(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】防災機器
(51)【国際特許分類】
G08B 17/10 20060101AFI20241017BHJP
【FI】
G08B17/10 H
(21)【出願番号】P 2019096911
(22)【出願日】2019-05-23
【審査請求日】2022-04-14
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100169074
【氏名又は名称】古城 有史
(72)【発明者】
【氏名】鷲頭 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】土肥 学
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】馬場 慎
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-36488(JP,A)
【文献】意匠登録第1332979(JP,S)
【文献】特開平2-257399(JP,A)
【文献】特開2019-16266(JP,A)
【文献】特開2006-215865(JP,A)
【文献】特開平8-180273(JP,A)
【文献】特開2001-14570(JP,A)
【文献】特開2019-168914(JP,A)
【文献】特開2013-54455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-17/12
G08B 23/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災機器であって、
外カバーと、
前記防災機器における少なくとも一部を発光させることにより、情報を出力する発光手段と、
検出対象の物理量を検出するための検出素子を収容する導光性の保護手段であって、前記外カバーから突出している前記保護手段と、
前記外カバーにおける他の部分よりも薄い部分である薄肉部と、を備え、
前記保護手段は、前記発光手段からの光を前記保護手
段へ入射させると共に前記
薄肉部へ入射させる分光部、を備え
前記発光手段の発光情報が、前記保護手段及び前記
薄肉部を介して外部から視認される、
防災機器。
【請求項2】
前記
薄肉部の発光面は、前記外カバーの正面部側から前記外カバーの側面部側にわたっており、
前記
薄肉部の発光面は、前記外カバーの前記正面部側から見たときに、直線形状又は曲線形状である、
請求項1に記載の防災機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井等に設置されて火災による熱を検出する感知器が知られていた(例えば、特許文献1参照)。この感知器においては、外カバーに設けられている表示灯を発光させることにより、感知器の又は監視領域の状態を報知していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の感知器の表示灯については、外カバーにおける突出しているプロテクタ(例えば、サーミスタを保護する部分)の隣に設けられていたので、感知器を視認する方向に応じて、当該プロテクタに視界が遮られる可能性があった。従って、所定の基準(例えば、感知器が設置されている部屋の出入口から感知器の表示灯を視認できるように設置するという規準等)に基づいて感知器の設置向きを厳格に管理する必要があり、手間となっていた。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、発光状態の視認性を向上させることが可能となる防災機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の防災機器は、防災機器であって、外カバーと、前記防災機器における少なくとも一部を発光させることにより、情報を出力する発光手段と、検出対象の物理量を検出するための検出素子を収容する導光性の保護手段であって、前記外カバーから突出している前記保護手段と、前記外カバーにおける他の部分よりも薄い部分である薄肉部と、を備え、前記保護手段は、前記発光手段からの光を前記保護手段へ入射させると共に前記薄肉部へ入射させる分光部、を備え前記発光手段の発光情報が、前記保護手段及び前記薄肉部を介して外部から視認される。
【0007】
また、請求項2に記載の防災機器は、請求項1に記載の防災機器において、前記薄肉部の発光面は、前記外カバーの正面部側から前記外カバーの側面部側にわたっており、前記薄肉部の発光面は、前記外カバーの前記正面部側から見たときに、直線形状又は曲線形状である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の防災機器によれば、例えば、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】実施の形態1における感知器の斜視図である。
【
図6】実施の形態2における感知器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明に係る防災機器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0032】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、防災機器に関するものである。
