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  • 特許-オゾン発生装置およびオゾン発生方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】オゾン発生装置およびオゾン発生方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/10 20060101AFI20241017BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
C01B13/10 Z
A61L9/01 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020144662
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039563
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000128496
【氏名又は名称】株式会社オーク製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】藤森 昭芳
(72)【発明者】
【氏名】本多 友彦
【審査官】宮脇 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-153238(JP,A)
【文献】特開平05-254804(JP,A)
【文献】特開2013-031582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 13/10 - 13/11
A61L 9/00 - 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素を含む流体が流れる流路と、
紫外線を照射し、前記流路に配置される光源と、
前記流路に沿って設けられる送風機と、
前記流路の流入口または流入口付近および流出口または流出口付近の相対湿度を検出する湿度センサと、
前記流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が、所定値以下となるように、前記湿度センサによって検出される相対湿度に応じて、前記光源の点灯制御および前記送風機の風量制御の少なくともいずれか一方を行う制御部と
を備えることを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項2】
前記流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が30%以下となるように、オゾンを発生させることを特徴とする請求項1に記載のオゾン発生装置。
【請求項3】
前記流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が10%以下となるように、オゾンを発生させることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン発生装置。
【請求項4】
前記光源が、波長172nmにピーク波長を有する紫外線を放射するエキシマランプであって、
前記流路を形成する流体管をさらに備え、
前記流体管の管壁と前記エキシマランプの表面との距離が、紫外線強度比が10%となる紫外線到達距離よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項5】
前記流体管の管壁と前記エキシマランプの表面との距離が、前記紫外線到達距離の2倍以上であることを特徴とする請求項4に記載のオゾン発生装置。
【請求項6】
前記エキシマランプが、ランプ軸が流体の流れる方向に沿うように配置され、
前記流路内で前記エキシマランプより上流側に配置される送風機をさらに備え、
前記送風機が、前記エキシマランプ周囲において、非一様流のガスの流れを形成することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項7】
酸素を含む流体が流れる流路と、
紫外線を照射し、前記流路に配置される光源と、
前記流路に沿って設けられる送風機と、
少なくとも前記流路の流入口または流入口付近の相対湿度を検出する湿度センサと、
前記流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が、所定値以下となるように、前記湿度センサによって検出される相対湿度に応じて、前記光源の点灯制御および前記送風機の風量制御の少なくともいずれか一方を行う制御部と
を備えることを特徴とするオゾン発生装置。
【請求項8】
前記制御部が、検出される相対湿度に応じて、前記送風機の風量を調整することを特徴とする請求項7に記載のオゾン発生装置。
【請求項9】
前記制御部が、検出される相対湿度に応じて、前記光源の一時的消灯を行うことを特徴とする請求項7または8に記載のオゾン発生装置。
【請求項10】
酸素を含む流体が流れる流路に対し、ランプ軸が流体の流れ方向に沿うようにエキシマランプを配置し、
前記流路に沿って、送風機を配置し、
少なくとも前記流路の流入口または流出口付近の相対湿度を検出する湿度センサを配置し、
