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特許7572830化合物及びこれを含む光電素子並びにイメージセンサー及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-16
(45)【発行日】2024-10-24
(54)【発明の名称】化合物及びこれを含む光電素子並びにイメージセンサー及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   C07D 421/04 20060101AFI20241017BHJP
   C07D 421/14 20060101ALI20241017BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20241017BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20241017BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
C07D421/04
C07D421/14 CSP
G02B5/20 101
H01L31/10 D
H01L27/146 E
H01L27/146 A
H01L27/146 D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020171307
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2021063069
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0125543
(32)【優先日】2019-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崔 泰 ジン
(72)【発明者】
【氏名】朴 正 一
(72)【発明者】
【氏名】申 智 スゥ
(72)【発明者】
【氏名】尹 晟 榮
(72)【発明者】
【氏名】林 宣 晶
(72)【発明者】
【氏名】林 允 熙
(72)【発明者】
【氏名】崔 容 碩
(72)【発明者】
【氏名】洪 慧 林
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03243822(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0123285(US,A1)
【文献】特開2017-095460(JP,A)
【文献】特開2016-102117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物であって、
下記に示す化学式1で表され
前記化学式1は、下記に示す化学式2(1)A又は2(1)Bで表され、
前記化学式1で、Ar は、下記に示す化学式4A又は化学式4Bで表される環基であることを特徴とする化合物。
【化1】
【化2(1)A】
【化2(1)B】
【化4A】
【化4B】
(上記化学式1、化学式2(1)A及び化学式2(1)B中、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基であり、
Xは、S、Se、及びTeから選択され
~Rは、それぞれ独立して、水素又は重水素、から選択され、
は、水素又は重水素であり、
11 及びR 12 は、それぞれ独立して、水素又は重水素であり、
aは、0~4の整数であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数であり、
上記化学式4A中、
は、Oであり、
は、Oであり、
は、CR から選択され(ここで、R は水素又は重水素であり)、
11 、R 12 、R 13 、R 14 、及びR 15 は、それぞれ独立して、水素又は重水素であり、
nは、0であり、
上記化学式4B中、
は、Oであり、
は、Oであり、
は、Sであり、
11 及びR 12 は、それぞれ独立して、炭素数1のアルキル基であり、
*は、結合位置を示す。)
【請求項2】
化合物であって、
下記に示す化学式1-1~1-4で表される化合物から選択されることを特徴とする化合物。
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【請求項3】
前記化学式1で表される化合物の最短軸(Z)を最長軸(X)で割るアスペクト比(Z/X)は、0.30以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物は、薄膜状態で、500nm以上590nm以下で最大吸収波長(λmax)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物は、薄膜状態で、50nm~100nmの半値幅を有する吸光曲線を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
光電素子であって、
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置される活性層と、を有し、
前記活性層は、請求項1又は2に記載の化合物を含むことを特徴とする光電素子。
【請求項7】
請求項に記載の光電素子を含むことを特徴とするイメージセンサー。
【請求項8】
青色波長領域の光を感知する複数の第1光感知素子及び赤色波長領域の光を感知する複数の第2光感知素子が集積されている半導体基板と、
前記半導体基板の上部に配置され、緑色波長領域の光を選択的に感知する光電素子と、を有し、
前記光電素子は、請求項に記載の光電素子であることを特徴とするイメージセンサー。
【請求項9】
青色波長領域の光を選択的に透過する青色フィルタと赤色波長領域の光を選択的に透過する赤色フィルタとを含むカラーフィルタ層をさらに有することを特徴とする請求項に記載のイメージセンサー。
【請求項10】
前記第1光感知素子と前記第2光感知素子は、半導体基板で垂直方向に積層されることを特徴とする請求項に記載のイメージセンサー。
【請求項11】
緑色波長領域の光を感知する緑色光電素子、青色波長領域の光を感知する青色光電素子、及び赤色波長領域の光を感知する赤色光電素子が積層され、
前記緑色光電素子は、請求項に記載の光電素子であることを特徴とするイメージセンサー。
【請求項12】
請求項に記載のイメージセンサーを含むことを特徴とする電子装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物及びこれを含む光電素子並びにイメージセンサー及び電子装置に関し、特に、緑色波長領域の光を選択的に吸収することができ熱的安定性に優れた化合物及びこれを含む光電素子並びにイメージセンサー及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電素子は光電効果を用いて光を電気信号に変換させる素子であって、光ダイオード及び光トランジスタなどを含み、イメージセンサーなどに適用できる。
光ダイオードを含むイメージセンサーは、日が経つにつれて解像度が高まっており、これにより画素大きさが小さくなっている。
現在、主に使用するシリコン光ダイオードの場合、画素の大きさが小さくなりながら吸収面積が減るため、感度低下が発生することがある。
これにより、シリコンを代替できる有機物質が研究されている。
【0003】
有機物質は吸光係数が大きく分子構造によって特定波長領域の光を選択的に吸収することができるので、光ダイオードとカラーフィルタを同時に代替することができ感度改善及び高集積に非常に有利である。
【0004】
したがって、今日、より性能が向上した光電素子に使用する新たな有機物質の提供が課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-201619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の有機物質における課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、緑色波長領域の光を選択的に吸収することができ、熱的安定性に優れた化合物を提供することにある。
また、本発明の他の実施形態は、緑色波長領域の光を選択的に吸収し、高温条件の工程でも効率を優れるように維持することができる光電素子(例えば、有機光電素子)、光電素子(例えば、有機光電素子)を含むイメージセンサー、及びイメージセンサーを含む電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明による化合物は、下記に示す化学式1で表されることを特徴とする。
【化1】
(上記化学式1中、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基又はこれらの縮合環であり、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するかRとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数である。)
【0008】
前記化合物は、下記に示す化学式2(1)で表されることが好ましい。
【化2(1)】
(上記化学式2(1)中、
~Yは、それぞれ独立してN又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成し、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するかRとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数である。)
【0009】
前記化合物は、下記に示す化学式2(2)で表されることが好ましい。
【化2(2)】
(上記化学式2(2)中、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するかRとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数であり、
~Yは、それぞれ独立してN又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0010】
前記化合物は、下記に示す化学式2(3)で表されることが好ましい。
【化2(3)】
(上記化学式2(3)中、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数であり、
は、N又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又はRとRが連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0011】
前記化合物は、下記に示す化学式2(1)A~2(1)Eの内のいずれか一つで表されることが好ましい。
【化2(1)A】
(上記化学式2(1)A中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数である。)
【0012】
【化2(1)B】
(上記化学式2(1)B中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0013】
【化2(1)C】
(上記化学式2(1)C中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0014】
【化2(1)D】
(上記化学式2(1)D中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~4の整数である。)
【0015】
【化2(1)E】
(上記化学式2(1)E中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0016】
前記化合物は、下記に示す化学式2(2)A~2(2)Jの内のいずれか一つで表されることが好ましい。
【化2(2)A】
(上記化学式2(2)A中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数である。)
【0017】
【化2(2)B】
(上記化学式2(2)B中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0018】
【化2(2)C】
(上記化学式2(2)C中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0019】
【化2(2)D】
(上記化学式2(2)D中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0020】
【化2(2)E】
(上記化学式2(2)E中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0021】
【化2(2)F】
(上記化学式2(2)F中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0022】
【化2(2)G】
(上記化学式2(2)G中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0023】
【化2(2)H】
(上記化学式2(2)H中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0024】
【化2(2)I】
(上記化学式2(2)I中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0025】
【化2(2)J】
(上記化学式2(2)J中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0026】
前記化合物は、下記に示す化学式2(3)A~2(3)Dで表されることが好ましい。
【化2(3)A】
(上記化学式2(3)A中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~2の整数である。)
【0027】
【化2(3)B】
(上記化学式2(3)B中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~2の整数である。)
【0028】
【化2(3)C】
(上記化学式2(3)C中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
~Yは、それぞれ独立して、N又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0029】
【化2(3)D】
(上記化学式2(3)D中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
~Yは、それぞれ独立してN又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0030】
前記Arは、下記に示す化学式3で表される環基であることが好ましい。
【化3】