【0033】
「防災機器」とは、防災のために用いられる機器であり、例えば、監視領域の異常を検出する機器等を含む概念であり、一例としては、熱感知器、火災感知器、ガス感知器、及び煙感知器等を含む概念である。また、「防災機器」とは、例えば、外カバー、及び発光手段を備えており、任意で、導光手段、及び薄肉部を備える。
【0034】
「監視領域」とは、防災機器による監視の対象となっている領域であり、具体的には、一定の広がりを持った空間であり、例えば、建築物の部屋(例えば、1階の部屋A、1階の部屋B等)、廊下、階段等を含む概念である。また、「監視領域の異常」とは、監視領域の状態が通常とは異なっている状態であることであり、具体的には、火災発生、ガス漏れ等を含む概念である。
【0035】
「外カバー」とは、例えば、防災機器の構成要素の少なくとも一部を覆うものである。
【0036】
「発光手段」とは、防災機器における少なくとも一部を発光させることにより、情報を出力する手段であり、例えば、検出対象の物理量を検出するための検出素子を収容する検出素子保護手段であって、カバーから突出している検出素子保護手段を発光させるもの等を含む概念である。また、「発光手段」とは、例えば、導光手段を発光させるもの等を含む概念であり、また、薄肉部を発光させるもの等を含むが概念である。なお、発光手段が発光させる対象は、例えば、検出素子保護手段、導光手段、又は薄肉部のうちの、いずれか1つのみであってもよく、あるいは、何れかの2つであってもよく、あるいは、全てであってもよい。
【0037】
「検出対象の物理量」とは、例えば、監視領域の異常に起因して発生又は変化し得る量であり、一例としては、熱による温度、煙濃度、一酸化炭素ガス等の気体の濃度等を含む概念である。「検出素子」とは、検出対象の物理量を検出するための構成要素であり、例えば、サーミスタの如き温度センサ、発光ダイオード及びフォトダイオード等にて構成される煙センサ、及びガスセンサ等を含む概念である。
【0038】
「検出素子保護手段」とは、検出素子を収容するものであり、具体的には、外カバーから突出しているもの等を含む概念であり、例えば、発光手段からの光を導光して発光するもの等を含む概念であり、一例としては、サーミスタを保護するサーミスタガード等を含む概念である。
【0039】
「導光手段」とは、外カバーの少なくとも一部に形成されているものであり、例えば、光を導いて発光するもの等を含む概念であり、また、当該導光手段の発光面がカバーの正面部側から外カバーの側面部側にわたっているもの等を含む概念であり、また、当該導光手段の発光面が外カバーの正面部側から見たときに直線形状又は曲線形状のもの等を含む概念であり、また、外カバーにおける操作孔であって、防災機器を操作するための操作孔に対応する位置に設けられているもの等を含む概念である。なお、「防災機器を操作する」とは、例えば、ユーザが防災機器を物理的に操作すること等を含む概念であり、一例としては、操作孔に対して所定の治具を挿入した状態で当該防災機器を、取付部に対して回動させること等を含む概念である。また、「導光手段の発光面」とは、例えば、導光手段における防災機器の外部に露出する面であって、利用者に視認される面等を含む概念である。
【0040】
「薄肉部」とは、外カバーにおける厚さが他の部分に比べ相対的に薄い部分であり、例えば、照射された光のうちの少なくとも一部を透過可能な程度に薄い部分等を含む概念であり、また、当該薄肉部の発光面が外カバーの正面部側から外カバーの側面部側にわたっている部分等を含む概念であり、また、当該薄肉部の発光面が外カバーの正面部側から見たときに直線形状又は曲線形状の部分等を含む概念である。ここで、「薄肉部の発光面」とは、薄肉部において、発光部の発光が透過する領域であって防災機器の外部に露出した部分、即ち利用者に発光していることが視認される面領域を含む概念である。
【0041】
そして、以下に示す各実施の形態では、「防災機器」が熱感知器である場合について説明し、特に、実施の形態1においては、検出素子保護手段及び導光手段を発光させる場合について説明し、また、実施の形態2においては、検出素子保護手段及び薄肉部を発光させる場合について説明する。
【0042】
[実施の形態の具体的内容]
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0043】
(実施の形態1)
初めに、実施の形態1について説明する。この実施の形態においては、検出素子保護手段及び導光手段を発光させる場合について説明する。
【0044】
(構成-感知器)
まず、本実施の形態に係る感知器の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における感知器の斜視図であり、
図2は、感知器の平面図であり、
図3は、感知器の側面図であり、
図4は、
図2のA‐A断面図である。なお、各図では、Z軸が垂直方向を示しており、Z軸と直交するX軸及びY軸が水平方向を示していることとして説明する。また、例えば、「正面部」、「背面部」、及び「側面部」については、感知器100の一部を称する用語であることとして説明する。具体的には、感知器100を天井面である取付対象900に設置した場合において、感知器100における床面側(感知器100を基準として取付対象900の反対側)(
