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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】箱封函装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
B65H35/07 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024101586
(22)【出願日】2024-06-24
【審査請求日】2024-07-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511003741
【氏名又は名称】株式会社印南製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134533
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 夏香
(72)【発明者】
【氏名】藤村 賢司
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-277078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱を載置して搬送する搬送手段と、前記搬送手段の上方に前記箱の上蓋フラップを粘着テープで封函するテープディスペンサーとを備える箱封函装置であって、
前記テープディスペンサーが、
少なくとも一方の端部に鍔部を有するくせ付け用ガイドローラーを備えるテープ供給機構と、
前記箱の搬送方向川上側において前記粘着テープを前記上蓋フラップに押圧しながら貼付する上流側ローラーと、前記粘着テープを切断するカッターと、を備える上流側機構と、
前記粘着テープをさらに押圧しながら貼付ける下流側機構と、を有し、
前記テープ供給機構が、テープホルダーから送出した前記粘着テープの一側端を前記くせ付け用ガイドローラーで粘着面側に折り返して前記上流側機構にガイドし、
前記テープ供給機構が、前記粘着テープの粘着面が表側になるように前記テープホルダーから送出する送出用ガイドローラーを回転可能に挟持する送出用ガイドローラーアームを有し、
前記送出用ガイドローラーアームに、前記くせ付け用ガイドローラーを回転可能に挟持するくせ付け用ガイドローラーアームが外方に向けて設けてあり、
前記くせ付け用ガイドローラーが、前記鍔部の位置を移動させて軸部の幅を調整する幅調整機能を有し、
前記くせ付け用ガイドローラーへ送出した前記粘着テープと前記送出用ガイドローラーアームとのなす角度が14度以上18度以下であることを特徴とす箱封函装置。
【請求項2】
箱を載置して搬送する搬送手段と、前記搬送手段の上方に前記箱の上蓋フラップを粘着テープで封函するテープディスペンサーとを備える箱封函装置であって、
前記テープディスペンサーが、
少なくとも一方の端部に鍔部を有するくせ付け用ガイドローラーを備えるテープ供給機構と、
前記箱の搬送方向川上側において前記粘着テープを前記上蓋フラップに押圧しながら貼付する上流側ローラーと、前記粘着テープを切断するカッターと、を備える上流側機構と、
前記粘着テープをさらに押圧しながら貼付ける下流側機構と、を有し、
前記テープ供給機構が、テープホルダーから送出した前記粘着テープの一側端を前記くせ付け用ガイドローラーで粘着面側に折り返して前記上流側機構にガイドし、
前記下流側機構が、
前記上流側ローラーで貼付した前記粘着テープを前記箱の搬送方向川下側において押圧する下流側後ローラーと、
一端側に下流側後ローラーアーム固定支軸を有し他端に前記下流側後ローラーを揺動可能に取り付けた下流側後ローラーアームと、
箱搬送前の状態で先端が搬送面より下に位置し且つ常に先端が前記下流側後ローラーアーム固定支軸より上流に位置する長さを有し、前記箱の搬送方向川下側において前記粘着テープを前記箱の前端側側面を下から上に押圧し前記下流側後ローラーが押圧した後で前記箱の上面を押圧する下流側前ローラーと、
一端側に下流側前ローラーアーム固定支軸を有し他端に前記下流側前ローラーを揺動可能に取り付けた下流側前ローラーアームと、
前記下流側後ローラーアームの動きと前記下流側前ローラーアームの動きを連動させる支軸間連結ロッドと、
を有し、
前記下流側前ローラーアーム固定支軸から前記下流側前ローラー先端までの長さは、前記下流側後ローラーアーム固定支軸から前記下流側後ローラー手前までの長さと略同じであることを特徴とす箱封函装置。
【請求項3】
前記下流側前ローラーは前記下流側後ローラーより径が小さく、前記下流側前ローラーアームに、前記下流側前ローラーと平行に下流側前ローラー用補助ローラーが設けてあり、前記下流側前ローラーと前記下流側前ローラー用補助ローラーとを囲むベルトを備えることを特徴とする請求項記載の箱封函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープで封函する箱封函装置においてテープを供給し箱にテープを貼付して押圧するテープディスペンサーを備えた箱封函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種製品の出荷を行う工場や物流センター等において、箱の中に発送物を入れた後、封函作業が行われる。例えば出荷作業ラインに配置される自動又は半自動で箱の組立から発送物の充填、フラップの折込、テープによる封函、ラベル貼りまで行う自動梱包機などに組み込まれる封函作業を行う封函装置では、内容物を充填した状態の箱を進行させる方向(箱の搬送方向)を、上蓋フラップ封止のための粘着テープの貼り付け方向と同じ方向とし、箱を進行させると同時に粘着テープを貼り付けて上蓋フラップを封函する。
