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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】イベント配布物セット
(51)【国際特許分類】
   G09F 5/04 20060101AFI20241017BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20241017BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241017BHJP
【FI】
G09F5/04 D
G06Q30/0601 302
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023117162
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-08-01
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520185650
【氏名又は名称】geeva株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小川 博文
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-271756(JP,A)
【文献】特開平08-272990(JP,A)
【文献】特開2010-152769(JP,A)
【文献】登録実用新案第3198775(JP,U)
【文献】特表2005-516289(JP,A)
【文献】特開2002-133226(JP,A)
【文献】特開2022-072483(JP,A)
【文献】登録実用新案第3101615(JP,U)
【文献】特開2022-089329(JP,A)
【文献】特開2002-123711(JP,A)
【文献】特開2002-117329(JP,A)
【文献】特開2003-058754(JP,A)
【文献】登録実用新案第3167074(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 5/04
G06Q 50/10
G06Q 30/0601
B42D 1/00
B42D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントにおいて複数のイベント参加者の各々に配布される各イベント配布物(但し、イベントが開始された後に製作が完了するものを除く。)から成るイベント配布物セットであって、
各イベント配布物は、イベントにおいて各イベント参加者に配布されるイベント配布冊子であり、
各イベント配布冊子は、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報を参加者に伝えるための冊子であって、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報が印刷されたイベント情報紙ページと、各イベント参加者に贈呈され得るギフトの情報が印刷されたギフト情報紙ページとを含んでおり、
各イベント配布冊子は、複数ページに亘るイベント情報紙ページとギフト情報紙ページとを製本して成る冊子であり、
各ギフト情報紙ページは、各イベント参加者が一つを選択して贈呈を受けることができる複数の異なるギフトについてのギフトの名称を含むギフト紹介情報を印刷したギフト紹介情報印刷部と、ネットワーク上のギフトサーバーへのアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷部とを有しており、
アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報は、ギフトサーバーのリソース情報とIDとを含んでおり、
アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報に含まれるIDは、イベント配布冊子相互に異なる冊子IDであり、
ギフトサーバーは、イベント参加者が操作する端末である参加者端末からのアクセスをネットワークを介して受け付けるサーバーであって、各ギフト情報紙ページにギフト紹介情報が印刷された複数の異なるギフトに加え、別の複数の異なるギフトを紹介するギフト紹介ウェブページを参加者端末に表示させるサーバーであるとともに、参加者端末上の操作によりギフト紹介ウェブページにおいて一のギフトが選択された際、参加者端末から送信されるギフト取得申請を受け付けて当該選択されたギフトを当該参加者に取得させるための処理を行う申請処理プログラムを実行するサーバーであり、申請処理プログラムは、ある冊子IDについてギフトを取得させる処理を既に行っている場合には当該冊子IDについてはギフトを取得させる処理は行わないプログラムであることを特徴とするイベント配布物セット。
【請求項2】
イベントにおいて複数のイベント参加者の各々に配布される各イベント配布物(但し、イベントが開始された後に製作が完了するものを除く。)から成るイベント配布物セットであって、
各イベント配布物は、イベントにおいて各イベント参加者に配布されるイベント配布冊子と、イベント配布冊子とともに各イベント参加者に配布されるギフト取得申請用葉書との組み合わせであり、
各イベント配布冊子は、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報を参加者に伝えるための冊子であって、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報が印刷されたイベント情報紙ページと、各イベント参加者に贈呈され得るギフトの情報が印刷されたギフト情報紙ページとを含んでおり、
各イベント配布冊子は、複数ページに亘るイベント情報紙ページとギフト情報紙ページとを製本して成る冊子であり、
各ギフト情報紙ページは、各イベント参加者が一つを選択して贈呈を受けることができる複数の異なるギフトについてのギフトの名称を含むギフト紹介情報を印刷したギフト紹介情報印刷部を有しており、
各ギフト取得申請用葉書は、ネットワーク上のギフトサーバーへのアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷部を有しており、
アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報は、ギフトサーバーのリソース情報とIDとを含んでおり、
アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報に含まれるIDは、ギフト取得申請用葉書相互に異なる葉書IDであり、
ギフトサーバーは、イベント参加者が操作する端末である参加者端末からのアクセスをネットワークを介して受け付けるサーバーであって、各ギフト情報紙ページにギフト紹介情報が印刷された複数の異なるギフトに加え、別の複数の異なるギフトを紹介するギフト紹介ウェブページを参加者端末に表示させるサーバーであるとともに、参加者端末上の操作によりギフト紹介ウェブページにおいて一のギフトが選択された際、参加者端末から送信されるギフト取得申請を受け付けて当該選択されたギフトを当該参加者に取得させるための処理を行う申請処理プログラムを実行するサーバーであり、申請処理プログラムは、ある葉書IDについてギフトを取得させる処理を既に行っている場合には当該葉書IDについてはギフトを取得させる処理は行わないプログラムであり、
各ギフト取得申請用葉書には、当該葉書の送り先が印刷されているとともに、取得申請するギフトの情報を記入する取得希望ギフト情報記入欄と、取得希望ギフト情報記入欄に情報を記入したギフトの送付先の情報を記入する送付先情報記入欄とが設けられていることを特徴とするイベント配布物セット。
【請求項3】
前記アクセス情報印刷部は、前記アクセス情報をコードシンボル化したイメージを印刷した部位であることを特徴とする請求項1又は2記載のイベント配布物セット。
【請求項4】
前記申請処理プログラムは、前記選択されたギフトを前記イベント参加者宛に宅配便又は郵便により送付するための処理を実行するプログラムであることを特徴とする請求項1又は2記載のイベント配布物セット。
【請求項5】
前記アクセス情報印刷部において印刷されている前記アクセス情報は、前記冊子IDに加え、イベント配布物セットごとに異なるIDとされるイベントIDを含んでいることを特徴とする請求項1記載のイベント配布物セット。
【請求項6】