(上記化学式3中、
Ar’は、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基及び置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基から選択され、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基である。)
【0031】
前記化学式1で、Arは、下記に示す化学式4A~化学式4Fの内のいずれか一つで表される環基であることが好ましい。
【化4A】
(上記化学式4A中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、N及びCRから選択され(ここで、Rは水素、重水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、
11、R12、R13、R14、及びR15は、同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択されるか、又はR12とR13、及びR14とR15はそれぞれ独立して存在するか、互いに連結されて融合された芳香族環を形成することができ、
nは、0又は1であり、
*は、結合位置を示す。)
【0032】
【化4B】
(上記化学式4B中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、O、S、Se、Te、及びC(R)(CN)(ここで、Rは水素、シアノ基(-CN)及び炭素数1~10のアルキル基から選択される)から選択され、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、及びこれらの組み合わせから選択され、
*は、結合位置を示す。)
【0033】
【化4C】
(上記化学式4C中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
11、R12、及びR13は、同一であるか異なり、それぞれ独立して水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、及びこれらの組み合わせから選択され、
*は、結合位置を示す。)
【0034】
【化4D】
(上記化学式4D中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、N及びCRから選択され(ここで、Rは水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、
は、O、S、Se、Te、SiR、及びGeRから選択され、ここで、R、R、R、及びRは同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基及び置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基から選択され、
11、R12、及びR13は、同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、R12及びR13は独立して存在するか互いに連結されて融合された芳香族環を形成することができ、
nは、0又は1であり、
*は、結合位置を示す。)
【0035】
【化4E】
(上記化学式4E中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、N又はCRであり(ここで、Rは、水素又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である)、
は、O、S、Se、Te、SiR、及びGeRから選択され、ここで、R、R、R、及びRは同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、及び置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基から選択され、
11、R12、及びR13は、同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、
nは、0又は1であり、
*は、結合位置を示す。)
【0036】
【化4F】
(上記化学式4F中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
11は、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、O、S、Se、Te、SiR、及びGeRから選択され、ここで、R、R、R、及びRは同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、及び置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基から選択される。)
【0037】
前記化学式1で表される化合物の最短軸(Z)を最長軸(X)で割るアスペクト比(Z/X)は、0.30以下であることが好ましい。
前記化合物は、薄膜状態で、500nm以上590nm以下で最大吸収波長(λmax)を有することが好ましい。
前記化合物は、薄膜状態で、50nm~100nmの半値幅を有する吸光曲線を示すことが好ましい。
【0038】
上記目的を達成するためになされた本発明による光電素子は、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される活性層と、を有し、前記活性層は、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の化合物を含むことを特徴とする。
【0039】
上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサーは、本発明の光電素子をことを特徴とする。
【0040】
また、上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサーは、青色波長領域の光を感知する複数の第1光感知素子及び赤色波長領域の光を感知する複数の第2光感知素子が集積されている半導体基板と、前記半導体基板の上部に配置され、緑色波長領域の光を選択的に感知する光電素子と、を有し、前記光電素子は、本発明の光電素子であることを特徴とする。
【0041】
青色波長領域の光を選択的に透過する青色フィルタと赤色波長領域の光を選択的に透過する赤色フィルタとを含むカラーフィルタ層をさらに有すること。
前記第1光感知素子と前記第2光感知素子は、半導体基板で垂直方向に積層されること。
【0042】
また、上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサーは、緑色波長領域の光を感知する緑色光電素子、青色波長領域の光を感知する青色光電素子、及び赤色波長領域の光を感知する赤色光電素子が積層され、前記緑色光電素子は、請求項13に記載の光電素子であることを特徴とする。
【0043】
上記目的を達成するためになされた本発明による電子装置は、本発明のイメージセンサーを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0044】
本発明に係る化合物及びこれを含む光電素子並びにイメージセンサー及び電子装置によれば、緑色波長領域の光を選択的に吸収することができ熱的安定性と電荷移動度が優れた化合物を提供することができる。
前記化合物によって緑色波長領域の波長選択性を高めて素子の効率を改善することができ、高温工程でも性能が低下しない光電素子、イメージセンサー及び電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施形態による光電素子の概略構成を示した断面図である。
図2】本発明の他の実施形態による光電素子の概略構成を示した断面図である。
図3】本発明の一実施形態による有機CMOSイメージセンサーを概略的に示した斜視図である。
図4図3の有機CMOSイメージセンサーの概略構成を示す断面図である。
図5】本発明の他の実施形態による有機CMOSイメージセンサーの概略構成を示す断面図である。
図6】本発明のまた、他の実施形態による有機CMOSイメージセンサーの概略構成を示す断面図である。
図7】本発明のさらに他の実施形態による有機CMOSイメージセンサーの概略構成を示す断面図である。
図8】本発明のさらに他の実施形態による有機CMOSイメージセンサーを概略的に示した斜視図である。
図9】本発明の一実施形態によるイメージセンサーを含むデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
図10】本発明の一実施形態による電子装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本発明に係る化合物及びこれを含む光電素子並びにイメージセンサー及び電子装置を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0047】
以下、実施形態について当該技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。
しかし、実際適用される構造は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
図面で様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
明細書全体にわたって類似の部分に対しては同一図面符号を付けた。
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上”にあるという時には中間に他の部分がないことを意味する。
図面で、本実施形態を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素に対しては同一図面符号を使用した。
本明細書で、“A、B又はCのうちの少なくとも一つ”、“A、B、C又はこれらの組み合わせのうちの一つ”及び“A、B、C及びこれらの組み合わせのうちの一つ”は、それぞれの構成要素及びこれらの組み合わせを全て意味する(例えば、A;B;A及びB;A及びC;B及びC;又はA、B、及びC)。
【0048】
本明細書で、別途の定義がない限り、“置換された”とは、化合物又は官能基中の水素原子がハロゲン原子(F、Br、Cl又はI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アミジノ基、アミン基(-NR’R’’、ここで、R’及びR’’は互いに同一であるか異なり、水素原子、炭素数1~20のアルキル基又は炭素数6~30のアリール基である)、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸基やその塩、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数7~30のアリールアルキル基、炭素数2~20のヘテロアリール基、炭素数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~15のシクロアルケニル基、炭素数6~15のシクロアルキニル基、炭素数2~20のヘテロシクロアルキル基、及びこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されたことを意味する。
【0049】
“アレーン基”は、芳香族環を有する炭化水素環基であって、単一環及び(融合されている、または融合されていない)複数環炭化水素環基(例えば、隣接した炭素原子を共有する環基)を含み、複数環炭化水素環基の付加的な環は芳香族環又は非芳香族環であり得る。
アレーン基は、炭素数6~30のアレーン基、炭素数6~20のアレーン基又は炭素数6~10のアレーン基であり得る。
“ヘテロアレーン基”は、環内にN、O、S、P及びSiから選択されたヘテロ原子を1~3個含有するアレーン基を意味する。
ヘテロアレーン基は、炭素数3~30のヘテロアレーン基、炭素数3~20のヘテロアレーン基又は炭素数3~10のヘテロアレーン基であり得る。
【0050】
本明細書で、“炭化水素環基”は、炭素数3~30の炭化水素環基であり得る。
炭化水素環基は、芳香族炭化水素環基(例えば、炭素数6~30のアレーン基、炭素数6~20のアレーン基又は炭素数6~10のアレーン基又は炭素数6~30のアリール基、炭素数6~20のアリール基又は炭素数6~10のアリール基)、脂環族炭化水素環基(例えば、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数5~30のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基又は炭素数3~10のシクロアルキル基)、又はこれらの融合環基であり得る。
【0051】
例えば、融合環基は、芳香族環(アレーン環)と非芳香族環(脂環族環)の融合環を意味し、例えば、炭素数6~30のアレーン基、炭素数6~20のアレーン基又は炭素数6~10のアレーン基又は炭素数6~30のアリール基、炭素数6~20のアリール基、又は炭素数6~10のアリール基のような少なくとも一つの芳香族環(アレーン環)と炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基又は炭素数3~10のシクロアルキル基のような少なくとも一つの非芳香族環(脂環族環)が互いに連結された融合環基を含むことができる。
【0052】
本明細書で、“ヘテロ環基”は、炭素数2~30のヘテロ環基であり得る。
ヘテロ環基は、芳香族炭化水素環基(例えば、炭素数6~30のアレーン基、炭素数6~20のアレーン基又は炭素数6~10のアレーン基又は炭素数6~30のアリール基、炭素数6~20のアリール基又は炭素数6~10のアリール基)、脂環族炭化水素環基(例えば、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基又は炭素数3~10のシクロアルキル基)、及びこれらの融合環基から選択される環基の少なくとも一つ、例えば、1~3個の炭素をN、O、S、P、及びSiから選択されたヘテロ原子で置換した環基を意味する。
また、ヘテロ環基の一つ以上の炭素原子は、チオカーボニル基(C=S)で置換されてもよい。
【0053】
本明細書で、別途の定義がない限り、“ヘテロ”とは、N、O、S、P、及びSiから選択されたヘテロ原子を1~3個含有したことを意味する。
本明細書で、アルキル基は、1価の直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
本明細書で、“シクロアルキル基”は、環を形成する原子が炭素である1価の炭化水素環基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などであり得る。
本明細書で、“アリール基”は、環状の官能基の全ての元素がp-オービタルを有しており、これらp-オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリック、ポリサイクリック又は融合環ポリサイクリック(即ち、炭素原子の隣接した対を分有する環)官能基を含む。
