部を備え、
前記底壁構成部は、前記容器が設置される設置面に接地する接地部を備える底壁第1部材と、前記底壁第1部材に対して上方に位置し、収容物が載置される載置部と、前記土台部とを具備するとともに、前記底壁第1部材との間に底壁内部空間を形成する底壁第2部材とにより構成され、
前記底壁内部空間には断熱部材が設けられ、
水平方向において、前記起立姿勢にある前記第1側壁部の前記第1部材の下辺部、及び、前記延出部の前記容器の外方側には、前記土台部において形成され、前記断熱部材が設けられた前記底壁内部空間が配置され、
前記一対の回動軸部がそれぞれ設けられた前記補助突部の間に別の前記補助突部が設けられ、
前記土台部は、当該土台部と、前記載置部との連接位置において前記土台部のうち前記容器の外方側の部位よりも高さが低いブロック突部を備え、
前記第1側壁部の外面側の下部には、前記容器の外方側及び下方に開口する対応凹部が設けられ、
前記組立状態において、前記補助突部同士の間に前記ブロック突部が受容され、前記対応凹部のうち下方を向く下縁部が前記土台部の上面に当接、又は、近接し、前記延出部の下面は、前記ブロック突部の上面に当接、又は、近接するように構成されていることを特徴とする容器。
【請求項4】
前記回動軸部の外周面は、前記補助突部の下側の外周縁よりも前記補助突部の内周側に離間して配置され、
前記回動軸部のうち前記補助突部と連接する基部側の部位の外周面から前記回動軸部の略遠心方向に延出し、前記回動軸部の外周面と、前記補助突部の側面との間を連結する複数の放射状リブが設けられていることを特徴とする請求項に記載の容器。
【請求項5】
平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の第1側壁部は、第1部材と、前記第1部材に対して前記容器の外方側に位置し、前記第1部材との間に内部空間を形成する第2部材とにより構成され、
前記第2部材の下辺部は、前記第1部材の下辺部の下側に位置する延出部を備え、
前記第2部材は、前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部から下方に突出する補助突部を備え、
前記第1側壁部を前記底壁構成部に対して回動変位可能に連結する一対の回動軸部は、それぞれに対応する前記補助突部に設けられ、
前記各補助突部は前記回動軸部の回動方向に沿って湾曲し、前記底壁構成部に対して摺接可能な湾曲部を備え
前記回動軸部の外周面は、前記補助突部の下側の外周縁よりも前記補助突部の内周側に離間して配置され、
前記回動軸部のうち前記補助突部と連接する基部側の部位の外周面から前記回動軸部の略遠心方向に延出し、前記回動軸部の外周面と、前記補助突部の側面との間を連結する複数の放射状リブが設けられていることを特徴とする容器。
【請求項6】
前記回動軸部が設けられた前記補助突部の外周縁から前記第1側壁部の側方側に突出する回動補強リブが設けられ、
前記放射状リブは、前記回動軸部と、前記回動補強リブとの間を連結していることを特徴とする請求項4又は5に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の運搬等に使用される容器として、略矩形状をなす底壁部、及び、該底壁部の各側辺部に沿ってそれぞれ上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、各土台部に対してそれぞれ回動可能に連結された側壁部とを備え、上方に開口する箱型に組立可能、かつ、各側壁部を底壁部の上方に倒して折畳可能な容器が知られている。また、各側壁部、及び、底壁構成部を中空構造とし、保冷・保温性を高めるといった技術がある(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-332037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、側壁部や底壁構成部が内部空間を有する構成において、底壁構成部に対する側壁部の回動性の向上が望まれている。
【0005】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、側壁部の回動性の向上を図ることができる容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の第1側壁部は、第1部材と、前記第1部材に対して前記容器の外方側に位置し、前記第1部材との間に内部空間を形成する第2部材とにより構成され、
前記第2部材の下辺部は、前記第1部材の下辺部の下側に位置する延出部を備え、
前記延出部は、前記第1側壁部が前記起立姿勢にある状態で前記容器の内方側に延出し、前記第1部材の下辺部の下側にまで延出しており、
前記第2部材は、前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部から下方に突出する補助突部を備え、
前記第1側壁部を前記底壁構成部に対して回動変位可能に連結する一対の回動軸部は、それぞれに対応する前記補助突部に設けられ、
前記各補助突部は前記回動軸部の回動方向に沿って湾曲し、前記底壁構成部に対して摺接可能な湾曲部を備えるとともに、前記第1部材の下辺部の下側位置に延出した前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部に設けられていることを特徴とする容器。
【0008】
手段1によれば、回動軸部は第2部材の補助突部に設けられている。このため、例えば、回動軸部が、第1部材により構成される部位と、第2部材により構成される部位とを組合わせて構成される場合のように、回動軸部において不要な凹凸が形成されてしまい、第1側壁部の回動変位が阻害されるといった事態を回避することができる。また、例えば、回動軸部を含む第1側壁部のほぼ全体を内部空間が形成されるように一体的に形成する場合に比べ、回動軸部の成形精度の向上を図ることができる。従って、第1側壁部の回動性の向上を図ることができる。
【0009】
また、回動軸部が設けられる補助突部は、第1部材の下辺部の下方にまで、つまり、第1部材の下辺部の下側位置に延出した延出部の範囲を含む第2部材の下辺部に設けられる。このため、第1側壁部の厚み方向において、回動軸部の形成位置を比較的自由に設定することができる。従って、例えば、内部空間が設けられない補助突部、及び、回動軸部を容器の内方側に配置し、当該補助突部、及び、回動軸部の容器の外方側において底壁構成部の内部空間を配置(確保)することができ、この場合、当該補助突部、及び、回動軸部の周辺部の断熱性についても確保することができる。特に、第1側壁部の厚みが比較的薄い(その他の側壁部の厚みに比べて薄い)場合に、かかる作用効果がより顕著に奏される。
【0010】
また、補助突部の湾曲部により、第1側壁部の下辺部における回動動作が補助されることから、第1側壁部の回動性の向上をより一層図ることができる。さらに、第1部材、及び、第2部材の(本体部分の)下辺部自体は直線状とすることができ、第1部材、及び、第2部材自体を湾曲させる場合に比べ、第1部材、及び、第2部材の下辺部同士を好適に突き合わせる(当接又は近接させる)ことができる。特に、第1部材、及び、第2部材の端縁同士を互いに係合させる構成とする場合に、当該係合させる構成を好適に設けることができる。
【0011】
手段2.前記底壁構成部は、前記容器が設置される設置面に接地する接地部を備える底壁第1部材と、前記底壁第1部材に対して上方に位置し、収容物が載置される載置部と、前記土台部とを具備するとともに、前記底壁第1部材との間に底壁内部空間を形成する底壁第2部材とにより構成され、
前記底壁内部空間には断熱部材が設けられ、
水平方向において、前記起立姿勢にある前記第1側壁部の前記第1部材の下辺部、及び、前記延出部の前記容器の外方側には、前記土台部において形成され、前記断熱部材が設けられた前記底壁内部空間が配置されることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0012】
手段2によれば、第1側壁部が起立姿勢にある場合に、第1側壁部において内部空間が設けられない(ひいては、当該内部空間に断熱部材も設けられない)補助突部、及び、回動軸部の容器の外方側において底壁構成部の底壁内部空間の断熱部材が配置されるように構成されている。これにより、第1側壁部の下辺部の周辺部において断熱性が低下することを防止することができる。従って、補助突部、及び、回動軸部を設けることによる断熱性の低下を回避し、容器の保冷・保温性の向上を図ることができる。
