(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】暖房装置
(51)【国際特許分類】
F24H 3/04 20220101AFI20241017BHJP
F23K 5/04 20060101ALI20241017BHJP
F23K 5/22 20060101ALI20241017BHJP
F23N 5/00 20060101ALI20241017BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20241017BHJP
F24H 15/36 20220101ALI20241017BHJP
【FI】
F24H3/04 302
F23K5/04 C
F23K5/22
F23N5/00 B
F23N5/24 101E
F24H15/36
(21)【出願番号】P 2020140361
(22)【出願日】2020-08-21
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】霜島 敏之
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-013007(JP,A)
【文献】実開平06-055038(JP,U)
【文献】特開2017-180928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 3/04, 15/00 ー 15/493
F23K 5/04
F23K 5/22
F23N 5/00
F23N 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を貯留するタンクと、
前記タンクから供給された液体燃料を貯留する燃料受皿部と、
前記燃料受皿部上に配置された気化器への液体燃料を供給する電磁ポンプと、
室温を温度設定手段で設定した室温に維持するように暖房運転を行う通常運転モードと、エアコンを併用して暖房運転を行うエアコン併用モードと、に切り換える運転切換手段と、
前記通常運転モード
において、室温検知手段で検知した室温と前記温度設定手段で設定した設定温度との差からバーナの火力を決定し
、前記エアコン併用モードにおいて、前記バーナの火力を最大火力に決定して前記バーナの燃焼を制御する制御部と、
を備えた暖房装置であって、
前記制御部は、
前記エアコン併用モードにおいて、油面検知手段で前記燃料受皿部の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、前記電磁ポンプによる液体燃料供給量を最大火力になる状態にしたまま、予め設定された前記電磁ポンプのパルス出力回数に到達するまで燃焼させた後、給油を停止させ、
前記通常運転モードにおいて、前記油面検知手段で前記燃料受皿部の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、前記電磁ポンプによる液体燃料供給量を低下させて、予め設定した時間だけ液体燃料を供給して燃焼させた後、給油を停止させること、
を特徴とする暖房装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記エアコン併用モードの場合に前記油面検知手段で燃料受皿部の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したときに、使用者がエアコン併用モード運転時間設定手段で設定した時間に到達するまで、または、前記電磁ポンプのパルス出力回数が規定回数に到達するまで最大火力で燃焼させること、
を特徴とする請求項1に記載の暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、灯油等の液体燃料を燃焼部で燃焼させることで暖房する暖房装置において、燃料の燃焼可能な時間を表示手段(8)に表示して、使用者に燃料切れの時間を知らせるようにした暖房装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この他、油受皿(3)の油面高さが所定値以下に低下になったことを油面センサ(11)が検知してから燃料停止までの燃料残り時間を表示部(8)にデジタル表示させる暖房装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献2に記載の燃焼器具の制御装置は、表示切換手段(20)によって、表示部(8)に燃料残り時間を始め分単位で表示させた後、予め設定した時間になると秒単位の表示に切り換えている。そして、その制御装置は、燃焼残り時間が0になると燃焼停止手段(19)によって燃焼を停止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-322055号公報
【文献】特開2002-31339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1,2に記載されている暖房装置は、使用者に燃料切れの時間を知らせるようにして、使用者に消火するタイミングを単に分かるようにした装置である。特に、特許文献2に記載の暖房装置の燃焼量制限手段(18)は、灯油が所定量以下になったことを油面センサ(11)で検出すると、燃焼量が所定の燃焼量以下になるように燃焼部(5)を制御している。このため、暖房装置は、油受皿内の灯油が無くなるギリギリまで強い火力で暖房運転することができない構造になっていた。
【0007】
そのため、室温の低い部屋を室内に設置されたセパレート型エアコン(以下、適宜「エアコン」という)と、灯油等の液体燃料を燃焼部で燃焼させることで暖房する暖房装置とを併用して暖房運転を開始する場合、暖房装置内の灯油の残油量が少ないと、暖房運転を開始した直後に暖房装置の燃焼量が所定の燃焼量以下になってしまい、室温の上昇が抑えられる。そして、暖房運転の開始操作をされたエアコンが暖房運転を開始する時点での室温が低い状態なので、エアコンは暖房運転開始時から最大能力で運転を開始し、更に最大能力のまま運転を行うため、電力の消費量が多くなり、部屋が暖まるまでの時間もかかる。