図3の-Z方向)に位置するほうを「正面部」と称し、感知器100における天井面である取付対象900に面するほう(
図3の+Z方向)を「背面部」とする。そして、感知器100における「正面部」と「背面部」に繋がる周面を「側面部」とする。なお、これらの「正面部」、「背面部」、及び「側面部」の定義については、実施の形態2でも同様とする。
【0045】
図1~
図4の各図の感知器1は、防災機器であり、具体的には、熱を検出する熱感知器であり、例えば、天井面である取付対象900に対して
図3の感知器100の取付部101(例えば、所謂「感知器ベース」。詳細構造の図示は省略)を介して取り付けられるものであり、一例としては、
図1の外カバー11、保護部12、防止部13、
図4のサーミスタ14、発光部15を備える。
【0046】
(構成-感知器-外カバー)
図1の外カバー11は、感知器100の構成要素の少なくとも一部を覆うものである。この外カバー11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、
図3に示すように、取付部101から離れても同径の円筒状の部分と、取付部101から離れるにつれて小径となるテーパー形状の部分とを備えるものであり、また、特記する部分を除いて遮光性を有するものであり、また、
図2の導光部111、及び操作孔112を備えるものである。なお、「遮光性」とは、光を遮る性能であり、例えば、外カバー11における内側から外側に対して光を通さない性能等を示す概念である。
【0047】
導光部111とは、前述の導光手段である。この導光部111の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、外カバー11の一部に形成されているものであり、また、光を導いて発光するライトガイドとして機能するために任意の材料にて形成されるものであり、また、外カバー11における遮光性を有する部分とは別体として形成されているものであり、また、外カバー11における内側から外側に対して光を通すものである。また、導光部111は、例えば、当該導光部111の発光面(
図2及び
図3で図示されている感知器100の外部に対して露出している面)が外カバー11の正面部側(-Z方向)から外カバー11の側面部側(+X方向又は-X方向)にわたっているものであり、また、2個設けられているものであり、また、
図2に示すように、当該導光部111の発光面が外カバー11の正面部側から見たときに直線形状のものであり、また、操作孔112の位置に対応する位置に設けられているものである。
【0048】
操作孔112とは、前述の操作孔である。この操作孔112の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、前述の所定の治具を挿通できるように、外カバー11の内部に通じている孔である。
【0049】
(構成-感知器-保護部)
図1の保護部12は、前述の検出素子保護手段である。この保護部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、外カバー11の一部に形成されているものであり、また、光を導いて発光するライトガイドとして機能するために任意の材料にて形成されるものであり、また、外カバー11における遮光性を有する部分とは別体として形成されているものであり、また、外カバー11における内側から外側に対して光を通すものである。また、保護部12は、例えば、
図4のサーミスタ14を保護するものであり、また、当該サーミスタ14を収容するための中空部を有するものであり、外カバー11から取付部101の反対側(-Z方向)に向かって突出しているものであり、また、外カバー11が広がっている方向(XY平面に平行な方向)において当該外カバー11の中央に設けられているものであり、また、導光部111と一体的に形成されているものである。また、保護部12は、例えば、
図1のフレーム部121、開口部122、及び
図4の分光部123を備えるものである。
【0050】
フレーム部121は、例えば、保護部12の少なくとも一部の外形を形成す部分であり、また、感知器100における先端部分(-Z方向)を形成する1個の円形部材と、当該円形部材と外カバー11との間において当該円形部材を支持している6個の支持部材とを備える部分である。
【0051】
開口部122は、例えば、保護部12の中空部に設けられているサーミスタ14に対して熱気流を流入又は流出させる部分であり、また、前述のフレーム部121の6個の支持部材で区切られて6個設けられている部分である。
【0052】
分光部123は、例えば、発光部15から出力される光を屈折、分散、又は反射させる部分であり、また、発光部15と対向している部分である。
【0053】
(構成-感知器-防止部)
図1の防止部13は、保護部12に収容されているサーミスタ14に対して接触対象が接触することを防止する防止手段である。なお、「接触対象」とは、接触することが防止部13によって防止される対象であり、例えば、ユーザの指等を含む概念である。この防止部13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、開口部122に設けられている突起である。
