(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】業務支援書類作成装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241017BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20241017BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20241017BHJP
G06F 40/56 20200101ALI20241017BHJP
G06F 40/44 20200101ALI20241017BHJP
【FI】
G06Q10/0631
G06Q10/10
G06F40/166
G06F40/56
G06F40/44
(21)【出願番号】P 2024085046
(22)【出願日】2024-05-24
【審査請求日】2024-05-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521185701
【氏名又は名称】株式会社CONNECTIONS
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】宮田 昌輝
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-218413(JP,A)
【文献】特開2008-257501(JP,A)
【文献】特開2022-083228(JP,A)
【文献】特開2003-296527(JP,A)
【文献】特開2015-207251(JP,A)
【文献】特開2023-096945(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第117932069(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第116610780(CN,A)
【文献】kazuya_saito,chatGPTでSlackのチャンネル内のユーザーの報告から日報を自動生成する[GAS],[online],2023年03月08日,インターネット<URL:https://note.com/miraisouzoukan/n/n980e083d0897>,[2023年8月21日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 40/166
G06F 40/56
G06F 40/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務に使用される監視対象端末の動作ログを取得する動作ログ取得部と、
前記動作ログ取得部で取得された前記動作ログを、所定時間の時間枠ごとに前記業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類部と、
前記動作ログ分類部で分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部と、を有し
、
前記書類作成部は、
自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測し、前記プロンプトを解析し、解析した前記プロンプトの内容に基づいて文書を予測及び生成する大規模言語モデルを有した大規模言語モデル部と、
前記分類結果に基づいて前記文書として前記業務支援書類の作成を指示する内容の前記プロンプトを前記大規模言語モデル部に出力する書類作成プロンプト生成部と、を有し、
前記動作ログ分類部における前記分類結果に基づいて、前記監視対象端末で実行される業務の一定期間当たりの業務パターンを形成する業務パターン形成部と、
前記一定期間ごとに繰り返して形成される前記業務パターン間の変化量に基づいて、前記監視対象端末で実行される前記業務の質的変化を検知する業務変化検知部と、
前記業務の質的変化が検知された場合、前記質的変化を生じた前記監視対象端末を、前記質的変化の内容とともに注意情報として管理者端末に出力する注意情報出力部と、有する、業務支援書類作成装置。
【請求項2】
前記業務要素に関連する業務支援関連情報が記憶された業務支援関連データベースを有し、
前記大規模言語モデルは、
前記業務支援関連データベースの前記業務支援関連情報に基づいて、前記業務支援書類を文章生成、質問応答により生成するように学習及び調整が行われることで、前記業務支援書類の作成に特化されている
請求項
1に記載の業務支援書類作成装置。
【請求項3】
前記動作ログ分類部における照合の実行前に、前記動作ログ取得部で前記動作ログが取得されなかった前記時間枠を検出する未取得ログ検出部と、
前記未取得ログ検出部により前記動作ログが取得されなかった前記時間枠が検出された場合、前記監視対象端末を操作する操作者のコメントの入力を受け付け、前記時間枠の前記動作ログとする動作ログ補充部と、を有する
請求項
1に記載の業務支援書類作成装置。
【請求項4】
前記書類作成部で作成された前記業務支援書類に基づいて、前記業務支援書類に対応する操作者にとって有用な声掛け情報を生成するように指示するプロンプトを、前記大規模言語モデル部に出力する声掛け情報プロンプト生成部と、
前記声掛け情報プロンプト生成部で生成された前記声掛け情報を、前記操作者が操作する前記監視対象端末に出力する声掛け情報出力部と、を有する
請求項
1に記載の業務支援書類作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援書類作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、業務の内容を分析して分析結果を報知する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、リモートワークにおける新入社員であるユーザの行動履歴を取得し、取得された行動履歴が示す勤務時間情報、勤務内容情報および行動履歴情報のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの特定の状態として、働きすぎの状態、行き詰まりの状態およびサボっている状態のうち少なくとも1つを検知する。そして、新入社員であるユーザの状態を示す書類を先輩社員である他のユーザに通知する技術が開示されている。
【0003】
これにより、特許文献1の技術によれば、先輩社員である他のユーザが、新入社員であるユーザの状態を把握し、アドバイスなどの何らかの行動をとることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の技術は、ユーザの行動履歴を取得し、取得された行動履歴が示す勤務時間情報、勤務内容情報および行動履歴情報のうち少なくとも1つを用いて、ユーザの特定の状態を書類を介して通知しているが、検知精度が不十分であるため、書類の精度の点においてさらなる改良の余地がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの特定の状態を示す情報などの業務支援書類を高い精度で作成することができる業務支援書類作成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、業務に使用される監視対象端末の動作ログを取得及び分類することによって、上記の目的を達成できることを見いだした。そして、本発明者らは、本発明を完成させるに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
本発明は、業務に使用される監視対象端末の動作ログを取得する動作ログ取得部と、
前記動作ログ取得部で取得された前記動作ログを、所定時間の時間枠ごとに前記業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類部と、