【0054】
本明細書で、別途の定義がない限り、“シアノ含有基”は、炭素数1~30のアルキル基(例えば、炭素数1~20、又は炭素数1~10のアルキル基)、炭素数2~30のアルケニル基(例えば、炭素数2~20、又は炭素数2~10のアルケニル基)、又は炭素数2~30のアルキニル基(例えば、炭素数2~20、又は炭素数2~10のアルキニル基)の少なくとも一つの水素がシアノ基で置換された1価の官能基を意味する。
また、シアノ含有基は=CRx’-(CR-CRy’(CN)で表される官能基のような2価の官能基を含むことができ、ここで、Rx、Ry、Rx’、及びRy’は、それぞれ独立して水素又は炭素数1~10のアルキル基であり、pは、0~10(又は1~10)の整数である。
シアノ含有基の具体的な例としては、ジシアノメチル基(dicyanomethyl group)、ジシアノビニル基(dicyanovinyl group)、シアノエチニル基(cyanoethynyl group)などがある。
本明細書で、シアノ含有基は、シアノ基(-CN)のみを含む官能基は含まない。
【0055】
本明細書で、別途の定義がない限り、“組み合わせ”とは、一つの置換基が他の置換基に置換されるか、互いに融合して存在するか、単一結合や炭素数1~10のアルキレン基によって互いに連結された置換基を意味する。
本明細書で、別途の定義がない限り、“芳香族炭化水素基”は、フェニル基、ナフチル基など炭素数6~30のアレーン基、炭素数6~30のアリール基、炭素数6~30のアリーレン基などを含むが、これに制限されない。
本明細書で、別途の定義がない限り、“脂肪族炭化水素基”は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など炭素数1~15のアルキル基、炭素数1~15のアルキレン基、エテニル基(ethenyl group)又はプロぺニル基(propenyl group)のような炭素数2~15のアルケニル基、エチニル基(ethynyl group)又はプロピニル基(propynyl group)のような炭素数2~15のアルキニル基などを含むが、これに制限されない。
【0056】
本明細書で、別途の定義がない限り、“芳香族環”は、共役構造を提供する炭素数5~12のサイクリック基(例えば、炭素数6~10のアリール基)又は共役構造を提供する炭素数2~10のヘテロサイクリック基(例えば、炭素数2~10のヘテロアリール基)を意味する。
本明細書で、別途の定義がない限り、“スピロ構造”は、他の環基と一つの元素(例えば、Si、Ge、又はC)を共有する置換もしくは非置換の炭素数5~30の炭化水素環基又は置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基であり得る。
炭素数5~30の炭化水素環基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数5~30のシクロアルキル基(例えば、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基)であり得、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数2~10のヘテロシクロアルキル基であり得る。
【0057】
以下、本発明の一実施形態による化合物を説明する。
化合物は、下記に示す化学式1で表される。
【化1】
(上記化学式1中、
Arは、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基又はこれらの縮合環であり、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するかRとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数である。)
【0058】
化学式1で表される化合物は、N-含有環の電子ドナー部分(electron donor moiety)、X-含有環のリンカー及びArで表される電子アクセプタ部分(electron acceptor moiety)を含む。
化学式1で、電子ドナー部分は、N-含有環の非共役構造(non-conjugation structure)を有することによって緑色光領域の吸光特性を改善し平面性構造を誘導して化合物の電荷移動度を向上させることができる。
化学式1で表される化合物の立体構造で、最短軸(Z)を最長軸(X)で割るアスペクト比(Z/X)が、0.30以下、好ましくは0.25以下又は0.20以下であり得る。
上記範囲で化合物を平面性を優れるように維持できて電荷移動度を改善することができる。
【0059】
化学式1で表される化合物は、特定構造のドナー-リンカー-アクセプタ構造を有し、これにより、吸収波長を緑色波長範囲(500nm~580nm)に調節することができ、蒸着温度を低めることができ、吸光係数を増加させることができる。
化学式1で、Arは、炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環であり得る。
【0060】
本発明の一実施形態で、化学式1の化合物は、下記に示す化学式2(1)で表すことができる。
【化2(1)】
(上記化学式2(1)中、
~Yは、それぞれ独立してN又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成し、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するかRとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数である。)
【0061】
本発明の一実施形態で、化学式1の化合物は、下記に示す化学式2(2)で表すことができる。
【化2(2)】
(上記化学式2(2)中、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するかRとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数であり、
~Yは、それぞれ独立してN又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0062】
本発明の一実施形態で、化学式1の化合物は、下記に示す化学式2(3)で表すことができる。
【化2(3)】
(上記化学式2(3)中、
Xは、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
Arは、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数6~30の炭化水素環基、C=O、C=S、C=Se、及びC=Teから選択される少なくとも一つの官能基を有する置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基、又はこれらの融合環基であり、
~Rは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、置換もしくは非置換の炭素数2~30のアシル基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、ニトロ基、ペンタフルオロスルファニル基(pentafluorosulfanyl group、-SF)、ヒドロキシル基、アミン基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボキシル基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SiR(ここで、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、及びこれらの組み合わせから選択され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
aは、0~4の整数であり、
は、N又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又はRとRが連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0063】
本発明の一実施形態で、化学式2(1)で表される化合物は、下記に示す化学式2(1)A~2(1)Eの内のいずれか一つで表すことができる。
【化2(1)A】
(上記化学式2(1)A中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数である。)
【0064】
【化2(1)B】
(上記化学式2(1)B中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0065】
【化2(1)C】
(上記化学式2(1)C中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0066】
【化2(1)D】
(上記化学式2(1)D中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~4の整数である。)
【0067】
【化2(1)E】
(上記化学式2(1)E中、
X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(1)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0068】
化学式2(2)で表される化合物は、下記に示す化学式2(2)A~2(2)Jの内のいずれか一つで表すことができる。
【化2(2)A】
(上記化学式2(2)A中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数である。)
【0069】
【化2(2)B】
(上記化学式2(2)B中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0070】
【化2(2)C】
(上記化学式2(2)C中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0071】
【化2(2)D】
(上記化学式2(2)D中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0072】
【化2(2)E】
(上記化学式2(2)E中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0073】
【化2(2)F】
(上記化学式2(2)F中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0074】
【化2(2)G】
(上記化学式2(2)G中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0075】
【化2(2)H】
(上記化学式2(2)H中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~4の整数であり、
a2は、0~2の整数である。)
【0076】
【化2(2)I】
(上記化学式2(2)I中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0077】
【化2(2)J】
(上記化学式2(2)J中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(2)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1及びa2は、それぞれ独立して、0~2の整数である。)
【0078】
化学式2(3)で表される化合物は、下記に示す化学式2(3)A~2(3)Dで表すことができる。
【化2(3)A】
(上記化学式2(3)A中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~2の整数である。)
【0079】
【化2(3)B】
(上記化学式2(3)B中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
11は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であり、
a1は、0~2の整数である。)
【0080】
【化2(3)C】
(上記化学式2(3)C中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
~Yは、それぞれ独立して、N又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0081】
【化2(3)D】
(上記化学式2(3)D中、
X、X、Ar、R~R、及びaは、化学式2(3)と同一であり、
は、O、S、Se、Te、S(=O)、S(=O)、NR、SiR、GeR、及びCRから選択され(ここで、R、R、R、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基であり、これらは独立して存在するか、RとR、RとR、及びRとRが互いに連結されてスピロ構造を形成する)、
~Yは、それぞれ独立してN又はCRであり、ここで、Rは水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミン基、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルコキシ基であるか、又は隣接するCRが互いに連結されて置換もしくは非置換の炭素数6~30のアレーン(arene)基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアレーン(heteroarene)基、又はこれらの縮合環を形成する。)
【0082】
化学式1、化学式2(1)~化学式2(3)、化学式2(1)A~2(1)E、化学式2(2)A~2(2)J、及び化学式2(3)A~2(3)Dで、XがSiR、GeR、又はCRである場合、R及びR、R及びR、又はR及びRが互いに独立して存在するか、互いに連結されてスピロ構造を形成することができる。
また、化学式2(2)、化学式2(3)、化学式2(1)E、化学式2(2)A~2(2)J、及び化学式2(3)A~2(3)Dで、XがSiR、GeR、又はCRである場合、R及びR、R及びR、又はR及びRが互いに独立して存在するか、互いに連結されてスピロ構造を形成することができる。
化学式2(2)C、化学式2(2)D、化学式2(2)E、化学式2(2)F、化学式2(2)G、化学式2(2)I、化学式2(2)J、化学式2(3)A、化学式2(3)B、化学式2(3)C、及び化学式2(3)Dで、XがSiR、GeR、又はCRである場合、R及びR、R及びR、又はR及びRが互いに独立して存在するか互いに連結されてスピロ構造を形成することができる。
【0083】