【0054】
(構成-感知器-サーミスタ)
図4のサーミスタ14は、前述の検出素子である。このサーミスタ14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、熱又は熱気流による温度を検出するものであり、また、外カバー11が広がっている方向に対して直交する方向(Z軸方向)において突出しているものであり、保護部12に収容されているものである。
【0055】
(構成-感知器-発光部)
図4の発光部15は、前述の発光手段である。この発光部15の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、導光部111、及び保護部12を発光させるものであり、また、分光部123に向かって光を出力するものであり、また、発光ダイオード等を用いて構成することができるものである。
【0056】
(発光)
次に、このように構成される感知器100による発光について説明する。なお、感知器100が発光するタイミングは任意であり、例えば、感知器100の状態を報知する場合、あるいは、感知器100がサーミスタ14で検出した熱の温度に基づいて火災を判定した場合等の任意のタイミングが想定される。なお、感知器100が火災を判定する処理は、従来と同様の処理を適用することができるので、その説明は省略する。
図5は、
図4において光路を例示した図である。
【0057】
図5の感知器100の不図示の制御部が発光部15から光を出力する。この場合、導光部111と保護部12は一体に形成されており、当該発光部15からの光は、分光部123にて屈折、分散、又は反射されて、
図5に示すように、導光部111及び保護部12全体に導光される。なお、
図5では、説明の便宜上、図面左側の発光部15からの光の光路のみが図示されているが、実際には、図面右側の発光部15からも光が出力されて、導光部111及び保護部12全体に導光されることになる。そして、
図1の導光部111及び保護部12全体が発光することになる。このように発光させることにより、感知器100が設置されている部屋のあらゆる位置から、感知器100の発光を視認することが可能となる。
【0058】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、外カバー11から突出している保護部12を発光させることにより、例えば、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。特に、例えば、あらゆる方向から発光状態を視認させることが可能となる。
【0059】
また、保護部12は発光部15からの光を導光して発光することにより、例えば、保護部12全体を発光させることができるので、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。
【0060】
また、導光部111を発光させることにより、例えば、保護部12に加えて導光部111も発光させることができるので、発光状態の視認性を更に向上させることが可能となる。
【0061】
また、導光部111が外カバー11の正面部側から外カバー11の側面部側にわたっていることにより、例えば、感知器100から離れており正面側が見え難い位置からも、発光状態を確実に視認させることが可能となる。また、導光部111の発光面が外カバー11の正面部側から見たときに直線形状であるので、例えば、感知器100の意匠性を向上させることが可能となる。
【0062】
また、導光部111が操作孔112に対応する位置に設けられていることにより、例えば、導光部111側にユーザの注意をひくことによって、操作孔112を目立たち難くすることが可能となる。
【0063】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態においては、検出素子保護手段及び薄肉部を発光させる場合について説明する。なお、この実施の形態2の各構成については、特記する場合を除いて、実施の形態1の同一名称の各構成と同様であることとする。
【0064】
(構成-感知器)
まず、本実施の形態に係る感知器の構成について説明する。
図6は、本発明の実施の形態における感知器の斜視図であり、
図7は、感知器の平面図であり、
図8は、感知器の側面図であり、
図9は、
図7のB‐B断面図である。各図の感知器200は、防災機器であり、具体的には、熱を検出する熱感知器であり、例えば、天井面である取付対象900に対して
図8の感知器200の取付部201を介して取り付けられているものであり、一例としては、
図6の外カバー21、保護部22、防止部23、
図9のサーミスタ24、発光部25を備える。
【0065】
(構成-感知器-外カバー)
図6の外カバー21は、感知器200の構成要素の少なくとも一部を覆うものである。この外カバー21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、光を全部又は一部のみ遮るものであり、また、
図7の薄肉部211を備えるものである。
【0066】