前記動作ログ分類部で分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部と、を有する業務支援書類作成装置である。
【0009】
本発明によれば、動作ログを所定時間の時間枠ごとに業務要素と照合して分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を高い精度で作成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、動作ログの分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を高い精度で作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本実施形態の業務支援書類作成装置の情報の流れを示す説明図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の業務支援書類作成装置の情報の流れを示す説明図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の業務支援書類作成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の業務支援書類作成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、監視対象端末の表示画面を示す説明図である。
【
図6】
図6は、分類結果データベースの説明図である。
【
図7】
図7は、業務支援書類作成プログラムのフローチャートである。
【
図8】
図8は、業務支援書類作成プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、本発明の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明するものである。
【0013】
(業務支援書類作成装置1)
図1に示すように、業務支援書類作成装置1は、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得及び分類し、分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成するように、動作ログを取得する動作ログ取得部111と、動作ログを分類する動作ログ分類部112と、分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部113とを有している。
【0014】
(業務支援書類作成装置1:動作ログ取得部111)
詳細に説明すると、業務支援書類作成装置1は、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得部111を有している。
【0015】
ここで、「業務」は、監視対象端末2の操作者4である従業員が日々行っている様々な作業活動やタスクを指し、一般的には企業や組織が目標達成のために必要とする一連の過程や手続きを含む。例えば、業務には、開発、販売、マーケティング、顧客サービス、人事管理など、組織内でのあらゆる形式の実務が含まれる。「監視対象端末2」は、組織内で使用されているデスクトップコンピュータやラップトップコンピュータ、モバイルデバイスなどの情報処理装置である。
【0016】
「動作ログ」は、監視対象端末2で発生するさまざまな活動の記録を包括的に収集したデータのことであり、アプリケーションやシステムの操作に関する詳細な情報を含んでいる。動作ログは、アプリケーションの実行ログとシステムログとに分類される。「アプリケーションの実行ログ」は、アプリケーションのウインドウタイトル、ファイルパス(PATH)、アクセスしたウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)、それらのウインドウやページに滞在した時間、タイピングやマウスクリックの回数、画像情報のキャプチャや画面上のテキストの収集(Optical Character Recognition:OCRを含む)が含まれる。これらのアプリケーションの実行ログは、監視対象端末2の操作者4の作業内容や操作パターンを解析するために主に利用される。
【0017】
「システムログ」は、GPS(Global Positioning System)位置情報、カレンダーアクティビティ、電源のオン・オフ、システムのログオンやログオフ、スリープモードの開始と終了、アプリケーションの起動と終了、プリンタの使用状況、外部デバイスの接続と切断、ファイルのアクセス、作成、削除、名前変更などの情報が含まれる。これらのシステムログは、監視対象端末2の使用状況やセキュリティ関連の監視、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを検出するために主に利用される。
【0018】
(業務支援書類作成装置1:動作ログ分類部112)
業務支援書類作成装置1は、動作ログ取得部111で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類部112を有している。
【0019】
ここで、「所定時間の時間枠」は、業務支援書類作成装置1が動作ログを分析・分類する際の時間単位を指す。具体的には、1分、5分、10分、30分、60分などの時間間隔である。時間枠は、業務内容や分析目的に応じて適切な時間間隔を選択可能にされていることが好ましい。例えば、詳細な分析が必要な場合は1分間や10分間の時間間隔の時間枠が選択され、全体的な傾向を把握する場合は30分や1時間の時間間隔の時間枠が選択される。これにより、1日分の動作ログを時間枠単位で分析する場合は、1日において収集された動作ログを時間枠単位の分析結果の個数に削減することができるため、分析結果に基づいた情報処理の負荷を軽減することができる。時間枠は、例えば、1日や1週間、1カ月の単位の時間枠であってもよい。この場合は、1日分の時間枠であれば、全ての動作ログに基づいて時間枠ごとに日報を作成し、1週間の時間枠であれば、週報を作成し、1カ月であれば、月報を作成することができる。即ち、動作ログ分類部112は、時間枠の設定変更だけで、情報処理の負荷を軽減したり、日報や週報、月報の作成タイミングとすることができる。
【0020】
「業務の分類指標となる業務要素」は、業務内容を分類・分析するための基準となる項目である。具体的には、営業、開発、事務などの業務の種類である「カテゴリ」、顧客名、業種、売上高などの顧客情報である「顧客」、プロジェクト名、期間、担当者などのプロジェクト情報である「プロジェクト」、案件名、内容、担当者などの案件情報である「案件」、商品名、サービス名、価格などの商品・サービス情報である「商品・サービス」、電話、メール、対面などの業務チャネルである「チャネル」、注文処理、顧客対応、請求書発行などの業務プロセスである「プロセス」、開始時刻、終了時刻、作業時間などの業務時間である「時間」、オフィス、自宅、出張先などの業務場所である「場所」が、業務要素として例示される。
【0021】
「照合して分類」は、収集された動作ログから有用な情報を抽出し、それを特定のカテゴリや基準に基づいて整理することを意味する。照合して分類する処理としては、キーワード処理、機械学習処理、大規模言語処理が例示される。
【0022】
なお、動作ログ分類部112は、照合前に、収集した動作ログに対してデータクレンジング処理が実施されることが好ましい。データクレンジング処理は、動作ログから有用な情報を効果的に抽出し、分類するための処理であり、動作ログのログデータの品質を保証し、誤分類やノイズの影響を最小限に抑えることを可能にする。例えば、ログデータから意味のないエントリや形式が不正なデータを除去し、一貫性のあるフォーマットに整えることが考えられる。
【0023】