前記アクセス情報印刷部において印刷されている前記アクセス情報は、前記葉書IDに加え、イベント配布物セットごとに異なるIDとされるイベントIDを含んでいることを特徴とする請求項2記載のイベント配布物セット。
【請求項7】
前記イベントは結婚式又は結婚披露宴であり、前記各イベント配布冊子はプロフィールブックであって前記イベント情報紙ページには新郎新婦に関する情報が印刷されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイベント配布物セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願の発明は、イベントで各参加者に配布される配布物に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
開催される種々のイベントにおいて、参加者に印刷物が配布されることがある。印刷物は、冊子の形態である場合がある。例えば、イベントの主催者に関する情報が印刷されている冊子が配布されたり、イベントの内容に関する情報が印刷されている冊子が配布されたりする。
例えば、会社の創立記念日のようなイベントでは、会社の歴史やそれまで販売してきた商品群等についての説明が一つの冊子にまとめられて参加者に配布される。新商品の販売開始をPRするイベントでは、当該新商品を説明した冊子(カタログ)が参加者に配布さされる。さらに、ブライダル(結婚式又は結婚披露宴)では新郎新婦を紹介した冊子がプロフィールブックとして参加者に配布される。映画館や劇場では、上映(上演)される映画やお芝居を解説した冊子(ガイドブック)が有償又は無償にて配布される。この明細書において、イベントにおいて各参加者に配布されるこのような冊子をイベント配布冊子と呼ぶ。
【0003】
このようなイベントでは、印刷物とは別に参加者にギフトが贈呈される場合がある。会社の創立記念日のようなイベントでは、記念品がギフトとして各参加者に贈呈されることがあるし、新商品の紹介イベントでは、各参加者(来場者)に来場御礼のノベルティグッズが贈呈されることがある。さらに、ブライダルでは、新郎新婦が各参加者に引出物を贈呈するのが常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実登3041746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにイベントにおいてギフトが各参加者に贈呈される場合、参加者としては特に欲しくないものを貰ってしまう場合が多々ある。会社の創立記念としての記念品ではあるものの参加者にとってはそれほど有り難いものではなかったり、新商品PRのノベルティグッズについても特に欲しいものでないにも関わらず無料なので貰ってしまったりする場合が多々ある。ブライダルの引出物についても、参加者にとっては特に欲しいものではないが、慶事の品として貰うということが多々ある。
また、このようなイベントでギフトが贈呈される場合、かさばるギフトは贈呈しづらいという問題がある。持ち帰ることを想定して小さなギフトにせざるを得なかったり、自宅に送るための宅配便発送のコーナーを設けたものの参加者が殺到して混乱してしまったりすることがあり得る。
【0006】
本願の発明は、イベント開催に際しての上記のような課題を解決するために為されたものであり、印刷物を各参加者に配布するとともに各参加者にギフトを贈呈する際、参加者が特に欲しくないギフトを貰ってしまったり、ギフトを持ち帰る煩雑さがないようにしたりすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この明細書において、イベント配布物セットの発明が開示される。開示された発明に係るイベント配布物セットは、イベントにおいて複数のイベント参加者の各々に配布される各イベント配布物(但し、イベントが開始された後に製作が完了するものを除く。)から成るイベント配布物セットであり、各イベント配布物は、イベントにおいて各イベント参加者に配布されるイベント配布冊子である。
このイベント配布物セットにおける各イベント配布冊子は、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報を参加者に伝えるための冊子であって、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報が印刷されたイベント情報紙ページと、イベント参加者に贈呈され得るギフトの情報が印刷されたギフト情報紙ページとを含んでいる。
また、各イベント配布冊子は、複数ページに亘るイベント情報紙ページとギフト情報紙ページとを製本して成る冊子である。
各ギフト情報紙ページは、イベント参加者が一つを選択して贈呈を受けることができる複数の異なるギフトについてのギフトの名称を含むギフト紹介情報を印刷したギフト紹介情報印刷部と、ネットワーク上のギフトサーバーへのアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷部とを有している。
アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報は、ギフトサーバーのリソース情報とIDとを含んでおり、アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報に含まれるIDは、イベント配布冊子相互に異なる冊子IDである。
ギフトサーバーは、イベント参加者が操作する端末である参加者端末からのアクセスをネットワークを介して受け付けるサーバーであって、各ギフト情報紙ページにギフト紹介情報が印刷された複数の異なるギフトに加え、別の複数の異なるギフトを紹介するギフト紹介ウェブページを参加者端末に表示させるサーバーであるとともに、参加者端末上の操作によりギフト紹介ウェブページにおいて一のギフトが選択された際、参加者端末から送信されるギフト取得申請を受け付けて当該選択されたギフトを当該参加者に取得させるための処理を行う申請処理プログラムを実行するサーバーであり、申請処理プログラムは、ある冊子IDについてギフトを取得させる処理を既に行っている場合には当該冊子IDについてはギフトを取得させる処理は行わないプログラムである。
また、この明細書において、別の発明に係るイベント配布物セットが開示される。別の発明に係るイベント配布物セットは、イベントにおいて複数のイベント参加者の各々に配布される各イベント配布物(但し、イベントが開始された後に製作が完了するものを除く。)から成るイベント配布物セットであり、各イベント配布物は、イベントにおいて各イベント参加者に配布されるイベント配布冊子と、イベント配布冊子とともに各イベント参加者に配布されるギフト取得申請用葉書との組み合わせである。
この別の発明に係るイベント配布物セットにおいて、各イベント配布冊子は、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報を参加者に伝えるための冊子であって、ギフト贈呈についてではないイベントの主催者に関する情報又はギフト贈呈についてではないイベントの内容に関する情報が印刷されたイベント情報紙ページと、イベント参加者に贈呈され得るギフトの情報が印刷されたギフト情報紙ページとを含んでいる。また、各イベント配布冊子は、複数ページに亘るイベント情報紙ページとギフト情報紙ページとを製本して成る冊子である。そして、各ギフト情報紙ページは、イベント参加者が一つを選択して贈呈を受けることができる複数の異なるギフトについてのギフトの名称を含むギフト紹介情報を印刷したギフト紹介情報印刷部を有している。
この別の発明に係るイベント配布物セットにおいて、各ギフト取得申請用葉書は、ネットワーク上のギフトサーバーへのアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷部を有しており、アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報は、ギフトサーバーのリソース情報とIDとを含んでおり、アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報に含まれるIDは、ギフト取得申請用葉書相互に異なる葉書IDである。