制御部において、前記流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が、所定値以下であるか否かを判断し、所定値を超える場合、前記エキシマランプの点灯制御および前記送風機の風量制御の少なくともいずれか一方を行うことを特徴とするオゾン発生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキシマランプなどを備えたオゾン発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エキシマランプなどを備えたオゾン発生装置では、酸素を含むガスや液体に紫外線を照射することによってオゾンを発生させ、装置外部に放出する。これによって、殺菌、脱臭処理などが行われる。
【0003】
オゾンは水分との反応性が高く、湿度(相対湿度)の低い空気に紫外線を照射した方が、湿度の高い空気と比べてオゾン発生効率が高まる。また、発生したオゾンは、湿度が高い環境下ほど早期に分解されて酸素になる。そのため、流路にエキシマランプを配置したオゾン発生装置において、湿度30%以下のガスを流路に送り込むことによって、効果的にオゾンが発生することが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-43513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オゾン発生装置は、病室、公共施設など屋内施設で殺菌処理などを行うとき、長時間(数時間単位)使用される場合がある。一般的な屋内環境では平均湿度が高いため、オゾンを含む低湿度のガスを装置から放出し続けると、屋内湿度が低下していく。屋内の湿度低下によってオゾン分解速度が低下すると、屋内環境下で想定以上のオゾン量が発生し、屋内の製品などに悪影響を与える恐れがある。特に、有人環境下では人体への悪影響の考慮によって許容できるオゾン濃度が非常に低く、想定以上のオゾン量発生はその使用を困難にする。
【0006】
したがって、湿度の異なる使用環境下において、外部に影響を与えずにオゾンを発生させるオゾン発生装置を提供することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様であるオゾン発生装置は、酸素を含む流体が流れる流路と、紫外線を照射し、流路に配置される光源とを備える。例えば、光源は、波長200nm以下にピーク波長を有する紫外線を放射するエキシマランプで構成することが可能であり、ランプ軸が流体の流れる方向に沿うように配置することができる。例えば、オゾン発生装置は、流体の流れる流路管を備え、また、流路に沿って送風機を備える。
【0008】
本発明では、オゾン発生装置が、流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が、所定値以下となるように、オゾンを発生させる。「所定値」は、無人環境下、友人環境下など使用環境に応じて定めることが可能であり、例えば、使用環境下の平均湿度、湿度変化の範囲などに基づく。
【0009】
無人環境下での使用などを考慮すると、流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が30%以下となるように、オゾンを発生させればよい。また、有人環境下での使用などを考慮すると、流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が10%以下となるように、オゾンを発生させればよい。
【0010】
オゾン発生装置は、流路の構成、流路内での光源の配置構成、光源の点灯制御、または送風機の風量制御などによって、所定値以下となるようにオゾンを発生させることができる。例えば、流体管の管壁とエキシマランプの表面との距離が、紫外線強度比が10%となる紫外線到達距離よりも大きくなるように、流路内で光源を配置することができる。特に、流体管の管壁とエキシマランプの表面との距離が、紫外線到達距離の2倍以上になるように構成すればよい。
【0011】
また、オゾン発生装置は、少なくとも流路の流入口または流入口付近の相対湿度を検出する湿度センサを備え、制御部が、湿度センサによって検出される相対湿度に応じて、光源の点灯制御および送風機の風量制御の少なくともいずれか一方を行う構成にすることも可能である。制御部は、検出される相対湿度に応じて、送風機の風量を調整し、あるいは、制御部が、検出される相対湿度に応じて、光源の一時的消灯を行うことが可能である。
【0012】
また、オゾン発生装置において、上エキシマランプが、ランプ軸が流体の流れる方向に沿うように配置されている場合、エキシマランプより上流側に配置される送風機は、エキシマランプ周囲において、非一様流のガスの流れを形成することができる。
【0013】
本発明の一態様であるオゾン発生方法は、酸素を含む流体が流れる流路に対し、ランプ軸が流体の流れ方向に沿うようにエキシマランプを配置し、流路の流入口または流入口付近と流出口または流出口付近との相対湿度差が、所定値以下となるように、オゾンを発生させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、オゾン発生装置において、湿度の異なる使用環境下において、外部に影響を与えずにオゾンを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態であるオゾン発生装置の概略的構成図である。