スピロ構造は、置換もしくは非置換の炭素数5~30の炭化水素環基又は置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基であり得る。
炭素数5~30の炭化水素環基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数5~30のシクロアルキル基(例えば、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基)であり得、置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロ環基は、例えば、置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロシクロアルキル基又は置換もしくは非置換の炭素数2~10のヘテロシクロアルキル基であり得る。
【0084】
例えば、スピロ構造が炭素数5のシクロアルキル基又は炭素数4のヘテロシクロアルキル基を形成する場合、化学式1で表される化合物は下記に示す化学式1Aで表すことができ、スピロ構造が炭素数6のシクロアルキル基又は炭素数4のヘテロシクロアルキル基を形成する場合、化学式1で表される化合物は下記に示す化学式1Bで表すことができる。
【化1A】
【化1B】
(上記化学式1A及び化学式1B中、
Ar、Ar、R~R、及びa、は、化学式1と同一であり、X’はSi、Ge又はCである。)
【0085】
化学式1で、Arは、下記に示す化学式3で表すことができる。
【化3】
(上記化学式3中、
Ar’は、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基及び置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基から選択され、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基である。)
【0086】
前記化学式1で、Arは、下記に示す化学式4A~化学式4Fの内のいずれか一つで表される環基であり得る。
【化4A】
(上記化学式4A中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、N及びCRから選択され(ここで、Rは水素、重水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、
11、R12、R13、R14、及びR15は、同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択されるか、又はR12とR13、及びR14とR15はそれぞれ独立して存在するか、互いに連結されて融合された芳香族環を形成することができ、
nは、0又は1であり、
*は、結合位置を示す。)
【0087】
【化4B】
(上記化学式4B中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、O、S、Se、Te、及びC(R)(CN)(ここで、Rは水素、シアノ基(-CN)及び炭素数1~10のアルキル基から選択される)から選択され、
11及びR12は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、及びこれらの組み合わせから選択され、
*は、結合位置を示す。)
【0088】
【化4C】
(上記化学式4C中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
11、R12、及びR13は、同一であるか異なり、それぞれ独立して水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、及びこれらの組み合わせから選択され、
*は、結合位置を示す。)
【0089】
【化4D】
(上記化学式4D中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、N及びCRから選択され(ここで、Rは水素及び置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基から選択される)、
は、O、S、Se、Te、SiR、及びGeRから選択され、ここで、R、R、R、及びRは同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基及び置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基から選択され、
11、R12、及びR13は、同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、R12及びR13は独立して存在するか互いに連結されて融合された芳香族環を形成することができ、
nは、0又は1であり、
*は、結合位置を示す。)
【0090】
【化4E】
(上記化学式4E中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
は、N又はCRであり(ここで、Rは、水素又は置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である)、
は、O、S、Se、Te、SiR、及びGeRから選択され、ここで、R、R、R、及びRは同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、及び置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基から選択され、
11、R12、及びR13は、同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、
nは、0又は1であり、
*は、結合位置を示す。)
【0091】
【化4F】
(上記化学式4F中、
は、O、S、Se、及びTeから選択され、
は、O、S、Se、Te、及びCRから選択され、ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、シアノ基又はシアノ含有基であり、ZがCRである場合、R及びRの内の少なくとも一つはシアノ基又はシアノ含有基であり、
11は、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、
は、O、S、Se、Te、SiR、及びGeRから選択され、ここで、R、R、R、及びRは同一であるか異なり、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、及び置換もしくは非置換の炭素数6~10のアリール基から選択される。)
【0092】
化学式4Aで表される環基は、下記に示す化学式4A-1又は化学式4A-2で表される環基であり得る。
【化4A-1】
【化4A-2】
(上記化学式4A-1及び化学式4A-2中、
、n、R11、R12、R13、R14、及びR15は、化学式4Aと同一である。
【0093】
化学式4Aで表される環基は、R12とR13、及び/又はR14とR15はそれぞれ独立して連結されて融合された芳香族環を形成する場合、下記に示す化学式4A-3で表される環基であり得る。
【化4A-3】
(上記化学式4A-3中、
、Z、Z、R11、及びnは、化学式4Aと同一であり、
12a及びR12bは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、
m1及びm2は、それぞれ独立して、0~4の整数であり、
Ph及びPhは、融合されたフェニレン環を意味し、PhとPhの内の一つは選択的に(optionally)省略できる。)
【0094】
化学式4Bで表される環基は、例えば、下記に示す化学式4B-1、4B-2、又は4B-3で表される環基であり得る。
【化4B-1】
【化4B-2】
【化4B-3】
(上記化学式4B-1、4B-2、及び4B-3中、
11及びR12は、化学式4Bと同一である。)
【0095】
化学式4Cで表される環基は、例えば、下記に示す化学式4C-1及び4C-2で表される環基であり得る。
【化4C-1】
【化4C-2】
(上記化学式4C-1及び4C-2中、
11~R13は、化学式4Cと同一である。)
【0096】
化学式1で、電子ドナー部分のN、X-含有環のX及び電子アクセプタ部分に存在するZ(O、S、Se又はTe)は、分子内相互作用(intramolecular interaction)を増加させて特定波長での吸収強度を向上させることができる。
化学式1の化合物の具体的な例としては、下記に示す化合物群5A、5B-1~5B-5、又は化合物群5Cの化合物が挙げられるが、これに限定されるのではない。
【0097】
【化compo5A】
(上記化合物群5A中、
Xは、化学式1と同一であり、
それぞれの芳香族環に存在する水素は、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択される置換基で置換され得る。)
【0098】
【化compo5B-1】
【化compo5B-2】
【化compo5B-3】
【化compo5B-4】
【化compo5B-5】
(上記化合物群5B-1~5B-5中、
Xは、化学式1と同一であり、
それぞれの芳香族環に存在する水素は、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、シアノ基(-CN)、シアノ含有基及びこれらの組み合わせから選択される置換基で置換され得る。)
【0099】
【化compo5C】
上記化合物群5C中、
Xは、化学式1と同一であり、
それぞれの芳香族環に存在する水素は、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数4~30のヘテロアリール基、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、シアノ基(-CN)、シアノ含有基、及びこれらの組み合わせから選択される置換基で置換され得る。)
【0100】
化合物群5A、化合物群5B、及び化合物群5Cで、アクセプタ構造として化学式4Aで表される環基のみ示したが、化学式4B~化学式4Fの内のいずれか一つの環基の場合も同一に例示できる。
【0101】
本発明の化合物は、緑色波長領域の光を選択的に吸収する化合物であって、薄膜状態で約500nm以上、例えば約510nm以上、約520nm以上、525nm以上、又は530nm以上、及び約590nm以下、例えば約580nm以下、約570nm以下、約560nm以下、約555nm以下、又は550nm以下の波長範囲で最大吸収波長(λmax)を有し得る。
【0102】
本発明の化合物は、薄膜状態で約50nm~約100nm、例えば約50nm~約95nmの半値幅(full width at half maximum:FWHM)を有する吸光曲線を示す。
ここで、半値幅は、最大吸光地点の半分(half)に対応する波長の幅(width)であって、半値幅が小さければ、狭い波長領域の光を選択的に吸収して波長選択性が高いということを意味する。
上記範囲の半値幅を有することによって緑色波長領域に対する選択性を高めることができる。
薄膜は、真空条件で蒸着された薄膜であり得る。
【0103】
本発明の化合物は、蒸着によって薄膜として形成できる。
蒸着法は、均一な薄膜形成が可能であり不純物混入可能性が少ないため有利な点があるが、化合物の融点が蒸着温度より低い場合、化合物の分解物が蒸着されて素子の性能を阻害することがある。
したがって、蒸着温度より化合物の融点がさらに高いことが好ましい。
このような点から、化合物は蒸着温度より高い、例えば約10℃以上、例えば約15℃以上、20℃以上、約25℃以上、又は30℃以上の高い融点を有することで、蒸着工程に好ましく使用できる。
【0104】
より詳しく説明すると、化学式1の構造で表されるドナー-アクセプタ型材料は、融点(T)が分解温度(T)と近似しているので、材料の融点(Tm)で熱分解できる。
したがって、真空蒸着によって製膜する温度(昇華温度、蒸着温度、T)がTより高い温度であれば、昇華(蒸着)より分解が優先的に発生して正常的な素子を製作することができない。
このような材料からは安定したイメージセンサーの生産が不可能であるため、Tは、Tより高くなければならず、さらに好ましい条件としてはT-T≧10℃であることが良い。
【0105】
また、イメージセンサーを製作する場合、光の集光のためにマイクロレンズアレイ(MLA)を素子製作後に形成する必要がある。
このマイクロレンズアレイは、形成時に比較的に高温(約160℃以上、例えば170℃以上、180℃以上又は190℃以上の温度)を必要とするが、光電素子(例えば、有機光電素子)は、このような熱処理工程で性能が劣化してはならない。
MLA熱処理工程で光電素子が劣化することは、有機物質が化学的に分解するのではなく、モルフォロジー変化によって発生することである。
モルフォロジー変化は、一般には熱処理によって物質の熱運動が始まりながら発生し始めるが、堅固な分子構造を有する場合にはこのような熱振動が発生しにくくなって熱処理による劣化を防止することができるようになる。
本発明の化合物は、ドナー部位に共役構造を有することによって分子の熱による振動を抑制してMLA熱処理工程でも安定して維持され、これによって工程安定性を確保することができる。
【0106】
本発明の化合物は、p型半導体化合物であってもよい。
本発明の化合物は、p型半導体として作用するので、混合使用するn型半導体に比べてLUMOエネルギーレベルの位置が高ければ適切に使用することができる。
例えば、フラーレンのようなn型材料と混合使用する場合、フラーレンのLUMOエネルギーレベルが4.2eVであるので、4.2eVより高いLUMOエネルギーレベルを有すれば良い。
そして、適切なHOMO-LUMOエネルギーレベルの場合、化合物はHOMOエネルギーレベルが約5.2~約5.8eVであり、約2.12~2.48eVのエネルギーバンドギャップを有するようになれば、LUMOエネルギーレベルが約3.7~約2.7eVの間に位置するようになる。
上記範囲のHOMOエネルギーレベルとLUMOエネルギーレベル及びエネルギーバンドギャップを有することによって緑色波長領域で光を効果的に吸収するp型半導体化合物として適用でき、これにより、高い外部量子効率(external quantum efficiency、EQE)を有することができて光電変換効率を改善することができる。
HOMOエネルギー準位は、AC-3(Riken Keiki Co.,LTD.)を用いて薄膜にUV光を照射し、エネルギーに応じて放出される光電子量で評価することができ、LUMOエネルギー準位は、UV-Vis spectrometer(Shimadzu Corporation)を用いてエネルギーバンドギャップを得た後、上記エネルギーバンドギャップと既に測定されたHOMOエネルギー準位からLUMOエネルギー準位を計算して得られる。
【0107】
本発明の一実施形態で、蒸着によって薄膜を形成する観点から安定的に蒸着可能な化合物が使用されることが良いので、約300g/mol~約1500g/molの分子量を有する化合物が蒸着工程に使用できる。