キーワード処理は、特定のキーワードやフレーズを基に動作ログから関連情報を抽出し、それをカテゴリ化する手法である。具体的には、分類するためのキーワードやフレーズを事前に定義するキーワード定義処理を実行する。例えば、販売関連のログを分類する場合は、「売上」、「顧客」、「注文」などがキーワードになるように、業務の各カテゴリに特有の用語や一般的にその業務内容を示す言葉がキーワードとして選択される。次に、収集された動作ログについて、事前に定義されたキーワードが存在するか否かが判別され、キーワードが含まれている動作ログが特定された場合は、その動作ログが、キーワードに対応する業務カテゴリに割り当てられる。例えば、「売上」がキーワードとして特定された動作ログは、「販売」カテゴリに分類されて整理されることになる。
【0024】
機械学習処理は、アルゴリズムを用いて動作ログからパターンを学習し、その知識を基にデータを自動で分類または予測する手法である。具体的には、大量の動作ログと対応する業務要素を収集し、これらのデータを前処理して機械学習モデルの学習しやすい形式に整えた後、教師あり学習を用いてニューラルネットワークなどのアルゴリズムで構築された機械学習モデルを訓練する。訓練された機械学習モデルは、動作ログと業務要素の関係性を学び、このモデルを使用して新しい動作ログの分類精度が評価及び調整され、評価をパスした後、新しい動作ログの分類に用いられることになる。なお、機械学習モデルによる分類は、キーワード処理に比べて新しい業務内容に対しても柔軟に対応できるため、誤分類のリスクが低減し、より効果的な業務分類が可能になる。
【0025】
大規模言語モデル処理は、広範囲の言語データを学習し、文脈理解と生成能力を用いてテキストベースのタスクを解決する手法である。具体的には、大量のテキストデータから言語の文脈的なニュアンスと意味を学習し、訓練された大規模言語モデルが、動作ログの内容を解析し、関連する業務要素(例えば、プロジェクト管理、顧客対応、内部ミーティングなど)と照合して、それぞれのログエントリ、即ち、イベントが発生した日時、イベントの種類、イベントの詳細などの情報を適切なカテゴリに分類する。
【0026】
(業務支援書類作成装置1:書類作成部113)
業務支援書類作成装置1は、動作ログ分類部112で分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部113を有している。
【0027】
ここで、「分類結果」は、業務要素と照合して分類された結果であり、例えば、顧客対応、技術開発、会議、文書作成などの業務要素に関連付けて分類された動作ログである。「日報」は、従業員やチームがその日の業務活動を記録するための書類である。日報には、その日に行われた作業の内容、達成された成果、遭遇した問題、未解決の課題、および次の業務日に向けた計画が含まれる。日報は、管理者が操作者4である従業員の日々の進捗を追跡し、処理やプロジェクトの進行状況を把握するための重要なツールとして利用されるとともに、チーム間のコミュニケーションを促進し、業務の透明性を高める効果もある。日報を通じて、管理者は業務の効率化や資源の適切な配分、必要な場合には迅速な対策の実施など、適切な管理決定を行うことが可能になり、従業員自身にとっても、自己の業務を振り返り、次の業務計画を立てる際の参考にすることができる。
【0028】
「業務支援書類」は、組織内のさまざまな業務プロセスを支援し、改善することを目的とした文書である。業務支援書類には、日報を始め、経営アドバイス、人事評価、ストレス診断、労務診断、サボり診断、社内マニュアル、作業の質の見える化書類など、幅広い書類が含まれる。業務支援書類の目的は、組織内の情報を整理し、管理者や従業員に対して有用な洞察を提供することである。例えば、日報ではその日の業務活動、達成した成果、遭遇した問題点を記録し、これを通じて継続的な業務の監視と改善が行われる。また、経営アドバイスや人事評価の書類は、長期的な戦略策定や従業員のパフォーマンス評価に役立つ情報が提供されることで、経営陣や管理者に対して、より効果的な意思決定を可能にする。
【0029】
さらに、労務診断やストレス診断の書類は、労働環境の質や従業員の福祉に焦点を当て、職場の健康と生産性を向上させるための具体的な提案を行うことを可能にする。サボり診断の書類は、業務の不正確な実施を特定し、対策を講じることを可能にする。社内マニュアルや作業の質の見える化の書類は、業務プロセスの標準化と効率化を促進し、従業員がより一貫性のある方法でタスクを遂行するための支援を提供する。
【0030】
また、業務支援書類作成装置1は、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得及び分類し、分類結果を含むプロンプトに基づいて大規模言語モデルを作動させることで、日報を含む業務支援書類を作成するように、書類作成部113が、分類結果に基づいて、大規模言語モデルを利用して日報を含む業務支援書類を作成する構成にされていてもよい。
【0031】
具体的に説明すると、書類作成部113は、自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測する大規模言語モデルを有し、分類結果に基づいて業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデルにより解析し、解析したプロンプトの内容に基づいて業務支援書類を、大規模言語モデルにより予測及び生成するように構成されている。
【0032】
書類作成部113が業務支援書類を作成するタイミングは、
図3のスケジュール部1152で設定及び管理されていることが好ましい。この理由は、スケジュール部1152の管理データを変更するだけで、業務支援書類の種類に応じて作成タイミングを設定及び変更できるからである。業務支援書類の作成タイミングとしては、週報や月報などの定期的な業務支援書類の作成タイミング、毎月の業務実績や課題などをまとめた業務支援書類の作成タイミング、四半期ごとの業務成果や課題などをまとめた業務支援書類の作成タイミング、年間の業務成果や課題などをまとめた業務支援書類の作成タイミングなどの定期的なタイミングが例示される。また、業務支援書類の作成タイミングとしては、プロジェクト完了時、案件完了時、タスク完了時などの業務の完了タイミング、人事評価時期、経営会議前、顧客との打ち合わせ前などの特定のイベント発生タイミングが例示される。
【0033】
書類作成部113は、大規模言語モデルで業務支援書類を作成する機能と、プロンプトを作成して大規模言語モデルに出力する機能とに処理機能が分割されていることが好ましい。即ち、書類作成部113は、大規模言語モデルを有した大規模言語モデル部1131と、分類結果に基づいて文書として業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデル部1131に出力する書類作成プロンプト生成部1132とを有する構成であることが好ましい。この場合は、大規模言語モデル部1131を、書類作成プロンプト生成部1132と他のプロンプト生成部とに供用することができる。
【0034】
(業務支援書類作成装置1:書類作成部113:大規模言語モデル部1131)
書類作成部113は、自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測し、プロンプトを解析し、解析したプロンプトの内容に基づいて文書を予測及び生成する大規模言語モデルを有した大規模言語モデル部1131を有している。
【0035】
