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  • 特許-警告装置、車載装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】警告装置、車載装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241017BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01C21/36
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021053992
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151083
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】内堀 智弥
(72)【発明者】
【氏名】田食 寛之
(72)【発明者】
【氏名】中川 洋平
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-106874(JP,A)
【文献】特開2020-187456(JP,A)
【文献】特開2016-075818(JP,A)
【文献】特開2019-028483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブレコーダとともに車両に搭載される警告装置であって、
前記ドライブレコーダが危険走行を検知した場合に、危険走行を通知するためのイベント情報を前記ドライブレコーダから受信する受信部と、
前記車両の走行状態が示される走行情報と、前記車両の周辺状況が示される周辺情報とを受けつける入力部と、
前記入力部において受けつけた前記走行情報と前記周辺情報とをもとに、前記受信部において受信した前記イベント情報に応じた警告を出力するか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記入力部において受けつけた前記走行情報が前記車両の減速を示す場合、または前記周辺情報が前記車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示す場合に、前記警告を出力せず、
前記判定部は、前記車両が経路案内中である場合に、前記周辺情報が案内中の経路における渋滞の発生を示す場合、前記警告を出力しない警告装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記周辺情報が進行方向の信号機が赤色または黄色を示す場合、前記周辺情報が進行方向の一定距離内における交差点の存在を示す場合、前記周辺情報が速度規制領域の存在を示す場合のうちの少なくとも1つであれば、前記周辺情報が前記車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すと判定する請求項1に記載の警告装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記入力部において受けつけた前記走行情報が前記車両の減速を示さず、かつ前記周辺情報が前記車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示さない場合に、前記警告を出力する請求項1または2に記載の警告装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記車両からの緊急警告が発生しているか否かに応じて、警告の出力を変更する請求項に記載の警告装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記車両の車線変更の頻度に応じて、警告の出力を変更する請求項3または4に記載の警告装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載の警告装置を搭載する車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、警告技術に関し、特に警告を出力する警告装置、車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるドライブレコーダは、例えば、事故発生前後の映像を証拠として保存するために、車両に搭載した撮像装置により車内外の映像あるいは音声を記録する。ドライブレコーダには、事故のきっかけとなる事象を適切に記録することが求められる。そのため、車両の走行情報をもとに記録が制御される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-191207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライブレコーダでは、事故のきっかけとなる事象として、あおり運転等の危険走行も検知可能であり、危険走行を検知すると運転者への警告を出力する。事象の発生を誤検知が増加すると、運転者への警告の出力頻度が増加してしまい、運転者への注意喚起能力が低下する。一方、特許文献1では、高速道路、一般道、農道などの走行してる道路の種類、走行速度、車間距離によって検知秒数を変えて、誤検知を減少させている。これは事象の誤検知を減少させることになるが、検知感度を低下させると本来記録すべき事象自体を検知しないケースが発生しうる。そのため、事象は可能な限り記録しながらも、運転者への警告頻度を減少させることが求められる。