また、この別の発明に係るイベント配布物セットにおいて、ギフトサーバーは、イベント参加者が操作する端末である参加者端末からのアクセスをネットワークを介して受け付けるサーバーであって、各ギフト情報紙ページにギフト紹介情報が印刷された複数の異なるギフトに加え、別の複数の異なるギフトを紹介するギフト紹介ウェブページを参加者端末に表示させるサーバーであるとともに、参加者端末上の操作によりギフト紹介ウェブページにおいて一のギフトが選択された際、参加者端末から送信されるギフト取得申請を受け付けて当該選択されたギフトを当該参加者に取得させるための処理を行う申請処理プログラムを実行するサーバーであり、申請処理プログラムは、ある葉書IDについてギフトを取得させる処理を既に行っている場合には当該葉書IDについてはギフトを取得させる処理は行わないプログラムである。
また、この別の発明に係るイベント配布物セットにおいて、各ギフト取得申請用葉書には、当該葉書の送り先が印刷されているとともに、取得申請するギフトの情報を記入する取得希望ギフト情報記入欄と、取得希望ギフト情報記入欄に情報を記入したギフトの送付先の情報を記入する送付先情報記入欄とが設けられている。
また、上記課題を解決するため、開示された各発明に係るイベント配布物セットにおいて、アクセス情報印刷部は、アクセス情報をコードシンボル化したイメージを印刷した部位であり得る。
また、上記課題を解決するため、開示された各発明に係るイベント配布物セットにおいて、申請処理プログラムは、選択されたギフトをイベント参加者宛に宅配便又は郵便により送付するための処理を実行するプログラムであり得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係るイベント配布物セットにおいて、アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報は、冊子IDに加え、イベント配布物セットごとに異なるIDとされるイベントIDを含み得る。
また、上記課題を解決するため、開示された別の発明に係るイベント配布物セットにおいて、アクセス情報印刷部において印刷されているアクセス情報は、葉書IDに加え、イベント配布物セットごとに異なるIDとされるイベントIDを含み得る。
また、上記課題を解決するため、開示された各発明に係るイベント配布物セットは、イベントは結婚式又は結婚披露宴であり、イベント配布冊子はプロフィールブックであってイベント情報紙ページには新郎新婦に関する情報が印刷されているという構成を持ち得る。
【発明の効果】
【0008】
以下に説明する通り、開示された各発明に係るイベント配布物セットによれば、設定されているギフト群の中から各イベント参加者は任意のギフトを選んで受け取ることができるので、特に欲しくないギフトを貰ってしまうことはなく、欲しくないギフトを持ち帰ることの煩雑さを感じることはない。
その上、各イベント配布冊子は、イベント情報紙ページとギフト情報紙ページとを有しており、イベントに関する情報を参加者に伝えるという従来のイベント配布冊子の機能とギフト贈呈用のカタログギフト冊子の機能を機能を実現しつつも冊子としては一つであり、簡略化されている。このため、イベント主催者及び各参加者の双方にとって煩雑さを解消させることができる。
さらに、各アクセス情報印刷部が冊子ID又は葉書IDを含んでいるので、一つの冊子又は葉書で二回以上のギフトの取得申請を行うのを効果的に防止できる。
また、アクセス情報印刷部が、アクセス情報をコードシンボル化したイメージを印刷した部位である構成によれば、各参加者は、コードシンボル読み取り機能を有する参加者端末を使用することで簡便にギフトサーバーにアクセスすることができるので、各参加者における利便性が増す。
申請処理プログラムが、選択されたギフトを参加者宛に宅配便又は郵便により送付するための処理を実行するプログラムである構成によれば、参加者はギフトを持ち帰る必要はないので、この点でさらに利便性が増す。
アクセス情報印刷部に印刷されたアクセス情報が、冊子ID又は葉書IDに加え、イベント配布物セットごとに異なるIDとされるイベントIDを含んでいる構成によれば、イベント配布物セットごとに異なるギフト群とすることが可能になるので、イベント配布物セットの多用性が増すという効果が得られる。
また、イベントが結婚式又は結婚披露宴であり、各イベント配布冊子はプロフィールブックであってイベント情報ページには新郎新婦に関する情報が印刷されている構成によれば、ブライダルで配布されるプロフィールブックについて上記各効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一の実施形態に係るイベント配布物セットの概略図である。
図2】各イベント配布冊子のギフト情報紙ページに印刷されたアクセス情報印刷部の構成を示した概略図である。
図3】ギフト贈呈システムの概略図である。
図4】ギフトサイトのトップページの一例を示した概略図である。
図5】イベント情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図6】ギフト群情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図7】取得管理ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図8】ギフト紹介ページの一例を示した概略図である。
図9】第二の実施形態に係るイベント配布物セットの概略図である。
図10】各イベント配布物におけるギフト取得申請用葉書の構成について示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
まず、第一の実施形態のイベント配布物セットについて説明する。図1は、第一の実施形態に係るイベント配布物セットの概略図である。
イベント配布物セットは、一つのイベントで複数の参加者の各々に配布されるイベント配布物をセットにしたものであり、イベント配布物セットにおけるイベント配布物の数は、想定される参加者の数に一致した数とされたり、参加者の数に予備の数を加えた数とされたりする。
図1に示すように、第一の実施形態では、イベント配布物は冊子(イベント配布冊子)となっており、イベント配布物セットは、複数のイベント配布冊子1がセットになったものである。
【0011】
図1において吹き出しで概略的に示すように、一つのイベント配布物セットを構成する各イベント配布冊子1は、イベント情報紙(かみ)ページ2と、ギフト情報紙ページ3とを含んでいる。「紙ページ」とは、情報が紙に印刷されたページという意味であり、ウェブページと区別するための用語である。
この実施形態では、イベント情報紙ページ2は、各イベント配布冊子1において共通であり、共通のイベント情報を印刷したページである。イベント情報は、イベントの主催者に関する情報又はイベントの内容に関する情報である。
ギフト情報は、各イベント参加者に贈呈され得るギフトに関する情報である。ギフト情報は、後述するように、各イベント配布冊子1において多少異なる情報となっている。
尚、イベント情報紙ページ2は一つのみのページの場合もあるし、複数ページにまたがる場合もある。ギフト情報紙ページ3も、この例では複数のページにまたがっているが、一つのみのページの場合もある。
【0012】
このようなイベント配布物セットを構成するイベント配布冊子1は、上述した数が用意されてイベント会場に搬入され、イベントの際に各参加者に渡される。イベント配布冊子1は、種々の形態を取り得るが、以下の説明は、ブライダルで配布されるプロフィールブックを例にした説明となっている。ブライダルで配布されるプロフィールブックは、新郎新婦のプロフィールを紹介した冊子である。したがって、図1に示すように、冊子の表紙には新郎新婦の名前やブライダルの開催日等が印刷されている。
図1に概略的に示すように、イベント情報紙ページ2には、新郎新婦の生い立ちや二人のなれそめ等を紹介したテキスト、二人の子供時代の写真等のイメージが複数のページに亘って印刷されている。
尚、イベント情報紙ページ2には、披露宴会場において各参加者が座る座席の案内情報を印刷した席次表が含まれている場合もある。また、各イベント配布冊子1がプロフィールブックではなく、イベント情報紙ページ2は、各参加者が座る座席の案内情報のみを印刷したページである場合もある。即ち、席次表が印刷されたページがあり、そのページのみがイベント情報紙ページ2である場合もあり得る。
【0013】
ギフト情報紙ページ3は、各イベント参加者に贈呈され得るギフトの情報が印刷されたページである。この実施形態では、イベントはブライダルであるので、ギフトは引出物である。但し、引出物に加え、縁起物や引き菓子が一緒に贈呈される場合もある。図1の例では、方形の各枠の中がギフト情報印刷部となっており、各ギフトの写真や紹介テキスト、ギフトID等が印刷されている。