ここで、「自然言語処理」は、コンピュータが自然言語で書かれた文章や音声データを理解して目的に応じた処理を実行できるようにするものである。具体的には、自然言語を構成する最小の単位である「形態素」に分解することにより品詞などの情報を付与する形態素解析、自然言語の文法的構造を解析することにより文の構造や意味を明らかにする構文解析、自然言語の意味を解析することにより単語や文の意味を理解し、論理的な判断や推論を行う意味解析、文の前後の文脈を考慮しながら自然言語を理解する文脈解析、自然言語を用いた対話や文章の中から話者や書き手の意図を抽出する意図解析などが例示される。これにより、「自然言語処理」は、形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理を組み合わせて自然言語を処理し、本実施形態の受発注活動を支援する業務支援書類の生成や機械翻訳、自動要約、質問応答システム、音声認識などを可能にしている。
【0036】
「プロンプト」は、大規模言語モデル部1131に入力される単語や文章のことであり、大規模言語モデルが業務支援書類を生成するための出発点となる。なお、プロンプトに基づいた大規模言語モデルによる業務支援書類の生成が、通常(従来)の機械学習との大きな相違点となる。通常の機械学習では、モデルが教師データから学習し、入力データに対して出力データを予測する。例えば、画像認識の機械学習モデルは、猫と犬の画像の教師データから学習し、入力画像が猫か犬かを分類する。一方、大規模言語モデルによる業務支援書類の生成では、モデルが教師データに加えて、モデルに生成して欲しい出力データに関する指示や情報を提供するプロンプトから学習する。
【0037】
詳細に説明すると、通常の機械学習では、モデルは教師データに含まれる内容しか生成できない一方、大規模言語モデルはプロンプトによって、教師データに含まれない新しい内容を生成することができる。例えば、教師データに、20代女性会社員の内容しか含まれていない場合でも、プロンプトによって、50代男性会社員の内容も生成することができる。また、通常の機械学習では、モデルは教師データに含まれる内容のバリエーションしか生成できない一方、大規模言語モデルはプロンプトによって、教師データに含まれない新しいバリエーションの出力データを生成することができる。例えば、教師データに、従業員視点の内容しか含まれていない場合でも、プロンプトによって、管理者視点の内容も生成することができる。また、通常の機械学習では、モデルは教師データに含まれる内容を再帰的に組み合わせることでしか新しい内容を生成できない一方、大規模言語モデルはプロンプトによって、教師データに含まれない創造的な内容を生成することができる。例えば、教師データに、既存の課題解決の説明しか含まれていない場合でも、プロンプトによって、全く新しい視点からの課題解決のアイデアを生成することができる。
【0038】
「大規模言語モデル」は、自然言語処理において用いられる確率モデルの一種であり、与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測するためのモデルである。具体的には、言語モデルは、与えられた単語列や文章の出現確率を計算したり、複数の単語列や文章の出現確率を比較することによって、次の単語や文を予測するときに、その文脈に基づいて最もありそうな単語や文を自動的に生成したり、特定の条件を満たす文を生成することを可能にしている。
【0039】
(業務支援書類作成装置1:書類作成部113:書類作成プロンプト生成部1132)
また、書類作成部113は、分類結果に基づいて文書として業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデル部1131に出力する書類作成プロンプト生成部1132を有している。
【0040】
書類作成プロンプト生成部1132は、上述のように、大規模言語モデル部1131から独立したモジュールとして存在することが好ましい。この理由は、書類作成プロンプト生成部1132が操作者4からの分類結果をもとに適切なプロンプトを生成する役割を持っており、大規模言語モデル部1131が有した自然言語処理の役割とは異なる。このため、両者を独立したモジュールとして扱うことで、それぞれの役割を明確に区分し、システムの設計とメンテナンスを容易にすることができるからである。また、書類作成プロンプト生成部1132を独立したモジュールとして実装することで、業務支援書類の種類の変更や大規模言語モデルの更新があった場合にも、柔軟に対応することができるからである。
【0041】
書類作成プロンプト生成部1132は、動作ログ分類部112から受け取った分類結果を受け入れるためのインターフェースと、受け取った分類結果をもとに、分類結果に基づいて文書として業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを生成するプロンプト生成ロジックとを有している。プロンプト生成ロジックは、業務支援書類にとって適切なプロンプトテンプレートを選択するためのものである。この選択には、条件分岐が使用され、業務支援書類と合致するプロンプトテンプレートが選択される。また、書類作成プロンプト生成部1132は、生成されたプロンプトを大規模言語モデル部1131に送信するためのプロンプト送信インターフェースを備えている。
【0042】
プロンプトテンプレートは、事前に用意されている。プロンプトテンプレートは、書類作成プロンプト生成部1132において、業務支援書類を効果的に作成するための基礎となる文書構造や内容の枠組みを提供するものである。これらのテンプレートは、組織の特定のニーズや業務要件に応じてカスタマイズされ、事前に設計されている。具体的には、従業員がその日に行った活動、達成したタスク、遭遇した課題、および次の日の計画についての情報をまとめるための日報テンプレート、週間または月間でのプロジェクトの進捗、チームの成果、重要な出来事、および次の期間の目標に関する情報を記載する週報・月報テンプレート、特定のプロジェクトに関連する進捗状況、予算の使用状況、リスクの評価、および必要なアクションアイテムを含む詳細な書類のためのプロジェクト状況報告テンプレート、従業員のパフォーマンス評価、強みと改善が必要な領域、およびキャリア開発のための提案を含む人事評価報告テンプレート、従業員の労働条件、勤務時間、休暇の使用状況、ストレスレベルの評価など、人事部門が関心を持つ領域を分析するための労務診断報告テンプレートが例示される。プロンプト生成ロジックは、これらのテンプレートの中から最適なものを選択し、書類の作成に必要な具体的な指示を形成する。これにより、大規模言語モデルを活用して高品質な業務支援書類の生成が可能になっている。
【0043】
(業務支援書類作成装置1:全体構成)
以上のように、業務支援書類作成装置1は、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得部111と、動作ログ取得部111で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類部112と、動作ログ分類部112で分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部113とを有している。
【0044】
上記の構成によれば、動作ログを所定時間の時間枠ごとに業務要素と照合して分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を高い精度で作成することができる。
【0045】
また、業務支援書類作成装置1は、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得部111と、動作ログ取得部111で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類部112と、動作ログ分類部112で分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部113とを有し、書類作成部113は、自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測し、プロンプトを解析し、解析したプロンプトの内容に基づいて文書を予測及び生成する大規模言語モデルを有した大規模言語モデル部1131と、分類結果に基づいて文書として業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデル部1131に出力する書類作成プロンプト生成部1132とを有している。