【0005】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、不要な警告の出力を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の警告装置は、ドライブレコーダとともに車両に搭載される警告装置であって、ドライブレコーダが危険走行を検知した場合に、危険走行を通知するためのイベント情報をドライブレコーダから受信する受信部と、車両の走行状態が示される走行情報と、車両の周辺状況が示される周辺情報とを受けつける入力部と、入力部において受けつけた走行情報と周辺情報とをもとに、受信部において受信したイベント情報に応じた警告を出力するか否かを判定する判定部とを備える。判定部は、入力部において受けつけた走行情報が車両の減速を示す場合、または周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示す場合に、警告を出力せず、判定部は、車両が経路案内中である場合に、周辺情報が案内中の経路における渋滞の発生を示す場合、警告を出力しない
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、不要な警告の出力を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例におけるあおり運転の段階の定義を示す図である。
図2】実施例に係る警告システムの構成を示す図である。
図3図2の警告システムによる警告手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施例を具体的に説明する前に、実施例の概要を説明する。本実施例は、車両に搭載されるドライブレコーダとナビゲーション装置とを含む警告システムに関する。ドライブレコーダは、撮像装置において撮像された映像から車線を検知したり、歩行者を検知したり、後方の車両からのあおり運転を検知したりする。ドライブレコーダは、映像を録画するとともに、あおり運転等の危険走行を検知した場合に、異常を知らせる信号(以下、「イベント情報」という)をナビゲーション装置に通知する。ナビゲーション装置は、イベント情報を受けつけると、音等により警告を出力する。
【0011】
あおり運転の検知では、内部処理を軽減させるために後方車両を特定するわけではなく、単純に車両の形状情報(例えば車の下の水平面、天面の水平面)から車両と判断し、距離を測定している。そのため、一度後方に近づいた車両が別の車線に移動し、別の車両が近づいた場合に誤検知するケースがある。また、比較的低速な渋滞(例えば、車速25km/h以下)になると車両の間隔が短くなるので、誤検知するケースが増加する。さらに、交差点付近でも同様に減速する車両が増加するので、車間が短くなることによって、誤検知するケースが多くなる。
【0012】
ドライブレコーダは、録画するシーンに抜け漏れがあると問題になるので、検知感度を高く設定して、少しの異常でもイベントを検知することによって、上書きされないファイルに映像を保存する。しかしながら、誤検知の発生が増加すると、運転者の注意力が散漫になり、警告の効果が低下する。本実施例に係るナビゲーション装置は、ドライブレコーダからのイベント情報に対して、ナビゲーションシステムの地図情報、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)情報、車両信号、車体情報、インターネット等の外部信号を使用して警告の出力頻度を低下させる。
【0013】
図1は、あおり運転の段階の定義を示す。本実施例において、あおり運転は、Phase1からPhase4の4段階に分類される。これらのうち、Phase1の危険性が最も高く、Phase4の危険性が最も低い。Phase1は、本車両に対して、敵意をもっての接近、幅寄せ、前方に回り込んでの急ブレーキなどが他の車両によりなされており、本車両に明らかに危害を加える意図が見える状態である。これは、緊急に知らせるべき状態であるといえる。
【0014】
Phase2は、Phase1の前の状態であり、後方の他の車両が、本車両の速度を上げざるをえないように走行する状態である。例えば、後方での車間をつめて、クラクション、ハイビーム、蛇行運転、窓ガラスをあけての暴言、接近を繰り返すなどの状態である。これは、これらの状態が継続するとPhase1につながりかねないので、本車両の運転者に通知した方がよいと判断できる状態であるといえる。
【0015】
Phase3は、あおり運転がなされているか不明な状態である。例えば、後方の車間が短かったり、幅寄せされたりしている状態である。これは、警告の必要はないが、映像をイベント録画すべき状態であるといえる。Phase4は、あおり運転に関して何も検知してない状態である。これは、運転者に知らせなくてよい状態であり、ドライブレコーダにおいて常時録画を実行しているが、上書きされないイベント録画を実行していない状態であるといえる。
【0016】
図2は、警告システム1000の構成を示す。警告システム1000は、ドライブレコーダ100、ナビゲーション装置200を含む。ドライブレコーダ100は、撮像部110、マイクロフォン112、映像処理部114、記録部116、測位部120、センサ122、イベント判定部124、送信部126を含む。ナビゲーション装置200は、走行情報取得部210、周辺情報取得部212、ナビゲーション処理部214、表示部220、スピーカ222、外部機器224、警告部300を含み、警告部300は、受信部310、入力部312、判定部314を含む。
【0017】