【0008】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、暖房装置内の灯油の残油量が少なくても、運転を停止するまで強火力で暖房運転することができる暖房装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、液体燃料を貯留するタンクと、前記タンクから供給された液体燃料を貯留する燃料受皿部と、前記燃料受皿部上に配置された気化器への液体燃料を供給する電磁ポンプと、室温を温度設定手段で設定した室温に維持するように暖房運転を行う通常運転モードと、エアコンを併用して暖房運転を行うエアコン併用モードと、に切り換える運転切換手段と、前記通常運転モードにおいて、室温検知手段で検知した室温と前記温度設定手段で設定した設定温度との差からバーナの火力を決定し、前記エアコン併用モードにおいて、前記バーナの火力を最大火力に決定して前記バーナの燃焼を制御する制御部と、を備えた暖房装置であって、前記制御部は、前記エアコン併用モードにおいて、油面検知手段で前記燃料受皿部の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、前記電磁ポンプによる液体燃料供給量を最大火力になる状態にしたまま、予め設定された前記電磁ポンプのパルス出力回数に到達するまで燃焼させた後、給油を停止させ、前記通常運転モードにおいて、前記油面検知手段で前記燃料受皿部の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、前記電磁ポンプによる液体燃料供給量を低下させて、予め設定した時間だけ液体燃料を供給して燃焼させた後、給油を停止させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、暖房装置内の灯油の残油量が少なくても、運転を停止するまで強火力で暖房運転することができる暖房装置をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る暖房装置を示す平面図である。
【
図3】燃料タンクと重量センサの設置状態を示す要部分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る暖房装置を示すブロック図である。
【
図5】燃料の使用量を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6A】本発明の暖房装置を通常モードで暖房運転させたときの状態を示すタイミングチャートである。
【
図6B】本発明の暖房装置をエアコン併用モードで暖房運転させたときの状態を示すタイミングチャートである。
【
図7】本発明の実施形態に係る暖房装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8A】本発明の実施形態に係る暖房装置の第1変形例の動作を示すフローチャートである。
【
図8B】本発明の実施形態に係る暖房装置の第2変形例の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図7に基づいて、本発明の実施形態に係る暖房装置100の一例を説明する。
便宜上、前後、左右、上下は、
図1に示す暖房装置100の操作部4がある方向を「前」に基準して説明する。
【0013】
<暖房装置>
図1及び
図2に示す暖房装置100は、暖房装置100が配置されている部屋の温度を通常運転モードと、エアコン併用モードと、の暖房運転機能を有する石油ファンヒータ、あるいは、石油ストーブである。暖房装置100は、
図1~
図3あるいは
図4に示すように、暖房装置本体1と、燃料タンク2と、燃料受皿部3と、操作部4と、表示部6と、バーナ7と、室温検知手段TSと、油面検知手段FSと、重量センサWSと、気化用ヒータH1と、電磁ポンプP1と、燃料用送風機F1と、対流用送風機F2等を備えている。
【0014】
ここで、通常運転モードとは、温度設定ボタン43で設定した室温に維持するように、暖房装置100のみで通常の暖房運転を行うときの暖房運転である。エアコン併用モードは、セパレート型エアコン(以下、適宜「エアコン」という)を併用して暖房運転を行うときに、強火力のモードで暖房運転してエアコンの暖房運転を補助するエアコンアシスト暖房運転である。
【0015】
以下、暖房装置100は、バーナ7で灯油等の液体燃料(以下、適宜単に「燃料」という)を燃焼させて、そのときに発生する熱で温風を生成して、温風で室内に暖房する石油ファンヒータである場合を例に挙げて説明する。
【0016】
<暖房装置本体>
図1または
図2に示すように、暖房装置本体1は、暖房装置100の本体ケース体である。暖房装置本体1は、ベース部材11と、送気装置部12と、外装部材13と、タンク収容部1aと、内底部1bと、タンク収容部1aを開閉自在に閉塞する蓋体14と、操作部4と、表示部6と、バーナ7と、を備えている。
【0017】
図2に示すように、ベース部材11は、暖房装置本体1の下端部を形成する板状部材から成る。
送気装置部12は、燃料用送風機F1によって気化器(図示省略)を介してバーナ7に燃料用空気を送るための箇所である。送気装置部12は、ベース部材11の上部に設けられている。
【0018】
<バーナ>
そのバーナ7は、燃料を燃焼させる燃焼装置である。バーナ7は、暖房装置本体1内の下部に配置されている。バーナ7は、空気供給部(図示省略)に備わる燃焼用ファン(図示せず)によって室内から吸引されて供給される空気と、燃油供給部(図示省略)から供給される燃油と、を予混合して燃焼させる装置である。
【0019】