【0003】
上蓋フラップを粘着テープで封函する際に、厚みのある箱(例えば厚みが70mm以上:本願では「厚箱」という)の封函では、箱を、進行方向後方側(箱の入口側)から前方側(箱の出口側)、すなわち搬送方向川上側から川下側へ流すとき、進行方向前方側(搬送方向川下側)の箱の側面部に粘着テープの前方側の端を貼り付けるために一定の長さ(例えば50mm程度)を垂らした状態で箱を進入させて、搬送方向川下側の側面部(前端面)、続いて上面部に粘着テープを貼り付け、さらに後方側(搬送方向川上側)の側面部(後端面)に粘着テープの後方側の端を貼り付けるために上面部の後方の端から一定の長さ(例えば50mm程度)を設けて粘着テープを粘着テープカッターで切断して貼り付けする。
【0004】
近年では、通信販売や個人間の取引などの個人宅への発送が増加し、コスト削減や再配達防止や手軽さから、ポストに投函できる発送方法が重宝されている。定形外郵便の厚みの規格が30mm以内であり、大手宅配業者のポスト投函可能な配達サービスの厚みの規格が25mm以内という点もあり、近年、厚みが25mm以内あるいは35mm以内程度の薄型の箱が多用されるようになった。上蓋フラップを閉じる薄型の箱は厚みが10mm以上となる。本願では、厚みが10mm以上35mm以内の箱を薄箱というものとする。また、宅配60サイズあるいは宅配箱と言われる箱は、一般に厚さ70mm程度であるが、本願では、厚みが35mmより大きく240mm以内の箱を厚箱というものとする。
【0005】
厚みが25mmあるいは30mm程度の薄い箱の封函作業では、上蓋フラップを粘着テープで封函する際に、粘着テープの両端を側面部に自動で貼り付けるには精度を要し、側面部に粘着テープを貼り付けることができても、側面部に貼り付けた部分の長さが短いので剥がれやすく、搬送途中の振動等でテープが剥離する等のトラブルが生じやすい。そのため、粘着テープの両端が側面部までだけでなく裏面部にまで至る必要がある。
【0006】
しかし、箱を進行させると同時に粘着テープを貼り付けて上蓋フラップを封函する際に、上蓋フラップを封函する粘着テープの両端を箱の裏面部で貼り付けすることは、箱の下までテープが垂れ下がるため困難であるという問題があった。
【0007】
かかる問題に対し、出願人は、薄箱に対応できる薄箱封函装置を開発した(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
かかる装置は、内容物を収納した未封函の箱に封函用テープを上蓋側から底面側まで貼付して封函する作業を容易に素早く綺麗に行うことができ、かつコンパクトで、利便性が高くなった。さらなる要望として、荷物の受取者が剥がしやすくすることが求められるようになった。また、薄箱より厚い宅配用の箱も上述した薄箱封函装置で封函作業したいという要望がでてきた。
【0009】
剥がしやすくするためにテープの端を折り返した状態で箱に貼り付ける方法として、多数のブロックによって3段階以上のプロセスで折り曲げる方法がある(例えば、特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特許7373881号公報
【文献】特許4303998号公報
【文献】特許6408652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献2に示したような従来のテープカッターは、幅が一定のテープに特化した手持ち用であり、自動梱包機などに組み込むことができる自動又は半自動でテープを貼付する装置には応用できないうえ、部品点数が増え構造が複雑化しコストや故障の問題が生じる。また、特許文献3に示したような包装機では箱の封函はできず、粘着面が上向きになることで埃が付く虞があり、また部品点数の増大や構造の複雑化、コスト増加、メンテナンスの問題が生じる。
【0012】
また、特許文献1に示した薄箱封函装置では、テープの端の折り返しはされず、また、厚箱の高さに対応できるように設定すると、同じ幅であっても、高さ調整ハンドルで高さ調整をしただけでは、薄箱を通した際にローラーが箱を押し潰してしまったり箱を持ち上げてしまったりするおそれがあるという問題が生じる。また、テープを交換した際にテープディスペンサーごと90度傾けてテープを通す作業を行うが、テープディスペンサーが重く作業性が悪いという問題があった。
【0013】
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、第1に、構造を複雑化せずにテープの端を折り返して自動又は半自動で箱にテープを貼付することができる箱封函装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、第2に、薄箱と厚箱の両方に対応して自動又は半自動でテープを貼付することができる箱封函装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様は、箱を載置して搬送する搬送手段と、前記搬送手段の上方に前記箱の上蓋フラップを粘着テープで封函するテープディスペンサーとを備える箱封函装置であって、