【0046】
上記の構成によれば、動作ログを所定時間の時間枠ごとに業務要素と照合して分類された分類結果をプロンプトに含め、このプロンプトに基づいて大規模言語モデルを作動させることで、日報を含む業務支援書類を高い精度で作成することができる。
【0047】
なお、書類作成部113は、大規模言語モデル部1131と書類作成プロンプト生成部1132とが統合されてもよい。具体的には、書類作成部113は、自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測する大規模言語モデルを有し、分類結果に基づいて業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデルにより解析し、解析したプロンプトの内容に基づいて業務支援書類を、大規模言語モデルにより予測及び生成する構成にされていてもよい。
【0048】
業務支援書類作成装置1は、API(Application Programming Interface)を通じて業務支援書類を他者に提供するように構成されていてもよい。業務支援書類作成装置1がAPIを通じて業務支援書類を他者に提供するように構成された場合、情報のアクセス性、統合性、カスタマイゼーション、自動化、および拡張性の点で有効となる。即ち、APIを利用することで、各部門や利害関係者の具体的なニーズに応じたカスタマイズが可能となり、書類の内容やフォーマットを柔軟に調整することができる。
【0049】
業務支援書類作成装置1は、大規模言語モデルが業務支援に特化されていることが好ましい。この場合は、大規模言語モデル部1131が、業務支援関連データベース121の業務支援関連情報に基づいて、自然言語処理を用いて業務支援書類の作成に特化した大規模言語モデルを有することで、生成精度と効率を向上させることができる。具体的には、業務支援関連情報に関連する語彙や文法、例文、テンプレートなどを重点的に学習することで、より高精度な業務支援書類を生成することができるとともに、生成プロセスを最適化することで、より短時間で業務支援書類を生成することができる。
【0050】
具体的には、業務支援書類作成装置1は、業務要素に関連する業務支援関連情報が記憶された業務支援関連データベース121を有し、大規模言語モデル部1131の大規模言語モデルは、業務支援関連データベース121の業務支援関連情報に基づいて、業務支援書類を文章生成、質問応答により生成するように学習及び調整が行われることで、業務支援書類の作成に特化されている。業務支援関連データベース121の詳細は後述する。
【0051】
ここで、「業務支援関連情報」は、組織の日々の業務を理解し、効率化や改善を図るために必要なデータや知識を含む情報である。業務支援関連情報は、監視対象端末2を操作する操作者4の従業員情報、動作ログ分類部112で分類された分類結果情報、業務の一定期間当たりの業務パターンを示す業務パターン情報を含むとともに、動作ログを通じて得られる情報を含んでいる。動作ログを通じて得られる情報としては、アプリケーションの使用状況、ウェブサイト訪問履歴、ファイルアクセスと操作、システムの使用状況といった情報が例示される。これらの情報は、従業員がどのような作業をしているか、どのアプリケーションが頻繁に使用されているか、また作業効率の高い時刻や業務パターンは何かという点を明らかにできるものである。
【0052】
さらに、業務支援関連情報には、従業員のPC使用時間、キーボード入力数、マウスクリック数といった活動データ、通信データ(電子メール、チャット、会議記録)、プロジェクト管理データ(進捗状況、マイルストーンの達成、リソース使用状況)、顧客インタラクションデータ(問い合わせ、サービスリクエスト、顧客満足度調査結果、購買履歴)、および財務データ(売上、利益、経費、予算遵守状況)が含まれる。
【0053】
また、上記の構成によれば、
図2に示すように、業務支援書類作成装置1は、各データベース1211~1216を備えた業務支援関連データベース121の操作者情報や動作ログ情報などの業務支援関連情報を用いて、大規模言語モデル部1131が学習し、動作ログ分類部112の分類結果を機械学習の説明変数に相当するものとし、書類作成プロンプト生成部1132からのプロンプトに応じて、大規模言語モデル部1131が業務支援書類を機械学習の目的変数に相当するものとして生成することになる。
【0054】
これにより、業務支援書類作成装置1は、分類結果を受け取り、業務支援書類の作成に特化された大規模言語モデルを用いて、業務支援書類を生成することで、業務の管理を十分に支援することが可能になる。特に、通常の機械学習ではなく、大規模言語モデルを業務支援書類の生成に用いることで、教師データに含まれない新しい内容やバリエーションを生成することができるため、課題内容や状況に合わせて、柔軟で多様な業務支援書類を生成することができるとともに、教師データに含まれない創造的な内容を生成することができる。
【0055】
さらに、大規模言語モデルが、学習によって精度を向上することができるため、過去の成功例から学び、より効果的な業務支援書類を継続的に生成することができる。即ち、業務の管理の成果を分析し、改善点を反映した業務支援書類を生成したり、管理者からのフィードバックを反映し、管理者にとって一層満足度の高い業務支援書類を生成することができる。
【0056】
このように、業務支援書類作成装置1は、大規模言語モデルを使用することで、通常の機械学習アプローチでは実現が困難な高度な機能を提供している。具体的には、自然言語処理を用いた複雑なテキスト生成や、コンテキストに基づいた内容の生成など、大規模言語モデルの特有の能力を活用している。通常の機械学習モデルでは、主に数値データやカテゴリデータを用いた予測、分類、クラスタリングなどが一般的であり、大規模なテキストデータを処理し、新たなテキストを生成するという点では限界がある。一方、大規模言語モデルは、大量のテキストデータから言語のパターンを学習し、与えられたプロンプトに基づいて新しいテキストを生成することが得意であることから、業務支援書類のように多様で複雑な言語の使用が求められる状況では、大規模言語モデルを用いたアプローチがより適切であり、従来の機械学習手法だけでは実現が難しい機能の提供が可能になっている。
【0057】
図3に示すように、業務支援書類作成装置1は、動作ログ取得部111、動作ログ分類部112、及び大規模言語モデル部1131に加えて、端末制御部1151、未取得ログ検出部1161、動作ログ補充部1162、及び通信部13を有している。さらに、
図4に示すように、業務支援書類作成装置1は、声掛け情報プロンプト生成部1171、声掛け情報出力部1172、業務パターン形成部1181、業務変化検知部1182、及び注意情報出力部1183を有している。通信部13を除く各部111~113・1151・1161・1162・1171・1172・1181・1182・1183は、コンピュータである制御部11に含まれている。制御部11に含まれる各部の一部又は全部は、ハードウェア及びソフトウェアの何れで構成されていても良い。動作ログ取得部111への入力は、操作者4が操作する監視対象端末2のキーボード等の入力部22などで行われる。また、大規模言語モデル部1131により作成された業務支援書類は、監視対象端末2のディスプレイ等の出力部21に表示可能にされているとともに、管理者端末7の出力部に表示可能にされている。
【0058】