図2に示すように、外装部材13は、暖房装置本体1の前後左右の外壁部を形成する部材である。外装部材13は、ベース部材11上に被せるように載設された金属製の箱状部材から成る。外装部材13は、ベース部材11に対して下方に向けて、垂直に折り曲げられた状態にプレス加工して形成されている。
【0020】
タンク収容部1aは、燃料タンク2を挿入及び取り出し自在に収容する設置個所である。
内底部1bは、タンク収容部1a内の下方に設けられて、燃料タンク2を支持する燃料受皿部3が設置される箇所である。
【0021】
図1及び
図2に示すように、蓋体14は、タンク収容部1aを開閉自在の閉塞する金属製の板状部材から成る。蓋体14は、暖房装置本体1の上面に、基端部を中心として回動自在に軸支されている。
【0022】
<燃料タンク>
図2及び
図3に示す燃料タンク2は、液体燃料を貯留するタンクである。燃料タンク2は、暖房装置本体1から分離して移動させることが可能な金属製のカートリッジ式タンクから成る。燃料タンク2は、当該燃料タンク2の下部に設けられた口金部20及びキャップ蓋21と、燃料タンク2の上面に設けられた上側取手23と、燃料タンク2の下面に設けられた下側取手24(
図3参照)と、を備えている。
【0023】
図3に示すように、口金部20は、燃料タンク2内の液体燃料を随時に燃料受皿部3に放出するための部材である。口金部20は、燃料タンク2の下部に回動自在に設けられたキャップ蓋21を備えている。
【0024】
キャップ蓋21は、基端部に設けたヒンジ部を中心に燃料タンク2に対して回動可能に取り付けられている。キャップ蓋21の先端側には、キャップ蓋21を燃料タンク2に着脱可能にロックするためのロック部が設けられている。キャップ蓋21の中央部には、燃料タンク2の下面に設けられた開口部(図示省略)に連結される口金(図示省略)が設置されている。
【0025】
図3に示すように、オイルフィルタ22は、液体燃料を浄化する略円筒形状の濾過器である。オイルフィルタ22は、上端部の開口縁部に環状のフランジ形状に形成されたセンサ作動部22aと、センサ作動部22aから下方向に延設された略円筒状の供給口挿入部22bと、を有する樹脂製の部材から成る。オイルフィルタ22は、燃料供給口31dに離脱自在に取り付けられている。
【0026】
<燃料受皿部>
燃料受皿部3は、燃料タンク2から供給された液体燃料を受けて貯留するための部材である。燃料受皿部3は、オイルフィルタ22が着脱自在に挿入される上板部材31と、上板部材31の外周部に連結された下板部材32と、によって略容器状に形成されている。燃料受皿部3は、タンク収容部1aの内底部1bに配置されている(
図2参照)。燃料受皿部3の上板部材31は、センサ設置部31aと、燃料供給口31dと、凹部31c等をプレス成形して有する金属製板部材から成る。
【0027】
センサ設置部31aは、重量センサWSのセンサベースWS4が載設させるセンサ設置面31bに連続する平坦な面から成る箇所である。センサ設置部31aには、燃料受皿部3のセンサ設置面31bから所定の高さH1だけ段差状に下がって形成されて、重量センサWSとの間に隙間を形成するための凹部31cが形成されている。
【0028】
凹部31cは、重量センサWSの先端部寄りの位置の下側に、所定の大きさの隙間を形成するための窪みである。凹部31cは、横幅が重量センサWSの横幅よりも幅広に形成されて、凹部31c内の重量センサWSの先端部側が没入可能な幅に形成されている。
【0029】
図3に示すように、燃料供給口31dは、略円筒状の設置孔で、オイルフィルタ22(口金部20)が着脱自在に挿入され、さらにオイルフィルタ22に口金部20が着脱自在に挿入されるものである。
【0030】
図2に示すように、下板部材32は、上板部材31の下側に固定される略容器形状の金属製板部材である。下板部材32の中央部には、中央部側に向かって段差状に窪んで形成された燃料貯留部32aと、油面検知手段FSを設置するための段差部32bと、を有している。下板部材32の外周縁部は、上板部材31の外周部を囲むように折り曲げて連結されている。
【0031】
<操作部>
図4に示すように、操作部4は、複数のスイッチを配置された操作盤である。操作部4には、運転/停止ボタン41(運転/停止手段)と、運転切換ボタン42(運転切換手段)と、温度設定ボタン43(温度設定手段)と、エアコン併用モード運転時間設定ボタン44(エアコン併用モード運転時間設定手段)と、通常運転モード運転時間設定ボタン45等のスイッチが設けられている。操作部4は、例えば、プッシュスイッチ、タッチスイッチ等から成る前記複数のスイッチを備えた操作パネルから構成されている。操作部4は、暖房装置本体1の前面の上部に配置されている(
図1及び
図2参照)。
【0032】
<運転/停止ボタン>
図1及び
図4に示す運転/停止ボタン41(運転/停止手段)は、暖房装置100を始動させたり、暖房装置100の運転を停止させたりするための電源スイッチである。運転/停止ボタン41は、例えば、操作部4の右端部に配置されている。
【0033】
<運転切換ボタン>
運転切換ボタン42(運転切換手段)は、暖房装置100の暖房運転を、部屋の温度を温度設定手段43で設定した室温に維持するように暖房運転を行う通常運転モードと、エアコンを併用して暖房運転を行うエアコン併用モードと、のどちらかに切り換えるためのスイッチである。
【0034】
<温度設定ボタン>
温度設定ボタン43(温度設定手段)は、暖房装置100によって暖房したい部屋の温度を設定するためのスイッチである。暖房装置100の制御部5(出力決定手段52)は、部屋の温度が、この温度設定ボタン43で設定した温度になるように、バーナ7の燃焼状態を制御する。
【0035】
<エアコン併用モード運転時間設定ボタン>