薄肉部211とは、外カバー21における他の部分よりも薄い部分である。この薄肉部211の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、照射された光のうちの少なくとも一部を透過可能な程度に薄い部分(つまり、照射された光のうちの一部のみを遮光する程度に薄い部分)であり、また、外カバー21における他の部分と一体的に形成されている部分であり、また、当該薄肉部211の発光面(
図7及び
図8の感知器200の外部に対して露出している面であって、説明の便宜上破線で囲まれて図示されている部分に対応する面)が外カバー21の正面部側(-Z方向)から外カバー21の側面部側(+X方向又は-X方向)にわたっているものであり、また、2個設けられているものであり、また、
図7に示すように、当該薄肉部211の発光面が外カバー21の正面部側から見たときに直線形状のものである。
【0067】
なお、「外カバー21における他の部分」とは、外カバー21の一部であり、具体的には、外カバー21における薄肉部211以外の部分であり、例えば、照射された光のうちの略全部を遮光する程度の厚みとなっている部分である。
【0068】
(構成-感知器-保護部)
図6の保護部22は、前述の検出素子保護手段である。この保護部22の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、外カバー21の一部に形成されているものであり、また、光を導いて発光するライトガイドとして機能するために任意の材料にて形成されるものであり、また、外カバー21における遮光性を有する部分とは別体として形成されているものであり、また、外カバー21における内側から外側に対して光を通すものである。また、保護部22は、例えば、
図9のサーミスタ24を保護するものであり、また、
図6のフレーム部221、開口部222、及び
図9の分光部223を備えるものである。なお、フレーム部221、開口部222、及び分光部223の構成は、実施の形態1の同一名称の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0069】
(構成-感知器-防止部、サーミスタ、発光部)
図6の防止部23、
図9のサーミスタ24、及び発光部25の構成は、実施の形態1の同一名称の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
(発光)
次に、このように構成される感知器200による発光について説明する。
図10は、
図9において光路を例示した図である。
【0071】
図10の感知器200の不図示の制御部が発光部25から光を出力する。この場合、当該発光部25からの光は、分光部223にて屈折、分散、又は反射されて、
図10に示すように、薄肉部211全体に照射され、また、保護部22全体に導光される。なお、
図10では、説明の便宜上、図面左側の発光部25からの光の光路のみが図示されているが、実際には、図面右側の発光部25からも光が出力されて、薄肉部211全体に照射され、また、保護部22全体に導光されることになる。そして、
図7の薄肉部211及び保護部22全体が発光することになる。このように発光させることにより、感知器200が設置されている部屋のあらゆる位置から、感知器200の発光を視認することが可能となる。
【0072】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、薄肉部211を発光させることにより、例えば、ライトガイド等の他の部品を用いることが不要となるので、部品点数を減らすことができ、低コスト化を図ることが可能となる。
【0073】
また、薄肉部211の発光面が外カバー21の正面部側から外カバー21の側面部側にわたっていることにより、例えば、感知器200から離れており正面側が見え難い位置からも、発光状態を確実に視認させることが可能となる。また、薄肉部211の発光面が外カバー21の正面部側から見たときに直線形状であるので、例えば、感知器200の意匠性を向上させることが可能となる。
【0074】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0075】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0076】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0077】
(導光部及び薄肉部について)
また、実施の形態1では、
図2に示すように、導光部111の発光面が外カバー21の正面部側から見たときに直線形状である場合について説明したが、これに限らない。
図11は、感知器の平面図である。この
図11の感知器300の導光部311のように、当該導光部311の発光面(
図11で図示されている感知器300の外部に対して露出している面)が、外カバー21の正面部側から見たときに曲線形状(例えば、全体としてはS字形状)としてもよい。また、実施の形態2の
図7の薄肉部211についても、同様にして、曲線形状(例えば、全体としてはS字形状)としてもよい。
【0078】
また、各実施の形態では、導光部及び薄肉部が2個ずつ設けられている場合について説明したが、これに限らない。例えば、1個ずつ設けてもよいし、又は、3個以上ずつ設けてもよい。あるいは、導光部及び薄肉部を省略してもよい。また、保護部、導光部、薄肉部に対応する発光部の数や配置も任意である。
【0079】
(発光部による発光対象について)