しかし、上記範囲外であっても蒸着可能な化合物であれば制限なく使用できる。
また、塗布工程で薄膜を形成する場合、溶媒に溶解され、塗布可能な化合物であれば制限なく使用できる。
【0108】
以下、本発明の一実施形態による本発明の化合物を含む光電素子について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態による光電素子の概略構成を示した断面図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による光電素子100は、互いに対向する第1電極10と第2電極20、そして第1電極10と第2電極20の間に配置される活性層30を含む。
【0109】
第1電極10と第2電極20の内のいずれか一つは、アノード(anode)であり、他の一つはカソード(cathode)である。
第1電極10と第2電極20の内の少なくとも一つは透光電極であり得、透光電極は、例えば、インジウムティンオキサイド(indium tin oxide:ITO)又はインジウム亜鉛オキサイド(indium zinc oxide:IZO)のような透明導電体、又は薄い厚さの単一層又は複数層の金属薄膜から製造される。
第1電極10と第2電極20の内の一つが不透光電極である場合、例えば、アルミニウム(Al)のような不透明導電体から製造される。
【0110】
活性層30は、p型半導体化合物とn型半導体化合物が含まれてpn接合(pn junction)を形成する層であって、外部から光を受けてエキシトン(exciton)を生成した後、生成されたエキシトンを正孔と電子に分離する層である。
活性層30は、化学式1で表される化合物を含む。
化合物は、活性層30でp型半導体化合物として適用される。
【0111】
化合物は、緑色波長領域の光を選択的に吸収する化合物であって、化合物を含む活性層30は、約500nm以上、例えば約510nm以上、約520nm以上、525nm以上、又は530nm以上及び約590nm以下、例えば約580nm以下、約570nm以下、約560nm以下、約555nm以下、又は550nm以下の波長範囲で最大吸収波長(λmax)を有する。
活性層30は、約50nm~約100nm、例えば約50nm~約95nmの比較的に小さい半値幅(FWHM)を有する吸光曲線を示す。
これにより、活性層30は、緑色波長領域の光に対して高い選択性を有する。
活性層は、化合物とC60を約0.9:1~約1.1:1、例えば1:1の体積比で含み、約6.5×10cm-1以上、例えば約6.7×10cm-1~約10×10cm-1、又は約6.9×10cm-1~約10×10cm-1の吸光係数を有し得る。
【0112】
活性層30は、pn接合を形成するためのn型半導体化合物をさらに含むことができる。
n型半導体化合物は、サブフタロシアニン又はサブフタロシアニン誘導体、フラーレン又はフラーレン誘導体、チオフェン又はチオフェン誘導体、又はこれらの組み合わせであり得る。
フラーレンの例としては、C60、C70、C76、C78、C80、C82、C84、C90、C96、C240、C540、これらの混合物、フラーレンナノチューブなどがある。
フラーレン誘導体は、フラーレンに置換基を有する化合物を意味する。
フラーレン誘導体は、アルキル基(例えば、炭素数1~30のアルキル基)、アリール基(例えば、炭素数6~30のアリール基)、ヘテロ環基(例えば、炭素数3~30のシクロアルキル基)などの置換基を含むことができる。
【0113】
アリール基とヘテロ環基の例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン(furan)環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン(indolizine)環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン(isobenzofuran)環、ベンゾイミダゾール環、イミダゾピリジン(imidazopyridine)環、キノリジジン(quinolizidine)環、キノリン環、フタラジン(phthalazine)環、ナフチリジン(naphthyridine)環、キノキサリン(quinoxaline)環、キノキサゾリン(quinoxazoline)環、イソキノリン(isoquinoline)環、カルバゾール(carbazole)環、フェナントリジン(phenanthridine)環、アクリジン(acridine)環、フェナントロリン(phenanthroline)環、チアントレン(thianthrene)環、クロメン(chromene)環、キサンテン(xanthene)環、フェノキサジン(phenoxazine)環、フェノキサチイン(phenoxathiin)環、フェノチアジン(phenothiazine)環、又はフェナジン(phenazine)環がある。
【0114】
サブフタロシアニン又はサブフタロシアニン誘導体は、下記に示す化学式6で表すことができる。
【化6】
(上記化学式6中、
31~R33は、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロアリール基、ハロゲン、ハロゲン含有基、及びこれらの組み合わせから選択され、
a、b、及びcは、1~3の整数であり、
Zは、1価の置換基である。)
一例として、Zはハロゲン又はハロゲン含有基であってもよく、例えばF、Cl、F含有基又はCl含有基であってもよい。
ハロゲンは、F、Cl、Br、又はIを意味し、ハロゲン含有基は、アルキル基(炭素数1~30のアルキル基、例えば、炭素数1~20のアルキル基、又は炭素数1~10のアルキル基)の水素の内の少なくとも一つがF、Cl、Br、又はIで置換されたものを意味する。
【0115】
チオフェン誘導体は、例えば、下記に示す化学式7又は化学式8で表すことができるが、これに限定されるのではない。
【化7】
【化8】
(上記化学式7と8中、
、T、及びTは、置換もしくは非置換のチオフェン部を有する芳香族環であり、
、T、及びTは、それぞれ独立して存在するか融合されていてもよく、
~Xは、それぞれ独立して、水素、重水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロ環基、シアノ基、又はこれらの組み合わせであり、
EWG及びEWGは、それぞれ独立して、電子求引基(electron withdrawing group)である。)
一例として、化学式7で、X~Xの内の少なくとも一つは電子求引基、例えば、シアノ基又はシアノ含有基であり得る。
【0116】
活性層30は、緑色光を選択的に吸収する第2のp型半導体化合物をさらに含むことができる。
第2のp型半導体化合物としては、下記に示す化学式9の化合物が挙げられる。
【化9】
(上記化学式9中、
41~R43は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30の脂肪族炭化水素基(例えば、アレーン基)、置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数1~30の脂肪族ヘテロ環基(例えば、ヘテロアレーン基)、置換もしくは非置換の炭素数2~30の芳香族ヘテロ環基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールオキシ基、チオール基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルチオ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールチオ基、シアノ基、シアノ含有基、ハロゲン基、ハロゲン含有基、置換もしくは非置換のスルホニル基(例えば、置換もしくは非置換の炭素数0~30のアミノスルホニル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルスルホニル基又は置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールスルホニル基)、又はこれらの組み合わせであり、又はR41~R43は隣接した二つが連結されて融合環を形成し、
~Lは、それぞれ独立して、単一結合、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリーレン基、2価の置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロ環基、又はこれらの組み合わせであり、
51~R53は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数3~30のヘテロ環基、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアミン基(例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキルアミン基又は置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリールアミン基)、置換もしくは非置換のシリル基、又はこれらの組み合わせであり、
a~cは、それぞれ独立して、0~4の整数である。)
【0117】
緑色光を選択的に吸収する第2のp型半導体化合物は、化学式1の化合物100重量部に対して約500~約1500重量部で含まれることが良い。
活性層30は単一層であってもよく、複数層であってもよい。
活性層30は、例えば、真性層(intrinsic layer:I層)、p型層/I層、I層/n型層、p型層/I層/n型層、p型層/n型層など多様な組み合わせであり得る。
真性層(I層)は、化学式1の化合物とn型半導体化合物が、約1:100~約100:1の厚さ比で混合されて含まれ得る。
上記範囲内で、約1:50~50:1の厚さ比で含まれてもよく、上記範囲内で約1:10~10:1の厚さ比で含まれてもよく、上記範囲内で約1:1の厚さ比で含まれてもよい。
上記範囲の組成比を有することによって効果的なエキシトン生成及びpn接合形成に有利である。
p型層は、化学式1の半導体化合物を含み、n型層は、n型半導体化合物を含む。
【0118】
活性層30は、約1nm~約500nmの厚さを有する。
上記範囲内で、約5nm~300nmの厚さを有し得る。
上記範囲の厚さを有することによって光を効果的に吸収し、正孔と電子を効果的に分離及び伝達することによって、光電変換効率を効果的に改善することができる。
活性層30の最適の膜厚は、例えば、活性層30の吸収係数を考慮して決定することができ、例えば、少なくとも約70%以上、例えば約80%以上、例えば約90%の光を吸収できる厚さを有し得る。
【0119】
光電素子100は、第1電極10及び/又は第2電極20側から光が入射して、活性層30が所定波長領域の光を吸収すれば、内部でエキシトンが生成される。
エキシトンは、活性層30で正孔と電子に分離され、分離された正孔は第1電極10と第2電極20の内の一つであるアノード側に移動し、分離された電子は、第1電極10と第2電極20の内の他の一つであるカソード側に移動して、光電素子に電流が流れるようになる。
【0120】
以下、図2を参照して本発明の他の実施形態による光電素子について説明する。
図2は、本発明の他の実施形態による光電素子の概略構成を示した断面図である。
図2を参照すると、本実施形態による光電素子100は、前述の実施形態と同様に、互いに対向する第1電極10と第2電極20、そして第1電極10と第2電極20の間に配置される活性層30を含む。
【0121】
しかし、本実施形態による光電素子100は、前述の実施形態とは異なり、第1電極10と活性層30の間、及び第2電極20と活性層30の間にそれぞれ電荷補助層(40、45)をさらに含む。
電荷補助層(40、45)は、活性層30で分離された正孔と電子の移動を容易にして効率を高める。
電荷補助層(40、45)は、正孔の注入を容易にする正孔注入層(hole injecting layer:HIL)、正孔の輸送を容易にする正孔輸送層(hole transporting layer:HTL)、電子の移動を阻止する電子遮断層(electronblocking layer:EBL)、電子の注入を容易にする電子注入層(electron injecting layer:EIL)、電子の輸送を容易にする電子輸送層(electron transporting layer:ETL)、及び正孔の移動を阻止する正孔遮断層(hole blocking layer:HBL)から選択される少なくとも一つを含み得る。
電荷補助層(40、45)は、例えば、有機物、無機物、又は有機無機物を含む。
有機物は、正孔又は電子特性を有する有機化合物であってもよく、無機物は、例えば、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、ニッケル酸化物のような金属酸化物であってもよい。
【0122】
正孔輸送層(HTL)は、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate)、PEDOT:PSS)、ポリアリールアミン、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(poly(N-vinylcarbazole))、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メトキシフェニル)-ベンジジン(N,N,N’,N’-tetrakis(4-methoxyphenyl)-benzidine、TPD)、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェニル(4,4’-bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl-amino]biphenyl、α-NPD)、m-MTDATA、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)-トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)-triphenylamine、TCTA)、及びこれらの組み合わせから選択される一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0123】