エアコン併用モード運転時間設定ボタン44(エアコン併用モード運転時間設定手段)は、エアコン併用モードで暖房運転する時間(後記する第1所定時間)を設定するための時間設定スイッチである。エアコン併用モード運転時間設定ボタン44は、例えば、5分~30分を5分刻みに設定可能になっている。
【0036】
<通常運転モード運転時間設定ボタン>
通常運転モード運転時間設定ボタン45は、通常運転モードで暖房運転する時間を設定するための時間設定手段である。
【0037】
<制御部>
図4に示すように、制御部5は、暖房装置100の動作を制御する制御装置である。制御部5は、タイマ手段51と、出力決定手段52と、表示部制御手段53と、を備えて構成されている。制御部5は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリ等を備えて成る。
【0038】
<タイマ手段>
タイマ手段51は、種々の所定時間を計時するタイマ装置である。タイマ手段51は、エアコン併用モード運転時間設定ボタン44によりエアコン併用モードで暖房運転する第1所定時間を計測したり、通常運転モードで暖房運転する時間を計測したり、電磁ポンプP1の出力を最大火力FMAXから低下させてから給油時間tが規定時間tSになったか計測したりする。
【0039】
<出力決定手段>
出力決定手段52は、電磁ポンプP1による燃料の供給量、及び、対流用送風機F2の回転速度を制御することで、バーナ7の火力を調整する出力決定装置である。出力決定手段52(制御部5)は、室温検知手段TSで検知した室温と、温度設定ボタン43で設定した設定温度との差から暖房出力(火力)を決定して、バーナ7の燃焼を制御する機能を有している。
【0040】
また、出力決定手段52(制御部5)は、エアコン併用モードにおいて、油面検知手段FSで燃料受皿部3の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、電磁ポンプP1による液体燃料供給量を最大火力FMAXになる状態にしたまま、予め設定された電磁ポンプP1のパルス出力回数xが規定回数xSに到達するまで燃焼させた後、給油を停止させる機能を有している。
【0041】
また、出力決定手段52(制御部5)は、通常運転モードにおいて、油面検知手段FSで燃料受皿部3の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、電磁ポンプP1による液体燃料供給量を低下させて、予め設定した時間だけ液体燃料を供給して燃焼させた後、給油を停止させる機能を有している。
また、出力決定手段52(制御部5)は、エアコン併用モードの場合に油面検知手段FSで燃料受皿部3の液体燃料が給油レベルまで低下したこと検知したときに、使用者がエアコン併用モード運転時間設定手段44で設定した時間に到達するまで、または、電磁ポンプP1のパルス出力回数xが規定回数xSに到達するまで最大火力FMAXで燃焼させる機能を有している。
【0042】
また、出力決定手段52(制御部5)は、運転切換手段42で切り換えた運転モードに応じて、油面検知手段FSで給油を検知したときから電磁ポンプP1を停止させるまでの時間と、電磁ポンプP1のパルス出力回数xと、に使い分けて制御している。
また、出力決定手段52(制御部5)は、エアコン併用モード運転時間設定ボタン44によりエアコン併用モードで暖房運転する時間を所定時間に設定して、運転切換ボタン42をエアコン併用モードに切り換えた場合、所定時間だけ最大火力FMAXで暖房運転させて自動停止させる機能を有している。
【0043】
<表示部制御手段及び表示部>
表示部制御手段53は、表示部6の駆動を制御する表示部制御装置である。
表示部6は、表示部制御手段53からの駆動表示信号を受けて、室温検知手段TSで検出した室温や、重量センサWSの検出値から算出された燃料の残油量や、燃料の使用量や、運転切換ボタン42で選択したモードや、温度設定ボタン43で設定した温度や、時刻や、エアコン併用モード運転時間設定ボタン44で設定した時間や、通常運転モード運転時間設定ボタン45で設定した時間や、タイマ手段51で計測したタイマ時間等が表示される表示装置である。表示部6は、外装部材13の上面前側に設けられている。
【0044】
<電磁ポンプパルスカウント手段>
図4に示すように、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1が駆動する際に発するパルスの回数をカウントする計測手段である。
【0045】
<記憶部>
なお、燃料の供給量に応じた適切な燃焼用空気の供給量は決まっている。これに合わせて、記憶部8には、火力のレベル毎に、電磁ポンプP1による燃料の供給量、対流用送風機F2の回転速度等が記憶されている。
【0046】
<室温検知手段>
室温検知手段TSは、暖房装置100が配置されている部屋の温度を検出する温度検出センサである。室温検知手段TSは、例えば、表示部6の右端部に設けられている。
【0047】
<油面検知手段>
図2に示すように、油面検知手段FSは、燃料受皿部3に貯留された燃料の残油量を検出する燃料残油量検出センサである。油面検知手段FSは、燃料受皿部3に貯留された燃料の油面に応じて上下動して油面を検出するフロート(図示省略)を有するフロートセンサから成る。油面検知手段FSは、燃料受皿部3の下板部材32に形成された段差部32b上に支持されるようにして燃料受皿部3に設置されている。
【0048】
<重量センサ>
図4に示すように、重量センサWSは、燃料タンク2の重量を検出するセンサであって、燃料タンク2内の液体燃料の残量を検出する検出器である。重量センサWSは、燃料タンク2の重量に応じて変化する抵抗値に基づいて、制御部5で算出した燃料タンク2内の液体燃料の残量を表示部6に表示させるための検出器である。
図3に示すように、重量センサWSは、センサベースWS4を介在して燃料受皿部3のセンサ設置部31aに、ねじ止めされている。
【0049】