また、上記各実施の形態では、
図2の保護部12及び
図7の保護部22を発光させる場合について説明したが、これに限らない。例えば、保護部12、22を遮光性を有する部材にて形成することにより、
図2の導光部111、
図7の薄肉部211のみが発光部15、25からの光で発光するように構成してもよい。
【0080】
(様々な形状の防災機器への適用について)
また、上記各実施の形態又は変形例に記載の技術を、様々な防災機器に適用してもよい。一例としては、様々な形状の煙感知器に適用してもよい。具体的には、外カバーから突出する一部に検煙部を収容する煙感知器(以下、第1煙感知器)に適用してもよく、あるいは、外カバー全体が円盤形状を呈してフラットになっており、突出部分を有さずに当該フラットになっている外カバー内に検煙部を収容する煙感知器(以下、第2煙感知器)に適用してもよい。そして、第1煙感知器に適用する場合、各実施の形態で説明した場合と同様にして、突出する一部を検出素子保護手段として発光させてもよいし、あるいは、導光部又は薄肉部を設けてこれら各部を発光させるように構成してもよい。また、第2煙感知器に適用する場合、突出する部分が存在せず検出素子保護手段に対応する構成が設けられていないので、導光部又は薄肉部の何れか一方のみ、あるいは、両方を設けて、導光部又は薄肉部を発光させるように構成してもよい。また、煙感知器以外の任意の防災機器に対して、ここで説明した概念を適用してもよい。
【0081】
(特徴について)
また、上記各実施の形態の構成、及び変形例の特徴を、任意に組み合わせてもよい。例えば、
図2の感知器100における外カバー11に対して薄肉部を設けて、導光部111と共に当該薄肉部を発光させるように構成してもよいし、あるいは、
図7の感知器200における外カバー11に対して導光部を設けて、薄肉部211と共に導光部を発光させるように構成してもよい。この場合も両者の配置や数は任意とする。
【0082】
(付記)
付記1に記載の防災機器は、防災機器であって、外カバーと、前記防災機器における少なくとも一部を発光させることにより、情報を出力する発光手段と、を備え、前記発光手段は、少なくとも、検出対象の物理量を検出するための検出素子を収容する検出素子保護手段であって、前記外カバーから突出している前記検出素子保護手段を発光させる。
【0083】
付記2の防災機器は、付記1に記載の防災機器において、前記検出素子保護手段は、前記発光手段からの光を導光して発光する。
【0084】
付記3の防災機器は、付記1又は2に記載の防災機器において、前記外カバーの少なくとも一部に形成されている導光手段、を備え、前記発光手段は、前記導光手段を発光させる。
【0085】
付記4の防災機器は、付記3に記載の防災機器において、前記導光手段の発光面は、前記外カバーの正面部側から前記外カバーの側面部側にわたっており、前記導光手段の発光面は、前記外カバーの前記正面部側から見たときに、直線形状又は曲線形状である。
【0086】
付記5の防災機器は、付記3又は4に記載の防災機器において、前記導光手段は、前記外カバーにおける操作孔であって、前記防災機器を操作するための前記操作孔に対応する位置に設けられている。
【0087】
付記6の防災機器は、付記1から5の何れか一項に記載の防災機器において、前記発光手段は、前記外カバーにおける他の部分よりも薄い部分である薄肉部を発光させる。
【0088】
付記7の防災機器は、付記6に記載の防災機器において、前記薄肉部の発光面は、前記外カバーの正面部側から前記外カバーの側面部側にわたっており、前記薄肉部の発光面は、前記外カバーの前記正面部側から見たときに、直線形状又は曲線形状である。
【0089】
付記8の防災機器は、付記1から7の何れか一項に記載の防災機器において、前記防災機器は、少なくとも、熱感知器であり、前記検出素子保護手段は、少なくとも、サーミスタガードである。
【0090】
付記9の防災機器は、防災機器であって、外カバーと、前記防災機器における少なくとも一部を発光させることにより、情報を出力する発光手段と、を備え、前記発光手段は、少なくとも、前記外カバーの少なくとも一部に形成されている導光手段を発光させ、前記導光手段の発光面は、前記外カバーの正面部側から前記外カバーの側面部側にわたっている。
【0091】
付記10の防災機器は、付記9に記載の防災機器において、前記導光手段の発光面は、前記外カバーの前記正面部側から見たときに、直線形状又は曲線形状である。
【0092】
付記11の防災機器は、防災機器であって、外カバーと、前記防災機器における少なくとも一部を発光させることにより、情報を出力する発光手段と、を備え、前記発光手段は、少なくとも、前記外カバーにおける他の部分よりも薄い部分である薄肉部を発光させ、前記薄肉部の発光面は、前記外カバーの正面部側から前記外カバーの側面部側にわたっている。
【0093】
付記12の防災機器は、付記11に記載の防災機器において、前記薄肉部の発光面は、前記外カバーの前記正面部側から見たときに、直線形状又は曲線形状である。
【0094】
(付記の効果)
付記1に記載の防災機器によれば、外カバーから突出している検出素子保護手段を発光させることにより、例えば、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。特に、例えば、あらゆる方向から発光状態を視認させることが可能となる。