電子遮断層(EBL)は、例えば、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホネート)(poly(3,4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate)、PEDOT:PSS)、ポリアリールアミン、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(poly(N-vinylcarbazole))、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メトキシフェニル)-ベンジジン(N,N,N’,N’-tetrakis(4-methoxyphenyl)-benzidine、TPD)、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニル-アミノ]ビフェニル(4,4’-bis[N-(1-naphthyl)-N-phenyl-amino]biphenyl、α-NPD)、m-MTDATA、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)-トリフェニルアミン(4,4’,4”-tris(N-carbazolyl)-triphenylamine:TCTA)、及びこれらの組み合わせから選択される一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0124】
電子輸送層(ETL)は、例えば、1,4,5,8-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物(1,4,5,8-naphthalene-tetracarboxylic dianhydride、NTCDA)、バソクプロイン(bathocuproine、BCP)、LiF、Alq3、Gaq3、Inq3、Znq2、Zn(BTZ)2、BeBq2、及びこれらの組み合わせから選択される一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
正孔遮断層(HBL)は、例えば、1,4,5,8-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物(1,4,5,8-naphthalene-tetracarboxylic dianhydride、NTCDA)、バソクプロイン(BCP)、LiF、Alq3、Gaq3、Inq3、Znq2、Zn(BTZ)2、BeBq2、及びこれらの組み合わせから選択される一つを含むことができるが、これに限定されるのではない。
電荷補助層(40、45)の内の一つは省略することができる。
【0125】
光電素子は、太陽電池、イメージセンサー、光検出器、光センサー、及び発光素子などに適用され得るが、これに限定されるのではない。
以下、光電素子を適用したイメージセンサーの一例について図面を参照して説明する。
ここでは、イメージセンサーの一例として有機CMOSイメージセンサーについて説明する。
【0126】
図3は、本発明の一実施形態による有機CMOSイメージセンサーを概略的に示した斜視図であり、図4は、図3の有機CMOSイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
図3及び図4を参照すると、本発明の一実施形態による有機CMOSイメージセンサー300は、光感知素子(50B、50R)、伝送トランジスタ(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積されている半導体基板310、下部絶縁層60、カラーフィルタ層70、上部絶縁層80、及び光電素子100を含む。
【0127】
半導体基板310は、シリコン基板であり得、光感知素子(50B、50R)、伝送トランジスタ(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積されている。
光感知素子(50B、50R)は、光ダイオードであり得る。
光感知素子(50B、50R)、伝送トランジスタ、及び/又は電荷貯蔵所55は、各画素ごとに集積されていてもよく、一例として、図に示すように、光感知素子(50B、50R)は、青色画素及び赤色画素に含まれてもよく、電荷貯蔵所55は、緑色画素に含まれてもよい。
光感知素子(50B、50R)は、光をセンシングし、センシングされた情報は、伝送トランジスタによって伝達され、電荷貯蔵所55は、後述の光電素子100と電気的に接続されており、電荷貯蔵所55の情報は、伝送トランジスタによって伝達される。
図では、光感知素子(50B、50R)が並んで配列された構造を例示したが、これに限定されず、青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが垂直に積層されていてもよい。
【0128】
半導体基板310の上には、また、金属配線(図示せず)及びパッド(図示せず)が形成される。
金属配線及びパッドは、信号遅延を減らすために、低い比抵抗を有する金属、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(g)、及びこれらの合金から製造されるが、これに限定されるのではない。
しかし、上記構造に限定されず、金属配線及びパッドが光感知素子(50B、50R)の下部に配置されてもよい。
金属配線及びパッドの上には、下部絶縁層60が形成される。
下部絶縁層60は、酸化ケイ素及び/又は窒化ケイ素のような無機絶縁物質、又はSiC、SiCOH、SiCO、及びSiOFのような低誘電率(low K)物質から形成される。
下部絶縁層60は、電荷貯蔵所55を露出させるトレンチを有する。
トレンチは、充填材で満たされる。
【0129】
下部絶縁膜60の上にはカラーフィルタ層70が形成される。
カラーフィルタ層70は、青色画素に形成されて青色光を選択的に透過する青色フィルタ70Bと、赤色画素に形成されて赤色光を選択的に透過する赤色フィルタ70Rを含む。
一実施形態で、青色フィルタ70Bと赤色フィルタ70Rの代わりに、シアンフィルタ70Cとイエローフィルタ70Yが配置されてもよい。
本実施形態では緑色フィルタを備えない例を説明するが、場合によって緑色フィルタを備えることもできる。
カラーフィルタ層70は、場合によって省略でき、一例として青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが垂直に積層されている構造では、青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが積層深さによって各波長領域の光を選択的に吸収、及び/又は感知することができるので、カラーフィルタ層70を備えなくてもよい。
【0130】
カラーフィルタ層70の上には、上部絶縁層80が形成される。
上部絶縁層80は、カラーフィルタ層70による段差を除去し平坦化する。
上部絶縁層80及び下部絶縁層60は、パッドを露出させる接触口(図示せず)と緑色画素の電荷貯蔵所55を露出させる貫通口85を有する。
【0131】
上部絶縁層80の上には前述の光電素子100が形成される。
光電素子100は、前述のように、第1電極10、活性層30、及び第2電極20を含む。
第1電極10と第2電極20は、両方とも透明電極であってもよいが、活性層30は前述の通りである。
活性層30は、緑色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知することができ、緑色画素のカラーフィルタを代替することができる。
第2電極20側から入射した光は、活性層30で緑色波長領域の光が主に吸収されて光電変換され、残り波長領域の光は、第1電極10を通過して光感知素子(50B、50R)にセンシングされる。
【0132】
上記のように緑色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する光電素子が積層された構造を有することによってイメージセンサーの大きさを小さくして小型化イメージセンサーを実現することができる。
また前述のように化学式1で表される化合物を半導体化合物として含むことによって、薄膜状態でも化合物の間の凝集が発生することを防止して波長による吸光特性を維持することができる。
これにより緑色波長選択性をそのまま維持することができ、よって、緑色以外の波長領域の光を不必要に吸収して発生するクロストークを減らし感度を高めることができる。
一実施形態で、図4で、追加のカラーフィルタが光電素子100の上にさらに配置されてもよい。
追加のカラーフィルタは、青色フィルタ70Bと赤色フィルタ70R、又はシアンフィルタ70Cとイエローフィルタ70Yを含むことができる。
【0133】
カラーフィルタが光電素子の上に配置された有機CMOSイメージセンサーは図5に示す。
図5は、本発明の他の実施形態による有機CMOSイメージセンサー400の概略構成を示す断面図である。
図5を参照すると、有機CMOSイメージセンサー400は、青色フィルタ72Bと赤色フィルタ72Rを含むカラーフィルタ層72が光電素子100の上に配置されることを除いては、図4と同一な構造を有する。
青色フィルタ72Bと赤色フィルタ72Rの代わりに、シアンフィルタ72C及びイエローフィルタ72Yがそれぞれ配置されてもよい。
【0134】
図4図5では図1の光電素子100を含む例を示したが、これに限定されず、図2の光電素子200を含む場合にも同一に適用することができる。
図6は、図2の光電素子200を適用した有機CMOSイメージセンサー500の概略構成を示す断面図である。
図7は、本発明のさらに他の実施形態による有機CMOSイメージセンサーの概略構成を示す断面図である。
図7を参照すると、本実施形態による有機CMOSイメージセンサー600は、前述の実施形態と同様に、光感知素子(50B、50R)、伝送トランジスタ(図示せず)、及び電荷貯蔵所55が集積されている半導体基板310、絶縁層80、及び光電素子100を含む。
【0135】
しかし、本実施形態による有機CMOSイメージセンサー600は、前述の実施形態とは異なり、青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rが積層されており、カラーフィルタ層70が省略される。
青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rは、電荷貯蔵所と電気的に接続されており、伝送トランジスタ(図示せず)によって伝達される。
青色光感知素子50Bと赤色光感知素子50Rは、積層深さによって各波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する。
上記のように緑色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する光電素子が積層された構造を有し、赤色光感知素子と青色光感知素子が積層された構造を有することによって、イメージセンサーの大きさをさらに小さくして小型化イメージセンサーを実現することができる。
また、前述のように、光電素子100は、緑色波長選択性を高めることによって、緑色以外の波長領域の光を不必要に吸収して発生するクロストークを減らし感度を高めることができる。
【0136】
図7では図1の光電素子100を含む例を示したが、これに限定されず、図2の光電素子200を含む場合にも同一に適用することができる。
図8は、本発明のさらに他の実施形態による有機CMOSイメージセンサーを概略的に示した斜視図である。
図8を参照すると、本実施形態による有機CMOSイメージセンサーは、緑色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する緑色光電素子(G)、青色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する青色光電素子(B)及び赤色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する赤色光電素子(R)が積層されている構造である。
【0137】
図では、赤色光電素子(R)、青色光電素子(B)、及び緑色光電素子(G)が順次に積層された構造を示したが、これに限定されず、積層順序は多様に変更できる。
緑色光電素子(G)は、前述の光電素子100又は光電素子200であり、青色光電素子(B)は、互いに対向する電極とその間に介在する青色波長領域の光を選択的に吸収する有機物質を含む活性層を含み、赤色光電素子(R)は、互いに対向する電極とその間に介在する赤色波長領域の光を選択的に吸収する有機物質を含む活性層を含む。
上記のように、緑色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する緑色光電素子(G)、青色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する青色光電素子(B)、及び赤色波長領域の光を選択的に吸収及び/又は感知する赤色光電素子(R)が積層された構造を有することによって、イメージセンサーの大きさをさらに小さくして小型化イメージセンサーを実現することができると同時に、感度を高めクロストークを減らすことができる。
【0138】
イメージセンサーは、適切な波長領域の吸収を有することによって、積層型構造を有しながらも感度(YSNR10)と色再現性(ΔE*ab)を全て改善することができる。
ここで言う「YSNR10」とは、イメージセンサーの感度を示す数値であり、2007年International Image Sensor Workshop(Ogunquit Maine、USA)の概要集に記載されたJuha Alakarhuの“Image Sensors and Image Quality in Mobile Phones”方法で測定された数値であり、シグナルとノイズの比が10になる最小照度をluxで表したものである。
したがって、YSNR10の値は、小さければ小さいほど感度が高いと言える。
【0139】
一方、色再現性(ΔE*ab)はX-Riteチャートの標準色に対してどの程度の差があるかを示す数値であり、ΔE*abは、CIE(国際照明委員会)が1976年にL*a*b*色空間上の2点間の距離を示す数値と規定したものである。
例えば、色差は、下記に示す数式1によって計算できる。
【数1】
(上記数式1中、
ΔL*は、常温(20℃~25℃)での色座標L*と比較する時、色座標L*の変化を示し、
Δa*は、常温での色座標a*と比較する時、色座標a*の変化を示し、
Δb*は、常温での色座標b*と比較する時、色座標b*の変化を示す。)
【0140】
高感度と色再現性の高いイメージセンサーを作るためには、「ΔE*ab≦3」で「YSNR10≦100lux以下」である必要があるが、本発明の化合物を使用する場合、「ΔE*ab≦3」で「YSNR10≦100lux」の感度と色再現性を実現することができる。
イメージセンサーは、多様な電子装置に適用でき、例えば、モバイルフォン、デジタルカメラなどに適用できるが、これに限定されるのではない。
【0141】
図9は、本発明の一実施形態によるイメージセンサーを含むデジタルカメラの概略構成を示すブロック図である。
図9を参照すると、デジタルカメラ1000は、レンズ1010、イメージセンサー1020、モータ1030、及びエンジン1040を含む。
イメージセンサー1020は、図3図8に示した実施形態によるイメージセンサーの内のいずれか一つであり得る。
【0142】
レンズ1010は、入射光をイメージセンサー1020に集光する。