ドライブレコーダ100とナビゲーション装置200は、車両に搭載されるとともに、ケーブル等により接続される。撮像部110は映像を撮像し、マイクロフォン112は映像に対応した音声を取得する。映像処理部114は、映像と音声の少なくとも1つから車間距離、車線逸脱、近接車両の有無等を検知する。これらの検知には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。映像処理部114は、映像および音声を記録部116に常時記録させる。
【0018】
測位部120は、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの信号を受信することによって、車両の車速および緯度経度を測位する。センサ122は、例えば加速度センサであり、衝撃の有無、加減速の有無を検知する。イベント判定部124は、車両の車速、緯度経度、衝撃の有無、加減速の有無をもとに、あおり運転、事故等の危険走行が発生しているか否かを判定する。イベント判定部124は、危険走行を検知した場合、映像処理部114を介して記録部116の上書きされない部分にイベント記録を開始させる。また、イベント判定部124は、危険走行を検知した場合、危険走行を通知するためのイベント情報を送信部126からナビゲーション装置200に送信させる。ドライブレコーダ100がイベント情報を送信する場合は、前述のPhase1から3のいずれかに相当する。一方、ドライブレコーダ100がイベント情報を送信しない場合は、前述のPhase4に相当する。
【0019】
イベント判定部124は、例えば、車両が25km/hで走行中、後方の他の車両との車間距離が急激に短くなったり、離れたりを繰り返した場合に、危険走行を検知する。具体的には、20km/hを超える相対速度で、10分以内に3回以上接近を繰り返す場合に危険走行が検知される。また、イベント判定部124は、例えば、車両が25km/hで走行中、10分間に4回以上、後方車両の接近を検知した場合に、危険走行を検知してもよい。その際、接近は適正な車間距離の1/3に設定される。具体的には、100km/hであれば30m以内であり、60km/hであれば15m以内である。
【0020】
ナビゲーション装置200の受信部310は、ドライブレコーダ100が危険走行を検知した場合に、イベント情報をドライブレコーダ100から受信する。受信部310は、イベント情報を判定部314に出力する。走行情報取得部210は、車両の走行状態が示される走行情報を取得する。走行情報は、速度センサによって計測された速度情報、制動がなされたことを示す制動情報、車両において検知された緊急警告を含む。
【0021】
周辺情報取得部212は、車両の周辺状況が示される周辺情報を取得する。周辺情報は、例えば、VICS情報、信号機からの光ビーコンを含む。光ビーコンには信号機の色に関する情報(以下、「色情報」という)が含まれる。ナビゲーション処理部214は、ナビゲーションによる経路案内を実行する。ナビゲーション処理部214は、経路案内、地図データを出力可能である。経路案内、地図データも周辺情報に含めてもよい。入力部312は、走行情報取得部210、周辺情報取得部212、ナビゲーション処理部214から、走行情報と周辺情報とを受けつける。
【0022】
判定部314は、入力部312において受けつけた走行情報と周辺情報とをもとに、受信部310において受信したイベント情報に応じた警告を出力するか否かを判定する。当該判定のための処理は、下記のように(A)から(E)によって示される。(A)から(E)によって警告を出力すると判定した場合は、前述のPhase1または2に相当する。その際、警告が出力される。一方、(A)から(E)によって警告を出力しないと判定した場合は、前述のPhase3に相当する。
【0023】
(A)判定部314は、ナビゲーション処理部214が車両を経路案内中である場合に、VICS情報から抽出した渋滞情報が案内中の経路における渋滞の発生を示す場合、警告を出力しない。特に、判定部314は、ナビゲーション処理部214が走行ルートを計算し、走行ルートにおける渋滞情報、信号情報から、例えば渋滞になる前から警告を出力しない。渋滞になる前から車間が短くなることが予測されるからである。また、判定部314は、渋滞情報の代わりに、ナビゲーション処理部214から出力される交差点や道路信号の情報から、信号の付近において警告を出力しなくてもよい。
【0024】
(B)判定部314は、入力部312において受けつけた速度情報が車両の減速を示す場合に、警告を出力しない。判定部314は、速度情報の代わりに制動情報を使用し、車両において制動がなされている場合に、警告を出力しなくてもよい。
【0025】
(C)判定部314は、光ビーコンに含まれる色情報、つまり車両の進行方向の信号機における色の情報が赤色または黄色を示す場合、車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すとして、警告を出力しない。TSPSに代表される光ビーコンにより、信号機の赤信号までの時間がわかるので、信号が赤に変わるタイミングで警告表示をしないようにしてもよい。
【0026】
(D)判定部314は、地図データにおいて進行方向の一定距離内における交差点の存在が示される場合、車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すとして、警告を出力しない。交差点付近では車間距離が短くなったり、急に後方に車両が割り込んだりするために、あおり運転でなくでも車間距離が短くなったするケースがあるからである。
【0027】