重量センサWSは、例えば、センサ本体WS1と、センサ本体WS1を実装した起歪体WS2と、センサベースWS4上の所定位置に載設されるセンサ基板WS3と、上板部材31のセンサ設置部31a上の所定位置にネジ止めされるセンサベースWS4と、センサベースWS4を上から覆うように固定されるセンサケースWS5と、を備えて成る。
【0050】
図3に示すように、センサ本体WS1は、センサ作動部22aに押されて曲がる起歪体WS2の変形量(歪)を測定するセンサ素子から成る。センサ本体WS1は、起歪体WS2の先端部にかかった燃料タンク2の荷重に応じて電気信号を発生する。
【0051】
起歪体WS2は、先端部が燃料供給口31dの外周縁(凹部31cの上方)に配置され、基端部がセンサベースWS4の所定位置に片持ち支持されて固定されている。起歪体WS2は、燃料タンク2の荷重に押されたときの荷重に比例して変形して歪を発生する板状部材から成る。センサ本体WS1と起歪体WS2は、例えば、ロードセル(荷重可変器)等の歪ゲージを構成している。
【0052】
<気化用ヒータ>
気化用ヒータH1は、燃料を気化可能な所定温度まで加熱するヒータである。気化用ヒータH1は、点火時にのみ通電されて、燃焼中は火炎の一部の熱を利用して燃料を気化するもので、電力消費を削減して省エネを図るものである。気化用ヒータH1は、吸引口(図示省略)の内側近傍に配置されている。
【0053】
<電磁ポンプ>
図4に示す電磁ポンプP1は、燃料受皿部3に貯留された燃料を、燃料受皿部3(
図2参照)の上方に配置された気化器(図示省略)に燃料パイプ(図示省略)を介して供給する燃料ポンプである。電磁ポンプP1は、例えば、出力決定手段52からの駆動信号が入力されることで、ON、OFFして、電磁ポンプP1の1回の動作に対してパルスを1回出力するソレノイド駆動定量ポンプから成る。この場合、電磁ポンプP1は、例えば、出力決定手段52からのN回の入力パルスに対して、電磁ポンプP1が1回動作(ソレノイドが1ストローク動作)するようにしてもよいし、出力決定手段52からの1回の入力パルスに対して、電磁ポンプP1がN回動作(ソレノイドがNストローク動作)するようにしてもよい。電磁ポンプP1が駆動する際に発するパルスは、電磁ポンプパルスカウント手段54によってパルスの回数がカウントされる。このため、電磁ポンプP1によって送られる燃料の供給量は、電磁ポンプP1のパルス出力回数xから求めることが可能になっている。
【0054】
<燃料用送風機>
図2に示す燃料用送風機F1は、バーナ7で燃料を燃焼させるときに、燃焼用空気を気化器(図示省略)を介してバーナ7に送って、燃焼時に発生する熱で温風を生成するための燃料用ファンである。燃料用送風機F1は、燃焼・送気装置部12に配置されている。
【0055】
<対流用送風機>
対流用送風機F2は、熱交換器(図示省略)の後方に配置されて、前方に向けて送風する対流用ファンである。対流用送風機F2は、モータ(図示省略)と、このモータ(図示省略)によって回転駆動される複数枚の羽根F2aと、を有している。対流用送風機F2は、暖房装置本体1(
図1参照)の後部上側に配置されている。
【0056】
≪作用≫
次に、
図4及び
図7を主に
図1~
図7を参照しながら本発明の実施形態に係る暖房装置100の作用を説明する。
【0057】
暖房装置100を駆動させる場合は、
図1及び
図4に示す運転/停止ボタン41を操作してONさせる。すると、
図2あるいは
図4に示すように、暖房装置100は、暖房を開始する。暖房運転する場合は、燃料タンク2から燃料受皿部3に送られて貯留されている燃料が電磁ポンプP1によって気化器(図示省略)、バーナ7に送られて燃料が燃焼するため、燃料受皿部3の燃料が減少する。油面検知手段FSは、その燃料受皿部3の燃料が減少して油面が下がると、フロート(図示省略)が下降することで、燃料が減少されて給油されていることを検知する(ステップS1)。燃料受皿部3内の燃料が減少すると、燃料タンク2内の燃料が随時に燃料受皿部3に自動的に供給される。
【0058】
暖房装置100は、通常運転で暖房する通常モードの機能と、エアコンを併用して暖房運転するエアコン併用モードの機能と、を有している。使用者は、運転切換ボタン42を操作することによって、通常モードとエアコン併用モードとのどちらかのモードに切り換えることができる。運転切換ボタン42を切り換え操作した場合は、運転切換ボタン42の状況が表示部6に表示されるので、暖房装置100がエアコン併用モードになっているのか、通常モードになっているのかわかるようになっている(ステップS2)。
【0059】
例えば、エアコンを使用して部屋を暖房する場合は、暖房運転を開始してから5分程度しないと温風が出て来ないので、急速に部屋を暖かくすることができない。また、エアコンは、始動時の消費電力が大きい。このため、エアコンで部屋を暖房する場合は、初期始動時に、
図1及び
図2に示す暖房装置100を併用してエアコンをアシストすることで、部屋を効率よく急速に暖めることが可能となる。
【0060】
その場合は、エアコンの暖房スイッチをONさせると共に、
図4に示す暖房装置100の運転切換ボタン42を操作して暖房装置100をエアコン併用モードにする(ステップS2のYes)。これにより、暖房装置100は、エアコンの暖房運転と同時に、エアコン併用モードの暖房運転が開始される。
【0061】
図6Bは、本発明の暖房装置100がある部屋をエアコン併用モードで暖房運転する場合を示すタイミングチャートである。
【0062】
図6Bに示すように、使用者は、エアコン併用モード運転時間設定ボタン44(
図4参照)を操作して、エアコン併用モードでバーナ7(
図2参照)が燃焼するエアコン併用モード設定燃焼時間を設定する。エアコン併用モードで暖房運転が開始されると、タイマ手段51によってエアコン併用モードでの運転時間が計測される。なお、エアコン併用モード設定燃焼時間は、使用者が設定する任意の時間であって、例えば、5分~30分であって、最大30分である。