【0095】
付記2に記載の防災機器によれば、検出素子保護手段は発光手段からの光を導光して発光することにより、例えば、検出素子保護手段全体を発光させることができるので、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。
【0096】
付記3に記載の防災機器によれば、導光手段を発光させることにより、例えば、検出素子保護手段に加えて導光手段も発光させることができるので、発光状態の視認性を更に向上させることが可能となる。
【0097】
付記4に記載の防災機器によれば、導光手段の発光面が外カバーの正面部側から外カバーの側面部側にわたっていることにより、例えば、防災機器から離れており正面側が見え難い位置からも、発光状態を確実に視認させることが可能となる。また、導光手段の発光面が外カバーの正面部側から見たときに直線形状又は曲線形状であるので、例えば、防災機器の意匠性を向上させることが可能となる。特に、導光手段の発光面を外カバーの正面部側から見たときに曲線形状とした場合には、例えば防災機器が天井面に設置された状態において、床面側から発光面を視認できる範囲を、直線形状とした場合に比べて広くすることが可能となる。
【0098】
付記5に記載の防災機器によれば、導光手段が操作孔に対応する位置に設けられていることにより、例えば、導光手段側にユーザの注意をひくことによって、操作孔を目立たち難くすることが可能となる。
【0099】
付記6に記載の防災機器によれば、薄肉部を発光させることにより、例えば、ライトガイド等の他の部品を用いることが不要となるので、部品点数を減らすことができ、低コスト化を図ることが可能となる。
【0100】
付記7に記載の防災機器によれば、薄肉部の発光面が外カバーの正面部側から外カバーの側面部側にわたっていることにより、例えば、防災機器から離れており正面側が見え難い位置からも、発光状態を確実に視認させることが可能となる。また、薄肉部の発光面が外カバーの正面部側から見たときに直線形状又は曲線形状であるので、例えば、防災機器の意匠性を向上させることが可能となる。特に、薄肉部を外カバーの正面部側から見たときに曲線形状とした場合には、更に、例えば防災機器が天井面に設置された状態において、床面側から発光面を視認できる範囲を、直線形状とした場合に比べて広くすることが可能となり、また、複数の防災機器を設置した場合に、発光面の向きがばらついている印象を緩和することができる。
【0101】
付記8に記載の防災機器によれば、防災機器は少なくとも熱感知器であることにより、例えば、あらゆる方向から発光状態を視認させることができる熱感知器を提供することが可能となる。
【0102】
付記9に記載の防災機器によれば、導光手段を発光させることにより、例えば、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。また、導光手段の発光面が外カバーの正面部側から外カバーの側面部側にわたっていることにより、例えば、防災機器から離れており正面側が見え難い位置からも、発光状態を確実に視認させることが可能となる。
【0103】
付記10に記載の防災機器によれば、導光手段の発光面が外カバーの正面部側から見たときに直線形状又は曲線形状であるので、例えば、防災機器の意匠性を向上させることが可能となる。特に、導光手段の発光面を外カバーの正面部側から見たときに曲線形状とした場合には、更に、例えば防災機器が天井面に設置された状態において、床面側から発光面を視認できる範囲を、直線形状とした場合に比べて広くすることが可能となり、また、複数の防災機器を設置した場合に、発光面の向きがばらついている印象を緩和することができる。
【0104】
付記11に記載の防災機器によれば、薄肉部を発光させることにより、例えば、発光状態の視認性を向上させることが可能となる。また、例えば、ライトガイド等の他の部品を用いることが不要となるので、部品点数を減らすことができ、低コスト化を図ることが可能となる。また、薄肉部の発光面が外カバーの正面部側から外カバーの側面部側にわたっていることにより、例えば、防災機器から離れており正面側が見え難い位置からも、発光状態を確実に視認させることが可能となる。
【0105】
付記12に記載の防災機器によれば、薄肉部の発光面が外カバーの正面部側から見たときに直線形状又は曲線形状であるので、例えば、防災機器の意匠性を向上させることが可能となる。特に、薄肉部の発光面を外カバーの正面部側から見たときに曲線形状とした場合には、更に、例えば防災機器が天井面に設置された状態において、床面側から薄肉部の発光を視認できる範囲を、直線形状とした場合に比べて広くすることが可能となり、また、複数の防災機器を設置した場合に、薄肉部の向きがばらついている印象を緩和することができる。
【符号の説明】
【0106】
11 外カバー
12 保護部
13 防止部
14 サーミスタ
15 発光部
21 外カバー
22 保護部
23 防止部
24 サーミスタ
25 発光部
100 感知器
101 取付部
111 導光部
112 操作孔
121 フレーム部
122 開口部
123 分光部
200 感知器
201 取付部
211 薄肉部
221 フレーム部
222 開口部
223 分光部
300 感知器
311 導光部
900 取付対象