(E)判定部314は、地図データにおいて片側通行、一旦停止規制、Zone30のような速度規制領域の存在が示される場合、車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すとして、警告を出力しない。速度規制領域では、車両の速度が低下して、車間距離が短くなりやすいからである。(3)から(5)は、周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示す場合に、警告を出力しないことに相当する。
【0028】
判定部314は、(A)から(E)によって警告を出力すると判定した場合、つまりPhase1または2に相当すると判定した場合、Phase1であるか2であるかを判定する。下記のように(a)、(b)によって示される。
【0029】
(a)判定部314は、車両からの緊急警告が発生している場合に、Phase2と判定する。
(b)判定部314は、車両からの緊急警告が発生していない場合に、車両の車線変更の頻度が多ければ、Phase1と判定する。例えば、判定部314は、車両の車線変更の頻度が10分間に5回以上であれば、Phase1と判定し、車両の車線変更の頻度が10分間に5回より少なければ、Phase2と判定する。
【0030】
判定部314は、Phase1と判定した場合、車両のサイドとフロントにドライブレコーダ100が接続されている場合、第1警告の出力を決定し、車両のサイドとフロントとの少なくとも1つにドライブレコーダ100が接続されていない場合、第2警告の出力を決定する。
【0031】
判定部314は、Phase1における第2警告の出力を決定した場合、ナビゲーション装置200におけるすべての音声出力を停止、もしくは減衰させ、表示部220に映像を表示させるとともに、スピーカ222から警告音を出力させる。例えば、ガイダンスや音楽を再生している場合、警告音を知覚させるため、再生している音を停止させたり、音を小さくしたりする。また、車両側の警告とあおりが同時の場合には車両側の警告が優先される。さらに、判定部314は、保険屋等の外部機関への連絡を外部機器224に実行させる。一方、判定部314は、Phase1における第1警告の出力を決定した場合、第2警告での処理に加えて、車両のサイドとフロントのドライブレコーダ100に録画指示を出力する。
【0032】
判定部314は、Phase2と判定した場合、ナビゲーション装置200における経路案内を維持しながら、オーディオの音を停止させるか、減衰させて、表示部220に映像を表示させるとともに、スピーカ222から音を出力させる。例えば表示部220に「あおられている可能性があります」とのメッセージがポップアップ表示されたり、前述のメッセージの音声がスピーカ222から出力されたりする。このように判定部314は、Phase1であるかPhase2であるかに応じて、警告の出力を変更する。判定部314は、Phase3あるいはPhase4と判定した場合、前述のごとく、警告を出力しない。
【0033】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0034】
以上の構成による警告システム1000の動作を説明する。図3は、警告システム1000による警告手順を示すフローチャートである。ドライブレコーダ100の記録部116は通常記録を開始する(S10)。イベント判定部124は、イベントを検出しなければ(S12のN)、待機する。イベント判定部124は、イベントを検出すれば(S12のY)、イベント情報を生成する(S14)。
【0035】
ナビゲーション装置200の受信部310はイベント情報を受信する(S16)。ルート案内中であり(S18のY)、案内中のルートが渋滞中でなく(S20のN)、減速がされておらず(S22のN)、信号が黄または赤ではなく(S24のN)、進行方向100m以内に交差点がなく(S26のN)、Zone30ではなく(S28のN)、緊急警告がなく(S30のN)、10分間に5回以上の車線変更がなされ(S32のY)、サイド、フロントにドライブレコーダ100を接続している場合(S38のY)、判定部314は第1警告を実行する(S36)。
【0036】
ルート案内中でなければ(S18のN)、ステップ20がスキップされる。案内中のルートが渋滞中である場合(S20のY)、あるいは減速がされている場合(S22のY)、信号が黄または赤である場合(S24のY)、進行方向100m以内に交差点がある場合(S26のY)、Zone30である場合(S28のY)、ステップ18に戻る。緊急警告がある場合(S30のY)、あるいは10分間に5回以上の車線変更がない場合(S32のN)、判定部314は、表示部220の画面に注意を表示させる(S40)。サイド、フロントにドライブレコーダ100を接続していない場合(S38のN)、判定部314は第2警告を実行する(S38)。
【0037】
本実施例によれば、イベント情報を受けつけても、走行情報が車両の減速を示す場合、または周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示す場合に、警告を出力しないので、不要な警告の出力を抑制できる。また、不要な警告の出力が抑制されるので、運転者への注意喚起能力の低下を抑制できる。また、信号機が赤色または黄色である場合、周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すと判定するので、判定精度を向上できる。また、進行方向の一定距離内に交差点が存在する場合、周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すと判定するので、判定精度を向上できる。また、速度規制領域が存在する場合、周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すと判定するので、判定精度を向上できる。