通信部13は、操作者4が操作する監視対象端末2、管理者が操作する管理者端末7にインターネット5を介してデータ通信可能にそれぞれ接続されている。尚、通信部13と監視対象端末2及び管理者端末7とのデータ通信は、インターネット5に限定されるものではなく、専用線やLAN(Local Area Network)などの情報通信網が用いられてもよいし、近距離通信用の無線通信規であるBluetooth(登録商標)が用いられてもよい。また、通信部13と監視対象端末2及び管理者端末7とのデータ通信は、情報漏洩を防止するため、専用線であってもよい。さらに、通信部13と監視対象端末2及び管理者端末7とは、インターネット5を介してデータ通信する場合、VPN(Virtual Private Network)機能を有していることが好ましい。通信部13、監視対象端末2及び管理者端末7にVPN機能を組み込んだ場合は、例えば、監視対象端末2からのデータ通信がVPN接続を経由するため、外部の不正アクセスから保護され、安全な通信が確保される。尚、監視対象端末2、管理者端末7及び管理者端末7は、一般的なパーソナルコンピュータやラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理装置である。
【0059】
端末制御部1151は、監視対象端末2及び管理者端末7の表示画面を業務支援書類の閲覧や分類結果の入力に適した画面に設定するユーザインターフェース機能を有している。具体的には、端末制御部1151は、業務支援書類や分類結果などを確認可能にしている。例えば、
図5に示すように、業務支援書類が日報である場合、日報の内容が画面表示されるとともに、監視対象端末2及び管理者端末7において、それぞれコメントを日報の所定箇所に入力可能にされている。日報の内容としては、社員、役職名、勤務地名、作業内容概要、成果物、業務の評価などの情報が記述される。
【0060】
図3に示すように、業務支援書類作成装置1は、入力受付部1192に接続された入力装置15と、表示制御部1191に接続された表示装置14とを有している。入力装置15は、キーボードやマウス、タッチパネル、音声入力装置などが例示される。表示装置14は、液晶表示装置などが例示される。これにより、業務支援書類作成装置1は、一般的なパーソナルコンピュータやラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理装置により構成することが可能になっている。業務支援書類作成装置1は、入力装置15及び表示装置14の少なくとも一つが欠如されていてもよい。この場合は、入力装置15及び表示装置14が図示しない外部端末に備えられるため、業務支援書類作成装置1を業務支援書類作成サーバとして使用することができる。さらに、業務支援書類作成装置1が監視対象端末2として用いられて、操作者4が大規模言語モデル部1131で生成される支援情報の支援を受けながら業務を進行可能にされてもよい。
【0061】
尚、本実施形態においては、業務支援書類作成装置1の機能が情報処理装置に搭載された場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、クラウドコンピューティングに業務支援書類作成装置1の機能が搭載されてもよい。この場合は、クラウドコンピューティングにより、必要に応じてコンピュータリソースが追加されることによって、大量の動作ログ情報などを処理することができ、より高速かつ効率的な処理が可能になると共に、監視対象端末2が大幅に増えた場合でも、処理能力を容易に拡張して対応することができる。
【0062】
また、業務支援書類作成装置1は、動作ログ分類部112における照合の実行前に、動作ログ取得部111で動作ログが取得されなかった時間枠を検出する未取得ログ検出部1161と、未取得ログ検出部1161により動作ログが取得されなかった時間枠が検出された場合、監視対象端末2を操作する操作者4のコメントの入力を受け付け、時間枠の動作ログとする動作ログ補充部1162とを有している。
【0063】
未取得ログ検出部1161は、動作ログ取得部111によって取得された動作ログのログデータを分析し、各時間枠における動作ログの有無を確認する取得済みログ分析機能と、分析結果に基づいて、所定の時間枠に動作ログが存在しない場合、その時間枠を未取得ログとして検出する未取得ログ検出機能とを有している。なお、未取得ログ検出部1161は、検出された未取得ログの時間枠に関連する可能性のある情報を出力する検出結果の出力機能を有していることが好ましい。
【0064】
動作ログ補充部1162は、未取得ログ検出部1161によって検出された未取得ログの時間枠を操作者に提示する時間枠提示機能と、操作者が未取得ログの時間枠に関するコメントを入力するためのフォームを提供するコメント入力フォーム提供機能と、操作者が入力したコメントを保存するコメント保存機能と、保存されたコメントを時間枠の動作ログとして登録するコメント登録機能とを有している。これにより、動作ログ補充部1162は、操作者4によるコメント入力によって、単なるログの欠損を補うだけでなく、その時間枠における業務内容や状況をより詳細に把握することを可能にしている。入力されたコメントは、業務支援書類の作成において重要な情報源となり、より精度の高い書類の作成を可能にする。
【0065】
上記の構成によれば、何らかの理由により所定時間ごとの時間枠に動作ログが取得されなかった場合でも、監視対象端末2の操作者4がコメントを入力して動作ログとするため、全ての時間枠に動作ログが存在することになる結果、一層高い精度の業務支援書類とすることができる。
【0066】
図4に示すように、業務支援書類作成装置1は、動作ログ分類部112における分類結果に基づいて、監視対象端末2で実行される業務の一定期間当たりの業務パターンを形成する業務パターン形成部1181と、一定期間ごとに繰り返して形成される業務パターン間の変化量に基づいて、監視対象端末2で実行される業務の質的変化を検知する業務変化検知部1182と、業務の質的変化が検知された場合、質的変化を生じた監視対象端末2を、質的変化の内容とともに注意情報として管理者端末7に出力する注意情報出力部1183と有している。
【0067】
ここで、「業務パターン」は、従業員の日常の業務行動を時間的、内容的に分析し、その特性を把握するためのモデルである。業務パターンは、従業員の一日の流れや一週間の作業スケジュールを示しており、どの業務が重要視されているか、どの業務に時間が多く割かれているかなど、業務の優先順位や効率性を理解するのに役立てることができる。また、業務パターンからは、例えば朝の最初の数時間で集中的に行われるデータ入力作業や、週の特定の日に集中するミーティングスケジュールなど、特定の時間帯や曜日に実施される特有の業務活動も明らかにすることができる。さらに、業務パターンは、その変化を通じて従業員の行動の変動を捉えることができる。例えば、あるプロジェクトのデッドラインが近づくにつれて、プロジェクト関連のアプリケーションの使用時間が増加する業務パターンになった場合において、プロジェクトの進行状況や従業員のプレッシャーの増大が示唆されることになる。
【0068】
上記の構成によれば、業務支援書類作成装置1は、監視対象端末2での従業員の業務パターンを分析し、その変化を検出して管理者に報告することで、組織の業務運営の効率化と従業員のパフォーマンス管理を大幅に改善することができる。具体的には、動作ログ分類部112によって得られたデータから従業員の業務活動のパターンを把握し、業務パターン形成部1181で定期的に分析して業務の流れを形成する。これにより、どの業務がどのくらいの頻度で、どの時間に行われているかの概要が明確化されることになる。
【0069】
次に、業務変化検知部1182は、形成された業務パターンを一定期間ごとに比較し、その間に生じた質的な変化を監視する。そして、業務の流れ、作業の量や頻度が通常と異なるかどうかを検出し、検出結果に基づいて、従業員の効率、ストレスレベル、潜在的な問題(例えば疲労や不満)を示す兆候について評価する。質的な変化が発見された場合、注意情報出力部1183は、管理者端末7に対して、具体的な変化の内容とともに、どの従業員が影響を受けているかを通知する。これにより、業務支援書類作成装置1は、管理者が問題を抱えた従業員に対して適切な支援や介入を迅速に行うことを可能にし、また業務プロセスの調整により全体の作業環境を改善することを可能にする。