ギフト情報紙ページ3も複数のページに亘っているが、その最初のページには、引出物として贈呈されるギフトを紹介している旨のテキストが印刷されている。また、最後のギフト情報紙ページ3は、ネットワーク上のサーバーによって提供されるギフトサイトへのアクセス情報が印刷されたアクセス情報印刷部を有している。以下、このサーバーをギフトサーバーと言い換える。
【0014】
図2は、各イベント配布冊子のギフト情報紙ページに印刷されたアクセス情報印刷部の構成を示した概略図である。この実施形態では、二つのアクセス情報印刷部が設けられている。一つ(以下、第一アクセス情報印刷部)31は、図2にそれぞれ示すように、ギフトサーバーのURL(リソース情報の例)とIDとを含むテキストを印刷した部位である。もう一つ(以下、第二アクセス情報印刷部)32は、ギフトサーバーのURLとIDとをコードシンボル化したイメージを印刷した部位である。この例では、第二アクセス情報印刷部32は、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)のような二次元コードシンボルとなっている。
【0015】
この実施形態では、IDとしては二種類のものが設定されている。一つは、イベントIDである。もう一つは、冊子IDである。イベントIDは、各イベントを識別するIDである。したがって、イベントIDは、一つのイベント配布物セットを構成する各イベント配布冊子1において共通したIDとなっている。冊子IDは、一つのイベント配布物セットを構成する各イベント配布冊子1を相互に識別するIDであり、従ってイベント配布冊子1相互に異なっている。各アクセス情報印刷部31,32において、ギフトサーバーのURLは各イベント配布冊子1において共通(同じ)であり、イベントIDも共通であるが、冊子IDは異なっている。
【0016】
この実施形態では、各アクセス情報印刷部31,32は、冊子IDに対応した情報としてパスワードを含んでいる。パスワードは、ギフトの不正な取得を防止するための情報である。この実施形態では、URLはギフトサイトへのログインページのURLとなっており、イベントID、冊子ID及びパスワードは、ログインの際にログインページで入力される情報となっている。
【0017】
コードシンボルのイメージである第二アクセス情報印刷部32については、これらの情報から成るログインコードをコードシンボル化したものとなっている。図2に吹き出しで概略的に示すように、ログインコードは、ログインページのリソース情報(URL)321と、セッション変数に格納するイベントID322及び冊子ID323と、セキュリティのためのパスワード324を含んでいる。したがって、コードシンボル読取り機能を備えた端末が第二アクセス情報印刷部32を読み取ると、自動的にログインがされ、ギフトサーバーが提供するギフトサイトのトップページが当該端末に表示されるようになっている。
【0018】
尚、図2に概略的に示すように、各アクセス情報印刷部31,32が設けられたギフト情報紙ページ3には、ギフト(ここでは引出物)を受け取る際にはギフトサイトにアクセスすることが必要であり、コードシンボルをスマホ等で読み取るか、URL等をキー入力するかしてアクセスをして欲しい旨のテキストが印刷されている。同じようなテキストは、最初のギフト情報紙ページ3にも印刷されている。
【0019】
このようなアクセス情報印刷部31,32に従ってアクセスがされるギフトサーバーの構成について、図3を参照して説明する。ギフトサーバーは、各イベント配布冊子1を介してギフトを贈呈するギフト贈呈システムの要素となっており、図3は、ギフト贈呈システムの概略図である。ギフト贈呈システムは、ギフトサーバー4と、ギフトサーバー4がアクセス可能な記憶部5とを備えている。
【0020】
ギフトサーバー4は、インターネット9上のサーバーである。ギフトサーバー4は、各イベント参加者が操作する端末である参加者端末6からのインターネット9を介したアクセスを受け付けることが想定されている。記憶部5は、ギフトサーバー4が備えるハードディスクのようなストレージの場合もあるが、ストレージサーバーのように別途設けられたサーバー上のストレージの場合もある。
ギフトサイトへのログインは、各イベント参加者が参加者端末6を操作して行う。各イベント参加者は、第二アクセス情報印刷部32のコードシンボルを参加者端末6で読み取るか、第一アクセス情報印刷部31におけるURLを入力してログインページを参加者端末6に表示し、ログインページでイベントID、冊子ID及びパスワードを入力してログインを行う。
【0021】
図4は、このようにしてログインがされるギフトサイトのトップページ(以下、ギフトサイトトップという。)の一例を示した概略図である。図4の例はスマホ版となっているが、PC版であっても良いことは勿論である。
イベント配布物セットは、イベントの主催者からの依頼(注文)により業者が製作して納品する。この業者は、ギフトサーバー4の管理や運営も行っている。またこの業者は、各種ギフトの仕入れや販売等を行っている。以下、この業者を冊子事業者と呼ぶ。冊子事業者には、担当者によって操作される管理用端末7が設けられている。管理用端末7は、ギフトサーバー4や記憶部5に対して特別の権限を有してアクセスが可能とされている。
図4に示すように、ギフトサイトトップでは、ログインの際に保持されたイベントID及び冊子IDが確認的に表示されるとともに、イベントの名称などが表示されるようになっている。これを実現するための構成として、ギフトサーバー4がアクセス可能な記憶部5には、イベント情報ファイル51が記憶されている。
【0022】
図5は、イベント情報ファイル51の構造の一例を示した概略図である。図5に示すように、イベント情報ファイル51は、「イベントID」、「イベント名」、「主催者名」、「発行冊子数」、「取得期限日」、「ギフト群ID」、「単価」等のフィールドから成るレコードが記録されたデータベースファイルとなっている。
冊子事業者は、多数のイベントについてイベント配布物セットを発行しており、イベントIDは、各イベントを識別するIDである。
「主催者名」のフィールドには、新郎新婦名のような主催者名が記録される。
「イベント名」のフィールドは、この例では○○××披露宴というような名称が記録される。
「発行冊子数」は、発行されるイベント配布冊子1の数である。これは、イベント配布冊子1を受け取る参加者の数であり、イベント参加者数である。この数は、贈呈され得るギフトの数にも相当しているから、ギフトを取得する権利の数ということもできる。
この実施形態では、ギフトの取得には期限日が設定されており、「取得期限日」はこの期日が記録されるフィールドである。取得期限日は、例えばイベント配布物セットの製作の依頼があった日から6ヶ月とか、イベントの開催日から6ヶ月とかの期日とされる。
【0023】
この実施形態では、カタログギフトのように多数のギフトの中から参加者が任意に一つのみを選択して受け取る構成が採用されており、「ギフト群ID」は、選択可能なギフトのグループを特定するためのIDが記録されるフィールドである。記憶部5には、各ギフト群について、それぞれギフト群情報ファイル52が記憶されている。図6は、ギフト群情報ファイル52の構造の一例を示した概略図である。
【0024】
各ギフト情報ファイル52は、各ギフト群IDに紐付けられており、ギフト群IDで特定が可能である(例えば、ギフト群IDをファイル名にする)。図6に示すように、各ギフト群情報ファイル52は、「ギフトID」、「ギフト名」、「提供元」、「イメージファイルパス」等のフィールドから成るレコードが記録されたデータベースファイルである。
図6に示す一つのギフト情報ファイル52のレコード数は、そのギフト群に属するギフトの数である。「提供元」はそのギフトの仕入れ先の会社名が記録されるフィールである。「イメージファイルパス」は、当該ギフトを紹介するイメージ(商品の写真等)のファイル名及びパスが記録されるフィールドである。
【0025】
各ギフト群は、通常、価格に応じたものとして設定される。例えば、3000円のギフトのギフト群、5000円のギフトのギフト群、7000円のギフトのギフト群という具合である。イベントの主催者は、イベント配布物セットの製作の対価に加え、各参加者に贈呈するギフトの対価を冊子事業者に支払う。全ギフト対価は、ギフト群の各ギフトの価格(単価)×発行冊子数である。3000円のギフト群(相当額が3000円であるギフトのグループ)を40人の人に贈呈する場合、イベント主催者が冊子事業者に支払うに全ギフト対価は12万円となる。イベント配布冊子1の製作の全体の対価には、全ギフト対価に加えてデザイン費や印刷代、配送料などが含まれる。尚、各ギフト群は、価格別以外に、ジャンル別にギフトを集めたグループとされ得る。例えば、飲食料品の3000円のギフト群、衣服・日用品の3000円のギフト群、・・・という具合である。また、主催者が選択したギフト群における各ギフトの価格(単価)は、イベント情報ファイル51の「単価」のフィールドに記録される。