【0013】
また、例えば、第1部材、及び、第2部材の端縁同士を係合させ、内部空間にポリウレタン系樹脂の原材料を注入し、発泡・固形化させて断熱部材を設ける場合に、第1部材、及び、第2部材の下辺部から前記原材料が第1側壁部の外部に流出してしまうと、第1側壁部の回動動作に悪影響を及ぼすことが懸念され、流出して固形化された断熱部材の除去に手間がかかるおそれがある。この点、第1部材の下辺部と、第2部材の下辺部(延出部)とが上下方向で重なり合う2重壁構造とされていることから、第1部材、及び、第2部材の下辺部同士を接合しなくても、第1部材、及び、第2部材の下辺部から前記原材料が第1側壁部の外部に流出することを防止することができ、上記懸念を払拭することができる。
【0014】
手段3.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の第1側壁部は、第1部材と、前記第1部材に対して前記容器の外方側に位置し、前記第1部材との間に内部空間を形成する第2部材とにより構成され、
前記第2部材の下辺部は、前記第1部材の下辺部の下側に位置する延出部を備え、
前記第2部材は、前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部から下方に突出する補助突部を備え、
前記第1側壁部を前記底壁構成部に対して回動変位可能に連結する一対の回動軸部は、それぞれに対応する前記補助突部に設けられ、
前記各補助突部は前記回動軸部の回動方向に沿って湾曲し、前記底壁構成部に対して摺接可能な湾曲部を備え、
前記底壁構成部は、前記容器が設置される設置面に接地する接地部を備える底壁第1部材と、前記底壁第1部材に対して上方に位置し、収容物が載置される載置部と、前記土台部とを具備するとともに、前記底壁第1部材との間に底壁内部空間を形成する底壁第2部材とにより構成され、
前記底壁内部空間には断熱部材が設けられ、
水平方向において、前記起立姿勢にある前記第1側壁部の前記第1部材の下辺部、及び、前記延出部の前記容器の外方側には、前記土台部において形成され、前記断熱部材が設けられた前記底壁内部空間が配置され、
前記一対の回動軸部がそれぞれ設けられた前記補助突部の間に別の前記補助突部が設けられ、
前記土台部は、当該土台部と、前記載置部との連接位置において前記土台部のうち前記容器の外方側の部位よりも高さが低いブロック突部を備え、
前記第1側壁部の外面側の下部には、前記容器の外方側及び下方に開口する対応凹部が設けられ、
前記組立状態において、前記補助突部同士の間に前記ブロック突部が受容され、前記対応凹部のうち下方を向く下縁部が前記土台部の上面に当接、又は、近接し、前記延出部の下面は、前記ブロック突部の上面に当接、又は、近接するように構成されていることを特徴とする容器。
【0015】
手段3によれば、上記手段1、2に記載された作用効果と同様の作用効果が奏される。また、回動軸部が設けられた補助突部の他にも補助突部を設けることで回動軸部が設けられた補助突部への負担が軽減され、損傷等を抑止することができる。また、補助突部と、ブロック突部とにより第1側壁部の横幅方向における底壁構成部との間の相対変位を防止することができる。
【0016】
手段4.前記回動軸部の外周面は、前記補助突部の下側の外周縁よりも前記補助突部の内周側に離間して配置され、
前記回動軸部のうち前記補助突部と連接する基部側の部位の外周面から前記回動軸部の略遠心方向に延出し、前記回動軸部の外周面と、前記補助突部の側面との間を連結する複数の放射状リブが設けられていることを特徴とする手段に記載の容器。
【0017】
手段4によれば、回動軸部の基部と、補助突部との間を連結する放射状リブにより、回動軸部の補強を図ることができ、回動軸部が比較的簡易・簡素な構成であっても、回動軸部の損傷等を防止することができる。
【0018】
手段5.平面視略矩形状をなす底壁部、及び、前記底壁部の側辺部に沿って上方に突出する土台部を具備する底壁構成部と、
前記底壁構成部の前記土台部に対して、前記底壁部の各側辺部の上方に立設される起立姿勢と、前記底壁部の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能に連結された側壁部とを備え、
全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能な容器において、
前記側壁部のうち少なくとも相対する一対の第1側壁部は、第1部材と、前記第1部材に対して前記容器の外方側に位置し、前記第1部材との間に内部空間を形成する第2部材とにより構成され、
前記第2部材の下辺部は、前記第1部材の下辺部の下側に位置する延出部を備え、
前記第2部材は、前記延出部の範囲を含む前記第2部材の下辺部から下方に突出する補助突部を備え、
前記第1側壁部を前記底壁構成部に対して回動変位可能に連結する一対の回動軸部は、それぞれに対応する前記補助突部に設けられ、
前記各補助突部は前記回動軸部の回動方向に沿って湾曲し、前記底壁構成部に対して摺接可能な湾曲部を備え、
前記回動軸部の外周面は、前記補助突部の下側の外周縁よりも前記補助突部の内周側に離間して配置され、
前記回動軸部のうち前記補助突部と連接する基部側の部位の外周面から前記回動軸部の略遠心方向に延出し、前記回動軸部の外周面と、前記補助突部の側面との間を連結する複数の放射状リブが設けられていることを特徴とする容器。
【0019】
手段5によれば、上記手段1、4に記載された作用効果と同様の作用効果が奏される。
【0020】
加えて、回動軸部の基部と、連結面との間を連結する放射状リブにより、回動軸部の補強を図ることができ、回動軸部が比較的簡易・簡素な構成であっても、回動軸部の損傷等を防止することができる。
【0021】
手段6.前記回動軸部が設けられた前記補助突部の外周縁から前記第1側壁部の側方側に突出する回動補強リブが設けられ、
前記放射状リブは、前記回動軸部と、前記回動補強リブとの間を連結していることを特徴とする手段4又は5に記載の容器。
【0022】
手段6によれば、連結面の下部の補強を図ることができ、当該部位が底壁構成部に摺接するような構成であっても、耐久性の向上等を図ることができる。また、回動軸部の補強をより一層図ることができる
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】組立状態の容器本体に蓋体を被せた状態の容器を示す斜視図である。
図2】組立状態にある容器本体の斜視図である。
図3】折畳状態にある容器本体の上面側を示す斜視図である。
図4】折畳状態にある容器本体の下面側を示す斜視図である。
図5】蓋体の下面側を示す斜視図である。
図6】折畳状態の容器本体に蓋体を被せた状態の容器を示す斜視図である。
図7】短辺側側壁部を起立姿勢とし、長辺側側壁部を折畳姿勢とした容器本体を示す斜視図である。
図8】短辺側ベース構成部の外表面側(短辺側側壁部の外面側)を示す斜視図である。
図9】短辺側側壁部の短辺側軸突部の周辺部を示す部分拡大斜視図である。
図10】短辺側ベース構成部の裏面側(短辺側内部空間側)を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図11】短辺側内面構成部の裏面側(短辺側内部空間側)を示す斜視図である。
図12】短辺側内面構成部の裏面側(短辺側内部空間側)を示す部分拡大斜視図である。
図13】長辺側ベース構成部の外表面側(長辺側側壁部の外面側)を示す斜視図である。
図14】長辺側側壁部の長辺側軸突部の周辺部を示す部分拡大斜視図である。
図15】長辺側ベース構成部の裏面側(長辺側内部空間側)を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図16】長辺側ベース構成部の裏面側(長辺側内部空間側)を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図17】長辺側内面構成部の裏面側(長辺側内部空間側)を示す斜視図である。
図18】底壁ベース構成部の上面側を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図19】底壁ベース構成部の下面側を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図20】底壁下面構成部の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図21】底壁下面構成部の部分拡大斜視図である。
図22】組立状態にある容器本体の短辺側側壁部、及び、短辺側土台部等を示す部分拡大鉛直断面図である。