前記テープディスペンサーが、
少なくとも一方の端部に鍔部を有するくせ付け用ガイドローラーを備えるテープ供給機構と、
前記箱の搬送方向川上側において前記粘着テープを前記上蓋フラップに押圧しながら貼付する上流側ローラーと、前記粘着テープを切断するカッターと、を備える上流側機構と、
前記粘着テープをさらに押圧しながら貼付ける下流側機構と、を有し、
前記テープ供給機構が、テープホルダーから送出した前記粘着テープの一側端を前記くせ付け用ガイドローラーで粘着面側に折り返して前記上流側機構にガイドすることを特徴とする箱封函装置を提供する。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、構造を複雑化せずにテープの端を折り返して自動又は半自動で箱にテープを貼付することができる。
【0017】
また、前記テープ供給機構が、前記粘着テープの粘着面が表側になるように前記テープホルダーから送出する送出用ガイドローラーを回転可能に挟持する送出用ガイドローラーアームを有し、
前記送出用ガイドローラーアームに、前記くせ付け用ガイドローラーを回転可能に挟持するくせ付け用ガイドローラーアームが外方に向けて設けてあり、
前記くせ付け用ガイドローラーが、前記鍔部の位置を移動させて軸部の幅を調整する幅調整機能を有し、
前記くせ付け用ガイドローラーへ送出した前記粘着テープと前記送出用ガイドローラーアームとのなす角度が14度以上18度以下であることが好ましい。かかる構成により、短時間で調整でき、折返部の幅を変えることが容易になる。
【0018】
さらに、前記下流側機構が、
前記上流側ローラーで貼付した前記粘着テープを前記箱の搬送方向川下側において押圧する下流側後ローラーと、
一端側に下流側後ローラーアーム固定支軸を有し他端に前記下流側後ローラーを揺動可能に取り付けた下流側後ローラーアームと、
箱搬送前の状態で先端が搬送面より下に位置し且つ常に先端が前記下流側後ローラーアーム固定支軸より上流に位置する長さを有し、前記箱の搬送方向川下側において前記粘着テープを前記箱の前端側側面を下から上に押圧し前記下流側後ローラーが押圧した後で前記箱の上面を押圧する下流側前ローラーと、
一端側に下流側前ローラーアーム固定支軸を有し他端に前記下流側前ローラーを揺動可能に取り付けた下流側前ローラーアームと、
前記下流側後ローラーアームの動きと前記下流側前ローラーアームの動きを連動させる支軸間連結ロッドと、
を有し、
前記下流側前ローラーアーム固定支軸から前記下流側前ローラー先端までの長さは、前記下流側後ローラーアーム固定支軸から前記下流側後ローラー手前までの長さと略同じであることが好ましい。かかる構成により、さらに、薄箱と厚箱の両方に対応して自動又は半自動でテープを貼付することができる。
【0019】
また、前記下流側前ローラーは前記下流側後ローラーより径が小さく、前記下流側前ローラーアームに、前記下流側前ローラーと平行に下流側前ローラー用補助ローラーが設けてあり、前記下流側前ローラーと前記下流側前ローラー用補助ローラーとを囲むベルトを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、第1の効果として、構造を複雑化せずにテープの端を折り返して自動又は半自動で箱にテープを貼付することができる。さらに、第2の効果として、薄箱と厚箱の両方に対応して自動又は半自動でテープを貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例1の箱封函装置の構成例を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例1の箱封函装置のテープディスペンサーの概略図である。
図3】本発明の実施例1の箱封函装置の上流側機構及び下流側機構の構成を示す一部概略図である。
図4】本発明の実施例1の箱封函装置の上流側機構及び下流側機構の箱搬送前の状態での位置関係を示す説明図である。
図5】本発明の実施例1の箱封函装置上流側機構のみで上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。
図6】本発明の実施例1の箱封函装置上流側機構及び下流側機構の上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。
図7】本発明の実施例1の箱封函装置下流側機構のみで上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。
図8】本発明の実施例1の箱封函装置下流側前ローラーのみで上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。
図9】本発明の実施例1の箱封函装置において裏面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。
図10】本発明の実施例1の箱封函装置の固定板の構成を示す説明図である。