【0026】
また、記憶部5には、イベントIDごとに設けられる取得管理ファイル53が記憶されている。取得管理ファイル53は、各イベント配布冊子1についてギフトの取得を管理するためのファイルである。図7は、取得管理ファイル53の構造の一例を示した概略図である。
取得管理ファイル53は、1個のイベントIDについて一つのファイルが設けられており、各取得管理ファイル53は、イベントIDに紐付けられている。例えばイベントIDをファイル名にすることにより、イベントIDで特定が可能なファイルとなっている。各取得管理ファイル53は、ギフトの取得を管理するためのファイルであり、図9に示すように、「冊子ID」、「パスワード」、「取得期限日」、「取得済み」等のフィールドから成るレコードを記録したデータベースファイルである。取得管理ファイル53のレコード数は、イベント情報ファイル51のイベントIDで対応するレコードの「発行冊子数」に一致する。
【0027】
「冊子ID」及び「パスワード」は、上述した各アクセス情報印刷部31,32に印刷した冊子ID及びパスワードがそれぞれ記録されるフィールドである。
「ギフト群ID」は、イベント配布物セットの製作の依頼の際にイベント参加者が指定したギフト1個の価格とギフトのジャンルに従って値が記録されるフィールドである。この値(ギフトID)は、イベント配布物セットの製作が依頼された際に管理用端末7を操作して冊子事業者における担当者が入力する。
「取得期限日」は、イベント情報ファイル51のイベントIDで対応するレコードにおける取得期限日と同じ情報が記録されるフィールドである。
「取得済み」は、当該冊子IDについてギフトが取得されたかどうかを記録するフィールであり、例えばBoolean型とされる。「取得済み」のフィールドのデフォルト値は偽値である。
【0028】
管理用端末7には、イベント登録プログラム71が実装されている。イベント登録プログラム71は、イベント情報ファイル51に新規レコードを追加したり、取得管理ファイル53を新規に作成して各IDを記録したりする機能を有するプログラムである。
イベント登録プログラム71は、起動すると、イベント情報ファイル51に新規レコードを追加し、イベントIDを自動生成して新規レコードに記録するとともに、管理用端末7にイベント名、開催日、主催者名、発行冊子数等を入力する入力ページを表示するようプログラミングされている。その上で、イベント登録プログラム71は、入力ページで入力された各情報をイベント情報ファイル51の新規レコードに記録する。また、取得期限日が自動計算されて記録される。
また、イベント登録プログラム71は、自動生成したイベントIDに対応させて取得管理ファイル53を新規に作成し、発行冊子数に一致した数のレコードを新規に追加するようプログラミングされている。そして、イベント登録プログラム71は、冊子ID及びパスワードを順次生成して各レコードに記録するようプログラミングされている。
【0029】
次に、ギフトサイトへのログインについて説明する。
図4に示すギフトサイトトップページを開く際に実行されるログインプログラムは、送信されたイベントIDでイベント情報ファイル51を検索し、該当するレコードがあった場合、当該イベントIDに対応した取得管理ファイル53を開く。そして、送信された冊子IDで取得管理ファイル53を検索し、該当するレコードがあるかどうか判断する。該当するレコードがあった場合、当該レコードに記録されているパスワードが、送信されたパスワードに一致するかどうか判断し、一致すればログインを許可し、図4のギフトサイトトップページを表示する。これらの条件が満たされない場合、ログイン異常を返してログインを許可しない。
【0030】
図4に示すように、ギフトサイトトップページは、イベントID、イベント名、取得期限日等が確認的に表示されるようになっている。ギフトサイトトップページのHTMLファイルは、ログインの際に保持された情報に加え、イベント情報ファイル51の当該レコードからこれら情報を取得して表示するようスクリプトが記述されている。
図4に示すように、ギフトサイトトップページには、「取得可能なギフトを見る」と表示されたギフト閲覧ボタン61が設けられている。記憶部5には、ギフト紹介ページのHTMLファイルが記憶されており、ギフト閲覧ボタン61はギフト紹介ページにリンクしている。
尚、ログインがされた際の日時(システム日時)が取得期限日を過ぎている場合、ギフトサイトトップページには、期限日を過ぎているので取得ができない旨のエラーメッセージが表示されるようスクリプトが記述されている。この場合には、ギフト閲覧ボタン61は実行不可のボタンに変更される。
【0031】
図8は、ギフト紹介ページの一例を示した概略図である。図8に示すように、ギフト紹介ページでは、各ギフトを紹介する欄(フレーム)内に各ギフトの写真や名称等のテキストが組み込まれている。ギフト紹介ページのHTMLファイルは、ログインの際に保持されたイベントIDでイベント情報ファイル51を検索して該当するレコードの「ギフト群ID」の値を読み出し、ギフト群IDに対応したギフト群情報ファイル52を開いて各ギフトの名称やイメージファイルを取得して図5に示すように順次表示するようコーディングされている。尚、図8に示すように、各ギフトの情報をジャンルで絞り込んで表示したり、人気順などで並べ変えて表示したりすることができるようになっている。
【0032】
各ギフトの紹介欄(フレーム)は、ハイパーリンクとなっており、ギフトIDが埋め込まれているとともに送付先入力ページにリンクしている。いずれかの欄がタップ又はクリックされると、埋め込まれているギフトIDが変数に保持された状態で送付先入力ページが参加者端末6に送信されて表示される。送付先入力ページは、ギフトの送付先として氏名や住所を入力する欄を有しており、OKボタンが設けられている。OKボタンは、確認ページにリンクしている。確認ページは、選択されたギフトを確認のために表示するとともに、入力された送付先を確認のため表示するページである(不図示)。ギフトサーバー4には、申請処理プログラム41が実装されている。確認ページには、取得申請を確定する送信ボタンが設けられており、送信ボタンは、申請処理プログラム41の実行ボタンとなっている。
【0033】
申請処理プログラム41は、ログインの際に保持されたイベントID及び冊子IDと、ギフト紹介ページで選択した欄(フレーム)に埋め込まれているギフトIDと、さらに送付先入力ページで入力された各情報とを引数にして実行されるプログラムである。申請処理プログラム41は、まず、イベントIDでイベント情報ファイル51を検索して該当レコードの「取得期限日」の値を取得して取得期限日を過ぎていないことを確認する。その上で、該当レコードの「取得済み」の値を確認し、真値(取得済みである旨の値)が記録されている場合、既に交換がされているのでさらなる取得申請はできない旨のメッセージを参加者端末6に送信して表示させ、プログラムを終了する。
取得期限日を過ぎておらず、取得済みが記録されていなければ、申請処理プログラム41は、ギフトを出荷するための情報を出力する配送情報出力モジュールを実行した上で、当該レコードの「取得済み」に真値を記録し、プログラムを終了する。
【0034】
尚、記憶部5には、各ギフトの配送のための配送情報ファイル54が記憶されている。配送情報ファイル54は、ギフト紹介ページで選択されたギフトのギフトID、送付先入力ページで入力された送付先の情報(氏名、住所等)が記録されるデータベースファイルであり、配送情報出力モジュールによって各情報が記録される。配送情報ファイル54に従って、冊子事業者からギフトの配送(宅配便又は郵送)が行われる。冊子事業者は、別の業者からギフトを仕入れている(サービスの場合にはサービスの利用券等を仕入れている)場合が多い。この場合、別の業者からイベント参加者にギフトが直送される場合もある。
【0035】