図23】組立状態にある容器本体の部分拡大水平断面図である。
図24】組立状態にある容器本体の長辺側側壁部、及び、長辺側土台部等を示す部分拡大鉛直断面図である。
図25】短辺側軸突部と、短辺側軸受部との連結部分を示す部分拡大鉛直断面図である。
図26】折畳状態の容器本体に蓋体を被せた状態の容器の部分拡大断面図(図6のA-A線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1図2等に示すように、容器1は、上方に開口する四角箱状の容器本体2と、容器本体2に対して着脱自在に被せられる蓋体3とを備えている。図3図7図18等に示すように、容器本体2は、平面視略矩形状をなす底壁部5と、底壁部5の各短側辺部に沿って底壁部5からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部6と、底壁部5の各長側辺部に沿って底壁部5からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部7とを具備する底壁構成部4を備えている。さらに、図2図3等に示すように、容器本体2は、各短辺側土台部6、及び、各長辺側土台部7の上方に立設される起立姿勢と、底壁部5の中央部側に倒される折畳姿勢との間を回動変位可能な短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9を備えている。このため、容器1に物品を収容する場合には、全ての短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が起立姿勢とされた組立状態(図2参照)とし、容器1を保管等する場合には、全ての短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9が折畳姿勢とされた折畳状態(図3図4参照)とし、省スペース化等を図ることが可能に構成されている。
【0025】
また、図7図18に示すように、短辺側土台部6の底壁部5からの突出長は、長辺側土台部7の底壁部5からの突出長よりも長くなっており、図18に示すように、短辺側側壁部8を回動可能に支持するための短辺側軸受部74の形成位置も、長辺側側壁部9を回動可能に支持するための長辺側軸受部83の形成位置よりも上方に位置している。さらに、図2図7等に示すように、短辺側側壁部8の横幅は、底壁構成部4の短手幅とほぼ同じに構成され、長辺側側壁部9の横幅は、一対の短辺側土台部6間の距離とほぼ同じに構成されている。このため、本実施形態では、組立状態にある容器本体2を折畳状態とする場合には、一対の長辺側側壁部9を底壁部5の上方に重ねるようにして先に折畳姿勢へと変位させてから、短辺側側壁部8を長辺側側壁部9の上方に重ねるようにして折畳姿勢へと変位させる構成となっている。
【0026】
図7図8図11等に示すように、各短辺側側壁部8は、短辺側側壁部8の外側部位を含む大部分を構成する短辺側ベース構成部11と、短辺側ベース構成部11の内側面との間に短辺側内部空間12(図22図23参照)を形成する短辺側内面構成部13とを備えている。本実施形態では、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13は、ポリプロピレンにより構成されている。
【0027】
図8図10等に示すように、短辺側ベース構成部11は、正面視略矩形状をなす上側壁部16と、上側壁部16の下縁部から容器本体2の内方側に延出する延出壁部17と、延出壁部17の先端縁(内側端縁)から下方に延出する下側壁部18とを具備する短辺側外面ベース壁部15と、短辺側外面ベース壁部15の外周縁から容器本体2の内方側に延出する略四角枠状の短辺側枠壁部19と、短辺側枠壁部19のうち下側壁部18の左右の側辺部に対応する部位の外面の下部からそれぞれ短辺側ベース構成部11の側方に突出する一対の短辺側軸突部20(回動軸部)と、短辺側枠壁部19のうち上側壁部16の左右の側辺部に対応する部位の容器本体2の内方側の端縁からそれぞれ短辺側ベース構成部11の側方に延出する内面調整部21と、各内面調整部21の側縁部からそれぞれ容器本体2の内方側に突出する係止構成部22とを備えている。
【0028】
図10図22図23に示すように、本実施形態では、短辺側枠壁部19は、容器本体2の内方側の部位が短辺側枠壁部19の内外周方向において2重壁構造となっている。より具体的には、短辺側枠壁部19は、当該短辺側枠壁部19の内外周方向において互いに離間して対向する短辺側内側先端壁部23a、及び、短辺側外側先端壁部23bを備えており、短辺側内側先端壁部23aと短辺側外側先端壁部23bとの間には、容器本体2の内方側に開口する短辺側挿入空間23cが形成されている。さらに、短辺側内側先端壁部23aについては、容器本体2の内方側の端縁が全周にわたって短辺側側壁部8の厚み方向において同じ位置で連続して延在している。図10図23に示すように、短辺側外側先端壁部23bのうち短辺側枠壁部19の側辺部に対応する部位は、短辺側外側先端壁部23bのその他の部位よりも容器本体2の内方側に大きく突出しているものの、容器本体2の内方側の部位が短辺側ベース構成部11の横幅方向の側方側に張り出すようにして段差部を有しており、当該段差部が、短辺側外側先端壁部23bのその他の部位の容器本体2の内方側の端縁と短辺側側壁部8の厚み方向において同じ位置に設けられている。
【0029】
また、図8図10等に示すように、係止構成部22は、各内面調整部21の側縁部からそれぞれ容器本体2の内方側に突出し、短辺側側壁部8の高さ方向に延在する略矩形板状の係止壁部24と、係止壁部24のうち短辺側側壁部8の横幅方向中央部側に開口する係止孔部25とを備えている。
【0030】
図11に示すように、短辺側内面構成部13は、正面視略矩形状をなす短辺側内面ベース壁部27と、短辺側内面ベース壁部27の外周縁から容器本体2の外方側に延出する略四角枠状の短辺側直交壁部28とを備えている。図12に示すように、短辺側直交壁部28のうち先端側(容器本体2の外方側)の部位には、短辺側直交壁部28の外周側の厚みを減少させるようにして形成された短辺側挿入先端壁部29が設けられている。そして、図22図23に示すように、短辺側内面構成部13の短辺側挿入先端壁部29を、短辺側ベース構成部11の短辺側挿入空間23cに挿入(圧入)することで、短辺側内側先端壁部23a、及び、短辺側外側先端壁部23bと、短辺側挿入先端壁部29とが嵌合状態とされる。短辺側内側先端壁部23a、及び、短辺側外側先端壁部23bと、短辺側挿入先端壁部29とが嵌合状態とされることで、短辺側枠壁部19と短辺側直交壁部28とが係合状態とされ、ひいては、短辺側ベース構成部11と短辺側内面構成部13とが組付状態とされる。さらに、短辺側ベース構成部11と短辺側内面構成部13との間に形成される短辺側内部空間12には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。
【0031】
また、本実施形態では、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13のうち短辺側内部空間12を画定する面の全域に対し、断熱部材10との接合のための反応活性を付与する活性化表面処理が行われる。活性化表面処理としては、例えば、フレーム処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、及び、プライマ処理等を挙げることができる。これらの処理を施すことで、もともと活性度の低いポリオレフィン系樹脂の表面を、活性基やダングリングボンド(原子における未結合手)が露出している高活性面とすることができる。活性化表面処理の行われた短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13を組付けて、短辺側内部空間12に断熱部材10の原料液(本例では、未硬化のポリウレタン系樹脂)を注入し、固形化させて断熱部材10とする。発泡ポリウレタンの発泡に伴う短辺側ベース構成部11及び短辺側内面構成部13の変形を防止するべく、組付状態の短辺側ベース構成部11及び短辺側内面構成部13を金型にセットしてから、短辺側内側空間12に原料液を注入する。また、短辺側内部空間12を画定する面に上記活性化表面処理が施されていることによって、短辺側ベース構成部11、及び、短辺側内面構成部13と、断熱部材10とが強く接合されることとなる。尚、後述する長辺側側壁部9、及び、底壁構成部4に関しても同様にして断熱部材10が設けられる。蓋体3に関しては、活性化表面処理は行われないものの、断熱部材10の原料液が注入され、固形化される点は同じである。加えて、短辺側側壁部8、長辺側側壁部9、底壁構成部4、及び、蓋体3に対してそれぞれ断熱部材10の原料液を注入するための注入口30aは、注入口30aに装着される栓30bが取付面から突出しないように、取付面に形成された凹状部に設けられる。図1図8に示すように、短辺側側壁部8の注入口30aは、短辺側枠壁部19の一方の側辺部に設けられている。