図11】本発明の実施例2の箱封函装置の要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の箱封函装置及びこれを用いた箱封函装置について、添付図面を参照して実施例を用いて本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0023】
(構成)
図1は、本発明の実施例1の箱封函装置の構成例を示す斜視図である。図1に示した箱封函装置1は、封函対象物である箱2を搬送して封函するための装置で、テープ貼り機である箱封函装置11を備える。箱封函装置11は、テープを供給し箱にテープを貼り付ける役割を果たす。
【0024】
箱封函装置1は、箱素材のセットから組立、梱包、ラベル貼りまでを自動又は半自動で行う多機能装置に組み込むことができるパーツ装置の一つであってもよい。箱封函装置1が組み込まれる多機能装置は、例えば、箱素材をセットする工程の装置パーツ、箱素材を組み立てて箱にする工程の装置パーツ、商品を箱に投入する工程の装置パーツ、箱の上蓋を閉じる工程の装置パーツ、箱の封函工程の装置パーツとして本実施例の箱封函装置パーツ、ラベル貼付工程の装置の順に並べて使用することができる装置パーツを含む多機能装置であってもよい。なお、これらの装置パーツは、複数工程を1つの装置パーツで行うものであってもよい。
【0025】
あるいは、本実施例の箱封函装置は、人が上蓋を閉じた状態の箱を手で箱封函装置の上に載置するものであってもよく、また箱封函装置で封函した箱を人が手でピックアップするものであってもよい。
【0026】
箱封函装置1は、箱2を載置して搬送するために並べられた搬送用ローラー12と、搬送用ローラー12の上部に設置したテープディスペンサー11と、を有し、封函対象物がテープディスペンサー11の所定の位置を通過していることを感知する光電センサー(図示なし)と、箱2の進行方向や搬送速度を制御するために搬送用ローラー12の両脇に設置したベルト式の搬送用ガイド14と、搬送用ガイド14を動かす動力を供給するインダクションモーター18と、テープディスペンサー11の高さを封函する箱2の高さに合わせて調整するための高さ調整ハンドル17と、搬送用ガイド14同士の間の幅を封函する箱2の幅に合わせて調整するための幅調整ハンドル16と、を備える。搬送用ローラー12の上面が搬送面19であり、搬送用ローラー12は、搬送方向と直角の方向を長手方向とする円筒状の回転体で、搬送方向に水平に多数並べてある。搬送用ローラー12に動力は供給されず、回転するのみで移動しない。箱2は、搬送用ローラー12の表面を滑りながら搬送方向に進む。
【0027】
搬送用ローラー12は、内容物を入れて上蓋フラップを閉じた箱2を載置して搬送する搬送手段である。テープディスペンサー11は、搬送用ローラー12の上方に箱2の上蓋フラップ25を粘着テープ3で封函する。本実施例では、テープディスペンサー11の直下となる箇所の搬送面19に箱2の幅より狭い開口部を設けてある。
【0028】
光電センサー(図示省略)は搬送方向川上側(箱の入口側)、光電センサーは搬送方向川下側(箱の出口側)で箱2の通過を検知する。搬送方向に向かって箱2が流れてくると、川上側及び川下側の光電センサーともに箱を検知していない状態(状態1)から、箱の前端が川上側の光電センサーでの検知箇所を通過し川下側の光電センサーでの検知箇所を通過する前であって川上側の光電センサーのみで箱を検知している状態(状態2)に変化し、さらに、箱の前端が川下側の光電センサーでの検知箇所を通過し箱の後端が川上側の光電センサーでの検知箇所より川上側にある状態で川上側及び川下側の光電センサーで箱を検知している状態(状態3)を経て、さらに、箱の後端が川上側の光電センサーでの検知箇所より川下側にあるが箱の後端がまだ川下側の光電センサーでの検知箇所を通過しておらず川下側の光電センサーのみで箱2を検知している状態(状態4)を経て、状態1に戻る。
【0029】
テープディスペンサー11の下になる部分がある複数の搬送用ローラー12は、長さが短く、両脇に配置され、中央は開口部15となっている。開口部15にはテープ貼付支援機構4を設けてある。搬送用ローラー12の中で、開口部15の搬送方向前側の1本目は、前端裏面部テープ貼付兼搬送用ローラー121である。他の搬送用ローラー12と同様に、前端裏面部テープ貼付兼搬送用ローラー121は回転するのみで移動しない。搬送用ローラー12の上面は、箱2が滑り動く搬送面19となる。
【0030】
図2は、本発明の実施例1の箱封函装置のテープディスペンサーの概略図である。図2では、内部機構の説明のため、前フレーム93は点線で示し内部を透過して表示している。テープディスペンサー11は、テープ供給機構6と上流側機構7と下流側機構8とを備える。図2において、上流側機構7内の粘着テープ3は図示を省略する。
【0031】
テープ供給機構6は、両端に鍔部621a、bを有するくせ付け用ガイドローラー62を有する。本願ではくせ付け用ガイドローラー62を両端部に設けてあるが、片方の端部のみでもよい。
【0032】