上記ギフト群情報ファイル52、ギフト紹介ページ及び申請処理プログラム41の構成において重要なことは、ギフト紹介ページで紹介されるギフト群のうちの一部のギフトが各イベント配布冊子1のギフト情報紙ページ3でも紹介されている点である。即ち、イベント配布物セットの製作が依頼された際、イベント主催者はギフト価格(1個のギフトの価格)とギフトジャンルとを決め、それに応じてギフト群IDがイベント情報ファイル51に記録される。各イベント配布冊子1の製作の際には、当該ギフト群IDに対応したギフト群情報ファイル52に記録されている複数の異なるギフトのうちの一部のギフトについて、ギフト名や写真等がギフト情報紙ページ3に印刷される。したがって、ギフト情報紙ページ3で紹介されているギフトは、ギフト紹介ページ(以下、より明確に区別するためにギフト紹介ウェブページと言い換える。)でも紹介されており、ギフト名(又はギフト名と写真)は共通している。即ち、一のギフト群IDが決定された際にそのギフト群IDで特定されるギフト群のうちの一部をギフト情報紙ページ3に掲載するとともに、その一部を含めて当該ギフト群に属する全てのギフトをギフト紹介ウェブページに掲載する構成が採用されている。
【0036】
尚、管理用端末7には、各イベント配布冊子1の印刷データを調製する印刷データ調製プログラム72が実装されている。実施形態のイベント配布物セットは、オンデマンド印刷機を使用して印刷がされて各イベント配布冊子1が製本される。印刷データ調製プログラム72は、オンデマンド印刷機に投入される印刷用デジタルデータを調製するプログラムである。オンデマンド印刷機に投入される印刷用デジタルデータは、製作するイベント配布冊子1相互に若干異なるデータとなっている。即ち、各イベント情報紙ページ2用のデジタルデータは各イベント配布冊子1で共通であり、各ギフト情報紙ページ3用のデジタルデータも第一アクセス情報印刷部31及び第二アクセス情報印刷部32を除き共通であるが、第一アクセス情報印刷部31及び第二アクセス情報印刷部32は、各イベント配布冊子1について異なるデータとなっている。
【0037】
印刷データ調製プログラム72は、第一アクセス情報印刷部31及び第二アクセス情報印刷部32の各情報を順次組み替えて印刷用データファイルを調製する。情報の組み替えは、取得管理ファイル53の内容に従って行われる。印刷データ調製プログラム72に対しては、共通部分のデジタルデータ(各イベント情報紙ページ2用のデジタルデータと第一アクセス情報印刷部31及び第二アクセス情報印刷部32を除いた各ギフト情報紙ページ3用のデジタルデータ)がテンプレートファイルとして用意される。印刷データ調製プログラム72は、イベントIDを引数にして実行されるプログラムである。印刷データ調製プログラム72は、イベントIDに対応した取得管理ファイル53を開き、最初のレコードから冊子IDとパスワードを取得し、イベントIDとともにテンプレートファイルに組み込んで印刷用デジタルデータを調製する。この際、第二アクセス情報印刷部32については、定数としてのリソース情報(ギフトサーバー4のURL)とイベントIDと冊子IDとパスワードとを組み合わせてコードシンボル化したイメージを作成し、これをテンプレートファイルに組み込む。このようにして、取得管理ファイル53の各レコードについてそれぞれ印刷用データファイルを調製する。
【0038】
オンデマンド印刷機は、冊子事業者に設置されていて自社で印刷や製本を行う場合もあるが、この実施形態では、印刷や製本は、外部の事業者に発注(外注)して行われるようになっている。この際、図3に示すように、外注業者端末81がインターネット9に接続されていて、メールで送信したりファイル転送サービスを利用して送信したりして印刷用データファイルが外注業者に渡される。外注業者は、渡された印刷用データファイルを自社のオンデマンド印刷機82に投入して印刷を行い、さらに製本して各イベント配布冊子1を製作する。
尚、各印刷用データファイルの調製は、外注事業者において行われる場合もある。この場合は、イベント情報紙ページ2用のデジタルデータ(原稿データ)を外注業者に送っておき、それとは別に各アクセス情報印刷部31,32用のデータのみを送ったり、生成した各コードシンボルのイメージファイルのみを送ったりする。そして、外注事業者において各アクセス情報印刷部31,32用のデータを組み替えて各印刷用データファイルが調製される。
【0039】
このようなイベント配布物セットの製作や使用のプロセスについて、同様にブライダルにおけるプロフィールブックを例にして以下にまとめて説明する。
冊子事業者は、イベント配布冊子の製作とギフト販売とを組み合わせた事業を展開しており、自社のウェブサイト等でこのサービスの利用を募っている。結婚式及び結婚披露宴を予定している新郎新婦は、このサービスの利用を思い立ち、冊子事業者に対してイベント配布物セットの製作を依頼する。この際、イベント配布冊子のデザイン料や印刷代、配送料等に加え、ギフト価格(単価)×発行冊子数の全ギフト対価を冊子事業者に支払う。それとともに、各イベント配布冊子(プロフィールブック)のイベント情報紙ページに印刷するテキストやイメージファイル、写真の現物(現像された写真)等を新郎新婦は冊子事業者に提供する。
【0040】
冊子事業者における担当者は、管理用端末7を操作し、イベント登録プログラム71を実行する。これにより、イベント情報ファイル51に新規レコードが追加され、イベントIDが自動生成されて記録されるともに、主催者名等の情報が新規レコードに記録される。それとともに、取得管理ファイル53が新規に作成されて発行冊子数分のレコードが新規に追加され、冊子ID及びパスワードが順次自動生成されて各レコードに記載される。また各レコードには、自動計算された取得期限日が記録される。
【0041】
一方、冊子事業者は、提供されたテキストやイメージファイル、写真等を使用してイベント配布冊子の原稿(見本)を作成し、新郎新婦に送る。新郎新婦は、原稿をチェックして必要な修正をして内容を了承し、冊子事業者に伝える。冊子事業者は、必要な修正をした原稿に基づき、発行冊子数分の印刷用データファイルを調製する。この際、必要な修正をした原稿に基づいてテンプレートファイルが調製され、これに対して印刷調製プログラム72が実行され、各印刷用データファイルが調製される。そして、調製された各印刷用データファイルがオンデマンド印刷機82に順次投入されて印刷が行われ、製本して各イベント配布冊子1が製作される。
【0042】
冊子事業者における担当者は、各イベント配布冊子1を束ねてイベント配布物セットとし、依頼したイベント主催者(新郎新婦)に発送する。各イベント配布冊子1が外注業者で製作される場合、外注業者から直送される場合もある。この実施形態ではイベントはブライダルであるので、発送先は、ブライダル会場の場合があり得る。イベント配布物セットの各イベント配布冊子1は、例えば披露宴会場の受付で各参加者に渡される。各参加者(披露宴出席者)は、披露宴の際にイベント配布冊子1を開き、新郎新婦のプロフィールを閲覧する。
【0043】
また、披露宴の際又は披露宴終了後に、各参加者は、イベント配布冊子1のギフト情報紙ページ3を閲覧し、引出物としてどのようなギフトが選べるかを確認する。そして、各参加者は、ギフト情報紙ページ3に印刷されている案内に従い、いずれかのアクセス情報印刷部31,32によってギフトサイトにアクセスする。即ち、第二アクセス情報印刷部32のコードシンボルを参加者端末6で読み取るか、第一アクセス情報印刷部31のリソース情報(URL)を入力してログインページを表示し、イベントID、冊子ID及びパスワードを入力する。
【0044】
これによりギフトサイトにログインがされ、図4に示すギフトサイトトップが参加者端末6に表示される。各参加者は、イベント名や取得期限日等を確認した後、ギフト閲覧ボタン61をタップ又はクリックをし(以下、単に押すという。)、ギフト紹介ウェブページを参加者端末6に表示する。各参加者は、画面をスクロールしながら任意のギフトを選び、そのギフトを表示している欄(フレーム)を押す。これにより、送付先入力ページが各参加者端末6に表示される。
【0045】
各参加者は、送付先入力ページで氏名や住所等を入力した後、OKボタンを押し、確認ページで送信ボタンを押す。これにより申請処理プログラム41が実行される。申請処理プログラム41は、配送情報出力モジュールを実行した上で、取得管理ファイル53の当該レコードの「取得済み」に真値を記録する。その後、宅配便等により、各ギフトは各参加者に届けられる。尚、ギフトは有形の商品の他、サービスの場合もある。サービスの場合にはサービスの利用券のようなものが届けられる場合が多い。
【0046】
上記の例は、イベント配布冊子1はブライダルにおけるプロフィールブックであったが、他のイベントにおけるイベント配布冊子1についても同様に実施できる。例えば、会社の創立記念日のパーティーの場合、会社の創業以来の歴史等について解説したページがイベント情報紙ページ2として印刷され、パーティー参加者へのお土産としてのギフトの贈呈についてギフト情報紙ページ3が印刷される。ギフト情報紙ページ3には同様に各アクセス情報印刷部31,32が設けられ、各参加者は、いずれかのアクセス情報印刷部31,32によりギフトサイトにアクセスし、さらなるギフト情報を閲覧しつつ、任意のギフトを選んで取得申請する。この他、実施形態のイベント配布物セットは、業界団体の設立記念日のパーティーや企業における新商品発売のレセプション等にも適用でき、さらには葬儀やお別れの会のような弔事イベントにも適用できる。