【0070】
さらに、業務支援書類作成装置1は、書類作成部113で作成された業務支援書類に基づいて、業務支援書類に対応する操作者にとって有用な声掛け情報を生成するように指示するプロンプトを、大規模言語モデル部1131に出力する声掛け情報プロンプト生成部1171と、声掛け情報出力部1172で生成された声掛け情報を、操作者4が操作する監視対象端末2に出力する声掛け情報出力部1172とを有している。
【0071】
上記の構成によれば、声掛け情報プロンプト生成部1171が、業務支援書類に記載されたデータや分析結果を解析し、それに基づいて操作者が次に取るべき行動や注意すべき点などの情報を含むプロンプトを生成する。そして、生成されたプロンプトが、大規模言語モデル部1131に送信され、自然言語処理技術を用いて実際のテキスト形式の声掛け情報に変換される。声掛け情報が生成されると、声掛け情報出力部1172を通じて、操作者4が使用する監視対象端末2に出力される。これにより、操作者4は自身の業務に関する直接的なフィードバックや指示をリアルタイムで受け取ることができ、業務の効率化や誤解を防ぐことが可能となる。また、従来は人間の管理者が行っていた時間を要する声掛けという作業が自動化され、即座に適切なフィードバックや指示が操作者4に提供されるため、緊急の修正が必要な問題や、効率化を図るべき業務プロセスに迅速に対応する場合に特に有効となる。
【0072】
(業務支援関連データベース121)
次に、業務支援関連データベース121について詳細に説明する。業務支援関連データベース121は、
図2に示すように、記憶部12に保存されている。記憶部12は、制御部11に対してデータ通信可能に接続されている。記憶部12は、ハードディスクで構成されていてもよいし、ハードディスクとメモリとの組み合わせで構成されていてもよい。ハードディスクとメモリとを組み合わせた構成の場合は、データベースが使用するデータや索引などの一部が必要に応じてメモリにキャッシュされることによって、データベースへのアクセスを高速化することが可能になる。尚、記憶部12は、業務支援書類作成装置1とは別に、インターネット5などの情報通信網に接続されたデータサーバであってもよい。また、記憶部12は、データベース毎に設けられた複数のデータサーバで構成されていてもよい。
【0073】
業務支援関連データベース121は、従業員データベース1211と、動作ログデータベース1212と、分類結果データベース1213と、チャットログデータベース1214と、業務パターンデータベース1215と、その他のデータベース1216とを有している。
【0074】
従業員データベース1211は、従業員の行動、業務実績、および行動パターンに関連する情報を記憶するデータベースである。具体的には、従業員の名前、職位、部門など基本的な個人情報、従業員が関与したプロジェクト、担当した業務、達成した成果などの業務履歴、動作ログ分析から得られる、使用したアプリケーション、訪問したウェブサイト、作業に費やした時間、頻度などの業務行動データ、業績評価のスコア、達成した目標、提出した書類の質と数量などのパフォーマンス指標、電子メールやチャットツールを通じたコミュニケーションの記録などのコミュニケーションデータ、出勤状況、会議やトレーニングへの参加記録などの出席情報を記憶する。
【0075】
動作ログデータベース1212は、従業員のコンピュータやモバイル端末などの監視対象端末2で発生する一連の活動やイベントの動作ログを記録するデータベースである。具体的には、アプリケーションの実行ログ、システムログ、キーボードとマウスの使用データ、画面キャプチャとOCRデータなどの情報を記憶する。
【0076】
分類結果データベース1213は、動作ログデータから得られた情報を基に、それらを特定のカテゴリや指標に従って整理し分類した結果を記憶するデータベースである。具体的には、
図6に示すように、開始時刻、キャプション、稼働時間(h)、総作業量、社員名、アプリケーション、exe名、大カテゴリ、小カテゴリ、勤務地名、役職名などの項目を有し、各項目に対応付けて動作ログの分類結果が記憶されることで、1件の分類結果情報とされている。
【0077】
ここで、「開始時刻」は、各業務が開始された正確な時間を示しており、業務の時間的な流れや作業の時間配分を分析可能にしている。「キャプション」は、その時間帯に行われた主な業務活動を示しており、業務内容の概要を提供している。「稼働時間」は、各タスクに対してどの程度の時間が割り当てられたかを示しており、各タスクの重要性や緊急性を推定可能にしている。「総作業量」は、タスクを完了するために必要な具体的な作業の数やステップの多さを意味する。例えば、文書のタイピング、コードの記述、電子メールの送信数、問い合わせへの応答数など、特定の期間に行われた活動の実数であり、特定の期間内に従業員がどれだけの作業を行ったかを定量的に評価可能にしている。「アプリケーション/exe名」は、従業員が業務を行う際に使用したソフトウェアを示しており、業務の性質や従業員の技術スキルに関する情報を提供する。「大カテゴリ/小カテゴリ」は、広い業務分類と、細かな業務分類を示す。「勤務地名」は、従業員がリモートワークかオフィス勤務かを含む勤務環境を示す。「役職名」は、従業員の職位を示している。
【0078】
図6の分類結果データベース1213は、社員1の2023年10月2日における業務内容を記録しており、業務支援書類作成装置1は、この分類結果データベース1213の情報を基に、開始時刻と終了時刻から、各タスクにかかった時間と、合計作業時間を把握することができる。具体的には、社員1は、2023年10月2日に12.4時間の作業を行っており、最も多くの時間を費やしたタスクはバグ修正で、6.06時間であることが分かる。また、文書管理、品質保証、開発の各カテゴリにおいて、社員1は様々な種類のタスクに取り組んでおり、自宅勤務で作業を行っていたことが分かる。これにより、業務支援書類作成装置1は、分類結果データベース1213に基づいて、各タスクにかかった時間の平均値を算出することで、社員1が各タスクにどれくらいの時間をかけているのかを分析することができる。
【0079】
また、開始時刻と終了時刻から、社員1がどの時間帯に最も多くの作業を行っているのかを分析することができる。アプリケーション名とexe名から、社員1がどのアプリケーションを最も頻繁に使用しているのかを分析することができる。勤務地名から、社員1が自宅勤務とオフィス勤務で、それぞれどのくらいの作業量をこなしているのかを分析することができる。そして、このような分析の結果、業務支援書類作成装置1は、例えば、社員1が時間をかけている割に成果の少ないタスクを特定し、アプリケーションごとの作業量を分析することで、社員1の業務効率を向上させるための作業ツールを提案したり、勤務場所ごとの作業量を分析することで、社員1の集中力を高め、作業効率を向上させるための勤務環境の改善を提案することができる。即ち、業務支援書類作成装置1は、分類結果データベース1213及び大規模言語モデルにより、状況把握、状況分析、提案からなる一連の処理を行うことができる。
【0080】
チャットログデータベース1214は、組織内の従業員間で行われるチャット通信を収集し、分析するためのデータベースである。チャットログデータベース1214は、従業員が日常的に使用するチャットプラットフォームから情報を集め、その内容を保存しておくことで、コミュニケーションのパターンや内容を詳細に分析できるようにするため、送受信されるメッセージのテキスト内容、メッセージの送信者と受信者、送信時刻、チャットグループの情報、関連するプロジェクトやタスクのタグなどの情報を記録する。これにより、チャットログデータベース1214は、個々の従業員やチームのコミュニケーション効率、協力の程度、プロジェクトに関連する議論の活発さなどを把握可能にしている。