上流側機構7は上流側ローラー71とカッター73を有し、粘着テープ3の貼付及び切断を行う機構である。上流側ローラー71は、箱2の上面と前端面への粘着テープ3の貼付用であり、箱2の搬送方向川上側において粘着テープ3を上蓋フラップ25に押圧しながら貼付する。カッター73は、粘着テープ3を切断するものである。下流側機構8は、粘着テープ3の貼付及び押圧を行う機構であり、上流側機構7で貼付し切断した粘着テープ3を、箱2に対してさらに押圧しながら貼付ける。テープホルダー96には、粘着テープ3をロール状に巻いた状態で保持させてあり、テープ供給機構6が、テープホルダー96から送出した粘着テープ3の一側端をくせ付け用ガイドローラー62で粘着面側に折り返して上流側機構7にガイドして送り出すことで、連続的に粘着テープ3を上流側機構7に供給する。
【0033】
テープホルダー96に巻いてある粘着テープ3の表面に接触している送出用ガイドローラー61の表面側に粘着テープ3の非接着面322を接触させて上から下へ滑るようにして、送出用ガイドローラー61から、送出用ガイドローラー61と平行に設けたくせ付け用ガイドローラー62へと供給される。送出用ガイドローラー61は、テープアームである送出用ガイドローラーアーム65の先端に設けてある。
【0034】
くせ付け用ガイドローラー62の鍔部621a、bは左右両端にあって軸部622より半径が大きく鍔部621と軸部622との境界で段差を生じさせる。軸部622の幅は粘着テープ3より狭いことが好ましい。くせ付け用ガイドローラー62の鍔部621aに、ロール状に巻いた状態で保持させたテープホルダー11から送出した粘着テープ3の一側端が当たり、当たった側の粘着テープ3の端がくせ付け用ガイドローラー62で粘着面側に折り返される。折り返した部分である折返部323は両面が非粘着面となり、箱に貼付した後は、箱と粘着テープとの間に指先を入れることができる摘まみ部となる。一方、折り返していない部分は粘着面321であり、箱に貼る貼付け部324となる。かかる構成により、封函時に余分な手間や時間をかけず、また部品点数もあまり増やさずに、箱封函装置1で粘着テープ3を貼り付けた箱2は、封止がしっかりされるとともに粘着テープ3を手で剥がしやすくなるため、利便性が向上する。くせ付せを複数部品で徐々に行う必要がなく、くせ付け用ガイドローラー62のみで1段階で行うことができ、故障しにくくメンテナンスも楽である。テープの幅が広くても狭くても、また摘まみ部を太くするのも細くするのも、粘着テープ設置時に鍔部621に当たる位置を調整するのみで完了するため、テープ交換や準備が簡単で作業時間も削減できる。
【0035】
さらに、本実施例では、くせ付け用ガイドローラー62が、鍔部621a、bの位置を移動させて軸部622の幅を調整する幅調整機能を有する。幅調整機能は、軸部622の両端部の表面に設けたねじ溝にリング状で内側にねじ溝が設けてある鍔部621を嵌めて回して適切な場所でセットすることにより実現される。かかる機能を有することで、粘着テープの幅に合わせて短時間で調整ができ、また、粘着テープを取り付けたまま折返部323の幅を変えることが容易となる。調整機能なしでよい場合は、鍔部と軸部は一体であってもよい。また、くせ付け用ガイドローラー62は、送出用ガイドローラーアーム65の中間部に設けられる。
【0036】
また、本実施例では、テープ供給機構6は、粘着テープ3の粘着面が表側になるようにテープホルダー96から送出する送出用ガイドローラー61を回転可能に挟持するテープアームである送出用ガイドローラーアーム65を有する。送出用ガイドローラーアーム65に、くせ付け用ガイドローラー62を回転可能に挟持するくせ付け用ガイドローラーアーム623が外方に向けて設けてある。くせ付け用ガイドローラー62へ送出した粘着テープ3と送出用ガイドローラーアーム65とのなす角度は、本実施例では15度であるがこれに限定されない。折り返し部323を安定して形成するには、14度以上18度以下であることが好ましい。
【0037】
テープ供給機構6の下部には、表面に凹凸があり滑り性及び離型性が高い離形ガイドローラー63を有する。くせ付け用ガイドローラー62を通し折返部323を設けた粘着テープ3は、接着面をローラー側にして離形ガイドローラー63を通して、さらにその下に設けた貼付供給用ガイドローラー64に接着面を外側にして通し、上流側機構7へガイドされ、箱2を通過させる前に搬送面に設けた開口部15の中へ垂らしておく。
【0038】
図3は、本発明の実施例1の箱封函装置の上流側機構及び下流側機構の構成を示す一部概略図である。上流側機構7は、箱2の搬送方向川上側(図3において向かって左側)において、粘着テープ3を上蓋フラップ25に押圧しながら貼付する上流側ローラー71と、粘着テープ3を切断するカッター73とを備える。下流側機構8は、上流側ローラー71で貼付した粘着テープ3を箱2の搬送方向川下側(図3において向かって右側)において押圧する下流側後ローラー81と、箱2の搬送方向川下側において粘着テープ3を箱2の前端側側面を下から上に押圧し下流側後ローラー81の後で箱2の上面を押圧する下流側前ローラー83と、を備える。下流側後ローラー81は後ロール、下流側前ローラー83は前ロールとも称される。下流側機構7は、さらに、下流側後ローラーアーム82と、下流側前ローラーアーム84と、支軸間連結ロッド86とを有する。下流側後ローラーアーム82は、一端側に下流側後ローラーアーム固定支軸821を有し他端に下流側後ローラー81を揺動可能に取り付けてある。下流側後ローラー81は、上面・後端角部テープ押圧用のローラーである。下流側前ローラーアーム84は、一端側に下流側前ローラーアーム固定支軸841を有し他端に下流側前ローラー83を揺動可能に取り付けてある。下流側前ローラー83は、上面・前端面・後端面テープ押圧用のローラーである。下流側前ローラーアーム固定支軸841から下流側前ローラー83先端までの長さは、下流側後ローラーアーム固定支軸821から下流側後ローラー81手前までの長さと略同じである。また、下流側前ローラー83は下流側後ローラー81より径が小さい。