【0063】
図2、
図4あるいは
図6Bに示すように、暖房装置100は、エアコン併用モードで暖房運転する場合、バーナ7を最大火力F
MAXにして暖房を開始する。油面検知手段FSは、燃料受皿部3の燃料が電磁ポンプP1によって気化器(図示省略)、バーナ7に送られて減少して油面が下がると、燃料が給油されていることを検知する。
【0064】
図4、
図6Bあるいは
図7に示すように、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1が駆動すると、電磁ポンプP1が駆動することで発するパルスのパルス出力回数xのカウントを開始する(ステップS3)。電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1が発するパルス出力回数xをカウントしてパルスが規定回数x
S以上になったか計測して監視する(ステップS4)。電磁ポンプP1のパルス出力回数xが規定回数x
Sになった場合(ステップS4のYes)は、エアコンと、最大火力F
MAXの強い火力の暖房装置100とで部屋を暖房して、室温を所望温度まで上昇させたと判断して、暖房装置100の給油を停止して消火させる(ステップS5)。
【0065】
図5は、燃料の使用量を説明するためのタイミングチャートである。
図6Aは、本発明の暖房装置100を通常モードで暖房運転させたときの状態を示すタイミングチャートである。
【0066】
図4、
図6Aあるいは
図7に示すように、運転切換ボタン42を通常モードに切り換えて、通常の暖房運転で暖房装置100が始動された場合(ステップS2のNo)は、始め、最大火力F
MAXで暖房運転される。出力決定手段52は、暖房運転が開始されて、重量センサWSで燃料タンク2内の燃料の残油量を計測し、油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料の残油量を計測して、それらの計測値と記憶部8に記憶されたデータとから給油検知後の使用可能な燃料量を決定する。
【0067】
なお、
図5に示すように、暖房装置100の燃料の使用量は、最大火力F
MAXで時間ta燃焼させた場合の燃料使用量Q1と、最小火力F
MIMで時間tb燃焼させた場合の燃料使用量Q2とが同じ場合、暖房装置100が発する熱量も同じになる。
【0068】
そして、重量センサWSで燃料タンク2内の燃料が空なったことを検出して、油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料が所定量以上に減少したことを検出した場合、表示部制御手段53は、燃料をあと何分燃焼させることができるか表示部6に表示させる。
【0069】
これと同時に、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1が通常運転で駆動されている電磁ポンプP1のパルス出力回数xのカウントを開始する(ステップS6)。すると、タイマ手段51は、電磁ポンプP1が駆動して給油を行っている給油時間tの計測を開始する(ステップS7)。これと同時に、出力決定手段52(制御部5)は、電磁ポンプP1の出力を低下させて燃焼火力を徐々に絞って行って最小火力FMINまで下げ、最小火力FMINで暖房運転させて燃料を燃やせるだけ燃やす(ステップS8)。
【0070】
タイマ手段51は、電磁ポンプP1の出力を最大火力FMAXから低下させてから給油時間tが規定時間tS以上になったか計測して監視する(ステップS9)。そして、タイマ手段51は、給油時間tが規定時間tS以上に到達したことを計測した場合(ステップS9のYes)、電磁ポンプP1を止めて給油を遮断して、暖房運転を停止させる(ステップS10)。
【0071】
このようにすることで、燃料受皿部3内の燃料が空の状態になった場合、電磁ポンプP1が、空気と燃料とが混合した状態で吐出するので、黒煙と共にバーナ7が失火してしまうが、その前に、電磁ポンプP1による給油を停止させることができる。
【0072】
タイマ手段51で給油時間tが規定時間tSに到達せず計測を続けている場合(ステップS9のNo)は、さらに、電磁ポンプパルスカウント手段54で、電磁ポンプP1のパルス出力回数xをカウントしてパルスが規定回数xS以上になったか計測して監視する(ステップS11)。そして、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1のパルス出力回数xをカウントしてパルスが規定回数xSに満たない場合、再度、タイマ手段51による給油時間tが規定時間tSに到達したか、否かの監視を繰り返し続ける(ステップS11のNo、ステップS9のNo)。
【0073】
そして、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1のパルス出力回数xをカウントしてパルスが規定回数xSに到達した、タイマ手段51による給油時間tが規定時間tS以上に到達したことを計測した場合(ステップS11のYes)、電磁ポンプP1を止めて給油を停止させる(ステップS10)。
【0074】
このように、本発明は、
図1~
図4に示すように、液体燃料を貯留するタンク(燃料タンク2)と、燃料タンク2から供給された液体燃料を貯留する燃料受皿部3と、燃料受皿部3上に配置された気化器への液体燃料を供給する電磁ポンプP1と、室温を温度設定手段43で設定した室温に維持するように暖房運転を行う通常運転モードと、エアコンを併用して暖房運転を行うエアコン併用モードと、に切り換える運転切換手段42と、室温検知手段TSで検知した室温と温度設定手段43で設定した設定温度との差から暖房出力(火力)を決定してバーナの燃焼を制御する制御部5と、を備えた暖房装置100であって、制御部5は、エアコン併用モードにおいて、油面検知手段FSで前記燃料受皿部3の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、前記電磁ポンプP1による液体燃料供給量を最大火力F