イメージセンサー1020は、レンズ1010を通じて受光された光に対してRGBデータを生成する。
一実施形態で、イメージセンサー1020は、エンジン1040とのインターフェースを有する。
モータ1030は、レンズ1010の焦点を調節するか、エンジン1040から受けたコントロール信号に対応してシャッターを調節する。
エンジン1040は、イメージセンサー1020とモータ1030を調節する。
エンジン1040は、ホスト/アプリケーション1050に接続される。
【0143】
図10は、本発明の一実施形態による電子装置の概略構成を示すブロック図である。
図10を参照すると、電子装置1100は、バス1110を介して互いに電気的に接続されるプロセッサ1120、メモリ1130、及びイメージセンサー1140を含む。
イメージセンサー1140は、前述した実装形態の内の一つによるものであり得る。
【0144】
メモリ1130は、非一時的(non-transitory)コンピュータ読み取り可能媒体であり得、コマンドプログラムを保存する。
メモリ1130は、フラッシュメモリ、PRAM(Phase-Change Random Access Memory)、MRAM(Magneto-Resistive RAM)、ReRAM(Resistive RAM)又はFRAM(登録商標)(Ferro-electric RAM)のような不揮発性メモリ又は静的(static)RAM(SRAM)、動的(dynamic)RAM(DRAM)又は同期式(synchronous)DRAM(SDRAM)のような不揮発性メモリであり得る。
【0145】
プロセッサ1120は、1つ以上の機能を実行するために保存されたコマンドプログラムを実行する。
例えば、プロセッサ1120は、イメージセンサー(有機センサー)1140で生成された電気的信号を処理するように構成される。
プロセッサ1120は、論理回路を含むハードウェアのような処理回路(processing circuitry)、ソフトウェアを実行するプロセッサのようなハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ、又はそれらの組み合わせであり得る。
例えば、処理回路は、より具体的には、中央処理装置(CPU)、算術論理装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System-on-Chip)、プログラミング可能論理装置、マイクロプロセッサ、ASIC(application-specific integrated circuit)などであり得る。
プロセッサ1120は、このような処理に基づいて出力(例えば、ディスプレイインタフェースに表示されるイメージ)を生成するように構成される。
【0146】
以下、実施例を通じて前述の実施形態をより詳細に説明する。
但し、下記の実施例は、単に説明の目的のためのものであり、範囲を制限するのではない。
【0147】
<<実施例>>
<合成例1:化学式1-1で表される化合物の合成>
【化1-1】
【化react1-1】
【0148】
(i)化合物1-1Aの合成
5-クロロテルロフェン-2-カルバルデヒド(5-chlorotellurophene-2-carbaldehyde)3.1g(12.6mmol)及び1,3-ジメチル-2-チオキソジヒドロピリミジン-4,6(1H,5H)-ジオン(1,3-dimethyl-2-thioxodihydropyrimidine-4,6(1H,5H)-dione)2.6g(15.1mmol)をエタノール50ml中で6時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(メチレンクロライド)して化合物1-1A(5-((5-chlorotellurophen-2-yl)methylene)-1,3-dimethyl-2-thioxodihydropyrimidine-4,6(1H,5H)-dione)4.5g(収率90%)を得る。
【0149】
(ii)化学式1-1で表される化合物の合成
化合物(1-1A)2.2g(5.7mmol)と2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール(2,3-dihydro-1H-benzo[f]isoindole)1.9g(11.34mmol)を1,4-ジオキサン(1,4-dioxane)200mlに滴下した後、トリエチルアミン(triethylamine)0.01mlを入れて100℃で12時間攪拌する。
常温(24℃)に冷まして析出させた後、ろ過して精製する。
クロロホルムを用いて再結晶して化学式1-1で表される化合物2.00g(収率67.0%)を得る。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):δ8.46(s.1H)、8.27(d、1H)、7.84(m、2H)、7.71(s、2H)、7.45(m、2H)、6.94(d、1H)、4.35(s、4H)、3.71(s、1H)、3、66(s、1H)。
【0150】
<合成例2:化学式1-2で表される化合物の合成>
【化1-2】
【化react1-2】
【0151】
(i)化合物1-2Aの合成
5-クロロテルロフェン-2-カルバルデヒド3.3g(13.5mmol)及び1H-インデン-1,3(2H)-ジオン(1H-indene-1,3(2H)-dione)2.4g(16.2mmol)をエタノール50ml中で6時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(メチレンクロライド)して化合物1-2A(2-((5-chlorotellurophen-2-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dione)4.4g(収率88%)を得る。
【0152】
(ii)化学式1-2で表される化合物の合成
化合物(1-2A)2.2g(6.0mmol)と2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール2.0g(11.9mmol)を1,4-ジオキサン200mlに滴下した後、トリエチルアミン0.01mlを入れて100℃で12時間攪拌する。
常温(24℃)に冷まして析出させた後、ろ過して精製する。
クロロホルムを用いて再結晶して化学式1-2で表される化合物2.1g(収率70.0%)を得る。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):δ8.43(s.1H)、8.24(d、1H)、7.82(m、2H)、7.7-7.68(m、6H)、7.41(m、2H)、7.04(d、1H)、4.3(s、4H)。
【0153】
<合成例3:化学式1-3で表される化合物の合成>
【化1-3】
【化react1-3】
【0154】
(i)化合物1-1Aの合成
5-クロロテルロフェン-2-カルバルデヒド3.1g(12.6mmol)及び11,3-ジメチル-2-チオキソジヒドロピリミジン-4,6(1H,5H)-ジオン2.6g(15.1mmol)をエタノール50ml中で6時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(メチレンクロライド)して化合物1-1A(5-((5-chlorotellurophen-2-yl)methylene)-1,3-dimethyl-2-thioxodihydropyrimidine-4,6(1H,5H)-dione)4.5g(収率90%)を得る。
【0155】
(ii)化合物1-3の合成
化合物(1-1A)2.4g(6.0mmol)とイソインドール(isoindole)1.4g(12.0mmol)を1,4-ジオキサン200mlに滴下した後、トリエチルアミン0.01mlを入れて100℃で12時間攪拌する。
常温(24℃)に冷まして析出させた後、ろ過して精製する。
クロロホルムを用いて再結晶して化学式1-3で表される化合物2.4g(収率80.0%)を得る。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):δ8.46(s.1H)、8.27(d、1H)、7.69(dd、2H)、7.45(dd、2H)、6.94(d、1H)、4.35(s、4H)、3.71(s、1H)、3、63(s、1H)。
【0156】
<合成例4:化学式1-4で表される化合物の合成>
【化1-4】
【化react1-4】
【0157】
(i)化合物1-2Aの合成
5-クロロテルロフェン-2-カルバルデヒド3.3g(13.5mmol)及び1H-インデン-1,3(2H)-ジオン2.4g(16.2mmol)をエタノール50ml中で6時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(メチレンクロライド)して化合物1-2A(2-((5-chlorotellurophen-2-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dione)4.4g(収率88%)を得る。
【0158】
(ii)化学式1-4で表される化合物の合成
化合物(1-2A)2.2g(6.0mmol)とイソインドール1.4g(11.9mmol)を1,4-dioxane 200mlに滴下した後、トリエチルアミン0.01mlを入れて100℃で12時間攪拌する。
常温(24℃)に冷まして析出させた後、ろ過して精製する。
クロロホルムを用いて再結晶して化学式1-4で表される化合物2.2g(収率73。0%)を得る。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):δ8.45(s.1H)、8.19(d、1H)、7.7-7.68(m、8H)、7.04(d、1H)、4.3(s、4H)。
【0159】
<参考合成例1:化学式2-1で表される化合物(2-((5-10H-phenoselenazin-10-yl)tellurophen-2-yl)methylene)-1H-indene-1,3(2H)-dione)の合成>
【化2-1】
【化react2-1】
【0160】
(i)化合物2-1Aの合成
2-ヨードテルロフェン10.0g(32.7mmol)及び10H-フェノセレナジン(10H-phenoselenazine)6.17g(25.2mmol)を無水トルエン100ml中で5mol%のPd(dba)2、5mol%のP(tBu)3及び2.66g(27.7mmol)のNaOtBu存在下で、2時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(トルエン:ヘキサン=1:4体積比)して化合物2-1A(10-(tellurophen-2-yl)-10H-phenoselenazine)4.25g(収率39.8%)を得る。
【0161】
(ii)化合物2-1Bの合成
6.0mlのN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)に1.84mlの塩化ホスホリル(phosphoryl chloride)を-15℃で滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
これを200mlのジクロロメタン(dichloromethane)と4.25gの化合物2-1Aを混合したものに-15℃で徐々に滴下した後、常温(24℃)で30分間攪拌し減圧濃縮する。
ここに100mlの水を追加し、pH値が14になるまで水酸化ナトリウム水溶液(aqueous sodium hydroxide solution)を追加した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した有機層を塩化ナトリウム水溶液(aqueous sodium chloride solution)で洗浄(wash)した後、無水硫酸マグネシウム(magnesium sulfate anhydrous)を入れて乾燥させる。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ヘキサン:エチルアセテート=4:1の体積比)して化合物2-1B(5-(10H-phenoselenazin-10-yl)tellurophene-2-carbaldehyde)2.50g(収率55.2%)を得る。
【0162】
(iii)化学式2-1で表される化合物の合成
得られた化合物(2-1B)2.50g(4.21mmol)をエタノールに懸濁させ、ここに1H-インデン-1,3(2H)-ジオン0.74g(5.05mmol)を添加して、50℃で2時間反応させて化学式2-1で表される化合物2.02g(収率82.8%)を得る。
得られた化合物を昇華精製して純度99.9%まで精製する。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d):δ7.87(s、1H)、7.72(m、6H)、7.49(m、4H)、7.34(m、3H)、6.82(d、1H)。
【0163】
<参考合成例2:化学式2-2で表される化合物(5-((5-(10H-phenoselenazin-10-yl)tellurophen-2-yl)methylene)-1,3-dimethyl-2-thioxodihydropyrimidine-4,6(1H,5H)-dione)の合成>
【化2-2】
【化react2-2】
【0164】
(i)化合物2-1Aの合成
2-ヨードテルロフェン10.0g(32.7mmol)及び10H-phenoselenazine6.17g(25.2mmol)を無水トルエン100ml中で5mol%のPd(dba)、5mol%のP(tBu)及び2.66g(27.7mmol)のNaOtBu存在下で、2時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(トルエン:ヘキサン=1:4体積比)して化合物2-1A(10-(tellurophen-2-yl)-10H-phenoselenazine)4.25g(収率19.6%)を得る。
【0165】
(ii)化合物2-1Bの合成
6.0mlのN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)に1.84mlの塩化ホスホリル(phosphoryl chloride)を-15℃で滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
これを180mlのジクロロメタン(dichloromethane)と4.25gの化合物2-1Aを混合したものに-15℃で徐々に滴下した後、常温(24℃)で30分間攪拌し減圧濃縮する。