【0039】
送出用ガイドローラーアーム65は、連結スプリング94aによって後フレーム92に連結され、上流側スプリング機構74は、連結スプリング94bによって後フレーム92に連結されている。カッター73と上流側ローラー71を連動させる上流側ローラーアーム72は、上流側スプリング機構74と接続し、後フレーム92に固定した上流側ローラーアーム支軸75を軸として揺動する。
【0040】
下流側後ローラーアーム連動支軸822は、後フレーム92に直角に接続された軸で、下流側後ローラーアーム82を2本、その間に挟んで支軸間連結ロッド86を2本支える軸となる。2枚の下流側後ローラーアーム82は、後フレーム92と前フレーム93を繋いで固定された下流側後ローラーアーム固定支軸821と、流側後ローラーアーム固定支軸821と平行である下流側後ローラーアーム連動支軸822とに根元側を支えられ、先端に下流側後ローラー81を挟持している。下流側後ローラー81は、箱の上面に上がることで、下流側後ローラーアーム固定支軸821を軸として上下方向に揺動する。
【0041】
支軸間連結ロッド86の先端はそれぞれ先割れになっており、その中を滑動する下流側前ローラーアームスライド支軸842を支えており、下流側前ローラーアームスライド支軸842と下流側後ローラーアーム連動支軸822は、支軸間連結スプリング85で繋がれ、定常状態では支軸間連結ロッド86の先割れの根元に位置する。2枚の下流側前ローラーアーム84は根元側で、下流側前ローラーアームスライド支軸842と下流側前ローラーアーム固定支軸821を挟持している。下流側前ローラーアーム84は、根元側の下流側前ローラーアーム固定支軸821で固定され、先端に下流側前ローラー83を挟持している。下流側前ローラー83が川下側に押されると下流側前ローラーアームスライド支軸842が支軸間連結ロッド86内を川上側にスライドする。連結保持機構9は、固定板91と後フレーム92と前フレーム93と幅木95a、95bを有する。後フレーム92と前フレーム93とは、幅木95a、95bで接続されている。幅木95bは固定板91も貫通してともに支えている。
【0042】
上流側機構及び下流側機構の作用について図4図8を用いて説明する。
【0043】
図4は、本発明の実施例1の箱封函装置の上流側機構及び下流側機構の箱搬送前の状態での位置関係を示す説明図である。下流側前ローラー83もまだ作動しない。
【0044】
図4に示したように、垂らした粘着テープ3は、箱搬送前の状態で箱2の前端の前に位置する。箱2の搬送が進むと同時に、上流側ローラー71が箱2の前端面に粘着テープ3の接着面側を押しつける。さらに箱2の下から上へと上流側ローラー71が動き、押圧しながら貼付する。箱2の搬送により、図4の状態から、図5図6図7図8の状態に変移して箱2に粘着テープを貼付し、1つの箱を排出した後は、また定常状態である図4の状態に戻る。
【0045】
図5は、本発明の実施例1の箱封函装置上流側機構のみで上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。下流側機構8の各位置は図4の状態と同じである。上流側ローラー71とカッター73は箱2の上面にあり、箱2が下流側に搬送されるとともに上流側ローラー71で上蓋フラップ25の上面に粘着テープ3を押しつけながら貼付する。カッター73はまだ作動しない。粘着テープ3は前端面の下端より50mm下に垂れ下がった状態である。
【0046】
図6は、本発明の実施例1の箱封函装置上流側機構及び下流側機構の上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。上流側機構7の各位置は図5の状態と同じである。下流側後ローラー81は箱2の上面にあり、箱2が下流側に搬送されるとともに下流側後ローラー81で上蓋フラップ25の上面に粘着テープ3を押しつけながらさらに貼付する。カッター73はまだ作動しない。
【0047】
図7は、本発明の実施例1の箱封函装置下流側機構のみで上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。上流側ローラー71が箱2の後端面に沿って下に下がり箱搬送前の状態に戻る。カッター73は、粘着テープ3を箱2の後端から所定の長さでカットする。カットされた粘着テープ3のテープホルダー96側は、上流側ローラー71よりも上流に垂れる。カットされた粘着テープ3の箱2側は、箱2の後端面側に垂れる。粘着テープ3は、上流側ローラー71によって上蓋フラップ25の上面に押圧して貼付され、さらに下流側機構の下流側後ローラー81で押圧してより強固に貼付される。
【0048】