【0032】
図13図17に示すように、第1側壁部としての各長辺側側壁部9は、長辺側側壁部9の外側部位を含む大部分を構成する第2部材としての長辺側ベース構成部31と、長辺側ベース構成部31の内側面との間に長辺側内部空間32(図23図24参照)を形成する第1部材としての長辺側内面構成部33とを備えている。長辺側ベース構成部31、及び、長辺側内面構成部33は、ポリプロピレンにより構成されている。
【0033】
図13図15等に示すように、長辺側ベース構成部31は、正面視略矩形状をなす長辺側外面ベース壁部35と、長辺側外面ベース壁部35の外周縁から容器本体2の内方側に延出する長辺側枠壁部36と、長辺側枠壁部36の下辺部の複数個所から下方に突出した補助突部37と、補助突部37のうち長辺側枠壁部36の下辺部の両側部に設けられた補助突部37からそれぞれ長辺側ベース構成部31の側方に突出する回動軸部としての一対の長辺側軸突部38とを備えている。
【0034】
図15に示すように、長辺側枠壁部36の上辺部は、長辺側枠壁部36の側辺部に比べ、長辺側外面ベース壁部35からの延出長が短く構成されている。さらに、長辺側枠壁部36の上辺部の容器本体2の内方側の端縁(内側端縁)から下方に延出する折返し壁部39と、折返し壁部39の下縁部から容器本体2の内方側に延出する代替壁部40とが設けられ、代替壁部40の内側端縁は、長辺側枠壁部36の側辺部の内側端縁と連続して延在している。本実施形態では、長辺側枠壁部36の両側辺部、及び、下辺部、並びに、代替壁部40によって、略四角枠状の壁部(以下、「長辺ベース側合わせ壁部41」と称する)が構成されている。
【0035】
図15図16図23図24に示すように、本実施形態では、長辺ベース側合わせ壁部41のうち、容器本体2の内方側の部位が長辺側枠壁部36の内外周方向において2重壁構造となっている。より具体的には、長辺ベース側合わせ壁部41は、当該長辺ベース側合わせ壁部41の内外周方向において互いに離間して対向する長辺側内側先端壁部42a、及び、長辺側外側先端壁部42bを備えており、長辺側内側先端壁部42aと長辺側外側先端壁部42bとの間には、容器本体2の内方側に開口する長辺側挿入空間42cが形成されている。
【0036】
さらに、図15図16図24に示すように、長辺側枠壁部36の下辺部は、長辺側外面ベース壁部35から容器本体2の内方側に延出する長辺側枠下延出壁部43と、長辺側枠下延出壁部43の先端縁から下方に延出する長辺側枠下縦壁部44とを備え、長辺側枠下縦壁部44の下部から前記長辺側内側先端壁部42a、及び、長辺側外側先端壁部42bが容器本体2の内方側に延出している。さらに、図15に示すように、長辺側内側先端壁部42aについては、容器本体2の内方側の端縁が長辺ベース側合わせ壁部41の全周にわたって長辺側側壁部9の厚み方向において同じ位置で連続して延在している。これに対し、長辺側外側先端壁部42bについては、長辺側枠壁部36の下辺部に対応する部位が、長辺側外側先端壁部42bのその他の部位よりも容器本体2の内方側に大きく突出している上、長辺側内側先端壁部42aよりも容器本体2の内方側に大きく突出している(長辺側外側先端壁部42bのその他の部位に関しては、長辺側内側先端壁部42aの方が容器本体2の内方側に大きく突出している)。補助突部37は、長辺側外側先端壁部42bから下方に突出して設けられている。
【0037】
図7図13に示すように、長辺側外面ベース壁部35の外面側の両側部には、容器本体2の組立状態において、短辺側側壁部8の係止構成部22と略当接して係止される被係止構成部45が設けられている。被係止構成部45は、長辺側外面ベース壁部35の対応部位を容器本体2の内方側に凹ませるようにして構成された被係止壁部46と、被係止壁部46から容器本体2の外方側に突出する係止突起47とを備えている。
【0038】
容器本体2の組立状態においては、長辺側側壁部9の被係止構成部45の外面側が、短辺側側壁部8の係止構成部22に略当接し、これにより、長辺側側壁部9の容器本体2の外方側への変位が規制される。また、長辺側側壁部9の両側部(被係止構成部45の側部)が、短辺側側壁部8の内面に略当接し、これにより、短辺側側壁部8の容器本体2の内方側への変位が規制される。さらに、長辺側側壁部9の被係止構成部45の係止突起47が、短辺側側壁部8の係止構成部22の係止孔部25に挿入されて係止状態とされ、これにより、短辺側側壁部8の容器本体2の外方側への変位、及び、上下方向における短辺側側壁部8と長辺側側壁部9との間の相対変位が規制される。
【0039】
図17に示すように、長辺側内面構成部33は、正面視略矩形状をなす長辺側内面ベース壁部49と、長辺側内面ベース壁部49の外周縁から容器本体2の外方側に延出する略四角枠状の長辺側直交壁部50とを備えている。長辺側直交壁部50のうち容器本体2の外方側の部位には、長辺側直交壁部50の外周側の厚みを減少させるようにして形成された長辺側挿入先端壁部51が設けられている。そして、図23図24に示すように、長辺側内面構成部33の長辺側挿入先端壁部51を、長辺側ベース構成部31の長辺側挿入空間42cに挿入(圧入)することで、長辺側内側先端壁部42a、及び、長辺側外側先端壁部42bと、長辺側挿入先端壁部51とが嵌合状態とされる。長辺側内側先端壁部42a、及び、長辺側外側先端壁部42bと、長辺側挿入先端壁部51とが嵌合状態とされることで、長辺ベース側合わせ壁部41と長辺側直交壁部50とが係合状態とされ、ひいては、長辺側ベース構成部31と長辺側内面構成部33とが組付状態とされる。さらに、長辺側ベース構成部31と長辺側内面構成部33との間に形成される長辺側内部空間32には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。加えて、図2図17に示すように、長辺側側壁部9の注入口30aは、長辺側内面構成部33(長辺側内面ベース壁部49)の横幅方向中央部の下部に設けられている。
【0040】
図18図21等に示すように、底壁構成部4は、底壁構成部4の上側部位を含む大部分を構成する底壁ベース構成部61(底壁第2部材)と、底壁部5の下面側を構成するとともに、底壁ベース構成部61の下側面との間に底壁内部空間62(図22図24参照)を形成する底壁下面構成部63(底壁第1部材)とを備えている。底壁ベース構成部61、及び、底壁下面構成部63は、ポリプロピレンにより構成されている。図18等に示すように、底壁ベース構成部61は、平面視略矩形状をなす底壁部5の上面(収容物が載置される載置部)を構成する底壁上面ベース壁部64と、底壁上面ベース壁部64の短側縁部から上方に突出する前記短辺側土台部6と、前記底壁上面ベース壁部64の長側縁部から上方に突出する前記長辺側土台部7とを備えている。
【0041】
短辺側土台部6は、底壁上面ベース壁部64の短側縁部から上方に延出する短辺土台内下縦壁部66と、短辺土台内下縦壁部66の上縁部から容器本体2の外方側に延出する短辺土台中段壁部67と、短辺土台中段壁部67の容器本体2の外方側の縁部から上方に延出する短辺土台内上縦壁部68と、短辺土台中段壁部67の両側縁部からそれぞれ上方に延出する短辺土台軸壁部69と、短辺土台内上縦壁部68、及び、短辺土台軸壁部69の上縁部から容器本体2の外方側に延出する短辺土台上段壁部70と、短辺土台上段壁部70の容器本体2の外方側の縁部から下方に延出する短辺土台外縦壁部71と、短辺土台軸壁部69の容器本体2の内方側の端縁から容器本体2の外方側(短辺側側壁部8の横幅方向の側方側)に延出する軸壁面調整部72と、軸壁面調整部72から長辺側土台部7の長手方向中央部側に突出する係止壁支持壁部73とを備えている。
【0042】