【0047】
このような各種イベントにおいて、実施形態のイベント配布物セットによれば、設定されているギフト群の中から各参加者は任意のギフトを選んで受け取ることができるので、特に欲しくないギフトを貰ってしまうことはなく、欲しくないギフトを持ち帰ることの煩雑さを感じることはない。
その上、各イベント配布冊子1は、イベント情報紙ページ2とギフト情報紙ページ3とを有しており、イベントに関する情報を参加者に伝えるという従来のイベント配布冊子1とギフト贈呈用のカタログギフト冊子とを合体させたような構成となっている。このため、二つの機能を実現しつつも冊子としては一つであり、簡略化されている。この点は、イベント主催者及び各参加者の双方にとって煩雑さを解消させるものとなっている。イベント配布冊子とカタログギフト冊子とをそれぞれ配布する場合、イベント主催者は各参加者にそれぞれ配布する必要があるし、各参加者は二つをそれぞれの受領を確認する必要があり、煩雑である。実施形態によれば、そのような煩雑さはない。
【0048】
上記実施形態において、各イベント配布冊子1に設けられている各アクセス情報印刷部31,32が冊子IDを含んでいることは、一つの冊子で二回以上のギフトの取得申請を行うのを防止する重要な意義を有している。上記のように、一つの冊子IDでログインをしてギフトの取得申請をすると、当該冊子IDについて取得管理ファイル53に取得済みが記録され、その後の取得申請は承認されなくなる。例えば、アクセス情報印刷部が共通のIDを有するのみとしたイベント配布冊子を参加者数分用意してギフトを取得させる構成もあるが、共通のIDであると、あるイベント配布冊子のアクセス情報印刷部によりアクセスしてギフトを取得した後、申請回数が全体のギフト数に達するまでは同じアクセス情報印刷部により何回も取得申請ができてしまう。これを防止するには、あるイベント配布冊子1を使用してギフトの取得申請をした後はそのイベント配布冊子では取得申請ができないようにする必要があり、各イベント配布冊子1を識別する冊子IDはこれを実現する意義がある。
【0049】
尚、冊子IDは、ログインの際に保持されるIDとしてアクセス情報印刷部に含められている構成の他、取得済みかどうかを即座に判断するプログラムの引数としてアクセス情報印刷部に含められていても良い。即ち、取得済みかどうかを判断するプログラムをギフトサーバー4に実装し、そのプログラムのURLをリソース情報とし、引数として冊子IDを付加した実行コードをシンボルコード化してアクセス情報印刷部として印刷する。シンボルコードを読み取ると、ギフトの取得済みかどうかはプログラムにより判断され、取得済みであればエラーメッセージが表示され、取得済みでなければギフト紹介ウェブページが表示される。
【0050】
パスワードも、同様に不正なギフトを取得する意義がある。冊子IDのみであると、あるイベント配布冊子1を受領した参加者が、その記載されている冊子IDから別の冊子IDを類推して入力をし、エラーにならずに取得申請ができてしまう場合もある。パスワードは、このような不正を防止する意義を有する。
セキュリティの観点では、コードシンボル化した第二アクセス情報印刷部32のみとしても良い。このようにすると、冊子IDは一見では不明なため、他の冊子IDは類推しづらい。他の人のイベント配布冊子1に印刷された冊子IDやパスワードを盗み見して不正にアクセスすることもあり得るが、第二アクセス情報印刷部32のみであれば、不正はしにくくなる。但し、コードシンボルの読み取り機能を有する端末を保持していない参加者にとっては不便となる。
【0051】
また、イベントIDは、イベント配布物セットごとに異なるギフト群とすることを可能にする意義がある。実施形態のイベント配布物セットは、上記のように種々のイベントに利用され得る。この際、参加者に贈呈する1個のギフトの予算はイベントごとに異なるから、参加者が選択可能なギフトの範囲(ギフト群)もイベントによって異なることになる。参加者が選択可能なギフトの範囲をイベントIDに対応させて設定しておき、送信されたイベントIDに従って当該範囲のギフトの情報を参加者端末6に表示して紹介することが可能になる。
【0052】
尚、上記実施形態において、ギフトの取得申請はギフトサイトで行われたが、これに加え、郵送やFAXでの取得申請が行えるようにしても良い。この場合は、各イベント配布冊子1のギフト情報紙ページ3に、取得申請用の葉書やFAX送信フォーム(各々必要に応じてミシン目を設ける)を印刷しておく。そこには、選択したギフトの名称やギフトIDを記載する欄と、氏名や住所等の個人情報記入欄が設けられている他、冊子IDが記載されている。尚、ギフトIDは、ギフト情報紙ページ3に掲載している各ギフトの紹介部分に印刷しておく。このようなページを設けることで、参加者端末6を有していない参加者についても、ギフトの取得申請が行える。
【0053】
次に、第二の実施形態のイベント配布物セットについて説明する。図9は、第二の実施形態のイベント配布物セットの概略図である。
図9に示す第二の実施形態のイベント配布物セットも、イベントにおいて複数のイベント参加者の各々に配布される各イベント配布物から成るイベント配布物セットである。そして、図9に示すように、この実施形態では、各イベント配布物は、イベントにおいて各イベント参加者に配布されるイベント配布冊子1と葉書10との組み合わせとなっている。
【0054】
この実施形態においても、各イベント配布冊子1は、イベント情報紙ページ2とギフト情報紙ページ3とを含んでいる。イベント情報紙ページ2は、イベントの主催者に関する情報又はイベントの内容に関する情報が印刷されたページである。図9に示す例は、第一の実施形態と同様、各イベント配布冊子1はブライダルにおけるプロフィールブックとなっており、イベント情報紙ページ2には、新郎新婦の生い立ち等の紹介情報が印刷されている。
ギフト情報紙ページ3も、同様にギフト紹介情報印刷部を有しており、参加者が一つを選択して贈呈を受けることができる複数の異なるギフトについてのギフトの名称を含むギフト紹介情報が印刷されている。
【0055】
そして、第二の実施形態では、IDを含むアクセス情報印刷部は各葉書10に印刷されている。各葉書10は、各参加者がギフトの取得申請を行う際に使用する葉書10であり、以下、ギフト取得申請用葉書という。図10は、各イベント配布物におけるギフト取得申請用葉書10の構成について示した概略図である。
図10に示すように、各ギフト取得申請用葉書10の一方の面(以下、うら面という。)には、取得希望ギフト情報記入欄101と、送付先情報記入欄102とが設けられている。取得希望ギフト記入欄101は、取得を希望するギフトを特定可能な情報を入力する欄であり、この例では、ギフトIDとギフト名称とを記入する欄となっている。送付先情報記入欄102は、選択したギフトの送付先の情報を記入する欄であり、通常、参加者の自宅住所や電話番号が記入される。尚、各ギフト取得申請用葉書10の反対側の面(おもて面)には、ギフト取得申請用葉書10の送り先が印刷されている。この送り先は、冊子事業者における担当部署の住所や担当部署名である。また、おもて面には料金別納郵便についての印刷もされている。
【0056】
そして、図10に示すように、各ギフト取得申請用葉書10のうら面には、ギフトの取得申請はギフトサイトでも行うことができ、ギフトサイトでは冊子に紹介されている以上の種々のギフトが紹介されている旨の案内が印刷されている。その上で、うら面には、アクセス情報印刷部103,104が設けられている。
この実施形態においても、第一アクセス情報印刷部103と第二アクセス情報印刷部104とが設けられている。これらアクセス情報印刷部103,104は、各イベント配布物において相互に異なるIDを含んでいる。第一の実施形態では冊子IDであったが、この実施形態では各ギフト取得申請用葉書10に設けられているので、以下、葉書IDと呼ぶ。
【0057】
同様に、第一アクセス情報印刷部103は、アクセス情報をテキストで印刷した部位であり、ギフトサーバーのリソース情報(ギフトサイトのURL)と、イベントIDと、葉書IDとパスワードとがテキストで印刷されている。第二アクセス情報印刷部104は、これらの情報をコードシンボル化したイメージを印刷した部位であり、この例でもQRコード(登録商標)を印刷した部位となっている。そして、図10に示すように、各ギフト取得申請用葉書10に印刷されて各アクセス情報印刷部103,104において、リソース情報やイベントIDは同じである(共通している)が、葉書ID及びパスワードが相互に異なっている。