図2図1のエキシマランプの周囲を示した概略的構成図である。
図3】制御部によるオゾン発生制御フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本実施形態であるオゾン発生装置の概略的構成図である。
【0017】
オゾン発生装置10は、図示しないケーシング内に、エキシマランプ20、流路管30、送風機40とを備える。エキシマランプ20は、流路管30の一端(以下、流入口という)30Aに流入する酸素を含むガスに対して紫外線を照射し、これによって、オゾンが発生する。オゾンを含むガスは、流路管30の他端(以下、流出口という)30Bから流出して装置外部へ放出され、除菌、殺菌処理などが行われる。
【0018】
エキシマランプ20は、そのランプ軸Eがガスの流れる方向に沿うように、流路管30に対して同軸的に配置されている。エキシマランプ20は、ここでは例えば、172nmにピーク波長を有する紫外線を放射する。
【0019】
流路管30の流入口30Aには、軸流ファン形式の送風機40が流路管30に対して同軸的に配置されている。また、流路管30の流入口30A、流出口30B付近は、湿度センサ60が、湿度センサ70がそれぞれ設けられている。湿度センサ60、湿度センサ70は、相対湿度を検出する。
【0020】
制御部50は、オゾン発生装置10におけるオゾン発生動作を制御し、作業者の入力操作に応じてエキシマランプ20の点灯、送風機40の運転を行うことで、オゾンを発生させる。それとともに、外気湿度の流入ガスに対する流出ガスの湿度変化を抑制するため、流入口30A付近の湿度と流出口30B付近の相対湿度との差が、所定値(%)以下となるように、オゾンを発生させる。具体的には、湿度センサ60、70から送られてくる相対湿度のデータに応じて、エキシマランプ20の点灯/消灯の切り替え、送風機40の風量調整などを実行する。
【0021】
相対湿度差の許容範囲については、装置の使用環境に応じて定めればよい。屋内の外気の湿度が30%を下回るとオゾンの分解速度が顕著に減少すること、無人環境下で使用する場合、人への直接的影響がなく、一般的な屋内の外気の相対湿度が60%程度であることや、外気湿度がある程度コントロールされているなどの事情に基づき、相対湿度差が30%以下となるように、オゾンを発生させればよい。このように相対湿度差に制御することで、相対湿度の低下によりオゾンが過剰に生じることを抑制できる。
【0022】
有人環境下での使用の場合、人体への影響を考慮して空間のオゾン濃度を0.1ppm以下にする必要があること、一般な屋内(40畳以下)ではオゾンの発生量は10mg/h以下のオゾン発生量とすることが求められ、特に日中を通じてオゾンを発生させる場合は低濃度のオゾン発生装置(オゾン発生量が5mg/h以下のオゾン発生装置)が用いられること、一日を通じて屋内湿度が40~90%の範囲で変化することなどを考慮し、相対湿度差が10%以下となるように、オゾンを発生させればよい。より好ましくは、5%以下となるようにするのがよい。このように相対湿度差を制御することで外気への影響を可能な限り抑制し、オゾン濃度がごくわずかしか許容されない空間においても、オゾン発生装置10を連続的に長時間使用することができる。
【0023】
図2は、図1のエキシマランプ20の周囲を示した概略的構成図である。
【0024】
エキシマランプ20の表面20Sから流路管30の管壁30Sまでの距離Dは、エキシマランプ20から放射される紫外線の紫外線強度比に基づいて定められている。紫外線強度比は、紫外線が進行するにつれて減衰するときの紫外線到達地点における減衰比として表される。
【0025】
ここでは、エキシマランプ20の表面20Sから紫外線強度比が10%となる距離dよりも距離Dが大きくなるように、流路管30の内径Rが定められている。例えば、172nmの紫外線を放射するエキシマランプ20に対し、距離Dが距離dの2倍以上となるように、内径Rを定めることができる。この場合、エキシマランプ20の表面20S付近でオゾンが発生する一方、流路管30の管壁30S付近でオゾンがほとんど発生しない。
【0026】
また、エキシマランプ20の表面20S付近では、エキシマランプ20の点灯中、温度上昇に伴って相対湿度が低下する。一方、エキシマランプ20の表面20Sから離れた流路管30の管壁30S付近では、温度上昇の影響を受けにくく、湿度は維持される。
【0027】
エキシマランプ20の上流側に配置された送風機40は、流路管30内において非一様流のガスの流れを形成する。時間平均で流路方向の速度を表すことができない複雑な流れの状態を形成し、また、旋回流などの流れをエキシマランプ20の周囲に形成する。ちなみに、図1の矢印は、流路管30の上流側から下流側への流れを単に示しているだけである。
【0028】
そのため、エキシマランプ20の周囲では、エキシマランプ20の表面20S付近と流路管30の管壁30S付近のガスが混合しながら通過し、結果的に、オゾン発生量および相対湿度に偏りがない均質なガスが流出口30Bから流出する。
【0029】