本実施形態の短辺側軸受部74は、各短辺土台軸壁部69の下部に設けられている。図25に示すように、短辺側軸受部74には、略円柱状の短辺側軸突部20が挿入され、短辺側軸突部20の回動が許容される程度に略嵌合されている。これにより、短辺側側壁部8が短辺側土台部6に対して回動変位可能に連結(軸支)されている。また、図18図25に示すように、短辺土台軸壁部69のうち短辺側軸受部74から若干上方に離間した位置から短辺土台軸壁部69の上縁部にかけて略鉛直方向に延在する短辺側軸案内溝部75が設けられている。加えて、短辺側側壁部8を底壁構成部4に取付ける際に短辺側軸突部20を短辺側軸受部74に挿入し易くするべく、短辺側軸突部20のうち短辺側側壁部8が起立姿勢にある場合の下側の部位に傾斜部が設けられている。
【0043】
図18等に示すように、長辺側土台部7は、底壁上面ベース壁部64の長側縁部から上方に延出する長辺土台内下縦壁部77と、長辺土台内下縦壁部77の上縁部から容器本体2の外方側に延出する長辺土台中段壁部78と、長辺土台中段壁部78の容器本体2の外方側の縁部から上方に延出する長辺土台内上縦壁部79と、長辺土台内上縦壁部79の上縁部から容器本体2の外方側に延出する長辺土台上段壁部80と、長辺土台上段壁部80の容器本体2の外方側の縁部から下方に延出する長辺土台外縦壁部81とを備えている。長辺土台上段壁部80の両側部は、側方に向けて上方に傾斜し、短辺側土台部6と連結されるとともに、長辺土台上段壁部80の両側部の上面側には、短辺側土台部6の係止壁支持壁部73が連結されている。
【0044】
また、図18に示すように、長辺側土台部7には、長辺土台中段壁部78と、長辺土台内下縦壁部77とにかけて、長辺側側壁部9の補助突部37を挿入可能とする回動許容凹部82が設けられている(図24参照)。回動許容凹部82は、長辺側土台部7の両端部に設けられるとともに、長辺側土台部7の長手方向中間位置にも補助突部37に対応して複数箇所に設けられている。尚、本実施形態では、回動許容凹部82に対応する部位では、長辺土台内上縦壁部79が下方に延長されて底壁上面ベース壁部64の上面と面一な部位と連結されており、各回動許容凹部82の側部(長辺土台中段壁部78と、長辺土台内下縦壁部77と、長辺土台内上縦壁部79が下方に延長された部位と、底壁上面ベース壁部64の上面と面一な部位との間)は閉塞されている。
【0045】
本実施形態の長辺側軸受部83は、短辺側土台部6の短辺土台内下縦壁部66において長辺側土台部7の両端部に設けられた回動許容凹部82にそれぞれ対向する部位に設けられている。長辺側軸受部83には、略円柱状の長辺側軸突部38が挿入され、長辺側軸突部38の回動が許容される程度に略嵌合されている。これにより、長辺側側壁部9が短辺側土台部6に回動可能に連結(軸支)されている。特に、本実施形態では、長辺側軸受部83は、短辺土台内下縦壁部66の下縁部から上縁部にかけて設けられている。つまり、長辺側側壁部9が折畳姿勢とされた(短辺側側壁部8は起立姿勢のまま)場合に、長辺側軸突部38が長辺側軸受部83に挿入されている範囲で、折畳姿勢とされた長辺側側壁部9同士を上下に重ねることが許容されるように(図7参照)、長辺側側壁部9を底壁構成部4に対して上下に相対変位可能に構成されている。尚、図18に示すように、上下方向に延びる溝状の長辺側軸受部83の上部には、長辺側軸受部83の内面から容器本体2の内方側(長辺側土台部7側)に突出するストッパー83aが設けられている。ストッパー83aの上面は、長辺側軸受部83への長辺側軸突部38の挿入を比較的スムースにするべく傾斜しており、ストッパー83aの下面は、長辺側軸受部83の内面(短辺側土台内下縦壁部66)に対して略垂直方向に近い角度をなしている。ストッパー83aが設けられることにより、長辺側側壁部9を折畳姿勢とした状態において、長辺側側壁部9の下辺部が右側又は左側に傾き過ぎることで、長辺側軸突部38が長辺側軸受部83から脱落してしまうといった事態が防止される。尚、ストッパー83aは、長辺側軸受部83の外側には突出しない(短辺側土台内下縦壁部66よりも容器本体2の内方側に突出しない)構成となっている。加えて、長辺側側壁部9を底壁構成部4に取付ける際に長辺側軸突部38を長辺側軸受部82に挿入し易くするべく、長辺側軸突部38のうち長辺側側壁部9が起立姿勢にある場合の下側の部位に傾斜部が設けられている。
【0046】
また、図19等に示すように、本実施形態では、短辺土台外縦壁部71、及び、長辺土台外縦壁部81の下側部位が、短辺側土台部6及び長辺側土台部7の内外周方向において2重壁構造となっている。より具体的には、短辺土台外縦壁部71、及び、長辺土台外縦壁部81は、当該短辺土台外縦壁部71、及び、長辺土台外縦壁部81の内外周方向において互いに離間して対向する底壁内側先端壁部84a、及び、底壁外側先端壁部84bを備えており、底壁内側先端壁部84aと底壁外側先端壁部84bとの間には、下方に開口する底壁挿入空間84cが形成されている。本実施形態では、短辺土台外縦壁部71と長辺土台外縦壁部81とによって、略四角枠状の第2合わせ壁部を構成している。
【0047】
図20図21に示すように、底壁下面構成部63は、下面視略矩形状をなす底壁下面ベース壁部86と、底壁下面ベース壁部86の外周縁から上方に突出する底壁直交壁部87とを備えている。尚、図4図20に示すように、底壁下面ベース壁部86の外周部は下方に突出する凸形状とされている上、底壁下面ベース壁部86の下面側において底壁下面ベース壁部86の外周部の内周側には、下方に突出するリブが格子状に設けられている(凸形状の下方先端部、及び、リブの下方先端部が、容器が設置される床面等の設置面に接地する接地部となる)。底壁直交壁部87は、底壁下面ベース壁部86から上方に向けて略垂直方向に延び、さらにその先端縁から容器本体2の外方側に向けて延び、さらに湾曲部位を挟んで上方に向けて略鉛直に延びる段差形状をなしている。
【0048】
図20図21等に示すように、底壁直交壁部87のうち上側の部位には、底壁直交壁部87の外周側の厚みを減少させるようにして形成された底壁挿入先端壁部88が設けられている。そして、図22図24等に示すように、底壁下面構成部63の底壁挿入先端壁部88を、底壁ベース構成部61の底壁挿入空間84cに挿入(圧入)することで、底壁内側先端壁部84a、及び、底壁外側先端壁部84bと、底壁挿入先端壁部88とが嵌合状態とされる。底壁内側先端壁部84a、及び、底壁外側先端壁部84bと、底壁挿入先端壁部88とが嵌合状態とされることで、短辺土台外縦壁部71、及び、長辺土台外縦壁部81と、底壁直交壁部87とが係合状態とされ、ひいては、底壁ベース構成部61と、底壁下面構成部63とが組付状態とされる。さらに、底壁ベース構成部61と底壁下面構成部63との間に形成される底壁内部空間62には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。加えて、図1に示すように、底壁構成部4の注入口30aは、底壁下面構成部63の底壁直交壁部87の一方の長側辺部の長手方向中央部に設けられている。
【0049】
図1図5に示すように、蓋体3は、組立状態にある容器本体2の上面開口部91(図2参照)を閉塞可能に構成されている。本実施形態の蓋体3の外形状を構成する蓋本体92は、ブロー(中空)成形によって蓋体内部空間93(図26参照)が形成されるようにして、ポリプロピレンにより一体的に形成されている。また、本実施形態では、蓋体内部空間93には、発泡ポリウレタンにより構成される断熱部材10が設けられている。加えて、図5に示すように、蓋体3の注入口30aは、下面側の短手幅方向中央部、かつ、長手幅方向の中央部よりも一方の短側辺部側の部位に設けられている。
【0050】
図22図23に示すように、本実施形態では、容器本体2の組立状態において、短辺側側壁部8のうち当該短辺側側壁部8の厚みが短辺側ベース構成部11の下側壁部18と短辺側内面構成部13とで画定される部位の外面側と、短辺側土台部6のうち当該短辺側土台部6の厚みが短辺土台内上縦壁部68と短辺土台外縦壁部71とで画定される部位の内面側とが、水平方向(容器本体2の内外方向)に対向するように構成されている。加えて、図23に示すように、容器本体2の組立状態において、短辺側軸突部20、及び、短辺側軸受部74の容器本体2の内方側には、短辺側側壁部8の断熱部材10、及び、長辺側側壁部9の断熱部材10が配置され、上方には、蓋体3の断熱部材10が配置され、下方には、底壁構成部4の断熱部材10が配置される(図25参照)。その上、図23に示すように、長辺側側壁部9の横幅方向において、長辺側側壁部9のうち断熱部材10が内在する部位(側面)と、短辺側側壁部8のうち断熱部材10が内在する部位(内面)とが近接(又は当接)する(ほぼ隙間がない)ように構成されている。
【0051】