MAXになる状態にしたまま、予め設定された前記電磁ポンプP1のパルス出力回数x(x
S)に到達するまで燃焼させた後、給油を停止させる。
【0075】
かかる構成によれば、本発明の暖房装置100は、エアコン併用モードの場合、油面検知手段FSで給油を検知した後、最大火力FMAXのまま電磁ポンプP1のパルス出力回数x(xS)になるまで燃焼させてから自動停止させている。このため、暖房装置100は、強火力のモード(エアコン併用モード)で暖房運転する場合であっても、燃料が無くなるギリギリの最後まで強火力で効率よく暖房運転することができる。
【0076】
また、
図4に示すように、制御部5は、エアコン併用モードの場合に油面検知手段FSで燃料受皿部3の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したときに、使用者がエアコン併用モード運転時間設定手段44で設定した時間に到達するまで、または、前記電磁ポンプP1のパルス出力回数xが規定回数x
Sに到達するまで最大火力F
MAXで燃焼させる。
【0077】
かかる構成によれば、暖房装置100は、エアコン併用モード運転時間設定手段44で設定した時間に到達するまで、または、電磁ポンプP1のパルス出力回数xが規定回数xSに到達するまで、最大火力FMAXで燃焼させることができる。このため、暖房装置100は、エアコン併用モードの際に、セパレート型エアコンを効率よく補助することができる。
【0078】
また、
図4に示すように、制御部5は、通常運転モードにおいて、油面検知手段FSで燃料受皿部3の液体燃料が給油レベルまで低下したことを検知したら、電磁ポンプP1による液体燃料供給量を低下させて、予め設定した時間だけ液体燃料を供給して燃焼させた後、給油を停止させる。
【0079】
かかる構成によれば、制御部5は、通常運転モードのとき、電磁ポンプP1のパルス出力回数xを低下させて、予め設定した時間だけ液体燃料を供給して燃焼させて停止させるので、燃料を無くなるギリギリまで効率よく燃焼させて、燃料が無くなって失火する前に自動停止させることができる。
【0080】
[第1変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
【0081】
図8Aは、本発明の実施形態に係る暖房装置100の第1変形例の動作を示すフローチャートである。
前記実施形態で説明した
図7に示す暖房装置100の動作は、
図8Aのフローチャートに示すような動作であってもよい。
【0082】
図8Aを主に
図4を参照しながら本発明の第1変形例を説明する。
図8Aに示すように、暖房装置100を駆動させる場合は、
図4に示す運転/停止ボタン41を操作してONさせる。すると、暖房装置100は、暖房運転を開始する(ステップS100)。
【0083】
使用者は、運転切換ボタン42を操作することで、通常モードとエアコン併用モードとのどちらかのモードに切り換えることができる。運転切換ボタン42を切り換え操作すると、表示部6には、暖房装置100がエアコン併用モードになっているのか、通常モードになっていることを表示する(ステップS101)。
【0084】
そして、エアコンの暖房スイッチをONさせて、
図4に示す暖房装置100の運転切換ボタン42を操作して暖房装置100をエアコン併用モードにする(ステップS101のYes)。これにより、暖房装置100は、エアコンの暖房運転と同時に、燃焼火力を強にするエアコン併用モードで暖房運転が開始される(ステップS102)。すると、タイマ手段51は、エアコン併用モードでのバーナ7の燃焼時間t1の計測を開始する(ステップS102)。
【0085】
タイマ手段51は、燃焼時間t1が、使用者によって設定された任意の燃焼継続時間TACになったか計測して監視する(ステップS104)。燃焼継続時間TACは、例えば、5分~20分で設定される。そして、タイマ手段51は、燃焼火力を強にして燃焼した燃焼時間t1が燃焼継続時間TACになったことを計測すると(ステップS104のYes)、出力決定手段52は、暖房装置100の暖房運転を停止させる(ステップS105)。
【0086】
タイマ手段51で計測している燃焼火力を強にして燃焼した燃焼時間t1が、燃焼継続時間TACに未たない場合(ステップS104のNo)は、油面検知手段FS(フロートセンサ)により燃料受皿部3内の燃料が所定量以上に減少しているか検出する(ステップS106)。油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料の液面が基準面よりも高い位置にあって、燃料がある場合(ステップS106のNo)は、ステップS104に戻って燃焼時間t1が、燃焼継続時間TACになったか計測される。
【0087】
油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料の液面が基準面よりも低い位置にあって、燃料が無く油面検知手段FSがON状態の場合(ステップS106のYes)、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1が駆動すると、電磁ポンプP1が駆動することで発するパルスのパルス出力回数xのカウントを開始する(ステップS107)。
【0088】
そして、タイマ手段51は、ステップS104と同様に、燃焼時間t1が、燃焼継続時間TACになったか計測して監視する(ステップS108)。タイマ手段51は、燃焼火力を強にして燃焼した燃焼時間t1が燃焼継続時間TACになったことを計測すると(ステップS108のYes)、出力決定手段52は、暖房装置100の暖房運転を停止させる(ステップS105)。
【0089】