【0081】
業務パターンデータベース1215は、従業員の行動や作業スケジュールのパターンを網羅的に把握するためのデータベースであり、従業員の日常業務の流れや時間配分、優先順位、作業効率などの情報を収集し、分析可能な形で保存する。具体的には、従業員がどのタスクにどれだけの時間を割いているか、どのタスクが最も時間を要しているか、どのタスクが最優先されているかといったデータを提供する。また、タスクが実施される時間帯や曜日の情報も記憶され、業務の周期性や特定の業務に関連する行動パターンも記憶される。これにより、業務支援書類作成装置1は、業務パターンデータベース1215に基づいて、変化を捉えることができる。例えば、プロジェクトの進捗に応じてタスクの分布が変わることや、ストレスレベルの変動、作業負荷の増減など、従業員の行動の変化を定量的に検知することができる。
【0082】
その他のデータベース1216は、業務支援書類の種類により適宜に変更される。例えば、経営アドバイスに特化した業務支援書類を生成する場合は、売上、利益、経費、キャッシュフローなどの財務状況を記録する財務データベース、市場動向、競合分析、顧客の購買行動、市場シェアなどの情報を記憶する市場分析データベース、長期戦略計画、短期目標、実行計画などを記憶する戦略計画データベース、従業員のパフォーマンスデータ、スキルセット、リーダーシップの評価などを記憶する人材管理データベース、各部門やチームの業務効率、プロセス改善の結果、最適化された業務手順などを記憶する業務効率データベースなどが、その他のデータベース1216とされる。
【0083】
(業務支援書類作成プログラム)
図3及び
図4に示すように、業務支援書類作成装置1において、動作ログ取得部111、動作ログ分類部112、大規模言語モデル部1131、端末制御部1151、未取得ログ検出部1161、動作ログ補充部1162、声掛け情報プロンプト生成部1171、声掛け情報出力部1172、業務パターン形成部1181、業務変化検知部1182、及び注意情報出力部1183は、ハードウェア及びソフトウェアの何れで構成されていてもよい。これらの各部111~113・1151・1161・1162・1171・1172・1181・1182・1183は、コンピュータである制御部11に含まれており、ソフトウェアにより構成されている場合は、制御部11であるコンピュータに、大規模言語モデルを利用することにより、業務支援書類を生成する業務支援書類作成プログラムをコンピュータ(制御部11)に実行させるようになっている。
【0084】
具体的な一例を示すと、
図7に示すように、業務支援書類作成プログラムは、コンピュータ(制御部11)に、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得処理ステップ(S1)と、動作ログ取得処理ステップ(S1)で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類処理ステップ(S2)と、分類結果に基づいて、文書として日報を含む業務支援書類の作成を行う書類作成処理ステップ(S3)と、を実行させるためのプログラムである。尚、業務支援書類作成プログラムは、制御部11における各部の機能を処理ステップとしてコンピュータに実行させるようになっていてもよい。
【0085】
上記の構成によれば、動作ログを所定時間の時間枠ごとに業務要素と照合して分類された分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を高い精度で作成することができる。
【0086】
また、
図8に示すように、業務支援書類作成プログラムは、自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測し、プロンプトを解析し、解析したプロンプトの内容に基づいて文書を予測及び生成する大規模言語モデルを有した大規模言語モデル部1131を有したコンピュータ(制御部11)に、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得処理ステップ(S11)と、動作ログ取得処理ステップ(S11)で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類処理ステップ(S12)と、分類結果に基づいて、文書として日報を含む業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデル部1131に出力する書類作成プロンプト生成処理ステップ(S13)と、を実行させるためのプログラムである。
【0087】
上記の構成によれば、動作ログを所定時間の時間枠ごとに業務要素と照合して分類された分類結果をプロンプトに含め、このプロンプトに基づいて大規模言語モデルを作動させることで、日報を含む業務支援書類を高い精度で作成することができる。
【0088】
また、業務支援書類作成プログラムは、パーソナルコンピュータやタブレット端末などの情報処理装置にインストールするだけの作業で、情報処理装置を業務支援書類作成装置1として機能させることができる。尚、プログラムは、CD-ROMやUSBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で配布されてもよいし、インターネットなどの双方向やテレビ放送などの一方向の通信網や通信回線を介して配付されてもよい。
【0089】
(業務支援書類作成方法)
業務支援書類作成装置1は、コンピュータ(制御部11)に業務支援書類作成方法を実行させるようになっている。具体的には、コンピュータ(制御部11)に、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得処理と、動作ログ取得処理で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類処理と、分類結果に基づいて、文書として日報を含む業務支援書類の作成を行う書類作成処理と、を実行させるための方法である。
【0090】
また、自然言語処理における形態素解析や構文解析、意味解析、文脈解析、意図解析などの処理の1種以上を組み合わせることにより、プロンプトで与えられた単語や文章が自然言語としてどのように起こりやすいかを確率的に予測し、プロンプトを解析し、解析したプロンプトの内容に基づいて文書を予測及び生成する大規模言語モデルを有した大規模言語モデル部1131を有したコンピュータ(制御部11)に、業務に使用される監視対象端末2の動作ログを取得する動作ログ取得処理と、動作ログ取得処理で取得された動作ログを、所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類処理と、分類結果に基づいて、文書として日報を含む業務支援書類の作成を指示する内容のプロンプトを大規模言語モデル部1131に出力する書類作成プロンプト生成処理と、を実行させるための方法である。
【0091】
なお、本発明の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1 業務支援書類作成装置
2 監視対象端末
4 操作者
5 インターネット
7 管理者端末
11 制御部
12 記憶部
111 動作ログ取得部
112 動作ログ分類部
113 書類作成部
1131 大規模言語モデル部
1132 書類作成プロンプト生成部
1151 端末制御部
1152 スケジュール部
【要約】
【課題】日報を含む業務支援書類を高い精度で作成する。
【解決手段】本発明の業務支援書類作成装置1は、業務に使用される監視対象端末の動作ログを所定時間の時間枠ごとに業務の分類指標となる業務要素と照合して分類する動作ログ分類部112と、分類結果に基づいて、日報を含む業務支援書類を作成する書類作成部113とを有している。
【選択図】
図1