かかる段階の前まで、下流側前ローラー83は、箱2の前端側で箱2よりも下側に位置する。そしてかかる段階の状態において、下流側後ローラー81と下流側前ローラー83は箱2の上面にあり、下流側後ローラーアーム82と、下流側前ローラーアーム84とは交差している。支軸間連結ロッド86は、下流側後ローラーアーム82の動きと下流側前ローラーアーム84の動きを連動させる役割を果たす。下流側前ローラーアーム84は、常に前記下流側前ローラー83の中心軸が下流側後ローラーアーム固定支軸821より上流側に位置する長さを備える。本実施例では、下流側後ローラーアーム82は、下流側後ローラーアーム固定支軸821から下流側後ローラー81の中心までの長さが123.79mm、下流側後ローラー81の根元までの長さが106.29mmである。また、下流側前ローラーアーム84は、下流側前ローラーアーム固定支軸841から下流側前ローラー83の中心までの長さが93.95mm、下流側前ローラー83の先端までの長さが106.45mmである。したがって、薄箱でも厚箱でも、ローラーが箱を潰す心配がなく、またローラーが他の部品に当たって損傷するおそれもない。また、下流側前ローラー83は、下流側後ローラー81より径が小さく、本実施例では、下流側前ローラー83が直径25mm、下流側後ローラー81が直径35mmであり、両者の径は7:5の関係にある。下流側前ローラー83は軽く操作性がよく、また、厚箱の上面にあっても下流側後ローラーアーム固定支軸821に当たることがない。また、下流側後ローラー81は重く広い範囲で自重を生かして高い圧着力を発揮することができる。
【0049】
下流側後ローラーアーム82に支持される下流側後ローラー81は下流側前ローラーアーム固定支軸841より低い位置にあり、下流側前ローラーアーム84に支持される下流側前ローラー83も下流側後ローラーアーム固定支軸821より低い位置にあり、いずれもローラーが他方の固定支軸とぶつかることはない。
【0050】
図8は、本発明の実施例1の箱封函装置下流側前ローラーのみで上面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。カッター73は図4で示した定常状態に戻る。下流側後ローラー81は箱2の後端面に沿って下がり、図4で示した定常状態に戻る。下流側前ローラー83が箱2の上面にあり、貼付した粘着テープ3を押圧しながらさらに貼付する。
【0051】
図9は、本発明の実施例1の箱封函装置において裏面貼付中の状態での位置関係を示す説明図である。上流側機構7及び下流側機構8は、ともに図4で示した定常状態に戻る。搬送手段の下に設けたテープ貼付支援機構4により箱の裏面側の貼付がされ、粘着テープの貼付作業が完了する。
【0052】
かかる構成によって、薄箱と厚箱の両方に対応して自動又は半自動でテープを貼付することができる。
【0053】
図10は、本発明の実施例1の箱封函装置の固定板の構成を示す説明図である。テープディスペンサー11上部のテープホルダー96は、下部のフレームと一体ではなく、柱状の固定板91で後フレーム92に接続されており、容易に分割して取り外しができ、重量軽減を実現でき、したがって、従来はバランスを取るために必要であった前フレーム93側の重量が削減でき、テープディスペンサー11全体の軽量化、コスト削減を実現できる。
【0054】
なお、本実施例においては、箱2の搬送手段は、搬送ローラー12が複数配置されたローラーコンベアであり、開口部15の搬送方向川下側の搬送ローラー12が、前端裏面テープ貼付手段としての機能を備えた前端裏面テープ貼付兼搬送用ローラー121であるが、開口部15の搬送方向川下側の端が、前端裏面テープ貼付兼搬送用ローラー121でなく単なる板であったりベルトコンベアであったりしてもよく、箱封函装置の終端部で次の工程の装置の載置台であってもよい。
【0055】
{効果}
本実施例によれば、第1の効果として、構造を複雑化せずにテープの端を折り返して自動又は半自動で箱にテープを貼付することができる。さらに、第2の効果として、薄箱と厚箱の両方に対応して自動又は半自動でテープを貼付することができる。厚箱でも薄箱でも、一台で、簡単に、剥がしやすく折り返した封函用テープを貼付して封函する作業を容易に素早く綺麗に行うことができる。また、箱がつぶれる、あるいは、テープが十分貼り付けられないという心配がない。作業時間が短縮され、かつ機械の調整時間も短縮され、作業コスト削減にもなる。また、軽量化、耐久性、コストの面でも優れる。
【0056】
また、本実施例の箱封函装置は、コンパクトであるため、郵便局や宅配物集荷所等に設置することもできる。一つ一つ封函するよりも大量に素早く綺麗に封函できるので、近年急増している個人間での売買等の発送や、工場に封函装置を持たない業者からの製品発送において、薄箱の荷物を集荷所において手軽に封函できることは利便性が高い。
【実施例2】
【0057】
図11は、本発明の実施例2の箱封函装置の要部概略図である。本実施例の箱封函装置1´は、下流側前ローラーアーム84の中間に、下流側前ローラー83と平行に下流側前ローラー用補助ローラー844が設けてあり、下流側前ローラー83と下流側前ローラー用補助ローラー844とを囲みカバーするウレタン製のベルト845を備えること以外は実施例1の箱封函装置と同様である。。ベルト845は周長が175mmの輪状で伸縮性がある収縮ベルトである。ベルト845の幅は、本実施例では48mmであるが、これに限定されない。ベルト845の幅は下流側前ローラーアーム84の幅内で下流側前ローラー83からはみ出さない程度で広い方が好ましい。ベルト845の厚みは、本実施例では1.4mmであるが、これに限定されず、1.0mm~1.6mmが好ましい。