ここに100mlの水を追加し、pH値が14になるまで水酸化ナトリウム水溶液(aqueous sodium hydroxide solution)を追加した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した有機層を塩化ナトリウム水溶液(aqueous sodium chloride solution)で洗浄(wash)した後、無水硫酸マグネシウム(magnesium sulfate anhydrous)を入れて乾燥させる。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ヘキサン:エチルアセテート=4:1の体積比)して化合物2-1B(5-(10H-phenoselenazin-10-yl)tellurophene-2-carbaldehyde)2.50g(収率55.2%)を得る。
【0166】
(iii)化学式2-2で表される化合物の合成
得られた化合物(2-1B)1.90g(4.21mmol)をエタノールに懸濁させ、ここに1,3-ジメチル-2-チオキソジヒドロピリミジン-4,6(1H,5H)-ジオン0.87g(5.05mmol)を添加して、50℃で2時間反応させて化学式2-2で表される化合物2.02g(収率79.2%)を得る。
得られた化合物を昇華精製して純度99.9%まで精製する。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d):δ8.29(s、1H)、7.83(d、1H)、7.73(d、2H)、7.51(d、2H)、7.37(t、2H)、6.99(t、2H)、5.32(d、1H)、3.67(d、6H)。
【0167】
<参考合成例3:化学式2-3で表される化合物の合成>
【化2-3】
【化react2-3】
【0168】
(i)化合物2-3Aの合成
2-ヨードテルロフェン15.2g(49.9mmol)及び10H-フェノキサジン(10H-phenoxazine)7.6g(41.6mmol)を無水トルエン150ml中で5mol%のPd(dba)、5mol%のP(tBu)及び10.4g(107.9mmol)のNaOtBu存在下で、2時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(トルエン:ヘキサン=1:4体積比)して化合物2-3A(10-(tellurophen-2-yl)-10H-phenoxazine)9.1g(収率61.0%)を得る。
【0169】
(ii)化合物2-3Bの合成
4.0ml(51.4mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)に1.25ml(13.4mmol)の塩化ホスホリル(phosphoryl chloride)を-15℃で滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
これを200mlのジクロロメタン(dichloromethane)と3.7g(10.6mmol)の化合物(2-3A)を混合したものに-15℃で徐々に滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ここに100mlの水を追加し、pH値が14になるまで水酸化ナトリウム水溶液(aqueous sodium hydroxide solution)を追加した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した有機層を塩化ナトリウム水溶液(aqueous sodium chloride solution)で洗浄(wash)した後、無水硫酸マグネシウム(magnesium sulfate anhydrous)を入れて乾燥させる。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ヘキサン:エチルアセテート=4:1の体積比)して化合物2-3B(5-(10H-phenoxazin-10-yl)tellurophene-2-carbaldehyde)3.5g(収率88.0%)を得る。
【0170】
(iii)化学式2-3で表される化合物の合成
得られた化合物(2-3B)1.18g(3.0mmol)をエタノールに懸濁させ、ここに1,3-ジメチル-2-チオキソジヒドロピリミジン-4,6(1H,5H)-ジオン0.63g(3.6mmol)を添加して、50℃で2時間加熱還流する。
常温(24℃)に冷却した後、ヘキサンを添加する。
粉末が形成されれば、ろ過した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ジクロロメタン)して化学式2-3で表される化合物1.25g(収率83.0%)を得る。
得られた化合物を昇華精製して純度99.9%まで精製する。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):δ8.50(s、1H)、8.31(d、1H)、7.81(d、2H)、7.48(t、2H)、7.43-7.36(m、4H)、7.06(d、1H)、3.7(d、6H)。
【0171】
<参考合成例4:下記に示す化学式2-4で表される化合物の合成>
【化2-4】
【化react2-4】
【0172】
(i)化合物2-4Aの合成
2-ヨードテルロフェン11.7g(38.2mmol)及び10H-フェノチアジン(10H-phenothiazine)6.3g(31.8mmol)を無水トルエン150ml中で5mol%のPd(dba)2、5mol%のP(tBu)3及び9.2g(95.5mmol)のNaOtBu存在下で、2時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(トルエン:ヘキサン=1:4体積比)して10-(tellurophen-2-yl)-10H-phenothiazine7.0g(収率58.0%)を得る。
【0173】
(ii)化合物2-4Bの合成
5.3ml(67.9mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)に1.6ml(17.6mmol)の塩化ホスホリル(phosphoryl chloride)を-15℃で滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
これを200mlのジクロロメタン(dichloromethane)と5.1g(13.6mmol)の化合物2-4Aを混合したものに-15℃で徐々に滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ここに100mlの水を追加し、pH値が14になるまで水酸化ナトリウム水溶液(aqueous sodium hydroxide solution)を追加した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した有機層を塩化ナトリウム水溶液(aqueous sodium chloride solution)で洗浄(wash)した後、無水硫酸マグネシウム(magnesium sulfate anhydrous)を入れて乾燥させる。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ヘキサン:エチルアセテート=4:1の体積比)して化合物2-4B(5-(10H-phenothiazine-10-yl)tellurophene-2-carbaldehyde)3.5g(収率88.0%)を得る。
【0174】
(iii)化学式2-4で表される化合物の合成
得られた化合物(2-4B)1.09g(2.7mmol)をエタノールに懸濁させ、ここに1,3-ジメチル-2-チオキソジヒドロピリミジン-4,6(1H,5H)-ジオン0.55g(3.2mmol)を添加して、50℃で2時間加熱還流する。
常温(24℃)に冷却した後、ヘキサンを添加する。
粉末が形成されれば、ろ過した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ジクロロメタン)して化学式2-4で表される化合物1.30g(収率87.0%)を得る。
得られた化合物を昇華精製して純度99.9%の化学式2-4で表される化合物を得る。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):δ8.50(s、1H)、8.31(d、1H)、7.81(d、2H)、7.48(t、2H)、7.55(d、2H)、7.36(d、2H)、7.04(1、2H)、3.7(d、6H)。
【0175】
<参考合成例5:下記化学式2-5で表される化合物の合成>
【化2-5】
【化react2-5】
【0176】
(i)化合物2-5Aの合成
2-ヨードセレノフェン(化合物(1))2.0g(7.80mmol)及びジフェニルアミン1.2g(7.09mmol)を無水トルエン30ml中で5mol%のPd(dba)、5mol%のP(tBu)及び0.75g(7.80mmol)のNaOtBu存在下で、2時間加熱還流する。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(トルエン:ヘキサン=1:4体積比)して化合物(2-5A)1.40g(収率:66.2%)を得る。
【0177】
(ii)化合物2-5Bの合成
6.0mlのN,N-ジメチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide)に1.75mlの塩化ホスホリル(phosphoryl chloride)を-15℃で滴下した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
これを60mlのジクロロメタン(dichloromethane)と1.4gの化合物2-5Aを混合したものに-15℃で徐々に滴下した後、常温(24℃)で30分間攪拌し減圧濃縮する。
ここに100mlの水を追加し、pH値が14になるまで水酸化ナトリウム水溶液(aqueous sodium hydroxide solution)を追加した後、常温(24℃)で2時間攪拌する。
ジクロロメタン(dichloromethane)で抽出した有機層を塩化ナトリウム水溶液(aqueous sodium chloride solution)で洗浄(wash)した後、無水硫酸マグネシウム(magnesium sulfate anhydrous)を入れて乾燥させる。
得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離精製(ヘキサン:エチルアセテート=4:1の体積比)して化合物(2-5B)1.0g(収率65.3%)を得る。
【0178】
(iii)化学式2-5で表される化合物の合成
得られた化合物(2-5B)0.33g(1.09mmol)をエタノールに懸濁させ、1,3-ジメチル-2-チオバルビツール酸(1,3-dimethyl-2-thiobarbituric acid)0.23g(1.3mmol)を添加して、50℃で2時間反応させて化学式2-5で表される化合物0.47g(収率:90%)を得る。
H-NMR(500MHz、Methylene Chloride-d2):8.5(s、1H)、7.9(d、1H)、7.5-7.3(m、10H)、6.6(d、1H)、3.7(d、6H)
【0179】
<<実施例1:光電素子の製作>>
ガラス基板の上にITOをスパッタリングで積層して約150nm厚さのアノードを形成して製造されたITOガラス基板を、アセトン/イソプロピルアルコール/純粋でそれぞれ15分間超音波洗浄した後、UVオゾン洗浄した。
次いで、合成例1による化合物とC60を1:1の体積比で共蒸着して1000nm厚さの活性層を形成した後、上部にAlを70nm真空蒸着してITO(150nm)/活性層(1000nm)/Al(70nm)構造を有する光電素子を製作する。
【0180】
<<実施例2~4及び参考例1~5:光電素子の製作>>
合成例1の化合物の代わりに合成例2~合成例4による化合物、及び参考合成例1~5による化合物をそれぞれ使用したことを除いて実施例1と同様な方法で実施例2~4及び参考例1~5による光電素子を製作する。
【0181】
<<評価1:化合物の吸光特性>>
合成例1~4による化合物の波長による吸光特性(最大吸収波長、半値幅及び吸光係数)を評価する。
合成例1~4による化合物をそれぞれの化合物(p型半導体)とC60(n型半導体)を1:1の体積比で共蒸着して薄膜を形成した後、それぞれの薄膜に対して「Cary 5000 UV spectroscopy」(Varian社製造)を使用して紫外線-可視光線(UV-Vis)領域で吸光特性を評価する。
その結果を表1に示す。
【表1】
表1を参照すると、合成例1~4による化合物の最大吸収波長が緑色波長領域であり、半値幅が低く、吸光係数が高いことが確認された。
したがって、合成例1~4による化合物が緑色波長領域で高い波長選択性を有するのを確認することができる。
【0182】
<<評価2:化合物の平面性>>
合成例1~4及び参考合成例1~5による化合物に対して「Dihedral Functional Theory」(DFT)計算を通じてエネルギー的に最適化された構造の分子骨格を計算し、当該分子骨格において最も長い長さである長軸(X)の長さと最も短い長さである短縮(Z)の長さの値を測定して短縮/長軸長さの比(Z/X)を計算してアスペクト比とした。
その結果を表2に示す。
【表2】
表2を参照すると、合成例1~4による化合物のアスペクト比は参考合成例1~5による化合物に比べて低いのが分かる。
これから、合成例1~4による化合物が平面性を維持するのが分かる。
【0183】
<<評価3:光電素子の移動度(mobility)評価>>
光電素子の移動度を評価するために実施例1~4及び参考例1~5による光電素子に550nmの光(laser pulse(pulse width:6nm)を照射後、bias(V)電圧を印加して、光電流(photocurrent)を測定する。
測定された光電流が最大になる時間(t)を測定して下記に示す数式2で移動度(μ)を計算する。
【数2】
上記数式2中、Tは活性層の厚さであり、tは光電流値が最大であり時の時間であり、Vは印加電圧である。
その結果を表3に示す。
【表3】
表3を参照すると、合成例1~4の化合物を含む実施例1~4の光電素子の移動度が参考合成例1~5の化合物を含む参考例1~5の光電素子に比べて移動度が優れているのが分かる。
【0184】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0185】
10 第1電極
20 第2電極
30 活性層
40、45 電荷補助層
50B、50R 光感知素子
55 電荷貯蔵所
60 下部絶縁層
70、72 カラーフィルタ層
70B、72B 青色フィルタ
70R、72R 赤色フィルタ
80 上部絶縁層
85 貫通口
100、200 光電素子
300、400、500、600 有機CMOSイメージセンサー
310 半導体基板
1000 デジタルカメラ
1010 レンズ
1020 イメージセンサー
1030 モータ
1040 エンジン
1050 ホスト/アプリケーション
1100 電子装置
1110 バス
1120 プロセッサ
1130 メモリ
1140 イメージセンサー(有機センサー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10