また、図24に示すように、長辺側側壁部9に関しては、容器本体2の組立状態において、長辺側枠下縦壁部44の外面側が、長辺側土台部7の長辺土台内上縦壁部79の内面側と対向している。さらに、長辺側側壁部9の補助突部37の容器本体2の外方側には、長辺側土台部7の断熱部材10が内在する部位が配置される。加えて、図18に示すように、長辺側軸突部38、及び、長辺側軸受部83の容器本体2の外方側には、断熱部材10を内在させる底壁構成部4(短辺側土台部6)が配置され、さらに、上方、及び、下方についても、短辺側側壁部8の断熱部材10、及び、底壁構成部4の断熱部材10が配置される。
【0052】
また、図3図18図22等に示すように、各短辺側土台部6の内面側には、短辺土台内上縦壁部68から容器本体2の内方側に突出する土台側係合部103が設けられている。各短辺側土台部6に設けられる土台側係合部103は、短辺側土台部6の横幅方向において、左右一対の2つを1組として2箇所に設けられている。さらに、土台側係合部103は、上下方向が長手方向となる突片状をなし、その上辺部(上面)は、短辺土台上段壁部70の上面と同一平面となっており、その下辺部は、短辺土台中段壁部67よりも上方に離間している。
【0053】
これに対し、図3図8図22等に示すように、短辺側側壁部8の外面側の下側壁部18には、左右一対の土台側係合部103を挿入可能とする凹状の側壁側係合部104が、2箇所に設けられた2つで1組の土台側係合部103に対応して2箇所に設けられている。また、下側壁部18のうち側壁側係合部104が設けられた部位においても、短辺側内面構成部13との間に短辺側内部空間12が形成され、断熱部材10が設けられている。さらに、側壁側係合部104の上縁部は、延出壁部17の下面と同一平面となっている。
【0054】
そして、図22図23に示すように、短辺側側壁部8を起立姿勢(容器本体2を組立状態)とすることで、各側壁側係合部104に対し2つで1組の土台側係合部103が挿入され、水平方向において側壁側係合部104と土台側係合部103とが凹凸係合するようになっている。また、容器本体2の組立状態においては、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103が、水平方向、及び、鉛直方向で断熱部材10に挟まれるように構成されている。すなわち、側壁側係合部104、及び、土台側係合部103は、容器本体2の組立状態において、容器本体2の内外方向(短辺側側壁部8の厚み方向)においては、短辺側側壁部8の断熱部材10と、短辺側土台部6の断熱部材10とによって挟まれ、短辺側側壁部8の横幅方向においては、短辺側側壁部8の断熱部材10によって挟まれ、鉛直方向においては、短辺側側壁部8の断熱部材10(及び、短辺側土台部6の断熱部材10)によって挟まれている。
【0055】
また、容器本体2の組立状態では、土台側係合部103の(ほぼ)全体が、側壁側係合部104の内側に収容され、短辺側側壁部8の下側壁部18と、短辺側土台部6の短辺土台内上縦壁部68とが当接、又は、近接するようになっている。
【0056】
加えて、折畳状態の容器本体2を組立状態とする過程で、短辺側側壁部8のみを起立姿勢とした(図7の状態とした)場合に、延出壁部17の下面、及び、側壁側係合部104の上縁部が、短辺側土台部6の短辺土台上段壁部70の上面、及び、土台側係合部103の上辺部(上面)に当接して支持されるようになっている(図18図22参照)。これにより、作業者が起立姿勢とされた短辺側側壁部8を保持していなくても、短辺側側壁部8が起立姿勢を維持する(自立する)ようになっている。
【0057】
また、図6に示すように、蓋体3は、折畳状態とされた容器本体2に対し、短辺側土台部6(短辺土台上段壁部70)の上面に載置される格好で被せることが可能に構成されている。このとき、図26に示すように、蓋体3の下面側は、短辺土台上段壁部70の上面だけでなく、当該短辺土台上段壁部70の上面と同一平面上に設けられる土台側係合部103の上辺部(上面)にも当接して支持されるようになっている。
【0058】
加えて、図1等に示すように、各短辺側側壁部8の上側壁部16には、上側壁部16の上縁部よりも下方位置において、作業者が組立状態の容器本体2(容器1)を持ち上げる際に手を掛け易くする持ち手部107が設けられている。さらに、図1図2に示すように、各短辺側側壁部8の上側壁部16には、組立状態にある容器本体2に蓋体3が被せられた状態において、蓋体3の外周面の下縁部よりも若干下方となる位置から短辺側側壁部8の上辺部にかけて凹状に形成された手掛け部108が設けられている。これにより、蓋体3を容器本体2から取外す際に、手掛け部108を介して蓋体3の下面側に指先を掛けて蓋体3を持ち上げることが可能となる。
【0059】
さて、図15等に示すように、長辺側ベース構成部31の長辺側枠壁部36(長辺ベース側合わせ壁部41)の下辺部は、延出部としての長辺側外側先端壁部42bを備えており、図24に示すように、当該長辺側外側先端壁部42bは、(長辺側側壁部9が起立姿勢にある状態で)長辺側内面構成部33の長辺側直交壁部50の下辺部の下方にまで延出して長辺側直交壁部50の下辺部の下側に位置している。
【0060】
また、図14図15図24等に示すように、各補助突部37は、長辺側外側先端壁部42b(本実施形態では、長辺側外側先端壁部42bの下面と同一平面となる長辺側枠下縦壁部44の下縁部を含み、当該下縁部から長辺側外側先端壁部42bの容器本体2の内方側の端縁にかけての範囲)から下方に突出している。さらに、各補助突部37は長辺側軸突部38の回動方向に沿って湾曲し、底壁構成部4(長辺側土台部7に形成された回動許容凹部82の底面であって、底壁部5(底壁上面ベース壁部64)の上面と面一な部位)に対して摺接可能な湾曲部37aを備えている。本実施形態の補助突部37は、長辺側ベース構成部31を側方(側辺部側)から視認した場合に下側が湾曲した略半円状をなしている。
【0061】
また、図13に示すように、補助突部37は、長辺側側壁部9の横幅方向において互いに所定距離を隔てて7箇所に設けられている。さらに、一対の長辺側軸突部38がそれぞれ設けられた両端の補助突部37と、その隣(端から2番目)の補助突部37との側面間を湾曲部37aに沿って(容器本体2の内方側の約45度の範囲を)連結する補助連結部37bが設けられている。また、図18に示すように、長辺側土台部7の長辺土台中段壁部78と、長辺土台内下縦壁部77とにかけて設けられた回動許容凹部82は、補助連結部37bについても挿入が許容される形状をなしている。
【0062】
尚、図24に示すように、本実施形態では、回動許容凹部82において長辺土台内上縦壁部79が下方に延長されて底壁上面ベース壁部64の上面と面一な部位と連結されており、当該連結部位においては、その断面形状が、補助突部37の湾曲部37aに沿った湾曲形状とされている。
【0063】
また、図24に示すように、水平方向において、起立姿勢にある長辺側側壁部9の長辺側内面構成部33の長辺側直交壁部50の下辺部、及び、長辺側ベース構成部31の長辺側外側先端壁部42bの容器本体2の外方側には、長辺側土台部7において形成され、断熱部材10が設けられた底壁内部空間62が配置されている。つまり、長辺側直交壁部50の下辺部、及び、長辺側外側先端壁部42bは、長辺側土台部7の長辺土台内上縦壁部79に対して容器本体2の内方側に配置されており、底壁内部空間62のうち、長辺土台内上縦壁部79と、長辺土台上段壁部80と、長辺土台外縦壁部81とで画定される領域にも、断熱部材10が設けられている。これにより、上記のように、補助突部37の容器本体2の外方側において底壁構成部4(長辺側土台部7)の断熱部材10が確実に配置されるようになっている。
【0064】
図13図24に示すように、長辺側側壁部9の外面側(長辺側ベース構成部31)の下部には、長辺側枠下延出壁部43と、長辺側枠下縦壁部44とにより構成され、容器本体2の外方側及び下方に開口する対応凹部48が設けられている。容器本体2の組立状態においては、対応凹部48のうち下方を向く下縁部(長辺側枠下延出壁部43の下面)が、長辺側土台部7の長辺土台上段壁部80の上面に当接、又は、近接するように構成されている。さらに、容器本体2の組立状態においては、各補助突部37がそれぞれに対応する回動許容凹部82に挿入され、長辺側外側先端壁部42bの下面が、長辺側土台部7の長辺土台中段壁部78の上面に当接、又は、近接するように構成されている。本実施形態では、容器本体2の組立状態において、長辺側枠下延出壁部43、及び、長辺側外側先端壁部42bの少なくとも一方は、対応する長辺土台上段壁部80、及び、長辺土台中段壁部78に当接して、支持されるように構成されている。また、本実施形態では、長辺側土台部7の長辺土台中段壁部78と、長辺土台内下縦壁部77とによりブロック突部が構成され、回動許容凹部82で区画された各ブロック突部がそれぞれ補助突部37同士の間(の隙間)に受容される格好となっている。