【0058】
本実施例の箱封函装置1´は、ベルト845が、箱2と下流側前ローラーアーム84や下流側前ローラー83との間の緩衝材としての役割を果たす。実施例1の箱封函装置1では、箱2が、厚さが25mm以下の薄箱である場合、自動又は半自動でテープを貼付することはできるものの箱先端の角を封緘するテープのところに下流側前ローラーアームの幅で2本の1mmくらいの小さな痕がつくことがごく稀にあり、箱を大きく損傷する事態にまではならないものの美観を損なうおそれがあった。下流側前ローラーアーム84は、下流側に中間部が突き出した、くの字型で、ベルトがなくても箱に当たることはほぼないが、厚さが25mm以下の薄箱では稀に当たる。しかし本実施例では、下流側前ローラーアーム84よりもベルト845が箱側にある。したがって、本実施例の箱封函装置1´では、下流側前ローラー83や下流側前ローラーアーム84が直接箱2に当たらず、ベルト845と箱2が接触し、かつ接触面積が実施例1の箱封函装置1より大きくなるので箱に痕が残る心配がない。
【0059】
また、図5に示した状態で粘着テープ3は前端面の下端より50mm下に垂れ下がった状態であり、図6に示した状態に変移して下流側前ローラー83が前端面に押し当たるとき、下流側前ローラー83がシーソーのように箱2の下側から先端上面をなぞるが、実施例1の箱封函装置1では、箱2が厚さが25mm以下の薄箱である場合、前端面側が浮き上がってしまい、下流側前ローラー83が箱2を持ち上げてしまうおそれがあった。本実施例の箱封函装置1´では、ベルト845を下流側前ローラー83を覆い接触面積が大きくなるので、箱2を下方に押しつける力が大きく、箱2が浮き上がってくる心配がない。
【0060】
したがって、箱2が、厚さが25mm以下の薄箱であっても、下流側前ローラーアーム84や下流側前ローラー83が直接当たることがないので、箱2に下流側前ローラーアームによる筋がつくことがなく、また箱2に下流側前ローラーアームが当たって箱2が持ち上がることを防止できる。箱2が浮き上がらないので、薄箱でも粘着テープを美しく貼り付けすることができる。
【0061】
{効果}
本実施例によれば、実施例1の箱封函装置と同様に、構造を複雑化せずにテープの端を折り返して自動又は半自動で箱にテープを貼付することができるし、薄箱と厚箱の両方に対応して自動又は半自動でテープを貼付することができるうえ、箱に傷をつけたり、箱が浮き上がって粘着テープがきれいにつかないことを防止できる。
【0062】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 箱封函装置
11 テープディスペンサー
12 搬送用ローラー
121 前端裏面テープ貼付兼搬送用ローラー
14 搬送用ガイド
15 開口部
16 幅調整ハンドル
17 高さ調整ハンドル
18 インダクションモーター
19 搬送面
2 箱
25 上蓋フラップ
3 粘着テープ
321 粘着面
322 非粘着面
323 折返部
4 テープ貼付支援機構
6 テープ供給機構
61 送出用ガイドローラー
62 くせ付け用ガイドローラー
621a、b 鍔部
622 軸部
623 くせ付け用ガイドローラーアーム
63 離形ガイドローラー
64 貼付供給用ガイドローラー
65 送出用ガイドローラーアーム
7 上流側機構
71 上流側ローラー
72 上流側ローラーアーム
73 カッター
74 上流側スプリング機構
75 上流側ローラーアーム支軸
8 下流側機構
81 下流側後ローラー
82 下流側後ローラーアーム
821 下流側後ローラーアーム固定支軸
822 下流側後ローラーアーム連動支軸
83 下流側前ローラー
84 下流側前ローラーアーム
841 下流側前ローラーアーム固定支軸
842 下流側前ローラーアームスライド支軸
844 下流側前ローラー用補助ローラー
845 ベルト
85 支軸間連結スプリング
86 支軸間連結ロッド
9 連結保持機構
91 固定板
92 後フレーム
93 前フレーム
94a、94b 連結スプリング
95a、95b 幅木
96 テープホルダー
【要約】
【課題】構造を複雑化せずにテープの端を折り返して自動又は半自動で箱にテープを貼付することができる箱封函装置を提供する。
【解決手段】(A)テープディスペンサー11が、(ア)少なくとも一方の端部に鍔部を有するくせ付け用ガイドローラーを備えるテープ供給機構6と、(イ)箱2の搬送方向川上側において粘着テープ3を上蓋フラップに押圧しながら貼付する上流側ローラーと、粘着テープ3を切断するカッターと、を備える上流側機構7と、(ウ)粘着テープ3をさらに押圧しながら貼付ける下流側機構8と、を有し、(B)テープ供給機構6が、テープホルダーから送出した粘着テープ3の一側端をくせ付け用ガイドローラーで粘着面側に折り返して上流側機構7にガイドする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11