【0058】
第二の実施形態のイベント配布物セットにおいて、各イベント配布冊子1は、全く同様のものが参加者数分製作される。各ギフト取得申請用葉書10については、第一アクセス情報部103における葉書ID及びパスワードと第二アクセス情報印刷部104のコードシンボルを順次組み替えて作成した各印刷用データファイルがオンデマンド印刷機に投入されて印刷が行われることにより製作される。それぞれ製作された各イベント配布冊子1と各ギフト取得申請用葉書10はイベント会場に搬入され、イベントの際、各参加者に一点ずつ配布される。
【0059】
各参加者は、各イベント配布冊子1におけるイベント情報紙ページ2を閲覧しつつイベントに参加し、イベントの際又はその後、ギフト情報紙ページ3を閲覧し、ギフト取得申請用葉書10で取得申請を行う。この際、いずれかのアクセス情報印刷部103,104によりギフトサイトにアクセスし、さらに多くのギフトの紹介情報を閲覧したり、ギフトサイトでギフトを選択して取得申請をしたりする。参加者端末6を保有していなかったり、ギフトサイトへのアクセスが面倒であると感じたりした参加者は、ギフト紹介紙ページ3でギフトを選択し、そのギフトIDやギフト名称をギフト取得申請用葉書10の取得希望ギフト情報入力欄101に記入するとともに送付先情報入力欄102を記入して投函し、取得申請を行う。
【0060】
このような第二の実施形態のイベント配布物セットによれば、各イベント配布物において、各イベント配布冊子1は同様の内容のものとして製作ができ、各ギフト取得申請用葉書10のみ個別に異なるものとして製作することができるので、オンデマンド印刷の際に投入する印刷用デジタルデータの容量が小さくでき、この点で好適である。コスト的には、各イベント配布冊子1についてはオンデマンド印刷機をせずにより安価に印刷を行うことができるし、各ギフト取得申請用葉書10についてはオンデマンド印刷機ではなく、デスクトップPCの周辺装置として使用可能な安価な印刷機を使用することも可能である。尚、第二の実施形態において、共通のIDであるイベントIDは、管理のため各イベント配布冊子1の表紙等に印刷される場合があり得る。
【0061】
上記各実施形態において、ギフトの受け取りについては宅配便又は郵送によるとしたが、他の構成もあり得る。ギフトの引換券的なものがデジタルデータとして参加者端末6に送信され、参加者がある場所に行って参加者端末6にデジタルデータを表示することでギフトを受け取るというような構成もあり得る。例えばコンビニ等で広く販売されている商品がギフトである場合、この構成が好適に採用され得る。但し、この場合は、参加者はその場所に行かなければならず、ギフトを持ち帰るという動作が必要になるので、宅配便や郵送に比べると煩雑さは残る。
【0062】
上記各実施形態において、各イベント参加者は、同一のギフト群IDのギフト群に属するギフトを取得するようになっており、従って各イベント参加者において取得可能ギフトの価格(単価)は同一であったが、価格の異なるギフトを取得する構成とされる場合もあり得る。この構成を実装するのにも、冊子IDや葉書IDは意義を有する。各イベント参加者が冊子ID又は葉書IDで相互に識別されるために、各冊子ID又は各葉書IDに対して異なるギフト群IDを紐付けることで、各参加者において価格の異なるギフトを取得させることができる。
【0063】
より具体的には、取得管理ファイル53に「ギフト群ID」のフィールドを設け、各冊子ID又は各葉書IDに紐付けられたギフト群IDが記録される。各イベント配布冊子1のギフト情報紙ページ3におけるギフト紹介情報印刷部は、各冊子ID又は各葉書IDに対して紐付けられたギフト群IDで特定されるギフト群に属するギフトの一部の紹介情報が印刷される。また、参加者が参加者端末6でギフトサイトにアクセスしてギフト紹介ボタン61を押した際、冊子ID又は葉書IDで取得管理ファイル53を検索して該当レコードからギフト群IDを取得し、そのギフト群IDに属するギフトの紹介欄(フレーム)をギフト紹介ページに順次表示するようHTMLファイルのスクリプトが記述される。
【0064】
このような構成は、例えば披露宴において参加者が支払った祝儀額に応じて価格の異なるギフトを贈呈しようとする場合、特に好適である。ギフトサーバー4は、イベント主催者向けのページとしてギフト設定ページを提供するよう構成される。ギフト設定ページは、イベント主催者が操作する端末(主催者端末)上に表示され、披露宴の出席予定の参加者についてそれぞれギフト群IDを設定するページとされ、少なくとも二人以上の参加者において異なるギフト群IDを設定できるようにする。尚、参加者間で異なるギフト群IDとされる場合には、取り違えがないように参加者の氏名がイベント配布冊子1(第一の実施形態の場合)又は取得申請用葉書10(第二の実施形態の場合)に印刷されることが好ましい。このための構成として、ギフト設定ページに各参加者の氏名を入力する氏名入力欄が設けられ、イベント主催者が主催者端末において各参加者の氏名を入力する構成が採用される。入力された各氏名は、取得管理ファイル53に記録され、各イベント配布冊子1又は各取得申請用葉書10に印刷される。
【0065】
また、上記各実施形態において、イベントの開催日は1日だけの場合に限らず、複数日にまたがって(例えば一週間)開催される場合もある。このような場合も、その複数日にまたがって開催されるイベントを一つのイベントとする。
尚、参加者数が確定していないイベントの場合、予備のイベント配布物を用意しておく等の関係から、イベント終了後にイベント配布物が余ってしまう場合がある。この場合、各アクセス情報印刷部によるギフト取得は残部のイベント配布物についてはされないことになるから、冊子事業者がイベント主催者に返金する構成が採用されることもあり得る。返金は、残部が生じた場合の他、あるイベント参加者が期限内に取得申請をしなった場合にされることもあり得る。
【0066】
このような本願発明の技術思想は、リーフレットや1枚もののペーパーのような冊子以外の形態の配布物にも適用が可能である。例えば、結婚披露宴で参加者に配られるものとして席札や席次表、メニュー表などが知られている。これらは、プロフィールブックも含めてペーパーアイテムと呼ばれる。このようなペーパーアイテム(紙製の配布物)について本願発明を応用することができる。この場合も、複数のペーパーアイテムをセットにしたペーパーアイテムセットの形で提供がされる。そして、各ペーパーアイテムは、イベントに関する情報(これらの場合には席の情報やメニュー情報)を印刷したイベント情報印刷部と、贈呈されるギフトの情報を印刷したギフト情報印刷部とを有し、ギフト情報印刷部は、ギフトサーバーへのアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷部を含む構成とされる。
【符号の説明】
【0067】
1 イベント配布冊子
2 イベント情報紙ページ
3 ギフト情報紙ページ
31 第一アクセス情報印刷部
32 第二アクセス情報印刷部
322 イベントID
323 冊子ID
4 ギフトサーバー
5 記憶部
6 参加者端末
61 ギフト閲覧ボタン
7 管理用端末
82 オンデマンド印刷機
9 インターネット
10 ギフト取得申請用葉書
103 第一アクセス情報印刷部
104 第二アクセス情報印刷部
【要約】
【課題】 印刷物を各イベント参加者に配布するとともに各参加者にギフトを贈呈する際、参加者が欲しくないギフトを貰うことがないようにする。
【解決手段】 イベントにおいて各参加者に配布される各イベント配布冊子1は、イベントの内容又は主催者の情報が印刷されたイベント情報紙ページ2と、ギフト情報紙ページ3とを含む。ギフト情報紙ページ3は、参加者が選択できるギフトを紹介したギフト紹介情報印刷部と、ネットワーク上のギフトサーバー4へのアクセス情報を印刷したアクセス情報印刷部31,32とを有する。アクセス情報は、ギフトサーバー4のリソース情報321と、イベント配布冊子相互に異なる冊子ID323とを含み、ギフトサーバー4は、別のギフトを追加して紹介するギフト紹介ウェプページを提供するとともに、参加者端末6からギフト取得申請が送信された際に申請処理プログラム41を実行する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10