【0065】
長辺側軸突部38の外周面は、補助突部37の下側の外周縁よりも補助突部37の内周側に離間して配置されている。本実施形態では、長辺側側壁部9の側面視において、長辺側軸突部38外周縁と、補助突部37の下側の外周縁とが略同心円となる(補助突部37に関してはその一部となる)ように構成されている。
【0066】
また、図14に示すように、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37の外周縁から長辺側側壁部9の側方側に突出する回動補強リブ111が設けられている。本実施形態の回動補強リブ111は、略半円形状の補助突部37に合わせて、略水平方向に延びる上辺部112と、下方に凸となるようにして湾曲する湾曲対応部113とを備え、上辺部112の中央部に長辺側軸突部38が連結されている。
【0067】
さらに、長辺側軸突部38のうち補助突部37と連接する基部側の部位の外周面から長辺側軸突部38の略遠心方向に延出し、長辺側軸突部38の外周面と、回動補強リブ111の湾曲対応部113の内周面と、補助突部37の側面(連結面)との間を連結する複数の放射状リブ114が設けられている。本実施形態の放射状リブ114は、長辺側軸突部38から垂下するものと、長辺側軸突部38から容器本体2の外方側に向けて下方傾斜するものとが設けられている。加えて、放射状リブ114の補助突部37からの突出方向先端縁は、回動補強リブ111の補助突部37からの突出方向先端縁と同一平面状に設けられている。
【0068】
尚、長辺側側壁部9の横幅方向において、回動補強リブ111、及び、放射状リブ114の側縁部(補助突部37からの突出方向先端部)は、長辺側枠壁部36(長辺ベース側合わせ壁部41)の側辺部の外側面と同一平面上に設けられており、長辺側軸突部38は、長辺側枠壁部36(長辺ベース側合わせ壁部41)の側辺部よりも側方に突出している。
【0069】
図9に示すように、短辺側軸突部20の外周面は、短辺側ベース構成部11の短辺側枠壁部19の側辺部の下部の外周縁よりも内周側に離間して配置されている。また、短辺側枠壁部19の側辺部の下部の外周縁から短辺側側壁部8の側方側に突出する短辺側回動補強リブ116が設けられている。さらに、短辺側軸突部20のうち短辺側枠壁部19と連接する基部側の部位の外周面から短辺側軸突部20の略遠心方向に延出し、短辺側軸突部20の外周面と、短辺側回動補強リブ116の内周面と、短辺側枠壁部19の側面(連結面)との間を連結する複数の短辺側放射状リブ117が設けられている。本実施形態の短辺側放射状リブ117は、水平方向において短辺側軸突部20から容器本体2の外方側に延出するものと、容器本体2の内方側に延出するものと、鉛直方向において短辺側軸突部20から下方に延出するものと、上方に延出するものとが設けられている。加えて、短辺側放射状リブ117の短辺側枠壁部19からの突出方向先端縁は、短辺側回動補強リブ116の短辺側枠壁部19からの突出方向先端縁と同一平面状に設けられている。尚、短辺側軸突部20は、短辺側回動補強リブ116、及び、短辺側放射状リブ117の側縁部(短辺側枠壁部19の側辺部からの突出方向先端部)よりも側方に突出している。
【0070】
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側軸突部38は長辺側ベース構成部31の補助突部37に設けられている。このため、例えば、長辺側軸突部38が、長辺側ベース構成部31により構成される部位と、長辺側内面構成部33により構成される部位とを組合わせて構成される場合のように、長辺側軸突部38において不要な凹凸が形成されてしまい、長辺側側壁部9の回動変位が阻害されるといった事態を回避することができる。また、例えば、長辺側軸突部38を含む長辺側側壁部9のほぼ全体を長辺側内部空間32が形成されるように一体的に形成する場合に比べ、長辺側軸突部38の成形精度の向上を図ることができる。従って、長辺側側壁部9の回動性の向上を図ることができる。尚、短辺側軸突部20についても短辺側ベース構成部11のみで構成されていることから、短辺側軸突部20を好適な形状に形成することができ、短辺側側壁部8の回動性の向上を図ることができる。
【0071】
また、長辺側軸突部38が設けられる補助突部37は、長辺側内面構成部33(長辺側直交壁部50)の下辺部の下方にまで延出して長辺側直交壁部50の下辺部の下側に位置する長辺側外側先端壁部42b(延出部)の範囲を含む長辺側ベース構成部31(長辺側枠壁部36、長辺ベース側合わせ壁部41)の下辺部に設けられる。このため、長辺側側壁部9の厚み方向において、長辺側軸突部38の形成位置を比較的自由に設定することができる。従って、補助突部37、及び、長辺側軸突部38を容器本体2の内方側に配置し、当該補助突部37、及び、長辺側軸突部38の容器本体2の外方側において底壁構成部4の底壁内部空間62を配置(確保)することができ、本実施形態では、当該底壁内部空間62にも断熱部材10が設けられている。つまり、長辺側枠壁部36(長辺ベース側合わせ壁部41)の下辺部(長辺側外側先端壁部42b)から下方に突出する補助突部37、及び、長辺側軸突部38には、長辺側内部空間32、ひいては、断熱部材10は設けられないものの、長辺側側壁部9が起立姿勢にある場合に、補助突部37、及び、長辺側軸突部38の容器本体2の外方側において底壁構成部4の底壁内部空間62の断熱部材10が配置されるように構成されている。これにより、長辺側側壁部9の下辺部の周辺部において断熱性が低下することを防止することができる。従って、補助突部37、及び、長辺側軸突部38を設けることによる断熱性の低下を回避し、容器1の保冷・保温性の向上を図ることができる。尚、長辺側側壁部9の厚みが比較的薄い(短辺側側壁部8の厚みに比べて薄い)場合に、補助突部37、及び、長辺側軸突部38を容器本体2の内方側に配置し、当該補助突部37、及び、長辺側軸突部38の容器本体2の外方側において底壁構成部4の底壁内部空間62を確保するといった作用効果がより顕著に奏される。
【0072】
また、補助突部37の湾曲部37aにより、長辺側側壁部9の下辺部における回動動作が補助されることから、長辺側側壁部9の回動性の向上をより一層図ることができる。さらに、長辺側ベース構成部31(長辺側枠壁部36、長辺ベース側合わせ壁部41)、及び、長辺側内面構成部33(長辺側直交壁部50)の下辺部自体は直線状とすることができ、長辺側枠壁部36(長辺ベース側合わせ壁部41)、及び、長辺側直交壁部50の下辺部自体を湾曲させる場合に比べ、長辺側枠壁部36、及び、長辺側直交壁部50の下辺部同士を好適に突き合わせる(当接又は近接させる)ことができる。特に、長辺ベース側合わせ壁部41、及び、長辺側直交壁部50の端縁同士を互いに係合させる構成とする場合に、当該係合させる構成を好適に設けることができる。
【0073】
また、長辺側ベース構成部31(長辺ベース側合わせ壁部41)、及び、長辺側内面構成部33(長辺側直交壁部50)の端縁同士を係合させ、長辺側内部空間32にポリウレタン系樹脂の原材料を注入し、発泡・固形化させて断熱部材10を設ける場合に、長辺側ベース構成部31、及び、長辺側内面構成部33の下辺部から前記原材料が長辺側側壁部9の外部に流出してしまうと、長辺側側壁部9の回動動作に悪影響を及ぼすことが懸念され、流出して固形化された断熱部材10の除去に手間がかかるおそれがある。この点、長辺ベース側合わせ壁部41の下辺部の長辺側外側先端壁部42bが長辺側直交壁部50の下方位置まで延長形成され、長辺側ベース構成部31(長辺ベース側合わせ壁部41)の下辺部と、長辺側内面構成部33(長辺側直交壁部50)の下辺部とが上下方向で重なり合う2重壁構造とされていることから、長辺側ベース構成部31、及び、長辺側内面構成部33の下辺部同士を接合しなくても、長辺側ベース構成部31、及び、長辺側内面構成部33の下辺部から前記原材料が長辺側側壁部9の外部に流出することを防止することができ、上記懸念を払拭することができる。
【0074】
さらに、一対の長辺側軸突部38がそれぞれ設けられた補助突部37の間にも別の補助突部37が設けられていることから、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37への負担が軽減され、損傷等を抑止することができる。