【0038】
また、車両が経路案内中である場合に、案内中の経路において渋滞が発生していれば、警告を出力しないので、不要な警告の出力を抑制できる。また、車両が減速せず、かつ車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況でない場合に、警告を出力するので、運転者に注意を喚起できる。また、緊急警告が発生しているか否かに応じて、警告の出力を変更するので、警告の緊急度を運転者に知らせることができる。また、車両の車線変更の頻度に応じて、警告の出力を変更するので、警告の緊急度を運転者に知らせることができる。
【0039】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の警告装置は、ドライブレコーダとともに車両に搭載される警告装置であって、ドライブレコーダが危険走行を検知した場合に、危険走行を通知するためのイベント情報をドライブレコーダから受信する受信部と、車両の走行状態が示される走行情報と、車両の周辺状況が示される周辺情報とを受けつける入力部と、入力部において受けつけた走行情報と周辺情報とをもとに、受信部において受信したイベント情報に応じた警告を出力するか否かを判定する判定部とを備える。判定部は、入力部において受けつけた走行情報が車両の減速を示す場合、または周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示す場合に、警告を出力しない。
【0040】
この態様によると、イベント情報を受けつけても、走行情報が車両の減速を示す場合、または周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示す場合に、警告を出力しないので、不要な警告の出力を抑制できる。
【0041】
判定部は、周辺情報が進行方向の信号機が赤色または黄色を示す場合、周辺情報が進行方向の一定距離内における交差点の存在を示す場合、周辺情報が速度規制領域の存在を示す場合のうちの少なくとも1つであれば、周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すと判定してもよい。この場合、信号機が赤色または黄色である場合、進行方向の一定距離内に交差点が存在する場合、速度規制領域が存在する場合のうちの少なくとも1つであれば、周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示すと判定するので、判定精度を向上できる。
【0042】
判定部は、車両が経路案内中である場合に、周辺情報が案内中の経路における渋滞の発生を示す場合、警告を出力しない。この場合、車両が経路案内中である場合に、案内中の経路において渋滞が発生していれば、警告を出力しないので、不要な警告の出力を抑制できる。
【0043】
判定部は、入力部において受けつけた走行情報が車両の減速を示さず、かつ周辺情報が車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況を示さない場合に、警告を出力してもよい。この場合、車両が減速せず、かつ車両と他の車両との車間距離が短くなりやすい状況でない場合に、警告を出力するので、運転者に注意を喚起できる。
【0044】
判定部は、車両からの緊急警告が発生しているか否かに応じて、警告の出力を変更してもよい。この場合、緊急警告が発生しているか否かに応じて、警告の出力を変更するので、警告の緊急度を運転者に知らせることができる。
【0045】
判定部は、車両の車線変更の頻度に応じて、警告の出力を変更してもよい。この場合、車両の車線変更の頻度に応じて、警告の出力を変更するので、警告の緊急度を運転者に知らせることができる。
【0046】
警告装置を搭載してもよい。
【0047】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。実施例は例示であり、それらの各構成要素または各処理プロセスの組み合わせに、いろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0048】
本実施例における判定部314は、警告を出力しないことを次のように判定してもよい。判定部314は、地図データから制限速度情報を抽出し、車速が制限速度以下での走行状態であれば、警告を出力しなくてもよい。本変形例によれば、制限速度以下の走行では車間距離が短くなることは一般的であるので、警告を出力しないことによって、不要な警告の出力を抑制できる。
【0049】
本実施例における警告部300は、イベント情報を受信した場合に、別のドライブレコーダ100にイベント情報を送信してもよい。例えば、リアのドライブレコーダ100でイベントが発生した場合に、フロントのドライブレコーダ100でも録画を開始させる。本車両の後ろを走行していた他の車両が本車両の前に回り込む場合がある。リアのドライブレコーダ100もフロントのドライブレコーダ100の両方で検知していると処理量が増加するので、警告部300において通知することによって、処理量を低減できる。
【符号の説明】
【0050】
100 ドライブレコーダ、 110 撮像部、 112 マイクロフォン、 114 映像処理部、 116 記録部、 120 測位部、 122 センサ、 124 イベント判定部、 126 送信部、 200 ナビゲーション装置、 210 走行情報取得部、 212 周辺情報取得部、 214 ナビゲーション処理部、 220 表示部、 222 スピーカ、 224 外部機器、 300 警告部、 310 受信部、 312 入力部、 314 判定部、 1000 警告システム。
図1
図2
図3