このようなエキシマランプ20の流路管30に対する距離および非一様な流れの形成によって、エキシマランプ20の点灯の影響による湿度低下でオゾン含有量が多い一部のガスが装置外へそのまま放出されることが抑制される。そして、例えばオゾン発生量を増やすために、エキシマランプ20の点灯電力を増加させ、紫外線放射量の増加およびエキシマランプ20の表面20S付近の湿度を低下させても、流出するガスの相対湿度が過剰に低下することを抑制できる。
【0030】
さらにオゾン発生装置10は、エキシマランプ20の一時的消灯および送風機40の風量調整によって、相対湿度差が許容範囲を超えないようにオゾンを発生させる。
【0031】
図3は、制御部50によるオゾン発生制御フローを示した図である。ここでは、定められた時間間隔で処理が実行される。
【0032】
流路管30の流入口30A付近に設置された湿度センサ60と流出口30B付近に設置された湿度センサ70によってそれぞれ検出される相対湿度に基づき、相対湿度差が求められる(S101)。そして、相対湿度差が所定値(%)以下であるか否かが判断される(S102)。例えば、無人環境下で30%、有人環境下で10%または5%が、所定値として設定される。
【0033】
相対湿度差が所定値以下の場合、送風機40の動作、エキシマランプ20の点灯がそのまま維持される。一方、相対湿度差が所定値を超える場合、エキシマランプ20を一定期間消灯させるとともに、送風機40の風量を所定量だけ上げる(S103)。
【0034】
エキシマランプ20の一時的消灯によって、エキシマランプ20の表面20S付近で温度上昇が抑えられ、それに伴って相対湿度低下が抑制される。また、流路管30内での風量増加によって相対湿度低下が抑制される。なお、エキシマランプ20の点灯/消灯制御のみ実行することも可能であり、また、送風機40の風量制御のみを実行するようにしてもよい。
【0035】
流入口30A、流出口30Bの相対湿度を正確に測るため、流入口30A、流出口30Bに湿度センサを設けてもよく、あるいは、流入口30Aよりも上流側、流出口30Bよりも下流側に湿度センサを設けてもよい。
【0036】
上述したオゾン発生の制御フローでは、流入口30A付近および流出口30B付近の相対湿度をそれぞれリアルタイムで測定しているが、流入口30A付近の湿度のみを検出してもよい。例えば、あらかじめ、計測実験やシミュレーションによって、エキシマランプ20の点灯時間、送風機40の風量、流路管30のサイズ、エキシマランプ20のサイズおよび配置箇所などを変えながら、流入口30Aおよび流出口30Bの相対湿度を計測し、流入口の相対湿度と相対湿度差との関係性を表すデータをメモリなどに記憶させればよい。
【0037】
制御部50は、メモリに記憶されているデータに基づいて、流入口30A付近で検出される相対湿度から相対湿度差を推定することができる。また、流入口30A付近のみ湿度センサを設けることにより、発生したオゾンによるセンサ破損、誤作動を防ぐことができる。
【0038】
一方、エキシマランプ20の点灯開始からの時間経過と相対湿度差の変化との関係性を実験などで取得することによって、フィードバック制御ではなくフィードフォワード制御によるオゾン発生制御を行ってもよい。例えば、相対湿度差が所定値を超える前に、エキシマランプ20を定期的に消灯させることが可能である。また、送風機40に対し、定期的に所定期間だけ風量を増加させる制御を行ってもよい。
【0039】
装置やエキシマランプ20の大きさや形状、必要とされるオゾン発生量等によっては、流路管30の管壁30Sとエキシマランプ20の表面20Sとの距離を十分長く確保することが難しい。その場合、エキシマランプ20の消灯および/または送風機40の風量調整によって、相対湿度差を抑制したオゾン発生制御を実行すればよい。エキシマランプ20を、ランプ軸が流路管30の軸に沿うように配置しない構成も可能である。
【0040】
エキシマランプ20の表面20Sと流路管30の管壁30Sとの距離Dは、紫外線強度比に応じた到達距離dに応じて定めているが、装置サイズ、流路管サイズの制限などの事情により、距離Dを短くする構成も可能であり、送風機40によってガスの非一様な流れを意図的に形成しなくてもよい。また、ランプ軸が流路管30の管軸に沿わない構成にすることも可能である。送風機40については、エキシマランプ20より下流側、あるいは流路管30から離れた位置に配置することもできる。
【0041】
エキシマランプ20の代わりに、紫外線を放射する他の光源(LEDなど)を用いてもよい。この場合、発光強度を変更することによって、相対湿度差を抑制したオゾン発生を行うことができる。また、紫外線の波長は、用途などに応じて適宜定めることができる。流路管30内には、気体など酸素を含むガスだけでなく、粒や粉体あるいは液体などが含まれる混相流を供給することも可能である。
【0042】
以上説明したように、本実施形態のオゾン発生装置10では、流路管30の流入口30A付近の相対湿度と、流出口30B付近の相対湿度との間での相対湿度差が許容範囲内に収まるように、オゾン発生制御を行う。装置外部へ放出されるガスの湿度が外気湿度と大きく相違しないようにオゾンを発生させることで、想定を超えたオゾン発生を抑制することができる。特に多湿環境下において、その効果が顕著になる。
【符号の説明】
【0043】
10 オゾン発生装置
20 エキシマランプ(光源)
30 流路管
40 送風機
50 制御部
60、70 湿度センサ
図1
図2
図3