【0075】
加えて、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37と、その隣の補助突部37との間を連結する補助連結部37bが設けられており、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37の変形等を防止することができる。さらに、補助連結部37bは、湾曲部37aに沿って設けられており、湾曲部37aの補強が確実に図られる上、補助連結部37bによっても、長辺側側壁部9の回動性の向上を図ることができる。
【0076】
また、各補助突部37は、長辺側土台部7に設けられた回動許容凹部82に対して挿入された状態とされている。つまり、容器本体2の組立状態において、補助突部37同士の間に、長辺側土台部7の長手方向(長辺側側壁部9の横幅方向)において回動許容凹部82によって区画されている長辺土台内下縦壁部77、及び、長辺土台中段壁部78により構成される部位(ブロック突部)が受容されるように構成されている。このため、長辺側側壁部9の横幅方向における底壁構成部4との間の相対変位を防止することができる。
【0077】
加えて、容器本体2の組立状態では、対応凹部48の下縁部(長辺側枠下延出壁部43の下面)、及び、長辺側外側先端壁部42bの下面のうち少なくとも一方が、それぞれに対応する長辺土台上段壁部80の上面、及び、長辺土台中段壁部78に当接して支持されるように構成されていることから、容器本体2の組立状態において補助突部37に対し長辺側側壁部9の荷重等が付加されることの抑制を図ることができる。
【0078】
また、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37の外周縁から長辺側側壁部9の側方に突出する回動補強リブ111が設けられ、長辺側軸突部38の基部側の外周面から長辺側軸突部38の略遠心方向に延出し、長辺側軸突部38と、回動補強リブ111と、補助突部37との間を連結する放射状リブ114が設けられている。これにより、長辺側軸突部38の補強を図ることができ、長辺側軸突部38が比較的簡易・簡素な構成(各長辺側側壁部9において略円柱状の長辺側軸突部38が2箇所に設けられるのみである)であっても、長辺側軸突部38の損傷等を防止することができる。さらに、補助突部37の補強を図ることができ、当該部位が底壁構成部4に摺接するような構成であっても、耐久性の向上等を図ることができる。加えて、放射状リブ114は、回動補強リブ111よりも長辺側側壁部9の側方に突出せず、放射状リブ114が長辺側側壁部9の回動変位を阻害するといった事態を回避することができる。尚、短辺側軸突部20に対応する短辺側回動補強リブ116、及び、短辺側放射状リブ117についても、同様の作用効果が奏される。
【0079】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0080】
(a)上記実施形態では、蓋体3はブロー成形によって全体が一体的に構成されているが、蓋体3についても、複数の部材を接続すること(例えば、蓋体3の上面側を構成する上構成部と、蓋体3の下面側を構成する下構成部とを組付けて、蓋体内部空間93に断熱部材10を設けること)で構成してもよい。さらに、上記実施形態では、短辺側ベース構成部11と短辺側内面構成部13とが組付けられるとともに、短辺側内部空間12に設けられた断熱部材10を介して短辺側ベース構成部11と、短辺側内面構成部13とが連結されるように構成されているが、例えば、短辺側側壁部8の全体を一体的に形成することとしてもよいし、短辺側ベース構成部11と短辺側内面構成部13とを溶着することとしてもよい(長辺側側壁部9、及び、底壁構成部4に関しても同様)。但し、短辺側側壁部8、及び、長辺側側壁部9のどちらかは、2つの構成部を組付けるとともに、その内側に形成される内部空間に断熱部材を設けることで構成されることとする。
【0081】
尚、上記実施形態では、折畳状態の容器本体2を組立状態とする際に短辺側側壁部8を先に起立姿勢としてから長辺側側壁部9を起立姿勢とする構成となっているが、長辺側側壁部9を先に起立姿勢とする構成としてもよい。さらに、折畳姿勢とされた短辺側側壁部8同士が上下に重なる構成としてもよいし、折畳姿勢とされた長辺側側壁部9同士が上下に重ならない構成としてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、蓋体3を具備する容器1に具体化されているが、蓋体3のない容器(例えば、容器本体2同士を積み重ねて、上側の容器本体2を蓋体の代わりにするような構成)に適用することも可能である。さらに、上記実施形態では、短辺側側壁部8、長辺側側壁部9、底壁構成部4、及び、蓋体3の短辺側内部空間12、長辺側内部空間32、底壁内部空間62、及び、蓋体内部空間93に断熱部材10が設けられているが、断熱部材10を省略することとしてもよい。
【0083】
(b)上記実施形態では、補助突部37が側面視(鉛直断面で)略半円状をなしているが、長辺側側壁部9が起立姿勢と折畳姿勢とに変位する間に湾曲部37aが、回動許容凹部82の底面(底壁部5の上面と面一とされている部位)と摺接するように構成されていればよい。例えば、長辺側側壁部9が起立姿勢にある場合と、折畳姿勢にある場合とにおいてそれぞれ回動許容凹部82の底面に略当接する部位を備えるような略四半円形状としてもよい。また、湾曲部37aにおいて部分的に凹形状部が設けられていてもよい。
【0084】
さらに、上記実施形態では、長辺側側壁部9に対応して補助突部37が設けられ、当該補助突部37に長辺側軸突部38が設けられる構成とされているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、短辺側側壁部8に対応して補助突部が設けられ、当該補助突部に短辺側軸突部20が設けられるように構成してもよい。また、例えば、長辺側土台部7の回動許容凹部82を省略し、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37間の補助突部37を省略することも可能であるが、これらを設けることにより、長辺側軸突部38が設けられた補助突部37の負担軽減、及び、長辺側側壁部9の横幅方向中間位置の回動性の向上が図られる上、長辺側側壁部9の横幅方向における位置ずれを防止することができる。
【0085】
また、回動補強リブ111、放射状リブ114、短辺側回動補強リブ116、及び、短辺側放射状リブ117のいずれか、又は、全部を省略することも可能である。
【0086】
(c)上記実施形態では、短辺側ベース構成部11、短辺側内面構成部13、長辺側ベース構成部31、長辺側内面構成部33、底壁ベース構成部61、底壁下面構成部63、及び、蓋本体92は、ポリプロピレンにより構成されているが、その他のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン等)により構成してもよいし、ポリオレフィン系以外の合成樹脂(例えばABS樹脂、AES樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等)により構成してもよい。また、短辺側ベース構成部11(長辺側ベース構成部31、底壁ベース構成部61)と、短辺側内面構成部13(長辺側内面構成部33、底壁下面構成部63)とで構成材料を異ならせることとしてもよい。当該構成を採用する場合、短辺側ベース構成部11及び短辺側内面構成部13のうち両方がポリオレフィン系樹脂でもよいし、一方のみがポリオレフィン系樹脂でもよいし、両方がポリオレフィン系以外の合成樹脂でもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…容器、2…容器本体、4…底壁構成部、5…底壁部、6…短辺側土台部、7…長辺側土台部、8…短辺側側壁部、9…長辺側側壁部、10…断熱部材、31…長辺側ベース構成部、32…長辺側内部空間、33…長辺側内面構成部、36…長辺側枠壁部、37…補助突部、37a…湾曲部、38…長辺側軸突部、41…長辺ベース側合わせ壁部、42b…長辺側外側先端壁部、43…長辺側枠下延出壁部、44…長辺側枠下縦壁部、48…対応凹部、50…長辺側直交壁部、62…底壁内部空間、77…長辺土台内下縦壁部、78…長辺土台中段壁部、111…回動補強リブ、114…放射状リブ、116…短辺側回動補強リブ、117…短辺側放射状リブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26