タイマ手段51で計測している燃焼火力を強にして燃焼した燃焼時間t1が、燃焼継続時間TACに満たない場合(ステップS108のNo)は、ステップS109に進む。そして、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1のパルス出力回数xをカウントして、油面検知手段FS(フロートセンサ)がOFFしてから電磁ポンプP1が使用可能な最大油量を送り出すパルス出力回数XMAXに到達したか監視する(ステップS109)。電磁ポンプパルスカウント手段54が、電磁ポンプP1のパルス出力回数xが最大油量を送り出すパルス出力回数XMAXに到達したことを計測した場合(ステップS109のYes)、電磁ポンプP1を止めて給油を停止させる(ステップS110)。
【0090】
そして、電磁ポンプパルスカウント手段54が、電磁ポンプP1のパルス出力回数xがパルス出力回数XMAXに到達したことを計測しない場合(ステップS109のNo)、は、ステップS108に戻って、タイマ手段51によって燃焼時間t1が、燃焼継続時間TACになったか計測して監視する(ステップS108)。
【0091】
前記したステップS101で、使用者が、運転切換ボタン42で通常モードに操作した場合(ステップS101のNo)、暖房装置100は、燃焼火力を室温及び設定した温度に応じた火力で暖房運転される(ステップS111)。次に、油面検知手段FS(フロートセンサ)によって、燃料受皿部3内の燃料が所定量以上に減少しているか検出する(ステップS112)。油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料の液面が基準面よりも高い位置にあって、燃料がある場合(ステップS112のNo)は、ステップS111に戻って燃焼火力を室温及び設定した温度に応じた火力で暖房運転される。
【0092】
油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料の液面が基準面よりも低い位置にあって、燃料が無く油面検知手段FSがON状態の場合(ステップS112のYes)、タイマ手段51によって、電磁ポンプP1が駆動して給油を行っている給油時間t2の計測を開始する(ステップS113)。そして、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1が駆動すると、電磁ポンプP1が駆動することで発するパルスのパルス出力回数xのカウントを開始する(ステップS114)。暖房装置100は、燃焼火力を弱にして暖房運転する(ステップS115)。
【0093】
そして、タイマ手段51は、燃焼時間t1が、燃焼火力を弱火の状態で電磁ポンプP1で、燃料受皿部3に貯留された全燃料を送り出すのにかかる給油時間TMAXになったか計測して監視する(ステップS116)。タイマ手段51は、燃焼火力を弱にして燃焼した燃焼時間t1が給油時間TMAXになったことを計測すると(ステップS116のYes)、出力決定手段52は、電磁ポンプP1による給油をストップさせて暖房装置100の暖房運転を停止させる(ステップS117)。
【0094】
タイマ手段51で計測している燃焼火力を弱にして燃焼した燃焼時間t1が、給油時間TMAXに満たない場合(ステップS116のNo)は、ステップS118に進む。そして、電磁ポンプパルスカウント手段54は、電磁ポンプP1のパルス出力回数xをカウントして、油面検知手段FS(フロートセンサ)がOFFしてから電磁ポンプP1が使用可能な最大油量を送り出すパルス出力回数XMAXに到達したか監視する(ステップS118)。電磁ポンプパルスカウント手段54が、電磁ポンプP1のパルス出力回数xが最大油量を送り出すパルス出力回数XMAXに到達したことを計測した場合(ステップS118のYes)、電磁ポンプP1を止めて給油を停止させる(ステップS117)。
【0095】
そして、電磁ポンプパルスカウント手段54が、電磁ポンプP1のパルス出力回数xがパルス出力回数XMAXに到達したことを計測しない場合(ステップS118のNo)は、ステップS116に戻って、タイマ手段51によって燃焼時間t1が、給油時間TMAXになったか計測して監視する(ステップS116)。
【0096】
このようにしても、暖房装置100は、運転モードによって、給油検知から運転を停止するまでの時間と、電磁ポンプP1のパルス出力数と、に使い分けることで、エアコン併用モード時に燃料受皿部3内の燃料が無くなるギリギリめ強い火力で暖房運転させることが可能である。
【0097】
[第2変形例]
図8Bは、本発明の実施形態に係る暖房装置100の第2変形例の動作を示すフローチャートである。
前記した
図8Aに示す第1変形例の動作は、
図8Bに示すような動作であってもよい。つまり、油面検知手段FSで燃料受皿部3内の燃料の液面が基準面よりも低い位置にあって、燃料が無く油面検知手段FSがON状態の場合(ステップS106のYes)、タイマ手段51によって、電磁ポンプP1が駆動して給油を行っている給油時間t2の計測を開始するようにして(ステップS120)、給油時間t2に応じて給油を停止させるようにしてもよい。
【0098】
また、
図8Aに示す第1変形例のステップS116は、タイマ手段51によって燃焼時間t1が、電磁ポンプP1が駆動して給油を行うにかかる給油時間t2に到達したかを監視して、その給油時間t2に到達したら給油を停止するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 暖房装置本体
2 燃料タンク(タンク)
3 燃料受皿部
5 制御部
42 運転切換ボタン(運転切換手段)
43 温度設定ボタン(温度設定手段)
44 エアコン併用モード運転時間設定ボタン(エアコン併用モード運転時間設定手段)
52 出力決定手段
100 暖房装置
P1 電磁ポンプ
TS 室温検知手段
FS 油面検知手段
FMAX 最大火力
x,xMAX パルス出力回数
xS 規定回数